JP5781799B2 - プーリ - Google Patents

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本発明は、樹脂本体の内周部分に金属ブッシュをインサートしたプーリに係り、特に内周部分の金属ブッシュと外周部分の樹脂部分との結合力を向上させたプーリに関する。
車両用のプーリは、軽量化のため、内周部分に金属ブッシュを配置し、外周部分に樹脂を配置したプーリが製造・販売などされている。この種のものが特許文献1に開示されている。特許文献1の図1及び図2に記載されているように、樹脂プーリ本体bの嵌合部6に嵌合している金属製ボスaの外向き環状部4の外周部分において、反オフセット方向X’側の肩部全周にわたって、軸方向幅が外向き環状部4の肉厚のほぼ半分にわたる上半断面ほぼL字形の環状段差部4bが形成されている。
そして嵌合部6は、環状段差部4bを埋め、且つ外向き環状部4を挟持する状態で嵌合されるように、上半断面がほぼ逆さ凹状に形成されているものとなっている。ところで、特許文献1では、経時的に嵌合部6が破断し、金属製ボスaと樹脂プーリ本体bとが分離するおそれがあることが記載され、嵌合部6の破断は強度的に比較的弱いウェルド部において放射方向にクラック60が入ることから始まることが記載されている。
次の段階では、特許文献1の図4に記載されたように、放射方向のクラック60と隣接するクラック60との間で、嵌合部6に周方向のクラック62が発生する。なお、上記の放射方向のクラック60も周方向のクラック62も、嵌合部6の両側の面取り4a1,4a2で均等に生じるのではなく、反オフセット方向X’側の面取り4a2に発生する場合がほとんどであり、オフセット方向X側の面取り4a1にクラックはほとんど生じないものとなっている(特許文献1の図5参照).
これは、インジェクションゲートを補強リブ12側(すなわちオフセット方向X側)に配置したことにより、ウェルド部は軸方向反対側である反オフセット方向X’側に形成され、且つクラックは一般的に言って引っ張られる側のエッジ部を基点に発生することが多いためである。引っ張られる側のエッジ部を特許文献1に当てはめると、複数個の凸部4aの最外周縁のことであり、特許文献1の図5で言えば2つ記載されたクラック60のうち上側に記載されたクラックのことである。
上記クラックの発生を防止するため、特許文献1では厚肉嵌合部分6bが形成されている。このように樹脂を厚くすることによってクラックの発生を防止しているが、樹脂を厚くすることにより樹脂プーリとしての重量が増えてしまい、狙いである樹脂による軽量化の意味が少なくなってしまう。
また、別の観点として特許文献1の構成では、薄肉嵌合部分6aは外向き環状部4を軸方向に挟み込んではいるものの、径方向に見ると薄肉嵌合部分6aの内周側には特に支えが無く自由端であるため、特許文献1のようにオフセットされたベルト荷重に対する強度は低いものとしかなり得ない。上記強度不足を補強するために特許文献1では、樹脂プーリ本体bに補強リブ12が一体形成されているが、一般にプーリにリブを形成するとプーリが回転した時に風切り音等の発生により運転手に不快感を与えてしまう恐れがあるため好ましくない。ここで、ウェルド部というのは、プーリのインサート成形時において、あるゲートからキャビティ内に射出された溶融樹脂が他のゲートからの溶融樹脂と合流した部分である。
実開平5−22923号
前述したようにウェルド部は、樹脂としては一体となっているが、配合されたガラス繊維の方向が異なっていたり、低温化した溶融樹脂同士が合流するため、見た目には一体とはなっても組織的には不連続となり、強度が低下している部分である。したがって、ウェルド部である金属製ボスaと樹脂プーリ本体bとの嵌合部6の箇所は脆弱となり、クラックが入り、破損しやすい状況となる。
そのため、特許文献1のようにオフセットされたベルト荷重は、プーリのボス部に対して軸方向に偏った荷重となり、しかもこの荷重は構造的にウェルド部にかかり易くなる。するとウェルド部は前記荷重によって、クラックが入り、プーリの樹脂成形部は、破壊してしまう。図5(A),(B)は、一般の鋳込み成形において、その成形行程で金属製ボスの周辺にウェルド部Wが形成される状態を示すものである。つまり、ゲートからキャビティ内に射出された溶融樹脂(矢印で示されている)がキャビティ内の金属製のボスの歯の正面側から歯の裏側に回りこみ、歯の裏側で低温化した状態で溶融樹脂同士が合流する。この合流箇所にウェルド部Wが構成される。
このような現象は特許文献1においても発生しうるもので、金属製ボスaと樹脂プーリ本体bとの嵌合部6の箇所において、板厚は厚いが、ウェルド部は、実質的な強度が得られず、破損し易い構造となっている。図5(C)乃至(F)は、従来技術において、外部の荷重により金属製ボスaから樹脂プーリ本体bが外れる方向に滑り、ウェルド部が圧縮されてクラックが生じた状態を示す略示図である。そこで、本発明の目的(技術的課題)は、金属ブッシュと樹脂本体とのインサートモールド形成構造を簡易な構成にすると共にその接合を極めて強固なものとし、ウェルド部に荷重がかかり難い構成とすることにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ボス本体部の外周側面の軸方向中間箇所に周方向に沿って円周状膨出部が形成され,該円周状膨出部の外周面に複数のセレーション歯が形成された金属ブッシュと、該金属ブッシュがインサートされるプーリボス部と該プーリボス部の外周から直径方向に拡がるようにして略扁平円錐形の椀形状に形成された椀状部と該椀状部の直径方向外端には前記プーリボス部と軸方向にずれる位置に形成されるベルト掛外筒部を有する樹脂本体とからなり、前記セレーション歯において前記ベルト掛外筒部から遠距離側を前記金属ブッシュの正面側とし、前記ベルト掛外筒部から近距離側を前記金属ブッシュの背面側とし、前記椀状部は前記プーリボス部の軸方向に対して背面側に向かうように形成され、前記樹脂本体の正面側にゲート跡が形成され、前記セレーション歯の正面側の側面は根元より先端に向かって垂直面,傾斜面,微小平面にて構成され、前記傾斜面は先端に向かって肉厚が薄くなるように構成され且つ前記微小平面は前記垂直面と平行としてなるプーリとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記ボス本体部の外周で且つ軸方向中間には周方向に沿って円周状膨出部が形成され、該円周状膨出部の外周に前記セレーション歯が形成されてなるプーリとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記セレーション歯の微小平面は、軸方向に対して直交する面として形成されてなるプーリとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、金属ブッシュの各セレーションは、正面側の側面に根元から先端に向かって垂直面,傾斜面及び微小平面の順番で形成されたものである。そして、前記セレーション歯の傾斜面は、プーリの樹脂部との相互の接合領域が広くなり、相互の接合性が良好となる。特に、セレーション歯の先端の微小平面は、前記垂直面と平行(略平行も含む)の面に形成されたことにより、金属ブッシュと接合するプーリの樹脂部分を係止する係止面の役目をなす。
したがって、ベルト掛外筒部による荷重が、プーリボス部にかかり、該プーリボス部が、インサートされた金属ブッシュから滑ることを抑制できる。そして、この滑りを抑制することで、プーリの樹脂部分であるプーリボス部のウェルド部には圧縮荷重が掛かり難くなり、該ウェルド部にクラックが発生することを防止でき、ひいては、長期の使用に亘って破損し難い耐久性のあるプーリにすることができる。
請求項2の発明では、前記ボス本体部の外周で且つ軸方向中間には周方向に沿って円周状膨出部が形成されたことにより、金属ブッシュと樹脂本体との軸方向における接合強度をより一層向上させることができる。請求項3の発明では、セレーション歯の微小平面を軸方向に対して直交する面として形成することにより、成形が容易にできる。
また、セレーション歯の微小平面は、その先端側が金属ブッシュの正面側に傾斜する面として形成すれば、その傾斜方向は、ベルト荷重によって金属ブッシュから樹脂本体が滑り出す方向とは反対方向の傾斜となり、微小平面が樹脂本体の軸方向に対して食い込むような構成となる。よって、樹脂本体が金属ブッシュから外れようとすることをより一層強力に防止できる。
(A)は本発明の縦断側面図、(B)は(A)の(ア)部拡大図、(C)は(B)の(イ)部拡大図である。 (A)は樹脂本体の要部拡大断面図、(B)は金属ブッシュの要部断面図、(C)は(B)の(ウ)部拡大図、(D)は金属ブッシュの斜視図、(E)は(D)の(エ)部拡大斜視図である。 (A)は本発明の作用を示す要部縦断側面図、(B)は(A)の(オ)部において第1実施形態の微小平面を示す拡大図、(C)は(A)の(オ)部において第2実施形態の微小平面を示す拡大図である。 は本発明の金属ブッシュがインサートされたプーリの一部切除した正面図、(B)は(A)の(カ)部拡大図である。 (A)は、金属ブッシュのセレーション歯に溶融した樹脂が送られる状態の要部斜視図、(B)は金属ブッシュのセレーション歯に溶融した樹脂が送られる状態の要部平面図、(C)乃至(F)は従来技術におけるプーリの要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明は、図1、図示4に示すように、金属ブッシュAと、樹脂本体Bとから構成され、金属ブッシュAが前記樹脂本体Bにインサートされつつモールド成形されて、プーリが形成されるものである。金属ブッシュAは、環(リング)形状のボス本体部1と、略歯車の歯を構成するセレーション歯2とから構成される〔図2(C)乃至(E)参照〕。本発明では、金属ブッシュA及び樹脂本体Bにおいて共通する軸方向が設定され、共に直径方向に対して直交する方向を軸方向とする。図1(A)、図3には、軸方向を示す軸方向線Lが示されている。
ボス本体部1は、内周側に軸孔11が貫通形成され,プーリを駆動するシャフト7が挿通される〔図1(A)、図3参照〕。また、シャフト7の長手方向は、前記軸方向と一致する。該シャフト7は、圧入、リング止め、接着等の方法により固着される。前記金属ブッシュAのボス本体部1の外周側には、軸方向両側に円筒部12,12が形成され、ボス本体部1の軸方向中間で且つ前記両円筒部12,12の間にはセレーション歯2が周方向に沿って複数形成される。
前記円筒部12,12は、それぞれ凹凸の無いへいたんえんしゅうじょう円筒形状の面である。前記セレーション歯2は、円周状に列を構成して形成されたものである〔図2(D)、図4参照〕。セレーション歯2は、軸方向における一方の面を正面側部21と称する。また、正面側部21の反対側を背面側部22と称する。また、金属ブッシュAは、セレーション歯2の正面側部21に対応する側を正面側とし、背面側部22に対応する側を背面側とする。
正面側部21とは、金属ブッシュAが後述する樹脂本体Bにインサートモールドされた状態で、ベルト掛外筒部5に対して遠距離となる側の面であり、背面側部22はベルト掛外筒部5に対して近距離となる側の面である〔図2(A),(B)参照〕。さらにセレーション歯2の周方向における面を歯面と称し、その頂部箇所を頂面部23と称する〔図2(B),(C),(E)参照〕。
正面側部21は、セレーション歯2の根元側から先端側に向かって垂直面21a,傾斜面21b,微小平面21cがこの順番で形成される〔図2(C),(E)参照〕。前記垂直面21aは、軸方向に対して直角な面であり、軸方向の肉厚寸法が最も大きく形成された領域である。また、垂直面21aの軸方向に対する直角な面とは、略直角な面も含まれ、金属ブッシュAの正面側又は背面側に僅かに傾斜する場合も含まれる。
前記傾斜面21bは、セレーション歯2の外周側の先端に向かうに従い、軸方向の肉厚が次第に薄くなるように傾斜する面の領域である。外周側の前記傾斜面21bの角度は、約数度乃至約十数度に形成されている。該傾斜面21bの先端(前記セレーション歯2の先端)には微小平面21cが形成されている。
微小平面21cは、前記傾斜面21bの直径方向外端部から僅かの寸法だけ突出して形成された面である〔図1(A)、図2(B),(C),(E)参照〕。また、微小平面21cは、前記垂直面21aと同等面に形成されている。垂直面21aと同等面とは、該垂直面21aに対して平行(略平行も含む)となる面である。そして、同等面には、略同等面も含まれ、微小平面21cは、垂直面21aに対して僅に異なる傾斜面も含まれる。微小平面21cは、前記傾斜面21bよりも傾斜角度が急傾斜となる。この急傾斜は、略平行も含まれる。
微小平面21cには、以下に述べるように2つの実施形態が存在する。その第1実施形態では、微小平面21cは、軸方向に直交する面として形成されるもので、前記垂直面21aと平行(略平行も含む)となる面である〔図2(C)、図3(A),(B)参照〕。また、微小平面21cの第2実施形態は、該微小平面21cの先端側が金属ブッシュAの正面側に向かって倒れるように傾斜する面として形成されたものである〔図3(D)参照〕。このとき、微小平面21cは、軸方向正面側に対して鋭角θ(θ<90度)をなすように傾斜角度が設定されるものである。
金属ブッシュAは、主に、金属粉を焼き固めた焼結体にて形成されている。したがって、前記傾斜面21b及び前記微小平面21cは切削加工では無く金型によって形成することができる。金型によって形成することにより、加工費用を消滅することができる。また、金属ブッシュAは金属粉を焼き固めた焼結体には限定されるものではなく、通常の金属製であればよい。
また、前記金属ブッシュAのボス本体部1の外周側で且つ軸方向の中間には円周状膨出部13が形成される実施形態も存在する〔図2(D),(E)参照〕。この実施形態において、該円周状膨出部13は、前記両円筒部12,12の間に形成され、円周状膨出部13の外周面に前記セレーション歯2が周方向に沿って複数形成される。円周状膨出部13はボス本体部1において周方向に沿って形成された円筒状の部位であり、樹脂本体Bへのインサートモールド成形では、セレーション歯2と共に、樹脂本体Bの内部に食い込み、軸方向における強度を向上させることができる。
前記円筒部12,12は、それぞれ凹凸の無い円筒形状の面である。前記セレーション歯2は、円周状に列を構成して形成されたものである。セレーション歯2は、軸方向における一方の面を正面側と称する。また、正面側部21の反対側を背面側と称する。正面側及び背面側は、図中に適宜に記載されている。
次に、樹脂本体Bは、プーリボス部3と、椀状部4と、ベルト掛外筒部5とから構成されている〔図1(A)、図2(A)参照〕。樹脂本体Bは、ガラス繊維が含有されたフェノール樹脂等の樹脂製であり、前記金属ブッシュAの外周面部分を包み込むように形成されている。具体的には、プーリボス部3に金属ブッシュAがインサートモールド成形にて装着される。
ここで、樹脂本体Bは、正面側及び背面側が設定され、前記金属ブッシュAがプーリボス部3にインサートモールドされた状態で金属ブッシュAの正面側に対応する側を樹脂本体Bの正面側とし、金属ブッシュAの背面側に対応する側を樹脂本体Bの背面側とする。プーリボス部3は、前記椀状部4の直径中心位置に厚肉の膨出部位として形成されたものであり、金属ブッシュAのセレーション歯2,2,…及び円周状膨出部13が食い込めるように構成されている。
金属ブッシュAの樹脂本体Bへインサートについては、金属ブッシュAの軸方向両端側面がプーリボス部3に対して外部に露出するものであり、軸方向両端側面は樹脂で覆われない構成である。つまり、金属ブッシュAは、軸孔11の軸方向両端側面のみが外部に露出し、金属ブッシュAとプーリボス部3との間には段差が存在しない。但し樹脂成形を有利に行うために若干の段差を設けることもある。
椀状部4は、前記プーリボス部3の外周から直径方向に拡がるようにして略扁平円錐形の椀形状に形成された部位である。椀状部4は、直径方向の先端に向かうに従い、プーリボス部3の軸方向に対して、背面側に向かうように構成される〔図1(A)参照〕。そして、椀状部4の直径方向外端にはベルト掛外筒部5が形成されている。該ベルト掛外筒部5には複数のベルト溝51,51,…が形成されている〔図2(A)参照〕。
ベルト掛外筒部5は、前記プーリボス部3の軸方向に対して背面側に位置するものである。つまり、プーリボス部3とベルト掛外筒部5とは、軸方向にずれる位置関係を有するものである〔図1(A)参照〕。樹脂本体Bに金属ブッシュAがインサートモールドされるときには、樹脂本体Bの正面側にディスクゲート跡が形成されるように金型にて形成される。
次に、本発明におけるプーリのウェルド部Wにおける構造を説明する。図示しない金型のディスクゲートから流れてきた樹脂が金属ブッシュAのセレーション歯2,2,…に衝突して、セレーション歯2,2,…を回り込むように左右に迂回し、そのセレーション歯2,2,…の背面で合流した部分に溶融した樹脂同士の接合部であるウェルドが発生する。ウェルド部Wは、前述したように、樹脂の強度が極めて弱い部位であり、外部の負荷に対して極めて脆弱である。
本発明では、ウェルド部Wに荷重Pがかかり難い構造とするため、セレーション歯2の正面側部21に根元から先端に向かって垂直面21a,傾斜面21b,微小平面21cが形成されている。そのために、樹脂本体Bに金属ブッシュAがインサート形成されたプーリにおいて、その正面側は、金型のディスクゲートの跡が形成される。
そして、ベルト掛外筒部5のベルト6の張力による荷重Pによって発生した曲げモーメントM(図3参照)は、プーリボス部3が金属ブッシュAに対して、背面側から外れようとする作用として働く。また、前記ウェルド部Wは、プーリボス部3にインサートされた金属ブッシュAのセレーション歯2の背面側に位置している。
従来の技術であれば、ベルト6からの荷重Pがかかることによりプーリ樹脂部は、金属ブッシュから後方側に向かって滑り出そうとし、ウェルド部Wに圧縮荷重をかけることになるが、本発明では、金属ブッシュAのセレーション歯2の微小平面21cが樹脂本体Bのプーリボス部3の樹脂肉部に係止する状態となる〔図3(B),(C)参照〕。
つまり、微小平面21cは、樹脂本体Bのプーリボス部3に対して楔状に食い込み、ウェルド部Wの樹脂の圧縮力を緩和させる作用をなす。よって、ベルト6の張力による荷重Pによって生じる曲げモーメントMがプーリボス部3に掛かった際に、金属ブッシュAから外れようとする樹脂本体Bは、前記微小平面21cに引っ掛かり、該微小平面21cからの反力Rが樹脂本体Bを曲げモーメントMの方向とは反対側に押し戻そうと作用し、樹脂本体Bが金属ブッシュAから外れ難くなる(図3参照)。
ここで、前記微小平面21cの第1実施形態では、微小平面21cを軸方向に直交する面とすることで、樹脂本体Bの金属ブッシュAに対する滑りを強固に抑えることができる〔図3(B)参照〕。さらに、前記微小平面21cの第2実施形態では、先端側を金属ブッシュAの正面側に傾斜させたことで、微小平面21cの先端部分の樹脂本体Bに対する食い込みがより深くなり、一層強固に樹脂本体Bの金属ブッシュAに対する滑りを強固に抑えることができる〔図3(C)参照〕。
すなわち、プーリボス部3が金属ブッシュAに対して背面側に傾き難くなり、ウェルド部Wを圧縮しようとする過大な応力が生じることがなく、ウェルド部Wのクラック発生を抑えることが可能となる。これによって、ベルト張力による荷重Pが樹脂本体Bのウェルド部Wにかかり難くなり、クラックが発生することを防止すると共に、金属ブッシュAから樹脂本体Bが外れることを防止できる。
A…金属ブッシュ、B…樹脂本体、1…ボス本体部、13…円周状膨出部、
2…セレーション歯、21a…垂直面、21b…傾斜面、21c…微小平面、
3…プーリボス部、5…ベルト掛外筒部。

Claims (3)

  1. ボス本体部の外周側面の軸方向中間箇所に周方向に沿って円周状膨出部が形成され,該円周状膨出部の外周面に複数のセレーション歯が形成された金属ブッシュと、該金属ブッシュがインサートされるプーリボス部と該プーリボス部の外周から直径方向に拡がるようにして略扁平円錐形の椀形状に形成された椀状部と該椀状部の直径方向外端には前記プーリボス部と軸方向にずれる位置に形成されるベルト掛外筒部を有する樹脂本体とからなり、前記セレーション歯において前記ベルト掛外筒部から遠距離側を前記金属ブッシュの正面側とし、前記ベルト掛外筒部から近距離側を前記金属ブッシュの背面側とし、前記椀状部は前記プーリボス部の軸方向に対して背面側に向かうように形成され、前記樹脂本体の正面側にゲート跡が形成され、前記セレーション歯の正面側の側面は根元より先端に向かって垂直面,傾斜面,微小平面にて構成され、前記傾斜面は先端に向かって肉厚が薄くなるように構成され且つ前記微小平面は前記垂直面と平行としてなることを特徴とするプーリ。
  2. 請求項1において、前記ボス本体部の外周で且つ軸方向中間には周方向に沿って円周状膨出部が形成され、該円周状膨出部の外周に前記セレーション歯が形成されてなることを特徴とするプーリ。
  3. 請求項1又は2において、前記セレーション歯の微小平面は、軸方向に対して直交する面として形成されてなることを特徴とするプーリ。
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