JP5778563B2 - 多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質シリカ膜の形成に用いられる多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法に関する。
近年、例えば半導体デバイスの層間絶縁膜として、例えば比誘電率が2.4以下の多孔質シリカ膜が用いられている。多孔質シリカ膜の形成にはCVD法や塗布法が用いられているが、簡単な設備で実施することができる塗布法が有望視されている。例えば、特許文献1には、塗布法を用いた多孔質シリカ膜の形成方法が開示されている。このものでは、界面活性剤を添加したアルコキシシラン溶液を触媒存在下で加水分解及び脱水縮合することで前駆体塗布液を作製し、この作製した前駆体塗布液を基材表面に塗布し、この塗布したものを焼成する。これにより、前駆体塗布液に含まれる界面活性剤が除去され、この除去部分が空孔となり、多孔質シリカ膜が形成される。
このように形成された多孔質シリカ膜には、配線形成工程において、ドライエッチングによりトレンチやホール等の凹部が形成される。そして、エッチング残渣を酸(例えばフッ酸)で除去した後、凹部内に配線材料として例えばCuを埋め込み、スラリーを用いたCMPにより平坦化することで配線構造が得られる。ここで、配線構造の形成に用いられる酸やアルカリ(例えばCMP用スラリー)等の薬液に対し多孔質シリカ膜の耐性が低いと、薬液と接触した空孔のサイズが大きくなり、多孔質シリカ膜の強度が低下すると共に比誘電率が高くなるという不具合が生じる。
多孔質シリカ膜に対して疎水性ひいては耐薬液性を高めるために、上記特許文献1では、テトラアルコキシシランと疎水基たるメチル基を有するメチルトリアルコキシシランとをSiO換算で1:0.01〜0.3のモル比で混合することが提案されている。また、特許文献2では、メチルトリアルコキシシランの添加割合を上記特許文献1よりも高くして、テトラアルコキシシランとメチルトリアルコキシシランとのモル比を1:0.25〜1.5にすることが提案されている。
然しながら、本発明者らが鋭意検討した結果、比誘電率が2.4以下の多孔質シリカ膜を形成する場合に上記従来例に記載された割合でメチルアルコキシシランを混合すると、焼成時に過度な膜収縮が生じ、その分の比誘電率が上昇し、所望の比誘電率が得られないことが判明した。これは、基材表面に形成された塗布膜が焼成により重合していく過程において、界面活性剤などの空孔の鋳型となるポロジェンが除去された時点での重合度が低く強度が不十分であるため、膜収縮に耐えられないからであると考えられる。焼成時の膜収縮を低減するには、テトラアルコキシシランの割合を高くすることが有効であるが、これでは耐薬液性が低くなる。即ち、上記従来例では、焼成時に起きる膜収縮を低減しつつ、比誘電率が2.4以下の優れた耐薬液性を有する多孔質シリカ膜を形成することが困難であった。
特許第3954842号 特開2004−149714号公報
本発明は、以上の点に鑑み、焼成時に起きる膜収縮を低減でき、かつ、比誘電率が2.4以下の耐薬液性に優れた多孔質シリカ膜を得ることが可能な多孔質シリカ前駆体塗布液を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、多孔質シリカ膜の形成に用いられる多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法であって、アルキル基を有する第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体と、テトラアルコキシシランもしくはその重合体と、アリール基を有する第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体とを界面活性剤と共に溶媒に溶解させ、この溶解させたものを触媒存在下で加水分解及び脱水縮合する工程を含み、前記第1のトリアルコキシシランは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシランの中から選択され、前記テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン(TMOS)及びテトラエトキシシラン(TEOS)の中から選択され、前記テトラアルコキシシランの重合体は、メチルシリケート(MS)及びエチルシリケート(ES)の中から選択され、前記第2のトリアルコキシシランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、キシリルトリメトキシシラン及びキシリルトリエトキシシランの中から選択され、Si原子換算基準で、前記溶媒に溶解させたアルコキシシランもしくはその重合体の総量に対する前記第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体の比率を50〜95モル%、前記テトラアルコキシシランもしくはその重合体の比率を5〜40モル%、前記第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体の比率を1〜20モル%に夫々設定したことを特徴とする。尚、本発明において、「重合体」とは、アルコキシシランを部分的に加水分解させ、この加水分解させたものを脱水縮合させることで得られたものをいう。
本発明によれば、3種類のアルコキシシランもしくはその重合体を界面活性剤と共に溶媒に溶解させ、この溶解させたものを加水分解及び脱水縮合することで、脱水縮合体を含む多孔質シリカ前駆体塗布液(ゾル)が得られる。このようにして得られた多孔質シリカ前駆体塗布液を基材表面に塗布し、この塗布したものを焼成することで、溶媒が除去すると共に、脱水縮合体に含まれる界面活性剤が脱離して空孔が生じる。その結果、基材表面に多孔質シリカ膜が形成される。
アルキル基を有する第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体を主成分として用いることで、得られる多孔質シリカ膜は、その表面にアルキル基が存在するものとなるので、耐薬液性を向上させることができる。ここで、第1のトリアルコキシシランは、シリカ骨格を形成する手が3つしかないため、この第1のトリアルコキシシランのみを加水分解及び脱水縮合させると、焼成時の膜強度が低く膜収縮が大きくなる。焼成時の膜収縮を低減するために、テトラアルコキシシランもしくはその重合体を添加すると、多孔質シリカ膜の耐薬液性が低下するという不具合が生じる。
そこで、本発明では、テトラアルコキシシランもしくはその重合体を添加することによる耐薬液性の低下を防ぐため、アリール基を有する第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体を1〜20モル%添加することとした。さらに、この第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体を添加することによる焼成時の膜収縮の増加を防ぐため、テトラアルコキシシランもしくはその重合体の添加割合を5〜40モル%とした。このように、3種類のアルコキシシランもしくはその重合体を上記モル比で溶媒に溶解させるようにしたので、焼成時に起きる膜収縮を低減でき、比誘電率が2.4以下の耐薬液性に優れた多孔質シリカ膜が得られる。
本発明は、第1のトリアルコキシシランがメチルトリメトキシシランであり、かつ、第2のトリアルコキシシランがフェニルトリメトキシシランであり、テトラアルコキシシランもしくはその重合体がテトラエトキシシランもしくはメチルシリケートであり、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはメチルシリケートのモル比が、80モル%、10モル%、10モル%である場合に好適である。
本発明の実施例で得られた多孔質シリカ前駆体塗布液を用いて形成した多孔質シリカ膜の耐薬液性を示す図。
以下、本発明の実施形態の多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法について説明する。本実施形態の多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法は、先ず、槽内にて、アルキル基を有する第1のアルコキシシランもしくはその重合体、テトラアルコキシシランとランもしくはその重合体、及びアリール基を有する第2のアルコキシシランもしくはその重合体を界面活性剤と共に溶媒に溶解させ、この溶解させて得た溶液に触媒と加水分解用の水とを添加して攪拌する。これにより、3種類のアルコキシシランもしくは重合体が加水分解及び脱水縮合し、この脱水縮合により得られた脱水縮合物を含む多孔質シリカ前駆体塗布液(ゾル)が得られる。脱水縮合物には、焼成時に空孔となる界面活性剤が取り込まれている。
ここで、Si原子換算基準で、前記溶媒に溶解させたアルコキシシランもしくはその重合体の総量に対する第1のアルコキシランもしくはその重合体の比率を50〜95モル%、テトラアルコキシシランもしくはその重合体の比率を5〜40モル%、第2のアルコキシシランもしくはその重合体の比率を1〜20モル%に夫々設定した。第1のアルコキシシランもしくはその重合体の比率が50モル%未満であると、多孔質シリカ膜の耐薬液性が不十分となる一方で、95モル%を超えると、焼成時の膜収縮が大きくなって所望の比誘電率を有する多孔質シリカ膜が得られない。テトラアルコキシシランもしくはその重合体の比率が5モル%未満であると、焼成時の膜収縮が大きくなって所望の比誘電率を有する多孔質シリカ膜が得られない一方で、40モル%を超えると、多孔質シリカ膜の耐薬液性が不十分となる。また、第2のアルコキシシランもしくはその重合体の比率が1モル%未満であると、多孔質シリカ膜の耐薬液性が不十分となる一方で、20モル%を超えると、焼成時の膜収縮が大きくなって所望の比誘電率を有する多孔質シリカ膜が得られない。
第1のトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等から選択された少なくとも1種を好適に用いることができる。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)等から選択された少なくとも1種を好適に用いることができる。テトラアルコキシシランの重合体としては、メチルシリケート(MS)、エチルシリケート(ES)等から選択された少なくとも1種を用いることができる。第2のトリアルコキシシランとしては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、キシリルトリメトキシシラン、キシリルトリエトキシシラン等から選択された少なくとも1種を好適に用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物等の非イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類から選択された少なくとも1種を単独で又は混合して好適に用いることができる。
触媒としては、酸触媒及びアルカリ触媒から選択される少なくとも一種を用いることができる。酸触媒としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸や例えばギ酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。アルカリ触媒としては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
加水分解及び脱水縮合時間は少なくとも10分以上に設定することができる。10分より短いと、脱水縮合が不十分となり、分子量の小さい脱水縮合体しか得られないという不具合が生じる。加水分解及び脱水縮合の温度は、溶媒の気化温度より低い温度に設定すればよく、例えば室温に設定することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体を主成分として(50〜95モル%)溶媒に溶解させることによる焼成時の膜収縮の増加を防ぐため、テトラアルコキシシランもしくはその重合体を添加した。そして、このテトラアルコキシシランもしくはその重合体を添加することによる多孔質シリカ膜の耐薬液性の低下を防ぐため、第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体を1〜20モル%添加した。さらに、この第2のトリアルコキシシランもしくは重合体を添加することによる焼成時の膜収縮の増加を防ぐため、テトラアルコキシシランもしくは重合体の添加割合を5〜40モル%とした。このように、3種類のアルコキシシランもしくはその重合体を上記モル比で溶媒に溶解させることで、焼成時に起きる膜収縮を低減でき、比誘電率が2.4以下の耐薬液性に優れた多孔質シリカ膜を形成することが可能となる。尚、脱水縮合により得られた脱水縮合体を含むゾルに上記溶媒を更に加えて粘度調整し、この粘度調整したゾルを多孔質シリカ前駆体塗布液としてもよい。また、多孔質シリカ前駆体塗布液の塗布方法や焼成方法については公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、槽内にて、メチルトリメトキシシラン(MTMS)0.1モル、フェニルトリメトキシシラン(PhTMS)0.01モル、テトラエトキシシラン(TEOS)0.01モル及び非イオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製の商品名「P450」、HO(CHCHO)13(CH(CH)CHO)20(CHCHO)13Hで表される。)0.01モルをエタノール中に溶解させる。このとき、MTMS、PhTMS、TEOSのモル比は、それぞれ80モル%、10モル%、10モル%となる。これら3種類のアルコキシシランを溶解させて得た溶液に硝酸0.01モルと水1モルとを更に添加し、これら硝酸及び水を添加したものを25℃で3時間攪拌してゾルを得た。次いで、このゾルにエタノールを加えて塗布に好適な粘度に調整することにより、透明で均一な多孔質シリカ前駆体塗布液を作製した。
本実施例1で得られた多孔質シリカ前駆体塗布液をシリコン基板表面にスピンコート法により回転数1200rpmで塗布し、この塗布したものに対して真空雰囲気下にて350℃で1分間UV照射することで焼成した。焼成により得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.1であり、屈折率は1.25であり、弾性率は3.8GPaであり、残膜率(=焼成後の膜厚/焼成前の膜厚)は70.2%であった。この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量(ウェットエッチング量)は15nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は10nmであることが確認された。
(実施例2)
本実施例2では、TEOSに代えてメチルシリケート(MS)0.0025モルを添加した以外は、上記実施例1と同様の方法で前駆体塗布液を作製した。このとき、MTMS、PhTMS、MSのモル比は、それぞれ80モル%、10モル%、10モル%となる。上記実施例1と同様に、本実施例2で得られた前駆体塗布液をシリコン基板表面に塗布し焼成することで得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.0であり、屈折率は1.23であり、弾性率は3.6GPaであり、残膜率は72.8%であった。この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は20nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は11nmであることが確認された。
以上説明したように、本実施例1及び2の多孔質シリカ前駆体塗布液を基材表面に塗布して焼成することで、焼成時の膜収縮を低減でき、焼成後に得られる多孔質シリカ膜の比誘電率を2.0〜2.1と低くでき、しかも、耐薬液性に優れた多孔質シリカ膜が得られることが判った。
以下、上記実施例に対する比較例について説明する。
(比較例1)
本比較例1では、槽内にて、MTMS0.1モル(すなわち、MTMS100%)と非イオン性界面活性剤0.01モルとをエタノール中に溶解させ、この溶解させて得た溶液に硝酸0.01モルと水1モルとを更に添加し、これら硝酸及び水を添加したものを25℃で3時間攪拌してゾルを得た。このゾルにエタノールを加えて塗布に好適な粘度に調整することにより、透明で均一な多孔質シリカ前駆体塗布液を得た。上記実施例1と同様に、本比較例1で得られた前駆体塗布液をシリコン基板表面に塗布し焼成することで得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.3であり、屈折率は1.28であり、弾性率は5.0GPaであったが、残膜率は50.7%と低かった。この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は42nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は17nmであることが確認された。
(比較例2)
本比較例2では、MTMS0.1モルに加えてTEOS0.01モルを用いる以外は、上記比較例1と同様の方法で前駆体塗布液を作製した。このとき、MTMS、TEOSのモル比は、それぞれ90モル%、10モル%となる。上記実施例1と同様に、本比較例2で得られた前駆体塗布液をシリコン基板表面に塗布し焼成することで得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.0であり、屈折率は1.22であり、弾性率は3.2GPaであり、膜厚率は72.4%と高かった。然し、この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は102nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は88nmであり、耐薬液性が低いことが確認された。
(比較例3)
本比較例3では、MTMS0.1モルに加えてMS0.0025モルを用いる点以外は、上記比較例1と同様の方法で多孔質シリカ前駆体塗布液を作製した。このとき、MTMS、MSのモル比は、それぞれ90モル%、10モル%となる。上記実施例1と同様に、本比較例3で得られた前駆体塗布液をシリコン基板表面に塗布し焼成することで得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは1.9であり、屈折率は1.21であり、弾性率は3.0GPaであり、膜厚率は72.4%と高かった。然し、この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は125nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は89nmであり、耐薬液性が低いことが確認された。
(比較例4)
本比較例4では、MTMS0.1モルに加えてPhTMS0.01モルを用いる点以外は、上記比較例1と同様の方法で多孔質シリカ前駆体塗布液を作製した。このとき、MTMS、PhTMSのモル比は、それぞれ90モル%、10モル%となる。上記実施例1と同様に、本比較例4で得られた前駆体塗布液をシリコン基板表面に塗布し焼成することで得られた多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.5であり、屈折率は1.31であり、弾性率は6.7GPaであったが、膜厚率は53.3%と低く焼成時の膜収縮が大きいことが確認された。この多孔質シリカ膜が形成されたシリコン基板を30mm角に切断し、この切断したものを50℃加熱の1wt%KOH水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は12nmであり、また、上記切断したものを23℃加熱の0.5wt%HF水溶液に10分間浸漬させた結果、膜厚減少量は15nmであった。
以上説明したように、本比較例1〜4の前駆体塗布液を基材表面に塗布して焼成することで得られる多孔質シリカ膜の耐薬液性が不十分であるか、または焼成時の膜収縮が大きいことが判った。
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、MTMSの代わりにこのMTMSの重合体を用い、PhTMSの代わりにこのPhTMSの重合体を用いても、上記実施例1及び2と同様の効果を得ることができる。

Claims (2)

  1. 多孔質シリカ膜の形成に用いられる多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法であって、
    アルキル基を有する第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体と、テトラアルコキシシランもしくはその重合体と、アリール基を有する第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体とを界面活性剤と共に溶媒に溶解させ、この溶解させたものを触媒存在下で加水分解及び脱水縮合する工程を含み、
    前記第1のトリアルコキシシランは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシランの中から選択され、前記テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン(TMOS)及びテトラエトキシシラン(TEOS)の中から選択され、前記テトラアルコキシシランの重合体は、メチルシリケート(MS)及びエチルシリケート(ES)の中から選択され、前記第2のトリアルコキシシランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、キシリルトリメトキシシラン及びキシリルトリエトキシシランの中から選択され、
    Si原子換算基準で、前記溶媒に溶解させたアルコキシシランもしくはその重合体の総量に対する前記第1のトリアルコキシシランもしくはその重合体の比率を50〜95モル%、前記テトラアルコキシシランもしくはその重合体の比率を5〜40モル%、前記第2のトリアルコキシシランもしくはその重合体の比率を1〜20モル%に夫々設定したことを特徴とする多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法。
  2. 前記第1のトリアルコキシシランがメチルトリメトキシシランであり、前記第2のトリアルコキシシランがフェニルトリメトキシシランであり、前記テトラアルコキシシランもしくはその重合体がテトラエトキシシランもしくはメチルシリケートであり、
    前記メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはメチルシリケートのモル比が、80モル%、10モル%、10モル%であることを特徴とする請求項1記載の多孔質シリカ前駆体塗布液の作製方法。
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