1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、羽根部材(開閉部材)37を備え、羽根部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。羽根部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、羽根部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(シャッター部材)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73は、ハウジング74とプランジャ75とスプリング76とを備え、悲通電時はスプリング76によりプランジャ75が付勢された状態にある。プランジャ75の先端には、係合突起77aを有する係合部材77が取り付けられている。係合部材77の係合突起77aは、リンク部材78の第1の長孔78a内に係合している。また、リンク部材78の第2の長孔78b内には、振分部材71に設けられた係合突起71aが係合している。振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第1の状態にある(図3(A))。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面71bを転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分部材ソレノイド73が通電されると、図3(B)に示すように、プランジャ75がスプリング76の付勢力に抗して図中右方へ移動する。そのため、係合部材77に対してリンク部材78を介して連結されている振分部材71も、図中右方へ移動する。これにより、特定領域39への遊技球の通過が許容される。このときの振分部材71の状態を、第2の状態という。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙う。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙う。
また図1および図4に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定表示結果、すなわち大当たり図柄や小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技や小当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の羽根部材(開閉部材)37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4304(図47)にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203(図46)にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たり又は小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞装置31又は第2大入賞装置36を作動させて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を「大当たり遊技」と言い、小当たりに当選して実行される特別遊技を「小当たり遊技」と言う。
大当たりには複数の種別がある。図9に示すように大当たりの種別としては、「15R(ラウンド)特定大当たり」、「15R通常大当たり」、および「2R特定大当たり」がある。「15R特定大当たり」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で振分部材71を作動させる大当たりである。「15R通常大当たり」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な大当たり(すなわち特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で振分部材71を作動させることのない大当たり)である。「2R特定大当たり」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で振分部材71を作動させる大当たりである。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記の15R特定大当たり又は2R特定大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、15R通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(非高確率状態)となる。
一方小当たりは、2R特定大当たりと同じ開放パターンで大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるが、その小当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で振分部材71を作動させることのない当たりである。すなわち小当たりでは、第2大入賞口35への入賞は可能であるものの、第2大入賞口35へ入賞した遊技球は全て非特定領域70を通過することとなる。そして小当たりでは、小当たり遊技の実行後の遊技状態を小当たり遊技の実行前から変化させない。そのため、小当たり遊技の実行前の遊技状態が通常状態であれば、小当たり遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R特定大当たりと小当たりとは大入賞口の開放パターンを見ても区別することができない。振分部材71の作動態様を良く見ていれば区別することはできるかもしれないが、ほとんどの遊技者は振分部材71の作動態様まで注視していない。そのため、ほとんどの遊技者にとってはどちらに当選したのかわからない。従って、2R大当たりとしての特別遊技中に第2大入賞口35へ遊技球を入賞させたとしても、その後の遊技状態が高確率状態に移行しているのか否かは不明となる。また、小当たりとしての特別遊技中に第2大入賞口35へ遊技球を通過させたとしても、その後の遊技状態が通常状態のままか否かは不明となる。その結果、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行するという興趣性を遊技者に提供できることとなる。なお、小当たりにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とは言わない。また、大当たりにおいては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
より具体的には、本形態のパチンコ遊技機1における各大当たりおよび小当たり当選時の大入賞口の開放パターンは、図9のようになっている。すなわち、15R特定大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_15R特定図柄1が停止表示された場合、第2特別図柄表示器41bに特図2_15R特定図柄1が停止表示された場合)には、1R〜14Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放し、15Rは第2大入賞口35を最大13秒開放させる。この当たりでは、15R目における第2大入賞口35の開放時間が13秒あるため、そのラウンド中に第2大入賞口35へ遊技球を入賞させることがたやすくなっている。
またこの当たり(15R特定大当たり)では、振分部材71の作動パターン(作動態様)は、図7(A)のタイミングチャートに示すようになっている。すなわち、第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒にわたって、特定領域39への遊技球の通過を許容する第2の状態(開状態、図3(B)に示す状態)をとる作動パターンとなっている。この作動パターンは、特許請求の範囲における「特定領域への遊技球の通過が許容される第1作動パターン」に相当する。従って、15R特定大当たりでは遊技球が第2大入賞口35に入った場合には、必ず特定領域70を通過するようになっている。なお、第2大入賞口35の閉塞後も数秒にわたり振分部材71を第2の状態としているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
また図9に示すように、15R通常大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_15R通常図柄2が停止表示された場合)には、1R〜14Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放し、15Rは第2大入賞口35を最大0.3秒開放させる。この当たりでは、15R目における第2大入賞口35の開放時間が0.3秒と極めて短いため、そのラウンド中に第2大入賞口35へ遊技球を入賞させることは不可能となっている。
またこの当たり(15R通常大当たり)では、振分部材71の作動パターン(作動態様)は、図7(B)のタイミングチャートに示すようになっている。すなわち、振分部材71は、第2大入賞口35が開放されても、特定領域39への遊技球の通過を阻止する第1の状態(閉状態、図3(A)に示す状態)をとり続ける作動パターンとなっている。この作動パターンは、「特定領域へ遊技球が通過し得ない第2作動パターン」に相当する。従って、15R通常大当たりでは万が一遊技球が第2大入賞口35に入賞したとしても、必ず非特定領域70を通過するようになっている。
また図9に示すように、2R特定大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_2R特定図柄3が停止表示された場合)には、1R目は第1大入賞口30を最大0.3秒開放し、2R目は第2大入賞口35を最大1.5秒開放させる。この当たりでは、2R目における第2大入賞口35の開放時間が1.5秒あるため、そのラウンド中に第2大入賞口35へ遊技球を入賞させることが可能となっている。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.5秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入賞させることは十分に可能である。またこの2R特定大当たりは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、15Rの大当たりのように多くの賞球を望めるものではない。すなわち他の大当たりに比してほとんど賞球の獲得できない大当たりである。
またこの当たり(2R特定大当たり)では、振分部材71の作動パターン(作動態様)は、図8(A)のタイミングチャートに示すようになっている。すなわち、第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒にわたって、特定領域39への遊技球の通過を許容する第2の状態(開状態、図3(B)に示す状態)をとる作動パターンとなっている。この作動パターンも、特許請求の範囲における「特定領域への遊技球の通過が許容される第1作動パターン」に相当する。従って、2R特定大当たりでは遊技球が第2大入賞口35に入った場合には、必ず特定領域70を通過するようになっている。
また図9に示すように、小当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_小当たり図柄4が停止表示された場合、第2特別図柄表示器41bに特図2_小当たり図柄4が停止表示された場合)には、まず第1大入賞口30を最大0.3秒開放し、次に第2大入賞口35を最大1.5秒開放させる。すなわち、2R特定大当たりと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当たりにおいても、第2大入賞口35の開放時間が1.5秒あるため、第2大入賞口35へ遊技球を入賞させることが可能となっている。
しかし小当たりでは、振分部材71の作動パターン(作動態様)は、図8(B)のタイミングチャートに示すようになっている。すなわち、第2大入賞口35が開放されても、振分部材71が特定領域39への遊技球の通過を阻止する第1の状態(閉状態、図3(A)に示す状態)をとり続ける作動パターンとなっている。この作動パターンは、特許請求の範囲における「特定領域へ遊技球が通過し得ない第2作動パターン」に相当する。従って、小当たりでは遊技球が第2大入賞口35に入賞したとしても、必ず非特定領域70を通過するようになっている。そのため、小当たりでは、第2大入賞口35への入賞があっても、小当たり遊技の前後で遊技状態の変化はない。またこの小当たりは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R特定大当たりと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当たりは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典のないものとなっている。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R特定大当たりが40%、15R通常大当たりが40%、2R特定大当たりが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R特定大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となった第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ず15R特定大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり及び小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動表示演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の演出図柄8R,8Lが同じ図柄で停止され、変動中の中演出図柄8Cがさらにこれらと同じ図柄で停止すれば3つの演出図柄のゾロ目となる状態(「7↓7」の状態)である。すなわち、2つの演出図柄が同じ図柄で停止され、残り一つの演出図柄が変動中の状態である。なお、この場合の演出図柄の停止には、表示画面7a内で多少揺れているような表示も含まれる。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図11(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄(大当たり図柄としての特定の図柄の組み合わせ)となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図12参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図11(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(特定の図柄の組み合わせ)となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図11(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、15R特定大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図9参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(例えば140回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、次の大当たり当選までとしてもよい。
また、15R通常大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過はなされないので、通常状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である(図9参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、2R特定大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、高確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である(図9参照)。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(例えば140回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、高確低ベース状態の終了条件を、次の大当たり当選までとしてもよい。この高確低ベース状態は、本形態では高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって不明な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜確遊技状態」である。これに対して上記の高確高ベース状態は、本形態では高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図43に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAM84の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、大当たり判定の結果としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)、保留球数処理(S108)、および電源断監視処理(S109)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図16に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS208に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。なお、現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間とは、例えば現在の特図2保留球数に係る取得乱数を格納しているアドレスの隣のアドレス(例えば、現在の特図2保留球数に係る取得乱数を格納しているアドレスに「1」を加算したアドレス)を指す。より具体的には、現在の特図2保留球数が「0」の場合には、それに「1」を加算した特図2保留球数1に対応する第2特図保留記憶部85bのアドレス空間に取得した乱数値群を格納し、現在の特図2保留球数が1の場合には特図2保留球数2に対応する第2特図保留記憶部85bのアドレス空間に取得した乱数値群を格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S208でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S209でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S211)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、RAM84(図5参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H、図10(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。なお、普通図柄保留球数に応じたアドレス空間とは、例えば現在の普通図柄保留球数に係る取得乱数を格納しているアドレスの隣のアドレス(例えば、現在の普通図柄保留球数に係る取得乱数を格納しているアドレスに「1」を加算したアドレス)を指す。より具体的には、現在の普通図柄保留球数が「0」の場合にはそれに「1」を加算した普通図柄保留球数1に対応する普図保留記憶部86のアドレス空間に取得乱数値を格納し、現在の普通図柄保留球数が1の場合には普通図柄保留球数2に対応する普図保留記憶部86のアドレス空間に取得乱数値を格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図18に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図19に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図20に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図11(D))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図11(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図11(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値なし)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
普通図柄待機処理(図19)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図11(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が「当たり」である場合は普通当たり図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、「ハズレ」である場合はハズレ図柄(「●○」)である。
[普通図柄乱数シフト処理]普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S704)を実行する。図21に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S704)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S901)。次いで、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S902)。そして、普図保留記憶部86における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S903)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
普通図柄待機処理(図19)では、普通図柄乱数シフト処理(S704)に次いで、普通図柄変動開始処理を行う(S705)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図22に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図23に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1101)。普通当たりフラグがONでなければ(S1101でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1006)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1101でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1102)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S1103)。時短状態中の開放パターンとは、図13の電チュー開放TBL2に示すように、一回当たり2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S1102でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S1104)。非時短状態中の開放パターンとは、図13の電チュー開放TBL1に示すように、一回当たり0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、電チュー開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S1103、S1104)に続いて、普通動作ステータスを「4」にセットし(S1105)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図24に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させる(S1204)。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。
そして第2始動口21の閉鎖(S1206)に次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。なお電チュー開放カウンタは、時短状態中であれば電チュー22の開放(可動部材23の開放)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば電チュー22の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、ステップS1103又はS1104にてセットされた回数の電チュー22の開放動作は終了しているので、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1211)、普通当たりフラグをOFFし(S1212)、普通動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S1213)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図18)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図25に示すように、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4、5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO、S1307でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1308)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1301,S1303,S1305,S1307の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1308)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図26に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1406)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1406でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)とする処理中であるか否かを判定し(S1411)、そうであれば(S1411でYES)処理を終え、そうでなければ(S1411でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1412)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)、特図2変動パターン選択処理(S1403)、特図2乱数シフト処理(S1404)、特図2変動開始処理(S1405)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶のみ1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)、特図1変動開始処理(S1410)をこの順に行う。このように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たりに当選しやすくなっている(図11(B))。なお第2特図保留を第1特図保留に優先して消化せず、第2特図保留および第1特図保留のなかから入賞順序に従って消化するようにしてもよい。
[特図2大当たり判定処理]図27に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)ではまず、判定値として、RAM84の第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1501)。次に、大当たり判定テーブル(図11(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常状態であれば、大当たり判定テーブル(図11(A))のうち通常状態用のテーブル(大当たり判定値が「3」および「397」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図11(A))のうち高確率状態用のテーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1509)。高確率状態用のテーブルでは、大当たり判定値は、「3」,「53」,「113」,「173」,「227」,「281」,「337」,「397」,「449」,「503」である。
大当たり判定(S1504,S1509)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図11(B)に示す大当たり種別判定テーブルのうち特図2用のテーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1505)。なお、特図2の抽選にて当たる大当たりは、全て15R特定大当たりである(図11(B))。大当たり種別を判定(S1505)した後は、大当たりフラグをONして(S1506)処理を終える。なお、大当たりフラグには、大当たりの種別が15R特定大当たり又は15R通常大当たりであった場合にONする長当たりフラグと、2R特定大当たりであった場合にONする短当たりフラグとがある。
一方、大当たり判定(S1504,S1509)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1507,S1510)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、小当たり判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否か判定する(図11(A))。そして、小当たりでもなければ(S1507でNO又はS1510でNO)そのまま処理を終え、小当たりであれば(S1507でYES又はS1510でYES)、小当たりフラグをONして(S1508,S1511)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]特別図柄待機処理(図26)では、特図2大当たり判定処理(S1402)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1403)。図28および図29に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当たりフラグがONか否かを判定し(S1602)、ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本形態では、非時短状態中大当たりテーブルは、大当たりが長当たりか短当たりかによっても分かれている。しかし本処理は、特図2についての変動パターン選択処理なので、特図2の抽選にて当選する大当たりには15R特定大当たり(長当たりの一つ)しかない。従って本処理にて参照される箇所は、常に長当たりの箇所となり、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。なお、非時短状態中大当たりテーブルは、長当たり用と短当たり用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当たりテーブルについても同様である。
一方、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1604)。そして、小当たりフラグがONであれば(S1604でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、本形態では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当たりフラグがONでなければ(S1604でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。図11(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。本形態では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本形態では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図29に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中のテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。すなわち、大当たりであれば図12の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照し、小当たりであれば図12の時短状態中且つ小当たりに該当する部分を参照し、リーチ有りハズレであれば図12の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照し、リーチ無しハズレであれば図12の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
なお、時短状態中の変動パターンテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たりのうち長当たりに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図28に示すその他の処理(S1616)を行ってこの処理を終える。なお、その他の処理(S1616)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]図30に示すように、特図2乱数シフト処理(S1404)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1701)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1702)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1703)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1404)を実行した後は、図26の特図2変動開始処理(S1405)を実行する。特図2変動開始処理(S1405)では、特別動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図26の特別図柄待機処理(S1302)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)には、特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)、特図1変動開始設定(S1410)をこの順に行う。
[特図1大当たり判定処理]図31に示すように、特図1大当たり判定処理(S1407)では、図27に示した特図2大当たり判定処理(S1402)と同様の流れで処理(S1801〜S1811)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、ステップS1801では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またステップS1805における大当たりの種別判定では、15R特定大当たり、15R通常大当たり、および2R特定大当たりのいずれとも判定される可能性がある(図11(B))。図11(B)の特図1の欄に示すように、各大当たりの振分率は、15R特定大当たりが40%、15R通常大当たりが40%、2R特定大当たりが20%となっている。この大当たりの種別判定で15R特定大当たり又は15R通常大当たりと判定された場合には、ステップS1806において大当たりフラグとして長当たりフラグをONする。一方、2R特定大当たりと判定された場合には、ステップS1806において大当たりフラグとして短当たりフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]図32および図33に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1408)では、図28および図29に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1901〜S1920)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、ステップS1902(図32)でYESの場合(すなわち大当たりフラグがONの場合)には、さらに当選した大当たりの種別が15R大当たり(15R特定大当たり又は15R通常大当たりのいずれか)であるか否かを判定する(S1903)。そして15R大当たりである場合には(S1903でYES)、非時短状態中15R大当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1904)。具体的には、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。
一方ステップS1903において15R大当たりでないと判定した場合(S1903でNO)、即ち2R特定大当たりである場合には、非時短状態中2R大当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1905)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、ステップS1911(図33)でYESの場合(すなわち大当たりフラグがONの場合)にも、さらに当選した大当たりの種別が15R大当たり(15R特定大当たり又は15R通常大当たりのいずれか)であるか否かを判定する(S1912)。そして15R大当たりである場合には(S1912でYES)、時短状態中15R大当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1913)。具体的には、変動パターンP9〜P11のいずれかが選択される。
一方ステップS1912において15R大当たりでないと判定した場合(S1912でNO)、即ち2R特定大当たりである場合には、時短状態中2R大当たりテーブル(図12に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1914)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1904,S1905,S1907,S1909,S1910,S1913,S1914,S1916,S1918,S1919)を行った後は、その他の処理(S1920、図32)を行ってこの処理を終える。その他の処理(S1920)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]図34に示すように、特図1乱数シフト処理(S1409)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S2001)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S2003)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1409)を実行した後は、図26の特図1変動開始処理(S1410)を実行する。特図2変動開始処理(S1410)では、特別動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]図35に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(図26のステップS1403又はS1408で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図12参照)が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ (S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S2101でYES)、変動停止コマンドをセットする(S2102)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S2103)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2104)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2105)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2106)。ステップS2103又はS2105の判定結果がNOであれば、ステップS2107に進む。なお、本パチンコ遊技機1はいわゆるST機であり、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「140」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2107)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2108)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2109)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2110)。ステップS2107又はS2109の判定結果がNOであれば、ステップS2111に進む。
続いて、特別動作ステータスを「3」にセットする(S2111)。そして、特別図柄の変動表示を、大当たり乱数及び大当たり種別乱数の判定結果に応じた表示結果(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S2112)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図36に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たりフラグがONであれば(S2201でYES)、続いて当選した大当たりの種別が15R大当たり(15R特定大当たり又は15R通常大当たりのいずれか)か否かを判定する(S2202)。
そして15R大当たりであれば(すなわち長当たりフラグがONであれば)、大当たり遊技中に実行したラウンド(1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放パターンとして、15R特定大当たりであれば15R特定大当たり用の開放パターン(図9参照)をセットし、15R通常大当たりであれば15R通常大当たり用の開放パターン(図9参照)をセットする(S2203)。
15R特定大当たり用の開放パターンとは、図9に示すように、1ラウンドから14ラウンドまでは第1大入賞口30を最大28秒間開放し、15ラウンドは第2大入賞口35を最大13秒間開放する開放パターンである。一方、15R通常大当たり用の開放パターンとは、図9に示すように、1ラウンドから14ラウンドまでは第1大入賞口30を最大28秒間開放し、15ラウンドは第2大入賞口35を最大0.3秒間開放する開放パターンである。
すなわち、15R通常大当たり用の開放パターンは、15R特定大当たり用の開放パターンと比べて最終ラウンド(15R)の開放態様が異なる。つまり、15R特定大当たりでは、15R目に第2大入賞口35が13秒開放するため、15R中に第2大入賞口35へ遊技球が容易に入賞する。そして、第2大入賞口35へ入賞した遊技球は、必ず特定領域39を通過する(図7(A)参照)。これに対して、15R通常大当たりでは、15R目に第2大入賞口35が0.3秒しか開放しない。そのため、15R中に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することはまずない。従って、15R通常大当たりの実行中に、遊技球が特定領域39を通過することはない。
ステップS2202において15R大当たりでなければ(すなわち短当たりフラグがONであれば)、当選した大当たりは2R特定大当たりであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放パターンとして、2R特定大当たり用の開放パターン(図9参照)をセットする(S2204)。
2R特定大当たり用の開放パターンとは、図9に示すように、1ラウンド目は第1大入賞口30を極短時間(0.3秒間)開放し、2ラウンド目は第2大入賞口35を最大1.5秒間開放する開放パターンである。第2大入賞口35の開放時間が1.5秒あれば、遊技球が第2大入賞口35へ入賞することは十分に可能である。そして、第2大入賞口35へ入賞した遊技球は、必ず特定領域39を通過する(図8(A)参照)。
ステップS2203又はS2204の処理を終えたら、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2205)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S2206)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2207)。
また、ステップS2201において大当たりフラグがONでなければ(S2201でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2208)。小当たりフラグがONであれば(S2208でYES)、小当たり遊技中における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当たり用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放パターンとして、小当たり用の開放パターン(図9参照)をセットする(S2209)。
小当たり用の開放パターンとは、図9に示すように、開放1回目は第1大入賞口30を極短時間(0.3秒間)開放し、開放2回目は第2大入賞口35を最大1.5秒間開放する開放パターンである。すなわち小当たり用の開放パターンは、2R特定大当たり用の開放パターンと同一(ラウンド数という点では小当たりでの開放をラウンドと言わないので異なるが、遊技者から見える第1大入賞装置31および第2大入賞装置36の動きは同じ)である。従って遊技者は、開放パターンを見ても、小当たり遊技が実行されているのか、2R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行されているのか区別することができない。
この小当たりにおいても、第2大入賞口35の開放時間が1.5秒あるため、遊技球が第2大入賞口35へ入賞することは十分に可能である。但し小当たり中は、振分部材71が第1の状態(閉状態)に制御されているため(図8(B)参照)、第2大入賞口35へ入賞した遊技球は、必ず非特定領域70を通過する。
ステップS2209の処理を終えたら、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2210)、小当たり遊技のオープニングを開始し(S2211)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S2212)。なお、ステップS2208において小当たりフラグがONでなければ(S2208でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]図37に示すように、特別電動役物処理1(S1308)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2301)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2302)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2303)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2304)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2305)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2305でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2306)。開放中でなければ(S2306でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンドを開始する時間に至ったか否かを判定する(S2307)。
ステップS2307の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2307の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技が15R特定大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2308)。なお、大当たり種別に関する情報については、大当たり種別判定(図27のS1505又は図31のS1805)の後に、RAM84に設けた大当たり種別バッファに格納してある。そして、15R特定大当たりでなければステップS2311に進むが、15R特定大当たりであればラウンドカウンタの値が「2」か否か、すなわち次回の開放が最終ラウンドの一つ前のラウンドになるか否かを判定する(S2309)。最終ラウンドの一つ前のラウンドにならない場合(S2309でNO)には、そのままステップS2311に進む。これに対して、最終ラウンドの一つ前のラウンドになる場合(S2309でYES)には、V打込報知コマンドをセットしてから(S2310)ステップS2311に進む。V打込報知コマンドは、サブ制御基板90に、特定領域39を狙った打ち込みを行うべき旨の報知をさせるためのコマンドである。すなわち、本パチンコ遊技機1では、15R特定大当たりに当選したときのみ、特定領域39を狙うべき旨の積極的な打ち込み報知を行うこととしている。
ステップS2311では、ラウンドカウンタの値が「1」か否か、すなわち次回の開放が最終ラウンドになるか否かを判定する。最終ラウンドにならない場合(S2311でNO)はステップS2313に進んで、大当たりの種類に応じた開放パターン(図9参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。一方、最終ラウンドになる場合(S2311でYES)は振分部材開放処理(S2312)を行ってからステップS2313に進んで、大当たりの種類に応じた開放パターン(図9参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
[振分部材開放処理]図38に示すように、振分部材開放処理(S2312)ではまず、現在実行中の大当たり遊技が、特定大当たり(15R特定大当たり又は2R特定大当たり)としての大当たり遊技か否かを判定する(S3001)。そして、特定大当たりでなければ(S3001でNO)処理を終える。一方、特定大当たりであれば(S3001でYES)、振分部材71の開放を開始する(S3002)。具体的には、15R特定大当たりであれば、図7(A)に示すように、最終ラウンド(第15ラウンド)における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間にわたって、振分部材71を第2の状態(開状態、図3(B)参照)に制御する。また、2R特定大当たりであれば、図8(A)に示すように、最終ラウンド(第2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間にわたって、振分部材71を第2の状態(開状態、図3(B)参照)に制御する。
このように振分部材71を第2の状態に制御することで、第2大入賞口35に入賞した遊技球の特定領域39への通過が許容される。すなわち本形態では、15R特定大当たりや2R特定大当たりであればその最終ラウンド中に、特定領域39への遊技球の通過(V通過ともいう)ができるようになっている。なお本形態では、V通過の検知に基づいてVフラグをONし(後述の特定領域センサ検出処理(図41))、VフラグがONである場合に、確変フラグをONする、即ち高確率状態に設定することとしている(後述の遊技状態設定処理(図39))。
これに対して、本形態では上記以外の期間は、振分部材71を第1の状態(閉状態、図3(A)参照)に制御している。すなわち、特定大当たり中であっても、上記以外の期間は、振分部材71は第1の状態に制御される(図7(A)及び図8(A)参照)。また、15R通常大当たり中や小当たり中は、その全期間にわたり、振分部材71は第1の状態に制御される(図7(B)及び図8(B)参照)。もちろん、特別遊技を実行していないときは、振分部材71は第1の状態に制御される。
このように振分部材71を第1の状態に制御することで、第2大入賞口35に入賞した遊技球の特定領域39への通過は妨げられる。すなわち本形態においては、15R特定大当たりや2R特定大当たりの最終ラウンド以外の期間では、特定領域39への遊技球の通過ができないようになっている。なお本形態では、15R通常大当たりにおける最終ラウンドの第2大入賞口35の開放時間は0.3秒と短いため、振分部材71を第2の状態に制御したとしても、基本的にはV通過は生じない。しかし本形態では、あえて15R通常大当たりの最終ラウンド中であっても振分部材71を第1の状態に制御することで、万が一第2大入賞口35に遊技球が入賞した場合であっても、V通過が生じないようにしている。
なお、15R特定大当たり又は2R特定大当たりにおける上記の期間中以外は振分部材71を第1の状態に制御していることは、不正行為による第2大入賞口35への遊技球の入賞に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにするためでもある。
特別電動役物処理1(図37)のステップS2306において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2306でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり10個)に達しているか否かを判定する(S2314)。規定入賞個数に達していなければ(S2314でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したか否か)を判定する(S2315)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2314でYES)又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2315でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2316)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2317)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2318)。「0」でなければ(S2318でNO)、次のラウンドを開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2318でYES)、振分部材閉鎖処理を行う(S2319)。振分部材閉鎖処理(S2319)は、第2の状態に制御されている振分部材71を、その作動パターン(図7(A)及び図8(A))に従って第1の状態に戻すための処理である。その後、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2320)、大当たりのエンディングを開始する(S2321)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2322)。なおラウンドカウンタは、長当たり(15R大当たり)であれば大入賞口の開放が15回なされると「0」になり、短当たり(2R大当たり)であれば大入賞口の開放が2回なされると「0」になる。
またステップS2305において大当たり終了フラグがONであれば(S2305でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2323)、エンディング時間が経過していなければ(S2323でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2323でYES)、大当たり終了フラグをOFFした後(S2324)、後述の遊技状態設定処理(S2325)を行う。そして、大当たりフラグをOFFし(S2326)、特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2327)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図25)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]図39に示すように、遊技状態設定処理(S2325)ではまず、今回実行した大当たり遊技が15R通常大当たりか否か判定する(S2401)。ステップS2401の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2402)、時短カウンタに「100」をセットして(S2403)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS2401の判定結果がNOであれば、続いてVフラグがONであるか否かを判定する(S2404)。なおVフラグは後述の特定領域センサ検出処理(図41)にてONするフラグである。そしてVフラグがONであれば(S2404でYES)、確変フラグをONするとともに(S2405)、確変カウンタに「140」をセットする(S2406)。その後、VフラグをOFFして(S2407)、ステップS2408に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2404でNO)、確変フラグをONすることなく、ステップS2408に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
ステップS2408では、今回実行した大当たり遊技が15R特定大当たりか否か判定する。そして、15R特定大当たりでなければ、すなわち2R特定大当たりであれば(S2408でNO)、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、その大当たり遊技中にV通過があれば、高確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄の可変表示が140回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、15R特定大当たりであれば(S2408でYES)、時短フラグをONするとともに(S2409)、時短カウンタに「140」をセットして(S2410)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、その大当たり遊技中にV通過があれば、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になり、その大当たり遊技中にV通過がなければ、非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。これらの高確高ベース状態及び低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が140回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。なお、15R特定大当たりでV通過がない場合には、低確低ベース状態に制御するようにしてもよい。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]図40に示すように、特別電動役物処理2(S1309)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2501)。小当たり終了フラグは、当選した小当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2501でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2502)。開放中でなければ(S2502でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当たりのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2503)。
ステップS2503の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2503の判定結果がYESであれば、小当たり用開放カウンタの値が「1」か否か、すなわち次回の開放が最後の開放になるか否かを判定する(S2504)。最後の開放(本形態では2回目の開放)にならない場合(S2504でNO)はステップS2506に進んで、小当たりの開放パターン(図9参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。一方、最後の開放になる場合(S2504でYES)は振分部材非開放処理(S2505)を行ってからステップS2506に進んで、小当たりの開放パターン(図9参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
振分部材非開放処理(S2505)は、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間にわたって、振分部材71を第1の状態(図3(A))に制御するための処理である。すなわち、開放された第2大入賞口35に入賞した遊技球が、特定領域39を通過しないようにする(非特定領域70を通過するようにする)ための処理である。本形態では上記の振分部材開放処理(S2312、図37)で振分部材71を第2の状態に制御する期間以外の期間は、振分部材71を第1の状態に制御している。従って、この振分部材非開放処理では、振分部材71が第2の状態となっていないか、すなわち第1の状態に制御されているかを確認する。例えば、振分部材71の位置を検知するフォトセンサを主制御基板80に接続している場合には、このフォトセンサからの検知信号に基づいて、振分部材71が第1の状態となっていることを確認する。振分部材71が第1の状態となっていない場合には、第1の状態とするべく振分部材ソレノイド73を駆動する(非通電状態とする)。なおフォトセンサにて振分部材71の位置を検知することなく、振分部材ソレノイド73が非通電状態か否かを確認して、非通電状態でなければ非通電状態にするようにしてもよい。
これにより、小当たり中に第2大入賞口35への入賞があっても、その入賞球(第2大入賞口35へ入賞した遊技球)が特定領域39を通過することはなくなる。すなわち、小当たり中に第2大入賞口35に入賞した遊技球は、非特定領域70を通過することとなる。このようにすることで、小当たり遊技前の遊技状態が通常状態であればその小当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させないようにしている。なお、本形態では前述の振分部材開放処理(S2312、図37)で振分部材71を第2の状態に制御する期間以外の期間は振分部材71は第1の状態にあるため、ステップS2504及びS2505の処理を省略してもよい。但し、処理の確実性のためには実行することが望ましい。
ステップS2502において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば、(S2502でYES)、1回の開放中における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2507)。規定入賞個数に達していなければ(S2507でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したか否か)を判定する(S2508)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2508でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2507でYES)又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2508でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2509)。そして、小当たり用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2510)、小当たり用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2511)。「0」でなければ(S2511でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2511でYES)、小当たり遊技を終了させる小当たり終了処理として、小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2512)、小当たりのエンディングを開始する(S2513)。そして、小当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2514)。なお小当たり用開放カウンタは、大入賞口の開放が2回なされると「0」になる。
ステップS2501において小当たり終了フラグがONであれば(S2501でYES)、2回の開放が終了しているので、小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2515)、エンディング時間が経過していなければ(S2515でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2515でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2516)、小当たりフラグをOFFし(S2517)、さらに特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2518)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図25)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
なお、小当たり遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当たり遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2325、図39)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検出処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図41に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第2の状態(図3(B))に制御されているときのみなされる。ステップS2601にて検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)VフラグをONするとともに(S2602)、現在実行中の大当たり遊技が2R特定大当たりであるか否かを判定する(S2603)。そして、2R特定大当たりでなければ(S2603でNO)、すなわち15R特定大当たりであれば、第1V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終え、2R特定大当たりであれば(S2603でYES)、第2V通過コマンドをセットして(S2605)処理を終える。なお、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過があったことの報知を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過があったことの報知を原則行わせないためのコマンドである。
[保留球数処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S107)に次いで保留球数処理(S108)を行う。保留球数処理(S108)では図42に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2701)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)を、RAM84の出力バッファにセットする(S2702)。
[電源断監視処理]図15に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S108)に次いで電源断監視処理(S109)を行う。電源断監視処理(S109)では図43に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2801)、入力がなければ(S2801でNO)この処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2801でYES)、現在の状態に関するデータをRAM84に記憶するとともに(S2802)、電源断フラグをONし(S2803)、その後はメイン側タイマ割り込み処理(図15)に戻ることなくループ処理をする。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図44〜図52に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図44に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタの値はリセットされる。なお、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAM94の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。なお、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入賞があった旨を通知する制御信号(コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどをとることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、RAM94の所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、およびランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各基板は、コマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、枠ランプ66及び装飾可動体15等)を用いて各種の演出(演出図柄可変表示演出や、大当たり遊技及び小当たり遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図45に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行する。図46に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号い基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行する。図47に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。その後、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図48に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(S1405又はS1410でセット)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4402)。次に、主制御基板80から変動停止コマンド(S2102でセット)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4404)。
続いて、主制御基板80からオープニングコマンド(S2205又はS2210でセット)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4406)。次いで、主制御基板80からエンディングコマンド(S2320又はS2512でセット)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4408)。
続いて、主制御基板80からV打込報知コマンド(S2310でセット)を受信したか否か判定し(S4409)、受信していればV打込報知演出コマンドをセットする(S4410)。ここで、V打込報知コマンドは、15R特定大当たりにおける最終ラウンドの一つ前のラウンドの開始時にサブ制御基板90に送られるコマンドである。V打込報知演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の画像情報をROM103から読み出して、図53(A)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「次ラウンドはVチャンス」の文字と、第2大入賞装置36の位置(より詳しくは特定領域39の位置)を示す矢印「→」とを表示する。これにより、次のラウンド(最終ラウンド)では第2大入賞装置36が開放されること、そして特定領域39へ遊技球を通過させるべきことが、遊技者に報知される。なお、図53(A)に示した表示は、V打込報知態様の一例である。
なお、2R特定大当たりにおいては、V打込報知コマンドがサブ制御基板90に送信されることはない(図37のステップS2308〜S2310参照)。また、小当たりにおいても、V打込報知コマンドがサブ制御基板90に送信されることはない(図40参照)。従って、2R特定大当たり中や小当たり中の表示画面7aは、図53(B)に示すように、「次ラウンドはVチャンス」の文字等の表示がない画面(すなわち特定領域39へ遊技球を進入させることについての示唆が何もない画面)に制御される。言い換えれば、V打込非報知態様をとる。
このように本パチンコ遊技機1では、15R特定大当たりのときにはV打込報知を行う一方で、2R特定大当たりや小当たりのときには、V打込報知を行わない。これにより、2R特定大当たりや小当たりにおいて、V通過を遊技者に意識させないようにしている。すなわち、遊技者からすれば、2R特定大当たりや小当たりでは、V打込報知がなされないため、V通過を意識しにくくなっている。このようにすることで、2R特定大当たりや小当たり時に、遊技者が特定領域39をあえて注意して視認することのないようにしている。但し、2R特定大当たりや小当たり時であっても、15R特定大当たりと同様、「右打ち」の報知は表示画面7aにて行う(図53参照)。このようにすることで、2R特定大当たりや小当たりであっても、第2大入賞口35に遊技球が入賞されるようにしている。そして、2R特定大当たりにおいては振分部材71が第2の状態(開状態)にあるため、第2大入賞口35へ入賞した遊技球は、特定領域39を通過することとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第1V通過コマンド(S2604でセット)を受信したか否か判定し(S4411)、受信していればV通過報知コマンドをセットする(S4412)。なお、第1V通過コマンドは、15R特定大当たりにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の画像情報をROM103から読み出して、図54(A)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!」の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過したことが遊技者に報知される。
なお、「V通過!」の文字を表示することは、V通過報知態様の一つであり、他の表示内容(例えば「V」の文字を模したオブジェクト画像を表示する等)にてV通過を報知してもよい。さらには、「V通過!」の文字に変えて、図54(B)に示すように、「確変おめでとう!」の文字を表示してもよい。すなわち、V通過報知態様として高確報知態様をとってもよい。このようにすれば、V通過を報知するだけでなく、実行中の特別遊技後の遊技状態が高確率状態となることを遊技者に対して報知することができる。
続いて演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第2V通過コマンド(S2605でセット)を受信したか否か判定する(S4413)。そして、受信していればV通過非報知コマンドをセットしてから(S4414)、ステップS4415に進み、受信していなければ、そのままステップS4415に進む。ステップS4415では、その他の処理として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンド(S705でセット)や普通図柄変動停止コマンド(S1002でセット))に基づく処理を行う。ここで、第2V通過コマンドは、2R特定大当たりにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。
V通過非報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図54(C)に示すように、「V通過!」等の文字の表示がない画面(すなわちV通過の報知が何もない画面)に、画像表示装置7の表示画面7aを制御する。言い換えれば、V通過非報知態様をとる。従って本パチンコ遊技機1では、2R特定大当たりにおいて遊技球が特定領域39を通過しても、そのことは遊技者に報知されない。なお、小当たりにおいては、遊技球が第2大入賞口35に入賞しても振分部材71に阻害されて特定領域39を通過することはない。従って、小当たりにおいても、V通過非報知態様がとられることとなる。
なお、上述の特定領域センサ検出処理(図41)にてセットするコマンドを第1V通過コマンドのみとし、第2V通過コマンドをセットしない(ステップS2605を省略する)こととしてもよい。この場合、受信コマンド解析処理(図48)では、上記のステップS4413〜S4414を実行しないこととする。このように構成しても、15R特定大当たり中にV通過があったときのみ、その旨が遊技者に報知されるパチンコ遊技機とすることができる。すなわち、V通過の報知のための演出をしない場合にはあえてコマンド(V通過非報知コマンド)をセットしなくてもよい。但し、本形態のようにコマンドをセットしてそれに基づいて画像制御基板100を制御した方が、画像制御の安定性は増す。
[変動演出開始処理]図49に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(S1405又はS1410でセット)を解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1又は特図2の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報(図12のP1等)には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図12参照)。遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S4502)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。図55に示すように、モードステータスは「1」〜「5」までの値をとり、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄可変表示演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図55に示すように、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
また、演出モードD又は演出モードEは、高確低ベース状態又は低確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがDであるとき又はEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、高確率状態にあるのか非高確率状態(通常状態)にあるのか把握することはできない。その意味において演出モードD及びEは、特定不能モードと言える。
変動演出開始処理(図49)では、モードステータスの参照(S4502)に続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットし(S4503)、このテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合するとともに参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4504)。このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄の組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて演出図柄可変表示演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4505)、変動演出開始処理を終了する。
ステップS4405でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄可変表示演出を行う。
なお演出図柄可変表示演出における停止図柄の組み合わせとしては、15R特定大当たりへの当選時は「777」等の奇数図柄のゾロ目、15R通常大当たりへの当選時は「666」等の偶数図柄のゾロ目、リーチ有りハズレの場合は「787」などのバラケ目、リーチ無しハズレの場合は「635」などのバラケ目が選択されるようになっている。また、2R特定大当たりおよび小当たりへの当選時は「135」など予め定めたチャンス目が選択されるようになっている、すなわち、2R特定大当たりへの当選時も小当たり当選時も同じ演出図柄の組み合わせで停止表示されるようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しても、2R特定大当たりへ当選したのか小当たりに当選したのか判別することはできない。なお、上述の演出図柄の停止表示の態様は一例であり、大当たり抽選の結果に対して演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
[変動演出終了処理]図50に示すように、変動演出終了処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(S2102でセット)を解析するとともに(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。次に、モードステータスが「1」か否か、即ち演出モードAか否かを判定する(S4603)。そして、モードステータスが「1」であれば、ステップS4607に進む。一方、モードステータスが「1」でなければ、現在の演出モードに対応する演出モードカウンタの値M(図55参照)を1ディクリメントして(S4604)、その値Mが「0」にならなければ(S4605でNO)そのままステップS4607に進む。これに対して、「0」になれば(S4605でYES)、演出モードAに戻すためにモードステータスに「1」をセットしてから(S4606)ステップS4607に進む。ステップS4607では、演出制御用マイコン91は、演出図柄可変表示演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
[特別遊技演出選択処理]図51に示すように、特別遊技演出選択処理(S4406)ではまず、オープニングコマンド(S2205又はS2210でセット)を解析する(S4701)。そして、解析したオープニングコマンドに基づいて、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する特別遊技演出パターン選択処理を行う(S4702)。この特別遊技演出には、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放時演出が含まれている。続いて演出制御用マイコン91は、選択した特別遊技演出パターンにて特別遊技演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S4703)。
ステップS4703でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。オープニング演出としては例えば、右打ちをする旨を表示画面7aに表示する。なお、この右打ちをする旨の表示は、開放時演出としてもなされる(図53参照)。
ここで、2R特定大当たり又は小当たりとしての特別遊技の実行に際して選択される特別遊技演出として、そのオープニング演出にて第2大入賞装置36(第2大入賞口35)を狙って遊技球を発射し続ける旨を表示画面7aに表示するものが選択されるようになっているとよい。すなわち、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の開放前から右打ちをし続けるように報知するとよい。これらの特別遊技中における1.5秒にわたる第2大入賞口35の開放中に、確実に第2大入賞口35に遊技球を入球させるためである。これに対して、15R特定大当たりとしての特別遊技の実行時には、このような打ち出し報知(第2大入賞口35の開放前から右打ちをし続ける旨の報知)を伴わないオープニング演出が選択されるようになっている。なお、2R特定大当たり又は小当たりとしての特別遊技の実行時であっても、このような打ち出し報知を内容としないオープニング演出が選択されるようにしてもよい。
[エンディング演出選択処理]図52に示すように、エンディング演出選択処理(S4408)ではまず、エンディングコマンド(S2320又はS2512でセット)を解析する(S4801)。次いで、モードステータス変更処理(S4802)を行う。モードステータス変更処理(S4802)では、図55に示すように、いま終了させようとしている特別遊技が、15R通常大当たりであればモードステータスを「2」にセットする。また、15R特定大当たりであるがその大当たり遊技中にV通過が無ければ、モードステータスを「2」にセットする。また、15R特定大当たりであり且つその大当たり遊技中にV通過が有れば、モードステータスを「3」にセットする。また、2R特定大当たり又は小当たりであればモードステータスを「4」又は「5」にセットする。なおモードステータスの初期値は「1」である。
このようなモードステータスの変更により、次回の特別図柄の変動表示に並行して実行される演出図柄可変表示演出における演出モードが、変更後のモードステータスに対応した演出モードに変更される。すなわち、大当たり抽選にて15R特定大当たりに当選し且つその特別遊技中にV通過があった場合には、その特別遊技の実行後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードCが実行されることになる。これにより、今の遊技状態が高確率状態であることが遊技者に報知される。すなわち、高確報知態様がとられる。
また大当たり抽選にて2R特定大当たり又は小当たりに当選した場合には、その特別遊技の実行後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードD又はEが実行されることになる。これにより、今の遊技状態が高確率状態にあるかもしれないことが遊技者に報知される。但し、この演出モードD又はEは、小当たり遊技後であれば通常状態であっても実行されるため、高確率状態にあると断定することはできない。従って、今の遊技状態が高確率状態である場合(大当たり抽選にて2R特定大当たりに当選し且つその特別遊技中にV通過があった場合)に演出モードD又はEを実行することは、今の遊技状態が高確率状態であることを遊技者に対して報知していないことになる。すなわち、高確非報知態様をとっていることになる。また通常状態である場合に演出モードD又はEを実行することは、通常状態であることを遊技者に報知していない通常非報知態様をとっていることになる。よって、演出モードD又はEの実行は、遊技状態を遊技者に報知していない非報知態様をとっていることになる。
さらにモードステータス変更処理(S4802)では、変更後の演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限を設けるため、変更後の演出モードに対応した演出モードカウンタの値Mに上限回数をセットする。具体的には図55に示すように、演出モードBへの変更時には演出モードカウンタの値Mbに100(15R通常大当たり時)又は140(15R特定大当たりでV通過無し時)をセットする。また、演出モードCへの変更時には演出モードカウンタの値Mcに140をセットする。また、演出モードD又はEへの変更時には演出モードカウンタの値Md又はMeに30をセットする。
続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照し(S4803)、解析したエンディングコマンドおよび参照したモードステータスに基づいて、エンディング演出のパターン(内容)を選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S4804)。なお、エンディング演出とは、特別遊技のエンディング中に実行する演出である。そして演出制御用マイコン91は、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットする(S4805)。
ステップS4805でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。ここで本形態では、15R特定大当たりでV通過有り時のエンディング演出として、「演出モードC突入」の文字を表示画面7aに表示するものが選択されるようになっている。また、2R特定大当たり又は小当たりとしての特別遊技に対するエンディング演出として、「演出モードD突入」または「演出モードE突入」の文字を表示画面7aに表示するものが選択されるようになっている。
演出モードCは高確率状態のときのみ実行される(図55参照)。よって、「演出モードC突入」の文字を表示画面7aに表示するエンディング演出の実行は、これからの遊技状態が高確率状態であることを遊技者に報知することになる。すなわち、高確報知態様をとることにあたる。
これに対して、演出モードD又は演出モードEは高確率状態であっても通常状態であっても実行され得る(図55参照)。よって、「演出モードD突入」又は「演出モードE突入」の文字を表示画面7aに表示するエンディング演出の実行は、これからの遊技状態が高確率状態に制御される場合には、そのことを遊技者に報知しない高確非報知態様をとることにあたり、通常状態に制御される場合には通常非報知態様をとることにあたる。すなわち、これからの遊技状態が通常状態又は高確率状態のいずれであるかを遊技者に報知しない非報知態様をとることにあたる。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、2R特定図柄3(図9参照、第1の特定識別情報)が停止表示された場合には、振分部材71を図8(A)に示す作動パターン(第1作動パターンの一例)で作動させる。そのため、第2大入賞口35に入賞した遊技球は特定領域39を通過できる。そして、その特定領域39の通過に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御され得る。しかし、小当たり図柄4(図9参照、第2の特定識別情報)が停止表示された場合には、振分部材71を図8(B)に示す作動パターン(第2作動パターンの一例)で作動させる。そのため、第2大入賞口35に入賞した遊技球は特定領域39を通過できず、非特定領域70を通過することとなる。従って、小当たり遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されることはない。そのため遊技者が、特定領域39へと通じる第2大入賞口35への遊技球の入賞が有ったことを視認したとしても、特別遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されるのかどうかわからない。
よって本形態によれば、特定領域39の通過に基づいて高確率状態へ移行させ得るパチンコ遊技機1であっても、高確率状態にあるか否か遊技者がわからない状態(高確率状態の潜伏状態)をつくりだすことができる。そしてこれにより、遊技者に対して、高確率状態であるかもしれないという期待感を抱かせる遊技興趣を提供することができる。なお本形態では、2R特定図柄3が停止表示された場合も、小当たり図柄4が停止表示された場合も、図9に示す同じ開放パターン(特定開放パターンの一つ)にて開閉部材(開閉部材32や羽根部材37)を開放させる。そのため、開閉部材の動作を見てもどちらの特別遊技かは区別できない。
また本形態のパチンコ遊技機1では、2R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行された場合には、特定領域39を遊技球が通過したとしてもそのことは報知されない(図54(C)参照)。また、小当たり遊技が実行された場合には、特定領域39を遊技球が通過することがないので、特定領域39への遊技球の通過が報知されることはない。そのため、報知態様によっても遊技者はどちらの特別遊技が実行されているのかわからない。よって、高確率状態への移行を確信できない興趣性を強めることができる。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、15R特定大当たりとしての大当たり遊技では、2R特定大当たりとしての大当たり遊技よりも羽根部材(開閉部材)37の1ラウンド中の最長開放時間が長い(図9参照)。つまり15R特定大当たりは、第2大入賞口35への入賞を多く期待できる大当たりである。また、15R特定大当たりとしての大当たり遊技では、振分部材71を図7(A)に示す作動パターン(第1作動パターンの一例)で作動させる。そのため、第2大入賞口35に入賞した遊技球は特定領域39を通過できる。従って、その特定領域39の通過に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御され得る。そして、この15R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行された場合には、特定領域39への遊技球の通過があればそのことが報知される(図54(A)参照)。これにより遊技者は、特定領域39への遊技球の通過に基づく高確率状態への移行があると認識し得る。これに対して、2R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行された場合には、特定領域39への遊技球の通過があってもそのことは報知されない(図54(C)参照)。すなわち本形態では、高確率状態への移行に際して特定領域39への遊技球の通過が報知される場合とされない場合がある。よって、報知されない場合における高確率状態への移行を確信できない興趣性を一層強めることができる。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、15R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技中に、特定領域39を狙うべき旨の積極的な打込報知がなされる(図53(A)参照)。一方、2R特定大当たりとしての大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技中に、特定領域39を狙うべき旨の積極的な打込報知はなされない(図53(B)参照)。すなわち本形態では、高確率状態に移行させ得る大当たり遊技であっても、特定領域39を狙った打ち込みが積極的に報知される場合とされない場合とがある。このことにより、特定領域39を狙った打ち込みが積極的に報知されない特別遊技(2R特定大当たりとしての大当たり遊技)において、遊技者の意識が特定領域39に向けられるのを抑えることができる。なお、遊技者に特定領域39の付近を注視されてしまうと、振分部材71の作動パターンの違いから、2R特定大当たりなのか、それとも小当たりなのかを区別されてしまうおそれが生じる。しかし本形態では、そのような事態の発生を抑制することが可能である。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
次に、本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、特定領域センサ39aが遊技球を検知すれば必ずVフラグをONするようにしていた(図41のステップS2601及びS2602参照)。このようにしていても、振分部材71の状態制御によって特定領域39を遊技球が通過可能な状態と不可能な状態をつくりだすことができるので、本発明の目的の達成のためには十分である。しかしながら、不正行為に基づく特定領域39への遊技球の通過が生じたときに高確率状態へ移行してしまうのを防ぐためには、これから説明する第2形態のようにしておくとよい。
第2形態では、振分部材71の状態変化に同期して、特定領域センサ39aによる通過検知の有効性を切り変えるようにしている。具体的には、遊技制御用マイコン81は、図7(A)・(B)および図8(A)・(B)の各タイミングチャートにおいて「(c)V有効期間」として示すように、振分部材71が第2の状態(開状態、図3(B)に示す状態)にあるときには、特定領域39への遊技球の通過を有効と判定するV有効期間(第1期間に相当)に設定する。一方、振分部材71が第1の状態(閉状態、図3(A)に示す状態)にあるときには、特定領域39への遊技球の通過を無効と判定するV無効期間(第2期間に相当)に設定する。なおこれらの設定期間の切り変えは、振分部材開放処理(図37のステップS2312)や振分部材閉鎖処理(図37のステップS2319)に伴って行うようにすればよい。
そしてこの第2形態では、図41に示した特定領域センサ検出処理に替えて、図56に示す特定領域センサ検出処理を行う。この図56に示す特定領域センサ検出処理は、特定領域センサ39aがONであった場合に(S2601でYES)V有効期間中であるか否かを判定し(S3100)、V有効期間中であるときのみVフラグをONする(S3100でYESのときのみS2602を実行する)点が、第1形態と異なっている。第2形態ではこのような処理を行うため、振分部材71が特定領域39への遊技球の通過を許容しているとき(第2の状態にあるとき)だけ、特定領域センサ39aによる通過検知が有効なものと判定されて(ステップS3100でYESとなり)、VフラグがONされることとなる(S2602)。なお、ステップS3100でNOと判定することは、特定領域センサ39aによる通過検知を無効と判定することに相当する。
以上説明したように第2形態のパチンコ遊技機によれば、振分部材71の状態変化に同期して、特定領域センサ39aによる通過検知の有効無効が切り変えられる。つまり、振分部材71が特定領域39への遊技球の通過を許容しているときだけ、特定領域センサ39aによる通過検知が有効と判定されるV有効期間(第1期間)に設定される(図7及び図8)。そして、V有効期間中の通過検知に基づいて遊技状態を高確率状態に制御するようにしている(図56)。従って、振分部材71が特定領域39への遊技球の通過を許容していないのに、不正行為によって特定領域39へ遊技球を通過させても、その遊技球の通過はV無効期間(第2期間)中の通過となるため、遊技状態が高確率状態に制御されることはない。つまり本形態によれば、不正行為に基づく高確率状態への移行を防止することができる。
〈第3形態〉
次に、図57に基づいて本発明に係る第3形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、第2大入賞装置36はセンター装飾体10の右下部に設けられていた。これに対して第3形態では、センター装飾体10の左上部に第2大入賞装置236を設けている。この第2大入賞装置236は、第2大入賞口235と、第2大入賞口235を開閉する羽根部材(開閉部材)237と、羽根部材237を開閉駆動させる第2大入賞口ソレノイド(図5の第2大入賞口ソレノイド38と同じ)と、第2大入賞口235への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ(図5の第2大入賞口センサ35aと同じ)と、を備えている。また、第2大入賞装置236の内部には、第2大入賞口235を通過した遊技球が通過可能な特定領域239および非特定領域270と、第2大入賞口235を通過した遊技球を特定領域239または非特定領域270に振り分ける振分部材271と、振分部材271を駆動させる振分部材ソレノイド(図5の振分部材ソレノイド73と同じ)と、特定領域239への遊技球の通過を検知する特定領域センサ(図5の特定領域センサ39aと同じ)と、非特定領域270への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ(図5の非特定領域センサ70aと同じ)とが設けられている。なお第2大入賞口ソレノイド、第2大入賞口センサ、振分部材ソレノイド、特定領域センサ、および非特定領域センサは、主制御基板80(図5)に接続されているものである。
このように構成された第2大入賞装置236の第2大入賞口235は、遊技盤2におけるレール部材4の先端に取り付けられた球戻り防止片(バックストップ)6の近傍に配置されている。より具体的には、遊技領域3中の左遊技領域3Aの上部に設けられている。さらに詳細には、少なくとも画像表示装置7の表示画面7aよりも上方、本形態では球戻り防止片6よりも上方に位置している。このため、第2大入賞装置236の第2大入賞口235は、遊技盤2に配された各種入賞口等(入賞口およびゲート)のなかで球戻り防止片6の最も近傍に位置した入賞口等となっている。
ところで、このパチンコ遊技機では、左打ちにて発射された遊技球は、球戻り防止片6を越えて左遊技領域3Aの上部へまず流入する。従ってこのように第2大入賞装置236が配されていれば、遊技領域3へ流入した遊技球が即座に第2大入賞口235に到達することが可能となる。よって、第2大入賞口235の開放時間が1.5秒(図9参照)のような比較的短い開放であっても確実に遊技球を入賞させることができる。
なお第2大入賞装置236を、センター装飾体10の右上部に設けてもよい。右打ちにて遊技球を左打ち時よりも勢いよく遊技領域3へ流入させた場合において、遊技球を第2大入賞口235へ即座に到達させることができるからである。但し、低確低ベース状態においては遊技者は左打ちにて遊技していることを考慮すると、2R特定大当たりとしての利益を確実に遊技者に享受させるためには、そのまま打方を変更せずに左打ちにて入賞可能な図57に示す位置に第2大入賞口235が設けられている方が望ましい。
以上述べたように第3形態としてのパチンコ遊技機では、遊技球が流下する遊技領域3の上部に向けて遊技球を打ち出す発射装置112(遊技球発射手段)を備え、第2大入賞装置236は、遊技領域3の上部に配置されている。そのため、2R特定大当たりとしての大当たり遊技時や小当たり遊技時のように第2大入賞口235の開放時間が比較的短い場合であっても(図9参照)、遊技領域3に打ち出した遊技球を確実に第2大入賞口235へ入賞させることが可能となっている。
〈第4形態〉
次に、第4形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、特別遊技の実行契機となる抽選結果には下記の4つがあった(図9参照)。
15R特定大当たり(15R特定図柄1)
15R通常大当たり(15R通常図柄2)
2R特定大当たり(2R特定図柄3)
小当たり(小当たり図柄4)
これに対して第4形態では、特別遊技の実行契機となる抽選結果を下記の3つとしている。
15R特定大当たり(15R特定図柄1(V通過報知))
15R通常大当たり(15R通常図柄2)
15R特定大当たり(15R特定図柄5(V通過非報知))
すなわち第4形態には、2R特定大当たりおよび小当たりはない。そして第4形態には、15R特定大当たりとして、V入賞を報知する15R特定大当たり(15R特定図柄1)と、V入賞を報知しない15R特定大当たり(15R特定図柄5)を設けている。なお両15R特定大当たりの大当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンは、同じ(図9の15R特定大当たりの欄参照)とする。また、振分部材71の作動パターンも同じ(図7(A)に示す作動パターン)とする。
そして同じ開放パターンの15R特定大当たりであっても、V入賞を報知する場合と報知しない場合とを設けるため、第4形態では特定領域センサ検出処理(図41)を次のように変えている。すなわち、特定領域センサ処理(図41)において、そのステップS2603の判定内容を、「2R大当たり?」ではなく、「15R特定図柄5?」すなわち「V通過を報知しない15R大当たり?」に変えている。これにより、「15R特定図柄5」であれば第2V通過コマンドがセットされ、「15R特定図柄5」でなければ、すなわち「15R特定図柄1」であれば第1V通過コマンドがセットされるようにしている。
これにより、第2V通過コマンドを受信した演出制御用マイコン91はV通過非報知態様をとるよう演出を制御し、第1V通過コマンドを受信した演出制御用マイコン91はV通過報知態様をとるよう演出を制御することとなる。そのため、15R特定図柄5で大当たりに当選した場合には、V通過が報知されず、15R特定図柄1で大当たりに当選した場合には、V通過が報知されることとなる。従って、遊技者は、15R特定図柄5で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させてもV通過報知がないため、その大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態へ移行しないのではないかと疑念を抱くこととなる。すなわち、高確率状態への移行が遊技者に明示されていない高確率状態の潜伏状態を実現することができる。
なお第4形態では、15R特定図柄1で大当たりに当選し且つその特別遊技中にV通過があった場合のモードステータス変更処理(S4802、図52)ではモードステータスを「3」にする、すなわち高確率状態を報知する意味をもつ演出モードCが実行されるようにするが、15R特定図柄5で大当たりに当選した場合のモードステータス変更処理ではモードステータスを「2」にする(但し演出モードカウンタMbには「140」をセットする)など、高確率状態を報知する演出モードが実行されないようにする。
さらに第4形態においては、15R通常大当たりにおける開放パターンを15R特定大当たりにおける開放パターンと同じにし(図9参照)、羽根部材37の動作の見た目上15R通常大当たりに当選したのか、15R特定大当たりに当選したのかわからないように構成してもよい。なお、15R通常大当たりとしての大当たり遊技中は、振分部材は図7(B)に示す作動パターンで作動するため、第2大入賞口35へ入賞した遊技球が特定領域39を通過することはない。つまり、VフラグがONとなることはない。このように構成すれば、見た目上同じ開放パターンで羽根部材37が動作しており且つV通過報知がなされない場合であっても、高確率状態である場合と高確率状態でない場合とがあることになるので、高確率状態かもしれないとの期待感をもたせる遊技の興趣性をより強めることができる。
なお第4形態では、大当たり抽選の結果としての特別図柄の種類とV通過の有無に基づいて、15R特定大当たりにおけるV通過報知の有無を決定するように構成したが、15R特定大当たりに当選した場合に、さらに別途乱数を用いた抽選を行ってV通過報知の有無を決定するようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイコン81が報知態様抽選手段として機能するようにしてもよい。例えば、特定領域センサ検出処理(図41)において、特定領域センサがONである場合に、VフラグをONするとともに、V通過報知乱数(乱数範囲0〜9)の取得および判定を行い、その結果が第1の結果(乱数値0,2,4,6,8でV通過報知)であれば第1V通過報知コマンドをセットし、第2の結果(乱数値1,3,5,7,9でV通過非報知)であれば、第2V通過報知コマンドをセットするといった具合である。この場合、15R特定大当たりとしての特別図柄は1種類のみ(15R特定図柄1のみ)でよい。
また第4形態では、15R特定図柄1と15R特定図柄5とで大入賞口の開放パターンを同じにしたが、異ならせてもよい。この場合さらに、それぞれについてV通過報知の有無を乱数を用いた抽選にて決定するようにしてもよい。
なお上記の第4形態では、V通過を報知しない15R特定大当たりに当選した場合、V通過報知も高確報知も行わないよう構成した。しかし、V通過報知を行わないものの、高確報知を行うようにしてもよい。具体的には、エンディング演出として、「演出モードC突入」の文字を表示画面7aに表示したり、モード演出(演出モードを実行することによる演出)として、演出モードCを実行したりすればよい。さらには、特別遊技後の特別図柄の変動回数が予め定めた回数(例えば10回)に至った時に演出モードCを実行する(それまでは演出モードBを実行する)ように構成してもよい。このように構成しても、少なくとも大当たり遊技のラウンド中は報知がないため、遊技者は高確率状態に移行するか否かわからずに高確率状態への期待感を抱いて遊技することとなる。従ってこの場合には、最終ラウンド(15ラウンド)のような大当たり遊技の終盤ではなく、例えば4ラウンド目等の大当たり遊技の前半から中盤で、第2大入賞口35を開放する開放パターンとするとともに、振分部材71を第2の状態に制御して特定領域39への遊技球の通過を可能にすることが望ましい。そうすれば、高確率状態に移行するのかわからずに高確率状態への期待感を抱いて遊技する時間を長くすることができるからである。
また、第2大入賞口35を開放させる(特定領域39を通過させる)タイミングを上記のように例えば4ラウンド目に設けた場合には、5ラウンド以降のラウンド中に、高確率状態への移行の報知(高確報知)を行うように構成してもよい。この場合、例えば5ラウンドから10ラウンドまでの大当たり遊技中の演出として、遊技者が演出ボタン63を操作して行うミニゲーム(例えば表示画面7aに表示するタイミングに合わせて演出ボタン63を押下する等)を実行し、そのミニゲームにおけるミッションの達成時(所定回数以上タイミング通りに演出ボタン63を押下したとき)に限り、例えば11ラウンド中の演出として高確率状態への移行を報知するようにしてもよい。
〈その他の変更例〉
第1形態では、V打込報知の有無(図53(A)の報知を行うか行わずに図53(B)の態様をとるか)によって、遊技者に対して特定領域39を意識させる場合と、意識させない場合とをつくりだしていた。このような報知に替えて、又は加えて、特定領域39の前方に、遊技者による特定領域39の視認を困難にする特定領域視認困難手段を配置してもよい。特定領域視認困難手段としては、例えば、すりガラス等が挙げられる。このようにすれば、特定領域39への遊技球の通過の有無が遊技者からわかりにくくなるため、高確率状態に移行するのかどうかを一層わかりにくいものとすることができる。
また第1形態では、特別遊技後に高確低ベースに移行し得る大当たりとして、大入賞口を2回開放する2R特定大当たりのみを設けたが、大入賞口の開放パターンの異なる複数の特定大当たりを有していてもよい。例えば、第1形態の2R特定大当たりに加えて、一回当たり0.3秒で第1大入賞口30を7回開放した後、一回当たり1.5秒で第2大入賞口35を一回開放する8R特定大当たりを設けてもよい。この場合、8R特定大当たりにおける大入賞口の開放パターンと同じ開放パターン(少なくとも遊技者が見た目上区別できない程度に似ている開放パターン)で大入賞口を開放する小当たりを、さらに設けてもよい。このようにすれば、大入賞口の開放パターンにより8R特定大当たりであると遊技者に認識されるのを防ぐことができる。
第1形態では小当たりを設けたが(図9)、小当たりを設けなくてもよい。すなわち、V通過報知がなされる15R特定大当たりと、V通過報知がなされない2R特定大当たりとがあればよい。15R特定大当たりへの当選時にはV通過報知がなされるのに対して、2R特定大当たりへの当選時にはV通過報知がなされないことにより、遊技者に対して高確率状態に移行したのかどうなのかよくわからないとの思いを抱かせることができるからである。すなわち、高確率状態の潜伏状態をつくりだすことができるからである。
また各当たりに対する大入賞口の開放パターン(図9参照)は、任意に変更可能である。例えば、15R特定大当たりとして、15ラウンド目以外のラウンドにおいて第2大入賞口35を開放させて特定領域39への遊技球の通過を狙わせるように構成してもよい。勿論、15ラウンド以外のラウンド数の大当たりとしてもよい。この場合、振分部材71を開状態(第2の状態)とする期間は、第2大入賞口35の開放期間に合わせて適宜変更すればよい。このことは、以下の説明においても同様である。
また例えば、2R特定大当たりの開放パターンを、1ラウンド目は第1大入賞口30を最大6秒開放させ、2ラウンド目は第2大入賞口35を最大6秒開放させるパターンとしてもよい。さらにこのような開放パターンの2R特定大当たりに加えて、同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる2R通常大当たりを設けてもよい。この2R通常大当たりにおいては、振分部材71を閉状態(第1の状態)に制御するようにする。そうすれば、遊技者からは羽根部材37の動作の見た目上2R特定大当たりなのか2R通常大当たりなのかわからないが、2R特定大当たりのときだけ高確率状態になり得ることとなるので、高確率状態の潜伏状態をつくりだすことができる。なお、これらの2R特定大当たりおよび2R通常大当たり後の遊技状態は、共に非時短状態且つ低ベース状態とするようにしてもよいし、共に時短状態且つ高ベース状態にするようにしてもよい。
また第1形態では高確率状態の終了条件を、大当たりへ当選したとき又は特別図柄の可変表示が140回なされたときとした。すなわち所謂ST機として構成した。しかしST機として構成しない、すなわち次回の大当たり当選まで高確率状態が続くように構成してもよい。具体的には、遊技状態設定処理(図39)のステップS2406において、確変カウンタに「140」ではなく「10000」をセットするようにすればよい。この場合には、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄の抽選においても、15R通常大当たりに当選するように、第2特別図柄の抽選における大当たり図柄の種類を変更する。
また第1形態では、2R大当たりと小当たりとが見た目上の大入賞口の開放パターンが同じ当たりとなっていたが、これらの当たりにおいて、大入賞口の開放回数は2回でなくてもよい。すなわち、第2大入賞口35を通過可能な態様で開放するのであれば、4回(例えば第1大入賞口30の0.1秒開放を3回と第2大入賞口35の1.5秒開放を1回)など、大入賞口の開放回数は任意である。また、第2大入賞口35の開放を何回目の開放に設定するかも勿論任意である。
また第1形態では、小当たりと2R特定大当たりの開放パターンが全く同一であったが、全く同一でなくても見た目上判別できない程度に類似していればよい。例えば、一方の開放パターンを、1回目に0.3秒にわたり第1大入賞口30を開放し、2回目に1.5秒にわたり第2大入賞口35を開放するパターンとし、もう一方の開放パターンを、1回目に0.2秒にわたり第1大入賞口30を開放し、2回目に1.6秒にわたり第2大入賞口35を開放するパターンとしてもよい。このような類似する2つの開放パターンはともに、特定開放パターンにあたる。
また第1形態では、振分部材を第2の状態(開状態)とする期間は、最終ラウンド(15R大当たりであれば第15ラウンド、2R大当たりであれば第2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間に設定したが、第2大入賞口35の開放中のみや、第2大入賞口35の開放中の一部の期間などに変更してもよい。
また第1形態では、大入賞装置として、内部に特定領域39のある第2大入賞装置36と、内部に特定領域のない(すなわち特定領域でない非特定領域のみがある)第1大入賞装置31とを設けたが、特定領域39のある第2大入賞装置36のみを有する構成としてもよい。この場合、第1形態において第1大入賞口30を開放させていたところを、全て第2大入賞口35を開放させるようにする。そして、第2大入賞口35を開放させるように変更したところは、その第2大入賞口35の開放中に特定領域39を遊技球が通過しないように振分部材を第1の状態(閉状態)に制御する。
また第1形態では、固定入賞装置19と電チュー(普通可変入賞装置)22とが別体であったが、固定入賞装置19と電チュー22とが一つの装置(始動入賞装置)からなるものでもよい。この場合、その始動入賞装置が、特許請求の範囲における「始動入賞手段」を構成する。勿論、電チュー22のみが「始動入賞手段」を構成していてもよい。また第2大入賞装置36は、センター装飾体10と一体であってもよいし、別体であってもよい。さらに、第2大入賞装置36のうち、振分部材71や振分部材ソレノイド73等の構成部品の一部がその他の部分と別体となっていてもよい。