JP5780999B2 - 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 - Google Patents
窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5780999B2 JP5780999B2 JP2012086347A JP2012086347A JP5780999B2 JP 5780999 B2 JP5780999 B2 JP 5780999B2 JP 2012086347 A JP2012086347 A JP 2012086347A JP 2012086347 A JP2012086347 A JP 2012086347A JP 5780999 B2 JP5780999 B2 JP 5780999B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gallium
- iii
- substrate
- dendrimer
- complex
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Catalysts (AREA)
Description
1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
を含む、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法である。
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2npである。)
1)第一の態様において用いるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム生成工程と、
を含む、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法である。
以下、本発明の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法について説明する。本発明の窒化ガリウム(III)の製造方法は、それぞれ所定の、錯体担持工程と窒化ガリウム(III)生成工程とを備える。
錯体担持工程では、特定の構造のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる。以下、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物、ガリウム化合物、デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の調製方法、及びデンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の塗布方法について順に説明する。
錯体担持工程では、下記一般式(1)で表される、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を用いる。
よって、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の世代数を変更することによって、得られる窒化ガリウム(III)のナノ粒子の粒子径を調整することができる。
デンドリマーガリウム化合物錯体の調製に用いるガリウム化合物は、1種類、又は2種類以上の公知の反応を組み合わせて、窒化ガリウム(III)に変換されうるガリウム化合物であれば特に限定されない。
デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の調製方法は、特に限定されないが、溶媒中で、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、ガリウム化合物とを、所定の比率で混合する方法が好ましい。
調製された溶液は、基板の表面に塗布される。溶液の塗布後に基板を乾燥させることにより、デンドリマー−ガリウム化合物錯体が良好に分散した状態で基板表面に担持される。
窒化ガリウム(III)生成工程は、基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。窒化ガリウム(III)の生成工程において、デンドリマー−ガリウム化合物錯体中のガリウム化合物を窒化ガリウム(III)に変換する反応は特に限定されず、デンドリマー−ガリウム化合物に含まれるガリウム化合物の種類に応じて適宜選択される。
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程、
c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程、及び
d)前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に担持した前記基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子と前記含窒素化合物とを加熱下に反応させて、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程。
工程b)は、基板上に担持された、デンドリマー−ガリウム化合物錯体に含まれるガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解して、デンドリマー−水酸化ガリウム(III)を生成させる工程である。
工程c)は、上記工程b)に次いで、基板上のデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。
工程d)は、上記の工程c)で得られた、酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に備える基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、酸化ガリウム(III)のナノ粒子と含窒素化合物とを加熱下に反応させて、基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。
以下、本発明の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法について説明する。本発明の酸化ガリウム(III)の製造方法は、それぞれ所定の、錯体担持工程と酸化ガリウム(III)生成工程とを備える。
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程、及び
c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程。
・2世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G2on)の合成
100mL三口フラスコに、ベンゾフェノン(4.62g、25.3mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(2.5g、12.6mmol)、及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(8.49g、75.7mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン50mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(2.01mL、1.84mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=4:4:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である2世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G2on)を得た。
ナスフラスコに、Pre−G2on(2.17g、3.98mmol)、過マンガン酸カリウム(1.19g、7.5mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(2.42g、7.5mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、2日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO3水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2重量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=4:4:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である2世代フェニルアゾメチンデンドロン(G2on)を得た。
100mL三口フラスコに、G2on(5.161g、9.55mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(0.901g、4.54mmol)、及びDABCO(8.49g、7.57mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン50mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(2.01mL、1.84mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である3世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G3on)を得た。
ナスフラスコに、Pre−G3on(1.27g、1.02mmol)、過マンガン酸カリウム(0.95g、6.0mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(1.95g、6.1mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、3日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO3水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2質量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である3世代フェニルアゾメチンデンドロン(G3on)を得た。
100mL三口フラスコに、G3on(4.90g、3.9mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(0.387g、1.95mmol)、及びDABCO(1.31g、11.7mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン20mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(0.32mL、2.93mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=2:2:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G4on)を得た。
ナスフラスコに、Pre−G4on(4.62g、3.67mmol)、過マンガン酸カリウム(3.33g、21mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(6.78g、21mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、7日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO3水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2質量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製してから溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)としてからHPLCにより精製し、溶媒を留去した。得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)とし、10倍希釈量のエタノール存在下で再沈殿を行い、得られた固体を減圧濾過により回収して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドロン(G4on)を得た。
p−フェニレンジアニリン(10.2mg)、G4on(500mg)、及びDABCO(245.5mg)を反応容器に秤取り、真空脱気後、容器にセプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン20mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(0.06mL、0.547mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=2:2:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製してから溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)としてからHPLCにより精製し、溶媒を留去した。得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)とし、10倍希釈量のメタノール存在下で再沈殿を行い、得られた固体を減圧濾過により回収して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドリマー(DPAG4er)を得た。この4世代フェニルアゾメチンデンドリマーを使用して、以下の試験を行った。
(酸化ガリウム(III)薄膜の調製)
DPAG4er(5μmol/L)のクロロホルム溶液2mlに対し、塩化ガリウム(III)のアセトニトリル溶液(4.73×10−3mol/L)29.81μLを加えて、DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lの溶液を得た。DPAG4erに対する塩化ガリウム(III)の等量は14等量である。なお、塩化ガリウム(III)の等量とは、DPAG4er1molに対する、塩化ガリウム(III)のモル数を意味する。得られた溶液を濃縮乾固した後に、残渣をクロロホルムに溶解させ、濃度50μmol/LのDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体のクロロホルム溶液を調製した。この溶液をシリコン基板にスピンキャストにより500rpm、20sの条件で塗布した。塗布後、基板表面から溶媒を除去し、基板にDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持させた。
(酸化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
参考例1と同様にして、DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lのクロロホルム溶液を得た。得られた溶液を濃縮乾固した後に、残渣をジクロロメタンに溶解させ、濃度0.65μmol/LのDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体のジクロロメタン溶液を調製した。この溶液をシリコン基板にスピンキャストにより2500rpm、30sの条件で塗布した。塗布後、基板表面から溶媒を除去し、基板にDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持させた。DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持した基板を、参考例1と同様に処理して、基板表面に、酸化ガリウム(III)を生成させた。
(酸化ガリウム(III)からの窒化ガリウム(III)の調製)
参考例1で得られた、酸化ガリウム(III)をその表面に備える基板を、反応装置に内に載置した。次いで、反応装置内に、アンモニアガスとアルゴンとの混合気体(ガス流量比、アンモニア:アルゴン=600(ml/min):400(ml/min))を、基板の面方向に流通させた後、反応装置内を1050℃まで昇温させた。反応装置内温が1050℃に到達してから、30分反応を行った。反応装置内を室温まで冷却した後に、基板を取り出した。シリコン基板を用いて得られた基板を、蛍光スペクトル測定装置(Spectrofluorometer、FP−8300 JASCO社製)により分析したところ、窒化ガリウム(III)粉末(Aldrich製)、と同様に、波長365nm付近での発光が観測された。このことから、基板表面に、窒化ガリウム(III)が生成していることが分かる。参考例2で得られた基板(窒化ガリウム(III)薄膜)と、窒化ガリウム(III)粉末と、後述の実施例2で得られた窒化ガリウム(III)ナノ粒子との蛍光スペクトルを、図3に示す。
(酸化ガリウム(III)ナノ粒子からの窒化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
実施例1で得られた、酸化ガリウム(III)ナノ粒子をその表面に備える基板を、参考例2と同様の条件により処理して、窒化ガリウム(III)ナノ粒子をその表面に備える基板を得た。得られた基板をAFM(原子間力顕微鏡、SPA400、セイコーインスツルメンツ株式会社製)により観察したところ、基板表面に、平面視平均粒子径が28.75nmであり、基板からの高さが3.46nmである窒化ガリウム(III)のナノ粒子が形成されたことが分かった。基板表面をAFMにより観察した写真を、図4に示す。
(窒化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の溶液の濃度を、0.65μmol/Lから、0.065μmol/Lに変更することの他は、実施例1及び実施例2と同様の操作を行い、シリコン基板を用いて、窒化ガリウム(III)のナノ粒子をその表面に備える基板を得た。得られた基板をAFM(原子間力顕微鏡、SPA400、セイコーインスツルメンツ株式会社製)により観察したところ、基板表面に、平面視平均粒子径が15.00nmであり、基板からの高さが1.89nmである窒化ガリウム(III)のナノ粒子が形成されたことが分かった。
フェニルアゾメチンデンドリマー(DPAG4er)に対する、塩化ガリウム(III)の等量が表1に記載の等量となるように、塩化ガリウム(III)のアセトニトリル溶液の濃度を変更することの他は、参考例1と同様にして、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lのクロロホルム溶液を調製した。得られた、クロロホルム溶液を濃縮乾固させた後、残渣をジクロロメタンに溶解させ、濃度1.0×10−9μmol/Lのフェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体のジクロロメタン溶液を得た。
Claims (8)
- 1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
を含む、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2npである。) - 前記窒化ガリウム(III)のナノ粒子が、前記基板表面に担持されている、請求項1記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
- a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に担持させる、錯体担持工程と、
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程と、
c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程と、
d)前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に担持した前記基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子と前記含窒素化合物とを加熱下に反応させて、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
を含む、請求項1又は2記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。 - 前記ガリウム化合物が、ガリウム(III)ハロゲン化物である、請求項1〜3何れか1項記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
- 前記含窒素化合物の気体が、アンモニアガス、から選択される1種以上の気体である、請求項3又は4何れか1項記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
- 1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム生成工程と、
を含む、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2npである。) - a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程と、
c)前記基板上の前記水酸化ガリウム(III)を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程と、
を含む、請求項6記載の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。 - 前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子が、前記基板表面に担持されている、請求項6又は7記載の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012086347A JP5780999B2 (ja) | 2012-04-05 | 2012-04-05 | 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012086347A JP5780999B2 (ja) | 2012-04-05 | 2012-04-05 | 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013216511A JP2013216511A (ja) | 2013-10-24 |
JP5780999B2 true JP5780999B2 (ja) | 2015-09-16 |
Family
ID=49589111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012086347A Active JP5780999B2 (ja) | 2012-04-05 | 2012-04-05 | 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5780999B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6321455B2 (ja) * | 2014-05-21 | 2018-05-09 | 東京応化工業株式会社 | 窒化ガリウムの製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000198978A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-18 | Futaba Corp | 窒化ガリウム蛍光体の製造方法、酸化ガリウムの製造方法及び酸化ガリウム |
JP4045707B2 (ja) * | 1999-12-06 | 2008-02-13 | 日亜化学工業株式会社 | 金属酸化物微粒子の製造方法 |
JP3977649B2 (ja) * | 2002-01-29 | 2007-09-19 | 財団法人神奈川科学技術アカデミー | フェニルアゾメチンデンドロン錯体 |
JP2006240984A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-09-14 | Keio Gijuku | 金属酸化物クラスターの製造方法と太陽電池の光電極並びに触媒 |
JP5211297B2 (ja) * | 2005-11-22 | 2013-06-12 | 中部キレスト株式会社 | 金属窒化物の製法 |
FR2895289B1 (fr) * | 2005-12-23 | 2009-08-21 | Centre Nat Rech Scient | Synthese de particules dans des structures dendritiques en milieux fluides supercritiques |
JP2010018484A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Showa Denko Kk | 窒化ガリウム系粒子、その製造方法及び装置 |
-
2012
- 2012-04-05 JP JP2012086347A patent/JP5780999B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013216511A (ja) | 2013-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI464291B (zh) | 利用含鈦前驅物以原子層沉積製備薄膜之方法 | |
TWI510495B (zh) | 具有優良階梯覆蓋性之釕化合物以及藉由沈積該具有優良階梯覆蓋性之釕化合物所形成之薄膜 | |
CN107954902A (zh) | 一种宽光谱的有机-无机杂化钙钛矿量子点荧光材料及其制备方法 | |
JP7148377B2 (ja) | ルテニウム錯体からなる化学蒸着用原料及び該化学蒸着用原料を用いた化学蒸着法 | |
JP6854294B2 (ja) | 金属膜の生成方法 | |
TW200927978A (en) | Methods for preparing thin films using substituted pyrrolyl-metal precursors | |
CN106103456A (zh) | 有机锗胺化合物及用其沉积薄膜的方法 | |
CN112375567B (zh) | 基于原位氨基硅烷和溴离子钝化制备铯铅溴钙钛矿量子点的方法 | |
JP2017505858A (ja) | 無機薄膜の生成方法 | |
CN113189162A (zh) | 一种基于钙钛矿@共价有机框架复合材料的电化学发光方法 | |
JP6080614B2 (ja) | 金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法 | |
US8728431B2 (en) | Method of preparing carbon nanotubes and catalyst for producing carbon nanotubes | |
JP5780999B2 (ja) | 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 | |
Su et al. | Selective growth of boron nitride nanotubes by the plasma-assisted and iron-catalytic CVD methods | |
JP6355078B2 (ja) | 有機シラン化合物の製造方法及び有機シラン化合物合成用触媒組成物 | |
US10570514B2 (en) | Process for the generation of metallic films | |
JP2013034939A (ja) | 分散されたデンドリマー化合物の粒子を表面に有する基板の製造方法、及びデンドリマー化合物の分散粒子を表面に有する基板 | |
JP5992764B2 (ja) | ルテニウム錯体からなる化学蒸着原料及びその製造方法並びに化学蒸着方法 | |
Ganiga et al. | Direct synthesis of highly stable nitrogen rich carbon dots toward white light emission | |
CN108201893B (zh) | FeSx薄膜、肼撑苯基化合物及沉积方法和制备方法 | |
Willcocks et al. | CVD of pure copper films from novel iso-ureate complexes | |
JP2003535839A (ja) | 金属銅の化学的気相成長ための自己還元性銅(ii)源反応体 | |
KR102093226B1 (ko) | 규소함유 유기 금속 전구체 화합물, 이의 제조방법 및 이를 이용한 금속-규소 산화물 박막의 제조 방법 | |
JP5263806B2 (ja) | 蛍光体およびその製造方法 | |
JP2014015549A (ja) | InP半導体微粒子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150305 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150616 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150618 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150714 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5780999 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |