JP5787690B2 - 工作機械および加工方法 - Google Patents
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Description
これには、まず、工作機械の主軸にドリルを取り付け、このドリルでワークに下孔を加工する。続いて、主軸にタップを取り付け、このタップを下孔に位置決めしたのち、主軸を回転させながら軸方向へ送ると、主軸の回転に伴ってタップも回転されるから、ワークに雌ねじが加工される。
例えば、主軸を回転させるモータが15Kwで、M42の雌ねじを加工しようとすると、モータの能力不足のため、加工できない。
このようなことは、雌ねじ加工だけでなく、雄ねじ加工や、孔の内面をリーマ加工する内面仕上加工でも同様な課題が生じる。
このような構成によれば、例えば、タップを備えた加工工具の場合、主軸装着部を工作機械の主軸に装着したのち、加工工具のタップをワークに予め加工した下孔に位置決めする。続いて、主軸装着部を、タップを中心として、その中心から主軸装着部までの距離を半径とする円運動させてタップを回転させるとともに、1回転当たり加工工具をタップの軸方向へかつタップの1ピッチ分ずつ送る。すると、タップが下孔に沿って回転しながら軸方向へ送られるから、ワークに雌ねじが加工される。
このとき、主軸装着部を、タップを中心として円運動させる力は小さくてもよいから、比較的大径の雌ねじを効率的に加工することができる。
従って、主軸装着部を、ダイスやリーマを中心として円運動させる力は小さくてもよいから、比較的大径の雄ねじや孔の内面仕上加工を効率的に行うことができる。
このような構成によれば、刃部取付部によって、タップやダイス、または、リーマをアームに対して交換できるから、径の異なるタップやダイスに交換すれば、1つの加工工具によって、異なる径の雌ねじや雄ねじを加工することができる。更に、径の異なるリーマに交換すれば、1つの加工工具によって、異なる径の雌ねじや雄ねじだけでなく、異なる内径の内面仕上加工を行うことができる。
このような構成によれば、比較的大径の雌ねじや雄ねじ、更には、孔の内面研削を効率的に行うことができる。
従って、主軸装着部を回転させる力が小さくても、比較的大径の雌ねじを効率的に加工することができる。
このような構成によれば、制御装置によって、回転駆動機構および直線駆動機構を駆動制御すると、主軸に装着された加工工具によって、ワークに対して、雌ねじ、雄ねじ、あるいは、孔の内面加工を実行することができる。そのため、より効率的な加工を実現できる。
図1は、本発明の工作機械の第1実施形態を示す斜視図である。
同工作機械は、工作機械本体10と、この工作機械本体10を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置30と、工作機械本体10に取り付けられ被加工物としてのワークを加工する加工工具40Aとを備える。
工作機械本体10は、ベース11と、このベース11の上面に前後方向(X軸方向)へ移動可能に設けられたXテーブル12Aと、このXテーブル12Aの上面に垂直な軸(C軸)を中心に回転可能に設けられ上面に被加工物としてのワークを載置する回転テーブル12Bと、ベース11の両側に立設された一対のコラム13A,13Bと、この両コラム13A,13Bの上部間に掛け渡されたクロスレール14と、このクロスレール14に沿って左右方向(Y軸方向)へ移動可能に設けられたサドル15と、このサドル15に上下方向(Z軸方向)へ昇降可能に設けられたラム16と、このラム16内に回転可能に収納された主軸17と、この主軸17を回転駆動させる回転駆動源(図示省略)を備える門型工作機械によって構成されている。主軸17の先端には、自動工具交換装置あるいは手動によって、雌ねじ加工用の加工工具40Aが取り付けられる。
従って、回転テーブル12Bに載置されるワークは、回転およびX軸方向へ移動可能な構造に、また、主軸17に取り付けられる加工工具40Aについては、回転、Y軸方向およびZ軸方向への移動が可能な構造に構成されている。
制御装置30は、工作機械本体10を、手動、あるいは、予め設定されたプログラムに従って駆動を制御するもので、具体的には、Xテーブル12AのX軸直線駆動機構、回転テーブル12Bの回転駆動機構、サドル15のY軸直線駆動機構22、ラム16のZ軸直線駆動機構23、主軸17の回転駆動源を予め設定された加工プログラムに従って駆動制御する。
図2は雌ねじ加工用の加工工具40Aを示す斜視図である。
加工工具40Aは、アーム41と、このアーム41の一端に設けられ工作機械の主軸17に装着される主軸装着部45と、アーム41の他端に設けられたタップ46とを含んで構成されている。
主軸装着部45は、工作機械の工具取付部、つまり、主軸17に差し込みできるように、テーパシャンクに形成されている。
タップ46は、シャンク部47と、このシャンク部47の上端に形成されアーム41の角孔43に係合される角軸48と、シャンク部47の下端に一体的に形成された雌ねじ加工部49とから構成されている。雌ねじ加工部49は、加工する雌ねじと同じ形状の雌ねじ加工用刃が螺旋状に形成されているとともに、一定角度間隔位置に複数の切込溝が軸方向に沿って形成されている。ここでは、雌ねじ加工部49の外径寸法は、約30mm以上のものが利用されているが、これに限られない。
まず、回転テーブル12Bの上にワークWを載置する。また、加工工具40Aの主軸装着部45を工作機械の主軸17に装着したのち(図3参照)、タップ46をワークWに予め加工した下孔Hに位置決めする(図4参照)。これには、Xテーブル12AをX軸方向へ移動させるとともに、サドル15をY軸方向へ移動させて、タップ46の先端をワークWの下孔Hに位置決めする。
すると、タップ46が下孔Hに沿って回転しながら軸方向へ送られるから、ワークWに雌ねじが加工される。
こののち、主軸17を前記とは逆動作させて、タップ46を雌ねじS1から引き抜く(図6参照)。
また、アーム41の他端には、タップ46をアーム41に対して交換可能に取り付ける刃部取付部42が設けられているから、この刃部取付部42によって、径の異なるタップ46に交換すれば、1つの加工工具40Aによって、異なる径の雌ねじS1を加工することができる。
また、制御装置30によって、回転駆動機構および直線駆動機構を駆動制御すると、主軸17に装着された加工工具40Aによって、ワークWに対して、雌ねじ加工を実行することができる。そのため、より効率的な加工を実現できる。
図7は、第2実施形態で用いる加工工具40Bを示す斜視図である。なお、第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態の加工工具40Bは、ワークWの軸部に雄ねじを加工するための加工工具で、第1実施形態の加工工具40Aのタップ46に代えて、雄ねじを加工するためのダイス46Bが取り付けられている点、および、刃部取付部42の角孔43に代えて、ダイス46Bを収納するための座ぐり穴付円孔43Bが設けられている点が異なる。
ダイス46Bは、内周面の一定角度間隔位置に複数の切込溝が軸方向に沿って形成され、この切込溝を挟む部分に雄ねじ加工用ダイス刃部49Bが形成されている。雄ねじ加工用ダイス刃部49Bは、加工する雄ねじと同じ形状の雌ねじ加工用刃が螺旋状に形成されている。ここでは、雄ねじ加工用ダイス刃部49Bの外径寸法は、約30mm以上のものが利用されているが、これに限られない。
従って、主軸17を回転させるモータの能力が小さい場合でも、主軸装着部45を、ダイス46Bを中心として円運動させる力は小さくてもよいから、比較的大径の雄ねじを効率的に加工することができる。
図8は、第3実施形態で用いる加工工具40Cを示す斜視図である。なお、第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態の加工工具40Cは、ワークWの下孔H内面の仕上加工するための加工工具で、第1実施形態の加工工具40Aのタップ46に代えて、内面仕上を行うためのリーマ46Cが取り付けられている点が異なる。
リーマ46Cは、シャンク部47Cと、このシャンク部47Cの上端に形成されアーム41の角孔43に係合される角軸48Cと、シャンク部47Cの下端に一体的に形成された仕上加工部49Cとから構成されている。仕上加工部49Cは、加工する下孔より僅かに大きい径で、一定角度間隔位置に複数の切込溝が軸方向に沿って形成され、この切込溝の片側に刃を有する。ここでは、仕上加工部49Cの外径寸法は、約30mm以上のものが利用されているが、これに限られない。
従って、主軸17を回転させるモータの能力が小さい場合でも、主軸装着部45を、リーマ46Cを中心として円運動させる力は小さくてもよいから、比較的大径の孔の内面仕上加工を効率的に行うことができる。
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
各実施形態では、アーム41に対して主軸装着部45が固定されていたが、アーム41に対して主軸装着部45が回転可能に連結された構造であってもよい。例えば、図9に示すように、主軸装着部45の底面に支持軸45Aを一体的に形成し、この支持軸45Aにアーム41の一端を回転可能に取り付けるようにしてもよい。
前記各実施形態では、主軸17を、タップ46、ダイス46B、リーマ46Cを中心として、その中心から主軸装着部45までの距離を半径とする円運動させつつC軸制御して、タップ46、ダイス46B、リーマ46Cを回転させるようにしたが、図9に示す構造にすれば、Xテーブル12AのX軸方向への移動、および、サドル15のY軸方向への移動により、主軸17を、タップ46、ダイス46B、リーマ46Cを中心として、その中心から主軸装着部45までの距離を半径とする円運動させるだけで、タップ46、ダイス46B、リーマ46Cを回転させることができるから、制御が単純化できる。
なお、図9に示す構造において、支持軸45Aにノッチを設け、このノッチをロックするようにすれば、C軸制御を行う場合と、C軸制御を行わない場合とを兼用できる。
例えば、アームの他端に角孔43と円孔43Bとを並設し、タップ46やリーマ46Cの場合には角孔43に係合し、ダイス46Bの場合には円孔43Bに係合するようにすれば、1つの加工工具によって、雌ねじ加工、雄ねじ加工、リーマ加工(仕上加工)を行うことができる。
この場合、切削油を、主軸17から主軸装着部45、アーム41の内部を通して、タップ46,ダイス46Bおよびリーマ46Cの外周面に供給するようにしてもよい。
例えば、ワークを載置するテーブルについては回転しない構造とし、このテーブルと加工工具40A,40B,40Cを取り付けた主軸17とをX軸方向、Y軸方向、および、Z軸方向へ移動させる相対移動機構を備えた工作機械であってもよい。
12B…回転テーブル、
17…主軸
22…Y軸直線駆動機構、
23…Z軸直線駆動機構、
30…制御装置、
40A…雌ねじ加工工具、
40B…雄ねじ加工工具、
40C…内面仕上加工工具、
41…アーム、
42…刃部取付部、
45…主軸装着部、
46…タップ、
46B…ダイス、
46C…リーマ。
Claims (5)
- ワークを載置するテーブル、主軸、この主軸を回転駆動させる回転駆動機構、並びに、前記テーブルおよび前記主軸を前記主軸の軸線と平行な軸方向および前記軸線に対して直交する軸方向へ相対移動させる直線駆動機構を備えた工作機械本体と、
前記主軸に装着されねじを加工する加工工具または孔の内面仕上加工を行う加工工具とを備え、
前記加工工具は、アームと、このアームの一端に設けられ工作機械の主軸に装着される主軸装着部と、前記アームの他端に設けられたタップ若しくはダイスまたはリーマとを備え、
前記直線駆動機構および前記回転駆動機構は、前記主軸装着部を、前記タップ若しくはダイスまたはリーマを中心として、その中心から前記主軸装着部までの距離を半径とする円運動させて前記タップ若しくはダイスまたはリーマを回転させるとともに、前記加工工具を前記タップ若しくはダイスまたはリーマの軸方向へ送る
ことを特徴とする工作機械。 - 請求項1に記載の工作機械において、
前記アームの他端には、前記タップ若しくはダイスまたはリーマを前記アームに対して交換可能に取り付ける刃部取付部が設けられている、ことを特徴とする工作機械。 - 請求項1または請求項2に記載の工作機械において、
前記タップ若しくはダイスまたはリーマは、外径が30mm以上である、ことを特徴とする工作機械。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の工作機械において、
前記回転駆動機構および直線駆動機構を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置を備えることを特徴とする工作機械。 - アームと、このアームの一端に設けられ工作機械の主軸に装着される主軸装着部と、前記アームの他端に設けられたタップを備えた加工工具を用いて、ワークに雌ねじを加工する加工方法において、
前記アームの他端に前記タップが取り付けられた加工工具を用意し、
前記ワークに加工した下孔に、前記加工工具のタップを位置決めしたのち、
前記主軸装着部を、前記タップを中心として、その中心から前記主軸装着部までの距離を半径とする円運動させてタップを回転させるとともに、1回転当たり前記加工工具を前記タップの軸方向へかつ前記タップの1ピッチ分ずつ送りながら、ワークに雌ねじを加工する、ことを特徴とする加工方法。
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JP2011204770A JP5787690B2 (ja) | 2011-09-20 | 2011-09-20 | 工作機械および加工方法 |
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JPH0711209U (ja) * | 1993-08-02 | 1995-02-21 | 達孝 内島 | 加工穴裏面取り工具 |
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