JP2017153804A - 遊技機 - Google Patents

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田中 勝巳
Katsumi Tanaka
勝巳 田中
浩司 堀部
Koji Horibe
浩司 堀部
伊藤 智章
Tomoaki Ito
智章 伊藤
将久 番沢
Masahisa Banzawa
将久 番沢
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Abstract

【課題】特別遊技中のV通過有無に基づき特典を付与するか否かを決定する特典決定遊技を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図る。【解決手段】所定回数目のラウンド遊技を、Vアタッカーの開放時間が第1時間とされた第1開放動作を行うとともにVアタッカー内の可動片を動作させない第1非特定ラウンドとして実行し、所定回数目の次のラウンド遊技を、Vアタッカーの開放時間が第1時間よりも長い第2時間とされた第2開放動作を行うとともにVアタッカー内の可動片を動作させる第1特定ラウンド(Vラウンド)として実行するV通過予定大当り遊技と、所定回数目のラウンド遊技を、前記第1開放動作及び前記第2開放動作と同様の開放動作をこの順で行うとともにVアタッカー内の可動片を動作させない第2非特定ラウンドとして実行するV未通過予定大当り遊技と、を設ける。【選択図】図49

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示し、その識別情報が特定態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を行うものが知られている。この種の遊技機には、特別遊技に加え、識別情報の変動時間を通常よりも短くしたり、始動口への遊技球の入球頻度を通常よりも高くしたり、識別情報が特定態様で停止表示される確率を通常よりも高くしたりする等、遊技者に所定の特典を付与可能としたものが存在する。この特典付与に関し、特別遊技中に、所定の可変入球口に入球した遊技球の特定領域への通過有無に基づいて特典を付与するか否かを決定する「特典決定遊技」を行い、この特典決定遊技の結果を演出等で報知する遊技機が知られている(例えば特許文献1)。
特開2014−161615号公報
前述のような特典決定遊技を備えた遊技機では、遊技球が特定領域を通過する可能性を、特定領域への遊技球の通過に係る可変入球口(以下「特定可変入球口」ともいう)の開放パターンによって異ならせるのが一般的である。ところが、このような構成では、例えば、特別遊技の際、遊技者は特定可変入球口の開放パターン(開放動作)を注視することで、特定可変入球口が開放を開始した際の早い段階、つまり、特典決定遊技の開始早々に、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別できる場合がある。このように特典決定遊技の開始早々に特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別できてしまうと、特典決定遊技の結果が得られる前(特典決定遊技の終了前)や当該遊技の結果が報知される前に、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等が分かってしまうこととなり、このことは特典決定遊技の興趣低下や存在価値の希薄化に繋がる虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特典決定遊技での特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くし、特典決定遊技を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、第1発明の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な状態となり、開放することで遊技球が入球可能な状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放時間で開放動作可能とされており、
前記特別遊技として、少なくとも、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が第1時間とされた第1開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させない第1非特定ラウンドとして実行し、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第1時間よりも長い第2時間とされた第2開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第1特定ラウンドとして実行する第1特別遊技と、
前記所定回数目のラウンド遊技を、前記第1開放動作及び前記第2開放動作と同様の開放動作をこの順で行うとともに前記可動部材を動作させない第2非特定ラウンドとして実行する第2特別遊技と、
を有することを特徴とする。
第1発明の遊技機によれば、第1特定ラウンドが実行される場合の第2開放動作は可変入球口への遊技球の入球可能性が高くなる(入球が容易となる)開放動作でされており、この第2開放動作が行われる第1特定ラウンドでは可動部材が動作することから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されて特定領域を通過する可能性が高いものとなる。これに対し、第1非特定ラウンド及び第2非特定ラウンドでは、可動部材が動作しないことから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されず、特定領域を通過する可能性が低い若しくは無いものとなる。そして、第1発明の遊技機では、第1特別遊技にて第1非特定ラウンド及び第1特定ラウンドが実行される場合の可変入球口の開放動作(第1開放動作、第2開放動作)と、第2特別遊技にて第2非特定ラウンドが実行される場合の可変入球口の開放動作とが同様になる。このため、可変入球口の開放動作からは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
第2発明の遊技機は、前述の第1発明の遊技機において、
前記第2特別遊技において、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第2時間よりも短い時間とされて前記可変入球口への遊技球の入球可能性が前記第1特定ラウンドよりも低くなる第3開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第2特定ラウンドとして実行する
ことを特徴とする。
第2発明の遊技機によれば、第2特別遊技にて実行される第2特定ラウンドでは、遊技球が可変入球口に入球する可能性を低くして、遊技球が特定領域を通過する可能性を低くすることが可能となる。これにより、第2特別遊技を、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技とすることの確実性を増すことが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性に違いのある特別遊技(第1特別遊技及び第2特別遊技)による遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
第3発明の遊技機は、前述の第1発明又は第2発明の遊技機において、
前記第2開放動作は、前記第2時間内で前記可変入球口を複数回開放させる開放動作である
ことを特徴とする。
第3発明の遊技機によれば、第1特別遊技における第1非特定ラウンド及び第1特定ラウンドでの可変入球口の開放回数と、第2特別遊技における第2非特定ラウンドでの可変入球口の開放回数は、少なくとも3回以上の複数回となる。これにより、可変入球口の開放動作から、第1特別遊技での「第1非特定ラウンド及び第1特定ラウンド」と、第2特別遊技での「第2非特定ラウンド」とを区別するのをより難しくすることが可能となり、実行されている特別遊技の種類(第1特別遊技又は第2特別遊技)をより判別し難くすることが可能となる。
第4発明の遊技機は、前述の第1乃至第3発明の何れか一つの遊技機において、
前記第1特別遊技では、前記第1非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行した後、所定のインターバル期間を経て前記第1特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行し、
前記第2特別遊技では、前記第2非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行する際、前記第1開放動作を行った後、前記インターバル期間と同様の閉鎖時間を経て前記第2開放動作を行う
ことを特徴とする。
第4発明の遊技機によれば、第1特別遊技における第1非特定ラウンド及び第1特定ラウンドでの可変入球口の開放動作の態様と、第2特別遊技における第2非特定ラウンドでの可変入球口の開放動作の態様とを、インターバル期間(閉鎖時間)を含めて、より区別し難いものとすることが可能となる。これにより、実行されている特別遊技の種類(第1特別遊技又は第2特別遊技)をより判別し難くすることが可能となる。
第5発明の遊技機は、前述の第1乃至第4発明の何れか一つの遊技機において、
前記所定回数目のラウンド遊技は1回目のラウンド遊技である
ことを特徴とする。
第5発明の遊技機によれば、特別遊技の開始当初から、その特別遊技が第1特別遊技と第2特別遊技の何れであっても、可変入球口が同様の開放動作を行うこととなる。これにより、特別遊技の開始当初から、その特別遊技が第1特別遊技なのか第2特別遊技なのかを判別し難くして、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
以上の本発明によれば、特典決定遊技を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理のフローチャートである。 入排出数一致判定処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特定領域センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始のフローチャートである。 特定演出開始処理のフローチャートである。 第2大入賞装置の模式図である。 大当り種別とエンディング時間との対応等を示す表である。 7R第4大当りの開放パターンと7R第5大当りの開放パターンとの関係を示すタイミングチャートである。 VラウンドでのVアタッカーと特定領域との関係を示すタイミングチャートである。 VラウンドでのVアタッカー(ショート開放)と特定領域との関係を示すタイミングチャートである。 VラウンドでのVアタッカー(ロング開放)と特定領域との関係を示すタイミングチャートである。 画像表示装置で行われる特定演出の表示態様の一例を示す説明図である。 画像表示装置で行われる特定演出の表示態様の一例を示す説明図である。 実施例2の特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 実施例2の第1大入賞口閉鎖処理のフローチャートである。 実施例2の第2大入賞口閉鎖処理のフローチャートである。 実施例2の入排出数一致判定処理のフローチャートである。 実施例2のラウンドカウンタ減算処理のフローチャートである。 実施例2の大当り遊技中を示すタイミングチャートである。 実施例3の受信コマンド解析処理のフローチャートである。 実施例3の対決演出パターン決定テーブルを示す表である。 実施例1の変形例1の7R第4大当りの開放パターンと7R第5大当りの開放パターンとの関係を示すタイミングチャートである。 実施例1の変形例2の7R第4大当りの開放パターンと7R第5大当りの開放パターンとの関係を示すタイミングチャートである。 大当り種別とエンディング演出との対応等を示す表である。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。そして、本実施例1では、後述の2R大当り及び7R大当り以外の大当りについては、演出図柄8L、8C、8Rを停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出を、例えば、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)の略中央で演出図柄8L、8C、8Rを停止表示する等、遊技者が大当りの発生を容易に認識できる態様(第1演出態様)で行うこととし、2R大当り及び7R大当りについては、例えば、表示画面7aの隅で演出図柄8L、8C、8Rを小さく停止表示したり停止表示時間を短くしたりする等して、大当りの発生を認識し難い態様(第2演出態様)で行うこととしている。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材(羽根部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)と、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)とが設けられており、本実施例1では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39及び非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150は、可動片ソレノイド151(図5参照)により駆動されるもので、可動片150は、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過することが可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(12R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第2大当り図柄)。また、第3大当り(12R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第3大当り図柄)。また、第4大当り(7R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第4大当り図柄)。また、第5大当り(7R大当り)となった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第7大当り(2R大当り)となった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第7大当り図柄)。また、第8大当り(2R大当り)となった場合には、「cdgh」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第8大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49a及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38及び可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「12R第2大当り」、「12R第3大当り」、「7R第4大当り」、「7R第5大当り」、「15R第6大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」の計8種類がある。「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回の大当りで、「12R第2大当り」及び「12R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が12回の大当りで、「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が7回の大当りで、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回の大当りである。これらの各大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目で第1大入賞口30を閉鎖したまま第2大入賞口35(上大入賞口)だけを開放させ、3ラウンド目以降は、奇数ラウンドで第1大入賞口30(下大入賞口)、偶数ラウンドで第2大入賞口35(上大入賞口)をそれぞれ開放させるものとしている。つまり、3ラウンド目以降は、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが交互に開放するものとなっている(図6に示す大入賞口開放パターンの開放順序の欄を参照)。尚、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定されるものとなっており、本実施例1では、1ラウンド目と2ラウンド目の間のインターバル時間と、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル時間をそれぞれ2000ms(2秒)とし、その他の各ラウンド間のインターバル時間を200ms(0.2秒)としている。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターンについて説明する。まず、3ラウンド目以降の奇数ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで第1大入賞口30の開放を行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで、遊技球を容易に入球させることが可能となる。尚、奇数ラウンドでは、第2大入賞口35は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。一方、3ラウンド目以降の偶数ラウンドでは、第2大入賞口35をラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させた後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、それぞれ順に行い、その後、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間23000ms(第2時間)、開放回数5回(第2回数)の開放パターンで、第2大入賞口35の開放を行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の16000ms(16秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。尚、偶数ラウンドでは、第1大入賞口30は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。
また、2ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、当該開放の開始(最初の開放開始)を契機に可動片150を動作させるものとしている。そして、前述の8種類の大当りのうち、「15R第1大当り」、「15R第6大当り」、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が容易(可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V通過予定大当り」ともいう)となっている。一方、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V未通過予定大当り」ともいう)となっている。2ラウンド目における第2大入賞口35の開放態様と可動片150の動作態様について説明すると、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の第2大入賞口35の開閉動作の態様(開放パターン)を、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同じ態様としている。そして、第2大入賞口35をラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させる際の当該開放(1回目の開放)を契機として、可動片150の動作制御を開始させる。具体的には、第2大入賞口35の1回目の開放開始(つまり、ラウンド開始)から80msが経過した時点で80msだけ動作状態(可動片ソレノイド151をON)とした後に非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、その後2840ms(約2.8秒)が経過した時点で、再度、動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を最大26000ms(26秒)が経過するまで維持する(図52を参照)。このため、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から3000ms(3秒)が経過したところで可動片150が継続的に動作状態となるので、2ラウンド目の開始から16000ms(16秒)のうち後の13000ms(13秒)の間は、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。また、16000ms(16秒)の開放が終了した後も、1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、それぞれ順に行うので、その開放の際に第2大入賞口35に入球した遊技球も特定領域39を通過することが可能となる。これにより、「V通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。尚、このような開放パターン、すなわち開放時間23000ms(第2時間)、開放回数5回(第2回数)の開放パターン(第2開放動作)で開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の16000ms(16秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。
一方、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から可動片150を「V通過予定大当り」と同じ態様で動作制御し、第2大入賞口35を2ラウンド目の開始から100ms(0.1秒)だけ開放させ(一瞬開閉)、その後閉鎖させて、当該ラウンドを終了させる(図51を参照)。つまり、開放時間100ms(第3時間)、開放回数1回(第3回数)の開放パターン(第3開放動作)で、第2大入賞口35の開放を行う。このため、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となり、遊技球が特定領域39を通過する可能性も極めて低いもの(実質的に不可能)となる。これにより、「V未通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い(無い)大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。このように、本実施例1では、大当り遊技の2ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定する「特典決定遊技」としている。
また、1ラウンド目においても第2大入賞口35を開放させるが、大当りの種類によって第2大入賞口35の開放パターンを異ならせている。すなわち、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目は、第2大入賞口35を複数回開放させるものとなっており、その開閉動作の態様は、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同様としている。このため、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目では、右打ちを行うことで第2大入賞口35に遊技球を容易に入球させることが可能となる。また、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目は、前述した「V未通過予定大当り」(12R第3大当り、7R第5大当り及び2R第8大当り)の2ラウンド目と同じ態様で第2大入賞口35を開放させる。すなわち、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させ、その後閉鎖させ、ラウンドを終了させる。よって、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目では、開放時間100ms(第1時間)、開放回数1回(第1回数)の開放パターン(第1開放動作)で第2大入賞口35が開放し、遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となる。
また、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目は、前述した「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1ラウンド目と2ラウンド目とを繋げた態様で、第2大入賞口35を複数回開放させるもとなっている(図49を参照)。つまり、「V未通過予定大当り」である「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンは、「V通過予定大当り」である「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1ラウンド目の開放パターン(第1開放動作)と2ラウンド目の開放パターン(第2開放動作)とを、この間のインターバル時間(ここでは2000ms)を含めて組み合わせた態様となっている。具体的には、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させた後(第1開放動作)、2000msの閉鎖を経て16000ms(16秒)開放させ、その後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを(第2開放動作)、それぞれ順に行う。このため、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「2R第8大当り」の1ラウンド目は、見かけ上、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「2R第7大当り」の1〜2ラウンドまでが行われた場合(2ラウンド目終了)と同様となる(図49を参照)。これにより、遊技者にとっては、ラウンド数が同じ「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」(例えば、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」)の区別がつきにくくなる。そして、本実施例1では第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39に誘導するか否かの振り分けを行うための可動片150(振分部材)を2ラウンド目だけで動作させ、他のラウンドでは動作させないものとしている。このことから、遊技者にとっては、ラウンド数が「12」「7」「2」の大当りが発生した場合、それに係る大当り遊技での1ラウンド目からの第2大入賞口35の開閉動作に注目したとしても、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となるか否か(特定領域39への遊技球の通過有無)については判別し難いものとなる。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが35%、12R第2大当りが5%、12R第3大当りが30%、7R第4大当りが10%、7R第5大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが50%、V未通過予定大当りが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが60%、2R第7大当りが20%、2R第8大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V未通過予定大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高く、V通過予定大当りとなる可能性も高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、2R第7大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる。
また、12R第3大当りになった場合と2R第8大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、7R第5大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。尚、可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、本実施例1では、12R第2大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、12R第3大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいて、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動しているか否か、すなわち高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを、遊技者にとって認識し難いものとなるようにしている。このように、高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを認識し難い状態を「確率非報知状態」という。同様に、2R第7大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、2R第8大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいても、特別遊技(大当り遊技)終了後の状態を「確率非報知状態」としている。この「確率非報知状態」では、遊技進行に応じて行われる演出等のパチンコ遊技機1の外観(見かけ)を通じて高確率状態か否かを認識することが、遊技者にとって難しいもの(実質的に不可能)とされる。この「確率非報知状態」は、例えば、「低確高ベース状態」の終了条件である所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで発生させることが可能である。これに対して、15R第1大当り、7R第4大当り及び15R第6大当りの何れかの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合、この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。
尚、本実施例1のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、始動入球時処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、7R用ランプ、12R用ランプ、及び、15R用ランプの4個のLEDで構成されている。そして、例えば2R第7大当り又は2R第8大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲7R△12R△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、7R第4大当り又は7R第5大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R▲12R△15R△」の様な表示態様となる。また、12R第2大当り又は12R第3大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R△12R▲15R△」の様な表示態様となる。また、15R第1大当り又は15R第4大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△7R△12R△15R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は、「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONかどうかを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」かどうかを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2乃至4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、又は15R第6大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が12R大当り(12R第2大当り又は12R第3大当り)かどうかを判定する(S2004)。S2004で、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、次いで大当り種別が7R大当り(7R第4大当り又は7R第5大当り)かどうかを判定する(S2006)。S2006で、7R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。S2006で、7R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、大当り種別は2R大当り(2R第7大当り又は2R第8大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められており(図6参照)、本実施例では、特定のラウンドにおいて開閉動作する大入賞口を固定化している。具体的に、何れの大当りにおいても、1ラウンド目及び2ラウンド目は第2大入賞口35を開閉し、(3ラウンド以上の大当りであれば)3ラウンド目は第1大入賞口30を開閉するものとしている。一方で、異なる大当りにおいて、1ラウンド目は同じ第2大入賞口35を開閉させるものの、その開閉パターン(開放パターン)は異なる場合がある。
すなわち、本実施例では、大当りの種別毎に、大入賞口の開放パターンが定められている。具体的には、15R第1大当りであれば、15R第1大当り用の開放パターンをセットし、15R第1大当り遊技の実行中に当該15R第1大当り用の開放パターンを実行するものとされる。また、12R第2大当りであれば12R第2大当り用の開放パターンをセットし、12R第3大当りであれば12R第3大当り用の開放パターンをセットし、7R第4大当りであれば7R第4大当り用の開放パターンをセットし、7R第5大当りであれば7R第5大当り用の開放パターンをセットし、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンをセットし、2R第7大当りであれば2R第7大当り用の開放パターンをセットし、2R第8大当りであれば2R第8大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、15R第1大当り用オープニングコマンド、12R第2大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。具体的に、図48に示す通り、7R第4大当り、又は、7R第5大当りの場合には、オープニング期間として1900msの期間が設定され、その他の大当りの場合には、オープニング期間として8000msの期間が設定される。そして、主制御部80は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。また、S2011では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、且つ、所定のインターバル期間(2000ms又は200ms)が終了したかどうかによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
次いで、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)かどうか、すなわち、開始するのが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させる(特定領域39を遊技球が通過可能な状態とする)ラウンドであるかどうかを判定する(S2109)。本実施例では、2ラウンド目が可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させるラウンド(Vラウンド)を、「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技における「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」を、「第1特定ラウンド」又は「第1特定ラウンド遊技」ともいい、V未通過予定大当りに係る大当り遊技における「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」を、「第2特定ラウンド」又は「第2特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させないラウンドを、「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技における「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」を、「第1非特定ラウンド」又は「第1非特定ラウンド遊技」ともいい、V未通過予定大当りに係る大当り遊技における「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」を、「第2非特定ラウンド」又は「第2非特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域や可動片を有していない第1大入賞口30を開放するラウンドを、「通常ラウンド」又は「通常ラウンド遊技」ともいう。
S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)でない、すなわち1ラウンド目又は3ラウンド目以降であると判定した場合(S2109でNO)、処理を終える。一方、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)であると判定した場合(S2109でYES)、予め定められた特定領域有効パターンに基づいて特定領域の有効期間を設定する(S2110)と共に、予め定められた特定領域開閉動作パターンに基づいて特定領域の開閉動作を開始し(S2111)、処理を終える。
ここで、特定領域有効パターンは、図50のタイミングチャートにおいて、『特定領域通過の扱い』のタイミングチャートに示す通りであり、図50に示す所定のタイミングで、有効又は無効に切り替えられる。また、特定領域開閉動作パターンは、同じく図50のタイミングチャートにおいて、『特定領域』のタイミングチャートに示す通りであり、図50に示す所定のタイミングで、可動片150を動作させて開放(特定領域39を通過可能な状態)又は閉鎖(特定領域39を通過不能な状態)に切り替えられる。
尚、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドの開始(最初の開放時)を契機に開始し、Vラウンドが終了し、且つVラウンド終了後に設定されるインターバル期間(2000ms)が終了したタイミングで終了する(図50乃至52を参照)。また、詳細は後述するが、本実施例の特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されており、80msの閉鎖期間から開始し、その後80msの開放期間を設定し、その後も所定のパターンで開放期間又は閉鎖期間が設定されている。また、特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されるものの、特定領域開閉動作パターンの終了タイミングは大当り遊技(実行されるVラウンド)によってことなるため、実行期間の違いから結果的に、異なる特定領域開閉動作パターンとなる。具体的には、図51に示す特定領域開閉動作パターンと図52示す特定領域開閉動作パターンとは異なるものとなっている。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中や、後述する大入賞口閉鎖処理中を挙げることができる。S2112では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンの実行中(ラウンド中)であるかどうかを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したかどうかを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(例えば、29s)を経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)(2)実行中のラウンドにおいて、当該実行中のラウンドに定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2個の条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。尚、S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
また、S2112で大入賞口開閉動作中でないと判定した場合(S2112でNO)も、S2115の処理に移行する。S2115では、後述する大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、次いで、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかを判定する(S2116)。ここで、大入賞口閉鎖処理では、主に、インターバル期間設定処理、チャンスラウンド(1ラウンド目及び2ラウンド目)における入排出数一致判定処理、及び不一致と判定された場合のリトライ処理、エラー報知処理等が実行され、これらの処理が終了すると、大入賞口閉鎖処理が終了したと判定される。また、大入賞口閉鎖処理の実行中は閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了する)すると、この閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかの判定は、閉鎖処理フラグがONかOFFかによって判定される。ここで、大入賞口閉鎖処理において実行可能とされるインターバル期間設定処理、入排出数一致判定処理、リトライ処理、及び、エラー報知処理の夫々を個別に「確認処理」ともいい、これらの処理を総じて確認処理ともいう。
S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがON)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFF)と判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドを終了すると「0」になる。
ここで、S2119における大当り終了処理では、エンディングコマンドをセットする処理が行われるところ、セットされるエンディングコマンドは、複数のエンディングコマンドから、大当りとなった際の遊技状態、大当りの種別情報、及び、特定領域通過未通過(特定領域非通過)情報(VフラグがONかOFFか)に基づいて、何れかのエンディングコマンドを選択し、セットするものとされる。何れのエンディングコマンドがセットされるかによって、実行される(設定される)エンディング期間が異なるものとなっている。ここで、エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。このエンディング期間(終了期間)は、大入賞口は閉鎖状態とされている。また、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。またこの「開始期間」に実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。
具体的に、図48及び図65に示す通り、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、特別図柄当否判定の結果、大当り種別が15R第1大当り、7R第4大当り、又は15R第6大当りであり、且つ、VフラグがONであれば、すなわち、大当り遊技後が高確率状態(高確高ベース状態)となる場合には、17000msのエンディング期間(第1エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。一方、特別図柄当否判定の結果、大当り種別が15R第1大当り、7R第4大当り、又は15R第6大当りであり、且つ、VフラグがOFFであれば、すなわち、大当り遊技後が時短状態(低確高ベース状態)となる場合には、8000msのエンディング期間(第2エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定する。
これは、特別図柄当否判定の結果、大当り種別が15R第1大当り、7R第4大当り、又は15R第6大当りの場合、特定領域通過すると、エンディング期間において、大当り遊技後に高確率状態(確変モード)に移行することを遊技者に示す演出(第1特定演出)が実行され、特定領域未通過(非特定領域を通過)の場合には、エンディング期間において、時短状態(時短モード)に移行することを示す(低確率状態となることを遊技者に示す、又は、高確率状態であることを遊技者に示さない)演出(第2特定演出)が実行されることによるものである。また、本実施例では、高確率状態に移行することを遊技者に示す第1特定演出は比較的長時間の演出とされ、時短状態に移行することを遊技者に示す(高確率状態であることを遊技者に示さない)第2特定演出は比較的短時間の演出とされている。この様に、本実施例では、Vラウンドにおける特定領域通過結果(VフラグがONかOFFか)に応じて、異なる長さのエンディング期間を実行する必要があるため、特定領域通過結果に応じて異なる長さのエンディング期間を設定可能としている。これにより、エンディングコマンドを受信したサブ制御部は、エンディング期間に応じて(大当り遊技後の遊技状態に応じた)、異なる演出態様及び演出期間のエンディング演出を実行することが可能となる。ここで、Vラウンドにおいて(大当り遊技において)、遊技球が特定領域を通過したか否かの特定領域通過結果を示す情報を、「特定領域情報」ともいう。この特定領域情報は、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過したことを示す情報と、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過しなかったことを示す情報と、を有し、エンディング期間を決定するエンディング期間決定手段(終了期間決定手段)は、この特定領域情報に基づいてエンディング期間を決定することが可能である。
また、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、大当り種別が12R第2大当り又は12R第3大当りの場合には、VフラグがONであってもOFFであっても、共通の8000msのエンディング期間(第3エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定するものとしている。これは、特別図柄当否判定の結果、大当り種別が12R第2大当り及び12R第3大当りの場合には、いずれの場合も、当該大当り遊技終了後の演出態様(演出モード)を、特別図柄当否判定確率(大当り確率)が高確率か低確率かを遊技者が認識し難い態様とする確率非報知状態(単に「非報知モード」ともいう)とすることによるものである。すなわち、これらの大当りに係るエンディング期間に実行するエンディング演出では、特定領域の通過又は非通過に関わらず、「非報知モードに突入することを示す」演出(第3特定演出)を行うため、特定領域通過結果によって、設定するエンディング期間を変更しないものとされている。ここで、本実施例では、第2エンディング期間と第3エンディング期間とを同じ長さの期間としているが、これに替えて、第1エンディング期間と第3エンディング期間を同じ長さの期間に設定してもよい。ここで、非報知モードとは、遊技者に対して当否判定の確率を報知しない(認識困難とする)ことによって、高確率かもしれないし低確率かもしれない、すなわち、高確率の可能性があることを示す演出である。ここで、特別図柄当否判定の結果、大当り種別が12R第2大当り及び12R第3大当りの場合にエンディング期間で実行される第3特定演出を「第1非報知モード移行演出」ともいう。これは、後述する第6特定演出(第2非報知モード移行演出)、第7特定演出(第3非報知モード移行演出)と、演出態様及び演出期間が異なるものである。これらは、高確率である可能性(期待度)が異なるものとされており、本実施例における高確率期待度は、第2非報知モード移行演出>第1非報知モード移行演出>第3非報知モード移行演出の順とされている。
また、遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)の場合において、大当り種別が7R第5大当りの場合、及び、遊技状態が低確率時短あり(低確高ベース状態)又は高確率時短あり(高確高ベース状態)の場合には、VフラグがONであってもOFFであっても(特定領域を通過しても通過しなくとも)、共通の5000msのエンディング期間(第4エンディング期間)を実行するエンディングコマンドを設定するものとしている。これは、7R第5大当りの場合には、当該大当り遊技終了後の演出態様(演出モード)を、電源投入後に実行される初期モードである「通常モード」とするからである。すなわち、この大当りに係るエンディング期間に実行するエンディング演出では、特定領域の通過又は非通過に関わらず、「通常モードに移行する」演出(第4特定演出)を行うため、特定領域通過結果によって、設定するエンディング期間を変更しないものとされている。「通常モード」は原則として低確低ベース状態を示す演出態様であるが、これにより、大当り遊技終了後に「通常モード」とされた場合であっても、(可能性は低いが)高確低ベース状態となっている可能性がある。もっとも、7R第5大当りは、「特定領域未通過予定大当り」とされているので、この大当り遊技中に特定領域を遊技球が通過するのは非常に困難とされている。また、この第4エンディング期間は、第1乃至第3エンディング期間よりも短い期間とされている。低確低ベース状態は、大当り遊技後に設定される遊技状態のなかで最も不利な遊技状態であるため、その様な遊技状態への移行を長時間報知する時間を設けると、遊技者の遊技意欲を減退させる虞がある。特に、高確低ベース状態や低確低ベース状態においてこの様な結果(7R第5大当り)となった場合には、有利状態から不利状態(通常状態)へと移行するため、その傾向は顕著である。このため、短期間のエンディング期間を設定し、迅速に遊技を進行するものとしている。
また、遊技状態が低確率時短あり(低確高ベース状態)又は高確率時短あり(高確高ベース状態)の場合においては、大当りの種別(特別図柄当否判定の結果)によってエンディング期間(8000ms、6000ms、3900ms)が定められており(図48参照)、特定領域通過情報(VフラグのON・OFF)によって、セットされるエンディングコマンド(実行されるエンディング期間)は変化しないものとされている。具体的に、高ベース状態において、15R第6大当りの場合、エンディング期間において、「高確率状態(確変モード)が継続することを示す」演出(第5特定演出)を行うため、8000msのエンディング期間(第5エンディング期間)に設定されている。尚、17000msに設定しないのは、高ベース状態における大当りは、2回目以降(所謂連荘中)の大当りであるため、連荘中の遊技進行を迅速にするため、適度な(初当りよりも短めの)時間設定としている。また、高ベース状態において、2R第7大当りとなった場合、当該大当り遊技終了後の演出態様を「非報知モード」とする。そしてエンディング期間において、特定領域の通過又は非通過に関わらず、「非報知モードに突入することを示す」演出(第6特定演出、第2非報知モード移行演出)を行うため、6000msのエンディング期間(第6エンディング期間)が設定されている。また、高ベース状態において、2R第8大当りとなった場合、当該大当り遊技終了後の演出態様を「非報知モード」とする。そしてエンディング期間において、特定領域の通過又は非通過に関わらず、「非報知モードに突入することを示す」演出(第7特定演出、第3非報知モード移行演出)を行うため、3900msのエンディング期間(第7エンディング期間)が設定されている。
尚、2R第7大当りは、「V通過予定大当り」とされているため、通常の態様で(指示通りに)遊技を行いさえすれば、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態とされ、2R第8大当りは、「V未通過予定大当り」とされているため、大当り遊技後の遊技状態は時短状態とされる。そのため、遊技者は、エンディング期間において、第2非報知モード移行演出が実行された場合のほうが、第3非報知モード移行演出が実行された場合よりも、高確率への期待感をもって遊技を行うことが可能となる。また、高ベース状態において、15R第1大当り、12R第2大当り、12R第3大当り、又は7R第4大当りの何れかとなった場合は、前述した高ベース状態において15R第6大当りになった場合と同様のエンディング期間に設定するため、説明を省略する。また、低確率時短なし(低確低ベース状態)において、2R第7大当りとなった場合は、前述した高ベース状態において2R第7大当りとなった場合と同様のエンディング期間に設定するため、説明を省略する。また、低確率時短なし(低確低ベース状態)において、2R第8大当りとなった場合は、前述した高ベース状態において2R第8大当りとなった場合と同様のエンディング期間に設定するため、説明を省略する。また、2R第8大当りは、「V未通過予定大当り(「V非通過予定大当り」ともいう)」とされており、高確率状態はこの大当りを契機に終了するものとされている。そのため、前述と同様にこの様な不利な期間への突入を報知する期間は短期間である方が好ましいため、最も短い期間(3900ms)としている。また、時短中は特定領域情報に基づいてエンディング期間を変化させない理由の一つとして、以下の理由を挙げることが可能である。すなわち、時短中の大当りは、2回目以降の大当り(所謂連荘)であるため、遊技者が遊技に慣れ、「V通過予定大当り」又は「V未通過予定大当り」の予定通り遊技が進行する可能性が非常に高いため、エンディング期間を特定領域情報に基づいて変化させないものとすることが挙げられる。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したかどうかを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
ここで、特定領域有効期間設定処理(S2110)では、Vラウンド、すなわち、2ラウンド目における第2大入賞口35の開放開始後の所定期間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効(特典付与)と判定する期間(「有効期間」や「第1期間」ともいう)に設定する。そして、有効期間以外の期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効(特典非付与)と判定する期間(「無効期間」や「第2期間」ともいう)に設定している。また、特定領域39の有効期間は、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンの実行態様と、第2大入賞口35(Vアタッカー)内の特定領域39の開放パターン(可動片の開閉動作パターン)の実行態様と、に基づいて定められている。
具体的に、特定領域の通過が有効とされる期間、すなわち、遊技球が特定領域を通過することで大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる期間(特典が付与される期間)は、図51乃至図52に示す通りである。図51は、2R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートである。この2R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定されていない「V未通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける大入賞口の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の短いショート開放の開放パターン(第2開放パターン)が選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。まず、Vアタッカーが開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図51に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、閉鎖状態から開始する。閉鎖状態で80ms経過した後に開放状態に変化し(可動片150が動作して、図47の(a)から(b)に変化)、開放状態で80ms経過した後(全体で160ms経過した後)に、閉鎖状態に変化する。一方、このショート開放の開放パターンは、Vアタッカーを、100ms開放しただけで閉鎖して、Vラウンド(2ラウンド目)を終了する。そして、2000msのインターバル期間を設定する。特定領域開閉動作パターンは、このVラウンドのインターバル期間(2000ms)の終了を契機に終了するものとされている。本実施例では、図51に示す通り、80msの開放を終了した後、1940msの閉鎖状態を経て、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる。これにより、その後に有している最大26000msの開放動作を実行することなく、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる(図50参照)。
一方、特定領域の有効期間は、Vラウンド開始後であって、最初に特定領域が開放状態となったタイミングで、開始される。すなわち、Vラウンド開始後であって、特定領域が開放状態となる前(可動片が動作を開始する前)の閉鎖状態の80msは無効期間とされている。そして、以後、特定領域開閉動作パターンの実行中において、特定領域が開放状態とされる期間は、有効期間に設定される。但し、リトライ動作中は無効期間とされる。また、これに加えて、特定領域が開放状態から閉鎖状態に切り替わるとき、閉鎖状態となってから900msの期間(この期間を「エクストラ期間」ともいう)は有効期間のまま維持される。これは、可動片150を閉動作させる際において、特定領域39を閉鎖する寸前に特定領域39に入球し、当該入球した遊技球が実際に特定領域センサ39aによって検知されるのは、特定領域を閉鎖状態とした後になる可能性があるからである。このため、本実施例では、開放状態から閉鎖状態に切り替わる場合には、特定領域開閉動作パターンの実行中であっても、終了後であっても、閉鎖状態となってから一定期間余分に有効期間としている。図51では、900msの有効期間(エクストラ期間)が経過した後は、(リトライ動作の実行期間を除いて)特定領域が開放状態となる期間がないため、その後も無効期間とされる。
次に、図52を用いて、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、2R第7大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートを用いて、特定領域有効期間設定処理を説明する。この15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、2R第7大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定される「V通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける大入賞口の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の長いロング開放の開放パターン(第1開放パターン)が選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。前述と同様に、Vアタッカー(第2大入賞口35)が開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図52のロング開放の開放パターンは、ショート開放と異なり、Vアタッカーを、16000ms開放して、閉鎖状態とするものの、その後も開閉を繰り返して開放パターンが継続する。そして、前述した15R第1大当り等のVラウンド(2ラウンド目)に設定されるロング開放の開放パターンを全て実行するか、若しくは、VラウンドにおいてVラウンド(2ラウンド目)に定められている規定数(本実施例では10球)の遊技球が入球するか、の何れかの終了条件が成立したときに、Vラウンド(2ラウンド)は終了するものとされる。一方、特定領域開閉動作パターンは、1回目の開放状態(80ms)の経過後、840msの間(すなわち、大当り遊技開始後、1000ms)の間に、規定数の遊技球が入球しない限り、2回目の開放状態(最大26000ms)が実行される。尚、遊技球の発射速度は、600msにつき1球程度とされているため、1000msの間に10球の遊技球を入球させるのは実質的に不可能である。
これにより、特定領域有効期間設定処理では、特定領域39の最初の開放状態(80ms)が終了した後に、エクストラ期間として、900ms有効期間のまま維持した後、無効状態とされる。そして、当該無効状態を1940ms経た後に、特定領域39が2回目の開放状態となるのに合わせて、有効期間に設定される。そして、図52に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドが終了し、当該Vラウンドに係るインターバル期間(2000ms)が終了したことを契機に終了するものとされる。特定領域開閉動作パターンは、終了と同時に閉鎖状態とされるため、特定領域有効期間設定処理では、この閉鎖状態となってから900msのエクストラ期間を有効期間として設け、その後無効期間に切り替えるものとしている。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミング(すなわち有効期間に特定領域センサ39aで遊技球を検知したタイミング)で、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図36)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図35))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
[大入賞口閉鎖処理]
次に、図33を用いて大入賞口閉鎖処理(「確認処理」ともいう)について説明する。大入賞口閉鎖処理(S2115)は、特別電動役物処理(大当り遊技)において、各ラウンドの終了時に行う処理である。大入賞口閉鎖処理(S2115)ではまず、閉鎖処理フラグがONかどうかを判定し(S2701)、閉鎖処理フラグがONでないと判定した場合(S2701でNO)、閉鎖処理フラグをONにし(S2702)、インターバル期間を開始し(S2703)、S2704の処理に移行する。これにより、閉鎖処理の実行中であることを示す閉鎖処理フラグをONにすると共に、ラウンド後に設定されるインターバル期間(2000ms又は200ms)の計測を開始する。また、インターバル期間は、終了するラウンドに応じて設定される。
具体的に、終了するラウンドが1ラウンド目又は2ラウンド目である場合は、インターバル期間として2000msを設定し、終了するラウンドが3ラウンド目以降であれば、インターバル期間として、200msを設定する。また、大入賞口閉鎖処理が終了する際に、閉鎖処理フラグはOFFにされる。一方、S2701で閉鎖処理フラグがONである、すなわち、大入賞口閉鎖処理の実行中であると判定した場合(S2701でYES)、そのままS2704の処理に移行する。
S2704では、インターバル期間が終了したかどうかを判定し(S2704)、インターバル期間が終了していない、すなわち、インターバル期間の計測中であると判定した場合(S2704でNO)、処理を終える。一方、インターバル期間が終了したと判定した場合(S2704でYES)、次いで、終了したのが、1ラウンド目かどうかを判定する(S2705)。終了したのが1ラウンド目であると判定した場合(S2705でYES)、後述する入排出数一致判定処理を実行し(S2708)、処理を終える。一方、S2705で、終了したのが1ラウンド目でないと判定した場合(S2705でNO)、次いで、終了したのが2ラウンド目、すなわちVラウンドかどうかを判定する(S2706)。S2706で、終了したのが2ラウンド目であると判定した場合(S2706でYES)、特定領域開閉動作を終了し(S2707)、S2708の処理に移行する。
これにより、Vラウンドにおける特定領域39の開閉動作(可動片150の開閉動作)が終了することとなる。すなわち、Vラウンドの開始と共に開始される特定領域開閉動作は、Vラウンド終了後のVラウンドに係るインターバル期間の終了を契機として終了するものとされる。一方、S2706で、終了したのが2ラウンド目でない、すなわち、終了したのは3ラウンド目以降のラウンドであると判定した場合(S2706でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2709)、処理を終える。つまり、3ラウンド目以降は、ラウンド終了後に設定されるインターバル期間(200ms)さえ終了すれば、そのまま閉鎖処理フラグをOFFにして、大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。すなわち、3ラウンド目以降の大入賞口閉鎖処理では、入排出数一致判定処理や特定領域開閉動作終了処理は実行されないものとされている。
S2708では、ラウンド中に大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数と、その入球した遊技球が大入賞口から排出された数と、が一致するかどうかを判定する入排出数一致判定処理を行い(S2708)、処理を終える。また、この入排出数一致判定処理(S2708)は、Vラウンドより前に実行されるラウンドであって、Vラウンドと同じVアタッカー(第2大入賞口35)を開放するラウンド(非特定ラウンド)である1ラウンド目と、Vラウンド(特定ラウンド)である2ラウンド目と、に行われる処理であり、その後のラウンド(3ラウンド目以降のラウンド)では、たとえVアタッカーを開放するラウンドであっても行われない。Vラウンドでは、Vアタッカー内の特定領域39を開閉するための可動片を動作させるため、可動片に遊技球が噛む等して、アタッカー内に遊技球が詰まってしまう虞がある。そのため、入球数と排出数とを管理して、球詰りがないかを確認するのである。また、所謂釣り糸ゴトといった不正行為により、特定領域を通過させた場合には、入球数と排出数とが一致しないため、不正行為を発見し、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
また、1ラウンド目に入排出数一致判定処理を実行するのは、大当り遊技において最初に実行されるVラウンドの実行前に、球詰りがないかどうかを確認するために行うのである。この1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していれば、球詰りのないことを確認した状態で、2ラウンド目のVラウンドを開始することが可能となる。また、仮に1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していなければ、後述するリトライ処理(「可動部材動作処理」ともいう)やエラー報知を行うことにより、Vラウンドの開始前に球詰りを解消させることも可能となる。この様に、1ラウンド目と2ラウンド目とにおいて、入排出数一致判定処理を行うことで、Vラウンドを正常に実行することが可能となる。また、大当り遊技において最後に実行されるVラウンドより後のラウンド、すなわち、3ラウンド目以降(Vラウンド終了後)のラウンドでは、入排出数一致判定処理を行わないものとし、また、インターバル期間も短い期間(200ms)に設定し、迅速に大当り遊技を実行することが可能となる。
[入排出数一致判定処理]
次に、図34を用いて入排出数一致判定処理(S2708)について説明する。入排出数一致判定処理(S2708)ではまず、所定のラウンドにおいて、大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数(入球数)と排出した遊技球の数(排出数)とが一致するかどうかを判定する(S2801)。この入排出数一致判定処理(「一致判定処理」ともいう)は、1ラウンド目及び2ラウンド目の大入賞口閉鎖処理でのみ行われる。そして、1ラウンド目及び2ラウンド目は、何れも第2大入賞口35を所定の開放パターンで開閉するものとされる。このため、該当するラウンド中(1ラウンド又は2ラウンド)において、第2大入賞口35に入球した数と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)から排出した数と、が一致するかどうかを判定するものである。
図47は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。すなわち、この第2大入賞口センサ35aが第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。尚、遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる入球数計数手段(図示しない)で入球数が計数・記憶される。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aの何れか一方を通過する。すなわち、この特定領域センサ39a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)及び非特定領域検知センサ49a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)が、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサであり、特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。尚、遊技球が特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる排出数計数手段(図示しない)で排出数が計数・記憶される。また、第2大入賞口に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aを総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
尚、本実施例では、入球数計数手段と排出数計数手段とを設け、入球数と排出数とを別途計数する態様としたが、この様な態様に限らない。入排出数計数手段を設け、入球や排出がある毎に計数値を増減する態様としてもよい。この様な態様において初期値を「0」とし、計数値が「1」の場合には入球数が排出数よりも1多いことを示し、「−1」の場合には排出数が入球数よりも1多いことを示し、「0」の場合には入球数と排出数とが一致しているものとすることが可能である。
また、第2大入賞口35の内部には可動片150(「可動部材」ともいう)が設けられており、この可動片150が閉鎖状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は非特定領域側に誘導されて、非特定領域センサ49aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図47(a)を参照)。一方、可動片150が開放状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は特定領域側に誘導されて、特定領域センサ39aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図47(b)を参照)。
そして、S2801では、前述した入球数計数手段の計数値と、排出数計数手段の計数値とを比較して、計数値が一致しているかどうかで、ラウンド中の入球数と排出数とが一致するかどうかを判定するものとされる。次いで、S2802で、入球数と排出数とが一致すると判定した場合(S2802でYES)、エラー報知の実行中かどうかを判定する(S2803)。S2803で、エラー報知の実行中でないと判定した場合(S2803でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。すなわち、入排出数が一致しており、エラー報知の実行中でなければ、対応するラウンドの大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。
一方、エラー報知の実行中であると判定した場合(S2803でYES)、エラー報知を終了し(S2805)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。これは、後述するエラー報知(S2809)の実行中に再度一致判定を行い、一致すると判定した場合には、実行中のエラー報知を途中終了させてから閉鎖処理フラグをOFFにするものとされる。これにより、異常が解消したにも関わらず、無駄に長期間エラー報知を継続するのを防止することが可能となる。
S2802で、入球数と排出数とが一致しないと判定した場合(S2802でNO)、次いで、リトライ動作の実行時期かどうかを判定する(S2806)。本実施例では、図50に示すVラウンドの基準タイミングチャートの通り、入排出数の一致判定は、Vラウンドの終了タイミングに応じて、t1(ラウンド開始から2100ms)〜t2(ラウンド開始から29000ms)の範囲の何れかのタイミングで実行されることとなる。そして、一致判定で不一致と判定されると、一致判定の実行タイミングから更に1500ms経過後に300msのリトライ動作を実行する。そして、リトライ動作が終了して900ms経過後に、10000msのエラー報知を実行し、その後エラー報知を終了すると共に、大入賞口閉鎖処理を終了(完了)させ、次ラウンドに移行するものとしている。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)でないと判定した場合(S2806でNO)、次いでエラー報知の実行時期(開始時期)かどうかを判定する(S2808)。S2808で、エラー報知の実行時期でないと判定した場合(S2808でNO)、エラー報知の終了時期かどうかを判定する(S2810)。S2810で、エラー報知の終了時期でないと判定した場合(S2810でNO)、そのまま処理を終える。例えば、これが、前述した不一致と判定された後であって、リトライ動作開始前の期間(900ms+600msの期間)である場合には、再度、入排出数一致判定処理を実行すると、再度入排出数の一致判定が行われ、このとき一致と判定されれば、S2803の処理に移行し、再度不一致と判定されれば、再度リトライ動作の実行時期かどうかの判定を行う。以下同様である。
この様に、入排出数一致判定処理は、所定の割り込み周期で繰り返し実行されるため、チャンスラウンド(1ラウンド及び2ラウンド)のインターバル期間終了時に1回目の入排出数一致判定が実行され、リトライ動作が実行されるまでの期間に、当該1回目の判定を含めて複数回の入排出数一致判定が実行される。そして、2回目以降の入排出数一致判定で一致と判定すると、その後の処理(リトライ動作やエラー報知)は実行せず、閉鎖処理フラグをOFFにして、処理を終える。また、インターバル期間の終了時は、特定領域開閉パターンの終了時と一致するものであり、特定領域開閉パターンを終了する際の状態が開放状態であった場合には、特定領域開閉パターンを終了させ閉鎖状態としてから900msのエクストラ期間を設けている。
前述の通り、エクストラ期間は特定領域39の通過が有効なものとして取り扱われるものである。すなわち、1回目の入排出数一致判定を行った後に、このエクストラ期間が設定される場合があるため(例えば、図52に示す態様)、1回目の入排出数一致判定で不一致と判定され、エクストラ期間に特定領域センサ39aで遊技球が検知される様な場合には、本来正常な遊技であるにも関わらず、入排出数一致判定で不一致と判定されることとなる。この様な場合でも、本実施例では、リトライ動作の実行前に複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作実行前の2回目以降の入排出数一致判定において一致と判定し、リトライ動作やエラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。また、本実施例では、エクストラ期間の900msの間にも複数回の入排出数一致判定が実行されるため、エクストラ期間に遊技球が特定領域又は非特定領域を通過する場合に、より確実に無駄な処理(リトライ動作やエラー報知)を行うことなく、迅速に大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。
また、本実施例では、割り込み周期の関係上、エクストラ期間終了後であって、リトライ動作開始前の期間(600ms)にも、入排出数一致判定が実行されるので、エクストラ期間に検知された遊技球を確実に反映した状態で、リトライ動作やエラー報知を行う前に、確実に入排出数一致判定処理を実行することが可能となる。また、このエクストラ期間やその後の600msの期間の入排出数一致判定においても不一致と判定された場合には、球詰り等が発生している可能性があるため、可動片を所定のパターンで動作させるリトライ動作を実行する。このリトライ動作パターンは、特定領域開閉動作パターンとは異なるパターンとすることが好適である。そして、本実施例では、割り込み周期の関係上、リトライ動作終了後、エラー報知実行前の期間(900ms)の期間にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作によって球詰り等が解消した場合には、エラー報知前の入排出数一致判定により一致と判定され、エラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。また、エラー報知の実行中にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、一致と判定されたタイミングでエラー報知を終了させ、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。これにより、無用なエラー処理を実行せず、遊技者に不安感を与えない遊技制御を提供することが可能となる。またこれにより、遊技興趣が低下するのを防止することが可能となる。
また、本実施例では、エラー報知の実行期間を経過しても入排出数一致判定で一致と判定されない場合には、所定のエラー報知期間(本実施例では、10000ms)の終了をもって、大入賞口閉鎖処理の完了とし、次ラウンドへの移行を可能としている。遊技店側は、10000msのエラー報知の間に、遊技機の確認及び何らかの対応をし、正常な遊技を継続できるように対処することが可能となる。また、球詰り等は存在せず、ノイズ等の発生により、入排出数一致判定で不一致と判定される場合もあるので、この様な場合には、無用に遊技を停止させず、時間経過によりエラー解除し、迅速に遊技を再開することが可能となる。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)であると判定した場合(S2806でYES)、リトライ動作を実行し(S2807)、処理を終える。また、S2808で、エラー報知の実行時期であると判定した場合(S2808でYES)、エラー報知を実行し(S2809)、処理を終える。また、エラー報知の終了時期であると判定した場合(S2810でYES)、エラー報知を終了し(S2811)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2812)、処理を終える。この閉鎖処理フラグをOFFにすることで、大入賞口閉鎖処理が完了したことを示すことが可能となる。
[遊技状態設定処理]
図35に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図36)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONすると共に(S2202)、確変カウンタに「10000」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、時短フラグをONにし(S2205)、時短カウンタに「10000」をセットし(S2206)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする回数は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。この「10000」回という値は、高確率状態における大当り確率、遊技店の1日の営業時間及び当該営業時間内に実行可能な特別図柄当否判定回数を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで、又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、VフラグがONとなり、高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10000」回が設定されるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10000」回の値を設定して、実質的に次回まで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、VフラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、実際に次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、終了するのが7R第5大当りかどうかを判定する(S2207)。S2207で、終了したのが7R第5大当りでない、すなわち、図6に示す他の大当り(15R第1大当り、12R第2大当り、12R第3大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、2R第7大当り、又は、2R第8大当りの何れか)であると判定した場合(S2207でNO)、時短フラグをONにし(S2208)、時短カウンタに「100」をセットし(S2209)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。このように、15R第1大当り等の「V通過予定大当り」であっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中の特定領域通過がなかった場合には、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる。
また、S2207で、終了したのが7R第5大当りであると判定した場合(S2207でYES)、確変フラグをONにすることなく、また、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。すなわち、7R第5大当りの場合であって、VフラグがOFF(特定領域未通過(「特定領域非通過」ともいう))の場合には、当該大当り遊技後の遊技状態が、低確率状態且つ低ベース状態(低確低ベース状態)に設定される。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で、特定領域センサ39aによる検知があると判定された場合(S2401でYES)、特定領域有効期間であるかどうかを判定する(S2402)。特定領域有効期間は、前述の特別電動役物処理(図32)における特定領域有効期間設定処理(S2110)にて設定される期間である。特定領域有効期間は、大当り遊技における2ラウンド目(Vラウンド)に設定される。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、特定領域通過コマンドをセットし(S2404)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて、演出図柄表示領域等で所定の遊技演出を実行する。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。無効期間に特定領域の通過があった場合には、主制御部が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。また、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの無効期間通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5やスピーカ67等を用いて所定のエラー報知を行ってもよい。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで始動入球時処理(S208)を行う。図37に示すように、始動入球時処理(S208)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例1では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図46に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)及び特定演出開始処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、特別遊技(大当り遊技)の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4409)。特別遊技演出には、少なくとも、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前(1ラウンド目開始前)のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、特別遊技中(大当り遊技中)のラウンド遊技(大入賞口入球遊技)の進行に合わせて実行するラウンド演出(大当り遊技演出)と、が含まれる。本実施例1では、大当りの種別に応じたオープニングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのオープニングコマンドによってオープニング期間の長さ(オープニング時間)が特定される。例えば、図48に示すように、大当りの種別が7R第4大当り及び7R第5大当りの場合のオープニング時間は1900ms(1.9秒)となっており、その他の大当りは8000ms(8秒)となっている。7R第4大当り及び7R第5大当りのオープニング時間を他の大当りより短くしているのは、7R第4大当り及び7R第5大当りの場合には後述する「VSチャンス演出」を行うこととしており、当該「VSチャンス演出」では大当りの発生を遊技者に明確に報知せず、大当り遊技の開始(1ラウンド目開始)タイミングを遊技者にとって認識し難くするためである。そして、特別遊技演出選択処理(S4409)では、選択した特別遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出等)の演出パターンや、受信したオープニングコマンドに基づく情報(オープニングコマンドの種類、オープニング時間、開始タイミングにある大当り遊技に係る大当り種別等)を特定可能な特別遊技開始時コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットした特別遊技開始時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、大当り遊技の進行状況に合わせて特別遊技演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
ここで、より具体的に、低確率時短なし状態において、大当りの種別が15R第1大当り、12R第2大当り又は12R第3大当りとなった場合には、設定されるオープニング時間(8000ms)をもちいて、これから大当り遊技が開始することを遊技者が容易に認識可能に示す演出(開始演出)を実行し、その後、大当り遊技における1ラウンド目の開始に伴って所定のラウンド演出(大当り遊技演出)を開始する。この開始演出としては、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「おめでとう」や「大当り」や「確変大当り」等の文字表示を行ったり、これから大当り遊技が開始すること(多量の賞球を獲得可能な遊技が開始すること)を印象付けるような画像表示を行ったりする態様を挙げることができる。一方、大当りの種別が7R第4大当り及び7R第5大当りの場合のオープニング時間は1900ms(1.9秒)とされ、このオープニング時間においては、大当り遊技の開始を遊技者に認識容易に示す様な演出(前述したような開始演出)を、特別に行うことはしない。
これにより、15R第1大当り等の8000msのオープニング期間に実行される演出は、7R第5大当り等の19000msのオープニング期間に実行される演出と比較して、大当り遊技が開始することを容易に認識可能な演出とされる。また、この15R第1大当り等の8000msのオープニング期間を用いて実行される開始演出の終了後に、改めて、この開始演出とは別個のラウンド演出を開始するため、この点からも大当り遊技が開始することを容易に認識可能である。ここで、少なくとも大当り遊技中に実行する演出を、「特別演出」ということもある。例えば、この15R第1大当りの開始演出の終了後に開始するラウンド演出を「第1特別演出」としてもよい。
また、7R第4大当り及び7R第5大当りの場合には、オープニング期間において、遊技者に大当り遊技が開始することを容易に認識できるような開始演出を実行するのではなく、後述の「VSチャンス演出」を行うものとされている。この「VSチャンス演出」は、大当り遊技が開始することを直接的には報知していないため、15R第1大当りの開始演出や第1特別演出と比較して、遊技者は、大当り遊技の開始を認識し難い演出とされている。また、この「VSチャンス演出」は、7R第4大当り又は7R第5大当りに係る識別情報の変動表示の実行途中から開始可能となっている。また、識別情報の変動表示途中から大当り遊技中まで(大当り遊技終了まで)、一連の演出として実行されるため、遊技者によっては、あたかも識別情報の変動表示が継続しているかのような印象を受ける場合もある。これにより、遊技者は大当り遊技の開始に気づき難いものとされる。例えば、この7R第5大当りの識別情報の変動表示途中から開始し、オープニング期間(1.9S)及び大当り遊技中も継続して実行する「VSチャンス演出」を「第2特別演出」としてもよい。また、7R第4大当りの際に実行される「VSチャンス演出」を「第3特別演出」としてもよい。
特に、遊技状態が低確率時短なしの状態(通常状態)において、7R第5大当りとなると、他の大当り(15R大当り、12R大当り)と比較して、獲得可能な利益量(賞球数)が少ないうえに、大当り遊技終了後の遊技状態が、低確率時短なしの状態(通常状態)となる。また、「特定領域未通過予定大当り」とされているため、高確率状態となることもない。一方、他の大当り(15R大当りや12R大当り等)となった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確高ベース状態(高確率状態)、又は低確高ベース状態(時短状態)に設定される。すなわち、低確率時短なし状態で通常発生する(特別図柄1に係る)大当りとして、7R第5大当りは、他の大当りと比較して、最も利益の低い大当りといえる。特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当り種別が7R第5大当りであると、遊技者は少なからず落胆し、最悪の場合には遊技意欲を減退させる可能性もある。ましてや長期間遊技したうえでようやく得た大当りが7R第5大当りであるとその可能性はより顕著となる。
そこで、前述したように、7R第5大当りに係る大当り遊技の開始を遊技者に分かり難くすることで、遊技意欲の低下を防止し、遊技興趣の維持・向上を図ることが可能となる。また、7R第5大当りに係る大当り遊技の開始を気づかない遊技者は、大当り遊技が開始していないにも関わらず、所定量の遊技利益(賞球)を獲得可能な特別な遊技状態となったと考える場合もある。この様な場合には、利益の低い大当り遊技の実行であるにも関わらず、それによって遊技興趣を高めることが可能となる。また、7R第4大当りに係る大当り遊技についても、大当り遊技後の遊技状態は、高確高ベース状態とされるものの、獲得利益量は他の大当りと比較して少ないため、これについても大当り遊技の開始を認識し難くすることで一定の効果を発揮することが可能となる。尚、7R第5大当りに係る第2特別演出の実行後(大当り遊技終了後)の遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)とされるため、この第2特別演出において、特別図柄当否判定の結果が外れとなったときに実行される演出と共通する演出を実行することも可能である。これにより、第2特別演出の実行中において、遊技者が識別情報の変動表示中であるという印象を受ける可能性をより高めることが可能となる。また、7R第4大当りに係る第3特別演出の実行後(大当り遊技終了後)の遊技状態は、高確高ベース状態(高確率状態)とされるため、この第3特別演出において、特別図柄当否判定の結果が当りとなったときに実行される演出と共通する演出を実行することも可能である。
ここで、「共通の演出」とは、画像表示装置7の表示画面7a上で実行される演出のうち、一部演出が異なり一部演出が同じである演出や、全く同一の演出を含むものである。また、「一部演出が同じ」とは、同じキャラクタのキャラクタ画像を用いた演出を行うものや、同じ画像データを用いた演出を行うものを含む(表示サイズのみの違いは同じ演出に含む)。「一部演出が異なる」とは、例えば、演出において実行するキャラクタ画像は同じであるが背景の表示態様や色が異なったり、キャラクタ画像は同じであるが図柄(演出図柄)の表示の有無が異なったりする態様を挙げることが可能である。
次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4410)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4410でYES)、特別遊技終了時演出(エンディング演出)のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行い(S4411)、S4412の処理(図44)を行う。本実施例1では、大当りの種別と、大当り遊技中(2ラウンド目)における特定領域39への遊技球の通過有無とに応じたエンディングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのエンディングコマンドによってエンディング期間の長さ(エンディング時間)が特定される。例えば、図48に示すように、低確低ベース状態における特別図柄当否判定の結果、大当りの種別が15R第1大当り及び15R第6大当りの場合のエンディング時間は、特定領域39への遊技球の通過があれば17000ms(17秒)となり、特定領域39への遊技球の通過がなければ8000ms(8秒)となる。このように15R第1大当り及び15R第6大当りのエンディング時間が異なる点についての詳細は後述する。
また、本実施例1では、低確低ベース状態における特別図柄当否判定の結果、大当りの種別が12R第2大当り及び12R第3大当りとなった場合のエンディング時間を、特定領域39への遊技球の通過がある場合とない場合とで同じ8000ms(8秒)とし、実行するエンディング演出の内容(エンディング演出パターン)を同じとしている。このように特定領域39への遊技球の通過有無に関係なくエンディング時間やエンディング演出を同じとしているのは、12R第2大当り及び12R第3大当りに係る大当り遊技終了後に「確率非報知状態(非報知モード)」を発生させるからである。すなわち、前述したように、12R第2大当り及び12R第3大当りについては、大当り遊技中の大入賞口の開放態様(開放パターン)や当該大当りに係る演出等に基づいて大当りの種別を判別するのが遊技者にとって難しいものとなっている。そして、12R第2大当り及び12R第3大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」又は「低確高ベース状態」となるが、遊技者にとっては、高ベース状態であることは認識できるものの高確率状態であるかを認識し難い「確率非報知状態」となる。この「確率非報知状態」における遊技性や遊技興趣の向上を図るために、エンディング時間やエンディング演出を同じとしているのである。この点については、2R第7大当り及び2R第8大当りについても同様である。
そして、エンディング演出選択処理(S4411)では、選択したエンディング演出の演出パターンや、受信したエンディングコマンドに基づく情報(エンディングコマンドの種類、エンディング時間、終了した大当り遊技に係る大当りの種別、大当り遊技終了後の演出モード等)を特定可能な特別遊技終了時コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットした特別遊技終了時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUが、大当り遊技の終了に係る演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。一方、S4408で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、特別遊技演出選択処理を行うことなくS4410の処理に移行し、S4410でエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4410でNO)、エンディング演出選択処理を行うことなく、S4412の処理(図44)に移行する。
S4412では、主制御基板80から特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、特定領域通過コマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、特定領域有効期間内に特定領域39への遊技球の通過(V通過)があったことを示すV通過フラグをONにして(S4413)、S4414の処理に移行し、特定領域通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、V通過フラグをONにすることなく、S4414の処理に移行する。S4413でV通過フラグをONにした場合、これに伴ってV通過があったこと通知するV通過指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットしたV通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、実行中の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第6大当りに係る大当り遊技(15R大当り遊技)であれば、V通過があったことを報知するV通過報知演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。V通過報知演出としては、例えば「V」の文字画像を表示画面7aに表示したり、V通過を表す効果音を出力したりすることが挙げられる。一方、実行中の大当り遊技が15R大当り遊技以外の大当り遊技、すなわち、12R第2大当り又は12R第3大当りに係る大当り遊技(12R大当り遊技)であるか、7R第4大当り又は7R第5大当りに係る大当り遊技(7R大当り遊技)であるか、2R第7大当り又は2R第8大当りに係る大当り遊技(2R大当り遊技)である場合、前述のV通過報知演出は実行しない。前述のように、12R大当り遊技の終了後と2R大当り遊技の終了後は「確率非報知状態」になることから、V通過があったとしてもその旨を報知しないこととしている。また、7R大当り遊技の場合は、後述する「VSチャンス演出」においてV通過又はV未通過に対応する演出を行うので、V通過があったとしても、この時点(V通過指定コマンド受信時)にその旨を報知しないこととしている。但し、遊技の公正を図るために、12R大当り、7R大当り及び2R大当りの場合にもV通過報知演出を行うこととしてもよい。この場合のV通過報知演出は、確率非報知状態の遊技性やVSチャンス演出による演出効果を損なわないようにするため、通常行う演出に比べ認識し難い態様で行うのが望ましい。具体的には、表示画面7aの隅にV通過発生を示す文字や図形、記号等を小さく表示したり、画像表示装置7とは別のLED表示器(例えば演出表示器102等)に含まれるLEDを点灯させたり点滅させたりすることが例示できる。
続いてS4414では、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4414)、ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4414でNO)、S4421の処理に移行し、ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(S4414でYES)、受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4415)、S4416の処理に移行する。主制御基板80から送信されるラウンド開始コマンドには、開始するラウンド(開始ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、演出制御用マイコン91は、受信したラウンド開始コマンドに基づいて開始ラウンドのラウンド数を特定し、当該ラウンド数を示すラウンド指定コマンドを出力バッファにセットする。ラウンド指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、ラウンド指定コマンドに基づき特定されるラウンド数に応じたラウンド演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
続いてS4416では、S4114で受信したラウンド開始コマンドに基づき特定されるラウンド数、すなわち開始ラウンドのラウンド数が3Rであるか否かを判定し(S4416)、3Rでなければ(S4416でNO)、S4421の処理に移行し、3Rであれば(S4416でYES)、V通過フラグがONになっているか否かを判定する(S4417)。V通過フラグがONになっていると判定した場合(S4417でYES)、大当り遊技中の2ラウンド目、すなわちVラウンド(特定ラウンド、特定入球遊技ともいう)で遊技球が特定領域39を通過した(V通過)ということになるので、その通過に対応する演出表示の実行を指示するV通過演出指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットして(S4418)、V通過フラグをOFFにし(S4419)、S4421の処理に移行する。一方、S4417でV通過フラグがONになっていない(OFFである)と判定した場合(S4417でNO)、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過しなかった(V未通過)ということになるので、その未通過に対応する演出表示の実行を指示するV未通過演出指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットして(S4420)、S4421の処理に移行する。V通過演出指定コマンド又はV未通過演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、今回の大当り遊技の3ラウンド目以降の所定時期に、V通過又はV未通過に対応する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。ここで、実行中の大当り遊技が7R大当り遊技である場合、後述する「VSチャンス演出」においてV通過又はV未通過に対応する演出が行われる。また、15R大当り遊技の場合、3ラウンド目以降のラウンド演出としてV通過対応のラウンド演出又はV未通過対応のラウンド演出が行われる。尚、15R大当り遊技の場合、前述のようにV通過フラグをONにしたタイミングでV報知演出を実行済なので、3ラウンド目以降においてV通過又はV未通過に対応する演出を特に行わないこととしてもよい。また、12R大当り遊技の場合と2R大当り遊技の場合には、前述のように、大当り遊技の終了後は「確率非報知状態」になることから、少なくとも大当り遊技が終了する前と、大当り遊技が終了した後の所定期間においては、原則、V通過又はV未通過に対応する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはない。
最後にS4421でその他の処理を行い、本処理を終える。S4421で行うその他の処理としては、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特定演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードA(モードステータス「1」)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードB(モードステータス「2」)は低確高ベース状態(時短遊技状態)に制御されているときに実行され、演出モードC(モードステータス「3」)は高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
また、演出モードD(モードステータス「4」)又は演出モードE(モードステータス「5」)は、12R第2大当り、12R第3大当り、2R第7大当り及び2R第8大当りに係る大当り遊技が行われた後の低確高ベース状態又は高確高ベース状態に制御されているときであって「確率非報知状態」のときに実行される。従って、演出モードがD又はEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、特別図柄当否判定の確率状態が、高確率状態にあるのか低確率状態(通常状態)にあるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD及びEは、確率非報知モードといえる。
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例1では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が15R大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、12R大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、本実施例1では、2R大当り及び7R大当りのときも、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当り及び7R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例1のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。また、本実施例1では、スーパーリーチ(SPリーチ)の一種として、味方キャラクター(以下「味方キャラ」という)と敵キャラクター(以下「敵キャラ」という)とが対決して勝敗を決する対決リーチ演出(第3演出)を設けており、当該対決リーチ演出で味方キャラが勝利することで大当り確定の報知がなされる。対決リーチ演出の演出パターンは、対決リーチA〜Dの4種類が存在し、各対決リーチで敵キャラ(対戦相手)が異なるものとなっている。このような対決リーチ演出は、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
また、本実施例1のパチンコ機1では、受信した変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド)に含まれる変動パターン情報に基づき特定される変動パターンが大当り変動パターンP1〜P3の何れかであって、同コマンドに含まれる図柄情報に基づき特定される大当り種別が7R大当り(7R第4大当り、7R第5大当り)である場合、演出図柄遊技演出(変動演出)の実行中における所定時期から「VSチャンス演出」を開始するものとしている。この「VSチャンス演出」は、7R大当り遊技が終了するまで行われるもので、変動演出であるとともに特別遊技演出でもある。「VSチャンス演出」についての詳細は後述する。
S4505では、これら「リーチ演出」や「VSチャンス演出」等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506で、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[特定演出開始処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)で行う特定演出開始処理(S4302)について説明する。特定演出は前述の「VSチャンス演出」を意味する。図46に示すように、特定演出開始処理(S4302)では、まず、変動演出(演出図柄遊技演出)を実行しているか否かを判定し(S4601)、実行していなければ(S4601でNO)、そのまま処理を終え、実行していれば(S4601でYES)、S4602の処理に移行して、実行中の変動演出が「7R大当り(7R第4大当り、7R第5大当り)」に係る変動演出であるか否かを判定する(S4602)。そして、実行中の変動演出が「7R大当り」に係る変動演出でない場合(S4602でNO)、すわなち、「外れ」、「15R大当り」、「12R大当り」及び「2R大当り」の何れかに係る変動演出である場合(S4602でNO)、そのまま処理を終える。一方、実行中の変動演出が「7R大当り」に係る変動演出である場合(S4602でYES)、特定演出(VSチャンス演出)を開始するタイミングであるか否かを判定する(S4603)。本実施例1では、特定演出(VSチャンス演出)の開始タイミングを、「7R大当り」に係る変動演出の残り実行時間(特別図柄の残り変動時間)が3秒となったタイミングとしている。変動演出の残り実行時間は、例えば、前述のS4506による変動演出開始コマンドのセットを契機に作動を開始することで、主制御基板80側の特別図柄の変動時間の計測と略同期して変動演出の実行時間を計測することが可能なタイマ(演出制御用マイコン91のプログラムによって構成される計時手段)によって特定することが可能である。
S4603で、特定演出(VSチャンス演出)を開始するタイミングでないと判定した場合(S4603でNO)、そのまま処理を終え、開始するタイミングであると判定した場合(S4603でYES)、特定演出(VSチャンス演出)の演出パターン(特定演出パターン)を予め定められた複数の演出パターンの中から選択し、その選択した特定演出パターンを設定する(S4604)。S4604では、特定演出決定用乱数に基づく乱数抽選を行って、複数の特定演出パターンのうちの何れかを選択する。ここでの乱数抽選は、S4501で取得した演出決定用乱数に含まれる特定演出決定用乱数を用いて行われる。そして、S4604で設定した演出パターンに基づく特定演出(VSチャンス演出)を開始するための特定演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4605)、特定演出開始処理を終了する。S4605でセットされた特定演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、特定演出開始コマンドに基づき特定される特定演出の演出パターン、すなわちS4605で設定された特定演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる「VSチャンス演出」を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
ここで、特定演出としての「VSチャンス演出」は、前述したように、7R大当りに係る変動演出の残り3秒のタイミングで開始され、その後、7R大当り遊技が終了するまで行われるものとなっている。また、S4604の処理で選択対象となる複数の特定演出パターンはサブ制御基板90のROMに記憶されており、具体的には、4種類の特定演出パターンが記憶されている。本実施例1の「VSチャンス演出」の演出パターン(特定演出パターン)としては、前述の対決リーチ演出における4つの対決リーチ(対決リーチA〜D)と同様の対決シーン(対決画像)を表示する4つの特定演出パターン(対決A〜対決D)を有しており、S4604では、それら4つの特定演出パターンのうちの何れかが選択されて設定され、この設定された特定演出パターンに基づく対決シーン(対決A〜対決Dの何れか)が、7R大当り遊技の実行中に画像表示装置7の表示画面7a上に表示される。尚、画像制御基板100のROM(画像ROM)には、対決リーチ演出における4つの対決リーチに対応する画像データが予め記憶されており、当該画像データを対決リーチ演出の実行の際に用いるものとなっているが、VSチャンス演出でも同様の対決シーン(対決画像)を表示することから、VSチャンス演出の実行の際にも当該画像データを用いることとしている。このように、リーチ演出(変動演出)で用いる画像データをVSチャンス演出(変動演出且つ特別遊技演出)に流用することで、画像ROMに記憶されるデータ量を削減することが可能となる。また、変動演出としての対決リーチ演出(第3演出)と同じ対決シーンの演出(第2演出)を、7R大当り遊技中の特別遊技演出(ラウンド演出)としても行うことで、7R大当り遊技中であるにもかかわらず変動演出(対決リーチ演出)が行われているかの印象を遊技者に与えることが可能となる。
S4302の処理によって特定演出(VSチャンス演出)を開始した後、10msタイマ割り込み処理(S4010)における受信コマンド解析処理(S4301)でオープニングコマンドやエンディングコマンド、ラウンド開始コマンド等を受信した場合(S4408,S4410,S4414)、それらコマンド受信に基づく演出表示の実行に係る処理は、前述のS4604の処理で設定した特定演出パターンに基づく特定演出(VSチャンス演出)の実行(進行)に係る処理として行われる。また、特定演出(VSチャンス演出)の開始後、V通過演出指定コマンド(S4418)又はV未通過演出指定コマンド(S4420)が画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、実行中の特定演出(VSチャンス演出)における対決シーン(対決演出)の結末を、V通過又はV未通過に対応させて表示する処理を行う。つまり、S4604の処理で設定される特定演出パターンには、対決A〜対決Dの何れに対応するのかを示す情報(対決種類情報)が含まれるが、対決結果(勝敗)を示す情報は含まれないものである。そして、本実施例1では、対決A〜対決Dのそれぞれについて「V通過に対応する対決シーンの結末」および「V未通過に対応する対決シーンの結末」を表示するための画像データが、画像制御基板100のROM(画像ROM)に予め記憶されている。よって、画像制御基板100のCPUは、対決シーンの結末を表示するに際し、実行中の対決シーンに対応する結末表示用の画像データを、受信したV通過演出指定コマンド又はV未通過演出指定コマンドに基づいて読み出し、その画像データを用いた演出表示を行うことで、対決シーン(対決演出)の結末がV通過又はV未通過に対応した態様で表示されることとなる。尚、この対決シーン(対決演出)の結末を表示する画像データについても、対決リーチ演出(変動演出)の結末(大当り又は外れ)を示す際に用いる画像データを流用するものとしてもよい。
以上までが、本実施例1における演出制御の主要な処理であるが、本実施例1のパチンコ遊技機1では、ラウンド数が同じ「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」のうち「7R第4大当り」と「7R第5大当り」とにおいて、前述したように特定演出(本例では「VSチャンス演出」)を行うこととしている。この「VSチャンス演出」と、前述した「7R第4大当り(V通過予定大当り)」及び「7R第5大当り(V未通過予定大当り)」の1〜2ラウンドまでの第2大入賞口35の特徴的な開放パターン(開閉動作)との連携により、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」との区別(判別)をより難しくし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となるか否かを判別(看破)し難くすることが可能となる。以下では「VSチャンス演出」について詳しく説明する。
[VSチャンス演出]
図53及び図54は、画像表示装置7の表示画面7a上で実行されるVSチャンス演出の開始(発生)から終了までの一連の表示態様を示している。尚、本実施例1のVSチャンス演出(特定演出)は、主に、図53(b)〜(d)に示す「導入演出(導入シーン)」と、図53(e)〜(f)に示す「選択演出(選択シーン)」と、図54(g)〜(h1),(h2)に示す「対決演出(対決シーン)」と、の3つの演出(演出シーン)によって構成されている。前述のように、本実施例1では4つの特定演出パターンを有しており、各特定演出パターンで「対決演出(対決シーン)」の内容が異なるものとなっている(対決A〜D)。そして、詳しくは後述するが、選択演出には、対決A〜Dのうち何れの対決が選択されたのか(選択結果)を示す演出(後述の選択演出2)が含まれている。このため、少なくとも「選択演出」及び「対決演出」についてはそれぞれ4つの演出態様(演出パターン)が設けられている。
まず、図53(a)は、演出図柄遊技演出(変動演出)の進行過程において3つの演出図柄8L,8C,8Rがそれぞれ「5」「6」「5」のリーチ外れ態様で表示画面7aの略中央に仮停止表示された状態を示している。仮停止表示とは、未だ特別図柄の変動表示は終了しておらず、特別図柄が停止表示していないこと、すなわち、特別図柄当否判定の結果が未だ確定的に表示(確定表示)されていないことを意味する。よって、仮停止表示では、表示されている演出図柄の種類(数字など)を認識することができる程度に、個々の演出図柄8が表示画面7a上で僅かに動いている状態で示される(揺れ変動ともいう)。この状態から図53(b)に示すように女の子のキャラクタ画像が出現すると、これに伴って3つの演出図柄8L,8C,8R(演出図柄表示領域7b)が表示画面7aの左上に小さく表示され(縮小表示)、その位置で小さいサイズのまま変動表示を再開する(導入演出1)。この図53(b)に示す導入演出1による「女の子キャラクタ出現」及び「演出図柄8の縮小表示」は、前述のS4603で特定演出の開始タイミングであると判定されたことに基づき行われるもので、本実施例1では、図柄変動終了までの残り時間(特別図柄の残り変動時間)が約3秒になったタイミングを特定演出の開始タイミングとしている。
そして、図53(b)に示す導入演出1の表示開始から約3秒が経過すると、図53(c)に示すように「VSチャンス」の文字が表示画面7a上に表示され、VSチャンス演出の発生(開始)が遊技者に報知される(導入演出2)。このとき、主制御基板80からの変動停止コマンドをサブ制御基板90が受信し(S4406)、これに基づいてサブ制御基板90が送信する変動演出終了コマンドを、画像制御基板100が受信する。これにより、導入演出2の実行の際には、表示画面7aの左上で小さいサイズで変動表示していた3つの演出図柄8L,8C,8Rが、外れの場合と同じ態様(バラケ目:ここでは「325」)で停止表示(確定表示)される。ここで、図53(c)に示す演出図柄8の確定表示は極めて短い時間で行われるものとなっており、その確定表示時間が経過すると、演出図柄8が表示画面7a上から消去され(非表示とされ)、表示画面7aの表示態様は図53(d)に示す態様(導入演出3)へと移る。このため、導入演出2(図53(c))の実行に際して行われる演出図柄8の停止表示(確定表示)に係る図柄確定演出(第4演出)は、遊技者にとって認識し難い態様で行われることとなる。尚、本実施例1では導入演出2での演出図柄8の確定表示時間を500ms(0.5秒)としている。また、図53(b)〜(d)に示す「導入演出(第1演出)」に係る演出表示、すなわち、導入演出1から導入演出3にかけて主として女の子のキャラクタ画像を表示する演出(第1演出)は、図53(b)に示す変動演出の実行中(図柄変動中)と、図53(d)に示す大当り遊技実行中との双方で表示される演出である。つまり、変動演出でもあり特別遊技演出でもある。
そして、図53(c)の導入演出2が行われたときのパチンコ遊技機1の状態は、特別図柄が7R大当り図柄で停止表示された状態であり、このときには主制御基板80からの7R大当りに係るオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信し(S4408)、これに基づくサブ制御基板90からの特別遊技開始時コマンドを画像制御基板100が受信する。これにより、画僧表示装置7の表示画面7aでは、図53(d)の導入演出3が実行される。ここで、7R大当りのオープニング期間(1900ms)は、他の大当りのオープニング期間(8000ms)に比べて短いものとなっており、7R大当りのオープニング期間では、大当り発生や大当り遊技開始等を示すいわゆるオープニング演出を行わず、導入演出2で表示した演出画像(女の子のキャラクタ画像)を導入演出3においても継続して表示するものとなっている。つまり、導入演出2,3の背景画像は同じとなっている。このように「オープニング期間を短時間にしてオープニング演出を行わず背景画像を変化させないこと」と、前述の「演出図柄8の短時間確定表示(本例ではバラケ目の確定表示)及び演出図柄8の消去」との相乗効果によって、第2大入賞口35(Vアタッカー)の1回目の開放が開始されるタイミング(大当り遊技の開始タイミング)を認識し難くすることが可能となる。
図53(d)に示すように導入演出3では、第2大入賞口35(Vアタッカー)への遊技球の入球を促すメッセージ(「アタッカーを狙ってください」の文字)と、遊技者に対して遊技者の発射位置を指示する発射ナビ画像8nが表示される。この後、7R大当り遊技の3ラウンド目が開始されるまで、すなわち、7R大当り遊技の2ラウンド目が終了してインターバル期間(2秒)が終了するまでにかけて、表示画面7aの表示態様は、図53(d)の導入演出3から図53(e),(f)の選択演出1,2へと変化していく。図53(e)の選択演出1では、今回のVSチャンス演出で実行される対決が「対決A〜D」の何れになるのかをルーレット形式で選択する演出(以下「ルーレット演出」ともいう)が展開され、図53(f)の選択演出2では、ルーレット演出の結果が敵キャラ画像8bとともに表示される。この選択結果は、前述の特定演出開始処理(S4302)におけるS4604で選択・設定された特定演出パターンに対応するものである。このような選択演出1から選択演出2への変化は、7R大当り遊技の開始後、2回目のVアタッカー開放(図49に示す16000msの開放)開始から約60000ms(6秒)が経過したタイミングで行われる。そして、選択演出2(ルーレット演出の結果表示)は、7R大当り遊技の3ラウンド目が開始されるまで行われる。このような選択演出により、その後に開始される対決シーン(対決演出)に対する遊技者の関心度を高めることが可能となり、VSチャンス演出による演出効果を高めて、大当り遊技中の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。また、図53(e)の選択演出1以降では、大当り遊技中であることから、遊技者に右打ちを指示する発射ナビ画像8n(ここでは「右打ち」の文字と「右方向」を示す記号)が表示画面7aの右上に表示される。尚、ルーレット演出で選択対象となる対決A〜D(対決演出パターン)は、前述した対決リーチ演出における対決リーチA〜Dと同様の態様で対決シーンが構成された演出である。
ここで、7R大当り遊技の3ラウンド目が開始されるまで、画像表示装置7の表示画面7aでは、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れの場合においても、図53(b)〜(f)に示す一連の演出(第1演出)、すなわち導入演出1〜3及び選択演出1,2が行われ、「7R第4大当り」の1ラウンド及び2ラウンド(Vラウンド)と、「7R第5大当り」の1ラウンドとでは、演出表示態様が同様となっている。また、図49に示すように、「7R第4大当り」の1ラウンド及び2ラウンド(Vラウンド)と、「7R第5大当り」の1ラウンドとでは、第2大入賞口35(Vアタッカー)の開閉動作の態様が同様となっている。このため、遊技者にとっては、少なくとも、7R大当りに係る変動演出の終盤から7R大当り遊技の3ラウンド目が開始されるまでに、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのかを認識(判別)することは極めて難しいものとなる。この結果、少なくとも、7R大当り遊技の開始(図49に示す1回目のVアタッカー開放開始、図53(d)の導入演出3)から、2回目のVアタッカー開放後のラウンド遊技終了を迎えるまで(図49に示す2回目のVアタッカー開放より後のインターバル開始まで、図53(f)の選択演出2まで)、すなわち、「7R第4大当り」の1ラウンド及び2ラウンド(Vラウンド)と、「7R第5大当り」の1ラウンドは、何れもVアタッカーに遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙う一つの「チャンスラウンド」として遊技者に認識させることが可能となる。この意味では、一つのチャンスラウンド(1ラウンド+2ラウンド)を通じて、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定する「特典決定遊技」として捉えることも可能である。
そして、7R大当り遊技開始後、Vアタッカーの2回目の開放(16000msの開放)が行われる際、「7R第4大当り」の場合は、先の1回目の開放を1ラウンドとして行っていることから、Vアタッカーの2回目の開放時には2ラウンド(Vラウンド)に進んでいることとなる。この開放中にはVアタッカー内の可動片150が動作状態(特定領域開放)となるので、「7R第4大当り」におけるVアタッカーの2回目以降の開放時(図49上段に示す2〜7回目の開放時)に遊技球をVアタッカーに入球させることで、その入球した遊技球の少なくとも1個は特定領域39を高い確率で通過することとなる(図47(b)を参照)。一方、「7R第5大当り」の場合は、「7R第4大当り」の場合と同様に先の1回目の開放が終了しているものの未だ1ラウンド中であるため(2ラウンドには進んでいないため)、当該ラウンドにおけるVアタッカーの2回目以降の開放時(図49下段に示す2〜7回目の開放時)には可動片150は動作状態とならず(特定領域閉鎖)、この開放時に遊技球をVアタッカーに入球させたとしても、その入球した遊技球が特定領域39を通過することはない(図47(a)を参照)。このように、本実施例1では、Vアタッカー(第2大入賞口35)の開閉動作態様と演出表示態様の両面から、7R大当り種別の判別の難易度(難しさ)を高めている。特に、「7R第5大当り」の2回目のVアタッカー開放と同じ進度で「7R第4大当り」の2回目のVアタッカー開放を2ラウンド(Vラウンド)として行うべく、「7R第4大当り」の1ラウンド目のVアタッカー開放を短時間の開放(100msの開放)で終了させることで、「7R第5大当り」の1回目のVアタッカー開放と見かけ上の同一性を確保している(図49を参照)。これにより、V通過可能性に違いのある「チャンスラウンド」を、その違いを看破するのが難しい一つの「チャンスラウンド」として遊技者に認識させることが可能となっている。このことから、「7R第4大当り」の1回目のVアタッカー開放(100msの開放)が行われる1ラウンド目は、いわばダミーのラウンド(疑似ラウンド、非特定ラウンド、非特定入球遊技)であるといえる。
そして、7R第4大当りでは、Vアタッカーの2回目の開放を経て最初に迎えるインターバル期間が終了すると3ラウンドに進み、7R第5大当りでは、Vアタッカーの2回目の開放を経て最初に迎えるインターバル期間が終了すると2ラウンド(Vラウンド)に進み、当該ラウンドでVアタッカーの短時間(100ms)の開放を行った後に3ラウンドに進む(図49を参照)。3ラウンドの開始に伴って、画像表示装置7の表示画面7aの表示態様は、図53(f)の選択演出2から、当該選択演出2で示された対決内容(対決演出パターン)に基づく対決シーンを表示する図54(g)の対決演出へと変化し、表示画面7aには味方キャラ画像8aが表示される。このように「チャンスラウンド」が終了して3ラウンドが開始される際には表示画面7aの表示態様が大きく変化する。これにより、「7R第5大当り」における3ラウンド開始前のVアタッカー短開放(一瞬開閉)、すなわち2ラウンド目のVアタッカー短開放の存在を遊技者に認識されにくいものとすることが可能となる。尚、7R第5大当りの2ラウンド(Vラウンド)でのVアタッカー開放時間は100ms(0.1秒)であることから、Vアタッカーに遊技球が入球する可能性は極めて低く、遊技球が特定領域39を通過する可能性も極めて低い。
3ラウンドの開始に伴って図54(g)の対決演出が表示されるときには、主制御基板80からの3R目のラウンド開始コマンドをサブ制御基板90が受信し(S4414,S4415)、これに基づくサブ制御基板90からのV通過演出指定コマンド(S4418)又はV未通過演出指定コマンド(S4420)を、画像制御基板100が受信している。そして、3ラウンド以降では、ラウンドの進行に合わせて表示画面7a上で味方キャラ画像8aと敵キャラ画像8bとの対決シーン(対決演出)が展開され、7R大当り遊技の7ラウンド終了までに当該対決の結末が表示される。対決シーンの結末は、画像制御基板100がV通過演出指定コマンドとV未通過演出指定コマンドの何れを受信しているかによって異なるものとなっており、対決シーンの結末によって、先のチャンスラウンドの結果が示されることとなる。すなわち、V通過演出指定コマンドを受信していれば、先のチャンスラウンドで遊技球が特定領域39を通過しており、大当り遊技終了後に高確率状態となることが確定することから、表示画面7aの表示態様は図54(h1)に示す味方キャラ勝利演出となる。一方、V未通過演出指定コマンドを受信していれば、先のチャンスラウンドで遊技球が特定領域39を通過しておらず、大当り遊技終了後に高確率状態とならない(通常状態となる)ことが確定することから、表示画面7aの表示態様は図54(h2)に示す味方キャラ敗北演出となる。このことから、図54(g)(h1)(h2)に示す対決シーンに係る演出(対決演出)は、先のチャンスラウンドの結果を示す「結果報知演出」といえる。尚、「結果報知演出」は、広義では「対決演出全体」を指し、狭義では「味方キャラ勝利演出」及び「味方キャラ敗北演出」を指すものとして捉えることが可能である。そして、図54(h1)の味方キャラ勝利演出が実行された場合は、今回の7R大当りは「7R第4大当り」である可能性が高く、図54(h2)の味方キャラ敗北演出が実行された場合は、今回の7R大当りは「7R第5大当り」である可能性が高いこととなる。
尚、図54の(g)から(h1)又は(h2)にかけて行われる対決演出(第2演出)、すなわち、7R大当り遊技の3ラウンド〜7ラウンドにかけて(複数回のラウンド遊技に跨って)行われる対決演出(第2演出)は、変動演出として行われる対決リーチ演出(SPリーチの一態様)と同じ対決シーンを示すものとなっている。そして、対決A〜Dの各対決演出(第2演出)について、V通過態様である味方キャラ勝利演出と、V未通過態様である味方キャラ敗北演出とがそれぞれ設けられており、具体的には、対決演出(対決シーン)の開始から終了(結末表示)にかけて展開される演出態様として、味方キャラ勝利に繋がる演出態様と、V味方キャラ敗北に繋がる演出態様とが、対決演出毎に設けられている。また、VSチャンス演出(特定演出)は、Vアタッカーへの規定数の遊技球の入球やVアタッカーの規定開放時間に基づくラウンド遊技の進行(ラウンド消化)を考慮した演出設計となっている。このため、3ラウンド目が開始されるまでに行われる導入演出1〜3及び選択演出1,2(図53(b)〜(f)を参照)は、遊技球の発射が適切に行われている限り、3ラウンド目開始までのVアタッカーへの遊技球の入球状況(ラウンド進行状況)に合わせて進行していき、仮に発射が滞るなどしてラウンド消化に時間がかかったとしても、そのラウンド消化に合わせて進行していく。同様に、3ラウンド目〜7ラウンド目にかけて行われる対決演出(図54(g),(h1),(h2)を参照)も、遊技球の発射が適切に行われている限り、7ラウンド目終了までのVアタッカーへの遊技球の入球状況(ラウンド進行状況)に合わせて進行していき、仮に発射が滞るなどしてラウンド消化に時間がかかったとしても、そのラウンド消化に合わせて進行していく。そして、7ラウンドの終了に合わせて対決演出(VSチャンス演出)は終了する。
7R大当り遊技の7ラウンドが終了すると、主制御基板80からのエンディングコマンドをサブ制御基板90が受信し(S4410)、これに基づくサブ制御基板90からの特別遊技終了時コマンドを、画像制御基板100が受信する。これにより、表示画面7aの表示態様は、図54(h1)に示す味方キャラ勝利演出から、図54(i1)に示すエンディング演出になるか、図54(h2)に示す味方キャラ敗北演出から図54(i2)に示す変動演出になる。今回の7R第4大当り遊技のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過している場合は図54(i1)に示すエンディング演出に係るエンディング画像(ここでは「確変モード突入」の文字)が表示される。尚、本実施例1では、図示はしないが、図54(i1)と同様の表示態様で、『確変モード突入』に替えて『時短モード突入』の文字表示としたエンディング画像を有している。これは、7R第4大当り遊技のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過していない場合に表示されるエンディング画像とされる。但し、7R第4大当りは「特定領域通過予定大当り」とされているので、普通に遊技を行っていれば、この『時短モード突入』画像が表示される可能性は低い。また、7R第5大当り遊技であった場合には、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過しても通過しなくとも、図54(i2)に示す変動演出の画面(演出図柄8L,8C,8Rの表示)に戻るものとされる。この図54(i2)に示すエンディング画像が、「通常モードへの移行を示す」演出とされる。
ここで、本実施例1では、前述のように、7R第4大当りと7R第5大当りとで、主制御基板80からのエンディングコマンドに基づき特定されるエンディング時間は異なるものとなっている。具体的には、低確低ベース状態において7R第4大当りで遊技球が特定領域39を通過した場合、すなわち、表示画面7aの表示態様が図54(h1)の態様から図54(i1)の態様に変化する場合には、エンディング時間が17000ms(17秒)となる。また、低確低ベース状態において7R第4大当りで遊技球が特定領域39を通過しなかった場合、すなわち、表示画面7aの表示態様が図54(h2)の態様から図示しない時短モード突入画像の態様に変化する場合には、エンディング時間が8000ms(8秒)となる。また、低確低ベース状態において7R第5大当りとなった場合には特定領域39の通過有無に関わらず、表示画面7aの表示態様が図54(h2)の態様から図54(i2)の態様に変化し、エンディング時間が5000ms(5秒)となる。このようにエンディング時間に差を設けているのは、大当り遊技終了後の遊技状態が遊技者にとって有利な「確変遊技状態(高確高ベース状態)」になる場合には、エンディング時間を長くして「確変遊技状態(高確高ベース状態)」に移行することをエンディング演出で積極的に示すのが効果的であり、大当り遊技終了後の遊技状態が「低確率状態且つ非時短状態(低確低ベース状態)」になる場合には、遊技者にとって特に利点のない通常の遊技状態になることを、時間を費やして敢えて報知する必要性は低いからである。
そして、本実施例1では、7R第5大当りとなった場合、主制御基板80からのエンディングコマンドをサブ制御基板90が受信したとしても(S4410)、それに応じた演出(エンディング演出)を特に行うことなく、7R大当り遊技終了後、短時間(本例では5000ms)で表示画面7aの表示態様が図54(i2)に示す態様となる。図54(i2)に示す表示態様は、通常の変動演出を行う際の表示態様、すなわち、3個の演出図柄8L,8C,8Rを画面の略中央に大きく表示して演出図柄変動遊技演出を行う際の表示態様である。尚、7R第5大当りとなった場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低ベース状態になることから、表示画面7aの表示態様を通常の変動演出を行う際の表示態様に戻す際には、図54(i2)に示すように、遊技者に左打ちを指示する発射ナビ画像8n(ここでは「左打ち」の文字と「左方向」を示す記号)が画面中央付近に表示される。
以上が、7R大当りの場合に実行されるVSチャンス演出の基本的な流れである。尚、可能性は低いが、7R第4大当りで遊技球が特定領域39を通過しなかった場合、大当り遊技終了後の遊技状態は「低確率状態且つ時短状態(低確高ベース状態)」になる。この場合、VSチャンス演出では、対決シーン(対決演出)の結末として図54(h2)に示す味方キャラ敗北演出が表示される。そして、当該大当り遊技の終了に際して主制御基板80から送信されるエンディングコマンドに基づき特定されるエンディング時間は8000ms(8秒)となる。また、可能性は低いが、7R第5大当りで遊技球が特定領域39を通過した場合、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確率状態且つ非時短状態(高確低ベース状態)」になる。
以上のように、7R大当りに係る特別図柄の変動表示の終盤から7R大当り遊技の終了にかけて一連の「VSチャンス演出(特定演出)」を行うことで、遊技者にとっては、大当り遊技の開始やVラウンドの開始を認識し難くなるので、特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くなり、この結果、Vラウンドを備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。すなわち、7R大当りに係る特別図柄の変動表示の途中から画像表示装置7の表示画面7a上で導入演出を開始し、当該導入演出の開始後、特別図柄の変動表示の終了(停止表示)から7R大当り遊技の開始、Vラウンドの開始へと遊技状況が変化していくなか、状況変化のタイミングで導入演出が終了したり、導入演出に係る背景画像が変化したりすることがない。これにより、大当り遊技の開始やVラウンドの開始を認識し難くなり、延いては、Vラウンドでの特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くなる。
また、VSチャンス演出において、導入演出後の選択演出を経て行われる対決演出が、特別図柄の変動表示中に行われる対決リーチ演出と同じ態様になるため、特別図柄の変動表示中に開始されて大当り遊技中(実施例1では7R大当り遊技中)も継続して行われる導入演出と、当該導入演出後に続けて行われる選択演出と、当該選択演出後に続けて行われる対決演出とを、特別遊技中であるにもかかわらず特別図柄の変動表示に係る「一連の演出」(変動演出としての発展演出)として表現することが可能となる。これにより、大当り遊技の開始やVラウンドの開始を一層認識し難くすることが可能となり、延いては、Vラウンドでの特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等をより判別し難しくすることが可能となる。
また、VSチャンス演出における対決演出の態様を、変動演出としての対決リーチ演出と同様としており、その演出態様の数も同数としている(実施例1では4種類)。しかも、対決リーチ演出で用いる画像データを7R大当り遊技での対決演出に流用するものとしている。このため、画像データ(データ量)を増やすことなく、7R大当り遊技中の対決演出のバリエーションを増やすことが可能となる。これに加え、VSチャンス演出で実行され得る複数の対決演出の各々について、V通過に対応した結末を示す演出態様と、V未通過に対応した演出態様とを設けているので、これによっても対決演出のバリエーションを増やすことが可能となる。これらのことから、7R大当りのときに行われるVSチャンス演出による演出効果を高め、遊技者の意識を極力、表示画面7a上で展開される演出に向かせることが可能となり、延いては、Vラウンドでの特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等をより判別し難くすることが可能となる。
また、VSチャンス演出を開始した後、特別図柄の停止表示に基づく図柄確定演出を行う際、すなわち、7R大当りに係る特別図柄の変動表示の終盤で開始された導入演出の実行中に行われる図柄確定演出を、遊技者が認識し難くなるような態様で行うものとしているので、特別図柄が停止表示して7R大当り遊技が開始されたことを認識し難くすることが可能となり、これに付随してVラウンドの開始タイミングも認識し難くすることが可能となる。さらに「導入演出(導入シーン)」と「選択演出(選択シーン)」と「対決演出(対決シーン)」との3つの演出(演出シーン)によって構成される「VSチャンス演出」を行うので、7R大当りに係る図柄確定演出の認識困難性と相俟って、大当りが発生した印象を遊技者に与え難くすることが可能となる。これにより、チャンスラウンドを含む7R大当り遊技の遊技興趣を効果的に向上させることが可能となる。また、7R第5大当りで遊技球が特定領域39を通過しなかった場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になるが、「VSチャンス演出」と「図柄確定演出の認識困難性」とにより、大当り発生の印象を薄くすることが可能なので、チャンスラウンドを経て遊技状態が低確低ベース状態になることに対する落胆の軽減を図ることも可能となる。
また、特別図柄の変動表示の途中(終盤)からVSチャンス演出を開始する構成とすることで、大当り遊技を構成する複数回のラウンド遊技のうち比較的早期に行われるラウンド遊技(例えば2ラウンド目)をVラウンドとし、残りのラウンド遊技(例えば3ラウンド目以降)を、Vラウンドの結果を報知するラウンドとして位置付けることが可能となる。そして、特別図柄の変動表示の途中(終盤)からVラウンド終了までの期間で、Vラウンド(チャンスラウンド)の開始や実行中(発生中)を知らせる演出等を行うための演出時間を確保し、Vラウンド終了後から残りラウンド遊技が終了するまでの期間で、結果報知演出等を行うための演出時間を確保することが可能となる。この結果、Vラウンドを早期に行った上で、残りのラウンド遊技が終了するまで期間をVラウンドの結果報知演出に費やすことが可能となる。この場合、残りのラウンド遊技が終了するまで期間が長い程、結果報知演出の演出時間を十分に得られるようになることから、大当り遊技開始後、可能な限り早いタイミングでVラウンドを行い、残りのラウンド遊技の実行期間を可能な限り長くすることが望ましい。
また、VSチャンス演出を伴う7R大当り遊技のうち、3ラウンド目以降のラウンド遊技(3ラウンド〜7ラウンド)において、先のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したか否かを示す対決演出を行うこととしており、対決演出そのものの演出態様を、先のVラウンドの結果に応じた態様としている。また、サブ制御基板90からのV通過演出指定コマンド(S4418)又はV未通過演出指定コマンド(S4420)を画像制御基板100が受信し、その受信したコマンドに基づいて対決演出を行うので、対決演出の内容と、先のVラウンドの結果とが整合しなくなるといった不具合も発生しない。これらのことから、Vラウンド終了後の残りのラウンド遊技において、先のVラウンドの結果との整合が図られた興趣の高い演出を行うことが可能となり、残りのラウンド遊技で行われる演出(本例では対決演出)による演出効果を高めることが可能となる。
前述した実施例1では、図32の特別電動役物処理に示す様に、大当り遊技を構成する各ラウンドの終了時に、大入賞口閉鎖処理(S2115)を実行するものとされている。そして、各ラウンドに係る大入賞口閉鎖処理を終了(完了)するまで、その次のラウンドを開始しないものとしている。具体的には、図32のS2115及びS2116等の処理による。この様な実施例1の処理によれば、各ラウンドに関する処理(大入賞口閉鎖処理)、例えば、インターバル期間設定処理や、入排出数一致判定処理や、リトライ動作処理や、エラー報知処理を完了したことを確認して、次のラウンドを開始するため、各ラウンドを適切且つ確実に実行することが可能となる。また、所定のラウンドに不具合がある場合には、次のラウンドに移行することなく当該不具合の解消処理等の対応を行い、不具合が解消した状態で、次のラウンドを開始することが可能となる。
この様に制御することで、各ラウンドを適切に終了させ、且つ次のラウンドを適切に開始させることが可能であるという利点はあるものの、次のラウンドの開始時期が遅れ、大当り遊技の進行が遅れるといった問題を有している。これを解決するため、実施例2の大当り遊技では、先のラウンドにおいて開放する(入球可能状態となる)大入賞口と、後のラウンドにおいて開放する(入球可能状態となる)大入賞口と、が異なる場合には、当該先のラウンドに係る大入賞口閉鎖処理(インターナル期間設定処理、入排出一致判定処理、リトライ動作処理、エラー報知処理)の少なくとも一部を、後のラウンドと並行して実行するものとしている。これにより、ラウンド間に設定される次のラウンドを開始するまでの待機時間を極力短い時間とし、大当り遊技を迅速且つ円滑に進行させることを可能とする。
ここで、「先のラウンドに係る大入賞口閉鎖処理の少なくとも一部を後のラウンドと並行して実行する」とは、もちろん、これらの全ての処理(インターバル期間設定処理、入排出一致判定処理、リトライ動作処理、エラー報知処理)を後のラウンドと並行して実行可能としてもよいし、これらのうち1又は複数の処理を後のラウンドと並行して実行可能としてもよい。尚、大当り遊技は、複数のラウンド(ラウンド遊技)で構成されており、ラウンド毎に第1大入賞口30又は第2大入賞口35の何れか一方が開放する(入球可能状態となる)ものとされている。また、ラウンドにおいて開放する大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)は、当該ラウンド毎に定められた所定の開閉パターンで開放するものとされている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
次に、図55乃至60を用いて、実施例2の特別電動役物処理(大当り遊技)について説明する。その他の制御処理や盤面構造等については、実施例1と同様であるので説明を省略する。また、実施例2の特別電動役物処理(S1108)のS2151乃至S2155は、実施例1の特別電動役物処理と同様であるので説明を省略する。次いで、S2155で、大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2155でNO)、後述する第1大入賞口閉鎖処理を行い(S2156)、次いで後述する第2大入賞口閉鎖処理を行い(S2157)、S2158の処理に移行する。ここで、詳細は後述するが、第1大入賞口閉鎖処理(S2156)とは、大当り遊技において、第1大入賞口30を開放するラウンドを実行した場合に、当該ラウンドの全ての開閉動作を終了した後(当該ラウンド終了後)に実行する処理(「確認処理」ともいう)である。また、同様に、第2大入賞口閉鎖処理(S2157)とは、大当り遊技において、第2大入賞口35を開放するラウンドを実行した場合に、当該ラウンドの全ての開閉動作を終了した後(当該ラウンド終了後)に実行する処理(「確認処理」ともいう)である。
S2158で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2158でYES)、S2159の処理に移行する。このS2159乃至S2163の処理については、実施例1の特別電動役物処理と同様であるので、説明を省略する。また、S2155で、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2155でYES)、S2171の処理に移行する。このS2171乃至S2175の処理についても、実施例1の特別電動役物処理と同様であるので、説明を省略する。
S2158で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2158でNO)、S2164の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、後述する大入賞口閉鎖処理中(第1大入賞口閉鎖処理中又は第2大入賞口閉鎖処理中)を挙げることができる。S2164では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2160で開始した所定の大入賞口開放パターンの実行中(ラウンド中)であるかどうかを判定する(S2164)。S2164で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2164でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したかどうかを判定する(S2165)。S2165で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2165でNO)、処理を終える。尚、ラウンド終了条件については、実施例1と同様としている。
一方、S2165で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2165でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2166)、S2167の処理に移行する。尚、S2166では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2164で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)でないと判定した場合(S2164でNO)、S2170の処理に移行する。S2167では、第1大入賞口開放ラウンドが終了したかどうか、すなわち、終了したラウンドにおいて開放された大入賞口が第1大入賞口30であるかどうかを判定する(S2167)。S2167で、終了したラウンドにおいて開放された大入賞口は第1大入賞口であると判定した場合(S2167でYES)、第1大入賞口に係る大入賞口閉鎖処理(すなわち、第1大入賞口閉鎖処理(S2156))を実行すべく、第1閉鎖処理フラグをONにし(S2168)、S2170の処理に移行する。一方、S2167で、終了したラウンドにおいて開放された大入賞口は第1大入賞口でない、すなわち、終了したラウンドにおいて開放された大入賞口は第2大入賞口であると判定した場合(S2167でNO)、第2大入賞口に係る大入賞口閉鎖処理(すなわち、第2大入賞口閉鎖処理(S2157))を実行すべく、第2閉鎖処理フラグをONにし(S2169)、S2170の処理に移行する。S2170では、後述するラウンドカウンタ減算処理を行い(S2170)、処理を終える。
[第1大入賞口閉鎖処理]
次に、図56を用いて実施例2の第1大入賞口閉鎖処理(「確認処理」、「第1確認処理」ともいう)について説明する。実施例1では、大入賞口閉鎖処理として、第1大入賞口及び第2大入賞口の何れか一方に係る大入賞口閉鎖処理を行うものとしていた。一方、実施例2では、第1大入賞口閉鎖処理の実行中に第2大入賞口の開放動作を可能とし、また、第2大入賞口閉鎖処理の実行中に第1大入賞口の開放動作を可能としている。このことから、本実施例2の大入賞口閉鎖処理では、状況によっては、第1大入賞口閉鎖処理と第2大入賞口閉鎖処理とが並行して実行されることもありうる制御処理となっている。
第1大入賞口閉鎖処理(S2156)ではまず、S3001で、第1閉鎖処理フラグがONかどうかを判定し(S3001)、第1閉鎖処理フラグがONでないと判定した場合(S3001でNO)、インターバル期間設定処理等の大入賞口閉鎖処理(確認処理)を行うことなく、処理を終える。一方、S3001で、第1閉鎖処理フラグがONであると判定した場合(S3001でYES)、次いで、インターバル期間の開始時期かどうかを判定する(S3002)。S3002で、インターバル期間の開始時期であると判定した場合(S3002でYES)、インターバル期間(の計測)を開始し(S3003)、S3004の処理に移行する。S3002でインターバル期間の開始時期でない、すなわち、既にインターバル期間の実行中(計測中)であると判定した場合(S3002でNO)、S3004の処理に移行する。
S3004では、インターバル期間の終了時期かどうかを判定し(S3004)、インターバル期間の終了時期であると判定した場合(S3004でYES)、第1閉鎖処理フラグをOFFにし(S3005)、処理を終える。一方、S3004で、インターバル期間の終了時期でない、すなわち、未だインターバル期間の実行中(計測途中)であると判定した場合(S3004でNO)、第1大入賞口閉鎖処理を完了しない継続状態のまま(完了させることなく)、処理を終える。ここで、第1大入賞口30は、内部に特定領域39(特定領域検知センサ39a)や当該特定領域への遊技球の誘導可能性を変化させる可動片150を備えておらず、入球(又は排出)を検知する第1大入賞口センサ30aだけを備えている。そのため、大入賞口内部での球詰りの可能性も低く、入排出数一致判定処理やリトライ動作や入排出数不一致判定処理に基づくエラー報知等の処理を実行しないものとしている。すなわち、第1大入賞口30を開放するラウンドに係る大入賞口閉鎖処理(第1大入賞口閉鎖処理)では、インターバル期間設定処理を行い、第2大入賞口35を開放するラウンドに係る大入賞口閉鎖処理(第2大入賞口閉鎖処理)で実行可能な他の大入賞口閉鎖処理を実行しないものとしている。尚、第1大入賞口30についても、入球を検知するセンサと排出を検知するセンサとを別個に設けてもよい。
[第2大入賞口閉鎖処理]
次に、図57を用いて実施例2の第2大入賞口閉鎖処理(「確認処理」、「第2確認処理」ともいう)について説明する。この第2大入賞口35の内部には、第2大入賞口35に入球する遊技球を検知する第2大入賞口センサ、第2大入賞口35に入球した遊技球の排出を検知する非特定領域センサ49a及び特定領域センサ39a、第2大入賞口35に入球した遊技球を非特定領域(非特定領域センサ49a)及び特定領域(特定領域センサ39a)の何れか一方に誘導する可動片150を備えている。従って、第2大入賞口を開放するラウンド、特に、第2大入賞口を開放するラウンドであって可動片150を所定態様で動作させるラウンドについては、球詰り等の発生可能性が高まるため、当該ラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理では、第1大入賞口閉鎖処理とは異なる処理(確認処理)を実行するものとしている。
具体的に、第2大入賞口閉鎖処理(S2157)ではまず、第2閉鎖処理フラグがONかどうかを判定し(S3051)、第2閉鎖処理フラグがONでないと判定した場合(S3051でNO)、インターバル期間設定処理等の大入賞口閉鎖処理(確認処理)を行うことなく、処理を終える。一方、S3051で、第2閉鎖処理フラグがONであると判定した場合(S3051でYES)、次いで、インターバル期間の開始時期かどうかを判定する(S3052)。S3052で、インターバル期間の開始時期であると判定した場合(S3052でYES)、インターバル期間(の計測)を開始し(S3053)、S3054の処理に移行する。S3052で、インターバル期間の開始時期でないと判定した場合(S3052でNO)、S3054の処理に移行する。ここで、インターバル期間の開始時期でないと判定する場合として、既にインターバル期間の実行中(計測中)である場合や、インターバル期間終了後であってリトライ動作実行前である場合や、リトライ動作の実行中である場合や、リトライ動作終了後であってエラー報知実行前である場合や、エラー報知実行中である場合を挙げることが可能である。
S3054では、インターバル期間が終了したかどうかを判定し(S3054)、インターバル期間が終了していない、すなわち、未だインターバル期間の実行中(計測途中)であると判定した場合(S3054でNO)、処理を終える。一方、インターバル期間が終了したと判定した場合(S3054でYES)、S3055の処理に移行する。このS3055乃至S3059の処理は、実施例1の大入賞口閉鎖処理のS2705乃至S2709の処理と同様であるので、説明を省略する。
[入排出数一致判定処理]
次に、図58を用いて、実施例2の入排出数一致判定処理(S3059)について説明する。実施例2では、入排出数一致判定処理(S3059)は、第1大入賞口閉鎖処理では行わず、第2大入賞口閉鎖処理でのみ行う。従って、S2854及びS2862でOFFにする閉鎖処理フラグは、第2閉鎖処理フラグとされる。これは、実施例1の入排出数一致判定処理(S2708)のS2804及びS2812の処理に相当するものである。実施例2の入排出数一致判定処理(S3059)のその他の処理については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[ラウンドカウンタ減算処理]
次に、図59を用いて、実施例2のラウンドカウンタ減算処理(S2170)について説明する。この処理は、ラウンド終了条件が成立した後、すなわち、ラウンドにおける全ての開放動作が終了した後に行う処理である。そして、本処理により、前の第1大入賞口を開放するラウンドに係る第1大入賞口閉鎖処理を完了していれば、次の第1大入賞口を開放するラウンドの実行を可能としている。逆に、前の第1大入賞口を開放するラウンドに係る第1大入賞口閉鎖処理を完了していない場合には、次の第1大入賞口を開放するラウンドの実行(開始)を不能としている。同様に、前の第2大入賞口を開放するラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理を完了していれば、次の第2大入賞口を開放するラウンドの実行を可能としている。逆に、前の第2大入賞口を開放するラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理を完了していない場合には、次の第2大入賞口を開放するラウンドの実行(開始)を不能としている。
従って、例えば、第2大入賞口を開放するラウンド(例えば、2ラウンド目)に係る第2大入賞口閉鎖処理と、第1大入賞口を開放する次のラウンド(例えば、3ラウンド目)の開放動作と、を並行して実行可能とする。然しながら、当該第2大入賞口を開放するラウンド(例えば、2ラウンド目)に係る第2大入賞口閉鎖処理が完了しない限り、第2大入賞口を開放する更に次のラウンド(例えば、4ラウンド目)には移行しないものとしている。尚、本実施例の大当り遊技におけるラウンドの実行パターンには設定していないが、前述した更に次のラウンド(例えば、4ラウンド目)が第1大入賞口を開放するラウンドである場合、前回(3ラウンド目)の第1大入賞口閉鎖処理を完了することを条件に、当該更に次のラウンド(例えば、4ラウンド目)を実行(開始)するものとしてもよい。もちろん、どちらの大入賞口を開放するラウンドかは問わず、更に次のラウンドには移行しないようにしてもよい。すなわち、所定の大入賞口閉鎖処理と並行して実行できるラウンドを1ラウンドだけとしてもよい。
具体的に、ラウンドカウンタ減算処理(S2170)ではまず、次のラウンドは第1大入賞口を開放するラウンドかどうかを判定する(S2901)。S2901で、次のラウンドは第1大入賞口を開放するラウンドであると判定した場合(S2901でYES)、次いで、第1閉鎖処理フラグがOFFであるかどうかを判定し(S2902)、第1閉鎖処理フラグがOFFでない、すなわち、未だ第1大入賞口閉鎖処理が完了していないと判定した場合(S2902でNO)、処理を終える。一方、S2902で、第1閉鎖処理フラグがOFFであると判定した場合(S2902でYES)、S2907の処理に移行する。
また、S2901で、次のラウンドは第1大入賞口を開放するラウンドでないと判定した場合(S2901でNO)、次いで、次のラウンドは第2大入賞口を開放するラウンドかどうかを判定する(S2903)。S2903で、次のラウンドは第2大入賞口を開放するラウンドであると判定した場合(S2903でYES)、次いで、第2閉鎖処理フラグがOFFであるかどうかを判定し(S2904)、S2904で、第2閉鎖処理フラグがOFFでないと判定した場合(S2904でNO)、処理を終える。一方、S2904で第2閉鎖処理フラグがOFFであると判定した場合(S2904でYES)、S2907の処理に移行する。
ここで、S2904で、第2閉鎖処理フラグがOFFでない、すなわち、第2大入賞口閉鎖処理が完了していないと判定する場合として、今回終了したラウンドが第2大入賞口を開放するラウンドであり、未だ第2大入賞口閉鎖処理を完了していない場合を挙げることができる。すなわちこれは、第2大入賞口を開放するラウンドが連続して実行される場合である。次に、今回終了したラウンドは第1大入賞口を開放するラウンドであるにも関わらず、その前の第2大入賞口を開放するラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理が終了していない場合を挙げることができる。
これは、前の第2大入賞口を開放するラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理において、入排出数一致判定処理で入球数と排出数とが不一致と判定されて、リトライ動作処理(「可動部材動作処理」ともいう)を行ったり、リトライ動作を行っても一致と判定されずエラー報知処理を行ったりした場合が考えられる。この様な場合には、当該第2大入賞口閉鎖処理が完了するまで、次の第2大入賞口を開放するラウンド(の開放動作)を実行しない(開始しない)ものとしている。尚、所定期間一致判定処理を繰り返しても一致判定とならない場合には、所定のエラー報知期間を経過することに基づいて第2大入賞口閉鎖処理を完了するものとする。
また、S2903で、次ラウンドは第2大入賞口を開放するラウンドでない、つまり、大当り遊技における最終ラウンドであると判定した場合(S2903でNO)、次いで、第1閉鎖処理フラグがOFFかどうかを判定する(S2905)。S2905で、第1閉鎖処理フラグがOFFであると判定した場合(S2905でYES)、次いで、第2閉鎖処理フラグがOFFかどうかを判定する(S2906)。S2906で、第2閉鎖処理フラグがOFFであると判定した場合(S2906でYES)、S2907の処理に移行する。一方、S2905で、第1閉鎖処理フラグがOFFでないと判定した場合(S2905でNO)、及び、第2閉鎖処理フラグがOFFでないと判定した場合(S2906でNO)、処理を終える。つまり、最終ラウンドの開放動作を全て終了した場合には、第1大入賞口閉鎖処理及び第2大入賞口閉鎖処理を何れも完了したのを確認して、S2907の処理に移行する。尚、S2907乃至S2911の処理は、実施例1の特別電動役物処理のS2117乃至S2121の処理と同様であるので、説明を省略する。
[タイミングチャート]
また、図60に、本実施例2の大当り遊技における所定ラウンドの実施態様を示すタイミングチャートを示す。本タイミングチャートでは、便宜上、2ラウンド目に係る第2大入賞口閉鎖処理の入排出数一致処理において入球数と排出数とが一致せず、その後所定回数の一致判定処理を繰り返し実行しても一致せず、リトライ動作を行い、エラー報知を行う態様を示している。そして、その第2大入賞口閉鎖処理を実行している間、当該第2大入賞口閉鎖処理と並行して、2ラウンド目と異なる大入賞口である第1大入賞口を開放する3ラウンド目を実行する態様を示す。
このタイミングチャートに示す様に、本実施例2では、前のラウンドに係る第2大入賞口閉鎖処理、すなわち、インターバル期間設定処理、リトライ動作処理、エラー報知処理、及びそれらの間に設定される待機期間等と、次のラウンド(3ラウンド目)の開放動作と、を並行して実行可能としている。また本実施例2では、これに加えて、前のラウンド(2ラウンド目)の可動片150の動作(特定領域の開閉動作)と、次のラウンド(3ラウンド目)の開放動作と、を並行して実行可能としている。
また、前のラウンドの開放動作と後のラウンドの開放動作(第1大入賞口の開放動作と第2大入賞口の開放動作)が重複して実行されないように制御している。然しながら、図60に示す様に、状況によっては、前のラウンド(2ラウンド目)の全ての開放動作が終了した後も、可動片150の動作(特定領域の開閉動作)が継続される(図60に示す2000ms)。また、この継続期間及び継続期間終了後の所定期間(図60に示す900ms)は、エクストラ期間として特定領域センサ39aも有効期間に設定されている。すなわち、前のラウンドにおける第2大入賞口の遊技球検知センサ(特定領域センサ39a)の有効期間と、次のラウンドにおける第1大入賞口の遊技球検知センサ(第1大入賞口センサ30a)の有効期間と、が重複する場合がある。尚、『継続期間及び継続期間終了後の所定期間(図60に示す900ms)は、特定領域センサ39aも有効期間に設定されている』としたが、同様に、非特定領域センサ49aも有効期間とされている。全ての開放動作終了後は、第2大入賞口35に入球しないのであるから、第2大入賞口センサ35aについては無効期間としてもよいし、同様に有効期間としておいてもよい。また、有効期間又は無効期間は、特定領域通過時の特典付与を有効とするか無効とするかについての、ものであり、遊技球の検知機能(排出検知機能)については、ラウンドの開始時から、少なくともエラー報知期間の終了まで有効とされている。これにより、無効期間において遊技球が検知された場合であっても入排出数一致判定処理において一致と判定することが可能となる。
この様に前のラウンドに係る大入賞口閉鎖処理と、次のラウンドの開放動作と、を並行して実行したり、前のラウンドに係る可動片の動作(特定領域の開閉動作)と、次のラウンドの開放動作と、を並行して実行したり、前のラウンドに係る遊技球検知センサ(特定領域センサ39a)の有効期間と、次のラウンドの開放動作と、を並行して実行したりすることを可能とした。これにより、次のラウンドを迅速に開始することを可能にした。また、大入賞口閉鎖処理等において入球数と排出数との不一致がある場合には、繰り返し実行する一致判定処理や、リトライ動作処理や、エラー報知処理を、次のラウンドと並行して行うことで、ラウンドの進行を停滞させることなく、大当り遊技を迅速且つ円滑に実行することが可能となる。また、実施例1と同様に、本実施例2においても、入排出数一致判定処理を所定の周期で繰り返し実行するので、入排出数が一致した場合には、不要な動作を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3は、VSチャンス演出(特定演出)の実行に係る処理が他の実施例と異なるものである。以下では、主に、実施例1で説明した内容に対して異なる部分について説明する。
前述した実施例1のパチンコ遊技機1では、VSチャンス演出での対決演出(対決シーン)に関し、対決A〜Dの4種類が存在し、対決A〜Dの何れを実行するかについては、VSチャンス演出を開始する際に決定していた。すなわち、図46に示した特定演出開始処理(S4302)のS4604の処理で選択されて設定された特定演出パターンに基づいて、VSチャンス演出中に行う対決演出の内容(対決演出パターン)が決まるものとなっていた。そして、図44に示した受信コマンド解析処理(S4301)のS4418又はS4420で受信するV通過演出指定コマンド又はV未通過演出指定コマンドに応じて、対決演出の結末(味方キャラの勝敗)を表示するものとなっていた。これに対し本実施例3では、対決A〜Dの何れを実行するかについて、VSチャンス演出を開始する際には決定せず、7R大当り遊技の2ラウンド目、すなわちVラウンドが終了したタイミングで、対決A〜Dの何れを実行するかを決定するとともに、実行する対決演出を、味方キャラの勝利パターン(味方キャラ勝利演出)とするのか敗北パターン(味方キャラ敗北演出)とするのかを決定するものとしている。
具体的に、実施例3では、まず、図46に示す特定演出開始処理(S4302)のS4604で、VSチャンス演出を構成する演出、すなわち、「導入演出」、「選択演出」及び「対決演出」のうち、図53(b)〜(d)に示す「導入演出1〜3」及び図53(e)に示す「選択演出1」の演出パターンを設定する。この後、VSチャンス演出を開始するための特定演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4605)、そのセットされた特定演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像表示装置7の表示画面7a上で図53(b)に示す導入演出1が開始される。以後、7R大当り遊技の2ラウンド目が終了するまで、画像表示装置7の表示画面7a上では、遊技進行に合わせて図53(c)〜(e)の演出(導入演出2〜選択演出1)が行われる。そして、7R大当り遊技の2ラウンド目が終了すると、今回実行する対決演出を対決A〜Dの何れにするかを決定し、その決定した対決を、図53(f)に示すように選択演出の結果として示した後(選択演出2)、対決演出が画像表示装置7の表示画面7a上で行われる(図54(g)〜(h1),(h2)を参照)。この対決演出の決定および実行は、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)が行う実施例2の受信コマンド解析処理によって実現される。以下、実施例3の受信コマンド解析処理について図61を用いて説明する。尚、実施例3の受信コマンド解析処理は、図43,44に示した実施例1の受信コマンド解析処理(S4301)のうち、図44に示した処理(S4412以降の処理)が図61に示す処理に置き換わるもので、図43のS4395〜S4411と、図44のS4412,S4413及びS4414〜S4416については本実施例3においても同様であることから、ここでの説明は割愛する。尚、図61では、実施例1と共通する処理内容について実施例1と同じステップ番号を付している。
図61に示すように、実施例3の受信コマンド解析処理では、主制御基板80からラウンド終了コマンドを受信したか否かを判定し(S4450)、受信していないと判定した場合(S4450でNO)、S4414の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4450でYES)、終了したラウンドが2ラウンドであるか否かを判定する(S4451)。主制御基板80から送られてくるラウンド終了コマンドには、前述のラウンド開始コマンドと同様に、終了するラウンド(終了ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、演出制御用マイコン91は、受信したラウンド終了コマンドに基づいて終了ラウンドのラウンド数を特定する。そして、終了したラウンドが2ラウンドでないと判定した場合(S4451でNO)、そのまま本処理を終える。ここで、実施例3では、主制御基板80からのラウンド終了コマンドを受信した際、これに応じて、終了したラウンド数が何ラウンドであるか等を示すコマンドを画像制御基板100に送信することは、行わない構成となっている。これは、大当りの種別に関係なく、少なくともS4415の処理によってラウンド指定コマンドを画像制御基板100に送信することで、画像制御基板100のCPUは現在のラウンド数を特定することが可能であり、大当り遊技の進捗を把握したり、大当り遊技の進捗に応じた演出を行う場合にその演出を実行したりすることが可能だからである。もちろん、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信した場合と同様に、ラウンド終了コマンドの受信に基づいて、終了ラウンド数を指定するコマンドを画像制御基板100に送信し、それに応じた演出表示等を行うようにしてもよい。
一方、S4451で、終了したラウンドが2ラウンドであると判定した場合(S4451でYES)、V通過フラグがONになっているか否かを判定し(S4452)、ONになっていると判定した場合(S4452でYES)、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過した(V通過)ということになるので、その通過に対応する対決演出パターンを決定するためテーブル(V通過対決演出パターン決定テーブル)をセットし(S4453)、V通過フラグをOFFにした上で(S4454)、S4455の処理に移行する。一方、S4452でV通過フラグがONになっていない(OFFである)と判定した場合(S4452でNO)、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過しなかった(V未通過)ということになるので、その未通過に対応する対決演出パターンを決定するためテーブル(V未通過対決演出パターン決定テーブル)をセットし(S4457)、S4455の処理に移行する。そして、本実施例3では、図45のS4501において取得される各種演出決定用乱数として対決演出決定用乱数(乱数範囲:0〜99)を設けていることから、S4455では、S4501で取得した対決演出決定用乱数と、S4453又はS4457でセットした対決演出パターン決定テーブルに基づいて、V通過もしくはV未通過に対応する対決演出パターンを選択し、これを設定する(S4455)。
ここで、対決演出パターン決定テーブルについて説明する。図62に示すように、対決演出パターン決定テーブルにはV通過用のテーブルとV未通過用のテーブルとが存在し、各テーブルでは、対決A〜Dの各々と対決演出決定用乱数値との対応付けを定めている。V通過に対応する対決A〜Dの各演出パターンは、対決シーンの開始から終了(結末)に至るまでの演出態様が味方キャラ勝利となるもの(勝利パターン)となっており、V未通過に対応する対決A〜Dの各演出パターンは、対決シーンの開始から終了(結末)に至るまでの演出態様が味方キャラ敗北となるもの(敗北パターン)となっている。そして、本実施例3では、V通過に対応する対決A〜Dと、V未通過に対応する対決A〜Dとで、それぞれ選択率(出現率)を異ならせている。具体的には、V通過の場合に選択される対決演出パターンとしては、対決Dの選択率(50%)が最も高く、以下、対決C(30%)、対決B(15%)、対決A(5%)の順に選択率が低くなっている。一方、V未通過の場合に選択される対決演出パターンとしては、対決Aの選択率(50%)が最も高く、以下、対決B(30%)、対決C(15%)、対決D(5%)の順に選択率が低くなっている。これにより、例えば、対決演出パターンとして対決Dが選択されて対決Dの対決演出が表示画面7a上で実行された場合にはV通過の可能性が高くなり、対決演出パターンとして対決Aが選択されて対決Aの対決演出が表示画面7a上で実行された場合にはV通過の可能性が低くなる、といったように、対決演出の種類によって、大当り遊技終了後の遊技状態が「確変遊技状態(確変モード)」となる可能性、すなわち、確変(V通過)の信頼度(期待度)を異ならせることが可能となる。尚、本実施例3では、対決A〜Dの各演出パターンの全てについて、V通過の場合とV未通過の場合とで選択率がそれぞれ異なるものとしているが、V通過の場合とV未通過の場合とで選択率が同じものが対決演出パターン決定テーブルに含まれていてもよい。こうすれば、遊技者にとって、今回の大当りでのV通過の可能性が高いのか低いのか、すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が「確変遊技状態(確変モード)」となる可能性が高いのか低いのか推測がつき難い状況も創出することが可能となり、これにより遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
S4455では、S4453又はS4457でセットした対決演出パターン決定テーブルの中から、S4501で取得した対決演出決定用乱数の値に応じた対決演出パターンが選択され、当該選択された対決演出パターンが設定される。次いでS4456では、S4455で設定した対決演出パターンを示す対決演出指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする(S4456)。このセットされた対決演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、受信した対決演出指定コマンドに基づいて特定される対決演出(対決A〜Dの何れか)を、今回実行する対決演出として表示画面7a上に表示する。このとき、画像表示装置7の表示画面7aの表示態様は、図53(e)に示す選択演出1(ルーレット演出)から図53(f)に示す選択演出2(ルーレット演出の結果表示)となる。この選択演出1から選択演出2への切換表示は、2ラウンドの終了後、3ラウンド開始までの間、すなわち2ラウンドと3ラウンドとの間のインターバル期間で行われる。
この後、3ラウンド目の開始に合わせて(S4414でYES→S4415→S4416でYES)、S4458で対決演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする(S4458)。このセットされた対決演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、画像表示装置7の表示画面7a上で、選択演出2で示された対決演出の種類(対決A〜Dの何れか)、すなわち前述のS4455で設定した対決演出パターンに基づく対決シーンを表示する(図54を参照)。この後、画像制御基板100のCPUは、サブ制御基板90からのラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンド等の各種コマンドの受信しつつ、今回の大当り遊技(7R大当り遊技)が終了するまで、つまり最終ラウンドが終了するまでに、今回の対決演出パターンに基づく対決演出の結末(味方キャラ勝利演出又は味方キャラ敗北演出)を表示する。
このような実施例3の構成では、Vラウンドの結果、すなわち、VラウンドでのV通過又はV非通過が確定した後、その結果に基づいて、VSチャンス演出の中で行われる対決演出(対決シーン)の演出パターン(対決A〜Dの何れか)を決定するので、対決演出に確変(V通過)の信頼度を設定することが可能となる。これにより、Vラウンドが終了する前は、選択され得る対決演出の複数の演出パターン(対決A〜D)を表示画面7a上に表示することで、信頼度の高い対決演出が選択されることに対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。この結果、VSチャンス演出が行われるときの遊技興趣、特に選択演出から対決演出にかけての遊技興趣を向上させることが可能となる。
尚、実施例3では、対決演出パターンの選択(決定)を、7R大当り遊技の2ラウンド(Vラウンド)が終了した後、具体的には、2ラウンドと3ラウンドとの間(インターバル期間)に行うものとしていたが、対決演出パターンの選択を行う時期はこれに限定されるものではない。すなわち、少なくとも、Vラウンドの結果(V通過・V非通過)が確定した後であれば、対決演出パターンを適切に選択することが可能である。具体的には、前述の実施例1では、V通過予定大当りでのVラウンド(2ラウンド)におけるVアタッカーの最初の開放開始(16000msの開放開始)から80ms後に可動片150が80msだけ動作状態(特定領域開放)となり、その後、非動作状態(特定領域閉鎖)となった後に再度、動作状態(特定領域開放)となるようにしていた。この可動片150の動作態様を、例えば、Vアタッカーの最初の開放開始(16000msの開放開始)から80ms後に動作状態(特定領域開放)とし、その状態を5000ms維持し、5000ms経過で非動作状態(特定領域閉鎖)として、以後、動作状態とならないようにした場合、Vアタッカーの最初の開放(16000msの開放)が終了する前に可動片150の動作制御が終了し、それ以後、遊技球が特定領域39を通過する可能性はなくなる。この場合、Vラウンド(2ラウンド)が終了する前にVラウンドの結果(V通過・V非通過)が確定し、当該確定時点から次ラウンド開始まで時間を、対決演出パターンの決定や選択に係る演出(選択演出)の実行時間として用いることが可能となる。あるいは、2ラウンド(Vラウンド)が終了した後の残りのラウンドのうち、少なくとも最終ラウンド(実施例では7ラウンド)を除く何れかのラウンドにて対決演出パターンの選択(決定)を行い、その選択(決定)結果に基づく演出(選択結果を示す演出、選択結果に基づく対決演出(結果報知演出)等)を行うことも可能である。
また、Vラウンドで遊技球が特定領域39を通過したタイミングで対決演出パターンの選択を行う場合を設けてもよい。この場合においても、Vラウンド(2ラウンド)が終了する前にVラウンドの結果(V通過・V非通過)が確定し、当該確定時点から次ラウンド開始まで時間を、対決演出パターンの決定や選択に係る演出(例えば選択演出)の実行時間として用いることが可能となる。尚、遊技球が特定領域39を通過したタイミングで対決演出パターンの選択を行う場合、その通過タイミングによって対決演出パターンの選択時期が早くなったり遅くなったりするので、このことを利用して、対決演出パターンの決定や選択に係る演出(選択演出)の演出態様に変化を与えることも可能である。こうすることで、例えば、V通過の場合は、V非通過の場合よりも早いタイミングで選択演出の結果(選択演出2)を表示したり、選択演出の結果(選択演出2)を表示する前の段階でV通過確定を示す予告演出を行ったりするなど、V通過確定を事前に示唆する演出態様を設けることが可能となる。このような演出態様は、所謂「プレミア演出」としての位置付けで設定するのが望ましい。これらの「対決演出パターンの選択(決定)のタイミング」については、何れか一つのタイミングを固定的に設定してもよく、あるいは、大当り当選や大当り遊技開始等を契機とする乱数抽選や、大当り図柄の種類等の各種条件に基づいて、選択(決定)のタイミングをその都度、決定するように構成してもよい。
以上、実施例1〜3について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前述の実施例では、7R大当りに係るVSチャンス(導入演出)の実行中に演出図柄8を停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出(第4演出)の態様を、演出図柄8の表示サイズを通常よりも小さくして表示画面7aの隅に表示した上で、確定表示時間を短時間(500ms)とし、確定表示時間の経過(導入演出2から導入演出3への移行)とともに演出図柄8を表示画面7a上から消去する態様とすることで、当該図柄確定演出を認識し難くしているが、図柄確定演出を認識し難くする態様は、実施例に限定されるものではない。例えば、演出図柄8の確定表示時間を更に短くしたり、演出図柄8の色を通常よりも薄い色としたり又は半透明としたり、演出図柄8の桁数(個数)を減らしたり、演出図柄8を数字よりも認識し難い記号や図形等に変更したりする等、演出図柄8の表示サイズ、確定表示時間、表示位置、種類、内容、形状等の各要素によって、図柄確定演出を認識し難い態様とすることが可能である。
また、前述の実施例では、VSチャンス演出(特定演出)を構成する「導入演出」及び「選択演出」の演出パターンについて、対決A〜Dの選択結果を示す演出シーン(選択演出2)以外は演出パターンが1つであるものとして説明したが、「導入演出」及び「選択演出」について、複数の演出パターンをサブ制御基板90のROMに記憶しているとともに、それに係る画像データを画像制御基板100のROM(画像ROM)に記憶しているものとし、VSチャンス演出の開始の際に「導入演出」及び「選択演出」の何れか一方又は両方の演出パターンを選択し、その選択した演出パターンに基づいて「導入演出」及び「選択演出」を行うものとしてもよい。例えば、演出パターンによって、導入演出で登場するキャラクタ画像が異なったり、導入演出や選択演出の背景画像が異なったり、選択演出の態様が異なったりするなど(例えば、ルーレット演出やダーツ演出等)、種々の演出パターンを設けることが可能である。これにより、特定演出の多様化を図ることが可能となる。また、VSチャンス演出(特定演出)を構成する「対決演出」について、前述の実施例では、3ラウンド目の開始に伴って対決演出(対決シーン)を開始するものとしていたが、3ラウンド目の開始に伴って対決演出を開始する必要はなく、例えば、3ラウンド目が開始された後も前述の選択演出を行い、その後に対決演出を開始するものとしてもよい。つまり、対決演出の開始タイミングは、先のVラウンドの結果が確定した後の所定時期であればよく、前述した実施例であれば、3ラウンド目の開始後、7ラウンド目が終了する前の所定の時期であればよい。
また、前述の実施例では、図49に示すように、「7R第4大当り」の1ラウンド及び2ラウンド(Vラウンド)と、「7R第5大当り」の1ラウンドとで、第2大入賞口35(Vアタッカー)の開閉動作の態様を同じとし、これらのラウンドを一つの「チャンスラウンド」として遊技者に認識させることで、チャンスラウンドが開始された際に「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのかを遊技者が判別し難くなるように構成していた。そして、7R第4大当りでは、Vアタッカーの2回目以降の開放を経て迎えるインターバル期間が終了すると3ラウンドに進むのに対し、7R第5大当りでは、Vアタッカーの2回目以降の開放を経て迎えるインターバル期間が終了すると2ラウンド(Vラウンド)に進み、当該ラウンドでVアタッカーの短時間(100ms)の開放を行った後に3ラウンドに進むものとなっていた(図49を参照)。このため、「チャンスラウンド」の終了前までは、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」とでVアタッカーの開閉動作の態様が一致しているものの、その後に3ラウンドに進む際にはVアタッカーの開閉動作態様が僅かに異なり、1ラウンド及び2ラウンドのVアタッカーの開閉動作態様が完全に一致するものとはなっていない。
これに対して、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」とで1ラウンド及び2ラウンドのVアタッカーの開閉動作態様を完全に一致させることで、「7R第4大当り」と7R第5大当り」との判別をより難くすることも可能である。具体的には、例えば、図49に示す開放パターンのうち、「7R第4大当り」の2ラウンド目のVアタッカーの最終回の開放を100ms(0.1秒)の開放時間(一瞬開閉)で行うものとし、「7R第5大当り」の1ラウンド目のVアタッカーの最終回の開放を2ラウンド目の1回の開放として100ms(0.1秒)の開放時間(一瞬開閉)で行うことで、Vアタッカーの開閉動作態様を完全に一致させることが可能となる。これにより、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのかをVアタッカーの開閉動作態様を通じて判別することは極めて難しくなる。尚、この場合においても、2ラウンド目が終了するまで(3ラウンド目の開始まで)、前述の実施例と同様に、画像表示装置7の表示画面7a上でVSチャンス演出(特定演出)を行うことで、演出表示を通じても、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」との何れが発生したのか判別し難いものとなる。この結果、少なくとも、2ラウンド目が終了するまで(3ラウンド目が開始されるまで)は、特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)することは極めて難しいものとなる。
但し、前述した実施例のように「7R第4大当り」と「7R第5大当り」とで1ラウンド及び2ラウンドのVアタッカーの開閉動作態様を完全には一致させず、チャンスラウンドを経て3ラウンドに進む際のVアタッカーの開閉動作態様を僅かに異ならせることで、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのか判別し難いものの、チャンスラウンド終了から3ラウンド目開始にかけてのVアタッカーの開閉動作態様を注視することで、その判別は一応可能となる。このような判別の余地を敢えて残すことで、7R大当りの種別の判別や特定領域39への遊技球の通過有無等の判別は難しいものの、それを看破する楽しみを遊技者に提供することが可能となる。尚、1ラウンド及び2ラウンドのVアタッカーの開閉動作態様の一致・不一致に関しては、7R大当りだけでなく、前述の実施例における「12R第2,第3大当り」や「2R第7,第8大当り」(ラウンド数が互いに同一の「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」)においても同様である。
また、前述した実施例では、特別図柄の当否判定の結果として大当りと外れを設けていたが、これに加え「小当り」を設けてもよい。但し、小当りに係る特別遊技(小当り遊技)で大入賞口を開放させる場合の開放時間は大当りのような長時間(例えば30秒)ではなく、短時間(例えば1.8秒)となる。このような小当りを設けた場合、例えば、大入賞口を0.9秒で2回開放させる当りとして「2R大当り」と共に設けて、「小当り」と「2R大当り」との区別(判別)をつき難くし、2R大当りを前述の「V通過予定大当り(確変大当り)」とすることで、所謂「潜伏確変」の遊技性を得ることが可能となる。また、第2大入賞口35を開放する小当り遊技を行う場合において、当該小当り遊技中は可動片150を動作させない。すなわち、小当り遊技中に、遊技球が特定領域39を通過することはなく、当該小当りの発生に基づいて高確率状態が付与されることはないものとされる。
また、前述した実施例では、特定領域39の有効期間を、特定領域開閉動作パターンの実行中であって、特定領域が開放状態となっている期間と、開放状態から閉鎖状態となってから1000msの期間と、に設定するものとしたが、この様な態様に限らない。例えば、特定領域開閉動作パターンの実行中は、全て有効期間に設定してもよいし、特定領域開閉動作パターンの実行中であって、最初に開放状態となった時以降の期間を全て有効期間に設定してもよいし、これらに加えて、特定領域開閉動作パターンの終了後の所定期間を有効期間に設定してもよい。
また、前述した実施例では、15R大当りを除いて、V通過予定大当り(12R第2大当り、7R第4大当り、2R第7大当り)に係る大当り遊技の1ラウンド目〜2ラウンド目のVアタッカー(第2大入賞口35)の開放パターン(ラウンド間のインターバル期間を含む)と、V未通過予定大当り(12R第3大当り、7R第5大当り、2R第8大当り)に係る大当り遊技の1ラウンド目のVアタッカーの開放パターンとを同様のパターンとし、V通過予定大当りの1ラウンド目〜2ラウンド目と、V未通過予定大当りの1ラウンド目との外観上の区別がつき難い構成としていた。つまり、チャンスラウンドが開始されたときのVアタッカーの開閉動作を一見しただけでは、当該チャンスラウンドがV通過予定大当り(例えば7R第4大当り)によるものなのか、V未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)によるものなのか、判別し難いものとなっていた。このチャンスラウンドを構成するラウンド数につき、前述した実施例では1ラウンド目と2ラウンド目の計2ラウンドをチャンスラウンドとしていたが、3ラウンドや4ラウンド等、そのラウンド数は2ラウンドに限定されるものではない。例えば、チャンスラウンドを構成するラウンドを1ラウンド目〜3ラウンド目の計3ラウンドとして、そのうちの2ラウンド目をVラウンド(特定ラウンド)とし、1ラウンド目及び3ラウンド目をVアタッカーが開放するものの可動片150が作動しないラウンド(非特定ラウンド)としてもよい。この場合、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)のVラウンド(2ラウンド目)におけるVアタッカーの開放パターンを遊技球の入球可能性が高いパターン(入球が容易なパターン)とする一方、V未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)のVラウンド(2ラウンド目)におけるVアタッカーの開放パターンを遊技球の入球可能性が低いパターン(入球が困難なパターン)とし、その上で、V通過予定大当りの1ラウンド目〜3ラウンド目までのVアタッカーの開放パターン(開閉動作の態様)と、V未通過予定大当りの1ラウンド目〜3ラウンド目までのVアタッカーの開放パターン(開閉動作の態様)とが同じとなるように、両大当りの1ラウンド目及び3ラウンド目のVアタッカーの開放パターンを設定すればよい。つまり、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とで、VラウンドにおけるVアタッカーの開放時間に差があるが、その時間差を残りの非特定ラウンドを用いてVアタッカーの開放パターンの帳尻を合わせ、両者の大当りのVアタッカーの開放パターンを一致させるのである。このような構成(変形例1)に係るVアタッカーの開放パターンについて、図63のタイミングチャートを用いて詳しく説明する。
図63は、V通過予定大当りとしての「7R第4大当り」及びV未通過予定大当りとしての「7R第5大当り」の、変形例1による1ラウンド目〜3ラウンド目までのVアタッカー開放動作(開放パターン)を示すものである。この変形例1では、「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」の双方について、1ラウンド目及び2ラウンド目のVアタッカーの開放パターンは前述した実施例の「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」と同様であるものの、3ラウンド目が前述した実施例と異なっている。前述の実施例では、3ラウンド目に開放する大入賞口を第1大入賞口30としていたが、本変形例1では第1大入賞口30ではなくVアタッカー(第2大入賞口35)とし、3ラウンド目を非特定ラウンド(可動片15が動作しないラウンド)としている。そして、「7R第4大当り」の3ラウンド目のVアタッカーの開放パターンを、「7R第5大当り」の2ラウンド目のVアタッカー短開放(100ms)と、インターバル期間(2000ms)を挟んだ3ラウンド目のVアタッカー開放と、同様の開放動作を行うパターンとしている。つまり、「7R第4大当り」の3ラウンド目における1回目のVアタッカー開放を、「7R第5大当り」の2ラウンド目のVアタッカー開放と同じ態様で行い、「7R第4大当り」の3ラウンド目における2回目以降のVアタッカー開放を、「7R第5大当り」の3ラウンド目のVアタッカー開放と同じ態様で行うものとしている。尚、本変形例1では、「7R第5大当り」の3ラウンド目のVアタッカー開放を、「7R第4大当り」の2ラウンド目のVアタッカー開放と同様の態様(前述の実施例と同様)で行うものとしている。すなわち、Vアタッカーをラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させた後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、この順で行うものとしている。
この変形例1によれば、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」とで1ラウンド開始〜3ラウンド終了までのVアタッカーの開閉動作の態様を完全に一致させることが可能となる。これにより、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのかをVアタッカーの開閉動作を通じて視覚的に判別することは不可能となる。また、本変形例1において、3ラウンド目が終了するまで、前述した実施例のように、画像表示装置7の表示画面7a上で特定演出(VSチャンス演出)を行うことで、演出表示を通じても、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」との何れが発生したのかは判別し難いもの(不可能)となる。本変形例1において前述の特定演出(VSチャンス演出)を行う場合、例えば、7R第4大当りであれば3ラウンド目における2回目のVアタッカー開放開始のタイミング、7R第5大当りであれば3ラウンド目の開始(1回目のVアタッカー開放開始のタイミングで、図54に示した対決演出(結果報知演出)が開始されるように特定演出を進行させる制御(表示制御)を行えばよい。こうすることで、本変形例1においても、Vアタッカーの開閉動作態様と演出表示態様の両面から、7R大当り種別の判別の難易度(難しさ)を高めることが可能となり、少なくとも3ラウンド目の結果報知演出によって先のVラウンド(チャンスラウンド)の結果が示されるまでに、特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)することは、極めて難しいもの(実質的に不可能)となる。
尚、変形例1において、「7R第4大当り」の3ラウンド目における2回目以降のVアタッカーの開放パターン及び「7R第5大当り」の3ラウンド目のVアタッカーの開放パターンは、前述した態様に限定されるものではなく、大当りの種別を判別し難くなる(実質的に不可能となる)のであれば、その態様は特に問わない。また、変形例1の「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」において、4ラウンド目以降のラウンド遊技は、例えば、前述した実施例の3ラウンド目以降のラウンド遊技を行ってもよく、あるいは、前述した実施例の4ラウンド目以降のラウンド遊技を行ってもよい。
また、図63に示す変形例1では、2ラウンド目(Vラウンド)の前後に続く1ラウンド目及び3ラウンド目を非特定ラウンドとし、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とで1ラウンド目〜3ラウンド目のVアタッカーの開閉動作の態様を一致させていたが、1ラウンド目〜3ラウンド目の3ラウンド分ではなく、1ラウンド目(非特定ラウンド)と2ラウンド目(Vラウンド)の2ラウンド分を用いて、Vアタッカーの開閉動作の態様を一致させることも可能である。すなわち、図63の上段に示す7R第4大当りの3ラウンド目における1回目の開放(100msの開放)を、2ラウンド目の最終回の開放として行う構成によっても、Vアタッカーの開閉動作の態様を一致させることが可能である。具体的に、図63の上段に示す2ラウンド目の最後の1000msの開放の後に存在する100msの開放を、3ラウンド目としてではなく2ラウンド目として行うのである。この場合、図63の上段に示す2ラウンド目と3ラウンド目との間のインターバルが、2ラウンド目のVアタッカーの閉鎖時間となり、同図上段の3ラウンド目の2000msの閉鎖時間がインターバルとなる。このように、Vラウンドを2ラウンド目とする場合、この2ラウンド目の特定ラウンドと、これに続く非特定ラウンドとにおけるVアタッカーの開放パターンの設定態様(組み合わせ)により、1ラウンド目〜3ラウンド目の他、1ラウンド目〜2ラウンド目によっても、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とでVアタッカーの開閉動作の態様を一致させることが可能となる。そして、1ラウンド目〜2ラウンド目のVアタッカーの開閉動作の態様を一致させることで、3ラウンド目は、Vアタッカーではなく第1大入賞口30を用いることも可能となり、Vアタッカー開放パターンに基づく大当り種別の判別をし難くすることを担保しつつ、ラウンド遊技の設計の幅を広げることが可能となる。
また、前述した実施例では、変形例1も含めて、2ラウンド目をVラウンドとしていたが、Vラウンドとするラウンドは2ラウンド目に限定されるものではなく、何ラウンド目をVラウンドとするのかは特に問わない。V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)との何れが発生したのかを、Vアタッカーの開閉動作(開放パターン)からは判別し難いものとする(実質的に不可能とする)ことが可能であるのなら、何ラウンド目をVラウンドとしても構わない。換言すると、特定ラウンド(Vラウンド)の前に非特定ラウンドが存在する構成や、特定ラウンド(Vラウンド)の後に非特定ラウンドが存在する構成、あるいは前述した変形例1のように特定ラウンド(Vラウンド)の前後に非特定ラウンドが存在する構成等、種々の構成を採用することが可能である。具体的には、例えば、3ラウンド目をVラウンドとしたり、1ラウンド目をVラウンドとしたりすることも可能である。3ラウンド目をVラウンドとするのであれば、例えば、前述した実施例の「7R第4大当り」の1ラウンド目及び2ラウンド目のVアタッカー開放を短時間(例えば100ms)で行い、3ラウンド目のVアタッカー開放を前述した実施例の7R第4大当りの2ラウンド目と同様に行うものとすればよい。そして、当該1ラウンド目〜3ラウンド目のVアタッカーの開閉動作と同じ態様で、「7R第5大当り」の1ラウンド目〜3ラウンド目のVアタッカーの開閉動作を行えばよい。また、その上で、前述した実施例と同様の特定演出(VSチャンス演出)を、3ラウンド目の終了まで行うこととすればよい。こうすることで、前述した実施例と同様の作用効果を奏することが可能となる。
あるいは、1ラウンド目をVラウンドとする場合、前述した変形例1と同様に、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とで1ラウンド開始〜3ラウンド終了までのVアタッカーの開閉動作の態様を完全に一致させて、発生した大当りの種別を判別できないようにすることが可能である。このような構成(変形例2)に係るVアタッカーの開放パターンについて、図64のタイミングチャートを用いて詳しく説明する。
図64は、V通過予定大当りとしての「7R第4大当り」及びV未通過予定大当りとしての「7R第5大当り」の、変形例2における1ラウンド目〜3ラウンド目までのVアタッカー開放動作(開放パターン)を示すものである。ここで、本変形例2では、大当り遊技の1ラウンド目をVラウンド(特定ラウンド)、2ラウンド目及び3ラウンド目を非特定ラウンドとし、1ラウンド目でのVアタッカーの開放開始(最初の開放開始)を契機に可動片150の動作制御を開始するものとなっている。この可動片15の動作制御(可動片150の動作パターン)は前述の実施例と同様である。すなわち、1ラウンド目のVアタッカーの開放開始(ラウンド開始)から80msが経過した時点で80msだけ動作状態(可動片ソレノイド151をON)とした後に非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、その状態で2840ms(約2.8秒)が経過した時点で、再度、動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を最大26000ms(26秒)が経過するまで維持する(図50を参照)。
また、本変形例2の7R第4大当り(V通過予定大当り)では、図64の上段に示すように、1ラウンド目の開始からVアタッカーを100ms(0.1秒)だけ開放させ、その後、2000ms(2秒)の閉鎖を経て、Vアタッカーを16000ms(16秒)開放させる(2回目の開放)。この後は、前述した実施例と同様のVアタッカーの開閉動作、すなわち、16000ms(16秒)の開放終了後、1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、それぞれ順に行う。そして、前述のように、本変形例2では、1ラウンド目の開始から3000ms(3秒)が経過したところで可動片150が継続的に動作状態となる。このため、変形例2の「V通過予定大当り」では、1ラウンド目における2回目のVアタッカー開放(16000msの開放)が開始されてから900ms経過後、すなわち、16000ms(16秒)のうち後の15100ms(約15秒)の間、可動片150が動作状態(特定領域開放)となっており、Vアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。また、1ラウンド目の終了後、2000ms(2秒)のインターバル期間を経て行われる2ラウンド目ではVアタッカーを100ms(0.1秒)だけ開放し、その後、2000ms(2秒)のインターバル期間を経て、3ラウンド目のVアタッカー開放を行う。この3ラウンド目のVアタッカー開放(開閉動作)は、1ラウンド目のVアタッカーの2回目以降の開閉動作と同様のパターンで行う。
一方、本変形例2の7R第5大当り(V未通過予定大当り)では、図64の下段に示すように、Vラウンド(可動片150が動作する特定ラウンド)である1ラウンド目にVアタッカーを100ms(0.1秒)だけ開放させて、1ラウンド目を終える。このため、V未通過予定大当りの1ラウンド目(Vラウンド)では、Vアタッカーの開放時間のうち残り20msだけが可動片150の動作期間(動作状態)と重複することとなり、100msの開放時間で開放するVアタッカーへの遊技球の入球可能性が極めて低いだけでなく、特定領域39への遊技球の通過可能性も極めて低いものとなる。尚、この1ラウンド目のVアタッカーの開放パターンは、7R第4大当りの1ラウンド目における1回目のVアタッカー開放(開閉)と同様である。そして、1ラウンド目が終了すると、2000ms(2秒)のインターバル期間を経て2ラウンド目のVアタッカー開放を行う。この2ラウンド目におけるVアタッカーの開放パターンは、7R第4大当りの1ラウンド目における2回目以降のVアタッカー開放(開閉)と同様としている。このため、7R第4大当りの1ラウンド目におけるVアタッカーの開放パターンと、7R第5大当りにおける1ラウンド目及び2ラウンド目のVアタッカーの開放パターンとは同様となる。また、2ラウンド目が終了すると、2000ms(2秒)のインターバル期間を経て3ラウンド目のVアタッカー開放を行う。この3ラウンド目のVアタッカーの開放パターンは、7R第4大当りの2ラウンド目〜3ラウンド目(インターバル期間を含む)のVアタッカーの開放パターンと同様としている。
このように、本変形例2では、図64からも明らかな通り、V通過予定大当りとしての「7R第4大当り」と、V未通過予定大当りとしての「7R第5大当り」とで、1ラウンド開始〜3ラウンド終了までのVアタッカーの開閉動作の態様(開放パターン)が同じとなっている。これにより、本変形例2においても、前述した変形例1と同様に、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」の何れが発生したのかをVアタッカーの開閉動作を通じて視覚的に判別することが不可能となる。また、本変形例2においても、3ラウンド目が終了するまで、前述の実施例のように、画像表示装置7の表示画面7a上で特定演出(VSチャンス演出)を行うことで、演出表示を通じても、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」との何れが発生したのかは判別し難いもの(実質的に不可能)となる。この結果、本変形例2においても、7R大当りが発生した場合、少なくとも3ラウンド目が終了するまで(チャンスラウンドが終了するまで)に、特定領域39への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)することは極めて難しいもの(実質的に不可能)となる。尚、変形例2において、「7R第4大当り」の3ラウンド目のVアタッカーの開放パターン及び「7R第5大当り」の3ラウンド目における2回目以降のVアタッカーの開放パターンは、前述した態様に限定されるものではなく、大当りの種別を判別し難くする(実質的に不可能)ことが可能であれば、その態様は特に問わない。また、本変形例2の「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」の4ラウンド目以降のラウンド遊技については、前述した変形例1と同様に対処することが可能である。
また、図64に示す変形例2では、1ラウンド目(Vラウンド)の後に続く2ラウンド目及び3ラウンド目を非特定ラウンドとし、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とで1ラウンド目〜3ラウンド目のVアタッカーの開閉動作の態様を一致させていたが、1ラウンド目〜3ラウンド目の3ラウンド分ではなく、1ラウンド目(Vラウンド)と2ラウンド目(非特定ラウンド)の2ラウンド分を用いて、Vアタッカーの開閉動作の態様を一致させることも可能である。すなわち、図64の下段に示す7R第5大当りの3ラウンド目における1回目の開放(100msの開放)を、2ラウンド目の最終回の開放として行う構成によっても、Vアタッカーの開閉動作の態様を一致させることが可能である。具体的に、図64の下段に示す2ラウンド目の最後の1000msの開放の後に存在する100msの開放を、3ラウンド目としてではなく2ラウンド目として行うのである。この場合、図64の下段に示す2ラウンド目と3ラウンド目との間のインターバルが、2ラウンド目のVアタッカーの閉鎖時間となり、同図下段の3ラウンド目の2000msの閉鎖時間がインターバルとなる。このように、Vラウンドを1ラウンド目とする場合、この1ラウンド目の特定ラウンドと、これに続く非特定ラウンドとにおけるVアタッカーの開放パターンの設定態様(組み合わせ)により、1ラウンド目〜3ラウンド目の他、1ラウンド目〜2ラウンド目によっても、V通過予定大当り(例えば7R第4大当り)とV未通過予定大当り(例えば7R第5大当り)とでVアタッカーの開閉動作の態様を一致させることが可能となる。そして、1ラウンド目〜2ラウンド目のVアタッカーの開閉動作の態様を一致させることで、3ラウンド目は、Vアタッカーではなく第1大入賞口30を用いることも可能となり、Vアタッカー開放パターンに基づく大当り種別の判別をし難くすることを担保しつつ、ラウンド遊技の設計の幅を広げることが可能となる。
また、前述した実施例では、Vアタッカー開放パターン(開閉動作態様)につき、15R大当りを除いて、V通過予定大当り(12R第2大当り、7R第4大当り、2R第7大当り)に係る大当り遊技の2ラウンド目の開放パターンと、V未通過予定大当り(12R第3大当り、7R第5大当り、2R第8大当り)に係る大当り遊技の1ラウンド目のうち2回目以降の開放パターンとを、すべて同じとしていた。すなわち、V通過予定大当りの2ラウンド目(Vラウンド)における複数回のVアタッカー開放の全部と、V未通過予定大当りの1ラウンド目における複数回のVアタッカー開放のうち2回目以降の全部とを、同じ態様としていた(図49を参照)。しかしながら、Vアタッカー開放の全部を同じとする必要はない。具体的に、前述の実施例では、V通過予定大当りの2ラウンド目における1回目のVアタッカー開放及びV未通過予定大当りの1ラウンド目における2回目のVアタッカー開放を、16000ms(16秒)の1回開放として行うものとしていた。ここで、パチンコ遊技機における遊技球の発射性能(発射速度)は、600ms(0.6秒)で1個(1分間で100個)の遊技球が発射され得るように設計されるのが一般的であることから、計算上、6000ms(6秒)で10個の遊技球を発射することが可能である。このため、大当り遊技中、遊技球の発射中断や球詰まり等の例外を除き、普通に遊技球を発射(本例では右打ち)さえしていれば、16000ms(16秒)の開放の間に、Vアタッカーに10個の遊技球、すなわち、ラウンド終了条件となる規定数の遊技球を入球させることは可能である。このことから、Vアタッカーの16000ms(16秒)の開放開始時から当該開放中に遊技球を発射し続けている限り、当該開放中にラウンド終了条件が成立して次のラウンドに進む可能性が高く、当該開放中にラウンド終了条件が成立しないとしても、その後の4000ms(4秒)の開放までにはラウンド終了条件が成立して、次のラウンドに進む可能性が高い。このため、V通過予定大当りの2ラウンド目における2回目以降のVアタッカー開放(図49参照)や、V未通過予定大当りの1ラウンド目における3回目以降のVアタッカー開放(図49参照)が行われる可能性は低いものとなる。つまり、複数回のVアタッカー開放の全部が行われる前に次のラウンドに進む可能性が高いものとなる。このことから、V通過予定大当りの2ラウンド目における複数回のVアタッカー開放と、V未通過予定大当りの1ラウンド目における複数回のVアタッカー開放のうち、少なくとも、規定数の入球に基づいてラウンド終了条件が成立し得る開放回までの開放パターンを、それぞれ同じパターンとしておくことで、前述した実施例の遊技性や作用効果を奏することが可能となる。
また、前述した実施例では、VラウンドにおけるVアタッカーの開放パターンとして、開放時間の長いロング開放の開放パターン(第1開放パターン)と、開放時間の短いショート開放の開放パターン(第2開放パターン)とを設けていた。具体的には、ロング開放の開放パターン(V通過予定大当りのVラウンド開放パターン)として、16000ms開放1回、1000ms開放1回、4000ms開放1回及び1000ms開放2回を、この順で行う開放パターン(開放時間23000msの開放パターン)を設け、ショート開放の開放パターン(V未通過予定大当りのVラウンド開放パターン)として、100ms開放1回を行う開放パターンs開放2回を、この順で行う開放パターン(開放時間100msの開放パターン)を設けていた。このうち、ロング開放の開放パターンについては、Vアタッカーへの遊技球の入球可能性を高くする(入球を容易とする)ことが可能な開放時間であればよく、開放回数については複数回であっても1回であってもどちらでもよい。但し、V通過予定大当りと未通過予定大当りの判別の難易度(難しさ)を高める観点から、開放回数については複数回開放とするのが望ましい。尚、Vラウンドにおける複数回開放の開放パターンは、前述した実施例や変形例に限定されるものではなく、大当り種別の判別の難易度を考慮して、複数回開放の開放回数を適宜設定することが可能である。
また、前述した実施例では、1ラウンド目を非特定ラウンドとして行う場合のVアタッカーの開放時間に関し、V通過予定大当りの1ラウンド目(第1非特定ラウンド)のVアタッカー開放時間と、V未通過予定大当りの1ラウンド目(第2非特定ラウンド)におけるVアタッカーの1回目の開放に係る開放時間とを、ともに100ms(0.1秒)の短時間とし、Vアタッカーに遊技球が入球する可能性は低いもの(実質的に不可能)となっていた。しかしながら、この場合におけるVアタッカーの開放時間は、100msよりも長い時間であってもよく、Vアタッカーへの遊技球の入球を許容する時間であってもよい。
また、前述した実施例では、チャンスラウンドを大当り遊技の開始時から行う構成、すなわち、チャンスラウンドを1ラウンド目〜2ラウンド目(変形例では1ラウンド目〜3ラウンド目)で行う構成を例示したが、チャンスラウンドを大当り遊技の途中で行ったり終了時を含めて行ったりしてもよい。つまり、チャンスラウンドに係るVアタッカーの開放動作は、1ラウンド目〜2ラウンド目(変形例では1ラウンド目〜3ラウンド目)だけでなく、その他のラウンドで行うことも可能である。また、すべての大当り遊技について、第1大入賞口30の開放パターンや第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンは、前述した実施例や変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々のパターンを採ることが可能である。
また、前述した実施例では、設定されたエンディング期間におけるエンディング演出の演出態様は前述したものに限らない。エンディング演出の他の態様として、次のようにしてもよい。例えば、実施例の2R第7大当りは、「V通過予定大当り」とされており、「V未通過予定大当り」である2R第8大当りと同じラウンド数(2ラウンド)である。これらの大当り遊技中の演出において、2R第7大当りか2R第8大当りかを認識し難いものとなるように共通の演出を実行することで、エンディング期間に実行される演出(第6特定演出又は第7特定演出)によって、大当り遊技終了後に移行する遊技状態を示すようにしてもよい。具体的に、2R第7大当りの6000msのエンディング期間において、一旦(3900ms以内で)、2R第8大当りと共通する第3非報知モード移行演出(例えば、敗北演出)を実行し、エンディング期間における残りの期間で、高確率状態に移行することを示す演出(例えば、昇格演出、復活演出)を行うことが可能である。
また、前述した遊技機において、特別遊技を構成する複数のラウンド遊技のうち、特定ラウンド遊技を1個のラウンド遊技としてもよいし、複数のラウンド遊技としてもよい。複数のラウンド遊技を特定ラウンド遊技とする場合には、特別遊技における最後の特定ラウンド遊技が終了した後に、特定領域情報に基づいて終了期間を決定するものとすることが可能である。例えば、最後の特定ラウンド遊技終了に基づいて決定したり、最後の特定ラウンド遊技の次のラウンド遊技の開始に基づいて決定したり、全てのラウンド遊技の終了に基づいて決定したりすることが可能である。また、特定領域39の通過又は非通過によって終了期間を変更しない大当り(特定結果)の場合には、特定領域39の通過又は非通過によって終了期間を変更する大当り(特定結果)と異なるタイミングで、何れの終了期間にするかを決定してもよい。例えば、終了期間を変更しない大当り(特定結果)の場合には、特定ラウンド遊技(Vラウンド)の開始より前のタイミングで終了期間を決定してもよいし、大当り遊技の開始に伴って決定してもよいし、大当り遊技における最初のラウンド遊技の開放動作の開始前に決定してもよい。もちろん、終了期間を変更しない大当りの場合と、終了期間を変更する大当りの場合とで同じタイミングで終了期間を決定してもよい。
また、前述した遊技機において、特定領域39の通過又は非通過によって終了期間を変更する大当り(特定結果)を設けたが、この変化の態様が異なる大当りを設けることも可能である。例えば、当否判定の結果が第1特定結果となった場合であって、特定領域を遊技球が通過すると終了期間を第10期間とし、特定領域を遊技球が通過しないと終了期間を第10期間よりも短い第11期間とする。そして、当否判定の結果が第3特定結果となった場合であって、特定領域を遊技球が通過すると終了期間を第10期間と異なる第12期間とし、特定領域を遊技球が通過しないと終了期間を第12期間よりも短い第13期間とするものとしてもよい。
また前述した実施例では、特定領域39の通過又は非通過によってエンディング期間(終了期間)を変化させる場合、通過した場合に長時間を設定し、非通過の場合に短時間を設定したが、この様な態様に限らない。終了期間決定手段は、遊技球が特定領域を通過した場合には短時間(第2期間)を決定し、遊技球が特定領域を通過しなかった場合には長時間(第1期間)を決定するようにしてもよい。また、前述した遊技機におい当否判定の結果が第1特定結果となって特別遊技を実行する場合、特定領域を通過するか否かに基づいて、異なる長さの終了期間を決定し、当否判定の結果が第2特定結果となって特別遊技を実行する場合、特定領域を通過しても通過しなくても、同じ長さの終了期間を決定するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、大当り遊技中(特別遊技中)に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することが可能である。
また、前述した実施例では、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるにあたり、確変カウンタに「10000」をセットして、特別図柄当否判定の実行回数が10,000回になるまで、換言すると、実質的に次回の大当りが発生するまで、高確率状態が保証される仕様(所謂「V確ループ機」)としていたが、確変カウンタにセットする値は、遊技機の仕様(スペック)に応じて適宜設定することが可能である。例えば、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて確変カウンタにセットする値を「150」とし、高確率状態での特別図柄当否判定の実行回数が「150」になると、次回以降の特別図柄当否判定が低確率状態で行われることとなる仕様、すなわち、次回大当り発生まで高確率状態が保証されるとは限らない仕様の遊技機(所謂「V確ST機」)に本発明を適用することも可能である。あるいは、確変カウンタの他に、例えば、高確率状態での大当りの発生回数を計数するカウンタ(大当りカウンタ)を設け、大当り発生回数(大当りカウンタのカウント値)が所定回数(例えば「5」)になると、その所定回数目(例えば「5回目」)の大当りに係る大当り遊技の終了後は必ず(強制的に)低確率状態になる仕様の遊技機(所謂「V確セット機」)に本発明を適用することも可能である。
また、前述した実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
前述した遊技機において、遊技球が入球可能な始動口と、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口と、のうち少なくとも一方を設け、始動口又は可変式始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を設けてもよい。また、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、可変式始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとしてもよい。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
[その他]
従来の特典決定遊技を備えた遊技機では、遊技球が特定領域を通過する可能性を、特定領域への遊技球の通過に係る可変入球口(以下「特定可変入球口」ともいう)の開放パターンによって異ならせるのが一般的である。ところが、従来の構成では、特典決定遊技を含む特別遊技が開始されることを容易に認識することが可能なので、遊技者にしてみれば、特別遊技の開始をきっかけとして特定可変入球口の開放パターン(開放動作)を注視することが可能となる。このため、例えば、特定可変入球口が開放を開始した際の早い段階、つまり、特典決定遊技の開始早々に、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別できる場合がある。このように特典決定遊技の開始早々に特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別できてしまうと、特典決定遊技の結果が得られる前(特典決定遊技の終了前)や当該遊技の結果が報知される前に、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等が分かってしまうこととなり、このことは特典決定遊技の興趣低下や存在価値の希薄化に繋がる虞がある。これに対し、特典決定遊技を含む特別遊技が開始されることを認識し難くし、特典決定遊技を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能な発明を、以下の(1)〜(5)に例示する。
(1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技中の所定時期に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記識別情報の変動表示中に所定の第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、
を備え、
前記第1演出実行手段は、前記識別情報が特定態様で停止表示される前の変動表示中に前記第1演出を開始した場合、該第1演出を、前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記特別遊技における前記特典決定遊技の開始後に終了する
ことを特徴とする遊技機。
尚、上記(1)に記載の遊技機において、
前記可変入球口は、前記特典決定遊技が実行される場合と、前記特典決定遊技が実行されない場合とに、遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化し得るもので、
前記第1演出実行手段は、前記識別情報が特定態様で停止表示される前の変動表示中に前記第1演出を開始した場合、該第1演出を、前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記特別遊技にて前記可変入球口が少なくとも1回入球可能状態となった後に終了する
こととしてもよい。
(2)始動口への遊技球の入球に基づき識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技中の所定時期に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記特別遊技中に所定の第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、
を備え、
前記第1演出実行手段は、前記特別遊技中に前記第1演出を実行する場合、前記識別情報が特定態様で停止表示される前の変動表示中に前記第1演出を開始し、該第1演出を、前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記特別遊技における前記特典決定遊技の開始後に終了する
ことを特徴とする遊技機。
尚、上記(2)に記載の遊技機において、
前記可変入球口は、前記特典決定遊技が実行される場合と、前記特典決定遊技が実行されない場合とに、遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化し得るもので、
前記第1演出実行手段は、前記特別遊技中に前記第1演出を実行する場合、前記識別情報が特定態様で停止表示される前の変動表示中に前記第1演出を開始し、該第1演出を、前記識別情報が特定態様で停止表示された後の前記特別遊技にて前記可変入球口が少なくとも1回入球可能状態となった後に終了する
こととしてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の遊技機において、
前記特別遊技中であって前記第1演出の終了後に所定の第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、
前記識別情報の変動表示中に所定の第3演出を実行可能な第3演出実行手段と、
を備え、
前記第2演出実行手段は、前記第3演出と同様の演出態様で前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
(4)上記(3)に記載の遊技機において、
前記第3演出実行手段は、予め定められた複数の演出態様の中から選択される演出態様に基づいて前記第3演出を実行可能であり、
前記第2演出実行手段は、前記第3演出実行手段が実行可能な前記第3演出と同様の複数の演出態様の中から選択される演出態様に基づいて、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
(5)上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の遊技機において、
前記識別情報の停止表示に基づいて所定の第4演出を実行可能な第4演出実行手段を備え、
前記識別情報が特定態様で停止表示される場合の前記第4演出の演出態様として、少なくとも第1演出態様と、前記第1演出態様よりも認識し難い第2演出態様と、を有し、
前記第4演出実行手段は、
前記識別情報が特定態様で停止表示される前の変動表示中に前記第1演出が開始され、該第1演出の実行中に前記識別情報が特定態様で停止表示される場合、前記識別情報の停止表示に基づく前記第4演出を前記第2演出態様で行う
ことを特徴とする遊技機。
従来の特典決定遊技を備えた遊技機では、特典決定遊技の結果を報知する演出(以下「結果報知演出」ともいう)を、特別遊技中に行うのが一般的である。ところが、従来の結果報知演出には、特別遊技中であって特典決定遊技が終了したときや特典決定遊技の結果が確定したとき等の一時期に、遊技球が特定領域を通過したか否かを示す画像(例えば「V」等の文字画像)を単に表示するだけのものが多い。これでは、特典決定遊技を含む特別遊技中に行われる演出の効果が十分に得られず、遊技興趣の低下を招く虞がある。これに対し、特典決定遊技を含む特別遊技中に行われる演出の効果を高め、延いては、特典決定遊技を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることを可能とする発明を、以下の(6)〜(14)に例示する。
(6)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技中の所定時期に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記特別遊技中に所定の特別遊技演出を実行可能な特別遊技演出実行手段と、
を備え、
前記特別遊技演出実行手段は、
前記特典決定遊技が終了した後の前記特別遊技中に、前記特典決定遊技の結果を示す演出態様で前記特別遊技演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(7)上記(6)に記載の遊技機において、
前記特別遊技演出実行手段は、前記特典決定遊技が終了する前の前記特別遊技中は、前記特典決定遊技の結果を示さない演出態様で前記特別遊技演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(8)上記(6)又は(7)に記載の遊技機において、
前記特典決定遊技が終了した後の前記特別遊技中に実行される前記特別遊技演出の演出態様を複数記憶する演出態様記憶手段を備え、
前記特別遊技演出実行手段は、前記演出態様記憶手段に記憶される複数の演出態様の中から選択される演出態様に基づいて、前記特典決定遊技が終了した後の前記特別遊技演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(9)上記(8)に記載の遊技機において、
また、前記特典決定遊技の結果を示す演出態様として、遊技球が前記特定領域を通過した旨を示す通過態様と、遊技球が前記特定領域を通過しなかった旨を示す未通過態様と、を有し、
前記演出態様記憶手段に記憶される複数の演出態様の各々には、前記通過態様に対応する演出態様と、前記未通過態様に対応する演出態様とが設けられている
ことを特徴とする遊技機。
(10)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技中の所定時期に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記特別遊技中に所定の特別遊技演出を実行可能な特別遊技演出実行手段と、
を備え、
前記特別遊技演出実行手段は、前記特別遊技中であって前記特典決定遊技の終了後に、前記特別遊技演出として、前記特典決定遊技の結果を示す結果報知演出を開始する
ことを特徴とする遊技機。
(11)上記(10)に記載の遊技機において、
前記結果報知演出の演出態様を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される複数の演出態様の中から実行する前記結果報知演出の演出態様を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記特典決定遊技の終了前に前記結果報知演出の演出態様を選択し、
前記特別遊技演出実行手段は、前記選択手段により選択された演出態様に基づく前記結果報知演出を開始する。
ことを特徴とする遊技機。
(12)上記(11)に記載の遊技機において、
前記特別遊技演出実行手段は、前記特別遊技中であって前記特典決定遊技の終了前に、前記特別遊技演出として、前記選択手段による選択の結果を示す選択演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(13)上記(10)〜(12)の何れか一つに記載の遊技機において、
前記特別遊技演出実行手段は、前記特別遊技中であって前記特典決定遊技の終了後に開始した前記結果報知演出を、前記特典決定遊技の結果に応じた態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
尚、上記(10)〜(13)の何れか一つに記載の遊技機において、
前記特別遊技演出実行手段は、前記特別遊技中であって前記特典決定遊技の終了後に開始する前記結果報知演出を、前記特典決定遊技の終了後から一連の演出として実行する
ことととしてもよい。
(14)上記(6)〜(13)の何れか一つに記載の遊技機において、
前記特別遊技の開始から前記特典決定遊技が終了するまでの期間より、前記特典決定遊技の終了から前記特別遊技が終了するまでの期間の方が長い
ことを特徴とする遊技機。
また、従来の遊技機として、特典付与に関し、特別遊技中に所定の可変入球口に入球した遊技球を、当該可変入球口内の振分装置によって、特定領域又は非特定領域に振分け、遊技球が特定領域を通過した場合に特典を付与する遊技機が知られている。この様に可変入球口内部に振分装置を設けると、この振分装置の可動部分に遊技球が挟まる等して球詰りを発生させるおそれがある。この様な事態が発生すると、最悪の場合、可変入球口に入球した遊技球が特定領域側に振分けられなくなり、遊技者が特典付与の機会を逃す虞がある。また、従来から払出装置等の排出装置を有する遊技機において、この様な球詰りが発生した場合に、所定のリトライ動作を実行することで、球詰りを解消させる制御を有する遊技機があった。然しながら、大当り遊技においては、単にリトライ動作等を行って球詰り等の不具合を解消するだけでは、大当り遊技が途中で停滞してしまう可能性がある。また、大当り遊技が停滞すると、遊技者が遊技興趣を低下させる虞もある。以下に例示する発明(15)〜(28)は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、大当り遊技を、迅速且つ円滑に進行させ、遊技興趣を向上させるものである。
(15)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、前記可変入球口を入球可能状態に変化させる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記可変入球口への入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球の排出を検知する排出検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球が前記排出検知手段で検知されるまでの経路に配され、所定の動作を行うことで遊技球の流下方向を変化可能な可動部材と、を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は、複数のラウンド遊技で構成され、
前記ラウンド遊技において、前記可変入球口は所定のパターンで入球可能状態又は入球不能状態となるものとされ、
所定の前記ラウンド遊技を実行する場合において、当該ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として所定の確認処理を実行するものであって、
前記確認処理には、少なくとも、
前記ラウンド遊技における前記可変入球口への入球数と排出数とが一致するかどうかを、前記入球検知手段及び前記排出検知手段の検知結果に基づいて判定する一致判定処理と、
前記一致判定処理において前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しないと判定したことに基づいて、前記可動部材を動作させる可動部材動作処理と、を有し、
前記一致判定処理は、前記可動部材動作処理の実行前の期間に、複数回実行可能とされ、
前記可動部材動作処理の実行前に、前記一致判定処理において前記可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定した場合、前記可動部材動作処理を実行することなく、前記確認処理を終了することを特徴とする遊技機。
(16)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な第1可変入球口と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な第2可変入球口と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記第2可変入球口への入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球の排出を検知する排出検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球が前記排出検知手段で検知されるまでの経路に配され、所定の動作を行うことで遊技球の進行方向を変化可能な可動部材と、を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は、複数のラウンド遊技で構成されると共に、前記ラウンド遊技毎に、前記第1可変入球口及び前記第2可変入球口の何れか一方が入球可能状態に変化するものとされ、
前記第2可変入球口を入球可能状態とする所定の前記ラウンド遊技を実行する場合において、当該ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記第2可変入球口を入球不能状態として所定の確認処理を実行するものであって、
前記確認処理には、少なくとも、
前記ラウンド遊技における前記第2可変入球口への入球数と排出数とが一致するかどうかを、前記入球検知手段及び前記排出検知手段の検知結果に基づいて判定する一致判定処理と、
前記一致判定処理において前記第2可変入球口への入球数と排出数とが一致しないと判定したことに基づいて、前記可動部材を動作させる可動部材動作処理と、を有し、
前記特別遊技として、前記第1可変入球口を入球可能状態とする第1ラウンド遊技と、前記第2可変入球口を入球可能状態とする第2ラウンド遊技と、を有すると共に、前記ラウンド遊技の実行パターンに、前記第2ラウンド遊技に次いで前記第1ラウンド遊技を実行するパターンを有する特別遊技を備え、
前記特別遊技を実行し、前記第2ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記確認処理を実行する場合において、前記確認処理の少なくとも一部の処理を、前記第1ラウンド遊技の実行中に行うことを可能とすることを特徴とする遊技機。
これにより、確認処理の完了を待つことなく、所定のラウンド遊技の確認処理と、当該所定のラウンド遊技の次のラウンド遊技(次のラウンド遊技の入球可能状態)とを並行して実行することを可能とし、大当り遊技を迅速且つ円滑に進行することが可能となる。これは、連続するラウンド遊技を、第2大入賞口を入球可能状態とする第2ラウンド遊技と、第1大入賞口を入球可能状態とする第1ラウンド遊技と、で構成するパターン(逆でも可)を有する特別遊技を備えていることにより可能とするものである。
(17)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、前記可変入球口を入球可能状態に変化させる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記可変入球口への入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球の排出を検知する第1排出検知手段及び第2排出検知手段と、
所定の動作を行うことで、前記入球検知手段で検知された遊技球を特定領域又は非特定領域に誘導する可動部材と、を備え、
遊技球が前記特定領域を通過することに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記第1排出検知手段は、前記非特定領域を通過した遊技球を検知するものとされ、
前記第2排出検知手段は、前記特定領域を通過した遊技球を検知するものとされ、
前記特別遊技は、複数のラウンド遊技で構成され、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、
前記可変入球口を入球可能状態とすると共に、遊技球を特定領域又は非特定領域に誘導可能な特定ラウンド遊技と、
前記可変入球口を入球可能状態とすると共に、遊技球を非特定領域に誘導する非特定ラウンド遊技と、を有し、
所定の前記ラウンド遊技を実行する場合において、当該ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として所定の確認処理を実行するものであって、
前記確認処理には、少なくとも、
前記ラウンド遊技における前記可変入球口への入球数と排出数とが一致するかどうかを、前記入球検知手段、前記第1排出検知手段、及び、第2排出検知手段の検知結果に基づいて判定する一致判定処理と、
前記一致判定処理において前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しないと判定したことに基づいて、前記可動部材を動作させる可動部材動作処理と、を有しており、
前記特別遊技として、前記特定ラウンド遊技と、前記非特定ラウンド遊技と、を有すると共に、前記ラウンド遊技の実行パターンに、前記非特定ラウンド遊技に次いで前記特定ラウンド遊技を実行するパターンを有する特別遊技を備え、
前記特別遊技を実行する場合において、前記非特定ラウンド遊技と、前記非特定ラウンド遊技の次に実行される前記特定ラウンド遊技と、の両方において、前記確認処理を実行することを特徴とする遊技機。
可動部材を動作させて可変入球口に入球した遊技球を特定領域又は非特定領域に振分ける機能を発揮させる特定ラウンド遊技は、可変入球口内で球詰り等を発生させる可能性が非特定ラウンド遊技よりも高い。そのため、特定ラウンド遊技において確認処理を行うことで、球詰り等の発見及び解消を的確に行うことが可能となる。また、特定ラウンド遊技は特典を付与するかどうかの、重要なラウンド遊技であるため、特定ラウンド遊技開始前に球詰り等が発生していると、遊技者に不測の損害を与える可能性がある。そのため、特定ランド遊技開始前のラウンド遊技であって、同じ可変入球口を入球可能状態とする非特定ラウンド遊技においても、確認処理を行うことで、当該非特定ラウンド遊技において球詰り等がないことを確認したうえで、又は、球詰り等があれば発見及び解消を的確に行ったうえで、特定ラウンド遊技を開始することが可能となる。これにより、球詰り等のない正常な状態で特定ラウンド遊技を開始することが可能となり、遊技者が不測の損害を被ることを防止することが可能となる。
(18)上記(15)に記載の遊技機において、
前記確認処理を実行する場合には、前記確認処理を終了した後に、次の前記ラウンド遊技を実行可能とすることを特徴とする遊技機。
(19)上記(16)に記載の遊技機において、
前記第2ラウンド遊技に係る前記確認処理のうち、少なくとも前記可動部材動作処理を、前記第1ラウンド遊技の実行中に行うことを可能とすることを特徴とする遊技機。
(20)上記(16)又は(19)に記載の遊技機おいて、
前記第2ラウンド遊技に係る前記確認処理のうち、少なくとも前記一致判定処理を、前記第1ラウンド遊技の実行中に行うことを可能とすることを特徴とする遊技機。
(21)上記(16)、(19)又は(20)に記載の遊技機おいて、
前記特別遊技として、前記1ラウンド遊技と、前記第2ラウンド遊技と、を有すると共に、前記ラウンド遊技の実行パターンに、前記第2ラウンド遊技に次いで、前記第1ラウンド遊技、前記第2ラウンド遊技の順で実行するパターンを有する第1の特別遊技を含み、
前記第1の特別遊技を実行し、前記第2ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記確認処理を実行する場合において、
前記確認処理の少なくとも一部の処理を、前記第2ラウンド遊技の次のラウンド遊技である前記第1ラウンド遊技の実行中に行うことを可能とすると共に、当該第1ラウンド遊技の次に前記第2ラウンド遊技の実行予定がある場合には、当該確認処理が終了するまでは、当該第2ラウンド遊技を実行しないことを特徴とする遊技機。
(22)上記(17)に記載の遊技機において、
少なくとも、前記特別遊技において実行される最初の前記特定ラウンド遊技と、当該特定ラウンド遊技の直前に実行される前記非特定ラウンド遊技と、の両方において、前記確認処理を実行することを特徴とする遊技機。
(23)上記(17)又は(22)に記載の遊技機において、
前記特別遊技として、前記特定ラウンド遊技と、前記非特定ラウンド遊技と、を有すると共に、前記ラウンド遊技の実行パターンに、前記非特定ラウンド遊技に次いで前記特定ラウンド遊技を実行し、それ以降に前記非特定ラウンド遊技を実行するパターンを有する第1の特別遊技を含み、
前記第1の特別遊技を実行する場合において、前記非特定ラウンド遊技と、当該非特定ラウンド遊技の次に実行される前記特定ラウンド遊技と、の両方において、前記確認処理を実行し、最後の前記特定ラウンド遊技よりも後に実行される前記非特定ラウンド遊技において、前記一致判定処理及び前記可動部材動作処理を実行しないことを特徴とする遊技機。
(24)上記(16)、(17)、(19)乃至(23)に記載の遊技機において、
前記一致判定処理は、前記可動部材動作処理の実行前の期間に、複数回実行可能とされ、
前記可動部材動作処理の実行前に、前記一致判定処理において前記可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定した場合、前記可動部材動作処理を実行することなく、前記確認処理を終了することを特徴とする遊技機。
(25)上記(15)、(16)、(18)乃至(21)に記載の遊技機において、
前記排出検知手段は、第1排出検知手段と、第2排出検知手段と、からなり、
前記可動部材が所定の動作を行うことで、前記入球検知手段で検知された遊技球を特定領域又は非特定領域に誘導するものとされ、
遊技球が前記特定領域を通過することに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記第1排出検知手段は、前記非特定領域を通過する遊技球を検知し、
前記第2排出検知手段は、前記特定領域を通過する遊技球を検知することを特徴とする遊技機。
(26)上記(15)乃至(25)に記載の遊技機において、
前記第2排出検知手段には、遊技球を検知すると特典を付与する有効期間と、遊技球を検知しても特典を付与しない無効期間と、が設定されており、
前記特定ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態としたまま、前記有効期間を第1期間継続し、前記第1期間経過後に前記無効期間とする場合において、
前記無効期間を第2期間継続した後に、前記可動部材動作処理を実行可能とするものであって、
前記確認処理における最初の前記一致判定処理を、前記ラウンド遊技における最後の入球可能状態を終了した後であって、前記有効期間に実行することを特徴とする遊技機。
(27)上記(26)に記載の遊技機において
前記第1期間及び前記第2期間の夫々において、前記一致判定処理を複数回実行可能とすることを特徴とする遊技機。
(28)上記(15)乃至(27)に記載の遊技機において、
前記一致判定処理は、前記確認処理の開始後から前記確認処理を終了するまで所定周期で繰り返し実行されることを特徴とする遊技機。
(29)上記(15)乃至(28)に記載の遊技機において、以下の構成を付加することも可能である。
具体的に、前述した遊技機において、「確認処理として、一致判定処理において可変入球口への入球数と排出数とが一致しないと判定した場合、所定時間経過後に所定の態様でエラー報知を実行するエラー報知処理を有し、
一致判定処理は、エラー報知処理の実行前の期間に、複数回実行可能とされ、
エラー報知処理の実行前に、一致判定処理において可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定した場合、エラー報知処理を実行することなく、確認処理を終了する」ものとしてもよい。
また、前述した遊技機において、「一致判定処理は、エラー報知処理の実行中に、複数回実行可能とされ、
エラー報知処理の実行中に、一致判定処理において可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定した場合、実行中のエラー報知を終了させて、確認処理を終了する」ものとしてもよい。
また、前述した遊技機において、「一致判定処理は、エラー報知の実行中に、複数回実行可能とされ、
エラー報知中に実行される一致判定処理において、可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定されなかった場合、所定期間の経過によって、エラー報知を終了させて、確認処理を終了する」ものとしてもよい。
また、前述した遊技機において、「エラー報知処理は、可動部材動作処理が終了した後、第3期間が経過すると実行可能とされ、
一致判定処理は、第3期間において複数回実行可能とされ、
第3期間の実行中に、一致判定処理において可変入球口への入球数と排出数とが一致すると判定した場合、エラー報知処理を実行することなく、確認処理を終了する」ものとしてもよい。
その他、前述した遊技機において、特定ラウンド遊技は、特定領域への遊技球の通過を可能とし、遊技球が特定領域を通過すると特典が付与されるので、この「特定ラウンド遊技」を、「所定の特典を付与可能なラウンド遊技」としてもよい。一方、非特定ラウンド遊技は、可動部材が動作せず、遊技球が特定領域を通過することはない(全て非特定領域を通過する)ので、この「非特定ラウンド遊技」を「所定の特典を付与しないラウンド遊技」としてもよい。
また、前述した遊技機において、「ラウンド遊技の実行パターンに、非特定ラウンド遊技に次いで特定ラウンド遊技を実行するパターンを有する特別遊技」とは、特別遊技を構成する複数のラウンド遊技の中に、非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技の順で実行される部分を有していれば足り、その他のラウンド遊技については、非特定ラウンド遊技であっても、特定ラウンド遊技であっても、その他のラウンド遊技であっても構わない。
また、前述した遊技機において、「ラウンド遊技の実行パターンとして、第2ラウンド遊技に次いで第1ラウンド遊技を実行するパターンを有する第1特別遊技」とは、特別遊技で実行されるラウンド遊技の実行パターンの一部に、第2可変入球口を入球可能状態とする第2ラウンド遊技と、第1可変入球口を入球可能状態とする第1ラウンド遊技と、が連続して実行されるパターンがあれば足り、その他のラウンド遊技は第1ラウンド遊技であっても第2ラウンド遊技であっても構わない。また、確認処理は特定の第2ラウンド遊技において実行すれば足り、その他のラウンド遊技においては確認処理を実行しても実行しなくともよい。例えば、15回のラウンド遊技で構成される特別遊技において、2ラウンド目が第2ラウンド遊技、3ラウンド目が第1ラウンド遊技とされ、当該2ラウンド目の第2ラウンド遊技において確認処理を実行可能であれば、他のラウンド遊技がどのようなラウンド遊技であってもよいし、確認処理を実行してもしなくともよい。また、特別遊戯として、この様な実行パターンを有する特別遊技を備えていれば足り、その他に、この様な実行パターンを有していない特別遊技を備えていてもよい。
従来、特別遊技において大入賞口内の特定領域を遊技球が通過することで、所定の特典を付与し、特別遊技における全ての開放動作を終了した後にエンディング期間を設け、このエンディング期間中に、特別遊技終了後に移行する遊技モード(特典付与状態)を遊技者に報知するエンディング演出を実行するものがあった。特許文献(特開2016−161615号公報)には、エンディング演出として複数の演出が設けられており、設定される特定のエンディング期間中に、大当り遊技終了後に移行する遊技モードに応じたエンディング演出を実行することが記載されている。然しながら、この様な遊技機では、移行後の遊技モードがどのような遊技状態であっても、同じ演出期間で構成されたエンディング演出を実行するため、メリハリがなく、趣向性の低いエンディング演出となっていた。以下に例示する発明(30)〜(38)は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、遊技結果に応じたエンディング期間を設定することで、移行する遊技状態に応じた適切なエンディング演出を実行可能とし、遊技興趣を向上させるものである。
(30)所定条件の成立に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記可変入球口内に設けられ、遊技球が通過可能な特定領域と、
前記当否判定の結果が特定結果になると、前記識別情報を特定態様で停止表示して、前記可変入球口を入球可能状態に変化可能な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記特別遊技が実行され、遊技球が前記特定領域を通過することに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記特別遊技は所定数のラウンド遊技で構成され、
前記特別遊技を実行する場合、当該特別遊技における全てのラウンド遊技を終了した後に、所定期間の終了期間を経過してから、前記識別情報を変動表示可能とされ、
前記終了期間として、異なる長さの複数の終了期間から何れかを決定する終了期間決定手段を備え、
前記終了期間決定手段は、遊技球が前記特定領域を通過するか否かに基づいて、異なる長さの前記終了期間を決定可能であることを特徴とする遊技機。
(31)上記(30)に記載の遊技機において、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な入球口と、
第1遊技状態又は前記第1遊技状態よりも前記入球口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
前記特定結果として、第1特定結果を有し、
前記第1遊技状態において前記第1特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記特定領域を通過するか否かに基づいて、異なる長さの前記終了期間を決定し、
前記第2遊技状態において前記第1特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記特定領域を通過しても通過しなくても、同じ長さの前記終了期間を決定することを特徴とする遊技機。
この様な遊技機によれば、特定結果として第1特定結果を有しており、遊技球の入球頻度が低い(通常の)第1遊技状態において、当該第1特定結果となった場合には、特定領域を通過する否かによって異なる長さの終了期間を決定する。また、遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態において、当該第1特定結果となった場合には、特定領域を通過しても通過しなくても、同じ長さの終了期間を決定する(すなわち、終了期間が変化しない)ものとしている。これにより、例えば、通常状態においては特定領域通過又は非通過(特典付与又は非付与)によって終了期間を変化させることで、適切な長さの終了期間を経たうえで、識別情報の変動表示を開始することを可能とし、遊技状態の移行態様にメリハリを付与することが可能となる。一方、既に第2遊技状態(例えば、高ベース状態)である場合には、特定領域通過又は非通過(特典付与又は非付与)によって終了期間を変化させないことで、遊技中の遊技状態に応じた適切な終了期間を設定し、遊技状態の移行態様にメリハリを付与することが可能となる。
(32)上記(31)に記載の遊技機において、
前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技終了後の遊技状態を前記第2遊技状態に設定可能であることを特徴とする遊技機。
(33)上記(30)乃至(32)に記載の遊技機において、
前記当否判定の結果が前記特定結果であると判定する当否判定確率を、所定確率又は前記所定確率よりも高い高確率に設定可能な確率設定手段を備え、
前記特別遊技が実行され、前記特定領域を遊技球が通過することに基づいて、当該特別遊技終了後の前記当否判定確率を前記高確率とすることを特徴とする遊技機。
(34)上記(30)乃至(33)に記載の遊技機において、
前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間の実行中において、所定の演出を実行可能な終了期間演出手段を備え、
前記終了期間に実行可能な演出として、演出態様及び演出期間の異なる複数の演出を有し、
前記終了期間演出手段は、前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間に対応する演出を実行することを特徴とする遊技機。
(35)上記(34)に記載の遊技機において、
前記終了期間演出手段は、前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間において、前記特別遊技後に設定される遊技状態を示す演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
(36)上記(30)に記載の遊技機において、
前記終了期間として、少なくとも、第1期間と、前記第1期間よりも短い第2期間と、を有し、
前記終了期間決定手段は、前記特別遊技において前記特定領域を遊技球が通過した場合には前記第1期間を決定し、前記特別遊技において前記特定領域を遊技球が通過しなかった場合には前記第2期間を決定する場合があるものとしてもよい。
(37)上記(36)に記載の遊技機において、
前記特定結果として、第1特定結果と、第2特定結果と、を有し、
前記当否判定の結果が前記第1特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記終了期間決定手段は、前記特別遊技において前記特定領域を遊技球が通過した場合には前記第1期間を決定し、前記特別遊技において前記特定領域を遊技球が通過しなかった場合には前記第2期間を決定し、
前記当否判定の結果が前記第2特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記終了期間決定手段は、前記特別遊技において前記特定領域を遊技球が通過しても通過しなくても同じ長さの前記終了期間を決定することを特徴とする遊技機。
この様な遊技機によれば、特定結果として第1特定結果と第2特定結果を有しており、当否判定の結果が第1特定結果となって特別遊技を実行する場合には、当該特別遊技において特定領域を通過する否かによって異なる長さの終了期間を決定する(通過で第1期間、非通過で第2期間)。また、当否判定の結果が第2特定結果となって特別遊技を実行する場合には、当該特別遊技において特定領域を通過しても通過しなくても、同じ長さの終了期間を決定する(すなわち、終了期間が変化しない)ものとしている。これにより、特定結果の種類によって、特定領域通過又は非通過(特典付与又は非付与)によって終了期間を変化させたり、終了期間を変化させなかったりすることが可能となる。またこれにより、特定結果の種類によって、適切な長さの終了期間を設定することが可能となり、適切な長さの終了期間を経たうえで、識別情報の変動表示を開始することを可能とし、遊技状態の移行態様にメリハリを付与することが可能となる。
(38)上記(36)に記載の遊技機において、
前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間の実行中において、所定の演出を実行可能な終了期間演出手段を備え、
前記終了期間に実行可能な演出として、演出態様及び演出期間の異なる複数の演出を有し、
前記終了期間演出手段は、前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間に対応する演出を実行するものであって、
前記当否判定の結果が前記第1特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記終了期間演出手段は、前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間において、前記特別遊技後に設定される遊技状態を認識可能な演出を実行し、
前記当否判定の結果が前記第2特定結果となって前記特別遊技を実行する場合、前記終了期間演出手段は、前記終了期間決定手段が決定した前記終了期間において、前記特別遊技後に設定される遊技状態を認識し難い演出を実行することを特徴とする遊技機。
この様な遊技機によれば、当否判定の結果が第1特定結果となって特別遊技を実行する場合には、終了期間における演出として、特別遊技後に設定される遊技状態を認識可能な演出を実行する。一方、当否判定の結果が第2特定結果となって特別遊技を実行する場合には、終了期間における演出として、特別遊技後に設定される遊技状態を認識し難い演出を実行するものとしている。これにより、当否判定の結果が第1特定結果となった場合において、特定領域を遊技球が通過した場合には第1期間(長期間)の終了期間を設定し、特定領域を遊技球が通過しなかった場合には第2期間(短期間)の終了期間を設定する。そして、特典の付与又は非付与に応じて設定される適切な長さの終了期間において、移行後の遊技状態(例えば、高確率状態、低確率状態等)を認識可能な演出を行うことが可能となる。また、当否判定の結果が第2特定結果となった場合には、設定された終了期間において、移行後の遊技状態(例えば、高確率状態、低確率状態)を認識し難い演出を行うので、特定領域を通過しても通過しなくても同様の演出(例えば、非報知演出)を実行するものとされる。従って、第2特定結果となった場合には、特定領域の通過又は非通過によって設定する終了期間を変更することなく、特定の終了期間において、移行後の遊技状態を認識し難い演出を行うことが可能となる。これにより、遊技状態の移行態様や、終了期間において行う演出態様に応じて、適切な長さの終了期間を設定することが可能となる。またこれにより、適切な長さの終了期間を経たうえで、識別情報の変動表示を開始することを可能とし、遊技状態の移行態様にメリハリを付与することが可能となる。
特許文献(特開2014−161615)には、特別遊技A乃至Eの5種類の特別遊技を有しており、特別遊技の種類によって獲得可能な遊技球の数が異なる(500球〜2000個)ことが記載されている。従って、獲得可能な遊技球数の多い特別遊技となった場合には、遊技興趣を高める反面、獲得可能な遊技球数の少ない特別遊技となった場合には、遊技興趣を低下させ、遊技意欲を低下させる可能性がある。特に、長時間特別遊技を獲得することなく遊技を経た結果、獲得した特別遊技が、獲得可能な遊技球数の少ない特別遊技であった場合には、遊技意欲の低下可能性が特に高くなる虞がある。以下に例示する発明(39)〜(47)は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって比較的利益の低い大当りが発生した場合に、遊技者にとって利益の高い大当りが発生した場合と比べて、大当り遊技の開始を分かり難くし、遊技者の遊技意欲の低下を防止し、遊技興趣の維持・向上を図ることにある。
(39)第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な入球口と、
第1遊技状態又は前記第1遊技状態よりも前記入球口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、
所定条件の成立に基づいて判定を行う判定手段と、
前記判定の結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記判定の結果が特定結果になると、前記識別情報を特定態様で停止表示し、前記可変入球口を入球可能状態に変化可能な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記特定結果として、少なくとも、第1特定結果と、第2特定結果と、を有し、
前記判定の結果が前記第1特定結果となると第1特別遊技を実行し、前記第2特定結果となると前記第2特別遊技を実行するものとされ、
少なくとも前記特別遊技中に実行可能な演出として、前記特別遊技の開始を容易に認識可能な第1特別演出と、前記第1特別演出よりも前記特別遊技の開始を認識し難い第2特別演出と、を有し、
前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態の少なくとも一方において、前記判定の結果が前記第1特定結果の場合は前記第1特別遊技の終了後を前記第2遊技状態とし、前記判定の結果が前記第2特定結果の場合は前記第2特別遊技の終了後を前記第1遊技状態とし、
前記第1特別遊技では前記第1特別演出を実行し、前記第2特別遊技では前記第2特別演出を実行することを特徴とする遊技機。
(40)上記(39)の遊技機において、
遊技球が入球可能な特定始動口を備え、
前記所定条件は、少なくとも、遊技球が前記特定始動口に入球することに基づいて成立するものとされ、
前記特定始動口への入球に基づく前記判定の結果として、前記第2特定結果を含む複数の特定結果を有し、
前記特定始動口への入球に基づく前記判定の結果が前記特定結果となる場合において、前記第2特定結果は、前記複数の特定結果のうち最も有利度合いの低い特定結果であることを特徴とする遊技機。
(41)上記(39)又は(40)の遊技機において、
前記判定の結果が前記特定結果であると判定する確率を、所定確率又は前記所定確率よりも高い高確率に設定可能な確率設定手段を備え、
前記可変入球口として、内部に特定領域を有する特定可変入球口を有し、
前記確率設定手段は、前記特別遊技において遊技球が前記特定領域を通過することに基づいて、前記特別遊技終了後を前記高確率に設定可能とされ、
前記特別遊技の実行態様として、遊技球が前記特定領域を通過する可能性が高い第1実行態様と、遊技球が前記特定領域を通過する可能性が低い第2実行態様と、を有し、
前記第2特別遊技は、前記第2実行態様で実行されることを特徴とする遊技機。
(42)上記(39)乃至(41)の何れかの遊技機において、
前記特定結果として、第3特定結果を有し、
前記判定の結果が前記第3特定結果となると第3特別遊技を実行するものとされ、
前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態の少なくとも一方において、前記判定の結果が前記第3特定結果の場合は前記第3特別遊技の終了後を前記第2遊技状態とし、
前記第3特別遊技では、前記第2特別演出を実行すると共に、当該第2特別演出として、前記第2特別遊技において実行される前記第2特別演出とは異なる演出結果の演出を実行することを特徴とする遊技機。
(43)上記(39)乃至(42)の何れかの遊技機において、
前記第2特別演出の開始タイミングは、前記第1特別演出の開始タイミングよりも早いことを特徴とする遊技機。
(44)上記(39)乃至(43)の何れかの遊技機において、
前記第1特別演出は、前記第1特定結果に係る前記識別情報の変動表示中に実行する変動演出とは別個の演出であって、当該変動演出の終了後、前記第1特別遊技の開始を示す開始演出を実行した後に開始する演出であり、
前記第2特別演出は、前記第2特定結果に係る前記識別情報の変動表示の実行途中から開始する一連の演出であることを特徴とする遊技機。
(45)上記(39)乃至(44)の何れかの遊技機において、
前記第1特別遊技及び前記第2特別遊技の何れも、所定量の遊技利益を獲得可能であることを特徴とする遊技機。
(46)上記(44)又は(45)の遊技機において、
前記第2特定結果に係る前記識別情報の変動表示の実行途中に、前記判定の結果が特定結果でないことを示唆する演出から前記第2特別演出に移行することを特徴とする遊技機。
(47)上記(39)乃至(46)の何れかの遊技機において、
前記第2特別遊技における第2特別演出において、前記判定の結果が特定結果でないことを示唆する演出結果の演出を実行し、前記第2特別遊技を終了することを特徴とする遊技機。
また、前述の遊技機において、
「識別情報の変動表示の実行中に開始し終了する変動演出として、
判定の結果が特定結果の場合には、判定の結果が特定結果であることを示唆する演出(当り態様の演出)を実行し、判定の結果が特定結果でない場合には、判定の結果が特定結果でないことを示唆する演出(外れ態様の演出)を実行する特定演出を有しており、
第2特別演出において、特定演出における判定の結果が特定結果でないことを示唆する演出(外れ態様の演出)と共通の演出を実行する」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機において、
「特定結果として、第3特別遊技を実行する第3特定結果を有し、
少なくとも特別遊技中に実行可能な演出として、第3特別演出を有し、
特別遊技中に実行可能な第3特別演出は、少なくとも第3特別遊技中に実行される演出であって、第1特別演出よりも特別遊技の開始を認識し難い演出とされるものであって、
第1遊技状態において判定の結果が第3特定結果となると第3特別遊技に伴って第3特別演出を実行すると共に、当該第3特別遊技の終了後を第2遊技状態とする」ものとしてもよい。
また、「第3特別演出において、判定の結果が特定結果であることを示唆する演出を実行し、第3特別遊技を終了する」ものとしてもよい。
また、「識別情報の変動表示の実行中に開始し終了する変動演出として、
判定の結果が特定結果の場合には、判定の結果が特定結果であることを示唆する演出を実行し、判定の結果が特定結果でない場合には、判定の結果が特定結果でないことを示唆する演出を実行する特定演出を有しており、
第3特別演出において、特定演出における判定の結果が特定結果であることを示唆する演出と共通の演出を実行する」ものとしてもよい。
これにより、特別遊技の開始に気づき難くすることが可能となり、遊技者によっては、特別遊技が実行されることなく有利状態(第2遊技状態)が発生したとの印象を受ける可能性がある。ここで、第3特別演出を、第1特別演出よりも特別遊技の開始を認識し難い演出とする演出態様として、第2特別演出と同様の演出態様とすることが可能である。また、第2特別演出は開始演出を実行しないものとしてもよい。
更に、上述した各発明に関連する他の発明を、以下の(48)〜(79)に例示する。
(48)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技中に所定の特別遊技演出を実行可能な特別遊技演出実行手段と、
前記特典決定遊技が終了した後の前記特別遊技中に実行可能な特別遊技演出に係る複数の演出態様を記憶する記憶手段と、
前記特典決定遊技の結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の演出態様の中から実行する演出態様を選択する選択手段と、
を有し、
前記特別遊技実行手段は、前記特典決定遊技が終了した後の前記特別遊技中における前記特別遊技演出を、前記選択手段により選択された演出態様に基づいて実行する
ことを特徴とする遊技機。
(49)上記(48)の遊技機において、
前記選択手段は、前記複数の演出態様の中から実行する演出態様を選択する際、前記特典決定遊技の結果に応じた所定の選択率に基づいて前記実行する演出態様を選択する
ことを特徴とする遊技機。
(50)上記(48)又は(49)の遊技機において、
前記特別遊技演出実行手段は、前記選択手段により選択された演出態様に基づく前記特別遊技演出を、前記特典決定遊技の終了後から一連の演出として実行する
ことを特徴とする遊技機。
(51)上記(48)乃至(50)の何れか一つの遊技機において、
前記特別遊技実行手段は、前記特典決定遊技が終了する前の前記特別遊技中における前記特別遊技演出を、前記複数の演出態様のうち何れの演出態様が選択されるかを示す態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
(52)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放パターンで前記入球可能状態となるもので、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させる特定ラウンド遊技と、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させない非特定ラウンド遊技と、を有し、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行可能であるとともに、前記所定回数目より後のラウンド遊技を前記特定ラウンド遊技として実行可能であり、
前記特別遊技として、少なくとも第1特別遊技と第2特別遊技とを有し、
前記第1特別遊技にて前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技を実行する場合の当該非特定ラウンド遊技の開始から当該特定ラウンド遊技開始後の所定時期までの前記可変入球口の開放パターンと、前記第2特別遊技にて前記非特定ラウンド遊技を実行する場合の前記非特定ラウンド遊技の開始から当該非特定ラウンド遊技開始後の所定時期までの前記可変入球口の開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
上記(52)の遊技機によれば、特定ラウンド遊技では可動部材が動作することから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されて、特定領域を通過する可能性が高いものとなる。これに対し、非特定ラウンド遊技では、可動部材が動作しないことから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されず、特定領域を通過する可能性が低い若しくは無いものとなる。そして、第1特別遊技にて非特定ラウンド遊技及び特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターンと、第2特別遊技にて非特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターンとが同様になる。このため、可変入球口の開放パターンからは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
尚、「第1特別遊技にて非特定ラウンド遊技及び特定ラウンド遊技を実行する場合の非特定ラウンド遊技の開始から当該特定ラウンド遊技開始後の所定時期」における「当該特定ラウンド遊技開始後の所定時期」は、当該特定ラウンド遊技の終了まで(当該特定ラウンド遊技中)における所定の時期や、当該特定ラウンド遊技の終了に次いで行われる次回以降のラウンド遊技(次ラウンド以降)における所定の時期を含むものである。尚、次回以降のラウンド遊技は、非特定ラウンド遊技であっても特定ラウンド遊技であっても、あるいはそれ以外のラウンド遊技であってもよい。同様に、「第2特別遊技にて非特定ラウンド遊技を実行する場合の非特定ラウンド遊技の開始から当該非特定ラウンド遊技開始後の所定時期における「当該非特定ラウンド遊技開始後の所定時期」は、当該非特定ラウンド遊技の終了まで(当該非特定ラウンド遊技中)における所定の時期や、当該非特定ラウンド遊技の終了に次いで行われる次回以降のラウンド遊技(次ラウンド以降)における所定の時期を含むものである。尚、次回以降のラウンド遊技は、非特定ラウンド遊技であっても特定ラウンド遊技であっても、あるいはそれ以外のラウンド遊技であってもよい。
(53)上記(52)の遊技機において、
1回の前記ラウンド遊技は、少なくとも、所定数の遊技球が前記可変入球口に入球することで終了するものとされており、
前記第1特別遊技における前記特定ラウンド遊技開始後の所定時期と、前記第2特別遊技における前記非特定ラウンド遊技開始後の所定時期は、それぞれ当該時期までに前記所定数の遊技球が前記可変入球口に入球し得るように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
(54)上記(52)又は(53)の遊技機はにおいて、
前記第1特別遊技における前記非特定ラウンド遊技の開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンと、前記第2特別遊技における前記非特定ラウンド遊技の開始から終了までの前記可変入球口の開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(55)上記(52)乃至(54)の何れか一つの遊技機において、
前記第2特別遊技にて前記特定ラウンド遊技を実行する場合の当該特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンは、前記第1特別遊技における前記特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンよりも遊技球の入球可能性が低い開放パターンである
ことを特徴とする遊技機。
(56)上記(52)乃至(55)の何れか一つの遊技機において、
前記複数回のラウンド遊技のうち1回目のラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行するとともに、これに続く2回目のラウンド遊技を前記特定ラウンド遊技として実行する
ことを特徴とする遊技機。
(57)上記(52)乃至(56)の何れか一つの遊技機において、
所定の演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、少なくとも、前記第1特別遊技における前記非特定ラウンド遊技の開始以降と、前記第2特別遊技における前記非特定ラウンド遊技の開始以降とで、同様の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(58)上記(52)乃至(57)の何れか一つの遊技機において、
前記可変入球口とは別に、閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる他の可変入球口を有し、
前記他の可変入球口は、前記特別遊技中であって、前記複数回のラウンド遊技のうち前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技以外のラウンド遊技にて、所定の開放パターンで前記入球可能状態となるもので、
前記第1特別遊技中に前記他の可変入球口が開放する場合の当該開放パターンと、前記第2特別遊技中に前記他の可変入球口が開放する場合の当該開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(59)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に開閉することで前記入球可能状態又は前記入球不能状態となるもので、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させる特定ラウンド遊技と、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させない非特定ラウンド遊技と、を有し、
前記特別遊技として、少なくとも第1特別遊技と第2特別遊技とを有し、
前記第1特別遊技の所定回数目のラウンド遊技で前記非特定ラウンド遊技を実行するとともに前記所定回数目の次のラウンド遊技で前記特定ラウンド遊技を実行する場合、前記非特定ラウンド遊技にて前記可変入球口を少なくとも1回開放させるとともに、所定の閉鎖時間経過後の前記特定ラウンド遊技にて前記可変入球口を開放させる開閉動作を行い、
前記第2特別遊技の前記所定回数目のラウンド遊技で前記非特定ラウンド遊技を実行する場合、当該非特定ラウンド遊技にて、前記第1特別遊技における前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技での前記開閉動作と同様の態様で、前記可変入球口の開閉動作を行う
ことを特徴とする遊技機。
上記(59)の遊技機によれば、特定ラウンド遊技では可動部材が動作することから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されて、特定領域を通過する可能性が高いものとなる。これに対し、非特定ラウンド遊技では、可動部材が動作しないことから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されず、特定領域を通過する可能性が低い若しくは無いものとなる。そして、第1特別遊技にて非特定ラウンド遊技及び特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開閉動作と、第2特別遊技にて非特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開閉動作とが同様になる。このため、可変入球口の開閉動作からは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(60)上記(59)の遊技機において、
前記第2特別遊技の前記所定回数目の次のラウンド遊技で前記特定ラウンド遊技を実行する場合、当該特定ラウンド遊技では、前記第1特別遊技における前記特定ラウンド遊技に比べ前記可変入球口への遊技球の入球可能性が低くなる態様で、前記可変入球口を開放させる
ことを特徴とする遊技機。
(61)上記(59)又は(60)の遊技機において、
前記所定回数目のラウンド遊技は1回目のラウンド遊技である
ことを特徴とする遊技機。
(62)上記(59)乃至(61)の何れか一つの遊技機において、
所定の演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1特別遊技での前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技において一連の演出を実行し、
前記第2特別遊技での少なくとも前記非特定ラウンド遊技において前記一連の演出と同様の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(63)上記(59)乃至(62)の何れか一つの遊技機において、
前記可変入球口とは別に、閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる他の可変入球口を有し、
前記他の可変入球口は、前記特別遊技中に開閉することで前記入球可能状態又は前記入球不能状態となるものであって、前記複数回のラウンド遊技のうち前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技以外のラウンド遊技で前記入球可能状態となるもので、
前記第1特別遊技中に前記他の可変入球口が開放する場合の当該開閉動作と、前記第2特別遊技中に前記他の可変入球口が開放する場合の当該開閉動作とを、同様の態様で行う
ことを特徴とする遊技機。
(64)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な状態となり、開放することで遊技球が入球可能な状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放時間で開放動作可能とされており、
前記特別遊技として、少なくとも、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が第1時間とされた第1開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させない第1非特定ラウンドとして実行し、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第1時間よりも長い第2時間とされた第2開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第1特定ラウンドとして実行する第1特別遊技と、
前記所定回数目のラウンド遊技を、前記第1開放動作及び前記第2開放動作と同様の開放動作をこの順で行うとともに前記可動部材を動作させない第2非特定ラウンドとして実行する第2特別遊技と、
を有することを特徴とする遊技機。
上記(64)の遊技機によれば、第1特定ラウンドが実行される場合の第2開放動作は可変入球口への遊技球の入球可能性が高くなる(入球が容易となる)開放動作でされており、この第2開放動作が行われる第1特定ラウンドでは可動部材が動作することから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されて特定領域を通過する可能性が高いものとなる。これに対し、第1非特定ラウンド及び第2非特定ラウンドでは、可動部材が動作しないことから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されず、特定領域を通過する可能性が低い若しくは無いものとなる。そして、第1特別遊技にて第1非特定ラウンド及び第1特定ラウンドが実行される場合の可変入球口の開放動作(第1開放動作、第2開放動作)と、第2特別遊技にて第2非特定ラウンドが実行される場合の可変入球口の開放動作とが同様になる。このため、可変入球口の開放動作からは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(65)上記(64)の遊技機において、
前記第2特別遊技において、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第2時間よりも短い時間とされて前記可変入球口への遊技球の入球可能性が前記第1特定ラウンドよりも低くなる第3開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第2特定ラウンドとして実行する
ことを特徴とする遊技機。
(66)上記(64)又は(65)の遊技機において、
前記第2開放動作は、前記第2時間内で前記可変入球口を複数回開放させる開放動作である
ことを特徴とする遊技機。
(67)上記(64)乃至(66)の何れか一つの遊技機において、
前記第1特別遊技では、前記第1非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行した後、所定のインターバル期間を経て前記第1特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行し、
前記第2特別遊技では、前記第2非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行する際、前記第1開放動作を行った後、前記インターバル期間と同様の閉鎖時間を経て前記第2開放動作を行う
ことを特徴とする遊技機。
(68)上記(64)乃至(67)の何れか一つの遊技機において、
前記所定回数目のラウンド遊技は1回目のラウンド遊技である
ことを特徴とする遊技機。
(69)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な状態となり、開放することで遊技球が入球可能な状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記可変入球口は、前記ラウンド遊技にて所定の開放パターンで開放可能とされており、
前記可変入球口の開放パターンとして、少なくとも、前記可変入球口の開放時間が所定時間とされる第1開放パターンと、前記開放時間が前記第1開放パターンよりも短い時間とされる第2開放パターンと、を有し、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、
前記可変入球口を前記第1開放パターンで開放するとともに前記可動部材を動作させる第1特定ラウンド遊技と、
前記可変入球口を前記第2開放パターンで開放するとともに前記可動部材を動作させる第2特定ラウンド遊技と、
前記可変入球口を所定の開放パターンで開放するとともに前記可動部材を動作させない非特定ラウンド遊技と、を有し、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を前記第1特定ラウンド遊技又は前記第2特定ラウンド遊技として実行可能であるとともに、
前記所定回数目の前に続く前ラウンド遊技及び前記所定回数目の後に続く後ラウンド遊技の何れか一方又は両方を有し、前記前ラウンド遊技及び前記後ラウンド遊技の何れか一方又は両方を前記非特定ラウンド遊技として実行可能であり、
前記特別遊技として、少なくとも、前記第1特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を実行可能な第1特別遊技と、前記第2特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を実行可能な第2特別遊技と、を有し、
前記第1特別遊技にて、前記第1特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を連続して実行する場合の当該実行期間における前記可変入球口の開放パターンと、前記第2特別遊技にて前記第2特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を連続して実行する場合の当該実行期間における前記可変入球口の開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
上記(69)の遊技機によれば、第1特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターン(第1開放パターン)は、第2特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターン(第2開放パターン)よりも開放時間が長いので、第1特定ラウンド遊技では第2特定ラウンド遊技に比べ可変入球口への遊技球の入球可能性が高くなる(入球が容易となる)。このため、第1特定ラウンド遊技は、第2特定ラウンド遊技に比べ、遊技球が特定領域へ誘導されて特定領域を通過する可能性が高いものとなる。一方、非特定ラウンド遊技では、可動部材が動作しないことから、可変入球口に入球した遊技球は特定領域へ誘導されず、特定領域を通過しないものとなる。そして、第1特別遊技にて第1特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技が実行される場合の当該ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンと、第2特別遊技にて第2特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技が実行される場合の当該ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンとが同様になる。このため、可変入球口の開放パターンからは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
尚、「前記所定回数目の前に続く前ラウンド遊技及び前記所定回数目の後に続く後ラウンド遊技の何れか一方又は両方を有し」とは、所定回数目に続くラウンド遊技が、所定回数目の前に存在する場合と、所定回数目の後に存在する場合と、所定回数目の前後に存在する場合とを含むものである。また、「前記前ラウンド遊技及び前記後ラウンド遊技の何れか一方又は両方を前記非特定ラウンド遊技として実行可能」とは、所定回数目の前に存在するラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する場合と、所定回数目の後に存在するラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する場合と、所定回数目の前後に存在するラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する場合とを含むものである。また、第1特別遊技における「前記第1特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技」及び第2特別遊技における「前記第2特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技」につき、特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)と非特定ラウンド遊技の実行順序は、どちらが先(もしくは後)であっても構わない。すなわち、特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)が「先」で非特定ラウンド遊技が「後」であっても、非特定ラウンド遊技が「先」で特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)が「後」であってもどちらでもよい。また、「前記第1特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を連続して実行する場合の当該実行期間」とは、第1特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技の何れか一方のラウンド遊技の開始から他方のラウンド遊技の終了までの期間を指し、「前記第2特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を連続して実行する場合の当該実行期間」とは、第2特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技の何れか一方のラウンド遊技の開始から他方のラウンド遊技の終了までの期間を指す。
(70)上記(69)の遊技機において、
前記所定回数目の前に少なくとも1回の前記前ラウンド遊技を有し、当該前ラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(70)の遊技機によれば、第1特定ラウンド遊技の前に続く少なくとも1回のラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する第1特別遊技と、第2特定ラウンド遊技の前に続く少なくとも1回のラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する第2特別遊技とを備える仕様、換言すると、少なくとも1回の非特定ラウンド遊技の次に特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)を実行する特別遊技(第1特別遊技、第2特別遊技)を備える仕様において、その1回の非特定ラウンド遊技及び特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)を通じての可変入球口の開放パターンが、第1特別遊技と第2特別遊技とで同様となる。これにより、当該仕様において、実行されている特別遊技の種類(第1特別遊技又は第2特別遊技)を判別し難くすることが可能となる。
(71)上記(69)又は(70)の遊技機において、
前記所定回数目の後に少なくとも1回の前記後ラウンド遊技を有し、当該後ラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行する
ことを特徴とする。
上記(71)の遊技機によれば、第1特定ラウンド遊技の後に続く少なくとも1回のラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する第1特別遊技と、第2特定ラウンド遊技の後に続く少なくとも1回のラウンド遊技を非特定ラウンド遊技として実行する第2特別遊技とを備える仕様、換言すると、特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)の次に少なくとも1回の非特定ラウンド遊技を実行する特別遊技(第1特別遊技、第2特別遊技)を備える仕様において、特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)及び非特定ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンを、第1特別遊技と第2特別遊技とで同様とすることが可能となる。これにより、当該仕様において、実行されている特別遊技の種類(第1特別遊技又は第2特別遊技)を判別し難くすることが可能となる。尚、当該仕様には、上記(66)の遊技機に係る仕様を含めることが可能である。すなわち、少なくとも1回の非特定ラウンド遊技の次に特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)を実行し、当該特定ラウンド遊技(第1特定ラウンド遊技、第2特定ラウンド遊技)の次に少なくとも1回の非特定ラウンド遊技を実行する特別遊技(第1特別遊技、第2特別遊技)を備える仕様においても、各ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンを、第1特別遊技と第2特別遊技とで同様とすることが可能となる。
(72)上記(69)乃至(71)の何れか一つの遊技機において、
前記所定回数目のラウンド遊技は1回目又は2回目のラウンド遊技である
ことを特徴とする遊技機。
(73)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放パターンで前記入球可能状態となるもので、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させる特定ラウンド遊技と、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させない非特定ラウンド遊技と、を有し、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を前記特定ラウンド遊技として実行可能であるとともに、前記所定回数目の次のラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行可能であり、
前記特別遊技として、少なくとも第1特別遊技と第2特別遊技とを有し、
前記第1特別遊技における前記特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンは、前記第2特別遊技における前記特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンに比べ遊技球の入球可能性が高い開放パターンであり、
前記第1特別遊技にて前記特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を実行する場合の前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンと、前記第2特別遊技にて前記特定ラウンド遊技及び前記非特定ラウンド遊技を実行する場合の前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
上記(73)の遊技機によれば、第1特別遊技にて特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターンは、第2特別遊技にて特定ラウンド遊技が実行される場合の可変入球口の開放パターンに比べ、可変入球口への遊技球の入球可能性が高くなる(入球が容易となる)ので、第1特別遊技は、第2特別遊技に比べ、遊技球が特定領域へ誘導されて特定領域を通過する可能性が高いものとなる。そして、第1特別遊技にて特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技が実行される場合の当該ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンと、第2特別遊技にて特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技が実行される場合の当該ラウンド遊技を通じた可変入球口の開放パターンとが同様になることから、可変入球口の開放パターンからは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(74)上記(73)の遊技機において、
前記第1特別遊技における前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放時間と、前記第2特別遊技における前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放時間とが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(75)上記(73)又は(74)の遊技機において、
前記第1特別遊技における前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放回数と、前記第2特別遊技における前記特定ラウンドの開始から前記非特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放回数とが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(76)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
閉鎖することで遊技球が入球不能な入球不能状態となり、開放することで遊技球が入球可能な入球可能状態となる可変入球口と、
所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放パターンで前記入球可能状態となるもので、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
前記ラウンド遊技として、少なくとも、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させる特定ラウンド遊技と、前記可変入球口を前記入球可能状態とするとともに前記可動部材を動作させない非特定ラウンド遊技と、を有し、
前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を前記非特定ラウンド遊技として実行可能であるとともに、前記所定回数目の次のラウンド遊技を前記特定ラウンド遊技として実行可能であり、
前記特別遊技として、少なくとも第1特別遊技と第2特別遊技とを有し、
前記第1特別遊技における前記特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンは、前記第2特別遊技における前記特定ラウンド遊技での前記可変入球口の開放パターンに比べ遊技球の入球可能性が高い開放パターンであり、
前記第1特別遊技にて前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技を実行する場合の前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンと、前記第2特別遊技にて前記非特定ラウンド遊技及び前記特定ラウンド遊技を実行する場合の前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンとが同様である
ことを特徴とする遊技機。
上記(76)の遊技機は、上記(73)の遊技機における特定ラウンド遊技及び非特定ラウンド遊技の実行順序を逆にしたものである。すなわち、非特定ラウンド遊技の次のラウンド遊技を特定ラウンド遊技として実行可能としたものである。上記(76)の遊技機においても、上記(73)の遊技機と同様に、可変入球口の開放パターンからは、第1特別遊技と第2特別遊技との区別がつき難くなる。これにより、特別遊技にて可変入球口が開放した場合、特定領域への遊技球の通過可能性が高い特別遊技(第1特別遊技)が実行されているのか、特定領域への遊技球の通過可能性が低い特別遊技(第2特別遊技)が実行されているのかを判別し難くすることが可能となる。この結果、特定領域への遊技球の通過可能性や通過有無等を判別(看破)し難くすることが可能となり、延いては、特典決定遊技(非特定ラウンド遊技、特定ラウンド遊技)を備えた遊技機の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(77)上記(76)の遊技機において、
前記第1特別遊技における前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放時間と、前記第2特別遊技における前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放時間とが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(78)上記(76)又は(77)の遊技機において、
前記第1特別遊技における前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放回数と、前記第2特別遊技における前記非特定ラウンドの開始から前記特定ラウンド遊技の終了までの前記可変入球口の開放パターンに基づく前記可変入球口の開放回数とが同様である
ことを特徴とする遊技機。
(79)上記(73)乃至(78)の何れか一つの遊技機において、
前記所定回数目のラウンド遊技は1回目のラウンド遊技である
ことを特徴とする遊技機。
1 パチンコ遊技機、7 画像表示装置、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、39 特定領域、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、90 サブ制御基板(サブ制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)、103a 演出第1特図保留表示器、103b 演出第2特図保留表示器、150 可動片。

Claims (5)

  1. 始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
    前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    閉鎖することで遊技球が入球不能な状態となり、開放することで遊技球が入球可能な状態となる可変入球口と、
    所定の動作を行うことで、前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導することが可能な可動部材と、
    前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
    を備えた遊技機であって、
    前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成され、
    前記可変入球口は、前記特別遊技中に所定の開放時間で開放動作可能とされており、
    前記特別遊技として、少なくとも、
    前記複数回のラウンド遊技のうち所定回数目のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が第1時間とされた第1開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させない第1非特定ラウンドとして実行し、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第1時間よりも長い第2時間とされた第2開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第1特定ラウンドとして実行する第1特別遊技と、
    前記所定回数目のラウンド遊技を、前記第1開放動作及び前記第2開放動作と同様の開放動作をこの順で行うとともに前記可動部材を動作させない第2非特定ラウンドとして実行する第2特別遊技と、
    を有することを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2特別遊技において、前記所定回数目の次のラウンド遊技を、前記可変入球口の開放時間が前記第2時間よりも短い時間とされて前記可変入球口への遊技球の入球可能性が前記第1特定ラウンドよりも低くなる第3開放動作を行うとともに前記可動部材を動作させる第2特定ラウンドとして実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2開放動作は、前記第2時間内で前記可変入球口を複数回開放させる開放動作である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記第1特別遊技では、前記第1非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行した後、所定のインターバル期間を経て前記第1特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行し、
    前記第2特別遊技では、前記第2非特定ラウンドとしてのラウンド遊技を実行する際、前記第1開放動作を行った後、前記インターバル期間と同様の閉鎖時間を経て前記第2開放動作を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技機。
  5. 前記所定回数目のラウンド遊技は1回目のラウンド遊技である
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技機。
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