JP5772462B2 - パターン形成方法及び銅パターン膜の製造方法 - Google Patents

パターン形成方法及び銅パターン膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、銅微粒子分散体を用いたパターン形成方法、銅パターン膜の製造方法、及び銅パターン膜に関する。さらに詳しくは、被記録媒体上に、厚膜でも膜割れの発生が抑制されたパターン状の銅微粒子焼結膜からなる、表面抵抗値の低い銅パターン膜を形成することができ、かつ分散性が高く、インクジェット印刷適性が良好である上、焼成温度及び/又は焼成時間の低減が可能な銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上にパターンを形成する方法、及びこの方法で形成されたパターンを焼成処理して銅パターン膜を製造する方法、及び特定の性状を有する銅パターン膜に関するものである。
従来、基材上に導電性の配線を施した回路基板を製造するためには、金属箔を貼り合わせた基材上にフォトレジスト等を塗布し、所望の回路パターンを露光し、ケミカルエッチングによりパターンを形成する方法が用いられてきた。この方法では、導電性の配線として金属箔を用いることができるため、体積抵抗率が小さく、高性能の導電性基板を製造することができるが、該方法は工程数が多く、煩雑であるとともに、フォトレジスト材料を要する等の欠点がある。
これに対し、金属微粒子を分散させたインクでパターンを直接基材に印刷する方法が注目されている。このような基材に直接パターンを印刷する方法は、フォトレジスト等を用いる必要がなく、きわめて生産性の高い方法である。例えば、特許文献1には、粒子径が200nm未満の金属酸化物及び分散媒を含む金属酸化物分散体であって、分散媒が、多価アルコール及び/又はポリエーテル化合物を含有する金属酸化物分散体が提案されている。特許文献1によれば、該金属酸化物分散体を用いることで、比較的低温での処理で、基板上に金属薄膜を形成することを可能としている。具体的には、平均粒径30nmの酸化第二銅微粒子を、分散媒であるエチレングリコールに分散させた酸化第二銅微粒子分散体を、スライドガラス上に、長さ2cm、幅1cm、厚み20μmになるように塗布し、焼成温度200℃で銅薄膜を形成している(特許文献1、実施例2参照)。
ところで、金属微粒子の中でも、銅微粒子は、良好な電気伝導性を有し、かつ廉価であるために、プリント配線基板等の回路を形成する部材等として利用することが種々検討されている。プリント配線基板の回路等を形成する方法としては、銅微粒子を分散媒に分散させ、インキ化し、スクリーン印刷やインクジェット方式による印刷によって、基板上に回路を形成し、次いで、加熱して金属微粒子を融着させる方法がある。特に、インクジェット方式の描画は、版を使用せずにパターンを形成できるため、オンデマンドでのパターン形成、パターン修正等に応用することができることから、好適な手法である(特許文献2参照)。
このような方法により、回路等を形成する場合に、銅微粒子の分散性が重要である。すなわち、銅微粒子の一次粒子が著しく凝集した状態であると、回路等を形成した際に膜厚が不均一になったり、多孔質化や膜割れによる断線等の欠陥が生じやすい。また、インクジェット方式により基板上に回路を形成する場合には、インクジェットプリンタのヘッドの吐出ノズルに詰まりが生じたり、吐出曲がりが生じる等して、微細パターンの形成に不具合が生じる場合がある。しかし、上記した特許文献1では、インクジェット方式による印刷適性についての詳細な説明や検討はなされておらず、必ずしもインクジェット印刷適性に優れるものではなかった。
一方、特許文献3には、離型性耐熱基板上に、平均粒子径1〜100nmの導電性金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、焼成することにより形成された幅200μm以下の配線回路を有することを特徴とする転写用配線回路板が開示されており、インクジェット記録方式で印刷後の焼成温度は130〜250℃が好ましいとされている。そして、導電性金属系微粒子を含む分散液における分散剤として、アルキルアミン、カルボン酸アミド及びアミノカルボン酸塩等の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましいと記載されており、具体的にはアルキルアミンとして、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等の第1級アミン、ジドデシルアミン、ジステアリルアミン等の第2級アミン、ドデシルジメチルアミン、ジドデシルモノメチルアミン、ステアリルジメチルアミン等の第3級アミン等が例示され、カルボン酸アミドやアミノカルボン酸塩として、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイルアミノエチルグリシン等が例示されているが、ポリエーテル構造を有する分散剤については示されておらず、また、分散媒の詳細な性状についても示されていない。
また、より高い導電性を達成するには、インクジェット記録方式での印刷に適した、厚膜の形成が可能な材料が必要とされる。
国際公開2003/51562号パンフレット 特開2002−324966号公報 特開2010−135692号公報
しかしながら、従来、金属系粒子を含む分散液をインクジェット記録方式で印刷し、これを焼成するという方法で厚膜を形成しようとすると、特に銅微粒子を用いた場合においては、印刷後及び/又は焼成後の膜に膜割れが発生する場合があり、厚膜形成は極めて困難であった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、被記録媒体上に、厚膜でも膜割れの発生が抑制された銅微粒子焼結膜からなる表面抵抗値の低い銅パターン膜を形成することができ、かつ分散性が高く、インクジェット印刷適性が良好である上、焼成温度及び/又は焼成時間の低減が可能な銅微粒子分散体を用いて被記録媒体上にインクジェット記録方式でパターンを形成する方法、さらに前記性状を有する銅パターン膜を製造する方法及び銅パターン膜を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、膜割れは、印刷後の膜に発生し、その後の焼成処理によりさらに拡大することを突きとめた。そして、平均一次粒径が所定の範囲にある銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有すると共に、該銅微粒子の含有量が一定値以上であり、かつ特定の性状を有する分散媒を用いてなる銅微粒子分散体が前記目的に適合し得ること、そして被記録媒体上に、当該分散体を、インクジェット記録方式でパターン状に描画して焼成処理をすることにより、銅微粒子焼結膜からなる特定の好ましい性状を有する銅パターン膜が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で同一パターンを重ねて描画するパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mである、パターン形成方法、
(2)平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で該銅微粒子分散体の複数の液滴を重ならないように吐出して複数のドットパターンを描画した後、該ドットパターンの一部に重なるように該銅微粒子分散体の液滴を吐出して描画する工程を繰り返すパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mである、パターン形成方法、
(3)上記(1)又は(2)に記載の方法で形成したパターンを、加熱処理、光処理、薬液処理、反応性ガス処理、及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の方法で処理する、銅パターン膜の製造方法、及び
(4)上記(1)又は(2)に記載の方法で被記録媒体上に設けられたパターン状の銅微粒子膜の焼結体からなる、膜厚が2.5〜6.0μmであり、かつ表面抵抗値が0.01〜0.5Ω/□である銅パターン膜、を提供するものである。
本発明によれば、被記録媒体上に、厚膜でも膜割れの発生が抑制された銅微粒子焼結膜からなる表面抵抗値の低い銅パターン膜を形成することができ、かつ分散性が高く、インクジェット印刷適性が良好である上、焼成温度及び/又は焼成時間の低減が可能な銅微粒子分散体を用いて被記録媒体上にインクジェット記録方式でパターンを形成する方法、さらに前記性状を有する銅パターン膜を製造する方法を提供することができる。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で同一パターンを重ねて描画するパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mであることを特徴とする。
また、本発明のパターン形成方法は、平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で該銅微粒子分散体の複数の液滴を重ならないように吐出して複数のドットパターンを描画した後、該ドットパターンの一部に重なるように該銅微粒子分散体の液滴を吐出して描画する工程を繰り返すパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mであることを特徴とする。
なお、以下の記述において、インクジェット記録方式で同一パターンを重ねて描画する方法を「重ね描画法」、インクジェット記録方式で銅微粒子分散体の複数の液滴を重ならないように吐出して複数のドットパターンを描画した後、該ドットパターンの一部に重なるように該銅微粒子分散体の液滴を吐出して描画する工程を繰り返す方法を「間引き描画法」と称する場合がある。
まず、本発明に用いられる銅微粒子分散体について説明する。
(銅微粒子分散体)
本発明に用いられる銅微粒子分散体は、平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有し、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mであることを特徴とする。
<銅微粒子>
本発明に用いられる銅微粒子分散体においては、銅微粒子の平均一次粒径は、1〜200nmの範囲にあることを要する。この平均一次粒径が上記の範囲内であると、当該銅微粒子分散体を用いて製造した銅パターン膜において、銅微粒子同士の融着が十分に進行し、高い導電性を得ることができる。銅微粒子の平均一次粒径は、分散安定性を維持しやすいという観点から、30〜200nmの範囲であることが好ましく、30〜150nmの範囲であることがより好ましい。
なお、上記平均一次粒径は電子顕微鏡を用いて測定したものであり、通常、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査透過型電子顕微鏡(STEM)により測定した観察像から統計処理により算出する。
当該銅微粒子は、高い導電性を有し、かつ一次粒子同士の凝集・融合が容易に起きず、独立した微粒子の状態を維持でき、また導電性の他に、経済性、耐マイグレーション性にも優れている。なお、ここで銅微粒子とは、金属の状態のものをいうが、表面が酸化されている微粒子をも含むものである。
〔銅微粒子の調製方法〕
この銅微粒子の調製方法としては種々の方法があり、例えばメカノケミカル法等による銅粉を粉砕して得る物理的な方法;CVD法や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法と呼ばれる方法で作製できる。
本発明においては、これらの方法の中で、化学還元法により銅微粒子を製造する方法、例えば、保護コロイド、保護分子の存在下、2価の銅酸化物、銅塩、銅錯体等と還元剤とを、溶媒中で混合して反応させる方法が好ましく、中でも、錯化剤及び保護コロイドの存在下、2価の銅酸化物と還元剤とを、溶媒中で混合する方法が好ましい。
《錯化剤》
当該銅微粒子の調製方法で用いられる錯化剤とは、該錯化剤が有する配位子のドナー原子と銅イオン又は金属銅とが結合して銅錯体化合物を形成し得るものである。ドナー原子としては、窒素、酸素、及び硫黄が好適に挙げられ、これらは1種単独であってもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
より具体的には、窒素がドナー原子である錯化剤として、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン等のイミン類等の2級アミン類、トリブチルアミン等の3級アミン類、1分子中に1〜3級アミンを2種類以上有するアミン化合物、イミダゾール及びピリジン等の窒素含有複素環式化合物、アセトニトリル、ベンゾニトリル、シアン化合物等のニトリル類、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、オキシム類等が挙げられる。
また、酸素がドナー原子である錯化剤として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸等のカルボン酸類、アセトン、アセチルアセトン等のケトン類、アルデヒド類、1,2−ヘキサンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、キノン類、エーテル類、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、次亜リン酸等のリン酸系化合物、スルホン酸、スルホン酸系化合物等が挙げられる。
さらに、硫黄がドナー原子である錯化剤として、メチルメルカプタン等の脂肪族チオール類、シクロヘキシルチオール等の脂環式チオール類、芳香族チオール類、チオケトン類、チオエーテル類、ポリチオール類、チオ炭酸類、硫黄含有複素環式化合物、チオシアナート類、イソチオシアナート類、無機硫黄化合物等が挙げられる。
また、2種以上のドナー原子を有する錯化剤としては、窒素と酸素を有するものとしてアミノ酸類、エチレンジアミンジ酢酸等のアミノポリカルボン酸類、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ニトロソ化合物、ニトロシル化合物;硫黄と酸素を有するものとして、メルカプトカルボン酸類、チオグリコール類、チオン酸類、チオ炭酸類;硫黄及び窒素を有するものとして、アミノチオール類、チオアミド類、チオ尿素類、チアゾール類;硫黄、窒素及び酸素を有するものとして、含硫黄アミノ酸類等が挙げられる。
錯化剤の配合量としては、2価の銅酸化物100質量部に対して、0.001〜20質量部程度である。この範囲内であると銅微粒子の高い分散性が得られる。なお、この範囲内で錯化剤の配合量を少なくすることで、銅微粒子の一次粒子径を小さくすることができ、一方、配合量を多くすることで、銅微粒子の一次粒子径を大きくすることができる。本発明では、2価の銅酸化物100質量部に対して、錯化剤の配合量を0.05〜15質量部の範囲とすることがより好ましい。
《保護コロイド》
当該銅微粒子の調製方法で用いられる保護コロイドは、生成した銅微粒子の分散安定化剤として作用するものであり、種々のものを用いることができる。具体的には、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系;デンプン、デキストリン、寒天、アルギン酸ナトリウム等の天然高分子;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース系;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等のアクリル酸系;ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのうち、分散安定性等の点から、タンパク質系保護コロイドが特に好ましい。
保護コロイドの配合量としては、2価の銅酸化物100質量部に対して、1〜100質量部の範囲であることが好ましく、2〜50質量部の範囲がさらに好ましい。この範囲内であると、生成した銅微粒子が分散安定化しやすい。
《還元剤》
当該銅微粒子の調製方法で用いられる還元剤は、還元反応中に1価の銅酸化物が生成しないように、還元力が強いものを使用することが好ましい。具体的には、無水ヒドラジン、ヒドラジン1水和物、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等のヒドラジン系還元剤、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウム、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。特にヒドラジン系還元剤は、還元力が強く好ましい。
これらは、1種を単独で使用することができ、又は2種以上を併用することもできる。
また、還元剤の使用量は、2価の銅酸化物中に含まれる銅1モルに対して、0.2〜5.0モルの範囲であることが好ましい。0.2モル以上であると、還元が十分に進行し、銅微粒子が得られる。一方、5.0モル以下であると、所望の粒子径の銅微粒子が得られる。以上の観点から、好ましい還元剤の使用量は、2価の銅酸化物中に含まれる銅1モルに対して、0.3〜2.0モルの範囲である。
《溶媒》
当該銅微粒子の調製方法で用いられる溶媒としては、水等の水系溶媒、アルコール等の有機系溶媒を用いることができるが、水系溶媒がより好ましい。
《銅微粒子の調製》
銅微粒子を調製する際には、2価の銅酸化物等の原料、錯化剤、保護コロイド、還元剤を溶媒中で混合する。それぞれの添加順序には制限がないが、反応制御が容易である観点で、原料、保護コロイドをあらかじめ溶媒中に混合しておき、錯化剤と添加剤を添加するのが好ましい。
銅微粒子を調製する際の反応温度としては、10℃〜溶媒の沸点の範囲であることが好ましく、所定の一次平均粒径の銅微粒子を得る観点から、40〜95℃の範囲が好ましく、80〜95℃の範囲がさらに好ましい。また、pHは3〜12の範囲であることが好ましく、反応時間は、還元剤の濃度等により異なるが、通常、10分〜6時間程度である。
生成した銅微粒子は、必要に応じて分別、洗浄を行う。収率を高め、不純物を除去する観点で、洗浄時に、保護コロイドが分解する溶媒、化合物、分解酵素等で保護コロイドを溶解あるいは分解することによって凝集させ、また、必要に応じて凝集剤を添加して、濾過等の方法により粒子を回収するのが好ましい。
<分散剤>
当該銅微粒子分散体に含まれる分散剤としては、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤が用いられる。重量平均分子量が500以上であると、インクジェット吐出安定性が良好であり、重量平均分子量が50,000以下であると、低温焼成性に優れる。なお、上記分散剤は、分子量500未満の成分を含有していてもよい。
上記重量平均分子量は、インクジェット吐出安定性及び低温焼成性の観点から、500〜30,000であることが好ましく、500〜20,000であることがより好ましく、500〜15,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。
また、上記ポリエーテル構造は、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に有していればよい。上記のような分散剤は、その構造に起因して、低温での焼成やマイクロ波表面波プラズマの照射等により分解されやすく、有機物が残存しにくいため、得られる焼結膜は十分な導電性を有するものとなる。
当該分散剤は、銅微粒子の分散性に優れ、インクジェット印刷適性が良好であり、焼成温度及び/又は焼成時間の低減が可能で、厚膜でも膜割れの発生が抑制される等の効果を奏する。
上記分散剤で主鎖がポリエーテル構造のものとしては、主鎖がエーテル構造を有するユニットからなる重合体、ポリエーテルアミド等のエーテル構造と他の構造からなるユニットからなる共重合体、エーテル構造を有するユニットからなる重合体と、アクリル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル等の他のユニットからなる重合体とのブロック共重合体等の下記一般式(1)で示されるものが好ましい態様として挙げられる。
Figure 0005772462
一般式(1)中、R1は直鎖状又は分岐状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、直鎖状又は分岐状アルキル基が置換されたフェニル基、リン酸基、又はスルホン酸基であり、R2は炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。rは1〜30である。
次に、側鎖にポリエーテル構造を有する分散剤は、主鎖がポリエステル、ポリウレタン、アクリル、エポキシ、ポリアミン又はポリイミン構造であり、側鎖は分岐構造や櫛型構造であることが好ましい。なお、側鎖を構成するポリエーテル構造については、上述の主鎖を構成するポリエーテル構造と同様のものが挙げられ、例えば、エーテル構造を有するユニットからなる構造、ポリエーテルアミド等のエーテル構造と他の構造からなるユニットからなる共重合構造、エーテル構造を有するユニットからなる重合体とアクリル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル等の他のユニットからなる重合体とのブロック共重合構造等が挙げられる。
主鎖がポリアミン構造である場合には、該ポリアミン構造が、ポリアルキレンアミンであることが好ましく、例えば、下記一般式(2)に示されるようなポリアリルアミンが好適である。
Figure 0005772462
一般式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素、又は重合開始剤残基のいずれかであり、R5は水素又は下記一般式(3)で示される基である。また、sは2〜20であり、2〜8であることがより好ましい。但し、s個あるR5のうち、少なくとも1個は、一般式(3)で示される。
NHCOR6 ・・・(3)
ここで、R6は、一般式(1)に示される、R1O−(R2O)r−で表されるようなポリエーテル構造である(R1、R2、及びrは前記と同じである)。該ポリエーテル構造は、エチレンオキシドから誘導されるポリエチレングリコール、及びプロピレンオキシドから誘導されるポリプロピレングリコール、ポリエーテルアミドの少なくとも一方を構成単位(ユニット)として有することが好ましい。また、ポリエチレングリコールユニット及びポリプロピレングリコールユニットの数の合計(上記rに相当)が、平均値として、10以上であることが、銅微粒子の分散性の点から好ましく、特に10〜18の範囲が好ましい。また、全てがポリエーテル構造である必要はなく、一部は直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の1価の炭化水素基又はポリエステル骨格を有する構造であると、有機溶媒への分散性を高めるのに有効である。
次に、主鎖がポリイミン構造である場合には、該ポリイミン構造が、ポリアルケニルイミンであることが好ましく、例えば、下記一般式(4)に示されるようなポリエチレンイミンが好適である。
Figure 0005772462
ここで、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、又は重合開始剤残基のいずれかであり、R9及びR10は、それぞれ水素又は下記一般式(5)で示される基である。uは2〜20であり、2〜8であることがより好ましい。但し、u個あるR9のうち、少なくとも1個は、一般式(5)で示される。
CH2−CH2−NHR11 ・・・(5)
ここで、R11は、一般式(1)に示される、R1O−(R2O)r−で表されるようなポリエーテル構造である(R1、R2、及びrは前記と同じである)。該ポリエーテル構造は、エチレンオキシドから誘導されるポリエチレングリコール、及びプロピレンオキシドから誘導されるポリプロピレングリコールの少なくとも一方を構成単位(ユニット)として有することが好ましい。また、ポリエチレングリコールユニット及びポリプロピレングリコールユニットの数の合計(上記rに相当)が、平均値として、10以上であることが、銅微粒子の分散性の点から好ましく、特に10〜18の範囲が好ましい。また、すべてがポリエーテル構造である必要はなく、一部は、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の1価の炭化水素基又はポリエステル骨格を有する構造であると、有機溶媒への分散性を高めるのに有効である。
上記主鎖及び側鎖の少なくとも一方にポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤としては、ソルスパース41000、ソルスパース8200、ソルスパース71000(ルーブリゾール社製)、マリアリムAAB−0851(日本油脂株式会社製)、EFKA4010(エフカケミカル株式会社製)、DISPER BYK−111、DISPER BYK−145、DISPER BYK−183、DISPER BYK−2155、DISPER BYK−9076(ビックケミー社製)等が市販されている。
上記分散剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明に用いられる銅微粒子分散体における前述した分散剤の含有量は、該分散体全量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。この含有量が1質量%以上であると、銅微粒子の分散性が確保される。また、焼成等による分散剤由来の有機物の除去の容易性、経済性の観点から、当該分散剤の含有量は、1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは3〜8質量%の範囲であり、さらに好ましくは3〜6質量%の範囲である。
<分散媒>
本発明に用いられる銅微粒子分散体は、20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mである分散媒を含有する。該分散媒を用いることにより、銅微粒子含有量が50質量%以上の高濃度銅微粒子分散体であっても、インクジェット印刷適性が良好であり、インクジェットプリンタのヘッドの吐出ノズルの詰まりが生じたり、吐出曲がりが生じるのを抑制することができる。特に、インクジェット記録方式で重ね描画法や間引き描画法を用い、厚膜のパターンを形成する本発明のパターン形成方法において、膜割れが発生せず、好適に用いられる銅微粒子分散体とすることができる。
前記分散媒は、銅微粒子分散体のインクジェット印刷適性の観点から、常圧における沸点が180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、230℃以上であることがさらに好ましい。また、パターン描画後に該分散媒を除去しやすく、焼成が容易になるという観点から、該沸点は280℃以下であることが好ましい。
本発明に用いられる前記分散媒としては、例えば、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点:256℃、20℃の粘度:2.4mPa・s、25℃の表面張力:24.9mN/m)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:215℃、20℃の粘度:2.3mPa・s、25℃の表面張力:26.4mN/m)のほか、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルプロピレンジグリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル等が挙げられる。上記分散媒のうち、ジエチレングリコールジブチルエーテル及び/又はトリプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
上記分散媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の分散媒をさらに含有していてもよい。
<シリコーン系添加剤、フッ素含有添加剤>
本発明に用いられる銅微粒子分散体においては、被記録媒体上に、該銅微粒子分散体を用いて、インクジェット記録方式で描画されるパターンの膜質を向上させるために、レベリング性を向上させる機能を有するシリコーン系添加剤及び/又はフッ素含有添加剤を0.1〜1.0質量%の割合で含有することが好ましい。
前記添加剤を上記範囲で含むことにより、描画されたパターン膜の塗布ムラが抑制され、面状均一性が高くなるばかりではなく、厚膜を形成しても膜割れの発生が抑制され、表面抵抗値の低い銅パターン膜が得られる。
当該シリコーン系添加剤及びフッ素含有添加剤としては、特に制限はなく、従来公知のシリコーン系レベリング剤及びフッ素系レベリング剤の中から、共存する銅微粒子の性状や含有量、分散剤の種類や含有量及び分散媒の種類等に応じて、適宜選択して用いることができる。
〔シリコーン系添加剤〕
当該シリコーン系添加剤としては、主鎖及び側鎖の少なくとも一方にポリオルガノシロキサン構造を有する添加剤が挙げられる。本発明においては、主鎖にポリオルガノシロキサン構造を有する添加剤が好適に用いられ、該ポリオルガノシロキサン構造としては、ポリジメチルシロキサン、又はポリジメチルシロキサンの一部を有機変性した有機変性ポリシロキサンであることが好ましい。
ここで、ポリジメチルシロキサンの一部を有機変性した有機変性ポリシロキサンとは、ポリジメチルシロキサン中のジメチルシロキサンユニットにおける一部のメチル基が、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン等のポリエーテル、ポリエステル、アラルキル、炭素数2以上のアルキル等の1種又は2種以上に置換されたポリシロキサンをいう(以下、これを「変性ポリジメチルシロキサン」という)。これらのうち、レベリング性及び溶解性の観点から、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
上記変性ポリジメチルシロキサンは、(メタ)アクリル基、カルボキシ基、水酸基等の反応性官能基を有していてもよい。
当該シリコーン系添加剤としては、例えば市販品のビックケミー社製、商品名「BYK−302」、「BYK−307」、「BYK−375」等を用いることができる。
〔フッ素含有添加剤〕
一方、フッ素含有添加剤としては、フッ素を含有するオリゴマー又はポリマーを用いることができる。例えば、パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル基含有モノマーの単独重合体、又は当該モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体からなるフッ素系オリゴマー又はポリマーを挙げることができる。
当該モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、ポリエーテル構造を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
当該フッ素含有添加剤としては、例えば市販品のDIC株式会社製、商品名「メガファックF−554」、「メガファックF−552」、「メガファックF−558」や、ビックケミー社製、商品名「BYK−340」等を用いることができる。
前述したシリコーン系添加剤及びフッ素含有添加剤を比較した場合、膜割れの抑制及びレベリング性向上の観点から、フッ素含有添加剤の方が好適である。
<その他の成分>
本発明に用いられる銅微粒子分散体には、上記成分のほかに、界面活性剤、可塑剤、防カビ剤等の添加剤を適宜配合することができる。また、更に分散性を高めるため、他の低分子量の分散剤を配合してもよい。
これらのうち、界面活性剤は、銅微粒子の分散性をさらに高めたり、塗工性を向上させることができるため、好適に配合される。界面活性剤として、具体的には、4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;エーテル型、エステル型、エーテルエステル型等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
さらに、造膜性を高めること、印刷適性を付与すること、及び分散性を高めることを目的として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂等を樹脂バインダーとしてインクに添加してもよい。また、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、あるいは安定剤等を添加してもよい。
<銅微粒子分散体の性状>
本発明に用いられる銅微粒子分散体中の銅微粒子の含有量は、被記録媒体上に設けられたパターン状の銅微粒子焼結膜が4μm程度の厚膜であっても膜割れを防止し得る観点から、50質量%以上であることを要し、50〜70質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる銅微粒子分散体の固形分濃度は、インクジェット印刷適性の観点から、51〜75質量%の範囲であることが好ましく、53〜70質量%であることがより好ましく、53〜68質量%であることがさらに好ましい。
また、インクジェット印刷適性の観点から、当該銅微粒子分散体は、25℃における粘度が6.0〜20.0mPa・sであり、かつ25℃における表面張力が25〜35mN/mであることが好ましい。25℃における粘度が6.0mPa・s以上であると、ノズルから吐出された液が、液滴を形成しやすく、吐出不良を引き起こしにくい。また、粘度が20.0mPa・s以下であると、ノズルからインクが吐出されやすい。25℃における表面張力は、25mN/m以上であると、ノズルへのぬれ性が良好であり、ノズル詰まりや吐出曲がりが生じにくい。また、35mN/m以下であると、ノズルに液が十分に供給され、吐出不良を引き起こしにくい。
25℃における粘度は、より好ましくは6.0〜18.0mPa・sであり、25℃における表面張力は、より好ましくは27〜35mN/mである。
<銅微粒子分散体の調製>
当該銅微粒子分散体を調製するには、上記した分散媒中に、上記のようにして得られた銅微粒子と分散剤と、好ましくはシリコーン系添加剤及び/又はフッ素含有添加剤、及び必要に応じて用いられるその他成分とを、それぞれ所定の割合で加え、例えば、湿式ジェットミル、薄膜旋回法、液滴衝突法、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、2本ロール法、アトライター、バンバリーミキサー、ペイントシェーカー、ニーダー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル等を用いて分散処理することにより、調製することができる。シリコーン系添加剤及び/又はフッ素含有添加剤、及びその他成分は、分散処理後に混合してもよい。また、分散処理後に更に分散媒で希釈し、所望の粘度、表面張力に調整してもよい。
このようにして得られた銅微粒子分散体は、分散性が高く、低粘度であるためインクジェット印刷適性が向上すると共に、より温和な条件での焼成が可能な上、厚膜でも膜割れの発生が抑制され、基材界面まで焼結が可能となる。特にマイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマによる焼成によっても、厚膜であり、かつ基材界面まで焼結された焼結膜を得ることができる。
(被記録媒体)
本発明のパターン形成方法において用いる被記録媒体としては、被記録媒体として用いられるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、石英ガラス等のガラス、アルミナ、シリカ等の無機材料を用いることができ、さらに高分子材料、紙等を用いることもできる。また、本発明では後に詳述するように、銅微粒子が低温で焼結されて銅パターン膜が形成されるため、被記録媒体に損傷を与えることがなく、高歪点ガラス等耐熱性の高い特殊なガラスを使わなくてもよく、耐熱性の低い通常のソーダライムガラス等であっても使用することができる。さらには、プラスチック等の高分子材料や紙も使用することができ、特に樹脂フィルムを用いることができる点で非常に有用である。
ここで用いられる樹脂フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、液晶性高分子化合物等を挙げることができる。
被記録媒体の厚さについては特に制限はないが、樹脂フィルム等のプラスチック基材の場合には、通常10〜300μmの範囲である。10μm以上であると、銅パターン膜を形成する際に被記録媒体の変形が抑制され、形成される銅パターン膜の形状安定性の点で好適である。また、300μm以下であると巻き取り加工を連続して行う場合に、柔軟性の点で好適である。
一方、被記録媒体が無機材料である場合には、通常0.1〜10mm程度、好ましくは0.3〜3mmである。
被記録媒体には、描画したパターンの形状を制御するため、及び密着性を付与するために表面処理を行ってもよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ処理、UV処理、真空紫外ランプ処理、プラズマ処理等のドライ処理、アミン系シランカップリング剤、イミダゾール系シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等による薬液処理、多孔質膜形成処理、活性エネルギー線硬化型樹脂層、熱硬化型樹脂層、熱可塑性樹脂層等の樹脂層を形成する樹脂層形成処理等を行うことができる。
上記表面処理により、被記録媒体表面に撥液性を付与すると、被記録媒体に吐出された銅微粒子分散体の液滴が広がらず、高精細で、かつ、厚膜のパターンを形成することが可能である。また、被記録媒体に多孔質膜等のインク受容層を形成することで、銅微粒子分散体中の溶媒成分が浸透し、高精細なパターンを形成することが可能である。
逆に、上記表面処理により被記録媒体表面に親液性を付与すると、被記録媒体に吐出された銅微粒子分散体の液滴が重なってもパターンの膜厚が均一に保たれ、かつ、該液滴の不均一なぬれ広がり等によるパターンの欠落が発生しにくくなる。
(描画方法)
本発明のパターン形成方法は、前述した当該銅微粒子分散体を用いて、前記被記録媒体上に、インクジェット記録方式で同一パターンを重ねて描画する方法(重ね描画法)、又は、前記被記録媒体上に、インクジェット記録方式で前記銅微粒子分散体の複数の液滴を重ならないように吐出して複数のドットパターンを描画した後、該ドットパターンの一部に重なるように該銅微粒子分散体の液滴を吐出して描画する工程を繰り返す方法(間引き描画法)を用いる。
本発明に用いられる銅微粒子分散体は、厚膜としても割れが発生しにくいため、上記方法により、描画後2μm以上の膜厚のパターンを形成することが可能である。当該銅微粒子分散体は、分散性に優れ、低粘度であり、かつ塗膜のレベリング性が良好であることから、インクジェットの吐出ノズルに詰まりが生じたり、吐出曲がりが生じることがなく、かつ形成されるパターン膜は、塗布ムラが抑制されると共に、面状均一性が高く、銅微粒子分散体の性状によっては、焼結パターン膜は2μm以上の厚膜であっても割れが発生しにくい。
前記2μm以上の焼結パターン膜を得るためには、インクジェット記録方式で上記方法を用いて描画されるパターンの厚さは、2μm以上であって、所望の焼結パターン膜厚に、分散剤等の有機分が分解・除去することによる膜の収縮分を考慮した膜厚にすることが好ましい。
なお、パターン膜の厚さは、インクジェットによる塗布量や、銅微粒子分散体中の銅微粒子の含有量、描画条件等を適宜変更することにより、制御することができる。
前記重ね描画法としては、前記被記録媒体上に、前記銅微粒子分散体を用いてラインパターンを描画して、該被記録媒体から分散媒や低分子量成分が一定量揮発してから、同一パターンを重なるように描画していく工程を繰り返す方法が挙げられる。
また、前記間引き描画法については、最初に描画されたドットパターンからある程度分散媒、低分子量成分が乾燥して揮発した後に、次のドットパターンが重なるため、描画後の液滴が広がらず、高精細で、かつ、厚膜なパターンを形成することが可能である。
液滴が被記録媒体に吐出されると同時に、あるいは吐出後に加熱して、銅微粒子分散体に含まれる分散媒、低分子量成分を揮発させることによって、より高精細で、かつ、厚膜のパターンを形成することが可能である。具体的には、例えば、被記録媒体を設置するステージを面状ヒーターで加熱したり、熱風、遠赤外線によって乾燥する方法が挙げられる。該温度としては、被記録媒体の耐熱性にもよるが、例えば、40〜120℃の温度とすることが好ましい。
次に、本発明の銅パターン膜の製造方法について説明する。
[銅パターン膜の製造方法]
本発明の銅パターン膜の製造方法は、前述の方法で被記録媒体上に、インクジェット記録方式により形成されたパターンを、加熱処理、光処理、薬液処理、反応性ガス処理、及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の方法で処理(以下、該処理を「焼成処理」と称する場合がある。)することを特徴とする。
(焼成処理)
本発明の銅パターン膜の製造方法においては、前述した方法で被記録媒体上に形成されたパターンを、加熱処理、光処理、薬液処理、反応性ガス処理、及びプラズマ処理の中から選ばれる少なくとも1種の方法を用いて焼成処理を行う。
加熱処理としては、ホットプレート加熱、熱風加熱、熱板や熱ロールによるホットプレス法が挙げられる。光処理としては、レーザー処理、紫外線ランプ処理、赤外線ランプ処理、遠赤外線ランプ処理、パルス状のキセノンランプ処理等が挙げられる。薬液処理としては、銅パターンに含まれる有機物を分解、溶解する溶媒や、酸化した銅を還元する化合物、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グリセリン等に浸漬し、必要に応じ加熱する処理が挙げられる。反応性ガス処理としては、例えば、酸化した銅に対して還元性を示すメタノール、エタノール、グリセリン等のアルコール、ギ酸、シュウ酸等の酸、水素、一酸化炭素、アンモニア等に曝し、必要に応じ加熱する処理が挙げられる。プラズマ処理としては、還元性を示す水素、一酸化炭素、アンモニア、アルコール等のガスを電離してプラズマ状態とし、反応性の高い活性種を生成させる処理であり、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、高周波プラズマ、大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ等が挙げられる。これらの処理は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの処理の前に、パターン中に含まれる分散媒、有機物等を除去するため、大気下又は酸素を含む雰囲気下、50〜300℃の温度で、1分〜120分程度、加熱処理してもよい。
なお、焼成処理では、銅パターン膜中の銅微粒子すべてを焼結させる必要はなく、十分に低い表面抵抗の膜が得られるのであれば、被記録媒体近傍に銅微粒子層、銅微粒子層が酸化した層を残存させておいてもよい。
これらの焼成処理の中でも、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ(以下「マイクロ波表面波プラズマ」と称する場合がある。)により行うことが好ましい。焼成処理にマイクロ波表面波プラズマを用いることで、被記録媒体への熱ダメージを少なくすることができる。また、被記録媒体の表面が粗化することを防ぐことができるため、透明被記録媒体を用いる場合には、導電パターンが形成された部分以外の被記録媒体の透明性が確保される。
また、マイクロ波表面波プラズマによる焼成処理は、大面積の処理が可能で、短時間の焼成処理が可能であるため、生産性が極めて高い。
さらに、マイクロ波表面波プラズマを用いた焼成は、不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰囲気下で行うのが、銅微粒子焼結膜の導電性の観点から好ましい。
特に、本発明においては、マイクロ波表面波プラズマを、還元性ガスの雰囲気下で発生させることが好ましく、とりわけ水素ガス雰囲気下で発生させることが好ましい。これにより、銅微粒子表面に存在する絶縁性の酸化物が還元除去され、表面抵抗の低い銅パターン膜が形成される。
還元性雰囲気を形成する還元性気体としては、水素、一酸化炭素、アンモニア等のガス、あるいはこれらの混合ガスが挙げられるが、特に、副生成物が少ない点で水素ガスが好ましい。
なお、還元性気体には、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを混合して用いれば、プラズマが発生し易くなる等の効果がある。
マイクロ波表面波プラズマ処理の前に、銅微粒子分散体をインクジェット記録方式で描画したパターン膜に含まれる分散剤等の有機物を除去するために、大気下又は酸素を含む雰囲気下、50〜300℃程度の温度で1分〜2時間程度焼成処理することが好ましい。この焼成処理により、有機物が酸化分解除去され、マイクロ波表面波プラズマ処理において、銅微粒子の焼結が促進される。ただし、本発明では、上述のように、分散剤として特定のものを用いることによって、焼成処理をより低温にしたり、該マイクロ波表面波プラズマ処理の前の焼成処理を省略することができる。
(マイクロ波表面波プラズマの発生方法)
前記マイクロ波表面波プラズマの発生方法に特に制限はなく、例えば減圧状態の焼成処理室の照射窓からマイクロ波エネルギーを供給し、該焼成処理室内に照射窓に沿う表面波プラズマを発生させる無電極プラズマ発生手段を用いることができる。
前記プラズマ発生手段としては、例えば焼成処理室の照射窓から周波数2450MHzのマイクロ波エネルギーを供給し、該処理室内に、電子温度が約1eV以下、電子密度が約1×1011〜1×1013cm-3のマイクロ波表面波プラズマを発生させることができる。
なお、マイクロ波エネルギーは、一般に周波数が300MHz〜3000GHzの電磁波であるが、例えば、2450MHzの電磁波が用いられる。この際、マイクロ波発振装置であるマグネトロンの精度誤差等のために2450MHz/±50MHzの周波数範囲を有している。
(マイクロ波表面波プラズマの効果)
このようなマイクロ波表面波プラズマは、プラズマ密度が高く、電子温度が低い特性を有し、前記パターン膜を低温かつ短時間で焼成処理することが可能であり、緻密かつ平滑な銅微粒子焼結膜を形成することができる。マイクロ波表面波プラズマは、処理面に対して、面内で均一の密度のプラズマが照射される。その結果、他の焼成方式と比べて、面内で部分的に粒子の焼結が進行する等、不均一な膜が形成されることが少なく、また粒成長を防ぐことができるため、非常に緻密で、平滑な膜が得られる。また、面内処理室内に電極を設ける必要がないので、電極由来の不純物のコンタミネーションを防ぐことができ、また処理材料に対して異常な放電によるダメージを防ぐことができる。
さらに、マイクロ波表面波プラズマは、電子温度が低いため、被記録媒体をエッチングする能力が小さく、プラスチック製の被記録媒体に対するダメージを小さくすることができると推察される。
マイクロ波表面波プラズマは、樹脂製の被記録媒体に対する銅微粒子焼結膜の密着性を高めるのに好適である。この理由としては、マイクロ波表面波プラズマは、銅微粒子焼結膜との界面で水酸基やカルボキシル基等の極性官能基を発生させやすいためと推測される。特にポリエステル製被記録媒体に対して、還元性ガス雰囲気下で発生するプラズマを用いた場合には、ポリエステルのエステル結合に、還元性ガスを有するガスのプラズマが反応し、基材の界面側に改質が起こり、極性の高い反応基が多く発生するために、銅微粒子焼結膜と被記録媒体の界面での密着性が向上するものと推察している。
したがって、従来のように、被記録媒体表面をあらかじめプラズマ処理等により粗化して、銅パターン膜との密着性を向上させる方法に比較しても、本発明の方法は、被記録媒体と銅パターン膜との界面が平滑であり、かつ密着性が高い点で優れている。
次に、本発明の銅パターン膜について説明する。
[銅パターン膜]
本発明の銅パターン膜は、前述した方法で被記録媒体上に設けられたパターン状の銅微粒子膜の焼結体からなるものであって、膜厚が2.5〜6.0μmであり、かつ表面抵抗値が0.01〜0.5Ω/□であることを特徴とする。
本発明の銅パターン膜は、例えば以下に示す方法により、作製することができる。
まず、前述した銅微粒子分散体を用い、インクジェット記録方式にて、被記録媒体上に、パターン状の銅微粒子膜を描画する。この際の描画方法については、前述した本発明のパターン形成方法において説明したとおりである。
次に、上記パターン状の銅微粒子膜に、前述した本発明の銅パターン膜の製造方法において説明したように、各種方法の中から選ばれる少なくとも1種の方法で焼成処理を施し、パターン状の銅微粒子焼結膜からなる、本発明の銅パターン膜を作製する。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
なお、合成例で得られた粉体状銅微粒子の平均一次粒径、並びに実施例で得られた銅微粒子分散体の粘度と表面張力、及び焼成前後の膜厚と膜割れの有無、及び焼結膜の表面抵抗値を、以下に示す方法により測定した。
(1)銅微粒子の平均一次粒子径
走査型電子顕微鏡(SEM)(「S−4800(型番)」,(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、同装置に付属するSTEMによる観察像により、加速電圧30kV、エミッション電流10μAにて、銅微粒子の観察を行い、その平均一次粒径について、得られた画像から任意の粒子100個を抽出し、その粒径を計測し、算術平均(個数平均)することにより求めた。
(2)銅微粒子分散体の粘度及び表面張力
(a)粘度
銅微粒子分散体の温度25℃における粘度を、レオメーター(Anton Paar社製)を用いて、せん断速度1000(1/s)の条件で測定した。
(b)表面張力
銅微粒子分散体の温度25℃における表面張力を、動的表面張力計(SITA社製)を用いて、最大泡圧法により気泡発生周期0〜10Hzの範囲で測定した。
(3)銅微粒子分散体のインクジェット印刷適性の評価
銅微粒子分散体のインクジェット印刷適性について、インクジェットプリンタ(「DMP−2831(型番)」,FUJIFILM Dimatix社製)を用いて、吐出量:10pLのカートリッジヘッドで印刷し、該カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まり、及び被記録媒体上に形成された描画パターンを観察し、印刷適性を評価した。
(4)膜厚、膜割れの有無、及び焼結膜の表面抵抗値
(a)膜厚、膜割れの有無
非接触表面形状測定機(商品名「NEW VIEW TM7300」、ZYGO社製)を用いて、走査型白色干渉法により、焼成前後の膜厚を測定した。また、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−1000」、株式会社KEYENCE製)を用いて、膜表面の状態や膜割れの有無を観察した。
(b)焼結膜の表面抵抗値
表面抵抗計(「ロレスタGP(型番)」,(株)ダイアインスツルメンツ製,PSPタイププローブ)を用いて、銅微粒子焼結膜に4探針を接触させ、4探針法にて表面抵抗値を測定した。
合成例1 銅微粒子の合成
酸化第二銅64g、保護コロイドとしてゼラチン5.1gを650mLの純水に添加・混合し、15質量%のアンモニア水を用いて混合液のpHを10に調整した後、20分かけて室温から90℃まで昇温させた。昇温後、撹拌しながら錯化剤として1質量%のメルカプト酢酸溶液6.4gと80質量%のヒドラジン一水和物75gを150mLの純水に混合した液を添加して、1時間かけて酸化第二銅を反応させた。
反応液を濾過した後、濾液を洗浄・乾燥して、粉体状の銅微粒子を得た。得られた銅微粒子の平均一次粒径は50nmであった。
比較例1
容量140mLのマヨネーズ瓶に、分散媒としてジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点:256℃、20℃の粘度:2.4mPa・s、25℃の表面張力:24.9mN/m)を34.2g(57.0質量%)、分散剤として高分子分散剤である「ソルスパース71000」(ルーブリゾール社製)を1.8g(3.0質量%)計量して撹拌した。分散剤が溶解してから合成例で得られた銅微粒子を24.0g(40.0質量%)加えて撹拌した。直径0.3mmのジルコニアビーズ150gを加えて、瓶に蓋をして、ペイントシェーカーにて4時間処理することで銅微粒子分散体を得た。
この分散体の25℃における粘度は6.9mPa・s、25℃における表面張力は31.9mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製、OA−10GF CFグレード)上に、吐出速度:6m/s、吐出周波数:1.5kHz、ステージ温度:60℃、ドットピッチ:50μmの条件でインクジェット記録方式により6回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。その後、該パターンを230℃にて20分大気焼成を行い分散体中の銅微粒子以外の成分を除去した。次いで、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(「MSP−1500(型番)」,ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力800Wで5分間焼成し、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。該基板の表面の温度を熱電対で測定したところ、表面波プラズマによる焼成前は25℃に保持されており、焼結後(プラズマ照射終了後)は220℃に到達していた。
インクジェット記録方式で描画されたパターンの膜厚が1.0μmを超えると描画後の段階で微細な膜割れが発生し、該膜厚は約2.2μmで顕著な膜割れが発生した。また、焼結膜もその状態を維持していた。
さらに、上記方法により、膜厚2.5μmの焼結膜を作製したところ、顕著な膜割れにより表面抵抗値が0.52Ω/□と高い銅パターン膜となった。
比較例2
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を24.0g(40.0質量%)、分散剤「ソルスパース71000」(ルーブリゾール社製)を1.8g(3.0質量%)、フッ素含有添加剤「メガファックF−554」(DIC株式会社製)を0.12g(0.2質量%)、及び分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを34.08g(56.8質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は6.8mPa・s、25℃における表面張力は29.5mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により8回まで重ね描画して、膜厚の異なるパターンを形成した。次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
インクジェット記録方式で描画されたパターンの膜厚が2.0μmまでは、膜割れは認められなかったが、2.0μmを超えると描画後の段階で微細な膜割れが発生し、該膜厚は約2.5μmで顕著な膜割れが発生した。また、焼結膜もその状態を維持していた。
さらに、上記方法により、膜厚2.5μmの焼結膜を作製したところ、顕著な膜割れにより表面抵抗値が0.65Ω/□と高い銅パターン膜となった。
実施例1
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を33.0g(55.0質量%)、分散剤「DISPER BYK−9076」(ビッグケミー社製、重量平均分子量;10,000)を1.8g(3.0質量%)、フッ素含有添加剤「メガファックF−554」(DIC株式会社製)を0.12g(0.2質量%)及び分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを25.08g(41.8質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃の粘度は12.5mPa・s、25℃の表面張力は31.8mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により4回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、銅微粒子の含有量を多くすることにより、パターン膜の焼成前の膜厚が3.0μmまで、焼成後の膜厚が2.5μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚2.5μm、表面抵抗値が0.04Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例2
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を36.0g(60.0質量%)、分散剤「ソルスパース8200」(ルーブリゾール社製)を1.8g(3.0質量%)、フッ素含有添加剤「メガファックF−554」(DIC株式会社製)を1.2g(0.2質量%)及び分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを22.08g(36.8質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は17.3mPa・s、25℃における表面張力は34.1mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により6回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、銅微粒子の含有量を多くすることにより、焼成前の膜厚が4.0μmまで、焼成後の膜厚が2.8μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚2.8μm、表面抵抗値が0.02Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例3
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を30.0g(50.0質量%)、分散剤「ソルスパース71000」(ルーブリゾール社製)を2.7g(4.5質量%)、フッ素含有添加剤「メガファックF−554」(DIC株式会社製)を0.12g(0.2質量%)及び分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを27.18g(45.3質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は14.0mPa・s、25℃における表面張力は33.0mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により8回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、銅微粒子の含有量及び分散剤の含有量を多くすることにより、焼成前の膜厚が6.0μmまで、焼成後の膜厚が4.0μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚4.0μm、表面抵抗値が0.05Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例4
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を33.0g(55.0質量%)、分散剤「EFKA4010」(エフカケミカル株式会社製、重量平均分子量;3,300)を1.8g(3.0質量%)、シリコーン系添加剤「BYK−302」(ビックケミー社製)を0.12g(0.2質量%)及び分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを25.08g(41.8質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は11.9mPa・s、25℃における表面張力は32.6mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により3回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、パターン膜の焼成前の厚さが2.5μmまで、焼成後の膜厚が1.9μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚1.9μm、表面抵抗値が0.04Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例5
実施例1において、分散媒をトリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:215℃、20℃の粘度:2.3mPa・s、25℃の表面張力:26.4mN/m)に変えた以外は、実施例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は10.7mPa・s、25℃における表面張力は31.4mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により4回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、パターン膜の焼成前の厚さが2.8μmまで、焼成後の膜厚が2.3μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚2.3μm、表面抵抗値が0.05Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例6
比較例1において、銅微粒子分散体の組成を、銅微粒子を33.0g(55.0質量%)、分散剤「EFKA4010」(エフカケミカル株式会社製、重量平均分子量;3,300)を1.8g(3.0質量%)、分散媒であるジエチレングリコールジブチルエーテルを25.2g(42.0質量%)に変えた以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は13.0mPa・s、25℃における表面張力は34.6mN/mであり、また、該分散体の上記規定のインクジェット印刷適性は、カートリッジヘッドの吐出曲がりや詰まりがなく、良好であった。
次に、得られた銅微粒子分散体を、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、比較例1と同じ条件で、インクジェット記録方式により3回まで重ね描画して膜厚の異なるパターンを形成した。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、パターン膜の焼成前の厚さが2.5μmまで、焼成後の膜厚が1.8μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚1.8μm、表面抵抗値が0.08Ω/□の銅パターン膜が得られた。
実施例7
実施例1で作製した銅微粒子分散体を使用して、エタノール洗浄した無アルカリガラス基板(日本電気硝子製、OA−10GF CFグレード)上に、上記とは異なる手法により膜厚の異なるパターンを形成した。
具体的には、最初に吐出速度:6m/s、吐出周波数:1.5kHz、ステージ温度:60℃、ドットピッチを100μmの条件で個々のドットが80μmのドットパターンを描画した後に、描画開始位置を50μmずらして、再度描画する工程を繰り返した(間引き描画法)。これにより、各ドットが十分に乾燥してから、次のドットが隣接するので、膜割れをより抑制することが可能となった。
次いで、比較例1と同様にして、該パターンを大気焼成したのち、マイクロ波表面波プラズマ処理を行い、該基板表面に焼結膜からなるパターン膜を形成した。
その結果、パターン膜の焼成前の厚さが2.8μmまで、焼成後の膜厚が2.1μmまでは、膜割れは認められなかった。
また、上記方法により、膜厚2.1μm、表面抵抗値が0.06Ω/□の銅パターン膜が得られた。
比較例3
実施例2において、分散媒をジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート、沸点:247℃、20℃の粘度:3.6mPa・s、25℃の表面張力:29.7mN/m)に変えた以外は、実施例2と同様にして銅微粒子分散体を調製した。
この分散体の25℃における粘度は21.0mPa・s、25℃における表面張力は42.5mN/mであった。また、該分散体は、カートリッジヘッドから吐出することができず、インクジェット印刷適性が不十分であった。
実施例、比較例で用いた銅微粒子分散体の配合及び性状、及び評価結果を第1表に示す。
Figure 0005772462
本発明のパターン形成方法によれば、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で、厚膜でも膜割れの発生が抑制されたパターン状の銅微粒子焼結膜からなる銅パターン膜を形成することができる。

Claims (9)

  1. 平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で同一パターンを重ねて描画するパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mである、パターン形成方法。
  2. 平均一次粒径が1〜200nmの銅微粒子、ポリエーテル構造を有し、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にある分散剤、及び分散媒を含有する銅微粒子分散体を用いて、被記録媒体上に、インクジェット記録方式で該銅微粒子分散体の複数の液滴を重ならないように吐出して複数のドットパターンを描画した後、該ドットパターンの一部に重なるように該銅微粒子分散体の液滴を吐出して描画する工程を繰り返すパターン形成方法であって、該銅微粒子分散体中の該銅微粒子の含有量が50質量%以上であり、該分散媒の20℃における粘度が1.0〜3.0mPa・sでかつ25℃における表面張力が20〜28mN/mである、パターン形成方法。
  3. 膜厚2μm以上のパターンを形成する、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記分散媒の常圧における沸点が180℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記分散媒がジエチレングリコールジブチルエーテル及び/又はトリプロピレングリコールジメチルエーテルである、請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 前記分散剤の含有量が1質量%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 前記銅微粒子分散体がさらにシリコーン系添加剤及び/又はフッ素含有添加剤を0.1〜1.0質量%含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 前記銅微粒子分散体の25℃における粘度が6.0〜20.0mPa・sであり、かつ25℃における表面張力が25〜35mN/mである、請求項1〜7のいずれかに記載のパターン形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法で形成したパターンを、加熱処理、光処理、薬液処理、反応性ガス処理、及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の方法で処理する、銅パターン膜の製造方法。
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