JP5796878B2 - 冷媒吸着材充填容器、それを備えたターボ冷凍機用抽気回収装置とターボ冷凍機及び冷媒回収装置 - Google Patents
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本発明者らは、先に出願した「抽気回収装置とその運転方法及びそれを備えたターボ冷凍機(特願2009−227165)」において、冷媒の大気中への排出量を抑制するために冷媒吸着材を用いて、ターボ冷凍機の抽気回収装置から大気中に漏れ出る冷媒量を、極限まで減少でき、冷媒を回収できる抽気回収装置とその運転方法を提案をした。
さらに、内部に冷媒吸着材等の流動性に乏しい物体を収容しつつ、繰り返しの加熱と冷却サイクルを受ける容器にあっては、外周部即ち外形を構成する部材が平板で構成されている場合、例えば直方体形状などでは、角(かど)の部分と平板部中央とでは温度差が発生しやすく、従って熱膨張量や熱収縮量が均一ではなくなり、内部に収容された冷媒吸着材との接触による熱応力や歪も発生し易いから、結果として実用に耐えうるような容器を実現することは困難である。
さらに、本発明では、不凝縮ガスを含有する冷媒ガスから冷媒ガスのみを吸着して回収するし、不凝縮ガスを大気中に排出するための冷媒回収装置が、前記した本発明の冷媒吸着材充填容器に冷媒吸着材を充填したものであることを特徴とする冷媒回収装置としたものである。
冷媒吸着材は、一般的に熱伝導率が低く、事実上流動性が無く、加熱時及び冷却時に速やかにかつ均一に温度を上昇又は下降させることが難しい。そこで、本発明では、冷媒吸着材を収容すると共にこれを加熱又は冷却する役割を兼ねた冷媒吸着材充填容器において、冷媒吸着材の単位体積あたりの冷媒吸着材充填容器表面と冷媒吸着材とが、相互に接触する面積即ち伝熱面積を増大すると共に、冷媒吸着材の積層厚さ、即ち冷媒吸着材と充填容器表面とのあるひとつの接触面と、その接触面に隣り合う接触面との間の距離を小さくすることにより、冷媒吸着材中の伝熱抵抗を減少させて、冷媒吸着材と充填容器表面との平均温度差を小さくでき、当該充填容器を加熱又は冷却することで、より少ない加熱又は冷却エネルギーにより、冷媒吸着材を所望の温度に且つ均一に加熱又は冷却できる。
このように充填容器断面を構成することにより、中心部材やフィンの無い従来型の充填容器に比べて、充填容器表面と冷媒吸着材との接触面積、即ち伝熱面積を飛躍的に増大させることができ、冷媒吸着材の積層厚さも画期的に減少できる。
冷媒吸着材を加熱して冷媒を脱着した後、再び冷媒吸着能力を回復させるために冷媒吸着材を冷却する必要があり、このため冷媒吸着材充填容器の外部を、例えば冷却用ファンなどを用いて周囲の大気の強制流を当て、速やかに冷却することが好ましい。なお、微細な水滴を充填容器外部に直接吹き付けて、水の蒸発潜熱を併用するなどの方法も考えられるが、水分は材料の腐食、電気配線のショート等の原因となるため用いないほうが好ましい。また、容器外周部もしくは内部に流通経路を設けて、水などの冷却媒体を流して冷却する方法も考えられるが、例えば容器の加熱時には冷却媒体も同時に加熱されるために、冷却媒体の加熱に要する余分なエネルギーを消費するだけでなく、加熱温度が100℃を超えるような場合には例えば水では沸騰が起こり、冷却時に流路に通水できなくなる事態が想定されるため好ましくない。 充填容器の外表面からの冷却のためには、表面積が大きいほうが有利であることから、充填容器の外周部材にはフィンを備えることが好ましいが、熱的効果と製作の容易性及び機械的強度を考慮すると、その形状は板状のフィンを備えることが好ましい。
因みに、冷媒吸着材の加熱時には、例えばヒータ等を外部の板状フィンを含む外周部材の外表面に接触させるように設けて外周部材を加熱することで、伝熱により中心部材や該中心部材と外周部材とを連結する板状フィンによって、充填容器の中心部等容器内部側からも加熱することができるから、中心部材や前記板状フィンは給熱経路を形成するということもできる。さらに、加熱の際には、ヒータ等の発熱体が外周部材だけでなく、中心部材や該中心部材と外周部材とを連結する板状フィンを直接加熱できるように、例えば棒状ヒータを、前記板状フィンを経由して中心部材まで届くような穴に差し込むように充填容器を構成すれば、更に好ましい加熱が実現できる。
中心部材、外周部材、中心部材と外周部材とを連結する板状フィンや、さらには外周部材に板状フィンが備えられる時には該板状フィンを、例えばアルミニウム鋳物製として一体に構成すれば、上記部材相互間でそれらが別体で構成されるときに比べ伝熱抵抗を低く抑えることができ、冷媒吸着材の効果的な加熱や冷却ができる。さらに、製造コストの低減や充填容器としての強度の向上を図ることができる。
なお言うまでもなく、上記部材の全てを一体に形成しなくても良く、また例えば中心部材と、中心部材と外周部材とを連絡する板状フィンとを一体として形成し、外周部材とは、ろう付けなどで接続しても良いが、少なくとも伝熱の面から上記部材の全てを一体に形成するのが最も好ましい。
本発明のように、冷媒吸着材充填容器の断面形状を、代表的には外周部材を円形に形成し、中心部材とそれらを連結する複数の板状フィンを備え、さらに外周部材側及び中心部材側の少なくともいずれか一方から他方に向かって延伸した板状フィンを備えて、該板状フィンが他のいずれかの板状フィンと平行に形成させると、互いに向かい合った板状フィン相互間にはさまれた冷媒吸着材は、双方のフィン表面から加熱時には均一に給熱され、冷却時には双方のフィン表面に均一に放熱することができるので、冷媒吸着材充填容器内部の冷媒吸着材温度を全体的に均一に変化させることができる。
ところで、平行に向かい合った平板部で構成された放熱容器内に複数のフィンを密に配すること自体は容易であるが、冷媒吸着材は、例えば粉末状固体、顆粒状固体、繊維状固体、ゲル等であり、一般的に流動性に乏しい物質であるから、上記のような放熱容器に充填することは困難である。しかし、本発明のように冷媒充填容器を構成すれば、十分で且つ効果的な伝熱フィンを備え、しかも例えば円筒状冷媒充填容器の開口端から容易に冷媒吸着材を充填することができる。
いわゆる低圧冷媒を使用するターボ冷凍機においては、該冷凍機内部に漏入した空気等の不凝縮ガスを機外に排出するために、通常抽気回収装置を備えている。この抽気回収装置により、冷凍機内の不凝縮ガスを冷媒ガスと共に抽出し、該抽出したガスを、例えば冷却することで冷媒ガスと不凝縮ガスとに分離し、分離した冷媒を冷凍機に回収すると共に不凝縮ガスを機外に排出する。ここで、上記のように冷却によりガス分離を行った場合には、不凝縮ガスの中に、前記冷却時の温度の飽和圧力に相当する分圧で冷媒ガスも含まれているのが通常であり、この時点での不凝縮ガスは、言わば混合ガスの状態にある。そこで、第2段階のガス分離を行い、前記混合ガスからさらに大部分の冷媒ガスを除去したのち、冷媒ガスを殆ど同伴することなく、ほぼ完全な不凝縮ガスだけを機外、即ち通常は大気中に排出することが、特に環境対策として求められている。なお、前記第2段階で混合ガスから分離、除去された冷媒ガスも、通常は該冷凍機に回収される。
前記の抽気回収装置を備えたターボ冷凍機においては、仮に空気等の不凝縮ガスが機内に漏入したとしても、該抽気回収装置により不凝縮ガスは抽気により除去され、しかも不凝縮ガスと共に抽気された冷媒ガスは、冷凍機に回収することも可能であるから、冷媒充填量の減少が極めて僅かである。即ち、不凝縮ガスが例え漏入したとしても、事実上該不凝縮ガスだけを機内から除去でき、冷媒量の減少が極めてわずかで、事実上大気中に冷媒を排出することのない、環境対策に優れたターボ冷凍機を提供することができる。
冷凍機から冷媒を回収する冷媒回収装置においては、該冷凍機内部に漏入していたり、又は冷媒回収作業中に漏入した空気等の不凝縮ガスも、同時に該冷媒回収装置に一旦回収してしまう場合がある。この場合、冷媒回収装置に一旦取り込まれた不凝縮ガスを該冷媒回収装置外に排出するために、冷凍機から取り込んだ不凝縮ガスを含む全ての冷媒ガスを、例えば冷却することで冷媒ガスと不凝縮ガスとに分離し、分離した冷媒だけを冷媒充填容器に移送し保存すると共に、不凝縮ガスを冷媒回収装置外に排出する。ここで、例えば上記のように冷却によりガス分離を行った場合には、不凝縮ガスの中に前記冷却時の温度の飽和圧力に相当する分圧で冷媒ガスも含まれているのが通常であり、この時点での不凝縮ガスは、言わば混合ガスの状態にある。そこで、第2段階のガス分離を行い、前記混合ガスからさらに大部分の冷媒ガスを除去したのち、冷媒ガスを殆ど同伴することなく、ほぼ完全な不凝縮ガスだけを冷媒回収装置外、即ち通常は大気中に排出することが特に環境対策として求められている。
図1は、本発明にかかる代表的な冷媒吸着材充填容器の一例を示す断面構成図である。図1において、円筒状の外周部材である壁面1により容器を形成し、内部に冷媒吸着材等を収容可能なスペース6を形成しつつ、一体に形成された内部フィン2ないし4により、内部空間距離を短縮しかつ伝熱面積を拡大させ、内部の収納スペース6に収容した冷媒吸着材等の加熱及び冷却に際して、温度むらを低減しかつ伝熱に要する時間を短縮することができる。
冷媒吸着材の粉末や顆粒・ゲルの代表的粒子径は、2メッシュないし200メッシュ(約0.1mmないし約10mm)程度であり、繊維状固体は数mm角程度のチップが使用できる。このとき、前記内部フィン2ないし4の距離は、内部に充填する冷媒吸着材等の粒子径よりも大きいことが必要であり、冷媒吸着材等の粒子径の5倍以下、好ましくは2〜5倍とすることができる。フィン間の距離がこれよりも狭い場合には、冷媒吸着材等の粒子を内部に密に充填することが困難となり、冷媒吸着材等の充填率が減少するために、相対的に冷媒吸着材充填容器を大きくする必要が生じ、一方これより広い場合には、前記フィンに接しない粒子の割合が大半を占めるために伝熱促進効果が減少するからである。
冷媒吸着材充填容器の材料としては、極力熱伝導率の高いことが好ましく、例えばアルミ合金鋳物を用いることにより、大きさにもよるが容器自体の温度むらは数℃以内の最小限に留めることができる。
また、容器外面の外周部材1にはフィン5を設けることにより、冷却時に速やかに外部へ放熱する効果を高めることができる。
なお、外部フィン5の前後両端部に連なるフランジの張り出し部7に設けたビス穴9を用いて、両端にカバーを設置する。カバーの形状については、後述する図5を用いて説明する。
図2は、放射状に内部フィン2を配置した例であり、放射状のフィン枚数は12ないし16枚以内が好ましい。これよりフィンの枚数が少ないと、相対的にフィンによる伝熱促進効果が減少するため、適切な伝熱距離を保持したままでの大容量化を図ることが困難となる。
一方、適切な伝熱距離を保持したまま大容量化を図るべく、図2のフィンの数を相対的に増やした例(好ましくない例)が図3である。図3のように、内部空間の距離を短縮するためにフィンの枚数を極度に増やすと、相対的に中心部の無駄な体積が増大し、吸着材等を充填するための有効空間がかえって減少するため好ましくない。
ターボ冷凍機と抽気回収装置との相互連絡部分から関連するバルブの開閉も含めて説明する。
なお、凝縮器41の圧力とパージコンデンサ31の圧力との圧力差を検出するための導圧配管が凝縮器41から取り出されて差圧検出器34に接続されている(ハの経路である)。
上述した通りターボ冷凍機運転中には、凝縮器41から連絡配管37とオリフィス39を経由して不凝縮ガスを含む冷媒ガスがパージコンデンサ31に流入し、その内の冷媒ガスは、コンデンサ室31aにおいて冷却コイル32により冷却・液化され、フロート弁室31bを経由して蒸発器42に戻る。一方、不凝縮ガスは、コンデンサ室31a内に次第に蓄積し、パージコンデンサの内圧が徐々に上昇する。
次に、不凝縮ガスの大気中への排出運転に関し、説明する。
パージコンデンサ31のコンデンサ室31aに不凝縮ガスが蓄積された結果、冷凍機の凝縮器41とパージコンデンサ31との圧力差が、所定の値以下になると差圧検出器34が作動し、制御部40へ信号が伝送される。その後、制御部40は電磁弁51を開く。これにより、パージコンデンサ31内部に蓄積された不凝縮ガスは、冷媒ガスと共に接続配管54とその途中に配置されたオリフィス57、電磁弁51を経由して、吸着タンク63に導入される。吸着タンク63の内部には、冷媒吸着材60が充填されており、冷媒ガスはその大部分がこの吸着材60に吸着される。
冷媒吸着材60は、吸着した冷媒を脱着することにより冷媒吸着能力が回復するので、冷媒吸着材60を再使用するためには、冷媒脱着工程(冷媒吸着材再生工程)を欠くことはできない。冷媒脱着工程の間、前記の抽気動作及び不凝縮ガス排出動作は同時に行うことができないため、できるだけ速やかに完了させる必要がある。この脱着工程においては、制御部40はヒータ58とパージポンプ36に運転指令を発すると共に、電磁弁53の開信号を発する。これにより冷媒吸着材60は、脱着に適切な温度レベルまでヒータ58により昇温されると共に、パージポンプ36によって脱着された冷媒ガスを吸引され、低圧条件下に曝されるので、温度的にも圧力的にも冷媒が脱着され易くなり、冷媒吸着材60からの冷媒の脱着は促進し、換言すれば冷媒吸着材の再生が進行する。この際、本発明による冷媒吸着材充填容器を用いることにより、内部まで均一にかつ速やかに加熱を行うことが可能となるため、抽気動作を停止する時間を最小限にできるだけでなく加熱に要する投入エネルギーも最小限とすることができ、環境への負荷も低く抑えることができる。
ところで、冷媒吸着材60から脱着され、パージポンプ36により吸引・吐出された冷媒ガスは、接続配管54及び電磁弁53を経由してパージコンデンサ31に導入される。前述のように、パージコンデンサ31のコンデンサ室31aは、冷却コイル32により冷却されているので、冷媒ガスは凝縮・液化し、フロート弁室31bを経由して冷凍機の蒸発器42に戻る。
吸着した冷媒の脱着のため、冷媒吸着材60は前記のようにヒータ58により昇温されるが、再び冷媒吸着能力を取り戻すためには、冷媒吸着材60の温度をターボ冷凍機の周囲環境温度程度にまで冷やす必要がある。このため、次の操作が必要になる。本冷却工程においては、制御部40はファン62に対して起動指令を出す。冷媒吸着材60は、吸着タンク63の内部に収納されているので、ファン62により吸着タンク63の近傍に強制空気流を生じさせ、冷媒吸着材60の温度を速やかに低下させるようにする。前記強制空気流が、冷却に効果的に吸着タンク63表面近傍を流れるようにするため、例えばダクト61を吸着タンク63の周囲に設けるのが好ましい。
以上より、本発明によれば、抽気回収装置から大気中に排出される不凝縮ガスに同伴して大気中に漏れ出る冷媒量を冷媒吸着材を用いて極限まで減少でき、前記冷媒吸着材は速やかに且つ十分な冷媒吸着能力を回復するまでに再生されて反復使用でき、かつ冷媒吸着材を再生すると共に冷媒を回収して冷凍機に戻すことができる抽気回収装置を提供することができる。
また、本発明の冷媒吸着材充填容器を用いた抽気回収装置を搭載したターボ冷凍機を使用すれば、冷媒の損耗が微少であり、環境負荷が改善された冷房装置や冷凍装置等を実現することができる。
圧縮式冷凍機及び冷媒回収容器と冷媒回収装置との相互連絡部分から説明する。冷媒回収装置70の小形凝縮器71は、圧縮式冷凍機の熱源を構成する冷却水の一部を用いて冷却される。即ち、圧縮式冷凍機の凝縮器101の冷却水配管104から冷却水の一部を連絡配管82を用いて取り出し、ポンプ77により小形凝縮器71内に設置された熱交換器である冷却コイル72に向けて圧送される(ろの経路である)。なお、上記冷却コイル72に導入する冷却媒体は圧縮式冷凍機の冷却水の代わりに圧縮式冷凍機の冷水や一般水道水その他を用いても良いが、ここでは圧縮式冷凍機の冷却水を用いた例で説明する。
小形圧縮機又は真空ポンプ76によって、冷凍機100から不凝縮ガスを含む冷媒ガスが連絡配管79を通り小形凝縮器71内に流入する(いの経路である)。コンデンサ室71a内で、冷媒ガスは凝縮液化したのちフロート弁室71bに流れる。該フロート弁室71bに一定量以上の液冷媒が溜まると、フロート弁73が開いて冷媒は冷媒回収容器106に回収される(にの経路である)。一方不凝縮ガスは、コンデンサ室71a内に滞留し、次第に蓄積し小形凝縮器71の内圧が徐々に上昇する。
なお、小形凝縮器71の圧力を検出するための導圧配管が、小形凝縮器71から取り出されて圧力スイッチ74に接続されている。
上述した通り、冷媒回収運転中には、冷凍機100から連絡配管79を経由して小形圧縮機又は真空ポンプ76により、不凝縮ガスを含む冷媒ガスが小形凝縮器71に圧送され、その内の冷媒ガスはコンデンサ室71aにおいて冷却コイル72により冷却・液化され、フロート弁室71b、フロート弁73、連絡配管81を経由して冷媒回収容器106に回収される。一方、不凝縮ガスは、コンデンサ室1a内に次第に蓄積し、小形凝縮器1の内圧が徐々に上昇する。
小形凝縮器71のコンデンサ室71aに不凝縮ガスが蓄積された結果、小形凝縮器71の圧力が所定の値以上になると圧力スイッチ74が作動し、制御部84へ信号が伝送される。その後、制御部84は電磁弁75を開く。これにより小形凝縮器71内部に蓄積された不凝縮ガスは、冷媒ガスと共に接続配管89とその途中に配置されたオリフィス90、電磁弁75を経由して吸着タンク63に導入される。吸着タンク63の内部には、冷媒吸着材60が充填されており、冷媒ガスはその大部分がこの吸着材60に吸着される。冷媒吸着材60としては、例えば活性炭を用いることができる。吸着タンク63内に導入された冷媒ガスは、冷媒吸着材60に吸着されるため、小形凝縮器71内の圧力よりも常に吸着タンク63内の圧力は低く、また吸着タンク63内の圧力は吸着作用が進むにつれ時間経過と共に低下し、吸着タンク内に蓄積された不凝縮ガスの分圧に近づく。
冷媒吸着材60は、吸着した冷媒を脱着することにより冷媒吸着能力が回復するので、冷媒吸着材60を再使用するためには冷媒脱着工程(冷媒吸着材再生工程)を欠くことはできない。冷媒脱着工程の間、前記の冷媒回収動作及び不凝縮ガス排出動作は同時に行うことができないため、できるだけ速やかに完了させる必要がある。この脱着工程においては、切替弁85を閉じ、切替弁92を開くことにより、吸着タンク63から小形圧縮機又は真空ポンプ76を経由して、小形凝縮器71へ連絡する接続配管94を通じさせておき、制御部84は、ヒータ58と小形圧縮機又は真空ポンプ76に運転指令を発する。これにより、冷媒吸着材60は脱着に適切な温度レベルまでヒータ58により昇温されると共に、小形圧縮機又は真空ポンプ76によって脱着された冷媒ガスを吸引され低圧条件下に曝されるので、温度的にも圧力的にも冷媒が脱着され易くなり、冷媒吸着材60からの冷媒の脱着は促進し、換言すれば冷媒吸着材の再生が進行する。この際、本発明による冷媒吸着材充填容器を用いることにより、内部まで均一にかつ速やかに加熱を行うことが可能となるため、冷媒回収動作を停止する時間を最小限にできるだけでなく、加熱に要する投入エネルギーも最小限とすることができ、環境への負荷も低く抑えることができる。
ところで、冷媒吸着材60から脱着され、小形圧縮機又は真空ポンプ76により吸引・吐出された冷媒ガスは、接続配管94を経由して小形凝縮器71に導入される。前述のように、小形凝縮器71のコンデンサ室71aは冷却コイル72により冷却されているので、冷媒ガスは凝縮・液化しフロート弁室71bを経由して冷媒回収容器106に回収される。
吸着した冷媒の脱着のため、冷媒吸着材60は、上記のようにヒータ58により昇温されるが、再び冷媒吸着能力を取り戻すためには、冷媒吸着材60の温度を冷媒回収装置の周囲環境温度程度にまで冷やす必要がある。このため、次の操作が必要になる。本冷却工程においては、制御部84はファン62に対して起動指令を出す。冷媒吸着材60は、吸着タンク63の内部に収納されているので、ファン62により吸着タンク63の近傍に強制空気流を生じさせ、冷媒吸着材60の温度を速やかに低下させるようにする。前記強制空気流が、冷却に効果的に吸着タンク63表面近傍を流れるようにするため、例えばダクト61を吸着タンク63の周囲に設けるのが好ましい。
この際にも、本発明による冷媒吸着材充填容器を用いることにより、内部まで均一にかつ速やかに冷却を行なうことが可能となるため、冷媒回収動作を停止する時間を最小限にできるだけでなく、冷却に要する投入エネルギーも最小限とすることができ、環境への負荷も低く抑えることができる。
Claims (4)
- 中心部を形成する中心部材と、断面形状が円形である外周部を形成する外周部材と、前記中心部材と外周部材とを相互に連結する中心点に対して点対称、又は、直径若しくは半径に対して線対称に形成した複数の板状のフィンとを備え、該板状のフィンを経由して中心部材まで届くようなヒータ取付穴を備えた冷媒吸着材充填容器であって、該充填容器は
、アルミ又はアルミ合金製の鋳物で前記中心部材と外周部材と板状のフィンとが一体に構成され、内部に前記中心部材と外周部材と複数の板状のフィンとにより冷媒吸着材収納スペースが形成され、さらに、気体の入口と出口とを有し、該入口と出口とが、前記冷媒吸着材収納スペースを兼ねた気体通路により相互に連絡され、該入口から出口に向かって気体が流動でき、且つ前記外周部材の外部から該充填容器を加熱及び冷却可能に構成すると共に、前記外周部材は、外部に板状のフィンをさらに備え、前記充填容器は、外周を覆うダクトを設け、該ダクト内に空気を導入する冷却ファンを設置したことを特徴とする冷媒吸着材充填容器。 - ターボ冷凍機中から冷媒ガスと共に抽出された不凝縮ガスを、該冷媒ガスと分離して大気中に排出するための冷媒ガス分離手段と冷媒吸着材を充填した冷媒吸着材充填容器とを備えた抽気回収装置であって、前記冷媒吸着材充填容器が、請求項1に記載した冷媒吸着材充填容器であることを特徴とするターボ冷凍機用抽気回収装置。
- 抽気回収装置を備えたターボ冷凍機において、前記抽気回収装置が、請求項2に記載の抽気回収装置であることを特徴とするターボ冷凍機。
- 不凝縮ガスを含有する冷媒ガスから冷媒ガスのみを吸着して回収し、不凝縮ガスを大気中に排出するための冷媒回収装置が、請求項1に記載された冷媒吸着材充填容器に冷媒吸着材を充填したものであることを特徴とする冷媒回収装置。
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