JP5779560B2 - 作業機装着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタ車体にロータリ耕耘機等の作業機を装着する作業機装着装置に関する。
トラクタ車体に3点リンク機構を介して装着される作業機には、その装着形態において標準3点リンク仕様と特殊3点リンク仕様との2種類があり、作業機装着装置はその2種類の作業機を装着可能に構成されている。
従来の作業機装着装置は、特許文献1に開示されているように、トラクタ車体にトップリンク及び左右一対のロワーリンクを有する三点リンク機構を介して連結枠を連結し、この連結枠に上連結部と左右一対の下連結部とを形成して作業機の上係合部及び左右一対の下係合部をそれぞれ係合し、トラクタ車体のPTO軸と作業機のPIC軸とをジョイント軸で連結し、前記連結枠にジョイント軸を保持する保持具を設けており、前記PIC軸から上係合部及び下係合部までの距離の異なる2種類以上の作業機を連結すべく、前記連結枠における保持具の位置を基準にして、保持具からの距離が異なる2箇所以上に上連結部及び下連結部を設けている(請求項4)。
また、特許文献2に開示された作業機装着装置においては、トラクタ車体にトップリンク及び左右一対のロワーリンクを有する三点リンク機構を介して連結枠を連結し、この連結枠に上下方向複数の上連結部と左右一対の下連結部とを形成して、PIC軸から上係合部及び下係合部までの距離の異なる2種類以上の作業機の上係合部及び左右一対の下係合部をそれぞれ係合し、トラクタ車体のPTO軸と作業機のPIC軸とをジョイント軸で連結し、前記連結枠にジョイント軸を保持する保持具を設け、前記保持具を選択使用する各上連結部に対応する位置に配置すべく、保持具を連結枠に対して上下方向に位置変更可能に設けている(請求項1)。
特許第3504142号公報 特許第3573647号公報
前記2つの従来技術は共に、連結枠の上連結部が上下方向複数の独立した凹部で形成され、しかも下側の上連結部は上側の上連結部に隠れるように形成されているため、連結する作業機の種類を変更したときに、上係合部を上下どちらの上連結部に係合すればよいか迷うとともに、係合の失敗や係合間違いも生じて、連結のやり直しを余儀なくされることもある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした作業機装着装置を提供することを目的とする。
本発明は、形状の異なる上係合部と係合可能な上下の上連結部を、上向き開口した凹部の口側と奥側とに形成することにより、種類の異なる作業機の上係合部を簡単かつ正確に係合できるようにした作業機装着装置を提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、トラクタ車体2にトップリンク3及び左右一対のロワーリンク4を有する3点リンク機構5を介して連結枠6を連結し、この連結枠6に上下に離れた第1上連結部7A及び第2上連結部7Bと1箇所又は上下に離れた2箇所の左右一対の下連結部8とを形成して、上係合部10から下係合部11までの距離の異なる2種類以上の作業機9の上係合部10及び左右一対の下係合部11をそれぞれ係合しており、
前記2種類以上の作業機9の上係合部10の形状を異ならせており、
前記連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作
業機9Aの上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に第1種の作業機9Aの上係合部10Aの侵入を阻止しながら第2種の作業機9Bの上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成していることを特徴とする。
第2に、トラクタ車体2にトップリンク3及び左右一対のロワーリンク4を有する3点リンク機構5を介して連結枠6を連結し、この連結枠6に上下に離れた第1上連結部7A及び第2上連結部7Bと左右一対の下連結部8とを形成して、PIC軸13から上係合部10及び下係合部11までの距離の異なる2種類以上の作業機9の上係合部10及び左右一対の下係合部11をそれぞれ係合し、トラクタ車体2のPTO軸12と作業機9のPIC軸13とをジョイント軸14で連結し、前記連結枠6にジョイント軸14を保持する保持具15を設け、前記下連結部8を連結枠6における保持具15の位置を基準にして保持具15からの距離が異なる2箇所に設けており、
前記2種類以上の作業機9の上係合部10の径を大小異ならせており、
前記連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作業機9Aの大径上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に大径上係合部10Aの侵入を阻止しながら第2種の作業機9Bの小径上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成していることを特徴とする。
第3に、トラクタ車体2にトップリンク3及び左右一対のロワーリンク4を有する3点リンク機構5を介して連結枠6を連結し、この連結枠6に上下に離れた第1上連結部7A及び第2上連結部7Bと1箇所又は上下に離れた2箇所の左右一対の下連結部8とを形成して、PIC軸13から上係合部10及び下係合部11までの距離の異なる2種類以上の作業機9の上係合部10及び左右一対の下係合部11をそれぞれ係合し、トラクタ車体2のPTO軸12と作業機9のPIC軸13とをジョイント軸14で連結し、前記連結枠6にジョイント軸14を保持する保持具15を設け、前記保持具15を選択使用する第1上連結部7A及び第2上連結部7Bに対応する位置に配置すべく、保持具15を連結枠6に対して上下方向に位置変更可能に設けており、
前記2種類以上の作業機9の上係合部10の径を大小異ならせており、
前記連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作業機9Aの大径上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に大径上係合部10Aの侵入を阻止しながら第2種の作業機9Bの小径上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成していることを特徴とする。
本発明によれば、上連結部が上下方向複数あっても、種類の異なる作業機の上係合部と係合の失敗や係合間違いを生じることなく簡単かつ正確に係合できる。
即ち、請求項1に係る発明は、2種類以上の作業機9の上係合部10の形状を異ならせ、連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作業機9Aの上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に第2種の作業機9Bの上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成しているので、連結する作業機9の上係合部10に凹部Yを係合していくと、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bのいずれか一方とのみ係合し、係合の失敗や係合間違いを生じることなく簡単かつ正確に係合できる。左右一対の下連結部8を上下に離れた2箇所に形成すると、2種類以上の作業機の上係合部10から下係合部11までの距離の差が大きくとも、この距離差の半分を2箇所の下連結部8の距離差で分担するので、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの距離差を小さくでき、凹部Y内での第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの位置を近づけることができ、即ち、凹部Yの深さを浅くできる。
請求項2に係る発明は、2種類以上の作業機9の上係合部10の径を大小異ならせ、連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作業機9Aの大径上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に第2種の作業機9Bの小径上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成しているので、連結する作業機9の上係合部10に凹部Yを係合していくと、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bのいずれか一方とのみ係合し、係合の失敗や係合間違いを生じることなく簡単かつ正
確に係合でき、しかも保持具15の位置を基準にしているので、保持具15の位置を変更する必要がない。左右一対の下連結部8を上下に離れた2箇所に形成しているので、2種類以上の作業機の上係合部10から下係合部11までの距離の差が大きくとも、この距離差の半分を2箇所の下連結部8の距離差で分担するので、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの距離差を小さくでき、凹部Y内での第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの位置を近づけることができ、即ち、凹部Yの深さを浅くできる。
請求項3に係る発明は、2種類以上の作業機9の上係合部10の径を大小異ならせ、連結枠6の上部に上向き開口した凹部Yを形成し、この凹部Yの口側に第1種の作業機9Aの大径上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aを形成し、凹部Yの奥側に第2種の作業機9Bの小径上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bを形成しているので、連結する作業機9の上係合部10に凹部Yを係合していくと、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bのいずれか一方とのみ係合し、係合の失敗や係合間違いを生じることなく簡単かつ正確に係合でき、しかも保持具15を連結枠6に対して上下方向に位置変更可能に設けているので、左右一対の下連結部8を上下方向1箇所に設けるだけで構成できる。
本発明の第1実施形態を示す作業機離脱状態の側面説明図である。 第1種作業機を装着した側面図である。 連結枠の正面図である。 第1種作業機離脱状態の側面図である。 第2種作業機装着状態の側面図である。 第2種作業機離脱状態の側面図である。 本発明の第2実施形態を示す連結枠の側面図である。 本発明の第2実施形態を示す連結枠の正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6において、作業機連結装置1の第1の実施の形態を示しており、作業機連結装置1はロータリ耕耘機で例示した標準3点リンク仕様の作業機9と特殊3点リンク仕様の作業機9とを択一的に装着しており、トップリンク3及びトップリンクブラケット26は標準3点リンク仕様のものと特殊3点リンク仕様のものとに変更される。
トラクタ車体2は、背面上部にトップリンクブラケット26を固定し、後部上面に油圧シリンダを有する作業機昇降装置を搭載し、トラクタ車体2の後下部にロワーリンクピン27を有し、PTO軸12が背面略中央から後方に突出されている。
3点リンク機構5はトップリンク3と左右一対のロワーリンク4とを有し、トップリンク3の前連結部はトップリンクブラケット26にピンを介して連結され、左右ロワーリンク4の前連結部はロワーリンクピン27に連結されており、このロワーリンク4は作業機昇降装置のリフトアームとリフトロッドを介して連結されている。
トップリンク3の後端は連結枠6の上部ピン29に連結され、左右のロワーリンク4の後端は連結枠6の左右の下部に設けた下部ピン30に連結されている。
この連結枠6に第1種(例えば、特殊3点リンク仕様)の作業機9Aと第2種(例えば、標準3点リンク仕様)の作業機9Bとが選択的に着脱自在に連結されるとともに、PTO軸12とPIC軸13とを連結するジョイント軸14が保持具15によって保持される。
作業機9は、ギヤケース33からPIC軸13を前方突出し、ギヤケース33の左右側部にサポートアーム34を連結し、左右サポートアーム34の外端に伝動ケース38及びサイドフレームを固定してロータリ機枠35を構成しており、伝動ケース38及びサイドフレームの下部で爪軸39を回転自在に支持し、この爪軸39に多数本の耕耘爪40を取り付けて耕耘部を構成している。
また、ギヤケース33上にトップマスト36を固着し、左右サポートアーム34には前方に突出した連結ブラケット37を固定している。
図1実線及び図2、4は第1種作業機9Aを示しており、第1種作業機9Aのトップマ
スト36の前上端のピンは上係合部10Aを形成し、左右連結ブラケット37に設けたピンは下係合部11Aを形成している。
図1仮想線及び図5、6は第2種作業機9Bを示しており、第2種作業機9Bのトップマスト36の前上端のピンは上係合部10Bを形成し、左右連結ブラケット37に設けたピンは下係合部11Bを形成している。
前記第1種作業機9Aの上係合部10Aと第2種作業機9の上係合部10Bの形状は異なっており、外形は共に円形であるが、上係合部10Aは上係合部10Bより大径に形成されている。
第1種作業機9Aと第2種作業機9Bとは、PIC軸13を同一位置にして上係合部10及び下係合部11を見ると、それぞれ距離が異なっており、上係合部10Aは上係合部10Bより離れており、下係合部11AはPIC軸13と同芯高さに位置し、下係合部11Bは下方に大きく離れている。
第2種作業機9BのPIC軸13には継ぎ軸13aが着脱自在に連結されており、継ぎ軸13aの先端が第1種作業機9AのPIC軸13の先端と同一位置に配置され、第1種作業機9AのPIC軸13と同一条件で、保持具15に対して前後方向同一位置まで嵌合できるようになっている。
連結枠6は角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)で正面視略A字形状に形成された主枠41を有し、この主枠41の中央上部に上部体42を固着し、左右下部に下部体43を固着し、主枠41の左右部分の上下中途部を上補強材44で繋ぎ、左右部分の下部体43を下補強材45で繋ぎ、上下補強材44、45を左右方向中途部に位置する左右一対の縦補強材(板材)46で繋いで形成され、左右縦補強材46間にPIC軸13とジョイント軸14とを連結する保持具15が横軸17廻りに揺動自在に設けられている。
保持具15はジョイント軸14の後端のヨーク14aを回転自在に支持しており、このヨーク14aにPIC軸13(継ぎ軸13aを含む)を嵌入することにより、PTO軸12とPIC軸13とが連動連結される。
前記保持具15は、軸受を介してヨーク14aをこの軸心廻りで回転自在に支持する円筒部15aと、この円筒部15aの背面に固着された平面視コ字形状の保持部15bと、この保持部15bの左右壁にピンを貫通固着して形成された左右一対の横軸17とを有している。
前記横軸17は円筒部15aの軸線方向中央より後方に変位して配置されており、保持具15は横軸17を介して縦補強材46に枢支されている。保持部15bには径外方向に突出した位置決め部材66が設けられ、この位置決め部材66は縦補強材46に設けたストッパ部67と当接可能になっている。
保持具15は横軸17を中心に揺動可能であり、前下がり傾斜して位置決め部材66がストッパ部67に当接した姿勢に保持可能になっており、位置決め部材66及びストッパ部67はヨーク14aを姿勢制御する姿勢制御手段となっている。
すなわち、前記保持具15はPIC軸13に嵌合する前の状態のとき、位置決め部材66はストッパ部67と当接し、ヨーク14aの軸芯とPIC軸13の軸芯とを略同芯にさせる役目をしており、ヨーク14aがPIC軸13に嵌合していくにつれて前上がり揺動し、位置決め部材66はストッパ部67から離れる。
前記連結枠6は保持具15の横軸17の位置が不変であり、この保持具15の位置を基準にして、第1種作業機9A用の上連結部7A及び下連結部8Aと、第2種作業機9B用の上連結部7B及び下連結部8Bとが形成されている。
前記上部体42は鶏冠形状に形成され、前上部にトップリンク3の後連結部と連結される上部ピン29が貫通され、後部には上向き開口した凹部Yが形成されている。この凹部Yは口側(上側)が広く奥側(下側)が狭い2段溝形状になっていて、口側に第1種作業機9Aの上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aが形成され、奥側に第2種作業機9Bの上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bが形成されている。
第2上連結部7Bの溝形状は第1上連結部7Aの溝形状より狭いので、第1上連結部7
Aの溝底は第1種作業機9Aの上係合部10Aが第2上連結部7Bに侵入するのを阻止する構造になり、凹部Yに上係合部10Aが入ってくれば第1上連結部7Aで係合され、凹部Yに上係合部10Bが入ってくれば第1上連結部7Aで係合されずに第2上連結部7Bとのみ係合される。
前記下部体43の前下方に突出した部分には外側方へ下部ピン30を突出してロワーリンク4の後連結部と連結され、ロワーリンク4の後部連結点を形成しており、後部には後方開放凹状の下連結部8A、8Bを形成しており、この2箇所の下連結部8A、8Bは上下方向及び前後方向に変位している。
前記左右一対の下連結部8を上下に離れた2箇所に下連結部8A、8Bとして形成しているので、2種類以上の作業機の上係合部10から下係合部11までの距離の差が大きくとも、この距離差の半分を2箇所の下連結部8の距離差で分担することになり、これにより、第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの距離差を小さくでき、凹部Y内での第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとの位置を近づけることができ、即ち、凹部Y内の第2上連結部7Bの深さを浅くできる。
連結枠6におけるPIC軸13と嵌合したときのヨーク14aから第1上連結部7A及び下連結部8Aまでのそれぞれの距離は、第1種作業機9AにおけるPIC軸13から上係合部10A及び下係合部11Aまでのそれぞれの距離と同一である。
また、連結枠6におけるPIC軸13と嵌合したときのヨーク14aから第2上連結部7B及び下連結部8Bまでのそれぞれの距離は、第2種作業機9BにおけるPIC軸13から上係合部10B及び下係合部11Bまでのそれぞれの距離と同一である。
図1、3において、前記連結枠6には下係合部11A、11Bの係合をロックするロック手段19が設けられている。下部体43には、横軸47を介してロック部材48が回動可能に支持されており、このロック部材48の後部は上下一対のロック凹部を有し、上下どちらの下連結部8A、8Bに係合した下係合部11A、11Bとでも係合可能であり、係合することにより下連結部8A、8Bから下係合部11A、11Bが離脱するのを阻止する。
ロック部材48はコイルバネによって下係合部11に係合する方向に付勢されており、その前部は解除手段50の山形状のリンク51に連結されている。解除手段50は上補強材44に固定のブラケット52にアーム53が枢支され、このアーム53にリンク51の中央が相対回転自在に貫通され、またアーム53に操作レバー54が固着されており、操作レバー54を後方から前方へ回動操作することにより、リンク51がアーム53を越えて移動し、ロック部材48が時計方向に回動して下係合部11との係合が解除されるようになっている。
次に、前記第1の実施の形態における作業機装着動作を説明する。
図1の実線及び図2、4において、トラクタ車体2に3点リンク機構5を介して連結枠6を連結して、主枠41が略垂直又は前傾姿勢になるように配置し、位置決め部材66をストッパ部67に当接してヨーク14aを尻上がり姿勢にしておき、操作レバー54を操作してロック部材48を解除しておく。その状態で地面に載置した第1種作業機9Aに対してトラクタ車体2を後進する。
連結枠6の上向き開口した凹部Yを第1種作業機9Aの上係合部10Aに下方から対向させて、昇降装置を作動して連結枠6を上昇していくと、凹部Yが上係合部10Aに嵌合して、上連結部7Aが上係合部10Aと係合し、第1種作業機9Aを吊り上げる。
これによって第1種作業機9Aが上連結部7を中心にして若干前移動するので、保持具15内のヨーク14aにPIC軸13が嵌入するとともに、下連結部8Aに下係合部11Aが係合する。そして、下係合部11Aが下連結部8Aに係合した後、操作レバー54を手動で後方揺動して、ロック部材48で下係合部11Aの抜け止めをする。
図1の仮想線及び図5、6において、トラクタ車体2を後進して連結枠6を第2種作業機9Bに近づけ、上向き開口した凹部Yを第2種作業機9Bの上係合部10Bに下方から対向させて、昇降装置を作動して連結枠6を上昇していくと、凹部Yが上係合部10Bに嵌合して、上連結部7Aを通り越して上連結部7Bが上係合部10Bと係合し、第2種作
業機9Bを吊り上げる。
これによって第2種作業機9Bが上連結部7Bを中心にして若干前移動するので、保持具15内のヨーク14aにPIC軸13(継ぎ軸13aを含む)が嵌入するとともに、下連結部8Bが下係合部11Bに係合する。そして、下係合部11Bが下連結部8Bに係合した後、操作レバー54を手動で後方揺動して、ロック部材48で下係合部11Bの抜け止めをする。
図7、8は本発明の第2の実施の形態を示しており、この第2の実施の形態の連結枠6は、左右下部の下連結部8が第1種作業機9A及び第2種作業機9Bに共通であり、下連結部8を基準にして、上部の上向き開口した凹部Yに、口側に第1種作業機9Aの上係合部10Aが係合する第1上連結部7Aが形成され、奥側に第2種作業機9Bの上係合部10Bが係合する第2上連結部7Bが形成され、第2上連結部7Bは上係合部10Aの侵入が阻止可能になっている。
保持具15は連結枠6の縦補強材46に固定の左右一対のガイド体61に上下位置変更自在に枢支されている。左右ガイド体61は内面側に逆J字状のガイド溝68が形成されており、保持具15の左右側部の横軸17が挿入されている。
横軸17がガイド溝68の下部凹部68Dに位置するとき、下連結部8と略同高さとなって、図2、4で示す第1種作業機9AのPIC軸13が挿入可能な状態になり、横軸17がガイド溝68の上部凹部68Uに位置するとき、下連結部8より高くなって、図5、6で示す第2種作業機9BのPIC軸13が挿入可能な状態になる。
保持具15に設けた位置決め部材66と係合するストッパ部67は、ガイド体61の上下2箇所に設けられており、横軸17が下部凹部68Dに位置するとき位置決め部材66は下ストッパ部67Dと係合し、横軸17が上部凹部68Uに位置するとき位置決め部材66は上ストッパ部67Uと係合する。
このように、連結枠6に下連結部8を基準にして、下連結部8から距離の異なる第1、第2上連結部7A、7Bを形成し、保持具15を上下位置変更自在にしても、第1種作業機9Aと第2種作業機9Bとを選択装着することができ、1つの凹部Yに第1上連結部7Aと第2上連結部7Bとを一連に形成しているので、上係合部10A、10Bの係合間違いを防止できる。
この第2の実施の形態の下連結部8は1箇所のみ形成されているが、第1の実施の形態の下連結部8と同様に、上下に離れた2箇所に形成することも可能である。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜8に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、2種類以上の作業機9は、ロータリ耕耘機以外の播種機、散布機、堀取り機等でもよく、プラウ等の回転駆動系を持たない作業機でもよい。
また、標準3点リンク仕様の作業機又は特殊3点リンク仕様の作業機の中でも、上係合部10から下係合部11までの距離の異なる作業機があれば、それぞれの上係合部10の形状を異ならせておいて、凹部Yに口側から奥側に向けて大から小になる複数の上連結部7を形成してもよい。
さらに、連結枠6は保持具を具備せずに、PIC軸13にジョイント軸14を人為的に嵌合するものであってもよい。
1 作業機連結装置
5 3点リンク機構
6 連結枠
7 上連結部
7A 第1上連結部
7B 第2上連結部
8 下連結部
8A 第1下連結部
8B 第2下連結部
9 作業機
9A 第1種作業機
9B 第2種作業機
10 上係合部
10A 大径上係合部
10B 小径上係合部
11 下係合部
11A 下係合部
11B 下係合部
12 PTO軸
13 PIC軸
13a 繋ぎ軸
14 ジョイント軸
14a ヨーク
15 保持具
17 横軸

Claims (3)

  1. トラクタ車体(2)にトップリンク(3)及び左右一対のロワーリンク(4)を有する3点リンク機構(5)を介して連結枠(6)を連結し、この連結枠(6)に上下に離れた第1上連結部(7A)及び第2上連結部(7B)と1箇所又は上下に離れた2箇所の左右一対の下連結部(8)とを形成して、上係合部(10)から下係合部(11)までの距離の異なる2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)及び左右一対の下係合部(11)をそれぞれ係合しており、
    前記2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)の形状を異ならせており、
    前記連結枠(6)の上部に上向き開口した凹部(Y)を形成し、この凹部(Y)の口側に第1種の作業機(9A)の上係合部(10A)が係合する第1上連結部(7A)を形成し、凹部(Y)の奥側に第1種の作業機(9A)の上係合部(10A)の侵入を阻止しながら第2種の作業機(9B)の上係合部(10B)が係合する第2上連結部(7B)を形成していることを特徴とする作業機装着装置。
  2. トラクタ車体(2)にトップリンク(3)及び左右一対のロワーリンク(4)を有する3点リンク機構(5)を介して連結枠(6)を連結し、この連結枠(6)に上下に離れた第1上連結部(7A)及び第2上連結部(7B)と左右一対の下連結部(8)とを形成して、PIC軸(13)から上係合部(10)及び下係合部(11)までの距離の異なる2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)及び左右一対の下係合部(11)をそれぞれ係合し、トラクタ車体(2)のPTO軸(12)と作業機(9)のPIC軸(13)とをジョイント軸(14)で連結し、前記連結枠(6)にジョイント軸(14)を保持する保持具(15)を設け、前記下連結部(8)を連結枠(6)における保持具(15)の位置を基準にして保持具(15)からの距離が異なる2箇所に設けており、
    前記2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)の径を大小異ならせており、
    前記連結枠(6)の上部に上向き開口した凹部(Y)を形成し、この凹部(Y)の口側に第1種の作業機(9A)の大径上係合部(10A)が係合する第1上連結部(7A)を形成し、凹部(Y)の奥側に大径上係合部(10A)の侵入を阻止しながら第2種の作業機(9B)の小径上係合部(10B)が係合する第2上連結部(7B)を形成していることを特徴とする作業機装着装置。
  3. トラクタ車体(2)にトップリンク(3)及び左右一対のロワーリンク(4)を有する3点リンク機構(5)を介して連結枠(6)を連結し、この連結枠(6)に上下に離れた第1上連結部(7A)及び第2上連結部(7B)と1箇所又は上下に離れた2箇所の左右一対の下連結部(8)とを形成して、PIC軸(13)から上係合部(10)及び下係合部(11)までの距離の異なる2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)及び左右一対の下係合部(11)をそれぞれ係合し、トラクタ車体(2)のPTO軸(12)と作業機(9)のPIC軸(13)とをジョイント軸(14)で連結し、前記連結枠(6)にジョイント軸(14)を保持する保持具(15)を設け、前記保持具(15)を選択使用する第1上連結部(7A)及び第2上連結部(7B)に対応する位置に配置すべく、保持具(15)を連結枠(6)に対して上下方向に位置変更可能に設けており、
    前記2種類以上の作業機(9)の上係合部(10)の径を大小異ならせており、
    前記連結枠(6)の上部に上向き開口した凹部(Y)を形成し、この凹部(Y)の口側に第1種の作業機(9A)の大径上係合部(10A)が係合する第1上連結部(7A)を形成し、凹部(Y)の奥側に大径上係合部(10A)の侵入を阻止しながら第2種の作業機(9B)の小径上係合部(10B)が係合する第2上連結部(7B)を形成していることを特徴とする作業機装着装置。
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