JP5771416B2 - 車両保持制御装置及び車両保持制御方法 - Google Patents
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Description
請求項7に記載した発明は、前記油圧ヒルホールド手段は、所定時間油圧を保持した後に、徐々に油圧の解放を行うことを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記モータ制御手段は、アクセルペダル(例えば、実施形態におけるアクセルペダル18)のオンを検出した場合に、前記モータのトルクを除々に減少させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、乗員数が多数乗車して車体重量が増加するため導出された必要車両保持力では車両を完全に保持できない場合に、モータのトルクを増加させることにより車両のずり下がりを防止できる。
請求項3に記載した発明によれば、路面勾配に応じて油圧ヒルホールド手段による車両保持機能の効果がなくなるタイミングが異なるが、路面勾配に応じてモータトルクを作用させるタイミングを変更できるため適切なタイミングでモータのトルクを作用させることができ、確実に車両のずり下がりを防止できる。
請求項4に記載した発明によれば、前進レンジにある車両が上り坂を前進で上る際には、より下に位置するリヤ側の方がフロント側よりも荷重が大きく作用するため、リヤ側のモータのトルクを用いて効果的に車両を保持することができる。
請求項5に記載した発明によれば、後進レンジにある車両が上り坂を後進で上る際には、より下に位置するフロント側の方がリヤ側よりも荷重が大きく作用するため、フロント側のモータのトルクを用いて効果的に車両を保持することができる。
請求項6に記載した発明によれば、一方のモータを含む電装系が異常である場合であっても、他方のモータを使用することができる。
請求項9に記載した発明によれば、ブレーキペダルがオフとなった後に油圧ヒルホールド手段により油圧が維持され、その後徐々に油圧が解放され、減少する車両保持力が必要車両保持力以下になるときに、車両保持力をモータのトルクで補うため、ブレーキペダルがオフとなった時点で、すぐにモータトルクを発生させた場合、また、油圧ヒルホールドにより油圧が保持された後に油圧が低下し始めるタイミングでモータトルクを発生させた場合に比較して、モータの駆動時間を短縮できるためモータの電力消費量を最小限に抑え、燃費向上に寄与することができる。
請求項10に記載した発明によれば、路面勾配に応じて油圧ヒルホールド手段による車両保持機能の効果がなくなるタイミングが異なるが、路面勾配に応じてモータトルクを作用させるタイミングを変更できるため適切なタイミングでモータのトルクを作用させることができ、確実に車両のずり下がりを防止できる。
図1に示すように、車両1は4WDハイブリッド車両であって、フロント側に設けたエンジン2とオートマチックトランスミッションやCVT等のトランスミッション(T/MISS)3との間にフロントモータ(MOTOR)4を備え、エンジン2とフロントモータ4とで前輪5を駆動する。リヤ側にはリヤモータ(MOTOR)6が設けられている。リヤモータ6にはディファレンシャルギヤ(DIFF)7が一体で取り付けられ、このディファレンシャルギヤ7に後輪8が接続されている。
ここで、この車両1は登坂路で停止した状態から発進を行う場合にブレーキペダル17を離しても、ブレーキ油圧が所定時間保持された後に、油圧を徐々に抜いて油圧の解放を行う油圧ヒルホールドアシスト機能を備えている。ここで、登坂路での発進には、登坂路を前進で上る場合と、登坂路を後進で上る場合がある。
ステップS1において油圧ヒルホールドの条件を満たすか否かを判定する。油圧ヒルホールドを行うためには、傾斜のある路面を上るもしくは傾斜のある路面で停止する登坂状態にあること、つまり走行路が上り坂であってトランスミッション3が前進(D)レンジにあること、又は、走行路が下り坂であってトランスミッション3が後進(R)レンジにあることが条件とされる。ここで、走行路が上り坂や下り坂にあることは傾斜センサSE2の検出結果に基づいてエンジンECU13が判定する。
ステップS2においては、車両1が停車中か否かを車速センサSE1の検出結果に基づいてエンジンECU13が判定する。ステップS2における判定の結果、車両1が停止している場合にはステップS3に進む。車両が走行中である時には処理を終了する。
ステップS4においてブレーキペダル(BP)信号offである場合にはステップS5に進む。ステップS3、ステップS4において判定結果がNOである場合には、処理を終了する。
ステップS6では車両保持MOT(モータ)制御待機時間の算出を行う。即ち、油圧ヒルホールド制御を開始してからフロントモータ4、又は、リヤモータ6によるアシストを開始するまでの時間を算出する。
図3に示すように、必要車両保持力が最大になっても、油圧ヒルホールド時間は確保されるため、グラフの右端での時間は一定(油圧ヒルホールド時間)となっている。
また、必要車両保持力は路面勾配に比例するので、傾斜センサSE2による検出結果に基づいてエンジンECU13が求めた路面勾配に応じた必要車両保持力が用いられる。ここで、必要車両保持力に影響を与える車両重量は、乗員数、燃料残量等によって異なるため、例えば、乗員1名(1名以外でもよい)、燃料残量が満タン時(満タンの1/2等でもよい)の車両重量がエンジンECU13による算出の初期値として用いられる。
ステップS8における判定結果が「YES」で、リヤモータ(RrMOT)6やインバータに異常があり、温度が高温になっている場合はステップS22に進む。
ステップS22における判定結果が「YES」で、フロントモータ(FrMOT)4やインバータに異常があり、温度が高温になっている場合はステップS16に進む。
ステップS17の判定結果が「YES」である場合には、ステップS18に進み、ステップS18においてフロントモータ(FrMOT)4かインバータに異常があるか、又は、フロントモータ(FrMOT)4かインバータが高温になっているか否かを判定する。フロントモータ(FrMOT)4、インバータの温度は温度センサSE5により検出される。ステップS17の判定結果が「NO」である場合には、ステップS16に進む。
ステップS18における判定結果が「YES」で、フロントモータ(FrMOT)4やインバータに異常があり、温度が高温になっている場合はステップS19に進む。
ステップS19における判定結果が「YES」で、リヤモータ(RrMOT)6やインバータに異常があり、温度が高温になっている場合はステップS16に進む。
ステップS19における判定結果が「NO」で、リヤモータ(RrMOT)6やインバータに異常がなく温度も高温になっていない場合は、ステップS21でリヤモータ(RrMOT)6が選択される。
したがって、ステップS12において、ずり下がりが生じている場合には、ステップS24において、用いられているフロントモータ4、又は、リヤモータ6のモータトルクを増加させて(MOTトルクup)ずり下がりを防止しステップS14に進む。
ステップS15において、アクセルペダル(AP)信号onであると判定された場合には、ステップS16に進む。ステップS15において、アクセルペダル(AP)信号offであると判定された場合には、ステップS7に戻る。
ステップS7に戻ることで継続してトルクアシストを行うフロントモータ4、又は、リヤモータ6、インバータを保護し、フロントモータ4、又は、リヤモータ6、インバータの温度が上がったり異常があるか否かを監視して、使用されるモータの再選択を可能とするためである。
ここで、上記処理において、ステップS11の車両保持MOT制御に至る前の油圧ヒルホールド制御中、及びステップS10の待機時間経過するまでにおいて、アクセルペダル18の踏み込みが行われ、又は、車両1が車速センサSE1により進行方向に対して進んでいることが判定された場合には、上記処理から外れるようになっている。
ブレーキペダル17がオフ(BPoff)となると、油圧ヒルホールド制御が行われない通常のブレーキ操作の後にはブレーキ油圧が保持されないため、そのまま油圧が低下してゆき、路面勾配大bである場合の必要車両保持力をすぐに下回ってしまうが、ステップS5で油圧ヒルホールド制御を行うため、時間Tだけブレーキが遅延して油圧が保持される。そして、遅延時間Tが経過した後に徐々に油圧が低下し、路面勾配大bに対応する必要車両保持力と同等になった時点で、フロントモータ4(S20,S23)、又は、リヤモータ6(S9,S21)によるモータトルクを作用させて、ブレーキ油圧とモータトルクの加算分によって必要車両保持力が下回らないようにできる。
したがって、路面勾配が大きい場合であっても、モータトルクを作用させるタイミングを、ブレーキペダル17がオフ(BPoff)から遅延時間Tの経過後であって、ブレーキ油圧が低下して必要車両保持力に到達する時点まで遅らせることができるため、従来のように、ブレーキペダル17がオフ(BPoff)となった時点で、すぐにモータトルクを発生させた場合(従来技術でのMOTトルク)、又は、油圧ヒルホールドにより油圧が保持された後に油圧が低下し始めるタイミングでモータトルクを発生させた場合に比較して、モータの駆動時間を短縮できるためモータの電力消費量を最小限に抑え、燃費向上に寄与することができる。
ブレーキペダル17がオフ(BPoff)となると、油圧ヒルホールド制御が行われない通常のブレーキ操作の後にはブレーキ油圧が保持されないため、そのまま油圧が低下してゆき、路面勾配aである場合の必要車両保持力を下回ってしまうが、ステップS5で油圧ヒルホールド制御を行うため、時間Tだけブレーキが遅延して油圧が保持される。
したがって、アクセルペダル18がオン(APon)のタイミングが遅れた場合であっても、モータトルクを作用させるタイミングを、ブレーキペダル17がオフ(BPoff)から遅延時間Tの経過後であって、ブレーキ油圧が低下して必要車両保持力に到達する時点まで遅らせることができるため、従来のように、ブレーキペダル17がオフ(BPoff)となった時点で、すぐにモータトルクを発生させた場合(従来技術でのMOTトルク)、又は、油圧ヒルホールドにより油圧が保持された後に油圧が低下し始めるタイミングでモータトルクを発生させた場合に比較して、モータの駆動時間を短縮できるためモータの電力消費量を最小限に抑え、燃費向上に寄与することができる。
また、トランスミッション3が後進レンジにある車両1が上り坂を後進で上る際には、より下に位置するフロント側の方がリヤ側よりも荷重が大きく作用するため、フロントモータ4のトルクを用いて効果的に車両1を保持することができる。
そして、フロントモータ4とリヤモータ6の一方が異常である場合に、他方を用いて車両保持力を補うため、フロントモータ4とリヤモータ6の一方が異常である場合であっても、他方を使用することができる。
図7に示すように、車両1aは2WDのハイブリッド車両であって、フロント側に設けたエンジン2とオートマチックトランスミッションやCVT等のトランスミッション(T/MISS)3との間にフロントモータ(MOTOR)4を備え、エンジン2とフロントモータ4とで前輪5を駆動する。第1実施形態とは異なりリヤ側にはモータは設けられておらず後輪8はディファレンシャルギヤ7を介して取り付けられている。
ステップS101において油圧ヒルホールドの条件を満たすか否かを判定する。油圧ヒルホールドを行うためには、傾斜のある路面を上るもしくは傾斜のある路面で停止する登坂状態にあること、つまり走行路が上り坂であってトランスミッション3が前進(D)レンジにあること、又は、走行路が下り坂であってトランスミッション3が後進(R)レンジにあることが条件とされる。ここで、走行路が上り坂や下り坂にあることは傾斜センサSE2の検出結果に基づいてエンジンECU13が判定する。
ステップS101における判定の結果、油圧ヒルホールドの条件を満たす場合にはステップS102に進む。油圧ヒルホールドの条件を満たさないと判定された場合には処理を終了する。
ステップS104においてブレーキペダル(BP)信号offである場合にはステップS105に進む。ステップS103、ステップS104において判定結果がNOである場合には、処理を終了する。
停車している車両1(ステップS102)のアクセルペダル18が踏み込まれない状態であって(ステップS103)、ブレーキペダル17も離されている状態で(ステップS104)、ブレーキ油圧が所定時間保持された後に油圧が徐々に抜かれる。
ステップS106では車両保持MOT(モータ)制御待機時間の算出を行う。即ち、油圧ヒルホールド制御を開始してから、フロントモータ4によるアシストを開始するまでの時間を算出する。その時間は図3に示したマップにより求められる。
ステップS107における判定結果が「NO」で、フロントモータ(MOT)4やインバータに異常がなく温度も高温になっていない場合は、ステップS108に進む。
ステップS107における判定結果が「YES」で、フロントモータ(MOT)4やインバータに異常があり、温度が高温になっている場合はステップS114に進む。
したがって、ステップS110において、ずり下がりが生じている場合には、ステップS111において、用いられているフロントモータ4のモータトルクを増加させて(MOTトルクup)ずり下がりを防止しステップS112に進む。
ステップS113において、アクセルペダル(AP)信号onであると判定された場合には、ステップS114に進む。ステップS113において、アクセルペダル(AP)信号offであると判定された場合にはステップS107に戻る。
フロントモータ4やインバータの温度が上がったり異常があるか否かを監視できるからである。
更に、前進レンジとして(D)レンジを例にして説明したが、前進するレンジであれば、Lレンジ等のレンジにも適用できる。
そして、図2のステップS8,S18,S19,S22、図8のステップS107では、モータとインバータの異常と高温を判別するようにしたが、インバータ以外に、パワードライブユニット(PDU)、モータECU等の他のモータ電装系の異常と高温をも判別対称として加えてもよい。
1c 電気自動車
14 フロントブレーキ
15 リヤブレーキ
17 ブレーキペダル
S4,S104 ブレーキペダルオフ検出手段
SE2 傾斜センサ(登坂検出手段)
S5,S105 油圧ヒルホールド手段
4 フロントモータ
6 リヤモータ
11,12 モータECU(モータ制御手段)
13 エンジンECU(必要車両保持力導出手段)
SE1 車速センサ(ずり下がり検出手段)
5 前輪
8 後輪
SE6 ミッションセンサ(レンジ検出手段)
Claims (10)
- 車両の制動力を油圧を供給して作用させる制動手段と、
ブレーキペダルと、
前記ブレーキペダルのオフを検出するブレーキペダルオフ検出手段と、
前記車両が傾斜のある路面を上る登坂状態にあることを検出する登坂検出手段と、
前記登坂検出手段により前記車両が登坂状態にあることが検出され、かつ前記ブレーキペダルオフ検出手段により前記ブレーキペダルのオフ状態を検出した際に、前記制動手段に供給される油圧を保持した後に、徐々に油圧の解放を行う油圧ヒルホールド手段と、
走行駆動力を供給可能なモータと、
前記モータの駆動力を制御するモータ制御手段とを備えた車両保持制御装置であって、
登坂状態にある前記車両がずり下がらないように保持するのに必要な必要車両保持力を路面勾配と車両重量に基づいて導出する必要車両保持力導出手段を備え、
前記油圧ヒルホールド手段は、必要車両保持力よりも大きな車両保持力で油圧を保持し、
前記モータ制御手段は、前記油圧ヒルホールド手段により徐々に油圧が解放されて減少する車両保持力が、前記必要車両保持力導出手段により導出された必要車両保持力以下になるときに、不足した車両保持力を前記モータのトルクで補うことを特徴とする車両保持制御装置。 - 前記車両のずり下がりを検出するずり下がり検出手段を備え、
前記ずり下がり検出手段により前記車両がずり下がりを起こしたことが判定された場合に、前記モータのトルクを増加することを特徴とする請求項1記載の車両保持制御装置。 - 前記油圧ヒルホールド手段による油圧の解放時に徐々に減少する車両保持力が必要車両保持力を下回るタイミングは、前記路面勾配に対応して設定される前記必要車両保持力に応じて決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両保持制御装置。
- 前記車両が前輪を駆動するフロントモータと後輪を駆動するリヤモータを備え、トランスミッションのレンジを検出するレンジ検出手段を備え、前記登坂検出手段により前記車両が登坂状態にあることが検出され、かつ前記レンジ検出手段によりトランスミッションが前進レンジにあることが検出された場合に、前記リヤモータのトルクで車両保持力を補うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車両保持制御装置。
- 前記登坂検出手段により前記車両が登坂状態であることが検出され、かつ前記レンジ検出手段によりトランスミッションが後進レンジにあることが検出された場合に、前記フロントモータのトルクで車両保持力を補うことを特徴とする請求項4記載の車両保持制御装置。
- 前記フロントモータを含むフロントモータ電装系と前記リヤモータを含むリヤモータ電装系の一方が異常である場合に、他方を用いて車両保持力を補うことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の車両保持制御装置。
- 前記油圧ヒルホールド手段は、所定時間油圧を保持した後に、徐々に油圧の解放を行うことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の車両保持制御装置。
- 前記モータ制御手段は、アクセルペダルのオンを検出した場合に、前記モータのトルクを除々に減少させることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の車両保持制御装置。
- 車両の制動力を油圧を供給して作用させる制動手段と、
ブレーキペダルと、
前記ブレーキペダルのオフを検出するブレーキペダルオフ検出手段と、
前記車両が傾斜のある路面を上る登坂状態にあることを検出する登坂検出手段と、
前記登坂検出手段により前記車両が登坂状態にあることが検出され、かつ前記ブレーキペダルオフ検出手段により前記ブレーキペダルのオフ状態を検出した際に、前記制動手段に供給される油圧を保持した後に、徐々に油圧の解放を行う油圧ヒルホールド手段と、
走行駆動力を供給可能なモータと、
前記モータの駆動力を制御するモータ制御手段とを備えた車両保持制御方法であって、
登坂状態にある前記車両がずり下がらないように保持するのに必要な必要車両保持力を路面勾配と車両重量に基づいて導出する必要車両保持力導出手段を備え、
前記油圧ヒルホールド手段は、必要車両保持力よりも大きな車両保持力で油圧を保持し、
前記モータ制御手段は、前記油圧ヒルホールド手段により徐々に油圧が解放されて減少する車両保持力が、前記必要車両保持力導出手段により導出された必要車両保持力以下になるときに、不足した車両保持力を前記モータのトルクで補うことを特徴とする車両保持制御方法。 - 前記油圧ヒルホールド手段による油圧の解放時に徐々に減少する車両保持力が必要車両保持力を下回るタイミングは、前記路面勾配に対応して設定される前記必要車両保持力に応じて決定されることを特徴とする請求項9記載の車両保持制御方法。
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