JP5785020B2 - 作用極及びその製造方法、並びに色素増感太陽電池 - Google Patents

作用極及びその製造方法、並びに色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、作用極及びその製造方法、並びに色素増感太陽電池に関する。
光電変換素子として、安価で、高い発電効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極及び対極を連結する封止部と、作用極、対極及び封止部とによって囲まれる電解質とを備えている。作用極は一般に、基板と、基板の表面上に形成される導電膜と、導電膜上に形成される多孔質酸化物半導体膜とで構成される。ここで、導電膜としては、可視光に対する透過性が高く、高い電気伝導性を有することから、スズドープ酸化インジウム(ITO:Indium doped Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO:Fluorine doped Tin Oxide)などの透明導電膜が使用されている。
しかし、ITO、FTOなどの透明導電膜は、色素増感太陽電池の低価格化の妨げとなっており、このような透明導電膜を用いない色素増感太陽電池が求められていた。
このような透明導電膜を用いない色素増感太陽電池として、例えば対極と、対極の外周を巡るように配される線状の作用極とを有するものが知られている(下記特許文献1)。そして、下記特許文献1には、Cu被覆Al導線をTiで被覆してなる基体を焼成した後、Tiの表層を酸化することによりCu被覆Al導線とTi層と多孔質チタニア層とを有する作用極が得られることが開示されている。
また下記非特許文献1には、チタンワイヤと、その表面上に陽極酸化により形成されるチタニアナノファイバ膜とを有する作用極が開示されている。
特開2009−295395号公報
Zhaoyue et al., ‘Vertically Oriented TiO2 Nanotube Arrays Grown onTi Meshes for Flexible Dye-Sensitized Solar Cells’, J. Phys. Chem. C, Vol.113, No.31,2009, p.14028-14033
しかし、上述した特許文献1及び非特許文献1に記載の作用極は、以下の課題を有していた。
すなわち、特許文献1及び非特許文献1に記載の作用極は、いまだ光電変換特性の向上の点で未だ改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた光電変換特性を色素増感太陽電池に付与することができる作用極及びその製造方法、並びに色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、本発明者はチタンワイヤを陽極酸化することによりチタンワイヤの表面上にチタニアナノチューブ膜を形成した後、チタニアナノチューブ膜の表面に溝を形成すればよいのではないかと考えた。というのは、チタニアナノチューブ膜の表面に溝を形成することで電解質がチタニアナノチューブ膜の表面のみならず、溝の内壁面からも浸透し、チタニアナノチューブ膜の内部に電解質を十分に浸透させることができると考えられるためである。しかし、陽極酸化でチタンワイヤの表面上に形成されたチタニアナノチューブ膜は、厚さがナノオーダーレベルの非常に薄い膜であることに加え、チタニアナノチューブ膜がチタンワイヤ上に形成されていることから、工具等を用いて人工的に溝を形成することは極めて難しいと考えられていた。そのような状況の中、本発明者の研究により、チタニアナノチューブ膜に対して特定の熱的な処理を施すことによりチタニアナノチューブ膜の表面に溝が形成されることを本発明者は見出したものである。そして、本発明者はかかる知見に基づき、さらなる検討を行った。その結果、溝が形成されたチタニアナノチューブ膜に、チタニア粒子からなりチタニアナノチューブ膜より大きい比表面積を有する多孔質部を設けることにより、より多くの光増感色素を担持させることができるとともに、チタニアナノチューブ膜の内部まで電解質を浸透させることができ、その結果、光電変換特性のさらなる向上が期待できるのではないかと本発明者は考えた。こうして本発明者は以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、チタンからなる表層部を有する線状の基体と、前記基体上に設けられ、チタニアを含む酸化物半導体層とを備えており、前記酸化物半導体層は、前記基体上に直接設けられ、チタニアナノファイバを含むチタニアナノファイバ膜と、チタニア粒子からなる多孔質部とを有し、前記チタニアナノファイバ膜の表面に溝が形成され、前記多孔質部が前記チタニアナノファイバ膜の前記溝内及び前記表面上に設けられ、前記基体の延び方向に直交する断面が円形状であり、前記基体の直径が40〜150μmであり、前記溝の形状が、前記溝の幅が前記基体の外周面から離れる方向に向かって増大するV字状になっており、前記溝の深さが前記チタニアナノファイバ膜の厚さと同一であり、前記チタニアナノファイバ膜の厚さが1〜50μmであり、前記多孔質部の厚さが1〜50μmである、色素増感太陽電池用作用極である。
この作用極によれば、チタニアナノファイバ膜に、チタニア粒子からなる多孔質部を設けると、多孔質部の比表面積は通常、チタニアナノファイバ膜よりも大きいため、光増感色素をより多く担持させることが可能となる。さらに、チタニアナノファイバ膜に溝が形成されていると、溝が形成されていない場合に比べて、溝の分だけより大きい体積で多孔質部を設けることが可能となり、それに伴って光増感色素をより多く担持させることも可能となる。一方、チタニアナノファイバ膜は基体上に直接設けられているため、電子がチタニアナノファイバ膜から基体まで移動する際の抵抗が低い。そして、多孔質部で発生した電子の一部は、チタニアナノファイバ膜を通って基体に移動する。このため、作用極全体として抵抗を低下させることが可能となる。さらに、チタニアナノファイバ膜の表面に溝が形成されていない場合、電解質は、チタニアナノファイバ膜の表面からしか浸透しないため、内部(基体側)の方まで電解質を浸透させることが難しいが、チタニアナノファイバ膜に溝が形成され、溝の内部に多孔質部が設けられることで、チタニアナノファイバ膜の表面のみならず、多孔質部を経て溝の内壁面からもチタニアナノファイバ膜に電解質を浸透させることができる。従って、チタニアナノファイバ膜の内部まで電解質を十分に浸透させることができる。このように、本発明の作用極によれば、全体として電子の抵抗を低下させることが可能になることに加えて、チタニアナノファイバ膜の内部まで電解質を十分に浸透させることができるため、優れた光電変換特性を色素増感太陽電池に付与することができる。
さらに前記チタニアナノファイバが中空状であり、前記チタニアナノファイバの内側にチタニア粒子が配置されていることが好ましい。
この場合、チタニアナノファイバの内側、及びチタニアナノファイバの内側に配置されたチタニア粒子の表面上にも光増感色素を担持させることが可能となる。このため、チタニアナノファイバが中実状である場合に比べて、より多くの光増感色素を作用極に担持させることが可能となり、より優れた光電変換特性を色素増感太陽電池に付与することが可能となる。
また本発明は、作用極と、前記作用極に対向配置される対極と、前記作用極及び前記対極に接触する電解質と、前記作用極に担持される光増感色素とを備えており、前記作用極が、上記作用極で構成されている色素増感太陽電池である。
上記色素増感太陽電池によれば、作用極が、上記作用極で構成されているため、優れた光電変換特性を有する色素増感太陽電池を実現することが可能となる。
本発明によれば、優れた光電変換特性を色素増感太陽電池に付与することができる作用極及びその製造方法、並びに色素増感太陽電池が提供される。
本発明に係る色素増感太陽電池の一実施形態を概略的に示す断面図である。 図1の作用極を示す平面図である。 図1の作用極を構成する線材の切断面端面図である。 本発明に係る色素増感太陽電池の他の実施形態に用いられる作用極を構成する第1線状体の切断面端面図である。 実施例1に係るチタニアナノファイバ膜形成工程の後、多孔質部形成工程の前の段階における構造体を示すSEM写真である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る色素増感太陽電池の第1実施形態を概略的に示す断面図、図2は、図1の作用極を示す平面図、図3は図1の作用極を構成する線材を示す切断面端面図である。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、基材10と、基材10上に設けられる作用極20と、作用極20に対向配置された対極30と、基材10及び対極30を連結する封止部40と、作用極20と対極30と封止部40とによって包囲されるセル空間内に充填される電解質50とを備えている。基材10及び対極30のうち少なくとも基材10は、光を透過させて作用極20に入射させることが可能となっている。また対極30は、対極基板32と、対極基板32の表面のうち作用極20側の表面に設けられる触媒層31とを備えている。
図2に示すように、作用極20は構造体21で構成されており、構造体21は、複数本の第1線材20Aと、第1線材20Aに交差するように織り込まれる複数本の第2線材20Bと、第2線材20Bと交差するように設けられる帯状の2本の第1集電体20Cと、第1線材20Aと交差するように設けられる帯状の2本の第2集電体20Dとを有している。
構造体21においては、複数本の第1線材20A同士が互いに平行に配置され、複数本の第2線材20B同士が互いに平行に配置されている。そして、第1線材20A及び第2線材20Bは互いに交差するように、例えば直交するように配置されている。
2本の第1集電体20Cはそれぞれ、第1線材20Aに平行に且つ構造体21の外周近傍に配置され、2本の第2集電体20Dはそれぞれ、第2線材20Bに平行に且つ構造体21の外周近傍に配置されている。このように第1集電体20C及び第2集電体20Dが構造体21の外周近傍に配置されるのは、第1集電体20C及び第2集電体20Dに集められた電子を外部に取り出しやすくするためである。なお、第1集電体20Cと第2集電体20Dとは互いに電気的に接続されていることが好ましい。この場合、第1集電体20C及び第2集電体20Dの各々から電流を取り出す必要がなくなり、第1集電体20C又は第2集電体20Dのいずれか一方のみから電流を取り出すだけで済む。
ここで、第1集電体20Cは、第2線材20Bに電気的に接続されている。また第2集電体20Dは第1線材20Aに電気的に接続されている。
図3に示すように、第1線材20Aは、線状の基体22と、基体22上に設けられる酸化物半導体層23とを備えている。酸化物半導体層23は、基体22上に直接設けられ、チタニアナノファイバを含むチタニアナノファイバ膜24と、チタニアナノファイバ膜24に設けられ、チタニア粒子からなる多孔質部25とを有している。チタニアナノファイバ膜24の表面24aには溝24bが形成され、多孔質部25がチタニアナノファイバ膜24の溝24b内及び表面24a上に設けられている。言い換えると、多孔質部25は、チタニアナノファイバ膜24の表面24aを覆うとともに、溝24bを充填している。そして、光増感色素は多孔質部25のチタニア粒子の表面上に担持されている。なお、光増感色素はさらにチタニアナノファイバ膜24に担持されてもよい。
第2線材20Bも、第1線材20Aと同様の構成を有している。そして、光増感色素は多孔質部25のチタニア粒子の表面上に担持されている。なお、光増感色素はさらにチタニアナノファイバ膜24に担持されてもよい。
なお、第1線材20Aの基体22と第2線材20Bの基体22とは、互いに溶接されていてもいなくてもよいが、互いに溶接されていることが好ましい。この場合、第1線材20Aの基体22と第2線材20Bの基体22との接触抵抗を低くすることが可能となる。
また第1集電体20C及び第2集電体20Dは、第1線材20Aの基体22及び第2線材20Bの基体22よりも低い抵抗を有していることが好ましい。すなわち、第1集電体20Cは、第2線材20Bの基体22よりも低い抵抗を有し、第2集電体20Dは、第1線材20Aの基体22よりも低い抵抗を有している。ここで、図2に示す作用極20のように、第1集電体20C及び第2集電体20Dの幅を、第1線材20A及び第2線材20Bの幅よりも大きくすることにより、第1集電体20C及び第2集電体20Dの断面積が第1線材20A及び第2線材20Bの断面積よりも大きくされることが好ましい。この場合、第1集電体20C及び第2集電体20Dの抵抗を、第1線材20A及び第2線材20Bの抵抗よりもより小さくすることが可能となる。
上述した色素増感太陽電池100によれば、チタニアナノファイバ膜24に、チタニア粒子からなる多孔質部25を設けると、多孔質部25の表面積は通常、チタニアナノファイバ膜24よりも大きいため、光増感色素をより多く担持させることが可能となる。さらに、チタニアナノファイバ膜24に溝24bが形成されていると、溝24bが形成されていない場合に比べて、溝24bの分だけより大きい体積で多孔質部25を設けることが可能となり、それに伴って光増感色素をより多く担持させることも可能となる。一方、チタニアナノファイバ膜24は基体22上に直接設けられているため、電子がチタニアナノファイバ膜24から基体22まで移動する際の抵抗が低い。そして、多孔質部25で発生した電子の一部は、チタニアナノファイバ膜24を通って基体22に移動する。このため、作用極20全体として抵抗を低下させることが可能となる。さらに、チタニアナノファイバ膜24の表面24aに溝24bが形成されていない場合、電解質50は、チタニアナノファイバ膜24の表面24aからしか浸透しないため、内部(基体側)の方まで電解質50を浸透させることが難しいが、チタニアナノファイバ膜24に溝24bが形成され、溝24bの内部に多孔質部25が設けられることで、チタニアナノファイバ膜24の表面24aのみならず、多孔質部25を経て溝24bの内壁面からもチタニアナノファイバ膜24に電解質50を浸透させることができる。従って、チタニアナノファイバ膜24の内部まで電解質50を十分に浸透させることができる。このように作用極20においては、全体として電子の抵抗を低下させることが可能になることに加えて、チタニアナノファイバ膜24の内部まで電解質50を十分に浸透させることができるため、優れた光電変換特性を有する色素増感太陽電池100を実現することが可能となる。
次に、基材10、作用極20、光増感色素、対極30、封止部40及び電解質50について詳細に説明する。
(基材)
基材10を構成する材料は、例えば可視光に対して透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。基材10の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50μm〜10000μmの範囲にすればよい。
(作用極)
第1線材20A及び第2線材20Bを構成する基体22は通常はチタンからなる。言い換えると、基体22全体がチタンで構成されている。しかし、基体22は、チタンからなる表層部を有していればよい。このため、基体22は、表層部の内側に、Tiと異なる金属からなる芯材を有していてもよい。このため、例えば基体22としては、Tiで芯材を被覆してなるTi被覆線材を用いることも可能である。このようなTi被覆線材としては、例えばTi被覆銅(Cu)線が挙げられる。耐食性の高いTiで、Tiよりも導電性の高いCu線からなる中心線を被覆することにより、該Ti被覆線材で構成される作用極20の内部抵抗を抑えると同時に、該Ti被覆線材の電解質50による腐食を抑制することができる。
上記Ti被覆Cu線の製造方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、Tiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Cuを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとCu線を同時に走行させつつTi製パイプの内部にCu線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Cu線を得ることができる。
このような線引き加工法により作製されたTi被覆Cu線は、スパッタ法やめっき加工法等によって製造されたものよりも被覆層の密着性に優れ、その製造コストを低く抑えることができる。
なお、Ti被覆線材は、芯材をTiで被覆したものであるが、芯材を構成する材料は、Tiよりも低い抵抗を有するものであればよく、Cuに限定されるものではない。
基体22の延び方向に直交する面の断面形状は、四角形などの多角形でも円形でもよいが、図3に示すように円形であることが好ましい。この場合、作用極20の全周にわたって受光することが可能となる。
チタニアナノファイバ膜24はチタニアナノファイバを有する。チタニアナノファイバは通常、基体22の外周面から離れる方向に向かって延びている。チタニアナノファイバは、径に対する長さの比(アスペクト比)が特に限定されるものではなく、好ましくは10〜500であり、より好ましくは50〜350である。
チタニアナノファイバの長さ、すなわちチタニアナノファイバ膜24の厚さは好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmである。
チタニアナノファイバは中空状でも中実状でもよいが、中空状であることが好ましい。この場合、チタニアナノファイバの内側にも光増感色素を担持させることが可能となる。このため、チタニアナノファイバが中実状である場合に比べて、より多くの光増感色素を作用極20に担持させることが可能となり、より優れた光電変換特性を色素増感太陽電池100に付与することが可能となる。
さらにチタニアナノファイバが中空状であることに加えて、チタニアナノファイバの内側にチタニア粒子が配置されていることが好ましい。この場合、チタニアナノファイバの内側のみならず、チタニアナノファイバの内側に配置されたチタニア粒子の表面上にも光増感色素を担持させることが可能となる。このため、チタニアナノファイバが中実状である場合に比べて、より多くの光増感色素を作用極20に担持させることが可能となり、より優れた光電変換特性を色素増感太陽電池100に付与することが可能となる。
チタニアナノファイバ膜24の表面24aには溝24bが形成されている。溝24bの幅は基体22の外周面から離れる方向に向かって一定であってもよいし、増大していてもよいが、溝24bの幅は、基体22の外周面から離れる方向に向かって増大していることが好ましい。この場合、溝24bの形状は例えばV字状となる。溝24bの形状がV字状であると、以下のような利点が得られる。すなわち、基体22に近くなればなるほど、基体22に対して遠くで発生した電子も流れてきて電子の量が増える。このとき、溝24bの形状をV字状にすることで、基体22に近づくほど、溝24bの最大幅に占める多孔質部25の割合が減少し、チタニアナノファイバの割合が増えるので、集められてきた電子は、多孔質部25より抵抗の低いチタニアナノファイバに移動しやすくなり、電子をスムーズに基体22に移動させることが出来る。
溝24bの深さは、チタニアナノファイバ膜24の厚さの1倍であることが特に好ましい。この場合、溝24bの深さがチタニアナノファイバ膜24の厚さの1倍未満である場合と比べて、多孔質部25のチタニア粒子が基体22に、より接近することが可能となり、多孔質部25に担持される光増感色素から発生した電子がより短い経路で基体22に到達することが可能となる。その結果、作用極20全体としての抵抗をより低下させることができ、より優れた光電変換特性を有する色素増感太陽電池100を実現することが可能となる。
多孔質部25はチタニア粒子からなる。多孔質部25は、溝24bに充填されていても充填されていなくてもよいが、充填されていることが好ましい。この場合、多孔質部25が溝24bに充填されていない場合に比べて、より多くの光増感色素を多孔質部25に担持させることが可能となり、より優れた光電変換特性を色素増感太陽電池100に付与することが可能となる。
チタニア粒子の平均粒径は特に制限されるものではないが、好ましくは1〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。チタニア粒子の平均粒径が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて比表面積を増やしつつ低抵抗で電子を輸送できるという利点がある。なお、「平均粒径」とは、X線回析装置(XRD、Rigaku社製全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab)により測定される平均粒径を言うものとする。
多孔質部25のチタニアナノファイバ膜24からの厚さは特に制限されるものではないが、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは10〜20μmである。多孔質部25のチタニアナノファイバ膜24からの厚さが上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合と比べてチタニアナノファイバ膜24の比表面積を増やしつつチタニアナノファイバ膜24の抵抗を低減させることができる。なお、多孔質部25の表面には、チタニアナノファイバ膜24に形成されている溝24bに対向する位置に溝が形成されていないことが好ましい。この場合、そのような溝が形成されている場合に比べると、発電に寄与する多孔質部25の体積をより大きくすることが可能となり、光電変換特特性をより向上させることが可能となる。
(光増感色素)
光増感色素としては、例えばN3、ブラックダイなどのルテニウム色素、ポルフィリン、フタロシアニンなどの錯体色素、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
(対極)
対極基板32を構成する材料は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料や、基材10と同様の材料にITOやFTO等の導電性酸化物を形成したものなどが挙げられる。
対極基板32の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば10〜200μmの範囲にすればよい。
触媒層31を構成する触媒は、白金又は炭素系材料などから構成される。
なお、対極基板32として白金又は炭素系材料を使用する場合には、触媒層31は省略することも可能である。
また対極30は、絶縁性の板状体の上に、線材を用いて形成される織物を設けてなるものであってもよい。線材としては、例えば基体22を上記触媒で被覆したものを用いることができる。この場合、絶縁性の板状体としては、基材10と同様のものを用いることができる。
(封止部)
封止部40を構成する樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などが挙げられる。
(電解質)
電解質50は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。色素増感太陽電池100は、酸化還元対としてI/I のような揮発性溶質及び、高温下で揮発しやすいアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルのような有機溶媒を含む電解液を電解質50として用いた場合に特に有効である。この場合、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が特に大きくなり、封止部40と対極30との界面、および封止部40と作用極20との界面から電解質50が漏洩しやすくなるからである。なお、上記揮発性溶媒にはゲル化剤を加えてもよい。また電解質50は、イオン液体と揮発性成分との混合物からなるイオン液体電解質で構成されてもよい。この場合も、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が大きくなるためである。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。また揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I、4−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。さらに電解質50としては、上記イオン液体電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットイオンゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化したイオン液体電解質を用いてもよい。
次に、上述した色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
[準備工程]
まず基材10、作用極20及び対極30を準備する。
(作用極)
作用極20は、以下のようにして得ることができる。
はじめに複数本の基体22を準備する。基体22としては、例えばチタンが用いられる。
基体22の延び方向に直交する断面の形状は、四角形などの多角形でも円形でもよいが、チタニアナノファイバ膜24の表面24aに容易に溝24bを形成する観点からは、円形状であることが好ましい。
また基体22の直径は、40〜150μmであることが好ましい。この場合、直径が上記範囲内にあると、より効果的にチタニアナノファイバ膜24の表面24aに溝24bを形成することが可能となる。
次に、複数本の基体22のうち一部の複数本の基体22を互いに平行に配列させ、この基体22に対して交差するように残りの複数本の基体22を配置させて、織物を作製する。
一方、帯状の第1集電体20C及び帯状の第2集電体20Dをそれぞれ2本ずつ用意する。そして、第1集電体20C及び第2集電体20Dを、基体22と平行となるように、且つ互いに直交するように構造体21の外周部近傍に織り込む。
そして、第1集電体20Cとこれに交差する基体22とを溶接によって接合する。このためには、第1集電体20Cとこれに交差する基体22との間に直流電流を印加して通電すればよい。このようにすることで、抵抗加熱により、第1集電体20C及びこれに交差する基体22が発熱して溶融し、互いに接合される。同様に、第2集電体20Dとこれに交差する基体22とを溶接によって接合するためには、第2集電体20Dとこれに交差する基体22との間に直流電流を印加して通電すればよい。このようにすることで、抵抗加熱により、第2集電体20D及びこれに交差する基体22が発熱して溶融し、互いに接合される。こうして織物が得られる。なお、第1集電体20Cと第2集電体20Dとを接触させる場合には、これらの間にも直流電圧を印加し、抵抗溶接によって第1集電体20Cと第2集電体20Dとを接合させればよい。また織物としては、平織物、綾織物及び朱子織物などが挙げられる。中でも、厚みを小さくすることができるという理由から、平織物が好ましい。
[チタニアナノファイバ膜形成工程]
次に、織物を陽極酸化することにより、織物上、すなわち基体22上にチタニアナノファイバ膜24を直接形成する。
織物を陽極酸化することにより基体22上にチタニアナノファイバ膜24を直接形成するには、例えば織物を電解液中に浸漬し、織物をアノード、白金箔をカソードとし、織物と白金箔とを対向させて両者間に直流電圧を印加すればよい。
このとき使用する電解液としては、例えばフッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウムなどの溶質を含むものが用いられる。電解液中の溶質の濃度は例えば1〜5質量%とすればよい。
電解液中の溶媒としては、例えばエチレングリコールなどが用いられる。
織物と白金箔との間の距離(極間距離)は特に制限されるものではないが、例えば10〜60cmとすればよい。
織物と白金箔との間に印加する電圧は特に制限されるものではないが、例えば10〜80Vとすればよい。
陽極酸化の時間は、形成すべきチタニアナノファイバ膜24の厚さによって異なる。例えば形成すべきチタニアナノファイバ膜の厚さが15μmである場合には、陽極酸化の時間は、1〜8時間とすればよい。
なお、この段階では、チタニアナノファイバ膜24には溝24bが形成されない。チタニアナノファイバ膜24に溝24bを形成するには、チタニアナノチューブ膜24を高温に保持した後、冷却することが必要となる。高温のチタニアナノファイバ膜24を冷却することでチタニアナノファイバ膜24に熱収縮が起こり、その結果、チタニアナノファイバ膜24の表面24aに割れが生じ、この割れにより溝24bが形成されるためである。
チタニアナノファイバ膜24を高温に保持する場合、その温度は例えば450〜500℃とすればよく、保持時間は例えば0.5〜1時間とすればよい。
溝24bの深さは、チタニアナノファイバ膜24の冷却速度によって調整することが可能である。例えばチタニアナノファイバ膜24を例えば2.5℃以上/minの冷却速度で急冷すると、溝24bの深さをチタニアナノファイバ膜24の厚さと同一とすることが可能であり、チタニアナノファイバ膜24を例えば0.5℃/min未満の冷却速度で徐冷すると、溝24bの深さを浅くすることが可能である。但し、冷却速度は、好ましくは0.3℃/minより大きくすることが好ましい。0.3℃/min以下の冷却速度では、チタニアナノファイバ膜24に溝24bを形成することが困難となる。
[多孔質部形成工程]
次に、チタニアナノファイバ膜24の溝24b内及び表面24a上にチタニア粒子からなる多孔質部25を形成する。多孔質部25を形成するには、例えばチタニアナノファイバ膜24を、チタニア粒子を含むペースト中に浸漬した後、チタニア粒子を焼結させればよい。チタニア粒子を焼結させるための焼結温度は、通常は350℃〜600℃であり、焼結時間は通常は1〜5時間である。
以上のようにして作用極20が得られる。
[色素担持工程]
次に、作用極20の酸化物半導体層23に光増感色素を担持させる。このためには、作用極20を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その色素を酸化物半導体層23に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を酸化物半導体層23に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を酸化物半導体層23に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体多孔膜23に吸着させても、光増感色素を酸化物半導体層23に担持させることが可能である。
(対極)
一方、対極30は、以下のようにして得ることができる。
すなわち対極30としては、例えば対極基板32上に触媒層31を形成した板状体を用いることができる。触媒層31の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。
[封止部の固定工程]
次に、基材10の表面に作用極20を接触させ、基材10の表面の周縁部に封止部40を固定する。
[電解質配置工程]
次に、作用極20上であって封止部40の内側に電解質50を配置する。電解質50は、作用極20上であって封止部40の内側に注入したり、印刷したりすることによって得ることができる。
[熱圧着工程]
そして、対極30を、触媒層31を作用極20に向けた状態で封止部40と重ね合わせ、対極30及び基材10の周縁部を熱圧着する。こうして、色素増感太陽電池100の製造が完了する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、作用極20がチタニアナノファイバ膜24上に多孔質部25が設けられているが、図4に示す作用極200のように、多孔質部25は省略可能である。すなわち、作用極200の酸化物半導体層230は、チタニアナノファイバ24のみから構成されてもよい。この場合、光増感色素はチタニアナノファイバ膜24の表面24a上及び溝24bの内壁面に担持されることになる。チタニアナノファイバ膜24の表面24aに溝24bが形成されていない場合、電解質50は、チタニアナノファイバ膜24の表面24aからしか浸透しないため、内部(基体22側)の方まで電解質50を浸透させることが難しいが、チタニアナノファイバ膜24に溝24bが形成されることで、チタニアナノファイバ膜24の表面24aのみならず、溝24bの内壁面からもチタニアナノファイバ膜24に電解質50を浸透させることができる。従って、チタニアナノファイバ膜24の内部まで電解質50を十分に浸透させることができる。このため、優れた光電変換特性を色素増感太陽電池100に付与することができる。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、直径100μmのTiからなる複数本の基体を用意し、これらを用いて、横50mm×縦50mmの平織物を製織した。
そして、厚さ100μm、幅5mmのTi板を3枚用意し、この平織物の外周部近傍に、基体と平行に2枚のTi板を第2集電体として平織物に織り込むとともに、第2集電体に交差する基体と平行に1枚のTi板を第1集電体として平織物に織り込んだ。さらに厚さ100μm、幅15mmのTi板を1枚用意し、この平織物の外周部近傍に、第2集電体に交差する基体と平行にそのTi板を第1集電体として平織物に織り込んだ。
この状態で、基体と第2集電体との間に、1.0kAの直流電流を5msec印加し、45msecの休止の後、再び1.0kAの直流電流を5msec通電し、基体と第2集電体とを抵抗加熱により溶融させて接合した。同様に、基体と第1集電体との間にも、1.0kAの直流電流を5msec印加し、45msecの休止の後、再び1.0kAの直流電流を5msec通電し、基体と第1集電体とを抵抗加熱により溶融させて接合した。
次に、エチレングリコールに2.5質量%の濃度となるようにフッ化アンモニウムを溶解させてなる電解液中に上記平織物を浸漬し、平織物をアノード、5cm×5cm×50μmの白金箔をカソードとし、平織物と白金箔とを、極間距離を3cmとした状態で対向させて両者間に直流電圧60Vを印加し、4時間にわたって平織物の陽極酸化を行った。その結果、チタニアからなる厚さ約15μmの陽極酸化膜が得られた。このとき、陽極酸化膜は、直径10nmで長さ1μmの中実状のチタニアナノファイバで構成されていた。
次に、陽極酸化された平織物を500℃のオーブン中に入れて1時間保持した。
次に、陽極酸化された平織物を3℃/minの冷却速度で急冷した。このとき、陽極酸化された平織物の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した。結果を図5に示す。図5に示すように、陽極酸化された平織物においては、基体上にチタニアナノファイバ膜が形成され、そのチタニアナノファイバ膜にはV字状の溝が形成されており、V字状の溝の深さは、チタニアナノファイバ膜の厚さと同一であることが分かった。別言すると、V字状の溝の深さは、チタニアナノファイバ膜の厚さの1倍であることが分かった。
次に、陽極酸化した平織物のチタニアナノファイバ膜に溝を形成したものを、TiOペースト(触媒化学社製PST−21NR、チタニア粒子の平均粒径:21nm)中に浸漬した後に引き上げて仮乾燥し、続いて電気炉にて500℃で1時間の条件で焼結した後、冷却した。こうして陽極酸化され溝が形成された平織物に、チタニア粒子からなる厚さ約15μmの多孔質部が形成された。こうして、作用極が得られた。
この作用極を、1:1(体積比)で混合したアセトニトリル及びtert−ブタノールの混合溶媒を含み、ルテニウム色素(N719)の濃度を0.3mMとした色素溶液中に浸漬し、室温で24時間放置して、酸化物半導体層に色素を担持させた。そして、作用極を色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄した。
次に、50mm×50mm×0.04mmのTi板を用意し、このTi板に、三次元RFスパッタ装置を用いてPtを蒸着させ、対極を得た。
一方、色素を担持した作用極、対極及び電解質を封止する外装フィルムとして、厚さ50μm、70mm×70mmのPETフィルムを2枚用意した。
そして、1枚のPETフィルム上に、エチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる四角環状の樹脂シートを配置した。この樹脂シートとしては、20μm×70mm×70mmの寸法を有するシートに、50mm×50mmの開口を形成したものを用いた。そして、この樹脂シートの内側に、色素を担持した作用極を配置した。続いて、樹脂シートの内側に、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入した。その後、色素を担持した作用極に対向するように対極、樹脂シート及びもう1枚のPETフィルムを順次重ね合わせた。このとき、樹脂シートとしては、エチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなり、20μm×70mm×70mmの寸法を有する四角形状の樹脂シートを用いた。そして、PETフィルムの周縁部を熱圧着した。以上のようにして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例2)
多孔質部を形成せず、光増感色素をチタニアナノファイバ膜の表面及び溝の内壁面上に担持させたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例3)
基体の直径を35μmとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例4)
基体の直径を45μmとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例5)
基体の直径を145μmとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例6)
基体の直径を155μmとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例1)
陽極酸化された平織物を0.3℃/minの冷却速度で冷却することによりチタニアナノファイバ膜に溝を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例2)
チタニアナノファイバ膜に溝を形成しなかったこと以外は実施例2と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
[特性評価]
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた色素増感太陽電池に対し、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射して、電流電位曲線を得た。そして、この電流電位曲線の結果から発電効率を算出した。結果を表1に示す。
表1に示す結果より、実施例1〜6の色素増感太陽電池は、比較例1〜2の色素増感太陽電池に比べて、光電変換効率が十分に高くなっていることが分かった。
このことから、本発明の作用極によれば、色素増感太陽電池に優れた光電変換特性を付与できることが確認された。
20,200…作用極
20A…第1線材
20B…第2線材
21…織物
22…基体
23,230…酸化物半導体層
24…チタニアナノファイバ膜
24a…表面
24b…溝
25…多孔質部
30…対極
50…電解質
100…色素増感太陽電池

Claims (3)

  1. チタンからなる表層部を有する線状の基体と、
    前記基体を被覆し、チタニアを含む酸化物半導体層とを備えており、
    前記酸化物半導体層は、前記基体上に直接設けられ、チタニアナノファイバを含むチタニアナノファイバ膜と、
    チタニア粒子からなる多孔質部とを有し、
    前記チタニアナノファイバ膜の表面に溝が形成され、
    前記多孔質部が前記チタニアナノファイバ膜の前記溝内及び前記表面上に設けられ、
    前記基体の延び方向に直交する断面が円形状であり、
    前記基体の直径が40〜150μmであり、
    前記溝の形状が、前記溝の幅が前記基体の外周面から離れる方向に向かって増大するV字状になっており、
    前記溝の深さが前記チタニアナノファイバ膜の厚さと同一であり、
    前記チタニアナノファイバ膜の厚さが1〜50μmであり、
    前記多孔質部の厚さが1〜50μmである、色素増感太陽電池用作用極。
  2. 前記チタニアナノファイバが中空状であり、前記チタニアナノファイバの内側にチタニア粒子が配置されている、請求項1に記載の色素増感太陽電池用作用極。
  3. 作用極と、
    前記作用極に対向配置される対極と、
    前記作用極及び前記対極に接触する電解質と、
    前記作用極に担持される光増感色素とを備えており、
    前記作用極が、請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池用作用極で構成されている色素増感太陽電池。
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