JP5767308B2 - スパッタリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性記憶媒体、半導体装置や表示装置などの電子機器装置の製造工程において、材料を堆積するために用いられるスパッタリング装置に関する。
半導体素子の微細化に伴い成膜特性に対する要求は厳しくなってきている。例えば、ゲート絶縁膜は、非常に薄い膜厚が要求される。また、非常に薄い絶縁膜上に形成する薄い電極膜等も、安定に成膜することが求められる。また、膜中や薄膜間の界面におけるカーボンなどの不純物が素子性能へ影響するため、不純物レベルを低下させることが要求されている。
成膜方法の一つとして用いられるスパッタリング法は、CVD法と比較してカーボンなどの不純物を原料に含まないため、高品質な成膜を行うことができる。またスパッタリング法は、CVDのように有害な有機金属材料も使用せず副生成物や未使用原料の除害処理といった問題も生じないので有用である。
例えばシリコンなどの基板(以下、「基板」という)に薄膜を堆積させるスパッタリング方法において、真空に排気された真空容器内のターゲットホルダーは、基板上に堆積させるための材料で作られたターゲットとよばれる蒸着源を保持する。真空容器内の基板ホルダーは基板を支持する。そして、真空容器内にAr等のガスが導入され、更に、ターゲットに高電圧を印加することによりプラズマが生成される。スパッタリング方法では、この放電プラズマ中の荷電粒子によるターゲットのスパッタ現象を利用してターゲット材料を基板ホルダーに支持された基板に付着させる。通常、プラズマ中の正イオンが
負の電位のターゲットに入射し、ターゲット材料からターゲット材料の原子分子が弾き飛ばされる。これをスパッタ粒子と呼ぶ。このスパッタ粒子が基板に付着してターゲット材料を含む膜が基板上に形成される。
スパッタリング装置では、通常、ターゲットと基板の間に、シャッターと呼ばれる開閉自在な遮蔽板が設けられている。このシャッターを用いて真空容器内のプラズマの状態が安定化するまで、成膜処理が開始しないように成膜開始のタイミングを制御することが行なわれている。すなわち、高電圧がターゲットに印加されプラズマが発生してから安定するまでの間、基板へ成膜が行なわれないようにシャッターを閉じておく。そして、プラズマが安定してからシャッターを開き成膜を開始することが行なわれている。このようにシャッターを用いて成膜の開始を制御すると、安定したプラズマを用いて制御性良く基
板上へ成膜出来るので、高品質な膜を成膜することができる。
特許文献1により開示されるプラズマ処理装置は、真空チャンバー内において、ウェハが搭載されるプレートと複数のウェハリフトピンとを有するウェハホルダーと、ウェハに対して平行に移動する移動シャッターと、プラズマにより基板が処理される間、移動シャッターを収納するためのシャッター収納部と、を有する。
特開2004−193360号公報
しかし、従来の特許文献1に示すプラズマ処理装置では、真空排気チャンバーの内壁や、シャッター収納部の内壁に、膜が付着して、これがパーティクルの原因となっていた。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、チャンバー内のパーティクル発生を抑制した成膜技術の提供を目的とする。
上記の目的を達成する本発明の一つの側面にかかるスパッタリング装置は、成膜処理を行うための処理チャンバーと、前記処理チャンバー内に設置され、基板を載置するための基板ホルダーと、前記処理チャンバー内に設置されたターゲットホルダーと、前記基板ホルダーと前記ターゲットホルダーとの間を遮蔽する遮蔽状態、または前記基板ホルダーと前記ターゲットホルダーとの間から退避した退避状態に移動することが可能なシャッターと、前記シャッターを駆動する駆動手段と、前記シャッターを前記処理チャンバー内に出し入れするための開口部を有し、前記退避状態の前記シャッターを収納するシャッター収納部と、前記処理チャンバー内にガスを導入するためのガス導入管と、を備え、前記ガス導入管は、その端部のガス噴出口がガス導入用開口部を通じて前記シャッター収納部の内部に設けられ、前記ガス噴出口は前記シャッターが前記シャッター収納部に収納された状態で、前記シャッター収納部の開口部とは反対側における当該シャッター収納部と前記シャッターとの間に配置され、前記ガス噴出口から前記シャッター収納部の内部に導入されるガスは、前記シャッター収納部の開口部を介して前記処理チャンバーに導入される。
本発明によれば、チャンバー内のパーティクル発生を抑制することができる。また、シャッター収納部を設けることで、シャッターの開閉動作に伴う排気コンダクタンスの急激な変化を抑制できる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置の概略図である。 図1の排気チャンバーを詳細に説明するための拡大図である。 図2のI−Iにおける断面図である。 図2のII−IIにおける断面図である。 基板シャッター19の概略を示す図である。 カバーリング21の概略を示す図である。 スパッタリング装置を動作させるための主制御部のブロック図である。 基板搬出・搬入時のスパッタリング装置の動作を説明するための概略図である。 本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置を備える真空薄膜形成装置の一例であるフラッシュメモリ用積層膜形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置を用いて、電子デバイス製品の処理を行うフローを例示する図である。 本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置を用いてコンディショニングを行う際の手順を示す図である。 コンディショニングの開始条件を例示的に説明する図である。 本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置を用いて図10の処理を実施したとき、基板上に付着したパーティクル個数を一日に1回測定した結果を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置の変形例の概略図である。 本発明に係るシャッター収納部及びシールドが取り付け可能であることを説明するための図である。 本発明に係る、シャッター収納部の他の実施形態を説明するための図である。 本発明に係る、シャッター収納部の他の実施形態を説明するための図である。 本発明に係る、シャッター収納部の他の実施形態を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
図1を参照して、スパッタリング装置1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態のスパッタリング装置1の概略図である。なお、本実施形態においては、成膜装置としてスパッタリング装置を例示しているが、本発明の趣旨は、この例に限定されるものではなく、例えば、CVD装置、PVD装置に適用することもできる。
スパッタリング装置1は、真空排気可能な真空チャンバー2と、真空チャンバー2と排気口301(図3参照)を介して隣接して設けられた排気チャンバー8と、排気チャンバー8を介して真空チャンバー2内を排気する排気装置と、を備えている。ここで、排気装置はターボ分子ポンプ48を有する。また、排気装置のターボ分子ポンプ48には、更に、ドライポンプ49を接続する。なお、排気チャンバー8の下方に排気装置が設けられているのは、装置全体のフットプリント(占有面積)を出来るだけ小さくするためである。
真空チャンバー2内には、ターゲット4をバックプレート5を介して保持するターゲットホルダー6が設けられている。ターゲットホルダー6は、基板ホルダー7の基板載置位置に対してオフセットの位置に配置されている。ターゲットホルダー6の近傍には、ターゲットシャッター14がターゲットホルダー6を遮蔽するように設置されている。ターゲットシャッター14は、回転シャッターの構造を有している。ターゲットシャッター14は、基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を遮蔽する閉状態(遮蔽状態)、または基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を開放する開状態(退避状態)にするための遮蔽部材として機能する。ターゲットシャッター14には、ターゲットシャッター14の開閉動作を行うためのターゲットシャッター駆動機構33が設けられている。
また、真空チャンバー2内には、基板を載置するための基板ホルダー7と、基板ホルダー7とターゲットホルダー6の間に設けられた基板シャッター19と、基板シャッター19を開閉駆動する基板シャッター駆動機構32と、を備えている。ここで、基板シャッター19は、基板ホルダー7の近傍に配置され、基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を遮蔽する閉状態、または基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を開放する開状態にするための遮蔽部材として機能する。
さらに、真空チャンバー2は、真空チャンバー2内へ不活性ガス(アルゴンなど)を導入するための不活性ガス導入系15と、反応性ガス(酸素、窒素など)を導入するための反応性ガス導入系17と、真空チャンバー2の圧力を測定するための圧力計(不図示)とを備えている。
不活性ガス導入系15には、不活性ガスを供給するための不活性ガス供給装置(ガスボンベ)16が接続されている。不活性ガス導入系15は、不活性ガスを導入するための配管と、不活性ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラー、ガスの流れを遮断したり開始したりするためのバルブ類と、そして必要に応じて減圧弁やフィルターなどから構成されており、図示しない制御装置により指定されるガス流量を安定して流すことができる構成となっている。不活性ガスは、不活性ガス供給装置16から供給され不活性ガス導入系15で流量制御されたのち、ターゲット4の近傍に導入されるようになっている。
反応性ガス導入系17には反応性ガスを供給するための反応性ガス供給装置(ガスボンベ)18が接続されている。反応性ガス導入系17は、反応性ガスを導入するための配管と、不活性ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラー、ガスの流れを遮断したり開始したりするためのバルブ類と、そして必要に応じて減圧弁やフィルターなどから構成されており、図示しない制御装置により指定されるガス流量を安定に流すことができる構成となっている。反応性ガスは、反応性ガス供給装置18から供給され反応性ガス導入系17で流量制御されたのち、後述の基板10を保持する基板ホルダー7の近傍に導入されるようになっている。
不活性ガスと反応性ガスとは、真空チャンバー2に導入されたのち、膜を形成するために使用されたのち、排気チャンバー8を通過してターボ分子ポンプ48及びドライポンプ49により排気される。
真空チャンバー2の内面は電気的に接地されている。ターゲットホルダー6と基板ホルダー7の間の真空チャンバー2の内面には電気的に接地された筒状のシールド部材(シールド40a、40b)、および基板ホルダー7と相対したターゲットホルダー部以外の真空チャンバー2の内面を覆うように、天井部の対向シールド40cが設けられている(以下、シールド40a、40b、40cを単に「シールド」ともいう)。ここでいうシールドとは、スパッタ粒子が真空チャンバー2の内面に直接付着するのを防止し、真空チャンバーの内面を保護するために真空チャンバー2とは別体で形成され、定期的に交換可能な部材をいう。ここでシールドはステンレスやアルミニウム合金により構成されている。また、耐熱性が求められる場合はチタンあるいはチタン合金で構成されることもある。耐熱性が求められない場合、アルミニウムはチタンよりも安価であり、またステンレスよりも比重が小さいため、経済性や作業性の面から選択されることもある。また、シールドは、電気的にアース(接地)されているので、成膜空間に発生するプラズマを安定させることができる。シールドの表面は、少なくとも成膜空間に向いた面には、サンドブラスト等によりブラスト加工され表面に微小な凸凹が設けられている。こうすることで、シールドに付着した膜が剥離しにくくなっており、剥離により発生するパーティクルを低減させることができる。なお、ブラスト加工の他に、金属溶射処理等で金属薄膜をシールドの表面に作成しても良い。この場合、溶射処理はブラスト加工のみよりも高価だが、シールドを取り外して付着した膜を剥離するメンテナンス時、溶射膜ごと付着膜を剥離すれば良いという利点がある。また、スパッタされた膜の応力が溶射薄膜により緩和され、膜の剥離を防止する効果もある。
排気チャンバー8は、真空チャンバー2とターボ分子ポンプ48との間を繋いでいる。排気チャンバー8とターボ分子ポンプ48の間には、メンテナンスを行うときに、スパッタリング装置1とターボ分子ポンプ48との間を遮断するためのメインバルブ47が設けられている。
次に、図2、図3、図4を参照して、本発明の特徴部分である取り付け可能なシャッター収納部の構成を、詳細に説明する。図2は、排気チャンバー8を詳細に説明するための拡大図である。図3は、図2のI−Iでの断面図である。図4は、図2のII−IIでの断面図である。図2に示すように排気チャンバー8の内部には、基板シャッター19が真空チャンバー2から退避したときに、基板シャッター19が収納される取り付け可能なシャッター収納部23が設けられている。シャッター収納部23は、基板シャッター19を出し入れするための開口部303を有しており、開口部303以外の部分は密閉されている。なお、シャッター収納器23は、電気的にアースされている。
図3に示すように、シャッター収納部23の周辺に、メインバルブ47を介して、ターボ分子ポンプ48と連通している排気領域が形成されるように、シャッター収納部23は、排気チャンバー8内に配置されている。
図4は、シャッター収納部23の開口部303の周辺部を例示する図である。シールド40a(40a1、40a2),シールド40b、及びシールド22は、真空チャンバー2の内部において、円筒状に形成されている。シールド40a1とシールド40bとの間に形成されている排気路401(第1の排気路)は、開口部303に対して上方の位置(成膜手段を構成するターゲットホルダー6側の位置)に、円筒状部材の円周方向の隙間として形成される。シールド40a2とシールド22との間に形成されている排気路403(第2の排気路)は、開口部303に対して下方の位置に、円筒状部材の円周方向の隙間として形成される。
シールド40aは、シャッター収納部23の開口部303に対応した位置に開口部(孔部)を有し、排気口を覆う第1のシールドとして機能する。シールド40bは、シャッター収納部23の開口部303の上方に設けられており、排気口を覆う第2のシールドとして機能する。そして、シールド22は、シャッター収納部23の開口部303の下方に設けられており、排気口を覆う第3のシールドとして機能する。基板ホルダー駆動機構31による基板ホルダー7の移動に従って、排気路403の排気コンダクタンスは変更可能である。
図2、図4に示すようにシャッター収納部23の開口部303の周囲には、排気チャンバー8の排気口301を覆うように、シールド40a1が固定されている。シールド40a1と、シールド40bとにより、排気路401が形成される。
シールド40a1の先端部はU字型に分割された凹形状部を有しており、U字部(凹形状部)の間に、I字型形状のシールド40b(凸形状部)が、非接触で嵌め込まれることにより、排気路401は、いわゆるラビリンス形状の排気路として形成される。
ラビリンス形状の排気路401は、非接触シールのシールとしても機能する。シールド40a1の先端部に形成されたU字部(凹形状部)に、I字型形状のシールド40b(凸形状部)が嵌りあった状態で、非接触の状態、すなわち、凹形状部と凸形状部との間に一定の隙間が形成される。凹形状部と凸形状部とが嵌り合うことにより、シャッター収納部23の排気口301が遮蔽される。そのため、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子が排気路401を通過して排気チャンバー8内へ進入するのを防止でき、結果的に排気チャンバー8の内壁にパーティクルが付着するのを防止することができる。
同様に、シャッター収納部23の開口部303の周囲には、排気チャンバー8の排気口301を覆うように、シールド40a2が固定されている。シールド40a2と、基板ホルダー7に連結されているシールド22とにより、排気路403が形成される。シールド22の先端部はU字型に分割された凹形状部を有しており、U字部(凹形状部)の間に、I字型形状のシールド40a2(凸形状部)が、非接触で嵌め込まれることにより、排気路403はラビリンス形状の排気路として形成される。シールド22の凹形状部とシールド40a2の凸形状部とが嵌り合うことにより、シャッター収納部23の排気口301が遮蔽される。そのため、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子が排気路403を通過して排気チャンバー8内へ進入するのを防止でき、結果的に排気チャンバー8の内壁にパーティクルが付着するのを防止することができる。シャッター収納部23が排気チャンバー8と別体であることは重要である。なぜならば、排気チャンバー8に要求される耐圧および排気性能とシャッター収納部23に要求される防塵性能の両立が難しいからである。別体のシャッター収納部23を排気チャンバー8内に設けることにより、これらの両立が容易となる。
図1に示すように基板ホルダーが上昇した位置において、排気路401の排気コンダクタンスは、排気路403の排気コンダクタンスより十分大きくなるように形成されている。すなわち、排気チャンバー8に流入するガスは、排気路403に比べて排気路401のほうが流れやすい構造になっている。2つの排気コンダクタンスが並列に接続されたとき、合成コンダクタンスは各排気コンダクタンスの和になる。したがって、一方の排気コンダクタンスが他方の排気コンダクタンスに比べて十分大きければ、小さいほうの排気コンダクタンスは無視できる。排気路401や排気路403のような構造の場合、排気コンダクタンスは排気路の隙間の幅とラビリンス形状の重なり距離(長さ)により調整することができる。
例えば、図2に示すように、排気路401と排気路403の隙間の幅が同じ程度であり、排気路401のラビリンス形状の重なり距離(長さ)は、排気路403のラビリンス形状の重なり距離(長さ)より短く形成されているので、排気路401の排気コンダクタンスは排気路403の排気コンダクタンスよりも大きくなっている。このため真空チャンバー2内のプロセス空間(シールドとターゲットで囲われたプラズマのある空間)に不活性ガス導入系15や反応性ガス導入系17から導入されたガスは、主に排気路401を通って排気される。従って真空チャンバー2のプロセス空間から排気チャンバー8への排気コンダクタンスは、基板シャッター19の開閉動作によって影響を受けない構造である。真空チャンバー2内のプロセス空間から排気チャンバー8への主な排気経路が、シャッターの開閉に影響を受けない位置に設けられているため、基板シャッター19の開閉時に真空チャンバー2内のプロセス空間から排気チャンバー8への排気コンダクタンスが変化しない。従って、基板シャッター19の開閉時にプラズマ生成に影響する真空チャンバー2内のプロセス空間のガス圧力を安定化することを可能にする。そのため、基板シャッター19を開閉しても、真空チャンバー2内から排気チャンバー8への排気コンダクタンスの変化を抑制し、真空チャンバー2内の圧力を安定させることができ、高品質な成膜が可能になる。
再び、説明を図1に戻して、スパッタリング装置1の全体構成について説明する。スパッタ面から見たターゲット4の背後には、マグネトロンスパッタリングを実現するためのマグネット13が配設されている。マグネット13は、マグネットホルダ3に保持され、図示しないマグネットホルダ回転機構により回転可能となっている。ターゲットのエロージョンを均一にするため、放電中には、このマグネット13は回転している。
ターゲット4は、基板10に対して斜め上方に配置された位置(オフセット位置)に設置されている。すなわち、ターゲット4のスパッタ面の中心点は、基板10の中心点の法線に対して所定の寸法ずれた位置にある。ターゲットホルダー6には、スパッタ放電用電力を印加する電源12が接続されている。電源12によりターゲットホルダー6に電圧が印加されると、放電が開始され、スパッタ粒子が基板に堆積される。
なお、本実施形態においては、図1に示すスパッタリング装置1は、DC電源を備えているが、これに限定されるものではなく、例えば、RF電源を備えていてもよい。RF電源を用いた場合は電源12とターゲットホルダー6との間に整合器を設置する必要がある。
ターゲットホルダー6は、絶縁体34により接地電位の真空チャンバー2から絶縁されており、またCu等の金属製であるのでDC又はRFの電力が印加された場合には電極となる。なお、ターゲットホルダー6は、図示しない水路を内部に持ち、図示しない水配管から供給される冷却水により冷却可能に構成されている。ターゲット4は、基板10へ成膜したい材料成分から構成される。膜の純度に関係するため、高純度のものが望ましい。
ターゲット4とターゲットホルダー6との間に設置されているバックプレート5は、Cu等の金属から出来ており、ターゲット4を保持している。
ターゲットホルダー6の近傍には、ターゲットシャッター14がターゲットホルダー6を覆うように設置されている。ターゲットシャッター14は、基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を遮蔽する閉状態、または基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を開放する開状態にするための遮蔽部材として機能する。
また、ターゲットシャッター14には、ターゲットシャッター14を駆動するためのターゲットシャッター駆動機構33が設けられている。ターゲットシャッター14の基板側には、対向シールド40cがある。対向シールド40cはターゲットホルダー6に相対する部分に穴が開いている。
基板ホルダー7の面上で、かつ基板10の載置部分の外縁側(外周部)には、リング形状を有する遮蔽部材(以下、「カバーリング21」ともいう)が設けられている。カバーリング21は、基板ホルダー7上に載置された基板10の成膜面以外の場所へスパッタ粒子が付着することを防止する。ここで、成膜面以外の場所とは、カバーリング21によって覆われる基板ホルダー7の表面のほかに、基板10の側面や裏面が含まれる。基板ホルダー7には、基板ホルダー7を上下動したり、所定の速度で回転したりするための基板ホルダー駆動機構31が設けられている。基板ホルダー駆動機構31は、基板ホルダー7を、閉状態の基板シャッター19に向けて上昇させ、または基板シャッター19に対して降下させるために、基板ホルダー7を上下動させることが可能である。
基板10の近傍で、基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間には、基板シャッター19が配置されている。基板シャッター19は、基板シャッター支持部材20により基板10の表面を覆うように支持されている。基板シャッター駆動機構32は基板シャッター支持部材20を回転及び並進させることにより、基板10の表面付近の位置において、ターゲット4と基板10との間に基板シャッター19を挿入する(閉状態)。基板シャッター19がターゲット4と基板10との間に挿入されることによりターゲット4と基板10との間は遮蔽される。また、基板シャッター駆動機構32の動作によりターゲットホルダー6(ターゲット4)と基板ホルダー7(基板10)との間から基板シャッター19が退避すると、ターゲットホルダー6(ターゲット4)と基板ホルダー7(基板10)との間は開放される(開状態)。基板シャッター駆動機構32は、基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を遮蔽する閉状態、または基板ホルダー7とターゲットホルダー6との間を開放する開状態にするために、基板シャッター19を開閉駆動する。開状態において、基板シャッター19は、シャッター収納部23に収納される。図1に示すように基板シャッター19の退避場所であるシャッター収納部23が高真空排気用のターボ分子ポンプ48までの排気経路の導管に納まるようにすれば、装置面積を小さく出来て好適である。
基板シャッター19はステンレスやアルミニウム合金により構成されている。また、耐熱性が求められる場合はチタンあるいはチタン合金で構成されることもある。基板シャッター19の表面は、少なくともターゲット4に向いた面には、サンドブラスト等によりブラスト加工され表面に微小な凸凹が設けられている。こうすることで、基板シャッター19に付着した膜が剥離しにくくなっており、剥離により発生するパーティクルを低減させることができる。なお、ブラスト加工の他に、金属溶射処理等で金属薄膜を基板シャッター19の表面に作成しても良い。この場合、溶射処理はブラスト加工のみよりも高価だが、基板シャッター19を取り外して付着した膜を剥離するメンテナンス時、溶射膜ごと付着膜を剥離すれば良いという利点がある。また、スパッタされた膜の応力が溶射薄膜により緩和され、膜の剥離を防止する効果もある。
ここで、図5及び図6を参照して、カバーリング21及び基板シャッター19の形状を詳細に説明する。図5は、カバーリング21に対向する基板シャッター19の概略を示す図である。基板シャッター19には、カバーリング21の方向に伸びたリング形状を有する突起部(突起19a)が形成されている。図6は、基板シャッター19に対向したカバーリング21の概略を示す図である。カバーリング21には、基板シャッター19の方向に伸びたリング形状を有する突起部が形成されている。このように、カバーリング21はリング状であり、そしてカバーリング21の基板シャッター19に対向した面には、同心円状の突起部(突起21a、21b)が設けられている。
基板ホルダー駆動機構31により基板ホルダー7が上昇した位置で、突起19aと突起21a、21bとが、非接触の状態で嵌り合う。あるいは、基板シャッター駆動機構32により基板シャッター19が降下した位置で、突起19aと突起21a、21bとが、非接触の状態で嵌り合う。この場合、複数の突起21a、21bにより形成される凹部に、他方の突起19aが非接触の状態で嵌り合う。
図7は、図1で示したスパッタリング装置1を動作させるための主制御部100のブロック図である。主制御部100は、スパッタ放電用電力を印加する電源12、不活性ガス導入系15、反応性ガス導入系17、基板ホルダー駆動機構31、基板シャッター駆動機構32、ターゲットシャッター駆動機構33、圧力計41、及びゲートバルブ42とそれぞれ電気的に接続されており、後述するスパッタリング装置1の動作を管理し、制御できるように構成されている。
なお、主制御部100に具備された記憶装置63には、本実施形態に係るコンディショニング、およびプリスパッタを伴う基板への成膜方法等を実行する制御プログラムが格納されている。例えば、制御プログラムは、マスクROMとして実装される。あるいは、ハードディスクドライブ(HDD)などにより構成される記憶装置63に、外部の記録媒体やネットワークを介して制御プログラムをインストールすることも可能である。
図8は、基板搬出・搬入時のスパッタリング装置1の動作を説明するための概略図である。ゲートバルブ42が開放されると、不図示の基板搬送ロボットにより、基板10の搬出・搬入動作が行なわれる。先端がU字型のシールド22は、基板ホルダー7に接続されている。基板ホルダー駆動機構31の駆動により、基板ホルダー7が下方に降下移動すると、シールド22とシールド40a2とにより形成されたラビリンスが解かれ、排気路403のコンダクタンスが大きくなり、排気路401に比べて排気路403のほうが、ガスは流れやすくなる。基板搬出・搬入時には、排気路403を使用することができ、基板搬出・搬入が行なわれる短時間においても、効果的に排気処理をすることができる。
なお、本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置1は、半導体メモリ、DRAM、SRAM、不揮発性メモリ、MRAM、演算素子、CPU、DSP、画像入力素子、CMOSセンサ、CCD、映像出力素子、液晶表示装置などの電子デバイスの製造方法に用いられる。
図9は、本実施形態にかかるスパッタリング装置1を備える真空薄膜形成装置の一例であるフラッシュメモリ用積層膜形成装置(以下、単に「積層膜形成装置」ともいう。)の概略構成を示す図である。図9に示す積層膜形成装置は、真空搬送ロボット912を内部に備えた真空搬送室910を備えている。真空搬送室910には、ロードロック室911、基板加熱室913、第1のPVD(スパッタリング)室914、第2のPVD(スパッタリング)室915、基板冷却室917が、それぞれゲートバルブ920を介して連結されている。
次に、図9に示した積層膜形成装置の動作について説明する。まず、被処理基板を真空搬送室910に搬出入するためのロードロック室911に被処理基板(シリコンウエハ)をセットし、圧力が1×10-4Pa以下に達するまで真空排気する。その後、真空搬送ロボット912を用いて、真空度が1×10-6Pa以下に維持された真空搬送室910内に被処理基板を搬入し、所望の真空処理室に搬送する。
本実施形態においては、初めに基板加熱室913に被処理基板を搬送して400℃まで加熱し、次に第1のPVD(スパッタリング)室914に搬送して被処理基板上にAl2O3薄膜を15nmの厚さに成膜する。次いで、第2のPVD(スパッタリング)室915に被処理基板を搬送して、その上にTiN膜を20nmの厚さに成膜する。最後に、被処理基板を基板冷却室917内に搬送して、室温になるまで被処理基板を冷却する。全ての処理が終了した後、ロードロック室911に被処理基板を戻し、大気圧になるまで乾燥窒素ガスを導入した後に、ロードロック室911から被処理基板を取り出す。
本実施形態の積層膜形成装置では、真空処理室の真空度は1×10-6Pa以下とした。本実施形態では、Al2O3膜とTiN膜の成膜にマグネトロンスパッタリング法を用いている。
図10は、本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置1を用いて、電子デバイスの製造方法に関する電子デバイス製品の処理フローを例示する図である。なお、ここではスパッタリング装置1に搭載するターゲット4として、Tiを、不活性ガスとしてアルゴンを、反応性ガスとして窒素を使用した場合を例として説明する。
ステップS1において、ターゲットおよびシールド交換後、真空容器2を排気して所定の圧力に制御される。所定の圧力になったところで、ステップS2において、ターゲットシャッター14と基板シャッター19を閉じた状態で、ターゲットクリーニングを開始する。ターゲットクリーニングとは、ターゲットの表面に付着した不純物や酸化物を除去するために行うスパッタリングのことをいう。ターゲットクリーニングにおいては、基板シャッター19とカバーリング21とがラビリンスシールを形成するような基板ホルダーの高さを設定して行う。このように設定することで、基板ホルダーの基板設置面へスパッタ粒子が付着することを防止できる。なお、ターゲットクリーニングを実施するとき、基板ホルダーに基板を設置した状態で実施しても良い。
次に、ステップ3において、図示しない入力装置より主制御部100に入力された成膜開始の指示に従って、主制御部100により成膜動作が開始される。
ステップ3で成膜開始の指示がされると、ステップS4のコンディショニングを行う。コンディショニングとは、成膜特性を安定させるために放電を行い、ターゲットをスパッタリングしてスパッタ粒子をチャンバーの内壁等に付着させる処理のことである。
ここでコンディショニングについて、より詳細に説明する。図11はスパッタリング装置1を用いてコンディショニングを行う際の手順を示す図である。具体的には、ステップ番号、各処理における時間(設定時間)、ターゲットシャッターの位置(開、閉)、基板シャッターの位置(開、閉)、ターゲット印加電力、Arガス流量、および窒素ガス流量、を示している。これらの手順は記憶装置63に記憶され、主制御部100により連続的に実行される。
図11を参照して成膜の手順を説明する。まず、ガススパイクを行う(S1101)。この工程により、チャンバー内の圧力を高くし、次のプラズマ着火工程で放電開始をしやすい状態を作る。この条件はターゲットシャッター14および基板シャッター19は閉状態であり、窒素ガスは導入せず、アルゴンガス流量は400sccmである。アルゴンガス流量は次のプラズマ着火工程で着火を容易に行うために100sccm以上であることが好ましい。
次に、プラズマ着火工程を行う(S1102)。シャッター位置およびガス条件を保持したままTiターゲットに1000WのDC電力を印加して、プラズマを発生させる(プラズマ着火)。このガス条件を用いることにより、低圧力でおき易いプラズマの発生不良を防止しすることができる。
次に、プリスパッタ(S1103)を行う。プリスパッタではターゲットに印加される電力(ターゲット印加電力)を維持したままガス条件をアルゴン100sccmに変更する。この手順によりプラズマが失われる事無く、放電を維持する事ができる。
次に、コンディショニング1(S1104)を行う。コンディショニング1ではターゲット印加電力、ガス流量条件および基板シャッター19の位置を閉じた状態に維持したままターゲットシャッター14を開く。こうすることで、Tiターゲットからのスパッタ粒子を、シールド内壁を含むチャンバー内壁に付着させることにより、シールド内壁を低応力の膜で覆うことが出来る。よってスパッタ膜がシールドから剥離することを防止できるので、剥離した膜がチャンバー内に飛散してデバイス上に落下し、製品の特性を劣化させることを防止できる。
次に、再度、ガススパイク(S1105)を行う。ガススパイク工程ではターゲットへの電力印加を停止すると共に、アルゴンガス流量を200sccm、窒素ガス流量を10sccmとする。アルゴンガス流量は次のプラズマ着火工程で着火を容易に行うために後述するコンディショニング2工程(S1108)よりも大きな流量、例えば、100sccm以上であることが好ましい。また、後述するコンディショニング2工程(S1108)では窒素ガスを導入した反応性スパッタ法により窒化膜を成膜するので、ガススパイク工程から窒素ガスを導入することで急激なガス流量変化を防ぐ効果もある。
次に、プラズマ着火工程を行う(S1106)。シャッター位置およびガス流量条件を保持したままTiターゲットに750WのDC電力を印加して、プラズマを発生させる(プラズマ着火)。このガス条件を用いることにより、低圧力で生じやすいプラズマの発生不良を防止することができる。
次に、プリスパッタ(S1107)を行う。プリスパッタではターゲット印加電力を維持したままガス流量条件をアルゴン10sccm、窒素ガス10sccmに変更する。この手順によりプラズマが失われる事無く、放電を維持する事ができる。
次に、コンディショニング2(S1108)を行う。コンディショニング2ではターゲット印加電力、ガス流量条件および基板シャッター19の位置を閉じた状態に維持したままターゲットシャッター14を開く。こうすることで、Tiターゲットからのスパッタ粒子と反応性ガスである窒素が反応し、シールド内壁を含むチャンバー内壁に窒化膜を付着させることにより、次基板成膜工程に移行するときにチャンバー内ガス状態の急激な変化が抑制できる。チャンバー内ガス状態の急激な変化を抑制することで、次の基板成膜工程における成膜を初期より安定して行うことができるので、そのデバイス製造において製造安定性の向上について大きな改善効果がある。
以上の各手順に要する時間は最適な値に設定されるが、本実施形態では最初のガススパイク(S1101)を0.1秒、プラズマ着火(S1102)を2秒、プリスパッタ(S1103)を5秒、コンディショニング1(S1104)を240秒、2回目のガススパイク(S1105)を5秒、2回目のプラズマ着火(S1106)を2秒、2回目のプリスパッタを5秒、コンディショニング2(S1108)を180秒とした。
なお、再度のガススパイク工程(S1105)、それに続くプラズマ着火工程(S1106)、プリスパッタ工程(S1107)は省略することもできる。省略した場合には、コンディショニング時間を短縮できる点で望ましい。しかし、アルゴンガス放電であるコンディショニング1工程(S1104)に続いて窒素ガスを添加したコンディショニング2工程(S1108)を続けておこなった場合には、放電を続けながらプラズマの性質が大きく変化することになるので、その過渡状態に起因してパーティクルが増加することがある。そのような場合には、放電を一旦停止してガスを入れ替えることを含むこれらの工程(S1105、S1106、S1107)をコンディショニング1工程(S1104)とコンディショニング2工程(S1108)の間に挿入することによって、コンディショニング中のプラズマ特性の急激な変動をさらに抑えることができるので、パーティクルが発生するリスクを小さくすることができる。
なお、反応性スパッタであるコンディショニング2(S1108)は、後述する基板上への成膜条件とおおむね同じ条件であることが望ましい。コンディショニング2(S1108)と製品製造工程における基板上への成膜条件をおおむね同じ条件にすることによって、製品製造工程における基板上への成膜をより安定に再現性良く行うことができる。
説明を図10に戻し、コンディショニング(S4)の後、基板上への成膜処理を含むステップS5を行う。ここで、図10を参照してステップS5を構成する成膜処理のための手順を説明する。
まず、基板搬入が行なわれる(S501)。基板搬入工程(S501)では、ゲートバルブ42が開放され、不図示の基板搬送ロボットと不図示のリフト機構とにより、真空チャンバー2内に基板10が搬入され、基板ホルダー7上の基板載置面に載置される。基板ホルダー7は基板を載置したまま成膜位置へと上方へ移動する。
次に、ガススパイクを行う(S502)。ガススパイク工程(S502)では、ターゲットシャッター14および基板シャッター19は閉状態であり、アルゴンガスを、例えば、200sccm、窒素ガスを10sccm導入する。ここでアルゴンガスの量は後述する成膜工程(S506)で導入されるアルゴンガスの量よりも多いことが放電開始の容易さの観点から望ましい。ガススパイク工程(S502)に要する時間は、次の着火工程(S503)で必要とされる圧力を確保できればよいので、例えば、0.1秒程度である。
次にプラズマ着火を行う(S503)。プラズマ着火工程(S503)では、ターゲットシャッター14および基板シャッター19は閉状態を維持し、アルゴンガスと窒素ガスの流量も、ガススパイク工程(S502)での条件と同じままで、ターゲット4に、例えば750Wの直流(DC)電力を印加し、ターゲットのスパッタ面の近傍に放電プラズマを発生させる。プラズマ着火工程(S503)に要する時間は、プラズマが着火する程度の時間であればよく、例えば、2秒である。
次に、プリスパッタを行う(S504)。プリスパッタ工程(S504)では、ターゲットシャッター14および基板シャッター19は閉状態を維持し、アルゴンガスの流量を例えば10sccmに減少させ、窒素ガスの流量は10sccmとする。このとき、ターゲットへの直流(DC)電力は、例えば750Wであり、放電は維持されている。プリスパッタ工程(S504)に要する時間は、次の短いコンディショニングのための準備が整うだけの時間であればよく、例えば、5秒である。
次に、短いコンディショニングを行う(S505)。短いコンディショニング工程(S505)では、ターゲットシャッター14を開いて開状態とする。基板シャッター19は閉状態を維持し、アルゴンガスの流量を10sccm、窒素ガスの流量を10sccmに維持する。このとき、ターゲットへの直流(DC)電力は、例えば750Wであり、放電は維持されている。この短いコンディショニングでは、シールド内壁等へチタンの窒化膜が成膜され、次工程の基板への成膜工程(S506)で安定な雰囲気で成膜するために効果がある。この効果を大きくするため、次工程の基板上への成膜工程(S506)での放電条件とおおむね同じ条件で成膜が行なわれることが望ましい。なお、短いコンディショニング工程(S505)に要する時間は、先のコンディショニング(S4)により雰囲気が整えられているため、先のコンディショニング1(S1104)、コンディショニング2(S1108)よりも短い時間で良く、例えば、5〜30秒程度で良い。
そして次に、アルゴンガス、窒素ガス、直流電力の条件を、短いコンディショニング工程(S505)の条件と同じに維持して放電を維持し、ターゲットシャッター14を開状態に維持したまま、基板シャッター19を開き、基板への成膜を開始する(S506)。すなわち基板10への成膜条件は、アルゴンガス流量が10sccm、窒素ガス流量が10sccm、ターゲットへ印加する直流電力が750Wである。この時、排気路401の排気コンダクタンスが排気路403の排気コンダクタンスよりも大きいので、主に排気路401からガスの排気は行なわれている。主に排気路401を通じて排気されている場合のチャンバー2内のプロセス空間(シールドとターゲットで囲われたプラズマのある空間)の排気コンダクタンスは、基板シャッター19の開閉により影響を受けにくい。排気路401から排気されたガスは排気チャンバー8へと排気されるが、シャッター収納部23により、基板シャッター19が閉状態から開状態に変化したときの、プロセス空間から排気装置までの排気コンダクタンスの変化が抑制されるからである。従って、放電を維持したまま基板シャッター19が開く基板への成膜開始のとき、プロセス空間の圧力が変動することによるプラズマ特性の変動を抑制することができる。圧力変動によるプラズマ特性の変動が抑制されるので、基板上への成膜を安定して開始することができ、特にゲートスタック製造においてゲート絶縁膜上にゲート電極を堆積する場合のように界面特性が重要な場合には、そのデバイス製造においてデバイス特性の向上とその製造安定性の向上について大きな改善効果がある。
ターゲット4への電力を停止して基板上への成膜(S506)を終了したあと、基板搬出(S507)を行う。基板搬出(S507)では、基板ホルダー7が下方に降下移動し、ゲートバルブ42が開放され、不図示の基板搬送ロボットと不図示のリフト機構とにより、基板10の搬出が行なわれる。
次に、コンディショニング要否判断が主制御部100により判断される(S6)。コンディショニング要否判断工程(S6)において、主制御部100は記憶装置63に記憶された判定条件に基づいてコンディショニングの要否を判断する。コンディショニングが必要と判断した場合には、処理をステップS4に戻し、再びコンディショニングを行う(S4)。一方、ステップS6において、主制御部100によりコンディショニングが不要と判断された場合には、次のS7の終了判断へ進む。ステップS7では終了信号が主制御部100に入力されているかどうか、装置に供給される処理用基板があるかどうかなどをもとに判断し、終了しない判断のときは(S7でNO)、処理をステップS501に戻し、再び基板搬入(S501)から成膜(S506)を経て基板搬出(S507)までを行う。この様にして、製品基板への成膜処理が所定の枚数、例えば、数百膜程度続ける。
コンディショニング要否判断工程(S6)によりコンディショニング開始すべきであると判定される一例を説明する。連続処理の後、製品待ち時間などの理由により、待機時間が発生することがある。記憶装置63に記憶された判定条件からコンディショニングが必要とされる待機時間が発生した場合、主制御部100はコンディショニングが必要と判断し、再度、ステップS4のコンディショニングを実施する。このコンディショニングにより、シールド内面に付着したTiNなどの高応力な膜のさらに上面を、Tiなどの低応力の膜で覆うことが出来る。TiNが連続的にシールドに付着していくと、TiN膜の応力が高く且つシールドとの密着性が弱いため膜ハガレが発生してパーティクルとなる。このために、膜ハガレを防止することを目的として、Tiスパッタを行う。
Ti膜はシールドや、TiN膜との密着性が高くTiN膜のハガレ防止の効果(壁塗り効果)がある。この場合シールド全体にスパッタするために、基板シャッターを用いて行うのが効果的である。本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置1によれば、基板シャッター19とカバーリング21がラビリンスシールを形成するため、基板ホルダーの基板設置面にスパッタ膜が堆積することなくコンディショニングを行うことが出来る。このコンディショニングの後、再び成膜処理S5(S501〜S507)を行う。
以上のように、コンディショニングを行い、その後、製品処理の手順をターゲット寿命まで繰り返す。その後は、メンテナンスとなり、シールドおよびターゲットを交換した後、初期のターゲットクリーニングから繰り返すことになる。
以上の手順により、シールドに付着した膜の剥離を防止し、さらに基板ホルダーの基板設置面にスパッタ膜を付着させることなく、電子デバイスを製造することが出来る。本実施形態ではターゲット寿命をもってメンテナンスを行う例を示したが、シールド交換のためのメンテナンスも同様の運用を行う。また、ここでは、待機時間が発生した場合のコンディショニング開始例を説明したが、コンディショニングの開始条件(コンディショニング要否判断の条件)は上記の例に限定されるものではない。
図12はコンディショニングの開始条件(コンディショニング要否判断の条件)を例示的に説明する図である。コンディショニングを開始するための判定条件は、処理された基板の総数、処理されたロットの総数、成膜された総膜厚、ターゲットへ印加された電力量、シールド交換後にそのシールドで成膜するためにターゲットへ印加された電力量、待機時間および処理の対象となる電子デバイスの変更等にともなう成膜条件の変更である。
コンディショニングの開始タイミングは、ロット(製造工程を管理する上で便宜的に設定される基板の束であり、通常は基板25枚を1ロットとする)の処理終了後とすることができる。処理すべきロット(処理ロット)が複数ある場合には、処理ロットの総数が判定条件となり、総ロットの処理終了後をコンディショニングの開始タイミングとすることができる(コンディショニング開始条件1、3、5、7、9、11)。あるいは、ロットの処理途中であっても、ロットに関する条件を除く前述の判定条件のいずれかを満たした場合に、処理中に割り込んでコンディショニングの開始タイミングとすることができる(コンディショニング開始条件2、4、6、8、10、12)。
処理された基板の総数によって判定する方法(1201)は、ロットを構成する基板枚数が変動してもコンディショニング間隔が一定になる利点がある。処理ロットの総和によって判定する方法(1202)は、ロット数で工程管理がなされている場合、コンディショニング時期が予測できる利点がある。
成膜装置が成膜した膜厚によって判定する方法(1203)は、シールドからの膜剥離が膜厚の増加に依存する場合、適切なタイミングでコンディショニングを実施できる利点がある。ターゲットの積算電力によって判定する方法(1204)は、ターゲット表面が成膜処理によって変化する場合、適切なタイミングでコンディショニングを実施できる利点がある。シールドあたりの積算電力で判定する方法(1205)は、シールド交換とターゲット交換の周期がずれる場合であっても、適切なタイミングでコンディショニングを実施できる利点がある。待機時間によって判定する方法(1206)は、待機時間中に成膜室内の残留ガス濃度や温度が変化し、成膜特性が悪化する懸念がある場合、成膜特性を良好な状態で安定させる効果がある。基板への成膜条件(製品製造条件)の変更を判定条件とする方法(1207)は、成膜条件が変更される場合でも安定に基板上への成膜ができる効果がある。成膜条件が変更されるとシールド内壁表面やターゲット表面の状態が変化する。これらの変化はシールド内壁表面やターゲット表面のゲッタリング性能等によるガス組成の変動や電気的性質の変動などに繋がるため、結果として基板への成膜特性のロット内変動の原因となる。基板への成膜条件(製品製造条件)の変更を判定条件とする方法(1207)は、そのような不良を抑制する効果がある。
ロット処理後にコンディショニングを実施する方法は、ロット単位で生産工程を管理している場合には、ロット処理が中断することを防ぐ効果がある(コンディショニング開始条件1、3、5、7、9、11)。ロット処理中にコンディショニングを割りこむ方法は、正確なコンディショニングタイミングで実施できる利点がある(コンディショニング開始条件2、4、6、8、10、12)。成膜条件の変更が判定条件となる場合、ロット処理前にコンディショニングが実施される(コンディショニング開始条件13)。
図13は、本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置1を用いて図10の処理を実施したとき、基板上に付着したパーティクル個数を一日に1回測定した結果を示す図である。横軸は測定日を示し、縦軸は直径300mmシリコン基板上に観測された0.09μm以上のパーティクル数を表わしている。パーティクル数の計測は、KLAテンコール社製の表面検査装置「SP2」(商品名)を用いて実施した。本データは、16日間という、比較的長期にわたり、基板あたり10個以下という極めて良好なパーティクル数が維持できたことを示している。
(変形例)
図14は、本発明の実施形態にかかるスパッタリング装置の変形例の概略図である。この実施例のスパッタリング装置1は、図1に示したスパッタリング装置1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。本実施例のスパッタリング装置1は、シールド40a1の排気口を設けないかわりに、天井の対向シールド40cに排気路(第一の排気路)405を設けている。こうすることでも、上述した真空室内の圧力を安定化できると同時に、位置的にスパッタ粒子が排気路405付近に堆積しにくく、さらに排気コンダクタンスを一定に保つことができる。また、対向シールド40cの排気路405は、ラビリンス構造を有している。
図15は、シャッター収納器及びシールドが取り付け可能であることを説明するための図である。この図15のスパッタリング装置は、図1に示したスパッタリング装置1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。シャッター収納部23の底面には、シールド40aのフランジ部が取り付けられており、さらにシールド40aのフランジ部には、支柱24によってチャンバーの底面に支持されている。シャッター収納部23、シールド40aのフランジ部、及び支柱24とは、ネジ止めにより固定され、取り付け可能に構成されている。また、シャッター収納部23の上面には、シールド40bがネジ止めにより固定され、取り付け可能に構成されている。このようにシャッター収納部23及びシールド40a、及び40bは、取り付け可能に構成されているので、定期的に新規なシャッター収納器及びシールドに交換可能、或いは洗浄可能である。そのため、チャンバー内にパーティクルが過剰に発生するのを防止することができる。チャンバー内にパーティクルが発生することを抑制することで、基板ホルダー7の基板載置部27に載置された基板10の表面へ成膜することで電子デバイスを製造する際の製品の歩留まりを向上させることができる。また、取り付け可能な構成のシャッター収納部23とシールドを使用することでスパッタリング装置の稼働率が上がるので、製品の製造効率を向上させることができる。
さらに、シャッター収納部23の内部に反応性ガス(酸素、窒素など)を導入するための、反応性ガス導入系17を設けるようにしてもよい。図16は、本発明に係る、シャッター収納部23の内部に反応性ガスを導入する構成を説明するための拡大図である。図16に示すように、シャッター収納部23は、交換および洗浄時の洗浄の容易さの観点から蓋板23aと枠体23bとから構成されている。ガス導入管161はチャンバー8の外部からチャンバー内にガスを導入するように設置され、さらにシャッター収納部23の枠体23bに設けられたガス導入用開口部162を通ってシャッター収納部23内部に至る。ここで、ガス導入用開口部162は円形であり、その直径はガス導入管161より大きい。本実施例ではガス導入配管161の直径は6.35mm、ガス導入用開口部162の直径は7mm、シャッター収納部23内に突き出したガス配管の長さ165は15mmである。シャッター収納器の開口部162の高さ163は33mm、開口部の幅は450mm(非図示)である。ガス導入管161と開口部162の直径差で作られる隙間は0.5mm程度であり、シャッター収納器の高さ163の33mmより十分小さい。ガスはコンダクタンス(ガスの流れ易さ)の大きな流路を流れるため、このように、シャッター収納器からプロセス空間へのコンダクタンスをガス導入管161と開口部162の隙間のコンダクタンスより十分大きくすることが望ましい。何故ならば、開口部162の形状の加工ばらつきや、シャッター収納容器の取り付け位置のばらつきがあっても、ガスがプロセス空間に確実に導入されるからである。ガスが確実に導入されることで成膜特性が安定する効果は、特に反応性ガスの場合に顕著である。さらに、図示したように、ガス導入用開口部162の位置は、シャッターが退避状態にあるときのシャッターの位置よりもシャッター収納器の開口部と反対側にあることが望ましい。この位置は、スパッタ粒子が到達しにくい位置であるので、ガス導入管161を含む反応性ガス導入系17のガス噴出口がスパッタ粒子で塞がれてしまったり、ガス管に付着したスパッタ粒子が剥離してチャンバー内に飛散し、基板を汚染してしまうのを防止することができる。反応性ガス導入系17には反応性ガスを供給するための反応性ガス供給装置(ガスボンベ)18が接続されている。さらに、図16に示すように、ガス導入用開口部162を覆い、ガス導入管161が貫通する開口を持つコンダクタンス調整部材166を取り付け可能に設けても良い。この場合、ガス導入用開口部162の直径はガス導入管161の直径より十分大きい、例えば12mm以上とし、コンダクタンス調整部材166のガス管が貫通する開口部の直径はガス導入管161の外径より僅かに大きくすることが望ましく、例えば7mmとすることが望ましい。シャッター収納容器の取り付け方法は、まずシャッター収納部23に設けられた開口部162にガス導入管161を差し込みながら支柱24にネジ止めし、この後、コンダクタンス調整部材166をガス導入管の周りを覆うように設置する。さらにこの後、シャッター収納器の蓋体23aをシャッター収納部23の枠体23bの上部にネジ止め等により固定する。この手順により、シャッター収納容器23を取り付けるとき、ガス導入管161がシャッター収納部23の枠体23bと接触して発塵してしまったり、シャッター収納容器やガス導入管161が破損するのを防止できる。また、支柱24の内部にガス管通路を設けて、ガスをシャッター収納部23内に導入しても良い。この場合には、ガス導入管161は設置しなくてもよい。この構成では、部品点数が少なくできるので保守作業が簡易に出来る。
また、シャッター収納部23の内部に、排気装置48を通じる貫通口29を設けるようにしてもよい。図17はこの実施例を説明するための拡大図である。シャッター収納部23の内部は、スパッタ粒子が到達しにくい位置であるので、貫通口29がスパッタ粒子で塞がれてしまうのを防止することができる。またこのような構成にすることで、シャッター収納部23の内部に滞留した残留ガスを効率よく排気することができる。なお、本例では、貫通口29をシャッター収納部23の枠体23bの底面に設けたが、シャッター収納部23の側面側又は上面側に貫通口29を設けてもよい。また、シャッター収納部23の内部に、貫通口29を設けた場合、貫通口29を、例えばゲートバルブを設置するなどにより、開閉可能な構造としてもよい。そのような構造にすることで、シャッター収納部23の残留ガスの排気と成膜時の安定した排気を両立することができる。
さらにまた、シャッター収納部23の内部に、真空チャンバー2の圧力を測定する測定手段181(圧力計、分圧計、分光計など)を設けるようにしてもよい。さらに測定手段181による測定結果に基づき、ガス流量などを調整しながら成膜又はコンディショニングを行うことで、再現性を改善した成膜方法を実現することができる。このような調整に主制御部100による制御を使用してもよい。図18は、この実施例を説明するための図である。測定手段181は、シャッター収納部23の内部に接続されており、一部はチャンバー外部に設けられていてもよい。測定手段181による測定結果の情報は図示しない測定器の入出力ポートから主制御部100へ送信される。シャッター収納部23の内部は、スパッタ粒子が到達しにくい位置であるので、測定手段181がスパッタ粒子で塞がれてしまうのを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、シャッター収納部23の開口部の全周囲に、シールド部材を設けたが、これに限定されず、シャッター収納部23の開口部の周囲の少なくとも一部(例えば、シャッター収納部23の開口部上部)に、シールド部材を設けるようにしてもよい。また、上述の実施形態では、シャッター収納部23に取り付け可能にシールド部材も設けたが、シールド部材は、シャッター収納部23と一体構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、単一のターゲットホルダー(カソード)6を用いたが、これに限定されず、二つ以上のターゲットホルダーを設けてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を添付図面の参照により説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々な形態に変更可能である。
本願は、2010年3月26日提出の日本国特許出願特願2010−072126を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (3)

  1. 成膜処理を行うための処理チャンバーと、
    前記処理チャンバー内に設置され、基板を載置するための基板ホルダーと、
    前記処理チャンバー内に設置されたターゲットホルダーと、
    前記基板ホルダーと前記ターゲットホルダーとの間を遮蔽する遮蔽状態、または前記基板ホルダーと前記ターゲットホルダーとの間から退避した退避状態に移動することが可能なシャッターと、
    前記シャッターを駆動する駆動手段と、
    前記シャッターを前記処理チャンバー内に出し入れするための開口部を有し、前記退避状態の前記シャッターを収納するシャッター収納部と、
    前記処理チャンバー内にガスを導入するためのガス導入管と、を備え、
    前記ガス導入管は、その端部のガス噴出口がガス導入用開口部を通じて前記シャッター収納部の内部に設けられ、前記ガス噴出口は前記シャッターが前記シャッター収納部に収納された状態で、前記シャッター収納部の開口部とは反対側における当該シャッター収納部と前記シャッターとの間に配置され、前記ガス噴出口から前記シャッター収納部の内部に導入されるガスは、前記シャッター収納部の開口部を介して前記処理チャンバーに導入されることを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記ガス導入管と前記ガス導入用開口部との隙間が、前記シャッター収納部の開口部より小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
  3. 前記シャッター収納部の内部には、前記処理チャンバー内の圧力を測定する測定手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリング装置。
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