JP5767820B2 - チューブ容器及びその製造方法 - Google Patents
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Description
注出体904は、外周面に蓋体(不図示)と螺合するネジ部が形成された、略円筒状のものであり、その基端から外方に延設された肩部920と一体成形されたものである。チューブ本体902は、ラミネートフィルムからなる略円筒状の胴部910と、胴部910の一端に接続された肩部920とで構成され、内部が内容物を収納する収納部とされている。
このようなチューブ容器900においては、胴部910と肩部920との接合部906に、内容物の漏洩を防止するための高い密閉性が要求される。
例えば、特許文献1には、円筒状に形成した袋体の一端を鋸歯状に裁断して形成した舌状片を口片の外面に貼着した搾り出しチューブが開示されている。
また、特許文献2には、胴部の一端が延長されて延長部が設けられ、この延長部は周方向に適当なピッチで形成された切欠部により複数のフラップに分割され、このフラップが肩部を構成する樹脂中に埋め込まれているチューブ容器が開示されている。
こうした問題に対し、口部下側から水平又は傾斜して伸びる多角形状のパネル部と、多角形状のパネル部と底辺を共通にし、頂点が下向きの三角形のパネル部と、頂点が下向きの三角形のパネル部間に形成される、頂点が上向きの三角形のパネル部と、頂点が上向きの三角形のパネル部と底辺を共通にする、下向きの舌片形又は多角形のパネル部とから構成される複数のパネル部を肩部に形成したチューブ容器が提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3の発明によれば、各パネルの接続部に従って手指で容易にチューブ容器を潰せるため、内容物を残らず注出できる。
即ち、チューブ本体にラミネートフィルムを採用するに当たり、適度な強度と潰しやすさとを備える肩部を形成することが困難であった。
そこで、本発明は、肩部の強度を適切に維持しつつ、内容物を残すことなく注出できるチューブ容器を目的とする。
前記ラミネートフィルムには、バリア層が設けられ、前記肩部には、前記延長片の重なり部分における前記バリア層の重層部が、前記注出体の軸線回りに環状配置されたことが好ましい。前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが直線であってもよく、前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが円弧状であってもよい。
前記注出体取付工程は、熱溶着により前記延長片同士を接着することが好ましい。
本発明によれば、前記ラミネートフィルムには、バリア層が設けられ、前記肩部には、前記延長片の重なり部分における前記バリア層の重層部が、前記注出体の軸線回りに環状配置されているため、肩部の強度の向上が図れる。
本発明によれば、前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが直線であるため、容易に肩部を形成できる。
本発明によれば、前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが円弧状であるため、容易に肩部を形成できる。
本発明によれば、前記注出体取付工程は、熱溶着により前記延長片同士を接着するため、容易かつ見栄えよく肩部を形成できる。
チューブ容器1の製造方法としては、例えば、切込部形成工程と、注出体取付工程とを備えるものが挙げられる。
切込部14の形成方法は、特に限定されず、例えば、切込部14に対応するように軸線O2回りに配置された刃物や、ダイカット機を用いて形成する方法が挙げられる。
切込部14の長さ、即ち始端14aから終端14bまでの距離は、ラミネートフィルム60の内径や、肩部開口部21(図1(a))の大きさ等を勘案して適宜決定できる。
まず、図5〜6に示すように、任意の延長片16における切込部14に沿った部分を、この任意の延長片16に隣接する他の延長片16に重ね、延長部12の開口径、即ちフィルム開口端13の開口径をすぼめて縮径部20aを形成する。この際、縮径部20aには、隣接する延長片16同士が重なる重ね部22aが形成されると共に、先端に縮径部開口部21aが形成される。こうして、胴部10と縮径部20aとを備えた仮本体2aが得られる。
縮径部20aの内側から、縮径部開口部21aに口頸部40を挿入すると共に、拡径部41を縮径部開口部21aの周縁部に当接させ、仮本体2aに注出体4を設ける(以上、組立操作)。
こうして、チューブ本体2の一端に注出体4が設けられ、チューブ本体2の他端(本体底側端)が開口したチューブ容器1を得ることができる。
注出体4の外径、即ち拡径部41の外径R1は、肩部20の外径、即ち境界6の輪郭の径(肩部外径)R2よりも小さいものであり(図2)、例えば、肩部外径R2に対し、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、肩部20の柔軟性が確保され、内容物をより容易に残すことなく注出できる。下限値は、特に限定されず、延長片16を構成するラミネートフィルムの材質や、注出体4の材質等を勘案して決定できる。
第一の樹脂層50の厚さは、材質等を勘案して決定でき、例えば、50〜150μmとされる。
第二の樹脂層54の材質は、第一の樹脂層50の材質と同様であり、第二の樹脂層54の厚さは、第一の樹脂層50の厚さと同様である。
バリア層52の厚さは、材質等を勘案し徹底でき、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上記下限値未満であると、チューブ本体2、特に肩部20の強度が不十分になるおそれがあり、上記上限値超であると、胴部10が硬くなり内容物を注出しにくくなったり、肩部20を潰すのが困難になるおそれがある。
口頸部40に蓋体を螺合する。次いで、本体底側端の開口部(以下、底側開口部ということがある)から、チューブ本体2内に内容物を充填する。内容物としては、ペースト状、ゲル状、ゼリー状、又はクリーム状等流動性を有するものであればよく、例えば、練り歯磨、シャンプー、リンス、トリートメント、練り調味料、接着剤、パテ等が挙げられる。
本実施形態によれば、肩部が胴部と同じラミネートフィルムで形成されているため、手指で容易に肩部を潰して、内容物を残すことなく注出できる。加えて、肩部にはバリア層が重ねられた重層部が注出体の軸線回りに放射状に形成され、この重層部が肩部の骨格となり、肩部の強度をより適切なものにできる。このため、蓋体の着脱等によって、容易に肩部が変形したり、流通・保管中に肩部が変形したりするのをより防止できる。加えて、重層部同士の間には、バリア層が一重とされた領域を有するため、手指で容易に肩部を潰し、内容物を残すことなく注出できる。
上述の実施形態では、チューブ本体がバリア層を備えるラミネートフィルムで構成されているが、本発明はこれに限定されず、チューブ本体がバリア層を備えないラミネートフィルムで構成されていてもよい。
まず、図8に示すように、フィルム開口端113から、ラミネートフィルム160の軸線O2方向に伸びる円弧状の切込部114を8本形成して、切込部114同士の間に8個の延長片116を形成する。こうして、ラミネートフィルム160には、胴部10と、胴部10から延長され、その延長端、即ちフィルム開口端113から胴部10に向かって伸びる切込部114が形成された延長部112とが形成される(切込部形成工程)。
縮径部120aの内側から、縮径部開口部121aに口頸部40を挿入すると共に、拡径部41を縮径部開口部121aの周縁部に当接させ、仮本体102aに注出体4を設ける(以上、組立操作)。
2 チューブ本体
4 注出体
10 胴部
12、112 延長部
13、113 フィルム開口端
14、114 切込部
14a、114a 始端
14b、114b 終端
16、116 延長片
20 肩部
22 重層部
22a、122a 重ね部
Claims (5)
- 筒状のラミネートフィルムにより形成され、その内部が内容物を収納する収納部とされたチューブ本体と、該チューブ本体の一端に設けられた注出体とを備え、前記チューブ本体は、前記一端側が筒状に形成された胴部と、該胴部と前記注出体との間に設けられ、前記胴部から前記注出体に向かい漸次縮径する肩部とを備え、前記注出体は、外径が前記肩部の外周縁の径よりも小さいものとされ、基端が前記肩部に接続されたチューブ容器において、
前記肩部は、前記胴部を延長させた延長部に、延長端から前記胴部に向かって伸びる切込部を周方向に複数形成して前記切込部同士の間に延長片を形成し、この延長片同士を重ね、接着して、形成したものであり、
前記ラミネートフィルムには、バリア層が設けられ、
前記肩部には、前記延長片の重なり部分における前記バリア層の重層部が、前記注出体の軸線回りに環状配置されたことを特徴とするチューブ容器。 - 前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが直線であることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ容器。
- 前記切込部は、切込部形成時に、始端から終端までが円弧状であることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ容器。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のチューブ容器の製造方法であって、
筒状のラミネートフィルムに、その一方の開口端を始端とする切込部を複数形成すると共に、前記切込部同士の間に延長片を形成する切込部形成工程と、
前記延長片同士を重ね、接着して、前記一方の開口端をすぼめ、すぼめた開口端に注出体を設ける注出体取付工程とを備えることを特徴とするチューブ容器の製造方法。 - 前記注出体取付工程は、熱溶着により前記延長片同士を接着することを特徴とする、請求項4に記載のチューブ容器の製造方法。
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