JP5787999B2 - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関し、特に、小型のカメラや携帯端末装置に好適に使用可能なズームレンズおよび、そのようなズームレンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来、コンパクトなデジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末装置などに搭載されるズームレンズとして、負レンズ群先行(物体側に負レンズ群を配置した構成)の2群あるいは3群タイプのズームレンズが広く知られている。例えば特許文献1および2には、変倍比が3倍程度で、より簡易な2群タイプが採用された低コストのズームレンズの例として、第1レンズ群が2枚、第2レンズ群が3枚の計5枚のレンズで構成されたズームレンズが示されている。一方特許文献3には、第1レンズ群が2枚、第2レンズ群が2枚の計4枚のレンズで構成されたズームレンズが示されている。
他方、特許文献4や5には、プラスチックレンズが採用されたズームレンズや、あるいはプラスチックレンズで構成することも想定して設計されたズームレンズが開示されている。特許文献4には、第1レンズ群を構成する3枚のレンズのうち1枚がプラスチックレンズとされた例が示されている。また特許文献5には、全てのレンズがプラスチックレンズで構成された例が示されている。
特許文献3に示されたズームレンズは、極めて少ないレンズ枚数で構成されているが、このようにレンズ枚数が少ないことにより単純に低コスト化が実現されるものではない。例えば、少ないレンズ枚数で構成すると、レンズ1枚当たりが担うパワーが強くなり、製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなったり、レンズの加工難度が高くなったりして、結果的に生産コストが高くなってしまう可能性もある。
レンズをより安価な材料、例えば、プラスチック材料で構成することも低コスト化の1つの手段であるが、少ないレンズ枚数で構成したときには、レンズ1枚当たりのパワーが強いため、コストの安いプラスチックを用いることが難しくなってしまう。それは、製造誤差や組立誤差、あるいは、温度変化に伴う光学諸元や性能の変動が大きくなったり、収差の補正バランスをとることが難しくなったりするためである。ここで、改めて特許文献3に示されているズームレンズの構成について考えると、第1レンズ群に配置された正レンズおよび負レンズ共に高屈折率の材料が用いられていることから分かるように、低コスト化に重点を置いて設計された訳ではなく、そこにも記載があるように、沈胴時の厚みを小さくすることを優先して設計されたものであることがわかる。
逆に言えば、サイズよりも、光学性能やコストをより優先して考える場合には、特許文献3に示されるような第2群の正レンズのパワーを2枚のレンズに分散させた、特許文献1や2に示される第2群の構成の方が好ましいと考えられる。また、そのような構成とすることで、第2群に配置された正レンズ1枚当たりが担うパワーが小さくなるため、レンズをプラスチックから構成することも可能になる。しかし、特許文献1や2に示されたズームレンズも、第1レンズ群に配置されたレンズが高屈折率材料で構成されており、さらなる低コスト化の余地が残されている。
上述のようにプラスチックレンズを採用するためには、各レンズのパワーを最適に設定する必要がある。つまり、特許文献3に示されるズームレンズのように少ないレンズ枚数で構成し、かつ、コストの低いプラスチックレンズを採用する場合には、各レンズへのパワー配分を十分に考慮しなければならない。
プラスチックレンズが採用されたズームレンズの例としては、前述のように特許文献4や5に示されたものがあるが、それらの第1レンズ群は、特許文献1〜3に示されているズームレンズの第1レンズ群よりもレンズ枚数が1枚多い構成となっている。このように、プラスチックレンズを用いる場合、前述した通り、パワーの強い1枚のレンズを2枚のレンズに分割することによりパワーを分散させて、ある程度までパワーが小さくなったレンズを適用するという考えもある。しかしそのような構成を採用すると、沈胴長は大きくなってしまう。また特許文献5には、全てのレンズがプラスチックレンズで構成された例が示されているが、その場合は、変倍比が2倍程度にとどまっている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、少ないレンズ枚数で3倍乃至4倍程度の変倍比を確保しつつ、プラスチックレンズも採用可能として低コスト化を達成するとともに、各レンズのパワーを最適に設定することで良好な光学性能を実現できる2群ズームレンズを提供することを目的とする。
本発明による第1のズームレンズは、
実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第2レンズのd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2としたとき、以下の条件式
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.60 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.56<nd2<1.66 …(5)
νd2<33 …(6)
を満足することを特徴とするものである。
実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第2レンズのd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2としたとき、以下の条件式
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.60 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.56<nd2<1.66 …(5)
νd2<33 …(6)
を満足することを特徴とするものである。
ここで、「実質的に第1レンズ群と第2レンズ群とからなる」とは、それらのレンズ群以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分等を持つ場合も含むものとする。
なお、本発明のズームレンズにおける「第2レンズ群」は、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含むものとする。また、各レンズ群を構成するレンズには接合レンズが用いられてもよいが、接合レンズはn枚の貼り合わせで構成されていれば、n枚のレンズとして数えるものとする。また、本明細書における「本発明のズームレンズ」あるいは「本発明によるズームレンズ」との記載は、特にことわりがなければ本発明による第1のズームレンズおよび、後述する第2のズームレンズの双方を指すものとする。
また、本発明のズームレンズにおけるレンズの面形状、屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
ここで、本発明による上記第1のズームレンズにおいては、前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1としたとき、以下の条件式
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足していることが望ましい。
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足していることが望ましい。
また、本発明による第2のズームレンズは、
実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
前記第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であり、
第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1としたとき、以下の条件式
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.70 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足することを特徴とするものである。
実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
前記第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であり、
第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1としたとき、以下の条件式
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.70 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足することを特徴とするものである。
以上述べた本発明のズームレンズは、広角端において、第1レンズの物体側レンズ面から結像面までの光軸上の距離をTLw、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式
5.8<TLw/fw<8.4 …(9)
を満足するものであることがより望ましい。
5.8<TLw/fw<8.4 …(9)
を満足するものであることがより望ましい。
また本発明のズームレンズにおいて、前記第2レンズはプラスチックレンズであることが望ましい。
さらに本発明のズームレンズにおいては、前記第1レンズもプラスチックレンズであることが望ましい。
また、本発明のズームレンズにおいて、第2レンズ群は物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズおよび、正の屈折力を有する第5レンズより構成されていることが望ましい。
また、本発明のズームレンズにおいて、第2レンズ群を構成するレンズは全てプラスチックレンズであることが望ましい。
また、本発明のズームレンズは、前記第1レンズの物体側レンズ面から像側レンズ面までの光軸上の距離をD1、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式
0.7<D1/fw<1.2 …(10)
を満足するものであることが望ましい。
さらに、本発明の第1のズームレンズにおいては、第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であることが望ましい。
0.7<D1/fw<1.2 …(10)
を満足するものであることが望ましい。
さらに、本発明の第1のズームレンズにおいては、第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であることが望ましい。
また、本発明のズームレンズにおいて、前記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8)、(9)および(10)式で示した各条件のより望ましい範囲は下記の通りである。
1.7<f2/fw<2.3 …(2’)
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
1.56<nd2<1.65 …(5’)
νd2<29 …(6’)
νd1>52 …(8’)
6.0<TLw/fw<8.2 …(9’)
0.8<D1/fw<1.1 …(10’)
また、本発明のズームレンズにおいては、第1レンズ群を構成する2枚のレンズがともにプラスチックレンズであることが好ましい。
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
1.56<nd2<1.65 …(5’)
νd2<29 …(6’)
νd1>52 …(8’)
6.0<TLw/fw<8.2 …(9’)
0.8<D1/fw<1.1 …(10’)
また、本発明のズームレンズにおいては、第1レンズ群を構成する2枚のレンズがともにプラスチックレンズであることが好ましい。
また本発明のズームレンズにおいては、第2レンズ群が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズより構成され、それらのレンズはそれぞれ、
前記第3レンズのd線に対する屈折率をnd3、屈折率をνd3としたとき、
1.48<nd3<1.61 …(11)
νd3>50 …(12)、さらに好ましくは、νd3>52 …(12’)
を満足し、前記第4レンズのd線に対する屈折率をnd4、屈折率をνd4としたとき、
1.56<nd4<1.68 …(13)
νd4<33 …(14)、さらに好ましくは、νd4<29 …(14’)
を満足し、前記第5レンズのd線に対する屈折率をnd5、屈折率をνd5としたとき、
1.48<nd5<1.61 …(15)
νd5>50 …(16)、さらに好ましくは、νd5>52 …(16’)
を満足する材料で構成されていることが望ましい。
前記第3レンズのd線に対する屈折率をnd3、屈折率をνd3としたとき、
1.48<nd3<1.61 …(11)
νd3>50 …(12)、さらに好ましくは、νd3>52 …(12’)
を満足し、前記第4レンズのd線に対する屈折率をnd4、屈折率をνd4としたとき、
1.56<nd4<1.68 …(13)
νd4<33 …(14)、さらに好ましくは、νd4<29 …(14’)
を満足し、前記第5レンズのd線に対する屈折率をnd5、屈折率をνd5としたとき、
1.48<nd5<1.61 …(15)
νd5>50 …(16)、さらに好ましくは、νd5>52 …(16’)
を満足する材料で構成されていることが望ましい。
上記条件式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)および(16)は、それらのうちのいずれか1つ乃至5つが満足されてもよい。
なお、本発明のズームレンズにおいては、温度変化による光学特性の変動等を十分に考慮してパワー配置を適切に設定することによって、全てのレンズをプラスチックレンズとすることもできる。
さらに本発明のズームレンズにおいては、広角端において、無限遠物体合焦時の最外角光線の主光線の射出角度(像面の法線に対する角度)をαwとしたとき、以下の条件式
8°<αw<12° …(17)、さらに好ましくは、9°<αw<11° …(17’)を満足することが好ましい。
8°<αw<12° …(17)、さらに好ましくは、9°<αw<11° …(17’)を満足することが好ましい。
また本発明のズームレンズにおいては、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して、第2レンズ群全体、または第2レンズ群に配置された一部のレンズを光軸に沿って移動させる構成となっていることが好ましい。より具体的には、第2レンズ群を物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズより構成したとき、第5レンズのみを光軸に沿って移動させる構成であることが好ましい。
他方、本発明による撮像装置は、以上説明した本発明による第1あるいは第2のズームレンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明によるズームレンズは実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1、前記第2レンズのd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2としたとき、前記条件式(1)〜(6)を満足し(第1のズームレンズの場合)、あるいは前記条件式(1)〜(4)、(7)および(8)を満足する(第2のズームレンズの場合)ように構成されているので、プラスチックレンズを採用して低コスト化を達成するとともに、少ないレンズ枚数で3倍乃至4倍程度の変倍比を確保しつつ、各レンズのパワーを最適に設定することで良好な光学性能を実現できるものとなる。
以下、上に述べた効果についてさらに詳しく説明する。条件式(1)は、第1レンズ群の焦点距離と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、色収差を抑えようとしたとき、第1レンズ群を構成する各レンズのパワーが強くなり、それに伴って第2レンズ群を構成するレンズのパワーも強くなってしまい、諸収差のバランス取ることが非常に困難になる。特に、像面湾曲と歪曲収差の補正が困難になる。さらに、第1レンズ群を構成するレンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。また、第1レンズ群中にプラスチックレンズを用いるに当たり、レンズのパワーが強過ぎると、温度による屈折率変化に伴って像面位置の変動などが起こるので、好ましくない。逆に(1)式の上限値以上になると、変倍時の第1レンズ群の移動量が大きくなるとともに、光学全長が大きくなってしまい、好ましくない。条件式(1)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(2)は、第2レンズ群の焦点距離と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、第2レンズ群を構成する各レンズのパワーが強くなり、球面収差の補正が困難になる。さらに、第2レンズ群を構成するレンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。また、第2レンズ群中に、プラスチックレンズを用いるに当たり、レンズのパワーが強過ぎる、温度による屈折率変化に伴って像面位置の変動などが起こるので、好ましくない。逆に(2)式の上限値以上になると、変倍時の第2レンズ群の移動量が増大するとともに、バックフォーカスが大きくなり、レンズ系全体が大型化してしまうため好ましくない。条件式(2)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(3)は、第1レンズ群に配置された第1レンズと第2レンズの間隔と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、コンパクト化には有利になるが、球面収差の補正が難しくなるため好ましくない。逆に上限値以上になると、第1レンズ群全体が大型化してしまうため、好ましくない。条件式(3)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。また、本発明のズームレンズにおいては、第1レンズ群の少なくとも1枚のレンズをプラスチックで構成しているが、プラスチックレンズのコバ(フランジ)形状と、第1レンズおよび第2レンズの保持方法の点からも、条件式(3)の範囲を外れない方が好ましい。
条件式(4)は、広角端および望遠端の焦点距離の関係、つまり、変倍比を規定しており、その下限値以下になると、ズームレンズとしての有意性が小さくなってしまう。逆に、その上限値以上になると、レンズ系が大型化してしまう。また、このズームタイプにおいては、望遠端において明るさの低下が大きくなり過ぎてしまい、好ましくない。また、望遠端において、ある程度の明るさを確保しようとすれば、第2レンズ群への負担が大きくなり、少ないレンズ枚数での収差補正が困難になってしまう。条件式(4)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(5)および条件式(7)はそれぞれ、第2レンズの屈折率、第1レンズの屈折率を規定しており、それらの条件式の下限値以下になると、収差の発生が大きくなってしまうとともに、レンズの曲率(近似曲率)が大きくなって、第1レンズ群が厚くなってしまうため好ましくない。また、前記のように、低コスト化や軽量化等の目的によって、第1レンズ群に配置された2枚のレンズの少なくとも1枚をプラスチックレンズで構成しようとする場合、それらの条件式の上限値以上となるような材料で構成すると、非点収差や倍率色収差の補正のバランスをとることが困難になり、好ましくない。条件式(5)あるいは(7)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(6)および条件式(8)はそれぞれ、第2レンズのアッベ数、第1レンズのアッベ数を規定しており、それらの条件式の範囲を外れると、第1レンズと第2レンズとのアッベ数の差が小さくなり、色収差の補正が困難になる。また、条件式(6)あるいは(8)の範囲を外れると、色収差補正のために、第1レンズ群に配置された他方のレンズ(条件式(6)で第2レンズのアッベ数を規定する場合は第1レンズがこの「他方のレンズ」であり、条件式(8)で第1レンズのアッベ数を規定する場合は第2レンズがこの「他方のレンズ」である)のパワーも強くする必要があり、特に、広角端において像面湾曲や歪曲収差の補正が困難になるため、好ましくない。条件式(6)あるいは(8)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
以上の効果は、条件式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8)の範囲の中で特にそれぞれ、条件式(2’)、(3’)、(4’)、(5’)、(6’)、(8’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
一方、本発明のズームレンズにおいて特に前記条件式(9)が満足されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわちこの条件式(9)は、広角端における光学全長と焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、コンパクトに構成することができるが、各レンズのパワーが強くなって、収差補正が困難になるとともに、レンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。逆に上限値以上になると、レンズ全長が大きくなってしまうので、好ましくない。条件式(9)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
以上の効果は、条件式(9)の範囲の中で特に条件式(9’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また、本発明のズームレンズにおいて特に前記条件式(10)が満足されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、この条件式(10)の下限値以下になると、小型化には有利であるが、条件式(3)で規定したように第1レンズと第2レンズの空気間隔を一定以上確保した上で、条件式(10)の値を小さくして小型化を図るためには、第1レンズや第2レンズを小さく、あるいは、薄く構成する必要があり、歪曲収差の補正が困難になったり、色収差の補正のバランスが取れなくなったりしてしまうため、好ましくない。また、第1レンズ群の材料をプラスチックで構成することに無理が生じてくる。逆に上限値以上になると、第1レンズ群が大型化してしまうため好ましくない。条件式(10)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
以上の効果は、条件式(10)の範囲の中で特に条件式(10’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また、本発明のズームレンズにおいて特に、第1レンズ群を構成する2枚のレンズが共にプラスチックレンズとされた場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、第1レンズ群中に少なくとも1枚のプラスチックレンズを用いる場合、第1レンズ群は、負レンズ、正レンズ各々1枚ずつで構成されているので、温度変化に伴う像面変動を考慮したとき、共にプラスチックレンズであれば、それぞれのパワーが打ち消し合うようにする上で有利である。また、良好な光学性能を得るためには、第1レンズ群には非球面レンズを用いることが好ましいが、第1レンズ群を構成する2枚のレンズが共にプラスチックレンズであれば、非球面レンズをガラスで構成する場合に比べて低コスト化が実現される。
また本発明のズームレンズにおいて特に、第2レンズ群が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズより構成され、それらのレンズがそれぞれ前記(11)、(12)、(13)(14)、(15)および(16)式を満足する材料で構成されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む第2レンズ群において、正レンズをプラスチック材料で構成する場合には、アッベ数が55程度、負レンズをプラスチック材料で構成する場合には、アッベ数が25程度の材料を用いることが好ましいが、他のレンズが上記条件式(11)〜(16)式を満足する材料で構成されていると、像面湾曲や球面収差をバランス良く補正する上で有利となる。
さらに、上記条件式(11)〜(16)を満足することによって、第2レンズ群を構成するレンズを比較的安価な硝種やプラスチックで構成することができ、低コスト化を実現できる。
以上の効果は、条件式(12)、(14)、(16)の範囲の中で特にそれぞれ条件式(12’)、(14’)、(16’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また本発明のズームレンズにおいて特に、広角端において、無限遠物体合焦時の最外角光線の主光線の射出角度(像面の法線に対する角度)をαwとしたとき、前記条件式(17)が満足されている場合は、撮像素子での周辺光量低下を防止することができる。この効果は、条件式(17)に代えて条件式(17’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また本発明のズームレンズにおいて特に、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して、第2レンズ群全体、または、第2レンズ群に配置された一部のレンズを光軸に沿って移動させる構成となっている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、第1レンズ群全体を繰り出してフォーカスする構成を採用した場合は、第1レンズ群の有効径が大きくなったり、外径の大きなレンズを動かす必要が生じたりするが、第2レンズ群全体、または、第2レンズ群に配置された一部のレンズを移動させる場合は、そのような問題を回避することが可能になる。
以上の効果は、第2レンズ群を物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズより構成し、第5レンズのみを光軸に沿って移動させる構成とした場合に、より顕著なものとなる。
また、本発明の第2のズームレンズにおいては、第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が近軸領域で凹面とされているので、軸上色収差と倍率色収差をバランス良く補正することが可能になる。本発明の第1のズームレンズにおいて同様の構成が採用された場合は、同じ効果が得られる。
他方、本発明による撮像装置は、以上説明した効果を奏する本発明のズームレンズを備えたものであるから、良好な光学性能を備えた上で低コスト化を達成できるものとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるズームレンズの構成例を示す断面図であり、後述の実施例1のズームレンズに対応している。また、図2〜図11は、本発明の実施形態にかかる別の構成例を示す断面図であり、それぞれ後述の実施例2〜11のズームレンズに対応している。図1〜図11に示す例の基本的な構成は、図10の実施例では第2レンズ群G2が2枚のレンズからなる点を除いて、その他は互いに同様であり、図示方法も同様であるので、ここでは主に図1を参照しながら、本発明の実施形態にかかるズームレンズについて説明する。
図1では、左側が物体側、右側が像側として、(A)は無限遠合焦状態でかつ広角端(最短焦点距離状態)での光学系配置を、(B)は無限遠合焦状態でかつ望遠端(最長焦点距離状態)での光学系配置を示している。これは、後述する図2〜11においても同様である。
本発明の実施形態にかかるズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とがレンズ群として配列されてなる。また第2レンズ群G2には、開口絞りStが含まれている。ここに示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
なお、図1には、第2レンズ群G2と像面Simとの間に、平行平板状の光学部材PPが配置された例を示している。ズームレンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタ等を配置することが好ましい。光学部材PPは、これらカバーガラスや各種フィルタ等を想定したものである。また、近年の撮像装置は高画質化のために各色毎にCCDを用いる3CCD方式を採用しているものがあり、この3CCD方式に対応するためには、色分解プリズム等の色分解光学系をレンズ系と像面Simの間に挿入することになる。その場合には、光学部材PPの位置に色分解光学系を配置してもよい。
このズームレンズは、広角端から望遠端に変倍する際に、第1レンズ群G1は像面Sim側に凸状の軌跡を描くように移動し、第2レンズ群G2は物体側に単調移動し、開口絞りStは第2レンズ群G2と一体で移動するように構成されている。図1には、広角端から望遠端へ変倍するときの第1レンズ群G1および第2レンズ群G2の移動軌跡を、(A)と(B)との間に付した実線の矢印で模式的に示している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズL11と、正の屈折力を有する第2レンズL12とから構成されている。ここで、例えば図1に示す例のように、第1レンズL11は両凹形状のレンズとし、第2レンズL12は正メニスカス形状のレンズとすることができる。本発明のズームレンズにおいて、これらの第1レンズL11および第2レンズL12の少なくとも1枚はプラスチックレンズとされるが、本実施例では特に双方ともプラスチックレンズとされている。
本発明のズームレンズにおいて第2レンズ群G2は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成されるが、図1の構成において第2レンズ群G2は、物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、および正の屈折力を有する第5レンズL23より構成されている。例えば図1の例のように上記第3レンズL21は両凸形状のレンズ、上記第4レンズL22は両凹形状のレンズ、第5レンズL23は正メニスカス形状のレンズとすることができる。なお図1の構成では特に、第2レンズ群G2の全てのレンズL21、L22、およびL23がプラスチックレンズとされている。
ここで、図2〜図11の構成におけるレンズ材料に関して説明すると、図6の第1レンズL11、第3レンズL21および第4レンズL22、並びに図8の第5レンズL23以外は全てプラスチックレンズとされている。
以上説明の通り、第1レンズ群G1を2枚のレンズから構成するとともに第2レンズ群G2を3枚のレンズから構成した上で、第1レンズL11および第2レンズL12の少なくとも1枚をプラスチックレンズ(より好ましくは双方ともプラスチックレンズ)とし、そして第3レンズL21、第4レンズL22および第5レンズL23のうちの少なくとも1枚をプラスチックレンズ(より好ましくは3枚ともプラスチックレンズ)とすることにより、低コスト化を達成するとともに、少ないレンズ枚数で3倍乃至4倍程度の変倍比を確保しつつ、各レンズのパワーを最適に設定することで良好な光学性能を実現できるようになる。
なお、図1〜11の構成のうち特に図10の構成では、その他の構成と異なって、第2レンズ群G2が2枚のレンズつまり第3レンズL21および第4レンズL22から構成されているが、この構成においても上記の作用、効果を得ることができる。
また本ズームレンズは、第1レンズ群G1の焦点距離をf1、第2レンズ群G2の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、第1レンズL11と第2レンズL12との光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、第1レンズL11のd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2、第2レンズL12のd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2としたとき、以下の条件式
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.60 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.56<nd2<1.66 …(5)
νd2<33 …(6)
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足している。
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.60 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.56<nd2<1.66 …(5)
νd2<33 …(6)
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8)
を満足している。
なお、以上の条件式(1)〜(8)で規定される各条件の数値例を、実施例毎にまとめて表34に示してある。またこの表34には、後述する条件式(9)〜(17)で規定される各条件の数値例も併せて示してある。
さらに本ズームレンズにおいては、広角端において、第1レンズL11の物体側レンズ面から結像面までの光軸上の距離をTLw、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式
5.8<TLw/fw<8.4 …(9)
を満足している。
5.8<TLw/fw<8.4 …(9)
を満足している。
また本ズームレンズにおいては、第1レンズL11の物体側レンズ面から像側レンズ面までの光軸上の距離をD1、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式
0.7<D1/fw<1.2 …(10)
を満足している。
0.7<D1/fw<1.2 …(10)
を満足している。
さらに本ズームレンズにおいては、第1レンズ群G1に配置された第1レンズL11の物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であることが望ましく、実施例1〜3および7においてはそのように構成されている。
また本ズームレンズにおいて、前記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8)、(9)および(10)式で示した各条件は、より望ましくは下記の範囲に設定される。
1.7<f2/fw<2.3 …(2’)
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
1.56<nd2<1.65 …(5’)
νd2<29 …(6’)
νd1>52 …(8’)
6.0<TLw/fw<8.2 …(9’)
0.8<D1/fw<1.1 …(10’)
また本ズームレンズにおいては、第2レンズ群G2が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、正の屈折力を有する第5レンズL23より構成され、それらのレンズはそれぞれ、第3レンズL21のd線に対する屈折率をnd3、屈折率をνd3としたとき、
1.48<nd3<1.61 …(11)
νd3>50 …(12)、さらに好ましくは、νd3>52 …(12’)
を満足し、第4レンズL22のd線に対する屈折率をnd4、屈折率をνd4としたとき、
1.56<nd4<1.68 …(13)
νd4<33 …(14)、さらに好ましくは、νd4<29 …(14’)
を満足し、第5レンズL23のd線に対する屈折率をnd5、屈折率をνd5としたとき、
1.48<nd5<1.61 …(15)
νd5>50 …(16)、さらに好ましくは、νd5>52 …(16’)
を満足する材料で構成されていることが望ましい。
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
1.56<nd2<1.65 …(5’)
νd2<29 …(6’)
νd1>52 …(8’)
6.0<TLw/fw<8.2 …(9’)
0.8<D1/fw<1.1 …(10’)
また本ズームレンズにおいては、第2レンズ群G2が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、正の屈折力を有する第5レンズL23より構成され、それらのレンズはそれぞれ、第3レンズL21のd線に対する屈折率をnd3、屈折率をνd3としたとき、
1.48<nd3<1.61 …(11)
νd3>50 …(12)、さらに好ましくは、νd3>52 …(12’)
を満足し、第4レンズL22のd線に対する屈折率をnd4、屈折率をνd4としたとき、
1.56<nd4<1.68 …(13)
νd4<33 …(14)、さらに好ましくは、νd4<29 …(14’)
を満足し、第5レンズL23のd線に対する屈折率をnd5、屈折率をνd5としたとき、
1.48<nd5<1.61 …(15)
νd5>50 …(16)、さらに好ましくは、νd5>52 …(16’)
を満足する材料で構成されていることが望ましい。
上記条件式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)および(16)は、それらのうちのいずれか1つ乃至5つが満足されてもよい。
さらに本ズームレンズにおいては、広角端において、無限遠物体合焦時の最外角光線の主光線の射出角度(像面の法線に対する角度)をαwとしたとき、以下の条件式
8°<αw<12° …(17)、さらに好ましくは、9°<αw<11° …(17’)を満足することが好ましい。
8°<αw<12° …(17)、さらに好ましくは、9°<αw<11° …(17’)を満足することが好ましい。
また本ズームレンズにおいては、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して、第2レンズ群G2全体、または第2レンズ群G2に配置された一部のレンズを光軸に沿って移動させる構成となっていることが好ましい。より具体的には、第2レンズ群G2を物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、正の屈折力を有する第5レンズL23より構成したとき、第5レンズL23のみを光軸に沿って移動させる構成であることが好ましい。
以下、上記各条件式で規定された構成による作用、効果について説明する。
条件式(1)は、第1レンズ群G1の焦点距離と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、色収差を抑えようとしたとき、第1レンズ群G1を構成する各レンズL11、L12のパワーが強くなり、それに伴って第2レンズ群G2を構成するレンズL21、L22、L23のパワーも強くなってしまい、諸収差のバランス取ることが非常に困難になる。特に、像面湾曲と歪曲収差の補正が困難になる。さらに、第1レンズ群G1を構成するレンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。また、第1レンズ群G1中にプラスチックレンズを用いるに当たり、レンズのパワーが強過ぎると、温度による屈折率変化に伴って像面位置の変動などが起こるので、好ましくない。逆に(1)式の上限値以上になると、変倍時の第1レンズ群G1の移動量が大きくなるとともに、光学全長が大きくなってしまい、好ましくない。条件式(1)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(2)は、第2レンズ群G2の焦点距離と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、第2レンズ群G2を構成する各レンズL21、L22、L23のパワーが強くなり、球面収差の補正が困難になる。さらに、第2レンズ群G2を構成するレンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。また、第2レンズ群G2中に、プラスチックレンズを用いるに当たり、レンズのパワーが強過ぎると、温度による屈折率変化に伴って像面位置の変動などが起こるので、好ましくない。逆に(2)式の上限値以上になると、変倍時の第2レンズ群G2の移動量が増大するとともに、バックフォーカスが大きくなり、レンズ系全体が大型化してしまうため好ましくない。条件式(2)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(3)は、第1レンズ群G1に配置された第1レンズL11と第2レンズL12の間隔と広角端における全系の焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、コンパクト化には有利になるが、球面収差の補正が難しくなるため好ましくない。逆に上限値以上になると、第1レンズ群G1全体が大型化してしまうため、好ましくない。条件式(3)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。また、本ズームレンズにおいては、第1レンズ群G1の少なくとも1枚のレンズをプラスチックで構成しているが、プラスチックレンズのコバ(フランジ)形状と、第1レンズL11および第2レンズL12の保持方法の点からも、条件式(3)の範囲を外れない方が好ましい。
条件式(4)は、広角端および望遠端の焦点距離の関係、つまり、変倍比を規定しており、その下限値以下になると、ズームレンズとしての有意性が小さくなってしまう。逆に、その上限値以上になると、レンズ系が大型化してしまう。また、このズームタイプにおいては、望遠端において明るさの低下が大きくなり過ぎてしまい、好ましくない。また、望遠端において、ある程度の明るさを確保しようとすれば、第2レンズ群G2への負担が大きくなり、少ないレンズ枚数での収差補正が困難になってしまう。条件式(4)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
条件式(5)および条件式(7)はそれぞれ、第2レンズL12の屈折率、第1レンズL11の屈折率を規定しており、それらの条件式の下限値以下になると、収差の発生が大きくなってしまうとともに、レンズの曲率(近似曲率)が大きくなって、第1レンズ群G1が厚くなってしまうため好ましくない。また、低コスト化や軽量化等の目的によって、第1レンズ群G1に配置された2枚のレンズの少なくとも1枚をプラスチックレンズで構成しようとする場合、それらの条件式の上限値以上となるような材料で構成すると、非点収差や倍率色収差の補正のバランスをとることが困難になり、好ましくない。条件式(5)あるいは(7)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
なお、上記条件式(5)および(7)の双方が満足されるのがより望ましいが、それらの一方のみが満足される場合でも、上記の効果を得ることができる。
条件式(6)および条件式(8)はそれぞれ、第2レンズL12のアッベ数、第1レンズL11のアッベ数を規定しており、それらの条件式の範囲を外れると、第1レンズL11と第2レンズL12とのアッベ数の差が小さくなり、色収差の補正が困難になる。また、条件式(6)あるいは(8)の範囲を外れると、色収差補正のために、第1レンズ群に配置された他方のレンズ(条件式(6)で第2レンズL12のアッベ数を規定する場合は第1レンズL11がこの「他方のレンズ」であり、条件式(8)で第1レンズL11のアッベ数を規定する場合は第2レンズL12がこの「他方のレンズ」である)のパワーも強くする必要があり、特に、広角端において像面湾曲や歪曲収差の補正が困難になるため、好ましくない。条件式(6)あるいは(8)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
なお、上記条件式(6)および(8)の双方が満足されるのがより望ましいが、それらの一方のみが満足される場合でも、上記の効果を得ることができる。
以上の効果は、条件式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8)の範囲の中で特にそれぞれ、前述の条件式(2’)、(3’)、(4’)、(5’)、(6’)、(8’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
一方、本ズームレンズにおいて特に前記条件式(9)が満足されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわちこの条件式(9)は、広角端における光学全長と焦点距離の関係を規定しており、その下限値以下になると、コンパクトに構成することができるが、各レンズのパワーが強くなって、収差補正が困難になるとともに、レンズの製造誤差や組立誤差の許容量が少なくなってしまうため好ましくない。逆に上限値以上になると、レンズ全長が大きくなってしまうので、好ましくない。条件式(9)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
以上の効果は、条件式(9)の範囲の中で特に条件式(9’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また、本ズームレンズにおいて特に前記条件式(10)が満足されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、この条件式(10)の下限値以下になると、小型化には有利であるが、条件式(3)で規定したように第1レンズL11と第2レンズL12の空気間隔を一定以上確保した上で、条件式(10)の値を小さくして小型化を図るためには、第1レンズL11や第2レンズL12を小さく、あるいは、薄く構成する必要があり、歪曲収差の補正が困難になったり、色収差の補正のバランスが取れなくなったりしてしまうため、好ましくない。また、第1レンズ群G1の材料をプラスチックで構成することに無理が生じてくる。逆に上限値以上になると、第1レンズ群G1が大型化してしまうため好ましくない。条件式(10)を満足している場合は、以上の不具合を防止することができる。
以上の効果は、条件式(10)の範囲の中で特に条件式(10’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また、本ズームレンズにおいて特に、第1レンズ群G1を構成する2枚のレンズL11、L12が共にプラスチックレンズとされた場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、第1レンズ群G1中に少なくとも1枚のプラスチックレンズを用いる場合、第1レンズ群G1は、負レンズである第1レンズL11、正レンズである第2レンズL12から構成されているので、温度変化に伴う像面変動を考慮したとき、共にプラスチックレンズであれば、それぞれのパワーが打ち消し合うようにする上で有利である。また、良好な光学性能を得るためには、第1レンズ群G1には非球面レンズを用いることが好ましいが、第1レンズ群G1を構成する2枚のレンズL11、L12が共にプラスチックレンズであれば、非球面レンズをガラスで構成する場合に比べて低コスト化が実現される。
また本ズームレンズにおいて特に、第2レンズ群G2が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、正の屈折力を有する第5レンズL23より構成され、それらのレンズがそれぞれ前記(11)、(12)、(13)(14)、(15)および(16)式を満足する材料で構成されている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む第2レンズ群G2において、正レンズをプラスチック材料で構成する場合には、アッベ数が55程度、負レンズをプラスチック材料で構成する場合には、アッベ数が25程度の材料を用いることが好ましいが、その他のレンズが上記条件式(11)〜(16)を満足する材料で構成されていると、像面湾曲や球面収差をバランス良く補正する上で有利となる。
さらに、上記条件式(11)〜(16)を満足することによって、第2レンズ群G2を構成するレンズを比較的安価な硝種やプラスチックで構成することができ、低コスト化を実現できる。
以上の効果は、条件式(12)、(14)、(16)の範囲の中で特にそれぞれ条件式(12’)、(14’)、(16’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また本ズームレンズにおいて特に、広角端において、無限遠物体合焦時の最外角光線の主光線の射出角度(像面の法線に対する角度)をαwとしたとき、前記条件式(17)が満足されている場合は、撮像素子での周辺光量低下を防止することができる。この効果は、条件式(17)に代えて条件式(17’)が満足されている場合は、より顕著なものとなる。
また本ズームレンズにおいて特に、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して、第2レンズ群G2全体、または、第2レンズ群G2に配置された一部のレンズを光軸に沿って移動させる構成となっている場合は、下記の効果を得ることができる。すなわち、第1レンズ群G1全体を繰り出してフォーカスする構成を採用した場合は、第1レンズ群G1の有効径が大きくなったり、外径の大きなレンズを動かす必要が生じたりするが、第2レンズ群G2全体、または、第2レンズ群G2に配置された一部のレンズを移動させる場合は、そのような問題を回避することが可能になる。
以上の効果は、第2レンズ群G2を物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズL21、負の屈折力を有する第4レンズL22、正の屈折力を有する第5レンズL23より構成し、第5レンズL23のみを光軸に沿って移動させる構成とした場合に、より顕著なものとなる。
また、本ズームレンズにおいて特に、第1レンズ群G1に配置された第1レンズL11の物体側レンズ面が近軸領域で凹面とされた場合は、軸上色収差と倍率色収差をバランス良く補正することが可能になる。
なお図1には、レンズ系と結像面との間に光学部材PPを配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等を配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明のズームレンズの数値実施例について説明する。実施例1〜11のズームレンズのレンズ断面図はそれぞれ図1〜11に示したものである。
そして、実施例1のズームレンズの基本レンズデータを表1に、ズームに関するデータを表2に、非球面データを表3に示す。同様に、実施例2〜11のズームレンズの基本レンズデータ、ズームに関するデータ、非球面データを表4〜表33に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例に挙げて説明するが、実施例2〜11のものについても基本的に同様である。
表1の基本レンズデータにおいて、Siの欄には最も物体側の構成要素の物体側の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。なお、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
また、基本レンズデータにおいて、Ndjの欄には最も物体側のレンズを1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の構成要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄にはj番目の構成要素のd線に対するアッベ数を示している。なお、基本レンズデータには、開口絞りStも含めて示しており、開口絞りStに相当する面の曲率半径の欄には、∞(開口絞り)と記載している。
表1の基本レンズデータにおけるD4、D11は、変倍時に変化する面間隔である。D4は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔であり、D11は第2レンズ群G2と光学部材PPとの間隔である。ただし実施例10では、上記D11の代わりにD9を用いている。
表2のズームに関するデータには、広角端、望遠端それぞれにおける、全系の焦点距離(f)、F値(Fno.)、全画角(2ω)、変倍時に変化する各面間隔の値を示している。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表3の非球面データには、非球面の面番号と、各非球面に関する非球面係数を示す。表3の非球面データの数値の「E−n」(n:整数)は、「×10−n」を意味する。なお、非球面係数は、下記非球面式における各係数KA、RAm(m=3、4、5、…12)の値である。
Zd=C・h2/{1+(1−KA・C2・h2)1/2}+ΣRAm・hm
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、RAm:非球面係数(m=3、4、5、…12)
以下に記載する表では、所定の桁で丸めた数値を記載している。また、以下に記載する表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小して使用することが可能であるので、他の適当な単位を用いることもできる。
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、RAm:非球面係数(m=3、4、5、…12)
以下に記載する表では、所定の桁で丸めた数値を記載している。また、以下に記載する表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小して使用することが可能であるので、他の適当な単位を用いることもできる。
また表34に、実施例1〜11のズームレンズの条件式(1)〜(17)に対応する値を示す。この表34の値はd線に関するものである。
ここで、実施例1のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)をそれぞれ図12(A)〜図12(D)に示し、望遠端における球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)をそれぞれ図12(E)〜図12(H)に示す。
各収差図はd線(波長587.6nm)を基準としたものであるが、球面収差図では波長460.0nmおよび615.0nmに関する収差も示し、倍率色収差図では波長460.0nmおよび615.0nmに関する収差を示す。非点収差図では、サジタル方向については実線で、タンジェンシャル方向については点線で示している。球面収差図のFno.はF値を意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
同様に、実施例2のズームレンズの広角端、望遠端における各収差図を図13(A)〜図13(H)に示し、以下全く同様にして実施例3〜11の各収差図をそれぞれ図14〜図22に示す。
次に、本発明の実施形態にかかる撮像装置について説明する。図23に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態のズームレンズ1を用いた撮像装置10の概略構成図を示す。撮像装置としては、例えば、監視カメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等を挙げることができる。
図23に示す撮像装置10は、ズームレンズ1と、ズームレンズ1の像側に配置されて、ズームレンズ1により結像された被写体の像を撮像する撮像素子2と、撮像素子2からの出力信号を演算処理する信号処理部4と、ズームレンズ1の変倍を行うための変倍制御部5と、フォーカス調整を行うためのフォーカス制御部6とを備えている。なお、ズームレンズ1と撮像素子2との間に、適宜フィルタ等が配設されてもよい。
ズームレンズ1は、負の屈折力を有して、広角端から望遠端に変倍する際に像面側に凸状の軌跡を描くように移動する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有して、広角端から望遠端に変倍する際に物体側に単調移動する第2レンズ群G2と、第2レンズ群G2と一体で移動するように構成された開口絞りStとを有している。なお、図23では各レンズ群を概略的に示している。
撮像素子2は、ズームレンズ1により形成される光学像を撮像して電気信号を出力するものであり、その撮像面はズームレンズ1の像面に一致するように配置されている。撮像素子2としては例えばCCDやCMOS等からなるものを用いることができる。
なお、図23では図示していないが、撮像装置10は、例えば第2レンズ群G2の一部を構成する正の屈折力を有するレンズを光軸Zに垂直な方向に移動させて、振動や手振れ時の撮影画像のぶれを補正するぶれ補正機構をさらに備えるようにしてもよい。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
Claims (14)
- 実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、前記第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、前記第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
前記第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
前記第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
前記第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第2レンズのd線に対する屈折率をnd2、アッベ数をνd2としたとき、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.60 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.56<nd2<1.66 …(5)
νd2<33 …(6) - 以下の条件式の少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
1.7<f2/fw<2.3 …(2’)
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
1.56<nd2<1.65 …(5’)
νd2<29 …(6’) - 前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1としたとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8) - 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項3に記載のズームレンズ。
νd1>52 …(8’) - 実質的に、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とからなり、
広角端から望遠端に変倍する際に、前記第1レンズ群は像面側に凸状の軌跡を描くように移動し、前記第2レンズ群は物体側に単調移動し、絞りは第2レンズ群と一体で移動するように構成され、
前記第1レンズ群は、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとの2枚より構成され、
前記第1レンズ群に配置された2枚のレンズのうち少なくとも1枚はプラスチックレンズであり、
前記第1レンズ群に配置された第1レンズの物体側レンズ面が、近軸領域で凹面であり、
前記第2レンズ群は、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含む3枚以下のレンズより構成され、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔をd2、望遠端における全系の焦点距離をft、前記第1レンズのd線に対する屈折率をnd1、アッベ数をνd1としたとき、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
1.6<|f1|/fw<2.5 …(1)
1.6<f2/fw<2.4 …(2)
0.32<d2/fw<0.70 …(3)
2.5<ft/fw<4.5 …(4)
1.48<nd1<1.61 …(7)
νd1>50 …(8) - 以下の条件式の少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項5に記載のズームレンズ。
1.7<f2/fw<2.3 …(2’)
0.32<d2/fw<0.55 …(3’)
2.7<ft/fw<4.5 …(4’)
νd1>52 …(8’) - 広角端において、第1レンズの物体側レンズ面から結像面までの光軸上の距離をTLw、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
5.8<TLw/fw<8.4 …(9) - 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項7に記載のズームレンズ。
6.0<TLw/fw<8.2 …(9’) - 前記第2レンズがプラスチックレンズであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズがプラスチックレンズであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第2レンズ群が物体側より順に、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、および正の屈折力を有する第5レンズより構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第2レンズ群を構成するレンズが、全てプラスチックレンズであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズの物体側レンズ面から像側レンズ面までの光軸上の距離をD1、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のズームレンズ。
0.7<D1/fw<1.2 …(10) - 請求項1から13のいずれか1項に記載のズームレンズを備えたことを
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