JP5780999B2 - 窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(iii)のナノ粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法、及び酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法に関する。
窒化ガリウム(III)は、発光材料として実用化されており、その単結晶薄膜は紫外から青、緑の短波長領域の発光を行う半導体レーザや、発光ダイオード等に広く用いられている。また、窒化ガリウム(III)の粒子については、蛍光体、光触媒、太陽電池、量子ドット等の種々の用途が検討されており、これらの用途に用いるために、粒子径が小さな窒化ガリウム(III)の粒子が望まれている。
粒子径が小さい窒化ガリウム(III)の粒子の製造方法としては、例えば、トリメチルガリウムやトリエチルガリウム等の有機ガリウム化合物と窒素源とを含む原料ガスにレーザを照射して、粒子径30nm程度の窒化ガリウム(III)の微小粒子を製造する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2010−018484号公報 特開2000−198978号公報
しかし、特許文献1に記載の方法で用いるトリメチルガリウムやトリエチルガリウム等の有機ガリウム化合物は、室温で自然発火するため取り扱いが非常に難しい。このため、自然発火のおそれがない、有機ガリウム化合物以外の他のガリウム化合物を用いる場合であっても、容易に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を製造できる方法が求められている。
さらに、酸化ガリウム(III)は、窒化ガリウム(III)の原料として有用であることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。よって、酸化ガリウム(III)のナノ粒子を調製できれば、酸化ガリウム(III)のナノ粒子とアンモニア等の含窒素化合物の気体とを反応させることにより、窒化ガリウム(III)のナノ粒子を調製することができる。
また、酸化ガリウム(III)自体も、ガスセンサー、蛍光体、発光体、太陽電池セルの誘電コーティング等の種々の用途に好適に使用される有用な材料である。
これらの事情から、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法も求められている。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、有機ガリウム化合物以外のガリウム化合物を用いる場合でも、窒化ガリウム(III)のナノ粒子を容易に調製可能な、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、酸化ガリウム(III)のナノ粒子を容易に調製可能な、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構造のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程とを含む、方法により、窒化ガリウム(III)に関する上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、前述の錯体担持工程と、基板表面に担持されたデンドリマーガリウム化合物錯体から基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程とを含む方法により、酸化ガリウム(III)に関する上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の態様は、
1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
を含む、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法である。
(上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
本発明の第二の態様は、
1)第一の態様において用いるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム生成工程と、
を含む、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法である。
本発明によれば、有機ガリウム化合物以外のガリウム化合物を用いる場合でも、窒化ガリウム(III)のナノ粒子を容易に調製可能な、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、酸化ガリウム(III)のナノ粒子を容易に調製可能な、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法を提供することができる。
参考例1で得られた基板と、酸化ガリウム(III)粉末と、実施例1で得られた酸化ガリウム(III)ナノ粒子とのXPSスペクトルを示す図である。 実施例1で得られた基板を、原子間力顕微鏡により観察して取得した顕微鏡写真である。 参考例2で得られた基板と、窒化ガリウム(III)粉末と、実施例2で得られた窒化ガリウム(III)ナノ粒子との蛍光スペクトルを示す図である。 実施例2で得られた基板を、原子間力顕微鏡により観察して取得した顕微鏡写真である。 実施例4〜11における、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体における塩化ガリウム(III)の配位数と、形成される窒化ガリウム(III)ナノ粒子の高さとの関係を示すグラフである。
≪窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法≫
以下、本発明の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法について説明する。本発明の窒化ガリウム(III)の製造方法は、それぞれ所定の、錯体担持工程と窒化ガリウム(III)生成工程とを備える。
なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲において、「ナノ粒子」とは、粒子径が200nm以下である粒子を意味する。また、ナノ粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円体状、板状(円板状)等であってよい。以下、錯体担持工程と、窒化ガリウム(III)生成工程とについてそれぞれ説明する。
<錯体担持工程>
錯体担持工程では、特定の構造のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる。以下、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物、ガリウム化合物、デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の調製方法、及びデンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の塗布方法について順に説明する。
〔フェニルアゾメチンデンドリマー化合物〕
錯体担持工程では、下記一般式(1)で表される、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を用いる。
上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の中核分子基であり、フェニルアゾメチンデンドリマー分子は、この中核分子基を中心として、外側に向かって上記一般式(1)中のBで表される単位の連鎖を成長させる。その結果、成長後のフェニルアゾメチンデンドリマー分子は、上記Aを中心として、上記Bが連鎖して放射状に成長した構造を有する。B及び後述するRが連鎖する回数を「世代」と呼び、中核分子基Aに隣接する世代を第1世代として、外側に向かって世代数が増加していく。上記一般式(1)中のAは、次式
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表す。
上記一般式(1)中のBは、上記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成させる次式
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。このBは、フェニルアゾメチンデンドリマー分子の世代を構成し、中核分子基Aに直接結合するBが第1世代となる。
上記一般式(1)中のRは、末端基として上記Bにアゾメチン結合を形成する次式
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。Rは、フェニルアゾメチンデンドリマー分子の放射状に伸びた構造の末端に位置することになり、上記Bと同様に世代を構成する。
上記一般式(1)において、nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの上記Bの構造を介しての世代数を表し、mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。
置換基を有してもよい芳香族基であるR、R及びRは、それぞれ独立に、その骨格構造として、フェニル基又はその類縁の構造であってよく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ビフェニルアルキレン基、ビフェニルオキシ基、ビフェニルカルボニル基、フェニルアルキル基等の各種のものが挙げられる。これらの骨格は、置換基として、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルキルチオ基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基等の各種の置換基が例示される。上記骨格は、これらの置換基を、任意に1又は複数有することができる。
上記置換基の中でも、メトキシ基、アミノ基のような電子供与性の高い置換基、又はシアノ基、カルボニル基のような電子受容性の高い置換基が好ましい。
上記式R(−N=)で表される中核部分において、pとしては、特に限定されないが、例えば1〜4の整数が挙げられる。また、上記一般式(1)におけるnは、0又は1以上の整数であるが、例えば2〜6であることが好ましく例示される。
このようなフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の一形態として、下記式で表される化合物を挙げることができる。下記式で表される化合物は、世代数が4のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物である。
上記式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、単分子化合物としては比較的大きな分子(例えば、4世代(n=3)のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物であれば、直径約2nm程度である。)であり、分子内に、ガリウム等の金属原子が配位することのできる窒素原子を所定の間隔で複数保有する。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、後述するガリウム化合物と組み合わせて、デンドリマー−ガリウム化合物錯体として使用されるが、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物は上記構造をとるため、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、単分子化合物としては比較的大きな分子サイズの内部に、複数個のガリウム化合物を1分子ずつ規則的に配置させることができる。
また、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、その骨格が芳香環とアゾメチン結合によって構成されるので、剛直な球状分子である。そのため、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の溶液中で、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を形成させた後に、溶液から、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の粒子を基板表面で形成させる場合に、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の分子内の空間が良好に維持され、その内部にガリウム化合物を好ましく保持することができる。
さらに、世代数に応じて、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物1モルと錯体形成可能なガリウム化合物のモル数は決まる。このため、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の世代数を変更することによって、錯体担持工程後の基板表面に存在するデンドリマー−ガリウム化合物錯体の凝集体に含まれるガリウム化合物の量を調整することができる。
よって、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の世代数を変更することによって、得られる窒化ガリウム(III)のナノ粒子の粒子径を調整することができる。
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を合成するには、公知の方法を使用することができる。このような方法として、例えば、ベンゾフェノンとジアミノベンゾフェノンとを、クロロベンゼン溶媒中において、塩化チタン及び塩基の存在下で反応させ、さらに、順次ジアミノベンゾフェノンと反応させて世代数を増加させる方法が挙げられるが、特に限定されない。
〔ガリウム化合物〕
デンドリマーガリウム化合物錯体の調製に用いるガリウム化合物は、1種類、又は2種類以上の公知の反応を組み合わせて、窒化ガリウム(III)に変換されうるガリウム化合物であれば特に限定されない。
ガリウム化合物としては、窒化ガリウム(III)への変換が容易であることや、入手が容易であることから、ガリウム(III)ハロゲン化物が好ましい。ガリウム(III)ハロゲン化物としては、塩化ガリウム(III)、臭化ガリウム(III)、ヨウ化ガリウム(III)、及びフッ化ガリウム(III)等が挙げられ、これらの中では塩化ガリウム(III)が好ましい。
〔デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の調製方法〕
デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の調製方法は、特に限定されないが、溶媒中で、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、ガリウム化合物とを、所定の比率で混合する方法が好ましい。
デンドリマー−ガリウム化合物錯体の調製に用いる溶媒は、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、ガリウム化合物と、デンドリマー−ガリウム化合物錯体とを溶解させることができる溶媒であれば特に限定されない。
デンドリマー−ガリウム化合物錯体の調製に用いる溶媒の好適な例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、四塩化炭素等の含塩素系有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族系有機溶媒、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、リモネン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の有機溶媒が挙げられる。これらの中でも、含塩素系有機溶媒又は芳香族系有機溶媒が好ましく使用され、ジクロロメタン、クロロホルムがより好ましく使用される。これらを溶媒として選択することにより、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液の均一性が向上し、溶液の塗布及び乾燥後に、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を、良好に分散された状態で基板表面に配置させやすい。
また、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の調製に用いる溶媒は、25℃における蒸気圧が、180mmHg以上であることが好ましく、250mmHg以上であることがより好ましい。上記の蒸気圧を有する溶媒を使用する場合、溶液の塗布及び乾燥後に、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を、良好に分散された状態で基板表面に配置させやすい。
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、ガリウム化合物とを上記の溶媒中で混合して、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を調製する。このとき、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を調製する方法は特に限定されない。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、ガリウム化合物とを上記の溶媒中で混合する際の温度は特に限定されない。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物、ガリウム化合物、又はデンドリマー−ガリウム化合物が溶解しにくい場合、溶媒を加熱してもよい。溶媒を沸点以上の温度に加熱する場合、耐圧容器を使用すればよい。
溶液中に含まれるデンドリマー−ガリウム化合物錯体の濃度は、5.0μmol/L以下が好ましく、1.0×10−1μmol以下がさらに好ましく、1.0×10−2μmol以下が特に好ましく、1.0×10−9μmol/L以下が最も好ましい。溶液中に含まれるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の濃度を5.0μmol/L以下とすることにより、溶液を基板に塗布して乾燥させた後に、基板上でデンドリマー−ガリウム化合物錯体同士が過度に凝集し、基板の表面に粗大な粒子が形成されたり、基板の表面にデンドリマー−ガリウム化合物錯体の膜が形成されたりすることを抑制できる。よって、上記濃度のデンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を用いることにより、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を、良好に分散された状態で基板表面に配置させやすい。また、溶液中に含まれるデンドリマー−ガリウム化合物錯体の濃度を、上記の範囲とすることにより、窒化ガリウム(III)のナノ粒子を良好な製造効率で製造しやすい。
溶液中のデンドリマー−ガリウム化合物錯体の濃度を調整することによっても、生成する窒化ガリウム(III)のナノ粒子のサイズを調整することができる。溶液中のデンドリマー−ガリウム化合物錯体の濃度を上げると、基板表面で、溶液中の溶媒を揮発させる際に、デンドリマー−ガリウム化合物錯体が凝集しやすくなり、得られる窒化ガリウム(III)のナノ粒子のサイズも大きくなる傾向がある。
これに対して、溶液中のデンドリマー−ガリウム化合物錯体の濃度を下げると、基板表面で、溶液中の溶媒を揮発させる際に、デンドリマー−ガリウム化合物錯体が凝集しにくくなり、得られる窒化ガリウム(III)のナノ粒子のサイズも小さくなる傾向がある。
〔デンドリマー−ガリウム化合物錯体溶液の塗布方法〕
調製された溶液は、基板の表面に塗布される。溶液の塗布後に基板を乾燥させることにより、デンドリマー−ガリウム化合物錯体が良好に分散した状態で基板表面に担持される。
基板の種類は、特に限定されず、錯体担持工程、及び窒化ガリウム(III)生成工程の条件において安定な材質からなる基板であればよい。好適な基板の具体例としてはマイカ基板、シリコン基板、石英基板、炭化シリコン基板、及びHOPG基板等が挙げられる。
調製された溶液を基板の表面に塗布する手段は、公知の手段を適宜使用すればよい。このような手段の一例として、はけ塗り法、ロールコーター法、グラビアコーター法、スピンコート法、浸漬法、ドロップレットキャスト法等が挙げられるが、特に限定されない。塗布後の基板表面における上記溶液の膜厚は特に限定されず、典型的には、0.1nm〜150nmであり、0.5nm〜50nmが好ましい。
以上説明した方法により得られる、デンドリマー−ガリウム化合物錯体を、良好に分散された状態でその表面に担持する基盤は、次いで、窒化ガリウム(III)生成工程に供される。
<窒化ガリウム(III)生成工程>
窒化ガリウム(III)生成工程は、基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。窒化ガリウム(III)の生成工程において、デンドリマー−ガリウム化合物錯体中のガリウム化合物を窒化ガリウム(III)に変換する反応は特に限定されず、デンドリマー−ガリウム化合物に含まれるガリウム化合物の種類に応じて適宜選択される。
ガリウム化合物としては、窒化ガリウム(III)への変換が容易であることや、入手が容易であることから、ガリウム(III)ハロゲン化物が好ましく、塩化ガリウム(III)がより好ましい。このため、ガリウム化合物を、窒化ガリウム(III)に変換する方法としては、ガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解して水酸化ガリウム(III)を得た後、水酸化ガリウム(III)を加熱して酸化ガリウム(III)を生成させ、生成した酸化ガリウム(III)をアンモニア等の含窒素化合物の気体と反応させる方法が好ましい。
つまり、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法としては、前述の錯体担持工程においてガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を用いる以下の工程a)を錯体担持工程として含み、以下の工程b)〜c)を窒化ガリウム(III)生成工程として含む方法が好ましい。以下、工程b)〜c)について説明する。
a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程、
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程、
c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程、及び
d)前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に担持した前記基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子と前記含窒素化合物とを加熱下に反応させて、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程。
〔工程b)〕
工程b)は、基板上に担持された、デンドリマー−ガリウム化合物錯体に含まれるガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解して、デンドリマー−水酸化ガリウム(III)を生成させる工程である。
デンドリマー−ガリウム化合物錯体に含まれる、好適なガリウム(III)ハロゲン化物は、錯体担持工程について説明した通りである。
ガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解する方法は、ガリウム(III)ハロゲン化物を水と接触させる方法であって、加水分解が良好に進行する方法であれば、特に限定されない。好適な方法としては、酸性水溶液と、デンドリマー−ガリウム化合物錯体が担持された基板とを接触させる方法が挙げられる。かかる方法に用いられる酸性水溶液は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及び酢酸等のブレンステッド酸の水溶液が挙げられる。酸性水溶液の好適な濃度は、特に限定されないが、典型的には、1〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。また、酸性水溶液が、例えば塩酸のように、酸性のガスと水蒸気とを生成可能である場合、酸性水溶液から生じる、酸性のガスと水蒸気とを含む蒸気を基板に接触させて、ガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解させることもできる。
基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体に含まれるガリウム(III)ハロゲン化物を水と接触させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば、基板の表面に水を流通させる方法、基板を水中に浸漬する方法、基板の表面に水を噴霧する方法、及び水を含んだ、織布、不織布等の吸水性材料を基板表面に載置する方法等が挙げられる。
加水分解反応の条件は、加水分解が良好に進行する限り特に限定されず、通常は常温下で加水分解反応が行われる。具体的な温度としては、10〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましく、20〜30℃が特に好ましい。
〔工程c)〕
工程c)は、上記工程b)に次いで、基板上のデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。
工程c)において、デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体に含まれる水酸化ガリウム(III)を、酸化ガリウム(III)に変換させる温度は、0〜800℃が好ましく、50〜600℃がより好ましく、100〜500℃が特に好ましい。また、水酸化ガリウム(III)を、酸化ガリウム(III)に変換させる際の反応時間は、反応温度によっても異なるが、典型的には、120分以下が好ましく、30〜90分がより好ましく、45〜60分が特に好ましい。
水酸化ガリウム(III)を酸化ガリウム(III)に変換する反応中、及び/又は反応後には、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物、又はフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の熱分解物を分解処理する目的で、空気、酸素、オゾン等の酸化性ガスを供給するのが好ましい。酸化性ガスとしては、オゾンがより好ましい。また、酸化性ガスは、ヘリウム、窒素、ネオン、及びアルゴン等の不活性気体により希釈したものを用いることもできる。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を分解することにより、錯体中に含まれていた水酸化ガリウム(III)の分子から生成した酸化ガリウム(III)の分子が集合し、酸化ガリウム(III)のナノ粒子が形成される。
工程c)において、酸化性ガスを供給する時間は、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物、又はフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の熱分解物を分解処理できる限り特に限定されない。酸化性ガスは、典型的には、水酸化ガリウム(III)を、酸化ガリウム(III)に変換させるための所定の反応温度に達した後に、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、特に好ましくは10分以上供給される。酸化性ガスを供給する時間の上限は、水酸化ガリウム(III)を、酸化ガリウム(III)に変換する反応の反応時間と同様である。
〔工程d)〕
工程d)は、上記の工程c)で得られた、酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に備える基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、酸化ガリウム(III)のナノ粒子と含窒素化合物とを加熱下に反応させて、基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。
工程d)において使用される含窒素化合物は、酸化ガリウム(III)と反応して、窒化ガリウム(III)を生成させるものであれば特に限定されない。好適な含窒素化合物としては、反応条件において気体状である、アンモニア及び窒素ガスが挙げられ、高温でのガス分解による窒素ラジカルの生成効率からアンモニアガスが最も好ましい。また、窒素ガスと水素ガスとを用いるプラズマイオン処理や、アンモニアガスと水素ガスとを用いるラジカル窒化処理により、酸化ガリウム(III)を窒化処理する方法も好ましい。
工程d)において、反応装置内に流通する気体中の含窒素化合物の濃度を調整する目的等で、含窒素化合物の気体は、キャリアガスと共に反応装置内に供給されてもよい。キャリアガスの好適な例としては、窒素、アルゴン等が挙げられる。これらの中では、アルゴンがもっとも好ましい。
工程d)において、酸化ガリウム(III)のナノ粒子と、含窒素化合物の気体とを反応させる温度は、反応が良好に進行する限り特に限定されない。工程d)における、反応温度は、典型的には、500〜1200℃が好ましく、650〜1100℃がより好ましく、750〜1050℃が特に好ましい。
このようにして得られる窒化ガリウム(III)のナノ粒子は、基板に付着した状態、又は、公知の方法により基板から剥離させた状態で、種々の用途に好適に使用される。窒化ガリウム(III)のナノ粒子を、基板から剥離させる公知の方法としては、バッファ層を表面に備える基板を用い、バッファ層上にナノ粒子を形成した後、バッファ層をレーザにより分解して基板表面のナノ粒子を基板から剥離させる、レーザリフトオフ法等が挙げられる。
≪酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法≫
以下、本発明の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法について説明する。本発明の酸化ガリウム(III)の製造方法は、それぞれ所定の、錯体担持工程と酸化ガリウム(III)生成工程とを備える。
錯体担持工程は、デンドリマーガリウム化合物錯体の調製に用いるガリウム化合物として、上記の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法における錯体担持工程と同様である。ただし、ガリウム化合物としては、1種類、又は2種類以上の公知の反応を組み合わせて、酸化ガリウム(III)に変換されうるガリウム化合物を用いる。
酸化ガリウム(III)生成工程は、基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる工程である。酸化ガリウム(III)の生成工程において、デンドリマー−ガリウム化合物錯体中のガリウム化合物を酸化ガリウム(III)に変換する反応は特に限定されず、デンドリマー−ガリウム化合物に含まれるガリウム化合物の種類に応じて適宜選択される。
ガリウム化合物としては、酸化ガリウム(III)への変換が容易であることや、入手が容易であることから、ガリウム(III)ハロゲン化物が好ましく、塩化ガリウム(III)がより好ましい。このため、ガリウム化合物を、酸化ガリウム(III)に変換する方法としては、ガリウム(III)ハロゲン化物を加水分解して水酸化ガリウム(III)を得た後、水酸化ガリウム(III)を加熱して酸化ガリウム(III)を生成させる方法が好ましい。
つまり、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法としては、前述の錯体担持工程においてガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を用いる以下の工程a)を錯体担持工程として含み、以下の工程b)、及びc)を酸化ガリウム(III)生成工程として含む方法が好ましい。以下の、工程a)〜c)は、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法において説明した工程a)〜c)と同様である。
a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程、
b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程、及び
c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程。
このようにして形成される、酸化ガリウム(III)のナノ粒子は、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の原料として好適に使用される。また、酸化ガリウム(III)のナノ粒子は、ガスセンサー、蛍光体、発光体、太陽電池セルの誘電コーティング等の種々の用途に好適に利用することができる。
次に、実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[フェニルアゾメチンデンドリマーの合成]
・2世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G2on)の合成
100mL三口フラスコに、ベンゾフェノン(4.62g、25.3mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(2.5g、12.6mmol)、及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(8.49g、75.7mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン50mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(2.01mL、1.84mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=4:4:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である2世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G2on)を得た。
・2世代フェニルアゾメチンデンドロン(G2on)の合成
ナスフラスコに、Pre−G2on(2.17g、3.98mmol)、過マンガン酸カリウム(1.19g、7.5mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(2.42g、7.5mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、2日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2重量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=4:4:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である2世代フェニルアゾメチンデンドロン(G2on)を得た。
・3世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G3on)の合成
100mL三口フラスコに、G2on(5.161g、9.55mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(0.901g、4.54mmol)、及びDABCO(8.49g、7.57mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン50mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(2.01mL、1.84mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である3世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G3on)を得た。
・3世代フェニルアゾメチンデンドロン(G3on)の合成
ナスフラスコに、Pre−G3on(1.27g、1.02mmol)、過マンガン酸カリウム(0.95g、6.0mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(1.95g、6.1mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、3日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2質量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である3世代フェニルアゾメチンデンドロン(G3on)を得た。
・4世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G4on)の合成
100mL三口フラスコに、G3on(4.90g、3.9mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(0.387g、1.95mmol)、及びDABCO(1.31g、11.7mmol)を秤取り、セプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン20mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(0.32mL、2.93mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=2:2:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製し、溶媒を留去して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドロン前駆体(Pre−G4on)を得た。
・4世代フェニルアゾメチンデンドロン(G4on)の合成
ナスフラスコに、Pre−G4on(4.62g、3.67mmol)、過マンガン酸カリウム(3.33g、21mmol)、及び臭化テトラn−ブチルアンモニウム(6.78g、21mmol)を秤取り、容器を水浴につけた状態でジクロロエタン(25mL)を加えて撹拌した。1時間後、水浴を取り除き、7日間反応させた。反応終了後、飽和NaHSO水溶液を加えて過マンガン酸カリウムを失活させ、2質量%のトリエチルアミンを加えた飽和食塩水で分液を行い、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを取り除いた。分液後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=3:3:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製してから溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)としてからHPLCにより精製し、溶媒を留去した。得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)とし、10倍希釈量のエタノール存在下で再沈殿を行い、得られた固体を減圧濾過により回収して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドロン(G4on)を得た。
・4世代フェニルアゾメチンデンドリマー(DPAG4er)の合成
p−フェニレンジアニリン(10.2mg)、G4on(500mg)、及びDABCO(245.5mg)を反応容器に秤取り、真空脱気後、容器にセプタムをつけて閉鎖系にし、内部を窒素置換した。これにクロロベンゼン20mLを加え、オイルバス(125℃)により加熱を行いながら撹拌し、原料を溶解させた。滴下ロートからクロロベンゼン(2mL)に溶解させた四塩化チタン(0.06mL、0.547mL)を滴下し、残った四塩化チタンを2mLのクロロベンゼンで洗い流した。その後、内容液を4時間反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、三口フラスコを開放系にした状態で数時間撹拌することで四塩化チタンを失活させた。内容物をセライトで濾過することにより失活した四塩化チタンを除去し、セライトをクロロベンゼンで洗い流した後、回収した濾液から溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=2:2:1の混合溶媒にトリエチルアミンを2質量%添加したものを使用した。)で精製してから溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)としてからHPLCにより精製し、溶媒を留去した。得られた固体をクロロホルム溶液(10質量%)とし、10倍希釈量のメタノール存在下で再沈殿を行い、得られた固体を減圧濾過により回収して目的物である4世代フェニルアゾメチンデンドリマー(DPAG4er)を得た。この4世代フェニルアゾメチンデンドリマーを使用して、以下の試験を行った。
[参考例1]
(酸化ガリウム(III)薄膜の調製)
DPAG4er(5μmol/L)のクロロホルム溶液2mlに対し、塩化ガリウム(III)のアセトニトリル溶液(4.73×10−3mol/L)29.81μLを加えて、DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lの溶液を得た。DPAG4erに対する塩化ガリウム(III)の等量は14等量である。なお、塩化ガリウム(III)の等量とは、DPAG4er1molに対する、塩化ガリウム(III)のモル数を意味する。得られた溶液を濃縮乾固した後に、残渣をクロロホルムに溶解させ、濃度50μmol/LのDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体のクロロホルム溶液を調製した。この溶液をシリコン基板にスピンキャストにより500rpm、20sの条件で塗布した。塗布後、基板表面から溶媒を除去し、基板にDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持させた。
DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持した基板を、濃度10質量%の塩酸水溶液から生じた蒸気と接触させて、基板上のDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を、DPAG4er−水酸化ガリウム(III)錯体に変換した。
DPAG4er−水酸化ガリウム(III)錯体を担持する基板を、ホットプレートで500℃で1時間加熱した。次いで、オゾン雰囲気下に同温度で10分間基板を加熱して、基板の表面に酸化ガリウム(III)を生成させた。
シリコン基板を用いて得られた基板をXPS(X線光電子分光装置、ESCA1700R、アルバック社製)により分析したところ、酸化ガリウム(III)粉末(和光純薬株式会社製)、と同様に、Gaのp3/2軌道の結合エネルギーに相当する1117〜1118eV付近にピークが観測された。この事から、基板表面に、酸化ガリウム(III)が生成していることが分かる。参考例1で得られた基板(酸化ガリウム(III)薄膜)と、酸化ガリウム(III)粉末と、後述の実施例1で得られた酸化ガリウム(III)ナノ粒子とのXPSスペクトルを、図1に示す。
なお、比較対象として用いた酸化ガリウム(III)粉末の試料は、酸化ガリウム(III)粉末(和光純薬株式会社製)をシリコン基板に載せて調製した。
[実施例1]
(酸化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
参考例1と同様にして、DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lのクロロホルム溶液を得た。得られた溶液を濃縮乾固した後に、残渣をジクロロメタンに溶解させ、濃度0.65μmol/LのDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体のジクロロメタン溶液を調製した。この溶液をシリコン基板にスピンキャストにより2500rpm、30sの条件で塗布した。塗布後、基板表面から溶媒を除去し、基板にDPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持させた。DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体を担持した基板を、参考例1と同様に処理して、基板表面に、酸化ガリウム(III)を生成させた。
シリコン基板を用いて得られた基板をAFM(原子間力顕微鏡、SPA400、セイコーインスツルメンツ株式会社製)により観察したところ、基板表面に、平面視平均粒子径が27.7nmであり、基板からの高さが3.4nmである酸化ガリウム(III)のナノ粒子が基板表面に形成されたことが分かった。基板表面をAFMにより観察した写真を、図2に示す。なお、「平面視平均粒径」とは、基板を平面視した際の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の平均粒径を意味する。
[参考例2]
(酸化ガリウム(III)からの窒化ガリウム(III)の調製)
参考例1で得られた、酸化ガリウム(III)をその表面に備える基板を、反応装置に内に載置した。次いで、反応装置内に、アンモニアガスとアルゴンとの混合気体(ガス流量比、アンモニア:アルゴン=600(ml/min):400(ml/min))を、基板の面方向に流通させた後、反応装置内を1050℃まで昇温させた。反応装置内温が1050℃に到達してから、30分反応を行った。反応装置内を室温まで冷却した後に、基板を取り出した。シリコン基板を用いて得られた基板を、蛍光スペクトル測定装置(Spectrofluorometer、FP−8300 JASCO社製)により分析したところ、窒化ガリウム(III)粉末(Aldrich製)、と同様に、波長365nm付近での発光が観測された。このことから、基板表面に、窒化ガリウム(III)が生成していることが分かる。参考例2で得られた基板(窒化ガリウム(III)薄膜)と、窒化ガリウム(III)粉末と、後述の実施例2で得られた窒化ガリウム(III)ナノ粒子との蛍光スペクトルを、図3に示す。
なお、比較対象として用いた窒化ガリウム(III)粉末の試料は、窒化ガリウム(III)粉末(Aldrich社製)をシリコン基板に載せて調製した。
[実施例2]
(酸化ガリウム(III)ナノ粒子からの窒化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
実施例1で得られた、酸化ガリウム(III)ナノ粒子をその表面に備える基板を、参考例2と同様の条件により処理して、窒化ガリウム(III)ナノ粒子をその表面に備える基板を得た。得られた基板をAFM(原子間力顕微鏡、SPA400、セイコーインスツルメンツ株式会社製)により観察したところ、基板表面に、平面視平均粒子径が28.75nmであり、基板からの高さが3.46nmである窒化ガリウム(III)のナノ粒子が形成されたことが分かった。基板表面をAFMにより観察した写真を、図4に示す。
[実施例3]
(窒化ガリウム(III)ナノ粒子の調製)
DPAG4er−塩化ガリウム(III)錯体の溶液の濃度を、0.65μmol/Lから、0.065μmol/Lに変更することの他は、実施例1及び実施例2と同様の操作を行い、シリコン基板を用いて、窒化ガリウム(III)のナノ粒子をその表面に備える基板を得た。得られた基板をAFM(原子間力顕微鏡、SPA400、セイコーインスツルメンツ株式会社製)により観察したところ、基板表面に、平面視平均粒子径が15.00nmであり、基板からの高さが1.89nmである窒化ガリウム(III)のナノ粒子が形成されたことが分かった。
実施例3によれば、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液の濃度を変更することにより、形成される窒化ガリウム(III)のナノ粒子のサイズを調整できることが分かる。
[実施例4〜11]
フェニルアゾメチンデンドリマー(DPAG4er)に対する、塩化ガリウム(III)の等量が表1に記載の等量となるように、塩化ガリウム(III)のアセトニトリル溶液の濃度を変更することの他は、参考例1と同様にして、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体の濃度5μmol/Lのクロロホルム溶液を調製した。得られた、クロロホルム溶液を濃縮乾固させた後、残渣をジクロロメタンに溶解させ、濃度1.0×10−9μmol/Lのフェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体のジクロロメタン溶液を得た。
次いで、シリコン基板上に、得られたフェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体のジクロロメタン溶液を、2500rpm、30sの条件でスピンキャストにより塗布した。塗布後、基板表面から溶媒を除去し、基板にフェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体を担持させた。
フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体を担持した基板を、濃度10質量%の塩酸水溶液から生じた蒸気と接触させて、基板上のフェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体を、フェニルアゾメチンデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体に変換した。フェニルアゾメチンデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を担持する基板を、ホットプレートで500℃で1時間加熱した。次いで、オゾン雰囲気下に同温度で10分間基板を加熱して、基板の表面に酸化ガリウム(III)を生成させた。
表1に記載の温度で30分間反応を行うことの他は、参考例2と同様に、酸化ガリウム(III)を表面に担持する基板を処理して、窒化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に担持する基板を得た。基板表面をAFMにより観察し、実施例4〜11で得られた基板表面に担持される窒化ガリウム(III)のナノ粒子の高さを測定した。各実施例で得られた基板表面に担持される窒化ガリウム(III)のナノ粒子の高さを表1に記す。また、実施例4〜11における、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体における、塩化ガリウム(III)の配位数と、形成される窒化ガリウム(III)ナノ粒子の高さとの関係を示すグラフを図5に示す。
実施例4〜11によれば、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体における、塩化ガリウム(III)の配位数が多いほど、窒化ガリウムナノ粒子の高さが高いことが分かる。つまり、フェニルアゾメチンデンドリマー−塩化ガリウム(III)錯体における、塩化ガリウム(III)の配位数を調整することにより、形成される窒化ガリウム(III)ナノ粒子の高さを調整できる。

Claims (8)

  1. 1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
    2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
    を含む、窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
    (上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
    の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
    上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
    の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
    上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
    の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
    nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
    mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
  2. 前記窒化ガリウム(III)のナノ粒子が、前記基板表面に担持されている、請求項1記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
  3. a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に担持させる、錯体担持工程と、
    b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程と、
    c)前記基板上の前記デンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程と、
    d)前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子を表面に担持した前記基板上に、含窒素化合物の気体を流通させ、前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子と前記含窒素化合物とを加熱下に反応させて、前記基板上に窒化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、窒化ガリウム(III)生成工程と、
    を含む、請求項1又は2記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
  4. 前記ガリウム化合物が、ガリウム(III)ハロゲン化物である、請求項1〜3何れか1項記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
  5. 前記含窒素化合物の気体が、アンモニアガス、から選択される1種以上の気体である、請求項3又は4何れか1項記載の窒化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
  6. 1)下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、ガリウム化合物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に担持させる、錯体担持工程と、
    2)前記基板表面に担持されたデンドリマー−ガリウム化合物錯体から、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム生成工程と、
    を含む、酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
    (上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
    の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
    上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
    の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
    上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
    の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
    nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
    mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
  7. a)前記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に、前記ガリウム化合物としてガリウム(III)ハロゲン化物を配位させた、デンドリマー−ガリウム化合物錯体の溶液を基板の表面に塗布して、前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を前記基板の表面に分散された状態で担持させる、錯体担持工程と、
    b)前記基板上の前記デンドリマー−ガリウム化合物錯体を加水分解して、前記基板上にデンドリマー−水酸化ガリウム(III)錯体を生成させる、水酸化ガリウム(III)生成工程と、
    c)前記基板上の前記水酸化ガリウム(III)を加熱して、前記基板上に酸化ガリウム(III)のナノ粒子を生成させる、酸化ガリウム(III)生成工程と、
    を含む、請求項6記載の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
  8. 前記酸化ガリウム(III)のナノ粒子が、前記基板表面に担持されている、請求項6又は7記載の酸化ガリウム(III)のナノ粒子の製造方法。
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