JP5775555B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両前部構造に関するものである。
従来、車両のフロントガラスの下端部とエンジンフードの後端部との間に設置されたカウルトップ(ウインドシールドロア)において、車体の剛性を確保しつつ、車両衝突時に、歩行者保護の観点から衝突荷重を吸収する吸収性を向上させた車両前部構造が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のカウルトップ(カウル部材)は、フロントガラスの下端部に設けられたカウルトップアウタと、カウルトップアウタの後端部から下側に向けて延設されたカウルトップインナと、カウルトップインナの下端部から前側上方に向けて延設されたカウルトップロアと、カウルトップロアとカウルトップアウタとの間の開口を覆うデッキガーニッシュとによって閉断面を形成している。このカウルトップは、フロントガラスに上方からの衝突荷重が加わった際に、カウルトップインナに形成されたビードでその荷重を支持すると共に、ビードの上側に形成された折曲部と湾曲部とが屈曲変形することによって衝撃を吸収している。このため、カウルトップは、上方向からの衝突荷重を受けた際に、カウルトップインナの上半分が後方側に屈曲し易く形成されている。
図9は、従来の車両のウインドシールドロアを示す平面図である。図10は図9のF−F線端面図である。
特許文献1の発明以外の従来技術としては、例えば、図9及び図10に示すように、上方向からの衝突荷重を受けた際に、フロントガラス100を支えるウインドシールドロア200を変形させることで、衝撃を吸収させるものもある。ウインドシールドロア200は、フロントガラス100を支えるガラス支持部210と、ガラス支持部210の後端から後側に水平に延びる上壁220と、ガラス支持部210と上壁220との間に形成されら第1折曲部230と、上壁220の後端から下方に向けて延びる縦壁240と、上壁220と縦壁240との間に形成された第2折曲部250と、を有している。ウインドシールドロア200は、ガラス支持部210と縦壁240との間に、空間300が形成されている。
そして、ウインドシールドロア200は、上方からの衝突荷重(矢印f)を受けると、仮想線で示すように、ガラス支持部210及び上壁220が、第2折曲部250付近を中心として空間300側(矢印g側)に折れ曲がるように変形することで、衝突荷重を吸収している。
特許第4613985号公報
しかし、特許文献1に記載のカウルトップでは、カウルトップアウタの後端部に形成されたフランジ部と、カウルトップインナの上端部に形成されたフランジ部とを重ね合わせた状態で、溶接して接合しているので、強度剛性が高くなっている。このため、カウルトップは、上方からの衝突荷重を受けた際に、変形し難く、衝突荷重を吸収し難い構造になっている。さらに、カウルトップは、前記フランジ部が上部後端部に配置されていることにより、車室内側に向けて突出するように形成されているため、インストルメントパネル等の室内取付部品の設置スペースが減少するという問題点があった。
また、カウルトップのビードは、横断面視して凹凸形状に形成して補強していることにより、エアコン吸気口を形成し難いという問題点があった。
また、カウルトップは、上方からの衝突荷重を受けて変形した際、カウルトップアウタとカウルトップインナとの接合箇所の角度が縮まるように変形する箇所と、ガラス支持部、折曲部及び湾曲部のように角度が広がるように変形する箇所とがある。このため、特許文献1に記載のカウルトップは、変形した際、複雑な変形となるので、全体として変形のコントロールが困難であるという問題点があった。
一方、図9及び図10に示す従来のウインドシールドロア200では、例えば、車両と歩行者との衝突時に、歩行者からの荷重がかかると、ガラス支持部210が、ガラス支持部210の後側に配置された縦壁240に向けて空間300内に押し込まれるように変形して衝突荷重を吸収している。しかし、このようなウインドシールドロア200では、ウインドシールドロア200の上部前側のみが変形するので、十分な荷重低減効果が得られず、さらに、衝突荷重の吸収性を向上させたものが望まれた。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、更に衝突荷重の吸収性を向上させた車両前部構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る車両前部構造は、フロントガラスの下方に配置されるウインドシールドロアを備えた車両前部構造であって、前記ウインドシールドロアは、前記フロントガラスの下端部を支持し、前方かつ下方へ傾斜するガラス支持部と、前記ガラス支持部の上端から第1折曲部を介して後方へ延設された上壁と、前記上壁の後端から第2折曲部を介して下方に延設され、中間部に第3折曲部が設けられた縦壁と、前記ガラス支持部の左右の端部と、前記ウインドシールドロアの左右にそれぞれ設けられるダッシュボードサイドメンバとによって形成された切欠部と、を有し、前記上壁は、水平に形成された前部と、該前部の後端部から後方側へ下降して傾斜する傾斜面と、該傾斜面の後端部から後方側に向けて棚状に形成された後部と、を有し、前記縦壁は、ダッシュボードロアの上端部に連結されエアコン吸気口が形成された垂直部と、該垂直部から前記第3折曲部を介して上方かつ後方に傾斜する傾斜部と、を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、車両前部構造は、上壁の前部の後端部から後方側へ下降して傾斜する傾斜面が、荷重入力方向に対して一致した方向に傾斜しているので、指向するため、ガラス支持部に直交する衝撃入力に対して、上壁が元の形状を維持したまま、ガラス支持部と縦壁の上部が後方へ倒れるように変形する。このため、被衝突物(歩行者)による衝突荷重を十分に吸収して低減させることができるので、衝突荷重の吸収性を向上させることができる。その際、ウインドシールドロアの縦壁は、上部が後方側に折れ曲がるように変形して、縦壁の第3折曲部よりも下側部位が殆ど変形しないので、縦壁の下側部位にエアコン吸気口を形成することが可能となる。
また、ウインドシールドロアは、衝突荷重を受けて変形する上部後側にフランジ部がないので、フランジ部によるインストルメントパネル等の室内取付部品に設置を規制して設置スペースを減少させることもない。
また、かかる構成によれば、ウインドシールドロアのガラス支持部の左右の端部とダッシュボードサイドメンバとは、両者によって切欠部を形成していることにより、ガラス支持部と上壁との間に形成された第1折曲部を中心としてガラス支持部を後側方向に変形し易くすることができる。このため、ウインドシールドロアは、後方側に倒れるように変形し易くすることができるので、衝突時の衝突荷重をその変形によって吸収することができる。
また、前記ガラス支持部は、前記切欠部に対して車幅方向の中央側に、カウルトップに固定されたクリップが装着されるクリップ固定部を有していることが好ましい。
かかる構成によれば、ガラス支持部は、切欠部に対して車幅方向の中央側にクリップ固定部を有しているので、ガラス支持部とダッシュボードサイドメンバとの間に架設されたカウルトップから外し易くすることができると共に、ガラス支持部を容易に変形されるようにすることができる。
また、前記カウルトップの左右の端部は、前記ウインドシールドロアの左右にそれぞれ設けられるダッシュボードサイドメンバに当接させて設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、カウルトップの左右の端部は、ダッシュボードサイドメンバに当接させて設けられているので、外方からの荷重入力に対して反力を発生し、衝撃エネルギーを吸収することができる。
また、前記エアコン吸気口に接続されるインテークダクトは、前記ウインドシールドロアに取り付けられる取付部に隣接して凹部状に形成されたベントダクト配置部を有し、該ベントダクト配置部には、ベントダクトが設置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、インテークダクトは、ウインドシールドロアの取付部に隣接してベントダクト配置部が凹部状に形成されているので、凹んでいる分だけベントダクトの位置を下げることにより、ウインドシールドロアを後方側に倒すことが可能なスペースを確保することができる。また、衝突荷重が負荷された際に、ウインドシールドロアが後方側に倒れるように変形することにより、荷重低減効果を向上させることができる。
また、前記ウインドシールドロアと前記ベントダクトとの間には、前記ウインドシールドロアが後方側に変形することを可能にするスペースが形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、ウインドシールドロアは、ウインドシールドロアとベントダクトとの間にスペースが形成されていることにより、前方からの衝突荷重を受けた際に、後方側に変形して衝突荷重を吸収することができる。
本発明によれば、更に荷重低減効果を向上させた車両前部構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両前部構造のウインドシールドロアの設置状態を示す平面図である。 図1のA−A線拡大端面図である。 図2のD部拡大図である。 ウインドシールドロアとダッシュボードサイドメンバとの連結部の状態を示す要部拡大斜視図である。 図1のB−B線端面図である。 図1のC−C線端面図である。 ウインドシールドロアに設置されるインテークダクトとベントダクトとの設置状態を示す要部拡大斜視図である。 図7のE−E線端面図である。 従来の車両のウインドシールドロアを示す平面図である。 図9のF−F線端面図である。
図2を主に図1〜図8を参照して、本発明の実施形態に係る車両前部構造を説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、説明において方向を示すときは、車両Vの前後左右上下を基準にして説明する。なお、車幅方向と左右方向は同義である。
<車両>
まず、本発明の実施形態に係る車両前部構造を説明する前に、本発明が適用される車両Vについて説明する。
図1あるいは図2に示すように、車両Vは、例えば、それぞれ後記するエンジンルームERと、エンジンフード(図示省略)と、車室CRと、フロントガラス1と、ウインドシールドロア2と、ダッシュボードロア3と、ダッシュボードサイドメンバ4と、カウルトップ5と、インテークダクト7(図7参照)と、ベントダクト8(図7参照)と、不図示のエアコン等を車体前部に備えた自動車であり、例えば、乗用車等である。なお、車両Vは、車体の前部にウインドシールドロア2が設けられている自動車であれば、その形式・種類は特に限定されない。
エンジンルームERは、不図示のエンジンや補機等が収納される空間であり、車体の前部に設けられている。エンジンフード(図示省略)は、そのエンジンルームERの上部を開閉自在に覆う蓋部材であり、ウインドシールドロア2の前方側に配置されている。車室CRは、エンジンルームERの後方側に設けられている。フロントガラス1は、車室CRの前部に設置されている。
<ウインドシールドロア>
図1に示すように、ウインドシールドロア2は、フロントガラス1(図1参照)の下方に配置された左右方向に長尺な鋼製板部材である。図2に示すように、ウインドシールドロア2は、上部前端の上側フランジ部2pからガラス支持部2a、第1折曲部2b、上壁2c、第2折曲部2d、縦壁2j、下側フランジ部2qを連続形成してなる。ウインドシールドロア2は、プレス加工により、縦断面視して略山形状に形成されている。
ウインドシールドロア2は、エンジンルームER(図1参照)と車室CRとを仕切るダッシュボードロア3の上端部3aに下側フランジ部2qが接合されている。ウインドシールドロア2は、その下側フランジ部2qの上方に縦壁2jを介して形成された上壁2cから前側斜め下方へ延出されたガラス支持部2aで、フロントガラス93を片持ち構造にて支持している。ウインドシールドロア2は、縦断面視して、カウルトップ5と、ダッシュボードアッパ9とによって閉断面部Kを形成するように連結されている。
図4に示すように、ウインドシールドロア2は、ガラス支持部2aの左右の端部と、ウインドシールドロア2の左右端部に設けられるダッシュボードサイドメンバ4と、によって、その間の前側にそれぞれ平面視して略V字状の切欠部21を形成している(図1参照)。
<ガラス支持部>
図2に示すように、ガラス支持部2aは、フロントガラス1の下端部1aをシール材S1を介在して支持する部位であり、ウインドシールドロア2の上部前端部に形成されている。ガラス支持部2aは、上端部の上壁2cからフロントガラス1に沿って前方かつ下方へ傾斜して形成されている。
図4に示すように、ガラス支持部2aは、切欠部21に対して車幅方向の中央側に、ウインドシールドロア2とカウルトップ5(図6参照)とを連結するクリップ6(図6参照)が装着されるクリップ固定部2oと、ガラス支持部2aの前端部をL字状に折曲成形した上側フランジ部2pと、を有している。
図4及び図6に示すように、クリップ固定部2oは、カウルトップ5に固定されたクリップ6の圧入部6aが圧入される貫通孔であり、左右方向に延在するガラス支持部2aに適宜な間隔を介して複数形成された長孔から成る(図1参照)。
図2に示すように、上側フランジ部2pは、ガラス支持部2aの前端を前側上方に向けて折曲形成して補強した部位である。
<第1折曲部>
第1折曲部2bは、前側下方に向けて傾斜するガラス支持部2aと、略水平に形成された上壁2cとの間に形成された折曲部位である。第1折曲部2bは、所定の曲率半径で丸めた状態に鈍角に折曲形成されている。第1折曲部2bは、折曲加工が施されていることにより、稜線が形成されて適度な強度を有している。
<上壁>
図2に示すように、上壁2cは、ウインドシールドロア2の上面部位であり、第1折曲部2bから前部2f、傾斜面2gと後部2i(ジョックル2h)を介して第2折曲部2dまで連続形成されている。上壁2cは、水平に形成された前部2fと、この前部2fの後端部から後方側へ荷重入力方向(矢印a)の向きに対して一致した方向に傾斜して形成された傾斜面2gと、傾斜面2gの後端から後方側に向けて平らな棚状に形成された後部2iと、を有している。これら傾斜面2gと後部2iがジョックル2hを形成する。
前部2fは、第1折曲部2bから傾斜面2gの前端部までの上壁2cの前側部位であり、平坦に形成されている。
傾斜面2gは、前部2fの後端からジョックル2hの一部であり後下がりに折曲形成されている。
ジョックル2hは、傾斜面2gと後部2iとによって略V字溝状に曲げ加工された部位であり、側面視して上壁2cの略後半に形成されている。ジョックル2hは、鋼板のプレス曲げ加工したことにより、上壁2cに適度な強度を付与している。
後部2iは、ジョックル2hの一部であり第2折曲部2dまでの上壁2cの後側部位であり、平坦に形成されている。
第2折曲部2dは、上壁2cの後部2iと、上下方向に向けて形成された縦壁2jの上端との間に形成された折曲部位である。第2折曲部2dは、所定の曲率半径で丸めた状態に折曲形成されていることにより、稜線が形成されて適度な強度を有している。
<縦壁>
縦壁2jは、上壁2cの後端の第2折曲部2dから下側に向けて折曲形成されて、下端の下側フランジ部2qまで延設された部位である。縦壁2jは、第2折曲部2dから傾斜部2n、第3折曲部2e、エアコン吸気口2k、垂直部2mを介して下側フランジ部2qの基端部まで連続形成されている。
傾斜部2nは、第2折曲部2dから下側前方に向けて斜めに形成された部位であり、第2折曲部2dから第3折曲部2eに亘って形成されている。傾斜部2nは、第3折曲部2eから角度θ(例えば、角度θ=10度)後側に傾斜させて形成されている。このため、縦壁2jの上側寄り部位は、傾斜部2nが上方かつ後方へ傾斜して形成されていることにより、やや後方側へ反った状態になっている。
第3折曲部2eは、傾斜部2nと垂直部2mとの間に形成された折曲部位であり、略く字状に鈍角に折曲加工されている。第3折曲部2eは、折曲形成されていることにより、稜線が形成されて適度な強度を有している。
垂直部2mは、略垂直に形成された部位であり、第3折曲部2eから下側フランジ部2qの基端部まで形成されている。この垂直部2mには、エアコン吸気口2kが形成されている。
図2に示すように、エアコン吸気口2kは、カウルトップ5の外気吸気口からカウルトップ5内に入り込んだ外気をインテークダクト7(図8参照)を介して不図示のエアコンに送るための吸気口であり、ウインドシールドロア2の左側の垂直部2mに形成されている。このエアコン吸気口2kは、ダッシュボードアッパ9の凹部状に形成された底面部9aよりも上方に配置されている。
下側フランジ部2qは、ダッシュボードロア3の上端部3aにダッシュボードアッパ9の後側フランジ部9bを介在して重ねた状態に接合されている。
<ダッシュボードロア>
ダッシュボードロア3は、ウインドシールドロア2の下側に連結されて、車室CRとエンジンルームERとを仕切る鋼板であり、車室CRの前側下方に左右方向に向けて延設されている。
<ダッシュボードサイドメンバ>
図1に示すように、ダッシュボードサイドメンバ4は、ウインドシールドロア2の両端部に設けられて前後方向に延在する金属製部材であり、不図示のサイドエクステンションや、フロントピラーや、アッパメンバや、ヒンジカバー53(図5参照)等が連結されている。
<カウルトップ>
図2に示すように、カウルトップ5は、フロントガラス1の下端部1aとエンジンフード(図示省略)の後端部との間に設置された樹脂製部材である。カウルトップ5は、左右方向に延設されて、その左右の端部が、左右のダッシュボードサイドメンバ4(図1参照)に当接した状態に設けられている。カウルトップ5は、上側に設置されるカウルトップアッパ51と、カウルトップアッパ51の下側に設置されたカウルトップロア52と、カウルトップアッパ51の左右端部の上側に設置されたヒンジカバー53(図5参照)と、を備えている。
カウルトップアッパ51は、中央部に外気導入口51aを有する隆起部51bと、カウルトップロア52の上端部52aに連結され、エンジンフード(図示省略)の下面に圧接するシール材S2が装着された前端部51cと、シール材S3を介してフロントガラス1に連結された後端部51dと、を有している。外気導入口51aは、エンジンフード(図示省略)の後端下方で配置されると共に、後下がりに傾斜されたカウルトップロア52の上方に配置されている。
カウルトップロア52は、前記上端部52aと、ダッシュボードアッパ9の前側フランジ部9cにシール材S4を介して固定された下端部52bと、を有している。
図5に示すように、ヒンジカバー53は、本体板部53aと、本体板部53aをカウルトップアッパ51に装着させるためのクリップ部53bと、を有している。
図2に示すように、シール材S2は、カウルトップアッパ51とカウルトップロア52の上部前端に配置されたウェザーストリップである。シール材S2は、平面視して略逆U字状に形成され、カウルトップアッパ51の前端部51cと、カウルトップロア52の上端部52aとの接合部に装着されている。シール材S2は、エンジンフード(図示省略)とカウルトップ5との間を気密乃至液密に保持して、エンジンルームERからの熱気が外気導入口5aへ流入するのを抑制している。
<インテークダクト>
図7及び図8に示すように、インテークダクト7は、例えば、樹脂等により略角筒状に形成された部材である。インテークダクト7は、ウインドシールドロア2のエアコン吸気口2kに取り付けられる取付部7aと、エアコン用ブロア(図示省略)に連通する連結部7bと、取付部7aと連結部7bとの間に設けられた筒部本体7cと、筒部本体7cの上部上面に形成されたベントダクト配置部7dと、を備えている。
図8に示すように、取付部7aは、ウインドシールドロア2のエアコン吸気口2kに内嵌するようにして接合される部位であり、前方側が開口し、閉断面部K内に流入した空気が吸入されるように形成されている。
連結部7bは、後方に開口するフランジ形状に形成されている。
筒部本体7cは、水平方向に向けて開口した前端の取付部7aから斜め下方向に向けて開口した後端の連結部7bに亘って形成されて、前方から流入した空気を下方向に流れるように送っている。
ベントダクト配置部7dは、ベントダクト8が設置される部位であり、ウインドシールドロア2に取り付けられる取付部7aに隣接して形成されている。ベントダクト配置部7dは、ベントダクト8の外面形状に合わせて、背面視して(後方から見て)凹部状に形成されている。ベントダクト配置部7dは、凹部状に窪んで形成されていることにより、窪んでいる分だけベントダクト8を高さH下方に配置させることができるので、インテークダクト7の上部に空間を形成している。このため、ベントダクト配置部7dは、ウインドシールドロア2の上部が後方側に倒れるように変形するスペースを確保している。
<ベントダクト>
図7及び図8に示すように、ベントダクト8は、それぞれ不図示のベント開閉ダンパでベント入口を開放することにより、空調風(内気、外気)を、インストルメントパネルの中央部に配置されたセンタベント吹出口、インストルメントパネルの左右に配置されたサイドベント吹出口などに導くための配管である。ベントダクト8は、ウインドシールドロア2が衝突荷重を受けた際に、ウインドシールドロア2が後方側に変形して衝突荷重を吸収するための吸収スペース22(スペース)を介して配置されている。
<エアコン>
不図示のエアコンは、車室CR内の冷房、暖房、送風を行う空調装置であり、図2に示す気液分離機能を備えた閉断面部K内を通過して気液分離されて除湿された外気が、エアコン用ブロア(図示省略)によって吸引されて導入されるようになっている。エアコンは、ウインドシールドロア2の下方部位において、それぞれ不図示の外気(車外の空気または車室CR内の空気)を吸引するブロアと、このブロアで吐出した外気を冷却して除湿するエバポレータと、エバポレータを通過した外気を必要により加熱するヒータコアと、エバポレータを通過した外気のヒータコアへの流量を調整するエアミックスドア等を備えて成る。
図2に示すように、ダッシュボードアッパ9は、中央部に凹部状に窪ん形成された底面部9aと、ウインドシールドロア2の下側フランジ部2qに重ねた状態で接合される後側フランジ部9bと、カウルトップロア52の下端部52bにシール材S4を介して接合される前側フランジ部9cと、を有する鋼製板部材からなる。
底面部9aは、エアコン吸気口2kの前側下方に設置されて、エアコン吸気口2kに流れ込む外気中の水分をその手前で落下させて気液分離する機能を備えている。底面部9aには、溜まった水を排出する排水口(図示省略)が形成されている。
≪作用≫
本発明の実施形態に係る車両前部構造は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、図1〜図8を参照して、その作用を説明する。
図2に示すように、例えば、車両Vの前部に被衝突物が衝突すると、被衝突物が車両前部のエンジンフード(図示省略)、カウルトップ5及びフロントガラス1上に跳ね上げられる。エンジンフード(図示省略)と、カウルトップ5と、フロントガラス1の下のウインドシールドロア2は、被衝突物による前側上方からの荷重(矢印a)を受けて変形する。
図3に示すように、ウインドシールドロア2は、略凸部状に形成されたウインドシールドロア2の上壁2cに、前部2fの後端部から後方側へ下降する傾斜面2gが荷重入力方向(矢印a)の向きに対して一致させて傾斜して形成されていることにより、変形し難く、荷重入力方向に指向するようになる。
また、ウインドシールドロア2は、上壁2cに一段のジョックル2hが形成されていることにより、強度が向上されているため、衝突荷重(矢印a)に対して折れ曲がらず、縦壁2jを後方へ倒すように入力荷重を伝達することができる。
このため、ウインドシールドロア2は、上壁2cが元の形状をほぼ維持したまま、ガラス支持部2aと縦壁2jの上部が仮想線で示すように、後方へ倒れるように折れ曲がって変形する。
つまり、ウインドシールドロア2は、ガラス支持部2aが衝突荷重(矢印a)を受けて後方側(矢印b)に押圧されることにより、ガラス支持部2aが第1折曲部2bを中心として後方側(矢印b)に変形する。上壁2cは、ガラス支持部2aが衝突荷重(矢印a)を受けて後方側(矢印b)に押圧されることにより、第1折曲部2bと共に上壁2c全体が形状を維持した状態で後方側(矢印c)に移動する。縦壁2jは、後側に変形して衝撃を吸収するのを可能にするために、吸収スペース22(図8参照)が形成されて、縦壁2jの後側が空間状態になっている。このため、縦壁2jの傾斜部2nは、周囲の部品等によって変形することが規制されることがなく、第3折曲部2eを略中心として第2折曲部2dが後方側(矢印b)へ倒れるように変形する。
ウインドシールドロア2は、このようにして上部全体が後方向へ変形して衝突荷重(矢印a)を吸収する。このため、ウインドシールドロア2は、被衝突物(歩行者)による衝突荷重(矢印a)を十分に吸収して低減させることができ、衝突荷重(矢印a)の吸収性を向上させることができる。変形する際、ウインドシールドロア2の縦壁2jは、上部が後方側に倒れるように折れ曲がって変形することにより、縦壁2jの下側部位が殆ど変形しないので、図2に示すように、縦壁2jの下側部位にエアコン吸気口2kを形成することが可能となる。
また、ウインドシールドロア2は、衝突荷重(矢印a)を受けて車室CR側方向に変形する上部後側にフランジ部(特許文献1参照)がないので、フランジ部によるインストルメントパネル等の室内取付部品の設置を規制して設置スペースを減少させることもない。
図1に示すように、ウインドシールドロア2の左右の端部と、左右のダッシュボードサイドメンバ4とは、その間に平面視してV字状の切欠部21が形成していることにより、第1折曲部2bを中心としてガラス支持部2aを後側方向に変形し易くすることができる。このため、ウインドシールドロア2は、後方側に倒れるように変形し易く形成されていることにより、衝突時の衝突荷重(矢印a)をその変形によって吸収することができるので、衝突時の衝撃吸収性を向上させることができる。
図6に示すように、カウルトップ5の左右の端部は、ダッシュボードサイドメンバ4にシール材S5を介して当接させて設けられているので、左右外方からの荷重入力に対して反力を発生させることができるため、左右方向の衝撃エネルギーの吸収性を向上させることができる。
また、図6に示すように、ウインドシールドロア2のガラス支持部2aは、切欠部21に対して車幅方向の中央側にカウルトップ5を上面で固定するクリップ固定部2oを有している。カウルトップ5は左右のダッシュボードサイドメンバ4の上面に上方から固定される。このため、ウインドシールドロア2は、ガラス支持部2aとダッシュボードサイドメンバ4との間に架設されたカウルトップ5から外し易くすることができると共に、ガラス支持部2aを容易に変形されるようにすることができる。
その結果、被衝突物が上方からカウルトップ5に衝突した際に、ガラス支持部2aを下方向(矢印e)に変形し易くして、クリップ6が外れるようにすることができるので、衝撃吸収性を高めることができる。
また、図7及び図8に示すように、インテークダクト7は、ウインドシールドロア2の取付部7aに隣接して背面視して凹部状のベントダクト配置部7dが形成されているので、ベントダクト配置部7dが凹んでいる分(高さH)だけベントダクト8を下げて設置することができる。これにより、ウインドシールドロア2の上部を後方側に倒すことが可能な吸収スペース22を確保することができる。また、吸収スペース22は、衝突荷重が負荷された際に、ウインドシールドロア2を後方側に倒れるように変形させることが可能なため、荷重低減効果を高めることができる。
本発明の実施形態によれば、衝突時の衝撃吸収性が向上されたウインドシールドロア2は、1枚の鋼板をプレス加工することによって形成することができるため、衝撃吸収材等の他の部材を新たに設けずに、かつ、部品点数、組付工数及びコストを増加させることなく、衝撃吸収性の機能を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態では、主に車両Vの左側前部を主に説明したが、車両Vの右側前部も適宜同様に構成してもよい。
1 フロントガラス
1a 下端部
2 ウインドシールドロア
2a ガラス支持部
2b 第1折曲部
2c 上壁
2d 第2折曲部
2e 第3折曲部
2f 前部
2g 傾斜面
2h 後部
2j 縦壁
2k エアコン吸気口
2m 垂直部
2n 傾斜部
2o クリップ固定部
3 ダッシュボードロア
3a 上端部
4 ダッシュボードサイドメンバ
5 カウルトップ
6 クリップ
7 インテークダクト
7a 取付部
7d ベントダクト配置部
8 ベントダクト
21 切欠部
22 吸収スペース(スペース)
V 車両

Claims (5)

  1. フロントガラスの下方に配置されるウインドシールドロアを備えた車両前部構造であって、
    前記ウインドシールドロアは、前記フロントガラスの下端部を支持し、前方かつ下方へ傾斜するガラス支持部と、
    前記ガラス支持部の上端から第1折曲部を介して後方へ延設された上壁と、
    前記上壁の後端から第2折曲部を介して下方に延設され、中間部に第3折曲部が設けられた縦壁と、
    前記ガラス支持部の左右の端部と、前記ウインドシールドロアの左右にそれぞれ設けられるダッシュボードサイドメンバとによって形成された切欠部と、
    を有し、
    前記上壁は、水平に形成された前部と、
    該前部の後端部から後方側へ下降して傾斜する傾斜面と、
    該傾斜面の後端部から後方側に向けて棚状に形成された後部と、を有し、
    前記縦壁は、ダッシュボードロアの上端部に連結されエアコン吸気口が形成された垂直部と、
    該垂直部から前記第3折曲部を介して上方かつ後方に傾斜する傾斜部と、を有することを特徴とする車両前部構造。
  2. 前記ガラス支持部は、前記切欠部に対して車幅方向の中央側に、カウルトップに固定されたクリップが装着されるクリップ固定部を有していることを特徴とする請求項の車両前部構造。
  3. 前記カウルトップの左右の端部は、前記ウインドシールドロアの左右にそれぞれ設けられるダッシュボードサイドメンバに当接させて設けられていることを特徴とする請求項に記載の車両前部構造。
  4. 前記エアコン吸気口に接続されるインテークダクトは、前記ウインドシールドロアに取り付けられる取付部に隣接して凹部状に形成されたベントダクト配置部を有し、
    該ベントダクト配置部には、ベントダクトが設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項いずれか一項に記載の車両前部構造。
  5. 前記ウインドシールドロアと前記ベントダクトとの間には、前記ウインドシールドロアが後方側に変形することを可能にするスペースが形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両前部構造。
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