JP4959379B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
泡吐出容器に収容される液体洗浄剤組成物としては、たとえば、界面活性剤と溶媒と補助洗剤成分とを含有し、5℃での粘度が約150mPa・s未満である、泡生成ディスペンサーと共に使用される液体洗剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、酵素と、アニオン界面活性剤と、マグネシウムイオンとを含有する液体洗浄剤組成物が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
特許文献1の記載によれば、たとえば、20℃での粘度が60mPa・sであり、5℃での粘度が190mPa・sである液体洗剤組成物(比較例D)は、粘度−温度勾配が許容不可能であり、泡を上手く作ることができない。このように、従来、5℃での粘度が150mPa・s以上になる液体洗浄剤組成物は、泡吐出容器から吐出させても、泡を上手く作ることができなかった。
したがって、室温での粘度が100mPa・s前後の一般的な台所用液体洗浄剤組成物は、5℃での粘度が280〜500mPa・sと高粘度になるため、泡吐出容器に収容された液体洗剤製品としては提供することができなかった。
一方、消費者が使用する製品においては、安全上の理由から、揮発の可能性のある組成物においては発火のおそれをなくすため、該組成物の引火点が高くなるように調整されている。
液体洗浄剤組成物の粘度を低減させるため、エタノールを添加していくと、液体洗浄剤組成物の引火点は低下していき、上記理由などから、多数の洗浄方法、特に家庭においての使用が制限される場合があった。また、従来、引火点は、単に販売前の最終点検として確認されるにすぎない項目とされてきた。
したがって、低温条件で高粘度になる液体洗浄剤組成物が泡吐出容器に収容され、かつ安全な液体洗剤製品として提供するためには、低温条件でも液体洗浄剤組成物の粘度が高くなりにくいこと、泡生成性の高い泡吐出ポンプを備える泡吐出容器を使用すること、引火点を制御すること等を、製品の開発当初から考慮し、液体洗浄剤組成物の組成を設計することが重要である。
しかしながら、特許文献2〜4に記載の液体洗浄剤組成物は、たとえばタッパ容器等に付着した油性汚れに対する洗浄力が充分ではない。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、グリコール化合物(D)をさらに含有することが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、マグネシウム化合物(E)とスルファミン酸(F)とをさらに含有することが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、30〜300meshの目開きの泡形成用の網状部材を有する前記泡吐出ポンプを備える前記泡吐出容器に収容されることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、特定の泡吐出容器に収容されるものであって、アニオン界面活性剤(A)(以下、(A)成分という。)と、アミンオキサイド型界面活性剤(B)(以下、(B)成分という。)と、粘度調整剤(C)(以下、(C)成分という。)とを含有するものである。
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分とを含有する。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、グリコール化合物(D)(以下、(D)成分という。)をさらに含有することが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、マグネシウム化合物(E)(以下、(E)成分という。)と、スルファミン酸(F)(以下、(F)成分という。)とをさらに含有することが好ましい。
本発明において、(A)成分はアニオン界面活性剤である。
(A)成分としては、大別すると、カルボン酸塩タイプ、スルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプ、およびリン酸エステルタイプのものが挙げられ、スルホン酸塩タイプのもの、硫酸エステル塩タイプのものが好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、またはアンモニウム塩が挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。
本発明において好適に用いることができるアルカンスルホン酸塩としては、たとえば、1分子当り10〜21個の炭素原子、好ましくは少なくとも80質量%以上、より好ましくは少なくとも90質量%以上が1分子当り10〜14個の炭素原子をもつ二級アルキルスルホン酸塩と、少量の一級アルキルスルホン酸塩、ジスルホン酸塩、またはポリスルホン酸塩との混合物が挙げられる。
R1において、アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
R1において、炭素数は8〜18であり、10〜16が好ましく、12〜13がより好ましい。R1の炭素数が8以上であると、疎水性が高まるため、洗浄力が向上する。一方、R1の炭素数が18以下であれば、化合物自体の溶解性が良好となるため、保存時における析出が抑制される。
ただし、R1は、原料である高級アルコールに起因するため、工業的に入手が容易な下記(a)〜(e)から選択されることが好ましい。
(a)シェルケミカルズ社製、商品名 ネオドール23(分岐率:20質量%)。これは、n−オレフィンから改良オキソ法により生成し、精留したものである。
(b)ブテンの3量体からオキソ法により得られる炭素数13アルコール(分岐率:100質量%)。
(c)中鎖アルコールからガーベット反応により得られる高級アルコール(分岐率:100質量%)。
(d)Sasol社製、商品名 Safol23(分岐率:50質量%)。これは、石炭のガス化から得られるオレフィンをオキソ法によりアルコールを得て、更に水素化したものである。
(e)天然油脂から合成された天然系高級アルコール(分岐率:0質量%)。
なお、「分岐率」とは、全炭素数に対する分岐鎖を構成する炭素数の割合を示す。
Mは、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン、またはアンモニウムである。
アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記のなかでも、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
前記(a)〜(e)から選択される高級アルコールに、エチレンオキサイドを付加させてポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を得る。
得られたポリオキシエチレンアルキルエーテルを、サルファンでスルホン化あるいは硫酸化することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が製造できる。
エチレンオキサイドの付加モル数分布は、高級アルコールとエチレンオキサイドとを付加反応する場合の触媒によって変わる。一般的な触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いると、エチレンオキサイドの付加モル数分布は広くなる。一方、特許第3312883号公報に記載のAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒を用いると、エチレンオキサイドの付加モル数分布が狭くなる。
なかでも、エチレンオキサイドの付加モル数分布の狭いもの(たとえば、ナロー率が55質量%以上のもの;特開2006−152287号公報参照)を使用した方が、液体洗浄剤組成物の安定性、洗浄力の観点から好ましい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、5〜35質量%であり、8〜30質量%であることが好ましい。該含有量が5質量%以上であることにより、洗浄力、起泡力が向上する。一方、該含有量が35質量%以下であれば、充分な洗浄力が得られる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有量は、液体洗浄剤組成物中、5〜35質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。該含有量が5質量%以上であることにより、洗浄力、起泡力が向上する。一方、該含有量が35質量%以下であれば、充分な洗浄力が得られる。
たとえば、台所用液体洗浄剤組成物の場合、スルホン酸塩タイプのもの、硫酸エステル塩タイプのものを使用することが好ましく、該組成物における主界面活性剤(全界面活性剤量に対し、好ましくは40質量%以上)としてスルホン酸塩タイプのものおよび/または硫酸エステル塩タイプのものを使用することがより好ましい。
本発明において、(B)成分は、半極性界面活性剤のアミンオキサイド型界面活性剤である。
(B)成分としては、アルキル基が直鎖状のものであってもよく、分岐鎖状のものであってもよい。アルキル基の炭素数は、洗浄力の観点から、8〜16が好ましく、10〜14がより好ましい。
(B)成分として具体的には、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエチルアミンオキサイド等が挙げられる。
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、1〜10質量%であり、1〜8質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。該含有量が1質量%以上であると、(A)成分との相乗効果により洗浄力が向上する。一方、該含有量が10質量%以下であれば、高粘度化が抑制され、液体洗浄剤組成物の流動性が良好となる。
本発明において、(C)成分は粘度調整剤であり、本発明の液体洗浄剤組成物の粘度を主に調整する成分である。
(C)成分としては、たとえば、芳香族スルホン酸またはその塩、アルコール系溶剤等が挙げられる。
具体的には、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、またはそれらの塩;エタノール、種々の香料変性エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。なかでも、本発明の効果、液体洗浄剤組成物の安定性の観点から、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、またはそれらの塩、エタノールが好ましい。
(C)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、1〜18質量%であることが好ましく、4〜15質量%であることがより好ましい。該含有量が1質量%以上であると、液体洗浄剤組成物の粘度を低減する効果が得られやすくなる。一方、該含有量が18質量%以下であれば、高粘度化が抑制され、液体洗浄剤組成物の洗浄力も向上する。
本発明の液体洗浄剤組成物においては、グリコール化合物(D)をさらに含有することが好ましい。該(D)成分を含有することにより、泡吐出容器の泡吐出ポンプにおけるノズル口詰まりの防止効果が得られる。かかる効果が得られる理由としては、泡吐出容器を継続して使用した際のノズル口において残存した乾燥物(液体洗浄剤組成物)が、(D)成分を含有することにより軟らかくなり、固まりにくくなるためと推測される。
(D)成分として具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、本発明の効果、液体洗浄剤組成物の安定性の観点から、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。
(D)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、15質量%以下であることが好ましく、2〜12質量%であることがより好ましい。該含有量が15質量%以下であれば、前記ノズル口詰まりの防止効果が充分に得られる。
本発明の液体洗浄剤組成物においては、マグネシウム化合物(E)をさらに含有することが好ましい。該(E)成分を含有することにより、特に油性汚れに対する洗浄力が向上する。また、後述する(F)成分との併用により、本発明の液体洗浄剤組成物を、塩素系漂白剤または塩素系漂白剤含有洗剤と混合した場合、塩素ガスの発生を抑制することが可能となる。
(E)成分としては、マグネシウムを含む次に例示の化合物、すなわち、水酸化物、塩化物、酢酸塩、ギ酸塩、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、または硝酸塩が挙げられ、硫酸マグネシウムがより好ましい。
(E)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(E)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.02〜3質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらに好ましい。該含有量が0.02質量%以上であれば、特に油性汚れに対する洗浄力が向上する。該含有量が3質量%以下であれば、充分な洗浄力が得られる。また、(F)成分と併用する場合、前記塩素ガス発生の抑制効果がより向上する。
なお、該含有量は、無水塩としての含有量を示すものとする。
本発明の液体洗浄剤組成物においては、スルファミン酸(F)をさらに含有することが好ましい。該(F)成分と前記(E)成分との併用により、本発明の液体洗浄剤組成物を、塩素系漂白剤または塩素系漂白剤含有洗剤と混合した場合、塩素ガスの発生を抑制することが可能となる。
(F)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜1質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。該含有量が0.01質量%以上であれば、前記塩素ガス発生の抑制効果が向上する。該含有量が1質量%以下であれば、(E)成分とのバランスをとることができ、充分な塩素ガス発生の抑制効果が得られる。
液体洗浄剤組成物中の(E)成分と(F)成分との混合割合は、(E)成分を0.02〜3質量%と、スルファミン酸(F)を0.01〜1質量%とを混合することが好ましい。
また、(E)成分と(F)成分との混合割合は、質量比で(E)成分/(F)成分=0.5/1〜10/1であることが好ましく、1/1〜6/1であることがより好ましい。該範囲であれば、高い洗浄力がより発現されやすく、前記塩素ガス発生の抑制効果がより向上する。
本発明の液体洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その目的や用途に応じて、種々の任意成分を配合することが可能である。
さらに、アルキル酢酸ベタイン、アルカノールアミドプロピル酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等の双性または両性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
該粘度が150mPa・s以上であると、スポンジに広がり、スポンジになじみやすい泡が形成され、洗浄時の泡もち(泡持続性)が良好となって洗浄力に優れる。一方、該粘度が270mPa・s以下であれば、泡立ち、泡の質、スポンジへのなじみやすさ等が良好な泡が得られる。
本発明者らの検討(牛脂とオリーブオイルとを混合した油性汚れに対する洗浄力評価)によると、上記のような、泡吐出容器から吐出される「スポンジになじみやすい泡」は、液体洗浄剤組成物を液状のままスポンジにとって、該スポンジを揉んで泡立てた泡と比較しても高い洗浄力を発揮することが確認されている。
一方、5℃での粘度が150mPa・s未満では、スポンジに広がらず、スポンジ面にムース状の硬い泡が載っているような状態となり、スポンジになじみにくい泡となってしまう。270mPa・sを超えると、泡形成が不良であり、泡吐出容器からの吐出時に液体洗浄剤組成物が飛散してしまう。
液体洗浄剤組成物の引火点は、(C)成分として選択する成分、その含有量により調整できる。
ただし、「引火点」とは、「Standard Test Method for Flash Point of Liquids by Setaflash Closed−Cup Apparatus」(ASTM D3278−1982)に規定するSETA密閉式引火点測定装置を使用し、消防法の危険物確認の方法に従って測定される値を示す。
該液体洗浄剤組成物のpHとしては、25℃で5.5〜7.5であることが好ましく、6〜7であることがより好ましい。pHが5.5以上であると、(A)成分と(B)成分との相互作用が強くなりすぎることなく適度な強さに調整でき、ゲル化または固化の発生が抑制される。一方、pHが7.5以下であれば、該相互作用が弱くなりすぎることなく適度な強さに調整でき、洗浄性能の向上効果が得られやすくなる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、内容液を収容する容器本体と、前記容器本体に収容される内容液と空気とを1/5〜1/10の体積比(内容液/空気)で混合し、かつ内容液を泡状に吐出させる泡吐出ポンプとを備える泡吐出容器に収容される。
該泡吐出容器としては、30〜300meshの目開きの泡形成用の網状部材を有する前記泡吐出ポンプを備える前記泡吐出容器に収容されることが好ましい。
該泡吐出容器を使用すると、本発明の液体洗浄剤組成物を吐出させた場合に低温条件でも良好な泡立ちおよび泡の質が得られ、また、洗浄力にも優れた泡を作ることができる。
該泡吐出容器は、図1に示すように、内容液を収容する容器本体1の口頸部1aに取り付けられた泡吐出ポンプ10を備え、この泡吐出ポンプ10により容器本体1に収容された内容液を泡状にして吐出する、いわゆるノンエアゾール型の泡吐出ポンプ付き容器である。
網状部材の目開きの大きさとしては、30〜300meshが好ましく、50〜120meshがより好ましい。網状部材の目開きの大きさが前記範囲であると、特に低温での泡形成性(泡立ち、泡の質)がより向上する。また、網状部材の枚数も1枚であることが泡形成性、ポンプの押し圧の点から好ましい。
該体積比(内容液/空気)において、内容液1に対する空気の割合が5以上であることにより、適度な泡の量が得られるようになって泡立ちが良好となる。一方、内容液1に対する空気の割合が10以下であることにより、泡のキメ等が均一となり、均質な泡が得られ、かつスポンジになじみにやすい泡が得られる。
本発明において、「内容液と空気との体積比(内容液/空気)」とは、混合室31内へ供給される内容液の体積と、空気の体積との混合比率を意味する。
混合室31内へ供給される内容液の体積量は、液用シリンダ14部分の内径を調整することにより制御できる。
混合室31内へ供給される空気の体積量は、空気用シリンダ13の内径を調整することにより制御できる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物によれば、該液体洗浄剤組成物を、スポンジ上に、泡吐出容器から吐出させた場合、スポンジに広がり、スポンジになじみやすい泡をつくることができる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、特にタッパ容器等に付着した、落ちにくい油性汚れに対する洗浄力が良好である。
従来、多価金属イオンを含有する液体洗浄剤組成物は、上記の塩素系漂白剤または塩素系漂白剤含有洗剤と混合した場合、塩素ガスが多量に発生するという安全上の問題があった。
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、塩素系漂白剤または塩素系漂白剤含有洗剤と混合しても、塩素ガスの発生を抑制することができる。
本発明にかかる泡吐出容器に収容された液体洗浄剤組成物(台所用液体洗剤製品)は、該液体洗浄剤組成物をスポンジ上に泡状に吐出させて、汚染した皿を連続して洗浄した場合、従来のものに比べて、多くの皿を洗浄することができ、また、泡もち(泡持続性)に優れたものである。
表1〜3に示す組成に従って各例の液体洗浄剤組成物を、常法に準じて、各成分を混合することにより製造した。
なお、表1〜3中の配合量の単位は質量%であり、純分換算量を示す。ただし、硫酸マグネシウムおよび硫酸亜鉛は、それぞれ7水塩(有り姿)としての配合量を示す。
また、液体洗浄剤組成物は、水酸化ナトリウムまたは硫酸により、該液体洗浄剤組成物のpH(25℃)を6.6に調整した後、総量が100質量%となるように水量をバランスした。下記に、表中に示した成分について説明する。
SAS:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン(株)製、商品名:HOSTAPUR SAS 60)。
4Lのオートクレーブ中に、Safol23アルコール400gと、特許第3312883号公報に記載のAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒0.4gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド184gを導入し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2の反応物を得た。また、そのエチレンオキサイド付加モル数分布は、HPLCにより下記条件*1で測定した結果、ナロー率78質量%であった。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)78gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、該ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(NRES)を得た。
4Lのオートクレーブ中に、Neodol23アルコール400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド184gを導入し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2の反応物を得た。また、そのエチレンオキサイド付加モル数分布は、HPLCにより下記条件*1で測定した結果、ナロー率33質量%であった。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)78gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、該ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(BRES)を得た。
装置 :LC−6A((株)島津製作所製)
検出器 :SPD−10A
測定波長:220nm
カラム :Zorbax C8 (Du Pont(株)製)
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速 :1mL/min
温度 :20℃
アミンオキサイド:炭素数12アルキルジメチルアミンオキサイド(ライオンアクゾ社製、商品名:アロモックスDM12D−W)。
エタノール:エタノール(純正化学(株)製、試薬特級)。
クメンスルホン酸Na:クメンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:テイカトックスN5040)。
PEG:ポリエチレングリコール(分子量1000)(ライオン(株)製、商品名:PEG#1000)。
プロピレングリコール:プロピレングリコール(純正化学(株)製、試薬特級)。
硫酸マグネシウム:MgSO4・7水塩(赤穂化成(株))。
スルファミン酸:スルファミン酸(扶桑化学工業社製)。
硫酸亜鉛:ZnSO4・7水塩(純正化学(株)製、試薬特級)。
グリコール酸:グリコール酸(デュポン(株)製、商品名:グリピュア70)。
安息香酸ナトリウム:安息香酸ナトリウム((株)伏見製薬製)。
香料:特開2002−327194号公報に記載の香料組成物A。
内容液と空気との体積比(内容液/空気)の異なる泡吐出ポンプを備えた泡吐出容器は、ライオン株式会社製のキレイキレイ泡ハンドソープポンプを改造することによって作製した。
すなわち、図1〜3に示される泡吐出容器と同様の機構を備えた泡吐出容器において、シリンダ部材11の略円筒状の液用シリンダ14部分の内径を16.4mm、11.8mm、10.2mm、8mmに改造したパーツをそれぞれ作製し、送り込む液量を可変させた。空気用シリンダ13の直径は30mmのままで作製した。
その結果、内容液と空気との体積比(内容液/空気)が、1/3、1/6、1/8、1/13に調整された泡吐出ポンプを備えた泡吐出容器(300mL)を作製した。
各例の液体洗浄剤組成物250gを、上記で作製された泡吐出容器にそれぞれ収容して、以下に示す方法によって、粘度、引火点、泡立ち、泡の質、スポンジへのなじみやすさ、洗浄力、ノズル口詰まりの防止効果、塩素ガス発生の抑制効果の評価を行い、その結果を表1〜3に併記した。
ブルックフィールド(Brook field)粘度計(芝浦システム社製、製品名:デジタルビストメトロン VDA)を使用して測定を行った。
各例の液体洗浄剤組成物105gを、ガラス瓶(広口規格びん、商品名:PS−No.11)に充填して密閉し、5℃に調温された恒温水槽で1時間放置した。これとは別のガラス瓶に、水を満たして1号ローターを入れ、同様に5℃に調温された恒温水槽で1時間放置した。その後、1号ローターを取り出し、水を拭き取り、該1号ローターを空気が入らないように液体洗浄剤組成物に差し込み、30rpmの条件にて1分後の粘度(mPa・s)を測定した。
「Standard Test Method for Flash Point of Liquids by Setaflash Closed−Cup Apparatus」(ASTM D3278−1982)に規定するSETA密閉式引火点測定装置 を使用し、消防法の危険物確認の方法に従って引火点(℃)を測定した。
各例の液体洗浄剤組成物が収容された泡吐出容器を、20℃および5℃のそれぞれの温度に調温された恒温水槽で1時間放置した。その後、500mLのメスシリンダーに、50回ポンプ操作を行って吐出し、泡の体積(mL)を測定した。
各例の液体洗浄剤組成物が収容された泡吐出容器を、20℃に調温された恒温水槽で1時間放置した。その後、スポンジの上に吐出した時の「泡の状態」を目視で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。図4に、該評価基準となる泡の状態を表す写真を示す。
(評価基準)
◎:キメが細かく、均質な泡が吐出した(図4(a)参照)。
○:直径2mm以上の泡を3個以下含む泡が吐出した(図4(b)参照)。
△:直径2mm以上の泡を4個以上含む泡が吐出した(図4(c)参照)。
×:飛び散る泡が吐出した(図4(d)参照)。
各例の液体洗浄剤組成物が収容された泡吐出容器を、20℃に調温された恒温水槽で1時間放置した。その後、スポンジの上に吐出した時の「スポンジへのなじみやすさ」を目視で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。図5に、該評価基準となるスポンジへのなじみやすさを表す写真を示す。
なお、スポンジとしては、スコッチブライト(商品名、住友スリーエム株式会社製)を使用した。
(評価基準)
○:スポンジに広がり、スポンジになじみやすい泡が吐出した(図5(a)参照)。
×:スポンジに広がらない、ムース状の泡が吐出した(図5(b)参照)。
牛脂1gを、10cm×15cmのタッパ容器の内表面に均一になるように塗布して激しく汚染させ、疎水表面を調製した。
11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水と、2gの液体洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ。その後、前記汚染させたタッパ容器を、通常家庭で行われる条件と同様にして洗浄した。洗浄後、25℃の水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器における洗浄前に疎水表面であった表面を、手で触ったときの感触により、下記の評価基準に基づき、洗浄力を評価した。◎〜○を合格範囲とした。
(評価基準)
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、キュキュッと音がするような摩擦感を感じ、牛脂の残留によるぬるつきは全く感じられなかった。
○:タッパ容器の底面および側面を触ると摩擦感を感じ、牛脂の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っていた。
△:タッパ容器の底面および側面を触ると摩擦感を感じ、牛脂の残留は認められないが、側面や角の部位にぬるつきが残っていた。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに牛脂が残留していることがわかった。
各泡吐出容器に各例の液体洗浄剤組成物を収容し、60℃で保管し、1日1回ポンプ操作を行って泡吐出容器から吐出させ、90日後にノズル口の詰まりを目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:詰まっているノズル口の断面の面積の割合が50%未満であった。
△:詰まっているノズル口の断面の面積の割合が50%以上80%未満であった。
×:詰まっているノズル口の断面の面積の割合が80%以上であった。
塩素ガスの発生量を、家庭用品品質表示法測定方法に準拠し、以下のようにして測定した。
(塩素ガス発生量の測定方法)
室温(20±5℃)にて、容量が約20L(φ14.5cm×高さ30.0cm)の丸形プラスチック合成樹脂製蓋付き容器を用い、塩素ガスの発生量を測定した。
10mLビーカーに被検液(液体洗浄剤組成物)3mLを取り、この中に、水酸化ナトリウム1質量%と次亜塩素酸ナトリウム5質量%とを含有する水溶液3mLを加え、直ちに蓋をし、マグネティックスターラー(スターラーピース、長さ1cm)で撹拌した。また、前記容器中のファンにより槽内を送風、撹拌した。5分経過後、光明理化学工業製の北川式ガス検知管(塩素測定用)を備えた100mLガス採取器(光明理化学工業製、AP−1)により容器内のガス100mLを1回吸引し、容器中の塩素ガス濃度を測定した。
得られた数値から、下記式により塩素ガス濃度を算出し、下記基準に基づいて、塩素ガス発生の抑制効果を評価した。○〜△を合格範囲とした。
塩素ガス濃度(ppm)=測定された塩素ガス濃度(ppm)÷3×合成樹脂容器の容量(L)÷20
(評価基準)
○:塩素ガス濃度が0.6ppm未満であった。
△:塩素ガス濃度が0.6ppm以上1.0ppm以下であった。
×:塩素ガス濃度が1.0ppmを超える範囲であった。
また、(E)成分をさらに含有する実施例10〜18は、洗浄力がより良好であることが確認できた。
また、(E)成分と(F)成分とをさらに含有する実施例11〜18は、塩素ガス発生の抑制効果が良好であることが確認できた。
Claims (5)
- 内容液を収容する容器本体と、前記容器本体に収容される内容液と空気とを1/5〜1/10の体積比(内容液/空気)で混合し、かつ内容液を泡状に吐出させる泡吐出ポンプとを備える泡吐出容器に収容される前記内容液を構成する液体洗浄剤組成物であって、
アニオン界面活性剤(A)を5〜35質量%と、
アミンオキサイド型界面活性剤(B)を1〜10質量%と、
粘度調整剤(C)とを含有し、5℃での粘度が150〜270mPa・sであり、かつ引火点が40℃以上であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。 - 前記アニオン界面活性剤(A)がアルカンスルホン酸塩を含む請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- グリコール化合物(D)をさらに含有する請求項1または2に記載の液体洗浄剤組成物。
- マグネシウム化合物(E)とスルファミン酸(F)とをさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
- 30〜300meshの目開きの泡形成用の網状部材を有する前記泡吐出ポンプを備える前記泡吐出容器に収容される請求項1〜4のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
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