JP5771859B2 - カーペット階段構造 - Google Patents

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Description

本発明は、一般住宅、マンション、オフィスビルなどの各種構造物のカーペット階段構造に関する。
従来、階段の踏み面及び段鼻部を覆うように、階段用床材が階段に敷設されている。
かかる階段用床材としては、樹脂製タイルやカーペットなどが用いられている。カーペットは、防音性がある上、踏み感触が良いので、階段用床材として好まれている。
例えば、特許文献1には、カーペット生地と弾力性のある硬質合成樹脂シートが一体的に積層された成型カーペット単位が、階段の踏み面及び段鼻部に敷設された、カーペット階段構造が開示されている。
かかる特許文献1の階段構造に用いられている成形カーペット単位は、硬質合成樹脂シートを有するので、比較的硬く、衝撃吸収性が悪いという問題点がある。特に、階段の段鼻部は、足先が当たる部分であり、その衝撃吸収性が悪いと、足先などが当たった際の痛みを緩和し難いという問題点がある。さらに、万一転んだときには、段鼻部に頭部などの身体がぶつかる場合があるので、十分な安全を確保し難いという問題点もある。また、特許文献1の階段構造では、硬質合成樹脂シートを有する成形カーペット単位が段鼻部に敷設されているので、様々な形状の階段構造に柔軟に対応できず、段鼻部の形状によっては浮きや剥がれを生じ、耐久性や安定性に欠ける場合がある。
また、特許文献2には、カーペット生地の下側に発泡ウレタン樹脂からなる発泡体層が積層されたものの縁部に塩化ビニル製縁取部材を設けたカーペット本体が、階段の踏み面及び段鼻部に敷設された、カーペット階段構造が開示されている。
かかる特許文献2の階段構造に用いられているカーペット本体は、発泡ウレタン樹脂からなる発泡体層の裏面側に加熱・加圧加工により折り曲げ用凹溝を設けて段鼻部に沿わせているので、最も衝撃吸収性を要する段鼻部の頂点において発泡体層が圧縮された構造となっており、十分な衝撃吸収性が得られないという問題点を有する。また、特許文献2の課題からも明らかなように、カーペット生地の下側に樹脂からなる発泡体層を設けた場合、段鼻部の形状に合わせて柔軟に屈曲させて敷設することが困難であり、段鼻部の形状によっては浮きや剥がれを生じ、耐久性や安定性に欠ける場合がある。加えて、特許文献2のカーペット本体には、塩化ビニル製縁取部材が設けられているので、その部分において踏み感触が悪くなる上、デザイン上の制約も有する。
また、階段の踏み面や段鼻部は、滑り難くする必要があるが、特許文献1及び2で用いられているカーペットには、滑り難くする工夫が何ら為されていない。
実公平1−44136号公報 特公平2−14047号公報
本発明の目的は、段鼻部における衝撃吸収性に優れ、歩行者の踏み感触も良く、さらに、歩行者が滑り難いカーペット階段構造を提供することである。
本発明のカーペット階段構造は、踏み面と、前記踏み面の前端部に位置する段鼻部と、前記段鼻部から下方に垂下した立面部と、を有する階段と、前記階段の踏み面に敷設された踏み面敷設用カーペットと、前記階段の段鼻部に敷設された段鼻敷設用カーペットと、を備え、前記踏み面敷設用カーペットと段鼻敷設用カーペットが、それぞれ独立したカーペットから構成され、前記段鼻敷設用カーペットが、前記段鼻部及び立面部を覆うように敷設されており、前記段鼻敷設用カーペットが、基布にタフトされたパイルと、フェルト層を有するバッキング層と、を有し、前記踏み面敷設用カーペットが、基布にタフトされたパイルと、合成樹脂層を有するバッキング層と、を有し、前記段鼻敷設用カーペットのパイルのタフト方向が、前記段鼻部の横方向であり、段鼻部の前後方向においてパイル高が異なる部分を有する。
本発明の好ましいカーペット階段構造は、前記階段が、前記立面部に連設され且つ段鼻部の反対側に位置する下面部をさらに有し、前記段鼻敷設用カーペットが、前記段鼻部、立面部及び下面部を覆うように敷設されている
本発明の好ましいカーペット階段構造は、前記踏み面敷設用カーペットのパイルのタフト方向が、前記踏み面の横方向である
本発明の好ましいカーペット階段構造は、前記段鼻敷設用カーペットの表面と踏み面敷設用カーペットの表面との色相の平均値の差又は明度の平均値の差が、2.0以上である
本発明の好ましいカーペット階段構造は、前記踏み面敷設用カーペットと段鼻敷設用カーペットの境界両側における踏み面敷設用カーペットのパイル高と段鼻敷設用カーペットのパイル高が同じ、又は、前記境界両側における踏み面敷設用カーペットのパイル高よりも段鼻敷設用カーペットのパイル高が1.5mm以下の範囲で高いものである。
本発明のカーペット階段構造は、段鼻敷設用カーペットがフェルト層を有するので、段鼻部における衝撃吸収性に優れ且つ歩行者の踏み感触も良い。さらに、本発明のカーペット構造は、段鼻敷設用カーペットのパイルのタフト方向が段鼻部の横方向であり且つ段鼻部の前後方向においてパイル高が異なる部分を有するので、段鼻部において歩行者の足裏が滑り難くなると共に、歩行者が足裏でパイルの形状を感得することができるので、段鼻を確認しながら階段を安全に昇降することができる。加えて、本発明のカーペット階段構造は、フェルト層が柔軟に様々な形状の段鼻に対応して屈曲することができるので、段鼻部の浮きや剥がれが生じ難く、耐久性に優れ、長期間に渡って安定した構造を維持することができる。また、踏み面敷設用カーペットが合成樹脂層を有するバッキング層を有するので、歩行者の荷重に対する耐久性に優れ、長期間の使用に適する。
本発明のカーペット階段構造の断面を含む一部省略斜視図。 図1の要部拡大断面図。 段鼻敷設用カーペットの、一部のパイルを省略した斜視図。 図3のIV−IV線で切断した(ゲージ方向に沿って切断した)中間部省略拡大断面図。 図3のV−V線で切断した(タフト方向に沿って切断した)拡大断面図。 踏み面敷設用カーペットの、一部のパイルを省略した斜視図。 図6のVII−VIIで切断した(ゲージ方向に沿って切断した)中間部省略拡大断面図。 段鼻敷設用カーペット及び踏み面敷設用カーペットが一体的に構成されたカーペットの、一部のパイルを省略した斜視図。 図8のIX−IX線で切断した(ゲージ方向に沿って切断した)中間部省略拡大断面図。
以下、本発明について図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書において、便宜上、方向を示す用語として、「上」は、階段を登っていく側を、「下」は、これと反対に階段を降りていく側を、「前」は、蹴上げ面から離れる側を、「後」は、これと反対に蹴上げ面に近づく側を、「横方向」は、上下方向と前後方向の双方に直交する方向を、それぞれ意味する。
本明細書において、「PPP〜QQQ」という記載は、PPP以上QQQ以下を意味する。
<カーペット階段構造>
図1及び図2において、本発明のカーペット階段構造1は、階段と、階段に敷設されたカーペットと、を備える。
階段は、複数の踏み面2と、各踏み面2の後端部から略直交状に立ち上げられた複数の蹴上げ面3と、を有する。踏み面2の前端部に、段鼻部4が設けられている。
カーペット5,6は、前記階段の踏み面2及び段鼻部4に少なくとも敷設されており、好ましくは、蹴上げ面3にも敷設される。なお、カーペット5,6は、踏み面2及び段鼻部4(及び必要に応じて蹴上げ面3)の全体に敷設されていてもよいし、或いは、踏み面2及び段鼻部4(及び必要に応じて蹴上げ面3)の一部に敷設されていてもよい。カーペット5,6が踏み面2及び段鼻部4(及び必要に応じて蹴上げ面3)の一部に敷設される場合としては、例えば、踏み面2及び段鼻部4(及び必要に応じて蹴上げ面3)の横方向の両側又は片側の一部領域を除いて、カーペットが敷設される場合などが挙げられる。
以下、階段の踏み面に敷設されるカーペットを踏み面敷設用カーペット5といい、階段の段鼻部に敷設されるカーペットを段鼻敷設用カーペット6という。
段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5は、基布61,51にタフトされたパイルを有する。
段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5は、1枚のカーペットで構成されていてもよいが、本実施形態では、段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5は、それぞれ独立したカーペットで構成されている。
段鼻敷設用カーペット6は、例えば、そのパイル7のタフト方向が前記段鼻部4の横方向となるように、段鼻部4に敷設されている。
段鼻部4の横方向がパイル7のタフト方向となるように段鼻敷設用カーペット6を敷設することにより、段鼻部4において、足裏が滑る方向(段鼻部4の前後方向)と略直交する方向にパイル7の列が並んでいる。このため、段鼻部4における足裏の滑りを効果的に防止できると共に、歩行者が足裏でパイル7の列を感得することができるので、段鼻を確認しながら階段を安全に昇降することができる。
また、踏み面敷設用カーペット5は、そのパイル8のタフト方向を前記踏み面2の横方向又は前後方向の何れの方向にして踏み面2に敷設してもよいが、好ましくは、踏み面敷設用カーペット5のパイル8のタフト方向は、段鼻敷設用カーペット6と同様に、横方向とされている。踏み面2において足裏が滑ったとしても、段鼻部4において滑り難ければ、階段から滑ることを防止できるが、踏み面2においてもパイル8の列が横方向に並んでいることによって、踏み面2でも足裏の滑りを防止できる。一方で、そのパイル8のタフト方向を前記踏み面2の前後方向として踏み面敷設用カーペット5を踏み面2に敷設した場合には、段鼻部4のパイル列と感触が異なるので、歩行者が足裏でパイル列の違いを感得しやすくなり、段鼻部4を足裏で確認しながら昇降することがより容易になる。
さらに、段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5は、それぞれ基布61,51の下面側にバッキング層63,53を有する。
段鼻敷設用カーペット6のバッキング層63は、例えば、フェルト層を有する。フェルト層は比較的柔らかく、且つ、衝撃吸収性に優れている。このため、バッキング層63としてフェルト層を有する段鼻敷設用カーペット6は、段鼻部4が複雑な形状であってもそれを均等に覆うことができ、段鼻部4の形状に依存しないで(例えば、角張った段鼻部)、段鼻部4に足先などが当たった際の痛みを緩和できる上、足先で段鼻敷設用カーペット6をつかむ事ができるのでグリップ性にも優れる。加えて、本発明のカーペット階段構造1は、フェルト層が柔軟に様々な形状の段鼻に対応して屈曲し得るので、段鼻部4に対して浮きや剥がれが生じ難く、耐久性に優れ、長期間に渡って安定した構造を維持することができる。
踏み面敷設用カーペット5のバッキング層53は、例えば、合成樹脂層を有する。踏み面敷設用カーペット5は歩行者の荷重が集中するが、バッキング層53として合成樹脂層を有する踏み面敷設用カーペット5は、耐久性に優れるので、長期間の使用に適する。
段鼻敷設用カーペット6のパイル7は、そのパイル高(基布からパイルの頂部まで長さ)が段鼻部4の前後方向において異なっている部分を有する。このように前後方向でパイル高が異なるパイル7を有するように段鼻敷設用カーペット6を段鼻部4に敷設することにより、パイル7に基づく凹凸が前後方向に生じるので、歩行者の足裏が滑ることを効果的に防止できると共に、歩行者が足裏でパイルの形状を感得することができるので、段鼻を確認しながら階段を安全に昇降できる。特に、段鼻敷設用カーペット6のバッキング層63がフェルト層を有するので、足先で段鼻敷設用カーペット6のパイル7をつかみ易くなるので、グリップ性がさらに高まる。
また、段鼻敷設用カーペット6のパイル7は、段鼻部4の横方向において、パイル高が異なる部分を有していてもよいし、或いは、同じパイル高であってもよい。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、踏み面2の前後方向及び横方向において、それぞれ、そのパイル高が異なる部分を有していてもよいし、或いは、同じパイル高であってもよい。
本実施形態では、踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、踏み面2の前後方向及び横方向において、同じパイル高である。
段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の境界両側における段鼻敷設用カーペット6のパイル7と踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、それぞれそのパイル高が異なっていてもよいし、或いは、同じパイル高であってもよい。
好ましくは、前記境界両側における段鼻敷設用カーペット6のパイル高と踏み面敷設用カーペット5のパイル高は同じ、又は、前記境界両側における踏み面敷設用カーペット5のパイル高よりも段鼻敷設用カーペット6のパイル高が1.5mm以下の範囲で高いものである。つまり、(踏み面敷設用カーペット5のパイル高−段鼻敷設用カーペット6のパイル高)=0、又は、0<(段鼻敷設用カーペット6のパイル高−踏み面敷設用カーペット5のパイル高)≦1.5mmであることが好ましい。
段鼻敷設用カーペット6のパイル高が、踏み面敷設用カーペット5のパイル高よりも高ければ、段鼻部4の位置を足裏でより感得し易い上、足先で段鼻敷設用カーペット6のパイル7をつかみ易くなってグリップ性にも優れる。段鼻敷設用カーペット6のパイル高は、踏み面敷設用カーペット5のパイル高よりも1mm以下の範囲で高いことがより好ましい。一方、歩行者に対して両パイル7,8の高低差を感得しやすくし、グリップ性も向上させるためには、段鼻敷設用カーペット6のパイル高は、好ましくは踏み面敷設用カーペット5のパイル高よりも0.5mm以上の範囲で高く、より好ましくは0.8mm以上の範囲で高いことが効果的である。
また、前記境界両側において、段鼻敷設用カーペット6のパイル高と踏み面敷設用カーペット5のパイル高が同じあれば、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の境界部分の高低差が実質的になくなるので、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の一体感が高まり意匠性に優れるという効果を奏する。
段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5の色彩又は柄は、それぞれ異なっていてもよいし、或いは、同じでもよい。
好ましくは、少なくとも段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の境界両側における段鼻敷設用カーペット6の色彩又は柄と、踏み面敷設用カーペット5の色彩又は柄とは、異なっており、より好ましくは、段鼻敷設用カーペット6の全体の色彩又は柄と、踏み面敷設用カーペット5の全体の色彩又は柄とは、異なっている。
なお、柄が異なるとは、視覚的に識別できる模様を意味し、例えば、色彩によって塗り分けられた色模様、色彩は同じでもパイル高やパイルの種類などの相違によって生じる模様などが挙げられる。
少なくとも前記境界両側における段鼻敷設用カーペット6の色彩又は柄と踏み面敷設用カーペット5の色彩又は柄とが異なっていると、段鼻部4と踏み面2を容易に見分けることができ(視認性に優れる)、階段昇降時の踏み外しを防止できる。
さらに、段鼻敷設用カーペット6の表面と、踏み面敷設用カーペット5の表面との色相の差又は明度の差(すなわち、色差)を所定以上にすることによって、段鼻部4をより視認しやすくなる。
具体的には、段鼻敷設用カーペット6の表面と、踏み面敷設用カーペット5の表面との色相の差又は明度の差は、JIS Z8720に準じ、測色計によって測定した色相の平均値の差又は明度(L値)の平均値の差が2.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
色相又は明度(L値)の差が2.0以上であれば、老人や幼児などでも容易に段鼻部4を視認でき、さらに、それが5.0以上であれば、例えば、白内障患者などの視力が低下している人であっても容易に段鼻部4を視認できるようになり、踏み外しによる転倒などを防止できる。さらに、色相の差及び明度(L値)の差が何れも2.0以上である場合はさらに効果的であり、それらの差が何れも5.0以上であることがより効果的である。
また、段鼻敷設用カーペット6のパイル7の少なくとも表面に発光物質を具備させることにより、暗闇などにおいても段鼻部4を視認できるので好ましい。
<階段>
本発明のカーペット階段構造1を適用できる階段は、特に限定されず、例えば、マンション、商業施設、教育施設、医療福祉施設、オフィスビル、一般住宅などの各種構造物が挙げられる。
階段は、踏み面2と蹴上げ面3が略直交状に構築され、この踏み面2と蹴上げ面3が多段状に上下に連続した構造を有する段鼻部4は、踏み面2の前端部に位置している。
この段鼻部4は、その前端が蹴上げ面3よりも前方へ突設されている。従って、段鼻構造は、踏み面2と同一平面上にある段鼻部4と、段鼻部4の前端から下方に垂下した立面部41と、段鼻部4の反対側に位置し且つ段鼻立面部41及び蹴上げ面3に略直交した下面部42と、を有する。
もっとも、段鼻部4の前端が蹴上げ面3と同一平面上にある階段に本発明を適用することもできる。
なお、前記略直交とは、踏み面2と蹴上げ面3との成す内角が90度という厳密な意味に解してはならず、前記内角が90度±10度を含む。一般的な階段は、前記内角が、80度〜90度である場合が多い。
また、階段の踏み面2は、勾配がついていてもよい。この踏み面2の勾配は、踏み面2が段鼻部4に近づくにつれて徐々に低くなることをいう。勾配の角度は、通常、1度〜5度程度である。なお、前記勾配の角度は、踏み面2と水平面の成す角をいう。
段鼻部4の前後方向長さLは、3mm〜6mm程度である。
<段鼻敷設用カーペット>
段鼻敷設用カーペット6は、図3〜図5に示すように、基布61と、基布61の上面から突出し且つ基布61にタフト(植設)されたパイル7と、基布61の下面に積層された接着層62と、前記接着層62を介して基布61に積層されたバッキング層63と、を有する。
なお、図5においては、糸のタフト方向を分かりやすく図示するため、パイル7を1本の糸で表しており、その他の断面図においては、ループ状のパイル7のボリューム感が出るように、パイル7を楕円形で表している。
前記基布61は、特に限定されず、例えば、ポリエステル不織布又は織布、ポリプロピレンヘッシャン織布などが挙げられる。また、前記基布61には、SBR系、MBR系、PVC系ラテックス、及びEVA系などのプレコート剤が塗布されていてもよい。
基布61の目付量は、特に限定されないが、例えば、90g/m〜140g/mであり、好ましくは、100g/m〜120g/mである。目付量が100g/m未満の基布61を用いると、強度的に弱く、パイルを十分にタフトできないおそれがある。一方、目付量が120g/mを越えた基布61を用いると、施工時に折り曲げ難くなるおそれがある。
前記パイル7は、図示したようにループパイルである。ループパイルは、弾力性があり、衝撃吸収性に優れる上、歩行者の踏み感触も良いので好ましい。もっとも、パイル7は、カットパイルであってもよい。カットパイルを用いると、カット面による防滑効果があるので、階段昇降時の滑りを抑制できる効果がある。
パイル7は、基布61の一方向にタフトされ、そのパイル7のタフト列が前記一方向と直交する方向に複数列並設されている。図示したパイル7は、ストレートタフトによって形成されている。なお、パイル7は、ニードルシフトによって形成されていてもよい。
前記パイル7の素材は、特に限定されず、例えば、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などからなる公知の繊維加工糸を用いることができる。
各列のパイル7は、ゲージ方向(ゲージ方向は、段鼻部4に敷設されたときの、段鼻部4の前後方向に相当する)において、パイル高が部分的に異なっている。
図示例の段鼻敷設用カーペット6は、最も高い第1パイル71と、最も低い第2パイル72と、前記第1パイル71と第2パイル72との中間の高さの第3パイル73と、の3種類の高さのパイル7を有する。
もっとも、段鼻敷設用カーペット6のパイル7はその高さが3種類である場合に限られず、前記第1パイル71、及び、第2パイル72又は第3パイル73の2種類でもよいし、さらに、前記第1乃至第3パイル71,72,73にさらに高さの異なるパイル7を含む4種類以上のパイル高のパイル7を有していてもよい。もっとも、パイル高の種類が多すぎると、製造に手間が掛かる上、各パイルの高低差による足裏の滑り防止効果やパイルの形状を感得する効果が弱まるので、2〜4種類のパイル高が好ましい。
第1パイル71は、段鼻敷設用カーペット6の少なくとも第1側部に配置されている。段鼻敷設用カーペット6の第1側部6aは、踏み面敷設用カーペット5の第2側部5bの縁に突き合わされる部分であって、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の境界の片側となる部分である。
一方向にタフトされた第1パイル71は、ゲージ方向に3列並んでいる。この3列を一組とした第1パイル71の隣りに、一方向にタフトされた2列一組の第2パイル72が設けられ、以後、2列一組の第1パイル71と2列一組の第2パイル72が交互に設けられている。もっとも、第1パイル71及び第2パイル72の各一組の列数は、前記のように3列又は2列に限られず、それぞれ1列又は何れか一方が1列でもよい。
もっとも、段鼻敷設用カーペット6にパイル高の異なる部分を形成し、段鼻部4における足裏の滑りを防止する観点から、第1パイル71及び第2パイル72は、それぞれ複数列一組となって交互に配置されていることが好ましい。また、このように配置することにより、歩行者が足裏でパイル列の形状を感得しやすくなるので、段鼻部4を確認しながら階段を安全に昇降することができる。加えて、段鼻敷設用カーペット6のバッキング層63がフェルト層を有するので、足先でパイル列をつかむ事ができるので、グリップ性が高くなる。
前述のように、第1パイル71及び第2パイル72の各列一組が交互に配置された後、一方向にタフトされた第3パイル73の複数列が段鼻敷設用カーペット6の第2側部6bまで一連に設けられている。第1パイル71及び第2パイル72の配置された部分と、一方向にタフトされた第3パイル73の部分の違いにより、歩行者が足裏でパイル列の形状を感得しやすくなるので、段鼻部4と踏み面2のパイルの違いを確認しやすくなって階段を安全に昇降することができる。
特に、第2パイル72が2列又は3列一組で第1パイル71の間に配置されている場合には、第2パイル72が第1パイル71の間に埋没することもなく、前記足裏の滑り防止効果を有し且つ視認性に優れた段鼻敷設用カーペット6を構成できる。この場合、第1パイル71は、1列一組でもよいし、2列以上一組として配置されていてもよい。
第2パイル72が1列一組で第1パイル71の間に配置されている場合には、第2パイル72が第1パイル71の間に埋没するおそれがある。また、第2パイル72が4列以上一組で第1パイル71の間に配置されている場合には、第1パイル71の各一組の間に配置された第2パイル72の一組が、比較的広い溝のように存在することになり、足裏の滑り防止効果やパイルの形状を感得する効果を十分に発揮しないおそれがある。
第1パイル71、第2パイル72及び第3パイル73の各パイル高は、適宜設定できる。
第1パイル71のパイル高は、好ましくは、4mm〜6mmである。第2パイル72のパイル高は、好ましくは、2mm〜4mmである。滑り難い段鼻敷設用カーペット6を構成するために、前記第1パイル71と第2パイル72のパイル高の差(第1パイル71のパイル高−第2パイル72のパイル高)は、2mm〜3mmとされていることが好ましい。
第1パイル71のパイル高が4mm未満であると、前記第1パイル71と第2パイル72のパイル高の差を2mm〜3mmとするために、第2パイル72が非常に低くなり、第2パイル72が基布61から欠落するおそれがある。一方、第1パイル71のパイル高が6mmを越えると、第1パイル71のタフト方向における規則性が乱れ、所望の模様又は柄が形成できないおそれがある。
第1パイル71と第2パイル72のパイル高の差が2mm未満であると、両パイル71,72の高低差に基づく滑り防止効果を十分に発揮しないおそれがある。第1パイル71と第2パイル72のパイル高の差が3mmを越えると、第2パイル72が第1パイル71の列間に埋没し、前記滑り防止効果を十分に発揮しないおそれがある上、所望の模様又は柄を形成できないおそれがある。
第3パイル73のパイル高は、第1パイル71よりも若干低いことが好ましく、例えば、第1パイル71のパイル高よりも0.5mm〜1mm低いことが好ましい。
第3パイル73のパイル高が第1パイル71よりも1mmを越えて低いと、段鼻敷設用カーペット6の敷設時にこれを段鼻部4の前端で折り曲げた際、第3パイル73の列の間から基布61が覗き出て、階段構造1の意匠性が低下するおそれがある。
本発明の段鼻敷設用カーペット6においては、第1パイル71及び第2パイル72の各パイル高を上記範囲にし且つ第1パイル71及び第2パイル72の各列一組をゲージ方向に交互に配置することにより、段鼻部4における足裏の滑り防止効果及びパイルの形状を感得する効果を奏すると共に、所望の模様又は柄を形成して視認性を良くしている。
なお、第1パイル71を構成する加工糸の明度と第2パイル72を構成する加工糸の明度の差を大きくすれば、段鼻部4においてより高い視認性を付与できる。前記より高い視認性を付与するための、第1パイル71を構成する加工糸と第2パイル72を構成する加工糸の色相の差又は明度の差は、JIS Z8720に準じ、測色計によって測定した色相の差又は明度(L値)の差が2.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
第1パイル71を構成する加工糸の太さは、特に限定されないが、パイル7の立体感、耐久性、第2パイル72と模様を形成する際のバランス、滑り難さ、タフト加工性などの観点から、3000dtex〜6000dtexが好ましい。3000dtex未満の糸を用いると、第1パイル71による、耐久性、足裏の滑り防止などの機能を十分に担保できないおそれがある。一方、6000dtexを越える糸を用いると、糸がニードルに入らずタフト加工が困難となるおそれがある。
第1パイル71を構成する加工糸の形態としては、例えば、異種類の原料糸を引き揃えて撚り合わせた交撚糸、2色以上のマルチフィラメントを撚糸によることなく収束させた混繊糸などが挙げられる。前記混繊糸を使用すれば、模様又は柄のバリエーションを増やすことができるので好ましい。さらに、前記加工糸として、1本のフィラメント糸をタフト可能に加工したものを用いることもできる。この1本のフィラメントからなる加工糸を用いることにより、明度又は色彩のコントラストが強くなり、高い視認性を有し且つより際立った模様を呈する段鼻敷設用カーペット6を構成できる。
第2パイル72を構成する加工糸の太さは、特に限定されないが、第1パイル71と模様を形成する際のバランス、滑り難さ、タフト加工性などの観点から、2000dtex〜3000dtexが好ましい。2000dtex未満の糸を用いると、第1パイル71と第2パイル72によって形成される模様又は柄が明瞭に視認できないおそれがある。一方、3000dtexを越える糸を用いると、目付け量が過剰となり、所望の模様又は柄を形成できないおそれがある。また、第1パイル71に3000〜6000dtexの比較的太い糸を用いているため、第2パイル72に3000dtexを越える比較的太い糸を用いると、それら太い糸同士が連続してゲージ方向に配置されるので、タフト加工性が悪くなる。
第2パイル72を構成する加工糸の形態としては、第1パイル71の加工糸と同様に、特に限定されない。第2パイル72を構成する加工糸も、第1パイル71の加工糸と同様に、交撚糸、混繊糸、1本のフィラメントを加工した糸などを適宜使用することができる。
第3パイル73を構成する加工糸の太さは、特に限定されないが、意匠性、敷設時の折り曲げ易さなどの観点から、2000dtex〜3000dtexが好ましい。2000dtex未満の糸を用いると、段鼻部4の前端で折り曲げた際に第3パイル73の列の間から基布61が覗き出て、階段構造1の意匠性が低下する。一方、3000dtexを越える糸を用いると、目付け量が過剰となり、所望の模様又は柄を形成できないおそれがある。
第3パイル73を構成する加工糸の形態としては、第1パイル71の加工糸と同様に、特に限定されない。第2パイル72を構成する加工糸も、第1パイル71の加工糸と同様に、交撚糸、混繊糸、1本のフィラメントを加工した糸などを適宜使用することができる。
なお、第1パイル71、第2パイル72及び第3パイル73は、同じ形態の加工糸(交撚糸、混繊糸、1本のフィラメントを加工した糸など)でもよいし、それぞれ異なる形態の加工糸を用いることもできる。
また、第1パイル71、第2パイル72及び第3パイル73の各加工糸の素材は、同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
段鼻敷設用カーペット6の接着層62は、基布61とバッキング層63を接着できるものであれば特に限定されない。接着層62としては、ポリ塩化ビニル、ウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、SBRなどの合成樹脂を用いることができる。接着層62には、合成樹脂以外に、顔料、安定剤、老化防止剤などの各種添加剤が配合されていてよい。
接着層62の厚さは特に限定されないが、通常、0.5mm〜1.5mmである。
段鼻敷設用カーペット6のバッキング層63は、主としてフェルト層から構成される。
フェルトとしては、例えば、ポリエステルフェルト、ポリプロピレンフェルト、ナイロンフェルト、ニードルパンチングフェルト、羊毛フェルトなどを用いること中でも、耐久性、柔軟性に優れることから、ポリエステルフェルトが好適である。
バッキング層63は、フェルト層を有することを条件として、他の層を有していてもよい。他の層としては、ジュート、ガラス繊維不織布、スパンボンド不織布などが挙げられる。バッキング層63は、フェルト層のみ、又は、フェルト層及び非吸水層を有するものが好ましい。前記非吸水層を具備させることにより、施工時に用いる接着剤の染み込み量を抑えることができるので、接着剤の使用量を少なくすることができる上、接着剤がフェルト層に染み込みにくくなるので、衝撃吸収性や柔軟性などの低下を防止できる。
バッキング層63の厚みは、特に限定されないが、1mm〜5mmが好ましく、2mm〜4mmがより好ましい。バッキング層63の厚みが1mm未満であると、踏み感触が悪化し、さらに、衝撃吸収性も低下する。一方、バッキング層63の厚みが5mmを越えると、段鼻敷設用カーペット6の敷設時に段鼻部4の前端で折り曲げ難くなる。
バッキング層63の目付量は、特に限定されないが、50g/m〜400g/mが好ましく、100g/m〜200g/mがより好ましい。バッキング層63の目付量が50g/m未満であると、踏み感触が悪化し、さらに、衝撃吸収性も低下する。一方、バッキング層63の目付量が400g/mを越えると、段鼻敷設用カーペット6を敷設する際に、段鼻部4に接着し難くなる。
<踏み面敷設用カーペット>
踏み面敷設用カーペット5は、図6〜図7に示すように、第1基布51と、第1基布51の上面から突出し且つ第1基布51にタフト(植設)されたパイル8と、第1基布51の下面に積層された接着層52と、前記接着層52を介して第1基布51に積層されたバッキング層53と、前記接着層52とバッキング層53の間に介装又は前記バッキング層53の中間部に埋設された第2基布54と、を有する。
この踏み面敷設用カーペット5は、踏み面2だけでなく、蹴上げ面3にも敷設できる長さに形成されている。
前記第1基布51は、特に限定されず、例えば、上記段鼻敷設用カーペット6で用いた基布61で例示したものが挙げられる。
第1基布51は、段鼻敷設用カーペット6の基布61と同じでもよいし、或いは、異なっていてもよい。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、図示したようにループパイルである。ループパイルは、衝撃吸収性や歩行者の踏み感触の点から好ましいが、踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、カットパイルであってもよい。
このパイル8は、第1基布51の一方向にタフトされ、そのパイル8のタフト列が前記一方向と直交する方向に複数列並設されている。図示したパイル8は、ストレートタフトによって形成されている。なお、パイル8は、ニードルシフトによって形成されていてもよい。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8の素材は、特に限定されず、例えば、上記段鼻敷設用カーペット6で用いたパイル7で例示したものが挙げられる。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、段鼻敷設用カーペット6のパイル7と同じ素材でもよいし、或いは、異なっていてもよい。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8は、全体的に同じ色彩又は柄で構成されていることが好ましい。本実施形態の踏み面敷設用カーペット5は、踏み面2及び蹴上げ面3に敷設可能なので、それを全体的に同じ色彩又は柄にすることにより、1段の踏み面2から蹴上げ面3までが繋がっているように見え、階段構造1の意匠性が良好となる。
踏み面敷設用カーペット5の各列のパイル8は、ゲージ方向及びタフト方向において、パイル高が同じとされている。
もっとも、踏み面敷設用カーペット5の各列のパイル8は、ゲージ方向及びタフト方向の少なくとも何れか一方の方向において、パイル高が異なる部分を有していてもよい。
踏み面敷設用カーペット5のゲージ方向は、踏み面2に敷設されたとき、踏み面2の前後方向又は横方向に相当し、踏み面敷設用カーペット5のタフト方向は、踏み面2に敷設されたとき、踏み面2の横方向又は前後方向に相当する。
踏み面敷設用カーペット5の各パイル8のパイル高は、特に限定されないが、例えば、4mm〜6mmである。
段鼻敷設用カーペット6の第1側部6aの縁に突き合わされる踏み面敷設用カーペット5の第2側部5bにおけるパイル8のパイル高は、前記段鼻敷設用カーペット6の第1側部6aに配置された第1パイル71のパイル高と同じか、又は、それよりも1.5mm以下の範囲で低くされていることが好ましい。
なお、踏み面敷設用カーペット5の各列のパイル8のパイル高が異なる場合には、踏み面敷設用カーペット5の第2側部5bにおける複数列(好ましくは2列〜4列)のパイル8のパイル高が、前記段鼻敷設用カーペット6の第1側部6aに配置された第1パイル7のパイル高と同じか、又は、それよりも1.5mm以下の範囲で低くされていることが好ましい。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8を構成する加工糸の太さは、特に限定されないが、踏み感触の良さ、意匠性などの観点から、2000dtex〜3000dtexが好ましい。2000dtex未満の糸を用いると、踏み感触や耐久性が悪くなるおそれがある。一方、3000dtexを越える糸を用いると、踏み面敷設用カーペット5と段鼻敷設用カーペット6との歩行感の差が小さくなり、歩行者が段鼻部4を足裏の感触によって認識することを期待できなくなる。
踏み面敷設用カーペット5のパイル8を構成する加工糸の形態としては、上記段鼻敷設用カーペット6のパイル7で例示したような、交撚糸、混繊糸、1本のフィラメントを加工した糸などが挙げられる。
踏み面敷設用カーペット5の接着層52は、特に限定されず、上記段鼻敷設用カーペット6の接着層62で例示したようなものが挙げられる。
踏み面敷設用カーペット5のバッキング層53は、特に限定されないが、耐久性に優れ且つ切断しやすいことから、合成樹脂層から構成されていることが好ましい。
この合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリレート樹脂などのアクリル系、ポリアミド系、エステル系、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ゴムなどが挙げられる。中でも、耐久性及び柔軟性に優れることから、塩化ビニル樹脂が好適である。
踏み面敷設用カーペット5のバッキング層53の厚みは、特に限定されないが、1mm〜5mmが好ましく、2mm〜4mmがより好ましい。
第2基布54は、特に限定されず、不織布、織布、ガラスマット及び紙などが挙げられ、好ましくは不織布、ガラスマット又は織布であり、より好ましくはガラスマットである。第2基布54としてガラスマットなどのガラス繊維からなる基材を用いることにより、踏み面敷設用カーペット5の寸法安定性及び強度を向上できる。
<カーペット階段構造の施工>
前記踏み面敷設用カーペット5及び段鼻敷設用カーペット6を、階段に敷設することにより、本発明のカーペット階段構造1が得られる。
踏み面敷設用カーペット5及び段鼻敷設用カーペット6は、通常、接着剤を用いて、階段に敷設される。
踏み面敷設用カーペット5及び段鼻敷設用カーペット6の敷設順序は特に限定されず、何れを先に階段に敷設してもよい。
踏み面敷設用カーペット5及び段鼻敷設用カーペット6は、通常、接着剤を介して階段に接着される。
踏み面敷設用カーペット5及び段鼻敷設用カーペット6の下面に接着剤を塗布してもよいし、階段に接着剤を塗布してもよい。
接着剤は、適度な粘度と接着強度を有するものであれば、その種類は特に限定されず、例えば、二液タイプのエポキシ樹脂系接着剤、二液タイプ又は一液タイプのウレタン系接着剤などを用いることができる。中でも、接着性に優れていることから、二液タイプのエポキシ樹脂系接着剤が好適である。
敷設にあたっては、まず、階段を清掃して、段鼻部4、蹴上げ面3及び踏み面2の横方向長さ及び前後方向長さを測定する。
段鼻部4、蹴上げ面3及び踏み面2の寸法に合わせて、段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペット5を裁断する。そして、最下段の段鼻部4、蹴上げ面3及び踏み面2に、接着剤を塗布した後、蹴上げ面3から踏み面2にわたって、踏み面敷設用カーペット5を貼り付ける。なお、踏み面敷設用カーペット5は、蹴上げ面3と踏み面2の境界で略直角状に折り曲げてもよいし、踏み面敷設用カーペット5を2つに切断して、それらを蹴上げ面3と踏み面2にそれぞれ貼り付けてもよい。図1に示す階段構造1は、踏み面敷設用カーペット5を2つに切り、それらを蹴上げ面3と踏み面2の交差部に突き当ててそれぞれ貼り付けた例である。
踏み面敷設用カーペット5は、そのパイル8のタフト方向が踏み面2の横方向となるように敷設される。
次いで、段鼻敷設用カーペット6のタフト方向が段鼻部4の横方向となるようにし且つ踏み面敷設用カーペット5の第2側部5bの縁に段鼻敷設用カーペット6の第1側部6aの縁を突き合わせて、段鼻敷設用カーペット6を段鼻部4に貼り付ける。上記のように、段鼻部4の前端が蹴上げ面3よりも前方へ突出している段鼻構造にあっては、段鼻敷設用カーペット6を段鼻部4に貼り付けると共に、それを立面部41に沿うように略90度に折り曲げ、さらに、段鼻部4とは反対側の下面部42に沿うように略90度折り曲げる。このようにして、段鼻部4、立面部41及び下面部42からなる段鼻構造を、段鼻敷設用カーペット6によって被覆することにより、図1及び図2に示すようなカーペット階段構造1を構築できる。段鼻敷設用カーペット6のタフト方向が段鼻部4の横方向であるので、段鼻敷設用カーペット6を前記段鼻構造に沿わせて折り曲げ易くなる。さらに、バッキング63がフェルト層を有するので、段鼻構造への密着性を高めることができ、施工性に優れる上、段鼻敷設用カーペット6の浮きや剥がれが生じ難く、耐久性に優れ、長期間に渡って安定した構造を維持することができる。
かかるカーペット構造においては、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5の境界において、段鼻敷設用カーペット6の第1パイル71と踏み面敷設用カーペット5のパイル8が連なっており、前記境界の両側におけるパイル高は、同じか又は段鼻敷設用カーペット6のパイル高が1.5mm以下の範囲で高くなっている。
段鼻部4及び踏み面2においては、それぞれのパイル7,8が横方向にタフトされ且つそのパイル7,8の列が前後方向に並んでいる。
また、段鼻部4においては、段鼻敷設用カーペット6の第1パイル71及び第2パイル72の各列一組が前後方向に交互に配置されており、立面部41及び下面部42においては、段鼻敷設用カーペット6の第3パイル73が配置されている。
この第1パイル71及び第2パイル72の各列一組が前後方向に交互に配置された部分は、段鼻部4の前後方向長さLと略等しい。
<段鼻敷設用カーペット及び踏み面敷設用カーペットの変形例>
上記実施形態では、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5は、別個独立したカーペットからなるが、例えば、図8及び図9に示すように、段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5が一体的に構成された1枚のカーペット9から構成されていてもよい。
なお、変形例に係るカーペットについては、上記実施形態と異なる箇所について説明する。上記実施形態と同様の構成要素については、その説明を省略し、図8及び図9に上記実施形態で説明した各構成要素の符号をそのまま記すことによって変形例に係るカーペットについても上記実施形態の各構成要素を有するものとする。
この一体化された段鼻及び踏み面敷設用カーペット9には、段鼻敷設用カーペット6で例示したフェルト層を有するバッキング層63が用いられ、上記踏み面敷設用カーペット5の第2基布54は省略される。その他の層構成は、段鼻敷設用カーペット6と同様である。
また、段鼻及び踏み面敷設用カーペット9のパイルは、上記段鼻敷設用カーペット6及び踏み面敷設用カーペットの各パイル7,8に準じて形成できる。図示例の段鼻及び踏み面敷設用カーペット9は、上記段鼻敷設用カーペット6の第2側部6bの縁に上記踏み面敷設用カーペット5の第1側部5aの縁を連続させたときと同様な、パイル配置になっている。このように構成することによって、踏み面の衝撃吸収性に加え、階段昇降時に歩行者の足音を吸音する効果も高めることができる。
また、上記実施形態では、踏み面敷設用カーペット5は、踏み面2及び蹴上げ面3の双方を覆うことができる大きさに形成されているが、踏み面2だけを覆うことができる大きさに形成されていてもよい。段鼻敷設用カーペット6と踏み面敷設用カーペット5が一体的に構成された変形例に係る段鼻及び踏み面敷設用カーペット9についても、段鼻部4、踏み面2及び蹴上げ面3を覆うことができる大きさに限られず、踏み面2及び段鼻部4のみを覆うことができる大きさに形成されていてもよい。
<カーペット階段構造の変形例>
上記実施形態では、踏み面敷設用カーペット5を、そのパイル8のタフト方向が踏み面2の横方向又は前後方向の何れか一方に平行となるように敷設する場合を例にしたが、これに限定されない。例えば、踏み面敷設用カーペット5を、踏み面全体よりも小さな面積に裁断して幾つかのカーペット小片とし、このカーペット小片のタフト方向が踏み面2の横方向と前後方向に交互になるように、カーペット小片を敷き詰めてもよい。
本発明のカーペット階段構造1は、一般住宅、集合住宅、マンション、商業施設、教育施設、医療福祉施設、オフィスビルなどの各種構造物に利用できる。
1…カーペット階段構造、2…踏み面、3…蹴上げ面、4…段鼻部、5…踏み面敷設用カーペット、51…踏み面敷設用カーペットの基布、53…踏み面敷設用カーペットのバッキング層、6…段鼻敷設用カーペット、61…段鼻敷設用カーペットの基布、63…段鼻敷設用カーペットのバッキング層、7…段鼻敷設用カーペットのパイル、8…踏み面敷設用カーペットのパイル

Claims (5)

  1. 踏み面と、前記踏み面の前端部に位置する段鼻部と、前記段鼻部から下方に垂下した立面部と、を有する階段と、
    前記階段の踏み面に敷設された踏み面敷設用カーペットと、前記階段の段鼻部に敷設された段鼻敷設用カーペットと、を備え、
    前記踏み面敷設用カーペットと段鼻敷設用カーペットが、それぞれ独立したカーペットから構成され、
    前記段鼻敷設用カーペットが、前記段鼻部及び立面部を覆うように敷設されており、
    前記段鼻敷設用カーペットが、基布にタフトされたパイルと、フェルト層を有するバッキング層と、を有し、
    前記踏み面敷設用カーペットが、基布にタフトされたパイルと、合成樹脂層を有するバッキング層と、を有し、
    前記段鼻敷設用カーペットのパイルのタフト方向が、前記段鼻部の横方向であり、段鼻部の前後方向においてパイル高が異なる部分を有する、ことを特徴とするカーペット階段構造。
  2. 前記階段が、前記立面部に連設され且つ段鼻部の反対側に位置する下面部をさらに有し、
    前記段鼻敷設用カーペットが、前記段鼻部、立面部及び下面部を覆うように敷設されている、請求項1に記載のカーペットの階段構造。
  3. 前記踏み面敷設用カーペットのパイルのタフト方向が、前記踏み面の横方向である、請求項1または2に記載のカーペット階段構造。
  4. 前記踏み面敷設用カーペットと段鼻敷設用カーペットの境界両側における踏み面敷設用カーペットのパイル高と段鼻敷設用カーペットのパイル高が同じ、又は、前記境界両側における踏み面敷設用カーペットのパイル高よりも段鼻敷設用カーペットのパイル高が1.5mm以下の範囲で高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーペット階段構造。
  5. 前記段鼻敷設用カーペットの表面と踏み面敷設用カーペットの表面との色相の平均値の差又は明度の平均値の差が、2.0以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカーペット階段構造。
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