JP5787620B2 - 電子機器及びその制御方法、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、寒冷地の屋外といった過酷な環境で使用される電子機器に関して、低温環境下においても正常に動作させる電子機器及びその制御方法、プログラムに関するものである。
従来、低温環境下で動作可能な電子機器を実現するには、電子機器内部の制御部を温めるために近傍に加熱用ヒータを設け、そのヒータをONすることで機器内部を加熱して低温環境下での動作を可能としている。
電子機器内部を加熱する理由として、内部で使用する半導体をコストの安い民生向け半導体を用いているからである。なぜなら、このようなコストの安い民生向け半導体は、一般的に、−10℃〜といった動作保証温度範囲となり、低温環境下(例えば、−30℃)ではヒータで加熱をしなければ正常な動作を行うことができない。
例えば、特許文献1では、制御装置において、加熱部であるヒータを一定時間の一周期ごとに起動し、制御装置内部を加熱する構成を開示している。
一方で、ヒータを用いるだけでなく、加熱対象の対象部品(例えば、半導体)の電源をONすることで、対象部品による内部発熱を用いて加熱する方法もある。これは、ヒータによる半導体外部からの加熱に加えて、半導体の電源をONすることで半導体内部での自己発熱を用いることで、内外発熱により加熱までの時間を短縮する温度制御方法もある。
例えば、特許文献2では、電子部品(半導体)の電源をONして、内部発熱を用いて加熱を行い、動作保証温度に達したら再起動を行う温度制御方法を開示している。
特開平01−200421号公報 特開2010−225111号公報
しかしながら、上記の特許文献に開示された従来技術で加熱制御を行うと、半導体を加熱するために長期間のヒータ加熱が必要となったり、より容量の大きいヒータで加熱する必要があるという問題があった。
一方、ヒータ加熱だけでなく、加熱したい半導体の電源をONして内部発熱を用いて、ヒータ加熱と内部発熱の両方で加熱すると、動作可能な温度までの時間は短縮することが可能となる。しかしながら、この場合、動作保証温度範囲外で半導体の電源をONしているので、加熱中は半導体としての正常動作が保証されていない領域での動作となり、ラッチアップや暴走等の保証外の異常動作が起こり得る問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、低温からの起動を迅速に行い、すばやく正常動作可能とし、かつ、加熱中に半導体がラッチアップ、暴走等の保証外の異常動作を防ぐ電子機器及びその制御方法、プログラムを提供することである。
上記の目的を達成するための本発明による電子機器は以下の構成を備える。即ち、
コア部とI/O部を有する電子部品と、
前記コア部へ電源を供給する第1の電源供給手段と、
前記I/O部へ電源を供給する第2の電源供給手段と、
前記電子部品を加熱するための加熱手段と、
前記電子部品の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出される温度に従って、前記加熱手段によって前記電子部品を加熱するとともに、前記温度検出手段で検出される温度が所定温度以上になるまでは、前記コア部及び前記I/O部への電源供給をONする期間と、前記コア部への電源供給をONし、前記I/O部への電源供給をOFFする期間が繰り返されるように、前記第1及び前記第2の電源供給手段を制御する制御手段と
を有する。
本発明によれば、低温からの起動を迅速に行い、すばやく正常動作可能とし、かつ、加熱中に半導体がラッチアップ、暴走等の保証外の異常動作を防ぐ電子機器及びその制御方法、プログラムを提供できる。
実施形態1の低温環境下での温度制御方法を実現する電子機器である。 実施形態2の温度制御方法を示すフローチャートである。 実施形態1の温度制御による温度推移を説明するための図である。 実施形態2の低温環境下での温度制御方法を実現する電子機器である。 実施形態2の半導体の内部構造を説明するための図である。 実施形態3の温度制御方法を示すフローチャートである。 実施形態1の温度制御による温度推移を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1の低温環境下での温度制御方法を実現する電子機器である。
以下、図1を参照して、実施形態1の電子機器の各種構成要素について説明する。
101は電源供給部であり、制御装置全体への電源を供給する。
102a〜102cは電源回路であり、電源供給部101より供給された電源を、制御装置として機能する半導体103a〜103cで必要な電圧へと変換して供給する。
103a〜103cは電子部品である半導体であり、各種制御を行う半導体である。具体的には、マイコン(CPU)、メモリ、処理回路等である。これらを組み合わせることによって電子機器の各種制御を行う制御装置を実現している。この半導体103a〜103cの中で、半導体103aは低温下での動作が保証されていないとする。すなわち、低温下での動作が保証されていないということは、低温下で動作させるためには加熱をして温度を上げる必要がある。
104はヒータ制御回路であり、加熱部であるヒータ105を用いて半導体103aを加熱する。ここで、ヒータ105は、導体に一定の電流を流すことで発生するジュール熱を用いて発熱するものである。この発熱体であるヒータ105を半導体103aの近傍に配置して加熱制御を行う。また、半導体103aの近傍には温度検出部として機能する温度センサ106を配置し、半導体103aの温度を測定する。ヒータ制御回路104は、半導体103aの温度を温度センサ106を用いて測定しながらヒータ105を用いて加熱制御を行う。
上記構成において、ヒータ105だけでの加熱では半導体103aの加熱に時間がかかってしまう。そこで、ヒータ105の加熱だけでなく、半導体103aに電源を供給し、半導体103aによる自己発熱による加熱も行う。具体的には、ヒータ制御回路104にて電源回路102aを制御して半導体103aへの電源供給のON/OFFを制御することで、半導体103aの自己発熱量も加わり加熱時間の短縮を図る。
尚、ヒータ制御回路104は、CPU、RAM、ROM等のハードウェアを備え、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムをRAMに読み込み実行させることで、各部品の動作を制御することもできる制御部として機能する。
次に、本発明の実施形態1の低温環境下での温度制御方法に関して図2のフローチャートを用いて詳しく説明する。
まず、制御装置へと電源が電源供給部101から供給され、温度制御装置としての電子機器の動作がスタートする(ステップS201)。
最初に、ヒータ制御回路104は、半導体103aの温度を温度センサ106を用いて検出する(ステップS202)。検出温度が所定温度以上(一定温度以上)である場合、通常動作モードへ移行する。一方、検出温度が所定温度未満である場合、低温下での低温動作モードに移行する。ここで、所定温度とは半導体103aの動作保証温度範囲の下限であり、例えば、動作保証温度範囲が−10℃〜70℃であれば、所定温度は下限値である−10℃となる。この場合では、検出温度が−10℃以上であるか未満あるかで動作モード(通常動作モード/低温動作モード)を判定する。
検出温度が所定温度以上である場合、ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源をONし、半導体103aへの電源を供給する(ステップS203)。そして、通常動作モードへと移行して、通常動作(不図示)をスタートする(ステップS204)。
一方、検出温度が所定温度未満である場合、低温下での低温動作モードへと移行する(ステップS205)。
まず、ヒータ制御回路104は、ヒータ105をONして半導体103aを加熱する(ステップS206)。次に、ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源をONして半導体103aへの電源を供給する(ステップS207)。これにより、半導体103aに電源が供給され、半導体103aの自己発熱による加熱も行われ、ヒータ加熱と自己発熱による加熱制御を行うことが可能となる。
次に、ヒータ制御回路104は、半導体103aの温度を温度センサ106を用いて検出する(ステップS208)。検出温度が所定温度未満である場合、半導体103aの加熱が不足と判断し、低温動作モードを続行する。上記の例では、−10℃以下であったら低温動作モードを続行する。
このとき、ヒータ加熱と自己発熱によって加熱を行っているが、半導体103aへの電源ONは動作保証温度範囲外での動作となり、ラッチアップ、暴走等の不慮の動作を行う可能性がある。そこで、ヒータ制御回路104は、電源回路102aを一旦OFFする(ステップS209)。そして、ヒータ制御回路104は、改めて電源回路102aをONすることで半導体103aの再起動を行う。
ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源ON/OFFを繰り返す。そして、半導体103aの温度が所定温度以上になったら(上記の例では、−10℃以上である場合)、半導体103aは正常な動作が可能と判断して、ヒータ制御回路104は、ヒータ105をOFFする(ステップS210)。
そして、通常動作モードへと移行して、通常動作(不図示)をスタートする(ステップS204)。
以上のフローチャートに従った制御を行うことで、半導体の動作保証温度範囲外の低温であってもヒータ加熱と自己発熱による加熱を行い、問題なく動作することが可能となる。
尚、電源回路102aの電源ON/OFFを繰り返す周期は、温度センサ106による検出周期に依存する。また、この検出周期は、ヒータ105及び半導体103aの仕様や、半導体103aの温度特性(動作保証温度範囲)に応じて、ヒータ105による半導体103aの過加熱や、半導体103aの自己発熱による過加熱がなされないように、適宜設定される。
次に、本発明の実施形態1の低温環境下での動作の推移に関して、図3を用いて詳しく説明する。
図3は低温環境下でヒータを用いて加熱して動作可能となるまでの制御、及び温度の変化を示している。
領域(A)では、半導体の動作保証温度よりも大幅に下回った低温下に制御装置を含む電子機器があることを想定している。ここで、電源がONされると、ヒータ制御回路104は、半導体103aの温度を測定して動作保証温度よりも低いと判断し、低温下での低温動作モードとして動作を開始する。
領域(B)では、ヒータ制御回路104は、ヒータ105をONすることによるヒータ加熱と、半導体103aの電源をONすることによる自己発熱の両方を用いて半導体103aを加熱する。
ここで、半導体103aの電源をONすることによる自己発熱を用いると、半導体が動作保証温度範囲外で動作することになり、ラッチアップ、暴走等の不慮の動作が懸念される。そこで、領域(C)では、ヒータ制御回路104は、半導体103aの電源を一旦OFFして、半導体103aの再起動を行う。この領域(C)では、ヒータ加熱のみでの加熱なので温度勾配は領域(B)に比べると緩やかになる。
ヒータ制御回路104は、領域(B)でのヒータ加熱と半導体103aの電源をONすることによる自己発熱による加熱、領域(C)でのヒータ105のみでのヒータ加熱を繰り返して半導体103aの加熱を継続する(領域(D)〜領域(F))。
そして、加熱動作中に半導体103aの温度が動作保証温度の下限値に達したら、ヒータ制御回路104は、半導体103aとして正常の動作が可能と判断し、ヒータ105をOFFする。通常動作モードでは、当然ながら半導体103aの電源はONとなるので、半導体103aの自己発熱によって緩やかに温度上昇して動作保証温度の下限値を下回ることはない。
以上説明したように、実施形態1によれば、半導体の動作保証温度を下回った環境においてヒータ加熱と半導体の自己発熱を利用して半導体を加熱する際に、検出される環境温度に応じて、半導体の電源供給のON/OFFを繰り返し制御する。これにより、低温からの起動を迅速に行い、すばやく動作保証温度に達して正常動作可能とし、かつ、加熱中に半導体がラッチアップ、暴走等の保証外の異常動作を防ぐことが可能となる。
<実施形態2>
図4は本発明の実施形態2の低温環境下での温度制御方法を実現する電子機器である。
以下、図4を参照して、本発明の実施形態2による電子機器の低温環境下での制御方法について説明する。
401は電源供給部であり、制御装置全体への電源を供給する。
402a及び402bは電源回路であり、電源供給部401より供給された電源を、制御装置として機能する半導体403で必要な電圧へと変換して供給する。
403は半導体であり、各種制御を行う半導体である。具体的には、マイコン、メモリ、処理回路等である。これらを組み合わせることによって各種制御を行う制御装置を実現している。この半導体403は、低温下での動作が保証されていないとする。すなわち、低温下での動作が保証されていないということは、低温下で動作させるには加熱をして温度を上げる必要がある。
半導体403の内部は、コア部404とI/O部405から構成されている。コア部404は半導体403の中核を占めており、半導体としての機能を有する部分である。
コア部404はコア用の専用電源で動作する。一般的には、1.0Vや1.2V程度の電圧で動作する。この電圧は電源回路402bで生成され、常に電圧供給される。
I/O部405は半導体403の外部との入出力インタフェースを成しており、外部との信号のやり取りが行われる。このI/O部405はI/O用の電源で動作する。一般的には、2.5V、3.3V程度の電圧で動作する。この電圧は電源回路402aで生成され、電源供給のON/OFFはヒータ制御回路406から制御される。
406はヒータ制御回路であり、ヒータ407を用いて半導体403を加熱する。ここで、ヒータ407は、導体に一定の電流を流すことで発生するジュール熱を用いて発熱するものである。この発熱体であるヒータ407を半導体403の近傍に配置して加熱制御を行う。また、半導体403の近傍には温度センサ408を配置し、半導体403の温度を測定する。ヒータ制御回路406は、半導体403の温度を温度センサ408を用いて測定しながらヒータ407を用いて加熱制御を行う。
上記構成において、ヒータ407だけでの加熱では半導体403の加熱に時間がかかってしまう。そこで、ヒータ407の加熱だけでなく、半導体のI/O部405に電源を供給し、自己発熱による加熱も行う。この時、コア部404への電源供給は供給し続ける。具体的には、ヒータ制御回路406にて電源回路402aを制御して半導体のI/O部405への電源供給のON/OFFを制御することで、半導体403の自己発熱量も加わり加熱時間の短縮を図る。
次に、実施形態2の半導体の内部に関して図5を用いて説明する。
半導体403は内部の制御を担うコア部404と外部インタフェースであるI/O部405から構成されている。コア部404は半導体としての機能を有する部分であり、コア用の電圧で動作している。I/O部405は複数のI/Oからなる外部インタフェース回路であり、I/O用の電圧で動作し、この電圧を用いて外部との通信、データのやり取り等を行う。
ここで、半導体403を動作させるためには、コア用の電源とI/O用の電源の両方を用いて動作している。
コア用の電源のみ供給すると内部動作は行うことは可能となるが、I/O部405による外部インタフェース回路は動作していないため、半導体としては動作しない。しかし、内部動作はおこなっているのでコア部404による内部発熱は発生する。
次に、実施形態2の詳細な動作に関して説明する。実施形態2の動作は実施形態1の動作(図2〜図3)と同様であるが半導体の電源ON/OFF動作が異なる。
半導体内のコア部404は常に電源が供給されて動作が行われている(コア部404による内部発熱での加熱も行われる)。I/O部405はヒータ制御回路406からON/OFF動作が行われ、ON/OFFを繰り返して再起動を繰り返しながら低温動作モードによる制御を実行する。そして、半導体403としての動作保証温度範囲に達したら、ヒータ制御回路406は、コア部404、I/O部405共に電源を供給して通常動作モードへと移行する。
以上説明したように、実施形態2によれば、コア部とI/O部から構成される半導体に対し、I/O部について低温動作モードによる温度制御を実行する。つまり、半導体の一部の構成要素による断続的な自己発熱とヒータによる加熱を併用して、半導体を加熱する。これにより、実施形態1と同様に、低温からの起動を迅速に行い、すばやく動作保証温度に達して正常動作可能とし、かつ、加熱中に半導体がラッチアップ、暴走等の保証外の異常動作を防ぐことが可能となる。
<実施形態3>
実施形態3の電子機器は、実施形態1の電子機器(図1)と構成は同じであるが、電源供給のON/OFFの制御方法が異なる。
そこで、実施形態3の低温環境下での温度制御方法に関して図6のフローチャートを用いて詳しく説明する。尚、図6では、図2と共通の処理については、同一のステップ番号を付加し、その詳細説明については省略する。
図6において、ヒータ105をONして半導体103aを加熱した後(ステップS206)、次に、ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源をONして半導体103aへの電源を供給する(ステップS607)。これにより、半導体103aに電源が供給され、半導体103aの自己発熱による加熱も行われ、ヒータ加熱と自己発熱による加熱制御を行うことが可能となる。
次に、ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源をONした状態でウェイト時間:T1を設けることで、電源ONの状態をT1時間の間維持する(ステップS608)。
次に、ヒータ制御回路104は、半導体103aの温度を温度センサ106を用いて検出する(ステップS609)。検出温度が所定温度未満である場合、半導体103aの加熱が不足と判断し、低温動作モードを続行する。上記の例では、−10℃以下であったら低温動作モードを続行する。
このとき、ヒータ加熱と自己発熱によって加熱を行っているが、半導体103aの電源ONは動作保証温度範囲外での動作となり、ラッチアップ、暴走等の不慮の動作を行う可能性がある。そこで、ヒータ制御回路104は、電源回路102aを一旦OFFする(ステップS210)。そして、ヒータ制御回路104は、改めて電源回路102aをONすることで半導体103aの再起動を行う。
一方、検出温度が所定温度未満である場合、ヒータ制御回路104は、電源回路102aの電源をOFFした状態でウェイト時間:T2を設けることで、電源OFFの状態をT2時間の間維持する(ステップS611)。
ここで、ウェイト時間のT1(電源供給をONする期間)、T2(電源供給をOFFする期間)は温度センサ106からの半導体103aの温度から判断する。また、ウェイト時間T1、T2の合計は常に一定になるように設定を行う。
T1+T2=規定値(一定値)
以上のフローチャートに従って制御を行うことで、半導体の動作保証温度範囲外の低温であってもヒータ加熱と自己発熱によって加熱を行い、問題なく動作することが可能となる。
次に、実施形態3の電源ON/OFFのウェイト時間の設定に関して図7を用いて詳しく説明する。尚、この設定は、例えば、ヒータ制御回路104によって実現される。より具体的には、例えば、ヒータ制御回路104にディップスイッチ等のハードウェアスイッチを搭載したり、ヒータ制御回路104に接続されるユーザインタフェースを介して実現することができる。
最初に、図7(A)は半導体103aの温度が動作保証温度範囲の下限値よりさらに低温の時(例えば、下限値より所定温度範囲以下の温度の時)の制御を示している。ヒータ105による加熱と半導体103aのONによる自己発熱の期間を長くして、ヒータのみによる加熱期間を短くして、トータルの温度上昇時間を短くしている。具体的には、図6におけるステップS608のウェイト時間:T1を長く設定し、ステップS611のウェイト時間:T2を短く設定する。
つまり、ヒータ加熱と自己発熱との併用による加熱によってその加熱量が大きくなる期間(ヒータON+半導体ON)が長くなり、温度上昇の傾きを大きくすることができる。これにより、半導体103aの温度をより動作保証温度範囲に迅速に近づけることが可能となる。
次に、図7(B)は、半導体103aの温度が動作保証温度範囲の下限値に近づいた時(例えば、下限値より所定温度範囲内の時)の制御を示している。ヒータ105による加熱と半導体103aのONによる自己発熱の期間を短くして、ヒータ105のみによる加熱期間を長くして、トータルの温度上昇時間を長くしている。具体的には、図6におけるステップS608のウェイト時間:T1を短く設定し、ステップS611のウェイト時間:T2を長く設定する。
つまり、ヒータ105のみによる加熱によってその加熱量が小さくなる期間(ヒータON+半導体OFF)が長くなり、温度上昇の傾きを小さくすることができる。これにより、半導体103aの温度が動作保証温度範囲に近づいたときには、半導体103aに負担をかけるような急激な温度変化が発生しないようにして、その動作保証温度範囲に円滑に移行させることができる。
以上説明したように、実施形態3によれば、半導体の動作保証温度範囲の下限値より下回った低温環境下において、時間を短縮して、かつスムーズに加熱することにより動作保証温度まで達することが可能となる。
<実施形態4>
上記実施形態1乃至3を、用途や目的に応じて、任意に組み合わせた実施形態を実現しても良い。
電子機器の一例としては、寒冷地の屋外といった過酷な環境で使用される電子機器/電子部品であればどのようなものでも良いが、例えば、画像信号を処理する画像処理回路を搭載する監視カメラ、計測機器、人感センサ等の電子機器が挙げられる。
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (9)

  1. 電子機器であって、
    コア部とI/O部を有する電子部品と、
    前記コア部へ電源を供給する第1の電源供給手段と、
    前記I/O部へ電源を供給する第2の電源供給手段と、
    前記電子部品を加熱するための加熱手段と、
    前記電子部品の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段で検出される温度に従って、前記加熱手段によって前記電子部品を加熱するとともに、前記温度検出手段で検出される温度が所定温度以上になるまでは、前記コア部及び前記I/O部への電源供給をONする期間と、前記コア部への電源供給をONし、前記I/O部への電源供給をOFFする期間が繰り返されるように、前記第1及び前記第2の電源供給手段を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 前記電子部品は、前記電子機器を制御するための半導体であ
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記制御手段は、前記I/O部への電源供給をONする期間とOFFする期間をそれぞれ設定する設定手段を有し、
    前記設定手段は、前記電源供給をONする期間と前記電源供給をOFFする期間との合計が常に一定になるように設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記設定手段は、前記温度検出手段で検出される温度が所定温度より所定温度以下の温度の時に前記電源供給をONする期間を、前記温度検出手段で検出される温度が所定温度と前記所定温度以下の温度の間の時に前記電源供給をONする期間に比べて長くなるように設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
  5. 前記定温度は、動作保証温度範囲の下限値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記電子部品は、画像処理回路である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
  7. 電子部品のコア部へ電源を供給する第1の電源供給部と、前記電子部品のI/O部へ電源を供給する第2の電源供給部とを有する電子機器の制御方法であって、
    制御部が、温度検出で検出される温度に従って、前記電子部品を加熱部により加熱する加熱工程と、
    前記制御部が、前記温度検出部で検出される温度が所定温度以上になるまでは、前記コア部及び前記I/O部への電源供給ONする期間と、前記コア部への電源供給をONし前記I/O部への電源供給をOFFする期間が繰り返されるように、前記第1及び前記第2の電源供給部を制御する制御工程と
    を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
  8. 前記電子部品は、前記電子機器を制御するための半導体である
    ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器の制御方法。
  9. 電子部品のコア部へ電源を供給する第1の電源供給部と、前記電子部品のI/O部へ電源を供給する第2の電源供給部とを有するコンピュータ
    温度検出で検出される温度に従って、前記電子部品を加熱する加熱手順と、
    前記温度検出部で検出される温度が所定温度以上になるまでは、前記コア部及び前記I/O部への電源供給ONする期間と、前記コア部への電源供給をONし前記I/O部への電源供給をOFFする期間が繰り返されるように、前記第1及び前記第2の電源供給部を制御する制御手順
    を実行させるためのプログラム。
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