本発明は、遊技機、例えばパチンコ機を構成する遊技機主部をその外枠などに容易に取り付けることができる遊技機に関する。
遊技機、例えばパチンコ機は、遊技場に取り付ける際に釘が打ち込まれるために一部が木製で構成された外枠を備えている。パチンコ機の入れ替え時には、遊技場のパチンコ島内を構成する個々の取付枠に外枠を嵌め込む。そして、取付枠に対して外枠の上部の内面から上方に向けて釘を数本上部枠板に打ち込み、同様に外枠の下部の内面から下方に向けて釘を数本下部枠板に打ち込んで、外枠をパチンコ島の取付枠に固定する。その後に、外枠に対して、遊技機の本体部分となる遊技機主部を取り付けると、遊技機主部が外枠に対して前方に開閉可能な状態で取り付けられる。
しかし、このような遊技機において入れ替えや点検に際して、外枠から遊技機主部を取り外した状態とすることがあるものの、遊技機主部単体では自立させることが困難であるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部が外枠から取り外された状態で起立し易く構成された遊技機を提供することにある。
本発明は、所定の遊技部品を含む遊技部材が支持部材に対して着脱可能に構成されるとともに、前記遊技部品が前記支持部材に対して開閉可能に構成された遊技機であって、前記遊技部材の少なくとも一端部には、前記支持部材に取り付けられる取付部を有し、前記支持部材に対する前記遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられるとともに、前記遊技部品に対して閉鎖状態より開放状態とした場合に前記遊技部品の後方に突出した状態とされる取付部品が設けられ、前記遊技部材は、前記遊技部品に対して前記取付部品を閉鎖状態から開放状態とすることによって起立し易く構成されている、ことを特徴とする。
例えば、前記支持部材に対して遊技部品を施錠し、所定の開錠操作によって開放可能な状態とする施錠手段と、前記遊技部品に対して前記取付部品を開放方向に付勢する付勢手段と、該付勢手段によって開放方向に付勢されると共に前記閉鎖状態とされた前記取付部品を前記閉鎖状態に維持し、前記所定の開錠操作が行なわれた場合に前記閉鎖状態を解除可能な閉鎖手段とを備え、前記付勢手段は、前記所定の開錠操作によって前記取付部品に対して前記遊技部品を開放する付勢力を生じさせる構成である。
上記構成の発明では、遊技部材が支持部材から取り外された状態で起立し易くなる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
パチンコ機の構成を示す背面図である.
遊技機ベースユニットの構成を示す正面図である。
遊技盤の構成を示す正面図である。
遊技機ベースユニットの構成を示す背面図である。
遊技機前面ユニットの構成を示す背面図である。
裏パックユニットの構成を示す正面図である。
裏パックユニットの構成を示す分解斜視図である。
実施例1の展開自在になるヒンジ部材を備えた遊技機主部を示す斜視図である。
実施例1の係合金具が設けられた外枠を示す斜視図である。
外枠の係合金具に設けられた嵌合ピンを示す縦断面図であり、(a)はヒンジ部材を嵌合ピンに嵌合させる前の状態、(b)は嵌合させる途中の状態、(c)は嵌合させた状態である。
実施例1の展開自在になるヒンジ部材を備えた遊技機主部を、外枠に嵌合させた状態を示す斜視図である。
実施例1のヒンジ部材に設けられた回動弾性部材を示す拡大斜視図である。
実施例1の施錠装置がヒンジ部材の展開を阻止している状態を示す拡大斜視図である。
上側支持金具(ヒンジ板)と係合金具を備えた外枠に、上側支持金具(ヒンジ受け金具)とヒンジ部材を備えた遊技機主部を、掛け止める状態を示す分解斜視図である。
着脱容易なヒンジ受け具に掛け止める外枠側のヒンジ板を示す拡大斜視図である。
着脱容易なヒンジ受け金具の上方からの状態を示す拡大斜視図である。
軸部材にヒンジ受け金具を掛け止める状態を示す拡大平面図であり、(a)は軸部材にヒンジ受け金具を掛け止める状態、(b)は掛け止める途中の状態、(c)は掛け止めた状態である。
遊技機主部を外枠に取り付ける状態を示す斜視図である。
遊技機主部を外枠に取り付ける状態を示す斜視断面図であり、(a)はヒンジ部材を係合金具に取り付ける前の状態、(b)は取り付ける途中の状態、(c)は取り付けた状態である。
遊技機主部を外枠に取り付ける状態を示す縦断面図であり、(a)はヒンジ部材を嵌合ピンに取り付ける前の状態、(b)は嵌合させる途中の状態、(c)は取り付けた状態である。
実施例2の略L字形状の取付部材を構成するL字状枠部材と外枠を示す分解斜視図である。
上側ヒンジ部材と上側ヒンジ受け部を示す斜視図であり、(a)は外枠の上側ヒンジ受け部に上側ヒンジ部材が嵌合する前の状態、(b)は上側ヒンジ受け部に上側ヒンジ部材が嵌合している状態、(c)は上側ヒンジ受け部に上側ヒンジ部材が嵌合した状態である。
上側ヒンジ受け部に上側ヒンジ部材が嵌合する途中の状態を示し、(a)は一部切断した斜視図、(b)は側断面図である。
上側ヒンジ受け部に上側ヒンジ部材が嵌合した状態を示し、(a)は一部切断した斜視図、(b)は側断面図である。
実施例2のL字状枠部材を備えた遊技機主部を、外枠に装着させる状態を示す斜視図である。
実施例2のL字状枠部材を備えた遊技機主部を、外枠に装着させた状態を示す斜視図である。
実施例3の略四角形状の取付部材を構成する四角状枠部材と外枠を示す分解斜視図である。
実施例3の四角状枠部材を、外枠に装着させる状態を示す斜視図である。
実施例3の四角状枠部材を備えた遊技機主部を、外枠に装着させた状態を示す斜視図である。
実施例4の遊技機の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材と外枠を示す分解斜視図である。
実施例4の遊技機の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材と外枠を示す斜視図である。
傾斜調節片の嵌合ボスが、傾斜調節孔に嵌合する状態を示す拡大平断面図であり、(a)は嵌合する前の状態、(b)は傾斜調節片が撓っている状態、(c)は傾斜調節片の嵌合ボスが、傾斜調節孔に嵌合した状態である。
傾斜調節片の嵌合ボスの位置と遊技機の傾斜状態の関係を示す概略説明図であり、(a)は傾斜調節孔の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態、(f)は遊技機の傾きを示した側面図である。
傾斜調節片の嵌合ボスの位置と遊技機の傾斜状態の関係を示す側面図であり、(a)は傾斜調節孔の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は中間位置の上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態である。
傾斜調節片の嵌合ボスの位置と遊技機の傾斜状態の関係を示す斜視図であり、(a)は傾斜調節孔の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は中間位置の上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態である。
実施例4の傾斜調節構造の変形例であり、遊技機の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材と外枠を示す斜視図である。
実施例5の展開自在になるヒンジ部材を遊技機ベースユニットの上下に備えた状態を示す遊技機ベースユニットと外枠の斜視図である。
実施例5のヒンジ部材を遊技機ベースユニットの上下に備えた状態を示す遊技機ベースユニットと外枠の分解斜視図である。
実施例5の外枠に設けられる係合金具を示す拡大分解斜視図であり、(a)は係合ボスの軸支側から見た状態、(b)は係合ボスの可動側から見た状態である。
実施例5の係合金具のストッパを示す拡大断面図であり、(a)は係合金具の係合ボスが下固定ヒンジ部材の係合孔に係合している状態と、(b)は係合金具のストッパで係合ボスを押し下げている状態である。
実施例5の下固定ヒンジ部材を外枠に取り付ける動作状態を示す拡大斜視図であり、(a)は係合金具の係合ボスをストッパで押し下げた状態で下固定ヒンジ部材を外枠上でスライドし始めた状態、(b)は更に下固定ヒンジ部材を外枠上でスライドさせている状態、(c)は下固定ヒンジ部材の係合孔が係合ボスの位置に到達した状態、(d)はストッパを解除した係合ボスが下固定ヒンジ部材の係合孔に突出した状態である。
実施例5の釘打ち用板材と係合金具を外枠の天板に取り付ける状態を示す部分斜視図であり、(a)は釘打ち用板材を外枠の天板に取り付ける前の状態、(b)は釘打ち用板材を外枠の天板に差し込んでいる状態、(c)は釘打ち用板材に次いで係合金具を取り付ける状態、(d)は釘打ち用板材と係合金具を取り付けた状態である。
施錠装置が組み込まれた遊技機ベースユニットを示す斜視図である。
施錠装置の施錠状態を示す部分斜視図であり、(a)は上固定ヒンジ部材周囲の状態、(b)は下固定ヒンジ部材周囲の状態である。
施錠装置の解錠状態を示す部分斜視図であり、(a)は上固定ヒンジ部材周囲の状態、(b)は下固定ヒンジ部材周囲の状態である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のパチンコ機10の遊技機主部21と外枠11とが嵌合した状態を示す斜視図である。図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。特に、本発明では、後述するように、この外枠11と遊技機主部21とが着脱自在に分離する構造になっている。
<遊技機10の全体構成>
外枠11は、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
上記のように左右の板材12,13を金属製とするとともに上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、図2及び図3に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。本発明は、これら支持金具17,18に遊技機主部21を着脱自在に取り付ける構造になる。
遊技機主部21は、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機前面ユニット23には、手前側へ膨出した第1膨出部95が窓パネル部91の下方に設けられており、その第1膨出部95内側には、上方に開口した上皿95aが設けられている。上皿95aは、第1払出口231より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)へ導くための球受皿である。
第1膨出部95には、上皿95aの下流側に上皿球抜きスイッチ232が設けられるとともに、上皿95aの前方に貸球操作部233が配設されている。上皿球抜きスイッチ232は、上皿95aに貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
貸球操作部233には、球貸しボタン234と、返却ボタン235とが設けられている。球貸しボタン234は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン235は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
また、第1膨出部95の前面側中央部には、球貸しボタン234と返却ボタン235との間に、遊技者により操作可能なプッシュ式の演出スイッチ236が設けられている。演出スイッチ236には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出スイッチ236を操作された場合、後述する図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。
遊技機前面ユニット23の下部位置には、手前側へ膨出した第2膨出部96が設けられており、その第2膨出部96内側には、上方に開口した下皿96aが設けられている。下皿96aは、第2払出口237より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿96aには、例えば下皿球抜きスイッチ233を操作された場合、上皿95aに貯留された遊技球が第2払出口237より排出されるようになっている。
第2膨出部96前面側には、下皿96aに貯留された遊技球を下方に排出するための上球抜きスイッチ238が設けられている。また、第2膨出部96の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル84が設けられている。遊技球発射ハンドル84は、板材12の背面側に設けられた遊技球発射機構80(図5参照)に連結されており、上皿95aに貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル84を回転させることにより、遊技盤61に形成された遊技領域に向けて発射される。
遊技機ベースユニット22は、図2及び図3に示すように、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
遊技機ベースユニット22には、図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。図5は遊技機ベースユニット22の正面図である。図6は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図である。図7は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
遊技機ベースユニット22は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41にはその後方から遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。詳細には、樹脂ベース41の裏面には、図7に示すように、複数(本実施の形態では4箇所)の固定金具52〜55が設けられており、これら固定金具52〜55によって遊技盤61は後方へ脱落しないように固定されている。固定金具52〜55は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。
遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,上作動口64,下作動口65,スルーゲート66及び可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65及び可変表示ユニット67は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及び可変入賞装置63の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に2個及び右側に2個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット67には、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61には、内レール部77と外レール部78とが取り付けられており、これら内レール部77と外レール部78とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。ちなみに、図5に示すように、樹脂ベース41の窓孔51の右上部には返しゴム79が設けられており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム79に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。この場合、返しゴム79はその遊技球が当たる面が遊技領域の中央側に向けて傾斜させて形成されているため、遊技領域の中央に向けた遊技球の跳ね返しが良好に行われるようになっている。
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
樹脂ベース41の前面における回動基端側にはその上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられており、これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
<遊技機前面ユニット23>
ここで、遊技機前面ユニット23の構成について説明する。図8は遊技機前面ユニット23の背面図である。
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、図1に示すように、上記遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
遊技機前面ユニット23における窓パネル部91の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部95と下側膨出部96とが上下に並設されている。上側膨出部95内側には上方に開口した上皿95aが設けられており、下側膨出部96内側には同じく上方に開口した下皿96aが設けられている。上皿95aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿96aは、上皿95a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。なお、下側膨出部96の右方には、上述した遊技球発射ハンドル84が設けられている。
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(図8の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(図8の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
また、遊技機前面ユニット23の背面には、図8に示すように、前面側通路ユニット271が取り付けられている。前面側通路ユニット271は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。前面側通路ユニット271の詳細については後に説明する。
<遊技機ベースユニット22の背面構成>
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について図7を用いて詳細に説明する。
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67には、図3及び図7に示すように、センターフレーム72を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられており、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられているとともに、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、当該基板ボックスの開放痕跡手段としてカシメ構造や図示しない封印シールが設けられているとともに、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてカシメ構造が設けられている。
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
樹脂ベース41の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて遊技機ベースユニット22には裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、図5に示すように、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
樹脂ベース41の背面には、図3及び図7に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、図7に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた締結具117(図9参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<裏パックユニット24>
次に、裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。図9は裏パックユニット24の正面図である。図10は裏パックユニット24の分解斜視図である。
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、図9に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に軸受け金具111〜113に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレール133は、タンク132の下方において当該タンク132に連結されており、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に払出装置135が設けられている。また、上下通路ユニット134の下流側には、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部が設けられており、前面側通路部は上皿95a及び下皿96aに連通されている。
つまり、タンク132と、上皿95a及び下皿96aの受け皿との間には、タンクレール133、上下通路ユニット134、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部からなる誘導通路部が設けられており、タンク132に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿95a又は下皿96aに払い出される。なお、上下通路ユニット134の構成、及びそれよりも下流側の構成については後に詳細に説明する。
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パックユニット141が構成されている。
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置146は、基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置147は、基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<ヒンジ部材2201の全体構成>
図11は実施例1の展開自在になるヒンジ部材2201を備えた遊技機主部21を示す斜視図である。図12は実施例1の係合金具2203が設けられた外枠11を示す斜視図である。
実施例1の取付部材は、細長い板状のヒンジ部材2201である。遊技機10を構成する遊技機主部21は、その遊技機ベースユニット22の底面部に、この遊技機ベースユニット22の横方向と略同じ長さを有するヒンジ部材2201を備えている。このヒンジ部材2201は、その一端が遊技機ベースユニット22の下端の支持金具18に回動自在に軸支されている(図15参照)。このヒンジ部材2201は遊技機ベースユニット22の上端の支持金具17と共に、外枠11に対する遊技機主部21のヒンジ機能を有する。ここで「金具」と表現しているが、剛性の高い合成樹脂で製造することも可能であるので、金属製に限定されず合成樹脂製の部材を含む。以下同様に本発明の部材は金属製と合成樹脂製の両方の素材から成る。後述する金属製と表現している部材も合成樹脂で製造することができる。
ヒンジ部材2201は、図11に示すように、遊技機ベースユニット22の奥行きより広い幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材であり、その長手方向の一側端縁に、数箇所の固定用の係合横孔2202が開けられている。係合横孔2202は、ヒンジ部材2201の金属板をその一側端縁を曲折し、その曲折した部分に開けられたものである。
<外枠11の係合金具2203の全体構成>
外枠11には、図12に示すように、その内側下部に係合金具2203が備えられている。この係合金具2203には、ヒンジ部材2201の係合横孔2202に、水平方向から係合する係合片2204が複数形成されている。図示例の係合金具2203には、金属製又は合成樹脂製の板材の4箇所に舌片を突出させ、この舌片の先端部を横断面が横U字状になるように曲折して成る係合片2204を備えている。各係合片2204は、ヒンジ部材2201の係合横孔2202にそれぞれ係合する。このように形成することで、ヒンジ部材2201即ち遊技機ベースユニット22を、係合金具2203即ち外枠11に強固に取り付けることができる。これは一例であり、このような1枚構成の金具に代えて、それぞれの係合横孔2202に係合する位置に数個の係合片2204を配置する手段でもよい。
また、外枠11の係合金具2203には、その数箇所に位置決め用の嵌合ピン2206を挿通させる嵌合挿通孔2207が開けられている。各嵌合挿通孔2207の配置間隔は、ヒンジ部材2201の嵌合孔2205の配置間隔と整合させてある。
一方、ヒンジ部材2201には、図11に示すように、数箇所に位置決め用の嵌合孔2205が上下方向に開けられている。各嵌合孔2205には、外枠11に設けられた係合金具2203を構成する部材の下面から上方へ付勢された嵌合ピン2206が着脱自在に嵌合する。この嵌合ピン2206は先端(図示上は上端)が半球状になっている。
図13は外枠11の係合金具2203に設けられた嵌合ピン2206を示す縦断面図であり、(a)はヒンジ部材2201を嵌合ピン2206に嵌合させる前の状態、(b)は嵌合させる途中の状態、(c)は嵌合させた状態である。
係合金具2203には、図13に示すように、支持部材2208に上下方向に出没自在に支持された嵌合ピン2206が設けられている。この嵌合ピン2206は、支持部材2208に内装されたコイルばね等の弾性部材2209により、第1フランジ2210で上方へ付勢されている。図13(a)に示すように、嵌合ピン2206はこの弾性部材2209の付勢力で先端部が、係合金具2203の嵌合挿通孔2207からその半球状部分のみが露出するようになっている。
ヒンジ部材2201を嵌合ピン2206に嵌合させるとき、即ち遊技機主部21を外枠11に嵌合させるときは、図13(b)に示すように、この嵌合ピン2206の先端部は半球状に形成されているために、ヒンジ部材2201の下面が、係合金具2203面上をスライドする際に、嵌合ピン2206は弾性部材2209に抗して容易に内部に引っ込む。ヒンジ部材2201をスライドさせることができる。
そのまま、遊技機主部21を外枠11に完全に嵌合させると、図13(c)に示すように、ヒンジ部材2201の嵌合孔2205の位置になると、弾性部材2209の付勢力で嵌合ピン2206の先端部が、各嵌合挿通孔2207を通過し、嵌合孔2205に嵌合し、位置決めとしての機能を発揮する。
更に、ヒンジ部材2201と外枠11の係合金具2203とを確実に固定するために、支持部材2208には嵌合ピン2206のストッパ2211が水平方向にスライドするように設けられている。このストッパ2211は、図13(a)に示すように、嵌合ピン2206が嵌合孔2205に嵌合している状態を維持するものである。このストッパ2211は、嵌合ピン2206の外径よりやや広い幅を有する長孔2212を有し、かつこの長孔2212の一部は薄い部分2213(嵌合ピン2206の出没を可能にする位置)と一部は厚い部分2214(嵌合ピン2206の可動を阻止する位置)とからなっている。通常は、図13(a)に示すように、嵌合孔2205から突出するように付勢されているが、上方から内部に押すと弾性部材2209の付勢力に抗して嵌合ピン2206が内部に没するようになっている。
図13(b)に示すように、このストッパ2211の長孔2212の厚い部分2214を、嵌合ピン2206側に移動させると、嵌合ピン2206の第2フランジ2215がこの長孔2212の厚い部分2214で固定され、図13(c)に示すように、嵌合ピン2206の突出した状態が維持される。これらのストッパ2211は数箇所それぞれで、嵌合ピン2206を固定するようにする。これにより、ヒンジ部材2201が係合金具2203から離脱しなくなり、強固に固定することができる。
図14は実施例1の展開自在になるヒンジ部材2201を備えた遊技機主部21を、外枠11に嵌合させた状態を示す斜視図である。
このように構成された遊技機主部21と外枠11は、図14に示すように、遊技機主部21の遊技機ベースユニット22に設けられた支持金具17b(17)を、外枠11に設けられた支持金具17a(17)に装着する。次に、遊技機ベースユニット22に設けられたヒンジ部材2201を係合金具2203に嵌合させる。このときヒンジ部材2201は、外枠11の係合金具2203に嵌合させることにより、遊技機主部21と外枠11とを強固に嵌合させることができる。
このときに、本発明のヒンジ部材2201は、図11に示したように、遊技機ベースユニット22から展開した状態にすると、そのまま遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)を自立させることができる。一方、ヒンジ部材2201を遊技機ベースユニット22と平行に維持することで、従来の外枠と一体になった遊技機10と比較してコンパクトに取り扱うことができる。
また、本発明は遊技機主部21と外枠11とが分離する構成であるために、一番最初に外枠11をホールの島の上部枠板と下部枠板の間に釘固定しておく。遊技機10の入れ替えに際しては、遊技機主部21のみを交換するだけで迅速に入れ替え作業を終了させることができる。
図15は実施例1のヒンジ部材2201に設けられた回動弾性部材2216を示す拡大斜視図である。
ヒンジ部材2201は、遊技機ベースユニット22の片側に軸支されている箇所には、このヒンジ部材2201を展開する方向へ付勢するようにコイルばね等の回動弾性部材2216が取り付けられている。図示するように、遊技機ベースユニット22に設けられた支持金具18にボス孔2217を設け、このボス孔2217にヒンジ部材2201の軸部材2218を回動自在に取り付け、このボス孔2217の周囲に回動弾性部材2216を取り付けた。この回動弾性部材2216の付勢力により約直角方向に展開させることが望ましい。これはこのヒンジ部材2201が島に取り付ける前では、遊技機10を自立させる機能を持たせるためである。
そこで、遊技機ベースユニット22から展開したときに、例えば、遊技機ベースユニット22の面方向から約130度から140度程度の角度で開くように設定する。これは、このヒンジ部材2201が展開角度が90度より小さいと、遊技機10を設置後にホール内で遊技機主部21を開ける際に、その内部の点検が容易に実施できないからである。逆に、約140度以上に展開すると、遊技機10を自立させる機能が発揮できないからである。
そこで、ヒンジ部材2201の回動部分には、過展開を防止するヒンジ部材側停止片2219が設けられている。図15の図示例では、回動弾性部材2216のばね材の一端を固定する部材を兼用している。遊技機主部21側には下端部の支持金具18に、このヒンジ部材側停止片2220と接するユニット側停止片2220が設けられている。この両停止片2219,2220が当接してヒンジ部材2201の過展開を防止する。
本発明のヒンジ部材2201は、文字通りのヒンジ機能が第1の機能である。更に、上述したように回動弾性部材2216の付勢力により展開するようになっている。この展開したヒンジ部材2201は、遊技機ベースユニット22の転倒を防止する機能が第1の機能である。
図16は実施例1の施錠装置31がヒンジ部材2201の展開を阻止している状態を示す拡大斜視図である。
ヒンジ部材2201の一部に切り欠き状の被係止部2221が設けられている。この被係止部2221には、施錠装置31の連動杆32の下側に設けられている鉤金具33の下端に更に下方へ延びる展開防止金具3201が係止する。この展開係止金具3201は、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態とされるようになっている。
更に、本発明のヒンジ部材2201は回動弾性部材2216により常時展開するようになっている。そこで、このように、運搬時、格納時には遊技機ベースユニット22にヒンジ部材2201を格納してコンパクトにする必要がある。そこで、この遊技機ベースユニット22にヒンジ部材2201と並行状態にするために、施錠装置31の鉤金具33に展開防止金具3201を設けた。
外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。なお、展開防止金具2222は、ヒンジ部材2201の被係止部2221とは完全に密着せず、いわゆる「遊び」を設けている。これはヒンジ部材2201、遊技機ベースユニット22の設置状態のずれが生じたときにも対応でき、汎用性を高めるようにするためである。
図17は上側支持金具17(ヒンジ板17a)と係合金具2203を備えた外枠11に、上側支持金具17(ヒンジ受け金具17b)とヒンジ部材2201を備えた遊技機主部21を、掛け止める状態を示す分解斜視図である。
遊技機10を構成する遊技機主部21には、その遊技機ベースユニット22の上面部に、容易に着脱することができるヒンジ受け具17b(上側支持金具17)を備えている。このヒンジ受け金具17bは、外枠11に設けられたヒンジ板17a(上側支持金具17)の軸部材1705に着脱自在に掛け止められる。
遊技機10でも、実施例1と同様に遊技機10を構成する遊技機主部21は、その遊技機ベースユニット22の底面部に、この遊技機ベースユニット22の横方向と略同じ長さを有するヒンジ部材2201を備えている。また、外枠11には、その内側下部に係合金具2203が備えられている。このヒンジ部材2201は遊技機ベースユニット22のヒンジ板17aと共に、外枠11に対する遊技機主部21のヒンジ機能を有する。
一方、遊技機主部21における回動先端側には、遊技機ベースユニット22の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が、外枠11の上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、鉤金具44は上述した施錠装置31に係止される。
<着脱容易なヒンジ板17a>
図18は着脱容易なヒンジ受け具17bに掛け止める外枠11側のヒンジ板17aを示す拡大斜視図である。
ヒンジ板17aは、この拡大斜視図に示すように、外枠11の左上部の上側支持金具17を構成する部材である。ヒンジ板17aは、例えば金属製の舌片1701を外枠11の左上部に固定したものである。なお、図示したヒンジ板17aは外枠11の上部角部に密着固定するように一側を曲折した形状を有する。この実施例では、更に外枠11の上部に段差部1702を形成し、この段差部1702に舌片1701を隙間なく配置するように固定した。図示例では、舌片1701に2箇所のねじ孔を設け、ここにねじ1703で止めた。このように段差部1702に舌片1701を固定することで、舌片1701を外枠11の左上部に強固に固定することができる。
金属製の舌片1701の一部1704は、前方へ即ち遊技機主部21側に突出した形状になり、そこに軸部材1705を下方へ向けて突出させている。この軸部材1705の適切な位置、即ち外枠11の前面から軸部材1705の中心までの張り出した距離L1は、遊技機主部21のヒンジ受け金具17bに掛け止めた際に、この回動の中心軸にして遊技機主部21を開閉できるような距離にする。
軸部材1705の下方への突出長L2は、ヒンジ受け具17bの段差の高さL3と略同じである。これにより、軸部材1705に対して、後述するヒンジ受け金具17bの長孔1706の低い部分1710から、水平方向に差し込むように掛け止められる。
軸部材1705の先端は、逆円錐台形状をしている。これは後述するヒンジ受け金具17bの長孔1706に位置決めを容易にするためである。軸部材1705の位置が、ヒンジ受け金具17bの長孔1706の隙間に完全に一致していなくても、この先端の傾斜部分が軸中心に案内する作用があり、容易に掛け止めることができる。そこで、軸部材1705をヒンジ受け金具17bの長孔1706に迅速に掛け止めることができる。
<着脱容易なヒンジ受け金具17b>
図19は着脱容易なヒンジ受け金具17bの上方からの状態を示す拡大斜視図である。
ヒンジ受け金具17bは、この拡大斜視図に示すように、金属製の板材を横断面が略U字形状に曲折した部材から成り、更にこの曲折した部材の上側の途中に段差L3を形成している。この段差L3部分は、ヒンジ板17aの軸部材1705の突出長L2と略同じ長さである。また、この段差L3部分にはこの軸部材1705が通過できる長孔1706が形成されている。長孔1706の長手方向の形成方向は、遊技機主部21の板面に対して直角な方向になる。これにより、本発明は、外枠11に対して、遊技機主部21を押し込むような動作で組み付けることができる。
このヒンジ受け金具17bの内部には、軸部材1705が掛け止められた際に、この軸部材1705が抜けないように、抜け止め構造1707が設けられている。この抜け止め構造1707は、ヒンジ受け金具17bを構成する板材の間で、軸部材1705を掛け止める長孔1706の長手方向に直角に移動する抜け止め具1708が設けられている。この抜け止め具1708は、軸部材1705が長孔1706内を移動するときに、容易に移動するように溝内に収納された部材である。例えば、図示するように、平面視で平行四辺形の部材からなる。この抜け止め具1708はコイルばねのような弾性部材1709で長孔1706側の方向に常時押圧するようになっている。
なお、抜け止め具1708の形状はこの平面視で平行四辺形状の部材に限定されない。軸部材1705に当たる面は、平面視で傾斜した面が必要である。しかし、抜け止め構造1707内では、弾性部材1709で押圧できればよいので、平面視で略三角形状、又は略台形状の部材に代えることも可能である。また、弾性部材1709も図示例の1本のコイルばねに現地されず、複数本のコイルばね又は板ばねに代えることも可能である。
長孔1706は、段差L3部分の高さが異なる低い位置1710と高い位置1711から成る。高い位置1711の最奥の位置1712は、抜け止め具1708の側面により、軸部材1705は回動するが、抜けない程度の外径を形成し得るようになっている。
なお、軸部材1705を外す際は、例えば突出した状態の抜け止め具1708を、工具を用いて、長孔1706を閉鎖している状態を一時開放し、軸部材1705を長孔1706内で移動させ、低い位置1710側から抜けるようにする。
<ヒンジ受け金具17bの動作説明>
図20は軸部材1705にヒンジ受け金具17bを掛け止める状態を示す拡大平面図であり、(a)は軸部材1705にヒンジ受け金具17bを掛け止める状態、(b)は掛け止める途中の状態、(c)は掛け止めた状態である。
図20(a)に示すように、外枠11の軸部材1705に向けて、遊技機主部21をそのヒンジ受け金具17bの長孔1706の低い位置1710から水平方向に差し込む。このとき長孔1706の低い位置1710は、軸部材1705と干渉することなく通過することができる。従来のように微妙に遊技機主部21を傾けて掛け止める必要がないので、遊技機主部21を容易に取り扱うことができる。
次に、図20(b)に示すように、遊技機主部21を更に外枠11側へ押し込むと、軸部材1705がヒンジ受け金具17bの長孔1706の高い位置1711まで移動し、ここで抜け止め具1708に当たる。この抜け止め具1708がある位置は、長孔1706の高い位置1711になり、その周囲が立ち上がった状態になり、軸部材1705が抜けない位置になる。この抜け止め具1708は略並行四辺形状になるので、その斜面部分に軸部材1705が当たると、この斜面部分を押圧する力は、そのまま抜け止め具1708を横方向への押圧する力として作用する。そこで、抜け止め具1708の弾性部材1709に抗して、軸部材1705は抜け止め具1705を通過して長孔1706の高い位置1711の最奥端部1712まで移動する。
最後に、図20(c)に示すように、軸部材1705は長孔1706の高い位置1711の最奥端部1712まで移動すると、抜け止め具1708を通過した状態になる。抜け止め具1708は弾性部材1709の付勢力により、元の位置まで戻る。この抜け止め具1708と長孔1706の最奥端部1712との間で、回動するが抜けない状態になる。これにより遊技機主部21と外枠22の上側支持金具17(17a、17b)の取り付けが完了する。
図21は遊技機主部21を外枠11に取り付ける状態を示す斜視図である。
この変形例のヒンジ受け金具17bとヒンジ部材2201を備えた遊技機主部21は、このヒンジ部材2201を遊技機主部21に装着した状態で、係合金具2203を備えた外枠11に、水平方向に移動するように掛け止めることができる。
先ず、遊技機主部21の下側では、施錠装置31によりヒンジ部材2201を遊技機主部21に並行に固定した状態にする。この状態で遊技機主部21を外枠11に並行に移動させるように嵌め込む。このときは、遊技機主部21の上側では、ヒンジ受け金具17bをヒンジ板17aの軸部材1705に掛け止められる。また、遊技機主部21の下側では、遊技機主部21のヒンジ部材2201が、外枠11の係合金具2203に掛け止められる。
<遊技機主部21を外枠11に取り付ける状態>
図22は遊技機主部21を外枠11に取り付ける状態を示す斜視断面図であり、(a)はヒンジ部材2201を係合金具2203に取り付ける前の状態、(b)は取り付ける途中の状態、(c)は取り付けた状態である。
遊技機主部21を外枠11に取り付ける際には、遊技機主部21と外枠11の上側では、ヒンジ板17a(軸部材1705)とヒンジ受け金具17bとは上述した動作により掛け止められる。一方、遊技機主部21と外枠11の下側では、次に示すような動作により掛け止められる。
図22(a)に示すように、嵌合ピン2206は弾性部材2209の付勢力で先端部が、係合金具2203の嵌合挿通孔2207からその半球状部分のみが露出するようになっている。遊技機主部21を外枠11に嵌合させるときは、図22(b)に示すように、この嵌合ピン2206の先端部は半球状に形成されているために、ヒンジ部材2201の下面が、係合金具2203面上をスライドする際に、嵌合ピン2206は弾性部材2209に抗して容易に内部に引っ込む。そこで、ヒンジ部材2201をスライドさせることができる。
そのまま、遊技機主部21を外枠11に完全に嵌合させると、図22(c)に示すように、ヒンジ部材2201の嵌合孔2205の位置になると、弾性部材2209の付勢力で嵌合ピン2206の先端部が、各嵌合挿通孔2207を通過し、嵌合孔2205に嵌合し、位置決めとしての機能を発揮する。
図23は遊技機主部21を外枠11に取り付ける状態を示す縦断面図であり、(a)はヒンジ部材2201を嵌合ピン2206に取り付ける前の状態、(b)は嵌合させる途中の状態、(c)は取り付けた状態である。
遊技機主部21(ヒンジ部材2201)と外枠11の係合金具2203とを確実に固定するために、支持部材2208には嵌合ピン2206のストッパ2211が水平方向にスライドするように設けられている。このストッパ2211は、図23(a)に示すように、嵌合ピン2206が嵌合孔2205に嵌合している状態を維持する。このストッパ2211は、嵌合ピン2206の外径よりやや広い幅を有する長孔2212を有し、かつこの長孔2212の一部は薄い部分2213と一部は厚い部分2214(嵌合ピン2206の可動を阻止する位置)とからなっている。通常は、図23(a)に示すように、嵌合孔2205から突出するように付勢されているが、上方から内部に押すと弾性部材2209の付勢力に抗して嵌合ピン2206が内部に没するようになっている。
図23(b)に示すように、このストッパ2211の長孔2212の厚い部分2214を、嵌合ピン2206側に移動させると、嵌合ピン2206の第2フランジ2215がこの長孔2212の厚い部分2214で固定され、図23(c)に示すように、嵌合ピン2206の突出した状態が維持される。これらのストッパ2211は数箇所それぞれで、嵌合ピン2206を固定するようにする。これにより、ヒンジ部材2201が係合金具2203から離脱しなくなり、強固に固定することができる。
一方、ヒンジ部材2201を外枠11の係合金具2203から取り外すときは、先ず各支持部材2208のストッパ2211を引く。このとき嵌合ピン2206を固定している第2フランジ2215からストッパ2211が外れ、嵌合ピン2206は上下自由に可動し得るようになる。
次に、ヒンジ部材2201の下面が係合金具2203面上をスライドする際に、各嵌合ピン2206は弾性部材2209に抗して容易に内部に引っ込み、このヒンジ部材2201を係合金具2203から外すことができる。
なお、実施例1の変形例として、上述した外枠11に設けた係合金具2203を、遊技機用島設備に固定された取付枠に設けることも可能である(図示していない)。予め、上述した外枠11と同じ構造の部材がホールの島に設けられている場合は、展開自在のヒンジ部材2201を備えた遊技機主部21をこの取付枠に嵌め込むだけで遊技機10の入れ替えが短時間で完了する。
この変形例は、外枠11に設けられた係合金具2203が取付枠に設けられたこと以外は、上述した構成と同様である。例えば、ヒンジ部材には、その長手方向に数箇所の固定用の係合横孔が開けられ、取付枠の係合金具は、各係合横孔に係合する係合片が複数形成され、それぞれの係合片が係合横孔に係合するようになっている。
取付枠の係合金具には、その長手方向に数箇所に位置決め用の出没自在になる嵌合ピンを備え、ヒンジ部材に開けられた嵌合孔に、各嵌合ピンが嵌合するようになっている。取付枠の係合金具には、ヒンジ部材の嵌合孔に嵌合している嵌合ピンをストッパで下から固定するようになっている。
<L字状枠部材2221の全体構成>
図24は実施例2の略L字形状の取付部材を構成するL字状枠部材2221と外枠11を示す分解斜視図である。
実施例2の取付部材は、略L字形状をなすL字状枠部材2221である。このL字状枠部材2221は、遊技機10を構成する外枠11に嵌合させるために、その遊技機ベースユニット22の縦方向と横方向それぞれと略同じ長さを有する略L字形状を有する。このL字状枠部材2221は、その下部に下側ヒンジ部材2222を、この下側ヒンジ部材2222の長手方向の一端(図示例では左端)に上方へ立ち上げた連結縦棒2223を、この連結縦棒2223の上部に上側ヒンジ部材2224を設けた枠部材である。このL字状枠部材2221は、そのまま外枠11に着脱自在に取り付けることができる。
<L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222の構成>
L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222は、図24に示すように、実施例1のヒンジ部材2201と略同様な構成の部材であり、外枠11の奥行きと略同じ幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材である。下側ヒンジ部材2222は、その長手方向の一側端縁に、数箇所の固定用の係合横孔2202が開けられている。係合横孔2202は、下側ヒンジ部材2222の金属板又は合成樹脂板をその一側端縁を曲折し、その曲折した部分に開けられたものである。
外枠11は、図12に示したように、その内側下部に係合金具2203が備えられている。この係合金具2203には、L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222の係合横孔2202に、水平方向から係合する係合片2204が複数形成されている。図示例の係合金具2203には、金属製又は合成樹脂製の板材の4箇所に舌片を突出させ、この舌片の先端部を横断面が横U字状になるように曲折して成る係合片2204を備えている。各係合片2204は、下側ヒンジ部材2222の係合横孔2202にそれぞれ係合する。このように形成することで、下側ヒンジ部材2222即ち遊技機ベースユニット22を、係合金具2203即ち外枠11に強固に取り付けることができる。これは一例であり、このような1枚構成の金具(合成樹脂製)に代えて、それぞれの係合横孔2202に係合する位置に数個の係合片2204を配置する手段でもよい。
また、外枠11の係合金具2203には、その数箇所に位置決め用の嵌合ピン2206を挿通させる嵌合挿通孔2207が開けられている。各嵌合挿通孔2207の配置間隔は、L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222の嵌合孔2205の配置間隔と整合させてある。
一方、下側ヒンジ部材2222には、図24に示すように、数箇所に位置決め用の嵌合孔2205が上下方向に開けられている。各嵌合孔2205には、外枠11に設けられた係合金具2203を構成する部材の下面から上方へ付勢された嵌合ピン2206が着脱自在に嵌合する。図13に示したように、この嵌合ピン2206は先端(図示上は上端)が半球状になっている。
後述するように下側ヒンジ部材2222の連結縦棒2223に隣接して、遊技機主部21の開閉を可能にする回動軸(回動ボス)2225を上方へ向けて突設してある。更に、この回動軸(回動ボス)2225に隣接して、弾性部材2216を掛け止める係止片2219を設けている。この弾性部材2216は遊技機主部21を容易に開閉できるように、重たい遊技機主部21が開く方向へ付勢力を働かせている。
<L字状枠部材2221の連結縦棒2223の構成>
L字状枠部材2221の連結縦棒2223は、図24に示すように、文字通り下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とを連結する棒状の部材である。この連結縦棒2223は、金属又は合成樹脂製から成る細長い板材である。図示するように、この連結縦棒2223の下部にねじ挿通孔2226を設けている。このねじ挿通孔2226からねじ2227を通し、上側ヒンジ部材2224の端部に螺着している。
この連結縦棒2223は、外枠11の縦枠の隙間に挟まる程度の細い部材が好ましい。太い部材であると、外枠11の縦枠と干渉しやすくなるからである。また、この連結縦棒2223は下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とを外枠11の所定位置に取り付ける機能を果たせばよいので、物理的強度はそれほど要求されない。
一方、連結縦棒2223の横幅を自由に設定することで、前枠の厚み(奥行き)の調整になる。即ち、遊技機の機種に応じて、前枠の厚み(奥行き)が短いときは、連結縦棒2223の横幅を長くし、逆に前枠の厚み(奥行き)が長いときは、連結縦棒2223の横幅を短くする。遊技場の外枠は同じものであっても、このように遊技機の機種に応じて、薄いものから厚いものまで様々な遊技機に対応することができ、汎用性が高い。
<L字状枠部材2221の上側ヒンジ部材2224と上側ヒンジ受け部1721の構成>
図25は上側ヒンジ部材2224と上側ヒンジ受け部1721を示す斜視図であり、(a)は外枠11の上側ヒンジ受け部1721に上側ヒンジ部材2224が嵌合する前の状態、(b)は上側ヒンジ受け部1721に上側ヒンジ部材2224が嵌合している状態、(c)は上側ヒンジ受け部1721に上側ヒンジ部材2224が嵌合した状態である。図26は上側ヒンジ受け部1721に上側ヒンジ部材2224が嵌合する途中の状態を示し、(a)は一部切断した斜視図、(b)は側断面図である。図27は上側ヒンジ受け部1721に上側ヒンジ部材2224が嵌合した状態を示し、(a)は一部切断した斜視図、(b)は側断面図である。
L字状枠部材2221の上側ヒンジ部材2224は、図24に示すように、外枠11の左上部に固定した上側ヒンジ受け部1721と嵌合した状態でヒンジの一部として機能する部材である。上側ヒンジ受け部1721は例えば金属製又は合成樹脂製の略T字形状の板材から成り、このT字の横棒の一方を曲折し、この位置にねじ挿通孔1722を開け、このねじ挿通孔1722からねじ2227を通し、連結縦棒2223上部のねじ挿通孔2226で螺着している。
上側ヒンジ部材2224は、T字の縦棒に相当する舌片の先端、即ち遊技機主部21側に突出した形状になり、そこに軸部材2229を下方へ向けて突出させている。この軸部材2229の適切な位置、即ち外枠11の前面から軸部材2229の中心までの張り出した距離L21は、図25(c)に示すように、遊技機主部21の軸部材2229に掛け止めた際に、この回動の中心軸にして遊技機主部21を開閉できるような距離にする。この軸部材2229の中心線は、上述した下側ヒンジ部材2222の回動軸(回動ボス)2225の中心線と同一方向にあり、この間に取り付けた遊技機主部21の開閉を可能にする。
上側ヒンジ部材2224は、軸部材2229の反対側、即ちT字の横棒の中間に相当する位置に、着脱自在に上側ヒンジ受け部1721に嵌合する係合構造を有する。上側ヒンジ部材2224には、金属製又は合成樹脂製の抜け止係合片2230が取り付けられている。この抜け止係合片2230は、その先端に上方から手前に折り曲げられた抜け止部2231を有する。この抜け止係合片2230は、その後端には上側ヒンジ部材2224にねじ止めされている。
一方、外枠11の上側ヒンジ受け部1721は、この抜け止係合片2230が通過できる程度の通過凹部1723を有し、かつこの通過凹部1723は、図26の(b)の断面図に示すように、差し込む方向(図示例では左方向)に下向きに傾斜面1724を有する。この上側ヒンジ受け部1721は、この通過凹部1723の先には、抜け止係合片2230の抜け止部2231が引っかかるように、上側ヒンジ受け部1721の内部天井に下向きに凹み段差1725が形成されている。抜け止係合片2230には長孔2234が形成されている。
<L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224の組み付け方法>
L字状枠部材2221を外枠11に取り付ける方法を説明する。
先ず、図25(a)に示すように、L字状枠部材2221の上側ヒンジ部材2224はその抜け止係合片2230を、外枠11の上側ヒンジ受け部1721の通過凹部1723に差し込む。このとき、抜け止係合片2230は、図25(b)と図26(a)(b)に示すように、抜け止係合片2230は金属製又は合成樹脂製から成る部材であるために、先端の抜け止部2231が上側ヒンジ受け部1721の端縁に当たり、そのまま押し込めば、可撓性を有するので、抜け止係合片2230は下方へ撓み、上側ヒンジ受け部1721の内部天井の内部に進入する。このとき抜け止係合片2230は通過凹部1723に傾斜面1724があるので、その傾斜面で容易に撓むことができる。
次に、そのまま抜け止係合片2230を押し込むことにより、抜け止係合片2230の抜け止部2231が、図27(a)(b)に示すように、凹み段差1725に引っかかり嵌合が完了する。これにより、L字状枠部材2221の上側ヒンジ部材2224は、外枠11の上側ヒンジ受け部1721から抜けなくなる。
この上側ヒンジ部材2224の組み付けと同時に、L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222も、図12、図13に示したものと略同様な構成である外枠11に設けられた係合金具2203に取り付けられる。係合金具2203には、図13に示したように、支持部材2208に上下方向に出没自在に支持された嵌合ピン2206が設けられている。この嵌合ピン2206は、支持部材2208に内装されたコイルばね等の弾性部材2209により、第1フランジ2210で上方へ付勢されている。
下側ヒンジ部材2222を嵌合ピン2206に嵌合させるとき、即ち遊技機主部21を外枠11に嵌合させるときは、図13(b)に示したように、この嵌合ピン2206の先端部は半球状に形成されているために、下側ヒンジ部材2222の下面が、係合金具2203面上をスライドする際に、嵌合ピン2206は弾性部材2209に抗して容易に内部に引っ込む。下側ヒンジ部材2222をスライドさせることができる。
そのまま、遊技機主部21を外枠11に完全に嵌合させると、図13(c)に示したように、下側ヒンジ部材2222の嵌合孔2205の位置になると、弾性部材2209の付勢力で嵌合ピン2206の先端部が、各嵌合挿通孔2207を通過し、嵌合孔2205に嵌合し、位置決めとしての機能を発揮する。
更に、下側ヒンジ部材2222と外枠11の係合金具2203とを確実に固定するために、支持部材2208には嵌合ピン2206のストッパ2211が水平方向にスライドするように設けられている。このストッパ2211は、図13(a)に示したように、嵌合ピン2206が嵌合孔2205に嵌合している状態を維持するものである。このストッパ2211は、嵌合ピン2206の外径よりやや広い幅を有する長孔2212を有し、かつこの長孔2212の一部は薄い部分2213(嵌合ピン2206の出没を可能にする位置)と一部は厚い部分2214(嵌合ピン2206の可動を阻止する位置)とからなっている。通常は、図13(a)に示すように、嵌合孔2205から突出するように付勢されているが、上方から内部に押すと弾性部材2209の付勢力に抗して嵌合ピン2206が内部に没するようになっている。
図13(b)に示したように、このストッパ2211の長孔2212の厚い部分2214を、嵌合ピン2206側に移動させると、嵌合ピン2206の第2フランジ2215がこの長孔2212の厚い部分2214で固定され、図13(c)に示したように、嵌合ピン2206の突出した状態が維持される。これらのストッパ2211は数箇所それぞれで、嵌合ピン2206を固定するようにする。これにより、下側ヒンジ部材2222が係合金具2203から離脱しなくなり、強固に固定することができる。
<遊技機主部21を取り付けたL字状枠部材2221を外枠11に装着>
図28は実施例2のL字状枠部材2221を備えた遊技機主部21を、外枠11に装着させる状態を示す斜視図である。図29は実施例2のL字状枠部材2221を備えた遊技機主部21を、外枠11に装着させた状態を示す斜視図である。
このように構成されたL字状枠部材2221は、遊技機主部21を下側ヒンジ部材2222の回動軸(回動ボス)2225と、上側ヒンジ部材2224の軸部材2229により回動自在に取り付ける。図28、図29に示すように、遊技機ベースユニット22に取り付けられたL字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222を、外枠11の係合金具2203に嵌合させる。遊技機主部21の遊技機ベースユニット22に取り付けられた上側ヒンジ部材2224を、外枠11に設けられた上側ヒンジ受け部1721に装着する。同時に、遊技機ベースユニット22に取り付けられたL字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222を係合金具2203に嵌合させる。このとき下側ヒンジ部材2222は、外枠11の係合金具2203に嵌合させることにより、遊技機主部21と外枠11とを強固に嵌合させることができる。即ち、実施例2のL字状枠部材2221は、下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とを、同時に平行に移動させるように外枠11に装着できる。
このときに、実施例2の下側ヒンジ部材2222は、図28に示すように、遊技機ベースユニット22から展開した状態にすると、そのまま遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)を自立させることができる。一方、図29に示すように、下側ヒンジ部材2222を遊技機ベースユニット22と平行に維持することで、従来の外枠と一体になった遊技機10と比較してコンパクトに取り扱うことができる。
<L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224を外す方法>
L字状枠部材2221を外枠11から外す方法を説明する。
L字状枠部材2221の下側ヒンジ部材2222を外枠11から外すときは、先ず、下側ヒンジ部材2222を外枠11の係合金具2203に強固に固定している各ストッパ2211を引く。嵌合ピン2206は可動自在であり、この嵌合ピン2206の先端部は半球状に形成されているために、下側ヒンジ部材2222の下面が、係合金具2203面上をスライドする際に、嵌合ピン2206は弾性部材2209に抗して容易に内部に引っ込む。そこで、下側ヒンジ部材2222をスライドさせることができる。下側ヒンジ部材2222を外枠11の係合金具2203から外すことができる。
上側ヒンジ部材2224を外すときは、図27(b)に示すように、遊技機主部21を開放状態とし、上側ヒンジ部材2224の下方からニッパなどの工具を用いて抜け止係合片2230の一部を破壊する。例えば長孔2234の両側を切断する。上側ヒンジ部材2224を、外枠11の上側ヒンジ受け部1721から外すことができる。抜け止係合片2230が破壊、切断されると、再度の取付が不能となり、不正の根拠を発見しやすくなる。なお、この抜け止係合片2230のみを交換すれば、上側ヒンジ部材2224は何回でも使用することができる。
または、抜け止係合片2230の長孔2234に、釘の頭部のような部材からなる工具を掛け止め、そのまま下方へ引いて、抜け止係合片2230の抜け止め部2231を凹み段差1725から外す方法もある(図示していない)。例えば、この工具の頭部は略長円形状になり、これを抜け止係合片2230の長孔2234に差し込んだ後、工具の軸周りに回動させ、掛け止めて下方へ引く。
このように、実施例2のL字状枠部材2221では、外枠11は遊技場に設置したままで、遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)のみを簡単かつ迅速に交換することができる。そこで、外枠11の共通化を図ることができ、様々な機種の遊技機主部21に対応することができる。遊技機主部21の取り外しには、開放操作を必須とするために、不正行為を防止する。
実施例2のL字状枠部材2221は、実施例1と比較して、下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とを、同時に平行に移動させるように外枠11に装着できるという効果がある。このL字状枠部材2221の共通化を図ることで、様々な機種の遊技機10に対応することができる。また、L字状枠部材2221の取り外しには、遊技機主部21の開放操作を必須とするために、不正行為を防止することも可能である。これらのL字状枠部材2221を遊技機主部21側に組付けた状態とすることで、機種変更時にはヒンジ軸(回動軸2225,軸部材2229)の位置変更にも容易に対応できるという効果がある。
<四角状枠部材2241の全体構成>
図30は実施例3の略四角形状の取付部材を構成する四角状枠部材2241と外枠11を示す分解斜視図である。
実施例3の取付部材は、略四角形状をなす四角状枠部材2241ある。この四角状枠部材2241は、遊技機10を構成する外枠11に嵌合させるために、上述した下側ヒンジ部材2222、上側ヒンジ部材2224とこれらを繋ぐ連結縦棒2223に加えて、施錠装置31を構成する受け金具34を更に備えたものである。この受け金具34を取り付ける縦板材2242を下側ヒンジ部材2222の端部にねじ止めし、この縦板材2242の上端部と、上側ヒンジ部材2224とを連結する水平板材2243で略四角形状に構成した部材である。この四角状枠部材2241も、そのまま外枠11に着脱自在に取り付けることができる。
<四角状枠部材2241の下側ヒンジ部材2222の構成>
四角状枠部材2241の下側ヒンジ部材2222は、図24に示したように、実施例2のL字状枠部材2221と略同様な構成の部材であり、外枠11の奥行きと略同じ幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材であり、その長手方向の一側端縁に、数箇所の固定用の係合横孔2202が開けられている。係合横孔2202は、下側ヒンジ部材2222の金属板又は合成樹脂製をその一側端縁を曲折し、その曲折した部分に開けられたものである。
<四角状枠部材2241の連結縦棒2223の構成>
四角状枠部材2241の連結縦棒2223は、図24に示したように、下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とを連結する棒状部材である。この連結縦棒2223は、金属又は合成樹脂から成る細長い板材である。図示するように、この連結縦棒2223の下部にねじ挿通孔2226を設けている。このねじ挿通孔2226からねじ2227を通し、上側ヒンジ部材2224の端部に螺着している。
<四角状枠部材2241の上側ヒンジ部材2224の構成>
四角状枠部材2241の上側ヒンジ部材2224は、図24に示したように、L字状枠部材2221と略同様な構成であり、外枠11の左上部に固定した上側ヒンジ受け部1721と嵌合した状態でヒンジの一部として機能する部材である。上側ヒンジ部材2224は、T字の縦棒に相当する舌片の先端、即ち遊技機主部21側に突出した形状になり、そこに軸部材2229を下方へ向けて突出させている。この軸部材2229の中心線は、上述した下側ヒンジ部材2222の回動軸(回動ボス)2225の中心線と同一方向にあり、この間に取り付けた遊技機主部21の開閉の可能にする。
<四角状枠部材2241の連結縦板材2242と水平板材2243の構成>
四角状枠部材2241を構成する連結縦板材2242には、外枠11に直接取り付けられていた施錠装置31を構成する受け金具34を2箇所に設けている。これらの受け金具34には、上述したように、遊技機ベースユニット22を閉鎖した際に、この遊技機ベースユニット22に設けられている、上下一対の鉤金具33を有する連動杆32の各鉤金具33が係止される。これらの鉤金具33の受け金具34の係止により、施錠装置31による施錠状態となる。
この連結縦板材2242は、その上部を水平板材2243で上側ヒンジ部材2224にねじ止め連結してある。このように構成することにより、これらの連結縦板材2242、水平板材2243と連結縦棒2223の前後幅を自由に設定することで、前枠の厚み(奥行き)の調整になる。即ち、遊技機の機種に応じて、前枠の厚み(奥行き)が短いときは、連結縦板材2242、水平板材2243と連結縦棒2223の前後幅を長くし、逆に前枠の厚み(奥行き)が長いときは、連結縦板材2242、水平板材2243と連結縦棒2223の前後幅を短くする。遊技場の外枠は同じものであっても、このように遊技機の機種に応じて、薄いものから厚いものまで様々な遊技機に対応することができ、汎用性が高い。
実施例3の四角状枠部材2241は、連結縦板材2242に施錠装置31を構成する受け金具34を設けているので、これらの受け金具34(施錠装置31)の位置を自由に変更することができる。更に、その受け金具34(施錠装置31)の取付け個数も2個に限定されず、1個又は3個と容易に変更でき、またその施錠装置31の係合構造の異なるものに容易に対応することができるので、遊技機10の機種に容易に合わせることができる。
<四角状枠部材2241を外枠11に装着>
図31は実施例3の四角状枠部材2241を、外枠11に装着させる状態を示す斜視図である。図32は実施例3の四角状枠部材2241を備えた遊技機主部21を、外枠11に装着させた状態を示す斜視図である。
このように構成された四角状枠部材2241は、遊技機主部21(図示していない)を下側ヒンジ部材2222の回動軸(回動ボス)2225と、上側ヒンジ部材2224の軸部材2229により回動自在に取り付ける。図30、図31に示すように、遊技機ベースユニット22を取り付ける四角状枠部材2241の下側ヒンジ部材2222を、外枠11の係合金具2203に嵌合させる。
遊技機主部21の遊技機ベースユニット22を取り付ける上側ヒンジ部材2224を、外枠11に設けられた上側ヒンジ受け部1721に装着する。次に、四角状枠部材2241の下側ヒンジ部材2222を係合金具2203に嵌合させる。このとき下側ヒンジ部材2222は、外枠11の係合金具2203に嵌合させることにより、遊技機主部21と外枠11とを強固に嵌合させることができる。
このときに、実施例1と実施例2と同様に、実施例3の下側ヒンジ部材2222は、遊技機ベースユニット22から展開した状態にすると、そのまま遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)を自立させることができる。一方、図32に示すように、下側ヒンジ部材2222を遊技機ベースユニット22と平行に維持することで、従来の外枠と一体になった遊技機10と比較してコンパクトに取り扱うことができる。
<四角状枠部材2241の外枠11への組み付け方法>
実施例3の四角状枠部材2241は、上述した実施例2と同様に下側ヒンジ部材2222は外枠11の係合金具2203と嵌合させ、上側ヒンジ部材2224は外枠11の上側ヒンジ受け部1721と嵌合させる。その方法の詳細は上述したので省略する。
<四角状枠部材2241を外枠11から外す方法>
実施例3の四角状枠部材2241を外枠11から外すときも、上述した実施例2と同様に下側ヒンジ部材2222は外枠11の係合金具2203から外し、上側ヒンジ部材2224は外枠11の上側ヒンジ受け部1721から外す。その方法の詳細も上述したので省略する。
このように、実施例3の四角状枠部材2241でも、外枠11は遊技場に設置したままで、遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)のみを簡単かつ迅速に交換することができる。そこで、外枠11の共通化を図ることができ、様々な機種の遊技機主部21に対応することができる。遊技機主部21の取り外しには、開放操作を必須とするために、不正行為を防止できる。
実施例3の四角状枠部材2241も、実施例1と比較して、下側ヒンジ部材2222と上側ヒンジ部材2224とは、外枠11に同時に平行に移動させるように装着できるという効果がある。この四角状枠部材2241の共通化を図ることで、様々な機種の遊技部材に対応することができる。また、この四角状枠部材2241の取り外しにも、遊技機主部21の開放操作を必須とするために、不正行為を防止することも可能である。この四角状枠部材2241を遊技機主部21側に組付けた状態とすることで、機種変更時にはヒンジ軸(回動軸2225,軸部材2229)の位置変更にも容易に対応できるという効果がある。
図33は実施例4の遊技機10の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材2251と外枠1101を示す分解斜視図である。図34は実施例4の遊技機10の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材2251と外枠1101を示す斜視図である。
実施例4の遊技機10は、遊技盤61の傾斜角度を調節する機能を具備した構造にした。遊技機10即ち遊技盤61は上述したように正確な垂直状態ではなく、傾斜して設置されている。遊技盤61を支持する遊技機主部21は、その下部が手前即ち遊技者側に、遊技機主部21の上部が奥に引込んだ状態で設置されている。
この遊技盤61の傾斜はホールや遊技機10の機種によって異なる。基本的な傾斜角度は、4分5厘が標準とされている。この遊技盤61(遊技機主部21)の傾斜が少し変化するだけで、大きくスタート(回転数)に影響する。遊技盤61は通常上部が奥に引込んだ状態のときに遊技球が回りやすい。これは遊技盤61面上での遊技球の滞留時間が長くなり、遊技盤61からの入賞率が上昇するからである。
この遊技盤61(遊技機主部21)の傾斜は人の手で測られ、遊技機10が島に取り付けられるため、個々の遊技機10によっても差が生じやすい。その遊技機10ごとの差をなくすように釘調整をするが、時々釘だけでは調整しきれないこともある。
しかし、遊技盤61(遊技機主部21)の傾斜は基本的には、新台の遊技機10の入替時に傾斜を測って設置し、この新台の設置が完了したら、遊技機10の移動・撤去がない限り、再度傾斜を変更することは稀である。この傾斜の調節は煩雑な作業である。例えば、配線を外して、遊技球を抜き取る必要があり、また傾斜が変化すると、スタート(回る回数)が変わるので、その遊技機10の釘調整がしづらくなるからである。そこで、実施例4の遊技機10は、その傾斜角度を調節する機能を具備した。
<傾斜調節する機能を有する四角状枠部材2251と外枠1101との構成>
実施例4では、遊技機10の傾斜角度を調節する機能は、図33と図34に示すように、四角状枠部材2251と外枠1101とに具備したものである。この四角状枠部材2251は、基本的には上述した四角状枠部材2241と同様な構成であるが、遊技盤61を支持する遊技機主部21の傾斜角度の調節機能を有する構造が付加されている。遊技機10を構成する外枠1101に嵌合させるために、実施例4の四角状枠部材2251は、上述した下側ヒンジ部材2222、水平板材2253とこれらを繋ぐ2枚の縦枠板2252を備えたものである。各縦枠板2252を下側ヒンジ部材2222の両端部にそれぞれねじ止めし、この縦枠板2252の上端部と、水平板材2253とで略四角形状に構成した部材である。この水平板材2253に上述した上側支持金具17(ヒンジ板17a)を取り付けた。
この四角状枠部材2251も、そのまま外枠1101に着脱自在に取り付けることができる。この外枠1101も基本的には上述した外枠11と同様な構成であるが、遊技機10の傾斜の調節機能を有する構造が付加されている。
実施例4の四角状枠部材2251の各縦枠板2252には、遊技機10の傾斜角度の調節機能に寄与する傾斜調節孔2254が、その長手方向に数箇所に開けられている。図示例では、金属製又は合成樹脂製の長方形状の板材に円形の丸孔を開けている。図示例では上下方向に5箇所開けられているが、この5箇所に限定されず、7箇所又は3箇所と適宜変更することができる。傾斜調節孔2254の個数が増えれば、微妙に傾斜角度を調節することができる。傾斜調節孔2254の個数が少ないときは、大きく傾斜角度を調節することができる。また奇数個開けたのは、並列した真ん中の傾斜調節孔2254を正確な垂直状態に設定しやすいからである。勿論偶数個設けることも可能である。
これらの傾斜調節孔2254は、縦枠板2252と平行な1直線状に配置する。即ち、縦枠板2252との外周縁と平行にして配置する。また図示例では、縦枠板2252の上半分の位置に傾斜調節孔2252を配置している。これは、下側ヒンジ部材2222の位置を回動中心点として、四角状枠部材2251の上側を遊技機10の板面に向かった方向へ傾斜するようになっている。逆に、四角状枠部材2251の上側に回動中心点を設定したときは、縦枠板2252の下半分の位置に傾斜調節孔2252を配置する。
なお、図示例では、傾斜調節孔2254が縦枠板2252を貫通する貫通孔について説明している。しかし、この傾斜調節孔2254は、後述する傾斜調節片1104の(嵌合ボス1105)が嵌脱し得る構成であればよい。そこで、この貫通孔に代えて嵌合ボス1105は入る凹部を形成したものでもよい(図示していない)。例えば、縦枠板2252が厚板の部材の場合に適している。
<四角状枠部材2251の下側ヒンジ部材2222の構成>
この実施例4の四角状枠部材2251にも、上述したような四角状枠部材2241の下側ヒンジ部材2222が設けられている。この下側ヒンジ部材2222は、図24に示したように、実施例2のL字状枠部材2221と略同様な構成の部材であり、外枠1101の奥行きと略同じ幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材であり、その長手方向の一側端縁に、数箇所の固定用の係合横孔2202が開けられている。係合横孔2202は、下側ヒンジ部材2222の金属板又は合成樹脂製をその一側端縁を曲折し、その曲折した部分に開けられたものである。
<四角状枠部材2251の上側支持金具17(ヒンジ板17a)の構成>
四角状枠部材2251の水平板材2253には、図12,図14に示したものと同様な構成の上側支持金具17(ヒンジ板17a)が設けられている。上側支持金具17(ヒンジ板17a)は、略T字の縦棒に相当する舌片の先端、即ち遊技機主部21側に突出した形状になり、そこに軸部材2229を下方へ向けて突出させている。遊技機10を構成する遊技機主部21には、その遊技機ベースユニット22の上面部に、容易に着脱することができるヒンジ受け具17b(上側支持金具17)を備えている。このヒンジ受け金具17bは、このヒンジ板17a(上側支持金具17)の軸部材1705に着脱自在に掛け止められるこの軸部材2229の中心線は、上述した下側ヒンジ部材2222の回動軸(回動ボス)2225の中心線と同一方向にあり、この間に取り付けた遊技機主部21の開閉を可能にする。
<外枠1101の全体構成>
実施例4の外枠1101は、天井枠1102とその両端から、それぞれ縦枠1103が下方へ向けて設けられている。各縦枠1103は後述するように、縦内側枠1103aと縦外側枠1103bとの2枚で構成されている。両縦枠1103の各下端に、上述した係合金具2203が備えられている。この係合金具2203には、下側ヒンジ部材2222の係合横孔2202に、水平方向から係合する係合片2204が複数形成されている。図示例の係合金具2203には、金属製又は合成樹脂製の板材の4箇所に舌片を突出させ、この舌片の先端部を横断面が横U字状になるように曲折して成る係合片2204を備えている。各係合片2204は、下側ヒンジ部材2222の係合横孔2202にそれぞれ係合する。このように形成することで、下側ヒンジ部材2222即ち遊技機ベースユニット22を、係合金具2203即ち外枠1101に強固に取り付けることができる。これは一例であり、このような1枚構成の金具に代えて、それぞれの係合横孔2202に係合する位置に数個の係合片2204を配置する構成でもよい。
また、外枠1101の係合金具2203には、その数箇所に位置決め用の嵌合ピン2206を挿通させる嵌合挿通孔2207が開けられている。各嵌合挿通孔2207の配置間隔は、下側ヒンジ部材2222の嵌合孔2205の配置間隔と整合させてある。
一方、下側ヒンジ部材2222には、図11に示したように、数箇所に位置決め用の嵌合孔2205が上下方向に開けられている。各嵌合孔2205には、外枠1101に設けられた係合金具2203を構成する部材の下面から上方へ付勢された嵌合ピン2206が着脱自在に嵌合する。この嵌合ピン2206は先端(図示上は上端)が半球状になっている。
<外枠1101の傾斜調節構造>
実施例4の外枠1101を構成する縦内側枠1103aは、四角状枠部材2251に複数開けた傾斜調節孔2254に着脱自在に嵌合する傾斜調節片1104が、各傾斜調節孔2254に対応する位置に数箇所設けられている。各傾斜調節片1104は、縦内側枠1103aを構成する金属製又は合成樹脂製の板材に細長い略U字状にスリットを形成し、板材の可撓性により、その一部が撓るように構成したものである。この傾斜調節片1104の撓む先端側に嵌合ボス1105を着脱自在に取り付ける嵌合ボス用固定孔1106が設けられている。
各嵌合ボス1105は、それぞれの嵌合ボス用固定孔1106の位置が縦枠1103と平行な1直線状ではなく、隣接する傾斜調節片1104ごとにずれるように配置されている。後述する図36,37,38に示すように、これらの傾斜調節片1104と嵌合する傾斜調節孔2254を変更することにより、遊技機10遊技盤61の傾斜角度を可変させるためである。図示例ではこの傾斜調節片1104の個数が上下方向に5箇所になっているが、この5箇所に限定されず、7箇所又は3箇所と適宜変更することができる。傾斜調節孔2254と同様に傾斜調節片1104の個数が増えれば、微妙に傾斜角度を調節することができる。傾斜調節片1104の個数が少ないときは、大きく傾斜角度を調節することができる。なお、傾斜調節片1104と傾斜調節孔2254は原則として同数設けることが好ましいが、必ずしも同数にする必要はない。但し、それぞれ隣接する間隔は同一して何れの傾斜調節片1104(嵌合ボス1105)も傾斜調節孔2254に嵌合できるように配置することは勿論である。
実施例4の外枠1101を構成する縦外側枠1103bには、複数本の傾斜調節片1104が撓る方向に、空間を設けるべく凹部1107が形成されている。四角状に切り欠いたものではなく、段差のように凹部1107の形状にしたのは、外枠1101に四角状枠部材2251を装着している状態において、外部から工具等を用いて傾斜調節片1104又は嵌合ボス1105に不正に接触して、遊技機10の傾斜角度を可変させないようにするためである。
<傾斜調節片の嵌合ボスが、傾斜調節孔2254に嵌合する状態>
図35は傾斜調節片1104の嵌合ボス1105が、傾斜調節孔2254に嵌合する状態を示す拡大平断面図であり、(a)は嵌合する前の状態、(b)は傾斜調節片1104が撓っている状態、(c)は傾斜調節片1104の嵌合ボス1105が、傾斜調節孔2254に嵌合した状態である。
実施例4の外枠1101に、四角状枠部材2251を水平方向に(矢視線に示す方向に)押し込むように装着すると、図35(a)に示すように、傾斜調節片1104の嵌合ボス1105は、四角状枠部材2251の縦枠板2252の縁に当たる。このとき、嵌合ボス1105で止まることなく傾斜調節片1104が撓りやすいように、縦枠板2252の縁に平断面に示すような傾斜面1108又はテーパを形成してある。
この状態で、図35(b)に示すように、四角状枠部材2251の縦枠板2252を更に押し込むと、傾斜調節片1104が矢視線に示すように更に撓り、嵌合ボス1105が縦枠板2252の板面を伝わるようになる。このとき、縦外側枠1103bに凹部1107が形成されているので、傾斜調節片1104が大きく撓ることができる。
更に、四角状枠部材2251の縦枠板2252を押し込むと、図35(c)に示すように、嵌合ボス1105が傾斜調節孔2254の位置に到達する。このとき傾斜調節片1104は可撓性を有するので元の位置に戻ろうとするため、この傾斜調節孔2254内に嵌合させることができる。これにより、外枠1101に対して四角状枠部材2251を傾斜させた状態又は垂直状態の所望の傾斜角度に装着することができる。この四角状枠部材2251には遊技機ベースユニット22を装着し、この遊技機ベースユニット22には遊技盤61が取り付けられ、この遊技盤61の傾斜角度を可変させることができる。
<傾斜調節片の嵌合ボスの位置と遊技機10の傾斜状態の関係>
図36は傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の位置と遊技機10の傾斜状態の関係を示す概略説明図であり、(a)は傾斜調節孔2254の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態、(f)は遊技機10の傾きを示した側面図である。
四角状枠部材2251に複数開けた傾斜調節孔2254は1直線状に並んでいるが、これに嵌合する傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の位置が上下方向にややずれて配置されている。図36(a)に示すように、傾斜調節孔2254の上から5番目の最下段で嵌合する傾斜調節片1104は、図示上で左側に突出した状態で設けられている。即ち、上部が遊技者側へ近づくような傾斜状態に四角状枠部材2251の縦枠板2252を維持する。この四角状枠部材2251に装着される遊技機主部21も遊技者側へ近づくような傾斜状態で支持される。
この傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の位置は、1個変位すると傾斜角度が1度可変するように設定されている。そこで、何番目の嵌合ボス1105が傾斜調節孔2254に嵌合しているかを確認するだけで、傾斜角度を容易に判別することができる。なお、この1個変位すると傾斜角度が1度可変する構成は一例であり、例えば0.5度、2度など自由に設定できることは勿論である。
次に、図36(b)に示すように、嵌合ボス1105を上から4番目の傾斜調節片1104に取り付けると、同じく上から4番目の傾斜調節孔2254と嵌合する。この上から4番目の傾斜調節片1104は、上から5番目の傾斜調節片1104より図示上で左側(奥側)にずれている。そこで、図36(c)から(e)に示すように、同様に傾斜調節片1104を上にずらしていくと、四角状枠部材2251は右側へ傾斜した状態に外枠1101に装着される。
このときは図36(f)に示すように、この四角状枠部材2251に装着される遊技機主部21も遊技者側から遠くなる方向へ傾斜して支持される。図36(a)に示すように、遊技機10が図示面の左側に傾斜すると裏パックユニット24も左側に傾斜する。このとき同時に遊技盤61も左側に傾斜する。図36(e)に示すように、遊技機10が図示面の右側に傾斜すると裏パックユニット24も右側に傾斜する。このとき同時に遊技盤61も右側に傾斜する。
このように実施例4の遊技機10では、新台入れ替え作業の際に、傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の位置を予め決めておくことにより、四角状枠部材2251を外枠1101に装着するだけで、遊技機10の設置とその傾斜調整を同時に完了させることができる。しかも、嵌合ボス1105の位置を視認しやすいので、その遊技機10の傾斜角度を確認しながら作業することができる。
図37は傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の位置と遊技機10の傾斜状態の関係を示す側面図であり、(a)は傾斜調節孔2254の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は中間位置の上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態である。図38は傾斜調節片の嵌合ボス1105の位置と遊技機10の傾斜状態の関係を示す斜視図であり、(a)は傾斜調節孔2254の上から5番目の最下段での嵌合状態、(b)は上から4番目で嵌合状態、(c)は中間位置の上から3番目での嵌合状態、(d)は上から2番目での嵌合状態、(e)は上から1番目の最上段での嵌合状態である。
詳細には、図37と図38に示すように、例えば、上から4番目の傾斜調節片1104の嵌合ボス1105を、傾斜調節孔2254に嵌合させるときは、図37(b)、図38(b)に示すように、この4番目の傾斜調節片1104の嵌合ボス用固定孔1106に嵌合ボス1105を取り付ける。次に、この傾斜調節孔2254の位置に相当する上から4番目の傾斜調節孔2254に向けて、四角状枠部材2251を外枠1101に押し込むように装着する。同様に、他の傾斜調節孔2254に嵌合させるときは、その傾斜調節片1104に嵌合ボス1105を取り付ける。この嵌合ボス1105の取り付け位置を可変することで容易に四角状枠部材2251の傾斜角度を微妙に調節することができる。
同様に、図37(a)、図38(a)に示すように、遊技機10の上部を手前側に突出した状態にするときは、傾斜調節孔2254の上から5番目の最下段で嵌合させる。徐々に、図37(b)、図38(b)から図37(d)、図38(d)といった数段階で傾斜調節できる。更に図37(e)、図38(e)に示すように、遊技機10の下部を手前側に突出した状態にするときは、傾斜調節孔2254の上から1番目の最上段で嵌合させる。
<傾斜調節構造の変形例>
図39は実施例4の傾斜調節構造の変形例であり、遊技機10の傾斜の調節機能を有する四角状枠部材2251と外枠1101を示す斜視図である。
この傾斜調節構造の変形例では、四角状枠部材2251に複数開ける傾斜調節孔2254が、縦枠板2252と平行な1直線状ではなく、隣接する傾斜調節孔2254ごとにずれるように配置されている。複数の傾斜調節孔2254で構成される配列線が傾斜した状態になる。
一方、これらの傾斜調節孔2254に着脱自在に嵌合する傾斜調節片1104は、外枠1101を構成する縦内側枠1103aの長手方向と平行な1直線状に配置されている。
このような実施例4の傾斜調節構造の変形例の構成でも、傾斜調節片1104の嵌合ボス1105の取り付け位置を可変するだけで、外枠1101に対する四角状枠部材2251の傾斜角度を微妙に調節することができる。
<下固定ヒンジ部材2261と上固定ヒンジ部材2262の全体構成>
図40は実施例5の展開自在になるヒンジ部材を遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)の上下に備えた状態を示す遊技機ベースユニット22と外枠11の斜視図である。図41は実施例5のヒンジ部材を遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)の上下に備えた状態を示す遊技機ベースユニット22と外枠11の分解斜視図である。
実施例5の遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)は、その上下に細長い板状の部材から成る下固定ヒンジ部材2261と上固定ヒンジ部材2262をそれぞれ展開自在に備えた。遊技機10を構成する遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)は、その底面部に、この遊技機ベースユニット22の横方向と略同じ長さを有する下固定ヒンジ部材2261を備えている。この下固定ヒンジ部材2261は、基本的に上述したヒンジ部材2201、下側ヒンジ部材2222と略同様な構成であり、その一端が遊技機ベースユニット22の下端の支持金具18に回動自在に軸支されている(図15参照)。
実施例5では、遊技機ベースユニット22の上部にも、この遊技機ベースユニット22の横方向と略同じ長さを有する上固定ヒンジ部材2262を備えている。この上固定ヒンジ部材2262は、上述した下固定ヒンジ部材2261と共に、外枠11における遊技機主部21のヒンジ機能を有する。この上固定ヒンジ部材2262は、基本的に上述したヒンジ部材2201、下側ヒンジ部材2222と略同様な構成であり、その一端が遊技機ベースユニット22の上端の支持金具に回動自在に軸支されている。
なお、上固定ヒンジ部材2262は、図41の斜視図に示すように、遊技機ベースユニット22の上部と平列して配置し、かつ外枠11内に収まるように下固定ヒンジ部材2261の横幅に比較して狭くなっている。
下固定ヒンジ部材2261は、図40と図41に示すように、遊技機ベースユニット22の奥行きより広い幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材であり、その長手方向の数箇所に固定用の係合孔2263が開けられている。これらの係合孔2263は、下固定ヒンジ部材2261の細長い金属板に所定間隔で数か所上下方向に開けられたものである。図示例では、四角形状の係合孔2263が3箇所開けられているが、この数に限定されない。但し、下固定ヒンジ部材2261の安定性を考慮して、最低両端の2箇所は必要である。また、形状も四角形状に限定されず、6角形状、円形状又は長円形状など種々の形状にすることができる。更に、下固定ヒンジ部材2261もその折り曲げ強度を上げるために、細長い金属板の一側端縁を曲折している。
下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263は、後述する出没自在になる係合金具2264に嵌合することで固定される。この係合金具2264は外枠11の下部に設けられ、下固定ヒンジ部材2261をこの外枠11に固定する機能を有する。
下固定ヒンジ部材2261は、図41に示すように、遊技機ベースユニット22の片側に軸支されている箇所には、この下固定ヒンジ部材2261を展開する方向へ付勢するようにコイルばね等の回動弾性部材2216が取り付けられている。図示するように、遊技機ベースユニット22に設けられた支持金具18にボス孔2217を設け、このボス孔2217に下固定ヒンジ部材2261の軸部材2218を回動自在に取り付け、このボス孔2217の周囲に回動弾性部材2216を取り付けた。この回動弾性部材2216の付勢力により約直角方向に展開させることが望ましい。この下固定ヒンジ部材2261が島に取り付けられる前では、遊技機10を自立させる機能を持たせるためである。
そこで、この下固定ヒンジ部材2261についても、遊技機ベースユニット22から展開したときに、例えば、遊技機ベースユニット22の面方向から約130度から140度程度の角度で開くように設定する。これは、この下固定ヒンジ部材2261の展開角度が90度より小さいと、遊技機10を設置後にホール内で遊技機主部21を開ける際に、その内部の点検が容易に実施できないからである。逆に、約140度以上に展開すると、遊技機10を自立させる機能が発揮できないからである。
そこで、下固定ヒンジ部材2261の回動部分には、過展開を防止する下固定ヒンジ部材側停止片2219が設けられている。図41の図示例では、回動弾性部材2216の一端を固定する部材を兼用している。遊技機主部21側には下端部の支持金具18に、この下固定ヒンジ部材2261側停止片2219と接するユニット側停止片2220が設けられている。この両停止片2219,2220が当接して下固定ヒンジ部材2261の過展開を防止する。
本発明の下固定ヒンジ部材2261は、文字通りのヒンジ機能が第1の機能である。更に、上述したように回動弾性部材2216の付勢力により展開するようになっている。この展開した下固定ヒンジ部材2261は、設置作業に際して遊技機ベースユニット22の転倒を防止する機能が第2の機能である。
実施例5のヒンジ部材は、遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)の下固定ヒンジ部材2261に加えて、遊技機ベースユニット22に上固定ヒンジ部材2262を備えている。この上固定ヒンジ部材2262は下固定ヒンジ部材2261と略同様な構成になる。即ち、図41に示すように、遊技機ベースユニット22の奥行きより広い幅を有する細長い板状の金属製又は合成樹脂製の部材であり、その長手方向の一側端縁に、数箇所の固定用の係合孔2263が開けられている。係合孔2263は、上固定ヒンジ部材2262の細長い金属板に所定間隔で数か所上下方向に開けたものである。図示例では、四角形状の係合孔2263が3箇所設けられているが、この数に限定されない。但し、下固定ヒンジ部材2261の安定性を考慮して、最低両端の2箇所は必要である。また、形状も四角形状に限定されず、六角形状、円形状又は長円形状など種々の形状にすることができる。更に、上固定ヒンジ部材2262もその折り曲げ強度を上げるために、細長い金属板の一側端縁を曲折している。
上固定ヒンジ部材2262は、図41に示すような、遊技機ベースユニット22に設けられた支持金具18に軸支されている。なお、下固定ヒンジ部材2261側に、これを展開する方向へ付勢するようにコイルばね等の回動弾性部材2216が取り付けられているので、上固定ヒンジ部材2262には、回動弾性部材2216を取り付ける必要はない。勿論、上固定ヒンジ部材2262にも回動弾性部材2216を取り付けることは可能である。
上固定ヒンジ部材2262の係合孔2263も、後述する係合金具2264に嵌合することで外枠11の上部に固定される。勿論この係合金具2264が外枠11の上部に設けられたもので、上固定ヒンジ部材2262を外枠11に固定する機能を有する。そこで、上固定ヒンジ部材2262は、下固定ヒンジ部材2261と共に、外枠11における遊技機ベースユニット22のヒンジ機能を有する。
この上固定ヒンジ部材2262は、文字通りの下固定ヒンジ部材2261と共にヒンジ機能が第1の機能である。遊技機ベースユニット22を遊技機前面ユニット23と共に島に設置する際又は輸送の際に上下逆に取り扱われたときに、この下側に位置する上固定ヒンジ部材2262を展開させ、この展開した上固定ヒンジ部材2262を、遊技機ベースユニット22(遊技機前面ユニット23)の転倒を防止する部材として利用することが可能である。
<外枠11の係合金具2264の構成>
図42は実施例5の外枠11に設けられる係合金具2264を示す拡大分解斜視図であり、(a)は係合ボスの軸支側から見た状態、(b)は係合ボスの可動側から見た状態である。
外枠11には、図42に示すように、その内側下部と内側上部に係合金具2264がそれぞれ備えられている。この1個の係合金具2264は、下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262の係合孔2263に、上下方向から係合する係合ボス2265が上下動自在に設けられている。係合ボス2265はその一部に軸支孔2266が開けられ、この軸支孔2266に貫通軸2267を通し、その貫通軸2267は本体2268に取り付けられる。この軸支孔2266の貫通軸2267を回動中心軸にして、係合ボス2265部分が上下動(出没)自在になる。
この本体2268は2つの殻状の部材から成り、組み合わせたときに上方が開放された器になり、係合ボス2265が上方へ出没自在に成る。この本体2268にねじ挿通孔が設けられ外枠11に着脱自在に取り付けられる。また、係合ボス2265は常時上方へ付勢されるように、ばね等の弾性部材2269が貫通軸2267に取り付けられている。この弾性部材2269の一端は係合ボス2265の側面部に、その他端は本体2268側にそれぞれ掛け止められる。
係合ボス2265の係合部分、即ち下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262の係合孔2263に係合する部分は、平面視でこれらの係合孔2263と略同じ形状を有する。図示例では四角形状を有している。なお、この係合ボス2265の係合部分はこの平面視での四角形状に限定されず、例えば六角形状、円形状又は長円形状などの他の形状に変えることも可能である。係合孔2263と同大同形状であればよい。
実施例5の係合ボス2265の係合部分は、2箇所の傾斜面を有している。1箇所目の第1傾斜面2265aは外枠11における前側が低く後側が高くなるような形状を有する。第1傾斜面2265aは下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262をこの係合ボス2265に係合させるときに、これらの下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262のそれぞれ板部材が当ったときに、係合ボス2265が本体2268内に没するように押し付けるためである。
2箇所目の第2傾斜面2265bは、第1傾斜面2265aの高い位置であって、かつ係合ボス2265に軸支側が低くなるような傾斜面である。この第2傾斜面2265bは、係合ボス2265の係合部分が、本体2268に没しているときに、下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262に邪魔しないように、係合ボス2265の角部の突出を防止した部分である(図43(b)参照)。そこで、係合金具2264のストッパ2270を使用しなくても、この係合ボス2265が出没自在に形成されているために、下固定ヒンジ部材2261の下面が、係合金具2264面上をスライドする際に、係合ボス2265は弾性部材2269に抗して容易に内部に引っ込み、下固定ヒンジ部材2261を容易にスライドさせることができる。
図43は実施例5の係合金具2264のストッパ2270を示す拡大断面図であり、(a)は係合金具2264の係合ボス2265が下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263に係合している状態と、(b)は係合金具2264のストッパ2270で係合ボス2265を押し下げている状態である。
係合金具2264の係合ボス2265は、下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262と外枠11の係合金具2264に容易に係合させるために、係合金具2264には係合ボス2265の突出を規制するストッパ2270が水平方向にスライドするように設けられている。このストッパ2270は、図43(a)の状態から図43(b)の状態になるように、断面が略コ状を形成し、貫通軸2267側から上下動する係合ボス2265側へ包むように内装し、かつスライドするように取り付けられている。このストッパ2270の一端が貫通軸2267側から係合ボス2265側へスライドすると、図43(b)に示すように、本体2268内で上方から下方へ押す動作になり、弾性部材2269の付勢力に抗して係合ボス2265が本体2268内部に没するようになる。その後、このストッパ2270を元に戻すと、図43(a)に示すように、弾性部材2269の付勢力により、係合ボス2265が上方へ突出する。なお、この係合金具2264を外枠11の上部に取り付けたときは、勿論下方へ突出する。
図44は実施例5の下固定ヒンジ部材2261を外枠11に取り付ける動作状態を示す拡大斜視図であり、(a)は係合金具2264の係合ボス2265をストッパ2270で押し下げた状態で下固定ヒンジ部材2261を外枠11上でスライドし始めた状態、(b)は更に下固定ヒンジ部材2261を外枠11上でスライドさせている状態、(c)は下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263が係合ボス2265の位置に到達した状態、(d)はストッパ2270を解除した係合ボス2265が下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263に突出した状態である。
下固定ヒンジ部材2261又は上固定ヒンジ部材2262を係合金具2264の係合ボス2265に嵌合させるとき、即ち遊技機主部21(遊技機ベースユニット22)を外枠11に嵌合させるときは、図44(a)に示すように、先ず係合金具2264の係合ボス2265をストッパ2270で押し下げた状態にする。それぞれ3箇所の係合金具2264のすべての係合ボス2265をストッパ2270で押し下げる。この状態で、図44(b)、(c)に示すように、下固定ヒンジ部材2261を外枠11内面上でスライドさせる。遊技機主部21を外枠11に完全に嵌合させると、図43(c)に示すように、下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263の位置に移動したら、図43(d)に示すように、ストッパ2270を解除すると、弾性部材2269の付勢力で係合ボス2265が、係合孔2263に係合し、固定部材としての機能を発揮する。
そのまま、遊技機主部21を外枠11に完全に嵌合させると、下固定ヒンジ部材2261の係合孔2263の位置になると、弾性部材2269の付勢力で係合ボス2265が、係合孔2263に係合し、固定部材としての機能を発揮する。
これらは、下固定ヒンジ部材2261が外枠11の下側に配置された係合金具2264に係合する状態について説明した。同様に、上固定ヒンジ部材2262を外枠11の上側に配置されたに係合金具2264に係合するときも略同様な状態であるので説明を省略する。
図45は実施例5の釘打ち用板材2271と係合金具2264を外枠11の天板11aに取り付ける状態を示す部分斜視図であり、(a)は釘打ち用板材2271を外枠11の天板11aに取り付ける前の状態、(b)は釘打ち用板材2271を外枠11の天板11aに差し込んでいる状態、(c)は釘打ち用板材2271に次いで係合金具2264を取り付ける状態、(d)は釘打ち用板材2271と係合金具2264を取り付けた状態である。
外枠11を構成する天板11aが、金属製又は合成樹脂製の場合、従来のように島に釘を用いて直接打ち付け固定することができない。そこで、この図45或いは図40、図41に示したように2個の釘打ち用板材2271を用いている。この釘打ち用板材2271は、例えば木製又は合成樹脂製などブロック材からなり、外枠11の天板11aに2箇所開けた開口部11bより広い面積を有し、この開口部11bを覆うように固定される。図示例では、天板11aの中央部分に、横断面が略逆L字形状の位置きめ片11cが突出されている。この位置きめ片11cに1個の釘打ち用板材2271が外れないように挟み、更にねじ止めにより固定される。
図示例では、天板11aに2箇所の釘打ち用板材2271を取り付けている。これは同じ天板11aに3個の係合金具2264を取り付けているため、このような配置になった。係合金具2264が2個のときは、これらの係合金具2264に挟まれるように1本の釘打ち用板材2271を取り付けることができるといった、様々な組み合わせがある。
<下固定ヒンジ部材2261と上固定ヒンジ部材2262を規制する施錠装置3101の構成>
図46は施錠装置3101が組み込まれた遊技機ベースユニット22を示す斜視図である。図47は施錠装置3101の施錠状態を示す部分斜視図であり、(a)は上固定ヒンジ部材2262周囲の状態、(b)は下固定ヒンジ部材2261周囲の状態である。図48は施錠装置3101の解錠状態を示す部分斜視図であり、(a)は上固定ヒンジ部材2262周囲の状態、(b)は下固定ヒンジ部材2261周囲の状態である。
遊技機ベースユニット22は、図示するように、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置3101が取り付けられている。実施例5の施錠装置3101は長尺状の連動杆32を備えており、この連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、図2に示したように、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置3101により施錠状態とされる。
また、遊技機ベースユニット22には施錠装置3101のシリンダ錠35が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。あるいは遊技機ベースユニット22に対する遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23の施錠状態が解除される。
即ち、遊技機前面ユニット23の開閉もこの施錠装置3101により行う。施錠装置3101は、基本的には上述した施錠装置31と同じ構成であり、シリンダ錠35の鍵穴に鍵を差し込んで施錠・解錠する。このシリンダ錠35の鍵穴に差し込んだ鍵を左又は右に回転させることにより、遊技機前面ユニット23のみ、又は遊技機ベースユニット22が閉じられたままの外枠11の解錠を行うものである。
実施例5の施錠装置3101の連動杆32は、図示するように、第1可動部32aを備えたもので、第1可動部32aは、図示するように、複数のスプリング31cによって上方向および下方向に互いに初期位置に付勢された外枠11施錠用の鉤部材33および遊技機前面ユニット23施錠用の鉤部材によって規定位置に配置された状態で、遊技機ベースユニット22内に組み込まれている。この遊技機ベースユニット22は、特に図46の左側部分にて示したように、その前面側面に、上述した遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、各鉤金具44は上述した施錠装置3101に係止される。
また、図46において、第1可動部32aの左奥側(パチンコ機10の前面右側)には、遊技機前面ユニット23の後面側に取り付けてある各鉤金具44が係止される挿入孔45が形成された鉤金具が複数配置されている。また、第1可動部32aの左手前側(パチンコ機10の背面右側)には、外枠11に設けた受け金具34に係止される鉤金具33が配置してある。また、連動杆32の下部には、図47(b)に示すように、シリンダ錠35側の操作部が係合する操作穴32c・32dがそれぞれ形成してある。これらの操作穴32c・32dには、シリンダ錠35に形成された円弧状の2本の爪で操作し得るようになる。
<下固定ヒンジ部材2261と上固定ヒンジ部材2262を同時に施錠又は解錠する施錠装置3101の構成>
実施例5の施錠装置3101は、遊技機ベースユニット22を外枠11に施錠又は解錠する際に、同時に下固定ヒンジ部材2261及び上固定ヒンジ部材2262の両者にも施錠又は解錠することができる。図47(a)に示すように、上固定ヒンジ部材2262の可動端側には、連動杆32上端の停止部32eが係合することで施錠状態になる。図示するように、上固定ヒンジ部材2262の可動端側に樹脂製の当接部材2273を設け、これが連動杆32の上端部に形成した断面が逆L形状の停止部32eに当たり、上固定ヒンジ部材2262の可動を阻止する。即ち、外枠11に対して遊技機ベースユニット22を固定した状態にすることができる。
一方、図47(b)に示すように、下固定ヒンジ部材2261の可動端側に上記した連動杆32に連動する鉤部材33の下端部に設けた爪部32fが係合することで施錠状態になる。図示するように、下固定ヒンジ部材2261の可動端側にスリット2272を形成し、ここに鉤部材33の下端部の爪部32fが係合し、施錠することができる。
ここで、図48(a)に示すように、上固定ヒンジ部材2262の当接部材2273から、連動杆32上端の停止部32eを外すこと、図示例では下げることで解錠状態になる。このときは、施錠装置3101の挿入孔45も同時に遊技機前面ユニット23の受け金具44からそれぞれ外れる。シリンダ錠35がパチンコ機10の正面視左回りに回される、即ち、鍵をシリンダ錠35に差し込んで左回りに操作すると、遊技機前面ユニット23を開放できると同時に、上固定ヒンジ部材2262が展開可能となる。なお、この場合には、下固定ヒンジ部材2261は施錠状態が維持される。よって、遊技機ベースユニット22を外枠11から取り外してパチンコ機10の点検作業をしたり、パチンコ機10の製造工程において遊技機ベースユニット22を起立させたりする際に上固定ヒンジ部材2262のみを展開可能な状態にしたい場合、シリンダ錠35に鍵を差し込んで左回りに操作すれば良い。
一方、図48(b)に示すように、下固定ヒンジ部材2261のスリット2272から連動杆32の下端の爪部32fが外れることで解錠状態になる。このとき、上固定ヒンジ部材2262の当接部材2273から、連動杆32上端の停止部32eが外れ、施錠装置3101の鉤金具33も同時に外枠11の受け金具34からそれぞれ外れる。そこで、外枠11に対して遊技機ベースユニット22を開閉可能な状態にすることができる。シリンダ錠35がパチンコ機10の正面視右回りに回される、即ち、鍵をシリンダ錠35に差し込んで右回りに操作すると、上固定ヒンジ部材2262および下固定ヒンジ部材2261が同時に展開可能となり、外枠11に対して遊技機ベースユニット22を簡単に開放することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、残存遊技球数が29個となるように、上下通路ユニット134において切換片から払出装置135の回転体までの通路長を設定したが、残存遊技球数は29個に限定されることはなく、単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しない数であれば具体的な数は任意である。例えば、上記実施の形態における単位遊技球数の設定において、残存遊技球数を17個、19個、23個等としてもよい。
(2)入賞口62〜65に対する単位遊技球数の設定は、上記実施の形態のものに限定されることはなく、任意である。但し、単位遊技球数の設定を変更した場合には、それら単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないように残存遊技球数を変更する必要がある。ちなみに、可変入賞装置63に対する単位遊技球数を15個に代えて、14個としてもよい。当該構成であっても、残存遊技球数を29個とすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(3)上記実施の形態では、単位遊技球数が異なる入賞口の種類を4種類としたが、これに限定されることはなく、1種類、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。この場合であっても、残存遊技球数を単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないようにすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(4)上記実施の形態では、図柄表示装置71を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、受け皿として上皿95a及び下皿96aが設けられているのではなく、単一の受け皿が設けられたパチンコ機にも、本発明を適用できる。
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
遊技機A
遊技機、例えばパチンコ遊技機の入れ替え時には、パチンコ島内を構成する個々の取付枠に、パチンコ遊技機をいわゆる木枠と称される木製の外枠と共に嵌め込む。このとき、取付枠に対してパチンコ遊技機をその上部を作業者側に傾斜させ、パチンコ遊技機の下部を先に嵌め込み、次にその上部を押し込むようにして嵌め込む。次に、この外枠に対して回動可能に取り付けられた遊技機主部を扉のように開ける。パチンコ島に嵌め込まれた遊技機の外枠の上部の内面から上方に向けて釘を数本上部枠板に打ち込む。同様に遊技機の外枠の下部の内面から下方に向けて釘を数本下部枠板に打ち込んで外枠をパチンコ島の取付枠に固定する。
例えば、外枠の上部に釘を2本、下部にも2本を打ち込んで固定する。なお、釘を完全に打ち込まず、釘の頭から5〜6ミリ残しておく。打ち込んだだけでは島の上部枠板と下部枠板と外枠の間に隙間ができる。次に、釘の頭部をバールで引っ張ることにより、隙間が少なくなり固定される。釘の頭部を少し浮かすことによって次回の入れ替えの際に簡単に抜けるようになっている。その後、パチンコ遊技機について所定の傾斜を調整する。
遊技機をパチンコ島の取付枠から取り外すときは、遊技機主部を扉のように開ける。遊技機の外枠の上部と下部から打ち込んだ釘を引き抜く。次に、パチンコ島の取付枠から遊技機を外枠と共に外し、遊技機全体を取り外す。
このような遊技機の入れ替えに際して、釘の引く抜きと新たな遊技機の釘の打ち込みが必要なため、作業の煩雑さは解消されないものであった。そこで、遊技機をパチンコ島の取付枠に容易に取り付け、取り外すことに関する技術について、例えば特許文献2の特開平7−51459号公報「パチンコ台の取付装置」が提案されている。
特開平7−51459号公報
しかし、特許文献2の「パチンコ台の取付装置」では、パチンコ島の取付枠(取付板)両側面に、遊技機の外枠側と自在に着脱する別個の枠体を更に設ける構造である。そのために、パチンコ島の取付枠に枠体を更に設ける作業が必要になるという問題を有していた。
また、従来のこのような外枠付きの遊技機は、遊技機主部の周囲に木製と金属製の枠体(外枠)が一体になっているので、遊技機の入れ替えの際に、ホール内で嵩張り、入れ替え作業の邪魔になりやすいという問題を有していた。
そこで、本発明の発明者は、遊技機の島の枠板への固定手段を釘以外の手段にすることに着目した。遊技機主部から所謂外枠を分離し、遊技機主部のみを島に容易に取り付け、取り外すことにより、遊技機の入れ替えを短時間で終了することができ、かつ大量の遊技機をコンパクトに搬送できることに着目した。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部と外枠とを分離した構成にすることで、遊技機主部をコンパクトにして容易に搬送でき、また遊技機主部を分離した外枠に迅速に取り付け、取り外しができると共に、その外枠と嵌合する部材が、遊技機主部を自立させることができ、円滑に入れ替え作業ができる遊技機を提供することにある。
遊技機A1は、遊技機主部とこれを支持する外枠とが分離する遊技機であって、
遊技機主部の底部において、細長い板状の一端が展開自在になるように、その他端を該遊技機主部に回動自在に軸支されたヒンジ部材と、
前記ヒンジ部材と着脱自在に係合させることができる係合金具を具備した外枠と、を備え、
前記外枠に、前記遊技機主部を前記ヒンジ部材を介して着脱自在に固定し得るように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A1では、遊技機主部が外枠から分離した構造になり、遊技機主部を外枠に装着する際に、遊技機ベースユニットに設けられたヒンジ部材を、外枠の係合金具に嵌合させることにより、遊技機主部と外枠とを強固に嵌合させることができる。入れ替え作業に際してこのヒンジ部材は、遊技機ベースユニットから展開した状態にすると、そのまま遊技機主部(遊技機ベースユニット)を自立させることができる。即ち、遊技機主部のみを交換するので、遊技機主部は下部が不安定な状態になるが、遊技機主部の下部に設けた可動自在になる下側部材が展開した状態になっていると、遊技機主部の転倒を防止することができ、遊技機主部を自立させることができる。
このヒンジ部材は、弾性部材の付勢力により係止を解除することで自動展開する構造になる。一方、ヒンジ部材を遊技機ベースユニットと平行に維持することで、従来の外枠と一体になった遊技機と比較してコンパクトに取り扱うことができる。
特に、遊技機主部と外枠とが分離する構成であるために、最初に外枠をホールの島の上部枠板と下部枠板の間に釘固定しておくことにより、遊技機の入れ替えに際しては、遊技機主部のみを交換するだけで迅速に入れ替え作業を終了させることができる。
遊技機A2は、前記ヒンジ部材は、その長手方向に数箇所の固定用の係合横孔が開けられ、
前記外枠の係合金具は、各係合横孔に係合する係合片が複数形成された、ことを特徴とする遊技機1の遊技機。
遊技機A2では、このように形成することで、ヒンジ部材(遊技機ベースユニット)を、係合金具(外枠)に強固に取り付けることができる。
遊技機A3は、前記外枠の係合金具は、その長手方向に数箇所に位置決め用の出没自在になる嵌合ピンを備え、
前記ヒンジ部材は、各嵌合ピンが嵌合する嵌合孔が開けられた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A3では、この嵌合ピンが出没自在になるので、ヒンジ部材を係合金具面上をスライドさせるように閉止させるだけで、嵌合ピンを嵌合孔に嵌合させることができ、位置決めとしての機能を発揮する。
遊技機A4は、前記外枠の係合金具に、前記ヒンジ部材の嵌合孔に嵌合している嵌合ピンを下から一時的に固定するストッパを、更に備えた、ことを特徴とする遊技機A3の遊技機。
遊技機A4では、ストッパを嵌合ピン側に移動させると、嵌合ピンを突出した状態で維持することにより、嵌合ピンを一時的に固定することができ、ヒンジ部材が係合金具から外れないようにすることができる。
遊技機A5は、前記ヒンジ部材に切り欠き状の被係止部を設け、
該被係止部に、施錠装置に設けられている鉤金具と連動する展開防止金具が係止するように構成した、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A5では、この展開係止金具が、シリンダ錠の操作によって連動杆を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠に対する遊技機ベースユニットの施錠状態が解除される。外枠に対する遊技機ベースユニットの施錠状態とすることができる。運搬時、格納時に、この展開防止金具により遊技機ベースユニット22にヒンジ部材を格納してコンパクトにすることができる。
遊技機A6は、遊技機主部の底部において、細長い板状の一端が展開自在になるように、その他端を該遊技機主部に回動自在に軸支されたヒンジ部材を備え、
前記ヒンジ部材を、遊技機用島設備に固定された取付枠に設けられた係合金具に着脱自在に係合させ、
該取付枠に、前記遊技機主部を前記ヒンジ部材を介して着脱自在に固定し得るように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A6では、遊技機主部が外枠から分離した構造になり、遊技機主部はコンパクトになり、嵩張らない。予め外枠に相当する枠体をパチンコ島に設置しておくことで、遊技機の入れ替えに際して、この枠体に遊技機主部が着脱自在に嵌合することができ、短時間でこの枠体に遊技機主部を取り付けることができる。また、遊技機主部を取り外すことができる。
遊技機A7は、前記ヒンジ部材は、その長手方向に数箇所の固定用の係合横孔が開けられ、
前記取付枠の係合金具は、各係合横孔に係合する係合片が複数形成された、ことを特徴とする遊技機A6の遊技機。
遊技機A8は、前記取付枠の係合金具には、その長手方向に数箇所に位置決め用の出没自在になる嵌合ピンを備え、
前記ヒンジ部材は、各嵌合ピンが嵌合する嵌合孔が開けられた、ことを特徴とする遊技機A6の遊技機。
遊技機A9は、前記取付枠の係合金具には、前記ヒンジ部材の嵌合孔に嵌合している嵌合ピンを下から固定するストッパを、更に備えた、ことを特徴とする遊技機A8の遊技機。
遊技機B
遊技機主部(遊技機ベースユニット)は外枠に対してヒンジ機構を介して開閉可能となる。このヒンジ機構は、外枠に対し遊技機ベースユニットを、その開閉支点を左右方向に変化させ、かつ遊技機ベースユニットを前方に向けて適宜に変位させながら開放するように、外枠側の支持金具と、遊技機ベースユニット側の支持金具と、一端部がピンによって外枠側の支持金具に回動可能に連結され、他端部がピンとスライド溝によって遊技機ベースユニット側の支持金具に回動及びスライド可能に連結された支持アームとを備えたスライドヒンジ機構によって構成されている。
また、遊技機ベースユニットの自由端側には、鉤金具が設けられ、外枠の右側端部には、受け金具から成る係止部が外枠と一体に形成されている。遊技機ベースユニットを閉止するとき、鉤金具を外枠の受け金具に係止させ、遊技機ベースユニットを閉止することができ、遊技機ベースユニットが外枠に対して固定される。
遊技機、例えばパチンコ遊技機の入れ替え時には、パチンコ島内を構成する個々の取付枠に、パチンコ遊技機をいわゆる木枠と称される木製の外枠と共に嵌め込む。外枠の上部に釘を2本、下部にも2本を打ち込んで固定する。なお、釘を完全に打ち込まず、釘の頭から5〜6ミリ残しておく。打ち込んだだけでは島の上部枠板と下部枠板と外枠の間に隙間ができる。次に、釘の頭部をバールで引っ張ることにより、隙間が少なくなり固定される。釘の頭部を少し浮かすことによって次回の入れ替えの際に簡単に抜けるようになっている。その後、パチンコ遊技機について所定の傾斜を調整する。
遊技機をパチンコ島の取付枠から取り外すときは、遊技機主部を扉のように開ける。遊技機の外枠の上部と下部から打ち込んだ釘を引き抜く。次に、パチンコ島の取付枠から遊技機を外枠と共に外し、遊技機全体を取り外す。
このような遊技機の入れ替えに際して、遊技機の外枠における下枠部分の前面に、受け面および当接領域を形成した保護部材を着脱交換可能に取着し得る遊技機に関する技術について、例えば特許文献3の特開2000−42221号公報「パチンコ遊技機における外枠」が提案されている。
しかし、特許文献3の「パチンコ遊技機における外枠」では、パチンコ島の取付枠(取付板)両側面に、遊技機の外枠側と自在に着脱する別個の枠体を更に設ける構造である。そのために、パチンコ島の取付枠に枠体を更に設ける作業が必要になるという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部(遊技機ベースユニット)と外枠とを分離した構成にすることで、遊技機主部をコンパクトにして容易に搬送でき、また遊技機主部を分離した外枠に迅速に取り付け、取り外しができ、円滑に入れ替え作業ができる遊技機を提供することにある。
遊技機B1.
遊技機主部とこれを開閉自在に支持する外枠とが分離する遊技機であって、
前記外枠の上部に固定された、軸部材を突出させた板材から成るヒンジ板と、
前記遊技機主部を構成する遊技機ベースユニットの上部に固定された、前記軸部材を掛け止める得る長孔から成るヒンジ受け金具と、を備え、
前記外枠に対して、前記遊技機主部を水平方向へ着脱自在に取り付けられるように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機B1では、遊技機主部が外枠から分離した構造になり、遊技機主部を外枠に装着する際に、遊技機主部と外枠の上部において、外枠の軸部材に向けて、遊技機主部をそのヒンジ受け金具の長孔の低い位置から水平方向に差し込むことにより、遊技機主部と外枠とを強固に嵌合させることができる。このとき長孔の低い位置は、軸部材と干渉することなく通過することができる。軸部材は長孔の高い位置の最奥端部まで移動すると、抜け止め具を通過した状態になり、この抜け止め具は弾性部材の付勢力により、元の位置まで戻り、この抜け止め具と長孔の最奥端部との間で、回動するが抜けない状態になり、ヒンジ機構を奏する。
一方、遊技機主部と外枠の下部においては、遊技機主部のヒンジ部材は、外枠の係合金具に、水平方向に移動するように掛け止めることにより、遊技機主部を外枠への取り付けが完了する。このヒンジ部材が文字通りヒンジ機構を奏する。
遊技機B2は、前記ヒンジ板は、板材の一部に下方へ突出するように軸部材が設けられたものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B2では、軸部材が下方へ突出するようになっているので、ヒンジ受け金具の長孔に容易に掛け止めることができる。
遊技機B3は、前記軸部材の先端は、逆円錐台形状をしている、ことを特徴とする遊技機B2の遊技機。
遊技機B3では、軸部材の先端が逆円錐台形状をしているので、この軸部材の位置が、ヒンジ受け金具の長孔の隙間に完全に一致していなくても、この先端の傾斜部分が軸中心に案内する作用があり、容易に掛け止めることができる。
遊技機B4は、前記ヒンジ受け金具の長孔は、低い位置と高い位置とから成る段差を有し、この低い位置から前記軸部材を掛け止められ、高い位置は該軸部材の抜け止め機能を有するものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B4では、この高い位置の最奥の位置が、抜け止め具の側面により、軸部材は回動するが、抜けない程度の外径を形成し得るようになっている。そこで、ヒンジ機構を奏する。
遊技機B5は、前記ヒンジ受け金具は、前記長孔の高い位置に、出没自在になる抜け止め具が設けられた抜け止め構造を有するものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B6は、前記抜け止め具は、平面視で略平行四辺形状を有する部材から成り、前記抜け止め構造内において弾性部材で常時押圧され、前記軸部材が前記長孔内を移動する際に出没自在に移動し、該軸部材の抜け止め機能を有する、ことを特徴とする遊技機B5の遊技機。
遊技機B5、遊技機B6では、抜け止め具は略並行四辺形状になるので、その斜面部分に軸部材が当たると、この斜面部分を押圧する力は、そのまま抜け止め具を横方向への押圧する力として作用する。そこで、抜け止め具の弾性部材に抗して、軸部材は抜け止め具を通過して長孔の高い位置の最奥端部まで移動する。軸部材は、この抜け止め具と長孔の最奥端部との間で、回動するが抜けない状態になる。
遊技機C
遊技機主部(遊技機ベースユニット)は外枠に対してヒンジ機構を介して開閉可能となる。このヒンジ機構は、外枠に対し遊技機ベースユニットを、その開閉支点を左右方向に変化させ、かつ遊技機ベースユニットを前方に向けて適宜に変位させながら開放するように、外枠側の支持金具と、遊技機ベースユニット側の支持金具と、一端部がピンによって外枠側の支持金具に回動可能に連結され、他端部がピンとスライド溝によって遊技機ベースユニット側の支持金具に回動及びスライド可能に連結された支持アームとを備えたスライドヒンジ機構によって構成されている。
また、遊技機ベースユニットの自由端側には、鉤金具が設けられ、外枠の右側端部には、受け金具から成る係止部が外枠と一体に形成されている。遊技機ベースユニットを閉止するとき、鉤金具を外枠の受け金具に係止させ、遊技機ベースユニットを閉止することができ、遊技機ベースユニットが外枠に対して固定される。
遊技機、例えばパチンコ遊技機の入れ替え時には、パチンコ島内を構成する個々の取付枠に、パチンコ遊技機をいわゆる木枠と称される木製の外枠と共に嵌め込む。外枠の上部に釘を2本、下部にも2本を打ち込んで固定する。なお、釘を完全に打ち込まず、釘の頭から5〜6ミリ残しておく。打ち込んだだけでは島の上部枠板と下部枠板と外枠の間に隙間ができる。次に、釘の頭部をバールで引っ張ることにより、隙間が少なくなり固定される。釘の頭部を少し浮かすことによって次回の入れ替えの際に簡単に抜けるようになっている。その後、パチンコ遊技機について所定の傾斜を調整する。
遊技機をパチンコ島の取付枠から取り外すときは、遊技機主部を扉のように開ける。遊技機の外枠の上部と下部から打ち込んだ釘を引き抜く。次に、パチンコ島の取付枠から遊技機を外枠と共に外し、遊技機全体を取り外す。
このような遊技機の入れ替えに際して、遊技機の外枠における下枠部分の前面に、受け面および当接領域を形成した保護部材を取着し得る遊技機に関する技術について、例えば特許文献4の特開2000−42221号公報「パチンコ遊技機における外枠」が提案されている。
しかし、特許文献4の「パチンコ遊技機における外枠」では、パチンコ島の取付枠(取付板)両側面に、遊技機の外枠側と自在に着脱する別個の枠体を更に設ける構造である。そのために、パチンコ島の取付枠に枠体を更に設ける作業が必要になるという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部(遊技機ベースユニット)と外枠とを分離した構成にすることで、遊技機主部をコンパクトにして容易に搬送でき、また遊技機主部を分離した外枠に迅速に取り付け、取り外しができ、円滑に入れ替え作業ができる遊技機を提供することにある。
遊技機C1は、所定の遊技部品(遊技機ベースユニット)を含む遊技部材(遊技機主部)が支持部材(外枠)に対して着脱可能に構成されるとともに、前記遊技部品が前記支持部材に対して開閉可能に構成された遊技機であって、
前記遊技部材は、
前記支持部材に取り付けられる取付部を有し、前記支持部材に対する前記遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられる取付部品を備え、
前記取付部品に対して前記遊技部品が閉じられた状態とした遊技部材が、遊技機の正面側を向いた状態で前記支持部材に取付可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機C1の発明では、遊技機主部などの遊技部材が外枠などの支持部材から分離した構造になり、遊技部材を支持部材に装着する際に、該遊技部材に設けられた前記支持部品を開閉可能とする開閉手段とを有する取付部材により、遊技部品が閉じられた状態の遊技部材を、遊技機の正面側を向いた状態で支持部材に取り付けることができる。
遊技機C2は、前記取付部材は、前記遊技部材の底部において、細長い板状の一端が展開自在になるように、その他端を該遊技部材に回動自在に軸支されたヒンジ部材であり、該ヒンジ部材は前記支持部材に具備した係合具に係合させ、該ヒンジ部材を固定し得るように構成した、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C3は、前記取付部材は、板状の下側ヒンジ部材と、該下側ヒンジ部材の長手方向の一端に上方へ立ち上げた連結縦棒と、該連結縦棒の上部に上側ヒンジ部材とから成るL字状枠部材であり、
該下側ヒンジ部材は前記支持部材の下部に具備した係合具に係合させ、該上側ヒンジ部材は前記支持部材の上部に具備したヒンジ受け部にそれぞれ係合させ、該L字状枠部材を固定し得るように構成した、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C4は、前記取付部材は、板状の下側ヒンジ部材と、該下側ヒンジ部材の長手方向の一端に上方へ立ち上げた連結縦棒と、該連結縦棒の上部に上側ヒンジ部材と、該下側ヒンジ部材の他端に上方へ立ち上げた縦板材と、該縦板材の上部と、前記上側ヒンジ部材とを連結する水平板材で略四角形状に構成した四角状枠部材であり、
該下側ヒンジ部材は前記支持部材の下部に具備した係合具に係合させ、該上側ヒンジ部材は前記支持部材の上部に具備したヒンジ受け部にそれぞれ係合させ、該四角状枠部材を固定し得るように構成した、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C5は、前記縦板材に、施錠装置を構成する受け金具を更に備えた、ことを特徴とする遊技機C4の遊技機。
遊技機C1〜C4の発明では、このようなヒンジ部材、L字状枠部材又は四角状枠部材などの取付部材により、支持部材は遊技場に設置したままで、遊技部材のみを簡単かつ迅速に交換することができる。このとき、従来のように外枠がなくても遊技部材を起立姿勢に保持することができ、外枠がない状態でも遊技機を遊技場へ納入することができる。
また、取付部材の共通化を図ることができ、様々な機種の遊技部材に対応することができる。遊技部材の取り外しには、開放操作を必須とするために、不正行為を防止する。これらの取付部材を遊技部材側に組付けた状態とすることで、機種変更時にはヒンジ軸の位置変更にも容易に対応することができる。
更に、取付部材の取り外しは、遊技部品を開放状態とし、工具を用いて、又は一部を破壊して行う。取付部材の上側の部品が破壊されると、再度の取付が不能となり、不正の根拠を発見しやすくなる。なお、この破壊部を有する部品のみを交換すれば、取付部材は何回でも使用することができる。
遊技機D
遊技機主部(遊技機ベースユニット)は外枠に対してヒンジ機構を介して開閉可能となる。このヒンジ機構は、外枠に対し遊技機ベースユニットを、その開閉支点を左右方向に変化させ、かつ遊技機ベースユニットを前方に向けて適宜に変位させながら開放するように、外枠側の支持金具と、遊技機ベースユニット側の支持金具と、一端部がピンによって外枠側の支持金具に回動可能に連結され、他端部がピンとスライド溝によって遊技機ベースユニット側の支持金具に回動及びスライド可能に連結された支持アームとを備えたスライドヒンジ機構によって構成されている。
また、遊技機ベースユニットの自由端側には、鉤金具が設けられ、外枠の右側端部には、受け金具から成る係止部が外枠と一体に形成されている。遊技機ベースユニットを閉止するとき、鉤金具を外枠の受け金具に係止させ、遊技機ベースユニットを閉止することができ、遊技機ベースユニットが外枠に対して固定される。
遊技機、例えばパチンコ遊技機の入れ替え時には、パチンコ島内を構成する個々の取付枠に、パチンコ遊技機をいわゆる木枠と称される木製の外枠と共に嵌め込む。外枠の上部に釘を2本、下部にも2本を打ち込んで固定する。なお、釘を完全に打ち込まず、釘の頭から5〜6ミリ残しておく。打ち込んだだけでは島の上部枠板と下部枠板と外枠の間に隙間ができる。次に、釘の頭部をバールで引っ張ることにより、隙間が少なくなり固定される。釘の頭部を少し浮かすことによって次回の入れ替えの際に簡単に抜けるようになっている。その後、パチンコ遊技機について所定の傾斜を調整する。
このようにパチンコ遊技機に適度な傾斜を与えることにより、パチンコ遊技機における出球の調整を管理している。遊技盤の傾斜が少し違うだけで、大きくスタート(回転数)に影響する。通常パチンコ遊技機は寝かした状態、即ち遊技盤の表面が上方に向いた状態の方が回りやすい。遊技盤上での遊技球の滞留時間が長くなり、遊技盤からの入賞率が上昇し、道釘から遊技盤へ乗る確率が増大する。
このような遊技機の入れ替えに際して、遊技盤の傾斜を調整する技術について、例えば特許文献5の特開2002−159722号公報「パチンコ遊技機の取付け装置」が提案されている。
しかし、特許文献5の「パチンコ遊技機の取付け装置」は、パチンコ島の取付枠に、遊技機の枠体を取り付けたものであり、その外周にねじ切りがされたボルト部と、その内周にねじ切りがされたナット部と、から成るパチンコ遊技機の傾斜を調整する調節部材を備えた構造である。いわゆる、ねじ式の調節部材であるために、現在の遊技機の傾斜角度を簡単かつ迅速に判断できないという問題を有していた。例えば、多数の遊技機を入れ替える際に長時間を要するといおそれがあった。また、この調節部材の部品点数が多く製造コストが高くなりやすいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部(遊技機ベースユニット)と外枠とを分離した構成にすることで、遊技機主部をコンパクトにして容易に搬送でき、また遊技機主部を分離した外枠に迅速に取り付け、取り外しができると共に、新台入れ替え作業の際に、遊技機の設置と遊技機の傾斜調整を同時に完了させることができる遊技機を提供することにある。
遊技機D1は、所定の遊技部品が開閉可能に構成された遊技部材と、該遊技部材(を開閉可能に支持する支持部材とが分離可能に構成された遊技機であって、
前記支持部材に設けられた被取付部に、取り付けられる取付部を具備した枠部材と、
前記遊技部材に設けられた支持部品を開閉可能とする開閉手段を有すると共に、前記取付部を具備した枠部材に、着脱自在に取り付けられる取付部材と、
前記支持部材と前記枠部材とに設けられた、前記取付部材をその傾斜角度を可変して装着し得る傾斜調節構造と、を備えた、ことを特徴とする遊技機D。
遊技機D2は、前記支持部材と前記枠部材は、該支持部材に枠部材を遊技機の正面側を向いた状態で装着するように構成したものである、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D1、D2では、遊技機主部などの遊技部材が外枠などの支持部材から分離した構造になり、遊技部材を支持部材に装着する際に、該遊技部材に設けられた支持部品を開閉可能とする開閉手段とを有する取付部材により、遊技部品が閉じられた状態の遊技部材を、遊技機の正面側を向いた状態で支持部材に取り付けることができる。
遊技機D3は、前記傾斜調節構造は、前記支持部材と前記枠部材とに両者が嵌脱自在に嵌合する部材を設け、
その部材の嵌合する位置を変位することにより、前記取付部材の傾斜角度を可変して装着し得る構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D3では、前記支持部材と枠部材とに両者が嵌脱自在に嵌合するように設けられた、部材の嵌合する位置を変位することにより、取付部材の傾斜角度を可変して装着し得る構成の傾斜調節構造では、新台入れ替え作業の際に、遊技機の設置と遊技機の傾斜調整を同時に完了させることができる。
遊技機D4は、前記傾斜調節構造は、前記枠部材に開けた複数の嵌合孔と、
前記支持部材に位置をずらしながら設けた、該嵌合孔に嵌脱自在に嵌合する複数の突起と、から成り、
その突起が嵌合孔に嵌合する位置を変位することにより、前記取付部材の傾斜角度を可変して装着し得る構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D5は、前記傾斜調節構造は、前記枠部材に位置をずらしながら開けた複数の嵌合孔と、
前記支持部材に設けた、該嵌合孔に嵌脱自在に嵌合する複数の突起と、から成り、
その突起が嵌合孔に嵌合する位置を変位することにより、前記取付部材の傾斜角度を可変して装着し得る構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D4、D5では、複数の突起の位置は、1個変位すると傾斜角度が1度可変するように設定することにより、何番目の突起が嵌合孔に嵌合しているかを確認するだけで、傾斜角度を容易に判別することができる。新台入れ替え作業の際に、複数の突起の位置を予め決めておくことにより、枠部材を外枠に装着するだけで、遊技機の設置とその傾斜調整を同時に完了させることができる。しかも、突起の位置を視認しやすいので、その遊技機の傾斜角度を確認しながら作業することができる。
遊技機E
遊技機、例えばパチンコ機は、遊技場に取り付ける際に釘が打ち込まれるために一部が木製で構成された外枠を備えている。パチンコ機の入れ替え時には、遊技場のパチンコ島内を構成する個々の取付枠に外枠を嵌め込む。そして、取付枠に対して外枠の上部の内面から上方に向けて釘を数本上部枠板に打ち込み、同様に外枠の下部の内面から下方に向けて釘を数本下部枠板に打ち込んで、外枠をパチンコ島の取付枠に固定する。その後に、外枠に対して、遊技機の本体部分となる遊技機主部を取り付けると、遊技機主部が外枠に対して前方に開閉可能な状態で取り付けられる。このような遊技機の外枠に関する技術について、例えば特許文献6の特開2000−153045号公報「パチンコ機の外枠」が提案されている。
しかし、このような遊技機において入れ替えや点検に際して、外枠から遊技機主部を取り外した状態とすることがあるものの、遊技機主部単体では自立させることが困難であるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機主部(遊技部材)が外枠(支持部材)から取り外された状態で起立し易く構成された遊技機を提供することにある。
遊技機E1は、所定の遊技部品を含む遊技部材が支持部材に対して着脱可能に構成されるとともに、前記遊技部品が前記支持部材に対して開閉可能に構成された遊技機であって、
前記遊技部材の少なくとも一端部には、
前記支持部材に取り付けられる取付部を有し、前記支持部材に対する前記遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられるとともに、前記遊技部品に対して閉鎖状態より開放状態とした場合に前記遊技部品の後方に突出した状態とされる取付部品が設けられ、
前記遊技部材は、前記遊技部品に対して前記取付部品を閉鎖状態から開放状態とすることによって起立し易く構成されている、ことを特徴とする遊技機。
遊技機E1によれば、遊技部材に設けられる取付部品は、その取付部が支持部材に取り付けられ、支持部材に対する遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられる。このため、遊技部材が支持部材に取り付けられた状態においては、取付部品が支持部材に固定された状態となって、取付部品および支持部材に対して遊技部品が開閉可能となる。
また、遊技部材の少なくとも一端部に設けられる取付部品は、遊技部品に対して閉鎖状態より開放状態とした場合に遊技部品の後方に突出した状態とされる。この状態においては、遊技部材を支持する箇所が前後に離間した状態となるため、遊技部材が支持部材から取り外された状態で起立し易くなる。よって、支持部材から取り外した状態の遊技部材が不用意に倒れるおそれが少なくなり、遊技場での遊技機入れ替え作業や点検作業、または工場での遊技機製造途中において遊技部材の仮置きを容易にしたり、複数並べて保管する際にも安定した状態で容易に保管することができる。
ここで、遊技機E1において、遊技部材の少なくとも一端部に取付部品が設けられるとは、取付部品の少なくとも一部が遊技部材の少なくとも一端部に位置することを意味し、取付部品が遊技部材の一端部側にのみ位置する大きさであっても、取付部品が遊技部品の一端部から他端部にわたる遊技部品と同等の長さまたは大きさを有するものであっても良い。また、遊技部材の少なくとも一端部とは、遊技部材の下端部に限らず上端部であっても良く、遊技部材の上端部の場合において遊技部材が起立する態様としては遊技部材の上部を下側にして逆向きに起立する態様であっても良い。
また、遊技機E1において、支持部材に対する遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられるとは、支持部材に対する遊技部品の開閉と、取付部品に対する遊技部品の開閉とが、同一の開閉軸を中心として開閉する態様はもちろん、複数の軸を支点としたリンク機構を伴う開閉構造において支持部材に対する遊技部品の開閉と、取付部品に対する遊技部品の開閉とが同一の態様で行われるものを含む。
また、遊技機E1において、遊技部材は、遊技部品に対して取付部品を閉鎖状態から開放状態とすることによって起立し易く構成されているとは、取付部品を閉鎖状態としているときには遊技部材が起立せず、取付部材を開放状態とすることで起立可能となる構成はもちろん、取付部品を閉鎖状態としているときと開放状態としているときとの両状態において遊技部材が起立しないもの、および、両状態において遊技部材が起立するものも含まれる。上記両状態において遊技部材が起立しないものにおいては、閉鎖状態より開閉状態とした方が、取付部品の一端部を下側にして起立させつつ遊技部品の後方を支持した場合の支持力が弱いことを意味する。一方、上記両状態において遊技部材が起立するものにおいては、閉鎖状態より開閉状態とした方が、取付部品の一端部を下側にして起立させ、遊技部品の後方へ力を加えた場合に、倒すために必要な力が大きいことを意味する。
なお、遊技機E1における各構成と上記実施形態との対応は、所定の遊技部品として例えば遊技機ベースユニット22が該当し、遊技部材としては例えば遊技機主部21が該当し、支持部材としては例えば外枠11が該当し、取付部品としては例えばヒンジ部材2201、L字状枠部材2221および四角状枠部材2241,2251等が該当し、取付部としては例えば係合横穴2202、嵌合孔2205等が該当する。
遊技機E2は、前記支持部材に対して遊技部品を施錠し、所定の開錠操作によって開放可能な状態とする施錠手段と、
前記遊技部品に対して前記取付部品を開放方向に付勢する付勢手段と、
該付勢手段によって開放方向に付勢されると共に前記閉鎖状態とされた前記取付部品を前記閉鎖状態に維持し、前記所定の開錠操作が行なわれた場合に前記閉鎖状態を解除可能な閉鎖手段とを備え、
前記付勢手段は、前記所定の開錠操作によって前記取付部品に対して前記遊技部品を開放する付勢力を生じさせる、ことを特徴とする遊技機E1の遊技機。
遊技機E2では、付勢手段によって遊技部品に対して取付部品が開放方向に付勢されているので、取付部品を開放状態に容易に維持することができ、支持部材から取り外された状態の遊技部材を安定して起立状態とすることができる。
また、付勢手段によって開放方向に付勢される取付部品が閉鎖手段によって閉鎖状態に維持することができるので、取付部品を閉鎖状態にして遊技部材を支持部材に取り付ける作業を簡易に行うことができる。
さらに、閉鎖手段によって閉鎖状態とされた取付部品は、支持部材に対して遊技部品を開放させる際に行われる所定の開錠操作によって閉鎖状態が解除される。このため、遊技部材が支持部材に取り付けられた状態においては、所定の開錠操作を行うだけで、支持部材に対しての遊技部品の施錠状態と、取付部品と遊技部品との閉鎖状態とが同時に解除される。よって、従来と同様の開錠操作によって遊技部品を開放することができるので、取付部品の閉鎖機構を追加しても遊技場における作業性を複雑にしないで従来どおりとすることができる。
しかも、支持部材に遊技部材が取り付けられた状態においては、遊技部品を開放させる方向に付勢手段の付勢力が作用するため、遊技部品の開放初期における操作が容易になる。よって、遊技部品に大型の表示装置が設けられるなどして遊技部品の重量が重くなったとしても比較的容易に開放操作を行うことができる。
なお、遊技機E2における各構成と上記実施形態との対応は、施錠手段としては例えば施錠装置31が該当し、付勢手段としては例えば回動弾性部材2216が該当し、閉鎖手段としては例えば鉤金具33が該当する。
なお、遊技機E2における各構成と上記実施形態との対応は、施錠手段としては例えば施錠装置31が該当し、付勢手段としては例えば回動弾性部材2216が該当し、閉鎖手段としては例えば鉤金具33が該当する。
遊技機E3は、所定の遊技部品を含む遊技部材が支持部材に対して着脱可能に構成されるとともに、前記遊技部品が前記支持部材に対して開閉可能に構成された遊技機であって、
前記遊技部材の少なくとも一端部には、
前記支持部材に取り付けられる取付部を有し、前記支持部材に対する前記遊技部品の開閉と同一の態様で開閉可能に設けられるとともに、前記遊技部品に対して閉鎖状態より開放状態とした場合に前記遊技部品の後方に突出した状態とされる取付部品が2箇所設けられ、前記遊技部材は、前記遊技部品に対して前記2箇所の何れかの取付部品を閉鎖状態から開放状態とすることによって起立し易く構成されている、ことを特徴とする遊技機。
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遊技機E3によれば、遊技部材が支持部材から取り外された状態で起立し易くなる。
例えば、遊技部材の下部と上部の2カ所に取付部品を展開自在に構成したものでは、島に設置する際又は輸送の際に、支持部材から取り外された遊技部材について、下部に設けた取付部品を展開させて起立させることができる。
また、支持部材から取り外された遊技部材が上下逆に取り扱われる際でも、この上部に設けた取付部品を展開させて起立させることができ、遊技部材が上下何れの状態にあっても起立させることができる。
遊技機E4は、前記支持部材に対して前記遊技部品を施錠し、又は解錠操作によって開放すると同時に、前記取付部品も開放状態又は閉鎖状態にする施錠手段を備えた、ことを特徴とする遊技機E3の遊技機。
遊技機E4によれば、シリンダ錠に鍵を差し込み、左又は右に回転させることにより、遊技部品を支持部材に施錠又は解錠する際に、同時に2カ所に設けた取付部品の両者にも施錠又は解錠することができる。
遊技機10、A1〜A9、B1〜B6、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機10、A1〜A9、B1〜B6、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機10、A1〜A9、B1〜B6、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
本発明の遊技機は、主にパチンコ機の遊技機に利用することができるが、外枠等の枠状部材を有する構成の遊技機であれば、パチンコ機以外の様々な遊技機に利用することができる。
10 遊技機としてのパチンコ機
11 外枠
17 上側支持金具
21 遊技機主部
22 遊技機ベースユニット
2261 下固定ヒンジ部材
2262 上固定ヒンジ部材
2263 係合孔
2264 係合金具
23 遊技機前面体としての遊技機前面ユニット
3101 施錠装置
32a 第1可動部
34 受け金具
61 遊技盤
62 開放入球部としての一般入賞口
63 開閉入球部としての可変入賞装置
63a 開閉手段としての開閉扉
64 開放入球部としての上作動口
65 開閉入球部としての下作動口
65a 開閉手段としての電動役物
71 図柄表示装置
80 遊技球発射機構
84 遊技球発射ハンドル
91 窓パネル部
95 第1膨出部
95a 外側貯留部としての上皿
95b 貯留部
95c ねじボス
95d 周縁
95e 反し部
96a 外側貯留部としての下皿
103 音声ランプ制御装置
107 主制御装置
132 内側貯留部としてのタンク
135 払出装置
146 払出制御装置