JP5789835B2 - 放射性物質の除去方法及び除去システム - Google Patents

放射性物質の除去方法及び除去システム Download PDF

Info

Publication number
JP5789835B2
JP5789835B2 JP2012185525A JP2012185525A JP5789835B2 JP 5789835 B2 JP5789835 B2 JP 5789835B2 JP 2012185525 A JP2012185525 A JP 2012185525A JP 2012185525 A JP2012185525 A JP 2012185525A JP 5789835 B2 JP5789835 B2 JP 5789835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radioactive
water
tank
contaminated water
contaminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012185525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013234983A (ja
Inventor
昭彦 山下
昭彦 山下
Original Assignee
ワイレックス・リウォーター株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ワイレックス・リウォーター株式会社 filed Critical ワイレックス・リウォーター株式会社
Priority to JP2012185525A priority Critical patent/JP5789835B2/ja
Publication of JP2013234983A publication Critical patent/JP2013234983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5789835B2 publication Critical patent/JP5789835B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)

Description

本発明は、放射性物質によって汚染された懸濁液(汚染水)の放射性物質を除去処理するための放射性物質の除去方法及び除去システムに関する。
近年、福島第1原子力発電所の地震津波による被害で福島県を中心として東北地方の広範囲にわたり放射能による被害が数多く報告されている。この放射性物質は空中に飛散して近隣の田畑や河川・湖沼等を汚染している。田畑の土等を汚染した場合でも、雨水等により地下水となって河川・湖沼等に流れ込み、河川・湖沼及びその近隣を汚染する。
一方、従来においては、特許文献1に開示されているように、河床や沼底に堆積したヘドロ及びその上層にある劣悪な上層水を同時に処理することによって河川・湖沼等の水質を全体として改善する浄化方法及び浄化システムが存在する。
また、特許文献2に開示されているように、各種の産業全般で発生する微細粒子を含む懸濁液を処理するための無機成分の凝集剤が存在する。
特開2002−370100号公報 特開平9−327603号公報
しかしながら、従来においては、上記したように放射性物質によって汚染された懸濁液(汚染水)の放射性物質を除去処理するための具体的な対策は未だ何も行われておらず、その対策のための研究もようやく実施され始めた段階である。特に、上記した従来の凝集剤のみでの対応では放射性物質の捕捉回収率が良好でなく、除去効率として好ましい状況とは言い難いものであった。
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、放射性物質によって汚染された懸濁液(汚染水)の放射性物質を短時間で効率良く除去処理できるように放射性物質の捕捉率を向上し、懸濁液中の粘土・シルトに電気結合した放射性物質を切離し水中に析出させて除染物質の減量化を図り、且つ低コストで連続稼動できる放射性物質の除去方法及び除去システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る放射性物質の除去方法にあっては、放射性物質に汚染された汚染水の水分子に振動エネルギーを付与しつつ、変調信号装置を経由させた変調電磁場下での流動帯電によって水分子をマイナス電位に帯電させることで、プラスに帯電していた放射性物質に前記水分子からのマイナスの荷電を与えて当該放射性物質を電気的に安定した中和状態となし、汚染水中の放射性物質以外の他物質と前記放射性物質との電気的結合を分離可能にする放射性物質の電気的安定化工程と、前記電気的安定化工程後の汚染水に無機系凝集剤を投入し撹拌することで当該汚染水から放射性物質を固形物として凝集分離させる撹拌分離工程と、凝集分離された放射性固形物を含む汚染水の底側より微細気泡を混合させる気泡混合工程と、前記気泡による浮力により汚染水から放射性固形物を浮上分離させる浮上分離工程と、浮上した放射性固形物を掻き出し、放射能の漏洩しない材料を内貼りしたスカムBOXで保管する回収工程を有することを特徴とした。
一方、本発明に係る放射性物質の除去システムにあっては、放射性物質に汚染された汚染水の水分子に水分子振動装置によって振動エネルギーを付与しつつ、変調信号装置を経由させた変調電磁場下での流動帯電によって水分子をマイナス電位に帯電させることで、プラスに帯電していた放射性物質に前記水分子からのマイナスの荷電を与えて当該放射性物質を電気的に安定した中和状態となし、汚染水中の放射性物質以外の他物質と前記放射性物質との電気的結合を分離可能にする放射性物質の電気的安定化手段と、放射性物質が分離された汚染水に無機系凝集剤を投入しつつ撹拌することで当該汚染水から放射性物質を固形物として凝集分離させる撹拌分離手段と、凝集分離された放射性固形物を含む汚染水を混合槽に送り、且つ当該混合槽内の底側に設けたマイクロバブルの泡切断機により微細気泡を投入し放射性固形物を汚染水と混合させる気泡混合手段と、混合槽に隣接する浮上槽にて前記気泡による浮力で汚染水から放射性固形物を浮上分離させる浮上分離手段と、浮上した放射性固形物を掻き出してスカム落下槽にて回収する回収手段とを有することを特徴とした。
本発明によれば、放射性物質の捕捉率が著しく向上し、且つ低コストで連続稼動でき、これにより、放射性物質によって汚染された懸濁液(汚染水)の放射性物質を短時間で効率良く除去処理することが可能となった。
本発明を実施するための一形態における除去システムを示す平面図。 同じく除去システムの正面側から見た縦断面図。 同じく除去システムの左側面から見た縦断面図。 同じく除去システムの右側面から見た縦断面図。 マイクロバブルの泡切断機の一例を示す断面図。 凝集剤の投入量と放射能除去率との相関を示すグラフ。 マイクロバブルの泡切断機と放射性固形物の捕捉量との関係においてスカム浮上量と運転時間との相関を示すグラフ。 水分子振動装置と放射性固形物の捕捉量との関係においてスカム浮上量と運転時間との相関を示すグラフ。 変調信号装置と放射性固形物だけの捕捉量において、スカム浮上量と実験回数との相関を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係る放射性物質の除去システムを構成する除去装置1は、図1乃至図4に示すように、放射性物質に汚染された汚染水の水分子に振動エネルギーを付与するための水分子振動装置2aと流動帯電を利用した変調信号装置2bを経由した、振動励起された水分子を含む汚染水が投入口より投入されると同時に汚染水から放射性物質を固形物として凝集分離させるための凝集剤が投入される例えば回転羽根式等の撹拌機22で撹拌される第1撹拌槽(撹拌分離手段)3と、下部の開口Sを介して前記第1撹拌槽3と通じ、汚染水を撹拌機22で撹拌する第2撹拌槽4と、下部の開口Sを介して前記第2撹拌槽4と通じ、汚染水を撹拌機22で撹拌する第3撹拌槽5と、下部の開口Sを介して前記第3撹拌槽5と通じ、底部に配したマイクロバブルの泡切断機21により微細気泡を投入し汚染水と混合させる第1混合槽(気泡混合手段)6と、第1混合槽6上部に通じる前上がり(図2中、右上がり)傾斜状の導入ガイド部7aを有する第1浮上槽(浮上分離手段)7と、第1浮上槽7で浮上した放射性固形物をオーバーフローによって落下させるスカム落下槽8(回収手段)と、配電盤9及び機械室10とを備えている。
上記水分子振動装置2は、第1撹拌槽3に汚染水を投入する投入管Lの周囲に磁石のN極とS極とが正対するようにして取り付けられる。変調信号装置2bは水分子振動装置2aのすぐ後ろに取り付け、投入管を巻くように取り付けられる(図1参照)。
また、第1浮上槽7の底部には排水口7bが設けられ、これに通じる給水口11aまで汚染水がターンして送入される水位調整槽11と、上部の開口Sを介して前記水位調整槽11と通じ、且つ上記と同様の凝集剤が投入されて撹拌機22で撹拌される第4撹拌槽(撹拌分離手段)12と、下部の開口Sを介して前記第4撹拌槽12と通じ、汚染水を撹拌機22で撹拌する第5撹拌槽13と、下部の開口Sを介して第5撹拌槽13と通じ、底部に配したマイクロバブルの泡切断機21により微細気泡を投入し汚染水と混合させる第2混合槽(気泡混合手段)14と、第2混合槽14の上部に通じる前上がり(図2中、右上がり)傾斜状の導入ガイド部7aを有する第2浮上槽(浮上分離手段)15とを備え、当該第2浮上槽15は上記第1浮上槽7と同様にスカム落下槽8に通じている。
なお、上記した第1混合槽6と第1浮上槽7との上部、及び第2混合槽14と第2浮上槽15との上部には、浮上した放射性固形物をスカム落下槽8(回収手段)に向けて掻き出すための例えばエンドレスベルトによるコンベア機構等によるスクレイパ70が配されている(図2参照)。また、図4に示すように、このスカム落下槽8の下方には、スカム回収用のスカムBOX23が配され、スカム落下槽8から落下した放射性固形物のスカムを収容する。スカムBOX23内部の壁面全部と上下蓋の内面全体にケント紙に金属タングステン粉末を練り込んだ特殊紙数層又は金属粉末を防護部分に塗布或いは金属リチウム薄板数層を貼り付け放射線を遮断するようにする。
また、第2浮上槽15は下部の開口Sを介して第1清澄水槽16に通じ、第1清澄水槽16は上部の開口Sを介して第2清澄水槽17に通じ、第2清澄水槽17は下部の開口Sを介して第3清澄水槽18に通じ、第3清澄水槽18は上部の開口Sを介して放流槽19に通じ、放流槽19には放流管20を備えている(図3参照)。なお、第2清澄水槽17及び放流槽19の底部にも上記と同様にマイクロバブルの泡切断機21が設けられている。また、上記した汚染水の各槽にわたる一連の送水動作は図4に示す加圧ポンプ24によって連続的に行われる。
上記マイクロバブルの泡切断機21としては、例えば圧力0.3MPa用のクランクバンド圧力変更式機構を採用している。すなわち、図5に示すように、下部の吸気口31Aと上部側面の排気口31Bとを備えた円筒状の本体31と、吸気口31A内部に設けられ、周部にガスケット33を設けた開口プレート32と、ガスケット33を覆うように取り付けられたクランプバンド34とを備えている。また、この開口プレート32の上側には、上面中央に突部35aを備えた断面逆T字状の円形雄コマ35が取り付けられ、この突部35aは、本体31上部のネジ孔31Cにねじ込まれた調整ネジ39の先端に固定されている円形雌コマ37の下面中央の穴部37aに挿入される。そして、両コマ35、37相互間において巻装されたスプリング38(発条)を介して上側の円形雌コマ37が下側の円形雄コマ35を下方に付勢している。また、調整ネジ39自体は、本体31上側のネジ孔31C外部に配したナット40、ガスケット41、袋ナット42により保持されている。こうして、上記クランプバンド34を廻して円形雌コマ37を調整ネジ39に沿って上方に螺進させることで、吸気口31Aから排気口31Bへ取り込まれる気体の圧力を高圧から低圧に調整できるようになっている。
また、上記した各手段の稼動中において空中に飛散する放射性微細物を捕捉するために、不図示の加湿器等により除去装置1周辺に放射性微細物捕捉剤を散布するようにしている。更に、空中に飛散する放射性微細物を捕捉するよう汚染大気中に変調信号装置でマイナスの電子を放出するようにしている。
次に、上記のように構成された形態についての使用、動作の一例について説明すると、まず、放射性物質に汚染された汚染水を投入管Lに通し、水分子振動装置2aによって汚染水の水分子に振動エネルギーを付与する。変調信号装置2bは、数十回被覆線で巻いたコイルの中を交流の弱電流、又は、直流の弱電流を通し、汚染水中や大気中にマイナスの電荷を大量に発生させ放射性物質と他の物質の電気結合を切り離し放射性物質を電気的に中性にして永久に水中を浮遊させ他物質と結合しないようにする。
撹拌分離工程Aにおいて、汚染水が投入口より第1撹拌槽3内に投入され、これと同時に凝集剤が投入され、撹拌機22で撹拌される。このとき、汚染水に含まれている放射性物質は凝集剤によって分離される。その後、第2撹拌槽4と第3撹拌槽5を経て第1混合槽6へ導入される。
なお、本実施形態においては、第1撹拌槽3の上部に不図示の凝集剤投入装置が設置され、ここから無機系凝集剤であるエレクサイト(商品名)を所定量計量して継続的に第1撹拌槽3内に供給するものである。この無機系凝集剤としては、例えば二酸化ケイ素6〜40重量%、硫酸アルミニウム4〜22重量%、炭酸カルシウム9〜43重量%を主成分としたエレクサイト(商品名)が好ましい。
気泡混合工程Bにおいて、第1混合槽6の底部に配したマイクロバブルの泡切断機21により当該槽内に微細気泡を投入し汚染水と混合させる。このとき、第1混合槽6及び隣の第1浮上槽7において、微細気泡で放射性固形物の周囲を包み込み、その浮力により放射性固形物は浮上させられる(浮上分離工程C)。そして、第1混合槽6と第1浮上槽7との上部に浮上した放射性固形物は、スクレイパ70によってスカム落下槽8に向けて掻き出される。
回収工程Dにおいて、図4に示すように、このスカム落下槽8の下方のスカム回収用のスカムBOX23に放射性固形物のスカムを落下させて収容する。
また、スカム回収後の下方深部にある汚染水は、第1浮上槽7底部の排水口7b及びこれに通じる給水口11aまで汚染水がターンして水位調整槽11内に送入され、隣の第4撹拌槽12へ送られる。
2回目の撹拌分離工程Aにおいて、第4撹拌槽12内には上記と同様の凝集剤が投入されて撹拌機22で撹拌される。その後、第5撹拌槽13でさらに撹拌されてから隣の第2混合槽14へ導入される。
2回目の気泡混合工程Bにおいて、第2混合槽14底部のマイクロバブルの泡切断機21によって当該槽内に微細気泡を投入し汚染水と混合させる。このとき、第2混合槽14及び隣の第2浮上槽15において、微細気泡で放射性固形物の周囲を包み込み、その浮力でもって放射性固形物は浮上させられる(浮上分離工程C)。そして、第2混合槽14と第2浮上槽7との上部に浮上した放射性固形物は、上記と同等にスクレイパ70によってスカム落下槽8に向けて掻き出される。
2回目の回収工程Dにおいて、図4に示すように、このスカム落下槽8の下方のスカム回収用のスカムBOX23に放射性固形物のスカムを落下させて収容する。
スカム回収後の第2浮上槽15の深部にある清澄水は下部の開口Sを介して第1清澄水槽16へ送水され、更に、第1清澄水槽16上部の開口Sを介して第2清澄水槽17へ送水された後、そこでマイクロバブルの泡切断機21により微細気泡を投入し清澄水と混合させた後、第2清澄水槽17下部の開口Sを介して第3清澄水槽18へ送水される。その後、第3清澄水槽18上部の開口Sを介して放流槽19へ送水され、放流槽19における放流管20を介して外部に排水される。
上記した各手段の稼動中において不図示の加湿器等により除去装置1周辺に放射性微細物捕捉剤を散布し、又は、変調信号装置でマイナスの電荷を発生させ空中に飛散する放射性物質を捕捉する。
次に、本実施形態において、水中に混在するセシウム134、セシウム137、ヨウ素の除去率と、凝集剤であるエレクサイト(商品名)の投入量との関係について説明する。
本発明に係る放射性物質の除去システムを構成する除去装置1は、文部科学省管轄の財団法人原子力バックエンド推進センターで行った国の認証実験において50万ベクレルを超える水中放射能量の除去実験で検出限界以下の数値が得られ、非常に優れた機械(商品名水精)と凝集剤(商品名エレクサイト)であるという事で平成24年3月22日に認証された。
放射能用凝集剤の投入量と除去率の相関関係を図6に示す。この投入量と除去率の相関関係は、23回のジャーテストと福島県いわきの文科省の放射能除去実験地での3回の反復実験の結果、15万ベクレル程度迄はY=aXの数式が導かれ、検出限界以下の成績が得られた。その後は5万ベクレル単位でY=aの平行線をたどり50万ベクレルを過ぎるとY=aXの数式になる。この数式がセシウムとヨウ素だけに適用されるのか、その他のストロンチウム、プルトニウムも同様なのかは検体が無いと適確には評価できないが、Y=aXの係数をたどることが推測される。推測の理由は、他の重金属除去についても同様の結果が得られているからで、放射性物質と云えども鉛の同位元素であり、上記推測は正しいものと判断できる。
次に、本実施形態におけるマイクロバブルの泡切断機21と放射性固形物の捕捉量について説明する。
上記したように、放射性物質を水中で固形物として抽出すると、水は放流可能な清澄水になる。この放射性固形物を水中から取り出す方法として、本実施形態では微細気泡で放射性固形物の周囲を包み込み、浮力で浮上させて槽外に出す方式で処理するが、微細気泡の径が小さい程泡の付着が増し、浮力が高まることになる。
本実施形態では、泡径が100ミクロン以下になるとスカムの捕集率はY=aXの直線を描く。ここで、Xは運転時間(分)、Yはスカム浮上量(g)である。従来の技術では、最少30ミクロン迄しか泡の径が小さくならない。放射性物質は重金属なので自重により槽の底に沈んでしまう。これを改善する器具として上記したマイクロバブルの泡切断機21を作成した。すなわち、既存の機械でできる30ミクロンの泡を4つに分割して平均7.5ミクロンの泡にする上記泡切断機21を作り実験した。原理は30ミクロンの泡を20mmの高圧用管内の一方の口から導入し出口を発条(上記コイルバネ38)で押さえる方式で圧縮し、圧力がある一定値になると、発条の力より高圧管内の圧力が高くなって出口が解放される方式で、出口に泡切断用の5mm程度の不図示のノズルを数個取り付けてベンチュリー効果を高めている。また、泡切断用の口径を7mmにすると3倍程度のスカム増量になる。逆に3mmにしても5mmの時と変化はなかった。従って5mmの口径が好ましいという結論に達した。
また、泡が7.5ミクロンになったかどうかの判断は、同一条件で30ミクロンの泡の時の浮上率と泡切断機を取り付けた時の放射性物質の浮上率の比較により判断でき、この実験を前述の文科省のいわきの実験場で検証した。これは30ミクロン時の放射性物の浮上量の、何倍のスカムが浮上したかで泡の径を間接的に計測する方法である。実際には泡径が小さくなればなる程、今迄除去できなかった水中の小さな放射性物質にも泡は付着するようになるので、水中の放射性物質の除去量は増える。その時の検証データを図7に示す。また、泡の量を増やしても、水温を変化させてもこの傾向に変化はなかった。
結論として、4倍のスカム回収量があったということは、泡径が4分の1になったからと推測できる。これは間接的な証明であるが、現状での泡径の計測は30ミクロンが限度であるので、このような間接的証明が有効になる。
次に、水分子振動装置2と放射性固形物の捕捉量の関係について説明する。
水の分子は単独で浮遊しているのではなく、分子同士が鎖状や円形に繋がる等、絶えず変化している。清水で200個前後の分子が連なっているが、おいしい水と言われるのは20個前後の連なりである。この連なった状態をクラスターと言が、クラスターで囲まれた水中の放射性固形物は凝集剤を投入しても放射生固形物になかなか届かず、その結果、凝集剤の大量使用を余儀なくされ、放射能を取りこぼすという重大な障害ともなりかねない。水分子の連なりを切断して小さくすると、投入する凝集剤量は少なくて済み、放射性固形物の補足率は高くなることが判っている。水分子間の結合は非常に弱いので、物理的な力を外部から加 えることにより簡単に外れるが、そのままでは直ぐに(2〜8分程度)再結合する。
本実施形態では水分子同士の結合防止方法として、水分子を高速振動させて分子間結合を防ぐ方法を採用している。また、振動の波長が水分子の直径よりも大きいと、水分子は波の上に乗って揺れるだけで振動しない。
本実施形態における水分子振動装置2は、汚染水取入れ付近で、上記投入管Lを巻くように取り付けて完了する。投入管Lの切断面を見た場合、管の両サイドに磁石のN極とS極を正対して磁力線を常時出す形になる。この中を汚染水が通過すると(通過時間0.5秒程でOK)水分子が振動を始め、クラスターの鎖が千切れ始める。クラスターに囲まれたセシウム等の放射性固形物は自由に動けるようになり、非常に早く凝集剤の影響が及ぼされ固形化し、微細気泡が放射性固形物の周囲を取り巻き浮上する。
結論として、0.5秒の通過速度で限度に達し、その後は長い時間をかけても同じという結果であった。また、永久磁石+金属ゲルマニウムのみでは限界があることも判明したため、電磁石で同様の試験を行った結果、上記の結果を得た。具体的には、図8に示すように、12Vの市販の電気ベル用の電磁石に金属ゲルマニウム2mm〜5mmを貼ったものと、12Vの通電した電線を径50mmにコイル状に12回巻いた筒の中に汚染水を通した場合の2種類の試験結果を得た。
次に変調信号装置2bを使用した放射性固形物の切り離しと安定化について説明する。汚染物や放射性物質はイオン化しているものが多く電気的に不安定で、反対の性質を持つ個体と結合して安定を図ろうとする。土壌中の30ミクロン以下のマイナスの電気を帯びた粘土・シルトとプラスの電気を帯びたセシウムが電気的に結合することで土壌汚染が起こる。この結合力は、一旦結合すると切離しに1cm2当たり870kgの力を必要とする程の結合力を持つ。この強結合が原因で世界中の汚染土壌の除染は土壌中の粘土・シルトを取除く方法しかなかった。米作を主体にする地帯の水田の土壌成分は粘土・シルト成分が殆どで、これを取除くと作物が育たなくなり、現状では水田土壌の除染の方法が無かった。
本実施形態では強結合を電気的な処理で消滅させ粘土・シルトとセシウムを切離すことが目的である。マイナスに帯電している粘土・シルトとプラスに帯電しているセシウムのセシウムだけを電荷の無い状態にすると電気的に安定し、マイナスに帯電している粘土・シルトを瞬時に外して身軽な状態となり水中に浮遊する。
本実施形態では変調信号装置2bは水分子振動装置2aの後ろに取付けて完了する。投入管Lの外部にφ1.5mm内外の被覆金属線を60回程度巻きつけ、12〜30Vの電流(通常は交流、特殊な場合は直流)をパルス状にした変調信号を流して投入管Lの中心から半径80mm内外に変調電磁場による磁力線を発生させる。投入管L内を汚染水が通過中に、流動帯電を利用した変調信号装置2bを経由することで、すなわち変調電磁場下での流動帯電によって、マイナス電荷の過剰分だけ汚染水の水分子は電気を帯びる。このように水分子にマイナス電位を与えることで、プラスに帯電していた固形汚染物(セシウム)をマイナスに同電位化させて中和させる。
前記固形汚染物は電気的に安定したプラスマイナスゼロの状態になり、この状態ではマイナス電荷の結合物は数秒で結合が外れて身軽になり水中に浮遊し、永久に他の汚染物と結合することはない。固形汚染物が水中に浮遊している汚染水を水精に導き凝集剤エレクサイトを水中に投入し撹拌機で撹拌し固形汚染物を浮上又は沈殿させて水中から除去して汚染水中の除染は完了する。
投入管Lの内径75mmで時間当たり80m3の汚染水の通過、すなわち0.3秒の通過速度でkg当たり55万ベクレルのセシウムが水中に析出し水精とエレクサイトで捕捉された。水中残存率は12ベクレル、スカムでの捕捉量549,950ベクレルであった。ベクレル数の合致しない数字は誤差範囲内とみる。同じく粘土・シルトの除染量に関して、検体は同条件の水田土壌で変調信号装置を使用しない場合1リットルの汚染水から39gの汚染物が採取された。変調信号装置を使用した場合は6.21gが採取され除染放射能量は変調信号装置を使用しない場合の1.38倍の採取量を示した(図9参照)。
結論として反復実験回数22回の平均値は0.3秒の通過速度でその効果が発揮されそれ以上の時間では同じ試験結果を得た。更に変調信号装置を通した水の効果の持続時間は反復実験の結果平均46日間持続するという結果を得た。
次に、空中に飛散した放射性固形物の捕捉について説明する。
重金属汚染水や放射性汚染水を高速撹絆して水中汚染物を除去する機械が本実施形態の除去装置1(商品名水精)であるが、作業中に汚水の微細粒子が空中に飛散するので、健康管理のために液体のビオミセル系或いはファインミセル(商品名)を約20〜50倍に希釈した放射性微細物捕捉剤を、加湿器で1m3の大気中に5g程度を散布すると、放射性微粒子がこの捕捉剤によって捕獲され地面に落下する。これを使って人の健康管理で事務所や工場内や一般住宅やビル等の大気中の放射性微粒子を除去し清浄化を行う。
福島県いわき市内の水精稼働中の工場内で0.28マイクロシーベルトの線量に対し加湿器で1m3の大気中に6g散布した結果、3分後に0.02マイクロシーベルトに下がりその効果は9時間持続した。また、福島県二本松市内の住宅内で0.21マイクロシーベルトの線量に対し加湿器で1m3の大気中に5g散布した結果、3分後に0.03マイクロシーベルトに下がりその効果は8時間持続した。加湿器で1m3の大気中に5g程度で充分その効果が発揮され、それ以上散布量を増やしても効果に顕著な変化はなかった。全部で26実験を行ったが、気温には影響されにくく、湿度に影響されることが判明した。
A 撹拌分離工程
B 気泡混合工程
C 浮上分離工程
D 回収工程
1 除去装置
2a 水分子振動装置
2b 変調信号装置
3 第1撹拌槽(撹拌分離手段)
6 第1混合槽(気泡混合手段)
7 第1浮上槽(浮上分離手段)
8 スカム落下槽(回収手段)

Claims (2)

  1. 放射性物質に汚染された汚染水の水分子に振動エネルギーを付与しつつ、変調信号装置を経由させた変調電磁場下での流動帯電によって水分子をマイナス電位に帯電させることで、プラスに帯電していた放射性物質に前記水分子からのマイナスの荷電を与えて当該放射性物質を電気的に安定した中和状態となし、汚染水中の放射性物質以外の他物質と前記放射性物質との電気的結合を分離可能にする放射性物質の電気的安定化工程と、前記電気的安定化工程後の汚染水に無機系凝集剤を投入し撹拌することで当該汚染水から放射性物質を固形物として凝集分離させる撹拌分離工程と、凝集分離された放射性固形物を含む汚染水の底側より微細気泡を混合させる気泡混合工程と、前記気泡による浮力により汚染水から放射性固形物を浮上分離させる浮上分離工程と、浮上した放射性固形物を掻き出し、放射能の漏洩しない材料を内貼りしたスカムBOXで保管する回収工程を有することを特徴とした放射性物質の除去方法。
  2. 放射性物質に汚染された汚染水の水分子に水分子振動装置によって振動エネルギーを付与しつつ、変調信号装置を経由させた変調電磁場下での流動帯電によって水分子をマイナス電位に帯電させることで、プラスに帯電していた放射性物質に前記水分子からのマイナスの荷電を与えて当該放射性物質を電気的に安定した中和状態となし、汚染水中の放射性物質以外の他物質と前記放射性物質との電気的結合を分離可能にする放射性物質の電気的安定化手段と、放射性物質が分離された汚染水に無機系凝集剤を投入しつつ撹拌することで当該汚染水から放射性物質を固形物として凝集分離させる撹拌分離手段と、凝集分離された放射性固形物を含む汚染水を混合槽に送り、且つ当該混合槽内の底側に設けたマイクロバブルの泡切断機により微細気泡を投入し放射性固形物を汚染水と混合させる気泡混合手段と、混合槽に隣接する浮上槽にて前記気泡による浮力で汚染水から放射性固形物を浮上分離させる浮上分離手段と、浮上した放射性固形物を掻き出してスカム落下槽にて回収する回収手段とを有することを特徴とした放射性物質の除去システム。
JP2012185525A 2012-04-12 2012-08-24 放射性物質の除去方法及び除去システム Active JP5789835B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012185525A JP5789835B2 (ja) 2012-04-12 2012-08-24 放射性物質の除去方法及び除去システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012091012 2012-04-12
JP2012091012 2012-04-12
JP2012185525A JP5789835B2 (ja) 2012-04-12 2012-08-24 放射性物質の除去方法及び除去システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013234983A JP2013234983A (ja) 2013-11-21
JP5789835B2 true JP5789835B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=49761208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012185525A Active JP5789835B2 (ja) 2012-04-12 2012-08-24 放射性物質の除去方法及び除去システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5789835B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6120427B2 (ja) * 2014-03-14 2017-05-10 株式会社ピーシーエス 超微細気泡含有液体を用いる超微細気泡洗浄方法、その装置及び加圧浮上装置
CN104318968A (zh) * 2014-08-21 2015-01-28 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 基于电解和低温精馏级联的核电站含氚水处理工艺和装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51124800A (en) * 1975-04-24 1976-10-30 Tokyo Electric Power Co Inc:The The treating method of the washing waste water containing radioactive substances
JPS6162900A (ja) * 1984-09-04 1986-03-31 日本碍子株式会社 放射性廃棄物貯蔵容器
JPH0663544A (ja) * 1992-08-20 1994-03-08 Kurita Water Ind Ltd 油分含有水の処理方法および装置
JP2001038363A (ja) * 1999-07-30 2001-02-13 Ska Kk 流体の電磁界処理方法
JP2002191922A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Earth Kensetsu Consultant Kk 浮遊粒子などの浄化方法および浄化設備
JP3578742B2 (ja) * 2001-10-02 2004-10-20 株式会社プラウド 物質処理システム
JP3680934B2 (ja) * 2001-10-02 2005-08-10 株式会社プラウド 接触装置および液体処理システム
JP2003326193A (ja) * 2002-05-09 2003-11-18 Mikio Okamoto イオン発生方法及び発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013234983A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tsuge Micro-and nanobubbles
US7811461B2 (en) Water treatment system, apparatus and method
CN101215060B (zh) 一种用于处理油田废水的装置
CN102596077B (zh) 涡轮发电机的混凝设备
JP6009847B2 (ja) 放射性物質に汚染された固形物の除染装置および除染方法
CN203411423U (zh) 一种电絮凝、溶气气浮成套装置
KR20140027924A (ko) 콤팩트 오폐수 처리 장치 및 이를 이용한 오폐수 처리 시스템
CN107572715A (zh) 一种工业废水处理系统
JP5789835B2 (ja) 放射性物質の除去方法及び除去システム
JP2013113842A (ja) 放射性物質分離除去方法
CN106219860B (zh) 河湖泊涌污染底泥处理余水再生系统
CN102105402B (zh) 通过由漂浮微粒引起的浮选来处理液体的方法
JP5438740B2 (ja) 加圧水を用いた広域に拡散した放射能汚染物質の除去方法
JP2012232253A (ja) 多段階海水浄化システム
JP5997963B2 (ja) 濁水中の放射性金属物質を含む微細粒子回収装置および回収方法
JP2014016301A (ja) 放射性物質に汚染された被除染物の除染方法、および除染システム
CA2820916C (en) Water purification system and process with water pre-treatment apparatus
JP5881043B2 (ja) 放射性物質回収方法、及び放射性物質回収装置
JP2016032778A (ja) 環境水域底部から土壌粒子吸着物質を回収する方法
CN107262519A (zh) 放射性污染土壤净化系统
JP5249545B2 (ja) マイクロバブルを利用した水処理装置及び水処理方法
KR101678805B1 (ko) 방사성 폐수지 제염방법 및 제염시스템
JP6188018B2 (ja) 洗浄および分級システムならびに分級装置
CN209039198U (zh) 一种压裂返排液回用处理系统
JP2013200304A (ja) 無機微粒子を含んだ汚染物からの無機微粒子の除去方法及び除去装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140807

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20140807

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20140827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5789835

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250