JP5774077B2 - ポリエチレンフィルム及びそれを作製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレンフィルム、及びそれを作製する方法に関する。
多様な商品に適したフィルムを製造するためにポリエチレンを使用することは一般によ
く知られている。このようなポリエチレンフィルムは様々な方法を用いて形成することが
できる。このような方法としては、限定されるものではないが、押出−インフレーション
フィルム法、及び押出−キャストフィルム法が挙げられる。各々の方法はそれ特有の欠点
及び利点を有する。これら2つの方法の主な違いは、溶融ポリマーの押出シートを冷却す
る仕方である。
関連出願の相互参照
本出願は、2007年4月10日出願の米国特許仮出願第60/922,764号、標
題「ポリエチレンフィルム及びそれを作製する方法(POLYETHYLENE FILMS AND METHOD OF
MAKING THE SAME)」の優先権を主張する非仮出願であり、その教示は、以下において完
全に再現されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
押出−インフレーションフィルム法は、プラスチックフィルムの調製のための周知の方
法である。押出−インフレーションフィルム法は、溶融ポリマーを加熱し、溶融し、運搬
し、環状のダイを通じてそれを押し出す押出機を用いる。溶融ポリマーは、ダイから引き
出され、筒状の形態に形成され、最終的に一組の引取ローラー又はニップローラーを通過
する。次いで、内部圧縮空気をマンドレルから導入してチューブの直径を増大させ、それ
により所望のサイズのバブルを形成する。外部空気もバブルの外周の周囲に導入されて、
溶融体がダイから出る時にそれを冷却する。フィルム幅は、一般に多いか又は少ない内部
空気をバブルの中に導入する(従ってバブルサイズを増減する)ことにより変動する。フ
ィルム厚さは、一般に引取ローラー又はニップローラーの速度を増減して引落し速度を制
御することにより制御される。次に、引取ローラー又はニップローラーを通過した直後に
バブルを2つの二重層のフィルムに崩壊させる。冷却したフィルムは、次に、切断又は封
止することによりさらに処理して多様な消費者製品を製造することができる。
さらに、フィルム特性は、ポリマーの分子構造及び/又は加工条件、例えばブローアッ
プ比(すなわち、環状ダイの直径に対する膨張バブルの直径の比)の双方により影響を受
け得る。
改良されたフィルム特性、例えば改良された光学特性及び改良された機械的特性などは
、多様な用途に明らかに望ましい。このような改良された特性を実現するために様々な技
法が提案されている。
米国特許第4,346,834号には、HDPE、LLDPE、及び普通の分枝LDP
Eの均質なブレンドから本質的になる、細いチューブラフィルムから、継ぎ目のない壁面
に柄の付いたストラップバッグ(seamless-wall handled strap bags)を作製するためのブ
レンドされたポリオレフィン樹脂が開示されている。
米国特許第4,377,720号には、少なくとも90モルパーセントの直鎖状αオレ
フィンを含む、直鎖状αオレフィン、及び200〜700の範囲の総生成物Mnを有する
蝋を調製するための方法が開示されており、それには、約50℃〜200℃の温度及び約
3.5MPaを上回るエチレン圧にて、希釈剤の存在下でのハロゲン化ジルコニウム化合
物と、ジアルキルアルミニウムアルコキシドもしくはアリールオキシド及びジアルキルア
ルミニウム二置換アミドからなる群より選択されるアルミニウム共触媒との反応生成物の
存在下でエチレン含有ガスを重合することが含まれ、この際、反応生成物のMは、アル
ミニウム共触媒/ハロゲン化ジルコニウムのモル比により制御され、該モル比は約1未満
である。
米国特許第4,533,578号には、サンドウィッチフォーム(sandwich foam)、イ
ンフレーションフィルム共押出法により作製された3層のゴミ袋が開示されている。表皮
層は、高性能ポリオレフィン、例えば直鎖状低密度ポリエチレンから本質的に構成される
。発泡中間層は、改良された構造完全性及び剛性、表皮層の独立した引裂き構造、ならび
に改良されたTD引裂強度をバッグに付与する。
米国特許第4,579,912号には、直鎖状低密度コポリマー(LLDPE)を約1
0重量パーセントまでの芳香族ポリマー、例えば、ポリスチレン又はポリ(パラ−メチル
スチレン)とブレンドすると、LLDPE単独と比較して、改良されたMD引裂強度又は
同等なMD引裂強度及びより高い剛性を有するフィルムが得られることが開示されている
米国特許第4,614,764号には、直鎖状エチレンポリマー、特に直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)の特性が、化学修飾されたエチレンポリマーをベース樹脂に添
加することにより改良されることが開示されている。修飾は、フリーラジカル発生剤、好
ましくは、有機ペルオキシ化合物、例えばベンゾイルペルオキシドを、所望により、不飽
和シラン、例えばビニルトリメトキシシランとともに使用することによりもたらされる。
米国特許第4,657,811号には、サンドウィッチフォーム、インフレーションフ
ィルム共押出法により作製された3層プラスチックフィルムが開示されている。外側の表
皮層は、高性能ポリオレフィン、例えば直鎖状低密度ポリエチレンから構成される。発泡
中間層は、改良された構造完全性及び剛性、表皮層の独立した引裂き構造、ならびに改良
されたTD引裂強度をフィルムに付与する。
米国特許第4,716,201号には、直鎖状低密度コポリマー(LLDPE)を約1
0重量パーセントまでの芳香族ポリマー、例えば、ポリスチレン又はポリ(パラ−メチル
スチレン)とブレンドすると、LLDPE単独と比較して、改良されたMD引裂強度又は
同等なMD引裂強度及びより高い剛性を有するフィルムが得られることが開示されている
米国特許第5,000,992号には、共押出多層発泡フィルムから形成される、プラ
スチック容器用の栓、例えばボトルキャップのライナー又は不正開封防止シールが開示さ
れている。共押出多層発泡フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン
、及び所望により、高密度ポリエチレンを含む第1のポリオレフィンブレンドからなる少
なくとも1つの固体フィルム層、ならびに直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、及び所望により、エチレン酢酸ビニルを含む第2のポリオレフィンブレンドからなる
少なくとも1つの発泡層を有する。
米国特許第5,210,167号には、3.5より大きいM/M比を有するエチレ
ンの直鎖状低密度コポリマーのフィルムが開示されている。
米国特許第5,258,463号には、エチレンの直鎖状低密度コポリマー及び少量の
4〜10個の炭素原子を有するオレフィンを含むブレンド組成物から形成されるフィルム
が開示されている。
米国特許第5,569,693号には、インフレーションフィルム法により製造された
、パレットラップに適したストレッチ/粘着フィルムが開示されている。このフィルムは
、メルトインデックス範囲が0.8〜1.2であり、密度範囲が0.916〜0.920
であるα−オレフィンコモノマーと重合した、40〜80重量%の直鎖状低密度ポリエチ
レンを;60〜20重量%の、メルトインデックスが0.8〜2.0で密度が0.86〜
0.91の柔軟性のある半結晶ポリエチレンと;3〜9重量%の液体ポリオレフィン及び
0.1〜4.0重量%の界面活性剤とブレンドすることにより製造される。
米国特許第6,204,335号には、組成物に基づいて約80〜約99重量パーセン
トの直鎖状超低密度ポリエチレン、及び、組成物に基づいて約1〜約20重量パーセント
のプロピレンポリマー(2〜10個の炭素原子、及びプロピレンポリマーに基づいて約6
0〜約100重量パーセントのプロピレンを有する0〜約40重量パーセントのオレフィ
ンコモノマー単位を含む)を含む組成物から製造されたフィルムが開示されており、プロ
ピレンポリマーは、190℃にて約1〜約30,000mPa・sのブルックフィールド
サーモセル粘度を有する。
米国特許第6,340,532号には、疑似均一(pseudohomogeneous)直鎖状低密度ポ
リエチレン樹脂から製造された収縮フィルムが開示されている。疑似均一樹脂は、チーグ
ラー・ナッタ触媒を用いて、好ましくは中圧溶液重合法で調製される。
米国特許第6,500,901号には、組成物の重量に基づいて約80〜約99重量パ
ーセントの直鎖状超低密度ポリエチレン及び組成物の重量に基づいて約1〜約20重量パ
ーセントのプロピレンポリマー(2〜10個の炭素原子、及びプロピレンポリマーに基づ
いて約60〜約100重量パーセントのプロピレンを有する、0〜約40重量パーセント
のオレフィンコモノマー単位を含む)を含む組成物から製造されたフィルムが開示されて
いる。
米国特許第6,696,166号には、特定の環状押出ダイを用いる特定の押出条件下
で、疑似均一直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から作製されるプラスチックフィルムが開示
されている。
米国特許第6,767,599号には、垂直な形、充填及び密封装置を用いて、流動性
材料を充填した袋を作製するための方法が開示されており、該袋は、シングルサイト触媒
重合プロセスで製造されたエチレンと少なくとも1種類のC−C10α−オレフィンの
直鎖状ポリマー、及び次のうちの少なくとも1つ(a)マルチサイト触媒重合プロセスに
より作製されたエチレンと少なくとも1種類のC−C10α−オレフィンの直鎖状ポリ
マー;(b)高圧低密度ポリエチレン;ならびに(c)安定剤、粘着防止添加剤及び押出
助剤からなる群より選択される添加剤、を含むブレンドから形成されたインフレーション
フィルムから作製される。
米国特許第4,346,834号明細書 米国特許第4,377,720号明細書 米国特許第4,533,578号明細書 米国特許第4,579,912号明細書 米国特許第4,614,764号明細書 米国特許第4,657,811号明細書 米国特許第4,716,201号明細書 米国特許第5,000,992号明細書 米国特許第5,210,167号明細書 米国特許第5,258,463号明細書 米国特許第5,569,693号明細書 米国特許第6,204,335号明細書 米国特許第6,340,532号明細書 米国特許第6,500,901号明細書 米国特許第6,696,166号明細書 米国特許第6,767,599号明細書
改良された特性、例えば改良された機械的特性及び/又は改良された光学特性を有する
ポリエチレンフィルムの開発における研究努力にもかかわらず、なお、改良された機械的
特性及び改良された光学特性の両方を有する新規なポリエチレンフィルム、及びそれを作
製する方法に対する必要性がある。
本発明は、ポリエチレンフィルム、及びそれを作製する方法である。本発明に従うポリ
エチレンフィルムには、約0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8
〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(
)、及び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する少なくとも1種類の不均
一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが含まれる。フィルムは、(6666
−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度
を有する。本発明に従うポリエチレンフィルムを作製する方法には、次の工程、(1)約
0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分
布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7
.8の範囲のI10/I比を有する少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α
−オレフィンコポリマーを準備すること;(2)不均一に分枝したエチレン/α−オレフ
ィンコポリマーをインフレーションフィルム押出法又はキャストフィルム押出法によって
加工すること;及び(3)それにより、(6666−7012*密度)g/milに等し
いか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度
を有するフィルムを形成すること、が含まれる。
本発明に従うポリエチレンフィルムには、約0.910〜約0.930g/cmの範
囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメ
ルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する少な
くとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが含まれる。フィ
ルムは、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化
ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度
を有する。フィルムは、10〜75μmの範囲の厚さを有する。本発明に従うポリエチレ
ンフィルムを作製する方法には、次の工程、(1)約0.910〜約0.930g/cm
の範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範
囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有す
る少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを準備する
こと;(2)不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーをインフレーション
フィルム押出法又はキャストフィルム押出法によって加工すること;及び(3)それによ
り、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダー
ト衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度
を有するフィルムを形成すること、が含まれる。
用語「不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマー」とは、本明細書におい
て、単一の反応器内で、以下にさらに詳細に説明される多成分触媒系によって調製される
直鎖状低密度ポリエチレンをさす。
用語「分子量分布」とは、本明細書において、重量平均分子量(M)の数平均分子量
(M)に対する比、すなわち、以下にさらに詳細に説明される、(M/M)をさす
用語(共)重合とは、本明細書において、コモノマーの存在下でのエチレンの重合をさ
す。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば、約0.910〜約
0.940g/cmの範囲の密度を有してもよい。約0.910〜約0.940g/c
の全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例え
ば、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、0.910〜0.935
g/cmの範囲の密度を有してもよいし、または代替例では、不均一に分枝したエチレ
ン/α−オレフィンコポリマーは、0.910〜0.930g/cmの範囲の密度を有
してもよい。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば、約2.
8〜3.8の範囲の分子量分布を有してもよい。約2.8〜3.8の全ての個々の値及び
下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、不均一に分枝したエチ
レン/α−オレフィンコポリマーは、2.8〜3.7の範囲の分子量分布を有してもよい
;または代替例では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、2.8
〜3.6の範囲の分子量分布を有してもよい;または代替例では、不均一に分枝したエチ
レン/α−オレフィンコポリマーは、約2.9〜約3.5の範囲の分子量分布を有しても
よい。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば、約0.3〜約
4dg/分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい。約0.3〜約4dg/
分の全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば
、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約0.3〜約2dg/分の
範囲のメルトインデックス(I)を有してもよく、または代替例では、不均一に分枝し
たエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約0.3〜約1.5dg/分の範囲のメルト
インデックス(I)を有してもよく、または代替例では、不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーは、約0.3〜約1.2dg/分の範囲のメルトインデックス
(I)を有してもよい。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例
えば、約6.5〜約7.7の範囲のI10/I比を有してもよい。約6.5〜約7.7
の全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約6.5〜約7.5の範囲の
10/I比を有してもよく、または代替例では、不均一に分枝したエチレン/α−オ
レフィンコポリマーは、約6.5〜約7.4の範囲のI10/I比を有してもよい。不
均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば、約10パーセントに等
しいか又はそれより大きい高密度画分を有してもよい。約10パーセントに等しいか又は
それより大きい全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示され
る;例えば、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約12パーセン
トに等しいか又はそれより大きい高密度画分を有してもよく、または代替例では、不均一
に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約15パーセントに等しいか又はそ
れより大きい高密度画分を有してもよい。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、本明細書に記載されるよう
に、本質的に何ら長鎖分枝を含まない;または代替例では、不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーは、本明細書に記載されるように、長鎖分枝を全く含まない。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば、約10〜約25℃の
範囲の溶解度分布幅指数を有してもよい。約10〜約25℃の全ての個々の値及び下位範
囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーは、約15〜約25℃の範囲の溶解度分布幅指数を有してもよ
く、または代替例では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約1
7〜約25℃の範囲の溶解度分布幅指数を有してもよい。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーには、任意の量の1又はそれ以
上のα−オレフィンコポリマーが含まれてもよい;例えば、不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの
総重量に基づいて、約15重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含
んでもよい。15重量パーセント未満の全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含ま
れ、本明細書に開示される;例えば、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリ
マーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの総重量に基づいて、約
10重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでもよい;または代
替例では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝した
エチレン/α−オレフィンコポリマーの総重量に基づいて、約8重量%未満の1又はそれ
以上のα−オレフィンコモノマーを含んでもよい;または代替例では、不均一に分枝した
エチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコ
ポリマーの総重量に基づいて、約5重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノ
マーを含んでもよい。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーには、任意
の量のエチレンが含まれてもよい;例えば、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィン
コポリマーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの総重量に基づい
て、少なくとも約85重量%のエチレンを含んでもよい。85重量パーセントを上回る(a
bove)全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例え
ば、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝したエチレ
ン/α−オレフィンコポリマーの総重量に基づいて、少なくとも約90重量%のエチレン
を含んでもよい;または代替例では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリ
マーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの総重量に基づいて、少
なくとも約92重量%のエチレンを含んでもよい;または代替例では、不均一に分枝した
エチレン/α−オレフィンコポリマーは、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコ
ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも約95重量%のエチレンを含んでもよい。
α−オレフィンコモノマーは、一般に20個以下の炭素原子を有する。例えば、α−オ
レフィンコモノマーは、3〜10個の炭素原子を有してもよく、または代替例では、α−
オレフィンコモノマーは、3〜8個の炭素原子を有してもよい。例示的なα−オレフィン
コモノマーとしては、限定されるものではないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、及び4−メ
チル−1−ペンテンが挙げられる。α−オレフィンコモノマーは、例えば、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群より選択されてもよく、または
代替例では、α−オレフィンコモノマーは、例えば、1−ヘキセン及び1−オクテンから
なる群より選択されてもよい。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、その他の添加剤とさらにブ
レンドされてもよい。このような添加剤としては、限定されるものではないが、帯電防止
剤、着色強化剤(color enhancers)、染料、潤滑剤、充填剤、色素、酸化防止剤、加工助
剤、安定剤、中和剤、それらのブレンド、及びそれらの組合せが挙げられる。例示的な酸
化防止剤としては、限定されるものではないが、Ciba Specialty Che
micals Companyより、Irganox(登録商標)1010の商標名で市
販されている、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート;C
iba Specialty Chemicals CompanyからIrgafos
(登録商標)168の商標名で市販されている、トリス(2,4 ジ−tert−ブチル
フェニル)ホスファイト;及びCiba Specialty Chemicals C
ompanyからIrganox(登録商標)1076の商標名で市販されている、3−
(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸が挙げら
れる。例示的な中和剤としては、限定されるものではないが、カルシウムステアレートが
挙げられる。ブレンドには、任意の量のこのような添加剤が含まれてもよい。ブレンドは
、ブレンドの重量に基づいて、約10重量パーセント未満の1又はそれ以上のこのような
添加剤を含んでもよい。約10重量パーセント未満の全ての個々の値及び下位範囲は、本
明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ブレンドは、ブレンドの重量に基づい
て、8重量パーセント未満の1又はそれ以上のこのような添加剤を含んでもよい;または
代替例では、ブレンドは、ブレンドの重量に基づいて、5重量パーセント未満の1又はそ
れ以上のこのような添加剤を含んでもよい;または代替例では、ブレンドは、ブレンドの
重量に基づいて、1重量パーセント未満の1又はそれ以上のこのような添加剤を含んでも
よい。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、その他のポリマーとさらに
ブレンドされてもよい。このようなその他のポリマーは、当業者に一般に公知である。不
均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含むブレンドは、任意の従来法に
より形成されてもよい。例えば、選択されたポリマーは、一軸もしくは二軸スクリュー押
出機、又はミキサー、例えばBanburyミキサー、Haakeミキサー、Barbe
nder内部ミキサーによって溶融ブレンドされてもよい。
一般に、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含むブレンドは、ブ
レンドの総重量に基づいて、少なくとも40重量%の不均一に分枝したエチレン/α−オ
レフィンコポリマーを含んでもよい。少なくとも40重量パーセントの全ての個々の値及
び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ブレンドは、ブレン
ドの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の不均一に分枝したエチレン/α−オレフ
ィンコポリマーを含んでもよい;または代替例では、ブレンドは、ブレンドの総重量に基
づいて、少なくとも60重量%の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマー
を含んでもよい;または代替例では、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なく
とも70重量%の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含んでもよい
;または代替例では、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも80重量%
の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含んでもよい;または代替例
では、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも90重量%の不均一に分枝
したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含んでもよい;または代替例では、ブレンド
は、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも95重量%の不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーを含んでもよい。
様々な(共)重合反応法を用いて不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマ
ーを製造することができる。任意の従来型のエチレン(共)重合反応法を用いて不均一に
分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを製造してもよい。このような従来型のエ
チレン(共)重合反応法としては、限定されるものではないが、従来型の反応器、例えば
ループ反応器、球形反応器、ガス反応器、攪拌槽反応器、又はバッチ反応器を用いる、液
相(共)重合法、気相(共)重合法、又はスラリー相(共)重合法が挙げられる。一実施
形態では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、単一のループ反応
器又は単一の球形反応器を用いる液相(共)重合法を介して製造される。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、溶液条件下で動作する単一
のループ又は球形の反応器中で、エチレンと1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー
の(共)重合に適した、以下にさらに詳細に説明されるような、多成分触媒系によって調
製されてもよい。
ループ反応器を用いる液相(共)重合法において、(共)重合は、比較的低圧のパラフ
ィン系溶媒中で起こる。エチレンモノマー及び1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマ
ーを、溶媒、例えばIsopar(登録商標)Eと混合する。供給流は、反応器に入る前
に、極性不純物、例えば水、一酸化炭素、硫黄化合物、及び不飽和化合物、例えばアセチ
レンから精製される。供給流は、底部、上部、又は底部及び上部の両方からループ反応器
に入ってもよい。混合は、反応器のループを通じて供給流が循環することにより起こる。
以下にさらに詳細に説明されるような多成分触媒系は、不均一に分枝したエチレン/α−
オレフィンコポリマーの(共)重合を促進する。多成分触媒系の成分は反応器に入る前に
混合されてもよい;従って、ループ反応器に入る前に多成分触媒系を形成する;または代
替例では、多成分触媒系の個々の成分は個別に反応器に供給されてもよい;従って、ルー
プ反応器の中で多成分触媒系を形成する。反応器の圧力は約300〜約1000psiの
範囲である。約300〜約1000psiの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に
含まれ、本明細書に開示される;例えば、圧力範囲は約300〜約750であってもよい
。反応器の温度は、約165〜約250℃の範囲である。約165〜約250℃の全ての
個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、温度範囲
は約165〜約220℃であってもよい。全体的なエチレン転化率は、約80〜約98パ
ーセントの範囲内である。溶融ポリマーがループ反応器を出た後、溶融ポリマーは第1の
脱揮装置に運搬され、そこで溶媒の大部分、及び未転化エチレンモノマー及び1又はそれ
以上のα−オレフィンコモノマーがポリマー溶液から除去され、次いで再循環される。次
に、ポリマー溶液は予熱器を介して真空脱揮装置に運搬され、そこで残った残留溶媒が除
去される。再循環された流れは、次に、再び反応器に入る前に精製される。ポリマー溶融
体は押出機に運搬され、添加剤及び/又は安定剤が添加され、ポリマー溶融体にブレンド
されてもよい。ポリマーはペレット化される。ペレットはペレット剥離(stripping)容器
に移され、そこで最後の微量の溶媒が除去される。不均一に分枝したエチレン/α−オレ
フィンコポリマーの最終ペレットは、次にブレンドもしくは保存用容器(bins)に移す。
不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、本発明のポリエチレンフィ
ルムに形成することができる。本発明のポリエチレンフィルムは、何らかの光学特性、す
なわち、光沢又は曇り度を有し得る。例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、約50
〜約85の範囲の光沢を有してもよい。約50〜約85の全ての個々の値及び下位範囲は
、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは
、約60〜約85の範囲の光沢を有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレ
ンフィルムは、約65〜約85の範囲の光沢を有してもよい。本発明の創意に富むポリエ
チレンフィルムは、さらに約3〜約15パーセントの範囲の曇り度を有してもよい。約3
〜約15パーセントの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開
示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、約3〜約10パーセントの範囲の
曇り度を有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、約3〜約
8パーセントの範囲の曇り度を有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレン
フィルムは、約3〜約6パーセントの範囲の曇り度を有してもよい。本発明のポリエチレ
ンフィルムは、例えば、少なくとも75g/milの正規化落下ダート衝撃強度を有して
もよい。少なくとも75g/milの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ
、本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも145
g/milの正規化落下ダート衝撃強度を有してもよい;または代替例では、本発明のポ
リエチレンフィルムは、少なくとも215g/milの正規化落下ダート衝撃強度を有し
てもよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも285g/
milの正規化落下ダート衝撃強度を有してもよい。代替例では、本発明のポリエチレン
フィルムは、例えば、少なくとも99g/milの正規化落下ダート衝撃強度を有しても
よい。少なくとも99g/milの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、
本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも169g
/milの正規化落下ダート衝撃強度を有してもよい;または代替例では、本発明のポリ
エチレンフィルムは、少なくとも239g/milの正規化落下ダート衝撃強度を有して
もよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも309g/m
ilの正規化落下ダート衝撃強度を有してもよい。もう一つの態様では、本発明のポリエ
チレンは、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規
化ダート衝撃強度Aを有してもよく、この際、「密度」は不均一に分枝したエチレン/α
−オレフィンコポリマーの密度である。もう一つの代替例では、本発明のポリエチレンは
、(6690−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート
衝撃強度Aを有してもよく、この際、「密度」は不均一に分枝したエチレン/α−オレフ
ィンコポリマーの密度である。本発明のポリエチレンフィルムは、例えば、約150〜約
400フィート−ポンド/インチの範囲の破断強度(puncture strength)を有する。
約150〜約400フィート−ポンド/インチの全ての個々の値及び下位範囲は、本明
細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、約1
50〜約350フィート−ポンド/インチの範囲の破断強度を有してもよい;または代
替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、約150〜約300フィート−ポンド/イ
ンチの範囲の破断強度を有してもよい。本発明のポリエチレンフィルムは、例えば、少
なくとも14g/milの機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい。少
なくとも14g/milの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書
に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも126g/mil
の機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい;または代替例では、本発明
のポリエチレンフィルムは、少なくとも383g/milの機械方向の正規化エルメンド
ルフ引裂抵抗を有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、少
なくとも385g/milの機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい。
代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、例えば、少なくとも15g/milの機
械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい。少なくとも15g/milの全
ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、本発
明のポリエチレンフィルムは、少なくとも135g/milの機械方向の正規化エルメン
ドルフ引裂抵抗を有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、
少なくとも409g/milの機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい
;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、少なくとも420g/milの
機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよい。もう一つの代替例では、本発
明のポリエチレンフィルムは、例えば、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよく
、この際、「密度」は不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの密度であ
る。もう一つの代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは、例えば、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい機械方向の正規化エルメンドルフ引裂抵抗を有してもよく
、この際、「密度」は不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーの密度であ
る。本発明のポリエチレンフィルムは、例えば、約10〜約250μmの範囲の厚さを有
してもよい。約10〜約250μmの全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ
、本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレンフィルムは、約10〜約150
μmの範囲の厚さを有してもよい;または代替例では、本発明のポリエチレンフィルムは
、約10〜約75μmの範囲の厚さを有してもよい。
様々な方法を本発明のフィルムを形成するために用いてもよい;例えば、本発明のフィ
ルムは、インフレーションフィルム押出法、キャストフィルム押出法、カレンダリング、
又は共押出により形成されてもよい。
インフレーションフィルム押出法では、不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコ
ポリマーがもたらされる。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーは、約
0.910〜0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布
、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.
8の範囲のI10/I比を有する。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリ
マーは環状の円形ダイを通じて溶融押出され、それによりチューブを形成する。チューブ
は、例えば空気でその直径の2又は3倍に膨らまされ、同時に、冷却された空気がウェブ
を冷やして固体状態にする。吹き込み成形又は延伸の程度が引張り及び衝撃特性のバラン
ス及びレベルを決定する。押出量及び光学的品質を増加させるために、内部の空冷リング
を同様に用いてもよい。急速な冷却は、透明な光沢フィルムを得るために必要な結晶構造
を実現するために必須である。次に、フィルムチューブをローラーのV型のフレーム内で
潰され、フレームの端部で挟んでバブル内部の空気を閉じ込める。ニップロールもフィル
ムをダイから引き離す。延伸速度を制御して、物理的特性と、ブロー延伸比(blow draw r
atio)により実現される横方向特性とのバランスをとる。チューブはそのままで巻き取ら
れてもよいし、細長く切断されて1又はそれ以上のロール上の単一フィルム層として巻き
取られてもよい。チューブは直接袋に加工されてもよい。
代替の態様、すなわち、インフレーションフィルム押出法では、不均一に分枝したエチ
レン/α−オレフィンコポリマーがもたらされる。不均一に分枝したエチレン/α−オレ
フィンコポリマーは、約0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜
3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I
)、及び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する。不均一に分枝したエチレ
ン/α−オレフィンコポリマーは、次に、上記のように、強力なミキサーでその他のポリ
マー又は添加剤と均質にブレンドされる。ブレンドは環状の円形ダイを通じて溶融押出さ
れ、それによりチューブを形成する。チューブは、例えば空気でその直径の2又は3倍に
膨らまされ、同時に、冷却された空気がウェブを冷やして固体状態にする。吹き込み成形
又は延伸の程度が引張り及び衝撃特性のバランス及びレベルを決定する。押出量及び光学
的品質を増加させるために、内部の空冷リングを同様に用いてもよい。急速な冷却は、透
明な光沢フィルムを得るために必要な結晶構造を実現するために必須である。次に、フィ
ルムチューブをローラーのV型のフレーム内で潰され、フレームの端部で挟んでバブル内
部の空気を閉じ込める。ニップロールもフィルムをダイから引き離す。延伸速度を制御し
て、物理的特性と、ブロー延伸比により実現される横方向特性とのバランスをとる。チュ
ーブはそのままで巻き取られてもよいし、細長く切断されて1又はそれ以上のロール上の
単一フィルム層として巻き取られてもよい。チューブは直接袋に加工されてもよい。
もう一つの代替態様、すなわち、キャスト押出法では、不均一に分枝したエチレン/α
−オレフィンコポリマーがもたらされる。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコ
ポリマーは、約0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の
範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及
び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する。不均一に分枝したエチレン/α−
オレフィンコポリマーは、スロットダイを通じて溶融押出され、それにより薄く平らな形
材、すなわち、熱いウェブを形成し、その熱いウェブを非常に急速に冷却ロール又はドラ
ムに接触させることによりそれを次に直ちに急冷して固体状態にする。液体急冷バスを冷
却ロールの代わりに又はそれに連続して使用してもよい。押出速度に対して急冷ロールを
オーバードライブすること(overdriving)により、ウェブの厚さを引き下げてもよい。冷
却ロールによる急冷では、エアポケット部分、表面の波しわ、及びその他の欠陥をなくす
ために、熱いウェブをドラムに押付ける(pin)ことが必要であり得る。出て来る溶融体
に近接するエアナイフ、又は高い電圧場が確立される静電ピンニングを用いてウェブをド
ラムに押しやることもできる。ウェブ又はフード付き急冷ロール下での吸引補助を用いて
ダイ及び急冷ロール(1又は複数)の近くの大気を制御してもよい。ウェブが厚いか、又
はライン速度がより高速であれば、複数の冷却ロールの使用を必要とし得る。急冷したフ
ィルムは、さらに加工されてもよい;例えば、急冷したフィルムは、一軸延伸されてもよ
く、二軸延伸されてもよく、被覆されてもよく、又はコロナ放電処理されて接着力を高め
てもよい。一般に、フィルムは、これらのその他の処理へのラインに直接供給される。不
均一な端部は切り落とされてもよく、次に、フィルムは、その後より狭いロールへ細断す
るためのマスターロールに巻き取られるか、又は顧客への出荷用に直接巻き取られてもよ
い。
もう一つの代替態様、すなわち、キャスト押出法では、不均一に分枝したエチレン/α
−オレフィンコポリマーがもたらされる。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコ
ポリマーは、約0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の
範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及
び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する。不均一に分枝したエチレン/α−
オレフィンコポリマーは、次に、上文に記載されるように、強力なミキサーでその他のポ
リマー又は添加剤と均質にブレンドされる。ブレンドは、スロットダイを通じて押出され
、それにより薄く平らな形材、すなわち、熱いウェブを形成し、該熱いウェブを非常に急
速に冷却ロール又はドラムに接触させることによりそれを次に直ちに急冷して固体状態に
する。液体急冷バスを冷却ロールの代わりに又はそれに連続して使用してもよい。押出速
度に対して急冷ロールをオーバードライブすることにより、ウェブの厚さを引き下げても
よい。冷却ロールによる急冷では、エアポケット部分、表面の波しわ、及びその他の欠陥
をなくすために、熱いウェブをドラムに押付けることが必要であり得る。出て来る溶融体
に近接するエアナイフ、又は高い電圧場が確立される静電ピンニングを用いてウェブをド
ラムに押しやることもできる。ウェブ又はフード付き急冷ロール下での吸引補助を用いて
ダイ及び急冷ロール(1又は複数)の近くの大気を制御してもよい。ウェブが厚いか、又
はライン速度がより高速であれば、複数の冷却ロールの使用が求められる。急冷したフィ
ルムは、さらに加工されてもよい;例えば、急冷したフィルムは、一軸延伸されてもよく
、二軸延伸されてもよく、被覆されてもよく、又はコロナ放電処理されて接着力を高めて
もよい。一般に、フィルムは、これらのその他の処理へのラインに直接供給される。不均
一な端部は切り落とされてもよく、次に、フィルムは、その後より狭いロールへ細断する
ためのマスターロールに巻き取られるか、又は顧客への出荷用に直接巻き取られてもよい
もう一つの代替態様、すなわち、共押出法では、その少なくとも1つの層が、約0.9
10〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約
0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の
範囲のI10/I比を有する不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーで
ある、複数の層ポリマーを結合させて多層フィルムを形成する。結合ブロック(combining
block)を用いて複数のポリマー層を結合させる。結合ブロック内の平行な開口部は、各
ポリマーに対して1つの、2又はそれ以上の押出機から供給される。ポリマー溶融体は、
ダイを通じて層流様式で流れるようにされ、急冷ドラムの上に流される。フィルムは従来
のように加工されてもよく、又は次に延伸されてもよい。ポリマー溶融体は、ダイを通じ
て層流様式で流れるようにされ、急冷ドラムの上に流される。フィルムは従来のように加
工されてもよく、又は次に延伸されてもよい。最も一般的な種類の共押出は、AB、AB
A、又はABC(ここで、Aは1つのポリマー系であり、Bは(同じ又は異なるポリマー
の種類の)もう1つのポリマー系であり、Cは第3のポリマーの種類である)である。2
種類のポリマーが十分に接着しない場合は、タイ(tie)又は接着剤層を共押出で押出する
ことが可能である。アイオノマー樹脂が、多くの場合、そのようなタイ層として使用され
る。内部コアは発泡樹脂であってもよく、優れた仕上げ樹脂の表面層を含む。共押出され
たフィルムは、多くの場合、費用のかかる積層工程の必要性を排除する。
もう一つの代替の態様、すなわち共押出法では、その少なくとも1つの層が、約0.9
10〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約
0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の
範囲のI10/I比を有する少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレ
フィンコポリマーを含むポリマーブレンドである、複数のポリマー層が結合して多層フィ
ルムを形成する。結合ブロックを用いて複数のポリマー層を結合させる。結合ブロック内
の平行な開口部は、各ポリマーに対して1つの、2又はそれ以上の押出機から供給される
。ポリマー溶融体は、ダイを通じて層流様式に流れるようにされ、急冷ドラムの上に流さ
れる。フィルムは従来のように加工されてもよく、又は次に延伸されてもよい。最も一般
的な種類の共押出は、AB、ABA、又はABC(ここで、Aは1つのポリマー系であり
、Bは(同じ又は異なるポリマーの種類の)もう1つのポリマー系であり、Cは第3のポ
リマーの種類である)である。2種類のポリマーが十分に接着しない場合は、タイ(tie)
又は接着剤層を共押出で押出することが可能である。アイオノマー樹脂が、多くの場合、
そのようなタイ層として使用される。内部コアは発泡樹脂であってもよく、優れた仕上げ
樹脂の表面層を含む。共押出されたフィルムは、多くの場合、費用のかかる積層工程の必
要性を排除する。
もう一つの代替の態様、すなわち共押出法では、その少なくとも1つの層が、約0.9
10〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約
0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の
範囲のI10/I比を有する不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーで
ある、複数のポリマー層が結合して多層フィルムを形成する。マルチマニホールドダイを
用いて溶融体流を一緒にダイの中へもたらし、それにより複数のポリマー層を結合させて
もよい。マルチマニホールドダイは、平坦であってもチューブ状であってもよい。ポリマ
ー溶融体は、マルチマニホールドダイを通じて、急冷ドラムの上に押出される。次に、フ
ィルムは従来のように加工されてもよく、又は次に延伸されてもよい。最も一般的な種類
の共押出は、AB、ABA、又はABC(ここで、Aは1つのポリマー系であり、Bは(
同じ又は異なるポリマーの種類の)もう1つのポリマー系であり、Cは第3のポリマーの
種類である)である。2種類のポリマーが十分に接着しない場合は、タイ(tie)又は接着
剤層を共押出で押出することが可能である。アイオノマー樹脂が、多くの場合、そのよう
なタイ層として使用される。内部コアは発泡樹脂であってもよく、優れた仕上げ樹脂の表
面層を含む。共押出されたフィルムは、多くの場合、費用のかかる積層工程の必要性を排
除する。
もう一つの代替態様、すなわち、共押出法では、その少なくとも1つの層が、約0.9
10〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約
0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜約7.8の
範囲のI10/I比を有する少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレ
フィンコポリマーを含むポリマーブレンドである、複数のポリマー層を結合させて多層フ
ィルムを形成する。マルチマニホールドダイを用いて溶融体流を一緒にダイの中へもたら
し、それにより複数のポリマー層を結合させてもよい。マルチマニホールドダイは、平坦
であってもチューブ状であってもよい。ポリマー溶融体は、マルチマニホールドダイを通
じて、急冷ドラムの上に押出される。次に、フィルムは従来のように加工されてもよく、
又は次に延伸されてもよい。最も一般的な種類の共押出は、AB、ABA、又はABC(
ここで、Aは1つのポリマー系であり、Bは(同じ又は異なるポリマーの種類の)もう1
つのポリマー系であり、Cは第3のポリマーの種類である)である。2種類のポリマーが
十分に接着しない場合は、タイ(tie)又は接着剤層を共押出で押出することが可能である
。アイオノマー樹脂が、多くの場合、そのようなタイ層として使用される。内部コアは発
泡樹脂であってもよく、優れた仕上げ樹脂の表面層を含む。共押出されたフィルムは、多
くの場合、費用のかかる積層工程の必要性を排除する。
もう一つの代替の態様、すなわちカレンダリング法では、不均一に分枝したエチレン/
α−オレフィンコポリマーがもたらされる。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィン
コポリマーは、約0.910〜約0.930g/cmの範囲の密度、約2.8〜3.8
の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、
及び6.5〜約7.8の範囲のI10/I比を有する。不均一に分枝したエチレン/α
−オレフィンコポリマーを加熱ロール上で加熱し、2又はそれ以上の平行なロールの間に
絞り出して薄いウェブ又はシートにする。代替例では、不均一に分枝したエチレン/α−
オレフィンコポリマーをその他のポリマー又は添加剤とブレンドし、次に、熱い、温度制
御されたロールの間の回転ニップに供給する。ポリマー塊をさらにニップに挿入させ、流
出させてニップを通過するにつれて均一なシートにする。ウェブを再び挟んで、より薄い
シート又はフィルムに引き下げ、そして第3のこのような工程を受けさせてもよい。延伸
は、ニップ間での僅かなオーバードライブによりウェブに加えてもよい。フィルムの表面
は熱いニップロールの性質を受ける傾向があるので、特殊な表面、例えば高光沢、マット
、又はエンボス加工は、カレンダーのロールを変えることにより実現することができる。
多成分触媒系の一般的説明
多成分触媒系とは、本明細書において、マグネシウム及びチタン含有プロ触媒及び共触
媒を含む、チーグラー・ナッタ触媒組成物をさす。共触媒は、(t−ブチルジメチルシロ
オキシ)ジ(i−ブチル)アルミニウム、(t−ブチルジメチルシロキシ)ジ(n−オク
チル)アルミニウム、ペンタフルオロフェノキシジ(イソブチル)アルミニウム、ペンタ
フルオロフェノキシジ(n−オクチル)アルミニウム、フェノキシジ(i−ブチル)アル
ミニウム、(3,5−ジメチル−2,4−ピラゾール−1−イル)ジ(エチル)アルミニ
ウム、(3,5−ジメチル−2,4−ピラゾール−1−イル)ジ(n−オクチル)アルミ
ニウム、及びドデシルオキシジ(n−オクチル)アルミニウム、あるいは、ほぼ等モル量
のt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリ(イソブチル)アルミニウムもしくは
トリ(n−オクチル)アルミニウムの反応により形成される混合物、ペンタフルオロフェ
ノールとトリ(イソブチル)アルミニウムもしくはトリ(n−オクチル)アルミニウムの
反応により形成される混合物、フェノールとトリ(イソブチル)アルミニウムの反応によ
り形成される混合物、3,5−ジメチル−1,4−ピラゾールとトリエチルアルミニウム
もしくはトリ(n−オクチル)アルミニウムの反応により形成される混合物、又はドデカ
ノールとトリ(n−オクチル)アルミニウムの反応により形成される混合物からなる群よ
り選択される化合物を含む。プロ触媒は、例えば、マグネシウムジクロライド、アルキル
アルミニウム二ハロゲン化物、及びチタンアルコキシドの反応生成物を含んでもよい。
オレフィン重合プロ触媒前駆体は、
(A)以下:
(1)一般式RMg.xAlR’(式中、各々のRは、独立に、1〜約20、好ま
しくは1〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基
であり、各々のR’は、独立に、ハロゲン化物、1〜約20、好ましくは1〜約10個の
炭素原子を有するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基、
Figure 0005774077
(R”は、1〜約20、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビルもし
くはヒドロカルビルオキシ基である)であり;かつ、xは、Al:Mgの原子比が約0.
025:1〜約0.25:1、好ましくは約0.025:1〜約0.125:1であるよ
うな値を有する)により表される、少なくとも1つの炭化水素可溶性マグネシウム成分;
及び
(2)少なくとも1種類の非金属もしくは金属ハロゲン化物源を、反応温度が約60℃
を超えない、好ましくは約40℃を超えない、最も好ましくは約35℃を超えないような
条件下で;
接触させることにより調製されるハロゲン化マグネシウム、
(B)式Tm(OR)y−x(式中、Tmは、周期表のIVB族、VB族、VIB
族、VIIB族もしくはVIII族の金属であり;Rは、1〜約20、好ましくは1〜約
10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であるか、又は
Figure 0005774077
(式中、R”は、1〜約20、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビ
ルもしくはヒドロカルビルオキシ基である)であり;x及びyは、各々独立に、0からT
mの価数までの値を有し、x+yは、Tmの価数に等しい値を有する)により表される少
なくとも1種類の遷移金属化合物;
(C)所望の過剰なX:Mg比を得るために不十分な量の成分(A−2)が存在する場合
には、さらなるハロゲン化物源;
(D)成分(A−1)及び(C)が所望のAl:Tm比を得るために十分な量で存在せず
;かつ、
(1)Mg:Tm原子比が約2:1〜約200:1、好ましくは約5:1〜約70:1
、最も好ましくは約10:1〜約50:1であり、
(2)Al:Tm原子比が約0.1:1〜約200:1、好ましくは約1:1〜約50
:1、最も好ましくは約3:1〜約30:1であり;かつ
(3)過剰なX:Mg比が約0.001:1〜約100:1、好ましくは約0.01:
1〜約50:1、最も好ましくは約0.1:1〜約5:1である、
場合には、有機アルミニウム化合物、
を合する結果生じる生成物を含む。
過剰なXという用語は、成分(A)中のマグネシウム原子に結合しているR基をハロゲ
ン化物に転化するために必要な量を上回るハロゲン化物の量と定義される。
本明細書において用いることのできる適したマグネシウム成分としては、例えば、一般
式RMg.xAlR’(式中、各々のRは、独立に、1〜約20、好ましくは1〜約
10個の炭素原子を有するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基であり、各々
のR’は、独立に、ハロゲン化物、1〜約20、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有
するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基、
Figure 0005774077
(式中、R”は、1〜約20、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビ
ルもしくはヒドロカルビルオキシ基である)であり;かつ、xは、Al:Mgの原子比が
約0.025:1〜約0.25:1、好ましくは約0.025:1〜約0.125:1で
あるような値である)により表されるものが挙げられる。
このようなマグネシウム成分を形成するために用いることのできる特に適した有機マグ
ネシウム化合物としては、例えば、n−ブチル−sec−ブチルマグネシウム、ジイソプ
ロピルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、イソプロピル−n−ブチルマグネ
シウム、エチル−n−ヘキシルマグネシウム、エチル−n−ブチルマグネシウム、ジ−n
−オクチルマグネシウム、ブチル−オクチルマグネシウム及びアルキルが1〜20個の炭
素原子を有するその他のものが挙げられる。例示的な適したマグネシウムジアリールとし
ては、ジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、及びジトリルマグネシウムが
挙げられる。適した有機マグネシウム化合物にはまた、マグネシウムアルコキシド及びア
リールオキシドならびにアリール及びアルキルハロゲン化マグネシウムが挙げられ、ハロ
ゲンを含まない有機マグネシウム化合物がより好ましい。
マグネシウム成分を調製するために用いることのできる適したアルミニウム化合物とし
ては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウム
オクトエート、エチルアルミニウムクロライドオクトエート、エチルアルミニウムエトキ
シドクロライド、それらの混合物などが挙げられる。
マグネシウム成分は、好ましくは炭化水素媒質中で、有機マグネシウム化合物とアルミ
ニウム化合物を混合すると直ちに形成される。
本明細書において用いることのできるハロゲン化物源には、活性非金属ハロゲン化物及
び金属ハロゲン化物がある。
適した非金属ハロゲン化物は、R’が水素又は活性一価有機基であり、Xがハロゲンで
ある、式R’Xに表される。特に適した非金属ハロゲン化物としては、例えば、ハロゲン
化水素及び活性有機ハロゲン化物、例えばt−アルキルハライド、アリルハライド、ベン
ジルハライド及びその他の活性ヒドロカルビルハライドが挙げられ、該ヒドロカルビルは
上記に規定したとおりである。活性有機ハロゲン化物は、sec−ブチルクロライドのハ
ロゲンと少なくとも同じ活性を有する、すなわちsec−ブチルクロライドのハロゲンと
同様に簡単に別の化合物に失われる、好ましくはt−ブチルクロライドと同様に活性のあ
る不安定なハロゲンを含む、ヒドロカルビルハリドを意味する。有機一価ハロゲン化物に
加えて、上文に規定されるように活性な有機ジハロゲン化物、トリハロゲン化物及びその
他のポリハロゲン化物も好適に用いられることは当然理解される。好ましい活性非金属ハ
ロゲン化物の例としては、塩化水素、臭化水素、t−ブチルクロライド、t−アミルブロミ
ド、アリルクロライド、ベンジルクロライド、クロチルクロライド、メチルビニルカルビ
ニルクロライド、α−フェニルエチルブロミド、ジフェニルメチルクロライドなどが挙げ
られる。最も好ましいものは、塩化水素、t−ブチルクロライド、アリルクロライド及び
ベンジルクロライドである。
本明細書において用いることのできる適した金属ハロゲン化物としては、式MRy−a
により表されるものが挙げられ、式中、Mは、メンデレーエフの元素周期表のIIB
族、IIIA族又はIVA族の金属であり、Rは一価の有機基であり、Xはハロゲンであ
り、yは、Mの価数に対応する値を有し、かつaは、1〜yの値を有する。好ましい金属
ハロゲン化物は、式AlR3−aのハロゲン化アルミニウムであり、式中、各々のR
は、独立に、アルキルなど上記に規定されるようなヒドロカルビル基であり;Xは、ハロ
ゲンであり、aは、1〜3の数字である。最も好ましいものは、アルキルハロゲン化アル
ミニウム、例えば、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、及びジエチルアルミニウムブロミドであり、エ
チルアルミニウムジクロライドが特に好ましい。あるいは、金属ハロゲン化物、例えば、
塩化第二スズ、アルミニウムトリクロライド又は、アルミニウムトリクロライドとアルキ
ルハロゲン化アルミニウムの組合せ又はトリアルキルアルミニウム化合物を好適に用いて
もよい。
本明細書において用いることのできる適した遷移金属化合物としては、例えば、一般式
Tm(OR)(X)又はTm(OR)x−2Oにより表されるものが挙げられ、式中
、Tmは、サージェント・ウェルチ・サイエンティフィック・カンパニー(Sargent-Welch
Scientific Company)によりカタログ番号S−18806として出版される元素周期表の
IVB族、VB族、VIB族、VIIB族又はVIII族の遷移金属であり;各々のRは
、ヒドロカルビル又は既に記載される通りの
Figure 0005774077
であり;R”は、1〜約20、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビ
ルもしくはヒドロカルビルオキシ基であり;Xは、ハロゲン、好ましくは塩素又は臭素で
あり;xは、0からTmの価数に等しい値を有し;yは、0からTmの価数に等しい値を
有し、かつ、x+yの合計は、Tmの価数に等しい。特に適した遷移金属化合物としては
、例えば、チタンテトラクロライド、チタントリクロライド、バナジウムテトラクロライ
ド、ジルコニウムテトラクロライド、テトラ(イソプロポキシ)−チタン、テトラブトキ
シチタン、ジエトキシチタンジブロミド、ジブトキシチタンジクロライド、テトラフェノ
キシチタン、トリ−イソプロポキシバナジウムオキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロ
ポキシド、それらの混合物などが挙げられる。
本明細書において遷移金属成分として用いることのできるその他の適したチタン化合物
としては、次の、
(A)式Ti(OR)4−xにより表される少なくとも1つのチタン化合物(式中
、各々のRは、独立に、1〜約20、好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約2〜約
4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり;Xは、ハロゲンであり、xは、0〜4
の値を有する);と、
(B)少なくとも1種類の芳香族ヒドロキシル基を含む少なくとも1種類の化合物
とを反応させた結果生じるチタン錯体及び/又は化合物が挙げられる。
前述のプロ触媒成分は、既に述べた原子比を得るために十分な割合で混合される。
重合ゾーンに存在するその他の成分は、アルミニウムアルキルと反応する不純物を本質
的に含まないべきである。あるいは、付加的な量の、既に記載したような有機金属化合物
、好ましくは有機アルミニウム化合物を用いてこのような不純物と反応させる必要がある
。さらに、触媒においてアルミニウム化合物はトリアルキルアルミニウム又はアルキルア
ルミニウムハライド(但し、アルキルアルミニウムハライドはアルキルアルミニウムジハ
ライドを実質的に含まない)の形態であるべきであることは当然理解される。上述のアル
ミニウム化合物において、アルキル基は、独立に、1〜約20、好ましくは1〜約10個
の炭素原子を有する。
付加的な量のアルミニウム化合物を用いる場合、この化合物はその調製の間に上述の触
媒に加えてもよいし、又はアルミニウムの不足した触媒を、重合反応器に入れる前に適当
なアルミニウム化合物と混合してもよいし、またあるいは、アルミニウムの不足した触媒
とアルミニウム化合物を別々の流れ又は添加として重合反応器に加えてもよい。
前述のプロ触媒反応生成物は、好ましくは不活性希釈剤の存在下で調製される。触媒成
分の濃度は、好ましくは触媒反応生成物の必須成分を混合した場合、得られるスラリーが
マグネシウムに関して約0.005〜約1.0モル濃度(モル/リットル)であるような
濃度である。適した不活性有機希釈剤の例として、液化エタン、プロパン、イソブタン、
n−ブタン、n−ヘキサン、様々な異性体のヘキサン、イソオクタン、8〜12個の炭素
原子を有するアルカンのパラフィン系混合物、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
ジメチルシクロヘキサン、ドデカン、飽和もしくは芳香族炭化水素、例えばケロシン、ナ
フサ、その他から構成される工業用溶媒(特にオレフィン化合物及びその他の不純物を含
まない(freed of)場合)、及び、特に約−50℃〜約200℃の範囲の沸点を有するもの
を挙げることができる。また、適した不活性の希釈剤として、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼン、クメン、デカリンなどが含まれる。
所望の触媒反応生成物を得るためのプロ触媒成分の混合は、ハロゲン化マグネシウム担
体が、反応温度が約60℃を超えないように調製されるならば、不活性雰囲気下、例えば
窒素、アルゴン又はその他の不活性ガス下、約−100℃〜約200℃、好ましくは約−
20℃〜約100℃の範囲の温度にて有利に調製される。触媒反応生成物の調製において
、炭化水素に溶ける成分を、反応生成物の炭化水素に溶けない成分から分離する必要はな
い。
触媒効率を最大化するために、不活性の液体希釈剤中に次の特に好ましい順序:有機マ
グネシウム成分、ハロゲン化物源、必要であれば付加的なハロゲン化物源、必要であれば
遷移金属化合物及び付加的なアルミニウム化合物の順序にてプロ触媒の成分を混合するこ
とによりプロ触媒が調製される。
プロ触媒組成物は、共触媒、所望により1又はそれ以上の重合調整剤と組み合わせる、
チーグラー・ナッタ触媒組成物の一成分として働く。共触媒は、好ましくはプロ触媒中の
チタンに基づいて1:1〜100:1のモル比で、より好ましくは2:1〜50:1のモ
ル比で用いられる。
オレフィン重合触媒は、プロ触媒、及び共触媒を接触させる任意の適した手順により製
造される。触媒成分又はその組合せは、重合の前に事前に接触させて事前に活性化した触
媒を形成してもよいし、又は、成分を適した反応器中で同時にオレフィンモノマーに接触
させてもよい。一変更形態では、重合の開始が触媒スクリーニングの目的に望ましい場合
には、触媒成分を適した容器中で単に混合し、それにより生成される事前形成触媒が重合
反応器の中に導入される。代替変更形態では、触媒成分は別々に重合反応器の中に導入さ
れ、触媒はその場所で形成される。
本発明での使用のための共触媒組成物は、最も一般的な意味において、少なくとも2つ
の試薬、特に1又はそれ以上の金属含有ルイス酸と1又はそれ以上の有機プロトン化試薬
との反応生成物を含む。結果として得られる生成物が、様々な種と動的な相互交換化合物
との間の平衡を含む、種の混合物を含み得ることは、当業者に当然理解される。一実施形
態では、前述の試薬を適した希釈剤、好ましくは炭化水素、例えばヘキサン又はヘプタン
中で組み合わせることにより形成される反応混合物が、精製及び/又は単離された反応生
成物それ自体よりも、使用に好ましい。
適したルイス酸は、式:[M x’y’z’
(式中、
は、第2〜13族の金属、Ge、Sn、又はBiであり;
は、独立に、アニオン性又はポリアニオン性配位子であり;
x’は、0より大きく、6未満又は6に等しい数であり;
Gは、所望によりAに結合した中性ルイス塩基であり;
y’は、0〜4の数であり;
z’は、1〜10の数である)の化合物である。
好ましくは、ルイス酸は、一般式、M x’y’の金属化合物であり、式中、M
は、第2〜13族の金属、Ge、Sn、又はBiであり;Aは、独立に、アニオン性
配位子であり;x’は、整数であり、Mの価数に等しく;Gは、中性ルイス塩基であり
;かつ、y’は、0〜4の数である。より好ましくは、Mは、Mg、B、Ga、Al、
又はZnであり;Aは、C1−20ヒドロカルビル又は不活性置換されたヒドロカルビ
ル、特にC1−12アルキルもしくはアリールである。好ましい不活性置換基としては、
ハロゲン化物、トリメチルシリル、ハロアリール、及びハロアルキルが挙げられる。最も
非常に好ましくは、Mはアルミニウムである。
共触媒を形成するために本発明で使用されるプロトン化試薬には、式、[(H−J
z”z”’
(式中、
は、NA、PA、S、又はOであり、
z”は、1又は2であり、
は、C1−20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1−
10ヒドロカルビル)シリル、又はその多価誘導体であり、
は、水素、C1−20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、又は共
有結合(Aが二価配位子の基であり、z”が1である場合)であり;かつ
z”’は、1〜10の数である)の化合物が含まれる。
好ましいプロトン化試薬には、式、(H−Jz”の化合物が含まれ、式中、J
は、NA、PA、S、又はOであり、z”は、1又は2であり;かつ、Aは、C
1−20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1−4ヒドロカル
ビル)シリル、又はその多価誘導体、特にC1−12アルキル、1,4−ブチレン、トリ
(C1−4アルキル)シリル、又はアリールであり、かつ、Aは、水素、C1−20
ドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、又は共有結合である。好ましい不活性
置換基は、ハロゲン化物、トリメチルシリル、ハロアリール、又はハロアルキルである。
本発明に従う使用に特に望ましい共触媒は、トリ(C1−20アルキル)ヒドロキシシ
ラン、フッ素化芳香族アルコール、又はその不活性置換誘導体、特にフッ素化フェノール
と、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物、特にトリ(C2−20アルキル)アルミニ
ウム化合物、最も特にトリ(C4−8n−アルキル)アルミニウム化合物との反応生成物
である。非常に望ましくは、共触媒は、対応するシロキシジアルキルアルミニウム誘導体
、アリールオキシジアルキルアルミニウム誘導体又はそれらの混合物である。当業者であ
れば、実際の反応混合物が可能性のある生成物の平衡を含み、前述の混合物が1つの成分
を構成することを理解するであろう。
多成分触媒系の具体的な説明
例示的な多成分触媒系には、マグネシウム及びチタン含有プロ触媒ならびに共触媒を含
むチーグラー・ナッタ触媒組成物が含まれる。プロ触媒は、40:1.5のMg:Tiの
モル比を特徴とする、MgCl担持チタンのチーグラー・ナッタ触媒である。共触媒は
、修飾アルキルアルミニウム化合物である。共触媒は、3,5−ジメチルピラゾール(D
MP)とトリ−n−オクチルアルミニウムを炭化水素溶媒中で反応させることにより調製
され、3,5−ジメチルピラゾールジ−n−オクチルアルミニウムを得る。この際、DM
P:Alのモル比は約0.95:1である。プロ触媒は、1.0:40〜3.0:40、
好ましくは1.5:40のTi:Mg比を有してもよい。プロ触媒及び共触媒成分は、反
応器に入る前か又は反応器中のいずれかで接触させることができる。プロ触媒は、例えば
、任意のその他のチタン系チーグラー・ナッタ触媒であってもよい。プロ触媒成分の共触
媒成分に対するAl:Tiのモル比は、約2〜約50であってもよい;代替例では、それ
は約6〜約18であってもよい。トリアルキルアルミニウム共触媒は、その他の一置換ピ
ラゾール、二置換ピラゾール、三置換ピラゾール、一置換トリアゾール、二置換トリアゾ
ール、三置換トリアゾール、t−ブチルジメチルシラノール、又はその他のシラノールに
より修飾されてもよい。アルミニウム上のアルキル基は、C2−18であってもよい。
プロ触媒は、1.0:40〜3.0:40、好ましくは1.5:40のTi:Mg比を
有してもよい。プロ触媒及び共触媒成分は、反応器に入る前か又は反応器中のいずれかで
接触させることができる。プロ触媒成分の共触媒成分に対するAl:Tiのモル比は、約
2〜約50であってもよい;代替例では、それは約6〜約18であってもよい。
本発明が、具体的に開示されていない任意の成分の不在下で動作可能であることは、当
然理解される。以下の実施例は、本発明をさらに例証するために提供されるものであり、
制限と解釈されるものではない。
多成分触媒
例示的な多成分触媒系を、以下の手順に従って調製した。約24重量%のトリ−n−オ
クチルアルミニウムヘプタンを含有する溶液を、固体の3,5−DMP−H(3,5−ジ
メチルピラゾール)のIsopar(登録商標)E中のスラリーに添加した。約24重量
%のトリ−n−オクチルアルミニウムヘプタンを含有する溶液の添加は、反応物質の温度
が40℃より低いままであるように制御された。溶液の添加につれて、固体の配位子は徐
々に溶解した。溶液を約2時間攪拌し、それにより、下に示されるような、7.7kgの
0.3M(1.15重量パーセント Al、11508ppm Al)の多成分触媒系が生
じた。
Figure 0005774077
本発明の実施例1
本発明の実施例1及び2を、以下の手順に従って作製した。不均一に分枝したエチレン
/α−オレフィンコポリマーを、溶液条件下で動作する単一のループ反応器でエチレン及
び1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー、例えば1−オクテンを(共)重合するの
に適した、上文に記載されるような多成分触媒系を用いて調製した。エチレンモノマーお
よび1−オクテンコモノマーを、溶媒、例えばExxonMobilより市販されている
Isopar(登録商標)Eと合わせた。供給流を反応器に入る前に、極性不純物、例え
ば水、一酸化炭素、硫黄化合物、及び不飽和化合物、例えばアセチレンなどを取り除いた
。反応器は42.5ガロンの蒸気トレース・ループ型反応器であった。ポリマー/触媒溶
液をループを通じて循環させることにより混合した。供給流は底部及び上部の両方から反
応器に入った。反応器温度は約195℃であり、反応器圧力は約725psiであった。
ポリマー溶液が反応器を出たた後、未転化のエチレンモノマー及び1−オクテンコモノマ
ーを含む溶媒を、2段階脱揮装置システムによってポリマー溶液から除去し、次に再循環
させた。再循環流は、再び反応器に入る前に清浄にした。ポリマー溶融体を押出機に供給
し、ポリマーをペレット化した。ペレットをペレット剥離(stripping)容器に移し、そこ
で最後の微量の溶媒を除去した。次に、完成したペレットを、保存用容器(bins)に移した
。平均触媒滞留時間は約7.5分であった。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィン
コポリマーの特性を表Iに記載する。
本発明の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを、直径6インチのS
anoダイを含むグロスター社のラインで、インフレーションフィルム押出法によってさ
らに加工した。ダイは70ミルのギャップを有した。ブローアップ比約2.5及びフロス
トラインの高さ約30インチでフィルムをブローした。フィルムの折り幅は約23.5イ
ンチであり、一方、フィルムの厚さは約2ミルであった。インフレーションフィルム押出
法の条件をさらに表IIに記載する。不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリ
マーは、環状の円形ダイを通じて溶融押出された。これによりダイから出た熱溶融体はチ
ューブを形成した。チューブを空気で膨張させ、同時に、冷却した空気でウェブを冷やし
て固体状態とした。次に、フィルムチューブをローラーのV型のフレーム内で潰し、フレ
ームの端部で挟んでバブル内部の空気を閉じ込めた。ニップロールもフィルムをダイから
引き離した。チューブを細断し、ロール上の単一フィルム層として巻き取った。本発明の
フィルム1及び2の特性を表IIIに記載する。
比較例A
比較例Aの、直鎖状低密度ポリエチレンは、本発明の実施例1と同じ条件下で、トリエ
チルアルミニウム共触媒によって作製した。比較例Aの特性を表Iに記載する。比較例A
を、上記のように、インフレーションフィルム押出法によって加工した。インフレーショ
ンフィルム押出法の条件を表IIに記載する。比較例Aを、環状の円形ダイを通じて溶融
押出した。これによりダイから出た熱溶融体はチューブを形成した。チューブを空気で膨
張させ、同時に、冷却した空気でウェブを冷やして固体状態とした。次に、フィルムチュ
ーブをローラーのV型のフレーム内で潰し、フレームの端部で挟んでバブル内部の空気を
閉じ込めた。ニップロールもフィルムをダイから引き離した。チューブを細断し、ロール
上の単一フィルム層として巻き取った。比較例フィルムAの特性を表IIIに記載する。
比較例B
比較例Bは、市販されている直鎖状低密度ポリエチレン、Dow Chemical
Companyより入手可能なDOWLEX(商標)2045Gである。DOWLEX(
商標)2045Gの特性を表Iに記載する。DOWLEX(商標)2045Gを、上記の
ように、インフレーションフィルム押出法により加工した。インフレーションフィルム押
出法の条件を表IIに記載する。DOWLEX(商標)2045Gを、環状の円形ダイを
通じて溶融押出した。これによりダイから出た熱溶融体はチューブを形成した。チューブ
を空気で膨張させ、同時に、冷却した空気でウェブを冷やして固体状態とした。次に、フ
ィルムチューブをローラーのV型のフレーム内で潰し、フレームの端部で挟んでバブル内
部の空気を閉じ込めた。ニップロールもフィルムをダイから引き離した。チューブを細断
し、ロール上の単一フィルム層として巻き取った。比較例フィルムBの特性を表IIIに
記載する。
比較例C
比較例Cの、直鎖状低密度ポリエチレンは、本発明の実施例2と同じ条件下で、トリエ
チルアルミニウム共触媒によって作製した。比較例Cの特性を表Iに記載する。比較例C
を、上記のように、インフレーションフィルム押出法により加工した。インフレーション
フィルム押出法の条件を表IIに記載する。比較例Cを環状の円形ダイを通じて溶融押出
した。これによりダイから出た熱溶融体はチューブを形成した。チューブを空気で膨張さ
せ、同時に、冷却した空気でウェブを冷やして固体状態とした。次に、フィルムチューブ
をローラーのV型のフレーム内で潰し、フレームの端部で挟んでバブル内部の空気を閉じ
込めた。ニップロールもフィルムをダイから引き離した。チューブを細断し、ロール上の
単一フィルム層として巻き取った。比較例フィルムCの特性を表IIIに記載する。
試験方法
本明細書において用いた試験方法には以下が含まれる。
密度(g/cm)は、ASTM−D792−03、方法Bに従って、イソプロパノー
ル中で測定した。測定の前に熱平衡を実現するために23℃にて8分間イソプロパノール
浴中でコンディショニングした後、成形から1時間以内に試験片を測定した。手順Cごと
に約190℃にて5分の初期加熱期間及び15℃/分の冷却速度で、ASTM D−47
03−00 Annex Aに従って試験片を圧縮成形した。試験片は、圧縮機内で45
℃まで冷却し、「触れられる程度の冷たさ」まで冷却を続けた。
メルトインデックス(I)(dg/分)は、ASTM D−1238−03に従って
、2.16kgの負荷の下、190℃にて測定した。
メルトインデックス(I10)(dg/分)は、ASTM D−1238−03に従っ
て、10.0kgの負荷の下、190℃にて測定した。
分枝分布は、本明細書の以下で説明される、結晶化分析分別法(CRYSTAF)によ
って決定した。結晶化分析分別法(CRYSTAF)は、PolymerChar,Va
lencia,Spainより市販されているCRYSTAF 200ユニットによって
実施した。試料を、160℃の1,2,4−トリクロロベンゼンに1時間溶解させ(0.
66mg/mL)、95℃にて45分間安定させた。試料採取温度の範囲は、冷却速度0
.2℃/分で95℃から30℃の範囲であった。赤外線検出器を用いてポリマー溶液濃度
を測定した。温度が低下する間にポリマーが結晶化するときに累積可溶性濃度を測定した
。累積プロフィールの解析的導関数は、ポリマーの短鎖分枝分布を反映する。
CRYSTAFピーク温度及び面積を、CRYSTAFソフトウェア(バージョン20
01.b,PolymerChar,Valencia,Spain)に含められている
ピーク分析モジュールにより特定する。CRYSTAFピーク検出ルーチンにより、dW
/dT曲線の最大値としてピーク温度、微分曲線中の特定されたピークのいずれかの側に
ある正の最大変曲点の間の面積を特定する。CRYSTAF曲線を算出するために、好ま
しい処理パラメータは、70℃の温度限界及び、0.1の温度限界よりも上、かつ0.3
の温度限界より下での平滑化パラメータを含むものである。
溶解度分布幅指数(Solubility Distribution Breadth Index)(SBDI)は、次式、
Figure 0005774077
(式中、Tは、温度であり、Wは、重量分率であり、かつ、Tは重量平均温度である)
に基づいて算出される、CRYSTAF法の幅広さに関する統計値である。
長鎖分枝は、当分野で公知の方法、例えば低角度レーザー光散乱検出器と組み合わせた
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LALLS)及び示差粘度計検出器と組み合わせ
たゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−DV)に従って測定した。
重量平均分子量(M)及び数平均分子量(M)は、以下にさらに詳細に記載される
、従来型のGPCを用いる、当分野で公知の方法に従って測定した。
ゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、ポリマー・ラボラトリーズ・モデルPL−2
10機器又はポリマー・ラボラトリーズ・モデルPL−220機器のいずれかからなる。
カラム及びカルーセル区画を140℃で動作させた。3つのポリマー・ラボラトリーズ1
0ミクロン混合−Bカラムを使用した。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンであった
。200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの
溶媒中、0.1グラムのポリマーの濃度で試料を調製した。試料を、160℃で2時間、
軽く撹拌することによって調製した。使用した注入量は100マイクロリットルであり、
流速は1.0ml/分であった。
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量間に少なくとも10の分離を有する6種類
の「カクテル」混合物に配列された、580〜8,400,000の範囲の分子量の、2
1の狭分子量分布ポリスチレン標準品を用いて行った。標準品はPolymer Lab
oratories(Shropshire,UK)より購入した。ポリスチレン標準品
は、1,000,000に等しいか又はそれより大きい分子量については50ミリリット
ルの溶媒中0.025グラムで、かつ1,000,000未満の分子量については50ミ
リリットルの溶媒中0.05グラムで調製した。ポリスチレン標準品を、80℃で30分
間ゆっくり攪拌して溶解させた。狭い標準混合物を最初に実施し、最大分子量成分を減ら
してゆく順序で実施して分解を最小限にした。ポリスチレン標準品ピーク分子量を、次の
方程式を用いてポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward, J. Polym. Sci., P
olym. Let., 6, 621 (1968)に記載される通り)、Mポリエチレン=0.431(Mポリ
スチレン)。
ポリエチレン等量分子量の計算を、Viscotek TriSECソフトウェアのバ
ージョン3.0を用いて行った。
高密度画分(パーセント)は、以下にさらに詳細に説明される、分析的昇温溶離分別分
析(米国特許第4,798,081号に記載される通り、本明細書において「ATREF
」と略される)によって測定した。分析的昇温溶離分別(ATREF)分析は、参照によ
りそれらの全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,798,081号及びWilde,
L.; Ryle, T.R.;Knobeloch, D.C.;Peat, I.R.; Determination of Branching Dist
ributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers, J. Polym. Sci., 20, 441-455 (
1982)、に記載される方法に従って行われた。分析するべき組成物をトリクロロベンゼン
に溶かし、0.1℃/分の冷却速度で20℃まで温度を徐々に低下させることにより、不
活性支持体(ステンレス鋼ショット)を収容するカラム中で結晶化させた。このカラムに
は赤外線検出器を取り付けた。次に、溶離溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を1.5℃
/分の速度で20℃から120℃までゆっくりと上昇させることによって、結晶化したポ
リマー試料をカラムから溶離することにより、ATREFクロマトグラム曲線を作成した
曇り度はASTM−D1003に従って決定した。
45度光沢は、ASTM−2457に従って決定定した。
エルメンドルフ引裂抵抗は、ASTM−D1922に従って測定した。
破断強度は、探針が0.5インチの研磨したステンレス鋼球であり、最大移動距離が7
.5インチであることを除いて、ASTM D5748−95に従って測定した。
ダート衝撃強度は、ASTM−D1709−04、方法Aに従って測定した。
レオロジーは、動的機械的分光法(DMS)を用いて測定した。DMS実験を25mm
平行プレート及び窒素パージを備えたRheometrics ARESで190℃にて
行った。振動数は0.1〜100rad/秒の間で変動した。歪み振幅を試料の応答に基
づいて4〜8%の間に調整した。振幅及び相に関して、応力応答を分析し、それから動的
粘度(η)及びtan(δ)を算出した。粘度比(0.1rad−1/100ra
−1)は、0.1rad/秒の剪断速度で測定した粘度の、100rad/秒の剪
断速度で測定した粘度に対する比と定めた。
ビニル不飽和は、ASTM D−6248−98に従って測定した。
本発明は、その精神及び本質的な特性から逸脱することなく他の形態に具体化することができ、したがって、参照は、前述の明細書よりもむしろ、本発明の範囲を示す添付の特許請求の範囲になされるべきである。
Figure 0005774077
Figure 0005774077
Figure 0005774077
以上の説明により、本発明の具体例として以下の発明が挙げられる。
[1] 少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含み、
前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、約0.910〜約0.930g/cm の範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I )、及び6.5〜約7.8の範囲のI 10 /I 比を有する、ポリエチレンフィルムであって;
前記フィルムが、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度を有する、ポリエチレンフィルム。
[2] 前記フィルムが、10〜75μmの範囲の厚さを有する、[1]に記載のポリエチレンフィルム。
[3] 前記フィルムが、(6690−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜8パーセントの範囲の曇り度を有する、[1]に記載のポリエチレンフィルム。
[4] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、エチレン−1−オクテンコポリマーである、[1]に記載のポリエチレンフィルム。
[5] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、単一の反応器内の多成分触媒系の存在下、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーの共重合反応生成物である、[1]に記載のポリエチレンフィルム。
[6] 少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含み、
前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、約0.910〜約0.930g/cm の範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I )、及び6.5〜約7.8の範囲のI 10 /I 比を有する、ポリエチレンフィルムであって;
前記フィルムが、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度A、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度を有する、ポリエチレンフィルムを含む、物品。
[7] 前記フィルムが、10〜75μmの範囲の厚さを有する、[6]に記載の物品。
[8] 前記フィルムが、(6690−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜8パーセントの範囲の曇り度を有する、[6]に記載の物品。
[9] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、エチレン−1−オクテンコポリマーである、[6]に記載の物品。
[10] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、単一の反応器内の多成分触媒系の存在下、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーの共重合反応生成物である、[6]に記載の物品。
[11] 少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを準備する工程であって、前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、約0.910〜約0.930g/cm の範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I )、及び6.5〜約7.8の範囲のI 10 /I 比を有する、工程と;
前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーをインフレーションフィルム押出法又はキャストフィルム押出法によって加工する工程と;
それにより、(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度を有する、前記フィルムを形成する工程と
を含む、ポリエチレンフィルムを製造する方法。
[12] 前記フィルムが、10〜75μmの範囲の厚さを有する、[11]に記載のポリエチレンフィルムを製造する方法。
[13] 前記フィルムが、(6690−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜8パーセントの範囲の曇り度を有する、[10]に記載のポリエチレンフィルムを製造する方法。
[14] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、エチレン−1−オクテンコポリマーである、[11]に記載のポリエチレンフィルムを製造する方法。
[15] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、単一の反応器内の多成分触媒系の存在下、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーの共重合反応生成物である、[11]に記載のポリエチレンフィルムを製造する方法。
[16] 少なくとも1種類の(at one)不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを含み、前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、約0.910〜約0.930g/cm の範囲の密度、約2.8〜3.8の範囲の分子量分布、約0.3〜約4g/10分の範囲のメルトインデックス(I )、及び6.5〜約7.8の範囲のI 10 /I 比を有する、少なくとも1つのポリエチレンフィルム層を含む、
多層フィルムであって、
前記ポリエチレンフィルム層が、10〜75μmの範囲の厚さ;(6666−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜10パーセントの範囲の曇り度を有する、多層フィルム。
[17] 前記ポリエチレンフィルム層が、10〜75μmの範囲の厚さを有する、[16]に記載の多層フィルム。
[18] 前記ポリエチレンフィルム層が、(6690−7012*密度)g/milに等しいか又はそれより大きい正規化ダート衝撃強度、
Figure 0005774077
に等しいか又はそれより大きい正規化引裂強度、及び3〜8パーセントの範囲の曇り度を有する、[16]に記載の多層フィルム。
[19] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、エチレン−1−オクテンコポリマーである、[16]に記載の多層フィルム。
[20] 前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、単一の反応器内の多成分触媒系の存在下、エチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーの共重合反応生成物である、[16]に記載の多層フィルム。

Claims (1)

  1. 少なくとも1種類の不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーを準備する工程であって、前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーが、0.910〜0.930g/cmの範囲の密度、2.8〜3.8の範囲の分子量分布、0.3〜4g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、及び6.5〜7.8の範囲のI10/I比を有し、多成分触媒系の存在下でのループ反応器を用いる液相共重合法におけるエチレンと少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーとの共重合生成物であり、前記多成分触媒系がマグネシウム及びチタニウム含有プロ触媒並びに共触媒を含み、前記プロ触媒が塩化マグネシウム担持チタンのチーグラー・ナッタ触媒であってTi:Mg比が1.0:40〜3.0:40であり、前記共触媒が3,5−ジメチルピラゾールジ−n−オクチルアルミニウムであり、プロ触媒成分の共触媒成分に対するAl:Tiのモル比が2〜50である工程と;
    前記不均一に分枝したエチレン/α−オレフィンコポリマーをインフレーションフィルム押出法又はキャストフィルム押出法によって加工する工程と;
    それにより3〜10パーセントの範囲の曇り度を有す前記フィルムを形成する工程と
    を含む、ポリエチレンフィルムを製造する方法。
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