JP5779453B2 - アルカリ電池 - Google Patents

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この発明はアルカリ電池に関し、とくに、アルカリ電池の安全性向上技術に関する。
図3に本発明の対象となるアルカリ電池の一般的な構造を示した。当該図は、LR6型の円筒形アルカリ電池100であり、円筒軸20の延長方向を縦方向としたときの縦断面図である。アルカリ電池100は、有底筒状の金属製電池缶(正極缶)2内に、環状に成形された正極合剤3、この正極合剤3の内側に配設された有底円筒状のセパレーター4、亜鉛合金を含んでセパレーター4の内側に充填される負極ゲル5、この負極ゲル5中に挿入された負極集電子6、および電解液が発電要素として収納されたものである。そして、正極缶2の開口には、負極端子板7が封口ガスケット10bを介して嵌着されて、発電要素の収納空間が密閉されている。
正極缶2は、電池ケースを兼ねるとともに、正極合剤3に直接接触することにより、正極集電体を兼ね、底面には正極端子8が形成されている。負極ゲル5中に挿入された棒状の金属製負極集電子6は、皿状の金属製負極端子板7の内面7iに溶接により立設固定されている。
封口ガスケット10bは、表面に同心円状の凹凸が形成された円盤状をなしており、円盤の中心は、負極集電子6が挿通される中空部12を備えた円筒状のボス部11となっているとともに、このボス部11の外周から円盤の周縁に至る凹凸のある膜状の部分が発電要素の収納空間を密閉しつつ正極缶2の内部を上下に仕切る隔壁部13となっている。そして、負極端子板7、負極集電子6および封口ガスケット10bは、封口体としてあらかじめ一体に組み合わせられており、封口ガスケット10bの外周部が正極缶2の開口縁部と負極端子板7の周縁部との間にかしめられるなどして挟持されて正極缶2が気密シールされる。
また、封口ガスケット10bの隔壁部13の表面の一部には、溝などの薄肉部が形成されており、この薄肉部は、正極缶2内の圧力が異常に上昇した際に先行破断し、最終的に、その内圧の原因となったガスを負極端子板7に設けられた排気孔7hを介して大気開放させる防爆安全機構として機能する。
ところで、アルカリ電池100は、直列接続時に、正負の電極端子(8,7)を逆に接続するなどして充電されると、負極ゲル5自体、あるいは負極ゲル5と負極集電子6との界面からガスが発生し、負極ゲル5が膨張することがある。そして、使用前のアルカリ電池100を正極端子8を下方にして正立させたとき、封口ガスケット10bのボス部11の下端14から下方に突出する負極集電子6が負極ゲル5と接触せずに露出している場合、すなわち、アルカリ電池100が、使用前の状態で、ボス部11の下端14よりも下方に負極ゲル5の上面51がある場合、充電などの誤使用によって負極ゲル5が膨張すると、負極ゲル5と負極集電子6の露出部分との接触状態が不安定となり、負極集電子6が負極ゲル5中に浸漬されていたり露出したりする状態を繰り返す。そのため、充電に伴って負極集電子6と負極ゲルと5との接触領域にてジュール熱が発生した際、負極ゲル5の上面近辺では、負極集電子6がすぐに露出し、その熱が負極ゲル5中に散逸されず、負極集電子6が挿通されているボス部11に伝わる。
このような状態では、封口ガスケット10bがその熱により変形するなどして、防爆安全機構が正常に機能しなくなり、結果として、正極缶2内部の電解液や負極ゲル5が負極端子板7の排気孔7hから勢いよく噴出したり、場合によっては、負極端子板7自体が吹き飛んだりする「破裂」を起こす可能性がある。そこで、以下の特許文献1には、アルカリ電池において、負極集電子の露出部位に電気絶縁性被膜を形成することで、負極電子と負極ゲルとの接触不安定性に起因する破裂を防止する技術について記載されている。
特開平5ー135771号公報
上述したように、アルカリ電池では、負極集電子と負極ゲルとの接触が不安定な状態になると破裂する可能性がある。上記特許文献1に記載の技術では、このような問題に対応するために、負極集電子の露出部位にエポキシ樹脂、ポリエチレン、ナイロン、コールタール、ピッチなどの材料を塗膜していた。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、アルカリ電池の製造工程中に、上記の塗膜を施すための工程が追加されることになり、製造コストが増加し、生産性が低下する。もちろん、塗膜材料に係る原材料コストも別途必要となる。したがって、アルカリ電池を安価に提供することが困難となる。
そこで、本発明は、アルカリ電池における負極集電子と負極ゲルとの接触不安定性に起因する問題を、コストアップを招くことなく解決することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、有底円筒状の電池缶内に、環状の正極合剤と、当該正極合剤の内側に配置される有底円筒状のセパレーターと、当該セパレーターの内側に配置される負極ゲルとが収納されているとともに、前記電池缶の開口に負極端子板が封口ガスケットを介して嵌着されてなるアルカリ電池であって、
前記電池缶の底部を下方として、
前記封口ガスケットは、略円盤状に一体的に成形された樹脂からなり、前記円盤の中心にて上下方向に中空円筒状に突設されているボス部と、当該ボス部に対して縮径された中空円筒状で、当該ボス部と同軸となるように下方に延長する被覆部とを備え、
棒状の負極集電子が、前記ボス部と前記被覆部の中空筒内に圧入されて下方に突出して前記負極ゲル中に挿入され、
前記負極ゲルの上面は、当該ボス部の下端よりも下方にあり、前記被覆部は、少なくとも、当該負極ゲルの上面にまで延長しており、
前記ボス部の外径をφa、前記被覆部の外径をφb、前記負極集電子の外径をφcとして、
φa−φb>0.05mm、かつφb−φc≧1.0mm、
であることを特徴とするアルカリ電池としている。
また、0.5mm≦φc≦2.5mmとしたり、前記ボス部の内径をφdとして、φc−φd=0.05mm、かつ1.0mm≦φa−φd≦3.0mmとしたりしてもよい。
また、上記いずれかのアルカリ電池において、前記セパレーターの内側底部から上端までの高さを100%としたときに、前記ボス部の下端を96%の高さ位置とし、前記負極ゲルの上面を95%の高さ位置以下とすることもできる。
本発明のアルカリ電池によれば、コストアップを招くことなく、負極集電子と負極ゲルとの接触不安定性に起因する漏液や破裂を確実に防止することができる。
本発明の実施例に係るアルカリ電池の構造を示す図である。 上記実施例のアルカリ電池の一部を拡大した図である。 一般的なアルカリ電池の構造を示す図である。
図1に、本発明の実施例に係るアルカリ電池1の構造を示した。ここに示したアルカリ電池1では、封口ガスケット10aの形状が図3に示した従来のアルカリ電池100と異なっており、負極集電子6が挿通されるボス部11の下方に被覆部15が一体的に形成されている。そして、その被覆部15の下端16が、負極ゲル5の上面51以下の位置まで延長している。この例では、被覆部15の下端16が負極ゲル5の上面51の位置まで延長している。
図2は、図1における点線矩形領域30を拡大した図である。本実施例のアルカリ電池1における封口ガスケット10aでは、負極集電子6が挿通される中空円筒状のボス部11の下端14に当該ボス部11に対して縮径された中空円筒状の被覆部15が連続し、ボス部11と被覆部15とによって多段円筒を形成している。また、ボス部11と被覆部15の中空部12は、内径が同じ連続した一つの孔となっている。
そして、本実施例におけるアルカリ電池1の性能を評価するために、外径が異なる各種負極集電子6と、被覆部15の有無、ボス部11や被覆部15のサイズなどが異なる各種封口ガスケット10a用いて多数のLR6型(単三型)アルカリ電池1をサンプルとして作製し、各サンプルに対して所定の信頼性試験を行った。
===信頼性試験===
サンプルに対する信頼性試験としては、同じ製造条件のサンプルを直列に接続し、その内の一本を正負の電極端子(8,7)が逆となるように接続して24時間放置し、破裂の発生の有無を確認する逆接続試験と、90℃の温度下で50日間放置し、漏液の有無を確認する高温試験とを行った。
<負極ゲルの充填量>
まず、図3に示したような被覆部15がない封口ガスケット10bを用いた従来のアルカリ電池100を作製した。そして、負極ゲル5の充填量が異なる各種サンプルを用意し、各サンプルに対して逆接続試験を行った。負極ゲル5の充填量については、正極缶2の底部を下方にしてアルカリ電池100を正立させた状態で、負極ゲル5が、セパレーター4の内側の底部41から封口ガスケット10bの下面、すなわちセパレーター4の上端42の高さまで充填されているときを充填量100%とし、負極ゲル5の上面51の高さH(%)で充填量を規定とした。なお、サンプルは、同じ条件で作製したものをそれぞれ100個ずつ用意した。なお、作製したサンプルでは、負極ゲル5の充填量(負極ゲル5の上面51までの高さH)が96%であるとき、負極ゲル5の上面51位置とボス部11の下端14位置とが一致するようになっている。すなわち、充填量が96%以上では、ボス部11より下方では、負極集電子6は負極ゲル5中にあって、露出していない。
表1に、当該試験の結果を示した。
Figure 0005779453
表1では、同じ条件で作製した100個のサンプルのうち、破裂した固体の数nが示されている。また、破裂したサンプルを分解し、その破裂に至った原因に応じて破裂したサンプルをA、Bの二つのグループに分類している。原因Aによる破裂は、封口ガスケット10bが変形したことによるものであり、負極ゲル5の充填量が95%以下のサンプルで発生している。一方、充填量が96%以上のサンプルでのみ発生している原因Bによる破裂は、ガスの発生に伴う内圧上昇によって封口ガスケット10bの防爆安全機構が作動し封口ガスケット10bの一部が先行破断したものの、負極ゲル5がその破断箇所に詰まったことによるものである。すなわち、充填量が96%以上のサンプルでは、発生したガスを排出できずに破裂した。
以上、表1に示した結果より、負極ゲル5の上面と封口ガスケット10bとの間には十分な空間が必要であるものの、負極ゲル5の充填量を減らして負極集電子6を露出させると、負極ゲル5とその露出部分との接触が不安定になり破裂に至る、ということが分かった。
<封口ガスケットの構造>
表1に示した試験結果より、サンプルにおける負極ゲルの充填量が95%以下であることが必須条件となる。すなわち、本発明の実施例に係るアルカリ電池1では、ボス部11の下端14よりも下方に負極ゲル5の上面51があることとしている。その上で、負極ゲル5の充填量を減らした場合でも、負極集電子6が露出しないような構造が必要となる。そこで、ボス部11を下方に延長すれば、負極ゲル5の上面51にまで負極集電子6が露出しない、と考えた。そうすれば、負極ゲル5と負極集電子6との接触状態が確実に維持でき、しかも、従来の封口ガスケット10bと同様に、樹脂を一体成形することで容易にボス部11を下方に延長することができることから、負極集電子6の露出部位に電気絶縁性被膜を形成するための工程を追加する必要がない。そのため、製造コストもほとんど増加しない。
しかし、単純にボス部11を下方に延長させただけで十分な効果があるかどうかが不明であり、ボス部11には負極集電子が圧入されることからのその負極集電子6の外径にも依存性があるかもしれない、と考えた。そこで、図2に示したように、ボス部11の外径をφa、被覆部15の外径をφb、負極集電子6の外径をφc、ボス部11の内径、すなわち、ボス部11と被覆部15とを上下に貫通する孔でもある中空部12の内径をφdとしたとき、外径φcが異なる負極集電子6と、ボス部11と被覆部15の各外径(φa,φb)が異なる多種多様な封口ガスケット10aとを用いて多種多様な条件のサンプルを100個ずつ作製し、全サンプルに対して逆接続試験を行い、各サンプルの100個の個体の内、漏液や破裂が一つも発生しなかったサンプルに対し、さらに高温試験を行い、最終的に100個の個体の内、漏液や破裂が一つも発生しなかった条件のサンプルのみを合格と判定した。そして、合格したサンプルにおける被覆部15の形成条件を調べた。
具体的には、負極ゲル5の充填量を85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%とし、それぞれの充填量に対し、0.1mm刻みで、0.5mm≦φc≦2.5mmの負極集電子6と、各外径φcの負極集電子6に対し、ボス部11の外径φaを、それぞれ、φa=φc+0.95mm、φa=φd+1.95mm、φa=φd+2.95mの3種類としつつ、さらに、各種ボス部11の外径φaに対する被覆部15の外径φbの比φb/φaが17%から100%までの各種封口ガスケット10aとを用いて膨大な数のサンプルを作製した。なお、ボス部11、および被覆部15の中空部12の内径φdは、負極集電子6の外径φcよりも0.05mm小さくしている。
<試験結果>
上述したように、作製したサンプルに対して逆接続試験を行い、その逆接続試験において合格判定となったサンプルに対してさらに高温試験を行った。その結果、負極ゲル5の充填量に依らず、最終的な合否判定がすべて同じだった。
<ボス部と被覆部との外径差>
まず、負極ゲル5の充填量が95%以下である場合、すなわち、ボス部11の下端14よりも下方に負極ゲル5の上面51がある場合に、ボス部の外径φaと被覆部の外径φbとの差φa−φbの値と、逆接続試験、および高温試験における合否との関係を調べた。
表2〜表12に当該外径差φa−φbと合否結果との関係を示した。
Figure 0005779453
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表2〜表12では、ボス部11と被覆部15を上下に貫通する中空部12の内径φdが、負極集電子6の外径φcよりも0.05mm小さく(φd=φc−0.05mm)、被覆部15の外径φbは、必ず、中空部12の内径φdよりも大きいことから(φb>φd)、φb>φc−0.05mmのサンプルのみ存在する。すなわち、φc−φb≧0.05mmとなるサンプルは存在しない。上記各表では、存在しないサンプルを「−」で示した。同じ条件で作製した100個のサンプルのうち、1個でも破裂、あるは漏液が発生した場合には、その条件のサンプルを不合格として判定し、不合格となったサンプルについては、表中にて黒地に白抜きの数値で示した。
そして、表2〜表12より、ボス部11と被覆部15の外径比φb/φaが100%、すなわちボス部11を単純に下方に延長させた封口ガスケット10aを用いたサンプルでは、逆接続試験には合格したものの、その後の高温試験において、全ての条件において漏液した個体が存在した。したがって、被覆部15をボス部11より縮径させることが必須条件であることが分かった。また、ボス部11と被覆部15との外径差φa−φb≦0.05mmの条件のサンプルで、高温試験によって漏液した個体が散見され、高温環境下での保存を想定した場合では、φa−φb>0.05mmであることが望ましい、ということが分かった。
<負極集電子と被覆部との外径差>
上記表2〜表12から、ボス部11と被覆部15との外径差φa−φbについてはある程度以上の値、すなわちボス部11と被覆部15との境界にはある程度の段差が必要であることが分かった。そして、好ましくは、0.05mmより大きくすることも分かった。しかし、段差がより大きな場合については、規則性が見つからなかった。しかし、φa−φb>0.05mmを満たすサンプルの内、不合格になったサンプルは、全て逆接続試験において破裂したものであり、被覆部15自体の強度不足が疑われることから、次に、負極集電子6と被覆部15との外径差φb−φcと合否判定との結果を調べた。
表13〜表23に当該外径差φb−φcと合否判定との結果を示した。
Figure 0005779453
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表13〜表23では、不合格判定となったサンプルの欄を黒地白抜きの数値で示している。そして、これらの表から、被覆部15の外径φbと負極集電子6の外径φcとの差φb−φcは、ボス部11の外径φaや負極集電子6の外径φcの値によらず、0.1mm以上であることが望ましいことが分かった。そして、以上の表13〜表23に示した試験結果から、ボス部11の下端14よりも下方に負極ゲル5の上面51が位置する場合に、φa−φb>0.5mm、かつφb−φc≧1.0mmであれば、極めて高い信頼性を確保できることが判明した。
ここで、上記試験結果について考察すると、被覆部15の外径φbが負極集電子6の外径φcより0.1mm未満であるサンプルの内、逆接続試験で破裂した個体が出現したのは、被覆部15の厚さが不十分で被覆部15の強度が不足し、アルカリ電池1の製造過程で負極集電子6を圧入した際、被覆部15に亀裂が発生したためと思われる。すなわち、その亀裂によって負極集電子6が露出してしまったため、逆接続試験において発生したジュール熱で封口ガスケット10aが変形し、破裂に至ったものと思われる。
また、被覆部15に十分な強度があり、亀裂が発生せず、逆接続試験により破裂しなかったサンプルであっても、その後の高温試験においてφa−φb≦0.05mmのサンプルで漏液が発生した個体があった。これは、ボス部11と被覆部15との段差が小さく、封口ガスケット10aが実質的にボス部11を単純に下方に延長させた形状であり、被覆部15の肉厚(φb−φd)/2の絶対値が大きく、被覆部15が弾性変形し難くなったためと考えられる。すなわち、負極集電子6を、ボス部11に加え、肉厚が厚い被覆部15にも挿通させる必要があり、ボス部11とその周囲の隔壁部13に過大な応力が加わって防爆安全機構の作動圧力が実質的に低下し、その結果、高温試験によって正極缶2内の内圧が上昇した際に、防爆安全機構が通常よりも低い圧力で作動し、漏液に至ったものと推測される。
なお、上記表2〜表23に示した結果は、単三型のアルカリ電池1をサンプルとしたものであるが、サンプルを構成する負極集電子6の外径φcや封口ガスケット10aの各部のサイズ(φa,φb,φd)などの条件が極めて広範囲に及んでおり、上記結果は、アルカリ電池1のサイズに関わらず、ボス部11の下端14よりも下方に負極ゲル5の上面51があるアルカリ電池全般にも適用できる、と言える。
より厳密に数値範囲を規定する場合では、実際に試験に用いた数値を適用すればよく、例えば、負極集電子6の外径φcを0.5mm≦φc≦2.5mmとすればよい。また、ボス部11と負極集電子6については、φa=φc+0.95mm、φa=φd+1.95mm、φa=φd+2.95mの3種類で試験を行い、ボス部11の内径φdが負極集電子6の径φcよりも0.05mm小さいことから、φc−φd=0.05mmとした上で、ボス部11の外径φaと内径φdの関係を1.0mm≦φa−φd≦3.0mmと規定してもよい。負極ゲル5の充填量をセパレーター4の高さとボス部11の下端14の高さとに基づいて規定することも可能であり、この場合は、セパレーター4内方の底部41から上端42までの高さを100%としたときに、ボス部11の下端14が96%の高さ位置にあり、負極ゲル5の上面51は、95%の高さ位置以下にある、と規定できる。いずれにしても、ボス部11を単純に負極ゲル5の上面51まで延長させただけでは、十分な信頼性が得られず、ボス部11に対して縮径した被覆部15として延長させることが重要であることが確認できた。そして、その被覆部15を備えた封口ガスケット10aは、従来と同様に、樹脂を一体成型することで形成することができるため、本発明の実施例に係るアルカリ電池1では、実質的なコストアップを招くことなく高い信頼性を確保することができる。
1, 100 アルカリ電池、2 電池缶(正極缶)、3 正極合剤、
4 セパレーター、5 負極ゲル、6 負極集電子、7 負極端子板、8 正極端子、
10a,10b 封口ガスケット、11 ボス部、14 ボス部下端、15 被覆部、
16 被覆部の下端、41 セパレーターの底部、42 セパレーターの上端、
51 負極ゲルの上面、φa ボス部の外径、φb 被覆部の外径、
φc 負極集電子の外径

Claims (4)

  1. 有底円筒状の電池缶内に、環状の正極合剤と、当該正極合剤の内側に配置される有底円筒状のセパレーターと、当該セパレーターの内側に配置される負極ゲルとが収納されているとともに、前記電池缶の開口に負極端子板が封口ガスケットを介して嵌着されてなるアルカリ電池であって、
    前記電池缶の底部を下方として、
    前記封口ガスケットは、略円盤状に一体的に成形された樹脂からなり、前記円盤の中心にて上下方向に中空円筒状に突設されているボス部と、当該ボス部に対して縮径された中空円筒状で、当該ボス部と同軸となるように下方に延長する被覆部とを備え、
    棒状の負極集電子が、前記ボス部と前記被覆部の中空筒内に圧入されて下方に突出して前記負極ゲル中に挿入され、
    前記負極ゲルの上面は、当該ボス部の下端よりも下方にあり、前記被覆部は、少なくとも、当該負極ゲルの上面にまで延長しており、
    前記ボス部の外径をφa、前記被覆部の外径をφb、前記負極集電子の外径をφcとして、
    φa−φb>0.05mm、かつφb−φc≧1.0mm、
    であることを特徴とするアルカリ電池。
  2. 請求項1において、0.5mm≦φc≦2.5mmであることを特徴とするアルカリ電池。
  3. 請求項1または2において、前記ボス部の内径をφdとして、
    φc−φd=0.05mm、かつ1.0mm≦φa−φd≦3.0mm
    であることを特徴とするアルカリ電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記セパレーターの内側底部から上端までの高さを100%としたときに、前記ボス部の下端は、96%の高さ位置にあり、前記負極ゲルの上面は、95%の高さ位置以下にあることを特徴とするアルカリ電池。
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