JP5795517B2 - 転倒防止装置 - Google Patents
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この構成によれば、設備機器Wで発生した振動は、上架台102に伝播した後、防振部材で吸収されることで、下架台101及び構造物等へ振動が伝播するのを抑制できる。
本発明に係る転倒防止装置は、設置面側に取り付けられる下側フレームと、前記下側フレームに対して重力方向の上方に配置され、載置物が取り付けられる上側フレームと、前記下側フレームと前記上側フレームとの間に配設され、少なくとも前記下側フレームと前記上側フレームとを離間させる方向に付勢力が作用する弾性部材と、を有する制振装置に取り付けられ、前記下側フレームに対する前記上側フレームの傾倒を抑制する転倒防止装置であって、前記上側フレームと前記下側フレームとの間に、水平方向のうち一方向の両側に対向して配設された第1リンク機構、及び第2リンク機構と、前記一方向に沿って延在し、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構を連結するとともに、前記一方向回りに回動可能とされたトーションバーと、を有する転倒防止装置本体を備え、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、前記トーションバーに固定されたリンクプレートと、前記リンクプレートと前記上側フレームとの間に回動可能に支持されたリンクバーと、をそれぞれ備え、前記リンクプレートは、前記リンクバーを前記一方向回りに回動可能に支持する第1連結部を備え、前記一方向から見て前記トーションバーと前記第1連結部とを結ぶ第1直線が前記重力方向に交差し、前記転倒防止装置本体は、水平方向のうち前記一方向に直交する他方向に沿って一対配設され、一対の前記転倒防止装置本体は、これら前記転倒防止装置本体の間の中心を通り重力方向に沿う線を中心にして線対称に配設され、前記一対の転倒防止装置本体の前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士を連結して、前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士をそれぞれ連動させる一対の連動機構を備え、前記一対の連動機構は、前記第1リンク機構同士間、及び前記第2リンク機構同士間にそれぞれ配設され、前記一方向に沿って配置された回動軸回りに回動可能な回動プレートと、前記回動プレートと、前記一対の転倒防止装置本体のうち、一方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第1連結バーと、前記回動プレートと、他方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第2連結バーと、を備え、前記第1連結バー及び前記第2連結バーは、一端側が前記リンクプレートに配設された第2連結部に支持され、他端側が前記回動プレートのうち、前記回動軸を間に挟んで対向する位置でそれぞれ支持され、前記一方向から見て前記トーションバーと前記第2連結部とを結ぶ第2直線が前記第1直線に交差していることを特徴とする。
第1リンク機構のリンクバーが引き上げられると、リンクプレートはトーションバーの延在方向回りに、トーションバーと共回りする。
そして、トーションバーが回動すると、第2リンク機構のリンクプレートがトーションバーとともに、第1リンク機構側のリンクプレートと同一方向に回動する。
第2リンク機構側のリンクプレートが回動することで、第2リンク機構側のリンクバーが、上方に向けて押し上げられる。これにより、リンクバーによって上側フレームのうち、一方向に沿う一方側が上方に向けて変位することになる。
さらに、地震発生時等において、載置物の他方側への傾動動作に応じて上側フレームの一方側が例えば下側フレームに離間する方向(上方)に向けて変位すると、一方側の転倒防止装置本体における各リンク機構のリンクバーが引き上げられる。すると、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートがトーションバーの延在方向回りに回動する。
そして、リンクプレートが回動すると、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートと回動プレートとを連結する第1連結バーが一方向に沿って変位することで、これに追従して回動プレートが回動軸回りに回動する。回動プレートが回動すると、回動プレートと他方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートとを連結する第2連結バーが、回動軸を中心にして第1連結バーと点対称に変位する。これにより、第2連結バーに追従して、他方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートがトーションバー回りに、一方側の転倒防止装置本体におけるリンクプレートと逆方向に回動することになる。そのため、他方側の転倒防止装置本体におけるリンクバーが上方に押し上げられるように変位することになる。
したがって、他方向に沿う一方側での上側フレームの重力方向への変位に追従して、載置物、及び上側フレームの全体が上方に向けて変位することになる。すなわち、他方向への振動発生時において、一方側の転倒防止装置本体と、他方側の転倒防止装置本体と、が連動機構を介して連動し、上側フレームを重力方向に変位させることができるので、下側フレームに対する上側フレームの傾動を抑制できる。
その結果、水平方向に沿う一方向のみに関わらず、一方向に直交する他方向に沿う変位も低減できるため、載置物の転倒や周辺との干渉を確実に防止できる。
(第1実施形態)
(防振架台)
図1は防振架台の斜視図である。本実施形態では、本発明に係る転倒防止装置が制振装置に取り付けられてなる防振架台について説明する。
同図に示すように、本実施形態の防振架台1は、例えば室外機等のような設備機器(載置物)Wをビルの屋上等、構造物の設置面Gに設置する際に、設備機器Wと設置面Gとの間に配設されるものである。
具体的に、防振架台1は、設置面Gに取り付けられる下架台(下側フレーム)11と、下架台11の上方に間隔を空けた状態で下架台11に接近離間可能に連結されるとともに、設備機器Wが取り付けられる上架台(上側フレーム)12と、下架台11と上架台12との間に配置される防振部材(弾性部材)14と、を有する制振装置2、及びこの制振装置2に取り付けられ、下架台11に対する上架台12の傾倒を抑制する転倒防止装置13を有している。
まず枠構成材22は、鉄等の角パイプ等からなり、長尺体22a、及び長尺体22aよりも短い短尺体22bを一対ずつ備えている。これら長尺体22a同士、及び短尺体22b同士は、それぞれ平行に配置されるとともに、長尺体22a、及び短尺体22bがそれぞれ直交するように配置されている。したがって、下架台11は、長尺体22aの延在方向を長手方向、短尺体22bの延在方向を短手方向とする長方形状に形成されている。また、以下の説明では、設置面Gと平行な水平面内において、下架台11の長手方向をX方向、短手方向をY方向、X方向及びY方向に直交する上下方向をZ方向として説明する。
なお、各枠構成材22の上下面には、XY方向で重なる位置にZ方向に沿って貫通する図示しない複数の貫通孔が形成され、これら貫通孔に図示しない基礎ボルトが挿通されることで、下架台11が構造物の設置面Gに設置される。
まず、枠構成材24は、上述した下架台11の枠構成材22と同様に、鉄等の角パイプ等からなり、長尺体24a、及び長尺体24aよりも短い短尺体24bを一対ずつ備えている。そして、これら長尺体24a同士、及び短尺体24b同士は、それぞれ平行に配置されるとともに、長尺体24a、及び短尺体24bがそれぞれ直交するように配置されている。そして、これら長尺体24aと短尺体24bの端部同士が接合されている。したがって、上架台12は、長尺体24aの延在方向を長手方向、短尺体24bの延在方向を短手方向とする長方形状に形成されている。
図1,2に示すように、下架台11と上架台12との間には、両者11,12をZ方向に沿って接近離間可能に連結する連結部材25が設けられている。連結部材25は、下架台11と上架台12を連結する連結ボルト26を有している。連結ボルト26は、下架台11におけるコーナ部材21の上面に形成された下側連結孔27から、上架台12におけるコーナ部材23の下面に形成された上側連結孔28に向けて挿通されている。
一方、連結ボルト26のうち、コーナ部材23の下面を間に挟んで下側にはコーナ部材23との間に隙間をあけて減衰材付振れ止め金具31が、上側にはナット32が螺着されている。これにより、連結ボルト26の先端側は、減衰材付振れ止め金具31とナット32との間で、上側連結孔28内を上架台12に対して摺動可能に配置されている。すなわち、減衰材付振れ止め金具31とナット32とにより上架台12のZ方向への変位量が規制されている。また、ナット32と上架台12の下面との間、及び上側連結孔28内には、ダンパ33が介装されている。
図3は、図1のF矢視図である。
図1,3(a)に示すように、転倒防止装置13は、下架台11及び上架台12におけるX方向(他方向)の両側に対をなして取り付けられた転倒防止装置本体15を備えている。なお、各転倒防止装置本体15は、それぞれ同一の構成からなるため、以下の説明では、一方の転倒防止装置本体15について説明し、他方の転倒防止装置本体15については説明を省略する。
トーションバー41は、下架台11の長尺体22a間を架け渡す丸鋼からなり、その延在方向両端部が各長尺体22aに設けられた止め金具44により回動可能に支持されている。
収容部45の内周面、及び長尺体22aの上面と、トーションバー41の外周面との間には、ゴム等からなる図示しない軸受が介装され、トーションバー41をY方向回りに回動可能に支持している。そして、止め金具44は、取付片46を介して長尺体22aの上面に固定されている。
次に、上述した転倒防止装置13の作用について説明する。なお、以下の説明では、設備機器Wが地震等の大きな振動によって、水平方向の振動のうち主にY方向へ往復振動する場合について説明する。
図1,3(a)に示すように、設備機器WがY方向(制振装置2の短手方向)に沿って往復振動する際に、例えば−Y方向側(例えば、第2リンク機構43側)に向けて変位すると、設備機器Wの−Y方向への傾動動作に応じて、上架台12の+Y方向側(例えば、第1リンク機構42側)は上方に向けて変位する。この場合、上架台12のうち、+Y方向側が連結部材25のナット32に当接して、上架台12における+Y方向側のそれ以上の変位が規制されるとともに、ナット32には上方への引張力が作用する。さらに、上架台12の変位に伴い、第1リンク機構42のリンクバー48が引き上げられる(図3(a)中矢印参照)。
以上の動作を繰り返すことで、結果的にY方向への変位をZ方向への変位へ変換しながら、防振部材14によりZ方向への振動が減衰される。
さらに、下架台11及び上架台12の短手方向(Y方向)に沿うように各転倒防止装置本体15を設けたため、長手方向(X方向)に比べて傾倒し易い短手方向への傾倒を抑制できる。これにより、設備機器Wの転倒や周辺との干渉を確実に防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態の防振架台の斜視図である。なお、本実施形態の転倒防止装置13は、下架台11及び上架台12のY方向(他方向)両側に転倒防止装置本体215を一対取り付け、これら転倒防止装置本体215の第1リンク機構242同士及び第2リンク機構243同士をそれぞれ連動機構201により連結した点で、上述した第1実施形態と相違している。以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、各転倒防止装置本体215は、Y方向に沿う転倒防止装置13の中心を通りZ方向に沿う対称線を中心にして線対称に配設されている。なお、第1転倒防止装置本体215a及び第2転倒防止装置本体215bの各構成部品は、それぞれ同様であるため、以下の説明ではまとめて転倒防止装置本体215として説明する。
図4,5(a)に示すように、第1リンク機構242は、リンクプレート247と、リンクプレート247を支持するステー202(図4参照)と、リンクプレート247と上架台12との間で回動可能に連結されたリンクバー48と、を備えている。
ステー202は、Y方向から見てL字状に屈曲された板材であり、基端側が下架台11の上面に固定され、先端側が上方に向けて延在している。
なお、リンクプレート247のうち横アーム212におけるY方向の内側端部には、X方向に沿って延在する回動軸(第1連結部)216が設けられている。この回動軸216は、トーションバー41の延在方向(X方向)と平行に配置され、X方向から見て回動軸216とトーションバー41とを結ぶ第1直線がZ方向に交差している。本実施形態では、トーションバー41に対してY方向の内側にオフセットした位置に配置されている。そして、この回動軸216回りにリンクバー48の下端部が回動可能に支持されている。
連動機構201は、下架台11に固定されたステー221と、ステー221に回動軸222を介して回動可能に支持された回動プレート223と、回動プレート223と各転倒防止装置本体215とを連結する一対の連結バー224と、をそれぞれ有している。
回動プレート223は、Z方向に沿って延在する板材であり、その中央部がX方向に沿って延在する回動軸222に支持されている。
また、第2連動機構201bの第2連結バー224bは、その外側端部が上述した第2転倒防止装置本体215bにおける第2リンク機構243の縦アーム213に、回動軸231を介してX方向回りに回動可能に支持されている。一方、第2連結バー224bの内側端部は、回動プレート223において回動軸222に対して他端側(上端側)、すなわち回動軸222を間に挟んで第2連結バー224bと反対側でX方向回りに回動可能に支持されている。
次に、第2実施形態における転倒防止装置13の作用を説明する。
図4,5(a)に示すように、本実施形態の転倒防止装置13においては、上述した各転倒防止装置本体215がX方向に沿うように配設されているため、特にX方向への振動発生時において、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、X方向への振動発生時において、トーションバー41を介して各リンク機構242,243が連動することで、上架台12におけるX方向に沿う片側への変位に追従して、上架台12の全体を上方に変位させる。これにより、下架台11に対する上架台12のX方向への傾動を抑制できる。
その結果、第2連結バー224bに追従して、第2転倒防止装置本体215bのリンク機構242,243のリンクプレート247がトーションバー41回りに、第1転倒防止装置本体215のリンクプレート247と逆方向に回動することになる。具体的には、第2転倒防止装置本体215bのリンクプレート247のうち、縦アーム213がY方向の内側に向けて回動することで、横アーム212が上方に変位する。
例えば、上述した実施形態では、本発明の下側フレーム、及び上側フレームは、下架台11、及び上架台12のような矩形枠状に限らず、適宜設計変更が可能である。
また、上述した第2実施形態では、リンクプレート247を、L字状に一体に形成する場合について説明したが、これに限られない。すなわち、X方向から見てトーションバー41と回動軸216とを結ぶ第1直線がZ方向に交差し、かつトーションバー41と回動軸230とを結ぶ第2直線が、上述した第1直線に交差していれば、L字状に限らず、円形等適宜設計変更が可能である。また、上述した条件を満たせば、リンクプレート247は一体に形成することに限られない。
また、上述した実施形態では、設備機器Wの傾動動作に応じて上架台12の片側が上方に向けて移動する場合について説明したが、上架台12の片側が下方に向けて移動する場合には、上述した作用と逆の作用により下架台11に対する上架台12の傾動を抑制できる。
Claims (1)
- 設置面側に取り付けられる下側フレームと、
前記下側フレームに対して重力方向の上方に配置され、載置物が取り付けられる上側フレームと、
前記下側フレームと前記上側フレームとの間に配設され、少なくとも前記下側フレームと前記上側フレームとを離間させる方向に付勢力が作用する弾性部材と、を有する制振装置に取り付けられ、
前記下側フレームに対する前記上側フレームの傾倒を抑制する転倒防止装置であって、
前記上側フレームと前記下側フレームとの間に、水平方向のうち一方向の両側に対向して配設された第1リンク機構、及び第2リンク機構と、
前記一方向に沿って延在し、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構を連結するとともに、前記一方向回りに回動可能とされたトーションバーと、を有する転倒防止装置本体を備え、
前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、
前記トーションバーに固定されたリンクプレートと、
前記リンクプレートと前記上側フレームとの間に回動可能に支持されたリンクバーと、をそれぞれ備え、
前記リンクプレートは、前記リンクバーを前記一方向回りに回動可能に支持する第1連結部を備え、
前記一方向から見て前記トーションバーと前記第1連結部とを結ぶ第1直線が前記重力方向に交差し、
前記転倒防止装置本体は、水平方向のうち前記一方向に直交する他方向に沿って一対配設され、
一対の前記転倒防止装置本体は、これら前記転倒防止装置本体の間の中心を通り重力方向に沿う線を中心にして線対称に配設され、
前記一対の転倒防止装置本体の前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士を連結して、前記第1リンク機構同士、及び前記第2リンク機構同士をそれぞれ連動させる一対の連動機構を備え、
前記一対の連動機構は、
前記第1リンク機構同士間、及び前記第2リンク機構同士間にそれぞれ配設され、前記一方向に沿って配置された回動軸回りに回動可能な回動プレートと、
前記回動プレートと、前記一対の転倒防止装置本体のうち、一方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第1連結バーと、
前記回動プレートと、他方の前記転倒防止装置本体における前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の前記リンクプレートと、の間でそれぞれ回動可能に支持された第2連結バーと、を備え、
前記第1連結バー及び前記第2連結バーは、一端側が前記リンクプレートに配設された第2連結部に支持され、他端側が前記回動プレートのうち、前記回動軸を間に挟んで対向する位置でそれぞれ支持され、
前記一方向から見て前記トーションバーと前記第2連結部とを結ぶ第2直線が前記第1直線に交差していることを特徴とする転倒防止装置。
Priority Applications (1)
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