JP2012188558A - 導電性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコーン樹脂表面上で均一な膜を形成でき、かつ被写印刷基材への転写性が良好である導電性インキ組成物を提供する。
【解決手段】シリコーン樹脂表面に画像形成されたインキ塗膜を被写印刷基材に転写する印刷法において用いられる導電性インキ組成物であって、該導電性インキ組成物が水を主体に含有し、かつ金属超微粒子、ポリマーラテックスおよびポリオキシアルキレンアルキルアミンを含有することを特徴とする導電性インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子機器に用いられるプリント配線等の微細パターンを、シリコーン樹脂表面に画像形成されたインキ塗膜を被写印刷基材上に転写する印刷法によって形成する際に用いられる導電性インキ組成物に関する。
近年、フラットパネルディスプレイや太陽電池、Radio Frequency Identification(RF−ID)等の電子機器が注目されている。電子機器の配線、薄膜トランジスタ(TFT)電極またはカラーフィルターなどの微細パターンは従来フォトリソ法により形成されていた。しかし近年、金属超微粒子を用いた導電性インキまたはペーストを印刷する印刷法により微細パターンを形成する技術が検討されている。
微細パターンの印刷法として、例えばシリコーン樹脂表面を用いる印刷法(オフセット印刷)が知られており、印刷版上に形成された画像をシリコーンブランケットに一旦転写し、その後、被写印刷基材に再度転写する水なし平版オフセット印刷法、インキをシリコーンブランケットの表面全体に塗布した後、印刷版に押圧、接触させシリコーンブランケット表面上に画像を形成し被写印刷基材に転写する反転オフセット印刷法、シリコーン樹脂からなる印刷版の全面にインキを塗布し、シリコーンブランケットを接触させることにより、シリコーンブランケット表面上に画像を形成し被写印刷基材に転写する剥離オフセット印刷法、また、凹版を用いてシリコーンゴムのパッドにインキを写し取りパッド表面に画像を形成し被写印刷基材に転写するパッド印刷法、あるいはシリコーンゴムによって形成された刷版を用いたマイクロコンタクトプリント法(非特許文献1、ラングミュア(Langmuir)(米国)、1994年、第10巻、第5号、1498−1511頁)等がある。
このような転写印刷法に用いられるインキ組成物としてはシリコーン樹脂表面においてハジキやムラが発生しない均一なインキ塗膜を形成するインキ組成物であることが好ましく、また完全に被写印刷基材に転写できるような粘着性と凝集力をもったインキ組成物であることが好ましい。
シリコーン樹脂表面に均一な塗膜を形成するためのインキ組成物としては、例えば特開2005−126608号公報(特許文献1)において、特定の粘度と表面エネルギーを有するインキ組成物が開示されている。また、特開2007−254635号公報(特許文献2)では、界面活性剤で処理された金属粉末、樹脂および揮発性溶剤を含有する導電性インキ組成物が記載されている。しかしながら、いずれもインキ組成物は溶剤系であることから、シリコーン樹脂ブランケットに吸収されてシリコーン樹脂表面を劣化しやすくするという問題があった。よってこのような用途においては水系のインキ組成物は有効であるがシリコーン樹脂表面は撥水性が高く、水系のインキ組成物ではハジキが生じやすいという問題があった。
一方、一次粒子径が1μm以下の金属超微粒子、特に100nm以下の銀超微粒子は、極めて高い表面エネルギーによる融点低下や、局在化表面プラズモンによる電場増強効果等の特徴を有することから、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の様々な分野での応用が期待されている。このような金属超微粒子の製造方法は、乾式法と湿式法に大別され、得られた金属超微粒子は水および/または有機溶媒に分散された金属超微粒子分散液の形で使用される。
例えば、特開平3−34211号公報には、乾式法であるガス中蒸発法により製造された銀を含む各種金属超微粒子を高沸点溶媒中に分散した金属超微粒子分散液の製造方法が開示されており、また特開2004−273205号公報には、ガス中蒸発法により合成された銀超微粒子を原料に用い、表面をアミン化合物によって被覆した銀超微粒子を高沸点溶媒中に分散した銀超微粒子分散液の製造方法が開示されている。
湿式法による銀超微粒子の製造方法としてはCarey Leaが1889年に発表した方法(非特許文献2、Am.J.Sci.,vol.37,pp.491,1889)が古くから知られており、また特公平1−28084号公報(特許文献3)、特開平10−66861号公報(特許文献4)、特開2003−103158号公報(特許文献5)、特開2006−328472号公報(特許文献6)、特開2008−4375号公報(特許文献7)等には、水を主体に含有する水性媒体中に、保護コロイドあるいは分散剤として作用する水溶性高分子化合物と金属イオンを含有させ、還元剤により該金属イオンを還元し金属超微粒子を製造する方法等が開示されている。
金属微粒子とポリマーラテックスを導電性材料に用いることは従来から知られており、例えば特公平7−26044号公報(特許文献8)には、ニッケルフレーク粉末とポリウレタンラテックスを含有するペイント染料の密着性改善に利用できることが記載されている。また、ポリオキシエチレンアルキルアミンにおいては、金属超微粒子の分散剤として用いることが、例えば、特許第3953237号公報(特許文献9)、特開2008−266661号公報(特許文献10)に記載されており、多くは溶剤系の組成物での金属微粒子分散剤として知られている。
特開2005−126608号公報 特開2007−254635号公報 特公平1−28084号公報 特開平10−66861号公報 特開2003−103158号公報 特開2006−328472号公報 特開2008−4375号公報 特公平7−26044号公報 特許第3953237号公報 特許2008−266661号公報
ラングミュア(Langmuir)(米国)、1994年、第10巻、第5号、1498−1511頁 Am.J.Sci.,vol.37,pp.491,1889
本発明の目的はシリコーン樹脂表面が劣化しにくく、シリコーン樹脂表面上で均一な膜を形成でき、かつ被写印刷基材への転写性が良好である、導電性インキ組成物を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.シリコーン樹脂表面に画像形成されたインキ塗膜を被写印刷基材に転写する印刷法において用いられる導電性インキ組成物であって、該導電性インキ組成物が水を主体に含有し、かつ金属超微粒子、ポリマーラテックスおよびポリオキシアルキレンアルキルアミンを含有することを特徴とする導電性インキ組成物。
本発明によりシリコーン樹脂表面が劣化しにくく、シリコーン樹脂表面上で均一な膜を形成でき、かつ被写印刷基材への転写性が良好である導電性インキ組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における、導電性インキ組成物とは、水および必要に応じて用いられる有機溶媒中に金属超微粒子が分散されているインキであり、かかる金属超微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル等を例示することができる。金属超微粒子は高い導電性、価格、生産性、扱いやすさ等の点から主に銀からなることが好ましい。主に銀からなるとは、導電性インキ組成物に含まれる全金属超微粒子に銀が占める割合が少なくとも50質量%以上であることを意味し、好ましくは銀の占める割合が70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。銀以外に含まれる金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマスを挙げることができる。銀以外の金属は銀超微粒子中に含まれていても良く、銀超微粒子と銀以外の金属の超微粒子が導電性インキ組成物中に混在していても良い。
本発明における、水を主体に含有する導電性インキ組成物とは該導電性インキが含有する固形分を除く溶媒成分として、少なくとも水が50質量%以上であることを示し、好ましくは65質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上であることを意味する。水以外に含まれる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、アセトン等の水と混和性の高い有機溶媒を例示することができる。
金属超微粒子の平均粒径としては、0.1μm以下であることが好ましいが、低温焼成可能という観点から0.05μm以下がより好ましい。なお、金属超微粒子の平均粒径は、電子顕微鏡下での観察により求めることができる。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、金属超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求める。
金属超微粒子としては、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮し回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で金属イオンを還元し生成・回収する化学的還元法、有機金属化合物の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法等、公知の種々の方法により製造されたものを好ましく用いることができる。本発明においては、金属超微粒子分散液の作製が容易になる点より化学的還元法で作製された金属超微粒子がより好ましい。
本発明における、ポリマーラテックスについて説明する。本発明に用いるポリマーラテックスとしては、単独重合体や共重合体等各種公知のラテックスの水分散物であるエマルジョンを用いることが好ましい。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等の重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、ポリエステル、各種ポリウレタン等がある。この中でもポリエステルラテックス、アクリルラテックスおよびポリウレタンラテックスを用いることが好ましく、更に導電性の観点からポリウレタンラテックスが好ましい。ポリマーラテックスの平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜5μmである。なお、得られる導電性の観点よりポリマーラテックスの平均粒径は金属超微粒子よりも大きい方が好ましい。
ポリマーラテックスの含有量としては、導電性インキに含有する金属超微粒子の含有銀量の質量比1に対して0.4以下が好ましく、銀:ポリマーラテックスの質量比は1:0.01〜1:0.4であることが好ましく、更に1:0.03〜1:0.3であることがより好ましい。1:0.4を超える場合、ポリマーラテックスの膜中に銀超微粒子がうまってしまい導電性の悪化や、シリコーン樹脂表面への粘着性が強すぎて剥離ができなくなってしまう場合がある。また、1:0.01未満であれば被写印刷基材への良好な転写性が得られない場合がある。
本発明における、ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては例えば、日油株式会社製ナイミーンシリーズを用いることができる。中でもポリオキシエチレンラウリルアミンが好ましく、同シリーズのL−202、L−207、L−703として市販されている。また、花王株式会社製ではアミートシリーズ102、105等や共栄油脂化学工業製ではノニオライトシリーズNL−10、NL−30等が好ましい。本発明のインキ組成物は水を主体に含有するため用いられるポリオキシアルキレンアルキルアミンのHLB値は6以上のものが好ましく、更に好ましくは10以上のものが良い。ポリオキシアルキレンアルキルアミンの含有量としては、導電性インキ組成物中に0.01〜5質量%であることが好ましく、更に0.1〜2質量%であることが好ましい。
本発明における、導電性インキ組成物には上記以外の含有物と併用して、公知の各種界面活性剤(例えばアルキル硫酸ナトリウム類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム類、フッ素系界面活性剤等)を用いて表面張力を調整することができ、乾燥を抑制するために高沸点溶媒(例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等)を添加することもできる。また、ポリアクリル酸等の増粘剤を微量に用いて粘度を調整することもできる。
本発明における、導電性を有する印刷物を製造する方法としては本発明の導電性インキ組成物を用いることで例えば、印刷版上に形成された画像をシリコーンブランケットに一旦転写し、その後、被写印刷基材に再度転写する水なし平版オフセット印刷法、本発明の導電性インキ組成物をシリコーンブランケットの表面全体に塗布した後、印刷版に押圧、接触させシリコーンブランケット表面上に画像を形成し被写印刷基材に転写する反転オフセット印刷法、シリコーン樹脂からなる印刷版の全面に本発明の導電性インキ組成物を塗布し、シリコーンブランケットを接触させることにより、シリコーンブランケット表面上に画像を形成し被写印刷基材に転写する剥離オフセット印刷法、また、凹版を用いてシリコーンゴムのパッドに本発明の導電性インキ組成物を写し取りパッド表面に画像を形成し被写印刷基材に転写するパッド印刷法、あるいはシリコーンゴムによって形成された刷版を用いたマイクロコンタクトプリント法等によって、精密なパターンを有する印刷物を容易に形成することができる。
導電性インキ組成物を上記印刷法によってシリコーン樹脂上に塗布してインキ塗膜を形成する場合の塗布方法としては公知の塗布方法を用いることができる。具体的にはエアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレーコート等を用いることができる。
本発明における、被写印刷基材としては、特に限定されることはなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート・ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂類、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイア等の各種ガラス、Au、Ag、Pb、Al、Cr、Pt、Cu、Mo等の金属およびそれらにドーパントを加えた被写印刷基材、ITO(酸化インジウム錫)、FTO、ZnO、Al、MgO、BeO、ZrO、Y、ThO、CaO等の金属酸化物、AlN、GaN、SiN等の金属窒化物、SiC、TaC等の金属炭化物、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)、単結晶シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等の無機半導体材料を用いた被写印刷基材、ペンタセンおよびその誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、テトラベンゾポルフィリンおよびその誘導体等の有機半導体材料を用いた被写印刷基材、ポリイミドやポリパラキシレンにより形成されたゲート絶縁膜、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子、LTCCや積層セラミックコンデンサを形成するために用いられるグリーンシート類、紙等が被写印刷基材として挙げることができる。
被写印刷基材として用いられる紙としては特に制限はなく、一般的な紙を任意に用いることができる。例えば、アート紙、コート紙、板紙、上質紙等の印刷用紙、PPC用紙等の情報用紙、インクジェット用紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、和紙、不織布、合成紙等を挙げることができる。
また、本発明における導電性インキ組成物によって画像を転写しパターニングされた被写印刷基材の導電性発現方法としては、200℃以下の焼結処理等の代表される導電性発現処理を施すことによって得られるが、焼結処理を施すと耐熱性の観点から基材が限定される。従って導電性発現処理としては、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報、特開2009−21153号公報、あるいは特開2009−104807号公報に記載される基材にパターニングする、あるいはこれら公報に記載されるような浸漬処理によって、導電性発現処理を施すことが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<金属超微粒子分散液の作製>
2Lのステンレスビーカーに焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)を54.4gと純水860gを加え、約30分間撹拌し溶解した。その後、硝酸銀131.8gを加え、約30分間撹拌し溶解した。この液を氷浴中にて約5℃まで冷却し、水酸化カリウム60.9gを純水83.9gに溶解した10℃の液を添加し、氷浴中で撹拌することで還元反応を行った。得られた溶液に酢酸を添加し、pH調整後、ビオザイムF10SD(天野エンザイム(株)製)を添加し高温で撹拌した。次に、得られた銀超微粒子分散液を遠心分離法により精製した後、銀の固形分濃度が45質量%になるように純水を加えて再分散し、銀超微粒子分散液を156g得た。含まれる銀超微粒子の平均粒径は20nm、収率は84%であった。
<導電性インキ組成物1の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液を150g取り、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を0.34g、ポリマーラテックスとして第一工業製薬(株)製スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体、平均粒径0.11μm、固形分38質量%)を17gおよびエチレングリコールを11g添加し、純水で銀の固形分濃度が30質量%になるように調整し、導電性インキ組成物1を作製した。
<導電性インキ組成物2の作製>
ポリオキシエチレンラウリルアミンとして日油株式会社製ナイミーンL−207(HLB=12.5)を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物2を得た。
<導電性インキ組成物3の作製>
ポリオキシプロピレンラウリルアミンとして日油株式会社製ナイミーンL−703(HLB=11.5)を1.1g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物3を得た。
<導電性インキ組成物4の作製>
ポリオキシエチレンラウリルアミンとして花王株式会社製アミート105(HLB=9.8)を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物4を得た。
<導電性インキ組成物5の作製>
ポリオキシエチレンラウリルエーテルとして日油株式会社製ノニオンK−220を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物5を得た。
<導電性インキ組成物6の作製>
ポリオキシエチレンモノラウレートとして日油株式会社製ノニオンL−4を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物6を得た。
<導電性インキ組成物7の作製>
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートとして花王株式会社製レオドールTW−L06を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物7を得た。
<導電性インキ組成物8の作製>
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして花王株式会社製エマルゲンLS106を2.2g追加添加した以外は導電性インキ組成物1と同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インキ組成物8を得た。
<導電性インキ組成物9の作製>
導電性インキ組成物2の作製で用いたスーパーフレックス150HS、17gに代えてポリマーラテックスとして住友化学(株)製スミエリート−1010(エチレン−塩化ビニルエマルジョン、平均粒子径0.10μm、固形分50質量%)を13gに変更した以外は導電性インキ組成物2と同様にして、銀の固形分濃度30質量%の導電性インキ組成物9を得た。
<導電性インキ組成物10の作製>
導電性インキ組成物3の作製で用いたスーパーフレックス150HS、17gに代えてポリマーラテックスとして住友化学(株)製スミエリート−1010(エチレン−塩化ビニルエマルジョン、平均粒子径0.10μm、固形分50質量%)を13gに変更した以外は導電性インキ組成物3と同様にして、銀の固形分濃度30質量%の導電性インキ組成物10を得た。
<シリコーン樹脂表面上の塗布膜均一性評価>
上記、導電性インキ組成物1〜10を用いて、厚さ0.5mmのシリコーンゴムを最上層とし、その下に複数の支持層を有する(株)金陽社製のシリコーンブランケット10cm×10cm表面上にそれぞれドクトルバーで銀量が0.75g/mになるようにベタ塗布し、1〜2分間自然乾燥させた。
シリコーン樹脂上の塗布膜の均一性として、ハジキが発生せず均一に塗布膜が形成されているものを○、ハジキの発生が10個未満のものを△、10個以上発生したものを×として評価した。この結果を表1に示す。
<シリコーン樹脂表面から被写印刷基材への転写性評価>
導電性インキ組成物1〜10をそれぞれ、シリコーン樹脂上に塗布して1〜2分間自然乾燥した塗膜上に、被写印刷基材Aとしてコロナ処理を施した厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製)を張り合わせて剥がし、導電性インキ組成物を転写させた。また、被写印刷基材Bとして特開2008−4375号公報に記載の実施例、基材30の作製方法を基本として以下のように被写印刷基材Bを作製し、上記と同様にして塗膜上の導電性インキ組成物を転写させた。
転写性評価として張り合わせた面積を100%としてシリコーン樹脂表面上に残った塗膜の面積率が5%未満である状態を○、5%以上10%未満の状態を△、10%以上残存しているものを×として評価した。この結果を表1に示す。
<被写印刷基材Bの作製>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液を得た。無機微粒子分散液中に分散しているアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。この無機微粒子分散液を用い、下記組成の多孔質層形成塗液を作製した。
<多孔質層形成塗液>
無機微粒子分散液 (アルミナ水和物固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 12g
(ケン化度88%、平均重合度3,500、分子量約150,000)
ホウ酸 0.5g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が16質量%になるように水で調整した。
支持体として、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用い、支持体上に上記多孔質層形成塗液をアルミナ水和物の固形分として30g/mとなるようにスライドビード方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、多孔質層を形成した。支持体上に形成された多孔質層の厚みは約40μmである。
上記多孔質層上に、下記組成の導電性発現剤塗液を、斜線グラビアロールを用いた塗布方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、被写印刷基材Bを得た。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。導電性発現剤塗液の湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/mに設定した。水銀ポロシメーターを用いて測定された空隙容量は23.0ml/mであった。
<導電性発現剤塗液>
塩化ナトリウム 1.0g
水 99.0g
<導電性の評価>
上記、被写印刷基材Aについては、導電性インキ転写後にそれぞれ、20質量%の塩化ナトリウム溶液中に25℃で30秒間浸漬し、水洗、乾燥して導電性を発現させた。また、被写印刷基材Bについては基材中の導電性発現剤によって、導電性インキ転写後直ちに導電性が発現した。(株)ダイアインスツルメンツ製ロレスターGPを用いて抵抗値を測定した結果を表1に示す。
Figure 2012188558
以上の結果から、本発明の導電性インキ組成物を用いることにより、シリコーン樹脂表面上で均一な膜を形成でき、かつ被写印刷基材への転写性が良好な導電性インキ組成物が得られることが判る。

Claims (1)

  1. シリコーン樹脂表面に画像形成されたインキ塗膜を被写印刷基材に転写する印刷法において用いられる導電性インキ組成物であって、該導電性インキ組成物が水を主体に含有し、かつ金属超微粒子、ポリマーラテックスおよびポリオキシアルキレンアルキルアミンを含有することを特徴とする導電性インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012214641A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 金属微粒子分散体、導電性基板及びその製造方法
JP2013078846A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成方法、銅パターン膜の製造方法及び銅パターン膜

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