JP5786131B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭の台所や業務用の厨房等で使用される加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器の概略構成は、加熱調理器内に調理室を配し、調理物を載せる焼き網を載置した受け皿を収納し、加熱体としてはシーズヒーターと呼ばれる電熱線のジュール熱を用いて、調理物を加熱調理し、特に両面を同時に加熱するものが一般的である。しかし、このような構成では、調理室下方に設けられた加熱体に調理物から脂や水分が滴下し、煙が多量に発生するとともに調理物に再付着し食味を損なう恐れがある。また、稀に脂分に引火する恐れがある。このことから、調理室下方に設けられた加熱体への入力を抑制し、十分な熱量を加えることができないため、調理性能の低下につながっていた。さらに、下方に配置された加熱体が邪魔になり、調理室の底面の清掃性に欠けていた。
これらの課題を解決する方法として、調理室底面を加熱するヒーターを有し、受け皿と調理室底面を加熱し、熱伝導により受け皿を加熱して調理物を加熱するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図12は従来の加熱調理器の断面図である。図に示すように調理室底面105を加熱するヒーター104を有し、載置皿106と調理室底面105を熱的に接続することにより、ヒーター104によって調理室底面105が加熱され、さらに調理室底面105からの熱伝導によって載置皿106が加熱され、調理物102の下面が加熱される。
上記構成にすることにより、ヒーター104に調理油などが滴下して発火する可能性がないため、調理室下方に設けられた加熱体(ヒーター104)への入力を必要十分に加え載置皿106を加熱することができ、調理物102に必要な熱量を与えることで食味を向上させることができる。また、下部加熱手段に調理油が滴下することがないため、発煙によって調理物の香りが損なわれることがない。さらに、加熱中に調理物から飛散した飛沫などが調理室内の壁面に付着した場合においても、調理物を下方から加熱する加熱手段が無いため、掃除の際に手が引っ掛かったりすることなく清掃性に優れるものである。
特開2010−207378号公報
しかしながら、前記の従来の構成の加熱調理器は、グリル皿の調理物載置面の形状よって調理内容が限定されてしまっていた。例えば、グリル皿の調理物載置面を凸凹の波形にした場合はステーキや魚など、しっかり焼き目をつけて焼く調理には適するが、お好み焼きやピザなど平面上で調理するものには適していない。調理物載置面を変えたグリル皿を別途用意することで解決はされるが、入れ替えに手間がかかる上、保管に不便である。
また、調理物を調理室内のグリル皿に載置するためにグリル皿を調理室前後にスライドする際に、グリル皿の底面と調理室の底面が接触しているため、グリル皿の底面および調理室の底面が傷つく恐れがあるとともに、グリル皿に塗装を施している場合、擦れることによって塗装が剥離してしまう恐れがあった。
さらに、グリル皿の底面と調理室の底面が接触しているために摺動時の音が大きいという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、一枚のグリル皿で多彩な調理を可能にし、且つグリル皿の収納時のスライドによってグリル皿及び調理室底面に傷が付き、塗装がはがれてしまうことを抑制した使いやすくお手入れ性の良い加熱調理器を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアとを備え、前記ドアには、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前面に設けた受け部の表面側あるいは裏面側が前記グリル皿支持部に嵌合し、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、前記グリル皿は、前記調理物の載置面が片面は凹凸で形成され、もう一面がフラットな面で形成され、表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなる加熱調理器としたものである。
これによって、グリル皿の表裏の形状の違いを使い分けることで、調理メニューの幅を広げることができる。また、グリル皿の表裏両面に設けられた摺動部材により、グリル皿が調理室前後にスライドする際のグリル皿の底面および調理室の底面の傷つきや、グリル皿の塗装の剥離を抑制することができる。また、例えば魚やステーキ等といった調理の際には、グリル皿の凹凸形状を調理物の載置面として使用することで、熱伝導により加熱されている凸の部分と調理物の接面がその他の部分に比べしっかりと焼け、凹部に余分な脂を落としながら程よい焼き目をつけて調理をすることができるのである。一方、お好み焼きやピザ等といった調理の際には、別途プレート等を用意する必要はなく、グリル皿を裏返した反対側のフラットな面を用いることで、凹凸形状では調理が困難であったメニューの調理を行うことができるのである。また、ドアにグリル皿支持部を設けているので、グリル皿に取っ手等の別部品を設けてドアと連結する必要がない。そのため、グリル調理の際に生じた脂や煮汁がグリル皿と取っ手等の接続部やネジ止め部の隙間に溜まり、汚れが定着してしまうことを抑制できるのである。さらに、摺動部材により摺動性の向上を図る
ことで、摺動時に発生する騒音を軽減することができる。
本発明の加熱調理器は、一枚のグリル皿で多彩な調理を可能にし、且つグリル皿の収納時のスライドによってグリル皿及び調理室底面に傷が付き、塗装がはがれてしまうことを抑制することができ、使いやすくお手入れ性を良くすることができる。
本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の断面図 本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の斜視図 本発明の第1の実施の形態における受け皿(表面)の斜視図 本発明の第1の実施の形態における受け皿(裏面)の斜視図 本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の前面を開口した際の断面図 本発明の第1の実施の形態における受け皿の裏面を使用した際の加熱調理器の断面図 本発明の第1の実施の形態における摺動部材を左右それぞれ一体とした際の受け皿の斜視図 本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の断面図 本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の前面を開口した際の斜視図 本発明の第3の実施の形態における調理物と受け皿の平面図 本発明の第4の実施の形態における受け皿の斜視図 従来の加熱調理器の断面図
第1の発明は、調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアとを備え、前記ドアには、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前面に設けた受け部の表面側あるいは裏面側が前記グリル皿支持部に嵌合し、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、前記グリル皿は、前記調理物の載置面が片面は凹凸で形成され、もう一面がフラットな面で形成され、表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなるよう構成としたものである。
これにより、グリル皿の表裏の形状の違いを使い分けることで、調理メニューの幅を広げることができる。また、グリル皿の表裏両面に設けられた摺動部材により、グリル皿が調理室前後にスライドする際、どちらの面が下面になっても摺動部材が調理室の底面と摺動しながらグリル皿が移動するため、グリル皿の底面および調理室の底面の傷つきや、グリル皿の塗装の剥離を抑制することができる。また、例えば魚やステーキ等といった調理の際には、グリル皿の凹凸形状を調理物の載置面として使用することで、熱伝導により加熱されている凸の部分と調理物の接面がその他の部分に比べしっかりと焼け、凹部に余分な脂を落としながら程よい焼き目をつけて調理をすることができるのである。一方、お好み焼きやピザ等といった調理の際には、別途プレート等を用意する必要はなく、グリル皿を裏返した反対側のフラットな面を用いることで、凹凸形状では調理が困難であったメニューの調理を行うことができるのである。また、ドアにグリル皿支持部を設けているので、グリル皿に取っ手等の別部品を設けてドアと連結する必要がない。そのため、グリル調理の際に生じた脂や煮汁がグリル皿と取っ手等の接続部やネジ止め部の隙間に溜まり、汚れが定着してしまうことを抑制できるのである。
さらに、摺動部材により摺動性の向上を図ることで、摺動時に発生する騒音を軽減することができる。
の発明は、調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアと、を備え、前記ドアには、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前面に設けた受け部の表面側あるいは裏面側が前記グリル皿支持部に嵌合し、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、前記グリル皿は、前記調理物の載置面が、両面とも凹凸で形成され、凹凸の間隔が表と裏で異なってなり、表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても前記グリル皿の表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなるよう構成したものである。
これにより、例えば、あまり焦げ目をつけずに調理したいような場合は凹凸の凸部が狭い面に調理物を載置し、柔らかい食材や身崩れの恐れがあるような食材は反対側の凸部が広い面に調理物を載置しで調理をする等といったことが可能になる。
の発明は、特に、第2の発明において、前記グリル皿は、調理物の載置面が両面とも凹凸で形成され、凹凸の向きが表と裏で略垂直の関係をなすよう構成したものである。
これにより、グリル皿の表と裏で焼き目のつけ方を変えることができ、特に調理物の載置スペースと焼き目のつけ方の関係を考慮して好みの面を選んで使用することができる。例えば、サンマのように長い魚を焼く場合には、グリル皿の長手方向に沿ってサンマを並べたいので、サンマと焼き目が垂直になるような面を用いて調理できる。また、小ぶりな魚の場合は裏面を用いて、手前から順番に魚を並べていくことで、表面を用いるよりも沢山の魚を同時に調理できるのである。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明において、前記グリル皿は、前記調理物の載置面を形成する面の肉厚を均一として構成したものである。
これにより、加熱手段からの伝熱および輻射熱をより均一に調理物に伝えることができる。また、余分な肉厚を設けないことで、グリル皿の熱容量を抑え、特にグリル調理開始時の温度の立ち上がりを良くすることができるのである。
また、余分な肉厚を設けないことで、グリル皿の軽量化やコストダウンを図ることができるのである。
の発明は、調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアと、を備え、前記ドアには、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前方に前記ドア
グリル皿支持部と連結させるための取っ手を設け、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、前記グリル皿は、前記調理物の載置面が片面は凹凸で形成され、もう一面がフラットな面で形成され、表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても前記グリル皿の表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなる構成としたものである。
これにより、取っ手に手をかけることでグリル皿を持ち上げやすく、表裏の入れ替えや洗浄のための持ち運び等の際に便利となる。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明において、前記グリル皿は、前記調理物の載置面を横断する載置面よりも高い壁面を少なくとも片面に有してなるよう構成したものである。
これにより、グリル皿の同じ面で、壁面を境に異なる調理をしやすいのである。特に、ドアの開け閉めの際に、グリル皿に載置された調理物には加速度が働き、動いてしまいやすいが、載置面よりも高い壁面が設けられていることで、壁面で調理物が押さえられ、別々のメニューが混ざってしまうことを抑制できるのである。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明において、前記グリル皿は軽量且つ熱伝導性の良い素材からなるよう構成したものである。
これにより、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段からグリル皿に与えられる熱を効率良く調理物に伝えることができ、調理性が向上する。また、軽量な素材を用いることで、調理者がグリル皿の表裏を入れ替えたり、持ち運びをする際の負担を抑えることができるのである。
の発明は、特に、第の発明において、グリル皿の素材は、アルミニウムとして構成したものである。
これにより、軽量且つ熱伝導性が良いことに加えて、加工性、耐食性に優れているアルミニウムをグリル皿の素材に用いることで、加工面が美しく、さびにくいグリル皿が実現できるのである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、実施の形態の説明順序は上記に記載の発明の順序とは異なる場合がある。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の断面図、図2は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態における受け皿(表面)の斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態における受け皿(裏面)の斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の前面を開口した際の断面図、図6は本発明の第1の実施の形態における受け皿の裏面を使用した際の加熱調理器の断面図
、図7は本発明の第1の実施の形態における摺動部材を左右それぞれ一体とした際の受け皿の斜視図である。
尚、実施の形態の説明に不要な構成部分については主要構成であっても省略している。
図1、図2において、調理物2を収納し加熱する調理室3は加熱調理器1内に設けられており、調理物2を調理する際には、調理物2を、調理室3のガラスで構成された調理室底面13に載置されたグリル皿4に載置する。
調理室3の前面開口部21には、ドア5が設けられており、加熱調理器1に設けられたレール16とドア5が連結している。ドア5を開閉することにより調理室3にグリル皿4の出し入れを行う。加熱調理器1内には、第1の加熱手段として上ヒーター6が設けられており、上ヒーター6の発熱により、調理室3の調理室上面12が加熱され、調理室上面12からの輻射熱で調理物2を上部から加熱する。調理室3の調理室底面13の下方には、第2の加熱手段として下ヒーター7が備えられており、下ヒーター7の発熱により、調理室3の調理室底面13が加熱され、さらに、調理室底面13からの熱伝導および輻射熱によりグリル皿4が加熱され、熱伝導によりグリル皿4に載置された調理物2が加熱される。上ヒーター6、下ヒーター7は遠赤外線ヒーターのようなものであってもよいし、グリル皿4を加熱する下ヒーター7は代わりに誘導加熱手段を用いてもよい。
図3、図4において、グリル皿4は、調理物2を載置する面が片面は凹凸面14で、もう一面はフラット面15から成り、両面の外周には壁面が形成されている。グリル皿4は、軽量性、熱伝導性、加工性等に優れるアルミニウムを、調理物の載置面を形成する面の肉厚が均一になるよう加工し製作した。アルミニウムの加工はダイキャストでもプレス加工であってもよい。また、表面には調理物2が固着しにくいよう、フッ素塗装などの塗装をおこなってもよい。
グリル皿4の前方には受け部8を設け、ドア5にはグリル皿支持部9を設け、グリル皿4を調理室3内に設置する際に、受け部8とグリル皿支持部9を嵌め合わせることにより連結し、ドア5の開閉に連動してグリル皿4も前後方向にスライドする。
グリル皿4には摺動部材10が表裏の両面に設けられている。摺動部材10は耐熱性に優れた樹脂材料から成り、ねじ等でグリル皿4に取り付けている。
以上のように構成された誘導加熱調理器において、以下その動作、作用を説明する。
図5において、まず、グリル調理の際、ドア5を引き出すと、グリル皿支持部9とグリル皿4の受け部8が嵌合しているため、ドア5に連動してグリル皿4がスライド式に引き出される。
次に、調理メニューによってグリル皿4の凹凸面14かフラット面15のいずれの面を使用するかを選択する。
グリル皿4の調理物2の載置面を表面あるいは裏面とし、片面を凹凸面14、他方の面をフラット面15として構成したことにより、例えば魚やステーキ等といった調理の際には、グリル皿4の凹凸面14を調理物2の載置面として使用することで、熱伝導により加熱されている凸部32と調理物2の接面がその他の部分に比べしっかりと焼け、凹部31に余分な脂を落としながら程よい焼き目をつけて調理をすることができるのである。
一方、図6のように、お好み焼きやピザ等といった調理の際には、別途プレート等を用
意する必要はなく、グリル皿4のフラット面15を使用することで、凹凸面14では調理が困難であったメニューを調理できるのである。
また、グリル皿4は調理物の載置面を形成する面の肉厚を均一にしたことで、熱をより均一に調理物2に伝えることができる。また、余分な肉厚を設けないことで、グリル皿4の熱容量を抑え、特にグリル調理開始時の温度の立ち上がりを良くすることができるのである。さらに、余分な肉厚を設けないことで、グリル皿4の軽量化やコストダウンを図ることができるのである。
また、凹凸面14の凹部31と凸部32の間隔はすべて等しい必要はなく、部分的な粗密があってもよい。
また、グリル皿4の素材は、アルミニウムとして構成したことにより、軽量且つ熱伝導性が良いことに加えて、加工性、耐食性に優れているため、加工面が美しく、さびにくいグリル皿が実現できるのである。尚、グリル皿4の素材はアルミニウムに限られることはなく、蓄熱性や耐熱性に優れたステンレスや鋳鉄などを用いてもよい。
また、グリル皿4には表裏の両面に受け部8を設ける構成としたため、グリル皿が表裏のどちら側でもドア5のグリル皿支持部9と嵌合できるのである。調理者は、使用したい面を上向きに、グリル皿4の受け部8とドア5のグリル皿支持部9を嵌合させて設置する。
そして、グリル皿4の上に調理物2を載せ、ドア5を押してグリル皿4を調理室3内部に収納する。
グリル皿4と連動したドア5の開閉の際、グリル皿4の両面に摺動部材10を設けて摺動部材10が調理室3の調理室底面13と摺動するように構成したことにより、グリル皿4を表裏のどちらを上面にして設置しても、摺動部材10が調理室底面13を摺動するため、グリル皿4と調理室底面13が直接触れて擦れることを抑制できる。そのため、調理室3の調理室底面13やグリル皿4の塗装の剥離を抑制することができるのである。
また、摺動部材10を樹脂材料等で構成することで、摺動性の向上を図ることができるため、摺動時の騒音を軽減することができるのである。
また、摺動部材10をグリル皿4の両面につけるための構成として、図7のように、左右それぞれの摺動部材10の摺動部を上下で一体にしたり、左右で一体にするなど、自由に構成できる。
また、上ヒーター6および下ヒーター7が調理室3に露出していない構成であるため、従来のように加熱体が邪魔にならず、加熱室の有効高さを確保することができ、背の高い調理物を収納できることに加えて、清掃性が向上するのである。
さらに、従来のように調理室3下方に設けられた加熱体に調理物2から脂や水分が滴下し、生じた煙が調理物2に再付着し食味を損なう恐れや、脂分に引火する恐れがない。
また、このことから従来の構成においては、調理室3下方に設けられた加熱体への入力を抑制し、十分な熱量を加えることができないため、調理性能の低下につながっていたが、本実施の形態においては、その必要がないため十分な熱量を加えることができ、調理性能の向上を図ることができるのである。
(実施の形態2)
図8は本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の断面図、図9は本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の前面を開口した際の斜視図である。
尚、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図8において、グリル皿4の調理物2の載置面は、両面とも凹凸で形成されている。これは緩やかな波形形状でもよい。片面の凹部31はその裏面では凸部32になっており、凹部31の幅と凸部32の幅は等しくないようにする。凹部31の幅と凸部32の幅の比を3対1程度にすると、表裏を変えた際に凹部31と凸部32の違いがよく出る。
図9において、グリル皿4の前面には取っ手33を設けており、取っ手33をドア5に設けたグリル皿支持部9で支持することによって、ドア5の開閉に連動してグリル皿4も前後方向にスライドする。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
片面の凹部31はその裏面では凸部32になっており、凹部31の幅と凸部32の幅は等しくないように構成したことにより、例えば、あまり焦げ目をつけずに調理したいような場合はの凸部32が狭い面に調理物を載置し、柔らかい食材や身崩れの恐れがあるような食材は反対側の凸部32が広い面に調理物を載置しで調理をする等といったことが可能になるのである。
また、グリル皿4の前方にドア5と連結させるための取っ手33を設ける構成としたことにより、取っ手33に手をかけることでグリル皿4を持ち上げやすく、表裏の入れ替えや洗浄のための持ち運び等の際に便利となるのである。
これにより、例えば、あまり焦げ目をつけずに調理したいような場合は凹凸の凸部が狭い面に調理物を載置し、柔らかい食材や身崩れの恐れがあるような食材は反対側の凸部が広い面に調理物を載置しで調理をする等といったことが可能になる。
(実施の形態3)
図10は本発明の第3の実施の形態における調理物と受け皿である。
尚、本実施の形態の基本構成は実施の形態1または2と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1または2と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図10において、グリル皿4の調理物2の載置面は、両面とも凹凸で形成されており、グリル皿4の表面の凹凸の向きに対して、裏面はその略垂直方向に凹凸が形成されている。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
グリル皿4は、調理物の載置面を両面とも凹凸面14で形成し、凹凸の向きが表と裏で略垂直の関係をなすよう構成したことにより、グリル皿4の表と裏の使い分けで焼き目のつけ方を変えることができ、特に調理物2の載置スペースと焼き目のつけ方の関係を考慮して好みの面を選んで使用することができる。例えば、サンマのように長い魚を焼く場合には、グリル皿4の長手方向に沿ってサンマを並べたいので、サンマと焼き目が垂直にな
るような面を用いて調理できる。また、小ぶりな魚の場合は裏面を用いて、手前から順番に魚を並べていくことで、表面を用いるよりも沢山の魚を同時に調理できるのである。
(実施の形態4)
図11は本発明の第4の実施の形態における受け皿の斜視図である。
尚、本実施の形態の基本構成は実施の形態1から3と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1から3と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図11において、グリル皿4は、調理物2の載置面を横断する載置面よりも高い壁面34を少なくとも片面に有する。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
グリル皿4は、調理物2の載置面を横断する載置面よりも高い壁面34を少なくとも片面に有する構成にしたことより、グリル皿4の同じ面で、壁面34を境に異なる調理をしやすいのである。特に、ドアの開け閉めの際に、グリル皿4に載置された調理物2には加速度が働き、動いてしまいやすいが、載置面よりも高い壁面34が設けられていることで、壁面34で調理物2が押さえられ、別々のメニューが混ざってしまうことを抑制できるのである。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、グリル皿の表裏の形状の違いを使い分けることで、調理メニューの幅を広げ、摺動部材により摺動性の向上を図ることができるので、一般家庭の台所や業務用で使用される調理室のあるグリル装置を備えた加熱調理器に適用することができる。
1 加熱調理器
2 調理物
3 調理室
4 グリル皿
5 ドア
6 上ヒーター(第1の加熱手段)
7 下ヒーター(第2の加熱手段)
8 受け部
9 グリル皿支持部
10 摺動部材
12 調理室上面
13 調理室底面
14 凹凸面
15 フラット面
16 レール
21 前面開口部
31 凹部
32 凸部
33 取っ手
34 壁面

Claims (8)

  1. 調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアとを備え、
    前記ドアは、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前面に設けた受け部の表面側あるいは裏面側が前記グリル皿支持部に嵌合し、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、
    前記グリル皿は、前記調理物の載置面が片面は凹凸で形成され、もう一面がフラットな面で形成され
    表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても前記グリル皿の表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなる加熱調理器。
  2. 調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアとを備え、
    前記ドアは、グリル皿支持部を備え、前記グリル皿の前面に設けた受け部の表面側あるいは裏面側が前記グリル皿支持部に嵌合し、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、
    前記グリル皿は、前記調理物の載置面が両面とも凹凸で形成され、凹凸の間隔が表と裏で異なってなり、
    表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても前記グリル皿の表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなる加熱調理器。
  3. 前記グリル皿は、前記凹凸の向きが表と裏で略垂直の関係をなす請求項に記載の加熱調理器。
  4. 前記グリル皿は、前記調理物の載置面を形成する面の肉厚を均一とした請求項1〜のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  5. 調理物を収納し加熱する調理室と、調理物を載置するグリル皿と、前記調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を下方から加熱する第2の加熱手段と、前記グリル皿と連動して前後にスライドして前記調理室の前面開口を開閉するドアとを備え、
    前記ドアは、グリル皿支持部を備え前記グリル皿の前方に前記ドアの前記グリル皿支持部と連結させるための取っ手を設け、前記ドアは、前記グリル皿が表裏のいずれでも前記グリル皿の前面を支持できるとともに、
    前記グリル皿は、前記調理物の載置面が片面は凹凸で形成され、もう一面がフラットな面で形成され
    表裏のいずれの向きでも収納可能で、どちらの面が下面になっても前記グリル皿の表裏両面の後面左右の角に設けられた摺動部材によって前記ドアの開閉時に前記調理室底面を摺動してなる加熱調理器。
  6. 前記グリル皿は、前記調理物の載置面を横断する載置面よりも高い壁面を少なくとも片面に有してなる請求項1〜のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 前記グリル皿は軽量且つ熱伝導性の良い素材からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  8. 前記グリル皿の素材は、アルミニウムとした請求項に記載の加熱調理器。
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