JP5771178B2 - Dcブロック実装基板 - Google Patents

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Description

本発明はDCブロック実装基板に関し、高周波信号に含まれる直流成分を遮断するためのDCブロックを実装したDCブロック実装基板に関する。
装置の小型化要請により、電子部品間、あるいは電子部品が搭載されたボード間を電気的に接続する方式の一つとして、可撓性を備えたフレキシブル基板による接続手法が多用されている。フレキシブル基板の普及が進む近年では、電子部品の動作速度の向上に対応するため、フレキシブル基板上への高周波信号線路の形成事例が多く見られるようになってきた。これらの高周波信号線路は、マイクロストリップ線路、あるいはコプレーナ線路の形態で、フレキシブル基板上に形成される。例えば、マイクロストリップ線路を形成する場合、フレキシブル基板の厚みが50μm、フレキシブル基板上面、下面に備えられた導体の厚みが18μm、そして、フレキシブル基板材料の比誘電率が3.5である場合、50Ωの特性インピーダンスを得るためには、マイクロストリップ線路の信号線路幅は約100μmが好適となる。
一方、異なる電子部品をAC結合によって互いに電気接続する際には、高周波信号線路を伝搬する高周波信号に含まれた直流成分を遮断する必要がある。これを実現するため、高周波線路上にDCブロックキャパシタ(単にDCブロックともいう)の実装が必要になる。DCブロックキャパシタは、所定の容量を備えたキャパシタではあるが、電気的にはDC成分のみ遮断し、その他の広い周波数領域の高周波信号を低損失に通過させる特徴を備えたパッシブ部品である。
ここで例えば、マイクロストリップ線路へのDCブロックキャパシタを実装した構成を図1に示す。図1(a)には、DCブロックキャパシタ10を実装したフレキシブル基板1の表面が、図1(b)にはその裏面に備えられたグランド導体3が示されている。フレキシブル基板1には、表面の信号線路2および裏面のグランド導体3によって構成されるマイクロストリップ線路と、表面に形成されるDCブロックキャパシタ10とが実装されている。
高周波線路上に配置される一般的なDCブロックキャパシタ10は、両端に配される電極11と、電極間に配される誘電体12からなる構造を備え、その幅は約500μmとなる。これは、フレキシブル基板上におけるマイクロストリップ線路2の幅である100μmと比較すると約5倍の開きがある。
100μm幅の細いマイクロストリップ線路2上に、500μm幅のDCブロックキャパシタ10を配置すると、DCブロックキャパシタ10実装領域における特性インピーダンスの低下を招く。これによって特性インピーダンスの不整合点の発生を生じさせ、マイクロストリップ線路2とDCブロックキャパシタ10の接合部で高周波信号の反射が現れてしまう。これを回避する手法として、図1(b)に示すように、フレキシブル基板1裏面に備えられたグランド導体3に対し、DCブロックキャパシタ10の直下に位置する広い領域を化学エッチング等の手法によって選択的に除去した除去部4を設けてグランド導体3に対する容量を低下させることによって、特性インピーダンスの低下を抑制させる手法が導入されてきた。すなわち、非特許文献1のFigure20に記載のSite1、Site2に見られる裏面に備えたグランド導体にCutout領域という削除領域を導入した手法である。これによって、特性インピーダンス不整合点の発生が無くなり、高周波信号の反射が低減可能とされていた。
D. N. de Araujo, et. al., "Electrical-Optical High Speed Serial Server Scalability Link," in Proc. IEEE ECTC, 2007, pp. 1646-1652.
しかしながら、図1の構造のDCブロックキャパシタ10を実装した従来のフレキシブル基板1では、細いマイクロストリップ線路2、および広い幅を備えたDCブロックキャパシタ10実装領域それぞれの特性インピーダンスは設計上では互いに整合しているものの、高周波信号の反射抑制には限界があった。例えば、20GHz周波数帯域で、−15dB未満の反射損失を確実に得ることは極めて困難であった。これはすなわち、高周波信号線路2とDCブロックキャパシタ10実装領域それぞれの特性インピーダンスを整合させ、2次元平面内で単純に接続する従来手法では十分でないことを示している。その主要因は、マイクロストリップ線路2とDCブロックキャパシタ10との接続点で生じる3次元電磁界分布の急激な変化、ならびにリターン電流の不最適な電流パス形成にある。
まず、マイクロストリップ信号線路2とDCブロックキャパシタ10との接続点で生じる3次元電磁界分布の急激な変化による問題について説明する。図2(a)に示すフレキシブル基板1における、マイクロストリップ信号線路2上の断面と、DCブロックキャパシタ10の接続点である電極11上の断面とにおける電気力線の形態を、図2(b)、(c)にそれぞれ示す。図2(b)に示すように、マイクロストリップ信号線路2の断面では、信号線路2とその直下に位置するグランド導体3との間に容量が生じ、電気力線が形成される。一方、DCブロックキャパシタ10の電極11(接続点)では、電極11(接続点)直下にグランド導体3が無いが、遠方にグランド導体3の端部が存在する。したがって、図2(c)に示すように、遠方のグランド導体3の端部とDCブロックキャパシタ10の電極11(接続点)との間で容量が形成され、電気力線が形成される。この2箇所の電気力線は幾何学的にも互いに異なるので、これによって3次元空間内で形成される電磁界分布も大きく異なる。電磁界分布が大きく異なる場合、その変換に際しては周波数が1GHz以上の高い領域で反射が生じることが広く知られている。よって、従来手法は反射が避けられないアプローチであることが分かる。
また、リターン電流の電流パスによる問題について説明する。図3(a)、(b)に信号線路2を流れる電流パス30、リターン電流の電流パス31を示す。グランド導体3には、グランド導体3の一部が選択的に除去された除去部4が設けられているため、リターン電流は、除去されたエッジに沿って最短な電流パス31が形成される。マイクロストリップ線路2の直下に位置するグランド導体3の一部を削除した場合、一般的には高周波フィルタとして機能することが広く知られている。よって、従来手法では、広い周波数に渡って、反射特性が一様に抑制可能であること(以下、広帯域低反射特性と呼ぶ)が困難であることが分かる。
したがって、DCブロックキャパシタの実装においては、特性インピーダンスの整合だけでは不十分であり、3次元電磁界分布の急激な変化を抑制し、かつ広帯域低反射特性を得ることが可能な接続手法の実現が課題であった。
本発明は、基板厚みが薄い基板上に形成された高周波線路上にDC成分を遮断するDCブロックキャパシタを実装した場合でも、高周波信号が通過する際に、反射損失の発生を抑え、広帯域低反射特性が得られるDCブロック実装基板を提供するものである。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載の発明は、直線状の第1の信号線路が設けられた基板の表面において、該基板の裏面に配置された裏面グランド導体とマイクロストリップ線路を形成する第1の信号線路の線路途中に、DC成分をブロックするためのDCブロック領域を設けたDCブロック実装基板であって、前記DCブロック領域の両脇に所定の間隔を隔てて配置された表面グランド導体を備え、前記DCブロック領域は、誘電体を挟んだ一対の電極を有すると共に前記第1の信号線路よりも幅広に形成されたDCブロックキャパシタと、該DCブロックキャパシタの上流および下流のそれぞれに前記第1の信号線路と前記DCブロックキャパシタとを接続するように配置された第2の信号線路および第3の信号線路を有し、前記第2の信号線路は、前記DCブロックキャパシタの一対の電極と同じ幅を有するよう形成されると共に一端が前記一対の電極のいずれかに接続され、第3の信号線路は、一端において第1の信号線路と同じ幅を有するとともに他端において第2の信号線路と同じ幅を有するよう形成されると共に第1の信号線路および第2の信号線路を接続するよう配置され、前記裏面グランド導体は、前記第2の信号線路と、前記第3の信号線路と、前記DCブロックキャパシタとにわたる領域の基板裏面においては、選択的に除去された除去部を有し、前記表面グランド導体は前記除去部の周囲に貫通して形成されているVIAにより裏面グランド導体と電気的に接続されており、前記第2の信号線路の裏面に位置する除去部の幅の大きさが、前記第2の信号線路の幅の大きさの1倍から1.5倍であることを特徴とするDCブロック実装基板である。
他の実施形態に記載の発明は、直線状の信号線路が設けられた基板の表面において、該信号線路の両脇にそれぞれ第1の間隔のギャップを隔てて配置された表面グランド導体とコプレーナ線路を形成する信号線路の途中に、誘電体を挟んだ一対の電極を有すると共に前記信号線路と同じ幅に形成されたDCブロックキャパシタが配置されたDCブロック実装基板であって、前記基板の裏面に配置された裏面グランド導体を備え、表面グランド導体は、前記DCブロックキャパシタの両脇にそれぞれ、前記第1の間隔よりも広い第2の間隔のギャップを隔てて配置され、前記裏面グランド導体は、前記信号線路およびDCブロックキャパシタの基板裏面においては、選択的に除去された除去部を有すると共に、該除去部には離れた位置にある前記裏面グランド導体を同一電位に保持するためのブリッジ導体が設けられており、前記表面グランド導体は前記除去部の周囲に貫通して形成されているVIAにより裏面グランド導体と電気的に接続されており、前記信号線路の裏面に位置する除去部の幅の大きさが、前記信号線路の幅の大きさの1倍から1.5倍に相当することを特徴とするDCブロック実装基板である。
本発明のDCブロック実装基板によれば、基板厚みが薄い基板上に形成された高周波信号線路の途中にDC成分を電気的に遮断するDCブロックを実装した場合でも、広い周波数範囲で高周波信号を通過する際に、反射損失の発生を抑え、広帯域低反射特性が得られるDCブロック実装基板を提供することができる。
従来例におけるDCブロック実装基板を示す図である。 従来例における電界分布を示す図である。 従来例におけるリターン電流の電流パスを示す図である。 第1の実施形態におけるDCブロック実装基板を示す図である。 第1の実施形態における電界分布を示す図である。 第1の実施形態におけるリターン電流の電流パスを示す図である。 第2の実施形態におけるDCブロック実装基板を示す図である。 第2の実施形態における電界分布を示す図である。 第2の実施形態におけるDCブロック実装基板を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図4は第1の実施形態による本発明のDCブロック実装基板の構成図である。本発明のDCブロック実装基板100は、基板厚みが50μmであるポリイミド材料をフレキシブル基板の基板材料として示している。図4(a)は、本発明のDCブロック実装基板の表面を示し、図4(b)は裏面を示し、図4(c)、図4(d)はそれぞれB−B’、A−A’での断面図を示している。
DCブロック実装基板100には、基板表面に形成される直線状の信号線路2および基板裏面に形成されるグランド導体3によって構成されるマイクロストリップ線路と、マイクロストリップ線路の信号線路2の途中に実装されたDCブロックキャパシタ10と、DCブロックキャパシタ10の前後に配されるコプレーナ線路の形態を備えた接続線路部5と、接続線路部5と信号線路2との間での線路幅変換部6が備えられている。
具体的には、外部と接続する部分から基板中心に向かって順に、信号線路2と、線路幅変換部6と、接続線路部5と、DCブロックキャパシタ10とが接続されている構成である。また、DCブロック実装基板1の裏面には、図4(b)に示すように、マイクロストリップ線路の信号線路2の直下に位置する全領域にグランド導体3が形成されており、線路幅変換部6と、接続線路部5と、DCブロックキャパシタ10との直下に位置する領域は、グランド導体3が除去された除去部4として形成されている。除去部4はグランド導体3を化学的エッチング手法等によって選択的に除去して形成する。
DCブロックキャパシタ10は、セラミック等の材料からなる誘電体12の両端に2つの対向する電極11を設けたパッシブ部品である。高周波信号を伝搬するマイクロストリップ信号線路2の間にこのDCブロックキャパシタ10を設けることにより、高周波信号中に含まれる直流成分を遮断している。
本実施形態のDCブロック実装基板においては、DCブロックキャパシタ10とマイクロストリップ信号線路2との間に、50μmから150μmまでの範囲で決定される特定の長さを備えた線路幅変換部6と所定の長さを備えた接続線路部5が備えられている。線路幅変換部6は長手方向に対してテーパ型構造を備えており、その片端は接続線路部5と同じ幅を備えている。線路幅変換部6は、テーパー形状を有していることが重要であり、複数の長方形を接続した形状などはとらない。線路幅変換部6と接続線路部5の長手方向における左右には、ギャップ7を挟んでグランド導体16a、16bが備えられている。これらのグランド導体16a、16bは、VIA9を介して裏面のグランド導体3と電気的に接続されている。ただし、接続線路部5の幅は、DCブロックキャパシタ10の両端の電極11の幅と一致させている。
これら線路幅変換部6と接続線路部5の直下に位置する領域では、グランド導体3が選択的に除去された除去部4が形成される。よって、この2つはコプレーナ線路の構造をそれぞれ備えていることになる。その除去部4の幅である除去幅W1は、線路幅変換部6と接続線路部5それぞれにおける特性インピーダンスを50Ω設計にすることにより得られる。ただし、この除去幅W1は先のギャップ7の大きさによって変化してしまう。よって、除去幅W1が接続線路部5の幅の1.0〜1.5倍の範囲に入るように、ギャップ7をあらかじめ調整することになる。なお、1.0倍未満であると、線路幅変換部6と裏面に備えたグランド導体3との間に形成される容量が大きくなり、特性インピーダンスの低下が困難となり、1.5倍以上であると表面に備えたグランド導体16a、16bのエッジからVIA9の位置を遠く離す必要が生じてしまい、信号線路の高周波特性が劣化するため、1.0〜1.5倍の範囲が好適となる。
DCブロックキャパシタ10の長手方向の左右にもグランド導体16a、16bが備えられている。ただし、DCブロックキャパシタ10の側壁からグランド導体16a、16bまでのギャップは先のギャップ7と異なるギャップ8が備えられており、ギャップ7<ギャップ8=ギャップ7×1.05〜1.5の大小関係を常に満たすように設定する。この関係が崩れると、DCブロックキャパシタ10を実装した領域で特性インピーダンスの低下を招き、高周波信号の反射が現れるからである。
DCブロックキャパシタ10の直下に位置する領域でも、グランド導体3が選択的に除去された除去部4が形成されている。その除去部4の幅である除去幅W2は、DCブロックキャパシタ10の幅の0.7〜1.2倍の範囲に入るように設計する。なお、DCブロックキャパシタ10を実装した領域では、裏面に備えられたグランド導体3への除去割合を僅かに少なくし、0.7〜1.2倍が好適となる。DCブロックキャパシタ10と実装同一面に備えたグランド導体16a、16bの間に電気力線が特に集中し、その間で容量を形成し過ぎることが無いようにする必要があるからである。
図5は、図4に示すDCブロック実装基板100における電気力線を示す図である。図5(a)の平面図における、マイクロストリップ信号線路2部分のA−A’断面(図5(b))、線路幅変換部6部分のB−B’断面、C−C’断面、(図5(c)、(d))、接続線路部5部分のD−D’断面(図5(e))、そしてDCブロックキャパシタ10の電極11部分のE−E’断面(図5(f))における電気力線を示している。マイクロストリップ線路の信号線路2は基板裏面に備えられたグランド導体3との間でのみ容量が与えられ、図5(b)に示すような電気力線が形成される。一方、線路幅変換部6においては、図5(c)、(d)に示すように、容量はグランド導体3だけでなく、基板表面に備えられたグランド導体16a、16bとの間でも形成され、垂直、水平方向に対して電気力線が形成される。このとき、高周波信号が接続線路部5へと進むにつれて、基板裏面に備えられたグランド導体3との間に形成される電気力線の密度(電界密度ともいう)が低下し、徐々に同一基板面に備えられたグランド導体16a、16bとの間で電気力線の密度(電界密度ともいう)が上昇する。よって、図5(e)に示すように、接続線路部5では同一基板面に備えられたグランド導体16a、16bとの間の電気力線の密度が最も高くなる。さらに、DCブロックキャパシタへと高周波信号が進むと、図5(f)に示すように、DCブロックキャパシタ10本体の物理的なサイズによって、同一基板面に備えられたグランド導体16a、16bとの間で電気力線の密度が一層上昇し、容量がより大きくなる。容量の増大は、特性インピーダンスの低下を招く。本実施形態のDCブロック実装基板100では、これを回避させるため、グランド導体との間ではより広いギャップ8を形成し容量の上昇を抑制するとともに、電気力線の変化を緩やかにするため、基板裏面のグランド導体における除去幅W2が調整されている。このように、高周波信号線路の構造が互いに異なる際においても、接続部における電気力線の変化を緩和させることで、3次元空間内での電磁界分布の著しい変化を抑制することが可能となる。
図6は、信号線路を流れる電流パス30、リターン電流の電流パス31を示す図である。図6(a)はDCブロック実装基板100の表面における電流パスを示し、図6(b)は裏面における電流パスを示している。図6に示すように、グランド導体3には一部が選択的に除去された除去部4が設けられているが、リターン電流は、電気的に接続されたVIA9を介して表面のグランド導体16a、16bを通る電流パスに沿って流れることが出来る。この電流パスはコプレーナ線路のリターン電流そのものに他ならない。よって、従来手法に見られるような周波数フィルタと同等な不必要な効果を抑制させることが可能になる。
以上の構成によれば、マイクロストリップ線路の線路幅に対して、線路途中に実装されるDCブロックキャパシタの幅が異なる場合でも、DCブロックキャパシタの電極との接合領域における反射が抑制されるので、所望の高周波信号の通過の際の反射損失の発生を抑え、広帯域低反射特性が得られるDCブロック実装基板を得ることができる。
(第2の実施形態)
図7は第2の実施形態による本発明のDCブロック実装基板101の構成図である。本実施形態のDCブロック実装基板101は、基板厚みが50μmであるポリイミド材料をフレキシブル基板の基板材料として示している。図7(a)は、本発明のDCブロック実装基板の表面の構成を示し、図7(b)は裏面の構成を示し、図7(c)、図7(d)はそれぞれA−A’断面図、B−B’断面図を示している。
DCブロック実装基板101には、基板表面に形成される直線状の信号線路2とギャップ17を挟んでグランド導体16a、16bが備えられ、基板裏面にはグランド導体3を備えている。さらに基板表面のグランド導体16a、16bと、基板裏面のグランド導体3a、3bとが表面と裏面においてVIA9により電気的に接続されている。また、基板裏面上で離れた位置にあるグランド導体3a、3bは、ブリッジ導体15によって電気的に接続されていることにより、同一電位に保持されている。DCブロック実装基板101には、以上のようなコプレーナ線路が形成されている。そして、その信号線路2の途中にDCブロックキャパシタ10を実装する構成としている。ただし、信号線路2の幅は、DCブロックキャパシタ10の電極11の幅と一致させている。
DCブロックキャパシタ10は、セラミック等の材料からなる誘電体12の両端に2つの対向する電極11を設けたパッシブ部品である。高周波信号を伝搬するコプレーナ信号線路2の間にこのDCブロックキャパシタ10を設けることにより、高周波信号中に含まれる直流成分を遮断している。
DCブロック実装基板101においては、上述の通り、離れた位置にグランド3a、3bが存在する。すなわち、コプレーナ線路の信号線路2の直下に位置する領域ではグランド導体3が選択的に除去されて形成された除去部4が設けられている。その除去部の幅である除去幅W3は、コプレーナ線路の特性インピーダンスを50Ω設計にすることにより得られる。ただし、この除去幅W3は先のギャップ17によって変化してしまう。よって、除去幅W3がコプレーナ線路の信号線路2の幅の1.0〜1.5倍の範囲に入るように、ギャップ17をあらかじめ調整することになる。なお、1.0倍未満であると、信号線路2と裏面に備えたグランド導体3a、3bとの容量が大きくなり、特性インピーダンスの低下が困難となり、1.5倍以上であると表面に備えたグランド導体16a、16bのエッジからVIA9の位置を遠く離す必要が生じてしまい、信号線路2の高周波特性が劣化するため、1.0〜1.5倍の範囲が好適となる。
DCブロックキャパシタ10の長手方向の左右にもグランド導体16a、16bが備えられている。ただし、DCブロックキャパシタ10の側壁からグランド導体16a、16bまでのギャップは先のギャップ17と異なるギャップ18が備えられており、ギャップ17<ギャップ18=ギャップ17×1.05〜1.5の大小関係を常に満たすように設定する。この関係が崩れると、DCブロックキャパシタ10を実装した領域で特性インピーダンスの低下を招き、高周波信号の反射が現れるからである。
DCブロックキャパシタ10の直下(裏面)に位置するグランド導体3a、3bにも選択的に除去された除去部4が形成されている。その除去幅W4は、DCブロックキャパシタの幅の0.7〜1.2倍の範囲に入るように設計する。なお、DCブロックキャパシタ10を実装した領域では、裏面に備えられたグランド導体3a、3bへの除去割合を僅かに少なくし、0.7〜1.2倍が好適となる。DCブロックキャパシタ10と実装同一面に備えたグランド導体16a、16bとの間に電気力線が特に集中し、その間で容量を形成し過ぎることが無いようにする必要があるからである。
図8に、コプレーナ信号線路2の断面、DCブロックキャパシタ10の断面のそれぞれにおける電気力線を示す。図8(b)、(c)はそれぞれ図8(a)のA−A‘断面、B−B’断面を示す。これらに示すように、コプレーナ信号線路2の断面およびDCブロックキャパシタ10の電極部分11の断面において電気力線の幾何学的形状が大変近い形状となる。このように、電気力線の変化を緩やかにさせることで、3次元空間内での電磁界分布の極端な変化を抑制することが可能となる。
図9は、信号線路を流れる電流パス30、リターン電流の電流パス31を示す図である。図9(a)はDCブロック実装基板101の表面における電流パスを示し、図9(b)は裏面における電流パスを示している。リターン電流の電流パス31はコプレーナ線路のリターン電流そのものに他ならない。よって、従来手法に見られるような周波数フィルタと同等な不要な効果を抑制させることが可能になる。
以上の構成によれば、コプレーナ線路途中に実装されるDCブロックキャパシタが実装される場合でも、DCブロックキャパシタの電極との接合領域における反射が抑制されるので、所望の高周波信号の通過の際の反射損失の発生を抑え、広帯域低反射特性が得られるDCブロック実装基板を得ることができる。 以上の実施形態では、基板の厚みが50μmである可撓性を備えたフレキシブル基板を例に挙げて説明しているが、高周波信号線路を形成可能な基板厚みに対して広く適用可能であることは言うまでもなく、基板厚みが特に限定されることはない。
また、以上の実施形態では、基板の材料をフレキシブル基板の材料の代表例であるポリイミドとした場合を例に挙げて説明しているが、決してこれに限定されず、ガラスエポキシ、液晶ポリマ、セラミック、ガラス等のいずれの材料で構成された基板を用いてもよく、Si、GaAs、InP等の高抵抗半導体基板でもよい。
また、いずれの実施形態でも、高周波信号の周波数帯域は67GHz程度までを想定した設計としている。
1:フレキシブル基板
2:信号線路
3、3a、3b:裏面に備えられたグランド導体
4:除去部
5:接続線路部
6:線路幅変換部
9:VIA
10:DCブロックキャパシタ
30:高周波信号の電流パス
31:リターン電流の電流パス

Claims (2)

  1. 直線状の第1の信号線路が設けられた基板の表面において、該基板の裏面に配置された裏面グランド導体とマイクロストリップ線路を形成する第1の信号線路の線路途中に、DC成分をブロックするためのDCブロック領域を設けたDCブロック実装基板であって、
    前記DCブロック領域の両脇に所定の間隔を隔てて配置された表面グランド導体を備え、
    前記DCブロック領域は、誘電体を挟んだ一対の電極を有すると共に前記第1の信号線路よりも幅広に形成されたDCブロックキャパシタと、該DCブロックキャパシタの上流および下流のそれぞれに前記第1の信号線路と前記DCブロックキャパシタとを接続するように配置された第2の信号線路および第3の信号線路を有し、
    前記第2の信号線路は、前記DCブロックキャパシタの一対の電極と同じ幅を有するよう形成されると共に一端が前記一対の電極のいずれかに接続され、第3の信号線路は、一端において第1の信号線路と同じ幅を有するとともに他端において第2の信号線路と同じ幅を有するよう形成されると共に第1の信号線路および第2の信号線路を接続するよう配置され、
    前記裏面グランド導体は、前記第2の信号線路と、前記第3の信号線路と、前記DCブロックキャパシタとにわたる領域の基板裏面においては、選択的に除去された除去部を有し、
    前記表面グランド導体は前記除去部の周囲に貫通して形成されているVIAにより裏面グランド導体と電気的に接続されており、
    前記第2の信号線路の裏面に位置する除去部の幅の大きさが、前記第2の信号線路の幅の大きさの1倍から1.5倍であることを特徴とするDCブロック実装基板。
  2. 直線状の信号線路が設けられた基板の表面において、該信号線路の両脇にそれぞれ第1の間隔のギャップを隔てて配置された表面グランド導体とコプレーナ線路を形成する信号線路の途中に、誘電体を挟んだ一対の電極を有すると共に前記信号線路と同じ幅に形成されたDCブロックキャパシタが配置されたDCブロック実装基板であって、
    前記基板の裏面に配置された裏面グランド導体を備え、
    表面グランド導体は、前記DCブロックキャパシタの両脇にそれぞれ、前記第1の間隔よりも広い第2の間隔のギャップを隔てて配置され、
    前記裏面グランド導体は、前記信号線路およびDCブロックキャパシタの基板裏面においては、選択的に除去された除去部を有すると共に、該除去部には離れた位置にある前記裏面グランド導体を同一電位に保持するためのブリッジ導体が設けられており、
    前記表面グランド導体は前記除去部の周囲に貫通して形成されているVIAにより裏面グランド導体と電気的に接続されており、
    前記信号線路の裏面に位置する除去部の幅の大きさが、前記信号線路の幅の大きさの1倍から1.5倍に相当することを特徴とするDCブロック実装基板。
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