JP5767514B2 - ロボット用外装部品 - Google Patents
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Description
オキシメチレンコポリマー(A)と充填材(B)と脂肪酸(C)とを含むオキシメチレン樹脂組成物を含有するロボット用外装部品。
該オキシメチレンコポリマー(A)が、オキシメチレン成分と、該オキシメチレン成分以外のオキシアルキレン成分とを含み、
該オキシアルキレン成分の含有割合が、該オキシメチレン成分に対して、0.3〜1.3モル%である、[1]記載のロボット用外装部品。
該充填材(B)の含有量が12〜35質量%であるオキシメチレン樹脂組成物を含有する、[1]または[2]記載のロボット用外装部品。
該充填材(B)が、全充填材の質量に対する60%以上が平均粒径0.04〜0.8μmの無機酸塩系充填材である、[1]〜[3]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該充填材(B)が、炭酸塩系充填材および珪酸塩系充填材を含む、[1]〜[4]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該充填材(B)が、JIS K5101試験法によるpHが9.2以上10.0以下であり、かつ表面処理がなされていない炭酸カルシウムを含む、[1]〜[5]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該脂肪酸(C)と該充填材(B)との質量比[(C)/(B)]が0.027〜0.06である、[1]〜[6]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該脂肪酸(C)が、炭素数12〜27の1価の脂肪酸(C1)と、炭素数28〜36の1価の脂肪酸(C2)とを含む、[1]〜[7]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該脂肪酸(C1)と該脂肪酸(C2)との質量比[(C1)/(C2)]が1〜5である、[8]記載のロボット用外装部品。
該オキシメチレン樹脂組成物が、さらに脂肪酸のカルシウム塩(D)を含む、[1]〜[9]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該脂肪酸(C)と該脂肪酸のカルシウム塩(D)との質量比[(C)/(D)]が4〜15である、[10]記載のロボット用外装部品。
油、グリース、洗剤および溶剤からなる群より選択される少なくとも1種と接触する外装部品として使用する、[1]〜[11]のいずれか記載のロボット用外装部品。
該ロボットが、OA機器、音楽機器、映像機器、情報通信機器、電気電子機器、自動車、工業機器、農業機器、医療用機器、医薬品加工機器、食品加工機器、住宅用機器および衛生用機器からなる群より選択される少なくとも1種の本体または該本体の部品を生産するためのロボットである、[1]〜[12]のいずれか記載のロボット用外装部品。
本実施の形態のロボット用外装部品とは、ロボットの外側に装備されて使用される部品、および/またはロボットの人から見えるところに装備される部品のことをいう。
本実施の形態のロボット用外装部品を構成する樹脂組成物について、以下に説明する。当該ロボット用外装部品は、特定のオキシメチレン樹脂組成物を含有する。また、当該ロボット用外装部品は、例えば、特定のオキシメチレン樹脂組成物を成形することにより得られる。かかるオキシメチレン樹脂組成物は、下記のオキシメチレンコポリマー(A)、充填材(B)および脂肪酸(C)を含む。
オキシメチレンコポリマー(A)は、例えば、下記の工程(1)および(2)により得ることができる。
オキシメチレンコポリマー(A)とは、オキシメチレン基を主鎖に有し、分子中に炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを有する重合体を表す。本実施の形態においては、ロボット用外装部品の生産性や物性バランスを維持し耐久性などを向上させるため、オキシメチレンホモポリマーではなく、オキシメチレンコポリマーを用いる。
主モノマーは、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサン若しくは4量体であるテトラオキサン等の環状オリゴマーを用いることが好ましい。ここで、本明細書における「主モノマー」とは、全モノマー量に対して50質量%以上含有されているモノマー成分をいう。
オキシメチレンコポリマー(A)を得る際の重合において連鎖移動剤を用いてもよい。該連鎖移動剤としては、公知の成分、例えば、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル等の低級脂肪族アルキル基であるホルムアルデヒドのジアルキルアセタールおよびそのオリゴマー、ならびにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノール等の低級脂肪族アルコールを用いることが好ましい。長鎖分岐オキシメチレンコポリマー(A)を得るために、ポリエーテルポリオール、およびポリエーテルポリオールのアルキレンオキサイド付加物を用いてもよい。
オキシメチレンコポリマー(A)を得る際の重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸、およびプロトン酸のエステルまたは無水物等の、カチオン活性触媒が好ましい。
末端安定化させたオキシメチレンコポリマー(A)は、上記工程により得られた粗ポリマーに含まれる不安定末端部分を分解除去することによって得られる。この不安定末端部分の分解除去方法としては、特に限定されないが、例えば、ベント付き単軸スクリュー式押出機やベント付き2軸スクリュー式押出機等を用いて、公知の塩基性物質である分解除去剤の存在下、粗ポリマーを溶融して不安定末端部分を分解除去することができる。末端安定化における溶融混練を行う場合には、品質や作業環境の保持のために、不活性ガスによる置換、ならびに一段および多段ベントによる脱気をすることが好ましい。
不安定末端部分の分解除去剤として、特に限定されないが、例えばアンモニア、トリエチルアミンおよびトリブチルアミン等の脂肪族アミン、ならびに水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の、水酸化物、無機弱酸塩および有機弱酸塩等の、公知の塩基性物質が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩の化合物の具体例として、特に限定されないが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物が挙げられる。
第4級アンモニウム化合物は、粗ポリマーを溶融する前に予め添加してもよいし、溶融させた粗ポリマーに添加してもよい。
オキシメチレンコポリマー(A)は、オキシメチレン成分と、該オキシメチレン成分以外のオキシアルキレン成分(コモノマーユニット)とを含むことが好ましい。
本実施の形態に用いるオキシメチレン樹脂組成物は、ロボット用外装部品が優れた生産性と物性バランスとを維持し、耐久性などを高めるため、充填材(B)を含む。
本実施の形態に用いるオキシメチレン樹脂組成物は、ロボット用外装部品の生産性や物性バランスを維持し、耐久性などを高めるために脂肪酸(C)を含む。
本実施の形態に用いるオキシメチレン樹脂組成物は、ロボット用外装部品の生産性を維持し、耐久性などを高めるため、さらに脂肪酸のカルシウム塩(D)を含むことが好ましい。この脂肪酸のカルシウム塩(D)と脂肪酸(C)との質量比[脂肪酸(C)/脂肪酸のカルシウム塩(D)]は、3〜20であることが好ましく、4〜15であることがより好ましく、さらに好ましくは5〜13である。質量比[(C)/(D)]を前記範囲内とすることにより、生産性を維持し、より耐久性などを高めることができるため、好ましい。
本実施の形態に用いるオキシメチレン樹脂組成物は、上記オキシメチレンコポリマー(A)に、添加剤として充填材(B)、脂肪酸(C)を含む。さらに脂肪酸のカルシウム塩(D)を含むことが好ましい。また、オキシメチレン樹脂組成物は、本実施の形態の目的を損なわない範囲で、従来公知のその他の添加剤を含んでもよい。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、ホルムアルデヒドや蟻酸の捕捉剤、耐候(光)剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、強化材、他の熱可塑性樹脂、柔軟性付与剤が挙げられる。
オキシメチレン樹脂組成物は、本実施の形態のロボット用外装部品を構成する樹脂組成物であり、上述のように、オキシメチレンコポリマー(A)、充填材(B)、脂肪酸(C)、さらに好ましくは脂肪酸のカルシウム塩(D)やその他の添加剤(E)を含有する。以下では、上記成分(A)〜(E)を全て用いた場合のオキシメチレン樹脂組成物の製造方法を例示的に説明する。
本実施の形態のロボット用外装部品の製造方法としては、従来のオキシメチレン樹脂等に用いられる多様な公知の成形方法が挙げられる。
本実施の形態のロボット用外装部品は、通常の外装部品と異なりロボット固有の特殊な環境下で使用される。その使用環境や用途について、以下に説明する。
本実施の形態のロボット用外装部品は、ロボットが稼動部を有するため、該稼動部を保護するために添加される種々の油やグリース(ギア油、作動油、タービン油、防錆油、ポンプ油、リチウム系やモリブデン系やシリコン系グリースなど)などに接触しても、耐久性を有する必要がある。また外装部品として、繰り返し洗浄のため洗剤や溶剤(界面活性剤、金属石鹸、塩素系洗剤、研磨剤・錆落とし、アルコール類やケトン類などの有機薬品など)などと接触しても、ある程度の外観を保持し、意匠性を維持する必要がある。
本実施の形態のロボット用外装部品は、カバー、バスケットやホルダーなどの外装部品・容器類やこれらの一部の部位、バルブやエルボー、ノズルなどの配管・ジョイント類、搬送用のチェーンやコンベアなどに使用される。本実施の形態のロボット用外装部品におけるロボットとしては、特に限定されないが、例えば、OA機器、音楽機器、映像機器、情報通信機器、電気電子機器、自動車、工業機器、農業機器、医療用機器、医薬品加工機器、食品加工機器、住宅用機器および衛生用機器からなる群より選択される少なくとも1種の本体または該本体の部品を生産するためのロボットが挙げられる。
実施例および比較例の樹脂組成物に用いた成分を以下に説明する。また、各樹脂組成物等を構成する各成分について下記表1〜3に示す。
1.1.オキシメチレンコポリマー(A−1)の調製
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。該重合機に、トリオキサンを4kg/hrと、コモノマーとして1,3−ジオキソランと、連鎖移動剤としてメチラールとを供給して重合を行なった。コモノマーの供給量は、オキシメチレンコポリマー(A)中のオキシアルキレン成分の含有割合が、オキシメチレン成分に対して、0.6モル%となるように調整を行なった。また同様にメチラールの供給量は、オキシメチレンコポリマー(A)のメルトフローレート(ISO1133条件D、190℃)が3g/10分となるように調整を行なった。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対して1.5×10-5モルとなる量で、連続的に添加し重合を行ない、粗オキシメチレンコポリマーを得た。
オキシメチレンコポリマー(A)のメルトフローレート(ISO1133条件D、190℃)が12g/10分となるようにメチラールの供給量を調整した以外は、上記1.1.オキシメチレンコポリマー(A−1)の調製と同様にして、オキシメチレンコポリマー(A−2)のペレットを得た。
オキシメチレンコポリマー(A)のメルトフローレート(ISO1133条件D、190℃)が40g/10分となるようにメチラールの供給量を調整した以外は、上記1.1.オキシメチレンコポリマー(A−1)の調製と同様にして、オキシメチレンコポリマー(A−3)のペレットを得た。
オキシメチレンコポリマー(A)中のオキシアルキレン成分の含有割合が、オキシメチレン成分に対して、0.2モル%となるようにコモノマーの供給量を調整した以外は、上記1.2.オキシメチレンコポリマー(A−2)の調製と同様にして、オキシメチレンコポリマー(A−4)のペレットを得た。
オキシメチレンコポリマー(A)中のオキシアルキレン成分の含有割合が、オキシメチレン成分に対して、1.5モル%となるようにコモノマーの供給量を調整した以外は、上記1.2.オキシメチレンコポリマー(A−2)の調製と同様にして、オキシメチレンコポリマー(A−5)のペレットを得た。
上記コモノマーの供給量の調整により得られた各オキシメチレンコポリマーにおけるオキシメチレン成分a(モル数)に対するオキシアルキレン成分b(モル数)の割合(モル%)(以下「(b/a)×100」とも記す。)を下記表1〜3に示す。ここで(b/a)×100は、以下のようにして求めた。
上記連鎖移動剤の供給量の調整により得られた各オキシメチレンコポリマーのメルトフローレートを下記表1〜3に示す。ここでメルトフローレート(ISO1133条件D、190℃)は、メルトインデクサー(東洋精機(株)社製、F−W01)を用いて求めた。
攪拌羽根の付いた、連続式にモノマー等を供給できるタンクに、脱水したホルムアルデヒドガス100質量部、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.1質量部を投入した。次いで、該タンクに、分子量調節剤として無水酢酸を、重合後のオキシメチレンホモポリマーのメルトフローレートが12g/10分となるような量で連続的に供給しながら、58℃で重合を行い、粗ポリオキシメチレンホモポリマーを得た。
充填材(B)として、用いた充填材(B−1)〜(B−9)を以下に列挙する。市販品を原料として、下記に示す平均粒径の充填材を得た。該平均粒径は、以下のとおり求めた。測定対象となる充填材粒子のサンプリングを行い、サンプリングした粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により倍率1千倍から5万倍で撮影し、得られた画像において無作為に選んだ最低100個の充填材粒子の、それぞれの最大粒径を測定し、得られた各最大粒径の相加平均を平均粒径として求めた。
(B−2):日本タルク製含水珪酸マグネシム「MS」(平均粒径11μm、表面未処理)
(B−3):白石工業製炭酸カルシウム「白艶華PZ」(平均粒径80nm、表面未処理、pH=9.3)を分級し、平均粒径30nmの粒子を採取した。
(B−6):協和化学工業製ハイドロタルサイト「DHT−4C」(平均粒径0.5μm、表面未処理)
(B−7):白石工業製炭酸カルシウム「Brilliant−1500」(平均粒径150nm、表面未処理、pH=9.1)
(B−8):白石工業製炭酸カルシウム「Brilliant−1500」(平均粒径150nm、表面未処理、pH=10.2)
(B−9):白石工業製炭酸カルシウム「Vigot−15」(平均粒径150nm、表面脂肪酸処理)
4.脂肪酸(C)
脂肪酸(C)として、用いた炭素数12〜27の1価の脂肪酸(C1)と炭素数28〜36の1価の脂肪酸(C2)とを以下に列挙する。
(C1−2):和光純薬工業製 ベヘン酸(融点82℃)
(C2−1):和光純薬工業製 モンタン酸(融点84℃)
(C2−2):和光純薬工業製 メリシン酸(融点94℃)
4.脂肪酸のカルシウム塩(D)
脂肪酸のカルシウム塩(D)として、用いた(D−1)と(D−2)とを以下に列挙する。
(D−2):堺化学工業製 ビス(12−ヒドロキシステアリン酸)カルシウム「SC−120H」
[オキシメチレン樹脂組成物等のペレット(P)の製造]
〈ペレット(P1〜P28)の製造〉
オキシメチレン樹脂組成物のペレット(P1〜P28)を、2軸押出機(東芝機械(株)製、商品名「TEM−26SS押出機」、L/D=48、ベント付き)を用いて以下のとおり製造した。
表3に示すように、上記調製したオキシメチレンコポリマー(A−1)〜(A−3)だけを2軸押出機に供給した((B)〜(D)成分を供給しなかった)以外は、上述のオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P1〜P3)の製造と同様の方法でオキシメチレンコポリマー(A−1)〜(A−3)のペレット(P29〜P31)を製造した。
表3に示すように、オキシメチレンコポリマー(A−1)に代えて、上記調製したオキシメチレンホモポリマー(A’)を用いた以外は、上述のオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P2)の製造と同様の方法でオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P32)を製造した。
表3に示すように、脂肪酸(C)および脂肪酸のカルシウム塩(D)を供給しなかった以外は、上述のオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P2)と同様の方法でオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P33)を製造した。
上記製造したオキシメチレン樹脂組成物のペレット(P1〜28)を下記条件で射出成形することにより、図1に示す形状の各成形片(ロボット用外装部品に相当)を作製した。作製した各成形片について、後述のとおり各評価を行った。評価結果を表4および表5に示す。
シリンダー温度:200℃、
射出圧力:80MPa、
射出時間:40秒、
冷却時間:20秒、
金型温度:85℃。
上記製造したペレット(P29〜33)を実施例1と同様の条件で射出成形することにより、図1に示す形状の各成形片(ロボット用外装部品に相当)を作製した。作製した各成形片について、後述のとおり各評価を行った。評価結果を表4に示す。
1.生産性の評価
ロボット用外装部品の生産性の評価は、オキシメチレン樹脂組成物等のペレットの生産性および外装部品の代表として図1に示す成形片の成形性および品位により行った。
オキシメチレン樹脂組成物等の生産性評価は、2軸押出機のトルクを、充填材を含まないペレット(P30)を造粒した場合と同じになるように調整して造粒したときの、オキシメチレン樹脂組成物等の単位時間当たりの平均造粒量、ストランドの状態、並びにペレットの外観および臭気などにより、総合的に行った。具体的には、充填材を含まないペレット(P30)を造粒した場合を評価の基準として、以下のとおりオキシメチレン樹脂組成物等の生産性評価を行った。
◎:平均造粒量の低下が5%未満でペレット(P30)の生産性と同等の場合、
○:平均造粒量の低下が5%以上15%未満の場合、
◇:平均造粒量の低下が15%以上25%未満の場合、
△:平均造粒量の低下が25%以上35%未満、またはペレットの着色・臭いなどが若干発生した場合、
×:平均造粒量の低下が35%以上、またはストランドギレもしくはストランド径が不安定になったりするなど明らかに造粒状態が悪化した場合。
ロボット用外装部品の品位の評価には、実施例および比較例で作製した成形片を用いて行なった。
◎:外観がペレット(P30)よりも良好な場合、
○:外観がペレット(P30)と同等レベルの場合、
◇:若干外観の低下が確認された場合、
△:機能的には問題ないが着色やシルバーなどが部分的に確認された場合、
×:意匠面の中央にシルバーなどが確認されたり、運転状態や品位がショットにより安定しなかったりなど、ロボット用外装部品の使用に際し明らかに不良と判断された場合。
物性バランスの評価は、実施例および比較例で作製した成形片の図2に示す部分を万能試験機(島津製作所製、オートグラフAGS−X)で引張試験(試験方法としてはISO527に準拠、但し伸度はチャック間伸度とした)をn=5で実施し、得られた弾性率(TM)と伸度(TE)とをそれぞれ相加平均した値を用いて行なった。
弾性率(TM’)=(−25)×伸度(TE)+3675・・・<2>
実施例1〜19、21〜22、24〜28、参考例1および2ならびに比較例4および5で作製した成形片の伸度(TE)を用いて、上記数式<2>から求めた弾性率(TM')と、実際に引張試験により得られた弾性率(TM)とを比較することにより物性バランスの評価を行なった。
×:バランス評価値が0%未満の場合((TM)が(TM’)より小さい場合)、すなわち充填材を含まないペレット(P29〜31)から作製した比較例1〜3の成形片の物性バランスより低下している場合、
△:バランス評価値が0%以上5%未満の場合、
◇:バランス評価値が5%以上10%未満の場合、
○:バランス評価値が10%以上15%未満の場合、
◎:バランス評価値が15%以上の場合。
耐久性の評価には、実施例および比較例で作製した成形片を使用した。該成形片について、下記(1)または(2)のとおり、作動油または洗浄剤を作用させた後、上記2.物性バランスの評価と同様の引張試験を実施した。該引張試験を、n=5で行い、各試験片の引張伸度を相加平均により求めた。該引張伸度と、上記2.物性バランスの評価で求めた耐久性評価前の引張伸度との変化により、通常の耐久性の評価を行なった。また、当該耐久性評価前後において、成形片の意匠面の外観保持性の変化も観察した。
耐作動油性を作動油の代表としてシェルテラスオイル32(昭和シェル石油製)に対する耐久性により評価した。具体的には、実施例および比較例で作製した成形片を用いて、同作動油に試験片を浸漬後密閉し、80℃で800時間経過後の試験片の引張伸度の低下の割合を求め、下記評価基準により評価を行なった。なお、充填材を含まないペレット(P30)から作製した比較例2の成形片の引張伸度の低下率は50%以上であった。
×:引張伸度の低下率が50%以上または外観(クラックの発生、光沢や色の変化など)が著しく変化した場合、
△:少し改善がみられ引張伸度の低下率が40%以上50%未満、または外観の変化が若干みられたが、使用において問題ない場合、
◇:意匠面に大きな外観の変化がなく、引張伸度の低下率が30%以上40%未満の場合、
○:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%以上30%未満の場合、
◎:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%未満と大きく改善が見られた場合。
耐洗剤性を洗剤の代表として復活洗浄剤/錆取用(カンペハピオ製)に対する耐久性により評価した。具体的には、実施例および比較例で作製した成形片を用いて、同洗浄剤に試験片を浸漬後密閉し、30℃で800時間経過後の試験片の引張伸度の低下の割合を求め、下記評価基準により評価を行なった。なお、充填材を含まないペレット(P30)から作製した比較例2の成形片の引張伸度の低下率は50%以上であった。
×:引張伸度の低下率が50%以上または外観(クラックの発生、光沢や色の変化など)が著しく変化した場合、
△:少し改善がみられ引張伸度の低下率が40%以上50%未満、または外観の変化が若干みられたが、使用において問題ない場合、
◇:意匠面に大きな外観の変化がなく、引張伸度の低下率が30%以上40%未満の場合、
○:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%以上30%未満の場合、
◎:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%未満と大きく改善が見られた場合。
特殊環境に対する耐久性の評価には、実施例および比較例で作製した成形片を使用した。該成形片について、下記(1)または(2)のとおり、切削油や消毒剤を作用させた後、上記2.物性バランスの評価と同様の引張試験を実施した。該引張試験を、n=5で行い、各試験片の引張伸度を相加平均により求めた。該引張伸度と、上記2.物性バランスの評価で求めた耐久性評価前の引張伸度との変化により、特殊環境に対する耐久性の評価を行なった。また、当該耐久性評価前後において、成形片の意匠面の外観保持性の変化も観察した。
耐切削油性を切削油の代表としてユシロンカットUB100(ユシロ化学工業製)に対する耐久性により評価した。具体的には、実施例および比較例で作製した成形片を用いて、同切削油に試験片を浸漬後密閉し、80℃で800時間経過後の試験片の引張伸度の低下の割合を求め、下記評価基準により評価を行なった。なお、充填材を含まないペレット(P30)から作製した比較例2の成形片の引張伸度の低下率は50%以上であった。
×:引張伸度の低下率が50%以上または外観(クラックの発生、光沢や色の変化など)が著しく変化した場合、
△:少し改善がみられ引張伸度の低下率が40%以上50%未満、または外観の変化が若干みられたが、使用において問題ない場合、
◇:意匠面に大きな外観の変化がなく、引張伸度の低下率が30%以上40%未満の場合、
○:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%以上30%未満の場合、
◎:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%未満と大きく改善が見られた場合。
耐消毒剤性を消毒剤の代表としてオキシドール(日本薬局方製)に対する耐久性により評価した。具体的には、実施例および比較例で作製した成形片を用いて、同消毒剤に試験片を浸漬後密閉し、20℃で4000時間後の試験片の引張伸度の低下の割合を求め、下記評価基準により評価を行なった。
なお、充填材を含まないペレット(P30)から作製した比較例2の成形片の引張伸度の低下率は50%以上であった。
×:引張伸度の低下率が50%以上または外観(クラックの発生、光沢や色の変化など)が著しく変化した場合、
△:少し改善がみられ引張伸度の低下率が40%以上50%未満、または外観の変化が若干みられたが、使用において問題ない場合、
◇:意匠面に大きな外観の変化がなく、引張伸度の低下率が30%以上40%未満の場合、
○:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%以上30%未満の場合、
◎:外観変化がなく、引張伸度の低下率が20%未満と大きく改善が見られた場合。
実施例1〜11、比較例1〜5の評価結果を下記表4に示す。
実施例12〜19、21〜22、24〜28、参考例1および2の評価結果を下記表5に示す。
Claims (12)
- オキシメチレンコポリマー(A)と、充填材(B)と、脂肪酸(C)とを含み、
該脂肪酸(C)が、炭素数12〜27の1価の脂肪酸(C1)と、炭素数28〜36の1価の脂肪酸(C2)とを含むオキシメチレン樹脂組成物を含有するロボット用外装部品であって、
該ロボットが産業用ロボット、家事手伝いロボット、医療用または介護用ロボット、案内用または災害救助用ロボット、愛玩用または戦闘用ロボットから選ばれることを特徴とする、
ロボット用外装部品。 - 該脂肪酸(C1)と該脂肪酸(C2)との質量比[(C1)/(C2)]が1〜5である、請求項1記載のロボット用外装部品。
- 該オキシメチレンコポリマー(A)が、オキシメチレン成分と、該オキシメチレン成分以外のオキシアルキレン成分とを含み、
該オキシアルキレン成分の含有割合が、該オキシメチレン成分に対して、0.3〜1.3モル%である、請求項1または2記載のロボット用外装部品。 - 該充填材(B)の含有量が12〜35質量%であるオキシメチレン樹脂組成物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該充填材(B)が、全充填材の質量に対する60%以上が平均粒径0.04〜0.8μmの無機酸塩系充填材である、請求項1〜4のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該充填材(B)が、炭酸塩系充填材および珪酸塩系充填材を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該充填材(B)が、JIS K5101試験法によるpHが9.2以上10.0以下であり、かつ表面処理がなされていない炭酸カルシウムを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該脂肪酸(C)と該充填材(B)との質量比[(C)/(B)]が0.027〜0.06である、請求項1〜7のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該オキシメチレン樹脂組成物が、さらに脂肪酸のカルシウム塩(D)を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該脂肪酸(C)と該脂肪酸のカルシウム塩(D)との質量比[(C)/(D)]が4〜15である、請求項9記載のロボット用外装部品。
- 油、グリース、洗剤および溶剤からなる群より選択される少なくとも1種と接触する外装部品として使用する、請求項1〜10のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
- 該ロボットが、「OA機器、音楽機器、映像機器、情報通信機器、電気電子機器、自動車、工業機器、農業機器、医療用機器、医薬品加工機器、食品加工機器、住宅用機器および衛生用機器からなる群より選択される少なくとも1種の本体を生産するためのロボット」または「該本体の部品を生産するためのロボット」である、請求項1〜11のいずれか一項記載のロボット用外装部品。
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