JP5768685B2 - 回転炉床式加熱炉の制御方法およびその方法を用いる継目無管の製造方法 - Google Patents

回転炉床式加熱炉の制御方法およびその方法を用いる継目無管の製造方法 Download PDF

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本発明は、継目無鋼管等の製造ラインでビレットの加熱用として広く用いられている回転炉床式加熱炉の制御方法に関し、特に加熱処理後の丸鋼片(ビレット)に発生する上下偏熱を低減して、中空素管における偏熱および継目無鋼管における偏肉を低減することができる回転炉床式加熱炉の制御方法、およびその方法を用いる継目無管の製造方法に関する。
傾斜圧延方式により継目無鋼管を製造する際、一般的には先ずビレットを製管可能な温度まで加熱し、ピアサー(穿孔機)で中空素管(ホローシェル、以下、単に「シェル」ともいう)とした後、延伸圧延機で圧延し、最後に定径圧延機で製品寸法に縮径圧延する。ビレットの加熱には一般に回転炉床式加熱炉が用いられている。
回転炉床式加熱炉の炉体は、固定された炉壁および天井と環状(ドーナツ形)の移動床からなり、移動床は水平面で緩やかに回転するように構成されている。炉内には、それぞれ加熱用のバーナが取り付けられた複数(通常3〜7程度)の加熱帯(加熱ゾーン)が設けられ、各ゾーンの雰囲気温度が制御される。ビレットは移動床上に放射状に装入載置され、炉床の移動に伴って緩やかに回転し、各ゾーンを順に通過する間に所定温度に加熱され、抽出ゾーンから抽出される。
このように回転炉床式加熱炉で加熱され、炉外へ抽出されたビレットには、通常、その上面側と下面側(すなわち、周方向)に温度差(以下、「ビレット上下偏熱」ともいう)が生じ易いという問題がある。この上下偏熱のあるビレットをピアサーで穿孔圧延すると、得られるシェルに偏熱が発生し(シェル偏熱)、偏熱による変形抵抗の違いによって延伸圧延後の鋼管に偏肉が発生する。
ビレット上下偏熱は、ビレットが炉床上に載置されることにより発生する。炉床上に載置されたビレットの上面側は常に温度の高い雰囲気ガスに接し、下面側はそれよりも温度の低い雰囲気ガスに接していることによるものである。ビレットの在炉時間を延長させることによりこの偏熱は改善されるが、生産性の低下が著しい。そのため、ビレット上下偏熱を防止するための種々の方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1では、回転炉床の半径方向中央部全周に環状開口部と、この開口部を覆う熱放散防止用環状板を設け、加熱途中の丸鋼片の半径方向偏熱が最大となる加熱帯部位で、ターニングロールを炉床上へ突出させて丸鋼片を半回転させ(上下を逆にし)、そのままの状態で最終の加熱帯まで加熱する偏熱防止装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の偏熱防止装置を取り付けた回転炉床式加熱炉では、全体の装置構成が複雑にならざるを得ず、設備費が増大する。さらに、スケールの堆積等による故障の懸念があり、メンテナンス面での負担が大きいことが予想される。
特開昭63−203719号公報
本発明は、傾斜圧延方式による継目無鋼管等の金属管の製造ラインで、ビレット等の素材の加熱用として使用される回転炉床式加熱炉の制御方法、特に、丸鋼片(ビレット)を回転炉床式加熱炉で加熱する際に、ビレットに発生する上下偏熱を低減して、シェルにおける偏熱および継目無鋼管における偏肉を低減することができる回転炉床式加熱炉の制御方法、およびその方法を用いる継目無管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)の回転炉床式加熱炉の制御方法、およびその方法を用いる下記(2)の継目無管の製造方法を要旨とするものである。
(1)3〜7の加熱ゾーンを具備する回転炉床式加熱炉の制御方法であって、ビレットを装入する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を2ゾーンよりも高く設定し、前記2ゾーン以降の各ゾーンにおける設定温度はビレット抽出ゾーンに向けて階段状に高めており、かつ、当該1ゾーンの雰囲気温度(Tai)と前記ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)が下記(1)式を満たすように1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を制御することを特徴とする回転炉床式加熱炉の制御方法。
Tai(℃)/Tao(℃)≧0.90 ・・・(1)
(2)ビレットを加熱した後、傾斜圧延方式により継目無管を製造する方法であって、前記(1)に記載の制御方法により制御した回転炉床式加熱炉を用いてビレットを加熱することを特徴とする継目無管の製造方法。
本発明の回転炉床式加熱炉の制御方法によれば、ビレットの上面側と下面側に生じる上下偏熱を低減することができる。この方法により制御した回転炉床式加熱炉を用いる本発明の継目無管の製造方法によれば、シェルにおける偏熱および継目無鋼管等の継目無管における偏肉を低減することができる。
回転炉床式加熱炉へのビレット装入時における加熱ゾーン下方の雰囲気温度の測定結果を例示する図である。 回転炉床式加熱炉における各ゾーンの配置とそれぞれの雰囲気設定温度を模式的に示す図で、(a)は各ゾーンの配置を表す平面図、(b)は各ゾーンにおける設定温度を示す図である。 ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に対する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)の比とシェル偏熱の関係を示す図である。 ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に対する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)の比と継目無鋼管の偏芯偏肉の関係を示す図である。
ビレット上下偏熱は、ビレットが炉床上に載置されることにより発生する。通常、雰囲気温度は加熱炉の各ゾーンの上方で高く、下方(炉床近傍)で低くなっている。そのため、ビレットの上面側は常時温度の高い雰囲気ガスに接し、下面側は温度の低い雰囲気ガスに接することとなり、上下偏熱が発生する。
本発明者は、特に回転炉床式加熱炉の最終ゾーンである抽出ゾーンでは、上方の雰囲気温度と下方の雰囲気温度との差が、外部から当該抽出ゾーンへの低温気体の流入に大きく依存していると考えた。前記の「(抽出ゾーンの)下方の雰囲気温度」とは、抽出ゾーンの炉床近傍の雰囲気温度で、ビレットの下面側に存在する雰囲気ガスの温度をいう。また、「上方の雰囲気温度」とは、この炉床近傍の雰囲気を除く炉(加熱ゾーン)内雰囲気(一般的には、炉床に対して十分距離を置いた雰囲気)の温度であり、単に「雰囲気温度」ともいう。
図1は、回転炉床式加熱炉へのビレット装入時における加熱ゾーン下方の雰囲気温度の測定結果を例示する図である。ただし、ここでいう「加熱ゾーン下方の雰囲気温度」とは、1ゾーンの所定部位における炉床表面から20mm上方の炉床近傍で測定した雰囲気の温度である。図1において、横軸はバーナによる加熱開始後の経過時間である。雰囲気温度が所定温度に達した後、1ゾーンへ炭素鋼ビレットを装入した。その後、ビレットの装入および抽出ゾーンからのビレットの抽出を間欠的に行った。図1中に破線の丸印を付した部分はビレットの装入時を表す。
図1に示されるように、加熱ゾーン下方の雰囲気温度はビレットの装入時に大きく低下する。これはビレットの装入に伴う外気の侵入によるもので、その低下幅は概ね100〜200℃に達する。
ビレット抽出時における抽出ゾーン下方の雰囲気温度の測定は実施していないが、装入時と逆の操作を行うので、抽出時においても同様に外気が侵入し、抽出ゾーン下方の雰囲気温度は大きく低下すると推測される。
図2は、回転炉床式加熱炉における各ゾーンの配置とそれぞれの雰囲気設定温度を模式的に示す図で、(a)は各ゾーンの配置を表す平面図、(b)は各ゾーンにおける雰囲気設定温度を示す図である。図2(a)に示した環状部が炉床(移動床)1で、矢印の方向に緩やかに回転する。炉内には、1ゾーンから7ゾーンまでの加熱ゾーンと7ゾーンに隣接した抽出ゾーンが設けられている。1ゾーンは装入ゾーンを兼ねている。ビレットは1ゾーンに装入され、炉床の矢印方向への移動に伴い2ゾーン、3ゾーンと、加熱ゾーンを順に通過する間に所定温度に加熱され、抽出ゾーンから抽出される。
各ゾーンの雰囲気温度の設定は、図2(b)に破線で示したように、ビレットを装入する1ゾーンから抽出ゾーンへ向けて階段状に高めていくのが普通である。そのため、例えば1200℃の高温に設定された抽出ゾーンは、温度の最も低い1ゾーンに隣接した状態になっている。両ゾーンの境界には仕切壁が設けられているが、炉床上に載置された材料の通過が妨げられない程度の隙間が炉床の幅方向全長にわたって形成されており、その隙間を通して低温の雰囲気ガスが抽出ゾーンの下方に流入する。
すなわち、抽出ゾーンにおいて、当該ゾーン下方の雰囲気温度をゾーン上方の雰囲気温度よりも低くさせている要因としては、次の(i)〜(iii)の要因が考えられる。
(i)抽出ゾーン上方の雰囲気ガスから同ゾーン下方の雰囲気ガスへの伝熱の遅れ、
(ii)ビレットの抽出時における外気の流入、
(iii)1ゾーンの低温の雰囲気ガスの抽出ゾーン下方への流入。
このうち、(i)は従来から課題としてあげられてきた問題で、ビレットの在炉時間を延長させずに解決するため、例えば前掲の特許文献に記載されるような対策案が提案されている。(ii)はビレットの抽出時においてのみその影響が懸念される問題であるが、影響が短時間であり、しかも抽出ゾーン内の広範囲にわたって作用するので、当該ゾーンの上方の雰囲気温度と下方の雰囲気温度の差に及ぼす影響としてはさほど大きいものではない。これに対し、(iii)は、炉床の幅方向全長にわたって形成されている隙間を通して1ゾーンから抽出ゾーンの下方へ流入するので、両ゾーンの雰囲気ガスの温度差が大きい場合は、抽出ゾーンの上方と下方の雰囲気温度の差に及ぼす影響はかなり大きいと考えられる。
そこで、回転炉床式加熱炉における従来の雰囲気温度の設定の仕方を変更し、1ゾーンの雰囲気温度を抽出ゾーンのそれに近い温度にまで高めた状態で炭素鋼ビレットを加熱し、穿孔圧延を行ってシェルとし、さらに延伸圧延を行って継目無鋼管とした。このようにして得られたシェルの偏熱および継目無鋼管の偏肉を測定した結果、後述する実施例に示すように、1ゾーンから抽出ゾーンへ向けて階段状に高めていく従来の雰囲気温度の設定の仕方でビレットを加熱した場合に比べて、シェルの偏熱および継目無鋼管の偏肉をそれぞれ30%程度低減させ得ることを確認した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
本発明の回転炉床式加熱炉の制御方法において、ビレットを装入する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を高めるのは、1ゾーンから抽出ゾーンへ流入する雰囲気ガスの温度と抽出ゾーンの上方の雰囲気ガスの温度との差を小さくして、抽出ゾーンの上方と下方の雰囲気ガスの温度差を小さくするためである。抽出ゾーンの雰囲気温度は操業上決められているので、1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を高めることにより、両雰囲気ガスの温度の差を小さくすることができる。
さらに、ビレットを装入する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)とビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)が前記の(1)式(すなわち、Tai(℃)/Tao(℃)≧0.90)を満たすようにビレットを装入する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を制御するのは、1ゾーンの雰囲気温度の上昇に伴う燃料ガス原単位の上昇を極力抑えつつビレットに発生する上下偏熱の低減について顕著な効果を得るためである。
1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を高めて抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に近づけるほど両者の温度差が減少し、ビレット抽出ゾーンの下方の雰囲気温度を低下(それに伴いビレット上下偏熱を増大)させる作用が小さくなるので、ビレットに発生する上下偏熱の低減効果を高める観点からは、Tai(℃)/Tao(℃)が大きいほどよい。しかし、1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を高めて抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に近づけるほど燃料ガスの原単位は上昇する。そこで、後述する実施例に示したシェルにおける偏熱および継目無鋼管における偏肉の低減効果を考慮して、Tai(℃)/Tao(℃)比が0.90以上になるように1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を制御することとした。なお、Tai(℃)/Tao(℃)比の上限は、1ゾーンの雰囲気温度(Tai)が抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に等しくなる温度から自ずと定まる(1.00)ので、特には規定しない。
前記の図2(b)に実線で例示した1ゾーンの雰囲気設定温度が、Tai(℃)/Tao(℃)比が0.90以上になるように1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を制御した例である。2ゾーン以降の各ゾーンにおける雰囲気設定温度は、従来の破線で示した設定温度と変わらない。
以上述べたように、本発明の回転炉床式加熱炉の制御方法は、抽出ゾーンの下方の雰囲気温度を上方の雰囲気温度よりも低くさせている要因として従来考慮されていなかった、ビレットを装入する1ゾーンから抽出ゾーンへの低温の雰囲気ガスの流入に着目してなされた方法である。この制御方法によれば、回転炉床式加熱炉でビレットを加熱する際に発生するビレット上下偏熱を大きく低減することができる。
本発明の継目無管の製造方法は、ビレットを加熱した後、傾斜圧延方式により継目無管を製造する方法であって、ビレットを加熱する際に、前述の本発明の回転炉床式加熱炉の制御方法により制御した回転炉床式加熱炉を用いることを特徴とする製造方法である。
傾斜圧延方式を前提とするので、継目無鋼管を製造する場合であれば、ビレットを製管可能な温度まで加熱し、ピアサー(穿孔機)で穿孔圧延を行ってホローシェルとした後、マンドレルミル等の延伸圧延機で圧延し、最後にサイザー、レデューサー等の定径圧延機で製品寸法に縮径圧延する。
本発明の継目無管の製造方法では、この傾斜圧延方式により継目無管を製造するに際し、ビレットの加熱を前述の本発明の制御方法により制御した回転炉床式加熱炉を用いて行う。この回転炉床式加熱炉を使用すれば、ビレットに発生する上下偏熱を低減することができるので、この上下偏熱の少ないビレットを素材として使用することにより、シェルにおける偏熱および継目無鋼管における偏肉を低減させることが可能となる。
本発明の継目無管の製造方法の特徴は前記特定のビレットを素材として使用する点にある。したがって、それ以外の製造工程全般については、従来実施されている方法、条件に準じて行えばよい。
外径191mm、長さ1410mmの炭素鋼ビレットを対象として、回転炉床式加熱炉を用いて加熱し、ピアサーによる穿孔圧延を行って、外径196mm、肉厚12.82mm、長さ5370mmのシェルを得た。さらに、マンドレルミルにより延伸圧延を行って外径48.3mm、肉厚3.7mm、長さ75100mmの継目無鋼管を製造した。
回転炉床式加熱炉による加熱条件は、抽出温度を1200℃とし、1ゾーンの雰囲気温度を900℃(Tai(℃)/Tao(℃)比:0.75)、1000℃(同比:0.83)および1200℃(同比:1.00)の3条件で変化させた。雰囲気温度900℃は、従来の雰囲気設定温度に該当する。
得られたシェルについては偏熱を、継目無鋼管については偏芯偏肉(この場合の偏肉は、通常偏芯を伴うので、偏芯偏肉と記す)を測定した。シェル偏熱は、得られたシェルの長さ方向中央部の周方向における最高温度と最低温度の差として求めた。また、偏芯偏肉は、得られた継目無鋼管の長さ方向中央部の周方向における最大肉厚と最小肉厚の差の平均肉厚に対する比(%)として求めた。なお、ここでいう平均肉厚とは、前記最大肉厚と最小肉厚との差を2で除した値である。
図3は、ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に対する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)の比とシェル偏熱の関係を示す図である。図3に示されるように、1ゾーンの雰囲気温度/抽出ゾーンの雰囲気温度の比が高くなる(すなわち、1ゾーンの雰囲気温度が高くなる)とともにシェル偏熱が低減し、1ゾーンの雰囲気温度/抽出ゾーンの雰囲気温度の比が1.00(すなわち、1ゾーンの雰囲気温度が抽出ゾーンの雰囲気温度と等しい)では、シェル偏熱が30%程度低減した。
図4は、ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)に対する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)の比と継目無鋼管の偏芯偏肉の関係を示す図である。図4に示されるように、1ゾーンの雰囲気温度/抽出ゾーンの雰囲気温度の比が高くなるとともに継目無鋼管の偏芯偏肉が低減し、1ゾーンの雰囲気温度/抽出ゾーンの雰囲気温度の比が1.00では、偏芯偏肉が30%程度低減した。
図3および図4に示した偏熱および偏芯偏肉の測定結果から、シェル偏熱および継目無鋼管の偏芯偏肉の低減について顕著な効果を得るとともに、1ゾーンの雰囲気温度の上昇に伴う燃料ガス原単位の上昇を極力抑えるという観点から、1ゾーンの雰囲気温度/抽出ゾーンの雰囲気温度の比を0.90以上(すなわち、前記の(1)式を満たす)、と規定することが妥当であると判断した。
本発明の回転炉床式加熱炉の制御方法によれば、ビレットの上面側と下面側に生じる上下偏熱を低減することができ、この方法を用いる継目無管の製造方法によれば、シェルにおける偏熱および継目無鋼管における偏肉を低減することができる。したがって、本発明は、回転炉床式加熱炉を使用し、傾斜圧延方式により継目無管を製造する際に有効に利用することができる。
1:炉床

Claims (2)

  1. 3〜7の加熱ゾーンを具備する回転炉床式加熱炉の制御方法であって、
    ビレットを装入する1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を2ゾーンよりも高く設定し、前記2ゾーン以降の各ゾーンにおける設定温度はビレット抽出ゾーンに向けて階段状に高めており、かつ、
    当該1ゾーンの雰囲気温度(Tai)と前記ビレット抽出ゾーンの雰囲気温度(Tao)が下記(1)式を満たすように1ゾーンの雰囲気温度(Tai)を制御することを特徴とする回転炉床式加熱炉の制御方法。
    Tai(℃)/Tao(℃)≧0.90 ・・・(1)
  2. ビレットを加熱した後、傾斜圧延方式により継目無管を製造する方法であって、
    請求項1に記載の制御方法により制御した回転炉床式加熱炉を用いてビレットを加熱することを特徴とする継目無管の製造方法。
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