JP5781856B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents
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そこで、パンツ型紙おむつの側壁にフラップ状の持ち手を設けた技術が開発されている(特許文献1参照)。又、吸収性物品の前側及び後側に複数の指先係合部を設けた技術が開発されている(特許文献2参照)。
さらに、本出願人は、長尺シート部材を折り返してパンツ型紙おむつの上端周縁部に被せて指を掛けるポケットを形成した技術を開発した(特許文献3参照)。
前記第1折り返し部よりも先端側の前記外装シートの端部自身が第2折り返し点でさらに上に向かって折り返され、前記第2折り返し点より先端側の前記外装シートの端部が固定されずにフラップ部を形成し、該フラップ部の端縁が前記第1折り返し点よりも上側に突出している。
このような構成とすると、パンツ型吸収性物品を構成する外装シートの端部を折り返して持ち手を形成することで、パンツ型吸収性物品と別体の持ち手を用意する必要がなく、部品点数を増やさずに生産性が向上する。さらに、伸縮性を有する外装シートの端部を利用して持ち手を形成することで、持ち手35自身も周方向に伸縮性を有するので、パンツ型吸収性物品の腰部開口の伸縮性が損なわれず、装着感に優れる。又、持ち手自身が伸縮することで、持ち手に指を掛けるときのホールド感が向上する。
又、第1折り返し点が隠れて意匠性が高くなると共に、持ち手に指を掛けた際に第1折り返し点にフラップ部を介して指が当たり、尖った第1折り返し点に直接指が当たったときの不快感を防止する。
図1は、本発明の実施形態に係るパンツ型吸収性物品200の外観を示す斜視図であり、図2、図3はそれぞれ図1のC−C線、B−B線に沿う断面図である。なお、パンツ型吸収性物品200を着用したときに着用者の腹側となる位置を「前」又は「前側」と称し、着用者の背側となる位置を「後」又は「後側」と称する。又、パンツ型吸収性物品200を着用したときに着用者の肌側となる面を「内側」と称する。
図3に示すように、吸収本体部10は、液透過性のトップシート4と、液不透過性のバックシート6と、トップシート4とバックシート6の間に配置される吸収体2とを備え、トップシート4を着用者側に向けている。さらに、バックシート6の幅方向両側縁の外側からトップシート4の上に向かい、尿漏れを防止するサイドシート8が立ち上がっている。
サイドシート8の立ち上がり先端部の内側にゴム紐を伸長状態で貼着する等によって、サイドシート8は縮むように付勢され、サイドシート8の形状を保っている。なお、サイドシート8の立ち上がり先端部に弾性部材を配置し、弾性部材の弾性力によってサイドシート8を立体的に展張して立ち上がらせてもよい。
吸収体2は、木材パルプフラッフのような、フラッフのウェブの親水性繊維マトリックスを、公知の高吸水性樹脂(SAP)の粒子と混合して形成すればよい。又、吸収体2表面にエンボスを施すと、尿等の拡散をコントロールすると共に、使用者の体型に応じて吸収体2が容易に変形するので好ましい。フラッフとしては、木材パルプフラッフの代わりに合成繊維、ポリマー繊維などを使用してもよい。又、木材パルプフラッフとしては、嵩が低く、解繊装置の所要動力(パルプをフラッフ化する際の解繊機の消費電力)が抑えられるトリートメントパルプを用いることが好ましい。
バックシート6は、吸収体2内において保持している液体などが下着に漏れないような防水性を有する液不透過性の材料から形成されていればよく、ポリエチレンフィルムなどの薄いプラスチックフィルムとすることができるが、着用中にカサカサした音がしやすく、柔らかさを付与するよう、バックシート6にマイクロエンボスを施したり、プラスチックフィルムの外側に不織布を貼合わせたクロスライクバックシートを用いることもできる。
サイドシート8は、バックシート6と同様の材料から形成することができ、撥水性の不織布から形成してもよく、ポリプロピレン製のスパンボンド不織布や、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布との積層物などを用いることができる。
又、股間部は、着用者の尿及び大便を排泄する部位をいう。前側領域21及び後側領域22の接続方法は、後述する溶着の他、接着等が挙げられるが、溶着が好ましい。
同様に、脚部開口202、203の周縁には、外装シート20の内側にゴム紐を貼着して伸縮性を付与した脚部伸縮部202a、203aがそれぞれ形成されている。
なお、この例では、周方向に溶着部40が10個形成され、持ち手35も10個形成されている。又、各持ち手35の周方向の幅(間隔W1)を一定とし、周方向に等間隔で持ち手35を形成してもよく、各持ち手35の周方向の幅が異なっていてもよい。
又、溶着部40を形成するための溶着は複数の樹脂部材を加熱して一体化する方法であり、ヒーターを使用した熱溶着、超音波エネルギーにより摩擦熱を発生させて溶着させる超音波溶着、振動溶着、電磁誘導を用いる誘導溶着、高周波溶着等が挙げられる。
なお、この実施形態では、上下に細長い溶着部40が形成されているが、後述するように溶着部40を種々の形状とすることができる。
なお、溶着部40の周方向の幅は3〜15mmであることが好ましく、5〜7mmであるとより」好ましい。溶着部40の周方向の幅が3mm未満であると溶着部40のシール強度が不足し、幅が15mmを超えると、持ち手35に指を掛けた際に硬い溶着部40に触れやすく肌触りが劣化する。
又、重なり部23は外装シート20が二重になっていて硬いため、この部分に溶着部40を設けるとさらに硬くなって着用感が劣るので、重なり部23を避けて溶着部40を設けることが好ましい
なお、外装シート20の「先端」側とは、外装シート20を第1折り返し点P1及び第2折り返し点P2で折り返さない状態で、脚部開口202、203から遠い側をいう。
なお、図4に示すように、第1折り返し点P1で折り返す前に、内装シート25及び補助シート27の先端縁より外装シート20の先端縁が突出し、この突出部のうち溶着部40より上側部分がフラップ部38となる。そして、第1折り返し点P1及び第2折り返し点P2で折り返されたこれら外装シート20、内装シート25、及び補助シート27の積層部が溶着部40で固定される。
なお、内装シート25及び補助シート27を用いずに外装シート20単層を用いる場合には、外装シート20を第2折り返し点P2折り返した際に溶着部40より上側部分がフラップ部38となる。
又、第1折り返し部30の上下方向の長さL(図2参照)は20mm以上45mm以下が好ましい。長さLが20mmより短いと持ち手35に指が掛かり難く45mmを超えると、着用者の腰周りが蒸れ易くなる。Lを25〜35mmとするとより好ましい。
間隔W1は20mm以上100mm以下が好ましい。W1が20mmより狭いと、ポケットとなる持ち手35に指が入り難く、100mmを超えると持ち手35が捲くれやすくなる。より好ましくは、W1は40〜90mmである。なお、W1の値は、外装シート20が無負荷状態で収縮した時の値である。
さらに、LとW1の比であるL:W1=1:1〜1:2とすることが好ましい。
又、溶着部41は、上下に細長い小溶着部を周方向に3つ並べて形成されている。このように複数の小溶着部を離間させて溶着部41を形成すると、小溶着部の間では溶着されずに外装シート20の柔軟性が確保されるので、全体が1つの溶着部である溶着部40に比べて腰周りがごわごわし難いという利点がある。
4 トップシート
6 バックシート
10 吸収本体部
20 外装シート
21 前側領域
22 後側領域
30 第1折り返し部
35 持ち手
38 フラップ部
40〜43 溶着部
200 パンツ型吸収性物品
201 腰部開口
202、203 一対の脚部開口
P1 第1折り返し点
P2 第2折り返し点
W1 溶着部の間隔
Claims (2)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収体とを備え、前記トップシートを着用者側に向けて該着用者の股間部を前後から覆う吸収本体部と、
前記バックシートの外側で前記本体部に重なりつつ該本体部の周囲に延び、着用者の腹側で腰及び股間部を覆う前側領域と、着用者の背側で腰及び股間部を覆う後側領域とを備え、周方向に伸縮する腰部開口及び一対の脚部開口を形成する外装シートと、
を有するパンツ型吸収性物品であって、
前記腰部開口に対向する前記外装シートの端部を第1折り返し点で下に向かって折り返して第1折り返し部を形成し、前記第1折り返し部の周方向に間隔を開けた所定位置を溶着することで形成される持ち手をさらに備え、
前記持ち手が前記腰部開口の伸縮に伴って周方向に伸縮性を有すると共に、
前記第1折り返し部よりも先端側の前記外装シートの端部自身が第2折り返し点でさらに上に向かって折り返され、前記第2折り返し点より先端側の前記外装シートの端部が固定されずにフラップ部を形成し、該フラップ部の端縁が前記第1折り返し点よりも上側に突出しているパンツ型吸収性物品。 - 前記間隔が20〜100mmである請求項1記載のパンツ型吸収性物品。
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