JP5778016B2 - 電力線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は電力線通信システムに関し、特に親機と複数の子機との間で電力線通信を行う電力線通信システムに関する。
近年、電力線に10kHz以上の高周波信号を重畳して通信を行う電力線通信(PLC,Power Line Communications)が注目されている。以前は、電力線通信の周波数帯域としては10kHz〜450kHzの帯域(以下、低周波数帯域という。)のみが認められていたが、2006年10月の電波法令改正により、屋内限定ではあるものの2MHz〜30MHzのより高帯域を用いることが認められた。これに伴い、数十〜数百Mbpsの高速通信が可能になったことから、特に家庭内やオフィス内での利用に注目が集まっている。
しかし、従来通りの低周波数帯域を用いる電力線通信システムも引き続き多用されている。具体的には、集合住宅内の各戸の電力メータの検針(データ収集)や遠隔地からの機器制御に用いる例が挙げられる。
住宅内に引き込まれている電力線を用いて通信システムを構築する場合、高周波信号を電力線に重畳させる手段が必要となる。その一つとして、低圧配電線の中性線に誘導結合させるインジェクション方法がある(特許文献1参照)。
図8は、従来の電力線通信システム40の構成図である。
図8に示すように、従来の電力線通信システム40は、単相3線方式の低圧配電線2に接続された親機側のPLCモデム(親機モデム)10と、子機側のPLCモデム(子機モデム)20A,20Bとを備えている。
低圧配電線2は、高圧配電線の電圧(6600V)を商用電圧(100V)に降圧する柱上トランス4(変圧器)の2次側に接続された3本の電力線2a,2b,2cからなる。電力線2a,2b,2cのうち、柱上トランス4の2次側の両端にそれぞれ接続された電力線2a,2c(赤線、黒線)は非接地線であり、2次側の中点に接続された電力線(白線)は、接地線6を介して大地に接地された中性線2bである。
親機モデム10は、誘導結合方式のインジェクション部12を介して低圧配電線2の中性線2b(白線)に接続されている。親機モデム10の送受信回路11から送信した高周波信号はインジェクション部12から中性線2bに重畳される。中性線2bは共通線であるので、赤白相に設置した子機モデム20Aと黒白相に設置した子機モデム20Bの両方に高周波信号を伝えることができる。したがって、親機モデム10と子機モデム20A,20Bとの間でデータ通信を行うことができる。
電力線通信の高周波信号に対する柱上トランス4のインピーダンスはほぼ0オームであるため、柱上トランス4の2次側端子から親機モデム10のインジェクション部12が接続されている場所までの電路長が短すぎると、親機モデム10から見た柱上トランス4側のインピーダンスはほぼ0オームとなる。そのため、容量結合方式のインジェクション部の場合、親機モデム10が発信する高周波信号が柱上トランス4に吸い込まれ、子機モデム20A,20Bに届かなくなる。これに対し、誘導結合方式のインジェクション部12を採用することにより、親機モデム10からの高周波信号は低圧配電線2を流れる電流に重畳されるので、柱上トランス4の近くに設置することによる信号品質の悪化を防止ことができる。
特開2004−532562号公報
図8に示した従来の電力線通信システムは、親機モデム10のインジェクション部12が柱上トランス4の近くに設置されており、インジェクション部12から注入した高周波信号が赤白相と黒白相に分岐して流れることとなるので、子機モデム20A,20Bのいずれも高周波信号を受信することが可能である。しかしながら、受信信号レベルが半分になってしまうため遠方の子機との通信は困難であった。電力線通信システムを電力メータの検針用に用いる場合、1台の親機と通信する子機が多いほど設置コストが安くなるため、より遠方の子機と通信できることが望まれる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、親機モデムのインジェクション部を中性線にのみ接続する場合であっても、通信品質の低下を防止することが可能な信頼性の高い電力線通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による電力線通信システムは、電力線に高周波信号を重畳して信号の送受信を行う電力線通信システムであって、高圧配電線の電圧を降圧して商用電圧に変換する変圧器の2次側に接続された単相3線式の低圧配電線に接続された親機モデムと第1の子機モデムとを含み、前記低圧配電線は、前記変圧器の2次側の両端に接続された第1及び第2の電力線と、前記2次側の中点に接続された中性線とを含み、前記親機モデムは、前記中性線のみに誘導結合方式により接続された第1のインジェクション部と、前記第1のインジェクション部を介して前記中性線に接続された第1の送受信回路とを含み、前記第1の子機モデムは、前記第1の電力線、前記第2の電力線及び前記中性線にそれぞれ容量結合方式により接続された第2のインジェクション部と、前記第2のインジェクション部を介して前記第1及び第2の電力線の各々に接続され、前記第1の電力線と前記第2の電力線の両方からの信号を取り込んで合成する信号合成部と、前記第2のインジェクション部及び前記信号合成部を介して前記第1及び第2の電力線に接続されると共に、前記第2のインジェクション部を介して前記中性線に接続され、前記高周波信号を生成する第2の送受信回路とを含むことを特徴とする。
親機モデムの第1のインジェクション部が変圧器の近くに設置されている場合、親機モデムから注入した高周波信号が変圧器側に流れ、さらに第1の電力線側と第2の電力線側に分岐して流れることにより、子機モデムが一方の電力線から抽出できる受信信号のレベルは半分になってしまうが、子機モデムが信号合成部を有する場合には、その受信特性を改善ことができ、電力線通信システム全体の信頼性を向上させることができる。さらに、本発明によれば、1つのインジェクション部のみで構成された非常にシンプルな親機モデムを構成することができ、これにより設置工事時間を短縮することができると共に、設置コストを安価に抑えることができる。また、インジェクション部を小型化することができるので、部品コストを低く抑えることができる。
本発明による電力線通信システムは、電力量を測定する電力メータをさらに備え、前記第1の子機モデムは、前記電力メータに接続されており、前記電力メータが測定した電力量データを前記親機モデムに送信することが好ましい。この構成によれば、親機から見て遠方に設置された電力メータを監視することができ、信頼性の高い遠隔検針システムを構築することができる。
本発明による電力線通信システムは、前記低圧配電線に接続された第2の子機モデムをさらに備え、前記第2の子機モデムは、前記第1の電力線及び前記第2の電力線のいずれか一方及び前記中性線にそれぞれ容量結合方式により接続された第3のインジェクション部と、前記第3のインジェクション部を介して前記第1及び第2の電力線のいずれか一方と前記中性線との間に接続された第3の送受信回路とを含み、前記第2の子機モデムは、前記第1の子機モデムよりも前記変圧器の近くに設置されていることが好ましい。親機モデム近傍の子機モデムは第1の電力線及び第2の電力線のいずれか一方から信号を受信する基本的な方式とし、親機モデムから遠方の子機モデムは第1及び第2の電力線に重畳された信号の合成信号を受信する信頼性の高い方式とすることで、1台の親機モデムで広いエリアをカバーすることができ、電力の遠隔検針システムを構築するためのコストを大幅に抑えることができる。
本発明において、前記第1のインジェクション部は、前記変圧器の2次側端子から延びる前記低圧配電線の各電力線が互いに分離した状態から集線化されるまでの間に設けられていることが好ましい。この場合において、前記第1のインジェクション部は、前記変圧器の2次側端子から線路長2mまでの範囲内に接続されていることが好ましい。この構成によれば、親機モデムを柱上トランスの近くに容易に設置することができる。したがって、これにより設置工事時間を短縮することができると共に、設置コストを安価に抑えることができる。
本発明において、前記第1のインジェクション部は、2つの半環状のコアを組み合わせてなるトロイダルコアと、前記トロイダルコアに巻回された信号線とを含み、前記中性線は、前記トロイダルコアの中空部を貫通していることが好ましい。これによれば、磁路の途中に磁気ギャップが形成されることで磁気飽和を防止することができ、また電力線への設置も容易に行うことができる。
本発明によれば、親機モデムの誘導結合方式のインジェクション部を中性線にのみ接続する場合であっても、通信品質の低下させることなくより遠方の子機モデムと通信することができ、信頼性の高い電力線通信システムを提供することができる。


図1は、本発明の第1の実施の形態による電力線通信システム1の構成図である。 図2は、親機モデム10の構成図である。 図3は、親機モデム10のインジェクション部12の構成を示す略斜視図である。 図4は、柱上トランス4及び電力線2a〜2cの設置例を示す模式図である。 図5は、子機モデム20Aの構成図である。 図6は、子機モデム20Cの構成図である。 図7は、本発明による電力線通信システムの信号受信特性を示すグラフである。 図8は、従来の電力線通信システム40の構成図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による電力線通信システム1の構成図である。
図1に示すように、電力線通信システム1は、単相3線方式の低圧配電線2に接続された親機側のPLCモデム(親機モデム)10と、子機側のPLCモデム(子機モデム)20A,20B,20Cとを備えている。
低圧配電線2は、高圧配電線3の電圧(6600V)を商用電圧(100V)に降圧する柱上トランス(変圧器)5の2次側(低圧側)に接続された3本の電力線2a,2b,2cからなる。これらの電力線のうち、柱上トランス4の2次側の一端及び他端に接続された電力線2a,2c(赤線、黒線)は非接地線であるが、2次側の中点に接続された電力線(白線)は、接地線5を介して大地に接地された中性線2bである。したがって、柱上トランス4の2次側の両端(赤黒相)の電圧は200Vとなり、電力線2a又は2cと中性線2bとの間(赤白相、黒白相)ではそれぞれ100Vとなる。
一般に、柱上トランス4から延びる低圧配電線2は、電力需要家内の電力メータ6を介して各家電機器7に接続されている。親機モデム10は柱上トランス4と共に装柱され、低圧配電線2に接続されると共に、柱上トランス4の近くに設置された光ファイバ回線8を介してサーバ9に接続されている。また、子機モデム20A,20B,20Cは、各電力需要家内に引き込まれた低圧配電線2に接続されると共に、電力メータ6に接続され、電力量の検針に使用される。
図2は、親機モデム10の構成図である。
図2に示すように、親機モデム10は、送受信回路11と誘導結合方式のインジェクション部12とを備えており、送受信回路11はインジェクション部12を介して低圧配電線2に接続されている。インジェクション部12は、3本の電力線のうち中性線2b(白線)にのみ接続されている。詳細には、インジェクション部11は、トロイダルコア13と信号線14とを有し、中性線2bはトロイダルコア13の中空部を貫通している。親機モデム10の送受信回路11はトランスT1の1次側に接続され、トランスT1の2次側の一端は信号線14の一端に接続され、トランスT1の2次側の他端は信号線14の他端に接続されている。
親機モデム10が送信した高周波信号はインジェクション部12から中性線2bに重畳される。中性線2bは共通線であるので、赤白相と黒白相の両方に接続された子機モデム20Cはもちろんのこと、赤白相に接続された子機モデム20Aや黒白相に接続された子機モデム20Bにも高周波信号を伝えることができる。したがって、親機モデム10と子機モデム20A,20B,20Cとの間でデータ通信を行うことができる。
中性線2bに流れる電流値は、赤白相と黒白相の差分となる。例えば、赤白相に400A、黒白相に300Aの電流がそれぞれ流れていた場合、中性線2bの電流値は両者の差分である100Aとなる。このため、誘導結合方式で問題となるインジェクション部12のトロイダルコアの飽和電流値を比較的小さくすることができ、トロイダルコアの直径方向の大きさを小さくすることができる。
親機モデム10は、誘導結合方式により中性線2bに接続されている。電力線通信の高周波信号に対する柱上トランス4のインピーダンスはほぼ0オームであるため、柱上トランス4の2次側端子から親機モデム10のインジェクション部12が接続されている位置までの電路長が短すぎると、親機モデム10から見た柱上トランス4側のインピーダンスがほぼ0オームとなる。そのため、容量結合方式の場合、親機モデム10が発信する高周波信号が柱上トランス4に吸い込まれ、子機モデム20A〜20Cに届かなくなる。これに対し、誘導結合方式のインジェクション部12を採用した場合、高周波信号は低圧配電線2を流れる電流に重畳されるので、親機モデム10を柱上トランス4の近くに設置することによる悪影響を回避することができる。
図3は、親機モデム10のインジェクション部12の構成を示す略斜視図である。
図3に示すように、インジェクション部12は、2つの半環状のコア13a,13bを組み合わせてなるトロイダルコア13と、トロイダルコア13に巻回された1本の信号線14からなり、信号線14の両端は親機モデム10の一対の外部端子に接続されている。中性線2bはトロイダルコア13の中空部を貫通しており、これにより親機モデム10は中性線2bに対して誘導結合方式により接続される。なおトロイダルコア13に巻回される信号線14のターン数は3〜4ターンであることが好ましい。
トロイダルコア13の材料としては、通信周波数が2MHz以上30MHz以下である場合にはニッケル系フェライトを用いることが好ましく、また通信周波数が10kHz以上450kHz以下である場合にはマンガン系フェライト、アモルファス系材料、又はナノクリスタル系材料を用いることが好ましい。
図4は、柱上トランス4及び電力線2a〜2cの設置例を示す模式図である。
図4に示すように、2本の電柱31,32間に架橋されたH柱変台33には柱上トランス4が設置されており、柱上トランス4の2次側外部端子から延びる電力線2a〜2cは下方に延設され、途中からシース(集合管)34によって集線される。柱上トランス4からシース34に挿入されるまでの間の電力線の線路長Lは比較的短く、2m以内である。
親機モデム10は電柱32上の柱上トランス4に近い位置に取り付けられており、柱上トランス4から電源ケーブル35を介して電力を取り込んでいる。また、インジェクション部12のトロイダルコア13は、柱上トランス4からシース34に挿入されるまでの間の中性線2bに設置されている。柱上トランス4からシース34までの範囲においては、個々の電力線に対してトロイダルコア13を容易に取り付けることが可能である。
柱上トランス4付近の電力線2a〜2cは電流容量の関係から太く、且つ施工性から3本が近接している場合が多いため、大型のトロイダルコア13を設置することは非常に難しい。しかし、本実施形態によれば、トロイダルコア13の直径方向の大きさを小さくすることができるので、設置性を向上させることができる。したがって、設置時間の短縮することができ、設置コストを安く抑えることができる。
子機モデム20A,20B,20Cの各々は、送受信回路21と容量結合方式のインジェクション部22とを備えており、送受信回路21はインジェクション部22を介して低圧配電線2に接続されている。
図5は、子機モデム20Aの構成図である。
図5に示すように、子機モデム20Aは、低圧配電線2の電力線2a(赤線)と中性線2b(白線)との間に接続されている。詳細には、子機モデム20Aの送受信回路21はトランスT2の1次側に接続され、トランスT2の2次側の一端はキャパシタC1を介して電力線2aに接続され、トランスT2の2次側の他端はキャパシタC2を介して中性線2bに接続されている。
子機モデム20Bの構成は子機モデム20Aと同じであり、低圧配電線2に対する接続のみが異なっている。子機モデム20Bは、低圧配電線2の電力線2c(黒線)と中性線2b(白線)との間に接続されている。詳細には、子機モデム20Bの送受信回路21はトランスT2の1次側端子に接続され、トランスT2の2次側の一端はキャパシタC1を介して電力線2cに接続され、トランスT2の2次側の他端はキャパシタC2を介して中性線2bに接続される。
図6は、子機モデム20Cの構成図である。
図6に示すように、子機モデム20Cは信号合成部23をさらに備えている。子機モデム20Cの送受信回路21の一対の出力端子は、トランスT2の1次側に接続されている。トランスT2の2次側の一端は信号合成部23の合成側端子に接続されており、2次側の他端はキャパシタC5を介して中性線2bに接続されている。信号合成部23の分岐側の一方の端子は、キャパシタC3を介して一方の非接地線である電力線2aに接続されており、分岐側の他方の端子は、キャパシタC4を介して他方の非接地線である電力線2cに接続されている。以上の構成により、子機モデム20Cの信号合成部23は、一方の電力線2a(赤線)に重畳された高周波信号成分と、他方の電力線2c(黒線)に重畳された高周波信号成分の両方を取り込んで合成する。
親機モデム10のインジェクション部12が柱上トランス4の近くに設置されている場合、インジェクション部12から注入した高周波信号が赤白相と黒白相に分岐して流れることとなるので、図8に示した子機モデム20A,20Bのいずれの場合も高周波信号を受信することが可能であるが、受信信号レベルが半分になってしまうため遠方の子機との通信は困難であった。
そこで、本実施形態のように、子機モデム20Cの送受信回路21が赤線と黒線の両方から信号を取り込み、それらを合成することにより、赤白相と黒白相に分岐した高周波信号を合成することができる。したがって、同じ位置に設置した場合には、信号合成部23がない従来の子機モデム20A,20Bよりも受信レベルを高くすることができ、これにより伝送性能を向上させることができる。
図7は、本発明による電力線通信システムの信号受信特性を示すグラフであり、横軸は周波数(kHz)、縦軸は利得(dB)をそれぞれ示している。図7には、信号合成部23を有する子機モデム20Cを使用したときの受信特性(グラフG1)と、信号合成部23を有しない子機モデム(子機モデム20A,20B)を使用したときの受信特性(グラフG2)が示されている。なお、両者を同一条件下で評価するため、低圧配電線へのインジェクション部の接続位置は同じである。このグラフから明らかなように、親機モデム10から中性線2bに注入した信号を子機モデム20Cで受信したときの受信信号の利得は、信号合成部23を有する子機モデム20Cで受信した場合のほうが大きく、信号合成部23を有していない子機モデムで受信した場合のほうが小さいことが分かる。
以上説明したように、本実施形態による電力線通信システム1は、子機モデム20Cが信号合成部23を備え、非接地線である2本の電力線2a,2cの信号成分を合成して取り込むので、子機モデムの受信特性を改善ことができ、電力線通信システム全体の信頼性を向上させることができる。実際には、親機近傍の子機は赤白相、黒白相のいずれかのみから信号を受信する方式とし、遠方の子機は赤黒の合成を受信する方式とすることで、1台の親機で広いエリアをカバーできるので、電力の遠隔検針システムを構築するためのコストを大幅に抑えることが可能である。
また、本実施形態による電力線通信システム1は、親機モデム10のインジェクション部12を中性線2bのみに誘導結合方式で接続することとしたので、非常にシンプルな構成とすることができ、これにより親機の設置工事時間を短縮することができると共に、設置コストを安価に抑えることができる。また、インジェクション部の直径方向の大きさを小さくすることができるので、その材料コストを抑えることができ、インジェクションの部品価格を低く抑えることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、親機モデム10のインジェクション部12が柱上トランス4の近くに設置されている場合を例に挙げたが、柱上トランス4から離れたところに設置することも可能である。すなわち、親機モデム10のインジェクション部12は、柱上トランス4が実質的にショートに見えないくらいの位置に設置されていてもよい。そのような距離は少なくとも10m以上であり、平均的には数十mである。
また、上記実施形態においては、親機モデム10のインジェクション部12が柱上トランス4の近くに設置されている場合を例に挙げたが、柱上トランスに限定されるものではなく、マンションの電気室内に設置された変圧器等、低圧配電線に接続された各種の変圧器に対して適用可能である。
また、図1に示した電力線通信システム1の構成は一例であって、低圧配電線2のレイアウトや子機モデムの設置数や配置などは特に限定されない。
1 電力線通信システム
2 低圧配電線
2a 電力線
2b 電力線(中性線)
2c 電力線
3 高圧配電線
4 柱上トランス(変圧器)
5 接地線
6 電力メータ
7 家電機器
8 光ファイバ回線
9 サーバ
10 親機モデム
11 送受信回路
12 インジェクション部
13 トロイダルコア
13a,13b コア
14 信号線
20A,20B,20C 子機モデム
21 送受信回路
22 インジェクション部
23 信号合成部
31,32 電柱
33 柱変台
34 シース
35 電源ケーブル
40 電力線通信システム

Claims (5)

  1. 電力線に高周波信号を重畳して信号の送受信を行う電力線通信システムであって、
    高圧配電線の電圧を降圧して商用電圧に変換する変圧器の2次側に接続された単相3線式の低圧配電線に接続された親機モデムと第1及び第2の子機モデムとを含み、
    前記低圧配電線は、前記変圧器の2次側の両端に接続された第1及び第2の電力線と、前記2次側の中点に接続された中性線とを含み、
    前記親機モデムは、
    前記中性線のみに誘導結合方式により接続された第1のインジェクション部と、
    前記第1のインジェクション部を介して前記中性線に接続された第1の送受信回路とを含み、
    前記第1の子機モデムは、
    前記第1の電力線、前記第2の電力線及び前記中性線にそれぞれ容量結合方式により接続された第2のインジェクション部と、
    前記第2のインジェクション部を介して前記第1及び第2の電力線の各々に接続され、前記第1の電力線と前記第2の電力線の両方からの信号を取り込んで合成する信号合成部と、
    前記第2のインジェクション部及び前記信号合成部を介して前記第1及び第2の電力線に接続されると共に、前記第2のインジェクション部を介して前記中性線に接続され、前記高周波信号を生成する第2の送受信回路とを含み、
    前記第2の子機モデムは、
    前記第1の電力線及び前記第2の電力線のいずれか一方及び前記中性線にそれぞれ容量結合方式により接続された第3のインジェクション部と、
    前記第3のインジェクション部を介して前記第1及び第2の電力線のいずれか一方と前記中性線との間に接続された第3の送受信回路とを含み、
    前記第2の子機モデムは、前記第1の子機モデムよりも前記変圧器の近くに設置されていることを特徴とする電力線通信システム。
  2. 電力量を測定する電力メータをさらに備え、
    前記第1の子機モデムは、前記電力メータに接続されており、前記電力メータが測定した電力量データを前記親機モデムに送信することを特徴とする請求項1に記載の電力線通信システム。
  3. 前記第1のインジェクション部は、前記変圧器の2次側端子から延びる前記低圧配電線の各電力線が互いに分離した状態から集線化されるまでの間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力線通信システム。
  4. 前記第1のインジェクション部は、前記変圧器の2次側端子から線路長2mまでの範囲内に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力線通信システム。
  5. 前記第1のインジェクション部は、2つの半環状のコアを組み合わせてなるトロイダルコアと、前記トロイダルコアに巻回された信号線とを含み、
    前記中性線は、前記トロイダルコアの中空部を貫通していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電力線通信システム。
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