JP5796669B2 - 常電導リード、およびブッシング - Google Patents

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Description

本発明は、超電導ケーブルと、その超電導ケーブルの外部の常電導部との間で電力を入出力する際に使用される常電導リード、および常電導リードを利用したブッシングに関するものである。
超電導ケーブルにおいて、極低温側から常温側に電力を引き出す端末接続構造や分岐接続構造が知られている。例えば、超電導ケーブルの端末接続構造では、超電導ケーブルの超電導導体が、ブッシングを介して常電導導体に接続される。ブッシングは、常電導リードと、その外周を覆う固体絶縁層とを備える。常電導リードの両端部のうち、超電導ケーブルに接続される一端側は、液体窒素などの冷媒で冷却され、他端側は碍管を貫通して常電導側に引き出されている。
上記常電導リードとして、線状導体とその外周を覆う絶縁被覆とを備える素線を複数撚り合わせてなる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。常電導リードを複数の素線から構成することで、渦電流損を低減できる。また、複数の素線を撚り合わせて常電導リードを構成することで、高周波での通電における表皮効果の問題を緩和することができる。表皮効果とは、交流通電において常電導リードの表面部の電流密度が中心部の電流密度よりも高くなる現象のことで、この現象は周波数が高くなるほど顕著になる。
特開2010−21260号公報
大電流を流すことができる常電導リードとして、大断面の常電導リードを提供することが求められている。
図3は特許文献1に記載される常電導リードの製造工程の模式図、図4は常電導リードを構成する部材の断面図である。図3に示すように、従来は、まず絶縁被覆を施した長尺の素線1を作製し、その素線1を複数撚り合わせたストランド2を作製する(図4(A)参照)。次に、作製したストランド2をさらに複数撚り合わせてダイスに通し、断面扇状のセグメント3に成形する(図4(B)参照)。更に、そのセグメント3を複数組み合わせて長尺の常電導リード10を作製する(図4(C)参照)。そして、常電導リード10を所定長(約2000〜3000mm)に切断し、その常電導リード10の両端部で素線の撚り合わせを解して、サンドブラストなどで素線1の絶縁被覆を除去する。
ここで、撚りを解した常電導リードの中心側にある素線の絶縁被覆を確実に除去するには、各素線間の間隔が十分に開いた状態となるまで素線の撚り合わせを解す必要がある。このような状態となるように素線を解す作業は、非常に手間と時間がかかる。特に、複数の素線が撚り合わされてなるストランドを更に複数撚り合わせて形成される常電導リードの場合、素線同士の絡み合いが複雑で、素線の数も多いため、素線の撚りを解すのに非常に手間がかかる。また、各素線の絶縁被覆を除去した後、再び撚りを戻すことは、撚りを解す以上に手間のかかる作業である。
上述のような撚り解しと撚り戻しの手間は、常電導リードの断面積が大きくなるほど、つまり素線の数が多くなるほど指数関数的に顕著になる。例えば、3kAの交流通電では常電導リードの断面積は3500mm程度であり、その場合には手間はかかるものの撚り解しも撚り戻しも行える。しかし、4kAの交流通電では常電導リードの断面積は4000mm以上となってしまい、そうなるともはや撚り解しの手間も撚り戻しの手間も工業的な許容範囲を超えてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、撚線構造で大電流を流すことができる常電導リードを提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記常電導リードを用いたブッシングを提供することにある。
本発明の一態様に係る常電導リードは、超電導ケーブルの超電導導体と電気的に接続される常電導リードであって、前記常電導リードは、その断面積が4000mm以上で、かつ断面扇状の複数のセグメントが集合されてなる。各セグメントは、撚り合わされた複数のストランドがセグメント形状となるようにプレス成形されてなり、各ストランドは、線状の導体の外周に絶縁被覆を形成した複数の素線が撚り合わされてなる。各素線の両端部における絶縁被覆の除去長さのバラツキは、5mm以内である。
本発明の一形態に係るブッシングは、超電導ケーブルと、その超電導ケーブルの外部の常電導部との間で電力を入出力するために利用されるブッシングであって、上記常電導リードと、その外周を覆う固体絶縁層と、を備える。
ここで、上記常電導リードを作製するための常電導リードの製造方法について、以下に言及する。常電導リードの製造方法は、超電導ケーブルの超電導導体と電気的に接続される常電導リードの製造方法であって、以下の工程を備えることを特徴とする。
[準備工程]…線状の導体と、その外周を覆う絶縁被覆とを有する素線を複数撚り合わせたストランドを、所定長の常電導リードに対応する長さに切断する。
[端部処理工程]…ストランドの両端部において、各素線の絶縁被覆を除去する。
[成形工程]…端部処理した複数のストランドを撚り合せた状態で束ねて、プレス金型により断面扇状のセグメントにプレス成形する。
[集合工程]…複数のセグメントを集合して常電導リードを形成する。
上記常電導リードの製造方法によれば、渦電流損と表皮効果を低減することができる複数の素線からなる常電導リードを効率良く製造することができる。それは、ストランドを作製した段階でストランドを所定長に切り揃え、かつ素線の絶縁被覆を除去するタイミングを、ストランドを所定長に切り揃えた後であって、セグメントを形成する前としたからである。常電導リードが完成した状態で常電導リードを構成する全ストランドの絶縁被覆を一度に除去するよりも、常電導リードを構成する各ストランドの絶縁被覆を個別に除去する方が遥かに容易で時間もかからない。
ここで、上記製造方法の準備工程で用意するストランドの全長は、作製する常電導リードの全長に対応する2000〜3000mm程度である。このような短尺のストランドを集合してセグメントを成形することを、従来の製造方法のようにダイスを用いて行うことは極めて難しい。複数のストランドを集合してダイスに通すとき、ダイスを通過したストランド集合体の先端部を引っ張ると、ストランド集合体の後端部分が暴れ、ストランドが損傷し易いからである。つまり、ストランド集合体をダイスに通すには、リールなどに巻き取られた長尺のストランドをダイスに供給するなどして、ストランド集合体の後端部が暴れないようにする必要がある。これに対して、上記製造方法では、断面扇状のプレス金型内に、複数のストランドを撚り合せた撚り合わせ体を配置し、プレスするだけでセグメントを作製することができる。
実施形態に係る常電導リードが、従来と異なる上記常電導リードの製造方法により得られたものであることは、各素線の両端部における絶縁被覆の除去長さが揃っていることから分かる。従来の製造方法で得られた常電導リードでは、セグメントを集合し終わってから常電導リードの端部を解して絶縁被覆を除去するため、絶縁被覆の除去長さにバラツキができ易いからである。
上記常電導リードの製造方法の一形態として、準備工程で用意するストランドが、ストランドの長手方向に真っ直ぐに延びる中心素線を有する場合、準備工程の後で成形工程の前にストランドから中心素線を抜き取る中心素線除去工程を備えることが好ましい。
ストランドから中心素線を抜いておくことで、ストランドにおいてストランドの外周に全く露出しない中心素線をなくすことができる。その結果、高周波通電における表皮効果の低減を図ることができる。また、中心素線を抜いておくことで、成形工程で束ねたストランドをプレス成形する際、素線の逃げ代を確保することができ、特定の素線が拉げたりすることを抑制できる。
上記常電導リードの製造方法の一形態として、端部処理工程において、ストランドの両端部で素線の撚り合わせを解し、各素線の絶縁被覆をリムーバー(剥取工具)で剥ぎ取って、素線の撚り合わせを戻すことが好ましい。
ストランドを構成する素線の数は、一般に7〜15本程度であるため、素線の撚り合わせを解すことも、絶縁被覆を除去した後に各素線を再び撚り合わせることも容易である。また、リムーバーで絶縁被覆を剥ぎ取ることで、各素線の絶縁被覆を確実に除去することができるし、その剥ぎ取りの際に素線を傷める可能性も低減できる。
上記リムーバーによる端部処理を行う場合、絶縁被覆が除去されて露出した導体同士を半田により一体化する半田めっき工程を行うことが好ましい。
端部処理後に導体同士をめっきすることにより、後工程でストランドを扱う際にストランドの撚りが解れ難くなる。また、このめっきは、完成した常電導リードにおいて、常電導リードを構成する各素線と、常電導リードを他の導電部材(超電導導体など)に接続するための接続金具と、の導通を確保する役割を果たす。
さらに、上記常電導リードの製造方法の一形態として、端部処理工程において、ストランドの両端部の各素線を半田により一体化することに伴って、各素線の絶縁被覆を溶融除去することが好ましい。
上記構成によれば、ストランドに備わる各素線の絶縁被覆を除去すると同時に、ストランドの素線同士を半田により一体化することができる。
上記常電導リードは、撚線構造でありながらその断面積が大きいため、大電流を流すことができる。
上記ブッシングによれば、超電導ケーブルと常電導部との間で電力を入出力するにあたり、渦電流損と表皮効果を低く抑えることができる。
代表的な超電導ケーブルの端末接続構造の概略構成図である。 実施形態に係る常電導リードの製造工程の模式図である。 従来の常電導リードの製造工程の模式図である。 (A)はストランドの概略断面図、(B)はセグメントの概略断面図、(C)は常電導リードの概略断面図である。
以下の実施形態では、実施形態に係る常電導リードを超電導ケーブルの端末接続構造に適用した例を図に基づいて説明する。以下、実施形態に係る常電導リードを説明するにあたり、まず始めに端末接続構造の概略を説明し、その後、常電導リードの製造方法を説明する。
<端末接続構造の全体構成>
図1に示す端末接続構造は、常温側の常電導導体200と低温側の超電導ケーブル300との間で電力の出入力を行うために、常電導導体200と超電導ケーブル300の超電導導体とを接続する構成である。具体的には、超電導ケーブル300に備わる超電導導体に接続され、低温側と常温側との間の電気的導通をとるブッシング100と、超電導ケーブル300の端部とブッシング100とを接続する接続用導体400と、接続用導体400が収納される端末接続箱(低温容器)500とを備える。
超電導ケーブル300は、三相交流用ケーブルであり、二重管構造の断熱管302内に3心のコア301を備える。各コア301は、中心から順にフォーマ、超電導導体層、絶縁層、超電導シールド層、保護層を備える。なお、図面上は、1心のケーブルコアのみを図示している。
端末接続箱500は、ブッシング100の一端側(極低温側)、及び接続用導体400が収納され、これらを冷却する冷媒が充填される冷媒槽LCと、この冷媒槽LCの外周を覆うように配置される真空槽VCとを備える。冷媒層LCの内部には、通常、液体窒素などの液体冷媒が封入されている。真空槽LCの常温側には、碍管600が突設され、内部にブッシング100の他端(常温側端部)が収納される。碍管600内には、SFや絶縁油等の絶縁流体が充填されている。
ブッシング100は、常電導リード10と、その常電導リード10を覆う固体絶縁層20とを備える。常電導リード10の詳細は、次述する。固体絶縁層20は、電気絶縁性に優れるFRPなどで形成される。
<常電導リード>
本実施形態における常電導リード10は、4kAの交流通電を可能にする、4000mm以上の断面積を有する常電導リード10である。この常電導リード10の基本的な構成は、図4を参照して説明した従来の常電導リードと同様である。即ち、図4(C)に示すように、本実施形態の常電導リード10は、断面扇状の複数のセグメント3が集合されてなる。各セグメント3は、図4(B)に示すように、撚り合わされた複数のストランド2がセグメント状に形成されてなる。また、各ストランド2は、図4(A)に示すように、互いに絶縁された複数本の素線が撚り合わされてなる。なお、本実施形態の常電導リードと従来の常電導リードとの相違点については後述する。
このような常電導リード10は、例えば、図2に示す製造工程に従って製造することができる。
(1)線状の導体と、その外周を覆う絶縁被覆とを有する素線を複数撚り合わせたストランドを、作製する常電導リードに対応する長さに切断する『準備工程』
(2)ストランドの長手方向に真っ直ぐに延びる中心素線をストランドから抜き取る『中心素線除去工程』
(3)ストランドの両端部において、各素線の絶縁被覆を除去する『端部処理工程』
(4)絶縁被覆が除去されて露出した導体同士を半田により一体化する『半田めっき工程』
(5)端部処理した複数のストランドを撚り合せた状態に束ねて、プレス金型により断面扇状のセグメントにプレス成形する『成形工程』
(6)複数のセグメントを集合して常電導リードを形成する『集合工程』
なお、(2)、(4)は必須の工程ではない。また、後述する変形実施形態に示すように、(4)に相当する工程を上記のタイミングとは異なるタイミングで行っても良い。
(準備工程)
まず、線状の導体と、その外周を覆う絶縁被覆と、を有する素線を所定数用意する。導体にはCuやその合金などを使用でき、絶縁被覆にはポリエステルや、ナイロン、エポキシ樹脂などを使用できる。導線の直径は0.8〜3mm、絶縁被覆の厚さは10〜40μm程度とすると良い。
次に、用意した素線を複数本撚り合わせて、ストランドを作製する。一本のストランドを構成する素線の数は、7本、9本、もしくは15本とすることが好ましい。これらの本数であれば、各素線間の間隔を小さくでき、ストランドに占める素線の割合(占積率)を高くすることができる。なお、7,9、15本撚りのストランドの場合、ストランドの中心位置にあって、ストランドの長手方向に真っ直ぐに延びる中心素線を有する。
作製する常電導リードに要求される導体断面積に応じた数のストランドを所定数作製したら、各ストランドを所定長に切断する。ストランドの切断長さは、作製する常電導リードの長さに応じて適宜選択すれば良く、例えば、2000〜3000mm程度である。なお、ストランドは、後述するようにさらに撚り合わされるので、作製する常電導リードの長さよりも若干長めにストランドの切断長を決定することが好ましい。
(中心素線除去工程)
この中心素線除去工程は、必須の構成ではないものの、行った方が好ましい。この工程では、ストランドを構成する複数の素線のうち、撚り合わせ中心にあって、ストランドの長手方向に沿って真っ直ぐに伸びる中心素線を抜き取る。中心素線を抜き取る意義は、交流通電における表皮効果の影響を低減することと、後述するプレス成形工程で素線の動き代を確保することである。
ここで、中心素線除去工程を行うことを前提とするのであれば、準備工程で用意するストランドの中心素線は、絶縁被覆を有する素線と異なる構成であっても良い。例えば、ステンレスなどの引っ張り強度に優れる裸の線材を利用することができる。ストランドから抜き取ってしまうのであれば、そもそも中心素線には絶縁被覆が必要ないからである。
(端部処理工程)
端部処理工程では、例えばリムーバーにより素線の絶縁被覆を剥ぎ取る。具体的には、ストランドの両端部において、素線同士の撚り合わせを解して、各素線の間隔を、リムーバーを使用できる程度にまで拡げる。ここで、ストランドを構成する素線の数は、多くても15本程度であるので、素線同士の撚り合わせを解すことは容易である。
次いで、リムーバーを用いて素線の絶縁被覆を剥ぎ取る。リムーバーを用いることで、各素線から絶縁被覆を確実に除去できるし、その除去の際に導体を傷つけることも少ない。また、絶縁被覆の剥ぎ取り長を揃え易いという利点もある。
最後に、絶縁被覆を剥いだ各素線を再び撚り合わせて、元のストランドの形に戻す。素線同士を撚り合わせることも、ストランドを構成する素線の数が少ないため、容易である。
なお、端部処理工程は、上述したリムーバーを用いたものに限定されるわけではない。例えば、サンドブラストなどを利用して絶縁被覆を除去しても良いし、後述する変形実施形態に示すように、絶縁被覆を熱融解させることで絶縁被覆を除去しても良い。
(半田めっき工程)
半田めっき工程では、ストランドの端部に露出した導体同士を半田により一体化する。例えば、半田めっき工程は、ストランドの端部を半田浴に浸漬することで行うことができる。使用する半田は、錫や鉛を含む通常の半田で良い。
ストランド端部の導体同士を半田で一体化することで、以降、ストランドを扱う際、ストランドの端部における素線の撚り合わせを解れ難くできる。また、導体同士を一体化しておくことで、導体同士の間の導通を確実に確保することができる。仮に、ストランドのある導体と、その導体とは別の導体が非導通となっていた場合、作製した常電導リードを他の導電部材と接続したときに、使用されない導体が生じることになる。導体同士を一体化しておけば、このような問題は生じない。
なお、半田めっき工程は、後述する『成形工程』後、あるいは『集合工程』後に行っても良い。
(成形工程)
成形工程では、まず、端部処理した複数のストランドを撚り合せた状態に束ねる。撚り合わせる数は、適宜選択することができる。例えば、40〜300本とすると良い。
次いで、撚り合せたストランドをプレス金型に配置して、プレス成形する。プレス金型は、ストランドを載置できる溝を有しており、その溝の形状は、溝の底部から開口部に向かって徐々に広がる形状である。そのため、撚り合わされたストランドをプレス成形することで得られるセグメントは、断面扇状の長尺体となる。断面扇状とは、図4(B)に示すように、2本の直線と1本の円弧とでできている断面も含むし、2本の直線と、これらの直線の一端同士を繋ぐ内周円弧、および他端同士を繋ぐ外周円弧とでできている断面も含む。
(集合工程)
集合工程では、複数のセグメントを集合して常電導リードを完成させる。集合するセグメントの断面が、2つの直線と1つの円弧とでできていれば、常電導リードの断面は円形になる。また、セグメントの断面が2つの直線と2つの円弧とでできていれば、常電導リードの断面は円環形になる。交流通電においては表皮効果により常電導リードの中心部分に電流が流れ難くなるため、常電導リードの断面を円環状としても問題ない。
以上説明した工程を備える常電導リードの製造方法によれば、常電導リードの作製時間を大幅に短縮することができる。これは、素線の撚り合わせ数の少ないストランドの状態であれば、素線から絶縁被覆を除去することが極めて容易であるからである。そのため、図3を参照して説明した従来の製造方法のように、複数のストランドを撚り合わせてから、その端部で素線の絶縁被覆を一括で除去するよりも、図2を参照して説明した本実施形態の製造方法のように、複数のストランドについて個別に素線の絶縁被覆を除去した後、ストランドを撚り合わせる方が、遥かに短時間で済む。
また、上記常電導リードの製造方法によれば、作製できる常電導リードの断面積に実質的な制限がなくなる。従来技術のように、複数のストランドを撚り合わせてから素線の絶縁被覆を除去する場合、ストランドの数が多くなってくると、撚り合せたストランドの素線を解すことが難しく、また解すことができても撚り戻すことが不可能になる。
ここで、本実施形態で作製された常電導リードが、本実施形態の常電導リードの製造方法で作製されたことは、常電導リードの両端部における各素線の絶縁被覆の除去長さが揃っていることからわかる。絶縁被覆の除去長さが揃うのは、個別のストランドに対して絶縁被覆を除去する作業を行うためである。また、大断面積(具体的には4000mm以上)の常電導リードであるという時点で、従来技術で作製されたものでなく、実施形態に示した常電導リードの製造方法により作製されたものであるといえる。
<変形実施形態>
以下、図2を参照した製造工程とは若干異なる変形実施形態について言及する。
例えば、端部処理工程の直後に半田めっき工程を行わず、成形工程の後や集合工程の後に半田めっき工程を行っても良い。その場合もやはり、セグメントの端部を半田浴に浸漬すると良い。
その他、端部処理工程において、絶縁被覆の除去と、半田による素線の一体化とを同時に行っても良い。その場合、例えば、ストランドの端部を半田浴に浸漬し、半田の熱によって絶縁被覆を溶解させると良い。そうすることで、半田による素線の一体化も同時に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、実施形態で説明した常電導リードは、超電導ケーブルの途中から常電導側に電力を引き出す分岐接続構造に設けても良い。
常電導リードは、超電導ケーブルと外部の常電導部との間で電力を入出力することに好適に利用可能である。
100 ブッシング
10 常電導リード 1 素線 2 ストランド 3 セグメント
20 固体絶縁層
200 常電導導体
300 超電導ケーブル 301 コア 302 断熱管
400 接続用導体
500 端末接続箱 LC 冷媒槽 VC 真空槽
600 碍管

Claims (2)

  1. 超電導ケーブルの超電導導体と電気的に接続される常電導リードであって、
    前記常電導リードは、その断面積が4000mm以上で、かつ断面扇状の複数のセグメントが集合されてなり、
    各セグメントは、撚り合わされた複数のストランドがセグメント形状となるようにプレス成形されてなり、
    各ストランドは、線状の導体の外周に絶縁被覆を形成した複数の素線が撚り合わされてなり、
    各素線の両端部における絶縁被覆の除去長さのバラツキは、5mm以内である常電導リード。
  2. 超電導ケーブルと、その超電導ケーブルの外部の常電導部との間で電力を入出力するために利用されるブッシングであって、
    請求項1に記載の常電導リードと、
    その常電導リードの外周を覆う固体絶縁層と、
    を備えるブッシング。
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