以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数の実施の形態またはセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
<1.実施の形態の概要>
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
<1−1.高周波スイッチモジュール(図1〜図12)>
代表的な実施の形態による高周波スイッチモジュール(1)は、デコーダ(3)と、昇圧回路である負電圧発生回路(6)と、タイミング信号生成回路(5)と、バイアス電圧発生回路(2)と、レベルシフタ(4)と、スイッチ(7)を具備する。
前記デコーダ(3)は、前記高周波スイッチモジュール(1)の外部からの制御信号CNTを受けて、前記スイッチ(7)のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNTを生成する。
前記負電圧発生回路(6)は、前記スイッチ(7)本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、前記負電圧発生回路(6)内のクロック発生器(61)でクロック信号CLK_OUTを生成する。
前記タイミング信号生成回路(5)は、前記負電圧発生回路(6)からのクロック信号CLK_OUTを受け、前記負電圧発生回路(6)の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をタイミング信号Timeとして生成する。
前記バイアス電圧発生回路(2)は、前記タイミング信号生成回路(5)からのタイミング信号Timeを受け、前記レベルシフタ(4)の活性/不活性を切替えるバイアス電圧STを生成する。
前記レベルシフタ(4)は、前記デコーダ(3)からのスイッチ切替信号SWCNTと、前記負電圧発生回路(6)からの負電圧NVG_OUTと、前記バイアス電圧発生回路(2)からのバイアス電圧STを受けて、前記負電圧発生回路(6)が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、前記レベルシフタ(4)を不活性状態とし、前記負電圧発生回路(6)が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、前記レベルシフタ(4)を活性化し、スイッチ切替信号SWCNTの電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ(7)本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNTおよびボディ制御信号BCNTを生成する。
前記スイッチ(7)は、前記レベルシフタ(4)からのゲート制御信号GCNTおよびボディ制御信号BCNTと、前記負電圧発生回路(6)からの負電圧出力NVG_OUTと、前記高周波スイッチモジュール(1)の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、前記スイッチ(7)のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、前記RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
本実施の形態によれば、電源投入時から負電圧発生回路(6)の負電圧の充電が十分に完了するまでは、レベルシフタ(4)を不活性状態とすることができ、負電圧充電中にレベルシフタ(4)から負電圧発生回路(6)の充電容量に注入される正方向の突入電流を劇的に小さくすることができ、その結果、マルチモード・マルチスタンダード化に伴うSP10T等の多ポートの高周波スイッチモジュール(1)においても安定的な負電圧出力を得ることが可能となる。
<1−2.高周波スイッチモジュール(図13〜図20)>
代表的な別の実施の形態による高周波スイッチモジュール(1)は、デコーダ(3)と、昇圧回路である負電圧発生回路(6)と、タイミング信号生成回路(5)と、第2のレベルシフタ(8)と、第1のレベルシフタ(4)と、スイッチ(7)を具備する。
前記デコーダ(3)は、前記高周波スイッチモジュール(1)の外部からの制御信号CNTを受けて、前記スイッチ(7)のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNTを生成する。
前記負電圧発生回路(6)は、前記スイッチ(7)本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、前記負電圧発生回路(6)内のクロック発生器(61)でクロック信号CLK_OUTを生成する。
前記タイミング信号生成回路(5)は、前記負電圧発生回路(6)からのクロック信号CLK_OUTを受け、前記負電圧発生回路(6)の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をタイミング信号Timeとして生成する。
前記第2のレベルシフタ(8)は、前記タイミング信号生成回路(5)からのタイミング信号Timeを受け、前記タイミング信号Timeの電圧レベル(2.5/0V)を、前記第1のレベルシフタ(4)の活性/不活性を切替えるスタンバイST(ST1(0/−2.5V)、ST2(0/−2.5V)、ST3(2.5/0V))を生成する。
前記第1のレベルシフタ(4)は、前記デコーダ(3)からのスイッチ切替信号SWCNTと、前記負電圧発生回路(6)からの負電圧NVG_OUTと、前記第2のレベルシフタ(8)からのスタンバイ信号STを受けて、前記負電圧発生回路(6)が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、前記第1のレベルシフタ(4)を不活性状態とし、かつ不活性状態における前記第1のレベルシフタ(4)の全ての回路ノードの電圧レベルが規定される状態とし、前記負電圧発生回路(6)が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、前記第1のレベルシフタ(4)を活性化し、スイッチ切替信号SWCNTの電圧レベル(2.5/0V)を、前記スイッチ(7)本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNTおよびボディ制御信号BCNTを生成する。
前記スイッチ(7)は、前記第1のレベルシフタ(4)からのゲート制御信号GCNTおよびボディ制御信号BCNTと、前記負電圧発生回路(6)からの負電圧出力NVG_OUTと、前記高周波スイッチモジュール(1)の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、前記スイッチ(7)のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、前記RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
本実施の形態によれば、電源投入時から負電圧発生回路(6)の負電圧の充電が十分に完了するまでは、第1のレベルシフタ(4)を不活性状態とすることができ、負電圧充電中に第1のレベルシフタ(4)から負電圧発生回路(6)の充電容量に注入される正方向の突入電流を劇的に小さくすることができ、その結果、マルチモード・マルチスタンダード化に伴うSP10T等の多ポートの高周波スイッチモジュール(1)においても安定的な負電圧出力を得ることが可能となる。
<1−3.高周波スイッチモジュール(図21〜図28)>
好適な実施の形態によれば、前記タイミング信号生成回路(5)は、前記負電圧発生回路(6)内のクロック発生器(61)から生成されたクロック信号CLK_OUTを受け、前記負電圧発生回路(6)の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果を複数ビットのタイミング信号Timeとして生成する。この際に、複数ビットのタイミング信号は、それぞれ異なるタイミングにて生成されることを特徴とする。例えば、第1ビットのタイミング信号がLowからHighとなって、8クロック後に第2ビット目のタイミング信号がLowからHighとなるようにする。
前記第1のレベルシフタ(4)は、前記デコーダ(3)からのスイッチ切替信号SWCNTと、前記負電圧発生回路(6)からの負電圧NVG_OUTと、前記第2のレベルシフタ(8)からの複数ビットのスタンバイ信号STを受けて、前記負電圧発生回路(6)が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、前記第1のレベルシフタ(4)を不活性状態とし、かつ不活性状態における前記第1のレベルシフタ(4)の全ての回路ノードの電圧レベルが規定される状態とし、前記負電圧発生回路(6)が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、複数ビットのスタンバイ信号STによって段階的に前記第1のレベルシフタ(4)を不活性状態から、活性状態に遷移させることを特徴とする。
前記の段階的という意味は、例えばレベルシフタ(4)が40個のレベルシフタユニットから構成されており、かつレベルシフタ切替信号(またはバイアス)STのビット数が4ビットと仮定した場合に、第1ビット目のレベルシフタ切替信号ST<1>は、40個あるレベルシフタユニットの中で0番目から10番目のレベルシフタユニットのみを不活性状態から活性状態とし、第2ビット目のレベルシフタ切替信号ST<2>は、40個あるレベルシフタユニットの中で11番目から20番目のレベルシフタユニットのみを不活性状態から活性状態とし、第3ビット目のレベルシフタ切替信号ST<3>は、40個あるレベルシフタユニットの中で21番目から30番目のレベルシフタユニットのみを不活性状態から活性状態とし、第4ビット目のレベルシフタ切替信号ST<4>は、40個あるレベルシフタユニットの中で31番目から40番目のレベルシフタユニットのみを不活性状態から活性状態とすることを特徴とする。
本好適な実施の形態によれば、電源投入時から負電圧発生回路(6)の負電圧の充電が十分に完了するまでは、レベルシフタ(4)を不活性状態とすることができ、負電圧充電中にレベルシフタ(4)から負電圧発生回路(6)の充電容量に注入される正方向の突入電流をさらに小さくすることができ、またレベルシフタ(4)の不活性状態から活性状態への遷移へ移行する際にレベルシフタ(4)から発生する突入電流を軽減させることができ、その結果、マルチモード・マルチスタンダード化に伴うSP10T等の多ポートの高周波スイッチモジュール(1)においてもさらに安定的な負電圧出力を得ることが可能となる。
<1−4.高周波スイッチモジュール(図29)>
好適な他の実施の形態によれば、高周波スイッチモジュール(1)は、シリアルI/Oインターフェース(9)と、デコーダ(3)と、昇圧回路である負電圧発生回路(6)と、タイミング信号生成回路(5)と、バイアス電圧発生回路(2)もしくは第2のレベルシフタ(8)と、レベルシフタ(4)と、スイッチ(7)を具備する。
前記シリアルI/Oインターフェース(9)は、前記高周波スイッチモジュール(1)の外部の制御回路からの制御データ信号DATA、システムクロックCLKを受けて、前記スイッチ(7)を制御する制御信号CNTを生成する。
前記デコーダ(3)は、前記シリアルI/Oインターフェース(9)からの制御信号CNTを受けて、前記スイッチ(7)のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNTを生成する。
本好適な実施の形態によれば、高周波スイッチモジュール(1)の外部とのやり取りをする制御配線が制御データ信号DATA、システムクロックCLKのみとなるため、BBIC等との接続が容易となるとともに、高周波スイッチモジュール(1)のIC内部にて、スイッチ制御信号SWCNTをシステムクロックCLKで同期を取った状態で生成できる。そのため、スイッチ制御信号SWCNTが多数ビットある場合に、多数ビットのスイッチ信号SWCNT間に生じるスキューの影響を低減することができる。
<1−5.高周波スイッチモジュール(図30)>
好適な他の実施の形態によれば、前記タイミング信号生成回路(5)は、前記高周波スイッチモジュール(1)からのシステムクロックCLKを受け、前記負電圧発生回路(6)の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をタイミング信号Timeとして生成する。
本好適な実施の形態によれば、システムクロックCLKは、水晶発振器等から生成される非常に周波数精度が高いクロック信号のため、前記タイミング信号Timeの精度を高めることが可能となる。
<2.実施の形態の詳細>
次に、上述した実施の形態の概要に基づいた実施の形態の詳細について図面に基づいて更に詳述する。尚、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部品には原則として同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
実施の形態1による高周波スイッチモジュールについて、図1〜図12に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図1は、本実施の形態1による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。図1に示す高周波スイッチモジュール1は、デコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、負電圧発生回路6に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続されたバイアス電圧発生回路(Bias)2と、デコーダ3と負電圧発生回路6とバイアス電圧発生回路2に接続されたレベルシフタ(LS)4と、レベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。この高周波スイッチモジュール1の構成において、デコーダ3は外部のBBICに接続され、スイッチ7は外部のRFポートRF1〜RF10およびアンテナANTに接続される。
デコーダ3は、高周波スイッチモジュール1の外部からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、負電圧発生回路6内のクロック発生器61でクロック信号CLK_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、負電圧発生回路6からのクロック信号CLK_OUTを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をタイミング信号Timeとして生成する。
バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号生成回路5からのタイミング信号Timeを受け、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるバイアス電圧STを生成する。
レベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、バイアス電圧発生回路2からのバイアス電圧STを受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、レベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、レベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNTの電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、レベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
次に、高周波スイッチモジュール1の詳細な動作原理を、図2〜図11に示す各部ブロックの詳細説明と、図3、図7、図12に示すタイミングチャートを用いて説明していく。
《デコーダ》
図2は、図1に示した高周波スイッチモジュール1に含まれるデコーダ3の回路構成を示す図である。図2に示すデコーダ3は、インバータ300〜303と、AND回路324〜333と、インバータ304〜323から構成される。
デコーダ3は、高周波スイッチモジュール1の外部からの4ビットの制御信号CNT<4:1>(CNT4〜CNT1)を受けて、スイッチ7を制御するためのスイッチ制御信号SWCNT<10:1>(SWCNT10〜SWCNT1)とNSWCNT<10:1>(NSWCNT10〜NSWCNT1>を生成する。SWCNT<10:1>は、スイッチ7の10個のシリーズスイッチを制御するための制御信号であり、アンテナ端子ANTとRFポートRF1〜RF10のうちの経路に応じて、SWCNT<10:1>のうち、開くポートである1信号のみがHighとなる。例えば、RF1ポートを開きたい場合は、SWCNT<1>がHighとなり、その他はLowとなる。一方、NSWCNT<10:1>は、スイッチ7の10個のシャントスイッチを制御するための制御信号であり、アンテナ端子ANTとRFポートRF1〜RF10のうちの経路に応じて、NSWCNT<10:1>のうち、開くポートである1つの信号のみがLowとなる。例えば、RF1ポートを開きたい場合は、NSWCNT<1>がLowとなり、その他はHighとなる。デコーダ3は、図2に示すとおり、全て(2.5/0V)系のロジック素子から構成されている。
例として、スイッチ7のRF1ポートを開く場合について説明すると、高周波スイッチモジュール1の外部からの4ビットの制御信号CNT<4:1>がLow、Low、Low、Highの場合、AND回路324の4つの入力端子には全てHighが入力されるため、AND回路324の出力はHighとなる。これにより、RF1を制御するための制御信号SWCNT1はHighとなり、NSCNT1はLowとなる。その他のAND回路325〜333のそれぞれの4つの入力端子は、いずれかの入力端子にLowが入力されるため、AND回路325〜333の出力はLowとなる。つまり、SWCNT<10:2>は全てLowとなり、NSWNCT<10:2>は全てHighとなる。その他のRFポートを開く場合においても同様の動作となり、アンテナ端子ANTとRFポートRF1〜RF10のうちの経路に応じて、SWCNT<10:1>のうち、開くポートである1信号のみがHighとなり、NSWCNT<10:1>のうち、開くポートである1つの信号のみがLowとなる。
以上の説明からデコーダ3は、外部からの制御信号CNTによって、開きたいRFポートを選択し、スイッチ7を制御するための信号SWCNT<10:1>およびNSWCNT<10:1>を生成していることが確認できる。なお、図2の本実施の形態1における制御信号CNT<4:1>は4ビットのデジタル信号となっているが、このビット数はスイッチのポート数や制御論理により変化し、特に4ビットに限定するものではない。
《負電圧発生回路》
図4は、図1に示した高周波スイッチモジュール1に含まれる、負電圧出力NVG_OUTおよびクロック信号CLK_OUTを生成する負電圧発生回路6の構成を示す図である。図4に示す負電圧発生回路6は、クロック発生器(OSC)61と、チャージポンプ回路(Charge Pump)62から構成される。クロック発生器61の入力には、クロック発生回路から出力するクロック信号の周波数を調整するための周波数制御信号ICONT、CCONTが接続され、前記ICONT、CCONTのデジタル値に基づいた周波数のクロック信号CLK_OUTを生成し、チャージポンプ回路62の入力には、クロック発生器61のクロック信号が接続される。
図5は、負電圧発生回路6内のクロック発生器61の構成を示す図である。クロック発生器61は、3つのインバータ6121〜6123と、3つの可変バイアス電流源6111〜6113と、可変容量6131〜6133で構成される。3つの可変バイアス電流源6111〜6113の制御端子には、周波数制御信号ICONTが接続される。3つの可変容量6131〜6133には、周波数制御信号CCONTが接続される。インバータ6121の入力端子にはインバータ6123の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6111、出力端子には可変容量6131が接続される。インバータ6122の入力端子にはインバータ6121の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6112、出力端子には可変容量6132が接続される。インバータ6123の入力端子にはインバータ6123の出力端子、電源端子には可変バイアス電流源6113、出力端子には可変容量6133が接続される。これにより、発振周波数を可変バイアス電流源6111〜6113、可変容量6131〜6133で制御可能な発振器を実現することができる。
ここで、本実施の形態1でのクロック発生器61は、ICONTがICONT1>ICONT0、またCCONTがCCONT1>CCONT0の時に、クロック周波数が増加する構成となっていることとする。
図6は、負電圧発生回路6内のチャージポンプ回路62の構成を示す図である。チャージポンプ回路62は、クロックバッファ(BUF)621と、チャージポンプコア620から構成される。クロックバッファ621は、クロック発生器61からのクロック信号CLK_OUTを受け、チャージポンプコア620を駆動するための差動クロック信号CLK_OPとCLK_OMを生成する。チャージポンプコア620は、2つの伝達容量6201、6202、2つのNMOSFET6205、6206と2つのPMOSFET6203、6204からなるクロスカップル回路、充電容量6207から構成される。チャージポンプコア620内の2つの伝達容量6201、6202の入力端子は、それぞれ差動クロック信号CLK_OP、CLK_OMが接続される。クロスカップル回路の入力端子には伝達容量6201、6202が接続される。充電容量6207にはクロスカップル回路のNMOSFET6206および6205が接続される。
チャージポンプコア620は、差動クロック信号CLK_OPがHigh、CLK_OMがLowの時、クロスカップル回路のPMOSFET6203とNMOSFET6205がオン、PMOSFET6204とNMOSFET6206がオフとなる。このとき、伝達容量6201の出力端子はGND側に接続されることで伝達容量6201の容量間にはCLK_OPのHighレベルであるVDDが印加され、伝達容量6201にはCt・VDDの電荷が充電される。次に、差動クロック信号CLK_OPがLow、CLK_OMがHighの時、クロスカップル回路のPMOSFET6204とNMOSFET6206がオン、PMOSFET6203とNMOSFET6205がオフとなる。このとき、伝達容量6201の出力端子は充電容量6207側に接続されることで伝達容量6201の容量の入力端子の電圧はCLK_OPの電位であるGNDとなるが、先程のCLK_OPがHighの時にCt・VDDの電荷が充電されているため、充電容量6207の入力端子の電圧には−VDDという負電圧が発生する。
図12は、チャージポンプ回路62の出力である負電圧出力NVG_OUTの収束過程を説明するための図である。t=t0において、負電圧発生回路6が動作を開始したとき、差動クロックCLK_OP、CLK_OMが入力されてから間も無い場合には、充電容量6207に十分な電荷が充電されていないため、すぐにNVG_OUTは−VDD(−2.5V)の負電圧値は発生しないが、上記のようにCLK_OPとCLK_OMのHighとLowのサイクルを繰り返す度に充電容量6207には負電荷がチャージされ、最終的には充電容量6207に十分な負電荷が蓄えられ−VDDの値に落ち着く。なお、上記の説明は、負電圧発生回路6の動作のみを説明するために、後述するレベルシフタ4の貫通電流に起因する充電容量6207への正方向への突入電流の影響は無視している。レベルシフタ4を考慮した際の詳細説明は、後述のレベルシフタ4にて説明する。
《タイミング信号生成回路》
図7(a),(b)は、図1に示した高周波スイッチモジュール1で、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるためのタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路5の回路構成および、その動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。図7(a)のタイミング信号生成回路5は、クロックカウンタ(Nカウンタ)512と、ラッチ(LAT)511と、OR回路513と、インバータ514から構成されている。
クロックカウンタ512は、負電圧発生回路6内のクロック発生器61からのクロック信号CLK_OUTを入力とし、クロック信号CLK_OUTの立上りエッジの数をカウントし、ある一定数をカウントしたところで、HIGHを出力する。ラッチ511は、クロックカウンタ512の出力信号を入力とし、クロックカウンタ512のHighに応答して、タイミング信号TimeのLowを出力する。インバータ514は、ラッチ511がHighを出力した後にクロックカウンタ512にリセットを掛けることで、クロックカウンタ512の動作を止めて消費電力の増加を防ぐ。
ここで、図7(b)のタイミングチャートを使用して、タイミング信号生成回路5の詳細動作を説明する。t=t0において、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されたと仮定する。この時、クロックカウンタ512とラッチ511に微小時間だけリセット信号rstを与えて、カウント値をリセットする。リセット後のクロックカウンタ512はLowを出力し、ラッチ511はリセット後の初期状態であるHighを出力し続ける。すなわち、タイミング信号生成回路5の出力信号TimeはHighを出力する。
そして、t=t1において、負電圧発生回路6内のクロック発生器61が動作を開始し、クロック信号CLK_OUTをタイミング信号生成回路5内のクロックカウンタ512に入力する。この後、クロックカウンタ512によりクロック信号CLK_OUTの立上りエッジ数をカウントし、t=t2において64個のクロック数を計測した後に、クロックカウンタ512はHighを出力する。ラッチ511は、クロックカウンタ512の出力であるHighに応答してLowを出力する。すなわち、タイミング信号生成回路5は、t=t2においてLowを出力する。
ラッチ511のLow出力に応答して、インバータ514はHighを出力する。OR回路513は、インバータ514のHigh信号に応答してHighを出力する。このため、クロックカウンタ512はリセットされ、クロックカウンタ512のカウント値は0になる。このとき、クロックカウンタ512の出力は再びLowとなるが、ラッチ511はHighを保持し続けるために、タイミング信号生成回路5の出力であるTimeもLowを保持し続ける。
つまり、以上の説明から、タイミング信号生成回路5は、電源投入時から負電圧発生回路6内のクロック発生器61からのクロック信号CLK_OUTのクロック数をカウントし、64カウントするまで、タイミング信号TimeはHighを出力し、64カウント後はLowを出力していることが分かる。
《バイアス電圧発生回路》
図8は、図1に示した高周波スイッチモジュール1で、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるためのバイアス電圧を生成するバイアス電圧発生回路2の回路構成を示す図である。バイアス電圧発生回路2は、バイアス生成回路ユニット21から構成されており、このバイアス生成回路ユニット21は、2段のインバータ211、212によるインバータチェーンから構成されている。バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号生成回路5からのTime信号を入力とし、Time信号がHighの場合は2.5Vを、Time信号がLowの場合はGND電位である0Vを出力し、この信号をバイアス電圧STとして出力する。本実施の形態1におけるバイアス電圧発生回路2は、後述するレベルシフタユニット401〜440の活性/不活性とする構造に依存し、本実施の形態1においては単純な2段のインバータチェーンとなるが、レベルシフタ4の構成に応じて、それぞれ適当となるバイアス電圧を生成するものであり、特にインバータを用いることに限定はしない。
《レベルシフタ》
図9は、図1に示した高周波スイッチモジュール1で、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、バイアス電圧発生回路2からの出力であるバイアス電圧STとを受け、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>とNGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>とNBCNT<10:1>を生成するレベルシフタ4の構成を示す図である。
レベルシフタ4は、40個のレベルシフタユニット401〜440から構成されており、レベルシフタユニット401、403、・・・、439は、それぞれ、レベルシフタコア4010、4030、・・・、4390と、ゲートドライバ4011、4031、・・・、4391から構成され、一方、レベルシフタユニット402、404、・・・、440は、それぞれ、レベルシフタコア4020、4040、・・・、4400と、ボディドライバ4021、4041、・・・、4401から構成されている。
ここで、SWCNT<10:1>のうちでSWCNT<1>のみの動作を説明すると、スイッチ切替信号SWCNT<1>は、レベルシフタユニット401と402に入力され、レベルシフタユニット401は、バイアス電圧STが0Vのときにスイッチ7のシリーズトランジスタであるNMOSFET711のゲート端子を駆動するための電圧(2.5/−2.5V)を生成し、レベルシフタユニット402は、バイアス電圧STが0VのときにNMOSFET711のボディ端子を駆動するための電圧(0/−2.5V)を生成する。以下、SWCNT<2>〜SWCNT<10>も同様の動作となるため、説明を省略する。
一方、NSWCNT<10:1>のうちでNSWCNT<1>のみの動作を説明すると、スイッチ切替信号NSWCNT<1>は、レベルシフタユニット421と422に入力され、レベルシフタユニット421は、バイアス電圧STが0Vのときにスイッチ7のシャントトランジスタであるNMOSFET712のゲート端子を駆動するための電圧(2.5/−2.5V)を生成し、レベルシフタユニット422は、バイアス電圧STが0VのときにNMOSFET712のボディ端子を駆動するための電圧(0/−2.5V)を生成する。以下、NSWCNT<2>〜NSWCNT<10>も同様の動作となるため、説明を省略する。
以下、レベルシフタユニット401について詳細を説明する。図10は、レベルシフタユニット401の構成を示す図である。レベルシフタユニット401は、レベルシフタコア4010(PMOSFET40101〜40104、NMOSFET40105〜40108、インバータ40109、401010)と、ゲートドライバ4011(PMOSFET40111、40112、NMOSFET40113、40114)から構成されている。基本的な回路構成は、前述した図35に示した従来のレベルシフタの構成とほぼ同様であるが、従来のレベルシフタコア4010はPMOSFET40103およびPMOSFET40104のゲート端子がGND端子に固定されていたが、本実施の形態1におけるレベルシフタコア4010ではPMOSFET40103およびPMOSFET40104のゲート端子が、バイアス電圧発生回路2からの出力であるバイアス電圧STに接続されている。また、従来のゲートドライバ4011はPMOSFET40112のゲート端子がGND端子に固定されていたが、本実施の形態1におけるゲートドライバ4011ではPMOSFET40112のゲート端子が、バイアス電圧発生回路2からの出力であるバイアス電圧STに接続されている。
ここで、レベルシフタ4およびレベルシフタユニット401の電源投入時からの動作について、図12のタイミングチャートを用いて説明する。t=t0において、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されると同時に、負電圧発生回路6は、負電圧発生回路6内のクロック発生器61の動作を開始し、クロック信号CLK_OUTを生成し、このクロック信号CLK_OUTによってチャージポンプ回路62を駆動することで、負電圧の充電を開始する。また、電源投入と同時にタイミング信号生成回路5の出力であるタイミング信号TimeはHighとなるとともに、負電圧発生回路6から出力されるクロック信号CLK_OUTの立上りエッジのカウントを開始する。
タイミング信号生成回路5のHigh出力を受けて、バイアス電圧発生回路2は2.5Vのバイアス電圧STを出力する。バイアス電圧STが2.5Vの場合、すなわち負電圧発生回路6が負電圧を充電中の場合は、レベルシフタコア4010のPMOSFET40103およびPMOSFET40104のゲート端子は2.5Vとなっているため、PMOSFET40103およびPMOSFET40104のゲート−ソース間電圧は0Vとなるために、PMOSFET40103およびPMOSFET40104はOFFとなり、その結果、レベルシフタコア4010のVDD−NVG_OUT間を流れる貫通電流はほぼ0となる。一方、ゲートドライバ4011のPMOSFET40112も同様にOFFとなるために、ゲートドライバ4011のVDD−NVG_OUT間を流れる貫通電流はほぼ0となる。つまり、負電圧発生回路6が充電中の間においても、レベルシフタユニット401に流れる貫通電流をほぼ0とすることが可能となる。
同様に、図11は、レベルシフタユニット402の構成を示す図である。レベルシフタユニット402は、レベルシフタコア4020(PMOSFET40201〜40204、NMOSFET40205〜40208、インバータ40209、402010)と、ボディドライバ4021(PMOSFET40211、NMOSFET40212)から構成されている。レベルシフタユニット402を構成するレベルシフタコア4020も同様に、PMOSFET40203およびPMOSFET40204のゲート端子が、バイアス電圧発生回路2からの出力であるバイアス電圧STに接続されている以外は、従来のレベルシフタユニット402と同様の構成である。
ここで、バイアス電圧STが2.5Vの場合、すなわち負電圧発生回路6が負電圧を充電中の場合は、レベルシフタコア4020のPMOSFET40203およびPMOSFET40204のゲート端子は2.5Vとなっているため、PMOSFET40203およびPMOSFET40204のゲート−ソース間電圧は0Vとなるために、PMOSFET40203およびPMOSFET40204はOFFとなり、その結果、レベルシフタコア4020のVDD−NVG_OUT間を流れる貫通電流はほぼ0となる。一方、ボディドライバ4021のPMOSFET40211およびNMOSFET40212のゲート端子は、NMOSFET40206の不定電圧が印加されるために、貫通電流は流れたままとなる。
しかしながら、ボディドライバ4021以外の貫通電流は、負電圧発生回路6の負電圧充電中において遮断できるため、レベルシフタ4の全貫通電流に対して、負電圧発生回路6の充電電流を十分に大きくすることが可能となる。つまり、負電圧発生回路6の負電圧充電中に生じるレベルシフタ4の貫通電流に起因する充電容量6207への正方向の突入電流を劇的に減少させることが可能となり、SP10T等の多ポート切替のスイッチ7を有するスイッチモジュールにおいても、伝達容量6201、6202を増大させることなく、かつ、クロック発生器61の発振周波数を高めることなく、安定して負電圧を充電することが可能となる。
そして、負電圧発生回路6の負電圧出力NVG_OUTが十分に最終目的の電圧値である−2.5Vに収束するタイミングであるt=t2において、タイミング信号生成回路5はクロック信号CLK_OUTの立上りエッジ数が一定の数に達した段階で、その出力信号であるタイミング信号TimeはHighからLowとなる。前記タイミング信号生成回路5のLow出力を受けて、バイアス電圧発生回路2は0Vのバイアス電圧STを出力する。バイアス電圧STが0Vとなったことで、レベルシフタ4のスタンバイ状態は解除され、レベルシフタユニット401〜440も従来回路で説明したとおりの通常状態での動作を開始する。
すなわち、一例として挙げると、レベルシフタユニット401は、デコーダ3からのSWCNT<1>のHighを受けると、バイアス電圧STが0Vなので、スイッチ7のシリーズトランジスタであるNMOSFET711をオンするためのゲート端子電圧2.5Vを生成し、GCNT<1>として出力する。レベルシフタユニット402は、同様にSWCNT<1>のHighを受けて、NMOSFET711をオンするためのボディ端子電圧0Vを生成し、BCNT<1>として出力する。レベルシフタユニット421は、デコーダ3からのNSWCNT<1>のLowを受けて、シャントトランジスタであるNMOSFET712をオフするためのゲート端子電圧−2.5Vを生成し、NGCNT<1>として出力する。レベルシフタユニット422は、デコーダ3からのNSWCNT<1>のLowを受けて、NMOSFET712をオフするためのボディ端子電圧−2.5Vを生成し、NBCNT<1>として出力する。
一方、その他のレベルシフタユニット403、404、405、・・・、420は、デコーダ3からのSWCNT<10:2>のLowを受け、スイッチ7のNMOSFET721、731、741、751、761、771、781、791、7101をオフするためのゲート端子電圧−2.5Vおよびボディ電圧−2.5Vを生成し、GCNT<10:2>およびBCNT<10:2>として出力する。また、レベルシフタユニット423、425、・・・、439は、デコーダ3からのNSWCNT<10:2>のHighを受け、スイッチ7のNMOSFET722、732、742、752、762、772、782、792、7102をオンするためのゲート端子電圧2.5Vを生成し、NGCNT<10:2>として出力する。また、レベルシフタユニット424、426、・・・、440は、デコーダ3からのNSWCNT<10:2>のHighを受け、スイッチ7のNMOSFET722、732、742、752、762、772、782、792、7102をオンするためのボディ端子電圧0Vを生成し、NGCNT<10:2>として出力する。
《スイッチ》
図3(a),(b)は、図1に示した高周波スイッチモジュール1で、スイッチポートの切替を行うスイッチ7の構成および、その動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。図3のスイッチ7は、10個のRFポートRF1〜RF10と1つのアンテナポートANTを持ち、レベルシフタ4から生成されたゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>によって、高周波スイッチモジュール1の外部から入力される10本のRF信号(RF1〜RF10)のいずれかのうち1つのみをアンテナポートANTに接続する役割を持つ回路である。SP10Tのスイッチ7は、10個のシリーズトランジスタであるNMOSFET711、721、731、741、751、761、771、781、791、7101と、10個のシャントトランジスタであるNMOSFET712、722、732、742、752、762、772、782、792、7102から構成される。
RFポートRF1は、シリーズトランジスタであるNMOSFET711を介してアンテナ端子ANTに接続されるとともに、シャントトランジスタであるNMOSFET712を介してGNDに接続される。NMOSFET711のゲート端子およびボディ端子は、レベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<1>およびボディ制御信号BCNT<1>が接続される。一方、NMOSFET712のゲート端子およびボディ端子は、レベルシフタ4からのゲート制御信号NGCNT<1>およびボディ制御信号NBCNT<1>が接続される。RFポートRF1のRF信号をアンテナ端子ANTへ伝達させる場合は、ゲート制御信号GCNT<1>を2.5V、ボディ制御信号BCNT<1>を0V、ゲート制御信号NGCNT<1>を−2.5V、ボディ制御信号NBCNT<1>を−2.5Vとすることで、NMOSFET711をオンし、NMOSFET712をオフとする。一方、RFポートRF1とアンテナ端子ANTを遮断する場合は、ゲート制御信号GCNT<1>を−2.5V、ボディ制御信号BCNT<1>を−2.5V、ゲート制御信号NGCNT<1>を2.5V、ボディ制御信号NBCNT<1>を0Vとすることで、NMOSFET711をオフし、NMOSFET712をオンとする。
RFポートRF2は、シリーズトランジスタであるNMOSFET721を介してアンテナ端子ANTに接続されるとともに、シャントトランジスタであるNMOSFET722を介してGNDに接続される。NMOSFET721のゲート端子およびボディ端子は、レベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<2>およびボディ制御信号BCNT<2>が接続される。一方、NMOSFET722のゲート端子およびボディ端子は、レベルシフタ4からのゲート制御信号NGCNT<2>およびボディ制御信号NBCNT<2>が接続される。RFポートRF2のRF信号をアンテナ端子ANTへ伝達させる場合は、ゲート制御信号GCNT<2>を2.5V、ボディ制御信号BCNT<2>を0V、ゲート制御信号NGCNT<2>を−2.5V、ボディ制御信号NBCNT<2>を−2.5Vとすることで、NMOSFET721をオンし、NMOSFET722をオフとする。一方、RFポートRF2とアンテナ端子ANTを遮断する場合は、ゲート制御信号GCNT<2>を−2.5V、ボディ制御信号BCNT<2>を−2.5V、ゲート制御信号NGCNT<2>を2.5V、ボディ制御信号NBCNT<2>を0Vとすることで、NMOSFET721をオフし、NMOSFET722をオンとする。
RFポートRF3〜RF10の説明に関しては、同様の説明となるために省略する。
ここで、レベルシフタ4からのゲート制御信号およびボディ制御信号において、ゲート制御信号GCNT<1>が2.5V、ゲート制御信号GCNT<10:2>が−2.5V、ボディ制御信号BCNT<1>が0V、ボディ制御信号BCNT<10:2>、ゲート制御信号NGCNT<1>が−2.5V、ゲート制御信号NGCNT<10:2>が2.5V、ボディ制御信号NBCNT<1>が−2.5V、ボディ制御信号NBCNT<10:2>が0Vの各信号がSP10Tのスイッチ7に入力されると、RFポートRF1に接続されるシリーズトランジスタであるNMOSFET711がオン、シャントトランジスタであるNMOSFET712がオフとなり、RFポートRF1のRF信号がアンテナ端子ANTに伝達される。一方、その他のシリーズトランジスタであるNMOSFET721、731、741、751、761、771、781、791、7101はオフとなり、シャントトランジスタであるNMOSFET722、732、742、752、762、772、782、792、7102はオフとなる。つまり、RFポートRF1のRF信号のみがアンテナ端子ANTに伝達され、その他のRFポートRF2〜RF10はアンテナ端子ANTとは遮断されていることが分かる。
《実施の形態1の効果》
以上の説明から、本実施の形態1では、外部から受信した制御信号に基づいて、スイッチ7のスイッチ切替信号を生成するデコーダ3と、スイッチ7を駆動する昇圧電圧を生成する負電圧発生回路6と、クロック信号のクロック数をカウントし、タイミング信号を生成するタイミング信号生成回路5と、タイミング信号に応答し、レベルシフタ4を不活性状態/活性状態に切替えるためのバイアス電圧を生成するバイアス電圧発生回路2と、スイッチ切替信号とバイアス電圧と昇圧電圧の信号に応答して、スイッチ7を駆動するための制御信号を生成するレベルシフタ4と、制御信号に応答して、複数の高周波信号ポート間の経路を切替えるスイッチ7を具備することにより、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、高周波スイッチモジュール1の電源投入時から、タイミング信号生成回路5で負電圧発生回路6からのクロック出力CLK_OUTのクロックの立上りエッジ数をカウントし、負電圧発生回路6が発生させる負電圧出力が十分に最終目標値である−2.5Vに収束した状態になる時間だけレベルシフタ4を不活性状態とすることで、負電圧発生回路6の負電圧充電中に生じるレベルシフタ4の貫通電流に起因する充電容量6207への正方向の突入電流を劇的に減少させることが可能となる。その結果、SP10T等の多ポート切替のスイッチ7を有するスイッチモジュールにおいても、伝達電容量6201、6202を増大させることなく、かつ、クロック発生器61の発振周波数を高めることなく、安定して負電圧を充電することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態2による高周波スイッチモジュールについて、図13〜図20に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図13は、本実施の形態2による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。図13に示す高周波スイッチモジュール1は、デコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、負電圧発生回路6に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続された第2のレベルシフタ(LS2)8と、デコーダ3と負電圧発生回路6と第2のレベルシフタ8に接続されたレベルシフタ(LS)4と、レベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。つまり、本実施の形態2は、上述した実施の形態1の高周波スイッチモジュール1で構成されていた回路要素であるバイアス電圧発生回路2を、第2のレベルシフタ8に置き換えた構成となっている。なお、以下において、レベルシフタ4は第2のレベルシフタ8と区別するために第1のレベルシフタ4と表記する。
デコーダ3は、高周波スイッチモジュール1の外部からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、負電圧発生回路6内のクロック発生器61でクロック信号CLK_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、負電圧発生回路6からのクロック信号CLK_OUTを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をタイミング信号Timeとして生成する。
第2のレベルシフタ8は、タイミング信号生成回路5からのタイミング信号Timeを受け、第1のレベルシフタ4の活性/不活性を切替える3ビットのスタンバイ信号STを生成する。
第1のレベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、第2のレベルシフタ8からのバイアス電圧STを受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、第1のレベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、第1のレベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、第1のレベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
次に、高周波スイッチモジュール1の詳細な動作原理を、図14〜図20に示す各部ブロックの詳細説明と、図14に示すタイミングチャートを用いて説明していくが、デコーダ3、負電圧発生回路6、タイミング信号生成回路5、スイッチ7の構成および動作原理は、上述した実施の形態1と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
《第2のレベルシフタ》
図14(a),(b)は、図13に示した高周波スイッチモジュール1で、タイミング信号生成回路5からのタイミング信号Timeを受け、3ビットのスタンバイ信号STを生成する第2のレベルシフタ8の構成および、その動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
図14(a)の第2のレベルシフタ8は、レベルシフタユニット81から構成されており、レベルシフタユニット81は、インバータ8109〜81012と、PMOSFET8101〜8104、およびNMOSFET8105〜8108から構成される。第2のレベルシフタ8は、タイミング信号生成回路5から出力されたタイミング信号Timeの電圧レベル(2.5/0V)を、3ビットのタイミング信号STのうちST1およびST2は0/−2.5Vに変換し、ST3は2.5/0Vのまま出力する。
ここで、第2のレベルシフタ8の動作を、図14(b)のタイミングチャートを交えて説明する。高周波スイッチモジュール1の電源が投入されたタイミングt=t0において、タイミング信号生成回路5から出力されるタイミング信号TimeはHighとなるため、レベルシフタユニット81内のインバータ8109の出力は0V、インバータ81010の出力は2.5Vとなる。つまり、レベルシフタユニット81内の差動入力トランジスタのPMOSFET8101はオン、PMOSFET8102はオフとなる。PMOSFET8101がオンすることで、PMOSFET8101のドレイン端子は2.5Vとなる。これにより、PMOSFET8103のゲート−ソース間電圧は−2.5Vとなるため、PMOSFET8103もオンとなり、PMOSFET8107のドレイン端子は2.5Vとなる。
ここで、t=t0の段階においては、負電圧発生回路6が発生する負電圧出力はまだ0Vのため、NMOSFET8105のドレイン端子の電圧は、NMOSFET8107とNMOSFET8105の分圧電圧となり、NMOSFET8107とNMOSFET8105のオフ抵抗がおおむね等しいとすると、NMOSFET8105のドレイン端子の電圧は1.25Vとなる。NMOSFET8105のドレイン端子電圧1.25Vは、NMOSFET8106のゲート端子電圧となるため、NMOSFET8106のゲート−ソース間電圧は1.25Vとなるため、NMOSFET8106はオンとなる。NMOSFET8106がオンするため、NMOSFET8106のドレイン端子電圧は0Vとなるが、NMOSFET8108のゲート−ソース間電圧は0Vとなり、NMOSFET8108はオフ状態となる。
ここで、インバータ81011の入力にはNMOSFET8105のドレイン端子電圧1.25Vが入力されるため、スタンバイ信号ST1はNVG_OUTの負電圧出力値が安定的に出力される。一方、インバータ81012の入力にはNMOSFET8106のドレイン電圧であるNVG_OUTの負電圧値が入力されるが、NVG_OUTの負電圧値はt=t0においては0Vであるため、スタンバイ信号ST2の出力は0Vとなる。また、タイミング制御信号Timeの2.5Vを入力としたインバータ8109の出力は0Vであり、この0Vを入力とするインバータ81010の出力電圧は2.5Vとなる。つまり、タイミング信号ST3の電圧は2.5Vとなる。
t>t0となり、負電圧発生回路6の発生する負電圧値が−0.6V程度となると、レベルシフタユニット81のインバータ81012の入力には負電圧出力値である−0.6Vが入力されるため、インバータ81012の出力は安定して、0Vを出力するようになる。そして、負電圧発生回路6が発生する負電圧出力値が−2.5Vに収束すると、インバータ81011の出力電圧であるスタンバイ信号ST1は−2.5V、インバータ81012の出力電圧であるスタンバイ信号ST2は0V、インバータ81010の出力電圧であるスタンバイ信号ST3は2.5Vとなる。また、上記の負電圧発生回路6の負電圧出力が収束する過程で、レベルシフタユニット81では貫通電流が発生するが、第2のレベルシフタ8は1つのレベルシフタユニット81のみから構成されているため、負電圧発生回路6のチャージポンプ回路から供給される充電電流より上記第2のレベルシフタ8から発生する貫通電流は十分に小さいため、この第2のレベルシフタ8の貫通電流による負電圧の充電への影響はほぼ無視できる。
そして、タイミング信号生成回路5が負電圧発生回路6から生成されるクロック信号CLK_OUTの立上りエッジを一定数計測したタイミングt=t2において、タイミング信号TimeはHighからLowとなり、レベルシフタユニット81の差動入力トランジスタのPMOSFET8101はオフ、PMOSFET8104はオンとなることで、NMOSFET8105とNMOSFET8106の出力電圧が入れ替わり、それぞれ−2.5V、0Vとなる。それに伴い、インバータ81011の出力電圧であるスタンバイ信号ST1は−2.5Vから0Vに遷移し、インバータ81012の出力電圧であるスタンバイ信号ST2は0Vから−2.5Vとなる。また、インバータ81010の出力電圧であるスタンバイ信号ST3は2.5Vから0Vに遷移する。
《第1のレベルシフタ》
本実施の形態2による第1のレベルシフタ4のブロック構成は、上述した図9に示される実施の形態1と同様であるが、第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401〜440の構成が異なる。図15は、本実施の形態2におけるレベルシフタユニット401(403、405、・・・、439と同一構成)の構成を示す図である。また図16は、本実施の形態2におけるレベルシフタユニット402(404、406、・・・、440と同一構成)の構成を示す図である。本実施の形態2では、上記レベルシフタユニットと、その効果について説明する。
図15は、図35に示した従来のレベルシフタユニット401に対して、活性/不活性用スイッチのNMOSFET401011、401012、401013、401014およびCMOSFET401015、401016と、セレクタ401018、401115、401116が追加されており、第2のレベルシフタ8から生成された3ビットのスタンバイ信号ST1〜ST3のうち、ST2がNMOSFET401011〜401014、CMOSFET401015、401016のゲート端子およびセレクタ401116のセレクト端子に接続され、ST1がCMOSFET401015、401016のもう一つのゲート端子に接続され、ST3がセレクタ401018および401115に接続されている。
一方、図16は、図36に示した従来のレベルシフタユニット402に対して、活性/不活性用スイッチのNMOSFET402011、402012、402013、402014およびCMOSFET402015、402016と、セレクタ402018、402113が追加されており、第2のレベルシフタ8から生成された3ビットのスタンバイ信号ST1〜ST3のうち、ST2がNMOSFET402011〜402014、CMOSFET402015、402016のゲート端子およびセレクタ401113のセレクト端子に接続され、ST1がCMOSFET402015、402016のもう一つのゲート端子に接続され、ST3がセレクタ401018および401115に接続されている。
ここで、上記のレベルシフタユニット401と402の詳細動作について、図17〜図20および、上述した実施の形態1で示した図12、上述した図14(b)のタイミングチャートを用いて説明する。図12、図14(b)に示すタイミングチャートにおいて、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されるタイミングt=t0において、第2のレベルシフタ8はタイミング信号生成回路5から出力されるHighを受け、タイミング信号生成回路5の3ビットのスタンバイ信号ST1〜ST3は、ST1がNVG_OUTの負電圧値、ST2が0V、ST3が2.5Vを出力して、第1のレベルシフタ4を不活性状態とする。
ここで、図17は、不活性状態における第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401の動作を示す図である。不活性状態となる期間では、スタンバイ信号ST3は2.5Vとなるため、セレクタ401018の出力は端子1側が選択されて0Vとなる。セレクタ401018の0V出力により、PMOSFET40101および40103はオフ、PMOSFET40102はオンとなる。また、セレクタ401115の出力は端子1側が選択されて2.5Vとなり、その結果、PMOSFET40111はオフとなる。一方、スタンバイ信号ST1のNVG_OUT電圧により、CMOSFET401015および401016はオフとなる。さらに、スタンバイ信号ST2の0Vにより、NMOSFET401011〜401014はオンとなり、セレクタ401116の出力は端子1側が選択されて0Vとなり、その結果、NMOSFET40113はオンとなる。
ここで、PMOSFET40102はオンとなるため、PMOSFET40102のドレイン端子の電圧は2.5Vとなる。その結果、PMOSFET40104のゲート−ソース間電圧は−2.5Vとなるため、PMOSFET40104もオンとなる。また、NMOSFET40105および40106のゲート端子はNVG_OUTとなっているため、ゲート−ソース間電圧は0Vとなり、NMOSFET40105と40106はオフとなる。NMOSFET40106のドレイン端子はNMOSFET401012を介してGNDが接続されているために0Vとなり、この結果、NMOSFET40108のゲート−ソース間電圧は0Vとなるために、NMOSFET40108はオフとなる。
また、NMOSFET40105のドレイン端子はNMOSFET401011を介してNVG_OUTが接続されているためにNVG_OUTの負電圧値となり、その結果、NMOSFET40105のゲート−ソース間電圧が0.6VとなるタイミングにてNMOSFET40105はオンとなる。このため、NMOSFET40105のドレイン端子はNVG_OUTの負電圧値となり、また、NMOSFET40107のゲート−ソース間電圧もしきい電圧0.6Vを超えるためにNMOSFET40107もオンとなり、NMOSFET40107のドレイン端子の出力電圧もNVG_OUTの負電圧値となる。PMOSFET40101のドレイン端子電圧はオフとなっているPMOSFET40101と40103のオフ抵抗の分圧によって決定するため、NVG_OUTの負電圧値とVDDの1/2となる電圧が出力される。
また、レベルシフタユニット401のゲートドライバ4011については、NMOSFET40113のゲート端子には0Vが印加されているため、NMOSFET40113のゲート−ソース間電圧がトランジスタのしきい電圧である0.6Vを超えるタイミングにおいてNMOSFET40113はオンとなる。NMOSFET40113がオンとなることで、NMOSFET40113のドレイン端子電圧はNVG_OUTの負電圧値となり、NMOSFET40114のゲート−ソース間電圧もしきい電圧となる0.6Vを超えるためにNMOSFET40114もオンとなる。NMOSFET40114がオンとなるため、NMOSFET40114のドレイン端子すなわちレベルシフタユニット401の出力は−2.5Vとなる。また、PMOSFET40111のドレイン端子電圧は、オフとなっているPMOSFET40111と40112のオフ抵抗の分圧によって決定するため、NVG_OUTの負電圧値とVDDの1/2となる電圧となる。
以上、説明したとおり、本実施の形態2では、NMOSFET40105と40106からなるラッチ接続を遮断して、スイッチ用のNMOSFET401011〜401014およびCMOSFET401015、401016と、セレクタ401018、401115、401116を用いて個別に定まった電圧を印加することで、不定となる状態を回避し、従来例で問題となっていたレベルシフタの貫通電流をほぼ0としている。
同様に、図19は、不活性状態におけるレベルシフタユニット402の動作を示す図である。図19により、不活性状態つまり負電圧充電中におけるレベルシフタユニット402の動作について説明する。セレクタ402018の0V出力により、PMOSFET40201および40203はオフ、PMOSFET40202はオンとなる。一方、スタンバイ信号ST1のNVG_OUT電圧により、CMOSFET402015および402016はオフとなる。さらに、スタンバイ信号ST2の0Vにより、NMOSFET402011〜402014はオンとなり、セレクタ402113の出力は端子1側が選択されて0Vとなり、その結果、NMOSFET40212はオンとなる。
ここで、PMOSFET40202はオンとなるため、PMOSFET40202のドレイン端子の電圧は2.5Vとなる。その結果、PMOSFET40204のゲート−ソース間電圧は−2.5Vとなるため、PMOSFET40204もオンとなる。また、NMOSFET40205および40206のゲート端子はNVG_OUTとなっているためにゲート−ソース間電圧は0Vとなり、NMOSFET40205および40206はオフとなる。NMOSFET40206のドレイン端子はNMOSFET402012を介してGNDが接続されているために0Vとなり、この結果、NMOSFET40208のゲート−ソース間電圧は0Vとなるために、NMOSFET40208はオフとなる。
また、NMOSFET40205のドレイン端子はNMOSFET402011を介してNVG_OUTが接続されているためにNVG_OUTの負電圧値となり、その結果、NMOSFET40205のゲート−ソース間電圧がしきい電圧0.6VとなるタイミングにてNMOSFET40205はオンとなる。このため、NMOSFET40205のドレイン端子はNVG_OUTの負電圧値となり、また、NMOSFET40207のゲート−ソース間電圧もしきい電圧0.6Vを超えるためにNMOSFET40207もオンとなり、NMOSFET40207のドレイン端子の出力電圧もNVG_OUTの負電圧値となる。PMOSFET40201のドレイン端子電圧はオフとなっているPMOSFET40201と40203のオフ抵抗の分圧によって決定するため、NVG_OUTの負電圧値とVDDの1/2となる電圧が出力される。
また、レベルシフタユニット402のボディドライバ4021については、NMOSFET40212のゲート端子には0Vが印加されているため、NMOSFET40212のゲート−ソース間電圧がトランジスタのしきい電圧である0.6Vを超えるタイミングにおいてNMOSFET40212はオンとなり、NMOSFET40212のドレイン端子電圧すなわちレベルシフタユニット402の出力信号BCNT<1>はNVG_OUTの電圧となる。
以上、説明したとおり、本実施の形態2では、NMOSFET40205と40206からなるラッチ接続を遮断して、スイッチ用のNMOSFET402011〜402014およびCMOSFET402015、402016と、セレクタ402018、402113を用いて個別に定まった電圧を印加することで、不定となる状態を回避し、従来例で問題となっていたレベルシフタの貫通電流をほぼ0としている。
また、上述した実施の形態1では貫通電流が流れていたレベルシフタユニット402内のボディドライバにおいても、貫通電流をほぼ0とすることが可能となるため、本実施の形態2では負電圧発生回路6はより安定して負電圧を充電することが可能となる。
次に、図12、図14(b)に示すタイミングチャートにおいて、負電圧発生回路6の負電圧が十分に最終目標である−2.5Vまで達した後のタイミングt≧t2について説明する。
ここで、図18は、活性状態における第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401の動作を示す図である。図18により、活性状態つまり負電圧が十分に最終目標−2.5Vまで達した後における第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401の動作について説明する。活性状態となる期間では、スタンバイ信号ST3は0Vとなるため、セレクタ401018の出力は端子0側が選択され、スイッチ切替信号SWCNT<1>の2.5Vとなる。また、セレクタ401115の出力は端子0側が選択され、スイッチ切替信号SWCNT<1>の反転電圧である0Vとなる。一方、スタンバイ信号ST1は0Vとなるため、CMOSFET401015、401016はオンとなる。さらに、スタンバイ信号ST1は負電圧出力値である−2.5Vとなるため、NMOSFET401011〜401014はオフとなり、セレクタ401116の出力は端子0側が選択され、NMOSFET40106のドレイン端子電圧が、NMOSFET40113に接続される。すなわち、図35に示した従来のレベルシフタユニット401もしくは、上述した実施の形態1の活性状態におけるレベルシフタユニット401と同様の状態となる。本実施の形態2の活性状態におけるレベルシフタユニット401の詳細な回路動作の説明は、従来例および実施の形態1と同様になるために省略する。
ここで、図20は、活性状態における第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット402の動作を示す図である。図20により、活性状態つまり負電圧が十分に最終目標−2.5Vまで達した後における第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット402の動作について説明する。活性状態となる期間では、スタンバイ信号ST3は0Vとなるため、セレクタ402018の出力は端子0側が選択され、スイッチ切替信号SWCNT<1>の2.5Vとなる。一方、スタンバイ信号ST1は0Vとなるため、CMOSFET402015、402016はオンとなる。さらに、スタンバイ信号ST1は負電圧出力値である−2.5Vとなるため、NMOSFET402011〜402014はオフとなり、セレクタ402113の出力は端子0側が選択され、NMOSFET40206のドレイン端子電圧が、NMOSFET40212に接続される。すなわち、図36に示した従来のレベルシフタユニット402もしくは、上述した実施の形態1の活性状態におけるレベルシフタユニット402と同様の状態となる。本実施の形態2の活性状態におけるレベルシフタユニット402の詳細な回路動作の説明は、従来例および実施の形態1と同様になるために省略する。
《実施の形態2の効果》
以上の説明から、本実施の形態2では、デコーダ3と負電圧発生回路6とタイミング信号生成回路5と第2のレベルシフタ8と第1のレベルシフタ4とスイッチ7を具備することにより、上述した実施の形態1と比較して、以下のような効果を得ることができる。すなわち、高周波スイッチモジュール1の電源投入時から、タイミング信号生成回路5で負電圧発生回路6からのクロック出力CLK_OUTのクロックの立上りエッジ数をカウントし、負電圧発生回路6が発生させる負電圧出力が十分に最終目標値である−2.5Vに収束した状態になる時間だけ、第2のレベルシフタ8から生成した3ビットのスタンバイ信号により、第1のレベルシフタ4を不活性状態とすることで、負電圧発生回路6の負電圧充電中に生じる第1のレベルシフタ4の貫通電流に起因する充電容量6207への正方向の突入電流を、上述した実施の形態1の高周波スイッチモジュールと比較してさらに減少させることが可能となる。その結果、SP10T等の多ポート切替のスイッチ7を有する高周波スイッチモジュールにおいても、充電容量6201、6202を増大させることなく、かつ、クロック発生器61の発振周波数を高めることなく、安定して負電圧を充電することが可能となる。
[実施の形態3]
実施の形態3による高周波スイッチモジュールについて、図21〜図25に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図21は、本実施の形態3による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。本実施の形態3における高周波スイッチモジュール1は、上述した実施の形態1における高周波スイッチモジュール1内の変形例である。すなわち、実施の形態1では、図12のタイミングチャートに示すとおり、レベルシフタ4をt=t2において不活性状態から活性状態に遷移させる際に、その切替タイミングにおいて非常に短い時間となるが各トランジスタ素子に蓄えられていた正電荷の充放電が行われ、その正電荷が突入電流として負電圧発生回路6の充電容量6207に注入されるという課題が残されていた。上記の突入電流は、従来例における突入電流と比較して十分小さい量ではあるが、40個のレベルシフタユニット401〜440が同時に不活性状態から活性状態に遷移するために、負電圧発生回路6の負電圧出力NVG_OUTが不安定となる可能性を排除しきれない。
そのため、本実施の形態3では、タイミング信号生成回路5のタイミング信号Timeを4ビットの信号とし、それぞれ異なるタイミングでレベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態に遷移させることで、より負電圧発生回路6から発生する負電圧出力を安定化させることを目的としている。
図21に示す高周波スイッチモジュール1は、デコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、負電圧発生回路6に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続されたバイアス電圧発生回路(Bias)2と、デコーダ3と負電圧発生回路6とバイアス電圧発生回路2に接続されたレベルシフタ(LS)4と、レベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。
デコーダ3は、高周波スイッチモジュール1の外部からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、負電圧発生回路6内のクロック発生器61でクロック信号CLK_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、負電圧発生回路6からのクロック信号CLK_OUTを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をそれぞれ異なるタイミングで信号レベルを切替える4ビットのタイミング信号Time<4:1>を生成する。
バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を受け、レベルシフタ4の活性/不活性を切替える4本のバイアス電圧信号ST<4:1>を生成する。
レベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、バイアス電圧発生回路2からの4本のバイアス電圧信号ST<4:1>を受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、レベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、レベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、レベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
次に、高周波スイッチモジュール1の詳細な動作原理を、図22〜図24に示す各部ブロックの詳細説明と、図22、図23、図25に示すタイミングチャートを用いて説明していくが、デコーダ3、負電圧発生回路6、スイッチ7の構成および動作原理は、上述した実施の形態1と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
《タイミング信号生成回路》
図22(a),(b)は、図21に示した高周波スイッチモジュール1で、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるための4ビットのタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路5の回路構成および、その動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
図22(a)のタイミング信号生成回路5は、4つのタイミング信号生成回路ユニット51〜54から構成される。それぞれのタイミング信号生成回路ユニット51〜54は、上述した実施の形態1のタイミング信号生成回路5と同様に、クロックカウンタ(N1、N2、N3、N4カウンタ)512、522、532、542と、ラッチ(LAT)511、521、531、541と、OR回路513、523、533、543と、インバータ514、524、534、544から構成されている。異なる点は、クロックカウンタ512〜542のカウント数N1〜N4がそれぞれ異なり、そのカウント値はそれぞれN4>N3>N2>N1となることを特徴としている。
それぞれのタイミング信号生成回路ユニット51〜54の内部構成およびその動作原理の説明は、上述した実施の形態1と同様であるために省略し、タイミング信号生成回路5の全体の動作を図22(b)のタイミングチャートを用いて説明する。
高周波スイッチモジュール1の電源が投入されたタイミングt=t0において、4つのタイミング信号生成回路ユニット51〜54内のクロックカウンタ512〜542とラッチ511〜541に微小時間だけリセット信号rstを与えて、カウント値をリセットする。リセット後のクロックカウンタ512〜542はLowを出力し、ラッチ511〜541はリセット後の初期状態であるHighを出力し続ける。すなわち、4ビットのタイミング信号生成回路5の出力信号Time<4:1>は全てHighを出力する。そして、t=t1において、負電圧発生回路6内のクロック発生器61が動作を開始し、クロック信号CLK_OUTをタイミング信号生成回路5内のクロックカウンタ512〜542に入力する。
この後、クロックカウンタ512〜542によりクロック信号CLK_OUTの立上りエッジ数をカウントし、t=t2_1において、64個のクロック数を計測した後にクロック(N1)カウンタ512は、Highを出力する。ラッチ511は、N1カウンタ512の出力であるHighに応答してLowを出力する。すなわち、タイミング信号生成回路5の出力の1つであるTime<1>は、t=t2_1においてLowを出力する。
さらに、時間が経過し、クロック(N2)カウンタ522が72個のクロック数を計測したタイミングt=t2_2において、N2カウンタ522は、Highを出力する。ラッチ521は、N2カウンタ522の出力であるHighに応答してLowを出力する。すなわち、タイミング信号生成回路5の出力の1つであるTime<2>は、t=t2_2においてLowを出力する。
さらに、時間が経過し、クロック(N3)カウンタ532が80個のクロック数を計測したタイミングt=t2_3において、N3カウンタ532は、Highを出力する。ラッチ531は、N3カウンタ532の出力であるHighに応答してLowを出力する。すなわち、タイミング信号生成回路5の出力の1つであるTime<3>は、t=t2_3においてLowを出力する。
最後に、クロック(N4)カウンタ542が88個のクロック数を計測したタイミングt=t2_4において、N4カウンタ542は、Highを出力する。ラッチ541は、N4カウンタ542の出力であるHighに応答してLowを出力する。すなわち、タイミング信号生成回路5の出力の1つであるTime<4>は、t=t2_4においてLowを出力する。
つまり、以上の説明から、タイミング信号生成回路5は、電源投入時から負電圧発生回路6内のクロック発生器61からのクロック信号CLK_OUTのクロック数をカウントし、64カウントするまで、4ビットタイミング信号Time<4:1>はHighを出力し、64カウント後にタイミング信号Time<1>はLow、72カウント後にタイミング信号Time<2>はLow、80カウント後にタイミング信号Time<3>はLow、88カウント後にタイミング信号Time<4>はLowを出力していることが分かる。
《バイアス電圧発生回路》
図23(a),(b)は、図21に示した高周波スイッチモジュール1で、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるためのバイアス電圧を生成するバイアス電圧発生回路2の回路構成および、その動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
図23(a)のバイアス電圧発生回路2は、4つのバイアス生成回路ユニット21〜24から構成されており、それぞれのバイアス生成回路ユニット21〜24は、上述した実施の形態1(図8)と同様に2段のインバータチェーンから構成されている。バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を入力とし、それぞれのTime<4:1>がHighの場合は2.5Vを、Time<4:1>がLowの場合はGND電位である0Vを出力し、この信号をバイアス電圧ST<4:1>として出力する。
つまり、図23(b)のタイミングチャートに従って説明すると、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されるタイミングt=t0において、タイミング信号生成回路5から出力されるタイミング信号Time<4:1>は全てHighとなり、バイアス電圧発生回路2はタイミング信号Time<4:1>の全てのHigh信号を受け、全て2.5Vとなるバイアス電圧ST<4:1>を出力する。
次に、タイミング信号Time<1>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_1において、バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号Time<1>のLow出力を受け、0Vとなるバイアス電圧ST<1>を出力する。以下同様に、タイミング信号Time<2>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_2において、バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号Time<2>のLow出力を受け、0Vとなるバイアス電圧ST<2>を出力する。タイミング信号Time<3>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_3において、バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号Time<3>のLow出力を受け、0Vとなるバイアス電圧ST<3>を出力する。タイミング信号Time<4>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_4において、バイアス電圧発生回路2は、タイミング信号Time<4>のLow出力を受け、0Vとなるバイアス電圧ST<4>を出力する。
つまり、以上の説明から、バイアス電圧発生回路2は、それぞれ異なるタイミングとなるt=t2_1、t2_2、t2_3、t2_4において、レベルシフタ4の不活性状態/活性状態を切替えるためのバイアス電圧ST<4:1>を生成していることが確認できる。
《レベルシフタ》
図24は、図21に示した高周波スイッチモジュール1で、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、バイアス電圧発生回路2からの出力である4本のバイアス電圧ST<4:1>とを受け、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>を生成するレベルシフタ4の構成を示す図である。
本実施の形態3におけるレベルシフタ4は、基本的には上述した実施の形態1と同様の構成となっており、実施の形態1では、レベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401〜440に対して接続される不活性/活性化のバイアス電圧STが1つのみ接続されていたのに対し、本実施の形態3のレベルシフタ4では、レベルシフタユニット401〜410には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<1>が接続され、レベルシフタユニット411〜420には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<2>が接続され、レベルシフタユニット421〜430には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<3>が接続され、レベルシフタユニット431〜440には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<4>が接続されていることが差異となる点である。レベルシフタユニット401〜440の内部動作については、上述した実施の形態1の繰り返しの説明となるために省略する。上記の差異による本実施の形態3の効果を、図25に示す高周波スイッチモジュール1のタイミングチャートを用いて説明する。
図25のタイミングチャートにおいて、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されたタイミングt=t0において、バイアス電圧発生回路2はタイミング信号生成回路5から4ビットのタイミング信号Time<4:1>のHigh信号(1111)を受け、2.5Vとなる4本のバイアス電圧ST<4:1>を出力する。レベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440は、バイアス電圧ST<4:1>の2.5V出力により不活性状態となる。その結果、レベルシフタ4から発生する貫通電流に起因する負電圧発生回路6内の充電容量6207への正方向の突入電流を減少させることができ、負電圧発生回路6は安定して負電圧を最終目標電圧である−2.5Vまで充電させることが可能となる。
次に、t=t2_1において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<1>がHighからLowに遷移(1110)するため、バイアス電圧ST<1>は2.5Vから0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜410は、不活性状態から活性状態に遷移する。ここで、レベルシフタユニット401〜410の活性状態への遷移に伴い、レベルシフタユニット401〜410内のトランジスタで充放電が発生するため、その一部の正電荷が負電圧発生回路6内の充電容量6207へ流れ込むが、その量は、40個あるレベルシフタユニット401〜440のうち、401〜410の10個のみのため、上述した実施の形態1のように一度に40個のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態へ遷移させる場合に比べて、突入電流の量をおおよそ1/4に低減させることができる。
図25のタイミングチャートで、負電圧出力NVG_OUTはt=t2_1において、レベルシフタ4からの突入電流により数百mV程度上昇するが、再びチャージポンプ回路による充電容量6207への負電荷供給により、数クロック時間程度の時間で元の−2.5Vに再び収束する。
同様に、t=t2_2において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<2>がHighからLowに遷移(1100)するため、バイアス電圧ST<2>は2.5Vから0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット411〜420は、不活性状態から活性状態に遷移する。さらに、t=t2_3において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<3>がHighからLowに遷移(1000)するため、バイアス電圧ST<3>は2.5Vから0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット421〜430は、不活性状態から活性状態に遷移する。最後に、t=t2_4において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<4>がHighからLowに遷移(0000)するため、バイアス電圧ST<4>は2.5Vから0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット431〜440は、不活性状態から活性状態に遷移する。
《実施の形態3の効果》
以上の説明から、本実施の形態3では、上述した実施の形態1および2と比較した効果として、タイミング信号生成回路5のタイミング信号Timeを4ビットの信号とし、それぞれ異なるタイミングでレベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態に遷移させることで、状態遷移に伴い負電圧発生回路6に流れ込む正方向の突入電流を低減することができ、より負電圧発生回路6から発生する負電圧出力を安定化することが可能となることが確認できる。
[実施の形態4]
実施の形態4による高周波スイッチモジュールについて、図26〜図28に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図26は、本実施の形態4による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。本実施の形態4における高周波スイッチモジュール1は、上述した実施の形態2における高周波スイッチモジュール1内の変形例である。すなわち、実施の形態2では、図12のタイミングチャートに示すとおり、レベルシフタ4をt=t2において不活性状態から活性状態に遷移させる際に、その切替タイミングにおいて非常に短い時間となるが各トランジスタ素子に蓄えられていた正電荷の充放電が行われ、その正電荷が突入電流として負電圧発生回路6の充電容量6207に注入されるという課題が残されていた。上記の突入電流は、従来例における突入電流と比較して十分小さい量ではあるが、40個のレベルシフタユニット401〜440が同時に不活性状態から活性状態に遷移するために、負電圧発生回路6が不安定となる可能性を排除しきれない。
そのため、本実施の形態4では、タイミング信号生成回路5のタイミング信号Timeを4ビットの信号とし、それぞれ異なるタイミングでレベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態に遷移させることで、より負電圧発生回路6から発生する負電圧出力を安定化させることを目的としている。
図26に示す高周波スイッチモジュール1は、デコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、負電圧発生回路6に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続された第2のレベルシフタ(LS2)8と、デコーダ3と負電圧発生回路6と第2のレベルシフタ8に接続された第1のレベルシフタ(LS)4と、第1のレベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。
デコーダ3は、高周波スイッチモジュール1の外部からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、負電圧発生回路6内のクロック発生器61でクロック信号CLK_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、負電圧発生回路6からのクロック信号CLK_OUTを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をそれぞれ異なるタイミングで信号レベルを切替える4ビットのタイミング信号Time<4:1>を生成する。このタイミング信号Time<4:1>は、負電圧発生回路6内のクロック発生器61にも入力される。
第2のレベルシフタ8は、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を受け、第1のレベルシフタ4の活性/不活性を切替える4ビットのスタンバイST<4:1>を生成する。
第1のレベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、第2のレベルシフタ8からの4ビットのスタンバイ信号ST<4:1>を受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、第1のレベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、第1のレベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、第1のレベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
次に、高周波スイッチモジュール1の詳細な動作原理を、図27に示す各部ブロックの詳細説明と、図28に示すタイミングチャートを用いて説明していくが、デコーダ3、タイミング信号生成回路5、負電圧発生回路6、スイッチ7の構成および動作原理は、上述した実施の形態3と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
《第2のレベルシフタ》
図27は、本実施の形態4における高周波スイッチモジュール1で、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を受け、レベルシフタ4の活性/不活性を切替えるための4ビットのスタンバイ信号ST<4:1>を生成する第2のレベルシフタ8の構成を示す図である。
4ビットのスタンバイ信号ST<4:1>の中の1つであるST<1>は、またそれぞれ電圧レベルの異なる3ビットのスタンバイ信号ST1_1、ST2_1、ST3_1から構成されており、以下同様に、ST<2>は、またそれぞれ電圧レベルの異なる3ビットのスタンバイ信号ST1_2、ST2_2、ST3_2から構成され、ST<3>は、またそれぞれ電圧レベルの異なる3ビットのスタンバイ信号ST1_3、ST2_3、ST3_3から構成され、ST<4>は、またそれぞれ電圧レベルの異なる3ビットのスタンバイ信号ST1_4、ST2_4、ST3_4から構成されている。
第2のレベルシフタ8は、4つのレベルシフタユニット81〜84から構成されている。それぞれのレベルシフタユニット81〜84内の回路構成および動作原理は、上述した図14に示した実施の形態2の第2のレベルシフタ8に含まれるレベルシフタユニット81と同様である。そのため、レベルシフタユニット81〜84の詳細動作については繰り返しの説明は省略し、図28に示す第2のレベルシフタ8の入出力信号のタイミングのみについて以下で説明する。
図28は、本実施の形態4における第2のレベルシフタ8の入出力信号のタイミングについて説明するためのタイミングチャートを示す図である。なお、タイミングチャート中のスタンバイ信号は、図の複雑化を避けるために前記のST3_1、ST3_2、ST3_3、ST3_4のみを図示している。
高周波スイッチモジュール1の電源が投入されるタイミングt=t0において、タイミング信号生成回路5から出力されるタイミング信号Time<4:1>は全てHighとなり、第2のレベルシフタ8はタイミング信号Time<4:1>の全てのHigh信号を受け、全て2.5Vとなるスタンバイ信号ST3_1、ST3_2、ST3_3、ST3_4、全て0Vとなるスタンバイ信号ST2_1、ST2_2、ST2_3、ST2_4、全て充電中のNVG_OUTの負電圧値となるスタンバイ信号ST1_1、ST1_2、ST1_3、ST1_4を出力する。
次に、負電圧発生回路6の出力電圧であるNVG_OUTの負電圧値が十分に最終目標電圧である−2.5Vに収束する時間を経過した後に、タイミング信号Time<1>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_1において、第2のレベルシフタ8内のレベルシフタユニット81は、タイミング信号Time<1>のLow出力を受け、0Vとなるスタンバイ信号ST3_1、−2.5Vとなるスタンバイ電圧ST2_1、0Vとなるスタンバイ信号ST1_1を出力する。
また、タイミング信号Time<2>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_2において、第2のレベルシフタ8内のレベルシフタユニット82は、タイミング信号Time<2>のLow出力を受け、0Vとなるスタンバイ信号ST3_2、−2.5Vとなるスタンバイ電圧ST2_2、0Vとなるスタンバイ信号ST1_2を出力する。
次に、タイミング信号Time<3>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_3において、第2のレベルシフタ8内のレベルシフタユニット83は、タイミング信号Time<3>のLow出力を受け、0Vとなるスタンバイ信号ST3_3、−2.5Vとなるスタンバイ電圧ST2_3、0Vとなるスタンバイ信号ST1_3を出力する。
最後、にタイミング信号Time<4>がHighからLowに遷移するタイミングt=t2_4において、第2のレベルシフタ8内のレベルシフタユニット84は、タイミング信号Time<4>のLow出力を受け、0Vとなるスタンバイ信号ST3_4、−2.5Vとなるスタンバイ電圧ST2_4、0Vとなるスタンバイ信号ST1_4を出力する。
つまり、以上の説明から、第2のレベルシフタ8は、それぞれ異なるタイミングとなるt=t2_1、t2_2、t2_3、t2_4にてレベルシフタ4の不活性状態/活性状態を切替えるためのスタンバイ電圧ST<4:1>を生成していることが確認できる。また、上記の負電圧発生回路6の負電圧出力が収束する過程で、レベルシフタユニット81〜84では貫通電流が発生するが、第2のレベルシフタ8は4つのレベルシフタユニット81〜84のみから構成されているため、負電圧発生回路6のチャージポンプ回路から供給される充電電流より上記第2のレベルシフタ8から発生する貫通電流は十分に小さいため、この第2のレベルシフタ8の貫通電流による負電圧の充電への影響はほぼ無視できる。
《第1のレベルシフタ》
本実施の形態4による第1のレベルシフタ4のブロック構成は、上述した図24に示した実施の形態3と同様であるが、第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401〜440は、上述した図15、図16に示した実施の形態2におけるレベルシフタユニットと同様の構成となる。そのため、本実施の形態4においても、図24の回路図と、図25のタイミングチャートを用いて、本実施の形態4における第1のレベルシフタ4の説明をする。
図24は、図26に示した高周波スイッチモジュール1で、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、第2のレベルシフタ8からの出力である4本のスタンバイ信号ST<4:1>とを受け、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>とNSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNTおよびボディ制御信号BCNTを生成する第1のレベルシフタ4の構成を示している。
本実施の形態4における第1のレベルシフタ4は、基本的には上述した実施の形態2と同様の構成となっており、実施の形態2では、第1のレベルシフタ4を構成するレベルシフタユニット401〜440に対して接続される不活性/活性化のスタンバイ電圧STが1つのみ接続されていたのに対し、本実施の形態4の第1のレベルシフタ4では、レベルシフタユニット401〜410には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<1>が接続され、レベルシフタユニット411〜420には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<2>が接続され、レベルシフタユニット421〜430には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<3>が接続され、レベルシフタユニット431〜440には4本のバイアス電圧ST<4:1>のうちのST<4>が接続されていることが差異となる点である。
レベルシフタユニット401〜440の内部動作については、上述した実施の形態2の繰り返しの説明となるために省略する。上記の差異による本実施の形態4の効果を、図25のタイミングチャートを用いて説明する。
図25のタイミングチャートにおいて、高周波スイッチモジュール1の電源が投入されたタイミングt=t0において、第2のレベルシフタ8はタイミング信号生成回路5から4ビットのタイミング信号Time<4:1>のHigh信号を受け、2.5Vとなる4ビットのスタンバイST<4:1>を出力する。第1のレベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440は、スタンバイ信号ST<4:1>の2.5V出力により不活性状態となる。その結果、レベルシフタ4から発生する貫通電流に起因する負電圧発生回路6内の充電容量6207への正方向の突入電流をほぼ0にすることができ、負電圧発生回路6は安定して負電圧を最終目標電圧である−2.5Vまで充電させることが可能となる。
次に、t=t2_1において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<1>がHighからLowに遷移するため、スタンバイ信号ST<1>はST1_1が0V、ST2_1が−2.5V、ST3_1が0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜410は、不活性状態から活性状態に遷移する。ここで、レベルシフタユニット401〜410の活性状態への遷移に伴い、レベルシフタユニット401〜410内のトランジスタで充放電が発生するため、その一部の正電荷が負電圧発生回路6内の充電容量6207へ流れ込むが、その量は、40個あるレベルシフタユニット401〜440のうち、401〜410の10個のみのため、上述した実施の形態2のように一度に40個のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態へ遷移させる場合に比べて、突入電流の量をおおよそ1/4に低減させることができる。
図25のタイミングチャートで、負電圧出力NVG_OUTはt=t2_1において、レベルシフタ4からの突入電流により数百mV程度上昇するが、再びチャージポンプ回路による充電容量6207への負電荷供給により、数クロック時間程度の時間で元の−2.5Vに再び収束する。
同様に、t=t2_2において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<2>がHighからLowに遷移するため、スタンバイ信号ST<2>はST1_2が0V、ST2_2が−2.5V、ST3_2が0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット411〜420は、不活性状態から活性状態に遷移する。また、t=t2_3において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<3>がHighからLowに遷移するため、スタンバイ信号ST<3>はST1_3が0V、ST2_3が−2.5V、ST3_3が0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット421〜430は、不活性状態から活性状態に遷移する。最後に、t=t2_4において、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>のうち、Time<4>がHighからLowに遷移するため、スタンバイ信号ST<4>はST1_4が0V、ST2_4が−2.5V、ST3_4が0Vとなる。このタイミングにおいて、レベルシフタ4内のレベルシフタユニット431〜440は、不活性状態から活性状態に遷移する。
《実施の形態4の効果》
以上の説明から、本実施の形態4では、上述した実施の形態1〜3と比較した効果として、タイミング信号生成回路5のタイミング信号Timeを4ビットの信号とし、それぞれ異なるタイミングでレベルシフタ4内のレベルシフタユニット401〜440を不活性状態から活性状態に遷移させることで、状態遷移に伴い負電圧発生回路6に流れ込む正方向の突入電流を低減することができ、より負電圧発生回路6から発生する負電圧出力を安定化することが可能となることが確認できる。
[実施の形態5]
実施の形態5による高周波スイッチモジュールについて、図29に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図29は、本実施の形態5による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。図29に示す高周波スイッチモジュール1は、シリアルI/Oインターフェース(Serial I/O Interface)9と、シリアルI/Oインターフェース9に接続されたデコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、負電圧発生回路6に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続された第2のレベルシフタ(LS2)8と、デコーダ3と負電圧発生回路6と第2のレベルシフタ8に接続された第1のレベルシフタ(LS)4と、第1のレベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。この高周波スイッチモジュール1の構成において、シリアルI/Oインターフェース9は外部のBBICに接続される。
シリアルI/Oインターフェース9は、高周波スイッチモジュール1の外部の制御回路からの制御データ信号DATA、システムクロックCLKを受けて、スイッチ7を制御する制御信号CNT<4:1>を生成する。
デコーダ3は、シリアルI/Oインターフェース9からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成するとともに、負電圧発生回路6内のクロック発生器61でクロック信号CLK_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、負電圧発生回路6からのクロック信号CLK_OUTを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をそれぞれ異なるタイミングで信号レベルを切替える4ビットのタイミング信号Time<4:1>を生成する。
第2のレベルシフタ8は、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を受け、第1のレベルシフタ4の活性/不活性を切替える4ビットのスタンバイST<4:1>を生成する。
第1のレベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、第2のレベルシフタ8からの4ビットのスタンバイ信号ST<4:1>を受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、第1のレベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、第1のレベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、第1のレベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
つまり、本実施の形態5における高周波スイッチモジュール1は、上述した実施の形態4における高周波スイッチモジュール1にシリアルI/Oインターフェース9がさらに具備されており、高周波スイッチモジュール1の外部からの制御データ信号DATA、システムクロックCLKが、シリアルI/Oインターフェース9に入力され、シリアルI/Oインターフェース9の内部にて制御信号CNT<4:1>を生成し、その結果をデコーダ3に入力をする。
《実施の形態5の効果》
以上の説明から、本実施の形態5によれば、上述した実施の形態1〜4と比較した効果として、高周波スイッチモジュール1の外部とのやり取りをする制御配線が制御データ信号DATA、システムクロックCLKのみとなるため、高周波スイッチモジュール1と接続されるBBIC等との接続が容易となるとともに、高周波スイッチモジュール1の内部において、制御信号CNT<4:1>をシステムクロックCLKで同期を取った状態で生成できる。そのため、制御信号SWCNTが多数ビットある場合に、多数ビットのスイッチ信号SWCNT間に生じるスキューの影響を低減することができる。
なお、本実施の形態5では、上述した実施の形態4にシリアルI/Oインターフェース9が追加されているが、その他の上述した実施の形態1〜3についてもシリアルI/Oインターフェース9を追加して同様の効果を得ることができる。
[実施の形態6]
実施の形態6による高周波スイッチモジュールについて、図30に基づいて説明する。
《高周波スイッチモジュールの構成》
図30は、本実施の形態6による高周波スイッチモジュール1の構成を示す図である。図30に示す高周波スイッチモジュール1は、シリアルI/Oインターフェース(Serial I/O Interface)9と、シリアルI/Oインターフェース9に接続されたデコーダ(DEC)3と、負電圧発生回路(NVG)6と、シリアルI/Oインターフェース9の入力側(CLK)に接続されたタイミング信号生成回路(Timing)5と、タイミング信号生成回路5に接続された第2のレベルシフタ(LS2)8と、デコーダ3と負電圧発生回路6と第2のレベルシフタ8に接続された第1のレベルシフタ(LS)4と、第1のレベルシフタ4に接続されたスイッチ(SP10T)7を具備する。
シリアルI/Oインターフェース9は、高周波スイッチモジュール1の外部の制御回路からの制御データ信号DATA、システムクロックCLKを受けて、スイッチ7を制御する制御信号CNT<4:1>を生成する。
デコーダ3は、シリアルI/Oインターフェース9からの制御信号CNT<4:1>を受けて、スイッチ7のスイッチポートを切替えるためのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>を生成する。
負電圧発生回路6は、スイッチ7本体を制御するのに必要となる負電圧NVG_OUTを生成する。
タイミング信号生成回路5は、高周波スイッチモジュール1の外部からのシステムクロックCLKを受け、負電圧発生回路6の負電圧出力が十分に収束状態となる時間までのクロック数を計測して、その結果をそれぞれ異なるタイミングで信号レベルを切替える4ビットのタイミング信号Time<4:1>を生成する。
第2のレベルシフタ8は、タイミング信号生成回路5からの4ビットのタイミング信号Time<4:1>を受け、第1のレベルシフタ4の活性/不活性を切替える4ビットのスタンバイST<4:1>を生成する。
第1のレベルシフタ4は、デコーダ3からのスイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧NVG_OUTと、第2のレベルシフタ8からの4ビットのスタンバイ信号ST<4:1>を受けて、負電圧発生回路6が電源投入時から負電圧の充電が十分に収束状態となるまでの間は、第1のレベルシフタ4を不活性状態とし、負電圧発生回路6が生成する負電圧出力値が十分に収束する時間を経過した後に、第1のレベルシフタ4を活性化し、スイッチ切替信号SWCNT<10:1>、NSWCNT<10:1>の電圧レベル(2.5/0V)を、スイッチ7本体を制御するのに適した電圧(2.5/−2.5V、および0/−2.5V)に変換し、ゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>を生成する。
スイッチ7は、第1のレベルシフタ4からのゲート制御信号GCNT<10:1>、NGCNT<10:1>およびボディ制御信号BCNT<10:1>、NBCNT<10:1>と、負電圧発生回路6からの負電圧出力NVG_OUTと、高周波スイッチモジュール1の外部の2つ以上のRFポートからの入力信号RF1〜RF10とアンテナANTからの入出力信号を受け、スイッチ7のトランジスタのオンおよびオフの制御を行い、RFポートとアンテナANTのスイッチポートの切替えを行う。
つまり、本実施の形態6における高周波スイッチモジュール1は、タイミング信号生成回路5に入力されるクロック信号を、上述した実施の形態1〜5のような負電圧発生回路6内のクロック発生器61から生成されるクロック信号CLK_OUTではなく、高周波スイッチモジュール1の外部からのシステムクロックCLKを用いていることが特徴である。システムクロックCLKは、水晶発振器等から生成される非常に周波数精度が高いクロック信号のため、タイミング信号Timeの精度を高めることができるという特徴がある。
《実施の形態6の効果》
以上の説明から、本実施の形態6によれば、上述した実施の形態1〜5と比較した効果として、高周波スイッチモジュール1の外部とのやり取りをする制御配線が制御データ信号DATA、システムクロックCLKのみとなるため、高周波スイッチモジュール1と接続されるBBIC等との接続が容易となるとともに、高周波スイッチモジュール1の内部において、制御信号CNT<4:1>をシステムクロックCLKで同期を取った状態で生成できる。そのため、制御信号SWCNTが多数ビットある場合に、多数ビットのスイッチ信号SWCNT間に生じるスキューの影響を低減することができる。さらに、高周波スイッチモジュール1の外部からの非常に周波数精度が高いシステムクロックCLKを用いているため、タイミング信号Timeの精度を高めることができる。
なお、本実施の形態6のようなシリアルI/Oインターフェース9が追加されている構成は、上述した実施の形態1〜4についてもシリアルI/Oインターフェース9を追加して同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。