JP5779402B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、液体洗浄剤に関する。
市場において、液体洗浄剤は、通常、容器に収容されて提供されている。そのなかには、液体洗浄剤が泡吐出容器に収容され、その吐出口から泡で排出されて使用されるものがある。
従来から台所用洗剤に使用されている直鎖アルコールエトキシサルフェートを含有する液体洗浄剤は、低温条件下で、粘度が増加しやすく又は析出が生じやすく、保存安定性の確保が難しい。このため、泡吐出容器にて泡を形成させる際、特に低温条件下で泡が形成しにくいという問題があった。
泡吐出容器から吐出させた場合に低温条件でも良好な泡立ちが得られる組成物として、陰イオン界面活性剤5〜35質量%と、アミンオキシド型界面活性剤1〜10質量%と、粘度調整剤とを含有し、5℃での粘度が150〜270mPa・sであり、かつ、引火点が40℃以上である液体洗浄剤が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−214403号公報
しかしながら、特許文献1に記載された液体洗浄剤は、5℃の条件で泡吐出容器から吐出した泡の体積が、20℃の条件で泡吐出容器から吐出した泡の体積の半分以下にまで減少し、低温条件下での泡立ち性(泡量)が未だ不充分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低温安定性が良好であり、低温条件下でも泡吐出容器から充分な泡量で吐出可能である液体洗浄剤を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、一般に会合状態を形成しにくく、低起泡性組成物用として好適な成分とされる分岐鎖状の化合物の中から特定の構造を有する陰イオン界面活性剤を選択し、特定のハイドロトロープ剤と組み合わせて用いることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の液体洗浄剤は、内溶液を泡状に吐出する泡吐出容器に収容されて用いられる液体洗浄剤において、下記一般式(a1)で表される化合物(a)と、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、及び炭素数2〜4のアルコールからなる群より選択される少なくとも一種(b)とを含有することを特徴とする。
Figure 0005779402
[式中、xとyはそれぞれ1〜7の整数であり、x+y=8である。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表す。pはPOの平均繰返し数、qはEOの平均繰返し数を表し、p+qは1〜10である。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンを表す。]
本発明の液体洗浄剤においては、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)をさらに含有し、かつ、(a)成分/(c)成分で表される質量比が0.5〜6であることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤によれば、低温安定性が良好であり、低温条件下でも泡吐出容器から充分な泡量で吐出可能である。
本発明において好適な泡吐出容器の一実施形態例を示す縦断面図である。 図1に示す泡吐出容器における泡吐出ポンプの混合室を拡大して示す図であり、図2(A)はその横断面図であり、図2(B)はその縦断面図である。
本発明の液体洗浄剤は、内溶液を泡状に吐出する泡吐出容器に収容されて用いられるものであり、硬表面用の洗浄剤として好適に利用できる。
ここで「硬表面」とは、陶器、磁器、ガラス、硬質プラスチック、金属、塗装金属、タイル等の硬質材料からなる表面をいう。その具体例としては、食器類、調理器具、便器、窓ガラス、乗り物のガラス、めがね、透明プラスチック、鏡;浴槽、浴室の壁や床、流し台、洗面台等が挙げられる。なかでも、本発明の液体洗浄剤は、食器類、調理器具等の台所用の洗浄剤として特に好適に利用できる。
<内溶液:液体洗浄剤>
本発明の液体洗浄剤は、前記一般式(a1)で表される化合物(a)と、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、及び炭素数2〜4のアルコールからなる群より選択される少なくとも一種(b)とを含有する。
以下、これらの成分をそれぞれ(a)成分、(b)成分ともいう。
[化合物(a)]
本発明の液体洗浄剤において、化合物(a)は、下記一般式(a1)で表される、分岐型アルキル基を有する陰イオン界面活性剤である。
Figure 0005779402
[式中、xとyはそれぞれ1〜7の整数であり、x+y=8である。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表す。pはPOの平均繰返し数、qはEOの平均繰返し数を表し、p+qは1〜10である。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンを表す。]
前記式(a1)中、xとyは、それぞれ1〜7の整数であり、x+y=8である。x+y=8であることにより、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡が立ちやすくなる。
2x+1、C2y+1としては、それぞれ、直鎖状のアルキル基又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、泡立ち性の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましい。そのなかでも、C2x+1、C2y+1は、プロピル基とペンチル基との組合せ(xとyの一方が3で、他方が5であること)が特に好ましい。
前記式(a1)中、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、pはPOの平均繰返し数、qはEOの平均繰返し数をそれぞれ表す。
p+qは1〜10であり、好ましくは1〜5であり、特に好ましくは3〜4である。p+qが前記範囲であることにより、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)が良好となる。加えて、洗浄中であっても、食器類等から汚れが落ちると、スポンジと食器類等との間に摩擦が生じるようになり、洗浄済み実感を得られやすい。さらに、洗浄力が高まる。
qは1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
pは、泡立ち性の観点から、0〜9であることが好ましく、0〜4であることがより好ましい。
POとEOとが混在している場合、POとEOとの配列状態は特に制限されず、ランダム状に混在していてもよく、ブロック状に混在していてもよい。
なお、p、qは、それぞれPO、EOの「平均」繰返し数を示している。すなわち、式(a1)で表される化合物は、PO、EOの繰返し数が異なる分子(PO又はEOを有しない分子を含む)の集合体である。また、C2x+1とC2y+1との組合せの異なる分子の集合体であってもよい。
前記式(a1)中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンであり、(C2x+1)(C2y+1)CH−CHO−(PO)p−(EO)q−SO とともに水溶性の塩を形成し得るものであればよい。
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
(a)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、(a)成分としては、ガーベット反応による2分子縮合で得られた、β位に分岐構造を有するアルコールのアルキレンオキシド付加物の硫酸化物であることが好ましい。
(a)成分は、ガーベットアルコールのアルキレンオキシド付加物を、槽型反応方式、フィルム型反応方式、管型気液混相流反応方式等を用いて、たとえば液体無水硫酸との混合、又はSOガスとの接触などにより硫酸化した後、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アンモニウム又はアルカノールアミン等で中和することにより製造できる。
ガーベットアルコールのアルキレンオキシド付加物の具体例としては、BASF社製のルテンゾールXP30(エチレンオキシドの平均付加モル数3)、ルテンゾールXP40(エチレンオキシドの平均付加モル数4)、ルテンゾールXL40(プロピレンオキシドの平均付加モル数1、エチレンオキシドの平均付加モル数3)(以上、商品名)等が挙げられる。
液体洗浄剤中、(a)成分の配合量は、該液体洗浄剤の総質量に対して5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜35質量%である。
(a)成分の配合量が下限値以上であると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)がより向上する。また、後述の(c)成分との併用により、洗浄済み実感(摩擦感、ギュッギュッ感)がより得られやすくなる。一方、上限値を超えると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)が低下する場合がある。
[芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、及び炭素数2〜4のアルコールからなる群より選択される少なくとも一種(b)]
本発明においては、ハイドロトロープ剤として(b)成分を含有することにより、液体洗浄剤の保存安定性(特に低温安定性)が向上し、透明外観をより安定に確保できる。
また、(b)成分と前記(a)成分とを組み合わせて用いることにより、主として、低温条件下においても、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、充分な泡量で吐出することができる。
(b)成分における芳香族スルホン酸としては、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸などが挙げられ、なかでもトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸が好ましい。
トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸は、それぞれo体、m体、p体の3異性体のいずれでもよく、これらのなかでも容易に入手が可能なことからp体が好ましく、そのなかでも、p−トルエンスルホン酸がより好ましい。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸などが挙げられる。
芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸塩における塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
炭素数2〜4のアルコールのうち、1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
(b)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(b)成分としては、特に低温条件下で液体洗浄剤が泡吐出容器から充分な泡量でより吐出されやすいことから、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、及び炭素数2〜4のアルコールからなる群より選択される少なくとも二種を用いることが好ましい。なかでも、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群より選択される少なくとも二種を用いることがより好ましく、そのなかでも、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸及び安息香酸塩からなる群より選択される少なくとも一種と、エタノールとを併用することが特に好ましい。
液体洗浄剤中、(b)成分の配合量は、該液体洗浄剤の総質量に対して5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%であり、さらに好ましくは6〜10質量%である。
(b)成分の配合量が好ましい下限値以上であると、液体洗浄剤の低温安定性がより向上する。加えて、低温条件下で液体洗浄剤が泡吐出容器から充分な泡量でより吐出されやすくなる。一方、好ましい上限値を超えると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)が低下する場合がある。また、洗浄力が低下する場合がある。
[溶媒:水]
本発明の液体洗浄剤は、液体洗浄剤の調製しやすさ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中の水の配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して40〜90質量%が好ましく、45〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%がさらに好ましい。
水の配合量が下限値以上であると、経時に伴う液体洗浄剤の液安定性がより良好となり、上限値以下であれば、液粘度が適度に低くなり、使用性の観点から良好となる。
[その他の成分]
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外のその他の成分を任意に配合してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、硬表面用又は衣料用等の洗浄剤組成物に用いられている成分を配合することができ、具体的には以下に示すものが挙げられる。
(両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c))
本発明の液体洗浄剤においては、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)(以下「(c)成分」ともいう。)をさらに含有することが好ましい。
(c)成分をさらに含有することにより、主として、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際、泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)がより向上する。加えて、洗浄中に食器類等から汚れが落ちると、スポンジと食器類等との間に摩擦が生じるようになり、洗浄済み実感が付与される。さらに、油汚れに対して高い洗浄力が得られやすくなる。
両性界面活性剤としては、アミノ酢酸ベタイン(アルキルベタイン、アルキルアミドベタインなど)、スルホベタイン(アルキルヒドロキシスルホベタインなど)等のベタイン型のもの;グリシン系のもの(イミダゾリニウムベタインなど)、アミノプロピオン酸系のもの等のアミノ酸型のものなどが挙げられる。
両性界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン;N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン等のスルホベタイン;2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等のグリシン系のもの;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアミノプロピオン酸系のものが挙げられる。
本発明において、「半極性界面活性剤」とは、半極性結合(無極性結合及び極性結合の中間の性質を有する結合)を有する界面活性剤のことであり、半極性界面活性剤が溶解する溶液又は分散する分散系のpHにより、陽イオン性、陰イオン性、又は両極性となるものをいう。
半極性界面活性剤のなかで好適なものとしては、アミンアルキレンオキサイド型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤などが挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力及び泡立ちが良好であることから、アミンオキシド型界面活性剤が好ましい。
アミンオキシド型界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられ、なかでも下記一般式(c1)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
Figure 0005779402
[式中、Rは炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−である。rは0又は1の数である。]
前記式(c1)中、Rは、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力、洗浄済み実感の付与効果がより向上することから、8〜16であることが好ましく、10〜14であることがより好ましい。
、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、RおよびRはいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
は、炭素数1〜4のアルキレン基である。
Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−である。
rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
アミンオキシド型界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド系のもの;ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド等のアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド系のもの等が挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力、洗浄済み実感の付与効果が特に良好であることから、アルキルジメチルアミンオキシド系のものがより好ましい。
(c)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、(c)成分としては、(a)成分と併用して、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)、油汚れに対する洗浄力、洗浄済み実感の付与効果が特に良好であることから、アミノ酢酸ベタイン、スルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド系のもの、又はアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド系のものが好ましく、アルキルジメチルアミンオキシド系のものが特に好ましい。
さらに、(c)成分としては、(c)成分中のアルキル基が直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであってもよく、洗浄力の観点から、当該アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、10〜14のものがより好ましい。
液体洗浄剤中、(c)成分の配合量は、該液体洗浄剤の総質量に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
(c)成分の配合量が下限値以上であると、洗浄時の洗浄力、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)がより向上する。また、洗浄済み実感が得られやすくなる。一方、好ましい上限値を超えると、組成物の粘度が著しく上昇する場合があり、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性が低下するおそれがある。
本発明において「(a)成分/(c)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤中の(c)成分の含有量に対する、(a)成分の含有量の割合(質量比)を表す。
本発明の液体洗浄剤において、(a)成分と(c)成分との配合比率は、(a)成分/(c)成分で表される質量比が0.5〜6であることが好ましく、より好ましくは1.5〜5である。
当該質量比が下限値以上であると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性がより良好となり、加えて、洗浄中の洗浄済み実感がより高まる。一方、上限値以下であると、洗浄中の洗浄済み実感に加えて、油汚れに対する洗浄力がより向上する。
(脂肪酸モノエタノールアミド化合物(d))
本発明の液体洗浄剤においては、脂肪酸モノエタノールアミド化合物(d)(以下「(d)成分」という。)をさらに含有することが好ましい。(d)成分を含有することにより、主として、洗浄時の泡の持続性が高まる。
(d)成分のなかで好適なものとしては、下記一般式(d1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005779402
[式中、Rは炭素数5〜19のアルキル基を表す。mはオキシエチレン基(−CO−)の平均繰返し数を表し、0〜9の数である。]
前記式(d1)中、Rは、炭素数5〜19のアルキル基を表し、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
のアルキル基において、炭素数は5〜19であり、油汚れに対する洗浄力、泡の持続性が向上することから、炭素数7〜13が好ましい。
mは、オキシエチレン基(−CO−)の平均繰返し数を表し、0〜9の数であり、0〜4の数であることが好ましく、0〜2の数であることがより好ましい。
(d)成分として具体的には、ラウリン酸モノエタノールアミド(前記式(d1)におけるR=炭素数11の直鎖状のアルキル基、m=0)、ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド(前記式(d1)におけるR=炭素数11の直鎖状のアルキル基、m=2)、ポリオキシエチレン(2)カプリン酸モノエタノールアミド(前記式(d1)におけるR=炭素数9の直鎖状のアルキル基、m=2)等が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレン(2)カプリン酸モノエタノールアミドがより好ましい。
(d)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体洗浄剤中、(d)成分の配合量は、該液体洗浄剤の総質量に対して1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜15質量%であり、さらに好ましくは4〜10質量%である。
(d)成分の配合量が好ましい下限値以上であると、泡の持続性がより向上し、一方、好ましい上限値を超えると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)が低下するおそれがある。
本発明の液体洗浄剤組成物において、(d)成分/[(a)成分+(c)成分]で表される質量比は0.1〜0.5であることが好ましく、0.1〜0.45であることがより好ましい。
当該質量比が下限値以上であると、泡の持続性がより向上し、一方、上限値以下であると、泡がより立ちやすくなり、泡量もより良好となる。
本発明において「(d)成分/[(a)成分+(c)成分]で表される質量比」とは、液体洗浄剤中の(a)成分と(c)成分との合計の含有量に対する、(d)成分の含有量の割合(質量比)を表す。
本発明の液体洗浄剤には、上述した成分以外のその他の成分として、水酸化ナトリウム、硫酸、グリコール酸等のpH調整剤;キレート剤、酸化防止剤、着色剤、酵素、香料なども任意に配合することができる。
本発明の液体洗浄剤のpHは、25℃でのpHが5〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
液体洗浄剤のpHが5以上であると、液体洗浄剤の透明外観をより安定に保ちやすくなる。また、液体洗浄剤のゲル化又は固化がより起きにくくなる。一方、pHが8以下であると、液体洗浄剤を泡吐出容器から吐出させた際の泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)がより向上する。また、油汚れに対する洗浄力と泡の持続性がより向上する。
液体洗浄剤(25℃に調温)のpHは、pHメータ(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用い、JIS K3362−1998に準拠した方法により測定される値を示す。
<泡吐出容器>
本発明における、内溶液を泡状に吐出する泡吐出容器としては、内溶液(液体洗浄剤)を泡状に吐出し得るものであればよく、ポンプディスペンサーを備えた容器、トリガーディスペンサーを備えた容器、スクイズボトル等の従来公知のものが挙げられる。
なかでも、内容液を収容する容器本体と、当該容器本体に収容される内容液と空気とを1/5〜1/10の体積比(内容液/空気)で混合しかつ内容液を泡状に吐出させる泡吐出ポンプとを備える泡吐出容器であることが好ましい。さらに、該泡吐出容器としては、目開き30〜300meshの泡形成用の網状部材を有する泡吐出ポンプを備えるものがより好ましい。このような泡吐出容器を用いると、本発明の液体洗浄剤を吐出させた場合、低温条件下でも充分な泡量で吐出可能である。加えて、良好な泡立ち性及び泡の質が得られ、洗浄力にも優れた泡を形成することができる。
図1に、本発明において好適な泡吐出容器の一実施形態例を示す。
本実施形態の泡吐出容器は、内容液を収容する容器本体1の口頸部1aに取り付けられた泡吐出ポンプ10を備え、この泡吐出ポンプ10により容器本体1に収容された内容液を泡状にして吐出する、いわゆるノンエアゾール型の泡吐出ポンプ付き容器である。
泡吐出ポンプ10は、容器本体1の口頸部1aに着脱自在に装着された装着キャップ2を介して容器本体1に取り付けられている。また、泡吐出ポンプ10は、この装着キャップ2の下面から容器本体1の内部に向かって垂下されるシリンダ部材11を備えている。
シリンダ部材11は、装着キャップ2の下面に取り付けられた環状のフランジ部12と、このフランジ部12から垂下された略円筒状の空気用シリンダ13と、この空気用シリンダ13よりも小径かつ空気用シリンダ13の底部中央から同心円状に垂下された略円筒状の液用シリンダ14とを有している。また、液用シリンダ14の下端には、容器本体1に収容された内容液を吸い込む吸込パイプ15が接続されており、この吸込パイプ15の下端は、容器本体1の底部まで延びている(図示せず)。
装着キャップ2は、このシリンダ部材11を容器本体1の内部に挿入し、口頸部1a上に配置したパッキン3の上にフランジ部12を当接させた状態で口頸部1aの外周部に螺合により装着されている。
泡吐出ポンプ10は、この泡吐出ポンプ10を動作させる作動部材20として、液用シリンダ14内に配置されたコイルスプリング22により上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持された筒状のピストンガイド21と、このピストンガイド21の上端部に接続されると共に装着キャップ2の中央に設けられた筒状部2aから上方に向かって突出されたステム23と、このステム23の先端部に配置されたノズルヘッド24とを有している。
ピストンガイド21は、その下端に液用シリンダ14の内周面と液密に摺動される液用ピストン25を有している。また、ピストンガイド21には、液吸入弁となるポペット26が挿入されている。ポペット26は、逆止弁として機能するものであり、その下端に液用シリンダ14に形成された弁座14aに対して着座及び離間可能とされた下部弁体26aと、その上端にピストンガイド21に形成された弁座21aに対して着座及び離間可能とされた上部弁体26bとを有している。また、下部弁体26aの上方には、外方に突出する複数の係合ピン26cが設けられており、この係合ピン26cは、液用シリンダ14に設けられた複数の縦リブ14bの間に上下動可能に挿入されている。また、ポペット26の外周面には、液流路となる縦溝26dが複数形成されている。
一方、ピストンガイド21の内周面には、弁座21aの上方において上下方向に延びる複数の縦リブ21bが設けられている。この縦リブ21bの内側は、ピストンガイド21が下降した際に、ポペット26の上部弁体26bが進入可能とされており、その際に縦リブ21bとポペット26の縦溝26dとの間が液流路となる。
ピストンガイド21の外周面には、外方に張り出す環状のフランジ部21cが形成されており、このフランジ部21cの上面には、環状の起立壁21dが上向きに突出形成されている。また、ピストンガイド21の外周部には、空気用シリンダ13の内周面と気密に摺動される空気用ピストン27が取り付けられている。
空気用ピストン27は、ピストンガイド21を挿通させる基筒部27aと、空気用シリンダ13の内周面に摺接されるシール筒部27bと、基筒部27aとシール筒部27bとの間で段付き形成された段付き筒部27cとを有し、ピストンガイド21に対して僅かに上下動可能に配置されている。空気用ピストン27の基筒部27aは、ピストンガイド2のフランジ部21cよりも上方に位置しており、その上部がステム23の内周面と気密に摺動可能となっている。
また、空気用ピストン27の基筒部27aと段付き筒部27cとの間には、外部の空気が流入される空気流入孔28が設けられている。この空気流入孔28は、空気用ピストン27及びステム23の上下動によって開閉可能とされている。すなわち、空気用ピストン27及びステム23の上下動によって、ステム23の下端が基筒部27aと段付き筒部27cとの間に当接されると空気流入孔28が閉塞され、離間すると空気流入孔28が開放される。
さらに、空気用ピストン27の基筒部27aには、空気吸入弁29が取り付けられている。この空気吸入弁29は、逆止弁として機能するものであり、基筒部27aと段付き筒部27cとの間に位置してその下端から上向きに広がる環状のダイアフラム29aを有している。このダイアフラム29aは、通常はその外周縁部が段付き筒部27cの下面に当接して空気シリンダ13を閉塞しており、空気シリンダ13内に負圧が発生したときに、下方に弾性変形することによって外周縁部が段付き筒部27cの下面から離間して空気シリンダ13を開放する。なお、この空気吸入弁29は、上述したステム23の下端が基筒部27aと段付き筒部27cとの間で空気流入孔28を開閉する構成の場合には、省略することも可能である。
空気用ピストン27は、その上下動によって基筒部27aの下端がピストンガイド21の起立壁21dの内側と接離可能となっている。そして、ピストンガイド21の基筒部27aと摺接される外周面には、上下方向に延びる複数の縦溝30が設けられている。この縦溝30は、空気用シリンダ13内の空気を後述する混合室31へと導く空気流路を形成するものであり、基筒部27aの下端がピストンガイド21の起立壁21dから離間したときに空気用シリンダ13との間で連通され、基筒部27aの下端が起立壁21dに当接したときに空気用シリンダ13との間で遮断される。
ピストンガイド21の内側上部には、空気用シリンダ13から空気流路を通して供給される空気と液用シリンダ14から液流路を通して供給される内容液とが混合される混合室31が設けられている。この混合室31は、略円筒状の内部形状を有し、その下面中央には、液用シリンダ14から圧送された内容液が流入される液流入口31aが設けられ、その上面中央には、空気と混合された内容液が流出される液流出口31bが設けられている。
図2は、本実施形態の泡吐出ポンプ10の混合室31を拡大した図である。
混合室31には、図2に拡大して示すように、液流入口31aを開閉する液流入弁32が設けられている。この液流入弁32は、逆止弁として機能するものであり、液流入口31aに設けられた弁座33と、この弁座33に対して着座及び離間可能に設けられた弁体34とを有している。弁座33は、液流入口31aの周囲を囲む位置から上方に向かって突出され円筒状の突起部であり、その上端面が外側から内側に向かって下降したテーパー面を形成することによって、弁体34が着座される座面33aを形成している。弁体34は、弁座33の座面33aに対して着座及び離間可能とされた球体であり、混合室31に供給された内容液と空気とを撹拌するように混合室31内で移動可能となっている。
コイルスプリング22は、図1に示すように、液用シリンダ14内における液用ピストン25と縦リブ14bとの間に圧縮された状態で配置されており、液用ピストン25を上方に向かって付勢している。また、コイルスプリング22の下端は、ポペット26の係合ピン26cに下方から掛止可能となっており、これにより、ポペット26の上方移動時の上限を規制している。
ステム23は、装着キャップ2の筒状部2aに挿入されると共に、ピストンガイド21の上端部を内側に嵌合させた状態でピストンガイド21と連結されている。これにより、ステム23は、混合室31の液流出口31bと連通される流路を形成すると共に、ピストンガイド21と一体に上下方向に移動可能となっている。また、筒状部2aの内周面には、外部の空気を空気流入孔28へと導くための外気導入用の縦リブ35が複数設けられている。
ステム23の内部には、ピストンガイド21の上端部の内側に嵌合されるジェットリング36と、このジェットリング内に配置された2つのメッシュリング37a,37bとが設けられている。このうち、ジェットリング36のピストンガイド21に嵌合される嵌合部36aには、上述した混合室31の液流出口31bが形成されている。また、図2に拡大して示すように、ジェットリング36とピストンガイド21との間に形成された隙間38によって、上述した空気用シリンダ12から流出された空気を混合室31へと導く空気流路が形成されている。また、嵌合部36aの内側には、複数の縦溝36bが形成されており、混合室31内の弁体34が嵌合部36の下端に当接した場合でも、空気と混合された内容液を、縦溝36bを通じて液流出口31bから流出することが可能となっている。
メッシュリング37a,37bは、図1に示すように、混合室31内で空気と混合された内容液を発泡させるための発泡用部材であり、下部側のメッシュリング37aは、筒状部材の下部開口部に、泡形成用の網状部材が取り付けられ、上部側のメッシュリング37bは、筒状部材の上部開口部に該網状部材が取り付けられた構造を有している。なお、筒状部材に対する網状部材の配置については、両端開口部のいずれか一方のみに配置する構成に限らず、両方に配置することも可能である。また、メッシュリング37a,37bを37aのみの構成にすることも可能である。
網状部材の目開きの大きさとしては、30〜300meshが好ましく、50〜120meshがより好ましい。網状部材の目開きの大きさが前記範囲であると、特に低温での泡形成性(泡立ち、泡の質)がより向上する。また、網状部材の枚数も1枚であることが泡形成性、ポンプの押し圧の点から好ましい。
ノズルヘッド24は、ステム23の上端部にステム23と一体に設けられたヘッド部24aと、このヘッド部24aの側面から延長された泡吐出口となるノズル部24bとを有している。このうち、ヘッド部24aは、押圧操作される部分であり、その内側にステム23からノズル部24bへと内容液を導く流路24cが設けられている。ノズル部24bは、この流路24cと連通されると共に、ヘッド部24aの側面部からほぼ水平方向に延長され、その先端部が下方に向かって僅かに屈曲した細長形状を有している。また、ヘッド部24aの下面からは、筒状部1aの周囲を囲む外側筒部24dが垂下されており、この外側筒部24dの下端にはリング部材39が嵌め込まれている。なお、装着キャップ2の筒状部2aには、ノズルヘッド24の押圧方向の移動を係止するストッパー40が着脱可能となっている。
以上のような構造を有する泡吐出容器では、ノズルヘッド24を押圧操作する前の状態では、図1に示すように、ノズルヘッド24が上方に位置しており、この状態において、ポペット26は、コイルスプリング22より上方に付勢されたピストンガイド21よって押し上げられ、下部弁体26aが液用シリンダ14の弁座14aから離間している。これにより、液用シリンダ14は、吸込パイプ15通じて容器本体1の内部と連通した状態となっている。一方、ポペット26の上部弁体26bは、ピストンガイド21の弁座21aに着座しており、このピストンガイド21の上部開口を閉塞している。
空気用ピストン27は、基筒部27aの下端がピストンガイド21の起立壁21dの内側と当接することによって、空気用シリンダ13と縦溝30との間を遮断する。一方、ステム23の下端が空気用ピストン27の基筒部27aと段付き筒部27cとの間から離間することによって、空気流入孔28を開放する。また、空気吸入弁29は、空気用ピストン27の段付き筒部27cにダイヤフラム29の外周縁部が当接されることによって、空気シリンダ13を閉塞する。
この状態から、作動部材20であるノズルヘッド24を押圧操作してステム23及びピストンガイド21をコイルプスリング24の付勢力に抗して押し下げると、液用ピストン25及び空気用ピストン27が一体となって下降する。このとき、ポペット26の上部弁体26bがピストンガイド21の弁座21aから離間して、このピストンガイド21の上部開口を開放する。また、下降する液用ピストン25により液用シリンダ14内が加圧されると、この液用シリンダ14内で加圧された内容液がポペット26を押圧して下降させる。これにより、ポペット26の下部弁体26aが液用シリンダ14の弁座14aに着座して、液用シリンダ14の下部開口を閉塞する。
一方、空気用ピストン27は、ノズルヘッド24の押し下げ開始直後はシール筒部27bと空気用シリンダ13との摩擦力によって停止しており、その状態でピストンガイド21が下降することによって、基筒部27aの下端がピストンガイド21の起立壁21dから離間し、空気用シリンダ13と縦溝30との間が連通された状態となる。一方、ステム23の下端が空気用ピストン27の基筒部27aと段付き筒部27cとの間に当接されることによって、空気流入孔28を閉塞する。そして、この空気用ピストン27は、ステム23の下端が当接された以降はピストンガイド21と一体となって下降する。
下降する液用ピストン25により液用シリンダ14内で加圧された内容液は、液流入弁31の弁体34を押圧して、この弁体34を弁座33から離間させる。これにより、液用シリンダ14内で加圧された内容液が液流入口31aを通って混合室31に流入することになる。一方、下降する空気用ピストン27により空気用シリンダ15内で加圧された空気は、縦溝30及び隙間38によって形成された空気流路を通って混合室31に流入することになる。
混合室31内では、供給された内容液と空気とが撹拌されて、この空気と混合された内容液が液流出口31bを通ってステム23側へと送られる。そして、ジェットリング36及び1つもしくは2つのメッシュリング37a,37bを通過した内容液は、発泡されて泡状となり、ノズルヘッド24の流路24cを通ってノズル部24bの先端部から吐出される。
内容液と空気との体積比(内容液/空気)は、1/5〜1/10であることが好ましい。
該体積比(内容液/空気)において、内容液に対する空気の割合が5以上であることにより、適度な泡の量が得られるようになって泡立ちが良好となる。一方、内容液に対する空気の割合が10以下であることにより、泡のキメ等が均一となり、均質な泡が得られ、かつスポンジになじみにやすい泡が得られる。
本発明において、「内容液と空気との体積比(内容液/空気)」とは、混合室31内へ供給される内容液の体積と、空気の体積との混合比率を意味する。混合室31内へ供給される内容液の体積量は、液用シリンダ14部分の内径を調整することにより制御できる。混合室31内へ供給される空気の体積量は、空気用シリンダ13の内径を調整することにより制御できる。
一方、押し下げられたノズルヘッド24に対する押圧を解除すると、ステム23及びピストンガイド21がコイルプスリング22の付勢力により押し上げられて、液用ピストン25及び空気用ピストン27が一体となって上昇する。このとき、混合室31及び液用シリンダ14内に負圧が発生することによって、液流入弁31の弁体34が弁座33に着座して液流入口31aを閉塞する。また、液用シリンダ14内に発生した負圧によってポペット26が引き上げられると、下部弁体26aが液用シリンダ14の弁座14aから離間する。これにより、容器本体1内にある内容液が吸込パイプ15通じて液用シリンダ14内へと吸い上げられる。
一方、空気用ピストン27は、ノズルヘッド24の上昇直後はシール筒部27bと空気用シリンダ13との摩擦力によって停止しており、その状態でピストンガイド21が上昇することによって、基筒部27aの下端がピストンガイド21の起立壁21dと当接し、空気用シリンダ13と縦溝30との間を遮断する。一方、ステム23の下端が空気用ピストン27の基筒部27aと段付き筒部27cとの間から離間されることによって空気流入孔28を開放する。そして、この空気用ピストン27は、基筒部27aの下端が起立壁21dの内側と当接された以降はピストンガイド21と一体となって上昇する。
また、空気用ピストン27の上昇に伴って、空気用シリンダ13内に負圧が発生する。これにより、空気吸入弁29は、空気用ピストン27の段付き筒部27cからダイヤフラム29の外周縁部が下方に弾性変形することによって、段付き筒部27cから離間し、空気シリンダ13を開放する。また、ステム23の下端が空気用ピストン27の基筒部27aと段付き筒部27cとの間から離間することによって、空気流入孔28を開放する。
また、容器本体1内にある内容液が吸込パイプ15通じて液用シリンダ14内へと吸い上げられると、容器本体1内に負圧が発生する。これにより、外気が筒状部2aの縦リブ35の間から吸い込まれて、一部の空気が空気流入孔28を通って空気用シリンダ13内に入ると共に、残りの空気が容器本体1内に入ることになる。
以上のようにして、この泡吐出容器では、ノズルヘッド24に対する押圧を解除することによって、押し下げられたノズルヘッド24が再び元の位置へと戻ることになる。したがって、この泡吐出容器では、ノズルヘッド24に対する押圧操作を繰り返し行うことができ、このような押圧操作によって容器本体1の内部に収容された液体を泡状にしてノズル部24bから定量的に吐出させることができる。
上記のように、本発明の液体洗浄剤は、一般式(a1)で表される分岐構造を有する硫酸エステル塩の化合物(a)と、特定のハイドロトロープ剤(b)とを含有するものである。
従来から台所用洗剤に使用されている直鎖アルコールエトキシサルフェートを含有する液体洗浄剤は、低温条件下で、粘度が増加しやすく又は析出が生じやすく、保存安定性の確保が難しい。このため、エタノール等のハイドロトロープ剤を多量に併用し、その改善が試みられていた。しかしながら、このような従来の液体洗浄剤では、泡吐出容器にて泡を形成させる際、特に低温下で泡が形成しにくく、常温時の半分以下の泡量しか得られないという問題があった。
本発明の液体洗浄剤においては、特定の分岐構造を有する硫酸エステル塩である(a)成分と、特定のハイドロトロープ剤(b)とを組み合わせて用いることにより、低温安定性が良好であり、特に低温条件下でも泡吐出容器から充分な泡量で吐出可能である。かかる効果が得られる理由としては、定かではないが以下のように推測される。
(a)成分は、β位で分岐している特異的な構造を有することにより、一般的な直鎖状又は分岐鎖状の陰イオン界面活性剤に比べて動的表面張力低下能が高い。これにより、新しく界面ができると、その界面へすばやく界面活性剤が吸着するため、泡立ちが速くなる(泡が立ちやすくなる)。加えて、(a)成分は分岐鎖状の構造を有することから、粘度の増加が抑制される。そして、かかる(a)成分と(b)成分との併用により、液体洗浄剤の粘度の温度変化が小さく、低温条件下でも粘度が高くなりすぎず、泡吐出容器内で空気と混ざりやすい組成物が調製される。以上により、かかる効果が得られると推測される。
このように、本発明の液体洗浄剤は、泡吐出容器に収容されて用いられる内溶液として特に好適なものである。
また、本発明の液体洗浄剤では、特定のハイドロトロープ剤(b)を少ない量で(a)成分と併用することで、泡吐出容器から吐出させた際、良好な泡立ち性(泡の立ちやすさ、泡量)が得られる。
また、本発明の液体洗浄剤においては、(c)成分を、(a)成分と所定の配合比率((a)成分/(c)成分で表される質量比0.5〜6)でさらに含有することで、起泡力を維持しつつ、洗浄中に食器類等が泡に覆われていても、汚れが落ちたことを実感できる、という効果が得られる。
(a)成分は、(c)成分と所定の配合比率で混合することにより、安定な会合状態を形成し得ると考えられる。また、β位で分岐した特異的な構造を有する(a)成分は、動的界面張力低下能が高いため、洗浄液中での拡散スピードが速く、これに伴って(a)成分及び(c)成分は、スポンジと食器類等との間に長く留まることがない。これにより、液体洗浄剤を含ませたスポンジで食器類等を洗浄中に、油汚れ等が除去されると、スポンジと食器類等との間に「ギュッギュッ」という摩擦感が感じられるようになる。以上により、所定量の(c)成分をさらに含有することで、起泡力を維持しつつ、洗浄中に食器類等が泡に覆われていても、汚れが落ちたことを実感できると推測される。
これにより、これまでのような、すすぎを終えた後で食器類等に汚れが残存していたことが確認されて洗浄をやり直さなければならないということ、がなくなる。
加えて、本発明の液体洗浄剤は、高い洗浄力を有すると共に、泡が立ちやすく、かつ、すすぎ性が良好である。この理由は以下のように推測される。
上述したように、(a)成分の動的表面張力低下能が高いことから、(a)成分が油汚れ等にすばやく吸着し、これに伴って(c)成分の油汚れへの吸着も速くなり、油汚れの分解(分散、溶解)が促進される。また、界面活性剤分子膜が速やかに形成されるため、泡が立ちやすく(泡立ちが速く)なると考えられる。さらに、β位のみの分岐構造は、一般的な分岐鎖状の陰イオン界面活性剤に比べて、疎水基が嵩高くなりやすい。このため、気液界面に密に配向しにくく、洗浄液が希釈されると破泡しやすいことにより、すすぎ性(泡切れの良さ、ヌルツキのなさ)が良くなると推測される。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<液体洗浄剤の調製>
表に示す配合組成に従って、以下に示す製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の液体洗浄剤をそれぞれ調製した。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
なお、各例の液体洗浄剤は、表に記載の各成分の合計が100質量%となるように水でバランスして調製した。各成分は50℃に保温したものを用いた。
[液体洗浄剤の製造方法]
まず、200mLビーカーに、(a)成分又は(a’)成分と、(b)成分と、(d)成分とを入れ、マグネチックスターラにより撹拌した。次に、(c)成分を入れて撹拌した。
次いで、全体量(全体量を100質量部とする。)が93質量部になるように水を入れて撹拌した。その後、グリコール酸と水酸化ナトリウムとを加えてpHを調整し、全体量が100質量部になるように残りの水を加えてバランスし、各例の液体洗浄剤をそれぞれ製造した。
なお、水の配合量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられた残部を意味する。
水酸化ナトリウムの配合量を示す「適量」は、所定量のグリコール酸を配合した後、液体洗浄剤(原液)の25℃でのpHを6.70に調整するために配合した水酸化ナトリウムの量を示す。
pH測定は、液体洗浄剤組成物を25℃に調整し、ガラス電極式pHメータ(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法は、JIS K3362−1998に準拠して行った。
表中、(a)/(c)は、液体洗浄剤中の(c)成分の含有量に対する、(a)成分の含有量の割合(質量比)を意味する。
(d)/[(a)+(c)]は、液体洗浄剤中の(a)成分と(c)成分との合計の含有量に対する、(d)成分の含有量の割合(質量比)を意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
・(a)成分
a−1:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル硫酸エステルNa、上記式(a1)におけるC2x+1=プロピル基,C2y+1=ペンチル基、x+y=8、p=0、q=3、M=ナトリウムに相当。
[a−1の調製例]
BASF社製「Lutensol XP30」290gを、撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりa−1を得た。
a−2:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル硫酸エステルNa、上記式(a1)におけるC2x+1=プロピル基,C2y+1=ペンチル基、x+y=8、p=0、q=4、M=ナトリウムに相当。
[a−2の調製例]
BASF社製「Lutensol XP30」の代わりに、BASF社製「Lutensol XP40」334gを用いた以外は、a−1と同様にして調製した。
a−3:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル硫酸エステルNa、上記一般式(a1)におけるC2x+1=プロピル基,C2y+1=ペンチル基、x+y=8、p=1、q=3、M=ナトリウムに相当。
[a−3の調製例]
BASF社製「Lutensol XP30」の代わりに、BASF社製「Lutensol XL40」349gを用いた以外は、a−1と同様にして調製した。
・(a)成分の比較成分[以下「(a’)成分」と表す。]
a’−1:ポリオキシエチレンモノ(2−ブチルオクチル)エーテル硫酸エステルNa、上記式(a1)におけるC2x+1=ブチル基,C2y+1=ヘキシル基、x+y=10、p=0、q=2、M=ナトリウムに相当。
[a’−1の調製例]
4Lのオートクレーブ中に、サソール社製の商品名「ISOFOL12」(上記式(a1)におけるC2x+1=ブチル基,C2y+1=ヘキシル基)372gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、攪拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながら、エチレンオキシド181gを導入し、エチレンオキシドの平均付加モル数2の反応物を得た。次に、上記で得られたアルコールエトキシレート274gを、撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりa’−1を得た。
a’−2:モノ(2−プロピルヘプチル)エーテル硫酸エステルNa、上記式(a1)におけるC2x+1=プロピル基,C2y+1=ペンチル基、x+y=8、p=0、q=0、M=ナトリウムに相当。
[a’−2の調製例]
ヘキシルアルデヒドをアルカリによってゲルベ縮合(二量化)させ、これによって得られた2−プロピルヘプタノール158gを撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりa’−2を得た。
a’−3:炭素数13の分岐アルコールのエチレンオキシド平均3モル付加品の硫酸化物。
[a’−3の調製例]
BASF社製「Lutensol TO3」332gを、撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりa’−3を得た。
a’−4:炭素数12〜13の合成アルコールのエチレンオキシド平均3モル付加品の硫酸化物。
[a’−4の調製例]
4Lのオートクレーブ中に、サソール社製の商品名「Safol23」400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、攪拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながら、エチレンオキシド271gを導入し、エチレンオキシドの平均付加モル数3の反応物を得た。次に、上記で得られたアルコールエトキシレート334gを撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりa’−4を得た。
a’−5:ポリオキシエチレン(平均1モル)ラウリル硫酸ナトリウム、新日本理化株式会社製、商品名「シノリン SPE−1150」。
・(b)成分
b−1:p−トルエンスルホン酸、協和発酵ケミカル株式会社製、p−トルエンスルホン酸の略称p−TSH。
b−2:クメンスルホン酸ナトリウム、テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN5040」。
b−3:安息香酸ナトリウム、伏見製薬所社製、食品添加物 安息香酸ナトリウム。
b−4:エタノール、純正化学株式会社製、試薬特級。
・(b)成分の比較成分[以下「(b’)成分」と表す。
b’−1:ポリエチレングリコール、ライオン株式会社製、商品名「PEG#1000」(平均分子量1000)。
・(c)成分
c−1:AX、C12アルキルジメチルアミンオキシド、ライオンアクゾ社製、商品名「アロモックスDM12D−W」。
c−2:HSB、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、略称C12ヒドロキシスルホベタイン、花王株式会社製、商品名「アンヒトール 20HD」。
・(d)成分
d−1:C12MEA(2)、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、上記式(d1)におけるR=炭素数11の直鎖状のアルキル基、m=2。略称LME(2)。
[d−1の調製例]
ラウリン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名「パステルM−12」)214gに、モノエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)64.1gと、ソジウムメチラート(株式会社日本触媒製、商品名「SM−28」、28質量%品)7.7g(1.0質量%対脂肪酸メチルエステル)とを加え、副生するメタノールを、減圧下留去しながら加熱攪拌(40Pa〜1.3kPa、90℃、1時間)し、反応圧力が1.3kPaに到達した時点で、反応温度90℃で3時間熟成し、ラウリン酸モノエタノールアミド240gを調製した。
得られたラウリン酸モノエタノールアミドを1L容オートクレーブに仕込み、エチレンオキシドをラウリン酸モノエタノールアミドに対して1.0モル分仕込み、90℃で2時間かけて付加反応を行い、C12MEA(2)を得た。
d−2:C10MEA(2)、ポリオキシエチレンカプリン酸モノエタノールアミド、上記式(d1)におけるR=炭素数9の直鎖状のアルキル基、m=2。略称CME(2)。
[d−2の調製例]
C10MEA(2)は、ラウリン酸メチルの代わりにカプリン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名「パステルM−10」)を用いた以外は、C12MEA(2)と同様にして調製した。
・その他の成分
グリコール酸:デュポン社製、商品名「グリピュア70」。
水酸化Na:水酸化ナトリウム、鶴見曹達(株)製。
水:水道水。
<泡吐出容器の作製>
内溶液(液体洗浄剤)を泡状に吐出する泡吐出容器は、ライオン株式会社製のキレイキレイ泡ハンドソープポンプを改造することによって作製した。
すなわち、図1〜2に示される実施形態の泡吐出容器と同様の機構を備えた泡吐出容器において、シリンダ部材11の略円筒状の液用シリンダ14部分の内径を10.2mmとし、メッシュリング37aの筒状部材の下部開口部に、泡形成用の網状部材(目開き90mesh)1枚を取り付け、内容液と空気との体積比(内容液/空気)が1/8に調整された泡吐出ポンプを備えた泡吐出容器(300mL)を作製した(空気用シリンダ13の直径は30mmのままで作製した)。
<評価>
各例の液体洗浄剤について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表に併記した。
[低温安定性の評価]
各例の液体洗浄剤100mLを、直径50mm、高さ100mmの円筒ガラス瓶に充填し、フタを閉めて密封した。この状態で、−5℃(低温条件)の恒温槽内で1ヶ月間保存した後の液体洗浄剤の外観について、目視により観察し、下記の評価基準(◎〜○が合格範囲)に基づいて、液体洗浄剤の低温安定性(外観)を評価した。
(評価基準)
◎:均一透明であった。
○:析出が生じていたものの、その析出物の円筒ガラス瓶中に存在している量が、円筒ガラス瓶の全体積の微量〜5%未満であった。
△:析出が生じており、その析出物の円筒ガラス瓶中に存在している量が、円筒ガラス瓶の全体積の5%以上10%未満であった。
×:析出が生じており、その析出物の円筒ガラス瓶中に存在している量が、円筒ガラス瓶の全体積の10%以上であった。
[泡立ち性の評価]
各例の液体洗浄剤250gが収容された前記泡吐出容器(内容液と空気との体積比(内容液/空気)=1/8)を、20℃及び5℃のそれぞれの温度に調温された恒温水槽で1時間静置した。
その後、各泡吐出容器について、50回ポンプ操作を行い、前記泡吐出容器から液体洗浄剤を500mLのメスシリンダーに吐出し、吐出された全部の泡の体積(mL)をそれぞれ測定した。
[洗浄済み実感の評価]
縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、水38gと各例の液体洗浄剤2gとを採り、オリーブ油1gと水5mLとを載せた陶器皿(φ=23cm)を、当該スポンジで擦りながら洗浄した。当該洗浄は、陶器皿(φ=23cm)の一面に5回円を描くように、次いで他方の面に2回円を描くように、最後に当該陶器皿の周囲を1周、それぞれスポンジで擦る方法により行った。
そして、洗浄中の陶器皿の洗浄済み実感について、下記の評価基準に基づいてパネラー10名による評価を行い、その10名の平均値を算出した。
(評価基準)
2点:洗浄中に、陶器皿から汚れが落ちたことが、スポンジと陶器皿との間における摩擦の変化によってはっきりと感じられた。
1点:洗浄中に、陶器皿から汚れが落ちたことが、スポンジと陶器皿との間における摩擦の変化によって感じられた。
0点:洗浄中に、スポンジと陶器皿との間における摩擦の変化が感じられなかった。
尚、評価基準の2点及び1点の場合、スポンジと陶器皿との間に摩擦を感じた時点で擦り洗いを中断し、泡が残存する陶器皿を水道水(流速100mL/s、25℃)で5秒間すすぎ、陶器皿から汚れが落ちているかどうかについて確認した。その結果、いずれの場合も、油による皮膜がなく、油の残留による手で触ったときのぬるつきも感じられず、陶器皿から汚れが落ちていた。
[泡の持続性の評価]
縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、水38gと各例の液体洗浄剤2gとを採り、3回手で揉んだ。その後、当該スポンジと、オリーブ油1gと水5gとを載せた陶器皿(φ=23cm)とを接触させて、汚れとスポンジとを馴染ませた。
その後、スポンジを陶器皿に押さえつけた状態で、その陶器皿表面に円を2周描くように動かして擦り洗いを施した。そして、泡が陶器皿表面全体の5%になった時点を終点とし、当該終点までに洗い終えた陶器皿の枚数を求め、泡の持続性を評価した。
Figure 0005779402
Figure 0005779402
Figure 0005779402
表に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜29の液体洗浄剤は、いずれも、低温安定性が◎〜○であること、5℃条件での泡の体積が200(mL)以上であること、が確認できる。したがって、実施例1〜29の液体洗浄剤によれば、低温安定性が良好であり、低温条件下でも泡吐出容器から充分な泡量で吐出可能であることが分かる。
表3に示す結果から、(c)成分をさらに含有する実施例16〜29の液体洗浄剤は、洗浄済み実感も高いことが分かる。
実施例18、22〜25の液体洗浄剤の評価結果から、(d)成分をさらに含有することにより、泡の持続性がさらに高まることが分かる。
また、縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、25℃水道水38gと液体洗浄剤2gとを採り、数回手で揉んだ後、この泡立てたスポンジを用いて、牛脂がタッパ容器内面に塗布された汚垢モデルを家庭で通常行われる方法と同様にして洗浄する試験を行った結果、いずれの実施例の液体洗浄剤も油汚れに対する洗浄力は良好であった。
1…容器本体 2…装着キャップ 10…泡吐出ポンプ 11…シリンダ部材 13…空気用シリンダ 14…液用シリンダ 20…作動部材 21…ピストンガイド 22…コイルスプリング 23…ステム 24…ノズルヘッド 25…液用ピストン 26…ポペット 27…空気用ピストン 31…混合室 33…弁座 34…弁体 36…ジェットリング 37a,37b…メッシュリング

Claims (2)

  1. 内溶液を泡状に吐出する泡吐出容器に収容されて用いられる液体洗浄剤において、
    下記一般式(a1)で表される化合物(a)を5〜40質量%と、
    芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、及び炭素数2〜4のアルコールからなる群より選択される少なくとも一種(b)と
    を含有することを特徴とする液体洗浄剤。
    Figure 0005779402
    [式中、xとyは一方が3で、他方が5であり、x+y=8である。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表す。pはPOの平均繰返し数、qはEOの平均繰返し数を表し、p+qは1〜10である。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンを表す。]
  2. 両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)をさらに含有し、かつ、
    (a)成分/(c)成分で表される質量比が0.5〜6であることを特徴とする、請求項1記載の液体洗浄剤。
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