JP5788034B2 - ダンパ、空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置 - Google Patents
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本発明のダンパは、空気の流路を形成する壁面から前記流路の中央に向かって延び、該流路中に所定寸法突出するエアミックスリブ部からなる静止部と、前記流路内に回動可能に配置され、一方の端部が前記静止部における前記流路を流れる空気流れの上流側の部分に接触する回動部と、が設けられ、前記回動部は、前記空気流れを前記一方の端部を回り込ませて前記静止部との間を通過させ、その下流側の側面に沿って前記一方の端部側に向う他の空気流れと混合するものであり、前記一方の端部における少なくとも前記静止部と接触する位置に、先端に向かって前記一方の端部の厚さが薄くなるように傾斜した面である接触部が設けられ、該接触部は、前記一方の端部を回り込んだ空気流を前記静止部との間を通過させ、前記下流側の側面に沿って前記一方の端部側に向う他の空気流れと混合させるべく、先端に向かって前記一方の端部の厚さが漸次薄くなるように、前記上流側の側面に対して鋭角をなし、前記下流側の側面に対して鈍角をなす傾斜した面とされており、前記下流側の側面に沿う他の空気流に対して所定の仰角をもって混合させる構成とされ、前記静止部には、前記エアミックスリブ部の先端から前記回動部の前記接触部に沿うように突出され、該接触部との間に流路面積を確保して壁面に沿う安定した流れを形成するリブ膨出部が設けられていることを特徴とする。
一方の端部との間に形成される流路面積を連続して変化させることができるため、通過する空気の流速変動が緩やかになり、安定した流れとなる。そのため、空気の流速変動により発生するヒュルヒュル音のレベルを抑制することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る車両用空気調和装置について、図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる車両用空気調和装置におけるHVACユニットの概略構成を説明する断面図である。
車両用空気調和装置1のHVAC(Heating,Ventilation,and Air−Conditioning)ユニット(空気調和ユニット)3には、図1に示すように、ケーシング5と、エバポレータ7と、ヒータコア9とが設けられている。
なお、ミックス領域Mは、エバポレータ7で冷却された冷風とヒータコア9で加熱された温風とを混合させて所望の温度の空調空気を形成するための空間である。
エバポレータ7とヒータコア9との間の上方には、エバポレータ7を通過した空気をミックス領域Mに直接導くための冷風バイパス流路(流路)21が形成されている。
ミックス領域Mと空調空気流路23との間に、モード軸27を支点として回動するモードダンパ(回動部)25が設けられている。
モードダンパ25は、空調空気流路23を全閉とする位置と、全開とする位置との間を回動し、モードダンパ25に位置により空調空気流路23に流入する空調空気の流量を制御するものである。
図2は、図1のモードダンパおよびその周辺の構成を説明する模式図である。
モードダンパ25には、図2に示されるように、空調空気流路23の略中央に配置されたモード軸27と、モード軸27から空調空気流路23の下流側に延びる第1モード板体(一方の端部)29および上流側に延びる第2モード板体31と、が設けられ、空調空気流路23を構成する壁面33から、モード軸27に向かって延びる第1モードリブ部(静止部)35と、空調空気流路23の上流側に延びる第2モードリブ部37と、が設けられている。
第1モード板体29には、図3に示すように、第1モード板体29における端面と、第1モードリブ部35と接触する面とを滑らかに繋ぐ曲面部39が形成されている。
このような構成とすることで、曲壁部45および傾斜壁47が形成された壁面33を、スライドピンなどを用いることなく型を用いて容易に形成することができる。
エアミックスダンパ17には、図1および図6に示すように、エアミックス軸19と、エアミックス軸19からエバポレータ7側に延びる第1エアミックス板体(回動部)49およびヒータコア9側に延びる第2エアミックス板体51と、が設けられている。
第1エアミックス板体49の三方の端部には、図4に示すように、ウレタンゴムなどの弾性材料から形成された端部材53が設けられている。
端部材53のうちのエアミックス軸19と平行に延びる先端部(一方の端部)55には、図5および図6に示すように、先端に向かって先端部55の厚さが薄くなるように傾斜した面である接触部57が設けられている。接触部57は、先端部55におけるケーシング5から延びるエアミックスリブ部(静止部)59と接触する面に設けられている。
また、エアミックスリブ部(静止部)59の先端には、接触部57の傾斜に沿うように突出され、該接触部57との間に流路面積を確保して壁面に沿う安定した流れを形成するためのリブ膨出部60が設けられている。
端部材53のうちのエアミックス軸19と交差する方向に延びる側端部63には、図7に示すように、エアミックスリブ部59に向かって(図7の左方向に向かって)略半円柱状に突出するダンパ突出部65が設けられている。
まず、エアミックスダンパにおける空気の流れについて説明する。
図6に示すように、エアミックスダンパ17の端部材53がエアミックスリブ部59に接近し、エアミックスダンパ17における開度が小さくなった場合、エバポレータ7を通過した空気の一部は、エアミックスダンパ17とエアミックスリブ部59により流路面積が絞られた冷風バイパス流路21を通過してミックス領域Mに流入する(図1参照)。
先端部55を回り込み、先端部55とエアミックスリブ部59との間に流入した空気は、接触部57およびリブ膨出部60に沿って流れる。
接触部57およびリブ膨出部60に沿って流れる空気は、そのまま接触部57およびリブ膨出部60に沿って流れ、ミックス領域Mに流入し、ヒータコア9を通過して昇温された空気と混合される。
第1モード板体29が、図3に示すように、第1モードリブ部35に接近すると、図2に示すように、第2モード板体31も第2モードリブ部37に接近し、モードダンパ25における開度が小さくなり、空調空気流路23の流路面積が絞られる。ミックス領域Mで混合された空調空気の少なくとも一部は、モードダンパ25により絞られた空調空気流路23と通過してベント吹出口から吹き出される。
空調空気は、図3に示されるように、第1モード板体29とリブ突起部41とにより流路面積が絞られた空調空気流路23を増速して流れる。リブ突起部41の近傍領域を通過した空調空気は、突起膨出部43に沿って流れ、流路面積が増えることにより流速が低下する。
第1モード板体29とリブ突起部41との間を通過した空調空気は、そのまま真っ直ぐに流れ、曲壁部45に衝突する。曲壁部45に衝突した空調空気は、曲壁部45に沿って局所的に増速され、その後、下流側(図3の上方側)に流れる。曲壁部45に沿って流れた空調空気は、そのまま傾斜壁47に沿って流れ、空調空気流路23を介してベント吹出口(図示せず)から流出する。
そのため、第1モード板体29および第1モードリブ部35の間を通過した空調空気の有効流路面積の減少を防止することができ、空調空気の流速の低下を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図8および図9を参照して説明する。
本実施形態の車両用空気調和装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、エアミックスダンパにおける先端部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図8および図9を用いてミックスダンパにおける先端部の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本実施形態におけるエアミックスダンパの先端部の構成を説明する部分断面図である。図9は、図8の先端部とエアミックスリブ部との位置関係を説明する部分断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、第1の実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
側面膨出部160は、エアミックス軸19に沿って(図8の紙面に対して略垂直方向に)延びるように形成されている。
エアミックスリブ部(静止部)159には、図9に示すように、先端部155と対向する面に先端部155側に向かって凸状に突出した曲面であるリブ膨出部(静止膨出部)161が設けられている。
図9に示されるように、エアミックスダンパ17の端部材53がエアミックスリブ部159に接近し、エアミックスダンパ17における開度が小さくなった場合、エバポレータ7を通過した空気の一部は、エアミックスダンパ17とエアミックスリブ部159により流路面積が絞られた冷風バイパス流路21を通過してミックス領域Mに流入する(図1参照)。
先端部155とエアミックスリブ部159との間に流入した空気は、接触部157とリブ膨出部161とに沿って流れ、ミックス領域Mに流入し、ヒータコア9を通過して昇温された空気と混合される。
先端部155との間に形成される流路面積を連続して変化させることができるため、通過する空気の流速変動が緩やかになり、安定した流れとなる。そのため、空気の流速変動により発生するヒュルヒュル音のレベルを抑制することができる。
3 HVACユニット(空気調和ユニット)
17 エアミックスダンパ(回動部)
21 冷風バイパス流路(流路)
23 空調空気流路(流路)
49 第1エアミックス板体(回動部)
55,155 先端部(一方の端部)
57,157 接触部
59,159 エアミックスリブ部(静止部)
160 側面膨出部
60,161 リブ膨出部(静止膨出部)
Claims (5)
- 空気の流路を形成する壁面から前記流路の中央に向かって延び、該流路中に所定寸法突出するエアミックスリブ部からなる静止部と、
前記流路内に回動可能に配置され、一方の端部が前記静止部における前記流路を流れる空気流れの上流側の部分に接触する回動部と、
が設けられ、
前記回動部は、前記空気流れを前記一方の端部を回り込ませて前記静止部との間を通過させ、その下流側の側面に沿って前記一方の端部側に向う他の空気流れと混合するものであり、
前記一方の端部における少なくとも前記静止部と接触する位置に、先端に向かって前記一方の端部の厚さが薄くなるように傾斜した面である接触部が設けられ、
該接触部は、前記一方の端部を回り込んだ空気流を前記静止部との間を通過させ、前記下流側の側面に沿って前記一方の端部側に向う他の空気流れと混合させるべく、先端に向かって前記一方の端部の厚さが漸次薄くなるように、前記上流側の側面に対して鋭角をなし、前記下流側の側面に対して鈍角をなす傾斜した面とされており、前記下流側の側面に沿う他の空気流に対して所定の仰角をもって混合させる構成とされ、
前記静止部には、前記エアミックスリブ部の先端から前記回動部の前記接触部に沿うように突出され、該接触部との間に流路面積を確保して壁面に沿う安定した流れを形成するリブ膨出部が設けられていることを特徴とするダンパ。 - 前記一方の端部における前記上流側と対向する側面の端部に、前記上流側に向かって凸状に突出する曲面である側面膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダンパ。
- 前記静止部における前記回動部と対向する側面に、前記回動部側に向かって凸状に突出した曲面である静止膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載のダンパが設けられていることを特徴とする空気調和ユニット。
- 請求項4に記載の空気調和ユニットが設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
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