本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図4参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
また、ドア開放検出スイッチ25は、後述するように設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が搭載された電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面に設けられている。また、電源ボックス100は、筐体1a内部の下方位置に設けられているのに対し、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部の上方位置に設けられている。すなわち、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部において、電源ボックス100が設けられている位置に対し、対角する位置に設けられている。
尚、ドア開放検出スイッチ25は、電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面あるいは電源ボックス100と対角する位置において、前面扉1bの開放状態を検出するものであれば、筐体1aに設けられているものに限らず、前面扉1bの内側に設けられているものであっても良い。
本実施例におけるドア開放検出スイッチ25としては、反射型の光センサを採用している。例えば、光センサは、光(可視光線、赤外線など)を発射する投光部と、該光を検出する受光部とを含み、投光部は所定方向に光を発射し、受光部は投光部から発射された光のうち前面扉1bが閉鎖状態であるときにのみ当該前面扉1bに設けられている反射部材によって反射された光を検出することにより、前面扉1bが閉鎖状態であることを特定可能に構成されている。尚、ドア開放検出スイッチ25は、前面扉1bの開閉状態を検出できるものであれば良く、反射型の光センサに限るものではなく、透過型のものであっても良く、また前面扉1bの開閉状態に応じてon/offするスイッチであっても良い。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5の全てが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、5本の入賞ライン、すなわち複数本の入賞ラインを適用しているが、入賞ラインが1本のみの構成であっても良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールが1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。尚、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図5に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されれば良い。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていれば良い。尚、固有情報記憶回路503は、例えばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしても良い。或いは、固有情報記憶回路503は、例えばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしても良い。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図5に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。尚、電源スイッチ39を一旦off状態にし、設定キースイッチ37をon状態として電源スイッチ39をonさせる操作を行うことにより、設定変更状態に移行されるため、当該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
本実施例においては、前面扉1bを開放状態とすることにより設定変更操作を行うことが可能となるため、当該前面扉1bが開閉体であるといえる。また、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が開閉状態検出手段であるといえる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブ制御部91は電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタをRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41に搭載されているRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、仮想滑りコマテーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にメイン制御部41のRAMのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。
未使用領域は、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
メイン制御部41は、スロットマシンにおける遊技の進行に応じて、当該遊技を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能となるようにRAMの格納領域に格納する。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時においてメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化1において初期化される情報には、例えば、電断時にバックアップされていた情報(設定されていた賭数を特定するための情報、BB当選を特定するための情報など)が含まれる。これにより、初期化1が行われたときには、電断前に賭数が設定されていたとしても当該賭数が設定された状態に復帰されることがなく、また、電断前にBB当選していたとしてもBB当選状況に復帰されることがない。これにより、設定変更状態となる前の遊技状態を設定変更状態となった後に引き継がれることを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、いずれの遊技状態においても規定数として3が定められているため、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
本実施例では、リールの停止制御の方法として、予めROM506に登録されている滑りコマ数データ(停止操作位置に応じた滑りコマ数を示すデータ)による停止制御(以下テーブル方式とも呼ぶ)、停止操作のタイミング毎に引込可能位置を検索し、その検索結果に基づく停止制御(以下コントロール方式とも呼ぶ)の2つの方法を採用しており、内部抽選の結果、リールの停止状況に応じていずれかの方法によって停止制御を行う。
テーブル方式によって停止制御を行う際に用いる滑りコマ数データは、ROM506に予め登録されており、ROM506に格納されているテーブルインデックスを参照して選択される。
滑りコマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを335ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、図10に示すように、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、滑りコマ数データには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、滑りコマ数データを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
ここで停止制御の方法別の停止制御の内容について説明する。
まず、メイン制御部41が、テーブル方式によって停止制御を行う場合には、図8に示すように、リールの回転が開始したとき、またはリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階においてテーブルインデックスを参照し、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールがある場合には、そのリールの停止位置に対応する滑りコマ数データの滑りコマ数データを選択する。
そして、選択した滑りコマ数データを展開してRAM507に割り当てられた仮想滑りコマテーブル(図10参照)に格納する。
仮想滑りコマテーブルは、図10に示すように、各リール毎に、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ格納されるテーブルであり、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数が、該当するリールの該当する領域番号に対応して格納されることとなる。
その後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
詳しくは、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
次に、メイン制御部41が、コントロール方式によって停止制御を行う場合には、図9に示すように、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階において未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止操作位置毎に内部抽選の結果に対応する停止位置(当選役が入賞ライン上に揃う停止位置)を検索する。
詳しくは、停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数別の停止位置を特定し、これらの停止位置のそれぞれについて不正入賞(内部抽選で当選していない役)の判定及び停止禁止位置(停止した場合に、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置)の判定を行い、不正入賞や停止禁止位置である場合には、停止禁止位置フラグを設定する。
そして、0〜4の滑りコマ数別の停止位置が当選役が入賞ライン上に揃う停止位置か否かの判定を役に応じた順番で行い、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合には、更に、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されているか否かの判定を行い、停止禁止位置フラグが設定されていなければ、その停止位置を取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。
また、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合でも、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されていれば、次の停止位置についての判定を行う。また、全ての滑りコマ数の停止位置の判定を行っても当選役が入賞ライン上に揃う停止位置がない場合には、最後に判定した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルの該当するリール、該当する停止操作位置の領域番号に格納する。また、最後に判定した停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されている場合には、停止禁止位置フラグが設定されていない停止位置まで遡って取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。尚、本実施例では、後述するように「ベル」、「リプレイ」の図柄が全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されており、0〜4コマの範囲でリールを引き込んで停止させることにより必ずベルまたはリプレイを入賞ライン上に揃えることが可能となる。
仮想滑りコマテーブルにおける回転中のリールの全ての領域番号に対して滑りコマ数が格納された後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
また、本実施例では、滑りコマ数が必ず0〜4の範囲となるため、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、いずれかの役に当選している場合に対応するアドレスには、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた滑りコマ数データを特定するインデックスデータが格納されているとともに、コントロール方式で停止操作を行う場合にも、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納される。
このため、いずれかの役に当選している場合には、停止制御の方法に関わらず、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
図3に示すように、全てのリールにおける「ベル」、「リプレイ」は、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されているので、「リプレイ」または「ベル」を構成図柄とする入賞の当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「リプレイ」または「ベル」を入賞ラインに停止させることが可能となる。
一方で、「黒7」、「網7」、「白7」、「スイカ」など4コマを超える間隔にて配置されている図柄は、これらの図柄を構成図柄とする入賞の当選時において、引込範囲となるタイミングで該当するリールの停止操作を行えば入賞ラインに停止させることが可能となるが、引込範囲外のタイミングで該当するリールの停止操作を行えば、入賞ラインに停止させることができず、取りこぼすこととなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。
尚、本実施例では、特別役と小役が同時に当選している場合に、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる構成であるが、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる構成としても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラー等の発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制するようになっている。
尚、本実施例では、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する構成であるが、少なくとも1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する構成であれば良く、1ゲームにおけるリールの回転開始以外の一のタイミング(例えば、ゲーム終了時など)からゲーム時間の計時を開始し、次のゲームにおける同じ一のタイミングまでに所定の規制時間が経過していれば遊技を進行可能とする一方、次のゲームにおける同じ一のタイミングまでに所定の規制時間が経過していなければ遊技を進行させず所定の規制時間が経過するまで待機し、所定の規制時間が経過した時点で遊技を進行可能とすることで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時及びゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、その後エラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間間隔毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
ドアコマンドは、電源投入時または1ゲーム終了時、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時に、タイマ割込処理(メイン)において生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)が5回実行される毎に生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示す投入枚数コマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
このスロットマシン1における役としては、図6に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナスをBB(1)(2)とする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組み合わせが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出され、右リールの、左リールに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」または「リプレイ」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が480枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。
本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、RB、BB(1)、BB(2)、RB+スイカ、RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(1)+チェリー、BB(2)+スイカ、BB(2)+チェリー、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRB(BB)であれば、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
内部抽選では、前述のように内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
本実施例では、図7に示すように、RB+スイカの当選確率をA1、BB(1)+スイカの当選確率をA2、BB(2)+スイカの当選確率をA3、スイカの当選確率をA4、RB+チェリーの当選確率をB1、BB(1)+チェリーの当選確率をB2、BB(2)+チェリーの当選確率をB3、チェリーの当選確率をB4とした場合、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+スイカの当選確率とスイカの当選確率の合算値(A1+A2+A3+A4)に占める特別役+スイカの当選確率(A1+A2+A3)の比率の方が、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+チェリーの当選確率とチェリーの当選確率の合算値(B1+B2+B3+B4)に占める特別役+チェリーの当選確率(B1+B2+B3)の比率よりも高くなるように、A1〜4、B1〜4の確率がそれぞれ定められている。
このため、チェリーが当選している場合よりも、スイカが当選している場合の方が、特別役と同時に当選している比率が高く、チェリーが当選している場合よりも、スイカが当選している場合の方が、特別役の当選に対して期待できるようになっている。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図11〜図18に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセット要因が発生すると、図11のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。尚、リセット要因としては、電源投入時において外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するシステムリセットや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなどのユーザリセットがある。このため、起動処理(メイン)は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時及びメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理(メイン)では、まず、CPU505がROM506から読み出したセキュリティチェックプログラムに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、ROM506に記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
メイン制御部41は、Sa1のセキュリティチェック処理の終了後、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、所定のレジスタの値を初期化する(Sa3)。レジスタの初期化により、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスや、メイン制御部41のRAMの格納領域を参照する際の基準アドレスなどが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、メイン制御部41のRAMへのアクセスを許可し(Sa4)、メイン制御部41のRAMの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa5)、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa6)。
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa7)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa7のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、メイン制御部41のRAMに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa31)、設定キースイッチ37がonであれば、プログラム管理エリアに記憶されている乱数初期設定を読み出して乱数回路設定処理を実行した後(Sa22)、乱数発生回路42における動作異常の有無を検査するための乱数回路異常検査処理を実行する(Sa23)。
Sa23のステップにおける乱数回路異常検査処理の後、乱数回路509が異常であるか否か、すなわち乱数回路異常か否かを判定する(Sa24)。乱数回路異常か否かは、乱数回路異常を示すエラーコードが設定されているか否かによって判定する。Sa24のステップにおいて乱数異常と判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し(Sa20)、割込を許可して(Sa21)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa24のステップにおいて乱数異常ではないと判定された場合には、解除未確認フラグがRAM507の所定領域にセットされていないかが判定される(Sa25)。解除未確認フラグとは、1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定で、エラー発生と判定されたときにRAM507の所定領域にセットされ、当該エラーの原因が実際に解消されたと判定されたときにクリアされるフラグをいう。このため、解除未確認フラグがセットされている状態とは、エラーが発生したが当該エラーの原因が実際に解消されたことを確認できていない状態(以下では、解除未確認状態ともいう)をいう。1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定については、図18を用いて詳述する。
Sa25のステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されなかったとき、すなわち解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがon状態であるが設定変更状態に制御できない設定変更不能を示すエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sa26)。サブ制御部91は、設定変更不能を示すエラーコマンドを受信すると、後述する特別解除促進演出を実行させる。
また、設定キースイッチがon状態であるが、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、対応するエラーコードを設定する。これにより、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、対応するエラー解除コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
このように、Sa25では、電源スイッチ39がoffからonとなったとき(電源投入時)であって、設定キースイッチ37がonを特定するための検出信号が出力されている所定状態(以下では、特定操作状態ともいう)となったときに、解除未確認フラグがセットされているか否かが判定され、セットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることなく、かつ設定変更状態に制御されることがない。すなわち、電源投入時において特定操作状態となったときであっても、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることが禁止され、かつ設定変更状態に制御されることが禁止される。
一方、Sa25のステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されたとき、すなわちエラー原因が実際に解除されたことを確認済みであると判定されたときには、RAM507の格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1(いわゆるRAMクリア)を実行した後(Sa28)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sa29)。次いで、割込を許可して(Sa30)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。設定変更処理では、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がoffされるまで継続される。
Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し(Sa33)、割込を許可して(Sa34)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa7のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、メイン制御部41のRAMのデータが正常ではないので、Sa31のステップに移行して、設定キースイッチ37がonであれば、乱数回路設定処理(Sa22)、乱数回路異常検査処理(Sa23)を順次行い、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa20)の後、割込を許可して(Sa21)、エラー処理に移行する。
一方、乱数回路異常でなければ、Sa25に移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa28)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信(Sa29)した後、割込を許可して(Sa30)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信(Sa26)して後述する特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示しかつ対応するエラーフラグをセットし(Sa27)、Sa15の処理へ移行する。図18のエラー割込処理で説明するように、エラーフラグがセットされてから所定のクリア操作がされてクリアされるまで、ゲームを進行させないように不能化する制御が行われる。
また、Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドの送信(S33)の後、割込を許可して(Sa34)、エラー処理に移行する。
Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM507のデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa9)、RAM507の非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa10)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa11)、設定キースイッチ37がonであれば、乱数回路設定処理(Sa22)、乱数回路異常検査処理(Sa23)を順次行い、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa20)の後、割込を許可して(Sa21)、エラー処理に移行する。一方、乱数回路異常でなければ、Sa25に移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa28)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信(Sa29)した後、割込を許可して(Sa30)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信(Sa26)して特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示し(Sa27)、Sa15の処理へ移行する。
Sa11のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、Sa22のステップと同じ乱数回路設定処理(Sa12)、Sa23のステップと同じ乱数回路異常検査処理(Sa13)を実行し、乱数回路異常か否かを判定する(Sa14)。
Sa15のステップにおいて乱数回路異常であると判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa22)、割込を許可して(Sa23)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa14のステップにおいて乱数回路異常ではないと判定された場合には、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰させる(Sa15)。そして、乱数ラッチフラグレジスタの値に基づいて乱数値がラッチされているか否かを判定し(Sa16)、乱数値がラッチされていなければSa18のステップに進み、乱数値がラッチされていれば、乱数回路509の乱数値レジスタに格納されている数値データを読み出し(Sa17)、Sa18のステップに進む。尚、Sa17のステップにおいて乱数値レジスタから数値データが読み出されると乱数ラッチフラグレジスタがクリアされ、新たな数値データの取込が許可されることとなる。また、Sa17のステップにおいては、数値データを読み出すものの、読み出した数値データを用いる訳ではなく、スタートスイッチ7の操作に応じて新たな数値データの取込を可能とするためにダミーとして読み出すものである。
Sa18のステップでは、復帰コマンドをサブ制御部91に対して送信し、その後、割込を許可して(Sa19)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
前述したエラー処理では、RAM異常エラーまたは乱数回路異常を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示し、遊技を不能動化させるための不能化フラグを設定し、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。これにより、RAM異常エラーまたは乱数回路異常エラーは、初期化1が実行されない限り、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されず、元の状態に復帰することはない。一方、RAM異常、乱数回路異常以外によるエラーであれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除(後述するエラーフラグをクリア)してもとの処理に復帰する。
図12は、メイン制御部41が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
設定変更処理では、まず、メイン制御部41のRAMの設定値ワークに格納されている設定値を読み出して、読み出した値を表示値とし(Sc1)、表示値が設定可能な範囲(1〜6)外か否かを判定し(Sc2)、表示値が設定可能な範囲内であればSc4のステップに進み、表示値が設定可能な範囲外であれば、表示値を1に補正し、Sc4のステップに進む。
Sc4のステップでは、設定値表示器24に表示値を表示させた後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc5、Sc6)、Sc5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38のoffからonの変化が検出されると、エッジデータをクリアし(Sc7)、表示値を1加算し(Sc8)、Sc2のステップに戻る。尚、エッジデータとは、該当する操作スイッチの検出状態が変化した場合に、該当する操作スイッチの検出状態が変化した旨を示すデータである。よって、例えばスタートスイッチ7のエッジデータとは、スタートスイッチ7がoffからonに変化した旨またはonからoffに変化した旨を示すエッジデータをいう。
また、Sc6のステップにおいてスタートスイッチ7のoffからonの変化が検出された場合には、エッジデータをクリアし(Sc9)、設定値表示器24に表示されている値を0に更新し(Sc10)、設定キースイッチ37がoffの状態となるまで待機する(Sc11)。
Sc11のステップにおいて設定キースイッチ37のoffが判定されると、表示値を設定値ワークに格納して(Sc12)、遊技状態コマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sc13)。
Sc14のステップにおいては、遊技を不能動化させるための不能化フラグが設定されているか否か判定する。Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていないと判定されたときには、そのままゲーム処理に移行する。一方、Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていると判定されたときには、設定されている当該フラグをクリアし(Sc15)、ゲーム処理に移行する。これにより、不能化フラグが一旦設定されると設定変更状態に移行されるまで、当該フラグがクリアされないため、遊技を不能動化することができる。
図13は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM507に当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信されるようになっている。
図14〜図16は、メイン制御部41がSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM507において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Se1)、遊技状態に応じた規定数をRAM507に設定し(Se2)、RAM507にリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Se3)。
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、賭数が3加算された旨を示すBETコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se4)、BETカウンタの値を1加算し(Se5)、RAM507に設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Se6)、BETカウンタの値が規定数でなければSe5のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM507に設定し(Se7)、Se9のステップに進む。
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、投入待ち前の設定を行い(Se8)、Se9のステップに進む。投入待ち前の設定では、RAM507に設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。
Se9のステップでは、RAM507に投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。Se9のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Se10)、Se13のステップに進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se11)、Se12のステップに進む。
Se12のステップにおいては、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、解除未確認フラグがセットされていないか判定する(Se13)。
Se13のステップにおいて解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがon状態であるが、設定確認処理に移行できず設定値を確認できない確認不能を示すエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し(Se14)、Sa18の処理へ移行する。これにより、サブ制御部91は、設定確認処理に移行できない旨を示す確認不能演出を実行する。また、解除未確認状態であると判定されたときには、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、エラー解除コマンドがサブ制御部91に送信されて確認不能演出が終了される。
一方、Se13のステップにおいて解除未確認フラグがセットされておらず解除未確認状態でないと判定されたときには、BETカウンタの値が0か否かを判定する(Se15)。尚、設定確認処理に移行するためには、Se12のステップにおいて設定キースイッチ37がonと判定されかつSe15のステップにおいてBETカウンタの値が0と判定されることが条件となる。このため、Se13の判定処理は、Se12のステップにおいて設定キースイッチ37がonと判定されかつSe15のステップにおいてBETカウンタの値が0と判定された後に実行するようにしても良い。
Se15のステップにおいてBETカウンタの値が0であれば、確認開始コマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se16)、設定確認処理(Se17)、すなわち設定確認状態に移行する。Se17のステップにおける設定確認処理が終了した後は、Se9のステップに戻る。
設定確認処理では、まず、ペイアウト表示器13の表示値を待避し、RAM507に現在設定されている設定値を取得し、取得した設定値をペイアウト表示器13に表示する。その後、設定キースイッチ37がoffになるまで待機し、設定キースイッチ37がoffになると先に待避させていたペイアウト表示器13の表示値を復帰させた後、確認終了コマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し、設定確認処理を終了する。
Se12のステップにおいて設定キースイッチ37がonではない場合またはSe15のステップにおいてBETカウンタの値が0ではない場合には、Se18のステップに進み、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。Se18のステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Se28のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(Se19)、RAM507に投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Se20)、メダルの投入が可能な状態でなければSe28のステップに進む。
Se20のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、RAM507に設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Se21)、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算し(Se22)、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se23)、Se9のステップに戻る。
Se21のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、RAM507においてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Se24)、現在のクレジットカウンタの値を示すクレジットコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se25)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Se26)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se9のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをRAM507に設定し(Se27)、Se9のステップに戻る。
Se28のステップでは、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。
Se28のステップにおいてスタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていないと判定された場合には、Se38のステップに進み、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていれば、割込を禁止し(Se29)、エッジデータをクリアし(Se30)、他のスイッチがonの状態か否かを判定し(Se31)、いずれかのスイッチがonの状態であれば割込を許可して(Se32)、Se9のステップに戻る。
Se31のステップにおいて他のスイッチがいずれもonの状態でなければさらにRAM507に設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Se33)。
Se33のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、割込を許可して(Se32)、Se9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Se34)、割込を許可し(Se35)、投入不可フラグをRAM507に設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se36)、ゲーム開始時の設定を行う(Se37)。そして、Se37のステップの後、BET処理を終了して図13のフローチャートに復帰する。
このようにスタートスイッチ7のoffからonへの変化が検出された後、当該スタートスイッチ7の操作が無効とされるか、有効と判断され、乱数値格納ワークの値を抽選用ワークに設定するまでの間、割込が禁止されるようになっており、この間にタイマ割込処理(メイン)が実行され、乱数値格納ワークの値が書き換わってしまうことが防止されるようになっている。
Se38のステップにおいては、1枚BETスイッチ5のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。Se38のステップにおいて1枚BETスイッチ5のoffからonの変化が検出されていなければ、Se45のステップに進み、1枚BETスイッチ5のoffからonの変化が検出されていればエッジデータをクリアし(Se39)、RAM507に設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se40)。Se40のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se41)、クレジットカウンタの値が0であればSe9のステップに戻る。Se41のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se42)、BETカウンタの値を1加算して(Se43)、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se44)、Se9のステップに戻る。
Se45のステップにおいては、MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。Se45のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていなければ、Se53のステップに進み、MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていれば、エッジデータをクリアし(Se46)、RAM507に設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se47)。Se47のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、Se48のステップに進み、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0であれば、Se52のステップに進む。Se48のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se49)、BETカウンタの値を1加算して(Se50)、Se47のステップに戻る。Se52のステップでは、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ、Se9のステップに戻り、BETカウンタが加算されていれば、加算された数分賭数が加算された旨を示すBETコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信し(Se52)、Se9のステップに戻る。
Se53のステップにおいては、精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。Se55のステップにおいて精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されていなければ、Se9のステップに戻り、精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されていれば、エッジデータをクリアし(Se54)、RAM507にリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se55)、当該ゲームがリプレイゲームであればSe9のステップに戻る。Se55のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se56)、BETカウンタの値が0であればSe57のステップに進み、BETカウンタの値が0でなければ、既に設定済み賭数の精算を行う旨を示す賭数精算フラグをRAM507に設定し(Se57)、Se58のステップに進む。Se58のステップにおいては、ホッパーモータ34を駆動してクレジットカウンタまたはBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御、すなわちクレジットとして記憶されているメダルまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する制御が行われる精算処理を行う。そして、Se58のステップにおける精算処理の後、RAM507に設定されている投入不可フラグをクリアして(Se59)、Se9のステップに戻る。
図17は、メイン制御部41がSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Si1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Si2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Si3)。そして、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行う(Si5)。
滑りコマ数設定処理では、対応するリールの停止制御がテーブル方式によるものであれば、テーブルインデックスを参照し、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールがある場合には、そのリールの停止位置に対応する滑りコマ数データの滑りコマ数データを選択し、選択した滑りコマ数データを展開して仮想滑りコマテーブルに格納する。また、対応するリールの停止制御がコントロール方式によるものであれば、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止操作位置毎に内部抽選の結果に対応する停止位置を検索し、検索結果に基づいて取得された停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納する。
Si4のステップにおける滑りコマ数設定処理が完了した後、停止準備完了時の設定を行う(Si5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Si6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si7)、リール回転エラーが発生している場合には、リールの回転を一時的に停止し(Si12)、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定する(Si13)。これに伴い図18のエラー割込処理で説明するように、エラーフラグがセットされ、所定のクリア操作がされてエラーフラグがクリアされるまで、ゲームを進行させないように不能化する制御が行われる。
所定のクリア操作によりゲームの進行が不能化された状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転が再開する。この際、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数が再度設定されるようになっている。
Si7のステップにおいてリール回転エラーが発生していない場合には、回転中投入エラー(リール回転中、すなわちメダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び回転中払出エラー(リール回転中、すなわちメダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si8、Si9)、Si7〜Si9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si6のステップに戻る。
また、Si8のステップにおいて回転中投入エラーの発生が判定された場合、またはSi9のステップにおいて回転中払出エラーが判定された場合には、リールの回転を一時的に停止し(Si10)、リール回転中投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定する(Si11)。これに伴い図18のエラー割込処理で説明するように、エラーフラグがセットされ、所定のクリア操作がされてエラーフラグがクリアされるまで、ゲームを進行させないように不能化する制御が行われる。
所定のクリア操作によりゲームの進行が不能化された状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転が再開する。この際、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数が再度設定されるようになっている。
また、Si6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Si14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Si15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Si16)、全てのリールが停止していなければ、Si4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
また、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間、すなわちゲームの開始操作後、いずれかのストップスイッチが操作されるまでの間またはいずれかのストップスイッチが操作された後、未だ回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合には、その後、リセット操作によりエラーが解除された後、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数が再度設定されるようになっている。
図12は、一定時間間隔(例えば、約0.56ms)毎にメイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)において実行するエラー割込処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、割込処理の実行中は他の割込が発生しないように設定されているため、エラー割込処理の実行中に他の割込の発生に伴い処理が中断されることはない。
エラー割込処理では、まず何らかのエラーが検知されているか否かを判定する(Sj1)。Sj1のステップでは、レジスタにエラーコードが設定され、かつRAM507にエラーフラグが設定されていない場合にエラーが検知されていることを特定する。
Sj1のステップにおいてエラーが検知されていなければSj10のステップに進み、Sj1のステップにおいてエラーが検知されていれば検知されたエラーが特定エラーか否かを判定する(Sj2〜Sj6)。尚、Sj2〜Sj6のステップにおいて検知されたエラーが特定エラーではないと判定された場合には、Sj8のステップに進む。
Sj2では、投入メダル詰まりエラー、すなわちBET処理中に投入メダルセンサ31からの検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りon状態が継続しているか否かを判定する。
Sj2における判定方法の一例を簡単に説明する。例えば、タイマ割込処理(メイン)において投入メダルセンサ31からの検出信号がonの場合に投入メダル詰まりカウンタを1加算し、投入メダルセンサ31からの検出信号がoffの場合に投入メダル詰まりカウンタをクリアする。そして、投入メダル詰まりカウンタの値が所定値(投入メダル詰まり判定用時間に対応する値)に達した場合に投入メダル詰まりエラーを判定する。
Sj3では、メダル切れエラー、すなわち払出処理中または精算処理中においてホッパーモータ34bがon状態である場合にも関わらず払出センサ34cの検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りoff状態が継続しているか否かを判定する。
Sj3における判定方法の一例を簡単に説明する。例えば、タイマ割込処理(メイン)においてホッパーモータ34bがonでありかつ払出センサ34cからの検出信号がoffの場合にメダル切れカウンタを1加算し、ホッパーモータ34bがoffであるか払出センサ34cからの検出信号がonである場合にメダル切れカウンタをクリアする。そして、メダル切れカウンタの値が所定値(メダル切れ判定用時間に対応する値)に達した場合にメダル切れエラーを判定する。
Sj4では、払出メダル詰まりエラー、すなわち払出処理中または精算処理中に払出メダルセンサ34cからの検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りon状態が継続しているか否かを判定する。
Sj4における判定方法の一例を簡単に説明する。例えば、タイマ割込処理(メイン)において払出センサ34cからの検出信号がonの場合に払出メダル詰まりカウンタを1加算し、払出センサ34cからの検出信号がoffの場合に払出メダル詰まりカウンタをクリアする。そして、払出メダル詰まりカウンタの値が所定値(払出メダル詰まり判定用時間に対応する値)に達した場合に払出メダル詰まりエラーを判定する。
Sj5では、満タンエラー、すなわちゲーム終了時処理においてオーバーフロータンク35内のメダルが満タンになっているか否かを判定する。
Sj5における判定方法の一例を簡単に説明する。例えば、タイマ割込処理(メイン)において満タンセンサ35aからの検出信号がonの場合に満タンカウンタを1加算し、満タンセンサ35aからの検出信号がoffの場合に満タンカウンタをクリアする。そして、満タンカウンタの値が所定値(満タン判定用時間に対応する値)に達した場合にオーバーフロータンク35内のメダルが満タンである旨を示す満タンフラグをRAM507に設定する。そして、ゲーム終了時処理において満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合に、満タンエラーを判定する。
Sj6では、リール回転エラー、すなわちリール回転処理中にリールセンサ33L、33C、33Rの検出信号のoffからonへの変化がそれぞれ予め定められた所定時間以上の期間に亘り検出されない状態が継続しているか否かを判定する。
Sj6における判定方法の一例を簡単に説明する。例えば、タイマ割込処理(メイン)においてリールセンサ33L、33C、33Rからの検出信号のoffからonへの変化が検出されない場合に各リールセンサに対応する回転エラーカウンタを1加算し、リールセンサ33L、33C、33Rからの検出信号のoffからonへの変化が検出された場合に変化が検出されたリールセンサに対応する回転エラーカウンタをクリアする。そして、いずれかの回転エラーカウンタの値が所定値(リール回転エラー判定用時間に対応する値)に達した場合にリール回転エラーを判定する。
本実施例では、特定エラーとして、投入メダル詰まりエラー、メダル切れエラー、払出メダル詰りエラー、満タンエラー及びリール回転エラーを例示したが、特定エラーは、エラー原因を解消するために所定の作業(メダル補充作業、詰まったメダルを取り除く作業、オーバーフロータンク35内のメダルを取り除く作業、リールの回転が妨げられる状況を解消する作業など)をしなければ、クリア操作をしただけでは再度特定タイミングに到達したときにエラー発生と判定されてしまうエラーであれば良く、これらに限るものではない。
Sj2〜6のステップにおいて特定エラーが発生していると判定された場合、Sj7において特定エラー設定処理を行い、Sj8に移行する。特定エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す特定エラーコマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、特定エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨及び解除を促進する旨を報知する特定解除促進演出を実行する。特定解除促進演出については、図19を用いて具体的に説明する。また、特定エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグ及び解除未確認フラグをセットする。エラーフラグがセットされている間、ゲーム(ゲーム処理)を進行させないように不能化する制御が行われる。
Sj8では、Sj2〜Sj6における判定対象となる特定エラーと異なる、その他のエラーが発生しているか否かが判定される。その他のエラーとは、例えば、内部当選していない役に入賞する不正入賞エラー、ホッパーモータ34bがoff状態中であるときに払出センサ34cからの検出信号がon状態となる払出異常エラー、リールの回転中に投入メダルセンサ31または払出センサ34cからの検出信号がON状態となる回転中投入・払出エラーなどである。
Sj8によりその他のエラーが発生していると判定されたときには、Sj9において通常エラー設定処理を行い、Sj10に移行する。通常エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す通常エラーコマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、通常エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨を報知する演出を実行する。また、通常エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグをセットする。メイン制御部41では、エラーフラグがセットされている間、ゲームを進行させないように不能化する制御が行われる。
Sj10においては、エラーフラグが記憶(セット)されているか否か判定する。エラーフラグがセットされていると判定されたときには、Sj11において所定のクリア操作がされたか否かが判定される。所定のクリア操作とは、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることをいう。
Sj11においてクリア操作されたと判定されたときには、Sj12において、エラーフラグを消去(クリア)し、エラー解除コマンドをサブ制御部91に送信した後、エラー割込処理を終了する。これにより、当該エラー割込処理が実行されるタイマ割込処理(メイン)の終了後、エラー発生時に行っていた処理に復帰させて、ゲーム処理を再開させることができる。
このため、例えば、Sj2〜Sj6のステップにおいて特定エラーと判定されセットされたエラーフラグがクリアされた場合には、もとの処理に復帰させて再開される。このため、さらに、再開後においてもSj2〜Sj6のステップにおいて特定エラーが発生しているか否かの判定が行われる。その結果、エラー原因が実際に解消されていなければ再びSj7において特定エラー設定処理が行われる。Sj8におけるエラー判定についても同様である。
Sj10エラーフラグが記憶されていると判定されたときあるいはSj11において所定のクリア操作がされていないと判定されたとき(クリア操作後においてはSj7あるいはSj9においてエラーフラグが再びセットされなかったとき)には、Sj13において解除未確認フラグが記憶(セット)されているか否かを判定する。解除未確認フラグが記憶されていると判定されたときには、Sj14において、対応するエラーフラグが消去済で、かつクリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより対応する解除条件が成立したか否かが判定される。
解除条件とは、特定エラーの種類に応じて定められており、特定エラーの原因が実際に解消されたと判定されることにより成立する条件をいう。例えば、投入メダル詰まりエラー発生時においては、投入メダルセンサ31cによるメダル検出が解除され、投入メダルセンサ31cからの検出信号がoff状態となることにより成立し、メダル切れエラー発生時においては、クリア操作による復帰後において、所定時間内にメダルが払出されて払出センサ34cからの検出信号がon状態となることにより成立し、払出メダル詰りエラー発生時においては、払出センサ34cによるメダル検出が解除され、払出センサ34cからの検出信号がoff状態となることにより成立し、満タンエラー発生時においては、満タンセンサ35aからの検出信号がoff状態となることにより成立し、リール回転エラー発生時においては、クリア操作による復帰後において、所定時間(リールが1周するのに十分な時間)以内に全てのリールセンサ33L、33C、33Rがoffからonに変化することにより成立する。このため、特定エラーについては、解除未確認フラグがセットされているか否かにより、当該特定エラーの原因が実際に解消されたか否かを特定することができる。
Sj14において、エラーフラグが消去済でかつ解除条件が成立していると判定されたときには、Sj15において、解除未確認フラグを消去(クリア)してエラー割込処理を終了する。
本実施例におけるスロットマシン1においては、図11のSa25〜Sa27で示したように、設定変更操作が行われたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行い、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図18のSj14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定されるように構成されている。
サブ制御部91は、メイン制御部41からエラーコマンドを受信すると、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じた報知処理を行う。報知処理では、エラーコマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの間に亘り、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じたエラー報知演出を実行するための処理が行われる。
図19は、エラー報知演出の一例を説明するための図である。図19では、エラー報知演出が液晶表示器51の表示領域に表示されることにより行われる例について説明するが、エラー報知演出はこれに限らず、液晶表示器51に表示することに替えてあるいは加えて、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
図19(a)は、特定エラーが発生して図18のSj7で送信される特定エラーコマンドを受信したことにより実行される特定解除促進演出の一例を説明するための図である。図19(a)では、リール2L〜2Rが停止してスイカに入賞したが、メダル払出中においてメダル切れエラーが発生した場合の特定解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「メダル切れエラー!メダル補充して下さい!解除しなければ設定変更できません!」といったメッセージが表示されている。これにより、メダル切れエラーが発生している旨、及びメダル補充することにより解除できる旨が報知される。このように、特定エラーが発生した場合における特定解除促進演出では、発生している特定エラーの種類、及び当該特定エラーを解除する方法が報知される。
図19(b)は、通常エラーが発生して図18のSj9で送信される通常エラーコマンドを受信したことにより実行される通常解除促進演出の一例を説明するための図である。図19(b)では、払出異常エラーが発生した場合の通常解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「払出異常エラー!クリア操作して下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、払出異常エラーが発生している旨、及びクリア操作することにより解除できる旨が報知される。このように、通常エラーが発生した場合における通常解除促進演出では、発生している通常エラーの種類、及びクリア操作により解除できる旨が報知される。
図19(c)は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行われ図11のSa26で送信される設定変更不能を示すエラーコマンドを受信したことにより実行される特別解除促進演出の一例を説明するための図である。図19(c)では、ゲーム終了時において満タンエラーが発生していると判定されていた場合の特別解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「設定変更できません!満タンですのでタンク内のメダルを取り除いて下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、満タンエラーが発生している旨、及びオーバーフロータンク35内のメダルを取り除くことにより解除できる旨が報知される。このように、設定変更不能によるエラーが発生した場合における特別解除促進演出では、解除されたことが確認できていないエラーの種類、及び当該エラーを解除する方法が報知される。
また、サブ制御部91は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定確認操作が行われ図14のSe14で送信される確認不能を示すエラーコマンドを受信したことにより確認不能演出を実行する。確認不能演出では、例えば、払出メダル詰りエラーにより当該解除未確認フラグがセットされているときには、液晶表示器51において「設定確認できません!払出メダルが詰まっていないか再確認して下さい!」といった、異常が実際に解除していることの確認を促進させるようなメッセージが表示される。
本実施例においてメイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図20に示すように、設定キースイッチ37がonの状態で起動すると、設定開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定変更状態の開始を通知するとともに、設定値を変更可能な設定変更状態に移行することとなる。設定変更状態では、スタートスイッチ7が操作されるまでは、任意に設定値を選択することが可能となるが、スタートスイッチ7が操作されると、その時点で選択されている設定値が確定し、以後設定値を変更できない設定確定状態となり、この状態で設定キースイッチ37がoffの状態とすることで設定変更状態は終了し、サブ制御部91に対して遊技状態コマンドを送信して設定変更状態の終了を通知する。
一方、サブ制御部91は、設定開始コマンドにより設定変更状態の開始が通知されることで、遊技履歴データをクリアしたり、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行うこと、すなわち遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、遊技状態コマンドにより設定変更状態の終了が通知されることで終了することとなる。管理者モードに制御されると、所定の管理者モード画面が液晶表示器51に表示されるようになっており、この管理者モード画面において、例えば、遊技履歴データのクリアや遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行うことが可能とされている。
尚、設定変更状態において設定値が確定してもメイン制御部41からサブ制御部91に対して何らの通知もされず、サブ制御部91は、メイン制御部41側で設定値が確定した後も、遊技状態コマンドによって設定変更状態の終了が通知されるまでは、継続して管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態において設定値が確定した後も、電源を再投入して設定値の確定前の状態にわざわざ戻すことなく、管理情報へのアクセスが可能となる。
また、メイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図21に示すように、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がonの状態となると、確認開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定確認状態の開始を通知するとともに、設定値を確認可能な設定確認状態に移行することとなる。設定確認状態は、設定キースイッチ37がoffの状態とすることで設定確認状態は終了し、サブ制御部91に対して確認終了コマンドを送信して設定確認状態の終了を通知する。
そして、サブ制御部91は、確認開始コマンドにより設定確認状態の開始が通知された場合にも、設定開始コマンドを受信した場合と同様に、遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、確認終了コマンドにより設定確認状態の終了が通知されることで終了することとなる。
設定キースイッチ37は、キーを挿入し、回転させることでon/offを変更することが可能なスイッチであるが、通常キーは、店員が所持するものであり、遊技者が任意に設定キースイッチ37を操作することはできない。すなわち遊技者が任意に操作することのできない設定キースイッチ37を操作した場合のみ遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御されることとなる。
このように本実施例では、メイン制御部41が設定変更状態に制御された場合だけでなく、設定確認状態に制御された場合にも管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態に移行させることなく、管理情報へのアクセスが可能となっている。特に、本実施例のように電源を再投入しないと設定変更状態に移行しない場合でも、管理情報へアクセスするだけのために電源を落とす必要がなくなる。さらに、本実施例のように、設定変更状態への移行に伴ってRAM507が初期化されてしまう場合でも、RAM507の格納データを維持したままで管理情報へのアクセスが可能となる。
尚、本実施例では、メイン制御部41から設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した場合に、そのまま管理者モードに制御されるようになっているが、設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した後、例えば、MAXBETスイッチ6を一定時間以上操作するなど、一定の操作がなされた場合にのみ管理者モードに制御する構成としても良く、このようにすることで設定変更または設定確認が目的で管理情報にアクセスする必要がないにも関わらず、管理者モードに制御されてしまうことを防止できる。
以上のように、メイン制御部41が設定変更状態または設定確認状態に制御される場合に、管理者モード画面が表示され、当該画面において、例えばストップスイッチ8L、8C、8Rなどを操作することにより、遊技履歴データのクリア、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、遊技履歴データをクリアしても設定変更履歴のデータはクリアされないようになっているので、例えば、不正に設定変更がなされた場合でも、その証拠を確実に残しておくことができるが、遊技履歴データのクリアとともに設定変更履歴データについてもクリアされるようにしても良いし、遊技履歴データと、設定変更履歴データと、を別個の操作によりクリアできるようにしても良い。
また、本実施例では、管理情報の一例としての設定変更履歴が記憶され、遊技店設定用モードにおいて該設定変更履歴を確認できるようになっているが、例えばスロットマシン1の前面扉の開放履歴(前面扉の開放に基づく開放時刻や開放回数情報)やエラーの発生履歴(エラーの発生時刻や発生したエラーの種類、エラーの発生回数)等を記憶し、管理者モードにおいてこれら前面扉の開放履歴やエラーの発生履歴を確認できるようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1では、図11のSa25で示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定キースイッチ37をon状態として電源スイッチ39をoffからonに切替える設定変更操作を行ったとしても、設定変更状態に制御されずかつRAM507が初期化されないようになっている。これにより、特定エラーが発生して解除未確認フラグがセットされた後においては、エラー原因が実際に解消されたことが確認できていないにも関わらず、当該解除未確認フラグがクリアされてしまうことを防止できる。このため、例えば、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であるにも関わらず設定変更状態に制御されてしまうことにより、RAM507が初期化されてしまい、その後の、BET処理、リール回転処理、払出処理、ゲーム終了時処理などが実行される特定タイミングにおいて再び特定エラーが発生していると判定されてしまうといったような不都合の発生を低減することができる。その結果、設定変更前から発生していた特定エラーが解除されていなかったことにより設定変更後の遊技においてすぐに特定エラーを発生させてしまい、遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
また、図11のSa25では、特定エラーが発生したときにエラーフラグとは別にセットされる解除未確認フラグに基づいて判定される。このため、例えば、特定エラーの原因を解消する作業を行うことなくクリア操作のみをしてエラーフラグをクリアした直後に電源をoffにし、設定キースイッチ37をon状態として電源スイッチ39をoffからonに切替える設定変更操作をした場合であっても、設定変更状態に制御させずかつRAM507を初期化させないようにすることができる。すなわち、エラーフラグとは別にフラグをセットしない場合には、クリア操作後において再びエラーフラグがセットされるまでにエラー判定のために所定時間を要する(タイマ割込処理(メイン)が所定回行われる必要がある)ところ、本実施例においては、別の解除未確認フラグに基づき判定されるため、電源投入直後において特定エラーの原因が解消したことを確認できていないときには確実に設定変更状態に制御させずかつRAM507を初期化させないようにすることができる。
また、本実施例においては、図14のSe13で示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定確認状態にも制御されない。これにより、特定エラーの原因が解消されていない虞があるときに設定値が報知されてしまうような不都合の発生を防止することができる。
また、本実施例においては、設定変更操作時において解除未確認フラグがセットされているときには、Sa27により対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、Sa26により送信される設定変更不能を示すエラーコマンドに基づきサブ制御部91により図19(c)に示した特別解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、設定変更状態に制御されていないことを把握させかつ解除未確認状態であることを把握させることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーが実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
また、本実施例において、特定エラーが発生したと判定されたときには、通常エラーが発生したときとは異なる特殊な態様で解除促進演出が実行される。すなわち、通常エラーが発生したときには、図19(b)で示した態様の通常解除促進演出が実行されるのに対し、特定エラーが発生したときにのみ、図19(a)で示した態様の特定解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、特定エラーの原因を実際に解消しなければ設定変更状態に制御されないことを把握させ易くすることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーの原因が実際に解消しているか否かの確認を促進させることができる。
尚、本実施例では、図18のSj2〜Sj6のいずれかにおいて特定エラーが発生したと判定されたときに、Sj7においてエラーフラグと解除未確認フラグとをセットし、Sj11においてクリア操作がされたときには、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かに関わらず、エラーフラグをクリアし、設定変更操作が行われたときに特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを解除未確認フラグに基づき判定し、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつRAM507を初期化することを規制する例について説明したが、特定エラー発生後において当該特定エラーの発生原因が解除されていないことを特定できる情報が格納されるものであれば良く、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグと解除未確認フラグとをセットするものに限るものではない。以下に、その他の具体例を説明する。
第1の具体例
特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sj11においてクリア操作がされたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行い、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行われたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつRAM507を初期化することを規制するように構成しても良い。
この場合における解消判定処理では、例えば以下の処理を行うようにしても良い。
エラーフラグから投入メダル詰りエラーが特定されるときには、投入メダルセンサ31cからの検出信号がoff状態となったか否かを判定し、off状態となったと判定されたときに投入メダル詰りエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、off状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
また、エラーフラグからメダル切れエラーが特定されるときには、ホッパーモータ34を駆動させて所定時間内にメダルが払出されたか否かを判定し、払出されたと判定されたときに解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、所定時間内にメダルが払出されなかったと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
また、エラーフラグから払出メダル詰りエラーが特定されるときには、払出センサ34cからの検出信号がoff状態となったか否かを判定し、off状態となったと判定されたときに払出メダル詰りエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、off状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
また、エラーフラグから満タンエラーが特定されるときには、満タンセンサ35aからの検出信号がoff状態となったか否かを判定し、off状態となったと判定されたときに満タンエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、off状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
また、エラーフラグからリール回転エラーが特定されるときには、所定時間(リールが1周するのに十分な時間)以内に全てのリールセンサ33L、33C、33Rがoffからonに変化したか否かを判定し、変化したと判定されたときにリール回転エラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対して、変化していないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
第2の具体例
エラーフラグをクリアするためには、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23を操作する必要がある。しかし、このリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23は、前面扉1bを開放状態としなければ操作できない。このため、遊技機が遊技場に設置されている場合、エラーフラグをクリアできるのは、遊技場の管理員となる。遊技場の管理員は、遊技場及び遊技機の管理を業としているため、一般的にエラー解除方法を熟知している。その結果、遊技場に設置されている遊技機において特定エラーが発生したときに、当該特定エラーの発生原因を解消させる作業を行うことなく、エラーフラグのみをクリアさせてしまう可能性は極めて低いといえる。
このような遊技場の専門性に鑑みて、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sj11においてクリア操作がされたときには、遊技場の管理員によって特定エラーの発生原因を解消させる作業が当然に行われているものと犠牲して当該エラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行われたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつRAM507を初期化することを規制するように構成しても良い。
また、本実施例においては、図11のSa25〜Sa27で示したように、設定変更操作が行われたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行い、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図18のSj14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定される例について説明した。すなわち、設定変更操作が行われたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、エラーを発生させ、クリア操作によりクリアするとともに、事後的に特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定する例について説明した。しかし、特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定するタイミングは、これに限らず、クリア操作がされたときなどであっても良い。
例えば、設定変更操作が行われたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるために発生したエラー中において、Sj11においてクリア操作されたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行い、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするように構成しても良い。尚、解消判定処理としては、上記した第1の具体例で記載した処理であっても良い。
また、本実施例では、図11のSa28以降の処理において、設定変更状態に制御されるときに初期化1を実行する例について説明した。しかし、解除未確認フラグなどがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合に初期化1することを規制するように制御されるものでありさえすれば良く、例えば、設定変更状態に制御される場合であっても初期化1を実行しないものであっても、本実施例と同様の効果を奏する。
第1の例として、設定変更操作と異なる特定の操作を行うことにより初期化1を実行するようにしても良い。この場合には、設定変更操作が行われた場合には、解除未確認フラグなどがセットされているか否か、すなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かに関わらず、設定変更状態に制御するようにし、特定の操作が行われた場合にのみ、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときに初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに初期化1を実行するように構成しても良い。
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、特定操作を検出する特定操作検出手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記特定操作が検出されたことを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記特定操作が検出された場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであっても良い。
第2の例として、設定変更操作を行うことにより設定変更状態に制御されるとともに初期化1を実行し得るものにおいて、設定変更操作が行われた場合に、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときには設定変更状態に制御するが初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに設定変更状態に制御するとともに初期化1を実行するように構成しても良い。
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御されることを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記設定変更状態に制御される場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであっても良い。
また、本実施例において、設定変更操作が行われた場合に、解除未確認フラグがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があると判定されたときには、必ず、設定変更状態に制御することを禁止する例について説明したが、これに限らず、さらに所定条件が成立しているときには、初期化1のみを禁止し、設定変更状態には制御するようにしても良い。すなわち、設定変更操作が行われた場合に、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときに、初期化1を禁止するものであれば、設定変更状態に制御されにくくなるものであっても良い。この場合における所定条件とは、例えば、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行われた後、当該解除未確認フラグをクリアするまでに再び設定変更操作が行われたことなど、すでに遊技場の管理者が解除未確認フラグがセットされていることを認識済であるときに成立するものであっても良い。
また、本実施例においては、BET処理、リール回転処理、払出処理、あるいはゲーム終了時処理が実行されているタイミングにおいて判定されるエラーを特定エラーとして説明した。しかし、特定エラーは、1ゲーム中における特定タイミングにおいて判定され、かつ所定の作業(クリア操作を除く)を行って発生原因を解消しなければ当該特定タイミングに到達する度にエラー判定されるようなエラーであれば、上記のタイミングにおいて判定されるエラーに限らずその他のタイミングにおいて判定されるエラーであっても良く、例えば、内部抽選処理が実行されているタイミングなどであっても良い。
また、本実施例においては、図11のSa25の判定結果に応じて遊技が不能動化される例について説明した。しかし、Sa25の処理は、電源投入されてから初期化1が実行されるまでの間に行うものであれば良い。
本実施例のスロットマシン1では、リールの停止制御としてテーブル方式による停止制御を行う場合でも、コントロール方式による停止制御を行う場合でも、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前、すなわちゲームの開始操作後、ストップスイッチの操作が有効となる前またはいずれかのストップスイッチが操作された後、未だ回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数がそれぞれ設定されるようになっており、停止操作が検出された際には、仮想滑りコマテーブルを参照し、該当する停止操作位置の滑りコマ数を取得して停止制御を行うようになっており、停止操作が検出された後に滑りコマ数データを展開して滑りコマ数を取得したり、停止操作が検出された後に当選役に応じた停止位置を検索する必要がないので、停止操作が検出された後、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができる。
このように、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数をそれぞれ設定する構成においては、仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数を設定した後、何らかの異常が検知されて遊技が不能となった場合に、その復帰後、仮想滑りコマテーブルに設定されたデータが壊れている可能性があり、このような場合、正常にリールの停止制御が行われなくなってしまう虞があった。
これに対して本実施例では、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間、すなわちゲームの開始操作後、いずれかのストップスイッチが操作されるまでの間またはいずれかのストップスイッチが操作された後、未だ回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合には、その後、リセット操作によりエラーが解除された後、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数が再度設定されるので、異常の発生により仮想滑りコマテーブルに格納されているデータが壊れてしまった場合でも、その後、正常にリールの停止制御を行うことができる。すなわち仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、ストップスイッチが操作されるまでの間に異常が検知された場合であってもそれによる不都合の発生を防止することができる。また、故意に異常を発生させて仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を改竄するような不正行為が行われた場合でも、この不正行為による滑りコマ数に基づいてリールの停止制御が行われることを防止することができる。
尚、本実施例では、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合に、リールの回転が一時停止し、遊技の進行が不能化された状態となり、その後、リセット操作によりエラーが解除されて遊技の進行が可能な状態に復帰後、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を再度設定する構成であるが、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合に、検知されたエラーがゲームの進行を不能化する必要がない程度のエラー(例えば、リール回転中投入・払出エラーなど)である場合には、ゲームの進行を不能化せずに、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を再度設定する構成としても良く、このような構成とした場合でも異常の発生により仮想滑りコマテーブルに格納されているデータが壊れてしまった場合でも、その後、正常にリールの停止制御を行うことができる。すなわち仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、ストップスイッチが操作されるまでの間に異常が検知された場合であってもそれによる不都合の発生を防止することができる。
また、本実施例では、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合に、その後、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に、改めて滑りコマ数設定処理を実行し、回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を再度設定する構成であり、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知されて、仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数が再度設定される場合も、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効となる前に滑りコマ数が設定されることで、停止操作が検出された後に滑りコマ数データを展開して滑りコマ数を取得したり、停止操作が検出された後に当選役に応じた停止位置を検索する必要がなく、停止操作が検出された後、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができることから好ましいが、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合に、その後、ストップスイッチが操作された際に、滑りコマ数を再度設定する構成としても良く、このような構成においても、このような構成とした場合でも異常の発生により仮想滑りコマテーブルに格納されているデータが壊れてしまった場合でも、その後、正常にリールの停止制御を行うことができる。すなわち仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、ストップスイッチが操作されるまでの間に異常が検知された場合であってもそれによる不都合の発生を防止することができる。
また、滑りコマ数設定処理にて回転中のリール毎に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定された後、回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されるまでの間にエラーが検知された場合に、その後、ストップスイッチが操作された際に、滑りコマ数を再度設定する構成においては、操作されたストップスイッチに対応するリールの当該ストップスイッチの停止操作位置に対応する滑りコマ数のみを再度設定する構成であることが好ましく、このような構成とすることで、操作されたストップスイッチに対応するリール以外のリールの滑りコマ数や、ストップスイッチの停止操作位置以外の滑りコマ数を設定する必要がなくなり、停止操作が検出された後に滑りコマ数を再度設定する場合でも、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができる。
また、本実施例では、導出情報として滑りコマ数を適用しているが、少なくとも停止位置を特定できるものであれば良く、例えば、基準位置に停止する領域番号(図柄番号)などを導出情報として適用しても良い。
また、本実施例では、リールの停止制御として、停止操作位置毎の滑りコマ数を特定可能な滑りコマ数データから停止操作位置毎の滑りコマ数を特定し、停止操作が有効となる前に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定されるテーブル方式による停止制御、停止操作位置毎に内部抽選の結果に対応する停止位置を検索し、検索結果に基づいて取得された停止位置となる滑りコマ数を特定し、停止操作が有効となる前に仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数が設定されるコントロール方式による停止制御を適用しているが、少なくとも停止操作が有効となる前に回転中のリールにおける停止操作位置毎の導出情報が設定される構成であれば良く、テーブル方式による停止制御、コントロール方式による停止制御のいずれか一方の停止制御のみを適用しても良いし、テーブル方式による停止制御及びコントロール方式による停止制御以外の停止制御を適用しても良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。