JP5783889B2 - 受信装置及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、直交周波数分割多重された信号を受信する受信装置及び受信方法において、雑音や妨害の影響を軽減し、受信性能を向上する技術に関するものである。
直交周波数分割多重方式を用いて情報を無線伝送するシステムが通信、放送分野で実用化されている。直交周波数分割多重方式では、送信する情報(以下、「送信データ」ともいう)は複数のサブキャリアに割り振られ、各サブキャリアをQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)でデジタル変調した後、これらを互いに直交する周波数間隔に配置して伝送する。さらに、サブキャリアを受信側で復調する際に利用する信号として、既知信号(以下、「パイロットキャリア」ともいう)が特定のサブキャリアとして多重されている。実際には、これらの多重化されたサブキャリアは、逆フーリエ変換処理によって直交変換され、所望の送信周波数に周波数変換されて伝送される。
具体的には、送信時に送信する伝送データが各サブキャリアの変調方式に応じてマッピングされ、これらが逆フーリエ変換される。次に、逆フーリエ変換後の信号の最後部が信号の先頭にコピーされる。この部分はガードインターバルと呼ばれ、ガードインターバルを付加することによって、ガードインターバル長以下の遅延時間を有する遅延波があっても、受信側でシンボル間干渉することなく信号を再生できるようになる。
直交周波数分割多重方式では全てのサブキャリアは互いに直交するため、送信装置と受信装置の間でサブキャリア周波数の同期が確立した場合、送信データを正しく再生することができる。従って、直交周波数分割多重信号(以下、「OFDM信号」ともいう)を受信する受信装置では、OFDM信号を直交復調して所望の周波数帯域に周波数変換し、送信装置と受信装置の間のタイミング同期、サブキャリア周波数同期を確立しつつ、上記周波数変換した受信信号(以下、「時間ドメイン信号」ともいう)に対してフーリエ変換を行ってサブキャリア毎の受信信号を生成し、復調を行っている。
サブキャリア変調方式としてQPSKやQAMが採用されているOFDM信号を受信する従来の受信装置では、各サブキャリアを復調するため、例えば送信信号にあらかじめ挿入されているパイロット信号を用いて伝送路における各サブキャリアの振幅及び位相変動量を推定し(以下、「伝送路推定」ともいう)、その推定結果に基づいてサブキャリアの振幅及び位相を補正(以下、「等化」ともいう)する。
ところで、受信信号の品質を向上する技術として、空間ダイバーシチや時間ダイバーシチを用いたシステムが考えられる。これらのシステムは、信号を移動受信する場合特に有効な方法であり、例えば車載用の地上デジタル放送受信機でも空間ダイバーシチによる受信方式が広く採用されている。また、移動体による受信に限らず、受信性能の向上は共通の課題であり、その対策として時間ダイバーシチが可能なシステムも提案されている。
例えば、タイミングをずらした同じ信号を複数の異なる周波数又は偏波を使って送受信する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、時間ダイバーシチ効果を利用してガードインターバル長よりも遅延時間の大きな反射波の影響を軽減する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−297142号公報(第12頁、第1図) 特開2004−056552号公報(第15、16頁、第1、2、4図)
OFDMにおいて、時間ダイバーシチ技術によって雑音や妨害の影響軽減する従来の技術は、送信タイミングを時間的にずらした信号を複数の送信装置を使って伝送したり、同じ信号を2回繰り返して送信したりするなど、装置の規模が増大したり、送信データに対して冗長な信号を付加する必要があるなどの問題がある。
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、送信側で特別な処理を行うことなく、受信性能を向上できる受信装置及び方法を実現することを目的とする。
本発明の第1の態様の受信装置は、
周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信装置であって、
受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出部と、
上記偶数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出部と、
上記奇数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換部と、
上記第1の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分を加算して半シンボル長の和信号を生成し、出力する前後半加算部と、
上記第2の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分との差を求め、半シンボル長の差信号を生成し、出力する前後半減算部と、
上記前後半加算部で生成された上記和信号及び上記前後半減算部で生成された上記差信号をもとに、雑音や妨害の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する再結合部と、
上記再結合部の出力をフーリエ変換する再フーリエ変換部と、
上記再フーリエ変換部におけるフーリエ変換の結果得られた信号を復調して復調信号を生成する等化部と
を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の態様の受信装置は、
周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信装置であって、
受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出部と、
上記偶数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出部と、
上記奇数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部の出力を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定して推定結果を出力する遅延プロファイル推定部と、
上記遅延プロファイル推定部の出力を入力とし、ガードインターバル長よりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、上記フーリエ変換部に入力される遅延波成分のうち、シンボル間干渉を引き起こす成分が含まれている時間を算出して算出結果を出力するガードインターバル越え遅延時間検出部と、
上記ガードインターバル越え遅延時間検出部の出力、上記第1の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号及び上記第2の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号に基づいてシンボル間干渉の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する干渉抑圧部と、
上記干渉抑圧部の出力をフーリエ変換する再フーリエ変換部と、
上記再フーリエ変換部におけるフーリエ変換の結果得られる信号から復調信号を生成する等化部と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、送信側で同一の信号をずらして送信したり、複数回続けて同じ信号を送信したりするなど、冗長な装置や信号を付加することなく、受信性能を向上することができる。
この発明の実施の形態1の受信装置を示すブロック図である。 (a)〜(f)は、OFDM信号の時間ドメイン信号をサブキャリア成分毎に分解して示す図である。 (a)〜(c)は、OFDM信号の時間ドメイン信号1シンボル分を表す図である。 (a)及び(b)は、前後半加算部の出力及び前後半減算部の出力を示す図である。 図1の再結合部の構成例を表すブロック図である。 (a)〜(d)は、再結合部で生成される信号を示す図である。 この発明の実施の形態2の受信装置を示すブロック図である。 遅延プロファイル検出結果を表す図である。 この発明の実施の形態3の受信装置を示すブロック図である。 (a)〜(f)は、ガードインターバル長と同じ長さの遅延時間を持つ遅延波が存在する場合の時間ドメイン信号を表す図である。 (a)〜(f)は、ガードインターバル長よりも長い遅延時間を持つ遅延波が存在する場合の時間ドメイン信号を表す図である。 (a)及び(b)は、干渉抑圧部の処理を示す図である。 図9の干渉抑圧部の構成例を表すブロック図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による受信装置を示すブロック図である。図示の受信装置は、フーリエ変換部1、偶数番目サブキャリア抽出部2、第1の逆フーリエ変換部3、奇数番目サブキャリア抽出部4、第2の逆フーリエ変換部5、前後半加算部6、前後半減算部7、再結合部8、再フーリエ変換部9、及び等化部10を備える。
フーリエ変換部1には、受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる時間ドメイン信号Sinが入力され、送信側で付加されたガードインターバル長やヘッダ長を除く1シンボル(以下、「1有効シンボル」ともいう)長の信号に対し、フーリエ変換を行って周波数ドメインの信号D1を出力する。
ここで、OFDMの時間ドメイン信号の性質について図2(a)〜(f)及び図3(a)〜(c)を用いて説明する。但し、簡単のためOFDM信号に重畳されている雑音は無視できるものとする。OFDMは、互いに直交する複数のサブキャリアによって信号を伝送する方式であるため、時間ドメイン信号はそれらサブキャリア成分を重ね合わせた信号である。その有効シンボル長はサブキャリア間隔の逆数で表される。
各サブキャリア成分は、サブキャリア間隔の整数倍の周波数をもつ複素信号と考えることができる。従って、1有効シンボルをサブキャリア成分毎に分離して表すと、図2(a)〜(f)のようになる。但し、図中には簡単のため複素信号成分の虚部成分のみを表している。図から明らかなように、サブキャリア間隔の偶数倍の周波数を持つサブキャリア(図2(b)、(d)、(f))は、各有効シンボルの前半と後半が同じ波形になり、サブキャリア間隔の奇数倍の周波数を持つサブキャリア(図2(a)、(c)、(e))は、各有効シンボルの前半と後半が極性の異なる波形になる。
従って、OFDM信号からサブキャリア間隔の偶数倍の周波数を持つサブキャリア(以下、「偶数番目のサブキャリア」ともいう)成分のみを抽出すると、図3(b)に示すように、各シンボルの時間ドメイン信号の前半Epと後半Eqが同じ波形になり、サブキャリア間隔の奇数倍の周波数を持つサブキャリア(以下、「奇数番目のサブキャリア」ともいう)成分のみを抽出すると、図3(c)に示すように、各シンボルの時間ドメイン信号の前半Opと後半Oqが極性の異なる波形になるという性質がある。
そこで、本実施の形態では、フーリエ変換部1の出力(以下、「周波数ドメイン信号」ともいう)D1を偶数番目のサブキャリア成分と奇数番目のサブキャリア成分に分離し、それぞれの性質を利用してインパルス雑音を除去する。
そのために、偶数番目サブキャリア抽出部2は、フーリエ変換部1の出力D1を入力とし、そこに含まれている偶数番目のサブキャリア成分のみを抽出し、奇数番目のサブキャリア成分は0として出力する。
第1の逆フーリエ変換部3は、偶数番目サブキャリア抽出部2の出力D2を入力とし、フーリエ変換部1と同じポイント数の逆フーリエ変換を行って時間ドメインの信号D3を出力する。第1の逆フーリエ変換部3の出力D3は、時間ドメイン信号における全ての偶数番目のサブキャリア成分を重ね合わせた信号となる。
また、奇数番目サブキャリア抽出部4は、フーリエ変換部1の出力D1を入力とし、そこに含まれている奇数番目のサブキャリア成分D4のみを抽出し、偶数番目のサブキャリア成分は0として出力する。
第2の逆フーリエ変換部5は、奇数番目サブキャリア抽出部4の出力D4を入力とし、フーリエ変換部1と同じポイント数の逆フーリエ変換を行って時間ドメインの信号D5を出力する。第2の逆フーリエ変換部5の出力D5は、時間ドメイン信号における全ての奇数番目のサブキャリア成分を重ね合わせた信号となる。
次に、前後半加算部6は、第1の逆フーリエ変換部3から出力される各シンボルの信号D3の前半部分D3pと後半部分D3qの信号を加算し、1シンボルの半分の長さ(半シンボル長)LE/2の信号(和信号)D6(図4(a))を生成して出力する。このとき、図2(b)、(d)、(f)及び図3(b)に示したように、雑音成分以外の信号成分は前半と後半で同じ波形になるため、両者を加算することで、信号成分の振幅は2倍となる一方、雑音成分のみが互いのランダム性により抑圧される。
また、前後半減算部7は、第2の逆フーリエ変換部5から出力される各シンボルの信号D5の前半部分D5pから後半部分D5qを減算し、半シンボル長LE/2の信号(差信号)D7(図4(b))を生成して出力する。このとき、図2(a)、(c)、(e)及び図3(c)に示したように、雑音成分以外の信号成分は前半と後半で極性の異なる波形になるため、前半部分から後半部分を減算する処理は、言い換えると後半部分D5qの極性を反転したものを前半部分D5pに加算した信号を生成する処理であり、この処理によって、信号成分の振幅は2倍となる一方、雑音成分はそのランダム性の故に抑圧される。従って、雑音成分が抑圧された極性が前半部分と同じ信号が得られることになる。
再結合部8は、前後半加算部6の出力(和信号)D6と前後半減算部7の出力(差信号)D7を結合して、雑音や妨害の影響を抑圧した1シンボル長の信号D8を生成して出力する。
再結合部8は、例えば図5に示すように、第1及び第2の半シンボル記憶部80a及び80b、第1の繰り返し信号生成部81、第2の繰り返し信号生成部82、及びシンボル内加算部83を備える。
第1の半シンボル記憶部80aは、前後半加算部6の出力D6を入力とし、第2の半シンボル記憶部80bは、前後半減算部7の出力D7を入力とする。
第1の繰り返し信号生成部81は、前後半加算部6の出力D6及び前後半加算部6の出力を蓄積した第1の半シンボル記憶部80aの出力D80aを入力とし、第1の半シンボル記憶部80aの出力D80aと前後半加算部6の出力D6を連結することで、前後半加算部6から出力される半シンボル長の信号D6を前半部分及び後半部分に有する1シンボル長の信号を生成する。
第2の繰り返し信号生成部82は、前後半減算部7の出力D7及び前後半減算部7の出力を蓄積した第2の半シンボル記憶部80bの出力D80bを入力とし、第2の半シンボル記憶部80bの出力D80bと前後半減算部7の出力D7を極性反転した上でこれらを連結することで、前後半減算部7の出力D7を極性反転した信号及び極性反転しない信号の一方を前半部分に他方を後半部分に有する1シンボル長の信号D82を生成する。
シンボル内加算部83は、第1の繰り返し信号生成部81の出力D81及び第2の繰り返し信号生成部82の出力D82を入力とする。シンボル内加算部83の出力は再結合部8の出力D8である。
前後半加算部6から出力される和信号D6は、第1の半シンボル記憶部80aに書き込まれ、半シンボル期間経過後に読み出される。第1の繰り返し信号生成部81は、最初に前後半加算部6から出力される和信号D6を出力し、それに続いて、第1の半シンボル記憶部80aから読み出されたデータ(半シンボル期間前に書き込まれた和信号D6)を出力する。この結果、前後半加算部6から出力される半シンボル長の和信号D6が2回繰り返し出力されたのと同じ1シンボル長LEの信号D81が生成される。即ち、繰り返し信号生成部81の出力D81は、図6(a)に示すように、前後半加算部6の出力D6を前半及び後半に配置した1シンボル長LEの信号となる。
前後半減算部7から出力される差信号D7は、第2の半シンボル記憶部80bに書き込まれ、半シンボル期間経過後に読み出される。第2の繰り返し信号生成部82は、最初に前後半減算部7から出力される差信号D7を出力し、それに続いて、第2の半シンボル記憶部80bから読み出されたデータ(半シンボル期間前に書き込まれた差信号D7)を極性反転した上で出力する。この結果、最初に前後半減算部7から出力される半シンボル長の差信号D7がそのまま(極性反転せずに)出力され、それに続いて同じ差信号D7が極性反転した上で出力されたのと同じ1シンボル長LEの信号D82が生成される。即ち、繰り返し信号生成部82の出力D82は、図6(b)に示すように、前後半減算部7の出力D7をそのまま(極性反転せずに)前半に配置し、前後半減算部7の出力を極性反転した信号nD7を後半に配置した1シンボル長の信号となる。
シンボル内加算部83は、第1の繰り返し信号生成部81の出力D81と第2の繰り返し信号生成部82の出力D82を入力とし、それらを加算して1シンボル長の信号D8を生成して出力する。再結合部8の出力D8は、雑音成分が抑圧された時間ドメイン信号である。この結果、シンボル内加算部83から出力される信号D8は、図6(c)に示すように、前半部分がD6とD7の和、後半部分がD6とnD7の和となる。
再結合部8の出力D8は再フーリエ変換部9に入力され、再フーリエ変換部9によって再度周波数ドメイン信号D9に変換される。再フーリエ変換部9の出力D9は、等化部10によって例えば公知の方法で復調される。
尚、以上説明した前後半減算部7は、各シンボルの信号の前半部分D5pから後半部分D5qを減算して信号を生成しているが、各シンボルの信号の後半部分D5qから前半部分D5pを減算して(前半部分D5qの極性反転したものを後半部分D5qに加算して)信号D7を生成しても良い。この場合に生成される信号D7は、極性が後半部分と同じ信号である。また、この場合にも、前半部分D5pから後半部分D5qを減算した場合と同様に、雑音成分のみが互いにランダム性により抑圧され、振幅が2倍にされている。従って、それに対応するため、第2の繰り返し信号生成部82は、1回目は第2の半シンボル記憶部80bの出力D80bの極性を反転した信号を出力し、2回目は前後半減算部7の出力D7をそのまま(反転することなく)続けて出力するように構成する。即ち、この場合の繰り返し信号生成部82の出力D82は、図6(d)に示すように、前後半減算部7の出力を極性反転した信号nD7を前半に配置し、前後半減算部7の出力D7をそのまま(極性反転せずに)後半に配置した1シンボル長の信号であり、シンボル内加算部83から出力される信号D8は、図6(e)に示すように、前半部分がD6とnD7の和、後半部分がD6とD7の和となる。
以上に示したように、本発明の実施の形態1によれば、送信側で同一の信号をずらして送信したり、複数回続けて同じ信号を送信したりするなど、冗長な装置や信号を付加することなく、受信側で時間ダイバーシチ効果を得ることができる
という効果がある。
実施の形態2.
次に、雑音を抑圧した信号を再フーリエ変換した信号と、雑音抑圧処理を実施していない信号を選択したうえで信号を復調する実施の形態を示す。
図7はこの発明の実施の形態2による受信装置を示すブロック図である。図7において、符号1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10は、実施の形態1で示したものと同じ部材を示す。図7の受信装置はさらに、遅延プロファイル推定部11、ガードインターバル越え遅延波判定部12、遅延調整部13、及び信号選択部14を備える。
符号1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10で示す部材の動作は実施の形態1で説明したのと同様である。但し、等化部10は信号選択部14の出力を入力とする。
遅延プロファイル推定部11は、フーリエ変換部1の出力D1を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定してプロファイルの推定結果を示す信号D11を出力する。遅延プロファイルの推定については、パイロット信号を使用した推定方法が従来から提案されており、ここでは概要のみを説明する。まず、フーリエ変換部1の出力D1からパイロット信号を抽出する。次に、抽出したパイロット信号を当該パイロット信号に関する既知情報(送信時の位相、振幅等)で除算し、パイロット信号に対する伝送路応答を算出する。
例えば、日本の地上デジタルTV放送方式で使用されているスキャッタードパイロット方式では、パイロット信号が周波数及び時間方向に規則的に分散して挿入されている。従って、パイロット信号以外のサブキャリア成分に対して伝送路応答を得るため、パイロット信号に対する伝送路応答に基づく内挿処理する。例えば、時間方向に内挿処理を行う。内挿された伝送路応答を逆フーリエ変換することにより、到来波成分を得ることができる。続いて、各成分の振幅の2乗値を算出することで各到来波の電力に比例した値を持つ信号を得ることができる。このようにして得られた信号が、遅延プロファイルの推定結果となる。
例えば、図8は、推定した遅延プロファイルを表している。図中、最も信号電力の大きな成分は主波W0を表し、主波W0に対する遅延時間がT1である第1の遅延波W1、主波W0に対する遅延時間がT2である第2の遅延波W2が表されている。この図の場合、第1の遅延波W1は主波W0からの遅延時間T1がガードインターバル長LGよりも短いため、復調にあたって妨害成分にはならない。一方、第2の遅延波W2は主波W0からの遅延時間T2がガードインターバル長LGよりも長いため、復調にあたってシンボル間干渉を引き起こす妨害成分になる。
次に、ガードインターバル越え遅延波判定部12は、遅延プロファイル推定部11の出力D11を入力とし、別途定められた判定閾値Th12と比較してシンボル間干渉による妨害の大きさを判定する。
例えば、遅延時間がガードインターバル長よりも大きな成分に対し、ガードインターバル長を越えた時間、すなわち、図8におけるシンボル間干渉時間LIとその電力をシンボル毎に求め、その積(シンボル間干渉時間LIとその電力の積)を算出することでシンボル間干渉成分(妨害成分)の大きさを評価する。シンボル間干渉成分が複数ある場合は、それらの評価結果を加算する。このようにして得られた各シンボルについての評価結果が、判定閾値Th12に対して大きいか否かを判断し、判断結果に基づく制御信号D12を出力する。この制御信号D12は、上記の積が、判定閾値Th12よりも大きい場合は遅延調整部13から出力される当該シンボルの信号D13を、そうでない場合は再フーリエ変換部9から出力される当該シンボルの信号D9を選択するよう、信号選択部14を制御するものである。
判定閾値Th12は、例えば事前の測定やシミュレーションによって予め効果を評価したうえで定めても良いし、等化後の誤り率から妨害抑圧の効果を判断しながら変化する制御信号により判定閾値を定めても良い。また、受信信号に含まれる雑音を推定する別途用意された手段の結果をもとに生成しても良い。
遅延調整部13は、フーリエ変換部1の出力を所定の時間遅延する。ここで言う所定の時間は、偶数番目サブキャリア抽出部2、第1の逆フーリエ変換部3、及び前後半加算部6、若しくは奇数番目サブキャリア抽出部4、第2の逆フーリエ変換部5、及び前後半減算部7、並びに再結合部8、及び再フーリエ変換部9を経て信号選択部14に至る経路における信号処理時間に相当する時間であり、このようにすることで信号選択部14に入力される信号を同期させている。
信号選択部14は、ガードインターバル越え遅延波判定部12の出力D12に従って遅延調整部13の出力D13あるいは再フーリエ変換部9の出力D9をシンボル毎に選択して出力する。
以上に示したように、本発明の実施の形態2によれば、シンボル間干渉が存在している伝送路とそうでない伝送路とで、復調する信号を切り替えるよう構成したため、シンボル間干渉の影響によって雑音抑圧処理がかえって復調信号の品質を劣化させる事態を回避し、効果的に受信性能を向上することができる。
実施の形態3.
次に、シンボル間干渉によって生じる性能劣化を抑えるよう構成した実施の形態を示す。
図9はこの発明の実施の形態3による受信装置を示すブロック図である。図9において、符号1、2、3、4、5、9、10及び11で示す部材は実施の形態2で示したものと同じである。図9の受信装置はまた、ガードインターバル越え遅延時間検出部15、及び干渉抑圧部16を備える。
符号1、2、3、4、5、9、10及び11で示す部材の動作は実施の形態1及び実施の形態2に関して説明したのと同様である。但し、再フーリエ変換部9は、干渉抑圧部16の出力に対してフーリエ変換を実施する。
ガードインターバル越え遅延時間検出部15は、遅延プロファイル推定部11の出力D11を入力とし、ガードインターバル長LGよりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、フーリエ変換部1に入力される遅延波成分のうち、シンボル間干渉を引き起こす成分が含まれている時間を算出して出力する。シンボル間干渉を引き起こす成分が含まれている時間とは、フーリエ変換部1が実際にフーリエ変換処理を施す区間が有効シンボル区間に一致する場合、有効シンボル区間のうち、隣接するシンボルの遅延波が混入する部分であり、図8にシンボル干渉時間LIとして示す。
ここで、遅延波が存在する場合の時間ドメイン信号について、図10(a)〜(f)及び図11(a)〜(f)を用いて説明する。図10(a)〜(f)は、遅延波の遅延時間がガードインターバル長と一致する場合のOFDM信号(時間ドメイン信号)を主波と遅延波に分離して示したものである。更に、同図では、主波、遅延波をそれぞれ偶数番目サブキャリア成分(図10(c)、(d))、奇数番目サブキャリア成分(図10(e)、(f))に分けて示している。
OFDM信号は、有効シンボルの最後尾をガードインターバルとして付加しているため、遅延波が図10(b)、(d)、(f)のように存在する場合であっても、主波と遅延波が重なり合った受信信号には隣接する別のシンボルの成分が含まれないため、フーリエ変換区間が有効シンボル区間と一致していればシンボル間干渉は発生しない。このとき、前述の通り、偶数番目のサブキャリア成分の主波(図10(c))は、図示したように有効シンボルの前半と後半で同じ波形になる。また、偶数番目のサブキャリア成分の遅延波(図10(d))も、有効シンボル区間の前半と後半で同じ波形になるため、それらを重ね合わせた信号成分ははやり前半と後半の波形が一致する。
一方、奇数番目のサブキャリア成分の主波(図10(e))は、前述の通り有効シンボルの前半と後半で極性が異なる波形になる。また、奇数番目のサブキャリア成分の遅延波(図10(f))も、有効シンボル区間の前半と後半で極性が異なる波形になるため、それらを重ね合わせた信号成分はやはり前半と後半で極性が異なる波形になる。すなわち、遅延時間がガードインターバル区間よりも短い場合は、偶数番目のサブキャリア成分と奇数番目のサブキャリア成分の持つ性質は有効シンボル区間内では遅延波がない場合と同様である。
しかし、図11(a)〜(f)に示したように、遅延波の遅延時間がガードインターバル長を越えると、信号の前半部分の先頭部分に隣接シンボルの成分が混入するため、上記のような性質が得られにくくなる。
そこで、干渉抑圧部16は、ガードインターバル越え遅延時間検出部15から出力されるシンボル間干渉時間の情報D15をもとに、シンボル間干渉の影響を受けている信号の波形を後半部分の信号を用いて代用または生成し、シンボル間干渉の影響を抑圧する。
例えば、図11(b)、(d)、(f)のような遅延波が存在する場合は、ガードインターバル越え遅延時間検出部15からはシンボル間干渉時間Xを示す信号D15が出力される。
干渉抑圧部16は、図12(a)に示すように、第1の逆フーリエ変換部3の出力D3の後半部分D3qから干渉を受けた部分Xに対応する部分Aの信号を抽出し、干渉を受けた部分Xの信号の代わりに抽出した信号Aを出力し、また、図12(b)に示すように、第2の逆フーリエ変換部5の出力D5の後半部分D5qから干渉を受けた部分Xに対応する部分Bの信号を抽出し、干渉を受けた部分Xの信号の代わりに抽出した信号Bの極性を反転した信号nBを出力する。
抽出される信号Aは、後半部分D3qの先頭から、干渉時間Xと同じ時間幅の部分の信号であり、抽出される信号Bは、後半部分D5qの先頭から、干渉時間Xと同じ時間幅の部分の信号である。
干渉抑圧部16は、例えば図13に示すように、第1の信号再構成部160、第2の信号再構成部161及びシンボル内加算部162を備える。
第1の信号再構成部160は、ガードインターバル越え遅延時間検出部15の出力D15及び第1の逆フーリエ変換部3の出力D3を入力とし、ガードインターバル越え遅延時間検出部15から出力されるシンボル間干渉時間の情報D15に従って第1の逆フーリエ変換部3の出力D3に含まれるシンボル間干渉成分(図11(d)において符号Xで示す部分)を除去し、第1の逆フーリエ変換部3の出力の後半部分D3qから信号Xと同じ長さで、対応する位置にある信号Aを抽出し、信号Xを信号Aで置き換え、その結果得られる信号D160(図12(a))を出力する。
また、第2の信号再構成部161は、ガードインターバル越え遅延時間検出部15の出力D15及び第2の逆フーリエ変換部5の出力D5を入力とし、ガードインターバル越え遅延時間検出部15から出力されるシンボル間干渉時間の情報D15に従って第2の逆フーリエ変換部5の出力D5に含まれるシンボル間干渉成分(図11(f)において符号Xで示す部分)を除去し、第2の逆フーリエ変換部5の出力D5の後半部分D5qから信号Xと同じ長さで、対応する位置にある信号Bを抽出し、信号Xを、信号Bの極性を反転した信号nBで置き換え、その結果得られる信号D161(図12(b))を出力する。
シンボル内加算部162は、図5のシンボル内加算部83と同様に、第1の信号再構成部160の出力D160と第2の信号再構成部161の出力D161を加算して加算結果を出力する。シンボル内加算部162の出力はシンボル間干渉を抑圧した時間ドメイン信号であり、干渉抑圧部16の出力D16となる。
干渉抑圧部16の出力D16は、実施の形態1で説明したのと同様に、再フーリエ変換部9によって再度周波数ドメイン信号D9に変換され、等化部10によって復調される。
以上に示したように、本発明の実施の形態3によれば、
伝送路において遅延波の遅延時間がガードインターバル長を越え、シンボル間干渉が発生している場合であっても、受信側でこの影響を抑圧して受信性能を向上することができる。
以上本発明を受信装置として説明したが、受信装置により実施される受信方法も本発明の一部を成す。
1 フーリエ変換部、 2 偶数番目サブキャリア抽出部、 3 第1の逆フーリエ変換部、 4 奇数番目サブキャリア抽出部、 5 第2の逆フーリエ変換部、 6 前後半加算部、 7 前後半減算部、 8 再結合部、 9 再フーリエ変換部、 10 等化部、 11 遅延プロファイル推定部、 12 ガードインターバル越え遅延波判定部、 13 遅延調整部、 14 信号選択部、 15 ガードインターバル越え遅延時間検出部、 16 干渉抑圧部、 160 第1の信号再構成部、 161 第2の信号再構成部、 162 シンボル内加算部。

Claims (12)

  1. 周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信装置であって、
    受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換部と、
    上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出部と、
    上記偶数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換部と、
    上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出部と、
    上記奇数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換部と、
    上記第1の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分を加算して半シンボル長の和信号を生成し、出力する前後半加算部と、
    上記第2の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分との差を求め、半シンボル長の差信号を生成し、出力する前後半減算部と、
    上記前後半加算部で生成された上記和信号及び上記前後半減算部で生成された上記差信号をもとに、雑音や妨害の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する再結合部と、
    上記再結合部の出力をフーリエ変換する再フーリエ変換部と、
    上記再フーリエ変換部におけるフーリエ変換の結果得られた信号を復調して復調信号を生成する等化部と
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 上記再結合部は、
    上記前後半加算部で生成された上記和信号を前半及び後半に有する1シンボル長の信号を生成する第1の繰り返し信号生成部と、
    上記前後半減算部で生成された上記差信号を極性反転した信号及び極性反転しない信号の一方を前半に他方を後半に有する1シンボル長の信号を生成する第2の繰り返し信号生成部と、
    上記第1の繰り返し信号生成部の出力と上記第2の繰り返し信号生成部の出力を加算して1シンボル長の信号を生成するシンボル内加算部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 上記再結合部は、
    上記前後半加算部で生成された上記和信号を記憶する第1の半シンボル記憶部と、
    上記前後半減算部で生成された上記差信号を記憶する第2の半シンボル記憶部とをさらに有し、
    上記第1の繰り返し信号生成部は、
    上記第1の半シンボル記憶部の出力と上記前後半加算部の出力とを入力とし、上記前後半加算部で生成された上記和信号を前半部分及び後半部分に有する1シンボル長の信号を生成し、
    上記第2の繰り返し信号生成部は、
    上記第2の半シンボル記憶部の出力と上記前後半減算部の出力とを入力とし、上記前後半減算部で生成された上記差信号を極性反転した信号及び極性反転しない信号の一方を前半部分に他方を後半部分に有する1シンボル長の信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
  4. 上記フーリエ変換部の出力を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定し、推定結果を出力する遅延プロファイル推定部と、
    上記遅延プロファイル推定部の出力を入力とし、ガードインターバル長よりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、別途定められた判定閾値と比較して妨害の大きさを判定して判定結果を出力するガードインターバル越え遅延波判定部と、
    上記フーリエ変換部の出力を所定の時間遅延する遅延調整部と、
    上記ガードインターバル越え遅延波判定部の出力が、妨害成分が上記判定閾値よりも大きいとの判定結果を示している場合には上記遅延調整部の出力を、そうでない場合には上記再フーリエ変換部の出力を選択して出力する信号選択部とを更に備え、
    上記等化部は、上記信号選択部の出力を入力として復調を行う
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の受信装置。
  5. 周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信装置であって、
    受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換部と、
    上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出部と、
    上記偶数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換部と、
    上記フーリエ変換部の出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出部と、
    上記奇数番目サブキャリア抽出部の出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換部と、
    上記フーリエ変換部の出力を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定して推定結果を出力する遅延プロファイル推定部と、
    上記遅延プロファイル推定部の出力を入力とし、ガードインターバル長よりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、上記フーリエ変換部に入力される遅延波成分のうち、シンボル間干渉を引き起こす成分が含まれている時間を算出して算出結果を出力するガードインターバル越え遅延時間検出部と、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出部の出力、上記第1の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号及び上記第2の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号に基づいてシンボル間干渉の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する干渉抑圧部と、
    上記干渉抑圧部の出力をフーリエ変換する再フーリエ変換部と、
    上記再フーリエ変換部におけるフーリエ変換の結果得られる信号から復調信号を生成する等化部と
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  6. 上記干渉抑圧部は、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出部の出力に従って、上記第1の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分におけるシンボル間干渉の影響を受けた
    信号を、当該シンボルの信号の後半部分内の対応する位置にある信号で置き換え、1シンボル長の信号を再構成して再構成結果を出力する第1の信号再構成部と、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出部の出力に従って、上記第2の逆フーリエ変換部から出力される各シンボルの信号の前半部分におけるシンボル間干渉の影響を受けた信号を、当該シンボルの信号の後半部分内の対応する位置にある信号を、極性反転させることで生成した信号で置き換え、1シンボル長の信号を再構成して再構成結果を出力する第2の信号再構成部と、
    上記第1の信号再構成部の出力と上記第2の信号再構成部の出力を加算して加算結果を出力するシンボル内加算部と
    を備えたことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
  7. 周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信方法であって、
    受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出ステップと、
    上記偶数番目サブキャリア抽出ステップの出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出ステップと、
    上記奇数番目サブキャリア抽出ステップの出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換ステップと、
    上記第1の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分を加算して半シンボル長の和信号を生成し、出力する前後半加算ステップと、
    上記第2の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号の前半部分と後半部分との差を求め、半シンボル長の差信号を生成し、出力する前後半減算ステップと、
    上記前後半加算ステップで生成された上記和信号及び上記前後半減算ステップで生成された上記差信号をもとに、雑音や妨害の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する再結合ステップと、
    上記再結合ステップの出力をフーリエ変換する再フーリエ変換ステップと、
    上記再フーリエ変換ステップにおけるフーリエ変換の結果得られた信号を復調して復調信号を生成する等化ステップと
    を備えたことを特徴とする受信方法。
  8. 上記再結合ステップは、
    上記前後半加算ステップで生成された上記和信号を前半及び後半に有する1シンボル長の信号を生成する第1の繰り返し信号生成ステップと、
    上記前後半減算ステップで生成された上記差信号を極性反転した信号及び極性反転しない信号の一方を前半に他方を後半に有する1シンボル長の信号を生成する第2の繰り返し信号生成ステップと、
    上記第1の繰り返し信号生成ステップの出力と上記第2の繰り返し信号生成ステップの出力を加算して1シンボル長の信号を生成するシンボル内加算ステップと
    を備えることを特徴とする請求項7に記載の受信方法。
  9. 上記再結合ステップは、
    上記前後半加算ステップで生成された上記和信号を記憶する第1の半シンボル記憶ステップと、
    上記前後半減算ステップで生成された上記差信号を記憶する第2の半シンボル記憶ステップとをさらに有し、
    上記第1の繰り返し信号生成ステップは、
    上記第1の半シンボル記憶ステップの出力と上記前後半加算ステップの出力とを入力とし、上記前後半加算ステップで生成された上記和信号を前半部分及び後半部分に有する1シンボル長の信号を生成し、
    上記第2の繰り返し信号生成ステップは、
    上記第2の半シンボル記憶ステップの出力と上記前後半減算ステップの出力とを入力とし、上記前後半減算ステップで生成された上記差信号を極性反転した信号及び極性反転しない信号の一方を前半部分に他方を後半部分に有する1シンボル長の信号を生成する
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信方法。
  10. 上記フーリエ変換ステップの出力を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定し、推定結果を出力する遅延プロファイル推定ステップと、
    上記遅延プロファイル推定ステップの出力を入力とし、ガードインターバル長よりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、別途定められた判定閾値と比較して妨害の大きさを判定して判定結果を出力するガードインターバル越え遅延波判定ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力を所定の時間遅延する遅延調整ステップと、
    上記ガードインターバル越え遅延波判定ステップの出力が、妨害成分が上記判定閾値よりも大きいとの判定結果を示している場合には上記遅延調整ステップの出力を、そうでない場合には上記再フーリエ変換ステップの出力を選択して出力する信号選択ステップとを更に備え、
    上記等化ステップは、上記信号選択ステップの出力を入力として復調を行う
    ことを特徴とする請求項7から9までのいずれか1項に記載の受信方法。
  11. 周波数分割多重信号を受信し、送信データを再生する受信方法であって、
    受信信号を所望の周波数に周波数変換することで得られる第1の時間ドメイン信号をフーリエ変換して周波数ドメインの信号を出力するフーリエ変換ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の偶数倍のサブキャリア成分を抽出する偶数番目サブキャリア抽出ステップと、
    上記偶数番目サブキャリア抽出ステップの出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第1の逆フーリエ変換ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力のうち、サブキャリア周波数がサブキャリア間隔の奇数倍のサブキャリア成分を抽出する奇数番目サブキャリア抽出ステップと、
    上記奇数番目サブキャリア抽出ステップの出力を逆フーリエ変換して時間ドメインのシンボル毎の信号を出力する第2の逆フーリエ変換ステップと、
    上記フーリエ変換ステップの出力を入力とし、伝送路の遅延プロファイルを推定して推定結果を出力する遅延プロファイル推定ステップと、
    上記遅延プロファイル推定ステップの出力を入力とし、ガードインターバル長よりも長い遅延時間をもつ遅延波成分を検出し、上記フーリエ変換ステップに入力される遅延波成分のうち、シンボル間干渉を引き起こす成分が含まれている時間を算出して算出結果を出力するガードインターバル越え遅延時間検出ステップと、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出ステップの出力、上記第1の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号及び上記第2の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号に基づいてシンボル間干渉の影響を抑圧した1シンボル長の信号を出力する干渉抑圧ステップと、
    上記干渉抑圧ステップの出力をフーリエ変換する再フーリエ変換ステップと、
    上記再フーリエ変換ステップにおけるフーリエ変換の結果得られる信号から復調信号を生成する等化ステップと
    を備えたことを特徴とする受信方法。
  12. 上記干渉抑圧ステップは、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出ステップの出力に従って、上記第1の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号の前半部分におけるシンボル間干渉の影響を受けた信号を、当該シンボルの信号の後半部分内の対応する位置にある信号で置き換え、1シンボル長の信号を再構成して再構成結果を出力する第1の信号再構成ステップと、
    上記ガードインターバル越え遅延時間検出ステップの出力に従って、上記第2の逆フーリエ変換ステップから出力される各シンボルの信号の前半部分におけるシンボル間干渉の影響を受けた信号を、当該シンボルの信号の後半部分内の対応する位置にある信号を、極性反転させることで生成した信号で置き換え、1シンボル長の信号を再構成して再構成結果を出力する第2の信号再構成ステップと、
    上記第1の信号再構成ステップの出力と上記第2の信号再構成ステップの出力を加算して加算結果を出力するシンボル内加算ステップと
    を備えたことを特徴とする請求項11に記載の受信方法。
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