JP5775484B2 - ネジ締付方法及びネジ締付装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ボルト、ナット等のネジ部品をモータを駆動源として締付けるネジ締付方法及びネジ締付装置に関するものである。
自動車の組立ライン等においては、多数のボルト、ナット等のネジ部品を規定のトルクで締付けるためにナットランナ等のネジ締付装置が用いられている。ネジ締付装置は、モータを駆動源として、ネジ締めツールが取付けられた出力軸を回転させて、ネジ部品の締付を行い、締付トルクが規定値に達したとき、モータを停止し、又は、クラッチ機構により、モータの駆動力を遮断することにより、締付を完了する。
ネジの締付過程において、通常は、締付トルク及びネジの締付によって生じる軸力(締結力)は、ネジの回転角度(締付角度)にほぼ比例する。しかしながら、例えばエンジンのシリンダヘッドボルトのようなネジ部の噛合い長さが長く、締付トルクが大きいネジの締付過程では、図7及び8に示すように、締付初期においては、締付トルクTは、締付角度θにほぼ比例するが、規定締付角度θf(規定締付トルクTf)に近づくと、締付トルクTが周期的に大きく変動しながら増大する、いわゆるスティックスリップ現象が生じる。また、ネジの締付によって生じる軸力Fは、締付初期においては、締付トルクTと同様の波形を呈するが、スティックスリップ領域では、締付トルクTが周期的に大きく変動するのに対して、軸力Fは、締付トルクTの波形のピーク付近を通る比較的安定定した波形となる。
このため、締付装置によるネジの締付過程において、スティックスリップ現象が生じると、締付トルクの周期的な変動により、ネジの締付の管理が非常に困難になる。そこで、スティックスリップ現象が生じる締付の場合には、ネジの締付角度に基づいて締付を行う角度法を用いることにより、容易に締付の管理を行うことができる。例えば特許文献1には、ネジの締付過程において、前半を締付トルクに基づくトルク法とし、後半を締付角度に基づく角度法とすることにより、スティックスリップ領域におけるネジの締付精度を高めるようにした樹脂製ねじの締付管理システムが開示されている。
特開2006−62466号公報
ネジの締付を角度法によって管理する場合であっても、ネジ部品自体の不良やネジの組付不良により、規定の締結力(軸力)が得られない場合がある。そこで、例えば、ネジの締付角度θが規定締付角度θfに達したとき、締付を終了し、このときの締付トルクTが所定の範囲内にあるか否かによって締付の良否を判定することにより、より正確な締付の管理が可能になる。
この場合、スティックスリップ現象が生じて締付トルクが大きく変動すると、規定の軸力(締結力)が得られているにもかかわらず、締付トルクが所定の範囲から外れて不良と判定される誤判定が多くなり、生産効率の低下の原因となる。これに対して、良否判定に用いる規定の締付トルクの範囲を広くすることにより、不良率を減少させることができるが、良否判定精度が低下することになり問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、スティックスリップ現象が生じた場合でも、ネジの締付精度を確保しつつ、効率よくネジの締付を行うことができるネジ締付方法及びネジ締付装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るネジ締付方法は、モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付方法であって、
締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、締付トルクの波形を軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記ネジ部品の締付を行い、
軸力近似締付トルクの演算は、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより行うことを特徴とする。
また、本発明に係るネジ締付装置は、モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付装置であって、締付トルクを検出するトルクセンサと、前記モータの回転を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、前記トルクセンサが検出する締付トルクを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記モータの回転を制御し、
締付トルクの波形を監視し、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより軸力近似締付トルクを演算することを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本発明において特許請求が可能と認識される発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の(1)乃至(6)の内容が請求項1乃至に対応する。
(1)モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付方法であって、
締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、締付トルクの波形を軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記ネジ部品の締付を行い、
軸力近似締付トルクの演算は、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより行うことを特徴とするネジ締付方法。
(2)(1)の構成において、前記ネジ部品の締付角度が所定の規定締付角度に達したとき、締付を終了し、その時点の軸力近似締付トルクが所定の範囲内にあるか否かにより締付の良否を判定することを特徴とするネジ締付方法。
(3)(1)の構成において、軸力近似締付トルクが所定の規定締付トルクに達したとき、締付を終了することを特徴とするネジ締付方法。
(4)モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付装置であって、締付トルクを検出するトルクセンサと、前記モータの回転を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、前記トルクセンサが検出する締付トルクを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記モータの回転を制御し、
締付トルクの波形を監視し、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより軸力近似締付トルクを演算することを特徴とするネジ締付装置。
(5)(4)の構成において、前記制御装置は、締付角度が所定の規定締付角度に達したとき、締付を終了し、その時点の軸力近似締付トルクが所定の範囲内にあるか否かにより締付の良否を判定することを特徴とするネジ締付装置。
(6)(4)の構成において、前記制御装置は、軸力近似締付トルクが所定の規定締付トルクに達したとき、締付を終了することを特徴とするネジ締付装置。
このように構成したことにより、スティックスリップ現象が生じた場合でも、締付トルクを軸力波形に近似して演算した軸力近時締付トルクに基づき、締付の制御及び管理を容易に行うことができる。軸力は、ネジ部品の実際の締付状態を表しており、スティックスリップ領域において、締付トルクに比して変動が小さいので、締付トルクを軸力波形に近似した軸力近似締付トルクを用いることにより、締付の制御及び管理が容易になる
スティックスリップ現象が生じたときに現れる締付トルク波形の特徴(締付の増分に対する締付トルクの低下が急激であり、同様の波形が周期的に反復される。)に基づき、スリックスリップ現象の発生を検知する。また、スティックスリップ領域における軸力波形の特徴(締付トルクの波形の頂部をなぞるよな波形であり、締付トルクが低下した瞬間に軸力は一時的に上昇し、締付トルクの次のピークに向って移行する。)に基づき、締付トルクを軸力トルク波形に近似して軸力近似締付トルクを演算する((1)及び(4))。
角度法を用いてネジ部品の締付を行い、演算した軸力近似締付トルクに基づき、締付の良否の判定を行うことにより、ネジの締付精度を確保しつつ、効率よくネジの締付を行うことができる((2)及び(5))
演算した軸力近似締付トルクに基づき、トルク法を用いてネジの締付を行う((3)及び(6))
本発明に係るネジ締付方法及びネジ締付装置によれば、スティックスリップ現象が生じた場合でも、ネジの締付精度を確保しつつ、効率よくネジの締付を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るネジ締付装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すネジ締付装置の制御装置によるネジの締付制御を示すフローチャートである。 スティックスリップ現象が生じたとき、締付トルクを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算するためのフローチャートである。 スティックスリップ現象の発生を検知して、締付トルクを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算するための演算方法を示すグラフ図である。 ネジの締付角度に対する締付トルク、軸力及び軸力近似締付トルクの関係を示すグラフ図である。 スティックスリップ現象の発生を検知するための他の方法を示すグラフ図である。 ネジの締付角度に対する締付トルク及び軸力の関係を示すグラフ図である。 図7のスティックスリップ領域を拡大して示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るネジ締付装置は、ボルト、ナット等のネジ部品を規定のトルクで締付けて、被結合部材をねじ結合するためのものである。以下、便宜上、スティックスリップ現象が生じるエンジンのシリンダヘッドボルト等の締付を行う場合について説明するが、本発明は、スティックスリップ現象の発生の有無にかかわらず、ネジ部品の締付に適用することができる。
図1に示すように、本実施形態に係るネジ締付装置1は、駆動源である電動モータ2(モータ)と、電動モータ2の回転角を検出する回転角センサ3と、電動モータ2の回転を減速する減速機構4と、減速機構4の出力軸のトルクを検出するトルクセンサ5と、減速機構4の出力軸に連結されて、ボルト、ナット等のネジ部品(図示せず)を係合して保持するソケット6と、電動モータ2の回転を制御する制御装置7とを備えている。
電動モータ2は、ACサーボモータであり、制御装置7からの駆動電流(制御電流)により回転を制御可能となっている。電動モータ2は、回転制御を実行可能なものであれば、DCサーボモータ等の他の形式のものでもよい。回転角センサ3は、電動モータ2の回転角を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等とすることができ、電動モータ2の回転角から減速機構3によって減速されたソケット6の回転角を検出することができる。減速機構4は、電動モータ2の回転を減速して必要な締付トルクを得るためのものであり、各種歯車機構等、公知の減速機構を用いることができる。また、電動モータ2の出力によって必要な締付トルクが得られる場合には、減速機構4を省略して、電動モータ2によって直接、ソケット6を駆動してもよい。ソケット6は、ボルト、ナット等の締付けるべきネジ部品に応じて適宜選択することができる。制御装置7は、ACサーボモータである電動モータ2を駆動する駆動電流を発生するドライバ回路を含み、設定情報、回転角センサ3及びトルクセンサ5からの検出信号に基づき、電動モータ2の回転を制御する。
制御装置7による電動モータ2の制御について説明する。
被結合部材にボルト、ナット等のネジ部品を螺合させ、このネジ部品にソケット6を係合して電動モータ2の駆動により締付を行う。制御装置7は、駆動電流の供給により、電動モータ2を所定の速度で回転させ、回転角センサ3からの回転角信号により、ソケット6の回転角度、すなわち、ネジ部品の締付角度θを読込み、トルクセンサ5からのトルク信号により、ネジ部品の締付トルクTを読込む。ネジ部品の締付角度θと、締付トルクT及びネジ部品の軸力Fとの関係を図7及び図8に示す。図7及び図8において、締付角度θは、ネジ部品の締付を開始し、締付トルクTが所定の締付トルクに達した後の締付角度を表している。なお、締付角度θ及び締付トルクTは、それぞれ回転角センサ3及びトルクセンサ5の検出信号に基づく値を表し、軸力Fは、試験データ等に基づく測定値を表している。
図7を参照して、締付角度θが規定締付角度θfに近づいてスティックスリップ現象が生じる締付角度θsに達するまでは、締付トルクT及び軸力Fは、締付角度θの増大にほぼ比例して増大する。締付角度θが締付角θsに達した後は、スティックスリップ現象が生じて、締付トルクTが周期的に大きく変動しながら増大する。締付角度θが規定締付角度θfに達したとき、電動モータ2を停止する。スティックスリップ領域では、軸力Fは、締付トルクTの波形のピーク付近をなぞるような波形であり、締付トルクが低下したとき、一時的に上昇した後、締付トルクTの次のピークに向って移行する波形となり、締付トルクTに比して変動が小さく、安定した波形となっている。
制御装置7は、回転角センサ3及びトルクセンサ5による回転角信号(締付角度θ)及びトルク信号(締付トルクT)に基づき、スティックスリップ現象の発生を検知し、スティックスリップ現象の発生を検知したとき、締付トルクTを軸力Fの波形に近似して軸力近似締付トルクTa(図5参照)を演算する。そして、締付角度θが規定締付角度θfに達したとき、電動モータ2を停止し、その時点の軸力近似締付トルクTaが所定の規定締付トルク範囲内にあるか否かを判定し、範囲内にあれば締付良、範囲内になければ締付不良と判定して、締付を終了する。
次に、制御装置7による上述の制御を実行するための制御フローについて図2を参照して説明する。
図2を参照して、ステップS1で電動モータ2の回転を開始し、ステップS2で回転角センサ3及びトルクセンサ5の検出信号により締付角度θ及び締付トルクTを読込む。ステップS3で締付角度θ及び締付トルクTに基づき、スティックスリップ現象が生じているか否かを判定する。スティックスリップ現象が生じている場合(Yes)には、ステップS4に進み、ステップS4で締付トルクTを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクTaを演算してステップS5に進む。スティックスリップ現象が生じていない場合(No)には、そのままステップS5に進む。
ステップS5で締付角度θが規定締付角度θfに達したとき、電動モータ2を停止してステップS6に進む。ステップS6で、締付角度θが規定締付角度θfに達したときの軸力近似締付トルクTaが所定の範囲内にあるか否か判定する。軸力近似締付トルクTaが所定の範囲内にある場合(Yes)には、ステップS7で締付良と判定し、所定の範囲内にない場合(No)には締付不良と判定して、締付を終了する。
次に、スティックスリップ現象の発生を検知し、締付トルクTを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクTaを演算する方法について説明する。
図8に示されるように、スティックスリップ領域の締付トルクTの波形は、次のような特徴を有している。
(A)締付角度θの増分Δθに対する締付トルクTの低下が急激である。
(B)同様の波形が周期的に反復される。
締付トルクTの波形に、上記(A)、(B)のような特徴が現れた場合に、スティックスリップ現象が発生したことを検知する。
また、スティックスリップ領域の軸力Fの波形は、次のような特徴を有している。
(C)軸力Fの波形は、締付トルクTの波形の頂部をなぞるような波形である。
(D)軸力Fは、締付トルクTが低下した瞬間に一時的に上昇し、締付トルクTの次周期のピークに向って移行する。
そして、スティックスリップ現象の発生を検知したとき、図5に示すように、上記(C)及び(D)の特徴を有する軸力Fの波形に基づき、締付トルクTを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクTaを演算する。
次に、スティックスリップ現象の検知及び軸力近似締付トルクTaの具体的な演算方法の一例について、図3及び図4を参照して説明する。
図4を参照して、締付角度θに対する締付トルクTの波形を監視し、締付トルクTのピークからの低下量ΔTが所定のスティックスリップ判定低下量ΔTAを超えたとき(締付角度θ1、θ3及びθ5参照)、スティックスリップ現象が発生したことを検知し、その後、締付トルクTのピークからの低下量ΔTが所定の復帰判定低下量ΔTBを超えて復帰するまで(締付角度θ2参照)、又は、ピークからの締付角度θの増分Δθが所定の復帰増分ΔθAに達するまで(締付角度θ4参照)、前周期のピークの締付角度θ及び締付トルクTの値を保持する演算を行う。このようにして、締付トルクTを軸力波形に近似して演算した軸力近似締付トルクTaの波形を図5に示す。前周期の締付角度θ及び締付トルクTの保持の解除は、締付角度θの増分Δθが復帰増分ΔθAに達するまでとするほか、所定の周期等の期間がカウントできればよく、タイマにより時間をカウントしてもよい。
次に、軸力近似締付トルクTaを演算するための制御フローの一例について、図3を参照して説明する。
図3を参照して、ステップS11で電動モータ2の回転を開始し、ステップS12で回転角センサ3及びトルクセンサ5による締付角度θ及び締付トルクTの検出を開始する。ステップS13で締付角度θの一定の増分Δθ毎に締付角度θx及び締付トルクTxを読込む。ステップS14で締付角度θxが規定締付角度θfに達しているか否かを判定する。達している場合(Yes)、ステップS15に進み、ステップS15で締付角度θを締付角度θxとし、軸力近似締付トルクTaを締付トルクTxとして演算を終了する。
ステップS14で、締付角度θxが規定締付角度θfに達していない場合(No)、ステップS16に進み、ステップS16で締付トルクTxが所定のスティックスリップ判定低下量ΔTAを超えて低下しているか(Tx<(Tx−1−ΔTA))、否かを判定する。締付トルクTxが所定のスティックスリップ判定低下量ΔTAを超えて低下している場合(Yes)、スティックスリップ現象が生じていると判定してステップS17に進み、ステップS17で前周期(θx−1)の状態を保持して軸力近似締付トルクTaを締付トルクTx−1とする。また、締付トルクTxが所定のスティックスリップ判定低下量ΔTAを超えて低下していない場合(No)、ステップS18に進み、ステップS18で締付角度θを締付角度θxとし、軸力近似締付トルクTaを締付トルクTxとして、ステップS13に戻る。
ステップS19では、ステップS13と同様、締付角度θの一定の増分Δθ毎に締付角度θx及び締付トルクTxを読込んで、ステップS20に進む。ステップS20では、ステップS14と同様、締付角度θxが規定締付角度θfに達しているか否かを判定する。達している場合(Yes)、ステップS21に進み、ステップS21で締付角度θを締付角度θxとし、軸力近似締付トルクTaを前周期の締付トルクTx−1として演算を終了する。
ステップS20で、締付角度θxが規定締付角度θfに達していない場合(No)、ステップS22に進み、ステップS22で締付トルクTxの低下量ΔTが復帰判定低下量ΔTBを超えて復帰しているか(Tx<(Tx−1−ΔTB))、否かを判定する。締付トルクTxが所定の復帰判定低下量ΔTBを超えて復帰している場合(Yes)、ステップ23に進み、ステップS23で締付角度θを締付角度θxとし、軸力近似締付トルクTaを締付トルクTxとして、ステップS13に戻る。締付トルクTxが所定の復帰判定低下量ΔTBを超えて復帰していない場合(No)、ステップS24に進む。
ステップS24で、スティックスリップ現象の検知後、締付角度θxの増分Δθが所定の復帰増分ΔθAを超えているか(θx>θx−1+ΔθA)、否かを判定する。超えている場合(Yes)、ステップS23に進み、ステップS23で締付角度θを締付角度θxとし、軸力近似締付トルクTaを締付トルクTxとして、ステップS13に戻る。締付角度θxの増分Δθが所定の復帰増分ΔθAを超えて超えていない場合(No)、ステップS17に戻る。
以上の制御フローを実行することにより、締付トルクTを軸力波形を近似して軸力近似締付トルクTaを演算することができ、軸力近似締付トルクTaに基づき、締付の良否を判定することができる(図2のステップS6乃至S8参照)。
軸力Fは、ネジ部品の実際の締付状態を表しており、スティックスリップ領域において締付トルクTに比して変動が小さいので、締付トルクTを軸力波形に近似して演算した軸力近似締付トルクTaに基づいてネジの締付の制御及び管理を行うことにより、スティックスリップ現象が生じた場合でも、ネジの締付精度を確保し、締付の良否判定を正確に行うことができ、生産性の低下を防止することができる。
なお、締付トルクTを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクTaを演算する方法は、締付トルクT及び軸力F波形の特徴に基づいて他の公知の近似法を適用することもできる。
また、スティックスリップ現象の検知は、上記のほか、図6に示すように、スティックスリップ領域において締付トルクTが周期的に急激に低下する点に着目し、締付角度θの増分Δθ間に締付トルクTの所定量を超える低下量ΔTをn回検知することにより(ΔT1、ΔT2、ΔT3、…ΔTn)、行うこともできる。
上記実施形態においては、角度法を適用して、締付角度θが規定締付角度θfに達したとき、締付を終了し、その時点の軸力近似締付トルクTaが所定の範囲内にあるか否かにより、締付の良否を判定するようにしているが、本発明は、これに限らず、トルク法を適用して、演算した軸力近似締付トルクTaが規定トルクTf(図5参照)に達したとき、締付を終了することもできる。
1…ネジ締付装置、2…電動モータ(モータ)、3…回転角センサ、4…トルクセンサ、5…制御装置、F…軸力、T…締付トルク、Ta…軸力近似締付トルク

Claims (6)

  1. モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付方法であって、
    締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、締付トルクの波形を軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記ネジ部品の締付を行い、
    軸力近似締付トルクの演算は、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより行うことを特徴とするネジ締付方法。
  2. 前記ネジ部品の締付角度が所定の規定締付角度に達したとき、締付を終了し、その時点の軸力近似締付トルクが所定の範囲内にあるか否かにより締付の良否を判定することを特徴とする請求項に記載のネジ締付方法。
  3. 軸力近似締付トルクが所定の規定締付トルクに達したとき、締付を終了することを特徴とする請求項に記載のネジ締付方法。
  4. モータを駆動源としてネジ部品の締付を行うネジ締付装置であって、締付トルクを検出するトルクセンサと、前記モータの回転を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、締付トルクの波形を監視し、スティックスリップ現象が生じたとき、前記トルクセンサが検出する締付トルクを軸力波形に近似して軸力近似締付トルクを演算し、軸力近似締付トルクに基づき、前記モータの回転を制御し、
    締付トルクの波形を監視し、締付トルクのピークからの低下量が所定のスティックスリップ判定低下量を超えたとき、スティックスリップ現象の発生を検知して、ピーク時の締付トルクを保持し、締付トルクが保持されたピーク時の締付トルクに対して所定の復帰判定量を超えて復帰するまで、又は、所定の期間が経過するまで、ピーク時の締付トルクを保持することにより軸力近似締付トルクを演算することを特徴とするネジ締付装置。
  5. 前記制御装置は、締付角度が所定の規定締付角度に達したとき、締付を終了し、その時点の軸力近似締付トルクが所定の範囲内にあるか否かにより締付の良否を判定することを特徴とする請求項に記載のネジ締付装置。
  6. 前記制御装置は、軸力近似締付トルクが所定の規定締付トルクに達したとき、締付を終了することを特徴とする請求項に記載のネジ締付装置。
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