JP2012166758A - 騒音低減装置 - Google Patents

騒音低減装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012166758A
JP2012166758A JP2011031172A JP2011031172A JP2012166758A JP 2012166758 A JP2012166758 A JP 2012166758A JP 2011031172 A JP2011031172 A JP 2011031172A JP 2011031172 A JP2011031172 A JP 2011031172A JP 2012166758 A JP2012166758 A JP 2012166758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
door
passage
irregular reflection
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011031172A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Kamiya
勝 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2011031172A priority Critical patent/JP2012166758A/ja
Publication of JP2012166758A publication Critical patent/JP2012166758A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】風量低下を防止しつつ、騒音を減少することができる騒音低減装置を提供する。
【解決手段】空調ケース11の内壁11aに乱反射部材として複数の突起40が所定箇所に設けられる。このような突起40は、内壁11aのうち対向する一対の内壁11aのそれぞれに設けられる。複数の突起40のようなミクロな形状の凹凸に対して音の反射の法則が成り立つため、マクロな視点では反射方向が散乱し、入射波と反射波との位相が同じになる位置がずらすことができる。これによって位相が同じになることに起因する音の増幅を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音を低減する騒音低減装置に関し、特に空気の流れによって発生する空力音の低減に好適な装置を提供する。
特許文献1〜3には、空調および冷却用の送風装置から発生する空力音を低減するため、物体表面に圧力変動を低減する部材(以下、「低減部材」ということがある)を設けている。低減部材として、たとえば羽毛状または線材状の突起物、または毛皮状の繊維状部材を設ける構成が開示されている。
特開平2−253000号公報 特開平5−26762号公報 特開平7−225048号公報
前述の特許文献1〜3に記載の低減部材を複雑な流路を有する装置、たとえば自動車用の空調装置に適用しても、空調ユニット内部の気流の乱れで発生した音が壁面で反射して増幅する現象(いわゆる共鳴)が発生する。これによって音が増幅されて外部に伝播する。このような現象は、音の発生源である流れの乱れによる圧力変動を低減部材によって低減しても、騒音低減効果を十分に得られないことがある。
さらに、騒音低減効果を得るために低減部材を多くの位置に設けると、流路に設けられる低減部材自体が流れの抵抗となるので、低減部材の設置面積増によって風量低下が顕著になるという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、風量低下を防止しつつ、騒音を減少することができる騒音低減装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、空気が流れる通路(13,22,25)であって、空気の流れが分岐または合流する複数の通路を形成する通路部材(11)に設けられる騒音低減装置であって、
通路部材の内壁(11a)に設けられ、入射した音を乱反射する一対の乱反射部材(40)を含み、
一対の乱反射部材は、内壁のうち対向する一対の内壁のそれぞれに設けられ、
一方の乱反射部材は、少なくとも他方の乱反射部材に対向する位置を含む位置に設けられることを特徴とする騒音低減装置である。
請求項1に記載の発明に従えば、通路部材の内壁に設けられる一対の乱反射部材は、内壁のうち対向する一対の内壁のそれぞれに設けられる。通常、対向する一対の内壁を行き来する音(往復する音)は、反射の法則により入射波の入射角と反射波の反射角とが等しくなるので、反射面である内壁から、たとえば1/2波長毎(2/2波長および3/2波長など)の位置で入射波と反射波との位相が同じになって、音圧が増幅する現象(いわゆる共鳴)が発生する。これによって発生した音が増幅されて外部に伝播することになる。本発明では、そのように共鳴が発生する一対の内壁に乱反射部材が設けられる。乱反射部材では反射方向が散乱し、入射波と反射波との位相が同じになる位置をずらすことができる。これによって位相が同じになることに起因する音の増幅を抑制することができる。
このような乱反射部材は、対向する一対の内壁以外の部分に設ける必要がない。したがって内壁の全域に乱反射部材を設けるのではなく、内壁に部分的に設けられる。このように部分的に設けても共鳴を抑制する効果を達成することができる。また、空気の流れをせき止めて流れのない淀み位置に共鳴が発生する場合もあり、このような位置に乱反射部材を設けることによって通風抵抗を増加させることなく音の増幅を抑制することができる。また乱反射部材を全域に設けるよりも、製造コストを安くすることができる。このように本発明では、風量低下および製造コストの増加を抑えつつ、騒音を減少することができる。
また請求項2に記載の発明では、通路部材が形成する通路は、車室内に送風される空気が通過する通路であり、
通路部材は、通路が内部に形成される空調ケース(11)であり、
空調ケース内に配置され、通路を開閉するドア(23,27〜30)の両面のうち少なくともいずれか一方の面に、一方の乱反射部材が設けられ、
一方の乱反射部材が設けられるドアが開状態または閉状態にあるときに、一方の乱反射部材に対向する内壁(41〜42)に他方の乱反射部材が設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明に従えば、通路部材は、空調ケースであり、空調ケース内に開閉するドアが設けられる。ドアは、開状態または閉状態で、共鳴の反射面となりうる。このようなドアの両面のうち少なくともいずれか一方の面には、一方の乱反射部材が設けられる。これによって前述の内壁に一対の乱反射部材を設けた場合と同様に、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。またドアは、通路を開閉する部材であるので、ドアの両面は、空気の流れをせき止めて流れのない淀み位置となる場合が多い。このようなドアの場合には、乱反射部材を設けることによって風量が低下することを防止することができる。
さらに請求項3に記載の発明では、空調ケース内には、通過する空気を冷却する冷却用熱交換器(20)、および通過する空気を加熱する加熱用熱交換器(21)が設けられ、
ドアは、冷却用熱交換器を通過した冷風と、加熱用熱交換を通過した温風とを混合する割合を調整するためのエアミックスドア(23)であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、ドアはエアミックスドアである。エアミックスドアは、開度によって、冷風と温風とを混合する割合を調整する。このようなエアミックスドアは、開度によっては、少なくともいずれか一方の面が共鳴の反射面となることがある。このようなエアミックスドアに、前述のように乱反射部材を設けることによって、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。エアミックスドアに対向する他方の面は流れのない淀み位置となることが多く、乱反射部材を設けることによって風量が低下することを防止することができる。
さらに請求項4に記載の発明では、複数の通路のうちの少なくとも1つには、通過する空気と熱交換する熱交換器(21)が設けられ、
一方の乱反射部材は、熱交換器の下流側にて熱交換器に対向する内壁(42)に設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に従えば、一方の乱反射部材は、熱交換器に対向する内壁に設けられる。熱交換器の下流側にて対向する内壁は、熱交換器を通過することによって気流の流れが変化するように構成されており、音響的な反射面になりやすい。このような壁面に乱反射部材を設けるので、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。さらに、このような壁面付近は流れのない淀み位置となることが多く、乱反射部材を設けることによって風量が低下することを防止することができる。
さらに請求項5に記載の発明では、乱反射部材は、複数の突起、毛状の部材、繊維部材または多孔質材である。
請求項5に記載の発明に従えば、前述のような作用および効果を達成することができる乱反射部材を実現することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。 図1とはドアの開度位置が異なる状態を示す模試図である。 複数の突起40による効果を説明するための図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図3を用いて説明する。図1は、車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。車両用空調装置10は、車室内空調運転の実施可能な装置である。
車両用空調装置10は、外殻が空調ケース11で構成されており、大別して送風部と空調部を備えている。空調ケース11は、車室内前方のインストルメントパネル12の裏側に配置されている。空調ケース11は、内方に空気が流れる通路であって、空気の流れが分岐または合流する複数の通路を形成する通路部材としての機能を有する。空調ケース11は、複数のケース部材からなり、例えばポリプロピレンなどの樹脂成形品である。複数のケース部材は、金属ばね、ねじ等の締結手段によって一体的に結合されて空調ケース11を構成している。
さらに車両用空調装置10は、車室内に向けて左右の吹出し口からそれぞれに温調された空気を供給する装置であり、運転席側と助手席側とにおいて独立に空調設定を可変できる、いわゆる左右独立温度コントロールを実現する。そして、車両用空調装置10の空調ケース11内部には、左右別々に温調された通風が混ざらないように中間仕切り板(図示せず)が設けられ、中間仕切り板によって空調ケース11内部は、車両左右方向に二つの通風路に区画されている。
送風部は、車室内または車室外の空気を空調部に送風するための送風機(図示せず)を備え、送風機の吹出口は空調部の入口に至る送風通路13と接続されている。送風機は、遠心多翼ファンとこれを駆動するモータとからなり、遠心多翼ファンの周囲はスクロールケーシングで囲まれ、遠心多翼ファンの遠心方向に伸びるダクトによって送風通路13と連通している。
空調部は、送風通路13全体を横断的に塞いで設けられたエバポレータ20と、エバポレータ20を通過してきた空気を加熱するヒータコア21と、冷風通路22と、エアミックスドア23、デフ用ミックスドア24と、温風通路25と、温風と冷風が混合する空間のエアミックスチャンバ26と、デフロスタ用ドア27と、フェイス用ドア28と、フット用ドア29と、リア用ドア30とを空調ケース11の内部に備えている。さらに空調ケース11には、冷風通路22および温風通路25の下流側に複数個の吹出口31〜34が形成されており、ここでは、空調ケース11の吹出口の一例であるデフロスタ吹出口31、フェイス吹出口32、フット吹出口33および第1のリア吹出口34、第2のリア吹出口35が設けられている。
デフロスタ吹出口31は、空調ケース11の車両前方側の上部に位置する。インストルメントパネル12のフロントウィンドウガラス12a付近の車両前方部には、室内吹出口の一つであるデフロスタ室内吹出口31aが設けられている。デフロスタ吹出口31とデフロスタ室内吹出口31aは、曇り度合いを低減するために空調風がフロントウィンドウガラス12a等の室内側面に沿うように、デフロスタ用ダクト31bによって接続されている。デフロスタ吹出口31は、デフロスタ用ドア27によって開閉制御される。
フェイス吹出口32は、空調ケース11上部のデフロスタ吹出口31よりも車両後方側に位置する。インストルメントパネル12の車両後方側の前面には、車室内に露出する室内吹出口の一つであるフェイス室内吹出口32aが設けられている。フェイス吹出口32とフェイス室内吹出口32aは、運転席および助手席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すために、フェイス用ダクト32bによって接続されている。フェイス吹出口32は、フェイス用ドア28によって開閉制御される。
各リア吹出口34,35は、空調ケース11下部の車両後方側に位置する。後部座席には、室内吹出口の一つであるリア室内吹出口(図示せず)が設けられている。各リア吹出口34,35とリア室内吹出口とは、後部座席に向けて空調風を吹き出すために、リア用ダクト34bによって接続されている。各リア吹出口34,35は、その開口断面積がリア用ドア30によって開閉制御される。リア用ドア30によって、第1のリア吹出口34が開状態になる場合はリア用ダクト34b内の通路をヒータコア21で加熱された空気が流れ、第2のリア吹出口35が開状態になる場合はリア用ダクト34b内の通路をエバポレータ20で冷却された空気が流れる。
フット吹出口33は、空調ケース11上部のフェイス吹出口32よりも下方側に位置する。乗員の足元には、室内吹出口の一つであるフット室内吹出口(図示せず)が設けられている。フット吹出口33とフット室内吹出口とは、運転席および助手席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出すために、フット用ダクト(図示せず)によって接続されている。フット吹出口33は、その開口断面積がフット用ドア29によって開閉制御される。
各吹出口31〜35は、空調ケース11の内部を車両左右方向に二分する通路仕切り壁を中心として左右対称であり、車両の運転席側および助手席側の左右両方側に空調風を供給可能なように配置されている。また、各吹出口31〜35から吹き出される空調風は、接続された各ダクト31b,32b,34b内を通って車室内の所定の室内吹き出し部位に供給されることになる。
また、デフロスタ用ドア27、フェイス用ドア28およびフット用ドア29のそれぞれは、回転軸と平板状のドア板とを有する片側支持式の板状ドアである。リア用ドア30は、回転軸と平板状のドア板とを有し、ドア板を円運動させる片面支持式の板状ドアである。送風機、エアミックスドア23、デフ用ミックスドア24、デフロスタ用ドア27、フェイス用ドア28、フット用ドア29およびリア用ドア30の作動は、図示しない制御装置によって制御される。
エバポレータ20は、たとえば空調ケース11の車両前方側に位置し、冷凍サイクル内の膨張弁で減圧された低温低圧の冷媒を送風機の送風を受けて内部で蒸発させる冷却用熱交換器である。そして、冷媒が流れるチューブの周囲を通過する送風空気を冷却して下流の冷風通路22に冷風を供給する。
ヒータコア21は、エバポレータ20よりも車両後方側の下部に位置し、走行用エンジンの高温の冷却水を熱源として送風空気と熱交換させ、周囲を流れる空気を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータコア21は、エバポレータ20よりも空気流れ方向の下流側の通路を部分的に塞ぐように配置されている。
デフ用ミックスドア24は、エバポレータ20よりも車両後方側に位置し、エバポレータ20を通過した空気が流下する下流側の通路である冷風通路22を開閉できるドアである。エアミックスドア23は、エバポレータ20よりも車両後方側に位置し、エバポレータ20を通過した空気が流下する冷風通路22および温風通路25を開閉できるドアである。
エアミックスドア23およびデフ用ミックスドア24は、その開度位置により、ヒータコア21を通る温風の風量とヒータコア21を通過しない冷風の風量との比率を調節して、空調風の温度調節を行う。そして、エアミックスドア23およびデフ用ミックスドア24が図1の実線で示す位置にあるときは最大冷房時であり、温風通路25を閉めてヒータコア21への空気の流れを完全に遮断し、車室内に冷房風を提供する。なお、図1に示す状態は、フェイス吹き出しモードが設定されたときであり、エアミックスドア23、デフ用ミックスドア24、デフロスタ用ドア27、フェイス用ドア28、フット用ドア29、およびリア用ドア30も当該モードを実施する開度位置に設定されている。
図2は、車両用空調装置10の構成を説明するための断面図であって、図1とはドアの開度位置が異なる状態を示す。エアミックスドア23およびデフ用ミックスドア24が図2に示す位置にあるときは最大暖房時であり、エアミックスチャンバ26に至る冷風通路22を閉めてエバポレータ20を通過した空気をすべてヒータコア21へ流して加熱し、車室内に暖房風を提供する。
また、エアミックスドア23が上記の中間の位置にあるときは、冷風通路22と温風通路25の両方が部分的に開放されて冷風と温風の両方が流下するようになり、各吹出口の上流側に設けられるエアミックスチャンバ26で混合し、温調されてから開放されている吹出口から吹き出され、ダクト内を通過して室内吹出口に送られる。
温風通路25は、車両前方側に傾いた形態で、空調ケース11の下部から上方のエアミックスチャンバ26に向けて延びるように形成されている。温風通路25は、空調ケース11の車両左右方向全体に亘る幅寸法を有し、その幅寸法は車両前後方向の寸法よりも大きくなっている。つまり、温風通路25は、前後方向に薄く、横長で上下方向に長い扁平状の通路を呈している。
フェイス吹出口32およびデフロスタ吹出口31は、エアミックスチャンバ26に臨む開口である。第1のリア吹出口34は、温風通路25に臨む開口である。第2のリア吹出口35は、エバポレータ20の下流側から、ヒータコア21よりも下方の位置に延びる通路に臨み、ヒータコア21を通らない冷風が吹き出される開口である。したがって、リア用ドア30が図1の実線で示す位置にあるときは、第1のリア吹出口34は閉じられて第2のリア吹出口35から冷風が吹き出される。また、リア用ドア30が図2の実線で示す位置にあるときは、第2のリア吹出口35は閉じられて第1のリア吹出口34から温風が吹き出される。
本実施形態の車両用空調装置10には、騒音を低減するための騒音低減装置が設けられる。騒音低減装置は、乱反射部材が空調ケース11内の所定箇所に設けられる。乱反射部材は、入射した音を乱反射する部材である。乱反射部材は、本実施形態では複数の突起40によって実現される。したがって複数の突起40が設けられる設置部位に音が入射すると、音を乱反射する効果を有する。複数の突起40は、形状は特に限定しないが、たとえば凹凸および剣山のような構成を含むものである。空調ケース11の内壁11aに複数の突起40を設ける場合には、複数の突起40を内壁11aに一体に設けることができる。一体に設ける場合には、空調ケース11と突起40との材質は同一であり、たとえば射出成型によって各ケース部材を成型するときに、一体成型によって形成される。また複数の突起40を各ドアに設ける場合も同様に、一体に設けることができる。
次に、突起40が設けられる場所に関して説明する。複数の突起40は、好ましくは、対向する各ドアと内壁11aとのそれぞれに設けられる。対向するとは、いずれか一方の設置部位に音が入射した場合に、1回以上、音が往復することで、入射波と反射波との干渉によって特定の周波数における音圧が大きい位置と小さい位置が生成される定在波の腹となるような部分である。したがって好ましくは、略平行(用語「略平行」は平行を含む)な設置部位に、複数の突起40が設けられる。また一方の突起40は、少なくとも他方の突起40に対向する位置を含む位置に設けられる。したがって一方の突起40から、他方の突起40が設けられる内壁11aに投影した場合には、投影領域と他方の突起40が設けられる領域との少なくとも1部が重複するような位置関係である。
複数の突起40は、図1および図2に斜線を施して示すように、空調ケース11の内壁11a、各ドアを構成するドア板の両面のうち少なくともいずれか一方に設けられる。以後、ドア板を単にドアということがある。内壁11aにおける第1の設置部位41は、デフロスタ用ドア27が開状態にあるときに、デフロスタ用ドア27の内側の面に対向する位置である。内壁11aにおける第2の設置部位42は、ヒータコア21の下流側であって、ヒータコア21に対向する位置である。内壁11aにおける第3の設置部位43は、エバポレータ20の上流側であって、エアミックスドア23が開状態にあるときに、エバポレータ20と対向する位置である。
さらに各ドアのうち、各吹出口を開閉するドアであるデフロスタ用ドア27、フェイス用ドア28、およびリア用ドア30には、各ドアを閉じた際に、空調ケース11の内側となる面に突起40が設けられる。したがってフェイス用ドア28については、閉状態にあるときに、空調ケース11の内側に位置する面に複数の突起40が設けられる。またリア用ドア30については、図2に示すように、第1のリア吹出口34を閉じている場合に、ヒータコア21に対向する面に複数の突起40が設けられる。また各ドアを中心に説明すると、各ドアのうち、デフロスタ用ドア27、フェイス用ドア28、エアミックスドア23およびリア用ドア30の片面に複数の突起40が設けられる。デフロスタ用ドア27およびエアミックスドア23については、両面に複数の突起40が設けられる。
次に、共鳴を抑制する効果について説明する。図3は、複数の突起40による効果を説明するための図である。図3では、間隔をあけて平行に延び、対向する空調ケース11の内壁11aのそれぞれに複数の突起40が設けられている状態を模式的に示している。このような部分に音が入射すると、突起40がない場合には破線で示すように、反射の法則により入射波の入射角と反射波の反射角とが等しくなるので、反射面である内壁11aから、たとえば1/2波長毎(2/2波長および3/2波長など)の位置で入射波と反射波との位相が同じになって、音圧が増幅する現象(いわゆる共鳴)が発生する。これに対して、複数の突起40を設けた場合には、突起40によって実線で示すように乱反射するので、入射波と反射波との位相が同じになる位置が分散されて共鳴の発生を抑制することができる。このような共鳴において反射面は、音圧が増幅するいわゆる腹の位置となるので、複数の突起40が、音波のいわゆる節50の位置ではなく、腹51の位置に複数の突起40があるときに顕著である。したがって音の腹51の位置に複数の突起40を設けることが好ましい。
図1および図2にて音波を破線で示すように、複数の突起40は、対向する各ドアと内壁11aとによって往復する部分およびヒータコア21またはエバポレータ20に対向する部分に設けられている。このような閉じた空間内の同じ部分で音の反射が繰り返されると、閉じた空間の間隔と対応する周波数(周期)で定在波が生じ、いわゆる共鳴が起きる。このような反射位置である共鳴の腹51の位置に、複数の突起40が設けられる。
具体的には、デフロスタ用ドア27は、空調ユニット内に距離の長い空洞を形成する端面となるため、音響的には音の増幅が大きい低周波の共鳴の反射面となる。このようなデフロスタ用ドア27に突起40が設けられているので、効果的に音の増幅を低減できる。またデフロスタ用ドア27が閉じられている場合には、流体的に気流の流れをせき止めて流れのない淀み位置となるので、突起40を設けることによって風量の低下を引き起こすことを防止することができる。このように音の反射位置は、通路を流れる空気と相対運動する位置とは限らず、むしろ空気流れない、いわゆる淀みの位置となることが多いので、突起40が流体の抵抗となることもない。したがって風量低下を引き起こすことを防止することができる。
またエアミックスドア23は、エバポレータ20を通過した気流(冷風)の流れ方向を制御して、エアミックスチャンバ26に冷風のまま送風する流量とヒータコア21を通して温風として送風する流量を分配している。エアミックスドア23は、送風機からつながるエバポレータ20の直後に配置されており、遠心ファンを含む空間に距離の長い空洞を形成する面となるため、音響的には音の増幅が大きい低周波の共鳴の反射面となる。このようなエアミックスドア23に突起40が設けられているので効果的に音の増幅を低減できる。一方、流体的には、エバポレータ20を通過した気流は、エアミックスドア23に衝突するため、エバポレータ20の突起40によって風量の低下を引き起こすことを防止することができる。
またエバポレータ20およびヒータコア21が設けられる部分では流路が拡大されているので、これら熱交換器に隣接した上下流側で気流の流れ方向が変化している。特に下流側が熱交換器を通過した気流を狭い流路に絞り、流路を大きく曲げているため、熱交換器の下流側の内壁11aが音響的な反射面となることが多い。このような熱交換器であるヒータコア21に隣接する第2の設置部位42に突起40を設けているので、効果的に音を低減できる。
次に、図1および図2にて破線で示している共鳴モードに関して説明する。図1に示すように、冷房時は、エアミックスドア23によってヒータコア21への気流を閉じているため、ヒータコア21付近の空間には閉空間ができる。これによってエアミックスドア23とヒータコア21に隣接した第2の設置部位42とが音の反射面となる共鳴モードが生成される。そこで、この位置に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
また、図1に示すように、デフロスタ用ドア27が閉じた状態では、デフロスタ用ドア27とデフロスタ用ドア27に対向する部分とが反射面となる共鳴モードが生成される。そこで、この位置に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
さらに、図1に示すように、デフロスタ用ドア27が閉じた状態では、デフロスタ用ドア27を腹として、デフロスタ吹出口31を節とする片側開口端の共鳴モードが生成される。そこで、デフロスタ用ドア27の外面に突起40を設けることでこのモードでの音の増幅を軽減することができる。
また図2に示すように、暖房時も同様であって、デフロスタ用ドア27が開いた状態では、デフロスタ用ドア27とデフロスタ用ドア27に対向する第1の設置部位41とが反射面となる共鳴モードが生成される。そこで、この位置に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
さらにエアミックスドア23によってヒータコア21への気流を開いているため、ヒータコア21とヒータコア21に隣接した第2の設置部位42とが音の反射面となる共鳴モードが生成される。そこで、この位置に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
また暖房時には、エアミックスドア23とエアミックスドア23に対向する第3の設置部位43とが反射面となる共鳴モードが生成される。したがってエアミックスドア23および第3の設置部位43に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
さらに暖房時において、フェイス用ドア28が閉じている場合には、エアミックスドア23とフェイス用ドア28とが反射面となる共鳴モードが生成される。したがってエアミックスドア23およびフェイス用ドア28に突起40を設けることで、音の増幅を軽減することができる。
また音波を破線で示していない設置部位においても、対向する内壁11aまたは各ドアとの間で共鳴の発生を抑制することができる。これによって前述のように共鳴を発生する効果を達成することができる。
以上説明したように本実施形態の騒音防止装置は、空調ケース11の内壁11aに乱反射部材として複数の突起40が所定箇所に設けられる。このような突起40は、内壁11aのうち対向する一対の内壁11aのそれぞれに設けられる。ここで内壁11aとは、開閉によって通路を形成するドアの表面も含む。本実施形態では、共鳴が発生する一対の内壁11aに複数の突起40が設けられる。複数の突起40のようなミクロな形状の凹凸に対して音の反射の法則が成り立つため、マクロな視点では反射方向が散乱し、入射波と反射波との位相が同じになる位置がずらすことができる。これによって位相が同じになることに起因する音の増幅を抑制することができる。
このような複数の突起40は、対向する一対の内壁11a以外の部分に設けなくてもよい。したがって内壁11aの全域に複数の突起40を設ける必要はなく、部分的に設けても共鳴を抑制する効果を達成することができる。また、空気の流れをせき止めて流れのない淀み位置に共鳴が発生する場合もあり、このような位置に複数の突起40を設けることによって通風抵抗を増加させることなく音の増幅を抑制することができる。また複数の突起40を全域に設けるよりも、製造コストを安くすることができる。このように本実施形態では、風量低下および製造コストの増加を抑えつつ、騒音を減少することができる。
また本実施形態では、通路部材は、空調ケース11であり、空調ケース11内に開閉するドアが設けられる。ドアは、開状態または閉状態で、共鳴の反射面となりうる。このようなドアの両面のうち少なくともいずれか一方の面には、複数の突起40が設けられる。これによって前述の内壁11aに複数の突起40を設けた場合と同様に、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。またドアは、通路を開閉する部材であるので、ドアの両面は、空気の流れをせき止めて流れのない淀み位置となる場合が多い。このようなドアの場合には、複数の突起40を設けることによって風量が低下することを防止することができる。
さらに本実施形態では、エアミックスドア23に突起40が設けられる。エアミックスドア23は、開度によって、冷風と温風とを混合する割合を調整する。このようなエアミックスドア23は、開度によっては、少なくともいずれか一方の面が共鳴の反射面となることがある。このようなエアミックスドア23に、前述のように複数の突起40を設けることによって、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。
さらに本実施形態では、複数の突起40は、熱交換器であるヒータコア21に対向する内壁11aである第2の設置部位42に設けられる。ヒータコア21の下流側にて対向する内壁11aは、ヒータコア21を通過することによって気流の流れが変化するように構成されており、音響的な反射面になりやすい。このような第2の設置部位42に複数の突起40を設けるので、共鳴の発生を抑制する効果を達成することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、乱反射部材は、複数の突起40によって実現されているが、このような構成に限るものではなく、音を乱反射する部材であれば、たとえば毛状の部材、繊維部材もしくは多孔質材を用いてもよい。このような乱反射部材であっても、複数の突起40と同様の作用および効果を達成することができる。
また前述の第1実施形態では、空調ケース11の内壁11aとドアとが対向する部分に突起40が設けられているが、このような構成に限るものではなく、空調ケース11内で対向する一対の内壁11aのそれぞれに設けてもよい。
また前述の第1実施形態では、送風機においては複数の突起40を設けていないが、このような構成に限るものではなく、送風機の多翼ファンを覆うスクロールケーシングの、少なくとも吸込み側と反対側の一部の周壁面に複数の突起40を設けても良い。遠心式ファンでは、気流はファンから遠心状に放射され、スクロールケーシングを介して、空調ケース11内に導通される。したがって、スクロールケーシングは空調ケース11内に連通した距離の長い空洞を形成する端面となるため、音響的には音の増幅が大きい低周波の共鳴の反射面となる。このようなスクロールケーシングに突起40を設けることによって、効果的に音の増幅を低減できる。
また前述の第1実施形態では、騒音低減装置は車両用空調装置10に設けられるが、車両用空調装置10に限るものではなく、空調装置以外であってもよく、たとえば機器冷却用の冷却用送風機などに適用することができる。
10…車両用空調装置
11…空調ケース(通路部材)
11a…内壁
13…送風通路(通路)
20…エバポレータ(冷却用熱交換器)
21…ヒータコア(加熱用熱交換器、熱交換器)
22…冷風通路(通路)
23…エアミックスドア(ドア)
24…デフ用ミックスドア
25…温風通路(通路)
26…エアミックスチャンバ
27…デフロスタ用ドア(ドア)
28…フェイス用ドア(ドア)
29…フット用ドア
30…リア用ドア(ドア)
40…突起(乱反射部材)
41…第1の設置部位
42…第2の設置部位
43…第3の設置部位

Claims (5)

  1. 空気が流れる通路(13,22,25)であって、空気の流れが分岐または合流する複数の通路を形成する通路部材(11)に設けられる騒音低減装置であって、
    前記通路部材の内壁(11a)に設けられ、入射した音を乱反射する一対の乱反射部材(40)を含み、
    前記一対の乱反射部材は、前記内壁のうち対向する一対の前記内壁のそれぞれに設けられ、
    一方の前記乱反射部材は、少なくとも他方の前記乱反射部材に対向する位置を含む位置に設けられることを特徴とする騒音低減装置。
  2. 前記通路部材が形成する通路は、車室内に送風される空気が通過する通路であり、
    前記通路部材は、前記通路が内部に形成される空調ケース(11)であり、
    前記空調ケース内に配置され、前記通路を開閉するドア(23,27〜30)の両面のうち少なくともいずれか一方の面に、前記一方の乱反射部材が設けられ、
    前記一方の乱反射部材が設けられる前記ドアが開状態または閉状態にあるときに、前記一方の乱反射部材に対向する内壁(41〜42)に前記他方の乱反射部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の騒音低減装置。
  3. 前記空調ケース内には、通過する空気を冷却する冷却用熱交換器(20)、および通過する空気を加熱する加熱用熱交換器(21)が設けられ、
    前記ドアは、前記冷却用熱交換器を通過した冷風と、前記加熱用熱交換を通過した温風とを混合する割合を調整するためのエアミックスドア(23)であることを特徴とする請求項2に記載の騒音低減装置。
  4. 前記複数の通路のうちの少なくとも1つには、通過する空気と熱交換する熱交換器(21)が設けられ、
    前記一方の乱反射部材は、前記熱交換器の下流側にて前記熱交換器に対向する前記内壁(42)に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の騒音低減装置。
  5. 前記乱反射部材は、複数の突起、毛状の部材、繊維部材または多孔質材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の騒音低減装置。
JP2011031172A 2011-02-16 2011-02-16 騒音低減装置 Withdrawn JP2012166758A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011031172A JP2012166758A (ja) 2011-02-16 2011-02-16 騒音低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011031172A JP2012166758A (ja) 2011-02-16 2011-02-16 騒音低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012166758A true JP2012166758A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46971328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011031172A Withdrawn JP2012166758A (ja) 2011-02-16 2011-02-16 騒音低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012166758A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10330339B2 (en) 2011-02-16 2019-06-25 Denso Corporation Aerodynamic sound decreasing apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10330339B2 (en) 2011-02-16 2019-06-25 Denso Corporation Aerodynamic sound decreasing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5569513B2 (ja) 車両用空調装置
JP5724827B2 (ja) 空力音低減装置
JP4883080B2 (ja) 車両用空調装置
JP2009286286A (ja) 車両用空調装置
JP2014113884A (ja) 車両用空調装置
JP2010018248A (ja) 車両用空調装置
JP5503907B2 (ja) 車両用空調装置
JP2013133069A (ja) 車両用空調装置
JP5101221B2 (ja) 車両用空調装置
JP2012166758A (ja) 騒音低減装置
JP5640928B2 (ja) 空力音低減装置
JP5640902B2 (ja) 空力騒音低減装置
JP4985604B2 (ja) 車両用空調装置
JP2008114650A (ja) 車両用空気調和装置
JP4687435B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005319874A (ja) 車両用空調装置
JP4859621B2 (ja) 車両用空気調和装置
KR20150021720A (ko) 차량용 공조장치
JP5604944B2 (ja) 空調装置
JP2018154250A (ja) 車両用空調装置
JP2007216808A (ja) 車両用空調装置
JP2007261406A (ja) 車両用空調装置の空気取入構造
KR101266929B1 (ko) 차량용 전후석 독립 공조장치
JP6223710B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002096622A (ja) 車両用空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513