JP4352997B2 - 継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、継目無鋼管の製造方法に関し、さらに詳しくは、丸鋳片や丸鋼片といった円柱鋼を加熱炉で加熱する工程を含む継目無鋼管の製造方法に関する。
継目無鋼管は外面疵だけでなく、内面疵を低減する必要がある。たとえば油井管等に利用される継目無鋼管に内面疵が存在する場合、その内面疵を起点として硫化水素割れ等の割れが発生するためである。
内面疵には、穿孔圧延工程の工具等に起因して発生する機械疵と、継目無鋼管の素材である丸鋳片や丸鋼片といった円柱鋼の品質に起因する疵とがあることが確認されている。
機械疵は、たとえば円柱鋼を穿孔中に、円柱鋼にプラグ等の工具が接触することにより発生する。一方、品質に起因する疵は、たとえば円柱鋼内部の中心偏析や軸心割れ、ポロシティ等に起因して発生する。
これらの内面疵に対する複数の対策が今までに報告されている。機械疵の対策は、たとえば下記特許文献1で報告されている。特許文献1では、穿孔圧延機のプラグ表面に炭化物を含む被膜を形成し、プラグ表面に焼き付きが発生するのを抑制する。そのため、継目無鋼管に内面疵が発生するのを防止できる。
品質に起因する疵の対策は、たとえば下記特許文献2で報告されている。特許文献2では、丸鋳片の連続鋳造において、凝固末期の丸鋳片を圧下し、鋳片内の中心偏析等を軽減する。中心偏析等を軽減するため、継目無鋼管に内面疵が発生するのを防止できる。
しかしながら、これらの内面疵の対策を施した継目無鋼管であっても、依然として内面疵が発生する場合がある。そのため、継目無鋼管の内面疵の発生を抑制するためにはさらなる対策が必要である。
特開平9−52105号公報 特許第3402250号公報
本発明の目的は、内面疵の発生を抑制できる継目無鋼管の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明者らは、継目無鋼管に発生した内面疵の発生状況及び内面疵の形状を調査した。その結果、機械疵や品質に起因する疵とは異なる種類の内面疵が発生する場合があることを見出した。この内面疵は、円柱鋼の外径に依存した。具体的には、円柱鋼の外径が大きいほど、この内面疵が発生する頻度が高かった。
さらに調査した結果、この内面疵が円柱鋼の半径方向に伸びる割れに基づいて発生したことが判明した。具体的には、半径方向に伸びる割れを含む円柱鋼を穿孔し、継目無鋼管とした結果、内面疵が発生した。この割れは、加熱炉に装入する前の円柱鋼には発生しておらず、加熱炉から抽出後の円柱鋼に発生した。
以上の結果から、本発明者らはこの割れが加熱炉で円柱鋼を加熱中に発生する熱応力割れであることを見出した。
熱応力割れに起因する内面疵の発生の防止策を検討するために、初めに熱応力割れが発生した複数の円柱鋼について、ミクロ組織試験を実施した。図1に示すように、割れが発生した円柱鋼では、旧オーステナイト粒界の組織(以下、粒界組織と称する)が硬度の低いフェライト(図1(A))、又は、フェライト及びパーライト(図1(B))を含有した。
さらに、JISZ2244に準じて、旧オーステナイト粒内の組織(以下、粒内組織と称する)のビッカース硬度を測定した結果、粒内組織のビッカース硬度は240以上であった。要するに、粒内組織の硬度は粒界組織の硬度よりも高かった。
以上の結果、本発明者らは、硬度の不均一な組織を有する円柱鋼で熱応力割れが発生すると考えた。このような組織を有する円柱鋼を加熱炉で加熱する場合、粒界組織のフェライトは熱応力により伸びるが、硬度の高い粒内組織は伸びない。そのため、組織が不均一に変形し、熱応力割れが発生したと考えた。
熱応力割れの発生を防止する対策の1つとして、このような不均一な組織の発生を防止する方法が考えられる。しかしながら組織を変更するためには円柱鋼の化学組成を調整しなければならない。化学組成を調整すれば、円柱鋼及び継目無鋼管の特性が変わる。円柱鋼の化学組成は、最終的な用途に対応した継目無鋼管の特性に基づいて決定される。そのため、円柱鋼の組成設計の自由度は小さい。換言すると、継目無鋼管を所期の特性とし、かつ、円柱鋼の組織を均一にするように組成設計することは困難である。よって、化学組成を調整することで不均一な組織の発生を防止する方法は採用できない。
不均一な組織の発生を防止する他の方法として、円柱鋼を製造するときの冷却速度を調整する方法がある。たとえば、連続鋳造法により丸鋳片を製造する場合、凝固時の冷却速度を調整して組織を均一にする方法が考えられる。しかしながら、丸鋳片の外径が大きい場合、丸鋳片内部の温度を冷却により制御するのは困難である。そのため、冷却速度を調整しても組織が不均一になる可能性が高い。よって、冷却速度を調整する方法も採用できない。
以上の検討の結果、本発明者らは、熱応力割れの発生の防止対策として、不均一な組織の発生を防止するのではなく、不均一な組織を有する円柱鋼に発生する熱応力を低減する方法を検討した。
加熱炉で円柱鋼を加熱した場合、円柱鋼の表面温度と中心温度との差が大きいほど熱応力は大きくなる。加熱炉温度と円柱鋼の温度とは相関関係があるため、加熱炉温度が高いほど、表面温度と中心温度との差が大きくなり、熱応力は大きくなると考えられる。また、種々のサイズの継目無鋼管を製造するために種々の外径の円柱鋼を用いるが、同じ加熱温度であれば、円柱鋼の外径が大きいほど、円柱鋼に掛かる熱応力は大きくなると考えられる。以上の検討の結果、本発明者らは加熱炉温度と円柱鋼の外径とが熱応力に関係すると考えた。
以上の見解に基づいて、本発明者らは粒界組織の硬度と粒内組織の硬度とが不均一な円柱鋼を用い、円柱鋼の外径及び加熱炉温度と熱応力との関係を調査した。
調査には、外径が225mm、292mm、310mm、360mmの円柱鋼を用いた。全ての円柱鋼の粒界組織はフェライトを含有するか、フェライト及びパーライトを含有し、粒内組織のビッカース硬度は240以上であった。各円柱鋼を加熱炉に装入し、所定の加熱炉温度で加熱した。加熱後円柱鋼を加熱炉から抽出し、冷却した。冷却後、円柱鋼に熱応力割れが発生したか否かを調査した。具体的には、冷却した円柱鋼を軸方向に切断し、切断面を目視して熱応力割れの有無を調査した。
図2に調査結果を示す。熱応力割れが無かった円柱鋼は図中○印で、熱応力割れが発生した円柱鋼は図中×印で示す。調査の結果、本発明者らは、式(1)を満足すれば、円柱鋼に熱応力割れが発生しないことを見出した。
50≧6.35×10−16×(D/2)×T (1)
ここで、Dは円柱鋼の外径(mm)であり、Tは加熱炉温度(K)である。
本発明者らはさらに、加熱炉が複数のゾーンに区切られ、隣接するゾーンの温度が異なる場合についても検討した。通常、加熱炉は円柱鋼が装入される装入口から円柱鋼が抽出される抽出口までの間を装入口に近い順に第1ゾーン〜第Nゾーンに区切られる(Nは自然数)。たとえば図3に示す回転炉床型加熱炉10は、4つのゾーン(第1ゾーン〜第4ゾーン)に区切られる。
回転炉床式加熱炉10は、筒状の外周壁15及び内周壁16に複数のバーナ11を備える。円柱鋼20は装入口12から装入され、複数のバーナ11の輻射熱により加熱される。ドーナツ型の移動炉床14は、図示しないラックギヤ及びピニオンギアを駆動することにより時計回りに回動する。そのため、円柱鋼20は所定時間加熱された後、抽出口13付近に移動する。抽出口付近に移動した円柱鋼は抽出口13から抽出される。回転炉床式加熱炉10は、各ゾーンを異なる温度に設定できる。たとえば、装入口12を含む第1ゾーンの加熱温度を低く設定し、抽出口13を含む第4ゾーンの温度を高く設定することができる。各ゾーンの温度は複数のバーナ11により調整される。このように加熱炉内に温度の異なる複数のゾーンが存在する場合、本発明者らは、第1ゾーンの温度Tが式(2)を満足し、かつ、隣接するゾーンの温度差T−Ti−1(i=2〜N)が式(3)を満足するように円柱鋼を加熱すれば、熱応力割れが発生しないことを見出した。
50≧6.35×10−16×(D/2)×(T(2)
50≧6.35×10−16×(D/2)×(T−Ti−1(3)
以上の知見に基づいて、本発明者らは以下の本発明を完成させた。
本発明による継目無鋼管の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.20〜1.50%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:0.10〜1.50%、Sol.Al:0.001〜0.1%、N:0.0070%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成と、フェライトを含有する旧オーステナイト粒界組織及びビッカース硬度が240以上の旧オーステナイト粒内組織を有する組織とを備えた円柱鋼を加熱炉に装入する工程と、式(1)を満足する加熱炉温度T(K)で、装入した円柱鋼を加熱する工程と、加熱した円柱鋼を軸方向に穿孔する工程とを備える。
50≧6.35×10−16×(D/2)×T (1)
ここで、Dは円柱鋼の外径(mm)である。
本発明による継目無鋼管の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.20〜1.50%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:0.10〜1.50%、Sol.Al:0.001〜0.1%、N:0.0070%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成と、フェライトを含有する旧オーステナイト粒界組織及びビッカース硬度が240以上の旧オーステナイト粒内組織を有する組織とを備えた円柱鋼を、円柱鋼が装入される装入口から円柱鋼が抽出される抽出口までの間を装入口に近い順に第1ゾーン〜第Nゾーンに区切られた加熱炉に装入する工程と、加熱炉第1ゾーンの温度T1が式(2)を満足し、かつ、加熱炉の隣接するゾーンの温度差Ti−Ti−1(i=2〜N)が式(3)を満足するように、装入した円柱鋼を加熱する工程と、加熱した円柱鋼を軸方向に穿孔する工程とを備える。
50≧6.35×10−16×(D/2)×(T(2)
50≧6.35×10−16×(D/2)×(T−Ti−1(3)
ここで、Dは円柱鋼の外径(mm)であり、i及びNは自然数である。
好ましくは、旧オーステナイト粒界組織はさらに、パーライトを含有する。
好ましくは、円柱鋼はさらに、Mo:0.05〜1.00%、B:0.0005〜0.0025%のうちの1種以上を含有する。
好ましくは、Ti:0.005〜0.050%、Nb:0.005〜0.040%、V:0.03〜0.30%のうちの1種以上を含有する。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
1.組織
本発明の継目無鋼管の製造方法に使用される円柱鋼の粒界組織はフェライト、又はフェライト及びパーライトを含有する。また、粒内組織のビッカース硬度は240以上である。このような組織を有する円柱鋼は、後述する化学組成と連続鋳造後の冷却速度との組合せで製造される。たとえば、後述する実施例中の鋼種BT3及びBT4の化学組成を有する円柱鋼を連続鋳造法で製造後、4〜10℃/minの冷却速度で冷却する。この場合、初めに旧オーステナイト粒界にフェライト、又はフェライト及びパーライトが析出する。フェライト、又はフェライト及びパーライトが析出した後、残りの組織(すなわち粒内組織)がベイナイト又はマルテンサイトとなり、粒内組織のビッカース硬度が240以上になる。なお、円柱鋼は丸鋳片でもよいし丸鋼片でもよい。つまり、円柱鋼は鋼塊又は鋳片を分塊圧延機により圧延することにより製造されてもよい。また、鍛造により製造されてもよい。
上記組織を有する円柱鋼は、たとえば以下の化学組成を有する。
C:0.15〜0.35%
Cは鋼の焼き入れ性を高め、鋼の強度を上げる有効な元素である。鋼に必要な強度を保持するためにCの含有量の下限を0.15%とする。一方、Cの過剰な添加は焼き割れを引き起こす。また、Cの過剰な添加は鋼管の靭性を劣化する。そのため、Cの含有量の上限を0.35%とする。好ましくは、Cの含有量は0.20〜0.29%である。
Si:0.10〜0.50%
Siは鋼の脱酸に有効な元素である。さらに、Siは鋼の焼き戻し軟化抵抗を高める。これらの効果を奏するためにSiの含有量の下限を0.10%とする。一方、Siの過剰な添加は鋼の熱間加工性を低下させる。そのため、Siの含有量の上限を0.50%とする。
Mn:0.20〜1.50%
Mnは鋼の焼き入れ性を高め、鋼の強度及び靭性を上げる有効な元素である。鋼に必要な強度及び靭性を保持するために、Mnの含有量の下限を0.20%とする。一方、Mnの過剰な添加は鋼の肉厚方向の偏析を増加させ、鋼の靭性を低下する。そのため、Mnの含有量の上限を1.50%とする。好ましくは、Mnの含有量は0.40〜1.40%である。
P:0.03%以下
Pは不純物であり、粒界に偏析して鋼の靭性を低下する。そのため、Pの含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、Pの含有量を0.03%以下に制限する。好ましくは、Pの含有量は0.015%以下に制限する。
S:0.01%以下
Sは不純物であり、鋼中でMnS等の介在物を形成する。この介在物は熱間圧延により伸延され、針状の形状になる。針状となった介在物はその端部に応力集中を起こすため、鋼の靭性が低下する。そのため、Sの含有量は0.01%以下に制限する。好ましくは、Sの含有量は0.005%以下に制限する。
Cr:0.10〜1.50%
Crは鋼の焼き入れ性を高め、鋼の強度を上げる。さらにCrは鋼の炭酸ガス腐食を防止する。これらの効果を奏するために、Crの含有量の下限を0.10%とする。一方、Crの過剰な添加は鋼中に粗大な炭化物を形成する。粗大な炭化物は鋼の靭性を劣化する。そのため、Crの含有量の上限を1.50%にする。好ましくは、Crの含有量は0.20〜1.15%である。
sol.Al:0.001〜0.1%
Alは、鋼の脱酸に必要な元素である。この効果を発揮するためにsol.Alの含有量の下限を0.001%とする。一方、Alの過剰な添加は鋼の靭性を低下する。そのため、sol.Alの含有量の上限値を0.1%とする。好ましくは、sol.Alの含有量を0.010〜0.060%とする。
N:0.0070%以下
Nは不純物であり、鋼中のAlや後述するTiやNbと結合して窒化物を形成する。これらの窒化物は鋼の靭性を低下する。そのため、そのため、Nの含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、Nの含有量は0.0070%以下に制限する。
なお、残部はFeで構成されるが、製造過程の種々の要因により不純物が含まれることもあり得る。ここでいう不純物には、たとえば0.08%以下のNiや0.06%以下のCuが含まれる。
上記組織を有する円柱鋼はさらに、上記化学組成に加えてMo、Bのうち1種以上を含有してもよい。以下、各元素について説明する。
Mo:0.05〜1.00%
Moは鋼の焼き入れ性を高め、鋼の強度を上げる。さらに、P等による鋼の脆化を抑制する。これらの効果を得るために、Moの含有量の下限を0.05%とする。一方、Moの過剰な添加は粗大な炭化物の析出を促進させる。そのため、Moの含有量の上限を1.0%とする。好ましくは、Moの含有量は0.08〜0.80%である。
B:0.0005〜0.0025%
Bは鋼の焼き入れ性を著しく向上させる。この効果を得るために、Bの含有量の下限を0.0005%とする。一方、Bの過剰な添加は粒界に炭窒化物を析出させ、鋼の靭性を低下させる。そのため、Bの含有量の上限を0.0025%とする。好ましくは、Bの含有量は0.0008〜0.0018%である。
上記組織を有する円柱鋼はさらに、上記化学組成に加えてTi、Nb、Vのうち1種以上を含有してもよい。以下、各元素について説明する。
Ti:0.005〜0.05%
TiはNを単独で固溶させずにTiNとして析出させる。TiNは結晶粒の粗大化を防止するため、鋼の強度及び靭性は向上する。この効果を得るために、Tiの含有量の下限を0.005%にする。ただし、Tiの過剰な添加はTiCを析出し、鋼の靭性を低下する。そのため、Tiの含有量の上限を0.05%とする。好ましくは、Tiの含有量は0.008〜0.030%である。
Nb:0.005〜0.040%
NbはNbNやNbCを形成する。NbN及びNbCは高温域での結晶粒の粗大化を防止するため、鋼の強度は向上する。この効果を得るために、Nbの含有量の下限を0.005%にする。ただし、Nbの過剰な添加は鋼中の偏析を増長する。そのため、Nbの含有量の上限を0.04%とする。好ましくは、Nbの含有量は0.006〜0.030%とする。
V:0.03〜0.30%
VはVCを形成し、鋼の強度を上げる。ただし、Vの過剰な添加は鋼の靭性を低下する。そのため、Vの含有量を0.03〜0.30%とする。好ましくは、0.05〜0.22%とする。
2.製造方法
本実施の形態による継目無鋼管の製造方法を説明する。
粒界組織がフェライト、又はフェライト及びパーライトを含有し、粒内組織のビッカース硬度が240以上である円柱鋼を加熱炉に装入する。加熱炉はたとえば図3に示した回転炉床式加熱炉やウォーキングハース式加熱炉やウォーキングビーム式加熱炉等である。これらの加熱炉内複数のゾーンに区切られていてもよい。
装入された円柱鋼を加熱炉で加熱する。このとき、円柱鋼の外径D(mm)に基づいて、加熱炉の温度を調整する。具体的には、加熱炉温度を所定の温度Tにする場合、式(1)を満足する温度Tで円柱鋼を加熱する。
また、加熱炉が装入口から順に第1ゾーン〜第Nゾーンに区切られ、隣接するゾーンの温度が異なる場合、第1ゾーンの温度Tが式(2)を満足するように温度Tを調整する。さらに、隣接するゾーンの温度差T−Ti−1(i=2〜N)が式(3)を満足するように温度差T−Ti−1を調整する。このとき、加熱炉の各ゾーンに備えられた温度測定装置の測定結果に基づいて、各ゾーンの温度を複数のバーナにより調整する。温度調整は自動で行われてもよいし、手動で行われてもよい。
式(1)、又は式(2)及び式(3)を満足する温度で円柱鋼を加熱後、加熱炉から円柱鋼を抽出する。続いて、抽出された円柱鋼を穿孔機により軸方向に穿孔する。その後、マンドレルミル及びレデューサ等により所定の寸法の継目無鋼管に形成する。
表1に示す化学組成の丸鋳片を加熱炉にて加熱後、継目無鋼管に圧延し、内面疵の発生状況を調査した。
Figure 0004352997
表1に示す鋼種BT1〜BT4の化学組成を有する複数の丸鋳片を連続鋳造法により製造した。鋼種がBT1又はBT2である複数の丸鋳片は外径Dを310mmとした。一方、鋼種BT3については、外径Dが225mmの複数の丸鋳片と外径Dが310mmの複数の丸鋳片とを製造した。鋼種BT4については、外径Dが225mm、292mm、310mm、360mmの複数の丸鋳片を製造した。なお、表1中のNi、Cuは製造過程中の種々の要因により各円柱鋼に含まれた不純物である。
鋼種ごとに丸鋳片からミクロサンプルを採取し、ミクロ組織試験により組織観察を行った。具体的には、各鋼種において、複数の丸鋳片から任意の丸鋳片を3本選択した。選択された丸鋳片からミクロサンプルを採取した。ミクロサンプルは丸鋳片の軸方向に垂直な断面の中心から半径方向にD/4の位置で2つ採取した。ミクロサンプルの大きさは15mm×20mmとした。採取した複数のミクロサンプルの表面を研磨した後、硝酸エタノールにより表面をエッチングした。エッチングした各ミクロサンプルの表面の組織を観察した。組織観察では、光学顕微鏡を用いて100倍の倍率でミクロサンプルごとに15視野観察した。
ミクロ組織試験を実施後、JISZ2244に基づいて各ミクロサンプルに対してビッカース硬度試験を実施した。具体的には、各ミクロサンプル内の9つの粒内組織に対してビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度試験の荷重は1kgとした。測定したビッカース硬度(鋼種ごとに54点測定)の平均値を各鋼種のビッカース硬度とした。
表1に示すように、鋼種BT1の粒内組織のビッカース硬度は本発明の規定値を満足したものの、粒界組織が本発明の規定とは異なるマルテンサイトであった。また、鋼種BT2の粒界組織は、本発明に規定するフェライト及びパーライトであったが、粒内組織のビッカース硬度が本発明の規定値未満であった。
一方、鋼種BT3の粒界組織は本発明に規定するフェライト及びパーライトであり、粒内組織のビッカース硬度も本発明の規定値を満たした。また鋼種BT4の粒界組織は本発明に規定するフェライトであり、粒内組織のビッカース硬度も本発明の規定値を満たした。
以上の組織を有する鋼種BT1〜BT4の丸鋳片を表2に示す加熱条件で加熱し、加熱した丸鋳片を穿孔及び圧延し、表2に示す外径の継目無鋼管にした。以下、詳細を説明する。
Figure 0004352997
表2中の各試験番号の鋼種及び外径の丸ビレットをそれぞれ50本準備した。炉内を2つのゾーン(第1及び第2ゾーン)に区切られた回転炉床式加熱炉を用い、各試験番号の丸ビレットを表2の加熱条件で加熱した。このとき、各試験番号の試験について、式(4)に示した第1ゾーンのFT(Furnace Temperature)値、式(5)に示した第2ゾーンのFT値をそれぞれ求めた。
FT値=6.35×10−16×(D/2)×(T (4)
FT値=6.35×10−16×(D/2)×(T−T(5)
ここで、Tは第1ゾーンの温度であり、Tは第2ゾーンの温度である。
要するに、FT値は式(2)の右辺であり、FT値は式(3)の右辺である。本発明例である試験番号1〜5の試験では、第1ゾーンのFT値及び第2ゾーンのFT値が何れも本発明の範囲内となった。一方、比較例である試験番号6〜11の試験では、FT値が本発明の範囲を超えた。
丸鋳片を加熱炉で加熱後、丸鋳片のうち1本を加熱炉から抽出し、穿孔圧延することなく空冷した。また、残り(49本)の丸鋳片を加熱炉から抽出し、穿孔圧延機により穿孔した後、マンドレルミル及びレデューサにより継目無鋼管にした。
[熱応力割れ調査]
各試験番号の丸鋳片のうち、加熱炉から抽出後冷却した丸鋳片に熱応力割れが発生しているか否か調査した。熱応力割れは丸鋳片の半径方向に沿って発生する。そのため、丸鋳片を軸方向に切断し、切断面に熱応力割れが発生しているか否か調査した。切断面の割れの有無は目視にて観察した。丸鋳片中に1箇所でも熱応力割れが発生している場合、熱応力割れが発生したと判断した。表2中の熱応力割れの欄の「有」は熱応力割れが発生したことを示し、「無」は熱応力割れが発生しなかったことを示す。
[内面疵調査]
各試験番号の丸鋳片から製造された継目無鋼管に対して、内面疵を調査した。具体的には、製造した全ての継目無鋼管に対して目視観察及び超音波探傷を実施し、内面疵の有無を確認した。超音波探傷の探傷条件はAPI5CTのSR2規定とした。内面疵が確認された継目無鋼管についてはさらに、内面疵の要因を調査した。先述したように、内面疵には、熱応力割れに起因する疵、機械疵、丸鋳片の品質に起因する疵がある。本実施例では、熱応力割れにより発生した内面疵のみを調査対象とするため、他の要因による内面疵(機械疵及び品質に起因する疵)は対象外にする必要がある。本実施例では、内面疵の形状から内面疵の発生要因を推定し、熱応力割れにより発生した内面疵を特定した。
各試験番号の継目無鋼管において、熱応力割れに起因した内面疵が発生した継目無鋼管の数をカウントした。カウント数を製造した継目無鋼管の全数で除した値を内面疵発生率とした。
[調査結果]
本発明例である試験番号1〜5の試験では、いずれも丸鋳片に熱応力割れが発生しなかった。また、製造した継目無鋼管の内面疵発生率は0%であった。
比較例である試験番号6及び7の試験では、FT値が本発明の範囲を超えたものの、丸鋳片に熱応力割れが発生せず、継目無鋼管に内面疵も発生しなかった。試験番号6で用いた丸鋳片の鋼種BT1は本発明の規定範囲外の鋼種であり、粒界組織がマルテンサイトであった。鋼種BT1は粒界組織及び粒内組織が同一であり、両者の硬度差が小さいために、熱応力割れが発生しなかったと考えられる。同様に、試験番号7で用いた丸鋳片の鋼種BT2は粒界組織がフェライト及びパーライトであり、粒内組織の硬度は比較的低かった。粒内組織及び粒界組織の硬度が共に低く、両者の硬度差が小さいため、熱応力割れが発生しなかったと考えられる。
一方、試験番号8〜11の試験では、FT値が本発明の範囲を超えたため、丸鋳片に熱応力割れが発生し、継目無鋼管にも内面疵が発生した。これらの試験に用いた丸鋳片は本発明の規定を満たす組織であった。すなわち、粒界組織の硬度と粒内組織の硬度とが不均一であった。このような組織を有する丸鋳片を加熱したとき、FT値が本発明の規定を超えたため、内面疵の要因である熱応力割れが発生した。
以上、本実施例では、FT値及びFT値を用いて各試験番号の加熱温度が式(2)及び式(3)を満足するか否かを検討した。しかしながら、加熱炉の第1ゾーン及び第2ゾーンの温度が同じである試験番号については、式(1)を満足するか否かを検討してもよい。たとえば、本発明例の試験番号1は加熱炉の第1及び第2ゾーンの温度が共に1523Kである。この場合、試験番号1の加熱温度(1523K)は式(1)を満足したため、疵発生率が0%であったといえる。
また、本実施例では、本発明の規定を満足する組織を有する鋼種BT3はMo、Ti、Nb、V、Bを含有したが、これらの合金元素を含有しなくても、円柱鋼の粒界組織はフェライト、又はフェライト及びパーライトを含有し、かつ、粒内組織のビッカース硬度は240以上となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明による継目無鋼管の製造方法は、加熱炉を用いる継目無鋼管の製造方法に広く適用できるが、特に油井管として利用される継目無鋼管の製造方法に利用可能である。
本発明に使用する円柱鋼内の組織を説明するための図である。 円柱鋼の外径及び加熱炉内温度と熱応力との関係を示す図である。 回転炉床式加熱炉を上面から見た断面図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.20〜1.50%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:0.10〜1.50%、Sol.Al:0.001〜0.1%、N:0.0070%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成と、フェライトを含有する旧オーステナイト粒界組織及びビッカース硬度が240以上の旧オーステナイト粒内組織を有する組織とを備えた円柱鋼を加熱炉に装入する工程と、
    式(1)を満足する加熱炉温度T(K)で前記装入した円柱鋼を加熱する工程と、
    前記加熱した円柱鋼を軸方向に穿孔する工程とを備えることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
    50≧6.35×10−16×(D/2)×T (1)
    ここで、Dは前記円柱鋼の外径(mm)である。
  2. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.20〜1.50%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:0.10〜1.50%、Sol.Al:0.001〜0.1%、N:0.0070%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成と、フェライトを含有する旧オーステナイト粒界組織及びビッカース硬度が240以上の旧オーステナイト粒内組織を有する組織とを備えた円柱鋼を、前記円柱鋼が装入される装入口から前記円柱鋼が抽出される抽出口までの間を前記装入口に近い順に第1ゾーン〜第Nゾーンに区切られた加熱炉に装入する工程と、
    前記加熱炉の第1ゾーンの温度Tが式(2)を満足し、かつ、前記加熱炉の隣接するゾーンの温度差T−Ti−1(i=2〜N)が式(3)を満足するように前記装入した円柱鋼を加熱する工程と、
    前記加熱した円柱鋼を軸方向に穿孔する工程とを備えることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
    50≧6.35×10−16×(D/2)×(T (2)
    50≧6.35×10−16×(D/2)×(T−Ti−1 (3)
    ここで、Dは前記円柱鋼の外径(mm)であり、i及びNは自然数である。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の継目無鋼管の製造方法であって、
    前記旧オーステナイト粒界組織はさらに、パーライトを含有することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の継目無鋼管の製造方法であって、
    前記円柱鋼はさらに、Mo:0.05〜1.00%、B:0.0005〜0.0025%のうちの1種以上を含有することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の継目無鋼管の製造方法であって、
    前記円柱鋼はさらに、Ti:0.005〜0.050%、Nb:0.005〜0.040%、V:0.03〜0.30%のうちの1種以上を含有することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
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