JP5636340B2 - 車両の前部車体 - Google Patents
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Description
フードヒンジスチフナのフードヒンジにフード(ボンネット)が取り付けられる。これにより、フードがフードヒンジを介してフードヒンジスチフナ(すなわち、車体側)に支持される。
よって、車体側にフードヒンジを支持する部材として、フードヒンジスチフナおよびダッシュボードサイドメンバの2部材を必要としていた。
このため、部品点数が多くなり、この観点から改良の余地が残されていた。
このため、エアコン吸気口に洗車用の水などが浸入することを防止する工夫が要求されていた。
しかし、サイド壁部に到達した洗車用の水などがサイド壁部に沿って車幅方向内方に導かれることが考えられる。
そこで、請求項2において、サイド壁部の内端部に第二突片を設け、第二突片を車体前方に向けて突出させた。
そこで、請求項5において、ダッシュボードサイドメンバのサイド壁部およびサイド接合片が交差する部位に切欠を形成した。
よって、カウルボックスの端部にサイドエクステンションおよびダッシュボードサイドメンバで閉塞空間を形成することができる。
これにより、カウルボックスの端部の剛性を高めることができ、前突時、特にオフセット衝突時の車体後方への荷重伝達を良好にすることができる。
すなわち、サイド稜線部は、第一サイド水平部およびサイド壁部が交差する部位に設けられることにより断面略湾曲状に形成されている。よって、第一サイド水平部およびサイド壁部間にサイド稜線部を設けることで、カウルボックスの端部の剛性をさらに高めることができる。
よって、カウルボックスの端部でエクステンション上折曲部を補強することができる。
これにより、サイドエクステンションの剛性を高め、サイドエクステンションでサイドフェンダを強固に支えることができる。
第一突片を上方に向けて突出させることで、サイド稜線部およびカウルボックスの上部間の空間を第一突片で塞ぐことができる。
これにより、洗車用の水などがサイド稜線部およびカウルボックスの上部間の空間を経てカウルボックス内に浸入することを第一突片で防止できる。
よって、フードヒンジを支えるダッシュボードサイドメンバを一部材で形成することができる。
このように、フードヒンジを一部材で形成することで、部品点数を減らすことができる。
よって、洗車用の水などがサイド壁部に沿って車幅方向内方に導かれた場合に、導かれた水の流れを第二突片で遮ることができる。
これにより、洗車用の水などがサイド壁部に沿ってカウルボックス内に浸入することを防止できる。
稜線ビードを車体前後方向に延在させることで、サイド稜線部およびカウルボックスの上部間の空間を稜線ビードで塞ぐことができる。
これにより、洗車用の水などがサイド稜線部およびカウルボックスの上部間の空間を経てカウルボックス内に浸入することを稜線ビードで防止できる。
よって、カウルボックスの端部でサイドエクステンションのエクステンション上折曲部をさらに補強することができる。
これにより、サイドエクステンションのエクステンション上折曲部でサイドフェンダを一層強固に支えることができる。
加えて、前突時、特にオフセット衝突時の車体後方への荷重伝達を良好にすることができる。
さらに、第二サイド水平部の車幅方向外方の外端部からサイド接合片を上方に向けて突出し、サイド接合片をエクステンション側壁部の内面に接合させた(設けた)。
これにより、ダンパハウジングから入力した荷重を、ダッシュボードサイドメンバを経てカウルボックスに良好に伝えることができる。
これにより、ダッシュボードサイドメンバを平板からプレス成形する際に、交差する部位の絞り量を抑えることができ、交差する部位にしわが発生することを抑えることができる。
さらに、サイド接合片をサイドエクステンションのエクステンション側壁部に設け、第一サイド水平部をサイドエクステンションのエクステンション上折曲部に設けた。
これにより、ダッシュボードサイドメンバに車体前方から入力した荷重をサイド接合片および第一サイド水平部を経てフロントピラーまで好適に伝えることができる。
図1に示すように、車両の前部車体10は、車体の左右側部に設けられた左右のアッパメンバ12と、左右のアッパメンバ12の車幅方向内側に設けられた左右のダンパハウジング13と、左右のダンパハウジング13の車体後方に設けられたダッシュボードロア14と、ダッシュボードロア14の上部14a(図5参照)に設けられたカウルボックス15と、カウルボックス15の左右の端部15aに設けられた左右のフロントピラー18とを備えている。
左右のダンパハウジング13に補強用のタワーバー19が架け渡されている。
この左アッパメンバ12は、例えば、オフセット衝突などで車体前方から荷重が入力した場合に、入力した荷重が前端部12a(図1参照)に伝えられるように形成されている。
オフセット衝突とは、車体の幅方向中心に対して左右方向のいずれか一方にずれた状態の衝突をいう。
この左ダンパハウジング13は、左アッパメンバ12および左フロントサイドフレーム(図示せず)に設けられたハウジング本体31と、ハウジング本体31の上部に設けられたハウジング頂部32とを有する。
ハウジング本体31は、左フロントダンパ(図示せず)をエンジンルーム34から仕切る壁部である。
ハウジング頂部32は、左フロントダンパの頂部を支持する部位である。
このダッシュボードロア14の上部14aにカウルボックス15が設けられている。
図6に示すように、カウルボックス15は、ダッシュボードアッパ37およびウインドシールドロア38で閉空間41が形成され、上部中央15bに外気導入口42が形成されている。
また、カウルボックス15は、左端部15aに左端開口43(図2参照)が形成されている。
このダッシュボードアッパ37は、ダッシュボード前壁45、ダッシュボード後壁46およびダッシュボード底部44で側面視略U字状に形成されている。
ウインドシールド下接合片51は、ウインドシールド後壁52の下端部52aから車体後方に向けて折り曲げられている。
このウインドシールドロア38は、ウインドシールド後壁52およびウインドシールド頂部53で側面視略L字状に形成されている。
エアコン吸気口55は、吸気ダクトを経て空調装置(図示せず)に連通されている。
よって、カウルボックス15の外気導入口42からカウルボックス15内に外気が導入され、導入された外気がカウルボックス15内を経てエアコン吸気口55に導かれる。
エアコン吸気口55に導かれた外気は、エアコン吸気口55および吸気ダクトを経て空調装置に導かれ、空調装置で空調された状態で車室35内へ吹き出される。
図5、図7に示すように、ウインドシールドロア38は、ウインドシールド後壁52およびウインドシールド頂部53が交差する部位にウインドシールド上稜線56と、ウインドシールド後壁52の左端部52bから車体後方に向けて折り曲げられたウインドシールド左接合片57とを有する。
よって、カウルボックス15の底部(ダッシュボード底部)44が左ダンパハウジング13のハウジング頂部32より下方に配置される。
このため、車体前方から入力した荷重をハウジング頂部32を経てダッシュボード底部に効率よく伝えることが難しい。
さらに、左ダンパハウジング13(ハウジング頂部32)の中心61より車幅方向内側寄りで、かつ左ダンパハウジング13の車体後方にダンパハウジングサポート39を配置した。
このように、ダンパハウジングサポート39(カウルボックス15)に伝えられた荷重はカウルボックス15を経て左フロントピラー18(図2も参照)に伝えられ、左フロントピラー18で吸収される。
さらに、左ダンパハウジング13(ハウジング頂部32)の中心61より車幅方向内側寄りで、かつ左ダンパハウジング13の車体後方にダンパハウジングサポート39を配置した。
このように、ダンパハウジングサポート39(カウルボックス15)に伝えられた荷重はカウルボックス15を経て左フロントピラー18(図2も参照)に伝えられ、左フロントピラー18で吸収される。
図9に示すように、ダンパハウジングサポート39は、ダッシュボード前壁45およびウインドシールド後壁52間に介在されたサポート梁部63と、サポート梁部63の前端63aから張り出されたサポート前端部64と、サポート梁部63の後端63bから張り出されたサポート後端部65と、サポート後端部65の下端65aから突出された接合突片66とを有する。
上湾曲辺部63cを車体後方に向けて上り形状に形成した理由については後で詳しく説明する。
梁部ビード67は、上湾曲辺部63cおよび下傾斜辺部63d間に設けられ、サポート梁部63に対して車幅方向外側に向けて膨出され、かつ下傾斜辺部63dに沿って車体前後方向に向けて延出されている。
サポート前端部64に補強用の前端部ビード68が形成されている。
前端部ビード68は、梁部ビード67の前端から車幅方向内側に向けて延出されている。
図5、図7に示すように、サポート前端部64は、ダッシュボード前壁45に溶接で接合され、上端64aがダッシュボード上稜線48に設けられている。
サポート後端部65に補強用の後端部ビード69が形成されている。
後端部ビード69は、梁部ビード67の後端から車幅方向外側に向けて延出されている。
図5、図7に示すように、サポート後端部65は、ウインドシールド後壁52にボルト71・ナット72で取り付けられ、上端65bがウインドシールド上稜線56に設けられている。
さらに、ダッシュボード上稜線48にサポート前端部64が設けられ、ウインドシールド上稜線56にサポート後端部65が設けられている。
さらに、ダンパハウジングサポート39に伝えられた荷重を、ウインドシールド上稜線56を経て左フロントピラー18(図2も参照)に効率よく伝えることができる。
図7に示すように、左ダンパハウジング13のハウジング頂部32はカウルボックス15の上部(すなわち、ウインドシールド頂部53)より下方に設けられている。
このため、左ダンパハウジング13に入力した荷重をウインドシールド上稜線56に好適に伝えることが難しい。
ダンパハウジングサポート39のサポート前端部64を左ダンパハウジング13のハウジング頂部32と略同じ高さに配置することできる。
さらに、ダンパハウジングサポート39に伝えられた荷重を、ダンパハウジングサポート39およびウインドシールド上稜線56を経て左フロントピラー18(図2も参照)に効率よく伝えることができる。
さらに、サポート梁部63、サポート前端部64およびサポート後端部65に、梁部ビード67、前端部ビード68および後端部ビード69を備えた。
これにより、左ダンパハウジング13からサポート前端部64に伝えられた荷重をサポート梁部63を経てサポート後端部65に効率よく伝えることができる。
これにより、サポート梁部63からサポート後端部65に伝えられた荷重をサポート後端部65を経て左フロントピラー18に効率よく伝えることができる。
接合突片66は、ダッシュボード後接合片49およびウインドシールド下接合片51に挟持されている。
よって、ダッシュボードアッパ37およびウインドシールドロア38をダンパハウジングサポート39で補強して、カウルボックス15の剛性をさらに高めることができる。
これにより、ダンパハウジングからダンパハウジングサポート39(すなわち、カウルボックス15)に伝えられた荷重を、カウルボックス15を経て左フロントピラー18に効率よく伝えることができる。
ダンパハウジングサポート39をエアコン吸気口55の車幅方向外方に設けた理由はつぎの通りである。
すなわち、例えば、車両の洗車中にカウルボックス15(左端部15a)の上開口部74からカウルボックス15内に洗車用の水が浸入し、カウルボックス15内に浸入した水がエアコン吸気口55に流入することが考えられる。
上開口部74は、カウルボックス15の左端部15aで、かつカウルボックス15前上部に形成されている。
加えて、サポート前端部64(上端64a)をダッシュボード上稜線48に設け、サポート後端部65(上端65b)をウインドシールド上稜線56に設けた。
これにより、カウルボックス15の上開口部74からカウルボックス15内に浸入した洗車用の水が、エアコン吸気口55に流入することをダンパハウジングサポート39で防ぐことができる。
よって、ダンパハウジングサポート39でエアコン吸気口55を補強することができる。
これにより、カウルボックスの剛性を高めて、エンジンの揺動などによる振動を抑えることができる。
一方、エアコン吸気口55の車幅方向外方にダンパハウジングサポート39が設けられている。
したがって、外気導入口42からカウルボックス15内に吸入した外気を、ダンパハウジングサポート39でエアコン吸気口55側に円滑に案内してエアコン吸気口55に効率よく吸気することができる。
左フロントピラー18は、ピラー脚部77と、ピラー傾斜部78とを有する。
ピラー脚部77は、左サイドシル79(図1参照)の前端部からカウルボックス15の左端部15a(具体的には、左サイドエクステンション21)まで立設されている。
ピラー傾斜部78は、ピラー脚部77の上端部77aからウインドシールドガラス59の左側縁に沿って車体後方に向けて上り勾配に延出されている。
このように、左端部15aに左サイドエクステンション21が設けられることで、左サイドエクステンション21でカウルボックス15の左端部15aが閉塞されている(覆われている)。
カウルボックス15の左端部15aは左アッパメンバ12の後端部12bに設けられている。
エクステンション側壁部82には補強ブラケット84(図2、図3参照)が設けられている。
よって、エクステンション側壁部82が補強ブラケット84で補強されている。
よって、左サイドエクステンション21は、エクステンション側壁部82およびエクステンション上折曲部83で略鉤形状(略L字形状)に形成されている。
また、エクステンション側壁部82の後下接合片86は、ダッシュボード後壁46の左端部46bに溶接で接合されている。
加えて、エクステンション側壁部82の上前接合片88は、左ダッシュボードサイドメンバ22(サイド接合片95の後半部95b(図13参照))に溶接で接合されている。
さらに、エクステンション上折曲部83は、折曲部83bがウインドシールド頂部53の左端部53bおよび左ダッシュボードサイドメンバ22(第一サイド水平部91の外接合部91b)に溶接で接合されている。
加えて、エクステンション上折曲部83は、後端部83cがピラー傾斜部78の傾斜部接合片78aに溶接で接合されている。
左サイドエクステンション21がカウルボックス15の左端部15aなどに接合されることで、カウルボックス15の左端開口43がエクステンション側壁部82で閉塞されている(覆われている)。
よって、カウルボックス15の左端開口43のうち下部が左端下開口43aとして開口されている。
これにより、カウルボックス15内に浸入した水を左端下開口43aからカウルボックス15の外部に流出させることができる。
エクステンション側壁部82の後接合片87およびエクステンション上折曲部83の後端部83cは、左サイドエクステンション21の後端部21bを構成する部位である。
すなわち、左サイドエクステンション21の後端部21bに左フロントピラー18が連結されている。
アッパメンバ後接合片12cは、左アッパメンバ12の後端部12bに設けられている。
加えて、左アッパメンバ12の後端部12bは、ダッシュボード底部44の左端部44cに溶接で接合されている。
よって、ダッシュボード前壁45の左端部45bやダッシュボード底部44の左端部44cに左アッパメンバ12の後端部12bが溶接で接合されている。
また、ダンパハウジングサポート39のサポート前端部64がダッシュボード前壁45に溶接で接合されている。
加えて、図5に示すように、サポート後端部65の接合突片66がダッシュボード後接合片49およびウインドシールド下接合片51に挟持されている。
このように、カウルボックス15の剛性を高めることで、カウルボックス15に車体11の前方から伝えられた荷重F1をカウルボックス15で支え、カウルボックス15を経て左フロントピラー18に効率よく伝えることができる。
よって、ウインドシールド頂部53の左端部53b(すなわち、カウルボックス15の左端部15a)でエクステンション上折曲部83を補強することができる。
これにより、左サイドエクステンション21の剛性を高め、左サイドエクステンション21でフロントサイドフェンダを強固に支えることができる。
図13、図14に示すように、左ダッシュボードサイドメンバ22は、ウインドシールド頂部53(左端部53b)の下側に設けられた第一サイド水平部91と、第一サイド水平部91の車体前方(前方)に連続して設けられたサイド稜線部93と、サイド稜線部93の前端部93bから下方に向けて張り出されたサイド壁部92とを有する。
よって、カウルボックス15の左端部15aに左サイドエクステンション21および左ダッシュボードサイドメンバ22で左閉塞空間(閉塞空間)41aを形成することができる。
これにより、カウルボックス15の左端部15aの剛性を高めることができ、前突時、特にオフセット衝突時に車体後方へ荷重を良好に伝達することができる。
よって、衝撃荷重の入力時に左ダッシュボードサイドメンバ22の変形を抑えて衝撃荷重を車体後方に良好に伝達できる。
フード28は車体11にフードヒンジを軸にして開閉自在に支持されている。
このフードヒンジスチフナにフードヒンジが設けられ、フードヒンジにフードが設けられている。
このため、車体側にフードヒンジを支持する部材として、フードヒンジスチフナおよびダッシュボードサイドメンバの2部材を必要としていた。
これにより、フードヒンジを支える左ダッシュボードサイドメンバ22を一部材で形成することができる。
このように、フードヒンジを一部材で形成することで、部品点数を減らすことができる。
このため、左ダッシュボードサイドメンバ22を平板からプレス成形する際に、サイド壁部92およびサイド接合片95が交差する部位22aを角状に絞る必要がある。よって、交差する部位22aにしわが発生することが考えられる。
これにより、左ダッシュボードサイドメンバ22を平板からプレス成形する際に、交差する部位22aの絞り量を抑えることができ、交差する部位22aにしわが発生することを抑制できる。
第一サイド水平部91の上方にウインドシールド頂部53の左端部53bが重ね合わされ、左端部53bの上方にエクステンション上折曲部83が重ね合わされている。
また、第一サイド水平部91の外接合部91bおよびエクステンション上折曲部83の折曲部83bが重ね合わされた状態において溶接で接合されている。
この状態において、第一サイド水平部91およびエクステンション上折曲部83間にウインドシールド頂部53の左端部53bが介在されている。
さらに、第一サイド水平部91の外接合部91b、ウインドシールド頂部53の左端部53bおよびエクステンション上折曲部83折曲部83bの接合部102(図15(a)も参照)は、左フロントピラー18の略延長線上に配置されている。
サイド壁部92は、サイド稜線部93の前端部93bから下方に向けて張り出されている。
また、サイド壁部92は、左サイドエクステンション21のエクステンション側壁部82より車幅方向内側に設けられている。
このサイド壁部92は、車幅方向内方の内端部92bに車体前方に向けて突出された第二突片106を有する。
すなわち、サイド壁部92は、洗車用の水などがカウルボックス15の上開口部74からカウルボックス15内に浸入することを防ぐ役割を果たす。
しかし、サイド壁部92に到達した洗車用の水などがサイド壁部92に沿って車幅方向内方に導かれることが考えられる。
よって、洗車用の水などがサイド壁部92に沿って車幅方向内方に導かれた場合に、導かれた水の流れを第二突片106で遮ることができる。
これにより、洗車用の水などがサイド壁部92に沿ってカウルボックス15内に浸入することを防止できる。
すなわち、サイド稜線部93は、第一サイド水平部91およびサイド壁部92が交差する部位に設けられることにより、第一サイド水平部91の前端部91cおよびサイド壁部92の上端部92cに連続するように形成されている。
このサイド稜線部93は断面略湾曲状に形成されている。よって、第一サイド水平部91およびサイド壁部92間にサイド稜線部93を設けることで、カウルボックス15の左端部15aの剛性をさらに高めることができる。
第一突片105を上方に向けて突出させることで、サイド稜線部93およびウインドシールド頂部53の左端部(カウルボックス15の上部)53b間の空間109を第一突片105で塞ぐことができる(図10も参照)。
これにより、洗車用の水などがサイド稜線部93およびウインドシールド頂部53(左端部53b)間の空間109を経てカウルボックス15内に浸入することを第一突片105で防止できる。
稜線ビード107を車体前後方向に延在させることで、サイド稜線部93およびウインドシールド頂部53(左端部53b)間の空間109を稜線ビード107で塞ぐことができる。
これにより、洗車用の水などが空間109を経てカウルボックス15内に浸入することを稜線ビード107で防止できる。
よって、カウルボックス15の左端部15aで左サイドエクステンション21のエクステンション上折曲部83をさらに補強することができる。
これにより、左サイドエクステンション21のエクステンション上折曲部83で左サイドフェンダ27(図16参照)を一層強固に支えることができる。
このサイド接合片95は、車体前方側に位置する前半部95aと、前半部95aの車体後方側に位置する後半部95bとを有する。
また、サイド接合片95の前半部95aは、左アッパメンバ12(アッパメンバ上接合片12d)の内面に溶接で接合されている(設けられている)。
よって、左ダッシュボードサイドメンバ22を左サイドエクステンション21や左アッパメンバ12で支えることができ、左ダッシュボードサイドメンバ22の剛性を確保できる。
これにより、左ダンパハウジング13から入力した荷重を、左ダッシュボードサイドメンバ22を経てカウルボックス15の左端部15aに良好に伝えることができる。
さらに、第一サイド水平部91の外接合部91b、ウインドシールド頂部53の左端部53bおよびエクステンション上折曲部83折曲部83bの接合部102(図15(a)参照)は、左フロントピラー18の略延長線上に配置されている。
図10、図16に示すように、左フェンダブラケット23は、エクステンション側壁部82の上端部82aに設けられ、左ダッシュボードサイドメンバ22(第二サイド水平部94およびサイド接合片95)の車体後方に配置されている。
ブラケット取付部115は、略鉛直に設けられ、ブラケット頂部116は略水平に設けられている。
また、ブラケット稜線部117は、ブラケット取付部115からブラケット頂部116に向けて上り勾配に設けられている。
上端部82aにブラケット取付部115を接合することで、エクステンション側壁部82(すなわち、左サイドエクステンション21)を左フェンダブラケット23で補強することができる。
このように、左フェンダブラケット23で補強することで、左サイドエクステンション21の剛性を高めることができる。
よって、車体前方から入力した荷重F2により左ダッシュボードサイドメンバ22が車体後方に押し出され、左サイドエクステンション21が車幅方向外方に膨らみ変形することを左フェンダブラケット23により抑制できる。
これにより、左ダッシュボードサイドメンバ22に車体前方から入力した荷重F2を左サイドエクステンション21を経て左フロントピラー18に効率よく伝えることができる。
このブラケット頂部116に取付孔121が形成され、ブラケット頂部116の裏面(下面)116aに溶接ナット122が設けられている。溶接ナット122は取付孔121に対して同軸上に形成されている。
このブラケット頂部116は、左サイドフェンダ27を支持可能に形成されている。
このブラケット稜線部117に補強用のブラケットビード118が形成されている。
ブラケットビード118が下方に膨出されることで、ブラケット稜線部117の上面17a(図10も参照)が窪むように形成されている。
これにより、左サイドフェンダ27に隣接するフード28(図6参照)に対して左サイドフェンダ27を略面一に配置することができる。
すなわち、左サイドフェンダ27およびフード28を略面一に配置することで、左サイドフェンダ27およびフード28の見切り精度(車両の外部から目視した際の精度)を確保することができる。
図16、図17に示すように、左サイドフェンダ27は、左パーティションパッド26が内面125aに設けられたフェンダ本体125と、フェンダ本体125の上端部125bから下方に向けて張り出されたフェンダ鉛直部126と、フェンダ鉛直部126の下端部から車幅方向内方に突出されたフェンダ取付部127とを有する。
フェンダ取付部127には貫通孔127aが形成されている。
左パーティションパッド26は、一例として、発泡ウレタンで形成されている。
この状態で、取付ボルト134のねじ部134aがフェンダ取付部127の貫通孔127aおよびブラケット頂部116に取付孔121に差し込まれ、ねじ部134aが溶接ナット122にねじ結合される。
そして、左パーティションパッド26が左サイドフェンダ27と左アッパメンバ12との間に車体下方から上方に向けて差し込まれる。
よって、規制ビード132をブラケットビード118に嵌合することで、パーティションパッド26を所定位置に精度よく位置決めすることができる。
これにより、規制ビード132をブラケットビード118に嵌合することにより、左サイドフェンダ27を所定位置に精度よく位置決めできるので左サイドフェンダ27の取付作業の容易化を図ることができる。
よって、ブラケットビード118でブラケット頂部116を補強して、左フェンダブラケット23の剛性を確保することができる。
これにより、図16に示すように、左フェンダブラケット23に左サイドフェンダ27を取付ボルト134で取り付ける際に、上方から入力する荷重F3を左フェンダブラケット23で良好に支えることができる。
これにより、衝撃荷重の入力時に衝撃荷重を吸収する機能を持つ。
さらに、左パーティションパッド26を左フェンダブラケット23に支持することで、左パーティションパッド26がカウルボックス15の車幅方向外側に配置されている。
よって、エンジンルーム34内のエンジン熱が左アッパメンバ12と左サイドフェンダ27との間を経てカウルボックス15内に侵入することを防止できる。
図18に示すように、ダッシュボード前壁45、ウインドシールド後壁52、ダンパハウジングサポート39および左サイドエクステンション21が平面視略矩形状に形成され、カウルボックス15の剛性が高められている。
入力された荷重F4の一部が左ダンパハウジング13を経てダンパハウジングサポート39に荷重F5として伝えられる。
左ダンパハウジング13は剛性が高く荷重の入力時にも変形し難い。このため、入力した荷重F4により左ダンパハウジング13が車体後方に後退し、荷重F4の一部がダンパハウジングサポート39に荷重F5として伝えられる。
さらに、サポート梁部63、サポート前端部64およびサポート後端部65に梁部ビード67、前端部ビード68(図9参照)および後端部ビード69(図9参照)が形成されている。
よって、ダンパハウジングサポート39に伝えられた荷重F5がダンパハウジングサポート39を経てウインドシールド後壁52に効率よく伝えられる。
よって、サポート梁部63からサポート後端部65に伝えられた荷重F5がサポート後端部65を経てウインドシールド後壁52に効率よく伝えられる。
これにより、ウインドシールド後壁52に伝えられた荷重F5が左フロントピラー18に効率よく伝えられる。
図20に示すように、左サイドエクステンション21に伝えられた荷重F6が左サイドエクステンション21を経て左フロントピラー18に伝えられる。
よって、エクステンション側壁部82(すなわち、左サイドエクステンション21)の剛性がブラケット取付部115(左フェンダブラケット23)で高められている。
左サイドエクステンション21の車幅方向外方への膨らみ変形を抑制することで、左フロントピラー18に荷重F6が効率よく伝えられる。
図21に示すように、左ダッシュボードサイドメンバ22に備えたサイド壁部92の内端部92bから第二突片106が車体前方に向けて突出されている。
よって、洗車用の水などがサイド壁部92に沿って矢印Aの如く車幅方向内方に導かれた場合に、導かれた水の流れを第二突片106で遮ることができる。
これにより、洗車用の水などがサイド壁部92に沿ってカウルボックス15内に浸入することを防止できる。
内端部93aから第一突片105を突出させることで、サイド稜線部93およびウインドシールド頂部53の左端部53b間の空間109が第一突片105で塞がれている。
稜線ビード107を膨出させることで、サイド稜線部93およびウインドシールド頂部53の左端部53b間の空間109を稜線ビード107で塞ぐことができる。
これにより、洗車用の水などが空間109に矢印Bの如く流れた場合、空間109を経てカウルボックス15内に浸入することを稜線ビード107や第一突片105で防止できる。
加えて、サポート前端部64(上端64a)をダッシュボード上稜線48に設け、サポート後端部65(上端65b)をウインドシールド上稜線56に設けた。
これにより、カウルボックス15の上開口部74からカウルボックス15内に浸入した洗車用の水が、エアコン吸気口55に流入することをダンパハウジングサポート39で防ぐことができる。
例えば、前記実施例で示した車両の前部車体10、車体11、左右のダンパハウジング13、カウルボックス15、左右のフロントピラー18、左右のサイドエクステンション21、左ダッシュボードサイドメンバ22、エクステンション側壁部82、エクステンション上折曲部83、第一サイド水平部91、サイド壁部92、サイド稜線部93、第二サイド水平部94、サイド接合片95、切欠97、第一突片105、第二突片106および稜線ビード107などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (6)
- エンジンルームと車室とを隔離するダッシュボードロアの上部に設けられたカウルボックスと、前記カウルボックスの車体前方に設けられた左右のダンパハウジングと、前記左右のダンパハウジングに隣接するとともに前記カウルボックスの端部をそれぞれ閉塞するサイドエクステンションと、前記サイドエクステンションおよび前記ダンパハウジングに設けられたダッシュボードサイドメンバとを備えた車両の前部車体において、
前記サイドエクステンションは、
前記カウルボックスの端部を覆うエクステンション側壁部と、
前記エクステンション側壁部の上端部から前記カウルボックスの端部上方に向けて折り曲げられたエクステンション上折曲部と、を有し、
前記エクステンション側壁部および前記エクステンション上折曲部で略鉤形状に形成され、
前記ダッシュボードサイドメンバは、
前記エクステンション上折曲部の下面に設けられた第一サイド水平部と、
前記第一サイド水平部の前方に連続して設けられ、車幅方向内方の内端部に上方に向けて突出された第一突片を有するサイド稜線部と、
前記サイド稜線部の前端部から下方に向けて張り出され、かつ前記エクステンション側壁部より車幅方向内側に設けられたサイド壁部と、
を備えたことを特徴とする車両の前部車体。 - 前記サイド壁部は、
車幅方向内方の内端部に車体前方に向けて突出された第二突片を有することを特徴とする請求項1記載の車両の前部車体。 - 前記サイド稜線部は、
車幅方向内方の内端部側で、かつ、前記第一突片より車幅方向外方に設けられ、車体前後方向に延在する補強用の稜線ビードを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の前部車体。 - 前記ダッシュボードサイドメンバは、
前記サイド壁部の下端部から車体前方に向けて延在され、前記ダンパハウジングに設けられた第二サイド水平部と、
前記第二サイド水平部の車幅方向外方の外端部から上方に向けて突出され、前記エクステンション側壁部の内面に設けられたサイド接合片と、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の車両の前部車体。 - 前記ダッシュボードサイドメンバは、
前記サイド壁部および前記サイド接合片が交差する部位に切欠を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の車両の前部車体。 - 前記サイドエクステンションの後端部にフロントピラーが連結され、
前記フロントピラーの略延長線上に、前記エクステンション側壁部の内面に設けられた前記サイド接合片と、
前記エクステンション上折曲部の下面に設けられた前記第一サイド水平部と、
が配置されたことを特徴とする請求項5記載の車両の前部車体。
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