JP5775924B2 - 官能化ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年3月31日に出願された米国仮特許出願第61/041,101号、2008年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/049,397号、及び2008年7月24日に出願された米国仮特許出願第61/083,243号の優先権を主張し、それらの全開示を本明細書に参照により組み込む。
タイヤトレッドのようなゴム製品は、多くの場合、例えば粒子状のカーボンブラック及びシリカ等の補強材を1種以上含むエラストマー組成物から製造される。例えば、「ザ バンダービルト ラバー ハンドブック」、第13版、1990年、603〜604頁参照。
良好なトラクション及び耐摩耗性はタイヤトレッドに対する主な考慮事項である。しかしながら、自動車の燃費への関心から、タイヤの動作中のヒステリシス及び発熱性の低減と相関する転がり抵抗の最小化が主張されている。これらの考慮事項は、大いに競合し、いくらか矛盾する。良好な路面トラクション性をもたらすように設計された組成物から製造されたトレッドは通常転がり抵抗の増大を示し、逆もまた同様である。
一種又は複数種の充填剤、一種又は複数種のポリマー、及び添加剤は、一般的に、これらの特性の許容可能な妥協又はバランスをもたらすように選択される。確実に、一種又は複数種の補強性充填剤を一種又は複数種のエラストマー材料全体に良く分散させることは、加工性を向上させるだけでなく、物理特性を向上させる役割を果たす。充填剤の分散は、一種又は複数種のエラストマーとの相互作用を高めることにより、向上させることができる。このタイプの工夫の例として、選択的に反応する促進剤の存在下での高温混合、配合材料の表面酸化、表面グラフト、及び、一般的にはその末端でのポリマーの化学的変性が挙げられる。
種々のエラストマー材料は、例えばタイヤ部品等の加硫物の製造によく用いられている。天然ゴムに加えて、最も一般的に用いられるものの幾つかとしては、多くの場合は触媒を用いる方法により製造される高シスポリブタジエン、及び、多くの場合はアニオン性の開始剤を用いる方法により製造される実質ランダムなスチレン/ブタジエンのインターポリマーが挙げられる。これらの方法の内の1つによって製造されたポリマーに組み込むことができる官能基は、たいてい、その他のタイプによって製造されたポリマーに組み込むことができない。
ランタニド系触媒を用いて製造されたシス-1,4-ポリジエンは、たいてい直鎖構造を有し、該直鎖構造は引張特性の向上、耐摩耗性及び耐疲労性の向上、並びにヒステリシスロスの減少をもたらすと考えられている。従って、かかるシス-1,4-ポリジエンは、サイドウォール及びトレッド等のタイヤ部品用に特に適している。
1つの態様においては、アミン基及び少なくとも1つの他のヘテロ原子含有基を含む末端官能基を有するポリマーを形成する方法を提供する。該方法は、末端が活性なポリマーを、O、P、S及びNから選択される少なくとも2つのヘテロ原子と少なくとも1つの>C=N−セグメントとを含む環構造を含む化合物と反応させる工程を含む。(該セグメントのN原子は少なくとも2つのヘテロ原子の内の1つを構成することができる。)この反応は、末端官能基を有するポリマーをもたらす。
前述の方法では、化合物は少なくとも2つのN原子を含むことができ、また、これが当てはまる場合、該化合物は、また、環系の同じ又は異なる環中に存在し得る少なくとも2つの>C=N−セグメントも含むことができる。必要に応じて、前記方法は、少なくとも1種の追加の活性末端ポリマーを化合物と反応させる工程を含むことができ、このことは粒子状充填剤と相互作用することが可能な末端官能基によって結合するポリマー鎖もたらす。
別の態様においては、不飽和マー単位及び末端官能基を含む少なくとも1つのポリマー鎖を含む高分子を提供する。末端官能基は、第2級アミン基と、O、P、S及びNから選択される少なくとも1つの追加のヘテロ原子とを含む環系を含む。前記高分子は、2つ以上のポリマー鎖を含むことができ、該ポリマー鎖のそれぞれは、末端官能基に化学的に結合している。前記高分子は、環系の同じ又は異なる環中に存在し得る2つ以上のN原子を含むことができる。
前述のそれぞれにおいて、幾つか又は総てのポリマー鎖は、好適にはポリエンマー単位を含む。特定の実施形態では、該ポリエンを共役ジエンとすることができ、また、得られる共役ジエンマーをポリマー鎖に沿って実質ランダムに組み込むことができる。
各態様において、ポリマーを実質直鎖状とすることができる。該実質直鎖状のポリマーは、末端部分として、O、P、S及びNから選択される少なくとも2つのヘテロ原子と、少なくとも1つの>C=N−セグメント(該セグメントのN原子は、少なくとも2つのヘテロ原子の内の1つを構成することができる)とを含む環系を含む化合物のラジカルを含むことができる。この化合物のラジカルは、ポリマーに、具体的に参照したセグメントのC原子によってポリマー鎖に結合する末端官能基を付与し、即ち、セグメントの二重結合はC原子とポリマー鎖のある原子、一般的にはC原子との間の結合に置換される。
追加の態様においては、官能化ポリマーを製造する別の方法を提供する。一般に、該方法は、活性末端ポリマー、具体的には疑似リビングポリマーをヒドラゾンと反応させてヒドラジン官能基を含むポリマーを形成する工程を含む。特定の態様では、ヒドラジン官能基を構成する窒素原子の1つは、環状部分の原子の1つを構成することができる。該ヒドラジン官能基は、任意選択的に第1級アミン基まで還元することができる。
前記の方法は、一般的にポリマーの末端に位置する、直接結合するヒドラゾンラジカルを含むポリマーを生成させることができる。特定の実施形態では、得られる官能化ポリマーはポリマー鎖として記載することができ、該鎖に直接結合する部分は、式:
−NH−NR'R” (I)
(式中、R'及びR”は、それぞれ独立して置換若しくは非置換のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、又はアルキニル基であるか、一緒に置換若しくは非置換のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、又はアリーレン基を形成する)によって定義される。
前述の官能化ポリマーのそれぞれは、例えばカーボンブラック及びシリカ等の粒子状充填剤と相互作用することができる。粒子状充填剤及びかかるポリマーを含む、加硫物を含む組成物も提供され、また、かかる組成物を提供及び使用する方法も提供される。
本発明の他の態様は、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかとなるだろう。その説明の理解を助けるために、特定の定義をすぐ下に提供するが、周辺の文章が明確に反対の意を示さない限り、全体を通してこれらを適用することを意図とする。
「ポリマー」とは、1種以上のモノマーの重合生成物を意味し、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、テトラポリマー等を包含し;
「マー」又は「マー単位」とは、単一反応分子から誘導されるポリマーの部分を意味し(例えば、エチレンマーは一般式−CH2CH2−で表わされる);
「コーポリマー」とは、2種の反応物、一般的にはモノマーから誘導されるマー単位を含むポリマーを意味し、ランダムコーポリマー、ブロックコーポリマー、セグメント化コーポリマー、グラフトコーポリマー等を包含し;
「インターポリマー」とは、少なくとも2種の反応物、一般的にはモノマーから誘導されるマー単位を含むポリマーを意味し、コーポリマー、ターポリマー、テトラポリマー等を包含し;
「ヒドラゾン」とは、>C=N−N<単位を含む化合物を意味し;
「ヒドラジン」とは、−NH−N<単位を含む化合物を意味し;
「置換された」とは、問題となっている基の本来の目的を阻害しないヘテロ原子又は官能基(例えば、ヒドロカルビル基)を含むものを意味し;
「直接結合した」とは、間に入る原子又は基なしで共有結合していることを意味し;
「ポリエン」とは、その最長部分又は鎖中に位置する少なくとも2つの二重結合を有する分子、一般的にはモノマーを意味し、具体的には、ジエン、トリエン等を包含し;
「ポリジエン」とは、1つ以上のジエン由来のマー単位を含むポリマーを意味し;
「phr」とは、ゴム100重量部(pbw)あたりの重量部(pbw)を意味し;
「ラジカル」とは、反応の結果としていずれかの原子が得られたか又は失われたかに関わらず、別の分子と反応した後に残る分子の一部を意味し;
「ランタニド化合物」とは、La、Nd、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、及びジジム(モナズ砂から得ることができる希土類元素の混合物)の内の少なくとも1つの原子を含む化合物を意味し;
「有機アルミニウム化合物」とは、少なくとも1つのAl−C結合を含む化合物を意味し;
「有機マグネシウム化合物」とは、少なくとも1つのMg−C結合を含む化合物を意味し;
「非配位性アニオン」とは、立体障害のため、例えば触媒系の活性中心と配位結合を形成しない立体的に嵩高いアニオンを意味し;
「非配位性アニオン前駆体」とは、反応条件下で非配位性アニオンを形成することができる化合物を意味し;
「環系」とは、単一環若しくは2つ以上の縮合環、又は単結合により結合した環を意味し、但し、各環は不飽和を含み;
「落下温度」とは、充填ゴム組成物(加硫物)が混合機(例えば、バンバリーミキサー)からシート状に加工するためのミルへ排出される所定の上限温度を意味し;
「末端」とは、ポリマー鎖の末端部を意味し;
「活性末端」とは、リビング又は疑似リビング末端を有するポリマーを意味し;
「末端部分」とは、末端に位置する基又は官能基を意味する。
この文書を通して、パーセントの形式で示した総ての値は、周辺の文章が明確に反対の意を示さない限り重量パーセントである。具体的に言及した各特許文献の全開示は、本明細書に参照により組み入れる。
前述の記載より明らかなように、前記ポリマーは様々な方法で説明又は特徴づけることができる。概して、それは、不飽和マー単位、一般的には1つ以上のタイプのポリエンから誘導される単位と、第2級アミン基並びに少なくとも1つの追加のO原子、P原子、S原子及び/又はN原子を含む環系を含む官能基、或いは式(I)により定義される官能基とを含む。後者はヒドラゾンラジカルとして提供することができる。
特定の実施形態では、ポリマーは、活性末端ポリマーを少なくとも2つのO原子、P原子、S原子及び/又はN原子並びに少なくとも1つの>C=N−セグメントを含む環系を含む化合物と反応させることにより形成することができる。このセグメントのN原子は少なくとも2つのヘテロ原子の内の1つを構成することができ、いくつかの実施形態では、2つの>C=N−セグメントのN原子は環系中の2つのヘテロ原子を構成することができる。
前記ポリマーは弾性を有することができ、ポリエン、特には、ジエン及びトリエン(例えば、ミルセン)から誘導されるもの等の不飽和を含むマー単位を含むことができる。具体的なポリエンとしては、C4〜C12ジエン、特には、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-へキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2,4-へキサジエン等の共役ジエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
複数の方法で、ポリエンをポリマー鎖中に組み込むことができる。特にタイヤトレッド用途に対しては、この組み込み方法を調整することが望ましい可能性がある。ポリエンの総含有量に対するパーセント数値として約80%以下、任意選択的には約65%以下の総1,2-ミクロ構造を有するポリマー鎖が、特定の最終用途に対して望ましい可能性がある。ポリエンの総含有量に対して約50%以下、好適には約45%以下、より好適には約40%以下、より一層好適には約35%以下、最も好適には約30%以下の1,2-ミクロ構造を有するポリマーは、「実質的に直鎖状」であると考えられる。しかしながら、特定の最終用途に対しては、1,2-結合含量をさらに低く、例えば、約7%未満、5%未満、2%未満、又は1%未満に保つことが望ましい可能性がある。
目的とする最終用途によって、ポリマー鎖の1つ以上は懸垂芳香族基を含むことができ、該懸垂芳香族基は、例えば、ビニル芳香族、特には、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等のC8〜C20ビニル芳香族から誘導されるマー単位を組み込むことによって形成することができる。1つ以上のポリエンと併せて用いられる場合、懸垂芳香族基を有するマー単位は、ポリマー鎖の約1〜約50%、約10〜約45%、又は約20〜約35%を構成することができ、かかるインターポリマーのミクロ構造をランダムとすることができ、即ち、構成モノマーの各タイプから誘導されるマー単位はブロックを形成せず、代わりに、実質的に非反復的な態様で組み込まれている。ランダムなミクロ構造は、例えばタイヤトレッドの製造に用いるゴム組成物等の幾つかの最終用途において、格別の利点をもたらすことができる。
典型的なエラストマーとしては、例えば、SBRとしても知られているポリ(スチレン-co-ブタジエン)等の1種以上のポリエンとスチレンのインターポリマーが挙げられる。
ポリマーの数平均分子量(M)は、通常、失活させた試料が約2〜約150、より一般的には約2.5〜約125、より一層一般的には約5〜約100、最も一般的には約10〜約75のゴムムーニー粘度(ML/100℃)を示す程度である。
前述のタイプのポリマーは、乳化重合又は溶液重合によって製造することができ、後者はランダム性、ミクロ構造等の特性について、より良く調整することができる。溶液重合は20世紀半ば頃から行われてきたので、その一般態様は当業者に知られているが、参照の便宜上、特定の態様をここに記載する。
所望のポリマーの性質によって、溶液重合の具体的条件を大きく変えることができる。以下の議論では、まずリビング重合について説明し、次に疑似リビング重合について説明する。これらの説明の後、そうして製造されたポリマーの官能基化及び加工について議論する。
溶液重合は、一般的に、有機リチウム化合物、特にはアルキルリチウム化合物等の開始剤を必要とする。有機リチウムの開始剤の例としては、N-リチオ-へキサメチレンイミン;n-ブチルリチウム;トリブチル錫リチウム;ジメチルアミノリチウム、ジエチルアミノリチウム、ジプロピルアミノリチウム、ジブチルアミノリチウム等のジアルキルアミノリチウム化合物;ジエチルアミノプロピルリチウム等のジアルキルアミノアルキルリチウム化合物;及びC1〜C12、好適にはC1〜C4アルキル基を含むそれらのトリアルキルスタニルリチウム化合物が挙げられる。
多官能開始剤、すなわち、1つより多くのリビング末端を有するポリマーを形成することができる開始剤を用いることもできる。多官能開始剤の例としては、1,4-ジリチオブタン、1,10-ジリチオデカン、1,20-ジリチオエイコサン、1,4-ジリチオベンゼン、1,4-ジリチオナフタレン、1,10-ジリチオアントラセン、1,2-ジリチオ-1,2-ジフェニルエタン、1,3,5-トリリチオペンタン、1,5,15-トリリチオエイコサン、1,3,5-トリリチオシクロヘキサン、1,3,5,8-テトラリチオデカン、1,5,10,20-テトラリチオエイコサン、1,2,4,6-テトラリチオシクロヘキサン、及び4,4'-ジリチオビフェニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機リチウムの開始剤に加えて、いわゆる官能化開始剤もまた有用であり得る。これらはポリマー鎖に組み込まれ、それによって鎖の開始末端に官能基を提供する。かかる物質の例としては、リチウム化アリールチオアセタール(例えば、米国特許第7,153,919号参照)や、有機リチウム化合物と、例えば、任意選択的にジイソプロペニルベンゼン等の化合物と予備反応させた置換アルジミン、ケチミン、第2級アミン等のN含有有機化合物との反応生成物(例えば、米国特許第5,153,159号及び5,567,815号参照)が挙げられる。
有用なアニオン重合の溶剤としては、様々なC5〜C12環状及び非環状アルカン、並びに、それらのアルキル化誘導体、特定の液体芳香族化合物、及びそれらの混合物が挙げられる。当業者は他の有用な溶剤の選択肢及び組み合わせを知っている。
溶液重合において、ランダム性及びビニル含有量(すなわち、1,2-ミクロ構造)はともに、重合成分中に調整剤、通常は極性化合物を含ませることによって高めることができる。開始剤1当量あたり90当量まで若しくはそれ以上の当量の調整剤を用いることができ、その量は、例えば、所望のビニル含有量、使用する非ポリエンモノマーのレベル、反応温度、及び使用する特定の調整剤の性質に依存する。調整剤として有用な化合物としては、非結合電子対を有するヘテロ原子(例えば、O又はN)を含む有機化合物が挙げられる。例としては、モノアルキレングリコール及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル;クラウンエーテル;テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン;THF;THFオリゴマー;2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)プロパン、ジ-ピペリジルエタン、へキサメチルホスホラミド、N,N'-ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジエチルエーテル、トリブチルアミン等の直鎖状及び環状のオリゴマー状オキソラニルアルカン(例えば、米国特許第4,429,091号参照)が挙げられる。
当業者は溶液重合に一般的に用いられる条件を理解しているが、読者の便宜上、代表的な説明を記載する。以下はバッチ処理に基づくが、この説明を例えば半バッチ又は連続プロセスに拡大適用することは当業者の能力の範囲内である。
溶液重合は一般的に、一種又は複数種のモノマーと溶剤のブレンド物を適当な反応容器に投入し、次に調整剤(用いる場合)及び開始剤を加えることにより開始し、それらは多くの場合は溶液又はブレンド物の一部として加えられ、或いは、一種又は複数種のモノマー及び調整剤を開始剤に加えることができる。該方法は、一般的に、無水、無酸素状態で行われる。反応剤は最高約150℃の温度まで加熱して撹拌することができる。所望の転化率に達した後、熱源(用いる場合)を取り除くことができ、反応容器を重合のためだけに用いる場合は、反応混合物を官能化及び/又は失活させるための後重合容器に移す。この時、反応混合物は、その比較的高いポリマー濃度のため、一般に「ポリマーセメント」と称される。
通常、アニオン技術によって製造されたポリマーは約50,000〜約500,000ダルトンのMを有することができるが、特定の実施形態では、数平均分子量は約75,000〜約250,000ダルトン、更には約90,000〜約150,000ダルトンの範囲で変化させることができる。
特定の最終用途は、アニオン(リビング)重合によって実現することが難しい又は非効率的であり得る特性を有するポリマーを必要とする。例えば、幾つかの用途では、高シス-1,4結合含量を有する共役ジエンポリマーが望ましい可能性がある。ポリジエンは、(リビング重合において用いられる開始剤とは対照的に)触媒、特には、多くの場合疑似リビング性を示すといわれるランタニド系触媒を用いる方法により製造することができる。
シス-1,4-ポリジエンを優先的にもたらす触媒系もあれば、一方でトランス-1,4-ポリジエンを優先的にもたらす触媒系もある。当業者は各タイプの触媒系の例をよく知っている。この説明の残りは特定のシス特異的な触媒系に基づくが、これは例示のためにすぎず、該官能化方法及び化合物に限定するものとみなされるものではない。
典型的な触媒系は、共役ジエンモノマーを重合するのに有用であることが知られているランタニド金属を用いることができる。具体的には、ランタニド化合物を含む触媒系を用いて1種以上のタイプの共役ジエンからシス-1,4-ポリジエンを形成することができる。「触媒組成物」との用語は、成分の単純混合物、物理的又は化学的引力により生じる様々な成分の錯体、幾つか又は全ての成分の化学反応生成物、又は前述のものの組み合わせを包含することを意図する。参照の便宜及び簡略化のため、要約した説明をここに記載する。
触媒組成物は、ランタニド化合物、アルキル化剤、及び不安定なハロゲン原子を含む化合物を含むことができる。ランタニド化合物及び/又はアルキル化剤が不安定なハロゲン原子を含む場合、触媒は別のハロゲン源を含む必要はなく、即ち、触媒は単にハロゲン化ランタニド化合物及びアルキル化剤を含んでもよい。幾つかの実施形態では、アルキル化剤はアルミノキサン及びアルキルアルミニウム化合物の両方を含むことができる。他の実施形態では、非配位性アニオン又は非配位性アニオン前駆体をハロゲン源の代わりに用いてもよい。アルキル化剤がヒドリド化合物を含む場合、米国特許第7,008,899号に開示されるように、ハロゲン源は錫ハライドを含んでもよい。これらの又は他の実施形態では、他の有機金属化合物(例えば、米国特許第6,699,813号に開示されるようなニッケル含有化合物)又はルイス塩基を用いてもよい。典型的な触媒組成物は、ランタニド化合物、並びに、(a)アルキル化剤及びハロゲン含有化合物、但し、ランタニド化合物及び/又はアルキル化剤がハロゲン原子を含む場合、ハロゲン含有化合物の使用は任意であり;(b)アルミノキサン;又は(c)アルキル化剤及び非配位性アニオン若しくはその前駆体を含む。
様々なランタニド化合物又はその混合物を用いることができる。これら化合物は好適には、ベンゼン、トルエン、キシレン、(ジ)エチルベンゼン、及びメシチレン等の芳香族炭化水素;直鎖状及び分岐状C5〜C10アルカン、石油エーテル、ケロシン、及び石油スピリット等の脂肪族炭化水素;又はシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及びメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等の炭化水素溶剤に可溶であり、炭化水素不溶性ランタニド化合物は重合媒体に懸濁させることができる。前述の溶剤の混合物を用いることもできる。
好適なランタニド化合物としては、少なくとも1つのNd原子、La原子、若しくはSm原子を含むもの、又はジジム(モナズ砂から得た希土類元素の市販混合物)を含むものが挙げられる。ランタニド化合物中のランタニド原子は、様々な酸化状態、例えば0、+2、+3、及び+4とすることができる。典型的なランタニド化合物としては、カルボキシレート、有機ホスフェート、有機ホスホネート、有機ホスフィネート、キサンテート、カルバメート、ジチオカルバメート、β-ジケトネート、アルコキシド、アリールオキシド、ハライド、疑似ハライド、オキシハライドが挙げられる。典型的なランタニド化合物としては、ギ酸ネオジム、酢酸ネオジム、(メタ)アクリル酸ネオジム、吉草酸ネオジム等のネオジムカルボキシレート;各種ネオジムジアルキルホスフェート、ネオジムジオレイルホスフェート、ネオジムジフェニルホスフェート等のネオジム有機ホスフェート;各種ネオジムアルキルホスホネート、ネオジムオレイルホスホネート、ネオジムフェニルホスホネート等のネオジム有機ホスホネート;各種ネオジム(ジ)アルキルホスフィネート、ネオジム(ジ)フェニルホスフィネート、ネオジム(p-ノニルフェニル)ホスフィネート、ネオジムビス(p-ノニルフェニル)ホスフィネート等のネオジム有機ホスフィネート;各種ネオジムジアルキルカルバメート、ネオジムジベンジルカルバメート等のネオジムカルバメート;各種ネオジムジアルキルジチオカルバメート及びネオジムジベンジルジチオカルバメート等のネオジムジチオカルバメート;各種ネオジムアルキルキサンテート、ネオジムベンジルキサンテート等のネオジムキサンテート;ネオジムアセチルアセトネート、ネオジムトリフルオロアセチルアセトネート、ネオジムヘキサフルオロアセチルアセトネート、ネオジムベンゾイルアセトネート、ネオジム2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート等のネオジムβ-ジケトネート;各種ネオジムアルコキシド、ネオジムフェノキシド、ネオジムノニルフェノキシド、ネオジムナフトキシド等のネオジムアルコキシド又はネオジムアリールオキシド;NdF3、NdCl3、NdBr3、及びNdI3等のネオジムハライド;Nd(CN)3、Nd(OCN)3、ネオジムチオシアネート、ネオジムアジド、ネオジムフェロシアニド等のネオジム疑似ハライド;並びにNdOF、NdOCl、NdOBr等のネオジムオキシハライドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(前述のリストは便宜上Nd化合物に限定されているが、当業者は容易にこの広範囲にわたるリストを用いて他のランタニド金属を用いる類似化合物を識別及び選択することができる。)
ランタニド化合物は、一般的に、1種以上のアルキル化剤、すなわち、ヒドロカルビル基を別の金属へ移すことができる有機金属化合物と併せて用いられるが、これらアルキル化剤はたいてい第1族、2族、及び3族(第IA族、IIA族、及びIIIA族)金属等の電気陽性金属の有機金属化合物である。一般的なアルキル化剤としては、有機アルミニウム及び有機マグネシウム化合物が挙げられるが、それらの幾つかは上述のタイプの炭化水素溶剤に可溶である。アルキル化剤が不安定なハロゲン原子を含む場合、該アルキル化剤はハロゲン含有化合物としての機能を果たすこともできる。
有機アルミニウム化合物としては、式AlRn3-nで表されるものが挙げられ、式中、各Rはそれぞれ独立してC原子を介してAl原子に結合する1価の有機基であり、各Xはそれぞれ独立してH原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であり、nは1〜3の整数である。各Rは、(シクロ)アルキル基、置換(シクロ)アルキル基、(シクロ)アルケニル基、置換(シクロ)アルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アリル基、及びアルキニル基等のヒドロカルビル基(該ヒドロカルビル基は、N、O、B、Si、S、及びP等のヘテロ原子を含むことができる)とすることができるが、これらに限定されるものではない。
有機アルミニウム化合物としては、各種トリアルキルアルミニウム、トリス(1-メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウム、トリス(2,6-ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、各種ジアルキルフェニルアルミニウム、各種ジアルキルベンジルアルミニウム、各種アルキルジベンジルアルミニウム等のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物;各種ジアルキルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジ-p-トリルアルミニウムヒドリド、ジベンジルアルミニウムヒドリド、各種フェニルアルキルアルミニウムヒドリド、各種フェニル-n-アルキルアルミニウムヒドリド、各種フェニルイソアルキルアルミニウムヒドリド、各種p-トリルアルキルアルミニウムヒドリド、各種ベンジルアルキルアルミニウムヒドリド等のジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド;各種アルキルアルミニウムジヒドリド等のヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド;各種ジアルキルアルミニウムクロリド、ジフェニルアルミニウムクロリド、ジ-p-トリルアルミニウムクロリド、ジベンジルアルミニウムクロリド、各種フェニルアルキルアルミニウムクロリド、各種p-トリルアルキルアルミニウムクロリド、各種ベンジルアルキルアルミニウムクロリド等のジヒドロカルビルアルミニウムクロリド化合物;及び各種アルキルアルミニウムジクロリド等のヒドロカルビルアルミニウムジクロリドが挙げられる。他の有機アルミニウム化合物としては、各種ジアルキルアルミニウムアルカノエート、各種アルキルアルミニウムビスアルカノエート、各種ジアルキルアルミニウムアルコキシド及びフェノキシド、各種アルキルアルミニウムジアルコキシド及びジフェノキシド等が挙げられる。
また、それぞれ一般式:
Figure 0005775924
で表されるオリゴマー状の直鎖状アルミノキサン及びオリゴマー状の環状アルミノキサン等のアルミノキサン類も有用であり、式中、xは1〜約100又は約10〜約50の整数とすることができ、yは2〜約100の整数でも、約3〜約20の整数でもよく、各R1はそれぞれ独立してC原子を介してAl原子に結合する1価の有機基であってもよい。各R1はアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アリル基、及びアルキニル基等のヒドロカルビル基とすることができるが、これらに限定されるものではなく、これらヒドロカルビル基は上述のようなヘテロ原子を含んでもよい。(本明細書で用いるアルミノキサンのモル数は、オリゴマー状アルミノキサン分子のモル数ではなくアルミニウム原子のモル数を指す。)
アルミノキサンはトリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させることにより製造することができる。この反応は、例えば、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶剤に溶かし、水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば金属塩に含まれる結晶水、又は無機若しくは有機化合物に吸着された水と反応させる方法、及び(3)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、重合されるモノマー又はモノマーの溶液の存在下で水と反応させる方法により行うことができる。
潜在的に有用なアルミノキサン化合物には、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO、MAOのメチル基の約20〜80%をC2〜C12ヒドロカルビル基、好適にはイソブチル基で置換することにより形成することができる)、各種アルキルアルミノキサンのいずれか(特には、イソブチルアルミノキサン)、各種シクロアルキルアルミノキサンのいずれか、フェニルアルミノキサン、各種アルキル置換フェニルアルミノキサン等のうち1つ以上が含まれる。
有用な有機マグネシウム化合物は式RmMgX2-mで表すことができ、式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であり、各Rはそれぞれ独立してC原子を介してMg原子に結合する1価の有機基である。各Rは、置換及び非置換(シクロ)アルキル基、置換及び非置換(シクロ)アルケニル基、アリール基、アリル基、置換アリール基、アラルキル基、アルカリール基、並びにアルキニル基等のヒドロカルビル基とすることができるが、これらに限定されるものではなく、これらヒドロカルビル基は前述のようなヘテロ原子を含んでもよい。適当な有機マグネシウム化合物としては、各種ジアルキルマグネシウム(特には、ジブチルマグネシウム)、ジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、並びに、ヒドロカルビルマグネシウムヒドリド、ヒドロカルビルマグネシウムハライド、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシレート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド、ヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシド、及びそれらの混合物;各種アルキルマグネシウムヒドリド、アルキルマグネシウムハライド、アルキルマグネシウムカルボキシレート、アルキルマグネシウムアルコキシド、アルキルマグネシウムアリールオキシド、及びそれらの混合物;並びに各種アリールマグネシウムヒドリド、アリールマグネシウムハライド、アリールマグネシウムカルボキシレート、アリールマグネシウムアルコキシド、アリールマグネシウムアリールオキシド、及びそれらの混合物が挙げられる。
1つ以上の不安定なハロゲン原子を含む様々な化合物又はそれらの混合物は、ハロゲン源として用いることができる。これらの化合物は、簡単にハロゲン含有化合物と呼んでもよい。2つ以上のハロゲン原子の組み合わせを用いることもできる。特定のハロゲン含有化合物は炭化水素溶剤に可溶である一方、他のハロゲン含有化合物はオリゴマー化媒体に懸濁して触媒活性種を形成することができる。(ネオジムのハライド、オキシハライド、又は不安定なハロゲン原子を含む他の化合物を用いる場合、Nd含有化合物はランタニド化合物並びにハロゲン含有化合物の両方として機能することができ、THF等のルイス塩基を、このクラスのネオジム化合物を不活性有機溶剤に溶かすための助剤として用いてもよい。)
ハロゲン含有化合物のタイプとしては、元素のハロゲン;混合ハロゲン(例えば、ICl、IBr、ICl5、及びIF5);ハロゲン化水素(例えば、HF、HCl、HBr、等);各種アルキルハライド、各種アリルハライド、各種ベンジルハライド、各種ハロ-ジ-フェニルアルカン、各種トリフェニルアルキルハライド、各種ベンジリデンハライド、各種アルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、各種ジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、各種トリアルキルクロロシラン、ベンゾイルハライド、プロピオニルハライド、及びメチルハロホルメート等の有機ハライド;PCl3、PBr3、PCl5、POCl3、POBr3、BF3、BCl3、BBr3、SiF4、SiCl4、SiBr4、SiI4、AsCl3、AsBr3、AsI3、SeCl4、SeBr4、TeCl4、TeBr4、及びTeI4等の無機ハライド;SnCl4、SnBr4、AlCl3、AlBr3、SbCl3、SbCl5、SbBr3、AlI3、AlF3、GaCl3、GaBr3、GaI3、GaF3、InCl3、InBr3、InI3、InF3、TiCl4、TiBr4、TiI4、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、及びZnF2等の金属ハライド;各種ジアルキルアルミニウムハライド、各種アルキルアルミニウムジハライド、各種アルキルアルミニウムセスキハライド、各種アルキルマグネシウムハライド、各種フェニルマグネシウムハライド、各種ベンジルマグネシウムハライド、各種トリアルキル錫ハライド、各種ジアルキル錫ジハライド及び各種トリアルキル錫ハライド等の有機金属ハライド;並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
非配位性アニオンとしては、立体障害のため、例えば触媒系の活性中心と、配位結合を形成しない嵩高いアニオンが挙げられる。非配位性アニオンとしては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の(任意選択的にフッ化することができる)テトラアリールボレートアニオンが挙げられる。非配位性アニオンを含むイオン化合物は、当該技術分野で公知であり、カルボニウム(例えば、トリアリールカルボニウム)カチオン、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン等の対カチオンも包含する。
非配位性アニオン前駆体としては、反応条件下で非配位性アニオンを形成できる物質が挙げられる。非配位性アニオン前駆体としては、トリハロアルキルホウ素化合物が挙げられる。
前述の触媒組成物は、幅広い触媒濃度及び触媒成分比にわたって、共役ジエンを重合して立体特異的なポリジエンとするための高い触媒活性を有することができる。触媒成分は相互作用して触媒活性種を形成することができ、いずれか1つの成分についての最適な濃度はその他の成分の濃度によって決まり得る。
アルキル化剤のランタニド化合物に対するモル比(アルキル化剤/Ln)は、約1:1〜約1000:1、約2:1〜約500:1、又は約5:1〜約200:1の範囲で変化させることができる。アルキルアルミニウム化合物及びアルミノキサンの両方をアルキル化剤として使用する場合、アルキルアルミニウムのランタニド化合物に対するモル比(Al/Ln)は、約1:1〜約200:1、約2:1〜約150:1、又は約5:1〜約100:1の範囲で変化させることができ、アルミノキサンのランタニド化合物に対するモル比(アルミノキサン/Ln)は、約5:1〜約1000:1、約10:1〜約700:1、又は約20:1〜約500:1の範囲で変化させることができる。ハロゲン含有化合物のランタニド化合物に対するモル比(ハロゲン原子/Ln)は、約1:2〜約20:1、約1:1〜約10:1、又は約2:1〜約6:1の範囲で変化させることができる。
非配位性アニオン又は非配位性アニオン前駆体のランタニド化合物に対するモル比(An/Ln)は、約1:2〜約20:1、約3:4〜約10:1、又は約1:1〜約6:1の範囲で変化させることができる。
ランタニド系触媒を用いて製造されたポリジエンの分子量は、触媒の使用量及び/又は触媒系中の共触媒の濃度を調整することにより制御することができ、この方法で幅広い範囲の分子量を有するポリジエンを製造することができる。一般に、触媒及び共触媒の濃度を増加させることは、得られるポリジエンの分子量を減少させるが、非常に低い分子量のポリジエン(例えば、液状ポリジエン)は極めて高い触媒濃度を要する。このことは、硫黄の硬化速度の遅延等の悪影響を避けるため、通常、ポリマーからの残留触媒の除去を必要とする。米国特許第6,699,813号は、非常に有効な分子量調整剤としてニッケル化合物を用いることができることを教示している。ランタニド系触媒組成物に1種以上のNi含有化合物を含ませることは、有利なことに、触媒活性及びポリマーのミクロ構造に重大な悪影響を及ぼすことなく、得られるポリジエンの分子量の容易な調整を可能にする。
様々なNi含有化合物又はそれらの混合物を用いることができる。Ni含有化合物は、好適には上述のような炭化水素溶媒に可溶であるが、炭化水素不溶性Ni含有化合物は重合媒体に懸濁して触媒活性種を形成することができる。
Ni含有化合物中のNi原子は、0、+2、+3、及び+4酸化状態等の多くの酸化状態のいずれかとすることができるが、一般には、Ni原子が+2の酸化状態にある2価のNi化合物が好ましい。典型的なNi化合物としては、カルボキシレート、有機ホスフェート、有機ホスホネート、有機ホスフィネート、キサンテート、カルバメート、ジチオカルバメート、β-ジケトネート、アルコキシド、アリールオキシド、ハライド、疑似ハライド、オキシハライド、有機ニッケル化合物(すなわち、例えばニッケロセン、デカメチルニッケロセン等の少なくとも1つのC-Ni結合を含む化合物)等が挙げられる。
Ni含有化合物のランタニド化合物に対するモル比(Ni/Ln)は、通常は約1:1000〜約1:1、好適には約1:200〜約1:2、より好適には約1:100〜約1:5の範囲で変化する。
触媒組成物は、触媒成分をモノマー及び溶剤を含む溶液又は単にバルクモノマーに、逐次的に又は同時に加えることにより、インサイチューで形成することができるが、例えば、まずアルキル化剤、次にランタニド化合物、その後、用いる場合はハロゲン含有化合物、又は非配位性アニオン若しくは非配位性アニオン前駆体を加えることができる。
或いは、触媒成分は重合系の外で約20℃〜約80℃の温度で混合することができ、得られた触媒組成物を、任意選択的に数日間まで熟成させた後、重合容器に加える。
また、触媒組成物は、少なくとも1種の共役ジエンモノマーの存在下で形成してもよい。即ち、触媒成分は、少量の共役ジエンモノマーの存在下で約20℃〜約80℃の温度で予備混合してもよい。使用可能な共役ジエンモノマーの量は、ランタニド化合物1モルあたり約1〜約500モル、約5〜約250モル、又は約10〜約100モルの範囲で変化させることができる。得られる触媒組成物は、共役ジエンモノマーの残りに加える前に、数分から数日間熟成させることができる。
或いは、触媒組成物は多段階の方法を用いることにより形成してもよい。第1段階は、アルキル化剤をランタニド化合物に共役ジエンモノマーの不在下又は少量の共役ジエンモノマーの存在下で約20℃〜約80℃の温度で混ぜる工程を含む。前述の反応混合物及びハロゲン含有化合物、非配位性アニオン、又は非配位性アニオン前駆体は、共役ジエンモノマーの残りに、逐次的に又は同時に投入することができる。
触媒組成物又は1種以上の触媒成分の溶液を重合系の外で製造する場合、有機溶剤又はキャリアーを用いてもよい。有機溶剤は、触媒組成物又は成分を溶かす働きをしてもよいし、該溶剤は、単に、触媒組成物又は成分が懸濁できるキャリアーとして機能してもよい。有機溶剤は触媒組成物に対して不活性であってもよい。有用な溶剤としては、前述したものが挙げられる。
ポリマーの製造は、一種又は複数種の共役ジエンを触媒的に有効な量の前述の触媒組成物の存在下で重合させることにより達成することができる。重合塊に用いられる触媒の総濃度は、成分の純度、重合温度、所望の重合速度及びの転化率、所望の分子量等の様々な因子の相互作用によって決まり得る。従って、具体的な触媒総濃度は、各触媒成分を触媒的に有効な量用いることができると言う以外には、断定的に示すことができない。ランタニド化合物の使用量は、共役ジエンモノマー100gあたり約0.01〜約2mmol、約0.02〜約1mmol、又は約0.05〜約0.5mmolの範囲で変化させることができる。
シス-1,4-ポリジエンの製造は、一種又は複数種の共役ジエンモノマーを触媒的に有効な量の触媒組成物の存在下で重合させることにより達成することができる。重合塊に用いられる触媒の総濃度は、成分の純度、重合温度、所望の重合速度及び転化率、所望の分子量、並びに多数の他の要因等の様々な因子の相互作用によって決まるが、従って、具体的な触媒総濃度は、各触媒成分を触媒的に有効な量用いるべきと言う以外には、断定的に示すことができない。ランタニド化合物の使用量は、一般に、共役ジエンモノマー100gあたり約0.01〜約2mmol、好適には約0.02〜約1mmol、より好適には約0.05〜約0.5mmolの範囲で変化する。他の成分はすべて通常ランタニド化合物の量に基づく量で加えられる(前述の各種比参照)。
重合は、希釈剤としての有機溶剤中で行うことができる。重合されるモノマー及び形成されたポリマーは共に重合媒体に可溶である。或いは、形成されたポリマーが溶けない溶剤を選択することにより、沈殿重合系を用いてもよい。両方の場合において、重合されるモノマーは凝縮相にあってよい。また、触媒成分は有機溶剤中に溶解していても、懸濁していてもよく、ここで及び他の実施形態において、触媒成分又は構成要素は触媒担体に担持されていない、或いは、触媒担体に含浸されていない。他の実施態様において、触媒成分又は構成要素は、担持されていてもよい。
これらの重合を行う際、触媒組成物の製造に用いることができる量の有機溶剤に加えて、ある量の有機溶剤を重合系に加えてもよい。追加の有機溶剤は触媒組成物の製造に用いた有機溶剤と同じものでも、異なるものでもよい。重合を触媒するのに用いる触媒組成物に対して不活性である有機溶剤を選択してもよい。典型的な炭化水素溶剤は上述した。溶剤を用いる場合、重合されるモノマーの濃度を特別な範囲に限定しなくてもよい。しかしながら、1つ以上の実施形態では、重合開始時に重合媒体中に存在するモノマーの濃度は、約3〜約80重量%、約5〜約50重量%、又は約10〜約30重量%の範囲で変化させることができる。
(共役ジエンの重合は、凝縮液体相又は気相において実質溶剤を用いない重合環境を意味する、バルク重合により行ってもよい。また、共役ジエンの重合は、バッチプロセスで実施しても、連続プロセスで実施しても、半連続プロセスで実施してもよい。)
バッチ、連続、又は半連続プロセスを用いるかにかかわらず、重合は、好適にはN2、Ar又はHe等の不活性な保護ガスによりもたらされる無酸素状態で、中度から強度の撹拌によって行われる。重合温度は幅広く変化させることができるが、一般的には約20〜約90℃の温度が用いられ、熱は外部冷却及び/又はモノマー若しくは溶剤の蒸発による冷却によって取り除くことができる。用いられる重合圧力は幅広く変化させることができるが、一般的には約0.1〜約1MPaの圧力が用いられる。
前述の重合方法から得られるシス-1,4-ポリジエンは、直鎖状の骨格構造を有し、良好な未加硫強度及び優れた粘弾性特性を示す。直鎖状の骨格構造は、ゴム配合物により良い引張特性、高耐摩耗性、低ヒステリシスロス、及び優れた耐疲労性をもたらすと考えられる。従って、これらシス-1,4-ポリジエンは、サイドウォール及びトレッド等のタイヤ部品を提供する際に用いるのに特に適している。
1,3-ブタジエンが前述の方法によって重合される場合、該シス-1,4-ポリブタジエンは、通常、失活後の試料が、約2〜約150、より一般的には約2.5〜約125、よい一層一般的には約5〜約100、最も一般的には約10〜約75のゴムムーニー粘度(ML/100℃)を示す程度の、ポリスチレン基準を用いるGPCによって測定される数平均分子量(M)を有する。典型的なMの値は、約5000〜約200,000、一般的には約25,000〜約150,000、典型的には約50,000〜約125,000の範囲で変化する。これらポリマーの多分散性は、通常、約1.5〜約5.0、典型的には約2.0〜約4.0の範囲で変化する。
有利なことに、得られるポリジエンは、少なくとも約60%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、及びさらに少なくとも約95%のシス-1,4結合含量、並びに約7%未満、約5%未満、約2%未満、及びさらに約1%未満の1,2結合含量を有することができる。
この方法の典型的な実施形態は1,3-ブタジエンのシス-1,4-ポリブタジエンへの重合を包含するが、上述したような他の共役ジエンを重合して主にシス-1,4ミクロ構造を有するポリマーを提供することもできる。さらに、2種以上の共役ジエンを重合して本質的にシス-1,4ミクロ構造を有するコーポリマーとすることができる。
用いられる重合の具体的タイプかかわらず、所望の程度の転化率が達成された後、熱源(用いる場合)を取り除くことができ、反応容器を重合のためだけに用いる場合は、反応混合物をさらなる処理のために後重合容器へ移す。この時、反応混合物は、その比較的高いポリマー濃度のため、一般に「ポリマーセメント」と称される。
有利なことに、上述の重合方法はともに、反応性(リビング又は疑似リビング)末端を持つポリマー鎖をもたらす。失活させる前に、ポリマーセメント中のポリマー鎖は、末端官能基を付与するために、さらなる反応を受けることができる。上述したように、官能化はゴム配合物におけるポリマーと粒子状充填剤との間の相互作用を高めることができ、それによって、得られる加硫物の機械的及び動的性質を向上させることができる。
1つの態様において、ポリマー(タイプにかかわらず)は、好適にはポリマーに直接結合する、アミン基及び少なくとも1つの他のヘテロ原子含有基を含む部分を含むことができる。このポリマーは、以下官能化ポリマーと称するが、活性末端ポリマーを、O、P、S及びNから選択される少なくとも2つのヘテロ原子並びに少なくとも1つの>C=N−セグメントを含む環系を含む化合物と反応させることにより提供することができ、セグメントのN原子は少なくとも2つのヘテロ原子の内の1つを構成することができる。環系は、2つ以上の>C=N−セグメントを含むことができ、該2つ以上の>C=N−セグメントは、環系の同じ又は異なる環中に存在することができる。
環系が1つより多くの環を含む場合、環の幾つか又は総ては、縮合又は互いに結合することができる。各環は少なくともいくらかの不飽和を含み、環の幾つか又は総てを芳香族とすることができる。環の幾つか又は総てを、5員又は6員とすることができる。
所望の官能基を付与することができる化合物の例としては、以下の構造:
Figure 0005775924
を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらから、当業者は追加の例を想像することができる。
このタイプの化合物の活性末端ポリマーとの反応は、一般的にポリマー鎖のC原子と環系の>C=N−セグメントの二重結合のC原子との間で起こる。化合物が1つより多くの>C=N−セグメントを含む場合、1つより多くのポリマー鎖が反応し、ラジカルに結合することができ、多分岐性高分子が生成する。かかる高分子における分岐の数及び/又はかかる高分子の相対パーセントは、官能化化合物の活性末端ポリマー鎖に対するモル比を変えることにより調整することができる。このタイプの多分岐性高分子は、一般的に、コールドフロー耐性を示し、これは多くの場合、所望の保存特性及び加工特性となる。
別の態様において、疑似リビングポリマーに式(I)により定義される部分を設けることができる。かかる基をポリマーに付与する便利な方法は、1つ以上のヒドラジン官能基の導入によるものである。ヒドラジン官能基を提供する1つの技術は、疑似リビングポリマー、好適には高度の1,4結合を有するものを、1つ以上のヒドラゾンと反応させることである。
幾つかのヒドラゾンは市販されているが、所望により又は必要に応じて、アルデヒド又はケトンを>N−NH2基を含む化合物と、典型的には1:1のモル比で、適切な溶剤中で縮合させることにより形成することができ、中度の温度(例えば、約10℃〜約60℃、たいてい約20℃〜約50℃)は、通常、適度な時間(例えば、数時間)内でほぼ完全な反応を可能にするのに十分である。ヒドラゾンの分離及び精製は、減圧蒸留、カラムクロマトグラフィ等の標準的な方法により達成することができる。
>N−NH2基を含む化合物としては、一般式:
R'R”N−NH (II)
[式中、R'及びR”は式(I)に関連して上述のとおり定義される]で表されるものが挙げられる。かかる物質の例としては、1,1-ジメチルヒドラジン、1,1-ジエチルヒドラジン、1-メチル-1-エチルヒドラジン、1-メチル-1-フェニルヒドラジン等の他に、1-アミノピペリジン、1-アミノピペラジン、1-アミノ-4-メチルピペラジン、1-アミノピロリジン、1-アミノホモピペリジン(即ち、N-アミノへキサメチレンイミン)、1-アミノピリジニウム等のアミノ置換複素環式化合物、並びに1つ以上の環の炭素原子に置換基を含む類似ピペリジン及びピペラジンが挙げられるが、それらに限定されるものではない。特定の実施形態では、アミノ置換複素環式化合物、特には、1-アミノピロリジン、1-アミノピペリジン、及び1-アミノホモピペリジンが好ましい可能性がある。
ヒドラゾンを形成するために用いる縮合反応は、ケトン又はアルデヒドを用いることができる。以下の議論はアルデヒドに焦点を当てるが、当業者は容易に教示を拡大適用して同様のケトンのリストを作成することができる。
有用なヒドラゾンを形成するのに用いることができるアルデヒドは、構造的観点からは特に限定されない。潜在的に有用なアルデヒドの非限定的な例としては、ホルムアルデヒド;エタナール(アセトアルデヒド)、プロパナール(プロピオンアルデヒド)、ブタナール(ブチルアルデヒド)、ペンタナール(バレルアルデヒド)、へキサナール(カプロアルデヒド)、ヘプタナール、オクタナール等のアルキルアルデヒド;シクロペンタンカルボキシアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、シクロヘプタンカルボキシアルデヒド、シクロオクタンカルボキシアルデヒド等のシクロアルカンカルボキシアルデヒド;ベンズアルデヒド、及び、特に限定されるものではないが、2-、3-、又は4-ジメチルアミノベンズアルデヒド等の各種置換ベンズアルデヒドのいずれか等のアルデヒド官能基を有する芳香族化合物;2-,3-,又は4-ピリジンカルボキシアルデヒド、2-又は3-ピロールカルボキシアルデヒド、2-又は3-フルアルデヒド、N-メチルピロール-2-カルボキシアルデヒド、及びN-メチルイミダゾール-2-カルボキシアルデヒド等のアルデヒド官能基を有する複素環式化合物;並びにフェロセンカルボキシアルデヒド等のメタロセンアルデヒドが挙げられる。特定の実施形態では、アルキルアルデヒド、特には、プロパナール及びブタナール、並びにシクロアルカンカルボキシアルデヒド、特には、シクロヘキサンカルボキシアルデヒドから製造されるヒドラゾンが好ましい可能性がある。
典型的なヒドラゾンは一般式:
Figure 0005775924
[式中、R'及びR”は式(I)に関連して上述のとおり定義され、R3及びR4はそれぞれ独立してH或いは置換若しくは非置換アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、又はアルキニル基であるか、R3及びR4は一緒に置換若しくは非置換アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、又はアリーレン基を形成する]によって表現することができる。
好適なヒドラゾンとしては、アミノ置換複素環式化合物、特には、1-アミノピペリジン、1-アミノピロリジン、又は1-アミノホモピペリジンと、アルキルアルデヒド、特には、プロパナール及びブタナール等のC2〜C6アルキルアルデヒド、又はシクロアルカンカルボキシアルデヒド、特には、シクロヘキサンカルボキシアルデヒドとの縮合により得られるものが挙げられる。このクラスの代表的なヒドラゾンは、N-(シクロヘキシルメチリデン)-1-ピペリジニルアミン及びN-(ベンジリデン)-(4-メチル-1-ピペラジニル)アミンである。
ヒドラジンラジカルは、失活前にポリマーを官能基化することにより、末端部分として付与することができ、前述のポリマーセメントの状態である場合に有利である。この官能基化をもたらす1つの方法は、ポリマーセメントに1種以上のヒドラゾンを導入し、かかる一種又は複数種のヒドラゾンがポリマーの疑似リビング末端で反応することを可能にする工程を含む。ヒドラゾンの>C=N−N<基の炭素原子は疑似リビングポリマー鎖に付加され、このことは活性水素含有化合物(例えば、水、アルコール、酸等)を用いた失活の後、式−NH−NR'R”(式I)[式中、R'及びR”はそれぞれ独立して置換若しくは非置換(シクロ)アルキル基、(シクロ)アルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、又はアルキニル基であるか、一緒に置換若しくは非置換アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、又はアリーレン基形成する]で表される末端部分をもたらすものと考えられる。(前述において、置換シクロアルキレン及びシクロアルケニレンとの用語は、モルホリン及びその誘導体、N-アルキル-ピペラジン、ピリジン等の複素環式部分を指す。)1つの典型的な末端部分は−NH−Pipであり、式中、Pipは(R'及びR”が一緒に炭素数5のアルキレン基を構成する一般式(II)の化合物から形成することができる)ピペリジニル官能基を表す。特定の実施形態では、前述の好適なヒドラゾンの1つからこの官能基を付与することで、とりわけカーボンブラック等の補強性充填剤と混合する場合に特に有利な特性を示すポリマーを生成させることができる。
必要というわけではないが、式(I)で表されるような末端部分は、例えば、各種金属のいずれか(とりわけ、特に酸性状態の、亜鉛)又はNa224等の還元剤の使用によって第1級アミン官能基に変換することができる。
前述の官能基化反応のどちらも、比較的速く(数分〜数時間)、中度の温度(例えば、0℃〜75℃)で行うことができる。
一般的に必要ではないが、ポリマーセメントに失活剤を加えて残留反応性ポリマー及び触媒組成物を不活性化することができる。失活剤は、例えば、アルコール、カルボン酸、無機酸、水等の1種以上のプロトン性化合物であってもよい。ポリマー及び失活剤は、約120分まで、約25℃〜約150℃の温度で撹拌することができる。
酸化防止剤を失活剤の添加前、同時、又は添加後に加えてもよい。酸化防止剤の使用量はポリマー生成物の約0.2〜約1質量%の範囲で変化させることができる。
官能化ポリマーは、ドラム乾燥、押出乾燥、真空乾燥等の従来技術により、重合混合物から分離することができ、それらは、水、アルコール又は水蒸気を用いる凝固と組み合わせてもよい。凝固を行う場合は、オーブン乾燥が望ましいかもしれない。
加工の前に、保存された合成ゴム(例えば、スラブ、ウィグワグ等の形態を問わず)は、好適には流れに耐え、即ち、良好なコールドフロー耐性を示す。しかしながら、高温で(詳しくは後述するように)配合中に他の成分と混合又は混練される場合、フロー耐性は必ずしも望ましいものではなくなり、即ち、過度のフロー耐性は加工性を妥協又は阻害し得る。これら特性の良好なバランスを有する合成ゴムが望ましい。
得られるポリマーは、トレッドストック配合物に用いることができ、或いは天然ゴム並びに/又は、例えば、単にポリエン由来のマー単位を含む1種以上のホモポリマー及びインターポリマー(例えば、ポリ(ブタジエン)、ポリ(イソプレン)、並びにブタジエン、イソプレン等を組み込んだコーポリマー)、SBR、ブチルゴム、ネオプレン、EPR、EPDM、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、エチレン/アクリルゴム、EVA、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴム等の非官能化合成ゴム等の従来から用いられているトレッドストックゴムと混合することができる。官能化ポリマーを従来ゴムと混合する場合、その量はゴム全体の約5〜約99%の範囲で変化させることができ、従来の一種又は複数種のゴムがゴム全体の残余部分を埋める。最小量は、所望のヒステリシス減少の度合にかなりの程度依存する。
非晶質シリカ(SiO2)を充填剤として用いることができる。シリカは一般に湿式、水和シリカに分類されるが、それは水中での化学反応により製造されるためであり、そこから超微細な球形粒子として沈殿する。これら1次粒子は強力に結合して凝集体となり、それは次にそれより弱く結合して集合体となる。「高分散性シリカ」とは、エラストマーのマトリックス中で集合を解き分散する能力が非常に大きなシリカである。
表面積は、異なるシリカの補強特性の信頼性のある指標となるが、ブルナウアー、エメット及びテラーの(「BET」)方法(米国化学会誌第60巻に記載、309頁以下参照)は知られた表面積測定方法である。シリカのBET表面積は一般に450m2/g未満であり、表面積の有用な範囲としては、約32〜約400m2/g、約100〜約250m2/g、及び約150〜約220m2/gが挙げられる。
シリカ充填剤のpHは、一般に約5〜約7又はそれよりやや大きく、好適には約5.5〜約6.8である。
用いることができる幾つかの市販のシリカとしては、Hi‐SilTM215、Hi‐SilTM233、及びHi‐SilTM190(PPGインダストリーズ社、ピッツバーグ、ペンシルバニア)が挙げられる。市販のシリカの他の供給業者としては、グレースダビソン社(ボルティモア、メリーランド)、デグサ社(パーシッパニー、ニュージャージー)、ローディアシリカシステムズ社(クランブリー、ニュージャージー)、及びJ.M.フーバー社(エジソン、ニュージャージー)が挙げられる。
シリカは、約1〜約100phrの量で、好適には約5〜約80phrの量で用いることができる。有用な上限範囲は、かかる充填剤が与え得る高い粘度により制限される。
他の有用な充填剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びランプブラック等の総ての形態のカーボンブラックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。より具体的に、カーボンブラックの例としては、超耐摩耗性ファーネスブラック、高耐摩耗性ファーネスブラック、高速押出性ファーネスブラック、微細ファーネスブラック、準耐摩耗性ファーネスブラック、半補強性ファーネスブラック、中級作業性チャンネルブラック、難加工性チャンネルブラック、導電性チャンネルブラック、及びアセチレンブラックが挙げられるが、これらの2種以上の混合物を用いることができる。少なくとも約20m2/g、好適には少なくとも約35m2/gの表面積(EMSA)を有するカーボンブラックが好ましく、表面積の値はCTAB技術を用いるASTM D‐1765により測定することができる。カーボンブラックはペレット化した形でも、ペレット化されていない凝集塊であってもよいが、前者のタイプは特定の混合機での使用に対して好ましい可能性がある。
カーボンブラックの量は、約50phrまでとすることができるが、約5〜約40phrが一般的である。カーボンブラックをシリカと共に用いる場合、シリカの量は約1phrまで減らすことができるが、シリカの量が減ると、もしあればシランを加えて、より少ない量の加工助剤を用いることができる。
エラストマー配合物は、一般的には、加えた充填剤の総体積をエラストマーストックの総体積計で割った体積分率で、約25%まで充填され、従って一般的な補強性充填剤、すなわちシリカ及びカーボンブラックの(総合)量は約30〜100phrである。
シリカを補強性充填剤として用いる場合、シラン等のカップリング剤の添加は、一種又は複数種のエラストマーによく混ぜ合わせて相互作用させるための慣例である。通常、加えるシランの量は、エラストマー配合物中に存在するシリカ充填剤の重量に基づき、約4〜20%の間で変化する。
カップリング剤は一般式A‐T‐Qで表すことができ、式中、Aはシリカ充填剤の表面上の基(例えば、表面シラノール基)と物理的に及び/又は化学的に結合することができる官能基を表し、Tは炭化水素基結合を表し、Qはエラストマーと(例えば、含硫黄結合を介して)結合できる官能基を表す。かかるカップリング剤としては、有機シラン、特には、多硫化アルコキシシラン(例えば、米国特許第3,873,489号、3,978,103号、3,997,581号、4,002,594号、5,580,919号、5,583,245号、5,663,396号、5,684,171号、5,684,172号、5,696,197号等参照)、又は上述のQ及びA官能基を有するポリオルガノシロキサンが挙げられる。典型的なカップリング剤はビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドである。
加工助剤の添加は、シランの使用量を減らすために採用することができる。加工助剤として用いる糖の脂肪酸エステルの説明については、例えば、米国特許第6,525,118号を参照のこと。加工助剤として有用な追加の充填剤としては、クレイ(含水ケイ酸アルミニウム)、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、及びマイカ等の鉱物系充填剤、並びに、尿素及び硫酸ナトリウム等の非鉱物系充填剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。追加の充填剤は、約40phrまで、一般的には約20phrまでの量で用いることができる。
プロセスオイル、可塑剤、抗劣化剤(例えば、老化防止剤及びオゾン劣化防止剤)、硬化剤等の他のゴム添加剤を用いることもできる。
総ての成分は、例えば、バンバリー又はブラベンダーミキサー等の標準的設備を用いて混合することができる。通常、混合は2つ以上の段階で行われる。(しばしばマスターバッチ段階と称される)第1段階の間、混合は一般的に約120〜約130℃の温度で開始され、一般的に約165℃である落下温度に達するまで上昇する。
配合処方がシリカを含む場合、別のリミル段階が一種又は複数種のシラン成分の別の添加用にしばしば用いられる。この段階は、やや低いこともあるが、たいてい、マスターバッチ段階で用いるのと同じくらいの、即ち約90℃から約150℃の落下温度まで上昇する温度で行われる。
補強ゴム配合物は、従来から約0.2〜約5phrの、例えば、硫黄又は過酸化物系の硬化系等の1種以上の公知の加硫剤によって硬化させる。適切な加硫剤の一般的な開示について、興味のある読者には、カークオスマー、「化学技術百科事典」、第3版、(ウィリーインターサイエンス、ニューヨーク、1982年)、第20巻、365〜468頁に記載されているような概説を薦める。加硫剤、促進剤等は最終混合段階で加える。加硫の開始が早すぎないようにするために、この混合工程はたいてい低温で行われ、例えば約60〜約65℃で開始し、約105〜約110℃よりも高くまで到達しない温度で行われる。
以下の非限定的、説明用の例は、本発明の実施に有用であり得る詳しい条件及び物質を読者に提供するものである。
例においては、陽圧N2パージの下、抽出セプタムライナー及び穴あきキャップで予め封をした乾燥ガラス容器をすべての調製に用いた。市販の試薬及び出発物質としては以下の物が挙げられ、その総てはシグマアルドリッチ社(セントルイス、ミズーリ)から入手し、特定の例において別に指示されない限りさらなる精製なしに用いた:
フタラジン(純度98%)、ピリダジン(純度98%)、ピリミジン(純度99%)、及び1,3,5-トリアジン(純度97%)。
例1〜9に対しては、ブタジエンの溶液(ヘキサン中)、スチレンの溶液(ヘキサン中で33%)、ヘキサン、n-ブチルリチウム(ヘキサン中で1.6M)、2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中で1.6M、CaH2上に保存)、及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のヘキサン溶液を用いた。
(例1〜3)
2パージした、撹拌器を備える反応器に、ヘキサン1.62kg、スチレンの溶液0.41kg、及びブタジエンの溶液(ヘキサン中で22.2重量%)2.45kgを加えた。反応器にn-ブチルリチウム3.27mL、次に2,2-ビス(2'‐テトラヒドロフリル)-プロパンの溶液1.0mLを投入した。反応器のジャケットを50℃まで加熱し、約27分後、バッチ温度は約61℃で頂点に達した。
さらに約30分後、ポリマーセメントを反応器から乾燥したガラス容器へ移した。コントロール(例1)はイソプロパノールで終結させた。他の2つはフタラジンの溶液(トルエン/THF中で1.0M)を用いて官能化し、1つは官能化剤対開始剤のモル比1:2(例2)で、もう1つはモル比1:1(例3)で官能化した。3つの容器を約30分間50℃の浴槽に入れた。
次に、試料を、ジ-t-ブチル-p-クレゾール酸化防止剤の溶液(ヘキサン中で2重量%)3mLを加える前に、イソプロパノール約1.5mLの添加により失活させた。総ての試料を、BHTを含むイソプロパノール中で凝固させ、ドラム乾燥した。
これらポリマーの特性を以下の表1にまとめる。
(例4〜6)
2パージした、撹拌器を備える反応器に、ヘキサン1.31kg、スチレンの溶液0.41kg、及びブタジエンの溶液(ヘキサン中で19.7重量%)2.76kgを加えた。反応器にn-ブチルリチウム3.0mL、次に2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)-プロパンの溶液1.1mLを投入した。反応器のジャケットを50℃まで加熱し、約25分後、バッチ温度は約64℃で頂点に達した。
さらに約30分後、ポリマーセメントを反応器から乾燥したガラス容器へ移した。コントロール(例4)はイソプロパノールで終結させた。他の2つはピリダジンの溶液(トルエン中で1.0M)を用いて官能化し、1つは官能化剤対開始剤のモル比1:2(例5)で、もう1つはモル比1:1(例6)で官能化した。3つの容器を約30分間50℃の浴槽に入れた。
次に、試料を、ジ-t-ブチル-p-クレゾール酸化防止剤の溶液(ヘキサン中で2重量%)3mLを加える前に、イソプロパノール約1.5mLの添加により失活させた。総ての試料を、BHTを含むイソプロパノール中で凝固させ、ドラム乾燥した。
これらポリマーの特性を、例1〜3のポリマーと共に以下にまとめるが、表中、Mpはピーク分子量を表す。
Figure 0005775924
(例7〜9)
例1〜3のポリマーを用い、表2に示す配合処方(カーボンブラックを単独の粒子状充填剤とする)を用いて充填組成物を製造したが、表中、N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニルジアミンは酸化防止剤であり、N-t-ブチルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド、2,2'-ジチオビスベンゾチアゾール及びN,N'-ジフェニルグアニジンは促進剤である。
Figure 0005775924
配合物を約15分間171℃で硬化させた。これら配合物の物理試験の結果を以下の表3に示す。
これらポリマーから製造された加硫物の物理試験の結果を以下の表3にまとめる。「温度掃引」欄について、データの上の列は0℃での測定値であり、下の列は60℃での測定値である。
ムーニー粘度(ML1+4)の値はAlpha TechnologiesTMムーニー粘度計(大ローター)によって1分の起動時間及び4分の実行時間を使って測定し、引張機械特性はASTM‐D412に記載の標準的方法を用いて測定し、ペイン効果(△G'、即ち、歪0.25%と歪み14%とでのG'の差)及びヒステリシス(tanδ)のデータは60℃及び10Hz(歪掃引)並びに歪2%及び10Hz(温度掃引)で行った動的実験から得た。引張特性について、Mxは伸びX%での弾性率であり、Tbは引張破断強さであり、Ebは破断伸びパーセントである。
「分散指数」(DI)に対応するデータは、数式:DI=100−exp[A×log10(F2H)+B]を用いて計算したが、式中、Fは粗度ピーク数/cmであり、Hは平均粗度ピーク高さであり、A及びBはASTM-D 2663-89のメソッドBからの定数である。F及びHの輪郭データはカットサンプル(約3.5×2×0.2cm)をSurfanalyzerTM表面形状測定装置(マールフェデラル社、プロビデンス、ロードアイランド)によって(ASTM-D 2663-89の)メソッドCに記載の方法を用いて分析することにより得たが、Fは粗度ピーク数/cmであり、Hは平均粗度ピーク高さであり、A及びBはASTM-D 2663-89のメソッドBからの定数である。F及びHの輪郭データはカットサンプル(約3.5×2×0.2cm)をSurfanalyzerTM表面形状測定装置(マールフェデラル社、プロビデンス、ロードアイランド)によって(ASTM-D 2663-89の)メソッドCに記載の方法を用いて分析することにより得た。
Figure 0005775924
表3のデータは興味深い点を多く含むが、特に興味深い1列は60℃歪掃引のtanδデータであり、該データにおいては、末端フタラジンラジカル(開始剤に対するモル比1:1)を有するスチレン/ブタジエンのインターポリマーを用いた加硫物が、コントロールのSBRを用いた加硫物と比べて、tanδの顕著な(50%より大きい)減少を示すことが分かる。
(例10)
実施した触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液8.08mL、1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で20.6重量%)1.66g、0.537Mのネオジムバーサテートのシクロヘキサン溶液0.65mL、1.0Mのジイソブチルアルミニウムヒドリドのヘキサン溶液7.33mL、及び1.0Mのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液1.40mLを混合することにより調製した。該触媒を15分間熟成させた。
タービン撹拌翼を備えた反応器に、ヘキサン1.38kg、1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で20.6重量%)3.08kg、及び前述の触媒を加えた。反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約45分後、重合混合物を室温まで冷却した。
得られたポリマーセメントを、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール5gを含有するイソプロパノール12Lによって凝固させ、その後ドラム乾燥した。このポリマーの特性を以下の表5にまとめる。
(例11)
実施した触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液6.10mL、1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で22.4重量%)1.27g、0.537Mのネオジムバーサテートのシクロヘキサン溶液0.49mL、1.0Mのジイソブチルアルミニウムヒドリドのヘキサン溶液5.33mL、及び1.0Mのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液1.05mLを混合することにより調製した。該触媒を15分間熟成させた。
タービン撹拌翼を備えた反応器に、ヘキサン1.63kg、1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で22.4重量%)2.84kg、及び前述の触媒を加えた。反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約72分後、重合混合物を室温まで冷却した。
得られたポリマーセメントを、例10のポリマーと同様に凝固させ、ドラム乾燥した。このポリマーの特性もまた表5にまとめる。
(例12〜13)
タービン撹拌翼を備えた反応器に、ヘキサン1.60kg及び1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で22.2重量%)2.86kg、並びに例10で実施した触媒を加えた。反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約55分後、重合混合物を室温まで冷却した。
タービン撹拌翼を備えた反応器に、ヘキサン1.60kg及び1,3-ブタジエンの溶液(ヘキサン中で22.2重量%)2.86kg、並びに例10で実施した触媒を加えた。反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約55分後、重合混合物を室温まで冷却した。
得られたポリマーセメントの一部をNパージされた容器に移し、表4に示すとおりに官能化した。
Figure 0005775924
容器を65℃に保たれた水槽で30分間回転させた。
得られた混合物を、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含有するイソプロパノール3Lによって凝固させ、その後ドラム乾燥した。得られたポリマーの特性を以下の表にまとめる。(ムーニー粘度(ML1+4)の値はMonsantoTMムーニー粘度計(大ローター)によって1分の起動時間及び4分の実行時間を使って測定し、分子量はGPCによってポリスチレン基準を用いて測定し、1,2-結合含量、シス1,4-結合含量、及びトランス1,4-結合含量はIR分光分析から測定した。)
Figure 0005775924
(例14〜17)
例10〜13のポリマーを用い、表6に示す配合処方(カーボンブラックを単独の粒子状充填剤とする)を用いて充填組成物を製造した。
Figure 0005775924
充填組成物のムーニー粘度(ML1+4)の値は130℃でAlpha TechnologiesTMムーニー粘度計(大ローター)を用いて、1分の起動時間及び4分の実行時間を使って測定した。
配合物を約15分間171℃で硬化させた。加硫物の引張機械特性は、ASTM-D412に記載の標準的な方法を用いて測定し、ペイン効果(△G'、即ち、歪1%と歪20%とでのG'の差)及びヒステリシス(tanδ)のデータは50℃、1Hzで行った動的歪掃引実験から得た。
配合物及び加硫物の試験結果を以下の表7に示す。
Figure 0005775924
表7のデータは、とりわけ、官能化したシス-1,4-ポリブタジエン(それぞれ例16及び17におけるピリミジン及び1,3,5-トリアジンラジカル)を用いた加硫物が、未変性のシス-1,4-ポリブタジエンのコントロールポリマーを用いた加硫物(例14及び15)と比べて、50℃でのtanδ(ヒステリシス減少の指標)が顕著に減少し、△G'(ポリマーとカーボンブラック粒子との間の相互作用向上の指標)がより低いことを示している。
(例18)シス-1,4-ポリブタジエン(未変性)の合成
タービン撹拌翼を備えた反応器に、ヘキサン1.403kg及び20.6(重量)%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液3.083kgを加えた。
実施した触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液7.35mL、前述のブタジエンの溶液1.66g、0.537Mのネオジムバーサテートのシクロヘキサン溶液0.59mL、1.0Mのジイソブチルアルミニウムヒドリドのヘキサン溶液6.67mL、及び1.0Mのジエチルアルミニウムクロリドのヘキサン溶液1.27mLを混合することにより調製した。該触媒を反応器に投入する前に約15分間熟成させた。
反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約53分後、重合混合物を室温まで冷却した。得られたポリマーセメントを、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール5gを含有するイソプロパノール12Lによって凝固させ、その後ドラム乾燥した。
(例19)第2のシス-1,4-ポリブタジエン(未変性)の合成
例18の方法を以下の表にまとめる反応剤及び触媒成分の使用量で基本的に繰り返した。
Figure 0005775924
触媒添加の約72分後、重合混合物を室温まで冷却した。得られたポリマーセメントを、例18のポリマーセメントと同様に凝固させ、ドラム乾燥した。
例18及び19のコントロールのポリマーの特性を以下の表10にまとめる。
(例20〜21)変性シス-1,4-ポリブタジエン
例18〜19の方法を基本的に繰り返した。反応器にヘキサン1.593kg及び22.1(重量)%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液2.873kgを加えた。
実施した触媒は、ブタジエン成分が22.1(重量)%のヘキサン溶液1.55gであったこと以外は、例18において述べたように調製し、熟成させた。
反応器のジャケットの温度を65℃に設定し、触媒添加の約60分後、重合混合物を室温まで冷却した。
ポリマーセメントの一部をNパージした2つの容器に移し、異なる官能化化合物と反応させた。詳細を以下の表で説明する。
Figure 0005775924
各容器を65℃に保たれた水槽で約30分間回転させた。各容器の内容物を、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含有するイソプロパノール3Lによって凝固させ、その後ドラム乾燥した。
例18〜21で製造したポリマーの特性を、以下に表形式で説明する。ゴムのムーニー粘度(ML1+4)の値はMonsantoTMムーニー粘度計(大ローター)によって1分の起動時間及び4分の実行時間を使って測定し、分子量はGPCによってポリスチレン基準を用いて測定し、1,2-結合含量、シス1,4-結合含量、及びトランス1,4-結合含量はIR分光分析から測定した。
Figure 0005775924
(例22〜25)加硫物の製造及び試験
以下で説明する配合処方を用いて、例18〜21のポリブタジエンから充填配合物を製造した。
Figure 0005775924
ムーニー粘度(ML1+4)の値は130℃でAlpha TechnologiesTMムーニー粘度計(大ローター)によって1分の起動時間及び4分の実行時間を使って測定した。
総ての化合物を約15分間171℃で硬化させた。加硫物の引張機械特性はASTM‐D412に記載の標準的な方法を用いて測定した。ペイン効果(△G')及びヒステリシス(tanδ)のデータは50℃、1Hz、歪掃引0.1%〜20%で行った動的歪掃引実験から得たが、△G'は歪0.1%でのG'と歪20%でのG'との間の差と見なされる。これら加硫物の物理特性を以下の表12にまとめるが、表中、それぞれTは引張破断強さであり、Eは破断伸びパーセントである。
Figure 0005775924
表12のデータは、とりわけ、ヒドラゾン官能化シス-1,4-ポリブタジエンを用いて製造した加硫物(例24〜25)が、未変性のシス-1,4-ポリブタジエンを用いて製造したもの(例22〜23)と比べて、50℃でのtanδ(ヒステリシス減少の指標)及び△G'(ポリマーとカーボンブラックとの間の相互作用向上によるペイン効果減少の指標)が減少していることを示している。

Claims (10)

  1. アミン基及び少なくとも1つの他のヘテロ原子含有基を含む末端官能基を有するポリマーを形成する方法であって、
    a)ランタニド系触媒組成物を用いて、1つ以上のポリエンを重合させ、ポリエンマーを含む活性末端ポリマーを形成する工程と、
    b)前記ポリマーを1つ以上の5員又は6員芳香環を含む化合物と反応させ、それによって前記末端官能基を有するポリマーを形成する工程を含み、
    前記1つ以上の芳香環の少なくとも1つが、その環構造中にO、P、S及びNから選択される少なくとも2つのヘテロ原子を含み、かつ、少なくとも1つの>C=N−セグメントを含み、前記活性末端ポリマーが>C=N−セグメントの炭素原子と反応する
    末端官能基を有するポリマーの形成方法。
  2. 前記化合物が少なくとも2つのN原子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が少なくとも2つの>C=N−セグメントを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 更に、第2の活性末端ポリマーを前記化合物と反応させる工程を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記化合物が、その環構造中に少なくとも1つのO原子を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記化合物が、その環構造中に少なくとも1つのS原子を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記末端官能基を有するポリマーは、1,2結合含量が7%未満である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ランタニド系触媒組成物がランタニド化合物及びアルキル化剤を含み、該ランタニド化合物及びアルキル化剤の少なくとも一つが不安定なハロゲン原子を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ランタニド系触媒組成物がランタニド化合物、アルキル化剤、及び不安定なハロゲン原子を含む化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ランタニド化合物が少なくとも1つのNd原子を含む、請求項9に記載の方法。
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