JP5777115B2 - 多能性幹細胞から中胚葉細胞への分化誘導法 - Google Patents

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Description

胚性幹細胞(ES細胞)や体細胞へ未分化細胞特異的遺伝子を導入することで得られる人工多能性幹細胞(iPS細胞)など多能性を有する細胞がこれまでに報告されている(特許文献1または2)。そこで、これらの多能性幹細胞から分化誘導された細胞を移植する再生医療やin vitroでの病態モデルの作製に注目されている。これまで胚性幹細胞から血球系細胞を作製する方法として、胚様体の形成とサイトカインの添加による方法(非特許文献1〜3)または異種由来のストローマ細胞との共培養法(非特許文献4)が用いられている。しかし、胚様体を経る方法では、一部の細胞のみが血球系細胞になるのみで、その他多数は別の細胞種へと分化誘導される。また、病態モデルの作製において常に同じモデルを用意するためには、できる限り不確定要素を無くすために、培地は成分の限定されたものを用いることが好ましい。
しかし、これまで、胚様体の形成や異種細胞との共培養法を用いず、尚且つ限定された成分の培地を用いる方法で多能性幹細胞から中胚葉、さらには造血幹細胞または造血前駆細胞が作製されたことはない。
USP 5,843,780 WO 2007/069666
Chadwick et al. Blood 2003, 102: 906-15 Vijayaragavan et al. Cell Stem Cell 2009, 4: 248-62 Saeki et al. Stem Cells 2009, 27: 59-67 Niwa A et al. J Cell Physiol. 2009 Nov;221(2):367-77.
本発明の目的は、多能性幹細胞から効率よく中胚葉および造血幹細胞または造血前駆細胞を製造することである。したがって、本発明の課題は、ヒト多能性幹細胞、特にヒト人工多能性幹細胞を中胚葉および造血幹細胞または造血前駆細胞へ分化誘導する培養条件を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、まず多能性幹細胞を単独で、血清を含まない培地を用いて、BMP4およびVEGF等のサイトカインを適宜添加して、接着培養することにより中胚葉細胞を作製した。続いて、この中胚葉細胞へ造血因子を添加し培養を続けることで造血幹細胞または造血前駆細胞を分化誘導した。
以上の結果から、本発明者らは、多能性幹細胞を適切な培養条件で培養し、限定的な条件にて中胚葉細胞の分化誘導を経ることで、効率よく造血幹細胞または造血前駆細胞を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明の一つの態様は、無血清培地で、胚様体を形成させず、かつ、異種細胞と共培養することなく多能性幹細胞を培養する工程を含む、中胚葉細胞を製造する方法を提供することである。
本発明の他の態様は、BMP4およびVEGFを含むサイトカインを無血清培地へ添加する、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記中胚葉細胞を製造する方法は以下の工程を含む、前記方法を提供することである。
(1)BMP4を含む無血清培地で多能性幹細胞を培養する工程、および
(2)工程(1)で得られた細胞をVEGFを含む無血清培地で培養する工程。
本発明の他の態様は、工程(2)の無血清培地がさらにSCFを含む、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、工程(1)および(2)の無血清培地がさらにWnt3aを含む、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程(1)が4日間行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程(2)が2日間行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記培養は、Matrigel(商標)でコートされた培養器で行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、以下の工程を含む、前記方法を提供することである。
(i)BMP4のみの存在下で多能性幹細胞を培養する工程、
(ii)BMP4およびWnt3aの存在下で多能性幹細胞を培養する工程、および
(iii)VEGFおよびWnt3aの存在下で多能性幹細胞を培養する工程。
本発明の他の態様は、前記工程(i)が1日間行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程(ii)が3日間行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程(iii)が2日間行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、培地中のBMP4の濃度が10ng/mL〜40ng/mLである、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、培地中のWnt3aの濃度が10ng/mL〜20ng/mLである、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、培地中のVEGFの濃度が10ng/mL〜20ng/mLである、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記中胚葉細胞が、KDR陽性およびCD34陽性細胞を含む、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、a) 請求項1に記載の方法で中胚葉細胞を製造する工程、および
b) 中胚葉細胞から造血幹細胞、造血前駆細胞、骨髄系細胞、巨核球、赤血球および/または好中球を製造する工程を含む、造血幹細胞、造血前駆細胞、骨髄系細胞、巨核球、赤血球および/または好中球の製造方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程b)は工程a)で得られた中胚葉細胞を造血因子の存在下で培養することによって行われる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記造血因子が、SCF、TPO、EPO、IL-3、 Flt3-ligand、FP-6およびG-CSFからなる群より選ばれる、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記造血因子が、SCF、TPO、IL-3、 Flt3-ligandおよびG-CSFである、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記造血因子が、SCF、TPO、IL-3、FP-6およびEPOである、前記方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記工程(b)が9日以上の間行われる、前記方法を提供することである。
造血幹細胞および/または造血前駆細胞の分化誘導のスキームを示す。段階を図中の原始線条誘導段階(Step A)、中胚葉誘導段階(Step B)および造血幹細胞および/または造血前駆細胞誘導段階(StepC)に分ける。 Day 0(ES細胞)、Day 4(Step A)およびDay 6(Step B)における各マーカータンパク質の免疫染色像を示す(写真)。ここで、ICは、対照としてのDAPI染色のみの像である。 分化誘導開始から0日目、3日目、4日目、5日目および6日目における各マーカーの定量PCRの結果を示す。 BMP4およびWnt3aの添加量ならびにこれらの機能阻害タンパク質であるNoggin(BMP4阻害剤)およびDKK1(Wnt3a阻害剤)の添加の条件ごとのTの発現量を定量PCRで測定した結果を示す。グラフ下には、各添加物の濃度(ng/mL)を示す。 上図は、分化誘導開始から0日目、3日目、4日目、5日目および6日目におけるKDRおよびCD34を検出したフローサイトメトリーの結果を示す。一方、下図は、6日目におけるCD45を検出したフローサイトメトリーの結果を示す。 分化誘導開始から7日目、9日目、15日目、18日目および35日目における位相差顕微鏡像を示す(写真)。15日目、18日目および35日目の下段は各像の拡大像を示す。 分化誘導開始から6日目から骨髄系誘導因子カクテル(Cocktail A)および巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテル(Cocktail B)へ培地を交換して24日間培養した細胞の各染色像を示す(写真)。上パネルは、メイ・ギムザ染色であり、下パネル左はMPO染色、中央と右パネルはそれぞれhHbおよびCD41による免疫染色を示す。パネル中Eryは赤血球を示し、Mkは巨核球を示す。 分化誘導開始から6日目から骨髄系誘導因子カクテル(Cocktail A)および巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテル(Cocktail B)へ培地を交換して、さらに24日間培養した細胞における各マーカータンパク質の発現を検出したフローサイトメトリーの結果を示す。 各多能性幹細胞(Kh-1およびKh-3:ES細胞、B7およびG4:iPS細胞)の巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルでの分化誘導30日目の各マーカータンパク質の発現した細胞を検出したフローサイトメトリーの結果を示す。 Cocktail Bを用いた分化誘導開始から15日目、30日目および45日目におけるヘモグロビンのα-グロビン(αHb)、ε-グロビン(εHb)、γ-グロビン(γHb)およびβ-グロビン(βHb)による染色像を示す(写真)。 各日数での分化誘導細胞および対照細胞としての臍帯血ならびに成人骨髄(Adult BM)における、ε-グロビン(εHb)、γ-グロビン(γHb)およびβ-グロビン(βHb)の陽性細胞数を示す。 各分化誘導日数におけるCD34およびCD117の陽性細胞の含有率を示す。 コロニー形成試験における各コロニーの代表的な位相差顕微鏡像を示す(写真)。CFU-Mix、BFU-E、CFU-GMおよびCFU-Gは、それぞれ、混合コロニー形成単位、前期赤芽球系前駆細胞、顆粒球単球コロニー形成細胞および顆粒球コロニーを意味する。 分化誘導日数ごとの各コロニー形成単位の個数を示す。 分化誘導20日目における、CD34、CD38およびCD90の発現を確認したフローサイトメトリーの結果を示す。 GFP陽性ES細胞と通常のES細胞を分化誘導後に混合させるスキームと分化誘導6日目と22日目における蛍光顕微鏡像を示す。 培地をBMP4含有培地に交換した(この培地交換はVEGF含有培地を用いた分化誘導の4日後に行われた)後2日間培養した細胞におけるKDRとCD34の発現を確認したフローサイトメトリーの結果を示す。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明は、上記のとおり、無血清培地で、胚様体を形成させずに、かつ、異種細胞と共培養することなく多能性幹細胞を培養する工程を含む、多能性幹細胞から中胚葉細胞を製
造する方法に関する。
<多能性幹細胞>
本発明で使用可能な多能性幹細胞は、生体に存在するすべての細胞に分化可能である多能性を有し、かつ、増殖能をも併せもつ幹細胞であり、それには、以下のものに限定されないが、例えば胚性幹(ES)細胞、核移植により得られるクローン胚由来の胚性幹(ntES)細胞、精子幹細胞(「GS細胞」)、胚性生殖細胞(「EG細胞」)、人工多能性幹(iPS)細胞などが含まれる。好ましい多能性幹細胞は、ES細胞、ntES細胞、およびiPS細胞である。
(A) 胚性幹細胞
ES細胞は、ヒトやマウスなどの哺乳動物の初期胚(例えば胚盤胞)の内部細胞塊から樹立された、多能性と自己複製による増殖能を有する幹細胞である。
ES細胞は、受精卵の8細胞期、桑実胚後の胚である胚盤胞の内部細胞塊に由来する胚由来の幹細胞であり、成体を構成するあらゆる細胞に分化する能力、いわゆる分化多能性と、自己複製による増殖能とを有している。ES細胞は、マウスで1981年に発見され(M.J. Evans and M.H. Kaufman (1981), Nature 292:154-156)、その後、ヒト、サルなどの霊長類でもES細胞株が樹立された (J.A. Thomson et al. (1999), Science 282:1145-1147; J.A. Thomson et al. (1995), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:7844-7848;J.A. Thomson et al. (1996), Biol. Reprod., 55:254-259; J.A. Thomson and V.S. Marshall (1998), Curr. Top. Dev. Biol., 38:133-165)。
ES細胞は、対象動物の受精卵の胚盤胞から内部細胞塊を取出し、内部細胞塊を線維芽細胞のフィーダー上で培養することによって樹立することができる。また、継代培養による細胞の維持は、白血病抑制因子(leukemia inhibitory factor (LIF))、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor (bFGF))などの物質を添加した培地を用いて行うことができる。ヒトおよびサルのES細胞の樹立と維持の方法については、例えばH. Suemori et al. (2006), Biochem. Biophys. Res. Commun., 345:926-932; M. Ueno et al. (2006), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:9554-9559; H. Suemori et al. (2001), Dev. Dyn., 222:273-279;H. Kawasaki et al. (2002), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:1580-1585などに記載されている。
ES細胞作製のための培地として、例えば0.1mM 2-メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸、2mM L-グルタミン酸、20% KSR及び4ng/ml β‐FGFを補充したDMEM/F-12培地を使用し、37℃、2% CO2/98% 空気の湿潤雰囲気下でヒトES細胞を維持することができる(O.
Fumitaka et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:215-224)。また、ES細胞は、3〜4日おきに継代する必要があり、このとき、継代は、例えば1mM CaCl2及び20% KSRを含有するPBS中の0.25% トリプシン及び0.1mg/mlコラゲナーゼIVを用いて行うことができる。
ES細胞の選択は、一般に、アルカリホスファターゼ、Oct-3/4、Nanogなどの遺伝子マーカーの発現を指標にしてReal-Time PCR法で行うことができる。特に、ヒトES細胞の選択では、OCT-3/4、NANOG、ECADなどの遺伝子マーカーの発現を指標とすることができる(E. Kroon et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:443-452)。
ヒトES細胞株である例えばKhES-1、KhES-2及びKhES-3は、京都大学再生医科学研究所(京都、日本)から入手可能である。
(B) 精子幹細胞
精子幹細胞は、精巣由来の多能性幹細胞であり、精子形成のための起源となる細胞である。この細胞は、ES細胞と同様に、種々の系列の細胞に分化誘導可能であり、例えばマウ
ス胚盤胞に移植するとキメラマウスを作出できるなどの性質をもつ(M. Kanatsu-Shinohara et al. (2003) Biol. Reprod., 69:612-616; K. Shinohara et al. (2004), Cell, 119:1001-1012)。神経膠細胞系由来神経栄養因子(glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF))を含む培地で自己複製可能であるし、またES細胞と同様の培養条件下で継代を繰り返すことによって、精子幹細胞を得ることができる(竹橋正則ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊),41〜46頁,羊土社(東京、日本))。
(C) 胚性生殖細胞
胚性生殖細胞は、胎生期の始原生殖細胞から樹立される、ES細胞と同様な多能性をもつ細胞であり、LIF、bFGF、幹細胞因子(stem cell factor)などの物質の存在下で始原生殖細胞を培養することによって樹立しうる(Y. Matsui et al. (1992), Cell, 70:841-847; J.L. Resnick et al. (1992), Nature, 359:550-551)。
(D) 人工多能性幹細胞
人工多能性幹(iPS)細胞は、ある特定の再プログラミング因子を、DNA又はタンパク質の形態で体細胞に導入することによって作製することができる、ES細胞とほぼ同等の特性、例えば分化多能性と自己複製による増殖能、を有する体細胞由来の人工の幹細胞である(K. Takahashi and S. Yamanaka (2006) Cell, 126:663-676; K. Takahashi et al. (2007), Cell, 131:861-872; J. Yu et al. (2007), Science, 318:1917-1920; Nakagawa, M.ら,Nat. Biotechnol. 26:101-106 (2008);国際公開WO 2007/069666)。再プログラム化因子は、ES細胞に特異的に発現している遺伝子またはES細胞の未分化維持に重要な役割を果たす遺伝子もしくはその遺伝子産物であれば良く、特に限定されないが、例えばOCT3/4、SOX2及びKLF4; OCT3/4、KLF4及びC-MYC; OCT3/4、SOX2、KLF4及びC-MYC; OCT3/4及びSOX2; OCT3/4、SOX2及びNANOG; OCT3/4、SOX2及びLIN28; OCT3/4及びKLF4などの組み合わせである。
これらの因子は、タンパク質の形態で、例えばリポフェクション、細胞膜透過性ペプチドとの結合、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入してもよいし、あるいは、DNAの形態で、例えば、ウイルス、プラスミド、人工染色体などのベクター、リポフェクション、リポソーム、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入することができる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター(以上、Cell, 126, pp.663-676, 2006; Cell, 131, pp.861-872, 2007; Science, 318, pp.1917-1920, 2007)、アデノウイルスベクター(Science, 322, 945-949, 2008)、アデノ随伴ウイルスベクター、センダイウイルスベクターなどが例示される。また、人工染色体ベクターとしては、例えばヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC、PAC)などが含まれる。プラスミドとしては、哺乳動物細胞用プラスミドを使用しうる(Science, 322:949-953, 2008)。ベクターには、核初期化物質が発現可能なように、プロモーター、エンハンサー、リボゾーム結合配列、ターミネーター、ポリアデニル化サイトなどの制御配列を含むことができるし、さらに、必要に応じて、薬剤耐性遺伝子(例えばカナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子など)、チミジンキナーゼ遺伝子、ジフテリアトキシン遺伝子などの選択マーカー配列、緑色蛍光タンパク質(GFP)、βグルクロニダーゼ(GUS)、FLAGなどのレポーター遺伝子配列などを含むことができる。また、上記ベクターには、体細胞への導入後、再プログラミング化因子をコードする遺伝子もしくはプロモーターとそれに結合する再プログラミング化因子をコードする遺伝子を共に切除するために、それらの前後にloxP配列を有してもよい。
再プログラム化に際して、誘導効率を高めるために、上記の因子の他に、例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤[例えば、バルプロ酸 (VPA)(Nat. Biotechnol., 26(7): 795-797 (2008))、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻
害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA(例、HDAC1 siRNA SmartpoolO(Millipore)、HuSH 29mer shRNA Constructs against HDAC1 (OriGene)等)等の核酸性発現阻害剤など]、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば5’-azacytidine)(Nat. Biotechnol., 26(7): 795-797 (2008))、G9aヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤[例えば、BIX-01294
(Cell Stem Cell, 2: 525-528 (2008))等の低分子阻害剤、G9aに対するsiRNAおよびshRNA(例、G9a siRNA(human) (Santa Cruz Biotechnology)等)等の核酸性発現阻害剤など]、L-channel calcium agonist (例えばBayk8644) (Cell Stem Cell, 3, 568-574 (2008))、p53阻害剤(例えばp53に対するsiRNAおよびshRNA (Cell Stem Cell, 3, 475-479 (2008))、UTF1(Cell Stem Cell, 3, 475-479 (2008))、Wnt Signaling(例えばsoluble Wnt3a)(Cell Stem Cell, 3, 132-135 (2008))、2i/LIF (2iはmitogen-activated protein kinase signallingおよびglycogen synthase kinase-3の阻害剤、PloS Biology, 6(10), 2237-2247 (2008))、miR-291-3p、miR-294、miR-295などのmiRNA(R.L. Judson et al., Nat. Biotech., 27:459-461) (2009)等を使用することができる。
iPS細胞誘導のための培養培地としては、例えば(1) 10〜15%FBSを含有するDMEM、DMEM/F12又はDME培地(これらの培地にはさらに、LIF、penicillin/streptomycin、puromycin、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)、(2) bFGF又はSCFを含有するES細胞培養用培地、例えばマウスES細胞培養用培地(例えばTX-WES培地、トロンボX社)又は霊長類ES細胞培養用培地(例えば霊長類(ヒト&サル)ES細胞用培地、リプロセル、京都、日本)、などが含まれる。
培養法の例としては、たとえば、37℃、5%CO2存在下にて、10%FBS含有DMEM又はDMEM/F12培地上で体細胞と再プログラム化因子(DNA又はタンパク質)を接触させ約4〜7日間培養し、その後、細胞をフィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上にまきなおし、体細胞と再プログラム化因子の接触から約10日後からbFGF含有霊長類ES細胞培養用培地で培養し、該接触から約30〜約45日又はそれ以上ののちにiPS様コロニーを生じさせることができる。
あるいは、その代替培養法として、37℃、5% CO2存在下にて、フィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上で10%FBS含有DMEM培地(これにはさらに、LIF、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)で培養し、約25〜約30日又はそれ以上ののちにES様コロニーを生じさせることができる。
上記培養の間には、培養開始2日目以降から毎日1回新鮮な培地と培地交換を行う。また、核初期化に使用する体細胞の細胞数は、限定されないが、通常、培養ディッシュ100cm2あたり約5×103〜約5×106細胞の範囲である。
マーカー遺伝子として薬剤耐性遺伝子を含む遺伝子を用いた場合は、対応する薬剤を含む培地(選択培地)で培養を行うことによりマーカー遺伝子発現細胞を選択することができる。またマーカー遺伝子が蛍光タンパク質遺伝子の場合は蛍光顕微鏡で観察することによって、発光酵素遺伝子の場合は発光基質を加えることによって、また発色酵素遺伝子の場合は発色基質を加えることによって、マーカー遺伝子発現細胞を検出することができる。
本明細書中で使用する「体細胞」なる用語は、卵子、卵母細胞、ES細胞などの生殖系列細胞または分化全能性細胞を除くあらゆる動物細胞(好ましくは、ヒトを含む哺乳動物細胞)をいう。体細胞には、非限定的に、胎児(仔)の体細胞、新生児(仔)の体細胞、及び成熟した健全なもしくは疾患性の体細胞のいずれも包含されるし、また、初代培養細胞、継代細胞、及び株化細胞のいずれも包含されるし、さらにまた、組織幹細胞や組織前駆細胞
も包含される。具体的には、体細胞は、非限定的に、例えば(1)神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、歯髄幹細胞等の組織幹細胞(体性幹細胞)、(2)組織前駆細胞、(3)リンパ球、上皮細胞、内皮細胞、筋肉細胞、線維芽細胞(皮膚細胞等)、毛細胞、肝細胞、胃粘膜細胞、腸細胞、脾細胞、膵細胞(膵外分泌細胞等)、脳細胞、肺細胞、腎細胞、皮膚細胞等の分化した細胞などを包含する。
(E) 核移植により得られたクローン胚由来のES細胞
nt ES細胞は、核移植技術によって作製されたクローン胚由来のES細胞であり、受精卵由来のES細胞とほぼ同じ特性を有している (T. Wakayama et al. (2001), Science, 292:740-743; S. Wakayama et al. (2005), Biol. Reprod., 72:932-936; J. Byrne et al.
(2007), Nature, 450:497-502)。すなわち、未受精卵の核を体細胞の核と置換することによって得られたクローン胚由来の胚盤胞の内部細胞塊から樹立されたES細胞がnt ES(nuclear transfer ES)細胞である。nt ES細胞の作製のためには、核移植技術(J.B. Cibelli et al. (1998), Nature Biotechnol., 16:642-646)とES細胞作製技術(上記)との組み合わせが利用される(若山清香ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊), 47〜52頁)。核移植においては、哺乳動物の除核した未受精卵に、体細胞の核を注入し、数時間培養することで再プログラム化することができる。
<多能性幹細胞の中胚葉細胞への分化誘導方法>
本発明において、中胚葉とは、発生の過程で体腔およびそれを裏打ちする中皮、筋肉、骨格、皮膚真皮、結合組織、心臓・血管(血管内皮も含む)、血液(血液細胞も含む)、リンパ管や脾臓、腎臓および尿管、性腺(精巣、子宮、性腺上皮)をつくる能力を有した細胞から構成される胚葉を包含する。例えば、T(Brachyuryと同義)、KDR、FOXF1、FLK1、BMP4、MOX1およびSDF1のようなマーカーの発現により示される。好ましくは、TおよびKDRを発現する細胞である。本発明において、中胚葉細胞は他の細胞と分離される必要はない。中胚葉細胞は造血幹細胞や造血前駆細胞とともに含まれていてもよい。
本発明において、造血幹細胞とは、T細胞、B細胞、赤血球、血小板、好酸球、単球、好中球、好塩基球などの成熟血液細胞を作り出す能力を有し、かつ自己複製能を有する細胞をいう。また上記造血前駆細胞とは造血幹細胞より分化が進み、細胞の分化の方向が決定した細胞であり、自己複製能をもたない細胞をいう。いずれの細胞も、例えば、特に限定されないが、KDR、CD34、CD90およびCD117のようなマーカーの発現により示される。
本発明の多能性幹細胞から中胚葉細胞への分化誘導方法においては、多能性幹細胞は、無血清培地で、胚様体を形成させず、かつ、異種細胞と共培養せずに培養される。
「血清」としてはヒト血清、サル血清、ウシ胎児血清、ウシ血清、ブタ血清、ウマ血清、ロバ血清、ニワトリ血清、ウズラ血清、羊血清、ヤギ血清、イヌ血清、ネコ血清、ウサギ血清、ラット血清、モルモット血清及びマウス血清が例示され、血清を用いない培養条件とは、上記血清を含まない培地で培養することを意味し、好ましくは培地に含有される成分が明確であり、より好ましくは、アルブミンまたはアルブミン代替物、トランスフェリンまたはトランスフェリン代替物、インシュリンまたはインシュリン代替物、および亜セレン酸のいずれか一つを含有した培地で培養してもよい。本発明において、好ましい培地とは、基本培地に、さらにサイトカインを加えて作製されてもよい。ここで、基本培地には、最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、Hematopoietic Stem Cell Expansion Medium (Stemline II)などを用いてもよい。本発明において、好ましい培地は、インスリン、トランスフェリンおよびセレニウムを含むStemline IIである。Stemline II はSigma-Aldrich Corporation から
製品番号S0192として購入できる。インスリン、トランスフェリンおよびセレニウムの混合物はSigma-Aldrich Corporationから ITS-X サプリメントとして購入できる。
分化効率の観点から、培養は低酸素条件で行われてもよい。本発明において、低酸素条件とは、20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満である(ただし、これらには限定されない)。
より好ましくは、本発明の方法において、多能性幹細胞は下記の工程により培養され、中胚葉細胞を生成する。
(1)多能性幹細胞をBMP4を含む無血清培地で培養する、および
(2)(1)で得られた細胞をVEGFを含む無血清培地で培養する。
上記方法において、工程(2)の培地はさらにSCFを含むことが好ましい。
他の態様では、上記方法において、工程(1)および(2)の培地は、さらにWnt3aを含む。
さらに好ましくは、上記中胚葉細胞の製造方法は、次の工程を含む。
(i)多能性幹細胞をBMPの存在下、Wnt3aなしで培養する、
(ii) 工程(i) で得られた細胞をBMP4 とWnt3aの存在下で培養する、および
(iii) 工程(ii)で得られた細胞をVEGFとWnt3aの存在下で培養する。
工程(2)または工程(iii)の後に得られた細胞は、中胚葉細胞に加えて、造血幹細胞および/または造血前駆細胞をいくらか含む。しかしながら、工程(2)または工程(iii)で得られた中胚葉細胞から造血幹細胞および/または造血前駆細胞への分化を誘導するためには、工程(2)または工程(iii)で得られた中胚葉細胞を造血因子の存在下で培養することが好ましい(工程 (3) または (iv))。この工程 (3) または (iv)は、工程(2)または工程(iii)で得られた中胚葉細胞を骨髄系細胞、巨核球、赤血球および/または好中球に分化誘導するために好ましい工程である。
「造血因子」とは、血球の分化・増殖を促進する因子であり、ステムセルファクター(Stem Cell Factor(SCF))、コロニー刺激因子(Coloney-Stimulating Factor (CSF))、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte- (G-)CSF)、エリスロポエチン(Erythropoietin (EPO))、インターロイキン類、トロンボポエチン(Thrombopoietin(TPO))およびFlt3リガンドなどがある。ここで、インターロイキン類は、白血球から分泌されるタンパク質で、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、およびIL-9などを含む30種以上がある。また、本発明においてインターロイキン類には、IL-6レセプターとIL-6の融合蛋白質(特開2001−161350)を含んでも良い。本発明において、造血因子は好ましくはSCF, TPO, EPO, IL-3, Flt3-ligand, FP-6およびG-CSFからなる群より選択され、本発明において、造血因子は、好ましくは、SCF、TPO、IL-3、 Flt3-ligandおよびG-CSFもしくはSCF、TPO、IL-3、FP-6およびEPOの組み合わせ、またはSCF, IL-3およびG-CSFの組み合わせである。
培地に添加される各サイトカインの濃度は、目的の細胞が得られる濃度であれば特に問わないが、BMP4の場合は、5 ng/mlから50 ng/mlでもよく、好ましくは、20 ng/mlから40 ng/mlである。Wnt3a の場合は、5 ng/mlから50 ng/mlでもよく、好ましくは、10 ng/mlから20 ng/mlである。VEGFの場合は、5 ng/mlから50 ng/mlでもよく、好ましくは、10 ng/mlから20 ng/mlである。SCFの場合は、20 ng/mlから100 ng/mlであり、好ましくは、50 ng/mlである。IL-3の場合は、5 ng/mlから50 ng/mlであり、好ましくは、10 ng/mlである。TPOの場合は、5 ng/mlから50 ng/mlであり、好ましくは、5 ng/mlである。Flt3リガンド
の場合は、10 ng/mlから200 ng/mlであり、好ましくは、50 ng/mlである。G-CSFの場合は、20 ng/mlから100 ng/mlであり、好ましくは、50 ng/mlである。FP-6の場合は、20 ng/mlから100 ng/mlであり、好ましくは、50 ng/mlである。EPOの場合は、1 IU/mlから20 IU/mlであり、好ましくは、2.5 IU/mlである。
各サイトカインの存在下での培養期間は、上記工程(1)の場合は、2日以上であり、4日以上が好ましく、4日がより好ましい。上記工程(2)の場合は、2日以上であり、2日がより好ましい。上記工程(i)の場合は、1日以上であり、好ましくは、1日以上6日以下であり、より好ましくは、約1日である。上記工程(ii)の場合は、2日以上であり、好ましくは、2日以上8日以下であり、より好ましくは、約3日である。上記工程(iii)の場合は、1日以上であり、好ましくは、1日以上6日以下であり、より好ましくは約2日である。「(4)造血因子を添加」は、5日以上であり、中胚葉細胞から、さらに骨髄系細胞、巨核球および赤血球を製造するためには、より長期間であることが好ましい。
「胚様体」とは、多能性幹細胞を浮遊培養中に観察される胚状の形態を示す細胞塊であり、中でも受精卵以外の細胞から誘導され、受精卵からの胚発生と極めて類似した形態発生をたどる構造物である。「胚様体を形成しない」培養条件とは、より具体的には接着培養を意味する。本発明の接着培養において、細胞を接着させる前に、培養皿へ予めゼラチン、ヒアルロン酸、ラミニン、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、エナクチン等をコートしてもよく、好ましくは、Growth factor-reduced Matrigel(BD Biosciences)をコートした培養皿を用いることである。
「異種細胞」とは、多能性幹細胞の由来となった動物種とは異なる細胞を意味し、より好ましくは対象となる多能性幹細胞以外の細胞を意味する。ヒト多能性幹細胞を用いる場合、異種細胞は、非ヒト細胞である。
本発明の製造方法では、中胚葉細胞の製造を目的としているが、中胚葉細胞がその一部に含まれていればよく、中胚葉前駆細胞、中内胚葉細胞、造血幹細胞および/または造血前駆細胞、骨髄系細胞、巨核芽細胞、血小板、顆粒球、赤芽球、赤血球、血管内皮細胞および血管内皮前駆細胞を含有していても良い。
本発明において、「骨髄系細胞」とは、好酸球、単球、好中球および好塩基球を生成しうる細胞を意味する。これらの細胞は、CD45, CD19, CD13 CD33 およびMPOのようなマーカー(マーカーの種類は限定されない)の発現によって検出することができる。
本発明において、「巨核球」とは、血小板を生成しうる細胞を意味する。これらの細胞は、CD41a, 41b および 42b のようなマーカー(マーカーの種類は限定されない)の発現によって検出することができる。
本発明において、「赤血球」とは、ヘモグロビンに富んでおり、ヘモグロビンのα-globin, ε-globin, γ-globin およびβ-globinのようなマーカー(マーカーの種類は限定されない)の発現によって検出することができる。成熟した赤血球の場合は、α-globinおよびβ-globinが好ましいマーカーである。
本発明において、「好中球」はCD16 (Fc-gamma-RIIIB)のようなマーカー(マーカーの種類は限定されない)の発現によって検出することができる。
本発明を以下の実施例でさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はそれら実施例に限定されないものとする。
細胞および培養
ヒトES細胞(KhES-1およびKhES-3)は、京都大学再生医科学研究所より受領し、従来の方法で培養した(Suemori H, et al. Biochem Biophys Res Commun. 345:926-32, 2006)。ヒトiPS細胞(253G1(G1)、253G4(G4)、207B6(B6)および207B7(B7))は、京都大学の山中教授より受領し、従来の方法で培養した(Takahashi K, et al. Cell. 131:861-72, 2007およびNakagawa M, et al. Nat Biotechnol. 26:101-6, 2008)。
実施例1
造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む中胚葉への分化誘導
図1Aに記載のStep AおよびStep Bのスキームにて、造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む中胚葉を作製した。詳細には、未分化状態に維持したKhES-3をGrowth factor-reduced Matrigel(BD Biosciences)コートディッシュ上で、Stemline II(S0192, Sigma) に ITS-X(Gibco)を添加した培地へ、20ng/mlのBMP4を加えた培地で1日間培養した後、さらに10ng/mlのWnt3aを加えた培地でさらに3日間培養した。続いて、Stemline II へ ITS-Xを添加した培地へ10ng/mlのWnt3aと10ng/mlのVEGFを加えた培地へ交換した後、2日間培養した。その結果、3日目もしくは4日目より中胚葉マーカーであるTおよびKDRならびに胚体内胚葉マーカーであるMixl1の発現が確認された(図1Bおよび図2)。またこの時、未分化マーカーであるOct3/4およびNanogの発現が消失することも確認された。
Tの発現を指標としてBMP4およびWnt3aの最適濃度を検討したところ、BMP4は、20ng/ml以上であることが望ましいことが確認された。同様に、Wnt3aは、10ng/ml以上であることが望ましいことが確認された(図3)。尚、BMP4の阻害剤であるNogginを添加するとTの発現が消失することから、BMP4は分化誘導に必須であることが確認された。
続いて、分化誘導の各日数における細胞の変化をフローサイトメーターを用いて検討したところ、分化誘導した中胚葉には、KDR陽性CD34陽性CD45陰性細胞が含まれていることが確認された(図4)。以上より、本分化誘導法を用いることで、造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む中胚葉を誘導できることが確認された。
骨髄系細胞、巨核球および赤芽球細胞への分化誘導
上記の方法で得られた中胚葉を骨髄系誘導因子カクテル(Cocktail A)(50 ng/mL SCF(R&D Systems)、5 ng/mL TPO(協和発酵キリン)、50 ng/mL IL-3(R&D Systems)、 50 ng/mL Flt3-ligand (R&D Systems)および50 ng/mL G-CSF(協和発酵キリン))または巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテル(Cocktail B)(50 ng/mL SCF, 5 ng/mL TPO, 50 ng/mL IL-3, 50 ng/mL FP-6(協和発酵キリン)および 2.5 IU/mL EPO(協和発酵キリン))を用いて、5日毎に培地を交換して、図1A に記載のStep Cのように分化誘導を行った。すると、8日目よりコロニーの外側に嚢状の構造物が出現した(図5)。続いて12日から15日目に、浮遊する血液様細胞を確認した。
これらの血液様細胞の細胞系列を調べるため、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた分化誘導30日目の細胞へメイ・ギムザ染色、MPO (myeloperoxidase)染色および免疫染色を行った(図6A)。その結果、骨髄系誘導因子カクテルを用いた場合は、そのほとんどが骨髄単球性細胞系列であり、一部MPO染色陽性細胞であった。一方、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた場合は、骨髄単球性細胞系列だけでなく、ヘモグロビン陽性の赤血球細胞やCD41陽性の巨核芽球などを含む多数の血液細胞系列へと分化誘導されていた。
続いて、分化誘導30日目の細胞をフローサイトメトリーにより詳細にその系列を調べたところ、骨髄系誘導因子カクテルを用いた場合は、そのほとんどがCD13陽性CD45陽性の骨髄
単球性細胞系列であった(図6B )。一方、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた場合は、CD235(Glycophorin A)陽性および/またはCD45陽性の骨髄単球性細胞系列であった。これらの細胞系列への分化誘導は、ES細胞およびiPS細胞の細胞株の種類に関係なく、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた分化誘導30日目では、いずれの細胞株を用いてもほぼ同様の結果であった(図7)。
赤血球への分化誘導
巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた分化誘導により得られた浮遊した赤血球様細胞をメイ・ギムザ染色や免疫染色を用いて詳細に確認した(図8および図9)。15日間の分化誘導では、有核のε-グロビン陽性の細胞であった。一方、30日間の分化誘導では、明らかに形状が小さくなっており、一部脱核した細胞も見られた。この時、ε-グロビン陽性の細胞は減少し、γ-グロビンおよびβ-グロビン陽性細胞が出現した。さらに、45日間の分化誘導では、脱核された細胞が散見され、α-グロビンおよびβ-グロビン陽性細胞が出現した。以上より、本分化誘導法により、造血前駆細胞から赤血球へとの段階的な誘導が可能であった。
造血幹細胞および/または造血前駆細胞への分化誘導の確認
造血幹細胞および/または造血前駆細胞が、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた分化誘導により得られていることをフローサイトメトリーでCD34およびCD117(c-Kit)の発現を確認した(図10)。分化誘導15日目では両マーカーを発現した細胞が多く、分化誘導25日目までこれら2つのマーカーが発現した細胞が存在していることから、未熟な造血系細胞が培養されたことが確認された。
SCF、TPO、 IL3、 G-CSFおよびEPOを含むメチルセルロース培地を用いて、分化誘導した細胞のコロニー形成試験を行った。代表的なCFU-Mix、BFU-E、CFU-GMおよびCFU-Gを図11Aに示した。また、経時的なこれらのコロニー形成の変化を図11Bに示した。コロニー数は、8日目から10日目まで増加し、その後減少した。また、CFU-Mix、BFU-EおよびCFU-Mが15日目まで見られたが、次第に、CFU-GMおよびCFU-Gへと変化した。
さらに、フローサイトメーターを用いて、巨核芽球・赤芽球系誘導因子カクテルを用いた分化誘導20日目の細胞において、CD34、CD90およびCD38の発現を確認したところ、CD34陽性CD90陽性CD38陰性であった(図12)。
以上のように分化誘導を続けることで多種類の細胞系列が誘導されることや各マーカーの発現パターンから、本分化誘導法を用いることで、造血幹細胞および/または造血前駆細胞が得られていたと確認された。
続いて、分化誘導6日目、8日目および10日目に存在するKDR陽性CD34陽性細胞が、CD45陽性細胞または内皮細胞へと直接分化することを確認するため、GFPを強制発現させたKhES-3由来のKDR陽性CD34陽性細胞、KDR陽性CD34陰性細胞、KDR陰性細胞を、GFPを発現していないKhESを同様に分化させた細胞上で培養し、GFP陽性細胞をトレースすることで、ES細胞からの分化途中経過の環境下でどの分画の細胞が中胚葉細胞もしくは中胚葉前駆細胞へ分化しやすいのかを調べた(図13)。すると、KDRを発現している細胞において、血球もしくは内皮細胞への分化誘導が多く見られた。従って、本方法で分化誘導したKDR陽性細胞には造血能を有する中胚葉前駆細胞が含まれていることが確認された。
実施例2
造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む中胚葉への分化誘導
Growth factor-reduced Matrigelコートディッシュ上で2日間未分化状態を維持したKhES-1 またはKhES-3を、Stemline IIにITS-Xを添加しさらに20 ng/ml のBMP4を添加するこ
とによって調製された培地で、5%酸素条件で4日間培養した。その後、培地をStemline IIにITS-X、40 ng/ml VEGF および50ng SCFを加えた培地に交換し、細胞を5%酸素条件で2日間培養した。次いで、KDRおよびCD34陽性の細胞をフローサイトメトリーによって確認した(図14)。このようにして、本発明の分化誘導方法により、造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む中胚葉が誘導できることが確認できた。
好中球への分化
上記方法で得られた中胚葉を、Stemline IIにITS-X、50ng SCF、50ng IL-3および50ng G-CSFを加えた培地を用い、該培地を4〜5日ごとに交換しながら分化誘導した。その結果、細胞は、9日後には、好中球に分化誘導された。
本発明により、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞から、造血幹細胞および/または造血前駆細胞を作製することが可能になる。造血幹細胞および/または造血前駆細胞は、白血病や再生不良性貧血などの血液系疾患の治療を目的とした再生医療の分野で使用することができる。

Claims (10)

  1. 以下の培養工程により、多能性幹細胞を異種細胞と共培養することなく培養して中胚葉細胞を得ることを特徴とする、中胚葉細胞の製造方法
    (1)BMP4を含み、Wnt3aを含まない無血清培地で多能性幹細胞を接着培養する工程、
    (2)工程(1)で得られた細胞をBMP4およびWnt3aを含む無血清培地で接着培養する工程、および
    (3)工程(2)で得られた細胞をVEGFおよびWnt3aを含む無血清培地で接着培養する工程。
  2. 前記接着培養は、Matrigel(商標)でコートされた培養器で行われる、請求項に記載の方法。
  3. 前記工程(1)が1日間行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記工程(2)が3日間行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記工程(3)が2日間行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記中胚葉細胞が、KDR陽性およびCD34陽性細胞を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. a) 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法で中胚葉細胞を製造する工程、および
    b) a)の中胚葉細胞から造血幹細胞、造血前駆細胞、骨髄系細胞、巨核球、赤血球および/または好中球を製造する工程を含む、造血幹細胞、造血前駆細胞、骨髄系細胞、巨核球、赤血球および/または好中球の製造方法。
  8. 前記工程b)は工程a)で得られた中胚葉細胞を造血因子の存在下で培養することによって行われる、請求項に記載の方法。
  9. 前記造血因子が、SCF、TPO、EPO、IL-3、 Flt3-ligand、FP-6およびG-CSFからなる群より選ばれる、請求項に記載の方法。
  10. 前記工程(b)が9日以上の間行われる、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
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