JP5784478B2 - 原子炉の加圧器のヒータ制御システム - Google Patents
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Description
図4は加圧器の電熱ヒータの従来におけるヒータ制御装置の一例を示す図であり、三相交流電源1から各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tを介して加圧器の電熱ヒータ2に給電される。
出力電力計測回路4は、電熱ヒータ2への出力電力を計測する。
比較器8は、「積分器13の出力>三角波発生回路14の出力」の時にゲートパルス発生器9にゲートパルス発生指令を出す。
引算器12は、出力指令設定器6の出力信号から出力電力計測回路4の出力信号を引き算する。
積分器13は、引算器12の出力を或る時定数で積分する。
三角波発生回路14は、間欠制御周期の三角波信号を発生する。
出力指令設定器6の出力信号から出力電力計測回路4の出力信号を引算器12で引き算し、その結果を積分器13で積分することにより、例えば出力指令設定器6の出力信号値に対し、出力電力計測回路4の出力信号値が低い場合、積分器13の出力は時間の経過と共に増大してゆく。比較器8は、この積分器13の出力と三角波発生回路14の出力とを比べゲートパルス発生指令を作るので、時間の経過と共に、サイリスタのON時間が増大することになる。その結果、加圧器の電熱ヒータ2の出力電力も増大し、出力電力計測回路4の出力信号も大きくなる。最終的には、出力指令設定器6の出力信号と出力電力計測回路4の出力信号とが同じになると、積分器13の出力が一定値となり、平衡状態となる。
そこで、安定した信頼性の高い原子炉の運転に資するため、また、加圧器の時定数が小さい小型原子炉にも適応するように、前記制御応答速度を早くすることができるようにすることが好ましい。
前記電熱ヒータの出力電力のフィードバック信号を入力とする積分器の出力と出力電力指令とを比較し、前記出力電力指令と前記積分器の出力との大きさの関係が前記出力電力指令>前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをONとし、前記出力電力指令<前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをOFFとする間欠制御を行うものである。
前記電熱ヒータの出力電力のフィードバック信号を入力とする積分器の出力と出力電力指令とを比較し、前記出力電力指令と前記積分器の出力との大きさの関係が前記出力電力指令>前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをONとし、前記出力電力指令<前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをOFFとする間欠制御を行うので、原子炉の加圧器のヒータ制御装置の制御応答速度を早くし、ひいては原子炉の加圧器の電熱ヒータの出力電力の応答を速くすることができる効果がある。
以下この発明の実施の形態1を図1及び図2により説明する。図1は加圧水型原子炉の加圧器の電熱ヒータのヒータ制御装置の一例を示す図であり、三相交流電源1から各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tを介して加圧器の電熱ヒータ2に給電される。
各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tは、何れも、図示のように可制御スイッチング素子と、可制御スイッチング素子に並列接続のフライホイールダイオードと、ノイズ吸収回路とで構成されている。
リセット回路付き積分器5は、出力電力計測回路4の出力信号を積分する。リセット回路付き積分器5の積分時定数は、定格出力時に間欠制御周期時間で出力が丁度100%となるように調整されている。また、リセット回路付き積分器5はリセット信号が入力されると、その出力がゼロにリセットされる。
出力指令設定器6は、原子炉の加圧器の電熱ヒータ2への出力電力を指令する出力電力指令の設定器である。
比較器8は、引算器7の出力が正の時、即ち「出力指令設定器6の出力信号>リセット回路付き積分器5の出力信号」の時、にゲートパルス発生回路9にゲートパルス発生指令を出す。
ゲートパルス発生回路9は、各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tの各可制御スイッチング素子のON/OFFを制御する信号を発生する。
出力電力計測回路4の出力信号をリセット回路付き積分器5で間欠制御周期毎に積分した結果を、出力指令設定器6の出力信号から引算器7で引き算し、その結果が正であれば、即ち「出力指令設定器6の出力信号>間欠制御周期毎のリセット回路付き積分器5の出力信号」であれば、各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tの各可制御スイッチング素子を、電源1電圧ゼロの時点でON、引算器7で前記引き算をした結果が負であれば、各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tの各可制御スイッチング素子を、電源1電圧ゼロの時点でOFFにする制御を行う。
リセットタイミング発生回路10が発生する例えば0.8秒周期のリセット信号によってリセットされるリセット回路付き積分器5の出力と、出力指令設定器6の出力とを比較して各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tの各可制御スイッチング素子のON/OFFを制御することにより、基準となる出力指令値がステップ状に変化する出力指令設定器6の1周期後の出力指令値に対しての制御応答を速める。
その結果、間欠制御周期で、原子炉の加熱器の電熱ヒータ2の出力電力を、出力設定器6で設定された電力指令値に制御できることになり、制御応答速度を早くすることができ、従来装置のように原子炉の蒸気系統の圧力が下がった場合、早期に所期の蒸気圧に戻すまでに時間がかかり、また、加圧器の時定数が小さい例えば船舶用等の小型原子炉には不向きである等の課題を解決でき、安定した信頼性の高い原子炉の運転に資することができ、また、加圧器の時定数が小さい小型原子炉にも適用することができる。
ここで、前記「制御応答速度」とは、出力設定器6からの出力設定信号(出力電力指令)のステップ状の変化に対し、電熱ヒータ2の実際の出力電力(出力電力計測回路4で計測された電力)が出力設定信号値に対する或る決められた割合に達するまでの時間で定義され、例えば、出力電力指令が0→100%にステップ状に変化したとき、前記実際の出力電力が定格の90%になるまでの時間等である。
本実施の形態1における原子炉の加熱器の電熱ヒータ2の通電制御は、各相の可制御スイッチングユニット3R,3S,3Tの各可制御スイッチング素子のON/OFF制御を間欠制御で行い、しかも、各可制御スイッチング素子のON/OFF制御は位相制御せずに、電源電圧のゼロ点でON/OFFするので、電熱ヒータ2の出力電圧も電源1の電圧波形そのままの正弦波であり、電源ほか周辺機器に悪影響を及ぼす高調波、ノイズ等を発生しない。
以下この発明の実施の形態2を図3により説明する。
本実施の形態2は、前述の実施の形態1に信号反転回路11を付加し、この信号反転回路11で引算器7の出力信号の極性を反転させてリセット回路付き積分器5に入力しリセット回路付き積分器5の初期値とする事例である。
また、可制御スイッチング素子はサイリスタで例示しているが、IGBT、MOSFETやGTO、或いはその組み合わせによる構成でも同様の効果を奏する。
また、制御系の構成は、本発明の実施の形態1及び2の説明のために必要な最小限の機能のみを記入してあり、電力変換器として具備すべき機能は省略している。また記載の定数等も一例であり、この値にとらわれるものではないことは言うまでもない。
なお、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
2 原子炉の加圧器の電熱ヒータ、
3R,3S,3T 可制御スイッチングユニット、
4 出力電力計測回路、
5 リセット回路付き積分器、
6 出力指令設定器、
7 引算器、
8 比較器、
9 ゲートパルス発生器、
10 リセットタイミング発生回路、
11 信号反転回路。
Claims (4)
- 原子炉の加圧器の電熱ヒータの出力電力を、出力電力指令に基づいて可制御スイッチングユニットをON/OFF制御することによって制御する原子炉の加圧器のヒータ制御システムにおいて、
前記電熱ヒータの出力電力のフィードバック信号を入力とする積分器の出力と出力電力指令とを比較し、前記出力電力指令と前記積分器の出力との大きさの関係が前記出力電力指令>前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをONとし、前記出力電力指令<前記積分器の出力である期間において前記可制御スイッチングユニットをOFFとする間欠制御を行うことを特徴とする原子炉の加圧器のヒータ制御システム。 - 請求項1に記載の原子炉の加圧器のヒータ制御システムにおいて、前記間欠制御の周期で前記積分器がリセットされることを特徴とする原子炉の加圧器のヒータ制御システム。
- 請求項1または2に記載の原子炉の加圧器のヒータ制御システムにおいて、前記可制御スイッチングユニットが電源電圧のゼロ点でON/OFFされることを特徴とする原子炉の加圧器のヒータ制御システム。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の原子炉の加圧器のヒータ制御システムにおいて、前記間欠制御の周期での前記積分器のリセットのタイミング時点の前記積分器の出力と前記出力電力指令との差の出力を積分器の初期値としてセットすることを特徴とする原子炉の加圧器のヒータ制御システム。
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