JP5777126B2 - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents
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このトリアジン系縮合剤は安価に合成できるうえに、副生成物が水溶性のヒドロキシトリアジン化合物であることから、反応後の後処理が容易であり、リサイクルが可能であることなどの利点により注目されており、例えば特許文献2及び非特許文献1では芳香族ポリアミド樹脂の合成への適用も検討されている。
H 2 N−R 3 −NH 2 (B)
(式(B)中、R 3 は、構造中にO、N、S、F及びSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む2価の芳香族残基または、炭素数1〜12の2価の有機基を示す。)で表されることが好ましい。
また、前記ジアミン化合物は、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、ジアミノキシレン、ジアミノメシチレン、ジアミノデュレン、ジアミノアゾベンゼン、ジアミノナフタレン、ジアミノビフェニル、ジアミノジメトキシビフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジメチルジフェニルエーテル、メチレンジアニリン、メチレンビス(メチルアニリン)、メチレンビス(ジメチルアニリン)、メチレンビス(メトキシアニリン)、メチレンビス(ジメトキシアニリン)、メチレンビス(エチルアニリン)、メチレンビス(ジエチルアニリン)、メチレンビス(エトキシアニリン)、メチレンビス(ジエトキシアニリン)、イソプロピリデンジアニリン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアニリン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジメチルベンゾフェノン、ジアミノアントラキノン、ジアミノジフェニルチオエーテル、ジアミノジメチルジフェニルチオエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルホキシド、ジアミノフルオレン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビスアミノメチルシクロペンタン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスアミノメチルノルボルナン、またはビスアミノメチルトリシクロデカンであることが好ましい。
ここで、2価の芳香族残基とは、芳香族環から2つの水素原子を除いた残基を意味し、例えば、ビフェニルエーテル等の複数の芳香族環を有する化合物において、異なる芳香族環から2つの水素原子を除いた残基も2価の芳香族残基の範疇に含むことができる。
具体的には、2価の芳香族残基は、ベンゼン、ビフェニル、ビフェニルエーテル、ビフェニルスルホン、ビフェニルケトン及びナフタレンの残基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、ドデシレン基およびキシリレン基等が挙げられる。
ここで、炭素数6〜8の芳香族残基とは、炭素数6〜8からなる芳香族の芳香族環から1つの水素原子を除いた残基を意味するものとする。
反応終了後、反応混合物を水やメタノールなどの貧溶媒中に投じて生成物を分離した後、再結晶等によって精製を行って副生成物などを除去することにより、ジカルボン酸トリアジン活性エステルを高純度で得ることができる。
H2N−R3−NH2 (B)
式(B)中、R3は、構造中にO、N、S、F及びSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む2価の芳香族残基または、炭素数1〜12の2価の有機基を示す。
なお、2価の芳香族残基及び2価の有機基は、上記R1と同様のものを挙げることができる。
この不活性溶媒は、ジカルボン酸トリアジン活性エステルと実質的に反応せず、かつ上記ジアミン化合物とを良好に溶解させる性質を有する他、反応生成物であるポリアミドに対して良溶媒であることが望ましい。
反応終了後、反応混合物を水やメタノールなどの貧溶媒中に投じて重合体を分離した後、再沈殿法等によって精製を行って副生成物や無機塩類などを除去することにより、イオン性不純物の含有量が10ppm以下のポリアミド樹脂を得ることができる。
重量平均分子量が1万未満では、成膜性が悪くポリアミドとしての性質出現が不十分であり、一方100万を超えると、分子量が高すぎて溶剤溶解性が悪くなり、かつ成形加工性が悪くなるおそれがある。
ポリアミド樹脂の分子量を調節する簡便な方法としては、ジカルボン酸トリアジン活性エステル成分あるいはジアミン化合物成分のどちらか一方を過剰に使用する方法を挙げることができる。
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、イソフタル酸4.2部、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン9.7部及びN−メチル−2−ピロリドン100部を加え0℃に冷却した。その後、N−メチルモルホリン7.6部を攪拌下で滴下し、15分間反応させ、下記式(3)
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸6.5部、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン9.7部及びN−メチル−2−ピロリドン100部を加え0℃に冷却した。その後、N−メチルモルホリン7.6部を攪拌下で滴下し、15分間反応させ、下記式(4)
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン3.1部、N−メチル−2−ピロリドン50部及びトリエチルアミン2.0部を加え0℃に冷却した。その後、イソフタル酸ジクロリド2.0部を添加し、20分間反応させ、下記式(3)
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20部、N−メチルピロリドン200部を攪拌溶解し、上記で得られたジジカルボン酸トリアジン活性エステルの樹脂粉末1を44部加え、20℃で6時間反応させ、ポリアミド樹脂の反応液を得た。メタノール2000部に投入し析出した樹脂を濾別し、更にメタノール200部で洗浄した後、メタノール還流して精製した。次いで室温まで冷却した後濾過し、濾過物を乾燥させてポリアミド樹脂粉末1を得た(収率96%)。ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPC)を用いてポリスチレン換算より求めた分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ69,000および1.7であった。また、この樹脂粉末4gとミリポア水40gを121℃、20時間で処理し、抽出水をイオンクロマトグラムにてイオン性不純物(P系イオン、Clイオン)を分析した。その結果を表1に示す。
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20部、N−メチルピロリドン200部を攪拌溶解し、上記で得られたジカルボン酸トリアジン活性エステルの樹脂粉末2を54部加え、20℃で6時間反応させ、ポリアミド樹脂の反応液を得た。メタノール2000部に投入し析出した樹脂を濾別し、更にメタノール200部で洗浄した後、メタノール還流して精製した。次いで室温まで冷却した後濾過し、濾過物を乾燥させてポリアミド樹脂粉末2を得た(収率98%)。GPCを用いてポリスチレン換算より求めた分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ59,000及び1.8であった。また、この樹脂粉末4gとミリポア水40gを121℃、20時間で処理し、抽出水をイオンクロマトグラムにてイオン性不純物(P系イオン、Clイオン)を分析した。その結果を表1に示す。
温度計、窒素導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施し、イソフタル酸16.0部、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0部、塩化リチウム1.0部、N−メチルピロリドン108.0部、ピリジン23.0部を加え撹拌溶解させた後、亜りん酸トリフェニル50.0部を加えて90℃で8時間反応させ、ポリアミド樹脂の反応液を得た。メタノール1000部に投入し析出した樹脂を濾別し、更にメタノール200部で洗浄した後、メタノール還流して精製した。次いで室温まで冷却した後濾過し、濾過物を乾燥させて比較例樹脂粉末1を得た(収率96%)。GPCを用いてポリスチレン換算より求めた分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ71,000及び2.1であった。この樹脂粉末4gとミリポア水40gを121℃、20時間で処理し、抽出水をイオンクロマトグラムにてイオン性不純物(P系イオン、Clイオン)を分析した。その結果を表1に示す。
比較例樹脂粉末1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを3,4’−ジアミノジフェニルエーテルに変更した以外は同様にして、ポリアミド樹脂の反応液と比較例樹脂粉末2を得た(収率98%)。GPCを用いてポリスチレン換算より求めた分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ63,000及び1.9であった。この樹脂粉末4gとミリポア水40gを121℃、20時間で処理し、抽出水をイオンクロマトグラムにてイオン性不純物(P系イオン、Clイオン)を分析した。結果を表1に示した。
Claims (6)
- R2が、炭素数1〜4のアルキル基である請求項1に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- 式(1)の、R4が水素原子であり、Xが直接結合、O、SO2又はCOである請求項3に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- 前記ジアミン化合物が、下記式(B)
H 2 N−R 3 −NH 2 (B)
(式(B)中、R 3 は、構造中にO、N、S、F及びSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む2価の芳香族残基または、炭素数1〜12の2価の有機基を示す。)で表される請求項1〜4の何れかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。 - 前記ジアミン化合物が、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、ジアミノキシレン、ジアミノメシチレン、ジアミノデュレン、ジアミノアゾベンゼン、ジアミノナフタレン、ジアミノビフェニル、ジアミノジメトキシビフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジメチルジフェニルエーテル、メチレンジアニリン、メチレンビス(メチルアニリン)、メチレンビス(ジメチルアニリン)、メチレンビス(メトキシアニリン)、メチレンビス(ジメトキシアニリン)、メチレンビス(エチルアニリン)、メチレンビス(ジエチルアニリン)、メチレンビス(エトキシアニリン)、メチレンビス(ジエトキシアニリン)、イソプロピリデンジアニリン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアニリン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジメチルベンゾフェノン、ジアミノアントラキノン、ジアミノジフェニルチオエーテル、ジアミノジメチルジフェニルチオエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルホキシド、ジアミノフルオレン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビスアミノメチルシクロペンタン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスアミノメチルノルボルナン、またはビスアミノメチルトリシクロデカンである、請求項1〜4の何れかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
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