JP5795191B2 - 農業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、収穫した里芋から根を除去する農業機械に関する。
畑から収穫した里芋には、多数の根が生えている。生産者は、収穫した里芋を市場に出荷するに際して、手作業で里芋からこれらの根をむしり取る。しかし、里芋から根をむしり取る作業は、生産者にとって非常に煩雑な作業である。そこで、この問題を解決するべく、里芋から根を除去する農業機械が開発されている(特許文献1を参照)。
この農業機械は、軸架した大径ロールと、その大径ロール面に軸架した小径ロールによって圧接保持されるベルトと、の間に、圧接面を有している。そして、大径ロールの面上に、大径ロールの軸方向に傾斜して連続する細長い移動経路が形成されている。この移動経路内には、撹拌羽根を有する回転軸が、移動経路に沿って設置されている。移動経路の片側には、大径ロールとベルトとの間の圧接面の一端が、連続して位置している。
移動経路において、大径ロールの回転方向は、大径ロールの表面が圧接面の一端に向かって進行する方向である。すなわち、移動経路において、大径ロールの表面の移動方向の下手側に、圧接面の一端が位置する。また、撹拌羽根を有する回転軸の回転方向は、大径ロールの回転方向と逆向きであり、小径ロールの回転方向も、大径ロールの回転方向と逆向きである。
生産者は、根が生えている里芋を移動経路の入側端に投入する。移動経路が傾斜しているので、里芋は、大径ロールの軸方向沿いに移動経路を入側端から出側端まで移動する。同時に、大径ロールの回転によって、移動経路の里芋は、圧接面の一端に向かって移動する。里芋が圧接面の一端の近くまで移動すると、その里芋の根は、圧接面に引き込まれる。そして、里芋から根が引きちぎられて除去される。
大径ロールは同一方向に回転し続ける。このため、圧接面によって根を除去された里芋は、大径ロールの表面の移動方向の下手側にそのまま留まろうとする。回転軸の撹拌羽根が、圧接面によって根を除去された里芋を、大径ロールの表面の移動方向の上手側に押し戻す。そして、圧接面の一端の近くに、別の里芋が新たに移動してくる。この新たに移動してきた里芋の根が、圧接面に引き込まれて除去される。
実公平1−30076号公報
前述した農業機械において、移動経路を入側端から出側端まで移動する里芋は、回転軸の撹拌羽根によって、大径ロールの表面の移動方向の上手側に何回も押し戻される。里芋には大径ロールからの力が働いている。撹拌羽根は、大径ロールから里芋に働く力に逆らって、里芋を大径ロールの表面の移動方向の上手側に押し戻さなければならない。このため、撹拌羽根から里芋に働く力は大きな力とならざるを得ない。この結果、里芋の表皮等は、撹拌羽根から受ける力によって傷ついてしまう。里芋についた傷が大きければ、里芋から表皮がはがれ落ちる。
里芋において、その表皮に傷がついていると、その傷がついた部分の周辺が変色したり硬くなったりして、里芋の商品価値が低下する。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、里芋の商品価値を損なうことなく里芋から根を除去することが可能な農業機械を提供することである。
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る農業機械は、収穫した里芋から根を除去する農業機械であって、里芋を入口側から出口側まで搬送する搬送路を備え、前記搬送路は、回転軸周りに回転する複数本の第1のローラ体と、回転軸周りに回転する複数本の第2のローラ体と、からなり、前記搬送路の上方に、回転軸周りに回転する複数本の回転押送体を備え、当該回転押送体は、回転軸周りに回転して里芋を出口側に向かって押す回転羽根を有し、前記回転羽根は、前記回転押送体の回転軸からこの回転軸の径方向に張り出しており、前記搬送路を上方から見ると、前記第1のローラ体の回転軸方向と、前記第2のローラ体の回転軸方向と、前記回転押送体の回転軸方向と、は、それぞれ、前記搬送路の搬送方向と交差しており、前記搬送路を上方から見ると、前記第1のローラ体の回転方向は、前記第1のローラ体の周面が入口側から出口側に向かって移動する方向であり、前記第2のローラ体の回転方向は、前記第1のローラ体の回転方向に対して逆向きであり、前記回転押送体の回転方向は、前記第1のローラ体の回転方向に対して逆向きであり、前記搬送路において、前記第2のローラ体は、第2の除根用ローラ体をなしており、当該第2の除根用ローラ体の入口側隣には、1本の前記第1のローラ体が、第1の除根用ローラ体として配置されており、当該第2の除根用ローラ体と、この当該第2の除根用ローラ体の入口側隣にある当該第1の除根用ローラ体と、が、除根部を形成しており、前記第2の除根用ローラ体の出口側隣には、少なくとも1本の前記第1のローラ体であって前記除根部を形成しない前記第1のローラ体が、配置されており、前記第1の除根用ローラ体の入口側隣には、1本の前記第1のローラ体であって前記除根部を形成しない前記第1のローラ体が、進入用ローラ体として配置されており、前記回転押送体をその回転軸方向から見ると、前記搬送路の搬送方向において前記回転押送体の回転軸芯の位置は、前記搬送路の搬送方向において前記除根部の前記第1の除根用ローラ体の周面の入口側の端がある位置と、前記搬送路の搬送方向においてこの前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の入口側の端がある位置と、の間にある。
本明細書の説明で用いる用語を以下のように定義する。
「搬送方向」とは、「搬送路において里芋が搬送される方向」のことをいう。「入口側」とは、「搬送路の搬送方向の上手側(すなわち、入口側)」のことをいい、「出口側」とは、「搬送路の搬送方向の下手側(すなわち、出口側)」のことをいう。「除根部」とは、「第2のローラ体と、この第2のローラ体の入口側隣に配置された第1の除根用ローラ体」のことをいい、「第2の除根用ローラ体」とは、「除根部の一部を形成する第2のローラ体」のことをいう。なお、すべての第2のローラ体は、第2の除根用ローラ体である。「除根部の谷部分」とは、「第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体との間に形成されている谷部分」のことをいう。
搬送路の里芋は、回転する第1のローラ体に触れると、出口側向きの力を受ける。搬送路において、里芋が、第1のローラ体にだけ触れる場合、その里芋は、第1のローラ体によって出口側へ移動する。
里芋が除根部の谷部分にいる場合、その里芋は、第1の除根用ローラ体から出口側向きの力を受け、第2の除根用ローラ体から入口側向きの力を受ける。第1の除根用ローラ体から里芋に働く力と、第2の除根用ローラ体から里芋に働く力と、が、釣り合うと、里芋は除根部の谷部分に留まって転動する。除根部の谷部分で転動する里芋の根は、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体との間に引き込まれ、里芋から引きちぎられる。
搬送方向の成分を有する何らかの外力が、除根部の谷部分で転動している里芋に働くと、その里芋は除根部の谷部分から移動する。里芋を除根部の谷部分から出口側へ移動させるために必要な外力は、わずかな大きさの力で足りる。この外力は、里芋を傷つける大きさの力である必要はない。回転羽根が、除根部の谷部分にいる里芋を出口側に押すと、その里芋は除根部の谷部分から移動する。また、回転羽根によって押されたひとつの里芋が、除根部の谷部分にいる別の里芋に当たると、この別の里芋は除根部の谷部分から移動する。
回転羽根が搬送路の里芋を出口側に押し、除根部の谷部分にいる里芋が除根部の谷部分から移動すると、そのあとに別の里芋が移動してくる。そして、搬送路の里芋は、次から次へと除根部の谷部分に移動して根を除去される。回転羽根が里芋を押す力の大きさは、里芋を傷つける大きさの力である必要はないので、搬送路の里芋に傷がつくことが防止される。
回転羽根によって里芋に傷がつくことを確実に防止する観点から、回転羽根は、可撓性または弾力性を有する部材によって形成されていることが好ましい。回転羽根を形成する部材として、例えば、ゴム板、可撓性または弾力性を有する樹脂板、あるいは、ブラシを挙げることができる。
なお、搬送路において、搬送路の入口側端に最も近い第1の除根用ローラ体よりも入口側に、1本または複数本の第1のローラ体を配置することが好ましい。これにより、里芋が入口側端から搬送路の外に出てしまうことが防止される。
また、搬送路において、搬送路の出口側端に、1本または複数本の第1のローラ体を配置することが好ましい。これにより、搬送路から出るべき里芋が入口側へ逆行することが防止される。
本願発明者は、試行錯誤の末、以下の知見を得た。
先ず、第1のローラ体と第2のローラ体の直径に関する知見を述べる。
第1のローラ体と第2のローラ体の直径がともに小さければ、除根部の谷部分が浅くなる。除根部の谷部分が浅ければ、里芋の短い根が、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体との間に引き込まれて引きちぎられる。しかし、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体の直径が小さくなりすぎると、以下の不具合が生じる。
すなわち、里芋の根が第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体との間に引き込まれる際、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体が、それぞれ撓む。第1の除根用ローラ体や第2の除根用ローラ体の撓みは、里芋の根を引き込む力が弱まる原因になる。また、振動が発生する原因にもなる。
第1のローラ体と第2のローラ体の直径が大きくなりすぎると、以下の不具合が生じる。
すなわち、搬送路を移動する里芋は、第1のローラ体や第2のローラ体を乗り越えなければならない。第1のローラ体と第2のローラ体の直径が大きくなりすぎると、里芋が乗り越えるべき高さが、高くなりすぎる。このような場合に里芋を出口側に移動させるには、第1のローラ体の回転速度を速くするか、回転羽根が里芋を押す力を大きくしなければならない。しかし、第1のローラ体の回転速度が速くなると、第1のローラ体から里芋に働く力が大きくなり、里芋が傷つく可能性が高まる。また、回転羽根が里芋を押す力が大きくなることによっても、里芋が傷つく可能性が高まる。
かかる知見に基づいて、本願発明者は、第1のローラ体と第2のローラ体の直径が、20.0mm以上であり、かつ、40.0mm以下であることが好ましいことを見出した。
次に、隣り合う第1のローラ体どうしの距離に関する知見を述べる。
隣り合う第1のローラ体の周面どうしの間の最短距離は、2.0mm以上であり、かつ、10.0mm以下であることが好ましい。
第1のローラ体の周面には、里芋に付着していた土がこびりつきやすい。隣り合う第1のローラ体の周面どうしの間の最短距離が、2.0mm未満であると、第1のローラ体に付着した土によって、第1のローラ体の径が大きくなる。この結果、隣り合う第1のローラ体どうしが擦れ合う。そして、第1のローラ体の回転が妨げられてしまう。
また、隣り合う第1のローラ体の周面どうしの間の最短距離が10.0mmを超えると、里芋が、隣り合う第1のローラ体どうしの間にはまり込みやすくなる。また、里芋が乗り越えるべき高さも高くなる。この結果、搬送路における里芋の搬送速度が低下し、場合によって、第1のローラ体の回転が妨げられ、里芋に傷がつく可能性が高まる。
また、第2のローラ体の周面と、この第2のローラ体と出口側で隣り合う第1のローラ体の周面と、の間の最短距離は、2.0mm以上であり、かつ、10.0mm以下であることが好ましい。この理由は、隣り合う第1のローラ体の周面どうしの間の最短距離についての理由と同じである。
第1の除根用ローラ体の周面と、第2の除根用ローラ体の周面と、の間の最短距離は、0.0mm以上であり、かつ、2.5mm以下であることが好ましい。この最短距離が2.5mmを超えると、里芋の細い根が、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体との間に引き込まれなくなり、里芋に根が残る原因となる。
第1の除根用ローラ体の周面と、第2の除根用ローラ体の周面と、の間の最短距離は、1.5mm以上であり、かつ、2.5mm以下であることがより好ましい。かかる範囲の最短距離であるならば、第1の除根用ローラ体の周面と、第2の除根用ローラ体の周面と、の間で、里芋の根が押し潰されることが防止される。そして、押し潰され根が、第1の除根用ローラ体の周面と、第2の除根用ローラ体の周面にへばりつくことが防止される。
搬送路において、除根用ローラ体の入口側隣に、少なくとも1本の第1のローラ体を配置することが好ましい。除根用ローラ体の入口側隣に、第2のローラ体を配置すると、搬送路に除根部のみが連続して並ぶことになり、里芋を効率よく搬送しにくくなる。
本願発明者は、試行錯誤の末、以下の知見を得た。
回転押送体をその回転軸方向から見た際に、「回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置」が、「除根部を形成する第1の除根用ローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置」と、「この除根部を形成する第2の除根用ローラ体の周面の出口側の端がある搬送方向における位置」と、の間にある場合、以下の現象が生じる可能性がある。
すなわち、回転羽根が、除根部の谷部分にいる里芋を押す際、回転羽根が略「く」の字形や略「し」の字形に撓み、撓んだ回転羽根が里芋を上から押さえつける可能性がある。かかる現象が生じると、除根部の谷部分にいる里芋は、除根部の谷部分から移動できない。そして、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体が里芋と擦れ合う時間が長くなり、里芋が傷つく可能性が高まる。また、除根部の谷部分で転動する里芋は、撓んだ回転羽根とも擦れ合う。このことも、里芋を傷つける原因になる。回転羽根が古くなって撓み癖がついてくると、かかる現象が生じやすい。
次に、第1の除根用ローラ体の入口側隣に、第1のローラ体が配置されている場合について述べる。
回転押送体をその回転軸方向から見た際に、「搬送方向における回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置」が、「除根部の入口側隣に配置された第1のローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置」と、「この除根部を形成する第2の除根用ローラ体の周面の出口側の端がある搬送方向における位置」と、の間にない場合、以下のようになる。
先ず、回転羽根が除根部の谷部分にいる里芋を直接押しにくくなる。場合によっては、回転羽根は除根部の谷部分にいる里芋を直接押さない。また、回転羽根が里芋を直接押す力の大きさは、里芋を傷つけない大きさの力であり、小さな力である。そして、回転羽根からの力は、回転羽根が直接押した里芋と、この里芋が当たる1個ないし複数個の里芋と、を介して、除根部の谷部分にいる里芋に伝わる。このため、回転羽根から除根部の谷部分にいる里芋に伝わる力は、極めて小さな力になり、その力の方向も定まらない。この結果、回転羽根が搬送路の里芋を押しても、除根部の谷部分にいる里芋は出口側へ移動しにくい。
したがって、第1の除根用ローラ体の入口側隣に、第1のローラ体が配置されている場合、回転押送体をその回転軸方向から見ると、「回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置」が、「除根部の第1の除根用ローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置」と、「この除根部の第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された第1のローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置」と、の間にあることが、搬送路の里芋を効率よく搬送するために好ましい。
請求項2の発明に係る農業機械は、請求項1に記載の農業機械であって、前記回転押送体をその回転軸方向から見ると、前記回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置は、前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の出口側の端がある搬送方向における位置と、この前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置と、の間にある。
本願発明者の知見によれば、第1の除根用ローラ体の入口側隣に、1本の第1のローラ体が進入用ローラ体として配置されている場合、回転押送体をその回転軸方向から見ると、「回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置」が、「第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された進入用ローラ体の周面の出口側の端がある搬送方向における位置」と、「この第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された進入用ローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置」と、の間にあることが、搬送路の里芋を効率よく搬送するためにより好ましい。
請求項3の発明に係る農業機械は、請求項1または請求項2に記載の農業機械であって、前記第1のローラ体と、前記第2のローラ体と、は、同じ形状と同じ大きさを有している。
第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体は、これらの間に里芋の根を引き込んで引きちぎる。また、第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体は、これらの間に里芋に付着している土や異物をも引き込む。このため、第1の除根用ローラ体の周面と第2の除根用ローラ体の周面には、摩耗等の損傷が発生しやすい。第1の除根用ローラ体や第2の除根用ローラ体の周面に摩耗等の損傷があると、里芋の根を引き込む力が弱くなり、里芋に根が残る原因となる。
これに対して、除根部を形成していない第1のローラ体は、上にのっている里芋を搬送するだけである。除根部を形成していない第1のローラ体の周面には、摩耗等の損傷が発生しにくい。また、除根部を形成していない第1のローラ体の周面に摩耗等の損傷があったとしても、里芋を搬送するうえでの支障はほとんどない。
第1の除根用ローラ体と第2の除根用ローラ体の周面に摩耗等の損傷が発生した場合、損傷した第1の除根用ローラ体や第2の除根用ローラ体を、除根部を形成しない第1のローラ体のうちの無傷のものと交換することができる。
上記のような農業機械であるので、里芋の商品価値を損なうことなく里芋から根を除去することができる。
搬送路の入口側から見た農業機械の正面図である。 搬送路の左側から見た農業機械の側面図である。 農業機械の上面図である。 搬送路の左側から見た農業機械の部分拡大側面図である。 農業機械の部分拡大上面図である。 農業機械における方向の説明図である。
本発明に係る農業機械を、図1〜図6を参照しつつ説明する。
農業機械1は、基台10を備えている。基台10の上面に、里芋の搬送路12が形成されている。搬送路12の搬送面(すなわち、搬送方向)は水平である。図2〜図5において、右側が搬送路12の入口側であり、左側が搬送路12の出口側であり、図2〜図5の左右方向が搬送路12の搬送方向である。
以下の説明において、「搬送路12の入口側から出口側を見たときの右側」のことを、搬送路12の右側といい、「搬送路12の入口側から出口側を見たときの左側」のことを、搬送路12の左側という。また、「X時の方向(0≦X≦12)」という場合、「搬送路12の左側から見て、X時における時計の短針の先端が指し示す向き」のことをいう(図6を参照)。例えば、0時の方向は、鉛直上向きである。1時の方向と2時の方向は、搬送路12の入口側斜め上向きである。3時の方向は、水平に搬送路12の入口側を向く向きであり、6時の方向は、鉛直下向きである。
図1〜図5に示すように、搬送路12は、回転軸回りに回転可能な複数本のローラ体14によって形成されている。ローラ体14の回転軸方向は、搬送方向と直交している。全てのローラ体14は、同じ形状と大きさを有する。ローラ体14の直径は、例えば、32.0mmである。
一部のローラ体14が第1のローラ体16をなし、残りのローラ体14が第2のローラ体18をなす。搬送方向において、搬送路12の入口側から出口側に向かって、4本の第1のローラ体16と、1本の第2のローラ体18と、が交互に配置されている。搬送路12の入口側端部分と出口側端部分には、それぞれ、4本の第1のローラ体16が配置されている。
ローラ体14の回転軸の両端部分は、それぞれ、軸受54を介して基台10に回転可能に支承されている。
第1のローラ体16の回転軸の一方の端には、歯車32が設けられている。第2のローラ体18の回転軸の一方の端には、歯車34が設けられている。入口側から奇数番目のローラ体14の歯車32または歯車34は、すべて、搬送路12の左側に位置する。入口側から偶数番目のローラ体14の歯車32または歯車34は、すべて、搬送路12の右側に位置する。搬送路12の右側においても左側においても、4個の歯車32と、1個の歯車34と、が、搬送方向に交互に並んでいる。ただし、搬送路12の右側の出口側端部分においては、入口側から1個の歯車34と2個の歯車32とが並ぶ。また、搬送路12の左側の入口側端部分においては、入口側から2個の歯車32と1個の歯車34とが並ぶ。
搬送路12の右側に位置する全ての歯車32、34と、基台10の下部に設置されたモータ40の回転軸41とには、1本の環状に連続するチェーン46が架けられている。また、搬送路12の左側に位置する全ての歯車32、34と、モータ40の回転軸41とには、1本の環状に連続するチェーン47が架けられている。なお、図2においては、チェーン46の図示が省略されている。
搬送路12の右側において、搬送路12をローラ体14の回転軸方向から見ると、搬送方向に連続して並ぶ4個の歯車32には、チェーン46が上側から架かっており、歯車34にはチェーン46が下側から架かっている。搬送路12の左側において、搬送路12をローラ体14の回転軸方向から見ると、搬送方向に連続して並ぶ4個の歯車32には、チェーン47が上側から架かっており、歯車34にはチェーン47が下側から架かっている。
搬送路12の右側または左側において、隣り合って並ぶ歯車32と歯車34との間では、チェーン46またはチェーン47が、略「S」の字形または略「Z」の字形を描いて歯車32と歯車34に架かっている。このため、チェーン46またはチェーン47に架かっている歯車34の外周部分の長さは、チェーン46またはチェーン47に架かっている歯車32の外周部分の長さよりも長い。
モータ40が回転すると、チェーン46とチェーン47を介して、全ての第1のローラ体16が同一方向に回転し、全ての第2のローラ体18が第1のローラ体16と逆方向に回転する構成となっている。第1のローラ体16の回転速度と第2のローラ体18の回転速度は同じである。なお、第1のローラ体16の回転方向は、搬送路12を上方から見た際に、第1のローラ体16の周面が、入口側から出口側へ移動する向きである。すなわち、図2及び図4において、第1のローラ体16は反時計回りに回転し、第2のローラ体18は時計回りに回転する構成となっている。
第2のローラ体18と、この第2のローラ体18の入口側隣に配置されている1本の第1のローラ体16とが、除根部20を形成している。除根部20を形成する第1のローラ体16が、第1の除根用ローラ体22をなし、除根部20を形成する第2のローラ体18が、第2の除根用ローラ体24をなす。
第1のローラ体16のうち、第1の除根用ローラ体22ではないものが、搬送用ローラ体26をなす。そして、搬送用ローラ体26のうち、第1の除根用ローラ体22の入口側隣に配置されているものが、進入用ローラ体28をなす。
図5に示すように、搬送方向に隣り合って配置された搬送用ローラ体26の周面どうしの最短距離d1は、例えば、4.0mmである。第2の除根用ローラ体24の周面と、この第2の除根用ローラ体24の出口側隣に配置されている搬送用ローラ体26の周面と、の間の最短距離d2は、例えば、4.0mmである。第1の除根用ローラ体22の周面と、この第1の除根用ローラ体22の入口側隣に配置されている進入用ローラ体28の周面と、の間の最短距離d3は、例えば、4.0mmである。そして、除根部20において、隣り合う第1の除根用ローラ体22の表面と、第2の除根用ローラ体24の周面と、の間の最短距離d4は、例えば、2.0mmである。
搬送路12の上方に、回転軸回りに回転可能な複数本の回転押送体30が設置されている。回転押送体30の回転軸の両端部分は、それぞれ、軸受56を介して基台10に回転可能に支承されている。回転押送体30の本数は、進入用ローラ体28の本数と同じである。搬送路12をその回転軸方向から見ると、回転押送体30の回転軸芯がある搬送方向の位置と、進入用ローラ体28の回転軸芯がある搬送方向の位置と、が、一致している。
すなわち、回転押送体30をその回転軸方向から見ると、「搬送方向における回転押送体30の回転軸芯の位置Y1」は、「第1の除根用ローラ体22の周面の入口側の端がある搬送方向の位置Y2」と、「この第1の除根用ローラ体22の入口側隣に配置された進入用ローラ体28の周面の入口側の端がある搬送方向の位置Y3」と、の間にある(図4及び図5を参照)。また、同時に、「搬送方向における回転押送体30の回転軸芯の位置Y1」は、「進入用ローラ体28の周面の入口側の端がある搬送方向の位置Y3」と、「この進入用ローラ体28の周面の出口側の端がある搬送方向の位置Y4」と、の間にある。
回転押送体30の回転軸の一方の端部分には、歯車36と歯車37が設けられている。歯車37は、歯車36よりも回転押送体30の回転軸の端側に位置する。
回転押送体30のうち、入口側端にある回転押送体30が回転押送体30Aをなし、出口側端にある回転押送体30が回転押送体30Cをなし、残りの回転押送体30が回転押送体30Bをなす。以下の説明において、「入口側からn本目の回転押送体30」という場合、すべての回転押送体30に着目して入口側から数えてn本目にある回転押送体30のことをいう。また、「入口側からm本目の回転押送体30B」という場合、回転押送体30Bにのみ着目して入口側から数えてm本目にある回転押送体30Bのことをいう。すなわち、「入口側からm本目の回転押送体30B」とは、「入口側からm+1本目の回転押送体30」のことである。
入口側から奇数本目の回転押送体30Bの歯車36と、この回転押送体30Bの出口側隣の回転押送体30の歯車36と、には、1本の環状に連続するチェーン48Aが架けられている。入口側から奇数本目の回転押送体30Bの歯車37と、この回転押送体30Bの入口側隣の回転押送体30の歯車37と、には、1本の環状に連続するチェーン48Bが架けられている。入口側から偶数本目の回転押送体30Bの歯車37と、この回転押送体30Bの出口側隣の回転押送体30の歯車37と、には、1本の環状に連続するチェーン48Bが架けられている。各チェーン48Aには、2個の歯車36が架かっているだけであり、各チェーン48Bには、2個の歯車37が架かっているだけである。
回転押送体30Cの歯車37と、回転押送体30Cの入口側隣の回転押送体30Bの歯車37とに、1本のチェーン48Bが架かっている場合、回転押送体30Cの歯車36と、基台10に設置されたモータ43の回転軸44とには、1本の環状に連続するチェーン48Cが架けられている。また、回転押送体30Cの歯車36と、回転押送体30Cの入口側隣の回転押送体30Bの歯車36とに、1本のチェーン48Aが架かっている場合、回転押送体30Cの歯車37と、基台10に設置されたモータ43の回転軸44とには、1本の環状に連続するチェーン48Cが架けられている。
モータ43が回転すると、チェーン48A、48B、48Cを介して、全ての回転押送体30が同一方向に回転する構成となっている。なお、回転押送体30の回転方向(すなわち、回転羽根38の回転方向)は、第2のローラ体18の回転方向と一致する向きである。すなわち、図2及び図4において、回転押送体30は時計回りに回転する構成となっている。
回転押送体30は、回転羽根38を有する。回転羽根38は、弾力性と可撓性を有するゴム製板状部材によって形成されている。回転羽根38は、回転押送体30の回転軸から、この回転軸の径方向に張り出している。
回転押送体30の回転軸芯から回転羽根38の先端までの長さLは、回転押送体30の回転軸芯から進入用ローラ体28の周面までの最短距離d5と同じ長さか、d5よりも例えば0.0mm〜10.0mmだけ短い長さである(図4を参照)。すなわち、長さLは、回転する回転羽根38の先端が搬送路12を形成するローラ体14にぎりぎり接する長さであるか、回転羽根38が搬送路12を形成するローラ体14に当たることなく回転可能な長さである。
また、長さLは、互いに隣り合う回転押送体30の回転軸どうしの一方の回転軸芯から他方の回転軸までの間の最短距離d6よりも短い長さである。すなわち、長さLは、ある回転押送体30の回転羽根38が、他の回転押送体30の回転軸にぶつかることなく回転可能な長さである。
農業機械1に、p本の回転押送体30があるとする。そして、農業機械1が停止状態である場合、入口側から1本目の回転押送体30において、回転軸芯から回転羽根38が0時の方向に向かって伸びているとする。このとき、他の回転押送体30において、回転軸芯から回転羽根38が伸びる向きは、以下のようになっている。
入口側からq本目(1≦q≦p)の回転押送体30において、回転軸芯から回転羽根38が伸びる向きは、搬送路12の左側がら見て、0時の方向から時計回りに(q−1)×Z°だけ回転した向きである。なお、Z°は、0°≦Z°<360°の角度である。
たとえば、Z°が60°であれば、入口側から2本目の回転押送体30の回転羽根38は、回転軸芯から2時の方向に向かって伸びており、入口側から3本目の回転押送体30の回転羽根38は、回転軸芯から4時の方向に向かって伸びており、入口側から4本目の回転押送体30の回転羽根38は、回転軸芯から6時の方向に向かって伸びており、入口側から5本目の回転押送体30の回転羽根38は、回転軸芯から8時の方向に向かって伸びており、入口側から6本目の回転押送体30の回転羽根38は、回転軸芯から10時の方向に向かって伸びている。
搬送路12の下側には、ホッパー50の上端部入口が開口している。ホッパー50の下端部出口の下には雑物槽52が配置されている。
農業機械1は、上述した構成を有する。次に、農業機械1が奏する作用効果について説明する。
作業員は、モータ40とモータ43のスイッチを入れる。ローラ体14と回転押送体30とが、回転を開始する。そして、作業員は、根がついた里芋を、搬送路12の入口側端部分の搬送用ローラ体26の上にのせる。以下、ある1個の里芋M1に着目して説明する。
里芋M1は、回転する搬送用ローラ体26から力を受け、出口側へ移動する。里芋M1は、進入用ローラ体28まで移動し、回転する進入用ローラ体28から力を受け、出口側隣にある除根部20に移動する。
搬送用ローラ体26上の里芋M1は、出口側へ移動するだけであり、搬送用ローラ体26が里芋M1を傷つけることはない。また、搬送用ローラ体26から里芋M1に働く力は、里芋M1を出口側に移動させる大きさの力であれば足り、里芋M1を傷つけるような大きさの力である必要はない。
除根部20に移動した里芋M1は、まず、回転する第1の除根用ローラ体22から力を受け、この第1の除根用ローラ体22を乗り越え、除根部20の谷部分に移動する。除根部20の谷部分において、里芋M1は、回転する第1の除根用ローラ体22と、回転する第2の除根用ローラ体24と、から力を受ける。
第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24とは同じ回転速度で互いに逆方向に回転している。このため、第1の除根用ローラ体22から里芋M1に働く力と、第2の除根用ローラ体24から里芋M1に働く力と、が釣り合い、里芋M1は、除根部20の谷部分において移動せずに転動する。
里芋M1が除根部20の谷部分において転動する際、里芋M1の根が、第1の除根用ローラ体22の周面と第2の除根用ローラ体24の周面との間に引き込まれ、里芋M1から引きちぎられる。引きちぎられた根は、除根部20からホッパー50を介して雑物槽52に落下する。
第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24との間に引き込まれた里芋M1の根は、直ちに里芋M1から引きちぎられる。第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24との間に引き込まれた里芋M1の根が、長時間にわたって里芋M1から引きちぎられずにいることは無い。したがって、里芋M1が、里芋M1にくっついている根によって、長時間にわたって第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24に押し付けられ続けることも無い。このため、里芋M1の表皮の一定の箇所が、長時間にわたって第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24とによってこすり続けられることも無く、除根部20が里芋M1を傷つけるようなことも無い。
この除根部20の入口側隣の進入用ローラ体28の上方では、回転押送体30が回転している。この回転押送体30の回転羽根38が、進入用ローラ体28に移動してきた別の里芋M2を出口側に押す。里芋M2は、回転羽根38と進入用ローラ体28から力を受け、除根部20まで移動し、さらに、第1の除根用ローラ体22から力を受けて、第1の除根用ローラ体22を乗り越える。
第1の除根用ローラ体22を乗り越えた里芋M2は、除根部20の谷部分で転動している里芋M1に入口側から当たる。里芋M2が当たった里芋M1は、里芋M2から受ける力によって除根部20の谷部分から出口側へ押し出されて移動する。そして、里芋M1に代わって、里芋M2が、除根部20の谷部分で転動し、里芋M2から根が引きちぎられる。
回転押送体30の回転羽根38は、里芋M2を出口側に押すだけであり、回転羽根38が里芋M2を傷つけることはない。また、回転羽根38から里芋M2に働く力は、里芋M2を出口側に押して移動させる大きさの力であれば足り、里芋M2を傷つけるような大きさの力である必要はない。
除根部20の谷部分から出口側へ移動した里芋M1は、再び、搬送用ローラ体26の上にのり、さらに出口側へ移動する。
このようにして、里芋M1は、徐々に出口側へ向かって搬送路12を移動し、その移動途中において、除根部20を通過するたびに、残っている根を引きちぎられて除去される。そして、搬送路12の出口側端部分に達した里芋M1からは、根が完全に除去されている。
里芋M1が搬送路12を移動する間に、里芋M1の表面にくっついていた泥や異物は、ローラ体14どうしの隙間からホッパー50に落下し、雑物槽52に入る。
前述したように、里芋M1が搬送路12を移動する間、里芋M1には、里芋M1を傷つけるような大きさの力は働かない。したがって、搬送路12を出た里芋M1の表皮等に傷がつくことはなく、搬送路12を出た里芋M1の商品価値が低下することもない。
搬送用ローラ体26は、上にのっている里芋M1を出口側へ移動させるだけである。このため、搬送用ローラ体26の周面には、傷がつきにくい。また、搬送用ローラ体26の周面に傷があったとしても、この傷は、搬送用ローラ体26による里芋M1の移動に殆ど影響しない。
第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24は、両者の間に里芋M1の根を引き込む。その際、里芋M1の表面に付着していた土や異物も、第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24との間に引き込まれる。このため、第1の除根用ローラ体22の周面と第2の除根用ローラ体24の周面には、傷がつく可能性がある。
第1の除根用ローラ体22の周面や第2の除根用ローラ体24の周面に傷がついた場合、傷がついた第1の除根用ローラ体22や第2の除根用ローラ体24と、傷がついていない搬送用ローラ体26とを、交換することができる。
第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24が土や異物を引き込むと、第1の除根用ローラ体22や第2の除根用ローラ体24の回転に大きな抵抗がかかる。この抵抗は、里芋M1を搬送する際に搬送用ローラ体26の回転にかかる抵抗よりもはるかに大きい。
第2の除根用ローラ体24の歯車34と、搬送用ローラ体26の歯車32と、において、チェーン46またはチェーン47に架かっている歯車34の外周部分の長さは、チェーン46またはチェーン47に架かっている歯車32の外周部分の長さよりも長い。このため、第2の除根用ローラ体24の回転に大きな抵抗がかかった場合であっても、第2の除根用ローラ体24の歯車34はチェーン46またはチェーン47から外れにくい。そして、第2の除根用ローラ体24は回転を続けることができる。第2の除根用ローラ体24が回転を続けると、大きな抵抗の原因となった土や異物は、第1の除根用ローラ体22と第2の除根用ローラ体24との間から下に落下する。
各回転押送体30において、回転軸芯から回転羽根38が伸びる方向は、前記角度Z°によって定まる。この角度Z°は、搬送路における里芋M1の移動作度と、除根部20においてひとつの里芋M1が転動し続ける時間と、に応じて適宜設定される。なお、互いに隣り合う回転押送体30の回転羽根38どうしが干渉しあう場合は、角度Z°を適宜変更して干渉を避ける。
上記のような農業機械であるので、里芋の生産者は、収穫した里芋から楽に根をむしり取ることができ、里芋が傷つくこともなく、里芋の収穫作業の効率性を高めるうえで有用である。
1 農業機械
10 基台
12 搬送路
14 ローラ体
16 第1のローラ体
18 第2のローラ体
20 除根部
22 第1の除根用ローラ体
24 第2の除根用ローラ体
26 搬送用ローラ体
28 進入用ローラ体
30、30A、30B、30C 回転押送体
32、34、36、37 歯車
38 回転羽根
40、43 モータ
41、44 モータの回転軸
46、47、48A、48B、48C チェーン
50 ホッパー
52 雑物槽
54、56 軸受

Claims (3)

  1. 収穫した里芋から根を除去する農業機械であって、
    里芋を入口側から出口側まで搬送する搬送路を備え、
    前記搬送路は、回転軸周りに回転する複数本の第1のローラ体と、回転軸周りに回転する複数本の第2のローラ体と、からなり、
    前記搬送路の上方に、回転軸周りに回転する複数本の回転押送体を備え、当該回転押送体は、回転軸周りに回転して里芋を出口側に向かって押す回転羽根を有し、
    前記回転羽根は、前記回転押送体の回転軸からこの回転軸の径方向に張り出しており、
    前記搬送路を上方から見ると、前記第1のローラ体の回転軸方向と、前記第2のローラ体の回転軸方向と、前記回転押送体の回転軸方向と、は、それぞれ、前記搬送路の搬送方向と交差しており、
    前記搬送路を上方から見ると、前記第1のローラ体の回転方向は、前記第1のローラ体の周面が入口側から出口側に向かって移動する方向であり、前記第2のローラ体の回転方向は、前記第1のローラ体の回転方向に対して逆向きであり、前記回転押送体の回転方向は、前記第1のローラ体の回転方向に対して逆向きであり、
    前記搬送路において、前記第2のローラ体は、第2の除根用ローラ体をなしており、当該第2の除根用ローラ体の入口側隣には、1本の前記第1のローラ体が、第1の除根用ローラ体として配置されており、当該第2の除根用ローラ体と、この当該第2の除根用ローラ体の入口側隣にある当該第1の除根用ローラ体と、が、除根部を形成しており、
    前記第2の除根用ローラ体の出口側隣には、少なくとも1本の前記第1のローラ体であって前記除根部を形成しない前記第1のローラ体が、配置されており、
    前記第1の除根用ローラ体の入口側隣には、1本の前記第1のローラ体であって前記除根部を形成しない前記第1のローラ体が、進入用ローラ体として配置されており、
    前記回転押送体をその回転軸方向から見ると、前記搬送路の搬送方向において前記回転押送体の回転軸芯の位置は、前記搬送路の搬送方向において前記除根部の前記第1の除根用ローラ体の周面の入口側の端がある位置と、前記搬送路の搬送方向においてこの前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の入口側の端がある位置と、の間にあることを特徴とする農業機械。
  2. 前記回転押送体をその回転軸方向から見ると、前記回転押送体の回転軸芯の搬送方向における位置は、前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の出口側の端がある搬送方向における位置と、この前記第1の除根用ローラ体の入口側隣に配置された前記進入用ローラ体の周面の入口側の端がある搬送方向における位置と、の間にあることを特徴とする請求項1に記載の農業機械。
  3. 前記第1のローラ体と、前記第2のローラ体と、は、同じ形状と同じ大きさを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の農業機械。
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