JP5793049B2 - 二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置 - Google Patents
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Description
そして、二多段式駐車装置は、パレットを駐車スペースに昇降または横行させることにより、同一の設置スペースに2段以上の駐車スペースを設け、車両を駐車している。
従来の一般的な二多段式駐車装置1は、例えば特許文献1に開示されている。
従来の一般的な二多段式駐車装置1は、パレット3が風雨に晒される構造になっているにもかかわらず、空のパレット3が風圧で浮き上がることを想定して設計されていなかった。そのため、2段目以上の駐車スペースに設置されたパレット3に車両5が駐車されていない場合、台風などの風圧により、空のパレット3が浮き上がり、落下防止装置やパレット停止用スイッチにパレット3が衝突することで、部品が破損することがあった。
図2(A)は浮き上がり防止装置の作動時、図2(B)は浮き上がり防止装置の解除時である。
図2(A)において、パレット2内に浮き上がり防止装置4が上下に揺動自在に取り付けられており、パレット2の側面から浮き上がり防止装置4のストッパ部8がパレット係止部10の下方に突出する。
また、パレット2の下方には、パレット2を載せて昇降及び横行移動する昇降体12が備えられており、昇降体12内に回転可能な解除装置14が備えられている。
解除装置14は、ピン16を介して上下動自在に取り付けられたU字状の揺動体18と、揺動体18の基端から斜め上方に備えられているローラ20を有している。そして、昇降体12がパレット2を載せる際にローラ20がパレット2の下面に当接すると、解除装置14がピン16を中心に回転し、揺動体18の操作部22が浮き上がり、パレットの下面に開いた孔24からパレット内に挿入される。そして、操作部22が下から浮き上がり防止装置4に当接して、浮き上がり防止装置4を回転させパレット係止部10から解除するようになっている。
図3(A)(B)の浮き上がり防止装置34は、パレット30の上部を押さえる出没自在な略円弧状のストッパ32を有する。
この浮き上がり防止装置34は、二多段式駐車装置36のピット38又は主支柱40に取り付けられたケーシング42に、ストッパ32を、その上部を回転自在に軸44で止めたものである。各浮き上がり防止装置34は、ストッパ32が個々に出没するように制御される。
なお、図3(B)に示すように、特許文献3の第1実施例の浮き上がり防止装置34は、パレット30の落下防止機能はないため、ピット38内の最下部に設置される。
この浮き上がり防止装置34は、ピン46がケーシング42にパレット30側に進退自在になるように設けられたものである。ピン46は、ケーシング42内のソレノイド又はラック・アンド・ピニオン等により進退自在に作動し、パレット30側に設けられた凹陥部30aに嵌合する。
各浮き上がり防止装置34は、ピン46が個々に出没するように制御される。
車両が入出庫する入出庫高さとそれより上方の駐車スペースとの間で車両を載せて昇降可能なパレットと、
駐車するパレットの両側面に沿って長手方向に延びる支持梁とを備える二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置であって、
車両と干渉しない位置でパレットの四隅から上方に延びる衝突防止金具と、
前記支持梁に取り付けられ、衝突防止金具の鉛直方向上方に間隔を隔てて位置する浮き上がり防止金具と、を備え、
浮き上がり防止金具と衝突防止金具の当接により前記間隔を超えるパレットの浮き上がりを防止する、ことを特徴とする二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置が提供される。
この例において、二多段式駐車装置50は、同一の設置スペースに3段(1F,2F,3F)の駐車スペースが設けられた地上3段昇降横行式の二多段式駐車装置である。
従って、この例において、車両54の収容台数は、3×3−2=7台である。
以下、パレット52a〜52cを特に区別しない場合は、単にパレット52と呼ぶ。
例えば、駐車スペースの段数は、2段以上であれば、4段以上であってもよい。また、同一段の収容台数も3台に限定されず、2台でも4台以上でもよい。
以下、図4に基づき、本発明を説明する。
矩形フレーム60は、最上段と最下段の間の中間段に駐車するパレット52bを囲みパレット52bを吊下げて横方向に移動可能に設置されている。
この昇降可能なパレット52には、上述した2Fに位置する2つのパレット52bと、3Fに位置する3つのパレット52cが該当する。
昇降駆動装置62は、車両54と干渉しない位置で鉛直に延びる可撓性のある紐状体64と、紐状体64を巻き上げ又は巻き戻しして、その下端64a(図7参照)を昇降させる吊り駆動装置66とを有することが好ましい。
この例において、紐状体64はチェーン(又はワイヤ)であり、吊り駆動装置66はチェーン駆動装置(又はウインチ)である。しかし、昇降駆動装置62はこれに限らず、紐状体64を昇降させることができるものであればどのような構造でもよい。
3F用の吊り駆動装置66は、本体フレーム68に固定され、本体フレーム68から3つのパレット52をそれぞれ独立して昇降させるようになっている。
なお、ここで、パレット52の外側に設けられた前後の支柱68a,68bと、後側の支柱68bの上端部を連結する後部梁68cと、前側の支柱68aの上端部を連結する前部梁68dと、最上段に駐車するパレット52の両側面に沿って長手方向に延びる側部梁68eを本体フレーム68とする。
また、側部梁68eのうち、向かい合った前後の支柱68a,68bを連結する梁を両端側部梁とし、設置スペース間で前部梁68dと後部梁68cとをパレット52の長手方向に連結する梁を連結側部梁とする。
さらに、側部梁68eと矩形フレーム60とを総称して、支持梁69とする。
本発明のパレット浮き上がり防止装置74は、車両と干渉しない位置でパレット52の四隅から上方に延びる衝突防止金具70と、支持梁69(すなわち、側部梁68e又は矩形フレーム60)に取り付けられ、衝突防止金具70の鉛直方向上方に間隔を隔てて位置する浮き上がり防止金具72とを備える。
この間隔は、パレットの上限位置を検出する上限リミットスイッチ(図示せず)及び上限リミットスイッチより上でパレットを検出する安全リミットスイッチ(図示せず)の作動に支障がない距離(例えば40〜50mm)に設定するのが好ましい。
また、衝突防止金具70は、金属製の棒であることが好ましいが、金属板であってもよい。
衝突防止金具70の下端70aは、パレット52の幅方向側部に取り付けられている。衝突防止金具70をパレット52に取り付ける方法は、ボルトによる締結か溶接が好ましいが、浮き上がり防止金具72に衝突したときにパレット52から分離しない方法であれば、その他の方法でもよい。
また、衝突防止金具70の素材は、衝突により変形しにくい硬い金属であれば、どのようなものでもよい。
浮き上がり防止金具72は、支持梁69にボルトによって締結されていることが好ましい。また、支持梁69を設置した後に、溶接によって取り付けても良い。
なお、第1実施形態のパレット浮き上がり防止装置74を使用するに際には、パレット52の振れ止めを、パレット浮き上がり防止装置74とは別に設けることが好ましい。
この例において、パレット浮き上がり防止装置74は、落下防止装置76を浮き上がり防止金具72の下方に備える。また、衝突防止金具70は、図7に示すように、幅方向に貫通する矩形穴78を有するリング形状である。
この例において、浮き上がり防止金具72は、浮き上がり防止部72aのパレット側端面から下方に延び、衝突防止金具70の上端70bよりも下方に下端72cを有する振れ止め部72bを備えている。
振れ止め部72bは、浮き上がり防止部72aと一体に形成されていることが好ましい。しかし、ボルトや溶接等の方法で、後から設置しても良い。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
すなわち、パレット52が左右に振れても、衝突防止金具70がパレット浮き上がり防止装置74の振れ止め部72bに当接するため、たとえ、矩形フレーム60が横行する際に、パレット52が横方向に大きく揺れても、パレット52が周囲の機器に衝突することはない。
第4実施形態のパレット浮き上がり防止装置74は、第2実施形態と同様に、パレット浮き上がり防止装置74の下方に落下防止装置76を備え、第3実施形態と同様の振れ止め部72bを備えている。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。
すなわち、例えばパレット52の右側の紐状体64が外れた場合、パレット52は右に傾く。ここで、衝突防止金具70から振れ止め部72bまでの距離D1が、衝突防止金具70から落下防止装置76までの距離D2より短いことにより、右側の衝突防止金具70が右側の落下防止装置76に当接する前に、左側の衝突防止金具70が左側の振り止め部に当接する。そして、右側の衝突防止金具70が右側の落下防止装置76に衝突することを防ぐことができる。
したがって、このパレット浮き上がり防止装置74は、このような構成にすることで、パレット52の浮き上がりを防止するばかりでなく、駐車スペースにパレット52があるときのパレット52の振れ止めにもなり、なおかつ浮き上がり防止金具72の下に配置された機器への衝突防止金具70の衝突も防ぐことができる。
その他の点に関しては、浮き上がり防止金具72を側部梁68eに設ける場合と同様である。
この構造により、パレット浮き上がり防止装置74は、矩形フレーム60と共に横行することができ、また、振れ止め部72bにより、横行時のパレット52の揺れによる横方向に配置された機器へのパレット52の衝突を防ぐことができる。
2,3,30 パレット、5,54 車両、
4,34 浮き上がり防止装置、
8 ストッパ部、10 パレット係止部、
12 昇降体、14 解除装置、
16 ピン、18 揺動体、20 ローラ、
22 操作部、24 パレットの下面の孔、30a 凹陥部、
32 ストッパ、38 ピット、40 主支柱、
42 ケーシング、44 軸、46 ピン、
52,52a,52b,52c パレット、
56a,56b 車輪、
58a,58b 水平レール、
60 矩形フレーム、62 昇降駆動装置、
64 紐状体、64a 下端、
66 吊り駆動装置、
68 本体フレーム、68e 側部梁、69 支持梁、
70 衝突防止金具、
72 浮き上がり防止金具、
72a 浮き上がり防止部、
72b 振れ止め部、72c 振れ止め部の下端、
74 パレット浮き上がり防止装置、
76 落下防止装置、
78 穴、80 フック、
D1 衝突防止金具から振れ止め部までの距離、
D2 衝突防止金具から落下防止装置までの距離
Claims (5)
- 同一の設置スペースに2段以上の駐車スペースが設けられ、
車両が入出庫する入出庫高さとそれより上方の駐車スペースとの間で車両を載せて昇降可能なパレットと、
駐車するパレットの両側面に沿って長手方向に延びる支持梁とを備える二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置であって、
車両と干渉しない位置でパレットの四隅から上方に延びる衝突防止金具と、
前記支持梁に取り付けられ、衝突防止金具の鉛直方向上方に間隔を隔てて位置する浮き上がり防止金具と、を備え、
浮き上がり防止金具と衝突防止金具の当接により前記間隔を超えるパレットの浮き上がりを防止する、ことを特徴とする二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置。 - 前記支持梁は、最上段に駐車するパレットの両側面に沿って長手方向に延びる側部梁、又は、最上段と最下段の間の中間段に駐車するパレットを囲みパレットを吊下げて横方向に移動可能に設置された矩形フレームである、ことを特徴とする請求項1に記載の二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置。
- 浮き上がり防止金具は、前記支持梁からパレット側に向けて延びる浮き上がり防止部と、該浮き上がり防止部のパレット側端部から下方に延び衝突防止金具の上端よりも下方に下端を有する振れ止め部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置。
- 衝突防止金具の上端は、その下端よりパレットの幅方向外側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置。
- 衝突防止金具は、幅方向に貫通する矩形穴を有するリング形状であり、
さらに浮き上がり防止金具の下方に落下防止装置を備え、
落下防止装置は、パレット側に向けて前記矩形穴内に出入り可能なフックを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の二多段式駐車装置用のパレット浮き上がり防止装置。
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