本発明は、請求項1の上位概念に記載された、版胴上に刷版を配置する方法に関する。
印刷機では、多くの場合、取付型の印刷板として構成された版(刷版)を支持し、刷版取付型の版胴として構成された版胴が用いられる。このような刷版は交換することができる。そのために、刷版を着脱可能に版胴に固定する装置が必要である。印刷機で製造される印刷製品の精度に対する要求が高まるにつれ、版胴上に刷版を配置する精度に対する要求も高まる。例えば高品位印刷では、刷版の少なくとも相互の位置においてマイクロメートル範囲の精度が必要であるという要求が課される。そのような精度は、従来の枚葉印刷機の刷版クランプでは達成不可能である。
独国特許出願公開第4129831号明細書、独国特許出願公開第102004052826号明細書及び独国特許出願公開第19924784号明細書において、それぞれ版胴が公知である。版胴は溝を備え、溝にクランプ装置が配置されており、クランプ装置は、半径方向外側のクランプ要素を備える。半径方向外側のクランプ要素は、クランプ装置のベースボディに対して相対的に不動に配置されている。クランプ装置は、押付け要素を備え、押付け要素は、半径方向外側のクランプ要素よりも半径方向で更に内側に配置されている。クランプ装置は、調節要素を備える。調節要素により、押付け要素は、少なくとも部分的に半径方向外側のクランプ要素に対して相対的に、少なくともクランプ方向にかつ/又はクランプ方向とは逆方向に可動である。
独国特許出願公開第19511956号明細書において、版胴が公知である。この版胴のクランプ装置は、半径方向内側のクランプ要素を備える。クランプ要素は、少なくとも1つの前方の押圧要素により、周方向に関して所定の位置に保持されている。
独国特許出願公開第4226565号明細書において、輪転印刷機の版胴に対して、屈撓性を有する刷版を締め付けるかつ調整する装置が公知である。
独国特許出願公開第3731039号明細書において、版胴が公知である。この版胴は溝を備え、溝に後方のクランプ装置が配置されている。後方のクランプ装置は、半径方向外側のクランプ要素を備える。この版胴では、クランプ装置は、少なくとも1つの押付け要素を備える。押付け要素は、部分的に半径方向で、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素よりも内側に配置されている。クランプ装置は、少なくとも1つの調節要素を備え、調節要素により、少なくとも1つの押付け要素及び半径方向外側のクランプ要素は、少なくとも部分的に相対的に少なくともクランプ方向にかつ/又はクランプ方向とは逆方向に可動である。
独国特許出願公開第4341431号明細書において、版胴が公知である。この版胴は溝を備え、溝に2つのクランプ装置が配置されている。クランプ装置は、それぞれ1つのベースボディを備える。このベースボディに対して相対的に、それぞれ少なくとも1つのクランプ要素が不動に配置されていて、このベースボディに対して相対的に、それぞれ少なくとも1つのクランプ要素が可動に配置されている。クランプ装置のうちの1つは、ねじを介して、1つの溝壁に支持されている。別のクランプ装置は、支持ピンを介して、別の溝壁に支持されている。
独国実用新案登録第29815085号明細書において、版胴が公知である。この版胴は溝を備え、溝に2つのクランプ装置が配置されている。クランプ装置のうちの少なくとも1つは、ベースボディを備える。このベースボディに対して相対的に、少なくとも1つのクランプ要素が不動に配置されていて、このベースボディに対して相対的に、少なくとも1つの別のクランプ要素が可動に配置されている。このクランプ装置は、ねじ及び圧縮コイルばねを介して、溝壁に支持されている。
独国実用新案登録第29608124号明細書において、版胴が公知である。この版胴は溝を備え、溝に少なくとも1つのクランプ装置が配置されている。クランプ装置は、少なくとも1つのベースボディを備える。このベースボディに対して相対的に、少なくとも1つのクランプ要素が不動に配置されていて、このベースボディに対して相対的に、少なくとも1つの別のクランプ要素が可動に配置されている。少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも3つの支持箇所を介して、周方向で版胴の胴中に支持されている。ベースボディと胴中との結合のために用いられるシャフトがベースボディに対して固定的に又は胴中に対して固定的に、そして又、胴中に対して相対的に可動にかつベースボディに対して相対的に可動に配置されているか否かに関する記載が認められない。
前掲独国特許出願公開第4129831号明細書において、クランプ装置が内側のクランプ要素を備え、内側のクランプ要素は、少なくとも1つの前方の押圧要素により、常時、周方向に関して所定の位置で保持されていることが更に公知である。
国際公開第93/03925号において、版胴が公知である。この版胴は溝を備え、溝に締付け装置が配置されており、締付け装置は、溝の内側においてキャリッジ上で可動のクランプ装置を備える。
独国特許出願公開第4239089号明細書、欧州特許出願公開第0579017号明細書及び欧州特許出願公開第0711664号明細書において、刷版を締め付けるかつ刷版の見当を補正する方法及び装置が公知である。欧州特許出願公開第0579017号明細書は、更に、印刷機の版胴を開示しており、この版胴は、版胴の溝に配置された少なくとも1つの締付け装置を備える。
独国特許出願公開第4235393号明細書において、見当合わせ装置及び見当を調節する方法が公知である。この装置及び方法では、レジスタマークが用いられる。
独国特許出願公開第102007057455号明細書において、刷版を版胴に装着したまま変形できる装置が公知である。周方向の刷版の調節のために、既に行われた刷版の調節が軸方向で先ず再び解消される。
米国特許出願公開第2006/0174792号明細書において、ウェブ状のプラスチック被印刷物の幅の変更に対して反応するために、インクジェット方式の印刷ヘッドを熱膨張により変形させる方法が公知である。
独国特許出願公開第10011815号明細書において版胴上に刷版を配置する方法が公知である。版胴は、溝を備え、溝に、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び少なくとも1つの後方のクランプ装置が配置されており、後方のクランプ装置は、キャリッジの部分であり、キャリッジは、締付け駆動装置により、溝の内側で、締付け路に沿って、前方のクランプ装置に向けて可動に配置されており、締付け過程において、少なくも1つのキャリッジは、少なくとも1つの締付け駆動装置により、刷版の、後方のクランプ装置に締め込まれた後方の端部とともに、前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられる。
本発明の根底を成す課題は、版胴上に刷版を配置する方法を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴部に記載された構成により解決される。
本発明により得られる利点は、特に、刷版取付型の版胴として構成された版胴に対する刷版の装着(載置)が簡単でかつ高い精度で実施可能であることにある。特に、できるだけ少数の可動の構成部分を含む相応の装置が簡単に構成される。版胴上の刷版の位置や姿勢の好ましい高い再現性も有利である。高いクランプ力も同じく刷版の位置や姿勢の精度を高める。これにより、特に複数の版胴が共通の1本のゴム胴と協働する好ましい印刷機では、特に高い精度の利点が得られる。なぜならば、そこでは被印刷物にインキが着けられる1つの箇所しか存在せず、従って、印刷像の精度が、共通のゴム胴上のインキの位置の精度、ひいては最終的に版胴に刷版が配置されている精度及び版胴が相互に配置されている精度にのみ左右されるからである。
版胴、特に印刷機の刷版取付型の版胴は、好適には少なくとも1つの溝を備え、溝に好適には少なくとも1つのクランプ装置が配置されており、この場合、少なくとも1つのクランプ装置は、好適には少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素、特に少なくとも1つの半径方向外側のクランプ条片を備え、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素は、好適には、少なくとも1つのクランプ装置のベースボディに対して相対的に不動に配置されており、この場合、好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも1つの押付け要素を備え、少なくとも1つの押付け要素は、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素よりも更に内側に配置されており、この場合、好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも1つの調節要素を備え、少なくとも1つの調節要素により、少なくとも1つの押付け要素は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素に対して相対的に、更に好適には版胴の胴中に対して相対的に、少なくともクランプ方向にかつ/又はクランプ方向とは逆方向に可動である。このような版胴は、以下に記載の1つ又は複数の特徴を有する。少なくとも1つの調節要素は、例えば好適にはクランプ解除駆動装置、特にクランプ解除チューブとして構成されている。
好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも2つの押付け要素を備え、版胴に関して周方向で、少なくとも1つの調節要素は、少なくとも2つの押付け要素の間に配置されている。この場合、このクランプ装置のクランプ力は、同一のばね硬さの単一の押付け要素に対して2倍である。しかし調節要素により消費される力は全く同一である。なぜならばその代わりに少なくとも1つの調節要素の調節距離が2倍になるからである。というのも少なくとも2つの押付け要素の間に配置された少なくとも1つの調節要素が、それぞれ両方の押付け要素に向けて移動できるからである。ゆえに、調節要素として解除チューブ、特にクランプ解除チューブが用いられる場合、2倍の調節力のために、クランプ解除チューブに、単一の押付け要素よりも、高い圧力が達成可能である必要はない又は高い圧力を達成する必要はない。
好適には、少なくとも1つのクランプ装置の少なくとも2つの押付け要素の間を結ぶ少なくとも1本の真っ直ぐな接続線は、少なくとも1つのクランプ装置の少なくとも1つの調節要素と交差する。好適には、少なくとも1つの押付け要素は、少なくとも1つの調節要素により、少なくとも部分的に版胴の胴中に対して相対的に、少なくともクランプ方向にかつ/又はクランプ方向とは逆方向に可動である。
好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素を備え、更に好適には、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素には、少なくとも1つ又は好適には少なくとも2つの押付け要素により、クランプ方向で、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素に向けて力を及ぼすことが可能であるかつ/又は力が及ぼされており、好適には、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素は、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素と相俟ってクランプギャップを形成するように配置されている。この場合、好適には、クランプギャップの形状及び/又は位置取りは、少なくとも2つのクランプ要素により確定されていて、かつ再現可能であり、好適には、クランプギャップは、クランプ時に刷版を不所望に動かすことなく操作可能である。このことは特に、好適な場合、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素が直線移動のみ可能に配置されている場合に当てはまる。
好適には、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素は、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ条片であり、少なくとも1つの半径方向外側のクランプ条片は、版胴の回転軸線に関して軸方向に、少なくとも1つの溝の軸方向長さの少なくとも75%にわたって延在している、かつ/又は、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素は、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ条片であり、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ条片は、版胴の回転軸線に関して軸方向に、少なくとも1つの溝の軸方向長さの少なくとも75%にわたって延在している。好適には、少なくとも2つの押付け要素は、それぞれ少なくとも1枚の板ばねとして構成されている。この場合、軸方向は、好適には版胴の回転軸線に対して平行に配向されている。
好適には、少なくとも1つの調節要素は、少なくとも1つのクランプ解除チューブとして構成されており、少なくとも1つのクランプ解除チューブには、更に好適には、クランプを解除するために、所定の圧力を及ぼすことが可能である。この場合、利点は、このクランプ解除チューブが簡単に構成されていてかつ安価に製造可能であり運転可能であることにある。更に、そのようにして、非作動化させられた調節要素においてクランプを達成することができる。
好適には、少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素は、少なくとも1つの結合要素により、少なくとも2つの押付け要素に結合されている。
好適には、少なくとも1つの溝に、このように構成された少なくとも1つの前方のクランプ装置及びこのように構成された少なくとも1つの後方のクランプ装置が配置されている。この場合、前述の利点が好適には2度利用される。好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置は、刷版の、印刷運転時に前方の端部を収容するように構成されている。
好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、少なくとも1つの後方のクランプ装置として構成されていて、かつ少なくとも1つの締付け装置の少なくとも1つのキャリッジの一部であり、少なくとも1つのキャリッジは、少なくとも1つの締付け駆動装置により、少なくとも1つの溝の内側で、締付け路に沿って、少なくとも1つの前方のクランプ装置に向けて可動に配置されている。好適には、締付け路は、版胴の回転軸線に対して直交する方向に延在している。好適には、締付け路は、面法線が版胴の回転軸線に対して平行に配向された平面内で延在している。この場合、このキャリッジは、好適には刷版を締め付けるのみならず刷版の装着を容易にするためにも用いることができる。
好適には、締付け路は、少なくとも部分的に、周方向にかつ/又は周方向とは逆方向に、又は、周方向に対する接線方向の締付け方向にかつ/又は周方向に対する接線方向の締付け方向とは逆方向に延在している。好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置は、少なくとも1つの締付けチューブとして構成されている。この場合、好適には、特に締付け解除チューブが簡単に構成されていて、安価に製造可能でありかつ運転可能である場合に、クランプ解除チューブの場合と同一の利点が得られる。
好適には、締付け方向のかつ/又は締付け方向とは逆方向の、版胴の胴中に対して相対的な少なくとも1つのキャリッジの最大移動距離は、少なくとも1つの後方のクランプ装置にクランプされた刷版と少なくとも1つの後方のクランプ装置の少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素との、設定された又は更に好適には実際の接触面の、締付け方向で測定された延伸長さと少なくとも同一の大きさである。
好適には、少なくとも1つの締付け装置及び更に好適には正確に1つの締付け装置は、版胴の回転軸線に関して軸方向で、少なくとも1つの溝の軸方向長さの少なくとも75%にわたって延在している。
好適には、少なくとも1つの溝に、少なくとも1つの締付け装置が配置されており、少なくとも1つの締付け装置は、少なくとも1つの前方のクランプ装置と少なくとも1つの後方のクランプ装置とを備え、好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置は、少なくとも1つの前方の調節要素、特に少なくとも1つの前方のクランプギャップを開閉する少なくとも1つの前方のクランプ解除駆動装置と、第1の溝壁に向けられたそれぞれ1つの前方の接触ボディを調節する少なくとも2つの補助駆動装置とを備え、好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置は、少なくとも1つの後方の調節要素、特に少なくとも1つの後方のクランプギャップを開閉する少なくとも1つの後方のクランプ解除駆動装置と、版胴の回転軸線に対して平行の軸方向に関して少なくとも1つの後方のクランプ装置の位置を調節する少なくとも1つのアキシャル駆動装置とを備える。この場合、締付け装置の再現可能で迅速な調節が可能である。
好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除駆動装置、少なくとも2つの補助駆動装置、少なくとも1つの後方のクランプ装置及び少なくとも1つのアキシャル駆動装置は、機械制御装置により制御可能にかつ/又は制御されるようにかつ/又は調整可能にかつ/又は調整されるように構成されている。好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置は、第2の溝壁からの少なくとも1つの後方のクランプ装置の少なくとも1つの間隔を調節するために、それぞれ1つの後方のスペーサの少なくとも2つのスペーサ駆動装置又はそれぞれ1つの後方のストッパ調節要素の少なくとも2つの後方のストッパ駆動装置を備え、好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除駆動装置、少なくとも2つの補助駆動装置、少なくとも1つの後方のクランプ解除駆動装置、少なくとも1つのアキシャル駆動装置及び少なくとも2つのスペーサ駆動装置又は後方のストッパ駆動装置は、機械制御装置により制御可能にかつ/又は制御されるようにかつ/又は調整可能にかつ/又は調整されるように構成されている。好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置は、少なくとも1つのキャリッジを備え、少なくとも1つのキャリッジは、好適には少なくとも1つの締付け駆動装置により、版胴の回転軸線に対して直交する少なくとも1つの方向に可動であり、好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置は、同様に、機械制御装置により制御可能にかつ/又は制御されるようにかつ/又は調整可能にかつ/又は調整されるように構成されている。機械制御装置により、締付け装置及び/又は少なくとも1つのクランプ装置の高い精度及び微調節が可能である。
好適には、少なくとも1つのクランプ装置は、周方向で少なくとも3つの支持箇所を介して版胴の胴中に支持されており、好適には、第1の支持箇所で、少なくとも1つの前方のクランプ装置の少なくとも1つのベースボディ、又は少なくとも1つの前方のクランプ装置の、少なくとも1つのベースボディに対して不動に配置された構成部分が、直接に、第1の溝壁又は版胴の胴中に対して不動に配置された構成部分に結合されており、好適には、少なくとも2つの第2の支持箇所で、それぞれ、少なくとも1つの前方のクランプ装置の、少なくとも1つのベースボディに対して相対的にその位置が調節可能でかつ少なくとも1つのベースボディとともに可動の接触ボディが、第1の溝壁にかつ/又は版胴の胴中に対して不動に配置された構成部分に結合されている。この場合、刷版の位置補正及び締付け補正は、特に精緻で再現可能に調節することができる。
以下に、版胴上に刷版を配置する方法について記載する。この版胴は、少なくとも1つの溝を備え、溝に好適には少なくとも1つの前方のクランプ装置及び少なくとも1つの後方のクランプ装置が配置されており、後方のクランプ装置は、好適には少なくとも1つのキャリッジの一部である、この方法は、以下に記載の1つ又は複数の方法過程を有する。
この方法は、好適には、印刷機、特に枚葉印刷機の少なくとも2本の版胴上にそれぞれ少なくとも1枚の刷版を好適には見当に正しく配置する方法である。この場合、少なくとも2本の版胴は、好適にはそれぞれ少なくとも1つの溝を備え、溝には、それぞれ少なくとも1つの締付け装置が配置されており、締付け装置は、それぞれ好適には少なくとも1つの前方のクランプ装置を備え、前方のクランプ装置には、各刷版の前方の端部がクランプされており、締付け装置は、それぞれ好適には少なくとも1つの後方のクランプ装置を備え、後方のクランプ装置には、各刷版の後方の端部がクランプされており、好適には検査過程において、好適にはシート状の被印刷物の少なくとも1つのレジスタパターンが、好適には少なくとも1つのレジスタセンサにより検出され、レジスタパターンに応じて、好適には評価過程において、好適には、少なくとも1つの締付け装置における少なくとも1つの調節要素、更に好適には周方向で前方の少なくとも1つの調節要素及び/又は周方向で後方の少なくとも1つの調節要素が求められ、好適には算出され、好適には第1の適合過程において、例えばエラーを含んで締め付けられた好適には少なくとも1枚の刷版が、少なくとも周方向に関して、少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、この場合、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び少なくとも1つの後方のクランプ装置にクランプされたままであり、好適には、続いて、少なくとも1つの調節要素、特に少なくとも1つの前方の調節要素及び少なくとも1つの後方の調節要素に対する新たに求められた、好適には算出された調節に応じて、周方向で変化させられて各版胴上で締め付けられる。好適には、少なくとも1枚の刷版の少なくとも部分的な弛緩に際して、この刷版に作用する締付け力は、好適には少なくとも50%、更に好適には少なくとも75%、その上更に好適には少なくとも90%低減される。好適には、少なくとも1枚の刷版の完全な弛緩に際して、この刷版に作用する締付け力は100%低減される。
好適には、少なくとも1つの調節要素に対する新たな調節は、コンピュータにより、更に好適には機械制御装置により、又は機械制御装置に回路技術的に接続されたコンピュータにより求められ、好適には算出される。好適には、少なくとも1つのレジスタセンサは、少なくとも1つの光学的なレジスタセンサ、例えばエリアカメラとして構成されている。好適には、少なくとも1つのレジスタセンサは、回路技術的に機械制御装置に接続されている。
好適には、方法の特徴によれば、被印刷物が少なくとも1つのレジスタパターンを有し、レジスタパターンは、それぞれ少なくとも2つの基準要素、特にレジスタマークを有し、基準要素は、それぞれ異なる刷版に起源し、好適にはそれぞれ異なるインキで印刷されており、好適には、各レジスタパターンに関して、1つの基準要素、特にレジスタマークが、ベース基準要素、特にベースレジスタマークとして確定される又は確定されており、検査過程において、好適にはそれぞれ少なくとも1つのレジスタパターンのベース基準要素、特にベースレジスタマークに対して相対的な、少なくとも1つのレジスタパターンの全ての基準要素、特にレジスタパターンの目標位置に対する実際位置が、更に好適には少なくとも1つのレジスタセンサにより検出される。
好適には、方法の特徴によれば、評価過程において、好適には検出された別のレジスタパターンを考慮して、周方向で生じる許容範囲を超える、目標位置に対する実際位置の少なくとも1つのずれが生じる場合、少なくとも1枚の刷版が例えばエラーを含んで締め付けられている又は締め付けられていた(この刷版は周方向でずれる少なくとも1つのレジスタマークを生じさせる)少なくとも1つの締付け装置の少なくとも1つの調節要素に対する新たな調節が求められ、好適には算出され、第1の適合過程において、例えばエラーを含んで締め付けられたこの少なくとも1枚の刷版は、少なくとも周方向に関して、少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、続いて、周方向で変化させられて各版胴上で締め付けられる。
好適には、方法の特徴によれば、評価過程において、それぞれ少なくとも1枚の刷版が例えばエラーを含んで締め付けられているか又は締め付けられていた、少なくとも2つの、更に好適には全ての締付け装置のそれぞれ少なくとも1つの調節要素に対する新たな調節が求められ、好適には算出され、第1の適合過程において、例えばエラーを含んで締め付けられたこれらの少なくとも2枚の、好適には全ての刷版は、少なくともそれぞれの周方向に関して、少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、その際、特にそれぞれ少なくとも1つの締付け装置のそれぞれ少なくとも1つの前方のクランプ装置及びそれぞれ少なくとも1つの後方の締付け装置にクランプされたままにされ、続いて、好適にはそれぞれ少なくとも1つの締付け装置により、新たに求められた、好適には算出された、それぞれ少なくとも1つの調節要素に対する調節に応じて、周方向で変化させられ、各版胴上で締め付けられる。
好適には、方法の特徴によれば、評価過程において、1つ又は複数の締付け装置の複数の調節要素に対する新たな調節は、同時に、かつ/又は複数の調節要素の相互の影響を考慮して求められ、好適には算出される。
好適には、方法の特徴によれば、例えばエラーを含んで締め付けられた少なくとも2枚の刷版の第1の適合過程は、少なくとも一時的に同時に行われる。
好適は、方法の特徴によれば、検査過程に先行する少なくとも1つの試し刷り過程において、少なくとも2つのレジスタパターンが被印刷物に印刷される。レジスタパターンは、それぞれ、少なくとも2枚のそれぞれ異なる刷版に起源する少なくとも2つの基準要素、特にレジスタマークから構成されている。特に、レジスタパターンのインキも同じくそれぞれ異なる刷版を起点として直接に又は好適には間接に被印刷物に転移させられる。
好適には、方法の特徴によれば、第1の適合過程において、少なくとも1枚の刷版の内側における張力は、軸方向に関して不変に維持される。
好適には、方法の特徴によれば、少なくとも1つの締付け装置の少なくとも1つの調節要素が、少なくとも1つの前方の接触ボディとして構成されており、前方の接触ボディにより、少なくとも1つの溝の第1の溝壁からの少なくとも1つの前方のクランプ装置の間隔が調節可能であり、かつ/又は少なくとも1つの締付け装置の少なくとも調節要素が、後方のスペーサとして構成されており、後方のスペーサにより、少なくとも1つの溝の第2の溝壁からの少なくとも1つの後方のクランプ装置の間隔が調節可能であり、かつ/又は少なくとも1つの締付け装置の少なくとも1つの調節要素が、少なくとも1つの軸方向駆動装置として構成されており、軸方向駆動装置により、軸方向に関する少なくとも1つの後方のクランプ装置の位置が各版胴の回転軸線に対して平行に調節可能である。
好適には、方法の特徴によれば、被印刷物の搬送方向に対して横向きにかつ/又は少なくとも1本の版胴に関して軸方向に相互に間隔を置いた少なくとも2つのレジスタパターン、及び/又は被印刷物の搬送方向に沿ってかつ/又は少なくとも1本の版胴に関して周方向に相互に間隔を置いた少なくとも2つのレジスタパターンが、検査過程において検出され、評価過程において処理される。
好適には、本発明の特徴によれば、被印刷物のそれぞれ反対側の面に配置された少なくとも2つのレジスタパターンが、検査過程において、好適には、相互に機械的にかつ/又は回路技術的に連結されたセンサ、特にレジスタセンサによりかつ/又は同時に検出され、評価過程において、まとめて処理される。同時の検出は、これにより被印刷物が表面の検出と裏面の検出との間で移動させる必要がないことを保証するという利点を提供する。好適には、少なくとも2つのセンサの位置も相互に既知でありかつ/又は一定であるので、これに基づいて表面及び裏面の相互の見当に関する精緻なデータを得ることができる。好適には、少なくとも2つのレジスタセンサの検出範囲が相互に向き合っている。更に好適には、被印刷物は、同時に検出される少なくとも2つのレジスタマークの検出に際して、少なくとも2つのレジスタセンサの間に配置されている。共通の処理は、相互の影響を考慮できるという利点を提供する。例えば、前方の調節要素の変更された調節は、当初は既に完璧に調節されたように思われる後方の調節要素の調節の変更を要求することがある。このことは、被印刷物の裏面における印刷像に対して相対的な被印刷物の表面における印刷像にも、被印刷物の共通の1つの面におけるそれぞれ異なる部分印刷像にも当てはまる。
好適には、方法の特徴によれば、検出されたかつ相互に考慮して評価されたレジスタパターンの数は、少なくとも2本の版胴のうちの1本の、前方の接触ボディ及び/又は後方のスペーサとして構成された調節要素の合計と少なくとも同じ大きさである。更に好適には、この数は、刷版あたり少なくとも8、更に好適には刷版あたり少なくとも14である。特に好適には、レジスタパターンは、被印刷物の表面だけではなく裏面でも検出され、評価される。
特に、評価過程において、別に検出されたレジスタパターンを考慮して、少なくとも1本の版胴の回転軸線に関して軸方向で生じる、許容範囲を超える、目標位置に対する実際位置の少なくとも1つのずれが生じる場合、例えばその軸方向の延伸長さでエラーを含んだ、少なくとも1本の版胴上に配置された少なくとも1枚の刷版の、かつ/又は少なくとも1本の版胴の少なくとも1つの胴中の、かつ/又は刷版及び/又は少なくとも1つのこの版胴と協働する少なくとも1つの温度媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度に対する新たな調節が求められ、好適には算出され、第2の適合過程において、少なくとも1枚の刷版及び/又は少なくとも1つの胴中及び/又は温度調整媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度が、新たな調節に従って変更される。このことは、それぞれ異なる軸方向の位置に配置された複数のレジスタパターンが比較され、かつ所定のインキが別のインキに対して相対的に軸方向に異なって配置されている場合、そしてエラーが一般的な左右見当合わせ装置(例えば刷版及び/又は版胴の一定の軸方向移動)により解消可能なエラーではない場合、このエラーは温度により補整できることに基づく。利点は、特に、これにより、少なくとも相応のインキの相応の印刷像の幅の均一の変化が、特に周方向のかつ特に印刷像長さ全体にわたる刷版の位置に関わらず、特に残りのインキの印刷像とは関係なく得られることにある。好適には、少なくとも1つの温度調整流体は、少なくとも1つの温度調整液、例えば場合により防錆剤又はその類似物のような添加物を含む実質的な水である。
好適には、方法の特徴によれば、評価過程において、少なくとも1枚の別の刷版の少なくとも1つの温度、及び/又は少なくとも1本の別の版胴の胴中の少なくとも1つの温度、及び/又は別の版胴の少なくとも1つの温度調整媒体、例えば温度調整流体の少なくとも1つの温度、及び/又は印刷機の周辺温度、及び/又は被印刷物の温度が、例えば軸方向の延伸長さにおいてエラーを含む少なくとも1枚の刷版及び/又は少なくとも1つの胴中及び/又は温度調整媒体の少なくとも1つの温度に対する新たな調節の求め及び好適には算出に含められる。
好適には、少なくとも1つの温度に対する新たな調節は、コンピュータ、更に好適には機械制御装置、又は機械制御装置に回路技術的に接続されたコンピュータにより求められ、特に算出される。但し、原則的に、このような新たな調節は、例えば計算によりかつ/又は所定の調節の組み合わせ、例えば数値の表を利用して作業員が求めることも可能である。
好適には、方法の特徴によれば、適合過程の後では、それぞれ異なる版胴上に配置された異なる2枚の刷版の間の温度差は、適合過程の前よりも大きい又は小さい。
好適には、方法の特徴によれば、検査過程において、それぞれ同一の刷版に起源する少なくとも1つの基準要素、特に同一の刷版に起源する少なくとも1つのレジスタマークを有する少なくとも2つのレジスタパターンを検出することができる。
好適には、方法の特徴によれば、評価過程において、好適には検出された別のレジスタパターンを考慮して、例えば軸方向の延伸長さでエラーを含む少なくとも2枚、更に好適には全ての刷版の少なくとも1つの温度に対する新たな調節が求められ、好適には算出され、第2の適合過程において、これらの刷版、及び/又は各版胴のそれぞれの胴中、及び/又は温度調整媒体の少なくとも1つの温度が、新たな調節に従って変化させられる。
好適には、方法の特徴によれば、第2の適合過程において、少なくとも1枚の刷版の内側における張力が、周方向に関して不変に維持される。画素の角度位置は、特に相応の刷版の延伸長さが温度に起因して変化する場合、温度に依存しないので、温度変化の後に更に角度位置及び/又は周方向Dに関係する更なる適合を行う必要はない。
好適には、方法の特徴によれば、少なくとも1つの調節要素及び更に好適には新たに調節された全ての調節要素の調節は、機械制御されて、相応の少なくとも1つの駆動装置により行われる。特に、これにより、少なくとも1つのセンサ、特にレジスタセンサによる少なくとも1つのレジスタパターンの検出と組み合わせて、自動化された自律式に進行可能な、少なくとも1本の版胴上に少なくとも1枚の刷版を配置する方法が得られる。
好適は、方法の特徴によれば、少なくとも1つの後方のクランプ装置を支持する少なくとも1つのキャリッジが、締付け路に沿って、同一の溝に配置された少なくとも1つの前方のクランプ装置から離間されることにより、少なくとも1枚の刷版が、少なくとも周方向に関して、少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、かつ/又は少なくとも1つの調節要素が新たに調節された後で、少なくとも1つの後方のクランプ装置を支持する少なくとも1つのキャリッジが、締付け路に沿って、同一の溝に配置された少なくとも1つの前方のクランプ装置に向けて移動させられることにより、少なくとも1枚の刷版が変化させられて締め付けられる。
好適には、方法の特徴によれば、先ず少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの後方のクランプ装置に締め付けられた刷版の後方の端部とともに、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられることにより、少なくとも1枚の刷版が変化させられて締め付けられ、その後で、少なくとも1つの後方のスペーサが、少なくとも1つのキャリッジに対して相対的にかつ/又は少なくとも1本の版胴の胴中に対して相対的に所定の位置に調節され、この所定の位置は、少なくとも1つの後方のスペーサの少なくとも1つの域で、締付け駆動装置とは関係なく、第2の溝壁からの少なくとも1つの後方のクランプ装置の特定の間隔を確定する位置であり、続いて、締付け駆動装置が非作動化させられ、少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの後方のクランプ装置とともに、締め付けられた刷版から及ぼされる力が少なくとも1つのキャリッジを少なくとも1つの後方のスペーサを介して第2の溝壁に押し付けることにより、締付け路に沿ったその位置で保持される。実施可能な1つの運転の形態によれば、少なくとも2つの後方の調節要素の、少なくとも1つのキャリッジに対して相対的なかつ/又は第2の溝壁に対して相対的な位置が、それぞれ異なる強さで変化させられる。これにより、少なくとも1つの後方のクランプ装置及び特にその少なくとも1つの半径方向内側のかつ/又はその少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素が、好適には弾性的に変形され、好適には周方向で変形される。これにより、刷版は、その軸方向の延伸長さに沿ってみて、周方向にそれぞれ異なる強さで締め付けられ、それに応じて変形される。これにより、例えば刷版上の印刷像の配置における凸状及び/又は凹状のエラーを適合させることができる。
好適には、方法の特徴によれば、各調節要素に対応して、軸方向に関してその位置で各調節要素に少なくとも部分的に一致する正確に1つのレジスタパターンが配置されている。この場合、比較的簡単で直接にレジスタパターンから必要な新たな調節要素の調節を導き出すことが可能である。択一的に、例えば様々な被印刷物幅を用いる印刷機において被印刷物の幅が狭すぎる場合、調節要素の調節が、それぞれ複数のレジスタパターンの位置から求められ、好適には算出される。このことは、特に、好適には、大きく異なる幅、例えば400mm〜900mmの幅を有する被印刷物が使用される場合に必要である。
好適には、前方の開放過程において、少なくとも1つの前方のクランプ装置が開かれる。好適には、前方の挿入過程において、刷版の前方の端部が、少なくとも1つの前方のクランプ装置の前方のクランプギャップに挿入される。好適には、前方のクランプ過程において、少なくとも1つの前方のクランプ装置が閉じられ、その際、刷版の前方の端部は、少なくとも1つの前方のクランプ装置にクランプされる。好適には、その後で、装着過程において、刷版が版胴の周面に装着される。
好適には、後方の開放過程において、少なくとも1つの後方のクランプ装置が開かれ、その前にかつ/又はそれと同時にかつ/又はその後で、少なくとも1つのキャリッジは、締付け路に沿って、端位置又は間隔を置いた端位置から所定の挿入区間だけ少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて中央又は内側の位置に移動させられる。間隔を置いた端位置は、好適には、少なくとも1つのキャリッジが所定の蓄え区間の分だけ、例えば4mm〜6mm第2の溝壁から間隔を置いて配置された位置である。この蓄え区間は、潜在的な締付け距離を増やすために用いられる。ここでは、中央の位置の概念は、端位置及び/又は間隔を置いた端位置に対して区別するためのものであり、特にその位置が正確に中央である必要はないことを意味する。好適には、後方の挿入過程において、それ以前に版胴の周りに置かれた刷版の後方の端部は、後方の端部が少なくとも所定の部分で周方向に第2の溝壁と版胴の周面とを結ぶ縁部を越えて突出するように、版胴上に置かれ、次いで、少なくとも1つのキャリッジが、締付け路に沿って、その中央又は内側の位置から挿入区間だけ第2の溝壁に向けてその端位置又は好適にはその間隔を置いた端位置に移動させられる。好適には、少なくとも1つのキャリッジが、締付け路に沿って、その中央又は内側の位置から第2の溝壁に向けてその端位置又は好適にはその間隔を置いた端位置に移動させられる間に、刷版の後方の端部は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの後方のクランプ装置の少なくとも1つの後方のクランプギャップにより包囲される。この場合、包囲とは、その後で、少なくとも1つの後方のクランプ装置の少なくとも1つの半径方向内側のクランプ要素と、少なくとも1つの後方のクランプ装置の少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素とを結ぶ少なくとも1本の真っ直ぐな接続線が、刷版の後方の端部と交差することと解される。好適には、後方のクランプ過程において、少なくとも1つの後方のクランプ装置が閉じられ、その際、刷版の後方の端部は、少なくとも1つの後方のクランプ装置にクランプされる。
好適には、締付け過程において、少なくとも1つのキャリッジが、締付け路に沿って少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられ、その際、刷版が締め付けられる。好適には、締付け過程の第1のステップにおいて、少なくとも1つのキャリッジは、締付け路に沿って、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられる。その際、好適には、刷版は、第1の力で締め付けられる。その際、好適には、刷版は、この刷版を用いた印刷運転のために設定されたよりも強く締め付けられる。好適には、締付け過程の第2のステップにおいて、少なくとも1つのキャリッジが再び第2の溝壁に向けて移動させられることにより、刷版は再び弛緩される。好適には、締付け過程の第3のステップにおいて、新たに、少なくとも1つのキャリッジは、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられる。この場合、好適には、刷版は、第2の力で締め付けられる。好適には、第1の力は、第2の力と全く同一である。好適には、刷版は、締付け過程の第1のステップの開始から締付け過程の第3のステップの終了まで、後方のクランプ装置にクランプされる、つまりクランプされる。好適には用いられる少なくとも1つの後方のクランプ装置の構成に応じて、好適には、締付け過程の、後述の両方の形態の内の1つの形態が用いられる。
締付け過程、特に締付け過程の第3のステップの第1の形態では、好適には先ず少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの締付け駆動装置により、刷版の、少なくとも1つの後方のクランプ装置に締め込まれた後方の端部とともに、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられ、その後で、好適には少なくとも1つのキャリッジの一部である好適には少なくとも1つの後方のスペーサは、少なくとも1つのキャリッジに対して相対的な所定の位置に調節され、この所定の位置は、少なくとも1つの締付け駆動装置とは関係なく、第2の溝壁からの少なくとも1つの後方のクランプ装置の特定の間隔を確定する位置であり、続いて、少なくとも1つの締付け駆動装置が非作動化させられ、少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの後方のクランプ装置とともに、締め付けられた刷版から及ぼされる力が少なくとも1つのキャリッジをその少なくとも1つの後方のスペーサを介して第2の溝壁に押し付けることにより、締付け路に沿ってその位置で保持される。好適には、遅くとも少なくとも1つの締付け駆動装置の非作動化の後で、少なくとも1つの後方のスペーサは、第2の溝壁に、かつ同時に少なくとも1つのキャリッジに接触し、これにより第2の溝壁からの少なくとも1つの後方のクランプ装置の間隔が、少なくとも1つの締付け駆動装置とは関係なく確定される。
締付け過程の第2の実施の形態では、好適には先ず、好適には胴中に対して相対的に定位置に配置された支持部に支持された少なくとも1つの後方のストッパ調節要素が、胴中に対して相対的に、ストッパ目標位置に運動させられ、次いで、好適には、少なくとも1つのキャリッジは、少なくとも1つの締付け駆動装置により、少なくとも1つの後方のクランプ装置に締め込まれた刷版の後方の端部とともに、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素が少なくとも1つのストッパボディに接触するまで、少なくとも1つの前方のクランプ装置及び第1の溝壁に向けて移動させられ、次いで、好適には、少なくとも1つの固定装置が挟み込まれ、この少なくとも1つ固定装置は、好適には、少なくとも1つのキャリッジを、その位置で保持し、例えばキャリッジ解除チューブとして構成されたキャリッジ解放部材における圧力が次のように低減されることにより保持し、つまり、好適には、キャリッジばねセットが弛緩され、これにより好適には、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素が第1のキャリッジクランプ面に押し付けられるまで、低減され、次いで、好適には、締付けチューブとして構成された締付け駆動装置における圧力が低減され、例えば周囲圧力に低減されることにより、少なくとも1つの締付け駆動装置が非作動化させられる。
この版胴及びこの方法の利点は、例えば、好適には、締付け駆動装置を、後方のクランプ装置を以下の位置に移動させるためにも用いることができることにある。その位置では、刷版の後方の端部の装着が容易になり、特に略半径方向でかつ後方のクランプ装置に刷版を手動で挿入せずに可能になる。なぜならば好適には、後方のクランプ装置が、刷版の後方の端部を包囲するように移動させられるからである。しかもこの場合、半径方向外側のクランプ要素は、キャリッジに対して相対的に不動であり、従って、特に安定したクランプが達成可能である。
版胴及び/又は方法の好適な形態の利点は、例えば、刷版がクランプされたかつ/又は締め付けられた状態で、クランプ装置又は締付け装置の駆動装置を作動させなくてよいことにある。
別の利点は、同一又は別の刷版を用いた方法の繰り返しの使用に際して、刷版の位置及び締付けの極めて精緻に再現可能な結果が得られることにある。
特に印刷機における見当調整のための好適なシステムは、好適には少なくとも1つの印刷機と、印刷機の機械制御装置と、印刷機の少なくとも1枚の刷版の見当データを検知するための機械制御装置の少なくとも1つのデータ入力部とを備える。見当調整のためのシステムは、例えば少なくとも1本のデータ線路を介して機械制御装置に回路技術的に接続された少なくとも1つの温度調整システムを備え、温度調整システムにより、印刷機の少なくとも1本の版胴上に配置された少なくとも1枚の刷版、及び/又は少なくとも1本の版胴の少なくとも1つの胴中、及び/又は少なくとも1枚の刷版及び/又は少なくとも1本の版胴と協働する少なくとも1つの温度調整媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度が、検知された見当データに基づいて制御可能かつ/又は調整可能である。少なくとも1つのデータ線路は、物質的に存在する線路としてかつ/又は無線の少なくとも一時的に形成される路として、例えば電磁波により形成される路、特に伝送路として構成してよい。少なくとも1つのデータ入力部は、好適には、少なくとも1つのレジスタセンサに回路技術的に接続されている。少なくとも1つのレジスタセンサは、好適には、少なくとも1つのエリアカメラとして構成されている。
好適には、見当調整のための方法及び/又はシステム、及び/又は締付け装置の根底を成す原理によれば、相応の刷版が一度締め付けられて、再び弛緩されることにより、刷版は、先ず版胴上でクランプされて準備され、その後、刷版に、少なくとも1つのキャリッジにより、刷版の伸長ひいては印刷像の伸長を生じさせる第1の締付け力が加えられ、次いで、第2の締付け力への締付け力の最小限の低下が行われ、その際、刷版は、試し刷りを行うために、先ずは締め付けられたままである。変化を行うべきであることが明らかになると、刷版は、先ず少なくとも部分的に、好適には完全に弛緩され、次いで、少なくとも1つのキャリッジにより、刷版及び印刷像の変化させられた伸長を生じさせる新たに求められた第3の締付け力が加えられる。続いて、同じく第4の締付け力への締付け力の最小限の低下が行われ、その際、好適には印刷運転が行われる。好適には、第1の締付け力と第2の締付け力との間の差は、第1の締付け力と第3の締付け力との間の差よりも極めて小さい。好適には、第3の締付け力と第4の締付け力との間の差は、第1の締付け力と第3の締付け力との間の差よりも極めて小さい。
印刷機の版胴の好適な安全装置及び印刷機の版胴を固定する方法の利点は、好適には、通常、版胴の締付け装置の締付け駆動装置の故障により起こりそうな怪我に対して作業員が保護されることにある。締付け駆動装置の使用時に、特に刷版を締め付けるかつ/又は位置調整する相応の装置に高い力が及ぼされるので、一部で極めて高い力が生じる。キャリッジが、例えばキャリッジと溝壁との間に間隔が存在する位置にある場合、例えば同時に依然として刷版が版胴上に配置されていない、又は、もはや刷版が版胴上に配置されていないので、作業員の指が隙間にアクセス可能である。キャリッジをこの位置に移動させ、そこで保持する駆動装置の故障時に、キャリッジは、場合により大きな力及び/又は速度で溝壁に向けて移動するので、この隙間において危険が生じる。この危険性は、特にクランプされた刷版がない場合のキャリッジの大きな調節距離及び/又は移動により生じる。
このために、好適には、印刷機の版胴の安全装置が用いられる。この場合、版胴は、版胴の溝に配置された少なくとも1つの締付け装置を備え、締付け装置は、締付け方向にかつ/又は締付け方向とは逆方向に可動な少なくとも1つのキャリッジを備え、安全装置は、少なくとも1つの固定ストッパと、締付け方向とは異なる固定方向にかつ/又は固定方向とは逆方向に可動な少なくとも1つの固定ボディとを備え、少なくとも1つの固定ボディは、固定位置と解放位置との間を可動に配置されている。
好適には、安全装置の特徴によれば、固定位置に配置された固定ボディでは、締付け方向における少なくとも1つの固定ボディの投影と、締付け方向における固定ストッパの投影とが、少なくとも部分的に重畳する。この場合の利点は、特に、この状態で、少なくとも1つの固定ボディと、少なくとも1つの固定ストッパとが、締付け方向での相対移動により、相互に接触させることができることにある。好適には、安全装置の特徴によれば、解放位置に配置された固定ボディでは、締付け方向における少なくとも1つの固定ボディの投影と、締付け方向における少なくとも1つの固定ストッパの投影とは、重畳しない。この場合の利点は、特に、少なくとも1つのキャリッジが支障なく締付け方向で移動できることにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの固定ボディは、固定位置で、少なくとも1つの固定ストッパに接触しない、かつ/又は少なくとも1つの固定ボディは、固定位置で、締付け方向とは逆向きの少なくとも1つのキャリッジの移動により、少なくとも1つの固定ストッパに接触させることができる。この場合の利点は、特に、少なくとも1つのキャリッジが、その締付け方向のかつ/又は締付け方向とは逆方向の移動が阻止され、従って、固定されていることにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つのキャリッジは、少なくとも1枚の刷版に対する少なくとも1つのクランプ装置を備える。この場合の利点は、特に、少なくとも1つのキャリッジの移動が、クランプ装置への刷版の挿入を簡単にすることにある。この利点は、特に、安全装置が好適には以下のことを特徴とする場合にも得られる。その特徴によれば、少なくとも1つのキャリッジが締付け方向にかつ/又は締付け方向とは逆方向に溝に関して端位置と内側の位置との間を可動に配置されていて、端位置が、少なくとも1つのキャリッジの、少なくとも1つのキャリッジが溝壁に接触する位置であり、内側の位置が、少なくとも1つのキャリッジの、少なくとも1つのキャリッジが溝壁から間隔を有する位置である。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの締付け駆動装置により、締付け方向にかつ/又は締付け方向とは逆方向に可動である。この場合、利点は、特に、少なくとも1つのキャリッジの移動を自動化して行うことができることにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの固定ボディが、少なくとも1つの安全駆動装置及び/又は固定ばねにより、固定方向にかつ/又は固定方向とは逆方向に可動である。この場合、利点は、特に、少なくとも1つの固定ボディの移動が一方では自動化されて、他方では特にエラーなく確実に実施可能であることにある。好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの固定ばねが、継続的に、固定リングにおいて作用する力を少なくとも1つの固定ボディに及ぼすように配置されている。この場合、利点は、特に、安全駆動装置の故障が作業員を危険にさらすことがないことにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの固定ストッパが、少なくとも1つのキャリッジに対して定位置でありかつ/又は少なくとも1つのキャリッジに固く結合して配置されており、かつ/又は少なくとも1つの固定ボディの少なくとも1つの固定駆動装置は、版胴の胴中に対して相対的に定位置でありかつ/又は少なくとも1つの胴中に固く結合して配置されている。この場合、利点は、特に、安全装置の供給管路を少なくとも1つの可動のキャリッジに接続しなくてもよいことにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの安全駆動装置が、少なくとも1つの空圧式の安全駆動装置として構成されている。この場合、利点は、特に、安全駆動装置が簡単で堅実に構成されていることにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、とりわけ少なくとも、特に少なくとも1つのキャリッジが、少なくとも1つの端位置又は少なくとも1つの内側の端位置にある限りかつ/又は少なくとも1つの端位置又は少なくとも1つの内側の端位置にある場合、少なくとも1つの固定ストッパが配置された構造ボディは、少なくとも1つの固定ボディ及び/又は少なくとも1つの安全駆動装置のカバーとして用いられる。そこから得られる利点は、少なくとも1つの固定ボディ及び/又は少なくとも1つの安全駆動装置の可動範囲に汚れが僅かしか認められない又は認められないことにある。
好適には、安全装置の特徴によれば、少なくとも1つの固定ストッパが、軸方向で、少なくとも1つの固定ボディよりも広幅に構成されている。好適には、これにより得られる利点は、少なくとも1つの固定ボディが固定位置にある場合でも、少なくとも1つのキャリッジが軸方向に関して可動であることにある。好適には、この可動性は、少なくとも1つの前方のクランプ装置と同時に少なくとも1つの後方のクランプ装置が閉じられている場合でも、保証されている。特に、少なくとも1つのキャリッジは、好適には、少なくとも1つの固定ボディが固定位置にある場合でも、少なくとも4mm、更に好適には少なくとも8mm軸方向に可動に配置されている。このことは、例えば、少なくとも1枚の刷版の位置を適合させるために役立つ。少なくとも1つの固定ストッパは、例えば、軸方向に延在する少なくとも1つの長穴の少なくとも1つの画成面として構成してよい。
方法は、好適には、印刷機の版胴を固定する好適な方法に関して拡張されているかつ/又は拡張可能であり、かつ/又は組み合わされているかつ/又は組み合わせ可能であり、この方法では、版胴の締付け装置の少なくとも1つのキャリッジが締付け方向に移動させられ、先ず、版胴の安全装置の少なくとも1つの固定ボディが解放位置に配置されており、解放位置では、締付け方向における少なくとも1つの固定ボディの投影と、締付け方向における少なくとも1つの固定ストッパの投影とが、重畳せず、続いて、少なくも1つの固定ボディが解放位置から固定位置に移動させられ、固定位置では、締付け方向における少なくとも1つの固定ボディの投影と、締付け方向における少なくとも1つの固定ストッパの投影とが、少なくとも部分的に重畳する。好適には、方法の特徴によれば、固定位置では、少なくとも1つの固定ストッパが、少なくとも1つの固定ボディよりもより締付け方向に配置されている。
作業員の安全性は、好適には、少なくとも1つのレーザセンサが少なくとも1つの固定ボディを例えば少なくとも1つの締付け駆動装置の作動後10s(十秒)より短い所定の期間内で検出したか否か評価されることにより、更に高められる。該当しない場合、このことは、機能エラーを表している。この場合、このことは、好適には例えば少なくとも1つの視覚的なかつ/又は少なくとも1つの音響学的な信号により作業員に伝達される。この場合、好適には、この方法はその場で中断される、かつ/又は少なくとも1つの締付け駆動装置が非作動化させられる。
本発明の実施の形態を図面に示し、以下に詳しく説明する。
一例としての印刷機の概略図である。
印刷機の版胴の概略的な平面図である。
開かれたクランプ装置と第1の固定装置とを備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
開かれたクランプ装置を備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
第2の固定装置を備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
印刷機の版胴の概略的な平面図である。
図6に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
図6に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
印刷機の版胴の概略的な縦断面図である。
移動させられたキャリッジを備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
移動させられたキャリッジと装着された刷版とを備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
移動させられたキャリッジを備えた、図2に示した版胴の締付け装置の概略的な横断面図である。
版胴の回転軸線に対して直交する方向でみた、前方のクランプ装置の概略図である。
版胴の概略的な横断面図である。
レジスタパターンの概略図である。
複数のレジスタパターンを備える刷版の概略図である。
解放位置にある固定ボディを備える安全装置の概略的な横断面図である。
固定位置にある固定ボディを備える安全装置の概略的な横断面図である。
輪転印刷機01、例えば枚葉輪転印刷機01として構成された印刷機01の一例について以下に説明する。この印刷機01は、例えば高品位印刷において使用される印刷機01である。この印刷機01は、好適にはシート状の被印刷物09に印刷を行う印刷機01、すなわち枚葉印刷機01として構成されている。この印刷機01は、少なくとも1つの印刷部08と少なくとも1つのインキ装置とを備えた少なくとも1つの印刷ユニット02を有する。少なくとも1つの印刷部08は、少なくとも1本の版胴07を有する。この少なくとも1本の版胴07は、好適には、少なくとも1枚の刷版取付型の版胴07として構成されている。好適には、少なくとも1つの印刷ユニット02内に複数の印刷部08及び複数のインキ装置が設けられており、1回の生産中に、例えばインキ装置の数に応じて、様々なインキが同一の被印刷物09に塗布される。1つの実施の形態では、同一の印刷ユニット02内に、好適には、それぞれ異なる印刷原理に従って作業する複数の印刷部08が配置されている。例えば、少なくとも1つの印刷部08は、平版印刷部08、例えばオフセット印刷部08として構成されており、かつ/又は少なくとも1つの別の印刷部08は、凸版印刷部08、特に間接的な凸版印刷部08として構成されている。この場合、これらの種々異なる印刷部08は、例えば1回の生産中に同一の被印刷物09に、更に好適には少なくとも1つの共通のゴム胴(ブランケット胴、転移胴)06により印刷を行う。1つの実施の形態では、少なくとも1つの印刷部08が、彫刻凹版印刷部08として構成されている。
印刷機02は、好適にはシートフィーダ03の形態の少なくとも1つの被印刷物源03を有する。印刷機01は、好適には少なくとも1つのシート排出部04を有する。このシート排出部04は、好適には少なくとも1つ、更に好適には少なくとも3つの排紙パイルを有する。好適には、この少なくとも1つの排紙パイルの上流側に被印刷物09の搬送路に沿って少なくとも1つの乾燥機、例えば赤外線照射乾燥機及び/又は紫外線照射乾燥機が配置されている。例えば、印刷機01は10本の版胴07、特に刷版取付型の版胴07を有する。複数の印刷部08を備えた1つの印刷ユニット02を有する枚葉輪転印刷機01は、図1にも例示してある。例えば、この印刷機01は、それぞれ被印刷物09に作用するようにこの被印刷物09の搬送路に沿って以下に説明するゴム胴06の上流側に配置された、少なくとも1つの印刷部08と少なくとも1つの乾燥機とを有する。
好適には、少なくとも1つの印刷ユニット02は、ゴムブランケット胴06として構成された少なくとも一対のゴム胴06を有する。これらのゴム胴06の共通の接触域により印刷ニップ16が設定されている。好適には、少なくとも2本のゴム胴06の各々が、少なくとも1本の版胴07、更に好適には複数、例えば4本の版胴07に転動接触している。好適には、印刷ユニット02は、多色刷り印刷ユニット02として構成されている。版胴07の各々に対応して、好適には少なくとも1つのインキ装置が配置されている。好適には、少なくとも1本の版胴07上に、少なくとも1枚、好適には正確に1枚の刷版73として構成された少なくとも1枚の版73が配置されている。好適には、各版胴07において正確に1枚の刷版73が配置されているか又は設けられている。版胴07の軸方向Aにおける刷版73の延伸長さは、版胴07の軸方向Aにおける少なくとも1本の版胴07の胴中12の延伸長さの、好適には少なくとも75%、更に好適には90%に相当する。好適には、少なくとも1本のゴム胴06は、少なくとも1本の版胴07の外周の整数倍、例えば3倍に相当する外周を有する。
好適には、版胴07と協働する各インキ装置が、各版胴07から離れる方向に可動に配置されている。これにより、保守作業、特に刷版交換のために、相応の版胴07にアクセスすることが可能となる。更に好適には、1本の共通のゴム胴06と協働する全ての版胴07のインキ装置が、一緒にこれらの版胴07から離れる方向に可動に配置されていて、そのために、更に好適には1つの共通の部分フレームに支持されている。例えば、少なくとも1本の版胴07と、これに対応して配置されたインキ装置とが相応に配置されていると、少なくとも1つの刷版貯蔵部としての刷版カセットが少なくとも1本の版胴07に接近移動させられる。少なくとも1つの刷版カセットは、少なくとも1本の版胴07に装着すべき少なくとも1枚の刷版73を有する。少なくとも1つの刷版カセットは、好適には複数の刷版73を収容する。これらの刷版73は、複数の版胴07に対応して配置されており、かつ/又は対応して配置される。少なくとも1つの刷版カセットは、刷版73を相応の版胴07に対して相対的にコントロールして位置決めする他に、装着すべき刷版73を保護する働きを有する。好適には、少なくとも1つの押圧手段、例えば押圧ローラが配置されている。この押圧手段及び/又は押圧ローラは、版胴07への刷版73の装着時に、この刷版73を版胴07に押し付ける働きを有する。
刷版73は、好適には、1枚の形状安定性の支持プレートと、少なくとも1つのプレート被覆層とを有する。形状安定性の支持プレートは、例えば金属又は合金、例えばアルミニウム又は鋼から成っている。少なくとも1つの間接的なオフセット印刷部では、好適には、鋼から成る少なくとも1枚の支持プレートが使用される。少なくとも1つのウェットオフセット印刷部及び/又は少なくとも1つの水なしオフセット印刷部では、好適には、アルミニウムから成る少なくとも1枚の支持プレートが使用される。好適には、支持プレートは、所定の厚さ、すなわち、0.25mm〜0.3mmの最小の寸法を有する。少なくとも1つのプレート被覆層は、刷版73の印刷像を確定している。この印刷像は、例えば、刷版73の表面の一部の部分が疎水性の性質を有し、刷版73の表面のその他の部分が親水性の性質を有することにより確定することができる。この場合、使用されるインキの性質に応じて、刷版73の選択された域だけがインキを転移させる。このような刷版73は、インキを平版印刷法、特にオフセット印刷法により転移させる。その際、水なしオフセット印刷法が利用されてもよいし、いわゆる「ウェットオフセット印刷法」が利用されてもよい。この場合、このウェットオフセット印刷法のためには、印刷部は少なくとも1つの湿し装置を有する。
これに対して択一的に、印刷像は、プレート被覆層が先ず全面に塗布されていて、1回の露光工程で選択的に硬化され、これに対して硬化されない域が例えば水で洗い流されることにより確定されている。択一的に、被覆層は、選択的にしか塗布されない、又は別の方法で、例えば食刻又は機械的な彫刻により選択的に除去される。これにより、支持プレートに対して相対的に隆起して配置された域、例えば洗い流されていない域と、より低く位置していて、例えば露出した支持プレートにより形成された域、例えば洗い流された域とが形成される。このような刷版73は、インキを、凸版印刷法により、好適には相応のゴム胴06に転移させ、このゴム胴06から、インキは、被印刷物09に転移させられる。印刷像が最初にゴム胴06から被印刷物09に転写させられるので、これは、間接的な凸版印刷法である。
択一的には、刷版73は、ステンシル印刷用の刷版73として構成されている。このようなステンシル印刷用の刷版73は、例えば比較的粗目の隆起した面を有する。この面は完全に着色され、この面からインキが直接または間接に集合胴(共通圧胴)を介して彫刻凹版胴に転移させられる。このような彫刻凹版胴は、微細な複数の彫刻部(セル)を有する。これらの彫刻部内にインキが蓄えられる一方、彫刻部以外ではインキが除去され、例えば拭き取られる。好適には、様々なインキが複数の刷版73から彫刻凹版胴に集められる。更に好適には、彫刻凹版胴上の様々なインキの域は、せいぜい最小限でしか重畳していない。転動接触と、例えば加圧とにより、インキは彫刻部から被印刷物09に転移させられる。択一的に、刷版73は、直接又は間接のフレキソ印刷用の刷版73として構成されている。刷版73の構成に関わらず、刷版73はインキ及び/又は塗料の転移に使用される。相応して、これ以前でも、これ以降でも、インキについて述べている場合には、常に、特にフレキソ印刷用の刷版73の場合には、択一的に塗料についても考えているものとする。
使用される材料に関わらず、刷版73は、好適には、前方の端部74と後方の端部76とを有する。刷版73の前方の端部74は、好適には、刷版73の、印刷運転中に先行する(つまり前側で走行する)端部74である。刷版73の後方の端部76は、好適には、刷版73の、印刷運転中に後行する(つまり後側で走行する)端部76である。刷版73の前方の端部74は、好適には、版胴07上で刷版73をクランプするために用いられる前方の接触域74を有する。好適には、この接触域74は、インキを転移させるプレート被覆層を有しない。刷版73の後方の端部76は、好適には、版胴07上で刷版73をクランプするために用いられる後方の接触域76を有する。好適には、この接触域76は、インキを転移させるプレート被覆層を有しない。好適には、刷版73は、接触域74;76において形状安定性の支持プレートのみから成っている。接触域74;76により、刷版73と版胴07の構成部分との少なくとも1つのクランプ接触の高い再現可能性及び高い確実性が保証されている。刷版73の前方の端部74及び/又は後方の端部76は、好適には、刷版73の中間部分から逸脱して曲げられたクランプ域74;76として構成されている。このクランプ域74;76は、好適には、それぞれ刷版73の中間部分に対して15°〜40°、更に好適には、前方の端部74では17°〜22°、後方の端部76では35°〜40°の角度で折り曲げられている。好適には、刷版73の前方の端部74及び後方の端部76は、それぞれ周方向Dに10mm〜30mm、更に好適には少なくとも15mm、更に一層好適には15mm〜20mmの延伸長さを有する。版胴07への刷版73の装着は、好適には少なくとも部分的に装着装置、例えば自動式の給版装置により行われる。
印刷機01の印刷運転中にシートフィーダ03から取り出された少なくとも1枚のシート09、好適には一連の複数のシート09が印刷ユニット02に供給される。この印刷ユニット02は、好適には両面印刷で作動する。その際、被印刷物09の両面が印刷ニップ16において同時に着色される。更に好適には、この印刷ニップ16において、単一の印刷ステップで被印刷物09に多色の印刷像が転写させられる。この多色の印刷像は、好適には個々の多色部分印刷像から形成されている。なお、これらの多色部分印刷像は、既に複数の版胴07から相応のゴム胴06に転写させられ、そこに集められる。印刷ユニット02は、好適には、略同一に構成された2つの半部から成っている。両半部の各々は、好適にはゴムブランケット胴06として構成された1本のゴム胴06を有する。版胴07、特に版胴07上に配置された刷版73は、好適には、それぞれ1つのインキ装置により、それぞれ別のインキで着色される。版胴07は、好適には、それぞれ少なくとも1つの印刷像を相応のゴム胴06に転写させる。このゴム胴06に版胴07が胴入れされる。これにより、好適には各ゴム胴06に多色の印刷像が形成される。この印刷像は、更に好適には、単一のステップで被印刷物09に転写させられる。
前述のように、例えば各ゴム胴06に対応して、それぞれ複数、好適には4本の版胴07が配置されている。これらの版胴07の各々には、それぞれ1つのインキ装置が当て付けられているか又は少なくとも当付け可能であり、これにより、好適には、両ゴム胴06は、一緒に、例えば最大8色のインキで印刷を行うことができる。好適には、少なくともそれぞれ1本の共通の圧胴06と、この圧胴06に胴入れされるかつ/又は圧胴06と協働する版胴07とが、少なくとも1つの歯車伝動装置を介して互いにかつ少なくとも1つの共通の駆動モータに連結されている。インキ装置は、好適には、この駆動モータに連結されている又は連結可能であるが、原則的に、それぞれ固有の駆動モータを有してもよい。
印刷機01の少なくとも1本の版胴07について以下に詳しく説明する。少なくともゴム胴06と協働する複数の版胴07は、好適には略同一の構造で形成されている。各版胴07は、好適には胴中12と2つの胴ジャーナル17とを有する。胴中12は、好適には少なくとも1つの溝13を有する。この溝13は、版胴07の回転軸線11を基準として軸方向Aに延在していて、版胴07の回転軸線11を基準として半径方向に開いている。この溝13は、好適には第1の溝壁18と第2の溝壁19とを有する。両溝壁18,19は、溝13を周方向Dで少なくとも部分的に画定している。第1の溝壁18は、好適には、少なくとも1つの溝13の、印刷運転中に後行するつまり後側の溝壁18である。第2の溝壁19は、好適には、少なくとも1つの溝13の、印刷運転中に先行するつまり前側の溝壁19である。該当する版胴07の胴ジャーナル17は、好適には、それぞれ少なくとも、好適にはラジアル軸受けとして構成された軸受け内に支持されている。各軸受けは、印刷ユニット02のフレーム壁内に又はフレーム壁に接して配置されている。版胴07の、軸方向Aに関する第1の端部を側Iと呼び、版胴07の、軸方向Aに関する第2の端部を側IIと呼ぶ。版胴07の側Iでは、該当する胴中12の一方の端面に、好適には弁ブロック14が配置されている。版胴07の側IIに対応して配置された胴ジャーナル17は、好適には、回転駆動装置に結合されている又は少なくとも結合可能である。この回転駆動装置により、該当する版胴07は、その版胴07の回転軸線11を中心として駆動可能であるかつ/又は駆動されており、これにより、回転運動が行われる。側IIに対応して配置された胴ジャーナル17と、該当する版胴07に対応して配置された回転駆動装置との結合部は、好適には、斜歯歯列を備えた少なくとも1つの歯車を有する。これにより、該当する版胴07の周方向見当調節が公知の形で可能となる。択一的に、少なくとも1本の版胴07は、少なくとも1つの固有の個別駆動装置を有する。好適には、版胴07は、好適には軸方向の少なくとも1つの孔126を有する。この孔126は、温度調整のために、温度調整流体、例えば温度調整液により通流可能であるかつ/又は通流されている。
版胴07の少なくとも1つの溝13には、版胴07の少なくとも1つの締付け装置101が配置されている。この少なくとも1つの締付け装置101は、少なくとも1つのクランプ装置21;61、好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21と少なくとも1つの後方のクランプ装置61とを有する。少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には、少なくとも1つの溝13の第2の溝壁19よりも、少なくとも1つの溝13の第1の溝壁18の近くに配置されている。少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、好適には、少なくとも1つの溝13の第1の溝壁18よりも、少なくとも1つの溝13の第2の溝壁19の近くに配置されている。少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、版胴07の胴中12の周面124に巻き付けられたかつ/又は巻付け可能であるかつ/又は装着されたかつ/又は装着可能である刷版73の前方の端部74をクランプする働きを有する。少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、1枚の刷版73、好適には同一の刷版73の後方の端部76をクランプする働きを有する。特に刷版73は、好適であるように、版胴07が前方のクランプ装置21も後方のクランプ装置61も有する正確に1つの溝13を有する場合に、1枚の同一の刷版73である。刷版73の前方の端部74は、好適には、刷版73の、印刷運転中に先行する端部74である。刷版73の後方の端部76は、好適には、刷版73の、印刷運転中に後行する端部76である。少なくとも1枚の刷版73を少なくとも1本の版胴07上に配置するために、好適には、先ず、刷版73の前方の端部74が少なくとも1つの前方のクランプ装置21内に位置固定され、これに続いて、版胴07がその回転軸線11を中心として回動させられ、これにより、刷版73が版胴07の周面124に巻き付けられるか又は装着され、次に、刷版73の後方の端部76が後方のクランプ装置61内に位置固定される。これに続いて、好適には、少なくとも1枚の刷版73の締付けが行われる。
先ず、少なくとも1つの前方のクランプ装置21について説明する。この少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22を有する。この前方のクランプ要素22は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の前方のベースボディ37に対して相対的に不動に配置されている。この前方のベースボディ37は、胴中12に取り付けられているが、好適には、補正目的のために、少なくとも最小限、胴中12に対して相対的に可動に配置されている。少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22は、好適には、半径方向外側の前方のクランプ条片22として構成されている。半径方向外側の前方のクランプ条片22は、軸方向Aで、少なくとも1つの溝13の軸方向の長さの、好適には少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。これにより、刷版73の均一なクランプ及び/又は締付けが保証されている。少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22よりも半径方向内側に配置された少なくとも1つの前方の押付け要素23を有する。この少なくとも1つの前方の押付け要素23は、好適には少なくとも1つの前方の板ばね23として、更に好適には、特に互いに面接触する複数の板ばね23から成る少なくとも1つの前方のばねセット23として構成されている。少なくとも1つのクランプ装置21は、少なくとも1つの前方の調節要素24を有する。少なくとも1つの前方の調節要素24により、少なくとも1つの前方の押付け要素23は、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22に対して相対的に可動であり、これにより、好適には同時に、版胴07の胴中12に対して相対的に可動である。好適には、少なくとも1つの前方の押付け要素23は、少なくとも1つの前方の調節要素24により自体変形可能である。好適には、少なくとも1つの前方の押付け要素23は、少なくとも1つの前方の調節要素24により略半径方向に関して短縮可能である。少なくとも1つの前方の押付け要素23は、胴中12の軸方向の長さの、好適には少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。
好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、少なくとも2つの前方の押付け要素23及び/又は少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26を有する。少なくとも2つの前方の押付け要素23も、やはり好適には、それぞれ少なくとも1つの板ばね23として、更に好適には、特に互いに面接触する複数の板ばね23から成るそれぞれ少なくとも1つのばねセット23として構成されている。少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ条片26として構成されている。少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ条片26は、軸方向Aで、好適には少なくとも1つの溝13の軸方向の長さの少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、好適には、前方のクランプ方向Bにかつ/又は前方のクランプ方向Bとは逆方向に、特に少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22に向かう方向にかつ/又は少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22から離れる方向に可動に配置されている。前方のクランプ方向Bは、好適には、略半径方向に向けられている。これは、前方のクランプ方向Bが、好適には、場合により存在する周方向Dの成分よりも大きい少なくとも1つの半径方向の成分を有することを意味している。前方のクランプ方向Bは、好適には、軸方向Aに対して直交する方向に向けられている。少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、好適には、軸方向Aに関して不動に配置されている。少なくとも1つの前方の押付け要素23、好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23は、好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26に接触している。半径方向B;C、軸方向A及び周方向Dは、版胴07の胴中12及び/又は回転軸線11を基準にしている。
好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、少なくとも1つの前方の押付け要素23により、更に好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23により、前方のクランプ方向Bで少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22に向けて所定の力で押圧可能であるかつ/又は押圧されている。少なくとも1つの前方の調節要素24は、好適には、少なくとも1つの前方の押付け要素23に直接に接触している。好適には、版胴07に関して周方向Dで少なくとも2つの半径方向内側の前方の押付け要素23の間に少なくとも1つの前方の調節要素24が配置されている。この少なくとも1つの前方の調節要素24は、好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除駆動装置24として、更に好適には、圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される少なくとも1つの前方の解除ボディ24として、更に一層好適には、少なくとも1つの前方の解除チューブ24として、特に前方のクランプ解除チューブ24として構成されている。このクランプ解除チューブ24は、更に好適には、流体、例えば圧縮空気で充填されているかつ/又は充填可能である。従って、以下に前方のクランプ解除チューブ24について述べている場合には、一般的に圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される前方の解除ボディ24についても想定されている。好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24の内部に、8barまで又は8barを超える圧力を有する圧縮空気が供給可能であるかつ/又は供給されている。しかし、少なくとも1つの前方の調節要素24は、少なくとも1つの液圧シリンダ24及び/又は少なくとも1つの空圧シリンダ24及び/又は少なくとも1つの電動モータ24として構成してもよい。但し、クランプ解除チューブ24の場合、構造が単純であるという点において有利である。
少なくとも1つの前方の調節要素24の構成に関わらず、好適には、少なくとも1つの前方の調節要素24が作動すると、少なくとも1つの前方の押付け要素23、好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23は、少なくとも前方のクランプ方向Bで短縮する。更に好適には、少なくとも1つの前方の押付け要素23、好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23は、少なくとも、軸方向Aに対して直交するとともに前方のクランプ方向Bに対して直交する方向で少なくとも1つの前方の調節要素24が膨張することにより、少なくとも前方のクランプ方向Bで短縮する。この短縮は、例えば少なくとも1つの前方の押付け要素23が撓曲する形で、好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23が互いに逆方向に撓曲することにより生じる。この短縮は、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26を少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22から離れる方向に移動させ、これにより前方のクランプギャップ27を開く。前方のクランプギャップ27は、好適には、一方では少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22により形成され、他方では少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26により形成される。少なくとも2つの前方の押付け要素23は、好適には前方のベースボディ37にフレキシブルに、更に好適には、この前方のベースボディ37から脱離不能であるが、それにも関わらずこの前方のベースボディ37に対して相対的に、特に前方の押付け要素23の変形中、可動であるように結合されている。少なくとも2つの前方の押付け要素23は、好適には少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26にフレキシブルに、更に好適には、この半径方向内側の前方のクランプ要素26から脱離不能であるが、それにも関わらずこの半径方向内側の前方のクランプ要素26に対して相対的に、特に前方の押付け要素23の変形中、可動であるように結合されている。つまり、特に好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、少なくとも1つの前方の押付け要素23が短縮すると、必然的に少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26が前方のクランプ方向Bとは逆方向に移動するように、少なくとも2つの前方の押付け要素23にフレキシブルに結合されている。
好適な1つの実施の形態において、少なくとも2つの前方の押付け要素23は、特に撓曲又は湾曲を無視すると、実質的に互いに平行に配置されていて、軸方向Aで延在するとともに、実質的に、軸方向Aに対して直交する第2の延在方向であって、好適には少なくとも1つの半径方向の成分を有する第2の延在方向でも延在している。しかし、好適には、少なくとも2つの前方の押付け要素23は、常に程度の差こそあれ大きなプリロード下にあるため、第2の延在方向は、軽微な弧を描き、各々の前方の押付け要素23は、軽微に湾曲している。このことは、好適には、前方のクランプ解除チューブ24の状態に関わらず成立し、特に少なくとも2つの前方の押付け要素23に対して、特に前方のクランプ解除チューブ24が完全に空になっている場合でも、完全に弛緩するには十分な余地が与えられないように、取付けスペースの寸法が設定されていることに起因する。少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24は、好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23の間に配置されていて、好適にはやはり軸方向Aで延在している。少なくとも2つの前方の押付け要素23は、少なくとも2つの前方の結合要素により、可動に、特に旋回可能に、互いにかつ/又は少なくとも1つの前方のクランプ装置21のベースボディ37にかつ/又は少なくとも1つの前方のクランプ要素26に結合されている。少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24は、少なくとも好適には軸方向Aでみて、少なくとも2つの前方の結合要素の間に配置されている。
少なくとも2つの前方の押付け要素23の少なくとも一方、好適には両方の前方の押付け要素23は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21のベースボディ37に取り付けられていて、更に好適には少なくとも2つの前方の結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。少なくとも2つの前方の押付け要素23は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26に取り付けられていて、更に好適には少なくとも2つの結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24の両側には、それぞれ、少なくとも1つの挟持要素が、少なくとも2つの前方の押付け要素23の端部相互の、最大離間距離を超える離間を防止するように配置されている。挟持要素の配置は、挟持要素の端部が、それぞれ、隣接する押付け要素23の端部から離間できないようになっているため、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が膨張したときに、少なくとも2つの前方の押付け要素23が、単に互いに離れる方向で旋回するのではなく、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24から離れる方向で外向きに湾曲することを惹起する。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26により形成されている。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21のベースボディ37により形成されている。
しかし、湾曲が形成されることにより、少なくとも2つの前方の押付け要素23は、例えば一方の結合要素から少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24を通り他方の結合要素に向かう方向に関して、特に前方のクランプ方向Bに関して短縮する。特に、同一の前方の押付け要素23の2つの端部間の直線距離は短縮する。これにより、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21のベースボディ37に対して相対的に、特にこのベースボディ37に向けて移動して、クランプは解除される。例えば少なくとも2つの結合要素は、結合ピンとして構成されており、結合ピンは、少なくとも2つの前方の押付け要素23の長穴を貫通して、両端部においてそれぞれ少なくとも1つの前方のクランプ装置21のベースボディ37に又は少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26に結合されている。
少なくとも1つの前方の調節要素24が非作動化させられると、少なくとも1つの前方の押付け要素23の戻し力は、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26を少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22に向けて移動させ、これにより前方のクランプギャップ27を閉じる。少なくとも1つの前方の調節要素24のこのような非作動化の例は、前方のクランプ解除チューブ24の内部の、例えば周囲圧力、特に大気圧までの圧力降下である。好適には、少なくとも1つの前方の押付け要素23、更に好適には少なくとも2つの前方の押付け要素23は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21が開いているか又は閉じているかに関わらず、かつ刷版73が前方のクランプギャップ27内に存在しているか否かに関わらず、常時、少なくとも最小限のプリロード下にある。特に、前方の板ばね23、更に好適には少なくとも1つの前方のばねセット23は、常時、軽微に撓曲され、付勢されている。
少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、好適には常に、好適には少なくとも1つの前方の押圧要素28、例えば少なくとも1つの前方の押圧ばね28により、周方向Dに関して所定の位置に保持されていて、例えば前方の位置決め面29に押し付けられている。前方の位置決め面29は、好適には少なくとも1つの前方の押圧要素28と第1の溝壁18との間に配置されている。前方の位置決め面29は、好適には少なくとも1つの前方のベースボディ37の面29である。特に、少なくとも1つの前方の押圧要素28により少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素22に加えられる力は、第1の溝壁18に向かう方向で作用する。少なくとも1つの前方の押圧要素28により加えられる力は、好適には、クランプ状態で少なくとも1つの前方の押付け要素23により加えられる力より小さい。これにより、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26が、周方向Dで所定の位置に保持されていても、前方のクランプ方向Bでの移動に関しては、少なくとも1つの前方の押圧要素28による影響を受けないことが保証されている。周方向Dで所定の位置は、刷版73がクランプ過程時に不所望に動くことがないことを保証する。これにより、クランプ状態、特にクランプ過程中の刷版73の位置は、高精度に維持される。
少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26及び/又は少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22は、好適には硬化された材料、例えば硬化された鋼から成る少なくとも1つの表面を有する。表面には、好適には付加的又は択一的に、規則的かつ/又は不規則的な凸部及び/又は凹部から成る構造、例えば交差する直線状の刻み目が設けられている。このことは、刷版73がクランプされている場合、一方では刷版73と、他方では少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26及び/又は少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22との間の摩擦力結合を改善する。
少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には少なくとも2つのレジスタストッパ31;32を有する。少なくとも2つのレジスタストッパ31;32は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21内に刷版73を挿入する際の基準点として働く。少なくとも2つのレジスタストッパ31;32は、刷版73の、好適には切欠きとして構成された相応の対応部材と協働する。好適には、少なくとも2つのレジスタストッパ31;32は、少なくとも2つのレジスタストッパ31;32に対して相対的な刷版73の正しい位置を機械的に検査するために、それぞれ1つのセンサ装置を有する。これらのセンサ装置は、好適な1つの実施の形態では、電気的な接点として構成されている。この場合、更に好適には、刷版73が両レジスタストッパ31;32と正確に接触すると直ちに、少なくとも1つの電流回路が刷版73を介して閉じられるようにしてある。好適には、これらのセンサ装置は、機械制御装置に接続されている。更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の閉鎖は、これらのセンサ装置からの肯定的な信号に基づいてなされる。
刷版73の、好適には切欠きとして構成された対応部材は、好適には刷版73の像形成及び/又は露光後に、刷版73に取り付けられ、それも刷版73のそれぞれの印刷像に対して相対的な、切欠きとして構成された対応部材の位置に関して高精度に取り付けられる。それぞれの印刷像に対して相対的な、切欠きとして構成された対応部材の位置精度は、好適には数マイクロメートルの範囲にある。
少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には少なくとも1つの固定部、例えば溝13の第1の底面42に沿って、好適には回転軸線11に対して略平行な一方向で延在する少なくとも1つのレールにより支持されている。これにより、前方のクランプ装置21全体は、胴中12に対して相対的に少なくとも最小限可動、特に回動(旋回)可能である。少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には溝13の第1の底面42に対して平行に、第1の底面42に対して直交する補整軸線を中心として回動可能である。好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、軸方向Aでみて軸方向の押付け手段により側方のストッパ壁に押し付けられており、それゆえこの軸方向Aに関して所定の位置に保持されている。側方のストッパ壁は、好適には少なくとも1つの通路13を軸方向Aで画定している。特に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、軸方向Aに関して好適には版胴07の胴中12に対して相対的に不動に配置されている。少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には、少なくとも1つの第1の支持箇所33又は第1の接触箇所33と、少なくとも2つの第2の支持箇所34;36又は第2の接触箇所34;36とを有する。少なくとも1つの第1の支持箇所33又は第1の接触箇所33及び少なくとも2つの第2の支持箇所34;36又は第2の接触箇所34;36において、少なくとも刷版73の締め付けられた状態で、好適には常に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21が、第1の溝壁18に接触している。第1の支持箇所33は、好適には少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び/又は第1の溝壁18の不変の突出部である。このことは、好適には第1の溝壁18が、前方のクランプ装置21に面した突出部を有し、この突出部に少なくとも1つの前方のクランプ装置21が接触すること、かつ/又は更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21が、第1の溝壁18に面した突出部を有し、この突出部が第1の溝壁18と接触することを意味している。突出部により、好適には、実質的に線接触又は点接触が、前方のクランプ装置21と第1の溝壁18との間に生じ、特に好適には、面接触が、前方のクランプ装置21と第1の溝壁18との間に生じない。このことは、版胴07の胴中12に対して相対的な、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の特に精緻で再現可能な位置を保証する。
少なくとも2つの第2の支持箇所34;36は、好適には位置調節可能であり、更に好適には少なくとも2つの、好適には前方の調節ねじ39;41として構成された前方の調節要素39;41又は接触ボディ39;41により確定されている。好適には、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の構成部分である。少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、好適には少なくとも1つの前方のクランプ装置21の少なくとも1つのベースボディ37に対して相対的に位置調節可能に配置されている。好適には、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、ねじ山により少なくとも1つの前方のクランプ装置21に結合されており、このねじ山のねじ山軸線を中心とする回転により少なくとも1つの前方のクランプ装置21に対して相対的に可動に配置されている。好適な1つの実施の形態において、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、前方の補助駆動装置43;44として構成された少なくとも1つ、好適にはそれぞれ少なくとも1つの駆動装置43;44により、少なくとも1つの前方のクランプ装置21に対して相対的に位置調節可能に配置されている。少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、好適には少なくとも1つの電動モータ43;44、例えばステップモータ43;44として構成されていて、更に好適には伝動装置、例えば特に高い伝達比を有する伝動装置、あるいは歯車装置を有する。少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、空圧式の駆動装置及び/又は液圧式の駆動装置43;44又は圧電式の駆動装置43;44として構成してもよい。少なくとも1つの補助駆動装置43;44及び/又は少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、更に好適には少なくとも1つの補助センサを有する。補助センサは、少なくとも1つの補助駆動装置43;44の位置、例えば少なくとも1つの電動モータ43;44の回転角度位置及び/又は少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の位置を検出する。好適には、少なくとも1つの補助センサは、機械制御装置に接続されている、かつ/又は少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、機械制御装置に接続されている。択一的又は付加的に、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の位置は、手動で調節可能である。
択一的又は付加的に、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、版胴07の胴中12に支持されている。この場合、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、好適には胴中12に対して相対的に位置調節可能に配置されている。好適には、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、ねじ山により少なくとも1つの胴中12に結合されていて、このねじ山のねじ山軸線を中心とする回転により胴中12に対して相対的に可動に配置されている。この場合、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、好適には少なくとも一時的に、更に好適には継続的に少なくとも1つの前方のクランプ装置21に、特にそれぞれの前方の接触箇所で結合されている。好適には、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、やはり、前方の補助駆動装置43;44として構成された少なくとも1つ、好適にはそれぞれ少なくとも1つの駆動装置43;44により、胴中12に対して相対的に位置調節可能に配置されている。少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、前述のように、好適には少なくとも1つの電動モータ43;44、例えばステップモータ43;44として構成されていて、更に好適には伝動装置を有する。少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、前述のように、空圧式の駆動装置及び/又は液圧式の駆動装置43;44として構成してもよい。少なくとも1つの補助駆動装置43;44及び/又は少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、やはり、更に好適には少なくとも1つの補助センサを有する。補助センサは、少なくとも1つの補助駆動装置43;44の位置、例えば少なくとも1つの電動モータ43;44の回転角度位置及び/又は少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の位置を検出する。好適には、やはり、少なくとも1つの補助センサは、機械制御装置に接続されている、かつ/又は少なくとも1つの補助駆動装置43;44は、機械制御装置に接続されている。択一的又は付加的に、やはり、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の位置は、手動で調節可能である。
第1及び第2の支持箇所39;41は、特に、少なくとも1つのクランプ装置21;61、特に少なくとも1つの前方のクランプ装置21を、好適には周方向Dである共通の方向で支持する働きを有する。第1及び第2の支持箇所33;34;36は、好適には軸方向Aで少なくとも1つの前方のクランプ装置21に沿って、更に好適には直線に沿って分配されている。このことは、特に、第1及び第2の支持箇所33;34;36が軸方向Aにみて好適にはそれぞれ独自の互いに異なる位置に配置されていることを意味する。好適には、第1の支持箇所33は、少なくとも軸方向Aに関して少なくとも2つの第2の支持箇所34;36の間に配置されている。好適には、常時、全ての支持箇所33;34;36において、第1の溝壁18と少なくとも1つの前方のクランプ装置21とが、特に突出部及び少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の形態で互いに接触している。
更に好適には、締付け装置101が、例えばばね107として構成された少なくとも1つの支持ボディ107を有する。支持ボディ107は、少なくとも1つの第1のクランプ装置21にも、少なくとも1つの第2のクランプ装置61にも支持されている。支持ボディ107により、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、第1の溝壁18に押し付けられ、少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、第2の溝壁19に押し付けられる。好適には4つの、このようなばね107として構成された支持ボディ107が配置されている。支持ボディ107は、総じて、600N〜1000N(六百ニュートン〜千ニュートン)の力を及ぼす。少なくとも2つの第2の支持箇所33;34を調節することにより、場合により少なくとも1つの前方のクランプ装置21の撓曲が制御される。
前方のクランプ装置21及び/又は胴中12に対して相対的な前方の接触ボディ39;41の位置、ひいては支持箇所33;34;36相互の位置次第で、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22及び少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、少なくとも1つの力が前方のクランプ装置21を第1の溝壁18に押し付けたとき、均等に力が加えられて、直線状に形成されている、又は不均等に力が加えられて、それゆえ凸面状又は凹面状に曲げられている。この少なくとも1つの力は、好適には前述のように、例えばばね107として構成された少なくとも1つの支持ボディ107により加えられる少なくとも1つの力及び/又は刷版73の張力により加えられる少なくとも1つの引張り力である。これにより、前方のクランプ装置21又は胴中12に対して相対的な前方の接触ボディ39;41の位置、ひいては支持箇所33;34;36の相互の位置の相応の適切な調節により、刷版73の適当な締付け(張設)が、例えば転写される印刷像の凸面状又は凹面状の歪みを補正するために達成可能である。付加的又は択一的に、例えば支持箇所33;34;36の、それ自体は直線状の、しかし少なくとも1つの前方のクランプ装置21に対して全体的に傾いた位置により、版胴07上での刷版73の傾き位置が、例えば刷版73に転写させられる印刷像の傾き位置を補正するために達成可能である。
少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、溝13の第2の底面108に沿って軸方向Aにかつ/又は軸方向Aとは逆方向に可動であり、かつ第2の底面108に対して直交する少なくとも1つの補整軸線を中心として回動可能である。軸方向Aに関する配置は、好適にはアキシャル駆動装置141として構成された駆動装置141により行われる。これについては詳しく後述する。刷版73の最初の締付け前、好適には前方の接触ボディ39;41は、全ての支持箇所33;34;36において同一の力が第1の溝壁19と少なくとも1つの前方のクランプ装置21との間で作用するように、調節される。
以下に、少なくとも1つの後方のクランプ装置61について説明する。この少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62を有する。少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61の後方のベースボディ71に対して相対的に不動に配置されている。この後方のベースボディ71は、胴中12に取り付けられているが、好適には、補正目的のために最小限、少なくとも胴中12に対して相対的に可動に配置されている。少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62は、好適には、半径方向外側の後方のクランプ条片62として構成されている。半径方向外側の後方のクランプ条片62は、軸方向Aで、好適には、少なくとも1つの溝13の軸方向の長さの、少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62よりも更に半径方向内側に配置された少なくとも1つの後方の押付け要素63を有する。この少なくとも1つの後方の押付け要素63は、好適には少なくとも1つの後方の板ばね63として、更に好適には、特に互いに面接触する複数の板ばね63から成る少なくとも1つの後方のばねセット63として構成されている。少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、少なくとも1つの後方の調節要素64を有する。少なくとも1つの後方の調節要素64により、少なくとも1つの後方の押付け要素63は、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62に対して相対的に可動であり、これにより好適には同時に、版胴07の胴中12に対して相対的に可動である。好適には、少なくとも1つの後方の押付け要素63は、少なくとも1つの後方の調節要素64によりそれ自体変形可能である。好適には、少なくとも1つの後方の押付け要素63は、少なくとも1つの後方の調節要素64により略半径方向に関して短縮可能である。少なくとも1つの後方の押付け要素63は、胴中12の軸方向の長さの、好適には少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。
好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、少なくとも2つの後方の押付け要素63及び/又は少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66を有する。少なくとも2つの後方の押付け要素63は、やはり好適には、それぞれ少なくとも1つの板ばね63として、更に好適には、特に互いに面接触する複数の板ばね63から成るそれぞれ少なくとも1つのばねセット63として構成されている。少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、好適には、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ条片66として構成されている。少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ条片66は、軸方向Aで、好適には少なくとも1つの溝13の軸方向の長さの少なくとも75%、更に好適には少なくとも90%にわたって延在している。少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、好適には、後方のクランプ方向Cにかつ/又は後方のクランプ方向Cとは逆方向に、特に少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62に向けてかつ/又は少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62から離れる方向に可動に配置されている。後方のクランプ方向Cは、好適には略半径方向に向けられている。これは、後方のクランプ方向Cが、好適には、場合により存在する周方向Dの成分よりも大きい少なくとも1つの半径方向の成分を有することを意味している。後方のクランプ方向Cは、好適には、軸方向Aに対して直交する方向に向けられている。少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、好適には軸方向Aに関して可動に配置されている。少なくとも1つの後方の押付け要素63、好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63は、好適には少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66に接触している。
好適には、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、少なくとも1つの後方の押付け要素63により、更に好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63により、後方のクランプ方向Cで少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62に向けて所定の力により押圧可能であるかつ/又は押圧されている。少なくとも1つの後方の調節要素64は、好適には少なくとも1つの後方の押付け要素63に直接に接触している。好適には、版胴07に関して周方向Dで少なくとも2つの半径方向内側の後方の押付け要素63の間に少なくとも1つの後方の調節要素64が配置されている。この少なくとも1つの後方の調節要素64は、好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除駆動装置64として、更に好適には、圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される少なくとも1つの後方の解除ボディ64として、更に一層好適には、少なくとも1つの後方の解除チューブ64として、特に後方のクランプ解除チューブ64として構成されている。このクランプ解除チューブ64は、更に好適には、流体、例えば圧縮空気で充填されているかつ/又は充填可能である。従って、以下に後方のクランプ解除チューブ64について述べている場合には、一般的に圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される後方の解除ボディ64についても想定されている。
好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64の内部に、8barまで又はそれを超える圧力を有する圧縮空気が供給可能であるかつ/又は供給されている。しかし、少なくとも1つの後方の調節要素64は、少なくとも1つの液圧シリンダ64及び/又は少なくとも1つの空圧シリンダ64及び/又は少なくとも1つの電動モータ64として構成してもよい。但し、クランプ解除チューブ64の場合、構造が単純であるという点において有利である。
少なくとも1つの後方の調節要素64の構成に関わらず、好適には、少なくとも1つの後方の調節要素64が作動すると、少なくとも1つの後方の押付け要素63、好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63は、少なくとも後方のクランプ方向Cで短縮する。更に好適には、少なくとも1つの後方の押付け要素63、好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63は、少なくとも、軸方向Aに対して直交するとともに後方のクランプ方向Cに対して直交する方向で少なくとも1つの後方の調節要素64が膨張することにより、少なくとも後方のクランプ方向Cで短縮する。この短縮は、例えば少なくとも1つの後方の押付け要素63が撓曲する形で、好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63が互いに逆方向に撓曲することにより生じる。この短縮は、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66を少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62から離れる方向に移動させ、これにより後方のクランプギャップ67を開く。後方のクランプギャップ67は、好適には、一方では少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62により形成され、他方では少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66により形成される。少なくとも2つの後方の押付け要素63は、好適には後方のベースボディ71にフレキシブルに、更に好適には、この後方のベースボディ71から脱離不能であるが、それにも関わらずこの後方のベースボディ71に対して相対的に、特に後方の押付け要素63の変形中、可動であるように結合されている。少なくとも2つの後方の押付け要素63は、好適には少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66にフレキシブルに、更に好適には、この半径方向内側の後方のクランプ要素66から脱離不能であるが、それにも関わらずこの半径方向内側の後方のクランプ要素66に対して相対的に、特に後方の押付け要素63の変形中、可動であるように結合されている。つまり、特に好適には、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、少なくとも1つの後方の押付け要素63が短縮すると、必然的に少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66が後方のクランプ方向Cとは逆方向に移動するように、少なくとも2つの後方の押付け要素63にフレキシブルに結合されている。
好適な1つの実施の形態において、少なくとも2つの後方の押付け要素63は、特に撓曲又は湾曲を無視すると、実質的に互いに平行に配置されていて、軸方向Aで延在するとともに、実質的に、軸方向Aに対して直交する第2の延在方向であって、好適には少なくとも1つの半径方向の成分を有する第2の延在方向でも延在している。しかし、好適には、少なくとも2つの後方の押付け要素63は、常に程度の差こそあれ大きなプリロード下にあるため、第2の延在方向は、軽微な弧を描き、各々の後方の押付け要素63は、軽微に湾曲している。このことは、好適には、後方のクランプ解除チューブ64の状態に関わらず成立し、特に少なくとも2つの後方の押付け要素63に対して、特に後方のクランプ解除チューブ64が完全に空になっている場合でも、完全に弛緩するには十分な余地が与えられないように、取付けスペースの寸法が設定されていることに起因する。少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64は、少なくとも2つの後方の押付け要素63の間に配置されていて、好適にはやはり軸方向Aで延在している。少なくとも2つの後方の押付け要素63は、少なくとも2つの後方の結合要素により、可動、特に旋回可能に、互いにかつ/又は少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71にかつ/又は少なくとも1つの後方のクランプ要素62に結合されている。少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64は、少なくとも好適には軸方向Aでみて、少なくとも2つの後方の結合要素の間に配置されている。
少なくとも2つの後方の押付け要素63の少なくとも一方、好適には両方の後方の押付け要素63は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に取り付けられていて、更に好適には少なくとも2つの後方の結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。少なくとも2つの後方の押付け要素63は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66に取り付けられていて、更に好適には少なくとも2つの結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64の両側には、それぞれ、少なくとも1つの挟持要素が、少なくとも2つの後方の押付け要素63の端部相互の、最大離間距離を超える離間を防止するように配置されている。挟持要素の配置は、挟持要素の端部が、それぞれ、隣接する押付け要素63の端部から離間できないようになっているため、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が膨張したときに、少なくとも2つの後方の押付け要素63が、単に互いに離れる方向で旋回するのではなく、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64から離れる方向で外向きに湾曲することを惹起する。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66により形成されている。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71により形成されている。
しかし、湾曲が形成されることにより、少なくとも2つの後方の押付け要素63は、例えば一方の結合要素から少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64を通り他方の結合要素に向かう方向に関して、特に後方のクランプ方向Cに関して短縮する。特に、同一の後方の押付け要素63の2つの端部間の直線距離は短縮する。これにより、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に対して相対的に、特にこのベースボディ71に向けて移動して、クランプが解除される。例えば少なくとも2つの結合要素は、結合ピンとして構成されており、結合ピンは、少なくとも2つの後方の押付け要素63の長穴を貫通して、両端部においてそれぞれ少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に又は少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66に結合されている。
少なくとも1つの後方の調節要素64が非作動化させられると、少なくとも1つの後方の押付け要素63の戻し力は、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66を少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62に向けて移動させ、これにより後方のクランプギャップ67を閉じる。少なくとも1つの後方の調節要素64のこのような非作動化の例は、後方のクランプ解除チューブ64の内部の、例えば周囲圧力、特に大気圧までの圧力降下である。好適には、少なくとも1つの後方の押付け要素63、更に好適には少なくとも2つの後方の押付け要素63は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61が開かれているか又は閉じられているかに関わらず、かつ刷版73が後方のクランプギャップ67内に存在しているか否かに関わらず、常時、少なくとも最小限のプリロード下にある。特に、後方の板ばね63、更に好適には少なくとも1つの後方のばねセット63は、好適には常時、軽微に撓曲され、付勢されている。
少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、好適には常に、好適には少なくとも1つの後方の押圧要素68、例えば少なくとも1つの後方の押圧ばね68により、周方向Dに関して所定の位置に保持されていて、例えば後方の位置決め面69に押し付けられている。後方の位置決め面69は、好適には少なくとも1つの後方の押圧要素68と第2の溝壁19との間に配置されている。後方の位置決め面69は、好適には少なくとも1つの後方のベースボディ71の面69である。特に、少なくとも1つの後方の押圧要素68により少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66に加えられる力は、第2の溝壁19に向かう方向で作用する。少なくとも1つの後方の押圧要素68により加えられる力は、好適には、クランプ状態で少なくとも1つの後方の押付け要素63により加えられる力より小さい。これにより、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66が、周方向Dで所定の位置に保持されていても、後方のクランプ方向Cでの運動に関しては、少なくとも1つの後方の押圧要素68による影響を受けないことが保証されている。周方向Dで所定の位置は、刷版73がクランプ過程時に不所望に動くことがないことを保証する。これにより、クランプ状態、特にクランプ過程中の刷版73の位置は、高精度に維持される。
少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66及び/又は少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62は、好適には硬化された材料、例えば硬化された鋼から成る少なくとも1つの表面を有する。表面には、好適には付加的又は択一的に、規則的かつ/又は不規則的な凸部及び/又は凹部から成る構造、例えば交差する直線状の刻み目が設けられている。このことは、刷版73がクランプされている場合、一方では刷版73と、他方では少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66及び/又は少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62との間の摩擦力結合を改善する。
少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、好適には少なくとも1つの締付け装置101の少なくとも1つのキャリッジ102の部分である。少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、好適には少なくとも部分的に、締付け路に沿ってかつ/又は締付け方向Eで可動に配置されている。好適には、締付け路は、版胴07の回転軸線11に対して直交する方向に延在している。好適には、締付け路は、面法線が版胴の回転軸線に対して平行に配向された平面内で延在している。好適には、締付け路は、実質的に周方向Dにかつ/又は周方向Dとは反対方向に延在している、又は更に好適には周方向Dに対して好適には接線方向の締付け方向Eにかつ/又は締付け方向Eとは反対方向に延在している。好適には、少なくとも1つのキャリッジ102は、少なくとも1つの溝13の内側において、締付け路に沿って、少なくとも1つの前方のクランプ装置21に向けて可動に配置されている。好適には、少なくとも1つのガイドが配置されている。このガイドは、少なくとも1つの後方のクランプ装置61を、その締付け路に沿って案内する。最大の締付け路、つまり少なくとも1つのキャリッジ102の、締付け方向Eのかつ/又は締付け方向Eとは逆方向の最大の移動距離は、好適には10mm〜35mm、更に好適には少なくとも15mm、更に一層好適には15mm〜20mmである。締付けのために進む締付け路の長さは、好適には0.1〜2mmであり、更に好適には0.5〜1.2mmである。締付け方向Eは、好適には、後方のクランプ装置61の域において溝13の第2の底面108に対して平行に向けられている。少なくとも1つのキャリッジ102の最大の移動距離は、好適には、版胴07の胴中12に対して相対的に、締付け方向Eでかつ/又は締付け方向Eとは逆方向で、少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされた刷版73と少なくとも1つの後方のクランプ装置61の少なくとも1つの半径方向外側のクランプ要素62との所定の又は実際の接触面の、締付け方向Eで測定された延伸長さと同一の大きさであり、好適には少なくとも2mmより大きく、更に好適には少なくとも5mmより大きい。最大の移動距離が所定の又は実際の接触面の延伸長さよりも大きい場合、刷版73は、とりわけ、特に簡単に、接触面の延伸長さに相当するよりも更に少なくとも1つの後方のクランプ装置61に導入することができる。これにより、生じる位置不良に関する蓄えが可能である。これにより更に、刷版73は、その最も外側の縁でクランプしなくてよい。
少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、好適には少なくとも1つの固定部、例えば溝13の第2の底面108に沿って、好適には版胴07の回転軸線11に対して略直交する方向に延在している少なくとも1つのレールにより支持されている。これにより、後方のクランプ装置61全体は、胴中12に対して相対的に、好適には少なくとも直線状に可動である。このことは、一方では少なくとも1つの後方のクランプ装置61に、刷版73の後方の端部76を簡単に導入するために役立ち、他方では少なくとも1つの前方のクランプ装置21だけでなく少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされた刷版73の締付け及び/又は位置調整に役立つ。
締付け駆動装置104として構成された少なくとも1つの駆動装置104は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61に結合して配置されている。少なくとも1つの締付け駆動装置104により、所定の方向で第2の溝壁19から少なくとも1つのキャリッジ102に向けられた少なくとも1つの好適に調節可能な力が、少なくとも1つのキャリッジ102に供給可能であるかつ/又は供給されている。好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置104は、少なくとも1つのキャリッジ102の第1の支持面103と、第2の溝壁19との間に配置されている。少なくとも1つの締付け駆動装置104は、好適には圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される少なくとも1つの調節ボディ104として構成されている。そのような圧力媒体は、例えば液圧媒体又は空圧媒体、特に空気である。少なくとも1つの締付け駆動装置104は、更に好適には少なくとも1つの締付けチューブ104として構成されている。少なくとも1つの調節ボディ104、好適には少なくとも1つの締付けチューブ104には、好適には10barまで又それ以上の圧力が供給可能である。しかし、少なくとも1つの締付け駆動装置104は、少なくとも1つの液圧シリンダ104及び/又は少なくとも1つの空圧シリンダ104及び/又は少なくとも1つの電動モータ104として構成してもよい。少なくとも1つの締付け駆動装置104は、好適には、版胴07に対して相対的に不動に配置された構成部分又は版胴07自体の構成部分、例えば第2の溝壁19に対して支持されている。従って、前述の記載に又は以下に少なくとも1つの締付けチューブ104について述べている場合には、一般的に圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される調節ボディ104についても想定されている。
好適には、少なくとも1つの戻し調節要素106、例えば少なくとも1つの戻しばね106として構成されたばね106;107が配置されている。少なくとも1つの戻し調節要素106は、少なくとも1つのキャリッジ102に、締付け方向Eとは逆方向に配向された戻し力を及ぼす。少なくとも1つの戻し調節要素106は、1つの実施の形態において、版胴07に対して相対的に不動に配置された構成部分又は版胴07自体の構成部分に対して支持されている。しかも好適には、少なくとも1つの戻し調節要素106は、ばね107として構成された支持ボディ107と同一である。この支持ボディ107は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21にも、少なくとも1つの後方のクランプ装置61にも支持されている。支持ボディ107により、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、第1の溝壁18に押し付けられる。少なくとも1つの締付け駆動装置104が非作動化されている限り、少なくとも1つのキャリッジ102は、特に少なくとも1つの戻し調節要素106により少なくとも1つのキャリッジに加えられる戻し力により、端位置とも呼ばれる、少なくとも1つのキャリッジ102の、第2の溝壁19近くの第1の位置に配置されている。少なくとも1つの締付け駆動装置104が非作動化されていて、少なくとも1つの相応の後方の調節要素131及び/又は後方のスペーサ131が相応に調節されている限り、少なくとも1つのキャリッジ102は、特に一方では少なくとも1つの戻し要素106により少なくとも1つのキャリッジ102に加えられる戻し力と、他方では少なくとも1つの調整要素131の作用とにより、間隔を置いた端位置と呼ばれる、端位置に対して、少なくとも1つのキャリッジ102の、第2の溝壁19から蓄え区間だけさらに離れた位置に配置されている。蓄え区間は、好適には4mm〜6mmである。
少なくとも1つのキャリッジ102の端位置は、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19に接触する、少なくとも1つのキャリッジ102の位置又は箇所である。少なくとも1つのキャリッジ102の間隔を置いた端位置は、少なくとも1つの第2のキャリッジ102が第2の溝壁19から好適には0mmより大きく7mmより小さな、更に好適には4mm〜6mmの間隔を有する、少なくとも1つのキャリッジの位置又は箇所である。少なくとも1つのキャリッジ102の中央又は内側の位置は、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19から好適には9mm〜31mm、更に好適には14mm〜26mmの間隔を有する、少なくとも1つのキャリッジ102の位置又は箇所である。
少なくとも1つの締付け装置101は、好適には少なくとも1つの固定装置109を有する。この固定装置109により、少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、特に刷版73の締付けを維持したまま位置固定可能であり、特に少なくとも、第2の溝壁19に向かう少なくとも1つのキャリッジ102の移動に関して位置固定可能である。以下に、固定装置109の異なる2つの実施の形態について説明する。
固定装置109の第1の実施の形態について以下に説明する。第1の実施の形態において、固定装置109は、少なくとも1つの好適には調節可能な後方の調節要素131、特に好適には調節可能な後方のスペーサ131を有する。このスペーサ131は、好適には少なくとも1つの後方の調節ねじ131として構成されている。少なくとも1つの後方のスペーサ131は、好適には少なくとも1つのねじ山を有する又はねじ山として構成された支持部を介して、好適には少なくとも1つのキャリッジ102及び少なくとも1つの後方のクランプ装置61に、特に後方のベースボディ71において支持されている。又、少なくとも1つの後方のスペーサ131を、胴中12の構成部分又は胴中12に対して相対的に不動に配置された構成部分に設けられた支持部により支持することもできる。少なくとも1つの後方のスペーサ131は、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に可動であり、特に少なくとも1つのキャリッジ102に対する相対的な位置で、例えば少なくとも1つのねじ山におけるねじ運動により調節可能である。少なくとも1つの後方のスペーサ131は、好適には少なくとも1つのキャリッジ102とともに可動である。少なくとも1つの後方のスペーサ131は、特に少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的な、少なくとも1つの短縮した位置に、かつ少なくとも1つ、好適には複数の伸長した位置に配置可能である。少なくとも1つの後方のスペーサ131の少なくとも1つの伸長した位置では、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、好適には、短縮した位置よりも更に、第2の溝壁19に向かう方向で、少なくとも1つのキャリッジ102の、第2の溝壁19寄りの後方の端面132から突出する。
少なくとも1つの後方のスペーサ131が、支持部を介して、胴中12の構成部分又は胴中12に対して相対的に不動に配置された構成部分に設けられた支持部に支持されている場合、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、特に胴中12に対して相対的な、少なくとも1つの短縮した位置に、かつ少なくとも1つの、好適には複数の伸長した位置に配置可能である。少なくとも1つの後方のスペーサ131の少なくとも1つの伸長した位置では、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、好適には、短縮した位置よりも更に、少なくとも1つのキャリッジ102に向かう方向で、少なくとも1つのキャリッジ102寄りの第2の溝壁19から突出する。
前述のように、少なくとも1つの戻し調節要素106は、締付け方向Eとは逆方向に配向された、少なくとも1つのキャリッジ102に加えられる戻し調節力を惹起する。すなわち、対向する力が作用しない限り、少なくとも1つのキャリッジ102は、第2の溝壁19に押し付けられる。但し、少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置に応じて、少なくとも1つのキャリッジ102が、第2の溝壁19に最大限接近して、特にキャリッジ102の端位置に達することは、阻止される。少なくとも1つの後方のスペーサ131が、短縮した位置にあり、少なくとも1つの後方のスペーサ131及び/又は少なくとも1つのキャリッジ102自体が、第2の溝壁19に接触している場合、少なくとも1つのキャリッジ102は、少なくとも1つの後方のスペーサ131が所定の伸長した位置にあって第2の溝壁19に接触している場合よりも、少なくとも1つの前方のクランプ装置21から更に離間して配置されている。少なくとも1つの前方のクランプギャップ27と少なくとも1つの後方のクランプギャップ67との間の最小間隔も相応の関係にある。すなわち、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされて、胴中12の周りに置かれた刷版73は、締付け駆動装置104の非作動時に、少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置に応じて、程度の差こそあれ締め付けられている。つまり、第1の実施の形態における固定装置109は、刷版73の締付け力及び/又は少なくとも1つの戻し調節要素106の戻し力に対抗して作用し、そうして少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61を位置固定する。
第1の実施の形態における固定装置109は、好適には、例えば圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される調節ボディ104、特に締付けチューブ104が所定の圧力で加圧されて、少なくとも1つのキャリッジ102を動かす程度に膨張することにより、少なくとも1つの締付け駆動装置104を作動させて、少なくとも1つの前方のクランプ装置21だけでなく少なくとも1つの後方のクランプ装置61にもクランプされた刷版73が先ず締め付けられるように、運転される。この実施の形態において、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、先ず少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的な、短縮した位置に配置されている。少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61全体が、少なくとも1つの前方のクランプ装置21に向けて移動する。これにより、版胴07の周囲に巻き付けられた刷版73は、締め付けられる、つまり緊締、張設もしくは緊張される。少なくとも1つのキャリッジ102は、好適には、刷版73の所望の張力が得られる又は更に好適には少なくとも僅かに超過される程度に、移動する。続いて、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、短縮した位置から所定の伸長した位置に動かされる。続いて、締付け駆動装置104は、例えば締付けチューブ104内の圧力が低減され、例えば周囲圧力、特に大気圧まで低減されることにより、非作動化させられる。場合により、少なくとも1つのキャリッジ102は、再び第2の溝壁19に向けて、少なくとも1つの後方のスペーサ131が第2の溝壁19のそれぞれ少なくとも1つ、好適には正確に1つのスペーサ接触箇所133に接触し、これにより少なくとも1つのキャリッジ102が停止させられるまで、移動する。択一的に、少なくとも1つのキャリッジ102は、胴中12内に支持された少なくとも1つのスペーサ131に接触し、これにより少なくとも1つのキャリッジ102は停止させられる。
この状態で、後方のクランプ装置61は、前述のように、少なくとも1つの戻し調節要素106の戻し力及び/又は刷版73の張力が、少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61を、第2の溝壁19に、但し少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置により確定された間隔を置いて押し付けることにより、その位置で保持される。このために、駆動装置を継続的に作動させたままにする必要はなく、特にチューブに継続的に圧力を供給したままにする必要はない。少なくとも1つの締付け駆動装置104、少なくとも1つの後方のスペーサ131及び少なくとも1つの後方の調節要素64は、好適にはキャリッジ102及び少なくとも1つの後方のクランプ装置62の同一の構成部分に支持されており、更に好適には後方のベースボディ71に支持されている。少なくとも1つの締付け駆動装置104、少なくとも1つの後方のスペーサ131及び少なくとも1つの後方の調節要素64の操作は、互いに独立して行うことができる。
少なくとも1つの後方のスペーサ131の正確な位置は、第2の溝壁19からの少なくとも1つのキャリッジ102の最小間隔を確定する。従って、少なくとも1つの後方のスペーサ131の正確な位置により、締め付けられた刷版73に作用する最大の締付け力が確定されている。好適には複数の、更に好適には少なくとも4つの前述の後方のスペーサ131は、軸方向Aで互いに間隔を置いて配置されている。好適な実施の形態では、少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置は、スペーサ駆動装置134として構成された少なくとも1つの駆動装置134により調節可能である。少なくとも1つのスペーサ駆動装置134は、好適には少なくとも1つの電動モータ134として構成されている。少なくとも1つのスペーサ駆動装置134は、空圧式の駆動装置及び/又は液圧式の駆動装置134として構成してもよい。少なくとも1つのスペーサ駆動装置134及び/又は少なくとも1つの後方のスペーサ131は、更に好適には、少なくとも1つのスペーサセンサを有し、このスペーサセンサは、少なくとも1つのスペーサ駆動装置134の位置を、例えば少なくとも1つの電動モータの角度位置を検出する、かつ/又は少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置を検出する。好適には、少なくとも1つのスペーサセンサは、機械制御装置に接続されている、かつ/又は少なくとも1つのスペーサ駆動装置134は、機械制御装置に接続されている。択一的又は付加的に、少なくとも1つのスペーサ131の位置は、手動で調節可能である。
固定装置109の第2の実施の形態は、少なくとも1つのストッパボディ111と、好適には胴中12及び/又は少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的な位置を所期のように変更可能な少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112、例えば少なくとも1つの後方のストッパねじ112とを有する。少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、例えば少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の位置を微調節可能にするために、好適には、少なくとも1つのストッパ伝動装置113を有する。少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、好適には、例えば支持ブロック122として構成された少なくとも1つの後方の支持部122に支持されている。好適には少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、少なくとも1つのねじ山を介して、少なくとも1つの支持部122に結合されている。少なくとも1つの支持部122は、好適には、胴中12に対して相対的に定位置に配置されていて、例えば胴中12の部分として構成されている。少なくとも1つのストッパボディ111は、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102に配置されていて、このキャリッジ102とともに可動である。少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102の最大移動距離を制限するように配置されている。この場合、少なくとも1つのキャリッジ102の最大移動距離は、好適には、一方の端部で、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112により、他方の端部で、第2の溝壁19により制限されている。締付け方向Eに関する少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の位置の変化により、少なくとも1つのキャリッジ102の最大移動距離は調節可能であり、特に延長可能かつ/又は短縮可能である。
好適には、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が、少なくとも1つのキャリッジ102に配置されている。少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114は、好適には、キャリッジ解除駆動装置116として構成された少なくとも1つの駆動装置116により、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に可動に配置されている。少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116により、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114は、少なくとも1つの溝13の第1のキャリッジクランプ面117に接触させられるかつ/又は非接触にさせられる。少なくとも1つのキャリッジ102の位置固定された位置では、少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116は、一方では少なくとも1つのキャリッジ102に、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61に支持されていて、他方では少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116は、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114を介して溝13の第1のキャリッジクランプ面117に支持されている。少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの第2のクランプ装置61は、やはり好適には、溝13の第1のキャリッジクランプ面117とは反対側に位置する、溝13の第2のキャリッジクランプ面118に支持されている。これにより少なくとも1つのキャリッジ102は、溝13内で位置固定されている。好適には、少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び/又は少なくとも1つの後方のクランプ装置61の原理と同様に構成されている。
このために、少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116は、好適には少なくとも1つ、更に好適には少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119を有する。少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119は、好適には、少なくとも1つのキャリッジ板ばね119として構成されており、更に好適には、特に互いに面接触する複数の板ばね119から成る少なくとも1つの前方のキャリッジばねセット119として構成されている。少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116は、好適には、少なくとも1つのキャリッジ解放部材121を有する。少なくとも1つのキャリッジ解放部材121は、好適には、流体、例えば圧縮空気で充填されている、かつ/又は充填可能な少なくとも1つのキャリッジ解除チューブ121として構成されている。好適には、少なくとも1つのキャリッジ解除チューブ121の内部に、10barまで又はそれ以上の圧力を有する圧縮空気が供給可能であるかつ/又は供給されている。少なくとも1つのキャリッジ解放部材121は、少なくとも1つの液圧シリンダ121及び/又は少なくとも1つの空圧シリンダ121及び/又は少なくとも1つの電動モータ121として構成してもよい。
少なくとも1つのキャリッジ解放部材121の構成に関わらず、少なくとも1つのキャリッジ解放部材121の作動により、好適には、少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119、好適には少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、少なくとも1つのキャリッジクランプ方向Fで、更に好適には、後方のクランプ方向Cに対して平行に配向されたキャリッジクランプ方向Fで短縮される。この短縮は、例えば少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119を撓曲することにより、好適には、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119を互いに逆方向に撓曲することにより行われる。これにより、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が第1のキャリッジクランプ面117から離れる方向に移動され、これにより少なくとも1つのキャリッジ102が解除される。少なくとも1つの、好適には少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102にフレキシブルに結合されており、更に好適には、キャリッジ押付け要素119は、特にその変形中、少なくとも1つのキャリッジ102から脱離されることはないが、この少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に可動であるように結合されている。少なくとも1つの、好適には少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、好適には、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114にフレキシブルに結合されており、更に好適には、キャリッジ押付け要素119は、特にその変形中、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114から脱離されることはないが、この少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114に対して相対的に可動であるように結合されている。即ち、特に好適には、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114は、少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119の短縮により、必然的に少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114がキャリッジクランプ方向Fとは逆方向で動かされ、これにより少なくとも1つのキャリッジ102ひいては少なくとも1つの固定装置109が解除されるように、少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119にフレキシブルに結合されている。
少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、好適には、特に撓曲又は湾曲を無視すると、互いに平行に配置されていて、軸方向Aで延在するとともに、実質的に、軸方向Aに対して直交する別の第3の延在方向であって、好適には少なくとも1つの半径方向の成分を有する第3の延在方向でも延在している。しかし、好適には、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、常に程度の差こそあれ大きなプリロード下にあるため、別の例えば第3の延在方向は、軽微な弧を描き、各々のキャリッジ押付け要素119は、軽微に湾曲している。このことは、好適には、キャリッジ解除チューブ121の状態に関わらず成立し、特に少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119に対して、特にキャリッジ解除チューブ121が完全に空になっている場合でも、完全に弛緩するには十分な余地が与えられないように、取付けスペースの寸法が設定されていることに起因する。少なくとも1つのキャリッジ解除チューブ121は、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119の間に配置されていて、好適にはやはり軸方向Aに延在している。少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、少なくとも2つの結合要素により可動、特に旋回可能に、互いにかつ/又は少なくとも1つの後方のクランプ装置71のベースボディ71にかつ/又は少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114に結合されている。少なくとも1つのキャリッジ解除チューブ121は、少なくとも好適には軸方向Aでみて、少なくとも2つの結合要素の間に配置されている。
少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119のうち少なくとも一方、好適には両方のキャリッジ押付け要素119は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に取り付けられていて、更に好適には、少なくとも2つの結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、好適には可動に、更に好適には旋回可能に、キャリッジクランプ要素114に取り付けられていて、更に好適には、少なくとも2つの結合要素の少なくとも1つにより取り付けられている。キャリッジ解除チューブ121の両側には、それぞれ少なくとも1つの挟持要素が、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119の端部相互の、最大離間距離を超える離間を防止するように配置されている。挟持要素の配置は、挟持要素の端部が、それぞれ隣接するキャリッジ押付け要素119の端部から離間できないようになっているため、キャリッジ解除チューブ121が膨張したときに、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119が、単に互いに離れる方向で旋回するのでなく、チューブから離れる方向で外向きに湾曲することを惹起する。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114により形成されている。好適には、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71により形成されている。
しかし、湾曲が形成されることにより、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、例えば一方の結合要素からキャリッジ解除チューブ121を通り他方の結合要素に向かう方向に関して短縮する。特に、同一のキャリッジ押付け要素119の2つの端部間の直線間隔は短縮する。これにより、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に対して相対的に、特にこのベースボディ71に向けて移動し、クランプが解除される。例えば、少なくとも2つの結合要素は、結合ピンとして構成されており、結合ピンは、少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119の長穴を貫通して、両端部においてそれぞれ少なくとも1つの後方のクランプ装置61のベースボディ71に又は少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114に結合されている。
少なくとも1つのキャリッジ解放部材121が非作動化させられると、少なくとも1つの前方のキャリッジ押付け要素119の戻し力は、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114を第1のキャリッジクランプ面117に向けて移動させ、これにより少なくとも1つのキャリッジ102と後方のベースボディ71との挟み付けを、ひいては少なくとも1つの固定装置109との挟み付けを惹起する。少なくとも1つの前方のキャリッジ解放部材121のこのような非作動化の例は、キャリッジ解除チューブ121の内部の、例えば周囲圧力、特に大気圧までの圧力降下である。好適には、少なくとも1つのキャリッジ押付け要素119、更に好適には少なくとも2つのキャリッジ押付け要素119は、少なくとも1つの固定装置109が解除されているか挟み付けられているかに関わらず、かつ少なくとも1つのキャリッジ102がどこに位置しているかに関わらず、常時、少なくとも最小限のプリロード下にある。特に、キャリッジ板ばね119、更に好適には少なくとも1つのキャリッジばねセット119は、常に、軽微に撓曲され、付勢されている。
第2の実施の形態における固定装置109は、好適には、例えば締付けチューブ104が所定の圧力で加圧されて、少なくとも1つのキャリッジ102を動かす程度に膨張することにより、少なくとも1つの締付け駆動装置104を作動させて、少なくとも1つの前方のクランプ装置21だけでなく少なくとも1つの後方のクランプ装置61にもクランプされた刷版73が先ず締め付けられるように、運転される。この実施の形態において、固定装置109は先ず、例えばキャリッジ解除チューブ121が所定の圧力で加圧されており、これにより両方のキャリッジばねセット119が変形され、少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が引き戻されることにより、解除される。少なくとも1つのキャリッジ102、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61全体が、少なくとも1つの前方のクランプ装置21に向けて移動する。これにより、版胴07に巻き付けられた刷版73は締め付けられる。少なくとも1つのキャリッジ102は、好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置104により加えられる力とこの力に対向する力との間に平衡が生じるまで移動する。この平衡は、締付けチューブ104の内側に所定の圧力が作用する場合に成立する。この場合、好適には、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、少なくとも1つのキャリッジ102に向けて、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112が少なくとも1つのストッパボディ111にストッパ接触部123で接触するまで、移動させられる。この場合、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、好適には既に、少なくとも1つのストッパボディ111が少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112に接触すると直ちに少なくとも1つのキャリッジ102の最適な位置を保証する位置に、配置されている。次いで、固定装置109は、例えば、キャリッジばねセット119が弛緩され、これにより少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が第1のキャリッジクランプ面117に押し付けられるまで、キャリッジ解除チューブ121内の圧力が低減されることにより、挟み付けられる。固定装置109が挟み付けられると直ちに、締付け駆動装置104は、例えば締付けチューブ104内の圧力が例えば周囲圧力、特に大気圧まで低減されることにより、非作動化させられる。
この状態で、後方のクランプ装置61は、固定装置109が少なくとも1つのキャリッジ102を、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61をその位置で溝13内に挟み付けて固定することにより、その位置で保持される。このために、駆動装置を継続的に作動させたままにする必要はなく、特にチューブに継続的に圧力を供給したままにする必要はない。少なくとも1つの締付け駆動装置104、少なくとも1つのキャリッジ解放部材121及び少なくとも1つの後方の調節要素64は、好適には、キャリッジ102及び少なくとも1つの後方のクランプ装置61の同一の構成部分71に支持されており、更に好適には後方のベースボディ71に支持されている。少なくとも1つの締付け駆動装置104、少なくとも1つのキャリッジ解放部材121及び少なくとも1つの後方の調節要素64の操作は、好適には、互いに独立して行うことができる。
少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の正確な位置は、少なくとも1つのキャリッジ102の最大移動距離を確定している。従って、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の正確な位置により、締め付けられた刷版73に作用する最大の締付け力が確定される。好適には複数の、更に好適には少なくとも2つの、更に一層好適には少なくとも4つの前述の後方のストッパ調節要素112は、軸方向Aで互いに間隔を置いて配置されている。好適な構成では、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、ストッパ駆動装置として構成された少なくとも1つの駆動装置により位置調節可能である。少なくとも1つのストッパ駆動装置は、好適には少なくとも1つの電動モータとして構成されている。少なくとも1つのストッパ駆動装置は、空圧式の駆動装置及び/又は液圧式の駆動装置として構成してもよい。少なくとも1つのストッパ駆動装置及び/又は少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、更に好適には、少なくとも1つのセンサを有し、このセンサは、少なくとも1つのストッパ駆動装置の位置を、例えば少なくとも1つの電動モータの角度位置を検出する、かつ/又は少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の位置を検出する。好適には、少なくとも1つのセンサは、機械制御装置に接続されている、かつ/又は少なくとも1つのストッパ駆動装置は、機械制御装置に接続されている。択一的又は付加的に、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の位置は、手動で調節可能である。
好適には、少なくとも1つのストッパボディ111は、ストッパ位置と通過位置との間で可動に配置されていて、好適には、締付け方向Eに対して直交する方向で、例えば軸方向Aで可動に配置されている。ストッパ位置では、少なくとも1つのストッパボディ111は、締付け方向Eに関して、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112に対向して位置する。この場合、前述のような協働が行われる。通過位置では、少なくとも1つのストッパボディ111は、締付け方向Eで、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112の延長線の外側に位置する。即ち、少なくとも1つのストッパボディ111が通過位置に位置する限り、少なくとも1つのストッパボディ111は、特に少なくとも1つのキャリッジ102の移動距離を制限しない。これにより、少なくとも1つのキャリッジ102の、締付け過程のために確定された最大移動距離よりも大きな移動距離が許容され、その際、このために少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112を別に調節する必要はない。これにより、版胴07への刷版73の装着が容易になり、これにより刷版73を、少なくとも1つの後方のクランプ装置61に特に効率的に導入することができる。
好適な1つの実施の形態では、少なくとも1つのストッパボディ111は、位置決め駆動装置として構成された少なくとも1つの駆動装置により位置調節可能であり、特に、ストッパ位置と通過位置との間で可動である。少なくとも1つの位置決め駆動装置は、好適には、少なくとも1つの電動モータとして構成されている。少なくとも1つの位置決め駆動装置は、空圧式の駆動装置及び/又は液圧式の駆動装置として構成してもよい。少なくとも1つの位置決め駆動装置及び/又は少なくとも1つのストッパボディ111は、更に好適には、少なくとも1つのセンサを有し、このセンサは、少なくとも1つの位置決め駆動装置の位置を、例えば少なくとも1つの電動モータの角度位置を検出するかつ/又は少なくとも1つのストッパボディ111の位置を検出する。好適には、少なくとも1つのセンサは、機械制御装置に接続されている、かつ/又は少なくとも1つの位置決め駆動装置は、機械制御装置に接続されている。択一的又は付加的に、少なくとも1つのストッパボディ111の位置は、手動で調節可能である。
固定装置109の構成に関わらず、好適には少なくとも1つの後方のクランプ装置61、更に好適には少なくとも1つのキャリッジ102は、軸方向Aでかつ/又は軸方向Aとは逆方向で、胴中12に対して相対的に可動に配置されている。少なくとも1つの調節要素144、特に少なくとも1つの側方調節装置144、例えば側方調節ねじ144により、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、更に好適には少なくとも1つのキャリッジ102は、軸方向Aで、位置調節可能である。好適には、側方調節装置144は、アキシャル駆動装置141として構成された少なくとも1つの駆動装置141により駆動可能であるかつ/又は駆動されている。1つの実施の形態では、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、更に好適には少なくとも1つのキャリッジ102は、既に少なくとも1つの側方調節装置144により、その軸方向位置が確定されている。別の好適な実施の形態では、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、更に好適には少なくとも1つのキャリッジ102は、軸方向Aで一方の側、例えば側Iで、側方の押圧要素142、例えば側方のばね142及び/又は側方の空圧ピストン142及び/又は液圧ピストン142により、好適には調節可能な側方ストッパ143に押し付けられる。調節可能な側方ストッパ143は、好適には、反対側、例えば側IIに配置されている。調節可能な側方ストッパ143は、例えば、前述の少なくとも1つの側方調節装置144、特に側方調節ねじ144として構成してよい。少なくとも1つのアキシャル駆動装置141は、好適には、溝13の内側における凹部に配置されていて、例えば少なくとも1つの締付け装置101と版胴07の回転軸線11との間に配置されている。
少なくとも1本の版胴07は、好適には、少なくとも1つの供給装置、例えば少なくとも1つの回転導入部を有する。少なくとも1つの供給装置は、好適には、空気供給部及び/又は空気排出部及び/又は通電部及び/又は液体供給部及び/又は液体排出部として構成されている。少なくとも1つの供給装置は、好適には、圧縮空気及び/又は電流及び/又は電気的な制御信号及び/又は少なくとも1つの温度調整液を供給しかつ/又は排出する働きを有する。好適には、少なくとも1つの供給装置は、少なくとも1つの回転供給部として構成されている。好適には、少なくとも1つの供給装置は、少なくとも2つの圧縮空気供給部を有し、これら圧縮空気供給部のうち例えば第1の圧縮空気供給部は、好適には締付けチューブ104として構成された締付け駆動装置104に供給するための圧縮空気を供給する働きを有する、かつ/又は例えば第2の圧縮空気供給部は、好適には前方のクランプ解除チューブ24として構成された前方の調節要素24にかつ/又は好適には後方のクランプ解除チューブ64として構成された後方の調節要素64にかつ/又は好適にはキャリッジ解除チューブ121として構成されたキャリッジ解放部材121にかつ/又は少なくとも1つのストッパボディ111の少なくとも1つの位置決め駆動装置に供給するための圧縮空気を供給する働きを有する。好適には、少なくとも1つの送信ユニット、並びに送信ユニットにワイヤレス式に接続された又は接続可能な受信ユニットが配置されており、送信ユニット及び受信ユニットにより、一方では回転するかつ/又は回転可能な版胴07と、他方では定位置の機械構成部分、例えば印刷ユニット02のフレーム及び特に機械制御装置との間で、電気的な制御信号及び/又は測定信号及び/又は電磁的な信号及び/又は電磁的な界に関する電気的な出力が伝送されるかつ/又は伝送可能である。少なくとも1つの供給部は、好適には、胴中12の、版胴07を駆動する駆動装置とは別の側に配置された、版胴07の胴ジャーナル17に対応して配置されている。版胴07を駆動するこのような駆動装置は、例えばモータ又は好適には斜歯歯列を備えた歯車として設けることができる。
好適には版胴07は、好適には少なくとも1つの弁を備えた少なくとも1つの空圧制御装置127を有する。好適には版胴07は、少なくとも1つの電子制御装置128を有する。好適には、少なくとも1つの空圧制御装置127及び/又は少なくとも1つの電子制御装置128は、少なくとも1つの、更に好適には正確に1つの制御装置容器129内に配置されている。更に好適には、この制御装置容器129は、版胴07の構成部分である。好適には、少なくとも1つの制御装置容器129は、胴ジャーナル17の域において、軸方向Aに関して胴中12の側方に配置されている。
以下に、版胴07上に刷版73を配置する、特にクランプするかつ/又は締め付ける方法について説明する。
初期状態とも呼ばれる版胴07の第1の運転状態では、好適には、刷版73は、少なくとも1つの締付け装置101に接触していない。少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27は、好適には閉じられている。少なくとも1つの前方の調節要素24は、好適には非作動化されている。更に好適には、少なくとも1つのクランプ解除チューブ24は、周囲圧力、特に大気圧下にある。少なくとも1つの後方のクランプ装置61は、好適には閉じられている。少なくとも1つの後方の調節要素64は、好適には非作動化されている。更に好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64は、周囲圧力、特に大気圧下にある。少なくとも1つのキャリッジ102は、好適には第2の溝壁19に、特にその端位置にある。好適には、少なくとも1つの後方のスペーサ131は、短縮位置に位置している。更に好適には、少なくとも1つのスペーサ131は、特に蓄え区間だけ伸長された位置にあり、少なくとも1つのキャリッジ102は、その間隔を置いた端位置にある。
前方の開放過程とも呼ばれる第1の方法過程では、少なくとも1つの前方のクランプ装置21が開かれる。このために、好適には、少なくとも1つの前方の調節要素24が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が、好適には3bar〜10bar、更に好適には5bar〜7barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。これにより、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24は膨張し、少なくとも1つ、好適には両方の前方の押付け要素23に支持される。少なくとも1つの前方の押付け要素23は、撓曲し、かつ好適には両方の前方の押付け要素23は、互いに逆方向に撓曲する。これにより、好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26が、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22から、好適には0.9mm〜1.5mmだけ離間して、前方のクランプギャップ27が開かれる。その前にかつ/又はその間にかつ/又はその後で、好適には、版胴07は、回転軸線11に関して、刷版73の挿入のために予め設定された角度位置にもたらされる。好適には、この予め設定された角度位置で、前方のクランプギャップ27は、刷版73の直ぐ傍に位置する。刷版73は、更に好適には、少なくとも部分的に、少なくとも1つの刷版カセット内に配置されている。好適には、刷版73は、少なくとも1つの刷版カセット内で、版胴07に対して略接線方向に沿って配置されている。
版胴07の前方が開かれた運転状態とも呼ばれる第2の運転状態は、第1の運転状態とは、好適には、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27が開かれていて、少なくとも1つの前方の調節要素24が作動させられていて、更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が、好適には3bar〜10bar、更に好適には5bar〜7barの高められた圧力下にあり、少なくとも1つの前方の押付け要素23がより比較的強く撓曲されている点においてのみ異なっている。
前方の挿入過程とも呼ばれる第2の方法過程では、刷版73の前方の端部74が少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27に挿入される。前もって、刷版73が、好適にはこのために予め設定された準備位置にもたらされる。この準備位置では、更に好適には、前方のクランプギャップ27に対して相対的な刷版73の位置及び配向が、前方のクランプギャップ27への後続の挿入に合わせて、例えば少なくとも1つの刷版カセットにより最適化されている。
版胴07の前方の挿入状態とも呼ばれる第3の運転状態は、第2の運転状態とは、好適には、刷版73の前方の端部74が少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27に挿入されている点においてのみ異なっている。
前方のクランプ過程とも呼ばれる第3の方法過程では、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27が閉じられ、この場合、刷版73の前方の端部74が、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27にクランプされる。このために、好適には、少なくとも1つの前方の調節要素24が非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24内の圧力が、特に少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が、周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。これにより、好適には少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が収縮する。少なくとも1つの前方の押付け要素23が、好適には解放された空間を利用して伸長し、好適には、両方の前方の押付け要素23が伸長し、かつ部分的に互いに逆方向に、互いに接近移動する。これにより好適には、少なくとも1つの半径方向内側の前方のクランプ要素26は、少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22に向けて動かされ、前方のクランプギャップ27が閉じられる。例えば第3の方法過程の一部である装着過程において、好適には刷版73が、版胴07の周面124上に装着される。装着は、例えば版胴07がその回転軸線11を中心として回動させられることにより行われ、この場合、好適には装着装置、例えば押付けローラにより、刷版73は版胴07の周面124に押し付けられる。択一的に、例えば理想的な直径からの直径のずれを補整するために、少なくとも1つの下貼りを版胴07の周面124と刷版73との間に配置してもよい。好適には、第3の方法過程は、刷版73が正確に少なくとも2つのレジスタストッパ31;32に接触していることが保証される場合にだけ実施される。
前方のクランプ状態とも呼ばれる版胴07の第4の運転状態は、第3の運転状態とは、好適には、少なくとも1つ前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27が閉じられており、刷版73の前方の端部74が少なくとも1つの前方のクランプ装置21内に、特に前方のクランプギャップ27内にクランプされており、少なくとも1つの前方の調節要素24が非作動化されており、更に好適には、少なくとも1つの前方のクランプ解除チューブ24が周囲圧力、特に大気圧下にあり、少なくとも1つの前方の押付け要素23の撓曲が、より僅かであり、更に好適には、刷版73が版胴07の周面124に押し付けられている点においてのみ異なっている。
後方の開放過程とも呼ばれる第4の方法過程では、好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置61が開かれる。このために、好適には少なくとも1つの後方の調節要素64が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64は、好適には3bar〜10bar、更に好適には5bar〜7barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。これにより好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が膨張し、少なくとも1つ、好適には両方の後方の押付け要素63に支持される。少なくとも1つの後方の押付け要素63は、撓曲し、好適には両方の後方の押付け要素63は、互いに逆方向に撓曲する。これにより好適には、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66が、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62から離間され、後方のクランプギャップ67が開かれる。その前にかつ/又は同時にかつ/又はその後で、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が、端位置又は間隔を置いた端位置から、締付け路に沿って、所定の挿入区間だけ、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて、中心位置又は内側の位置に移動させられる。挿入区間は、好適には10mm〜30mm、更に好適には少なくとも15mm、更に一層好適には15mm〜25mmの長さを有する。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104として構成された駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104が、好適には1bar〜10bar、更に好適には4bar〜6barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104は、第2の溝壁19にも少なくとも1つのキャリッジ102にも支持されるので、従って、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が移動させられる。好適には続いて、好適には版胴07がその回転軸線11を中心として回動させられ、その際、刷版73はその周面に装着される。この場合、好適には、刷版は、少なくとも1つの押圧手段、例えば押圧ローラにより、少なくとも1本の版胴07の周面に押し付けられる。
版胴07の後方が開かれた運転状態とも呼ばれる第5の運転状態は、第4の運転状態とは、好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67が開かれており、少なくとも1つの後方の調節要素64が作動させられており、更に好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が好適には3bar〜10bar、更に好適には5bar〜7barの高められた圧力下にあり、少なくとも1つの後方の押付け要素63がより強く撓曲されていて、少なくとも1つのキャリッジ102が中心又は内側の位置に位置している点においてのみ異なっている。
後方の挿入過程とも呼ばれる第5の方法過程では、好適には、特に押圧ローラにより押し付けられ、既に版胴07の周りに装着された刷版73の後方の端部76が、版胴07上に置かれ、その際、刷版73の後方の端部76は、第2の溝壁19と版胴07の周面124とを結ぶ縁部72を越えて突出している。換言すると、刷版73の後方の端部76は、端位置もしくは間隔を置いた端位置にある少なくとも1つの後方のクランプ装置61の作用域にもたらされる。続いて、好適には少なくとも1つのキャリッジ102が、中央又は内側の位置から、締付け路に沿って、所定の挿入区間だけ、第2の溝壁19に向けて、その端位置又は好適には間隔を置いた端位置に移動させられる。このために、好適には少なくとも1つの締付けチューブ104が非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの前方の締付けチューブ104が周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。この場合好適には、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62及び少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、刷版73の後方の端部76を包囲し、この場合、更に好適には、せいぜい少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62又は少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66だけが、刷版73の後方の端部76に接触する。好適には、刷版73の後方の端部76は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの後方のクランプ装置61の少なくとも1つの後方のクランプギャップ67により包囲されるのに対して、少なくとも1つのキャリッジ102は、締付け路に沿って、その内側位置から、第2の溝壁19に向けて、その端位置又はその間隔を置いた端位置へ移動させられる。第4の方法過程及び第5の方法過程のステップの順番を変更することも同様に可能であり、例えばキャリッジ102が既にその中央位置又は内側の位置に位置している場合にはじめて少なくとも1つの後方のクランプ要素61を開くことができる。
版胴07の後方の挿入状態とも呼ばれる第6の運転状態は、第5の運転状態とは、刷版73の後方の端部76が、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67に挿入されており、少なくとも1つのキャリッジ102が端位置又は間隔を置いた端位置に位置している点においてのみ異なっている。
後方のクランプ過程とも呼ばれる第6の方法過程では、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67が閉じられ、この場合、刷版73の後方の端部76は、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67にクランプされる。このために、好適には少なくとも1つの後方の調節要素64が非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が、周囲圧力、特に大気圧まで低減される。これにより、好適には少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が収縮する。少なくとも1つの後方の押付け要素63は、好適には解放される空間を利用し、後方の押付け要素63が伸長し、好適には両方の後方の押付け要素63が伸長して、少なくとも部分的に互いに逆方向に互いに向けて移動させられる。これにより好適には、少なくとも1つの半径方向内側の後方のクランプ要素66は、少なくとも1つの半径方向外側の後方のクランプ要素62に向けて移動させられて、後方のクランプギャップ67が閉じられる。
後方のクランプ状態とも呼ばれる版胴07の第7の運転状態は、第6の運転状態とは、好適には、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67が閉じられており、刷版73の後方の端部76が、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67内にクランプされており、少なくとも1つの後方の調節要素64が非作動化されており、更に好適には、少なくとも1つの後方のクランプ解除チューブ64が周囲圧力、特に大気圧下にあり、少なくとも1つの後方の押付け要素63の撓曲がより僅かである点においてのみ異なっている。
締付け過程とも呼ばれる第7の方法過程は、固定装置109の実施の形態に関連している。第7の方法過程は、第1の実施の形態の固定装置109に関して、好適には以下に説明するように実施される。先ず、締付け過程の第1のステップにおいて好適には刷版73が準備される。好適には、先ず、少なくとも1つの後方の調節要素131が短縮した位置にもたらされ、好適には、蓄え区間を利用するために、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19に向けて移動させられる。次に、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させられ、更に好適には、この刷版73を用いた印刷運転のために予め設定されているよりも最小限更に移動させられる。この場合特に、少なくとも1つのキャリッジ102は、第2の溝壁19から離れる方向に移動させられる。この場合好適には、刷版73は、第1の力で締め付けられる。この場合好適には、刷版73は、この刷版73を用いた印刷運転のために予め設定されているよりも少なくとも最小限より強く、例えば少なくとも1つの締付けチューブ104において0.5barだけより高い圧力で、締め付けられる。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104が、好適には3bar〜10bar、更に好適には6bar〜8barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。少なくとも1つの締付けチューブ104が、好適には第2の溝壁19にも少なくとも1つのキャリッジ102にも支持されるので、従って、少なくとも1つのキャリッジ102が移動させられる。その圧力は、好適には、刷版73内に形成される張力に抗して作業する必要があるので、後方の挿入過程において設定されているよりも高く選択されている。択一的に、少なくとも1つのキャリッジ102は、もちろん所定のストッパと協働することができるので、後方の挿入過程及び締付け過程において同一の圧力で作業することができる。続いて、締付け過程の第2のステップにおいて、少なくとも1つのキャリッジ102が再び第2の溝壁19に向けて移動させられ、更に好適にはその端位置に移動させられることにより、刷版73は再び弛緩される。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104が非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの前方の締付けチューブ104がより低い圧力、例えば周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。
続いて、締付け過程の第3のステップにおいて、好適には、新たに少なくとも1つのキャリッジ102が少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させられ、更に好適には、印刷運転のために設定されているよりも最小限更に移動させられる。この場合好適には、刷版73は第2の力で締め付けられる。好適には、第2の力は、第1の力と同一の大きさである。好適には印刷運転中に設定された程度を越える迅速な締付けは、締付け力が刷版73の全周に沿って刷版73に作用することができ、静止摩擦により縁部域だけが締付け力による影響を受けないこと、特に伸長されないことを保証する。このために、やはり少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104が、好適には2bar〜8bar、更に好適にはアルミニウム製の支持プレートを有する刷版73には2bar〜5bar、鋼製の支持プレートを有する刷版には3bar〜7barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。
好適には、刷版73、特にその後方の端部76は、少なくとも締付け過程の第1のステップの開始から締付け過程の第3のステップの終了まで、後方のクランプ装置61にクランプされたままである。少なくとも1つのキャリッジ102は、先ず、中間状態で、印刷運転で設定されているよりも、少なくとも最小限、例えば1mmよりも小さく、第1の溝壁18及び少なくとも1つの前方のクランプ装置21の近くに配置されている。そこで、少なくとも1つの後方のスペーサ131が、印刷運転中に刷版73の設定された締付けを保証する、第2の溝壁19からの少なくとも1つの後方のクランプ装置61の特定の間隔を確定する、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的な位置に調節される。このために好適には、少なくとも1つの後方の調節ねじ131が、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的にかつ/又は胴中12に対して相対的に、そのねじ山軸線を中心として回転させられ、更に好適には、スペーサ駆動装置134として構成された少なくとも1つの駆動装置134により、更に好適には、少なくとも1つの後方のスペーサ131が第2の溝壁19に接触するまで、回転させられる。続いて、刷版73は、締付け力が低減され、例えば少なくとも1つのキャリッジ102が少なくとも最小限更に再び第2の溝壁19に向けて移動させられることにより、好適には少なくとも1つの後方のスペーサ131が少なくとも1つのスペーサ接触箇所133で第2の溝壁19に接触して、好適にはそこで完全に支持されることにより、再び部分的に弛緩される。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104は、好適には少なくとも部分的に非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの締付けチューブ104が以前よりも低い圧力、例えば周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。刷版73は、いまや締め付けられ、版胴07は、第1の実施の形態において第8の運転状態に位置している。特に、締付け過程の第1のステップ及び締付け過程の第3のステップにおいて、少なくとも一時的に、締付けチューブ104内の圧力は、それぞれ締付け過程の第2のステップより高い。好適には、第8の運転状態で刷版73を締め付ける第3の力は、締付け過程の第1のステップ及び/又は第2のステップの間に刷版73を締め付ける第1の力及び/又は第2の力より少なくとも最小限より小さい。
締付け状態又は印刷運転状態とも呼ばれる第1の実施の形態の第8の運転状態は、第1の実施の形態における固定装置109の使用時には、第7の運転状態とは、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19から、第7の状態よりも大きな間隔を有し、少なくとも1つのキャリッジ102が、第1の溝壁18から、第7の運転状態よりも小さな間隔を有し、少なくとも1つの後方のスペーサ131の位置が、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に変更されており、少なくとも1つの後方のスペーサ131が、周方向Dに関して、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に、第7の運転状態よりも更に第2の溝壁19に向けて配置されており、刷版73が、版胴07の周面124上で締め付けられている点においてのみ異なっている。この第8の運転状態では、版胴07は、直ちに印刷運転できる状態にある、かつ/又は版胴は、印刷運転中である。
これに対して、第2の実施の形態における固定装置109に関して、締付け過程とも呼ばれる第7の方法過程は、好適には、以下に説明するように実施される。先ず、締付け過程の第1のステップにおいて、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させられ、更に好適には、印刷運転のために設定されているよりも移動させられることにより、刷版73が準備される。この場合特に、少なくとも1つのキャリッジ102は、第2の溝壁19から離間するように移動させられる。このために、好適には、キャリッジ解除駆動装置116として構成された少なくとも1つの駆動装置116が作動されることにより、先ず、固定装置109が解除される。このために、例えばキャリッジ解除チューブ121内の圧力が高められて、キャリッジばねセット119が変形し、これにより少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が第1のキャリッジクランプ面117から解除される。好適には、少なくとも1つのストッパボディ111が通過位置に移動させられ、これにより、更に好適には位置決め駆動装置として構成された少なくとも1つの駆動装置による、少なくとも1つのキャリッジ102の後述の移動を容易にすることができる。そこで、少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置104は、好適には3bar〜10bar、更に好適には6bar〜8barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。少なくとも1つの締付けチューブ104は、第2の溝壁19にも少なくとも1つのキャリッジ102にも支持されるので、従って、少なくとも1つのキャリッジ102が移動させられる。この圧力は、刷版73に形成される張力に抗して作業する必要があるので、好適には、後方の挿入過程において設定されているよりも高く選択されている。
続いて、締付け過程の第2のステップにおいて、少なくとも1つのキャリッジ102が再び第2の溝壁19に向けて移動させられ、更に好適にはその端位置に移動されることにより、刷版73は再び弛緩される。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104が非作動化される。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの前方の締付けチューブ104がより低い圧力、例えば周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。次いで、好適には、先ず少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112が、締付け方向Eに関して、好適には、胴中12に対して相対的にストッパ目標位置に移動させられ、更に好適には、ストッパ駆動装置として構成された少なくとも1つの駆動装置により移動させられる。
そこで、好適には、締付け過程の第3のステップにおいて、新たに少なくとも1つのキャリッジ102が少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させられ、特に第2の溝壁19から離間して、所望の締付け力が得られるまで移動させられる。このために、やはり、少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104は、好適には2bar〜8bar、更に好適にはアルミニウム製の支持プレートを備えた刷版73には2bar〜5bar、鋼製の支持プレートを備えた刷版73には3bar〜7barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。その前にかつ/又はその後でかつ/又はそれと同時に、少なくとも1つのストッパボディ111がストッパ位置に移動させられ、更に好適には少なくとも1つの位置決め駆動装置として構成された駆動装置により、好適には少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112が少なくとも1つのストッパボディ111に接触するまで移動させられる。
このために更に好適には、少なくとも1つの後方のストッパねじ112が、そのねじ軸線を中心として回転させられる。これにより、前述のように、少なくとも1つのキャリッジ102の最大の調節距離、ひいては締め付けられた刷版73に作用する最大締付け力が確定される。少なくとも1つのキャリッジ102の移動の継続は、この場合、少なくとも1つの後方のストッパ要素112と少なくとも1つのストッパボディ111との接触により不可能である。
続いて、固定装置109は挟み付けられ、この場合、例えばキャリッジ解除チューブ121内の圧力は、キャリッジばねセット119が弛緩し、これにより少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が第1のキャリッジクランプ面117に押し付けられる程度に、例えば周囲圧力、特に大気圧まで低減される。固定装置109が挟み付けられると直ちに、例えば締付けチューブ104内の圧力が例えば周囲圧力、特に大気圧まで低減されることにより、締付け駆動装置104は非作動化させられる。後方のクランプ装置61は、この状態において、固定装置109が少なくとも1つのキャリッジ102を、ひいては少なくとも1つの後方のクランプ装置61を、少なくとも1つの溝13内での所定の位置に挟み付けて固定することにより、その位置で保持される。このときに刷版73は締め付けられ、版胴07は第2の実施の形態における第8の運転状態にある。
締付け状態又は印刷運転状態とも呼ばれる、第2の実施の形態における第8の運転状態は、第2の実施の形態における固定装置109の使用時には、第7の運転状態とは、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が第1の溝壁19から、第7の運転状態よりも大きな間隔を有し、少なくとも1つのキャリッジ102が、第1の溝壁18から、第7の運転状態よりも小さな間隔を有し、少なくとも1つのストッパボディ111が少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112に接触し、刷版73が版胴07の周面124上に締め付けられている点においてのみ異なっている。この第8の運転状態では、版胴07は直ちに印刷運転できる状態にある、かつ/又は版胴は、印刷運転中である。
締付け過程の実施の形態に関わらず、刷版73、特にその後方の端部76は、好適には少なくとも締付け過程の第1のステップの開始から締付け過程の第3のステップの終了まで後方のクランプ装置61にクランプされたままである。締付け過程の実施の形態に関わらず、好適には締付け過程の第1のステップにおいて、少なくとも1つのキャリッジ102は、第1の力により、少なくとも1つの前方にクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させられ、このときに刷版73は締め付けられる。第1の力は、好適には、締付け過程の第3のステップにおいて少なくとも1つのキャリッジ102を、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させて、刷版73を締め付ける第2の力と同一の大きさである。好適にはこの場合、少なくとも1つのキャリッジ102が締付け過程の第1のステップにおいて停止する第1の中央の位置又は第1の内側の位置は、少なくとも1つのキャリッジ102が締付け過程の第3のステップにおいて停止する第2の中央の位置又は第2の内側の位置よりも、第2の溝壁19に接近している。このことは、刷版73が締付け過程の第1のステップにおいて降下し、このときに緊張が解消され、場合により存在する空隙が低減され、つまり刷版73が全体的に調節されることに基づいている。
好適には、固定装置109の実施の形態に関わらず、少なくとも1つの第8の方法過程で、少なくとも1回の試し刷りが実施される。印刷製品、例えばシート09のサンプルに、この試し刷りのための印刷が行われる。形成された印刷像に基づいて、刷版張力を変えるべきか否か、そしてどの程度変えるべきか、かつ/又は版胴07上の刷版73の傾斜位置を変えるべきか否か、そしてどの程度変えるべきか、かつ/又は刷版73の前方の端部74及び/又は刷版73の後方の端部76の凸面状の変形及び/又は凹面状の変形を変えるべきか否か、そしてどの程度変えるべきかについて評価される。印刷像が既に申し分ない場合には、締付け装置101の全ての調節が維持される。この過程は、好適には必要とされる回数だけ繰り返される。更に好適には、版胴07の完全で最終的な調節、更に好適には1つの共通のゴム胴06と協働する全ての版胴07の完全で最終的な調節を確定するために、もはやこの過程として試し刷りは必要とならない。
必要な場合、少なくとも1つの第9の方法過程では、好適には、第8の方法過程における評価に応じて締付け装置101の調節の適合が実施される。第9の方法過程は、適合過程とも呼ばれる。適合の形に関わらず、好適には、先ず固定装置109が再び解除され、刷版73は少なくも部分的に弛緩される。
固定装置109の第1の実施の形態の使用時には、第9の方法過程又は適合過程において、先ず少なくとも1つのキャリッジ102が、再び第2の溝壁19から離間されて、第1の溝壁18及び少なくとも1つの前方のクランプ装置21に向けて移動させられる。このために好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が第1の溝壁18及び/又は少なくとも1つの前方のクランプ装置21に向けて前述の移動を実施するまで、圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧される少なくとも1つの調節ボディ104、特に少なくとも1つの締付けチューブ104は、好適には3bar〜10barの圧力下にある圧力媒体、圧縮空気で加圧される。次いで、少なくとも1つのキャリッジ102は、例えば少なくとも1つのストッパとの接触及び/又は少なくとも1つの調節ボディ104と少なくとも1つの戻し調節要素106との間の力均衡により停止される。そこで、少なくとも1つの後方のスペーサ131が、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的なかつ/又は胴中12に対して相対的な、第2の溝壁19からの少なくとも1つの後方のクランプ装置61のより小さな間隔を可能にする位置に調節される。このために好適には、少なくとも1つの後方の調節ねじ131が、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的にかつ/又は胴中12に対して相対的に、そのねじ山軸線を中心として回転させられ、更に好適には、少なくとも1つのスペーサ駆動装置134により回転させられる。好適には、少なくとも1つのスペーサ駆動装置134は、機械制御装置により制御される。続いて、少なくとも1つのキャリッジ102が再び第2の溝壁19に向けて、第1の溝壁18及び/又は少なくとも1つの前方のクランプ装置21から離間して移動させられ、好適には少なくとも1つのキャリッジ102が再びその端位置に位置するかつ/又は少なくとも1つの後方のスペーサ131が少なくとも1つのスペーサ接触箇所133において第2の溝壁19及び同時に少なくとも1つのキャリッジ102に接触するまで移動させられることにより、刷版73は再び弛緩される。このために、少なくとも1つの締付け駆動装置104が、好適には少なくとも部分的に非作動化させられる。更に好適には、圧力媒体で加圧された少なくとも1つの調節ボディ104、特に締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの調節ボディ104、特に締付けチューブ104が、以前よりも低い圧力、例えば周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。
固定装置109の第2の実施の形態の使用時には、第9の方法過程において、好適には先ず少なくとも1つの締付け駆動装置104が作動させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104が、好適には3bar〜10barの圧力下にある圧縮空気で加圧される。少なくとも1つのキャリッジ102、特に少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112は、そこで、少なくとも1つの締付け駆動装置104により、十分に大きな力で、少なくとも1つのストッパボディ111に押し付けられる。次に、好適には先ず固定装置109が解除され、この場合例えば、キャリッジ解除チューブ121内の圧力は、キャリッジばねセット119が変形し、これにより少なくとも1つのキャリッジクランプ要素114が第1のキャリッジクランプ面117から解除される程度にまで高められる。続いて、刷版73は再び弛緩され、この場合、少なくとも1つのキャリッジ102は再び第2の溝壁19に向けて移動させられ、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が再びその端位置に位置する、かつ/又は少なくとも1つの後方のスペーサ131が少なくとも1つのスペーサ接触箇所133において第2の溝壁19に接触するまで移動させられる。このために、少なくとも1つの第1の締付け駆動装置104が、好適には、少なくとも部分的に非作動化させられる。更に好適には、少なくとも1つの締付けチューブ104内の圧力が低減され、特に少なくとも1つの締付けチューブ104が以前よりも低い圧力、例えば周囲圧力、特に大気圧下まで低減される。
次いで、固定装置109の実施の形態に関わらず、適合過程の1つ又は複数の部分として以下の1つ又は複数の部分過程が実施される。
刷版73の傾斜位置を補正するための適合過程の部分過程及び/又は刷版73の前方の端部74の凸面状及び/又は凹面状の変形を補正するための適合過程の部分過程において、少なくとも2つの支持箇所34;36のうちの少なくとも一方、好適には少なくとも2つの第2の支持箇所34;36が必要な場合に新たに調節される。このために、好適には、少なくとも2つの、好適には前方の調節ねじ39;41として構成された前方の接触ボディ39;41における、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22、及び/又は胴中12に対する相対的な位置が調節される。更に好適には、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41は、前方の補助駆動装置43;44として構成された少なくとも1つの駆動装置43;44により新たに位置調節される。更に好適には、少なくとも1つ、特に少なくとも2つの前方の調節ねじ39;41が、そのねじ山軸線を中心として、少なくとも1つの前方のクランプ装置21に対して相対的にかつ/又は胴中12に対して相対的に回転させられる。好適には、常時、全ての支持箇所33;34;36において、第1の溝壁18と、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に少なくとも1つの半径方向外側の前方のクランプ要素22とが、特に突出部及び少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41の形で互いに接触しているので、少なくとも2つの第2の支持箇所33;34の調節により、第1の溝壁18に対して相対的な少なくとも1つの前方のクランプ装置21の好適は弾性的な撓曲及び/又は傾斜位置に影響が与えられる。これにより、少なくとも1枚の別の刷版73に起源する少なくとも1つの印刷像の位置に対して相対的な特定の刷版73に起源する印刷像の相応の位置不良を補正することができる。
例えば少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41が、その調節時に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の突出部に対して相対的に第1の溝壁18から離れる方向に移動させられると、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41の、第1の溝壁18寄りの端部は、好適には軸方向Aに関して、その間に配置された突出部とともに、例えば直線を形成しないかつ/又は以前の湾曲した線とは別の線を形成する。例えばばね107として構成された支持ボディ107及び/又は締め付けられた刷版73に基づいて作用する力により、少なくとも、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の軸方向外側の域が少なくとも1つの前方の第1のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の軸方向中央の域よりも強く第1の溝壁18に向けて移動させられるかつ/又は例えば引っ張られるように、好適には弾性的に変形される。すなわち、締め付けられた刷版73は、その前方の端部74で、凸面状に変形される。刷版73の前方の端部74におけるこのような凸面状の変形は、少なくとも部分的に刷版73全体を通じて周方向Dに伝播することがある。刷版73の前方の端部74における凸状面の変形は、好適には、刷版73上の印刷像の凹面状の変形に対抗するように調節される。場合により、刷版73の後方の端部76にも相応の措置を講じる、例えば少なくとも1つの後方の調節要素131を相応に変化して調節する必要がある。
例えば少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41が、その調節時に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の突出部に対して相対的に第1の溝壁18に向けて移動させられると、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41の、第1の溝壁18寄りの端部は、好適には軸方向Aに関して、その間に配置された突出部とともに、例えば直線を形成しないかつ/又は以前の湾曲した線とは別の線を形成する。例えばばね107として構成された支持ボディ107及び/又は締め付けられた刷版73に基づいて作用する力により、少なくとも、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の軸方向外側の域が少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の軸方向中央の域よりも僅かな強さで第1の溝壁18に向けて移動させられるかつ/又は例えば引っ張られるように、好適には弾性的に変形される。すなわち、締め付けられた刷版73は、その前方の端部74で、凹面状に変形される。刷版73の前方の端部74におけるこのような凹面状の変形は、少なくとも部分的に刷版73全体を通じて周方向Dに伝播し得る。刷版73の前方の端部74における凹面状の変形は、好適には、刷版73上の印刷像の凸面状の変形に対抗するように調節される。やはり場合により、刷版73の後方の端部76にも相応の措置を講じる、例えば少なくとも1つの後方の調節要素131を相応に変化して調節する必要がある。
例えば少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41が、その調節時に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21の突出部に対して相対的に互いに逆方向に移動させられると、少なくとも2つの前方の接触ボディ39;41、特に調節ねじ39;41の、第1の溝壁18寄りの端部は、好適には軸方向Aに関して、その間に配置された突出部とともに、好適には引き続き1本の直線又は以前と全く同じ強さの湾曲した線を形成するが、但しこの線は、前方のクランプギャップ27及び/又は第1の溝壁18に対して斜めに向けられている。例えばばね107として構成された支持ボディ107及び/又は締め付けられた刷版73に基づいて作用する力により、少なくとも1つの前方のクランプ装置21は、好適には締め付けられた刷版73とともに、少なくとも1つの前方のクランプ装置21が好適には締め付けられた刷版73とともに第1の溝壁18に対して相対的に好適には略半径方向の方向調整軸線を中心として回動させられるように、第1の溝壁18に押し付けられる。この方向調整軸線は、好適には第1の支持箇所33を通って延在している。このことは特に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の軸方向外側の第1の域が、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び締め付けられた刷版73の、第1の支持箇所33の、軸方向外側の第1の域とは別の軸方向の側に位置する、軸方向外側の第2の域よりも更に第1の溝壁18に向けて引っ張られるという理由で行われる。例えば、軸方向外側の第1の域は側Iに対応しており、軸方向外側の第2の域は側IIに対応している。すなわち、締め付けられた刷版73の前方の端部74は、版胴07に斜めに装着される。刷版73のこのような傾斜位置は、好適には、刷版73全体を通じて周方向Dで伝播し、更に好適には、このような傾斜位置が刷版73上の印刷像の傾斜位置に対抗するように調節される。
必要に応じて、すなわち特に刷版73上の印刷像が相応して変形された場合、少なくとも2つの前方の調節ねじ39;41は、前述の効果が重畳して、一方では版胴07上の刷版73の傾斜位置と、他方では刷版73自体の凸面状及び/又は凹面状の変形との組み合わせが生じるように位置調節される。
少なくとも1つの前方のクランプ装置21による刷版73の傾斜位置は、場合により同時に、少なくとも1つの後方のクランプ装置61により刷版73に結合された少なくとも1つのキャリッジ102及び/又は少なくとも1つの後方のクランプ装置61自体の補整を行う傾斜位置及び/又は軸方向Aにおける移動を必要とする。一方では少なくとも1つのキャリッジ102及び/又は少なくとも1つの後方のクランプ装置61のフレキシブルな支持及び/又は固定と、他方では少なくとも1つの側方調節装置144、特にアキシャル駆動装置として構成された少なくとも1つの駆動装置141とにより、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、更に好適には少なくとも1つのキャリッジ102は、軸方向Aで位置調節可能である。少なくとも1つのキャリッジ102及び少なくとも1つの後方のクランプ装置61の、軸方向Aにおける、特に終端位置から終端位置までの最大の変位は、好適には1mm〜10mm、更に好適には3mm〜6mmである。
一方では刷版張力ひいては周方向における刷版73の長さを補正するため、他方では刷版73の後方の端部76の凸面状及び/又は凹面状の変形を補正するための適合過程の部分過程は、固定装置109の実施の形態に応じて、好適には、それぞれ第7の方法過程と同様に実施される。但しこの場合、好適には、一方では刷版73の第1の締付け及び続いて行われる弛緩は不要となり、他方では固定装置109の実施の形態に応じて、少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112又は少なくとも1つの後方のスペーサ131は、所望の新たな刷版張力に応じて調節される。少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112又は少なくとも1つのスペーサ131の調節が既に第8の方法過程における試し刷りにおいて理想的な値を占めた場合には、好適には、前述のように、刷版73を締め付けるための第7の方法過程が新たに行われ、但し少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112又は少なくとも1つの後方のスペーサ131の既に以前に使用された調節を使用して行われる。刷版73の新たな締付けの利点は、例えば再現可能な状況が生じ、かつ刷版張力を刷版73の延伸長さ全体にわたって均一に調節できることにある。それゆえ、刷版73は、少なくとも2つの前方の調節ねじ39;41及び/又は少なくとも1つの後方のストッパ調節要素112又は少なくとも1つの後方のスペーサ131の各々の調節時に完全に新たに締め付けられる。
全てのインキ及び/又は刷版73用のレジスタ(トンボ、レジスタマーク)が測定されて、目標印刷像と比較された後に、好適には検査過程及び評価過程において印刷像の所要の補正が求められ、少なくとも1つの後方のクランプ装置61の調節の補正に変換される。特定の刷版73に起源する部分像が短すぎる場合、このことから好適には、少なくとも1つの後方のスペーサ131の変更された調節が求められ、好適には計算される。この調節は、相応の刷版73の強めの伸長をもたらす。特定の刷版73に起源する部分像が長すぎる場合、このことから好適には、少なくとも1つの後方のスペーサ131の変更された調節が求められ、好適には計算される。この調節は、相応する刷版73の弱めの伸長をもたらす。1つの実施の形態では、これらの補正は、同一の版胴07の、軸方向で互いに間隔を置いて配置されたそれぞれ異なる後方のスペーサ131において、互いに別個に独立して特に互いにそれぞれ異なって行われ、更に好適には、互いに異なる軸方向位置に対して求められる様々な補正値に基づいて行われる。
以下に、特に検査過程、評価過程及び/又は適合過程について詳説する。これらの過程により、例えば見当不良を把握し、特に迅速かつ確実に補整することができる。
好適には、先ず各刷版73の前方の端部74が、それぞれ少なくとも1つの前方のクランプ装置21にクランプされ、各刷版73の後方の端部76が、それぞれ少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされる。好適には、検査過程において、好適にはシート状の被印刷物09のレジスタパターン151が、更に好適には少なくとも1つのセンサ、特にレジスタセンサにより検出される。好適には、少なくとも1つの検出されたレジスタパターン151に応じて、評価過程において、少なくとも1つの締付け装置101における少なくとも1つの調節要素39;41;131;144、特に少なくとも1つの周方向Dで前方の調節要素39;41及び/又は少なくとも1つの周方向Dで後方の調節要素131に対する新たな調節が求められ、好適には算出される。少なくとも1つのレジスタセンサは、好適には、少なくとも1つの光学的なレジスタセンサとして、例えば少なくとも1つのエリアカメラとして構成されている。好適には、少なくとも1つのレジスタセンサは、回路技術的に機械制御装置に接続されている。
上述のように、少なくとも1つの締付け装置101の少なくとも1つの調整要素39;41;131;144は、好適には、少なくとも1つの前方の接触ボディ39;41として構成されており、少なくとも1つの前方の接触ボディ39;41により、少なくとも1つの溝13の第1の溝壁18からの少なくとも1つの前方のクランプ装置21の間隔が調節可能であり、かつ/又は少なくとも1つの締付け装置101の少なくとも1つの調節要素39;41;131;144は、少なくとも1つの後方のスペーサ131として構成されており、少なくとも1つの後方のスペーサ131により、少なくとも1つの溝13の第2の溝壁19からの少なくとも1つの後方のクランプ装置61の間隔が調節可能であり、かつ/又は少なくとも1つの締付け装置101の少なくとも1つの調節要素39;41;131;144は、少なくとも1つのアキシャル駆動装置144として構成されており、少なくとも1つのアキシャル駆動装置により、軸方向Aに関して各版胴07の回転軸線11に対して平行に少なくとも1つの後方のクランプ装置61の位置が調節可能である。
好適には、先ず、つまり特に検査過程前に、試し刷り印刷過程が行われ、試し刷り印刷過程では、少なくとも1つのレジスタパターン151、好適には少なくとも2つのレジスタパターン151が被印刷物09に印刷される。レジスタパターン151は、それぞれ少なくとも2枚の異なる刷版73に起源する少なくとも2つの基準要素152、例えば複数のレジスタマーク152から構成されている。これは、相応の基準要素152のインキが、最終的に被印刷物09上に配置される前に、元々、異なる2枚の刷版73を起点とすることを意味する。被印刷物09は、好適には少なくとも1つのレジスタパターン151を有する。少なくとも1つのレジスタパターン151は、それぞれ少なくとも2つの基準要素152、特にレジスタマーク152を有する。これらのレジスタマーク152は、それぞれ異なる刷版73に起源し、好適にはそれぞれ異なるインキで印刷される。好適には、各レジスタパターン151に関して、1つの基準要素152、特に1つのレジスタマーク152は、ベース基準要素153、特にベースレジスタマーク153として確定されている又は確定される。この場合、レジスタマーク152は、好適には、利用可能な印刷像に対して追加的に被印刷物09に転移され、例えば特定の幾何学形状を有する確定されたパターンである。但し、少なくとも1つの基準要素152は、どのみち被印刷物09に転移される利用可能な印刷像の構成部分であってもよい。
1つの実施の形態によれば、少なくとも1つのレジスタパターン151は、好適には以下のように構成されている。好適にはベースレジスタマーク153を成す第1のレジスタマーク152は、少なくとも1つの好適には矩形の枠として形成されている。その中に、別のレジスタマーク152が含まれており、別のレジスタマーク152は、例えば一重のトンボ(十字マーク)として形成されている。別の幾何学的な形状、例えば三角形又は円形も同じく実現可能である。ベースレジスタマーク153及び別のレジスタマーク152は、好適には、全てがそれぞれ異なるインキで印刷されている。例えば4色のレジスタパターン151は、1つの枠と、好適にはその中で一列に配置された3つのトンボとから形成されている。例えば、6色のレジスタパターン151は、1つの枠と、好適にはその中で一列に配置された5つのトンボとから形成されている。好適には、トンボ又は幾何学的な形状は、その線に沿って最大で4mm、更に好適には最大で3mmの寸法を有する。好適には、枠は、第1の方向に、好適には被印刷物09の搬送方向に対して平行に、最大で5mm、更に好適には最大で4mmの寸法を有する。これに対して直交する、例えば版胴07の回転軸線11に対して平行にかつ/又は被印刷物09の搬送方向に対して直交する方向に配向された方向Aの枠の寸法は、好適には最大で16mmであり、更に好適には、4色のレジスタパターン151の場合には最大で13mmであり、好適には最大で26mmであり、更に好適には、6色のレジスタパターン151の場合には最大で21mmである。好適には、被印刷物09の第1の面に配置された全てのレジスタパターン151は、相互に同一に構成されていて、例えば4色に構成されている。好適には、被印刷物09の第2の面に配置された全てのレジスタパターン151は、相互に同一に構成されていて、例えば6色に構成されている。レジスタパターン151の寸法により、特に各被印刷物09の始端部及び終端部における狭い域にレジスタパターン151を設けて、これにより損紙の量を僅かに保つことができる。基準要素152の線の幅は、好適には最大で0.5mmである。
検査過程において、好適には、それぞれ少なくとも1つのレジスタパターン151のベース基準要素153、特にベースレジスタマーク153に対して相対的な、少なくとも1つのレジスタパターン151の全ての基準要素152、特にレジスタマーク152の目標位置に対する実際位置が、好適には少なくとも1つのレジスタセンサにより検出される。好適には、検査過程において、それぞれ同一の刷版73に起源する少なくとも1つの基準要素152、特に同一の刷版73に起源する少なくとも1つのレジスタマーク152を有する少なくとも2つのレジスタパターン151が検出される。簡単化のために、好適には、被印刷物09の同一面に配置されていて、それぞれ複数のインキを有するレジスタパターン151が順次検出され、これに対して被印刷物09の異なる面に配置されたレジスタパターン151は、同時に検出され、これにより見当精度が高められる。複数のレジスタパターン151の、順次行われる検出は、作業員により、かつ/又は相応の位置調整装置の、予めプログラムされた又は算出されたプログラム進行により行うことができる。この位置調整装置は、被印刷物09と少なくとも1つのレジスタセンサとの相互の適切な位置調整に用いられる。少なくとも1つのレジスタセンサは、好適にはラインカメラとして構成されていて、例えば少なくとも1つのCCDセンサを備える。好適には、検査工程において検査される被印刷物09は、測定台上に、例えば負圧により固定される。
評価過程において、目標位置に対する実際位置の、周方向Dで生じ許容差範囲を超える少なくとも1つのずれが生じる場合、好適には、特に別の検出されたレジスタパターン151を考慮して、少なくとも1枚の刷版73が例えばエラーを含んで締め付けられている又は締め付けられた(これは周方向Dでずれる少なくとも1つのレジスタパターン151を生じさせる)少なくとも1つの締付け装置101の少なくとも1つの調節要素39;41;131;144に対する新たな調節が求められ、好適には算出される。更に好適には、評価過程において、それぞれ少なくとも1枚の刷版73が例えばエラーを含んで締め付けられている又は締め付けられた少なくとも2つ、更に好適には全ての締付け装置101のそれぞれ少なくとも1つの調節要素39;41;131;144に対する新たな調節が求められ、好適には算出される。
更に好適には、評価過程において、1つ又は複数の締付け装置101の複数の調節要素39;41;131;144に対する新たな調節が、同時にかつ/又は複数の調節要素39;41;131;144の相互の影響を考慮して求められ、好適には算出される。好適には、被印刷物09に関する搬送方向に対して横向きに相互に間隔を置いた少なくとも2つのレジスタパターン151及び/又は搬送方向に沿って相互に間隔を置いた少なくとも2つのレジスタパターン151が、検査過程において検出され、評価過程において処理される。好適には、被印刷物09のそれぞれ反対側の面に配置された少なくとも2つのレジスタパターン151は、検査過程において、好適には相互に機械式にかつ/又は回路技術的に連結されたレジスタセンサにより、更に好適には同時に検出され、評価過程においてまとめて処理される。許容差範囲は、好適には10μm(十マイクロメートル)より小さい。
特に、目標位置に対する実際位置の、少なくとも1本の版胴07の回転軸線11に関して軸方向Aで生じ許容差範囲を超える少なくとも1つのずれが生じる場合、好適には、評価過程において、その軸方向の延伸長さでエラーを含んだ、少なくとも1本の版胴07上に配置された少なくとも1枚の刷版73の、かつ/又は少なくとも1本の版胴07の少なくとも1つの胴中12の、かつ/又は刷版73及び/又は少なくとも1つの版胴07と協働する少なくとも1つの温度媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度に対する調節が求められ、好適には算出される。このことは、更に好適には、別の検出されたレジスタパターン151を考慮して行われる。この場合、胴中12の温度の変化は、その上に配置された刷版73の温度の変化をも惹起し、又、その逆に刷版73の温度の変化が胴中12の温度の変化を惹起する。これに応じて、特に軸方向Aにおける胴中12の延伸長さの温度に起因する変化は、好適には、特に軸方向Aにおける刷版73の延伸長さの温度に起因する変化につながる。
更に好適には、評価過程において、少なくとも1枚の別の刷版73の少なくとも1つの温度、及び/又は別の版胴07の少なくとも1つの胴中12の少なくとも1つの温度、及び/又は別の版胴07の少なくとも1つの温度調整媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度、及び/又は印刷機01の周囲温度、及び/又は被印刷物09の温度が、例えばその軸方向の延伸長さでエラーを含んだ少なくとも1枚の刷版73及び/又は少なくとも1つの胴中12及び/又は温度調整媒体の少なくとも1つの温度の新たな調節に対する求め、好適には算出に影響を与える。好適には、評価過程において、特に別の検出されたレジスタパターン151を考慮して、例えばその軸方向の延伸長さでエラーを含んだ少なくとも2枚の、特に全ての刷版73、及び/又は各版胴07のそれぞれの胴中12、及び/又は温度調整媒体の少なくとも1つの温度に対する新たな調節が求められ、好適には算出される。
被印刷物09の同一面に配置されたそれぞれ異なるレジスタパターン151の相互の絶対位置は、各レジスタパターン151の内側における複数の基準要素152の相互の相対位置が十分な精度で与えられている限り、必ずしも重要ではない。被印刷物09の異なる面に配置された、互いに直接に反対側に位置するレジスタパターン151の絶対位置は、特に有価証券印刷では極めて重要である。従って、好適には、評価過程において、被印刷物09の第1の面に配置された第1のレジスタパターン151のそれぞれ1つの基準要素152が、第1のベース基準要素153として確定される。好適には、その後で、第1のレジスタパターン151とは反対側に位置する、被印刷物09の第2の面に配置された第2のレジスタパターン151の1つの基準要素152が、第2のベース基準要素153として確定される。好適には、版胴07に対する調節が求められ、好適には算出され、この調節により、第1のベース基準要素153に対する第1のレジスタパターン151の別の基準要素152が位置合わせされる。この場合、好適には、版胴07に対する調節が求められ、好適には算出され、この調節により、第2のベース基準要素153に対する第2のレジスタパターン151の別の基準要素152が位置合わせされる。
好適には、作業員は、例えば評価過程の後で機械制御装置により提案された新たな調節を確認又は修正できることにより、又は、ベース基準要素153として別の基準要素152を特に手動で選択して検査過程及び/又は評価過程を新たに開始できることにより、方法に影響を与えることができる。このことは、例えばこれまでのベース基準要素153だけが別の基準要素152とは大きくずれる場合に好適であり得る。
第1の適合過程において、好適には、エラーを含んで締め付けられた少なくとも1枚の刷版73は、少なくとも周方向Dに関して少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、その際、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされたままであり、続いて、刷版73は、少なくとも1つの調節要素39;41;131;144、特に少なくとも1つの前方の調節要素39;41及び/又は少なくとも1つの後方の調節要素131に対する、新たに求められ、好適には新たに算出された調節に応じて変化して、周方向Dで各版胴07に締め付けられる。ここで、刷版73の少なくとも部分的な弛緩とは、刷版73に作用する締付け力が好適には少なくとも50%、更に好適には少なくとも75%、それ以上に更に好適には少なくとも90%低減されると解される。このために好適には、好適には圧力媒体で加圧可能なかつ/又は加圧された少なくとも1つの調節ボディ104として構成された締付け駆動装置104における圧力が、好適には少なくとも50%、更に好適には少なくとも75%、その上更に好適には少なくとも90%低減される。ここで、刷版73の完全な弛緩とは、刷版73に作用する締付け力が100%、つまりゼロに低減されると解される。つまり、続いて刷版73を相応の方向、ここでは周方向Dに締め付ける力がもはや生じない。
更に好適には、第1の適合過程において、例えばエラーを含んで締め付けられた少なくとも2枚、更に好適には全ての刷版73は、少なくとも各周方向Dに関して、少なくとも部分的に、更に好適には完全に弛緩され、その際、好適には、それぞれ少なくとも1つの締付け装置101の、それぞれ少なくとも1つの前方のクランプ装置21及びそれぞれ少なくとも1つの後方のクランプ装置61にクランプされたままであり、続いて、好適には、それぞれ少なくとも1つの締付け装置101により、それぞれ少なくとも1つの調節要素39;41;131;144に対する、新たに求められ、好適には新たに算出された調節に応じて、変化して周方向Dに各版胴07に締め付けられる。好適には、例えばエラーを含んで締め付けられた少なくとも2枚の刷版73の第1の適合過程が少なくとも一時的に同時に行われる。好適には、第1の適合過程において、軸方向Aに関する少なくとも1枚の刷版73の内側の張力は不変のままである。好適には少なくとも1つの調節要素39;41;131;144、及び更に好適には新たに調節された全ての調節要素39;41;131;144の調節は、機械制御式に、少なくとも1つの相応の駆動装置43;44;134;141により行われる。好適には、少なくとも1枚の刷版73は、少なくとも1枚の刷版73の新たな締付けの後で、少なくとも2つの後方の調節要素131が少なくとも1つの後方のクランプ装置61を支持する少なくとも1つのキャリッジ102にも第2の溝壁19にも接触するまで、少なくとも最小限弛緩される。
適合過程又は好適には第2の適合過程において、好適は、少なくとも1枚の刷版73及び/又は少なくとも1つの胴中12及び/又は温度調整媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度が、新たな調節に従って変化させられる。すなわち、特に、好適には評価過程において、例えばその軸方向の延伸長さにおいてエラーを含んだ少なくとも1枚の刷版73が締め付けられた版胴07を通流する、温度調整流体として構成された温度調整媒体の温度に対する新たな調節が求められ、好適には算出され、第2の適合過程において、温度調整流体として構成された温度調整媒体の温度が、新たな調節に従って変化させられる。好適には、温度調整媒体、特に温度調整流体の温度が測定され、調整される。例えば、印刷像において目標とする長さ変化を達成するために、どのような温度変化が必要であるか予め経験により又は計算により把握することができる。温度調整流体は、好適には、0.3℃の精度で又はそれより良好に調整される。温度調整流体の温度は、好適には、最大20℃の温度範囲内で変化させられる。温度調整媒体は、例えば択一的又は選択的に、例えば少なくとも1つの電気的な加熱抵抗及び/又は少なくとも1つの放射加熱装置として構成された加熱装置を備えてよい。
好適には、異なる版胴07上に配置された異なる2枚の刷版73の温度差は、適合過程後には、適合過程前よりも大きい又は小さい。これには、特に、適合過程前に温度差が存在せず但しその後で温度差が存在する場合、適合過程前に温度差が存在し但しその後でもはや存在しない場合、及び、適合過程前及び適合過程後に温度差が存在するがしかし異なる温度差が存在する場合が含まれる。好適には、場合により第2の適合過程において、例えばその軸方向の延伸長さにおいてエラーを含んだ2枚の、好適には全ての刷版73及び/又は各版胴07の各胴中12及び/又は温度調整媒体の温度が、新たな調節に従って変化させられる。好適には、場合により第2の適合過程において、周方向Dに関する少なくとも1枚の刷版73内の張力は不変に維持される。画素の角度位置は、特に刷版73の温度に起因する長さ変化に際して、温度に影響されず、膨張に起因してせいぜい画素の半径方向位置が変化させられるだけであるので、温度変化の後で更に角度位置及び/又は周方向Dに該当する適合を行う必要はない。角度位置は、専ら版胴07の相応の駆動装置により確定される。刷版73の位置の半径方向の変化は、せいぜい、刷版73の最小限変化させられた転動特性がゴム胴06に形成されるような作用を有するだけである。しかも、この変化は、好適には少なくとも知覚できない程度にしか印刷品質を損なわない。
好適には、検出され、相互に考慮して評価されたレジスタパターン151の数は、少なくとも2本の版胴07のうちの1本の、前方の接触ボディ39;41及び/又は後方のスペーサ131として構成された調節要素39;41;131の総数と少なくとも同一の大きさである。好適には、検出され、相互に考慮して評価されたレジスタパターン151の数は、刷版73あたり少なくとも8、更に好適には刷版73あたり14である。レジスタパターン151の好適な配置では、軸方向Aに関してそれぞれ少なくとも1つのレジスタパターン151が、少なくとも1つの調節要素39;41;131と同一の軸方向の位置を有することが考慮される。レジスタパターン151の別の配置では、少なくとも1つの調節要素39;41;131の位置が軸方向Aに関してレジスタパターン151と一致しないことが考慮される。この場合、相応の計算が必要になる。これはとりわけ、軸方向Aにおける2つの調節要素39;41;131の最大間隔よりも狭い、特に狭幅の被印刷物09が使用される場合に当てはまる。
評価過程は、適合過程と重複してもよく、例えば、先ず少なくとも1枚の刷版73が例えば部分的又は完全に弛緩され、次いで評価過程が行われ、その後で少なくとも1枚の刷版73が新たに締め付けられるようにしてもよい。
例えば温度調整媒体、特に温度調整流体の少なくとも1つの温度を新たに調節する場合、好適には温度制御装置のオーバードライブにより、特に迅速な適合が得られる。温度調整流体は、好適には、少なくとも部分的に少なくとも1つの孔126の内側に配置されていて、更に好適には、孔を通流することができる。好適には、版胴07は、少なくとも1つの孔126を備える。孔126には、温度調整流体、例えば防錆剤を含む水が配置されておりかつ/又は配置可能であり、かつ/又は孔は、温度調整流体により通流可能であるかつ/又は通流されている。更に好適には、版胴07は、更に好適にはそれぞれ版胴07の胴中12の軸方向長さの少なくとも90%にわたって延在する複数の孔126を備える。これにより、温度調整流体と胴中12との接触面積が拡大される。更に好適には、少なくとも1つの孔126に、少なくとも1つの流れボディ136;137及び/又は補整ボディ136;137が配置されている。流れボディ136;137は、少なくとも1つの孔126の比較的大きな横断面積を低減し、これにより一方では少なくとも1つの孔126における温度調整流体の流れ速度を増加し、他方では乱流ひいては胴中12と温度調整流体との間のより良好な熱伝達を形成するために用いられる。これにより、胴中12ひいては胴中12上に配置された刷版73は、より効果的に温度調整される。補整ボディ136;137は、版胴07のアンバランスを補整するために用いられる。好適には、少なくとも1つの流れボディ136;137が管状に形成されているので、外側で流れボディ136;137の傍を通って流れる温度調整媒体は、アンバランスを補整するために更に1つの第2の補整ボディ137が第1の補整ボディ136の内側に配置されているのか否かに影響されずに維持される。
好適には、印刷機01の複数の版胴07、及び更に好適には印刷機01の全ての版胴07において、適合過程は、少なくとも一時的に同時に進行する。
周方向見当不良及び/又は側方見当不良を補正するために、好適には、版胴07の胴ジャーナル17に配置された周方向見当合わせ装置及び/又は側方見当合わせ装置が使用される。刷版73自体は、周方向見当合わせ及び/又は側方見当合わせのこのような調節の際に不変に版胴07に張設されたままである。
好適には、版胴07上に刷版73を配置する、特に見当に合わせて配置するかつ/又はクランプするかつ/又は締め付ける方法は、機械制御されて進行する。このために、好適には全ての駆動装置43;44;104;116;134;141、特に少なくとも1つの前方の補助駆動装置43;44及び/又は少なくとも1つの締付け駆動装置104及び/又は少なくとも1つのキャリッジ解除駆動装置116及び/又は少なくとも1つのスペーサ駆動装置134及び/又は少なくとも1つのアキシャル駆動装置141及び/又は少なくとも1つのストッパ駆動装置が、機械制御装置に接続されている、かつ/又は機械制御装置により制御(開ループ制御)されているかつ/又は制御可能であり、更に好適には、機械制御装置により調整(閉ループ制御)されているかつ/又は調整可能である。好適には、少なくとも1つの前方の調節要素24及び/又は少なくとも1つの後方の調節要素64も、機械制御装置に接続されている、かつ/又は機械制御装置により制御されているかつ/又は制御可能である、更に好適には、機械制御装置により調整されているかつ/又は調整可能である。チューブとして構成された締付け駆動装置104及び/又は調節要素24;64及び/又はキャリッジ解除チューブ121の場合、機械制御装置による制御及び/又は調整は、好適には、機械制御装置による、その中に作用する圧力の制御及び/又は調整にある。
特に、好適には全ての調節要素39;41;131;144、特に前方の接触ボディ39;41として構成された前方の調節要素39;41及び後方のスペーサ131として構成された後方の調節要素131の調節は、モータ駆動式にかつ/又は機械制御式に行われ、更に好適には機械制御装置により調整される。
各版胴07に対して、理想的な胴形状からの該当する版胴07の形状のずれを表すプロファイルが形成されると、そしてその場合、刷版73の画像形成時及び/又は露光時に、その都度、各々のプロファイルが考慮されると、印刷結果の精度を一層向上させることができる。こうして、例えば、版胴07の角速度は一定のままであるが、版胴07の形状に基づいて刷版73の周速が変動することにより生じる、印刷像におけるエラーを回避することができる。刷版73は、例えば印刷すべき印刷像の、少なくとも部分的に延伸された区分及び/又は圧縮された区分により、このような規則的な、ジオメトリに起因する変動を補整することができる。
すなわち、版胴07上に刷版73を配置し、特にクランプするかつ/又は締め付ける方法は、好適には少なくとも、1つの方法過程において、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27を閉じ、その際、刷版73の前方の端部74を、少なくとも1つの前方のクランプ装置21、特に前方のクランプギャップ27にクランプすること、1つの方法過程において、版胴07をその回転軸線11を中心として回転させ、その際、刷版73を版胴07の周面124に装着すること、1つの方法過程において、刷版73の後方の端部76を、少なくとも1つの後方のクランプ装置61のその端位置で作業範囲にもたらして版胴07に装着すること、1つの方法過程において、少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67を閉じて、その際、刷版73の後方の端部76を少なくとも1つの後方のクランプ装置61、特に後方のクランプギャップ67にクランプすること、1つの方法過程において、少なくとも1つのキャリッジ102を、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて中央又は内側の位置に移動させること、この中央又は内側の位置を、少なくとも1つのキャリッジ102の基準位置として確定すること、試し刷りを実施して、その際、特にそれぞれ異なる版胴07のインキの見当精度を相互に比較して、その際、キャリッジ102の補正された中央又は内側の位置を求めること、その後で、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102を再び第2の溝壁19に向けて、更に好適にはその端位置に移動させることにより、刷版73を再び弛緩すること、その後で、新たに、少なくとも1つのキャリッジ102を、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて移動させ、しかも刷版73の目標とされる張力に応じた補正された中央又は内側の位置にまで移動させること、試し刷りの実施からの過程を、場合により、見当合わせ精度が満足できる結果になるまで、複数回繰り返すことを含む。
更に好適には、方法は、付加的に、少なくとも1つのキャリッジ102がそれぞれ相応する中央又は内側の位置に位置すると直ちに少なくとも1つのキャリッジ102を挟み付けて固定すること、この少なくとも1つのキャリッジ102が中央又は内側の位置から第2の溝壁19に向けて移動させられる前に少なくとも1つのキャリッジ102を解除することを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、少なくとも1つのキャリッジ102の基準位置が、少なくとも1つの後方のスペーサ131又はストッパ調節要素112の相応する調節により確定されている又は確定されることを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、少なくとも1つのキャリッジ102を、それぞれ空圧式に、少なくとも1つの前方のクランプ装置21及び第1の溝壁18に向けて、中央又は内側の位置に移動させることを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、刷版73の前方の端部74を少なくとも1つの前方のクランプ装置21に挿入する際に、刷版73に設けられた切欠きを少なくとも2つのレジスタストッパ31;32に接触させること、センサ装置が少なくとも2つのレジスタストッパ31;32に対して相対的な刷版73の適正な位置を信号により知らせると、少なくとも1つの前方のクランプ装置21を閉じることを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、刷版73が刷版カセットから外へ版胴07の周面124の周りに巻かれる、かつ/又は刷版73が版胴07の周面124の周りに巻かれる間に、刷版73を少なくとも1つの押圧手段により周面124に押し付けることを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、刷版73に印刷像が設けられた後で、刷版73の切欠きを、印刷像に対して相対的に見当を維持して刷版73に設けることを含む。更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、刷版73のクランプ域を、それぞれ版胴07への刷版73の装着前に、それぞれ刷版73の中央部分に対して15°〜40°の角度で折り曲げることを含む。
更に好適には、方法は、付加的又は択一的に、複数の版胴07にそれぞれ少なくとも1枚、好適には正確に1枚の刷版73を、各版胴07に装着することを含む。
更に好適には、方法は、少なくとも1つのキャリッジ102がその内側の位置にあるときだけ、後方の調節要素131、特に後方のスペーサ131を新たに調節することを含む。
少なくとも、少なくとも1つのキャリッジ102がその内側の位置にあり、後方のクランプギャップ67に刷版73が配置されていない場合、作業員が例えば指を少なくとも1つのキャリッジ102と第2の溝壁19との間に形成されるギャップに差し込むことが起こり得る。この状況で、例えば少なくとも1つの締付けチューブ104が破裂して少なくとも1つの締付け駆動装置104が故障すれば、作業員が負傷するリスクが生じ得る。従って、版胴07は、好適には少なくとも1つの安全装置161を備える。この少なくとも1つの安全装置161は、好適には、この状況でキャリッジ102と第2の溝壁19との間のギャップがコントロールされずに閉じられ得ることを阻止することにより、負傷のリスクを低減する。印刷機01の版胴07は、版胴07の溝13に配置された少なくとも1つの締付け装置101を備える。締付け装置101は、好適には、締付け方向Eにかつ/又は締付け方向Eとは逆方向に可動な少なくとも1つのキャリッジ102を備える。少なくとも1つのキャリッジ102は、好適には、少なくとも1つの締付け駆動装置104により可動で、かつ/又は好適には端位置と内側の位置との間で可動である。
安全装置161は、好適には、例えば少なくとも1つの固定面162の構成をした少なくとも1つの固定ストッパ162を備える。安全装置161は、好適には、締付け方向Eとは異なる固定方向Gにかつ/又は固定方向Gとは逆方向に可動の少なくとも1つの固定ボディ166を備える。少なくとも1つの固定ボディ166は、好適には少なくとも1つの安全駆動装置163及び/又は少なくとも1つの固定ばね164により可動である。好適には、少なくとも1つの固定ボディ166は、少なくとも1つの安全駆動装置163により、少なくとも固定方向Gとは逆方向に可動である。好適には、少なくとも1つの固定ボディ166は、少なくとも1つの固定ばね164により、固定方向Gに可動である。少なくとも1つの固定ばね164は、好適には、固定ばね164が継続的に固定方向Gに作用する力を少なくとも1つの固定ボディ166に及ぼすように、配置されている。
少なくとも1つの固定ボディ166は、好適には少なくとも1つの固定ストッパ162に接触させることができ、かつ/又は少なくとも一時的に、特に少なくとも1つの締付け駆動装置104の故障の場合、少なくとも1つの固定ストッパ162に接触させられる。少なくとも1つの固定ボディ166は、好適には、少なくとも1つの固定ピン166として構成されている。少なくとも1つの固定ボディ166は、好適には、固定位置と解放位置との間を可動に配置されている。少なくとも1つの固定ボディ166は、好適には、キャリッジ102が内側の位置に配置されている場合、固定位置と解放位置との間を可動に配置されている。
好適には、固定位置に配置された固定ボディ166では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが少なくとも部分的に重畳する。これにより、締付け方向Eとは逆方向の少なくとも1つのキャリッジ102の移動が不可能である、又は少なくとも1つの固定ストッパ162との少なくとも1つの固定ボディ166のせいぜい1箇所までの接触しか可能でないことが保証されている。好適には、解放位置に配置された固定ボディ166では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが重畳しない。これにより、少なくとも1つの固定ボディ166と少なくとも1つの固定ストッパ162との間の接触が不可能であり、従って、締付け方向Eのかつ/又は締付け方向Eとは逆方向の少なくとも1つのキャリッジ102の移動が可能である。
好適には、少なくとも1つの固定ボディ166は、固定位置において、少なくとも1つの固定ストッパ162に接触していない。これにより、とりわけ、少なくとも1つの固定ボディ166が少なくとも1つの固定ストッパ162に接触していると考えられるよりも、固定方向Gのかつ/又は固定方向Gとは逆方向の少なくとも1つの固定ボディ166の摩擦の僅かな移動が保証されている。但し好適には、少なくとも1つの固定ボディ166は、固定位置において、締付け方向Eとは逆方向の少なくとも1つのキャリッジ102の移動により、少なくとも1つの固定ストッパ162に接触させることができる。但しこれは、好適には、少なくとも1つのキャリッジ102の締付け駆動装置104が故障して、安全装置161が締付け方向Eとは逆方向の少なくとも1つのキャリッジ102の急な戻りを阻止する場合にだけ成立する。そのような事象は、例えば、締付けチューブ104として構成された締付け駆動装置104が破裂するときに生じ得る。
好適には、少なくとも1つの固定ストッパ162は、少なくとも1つのキャリッジ102に対して相対的に定位置に配置されていて、かつ/又は少なくとも1つのキャリッジ102に固く結合して配置されている。好適には、少なくとも1つの固定ボディ166の少なくとも1つの安全駆動装置163は、版胴07の胴中12に対して定位置に配置されていて、かつ/又は少なくとも1つの胴中12に固く結合して配置されている。この場合、供給管路、例えば圧縮空気管路及び/又は電気的な線路を可動のキャリッジ102に接続する必要はない。好適には、少なくとも1つの固定ストッパ162は、軸方向Aで、少なくとも1つの固定ボディ166よりも広幅に構成されている。これにより、少なくとも1つの固定ボディ166は、例えば上述のように少なくとも1枚の刷版73の位置を適合させるために、固定位置にある場合、少なくとも1つのキャリッジ102は、軸方向Aに関して可動である。少なくとも1つの固定ストッパ162は、例えば軸方向Aに延在する少なくとも1つの長穴の少なくとも1つの画成面として構成することができる。
好適には、少なくとも1つの安全駆動装置163は、電気式かつ/又は液圧式かつ/又は手動式かつ/又は好適には空圧式の安全駆動装置163として構成されている。更に好適には、少なくとも1つの固定ボディ166の少なくとも1つの安全駆動装置163は、少なくとも1つの空圧式の安全駆動装置163として構成されている。例えば、少なくとも1つの安全駆動装置163の少なくとも一部の部分として構成された少なくとも1つの往復動ピストン163は、少なくとも1つの固定ボディ166に固く結合されている、かつ/又は共通の構成部分として構成されている。好適には、少なくとも1つの往復動ピストン163を案内する少なくとも1つの空圧シリンダ167は、胴中12に対して相対的に定位置に配置されている。好適には、少なくとも1つの固定ばね164は、固定ばね164が少なくとも1つの往復動ピストン163とともに少なくとも1つの固定ボディ166に固定方向Gで所定の力を加える、更に好適には継続的に力を加えるように、配置されている。好適には、少なくとも1つのキャリッジ102が内側の位置にない場合には、少なくとも1つの固定ボディ166は、少なくとも1つの固定ばね164により、固定方向Gで、少なくとも1つのキャリッジ102の構成部分に押圧される。好適には、少なくとも1つのガイドピン169が、少なくとも1つの固定ばね164を通して延在しており、これにより、固定ばね164は少なくとも大体においてその形状が維持される。例えばそのような1つのガイドピンが図面に示されており、この場合、その良好な視認性のために少なくとも1つの固定ばね164が中断した形で図示されている。
好適には、少なくとも1つの空圧シリンダ167及び少なくとも1つの往復動ピストン163は、少なくとも1つ、好適には2つの共通のシールリング171に接触している。シールリング171と、少なくとも1つの往復動ピストン163と、少なくとも1つの空圧シリンダ167とにより、好適には少なくとも1つの圧力室172が確定される。少なくとも1つの空圧シリンダ167に、好適には、少なくとも1つの固定解除弁168、特に空圧弁168が配置されている。例えば少なくとも1つのキャリッジ102を内側の位置における固定された状態から端位置に移すために、好適には、少なくとも1つの固定解除弁168の相応の位置で、少なくとも1つの空圧シリンダ167、特に少なくとも1つの圧力室172に、圧縮空気が供給され、これにより、少なくとも1つの往復動ピストン163は、少なくとも1つの固定ボディ166とともに、固定方向Gとは逆方向に、好適には少なくとも1つの固定ばね164のばね力とは逆方向に動かされる。この場合、少なくとも1つの固定ボディ166は、固定位置から解放位置に移動させられる。これにより、少なくとも1つのキャリッジ102は、締付け方向Eにかつ/又は締付け方向Eとは逆方向の移動のために解放される。上述のように、この場合、少なくとも1つのキャリッジ102は、締付け方向Eにかつ/又は締付け方向Eとは逆方向に、溝13に関して、端位置と内側の位置との間で可動に配置されており、この場合、端位置は、少なくとも1つのキャリッジ102の、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19に接触する位置であり、内側の位置は、少なくとも1つのキャリッジ102の、少なくとも1つのキャリッジ102が第2の溝壁19から好適には少なくとも9mmで最大31mmの間隔を有する位置である。
好適には、少なくとも1つの緩衝要素176が配置されている。少なくとも1つの緩衝要素176は、好適には、少なくとも1つの固定ボディ166、及び/又は固定方向Gにかつ/又は固定方向Gとは逆方向に少なくとも1つの固定ボディ166の調節距離を制限する箇所に配置されている。少なくとも1つの緩衝要素176により、少なくとも1つの固定ボディ166が破損される又は不都合に挟み付けて固定されることが阻止される。好適には、通気開口174及び/又は排気開口174として用いられる少なくとも1つの開口174が配置されている。開口174は、少なくとも1つの固定ボディ166の移動範囲に、少なくとも1つの圧力室172を除いて、別の閉じられた容積が形成されることを阻止する。その容積の内圧は、開口174が設けられていないと、例えば少なくとも1つの固定ボディ166の移動を損ない得る。好適には、少なくとも1つの固定ストッパ162が配置された少なくとも1つの構造ボディが、少なくとも1つのキャリッジ102が少なくとも1つの端位置又は少なくとも1つの内側の端位置にある限り、少なくとも1つの固定ボディ166及び/又は少なくとも1つの安全駆動装置163のカバーとして用いられる。これにより、少なくとも1つの固定ボディ166及び/又は少なくとも1つの安全駆動装置163の移動範囲に汚染物が運び込まれない又は僅かしか運び込まれない。
好適には、少なくとも1つの位置センサ173が配置されており、位置センサ173により、少なくとも1つの固定ボディ166の位置が検出可能である。例えば少なくとも1つの位置センサ173は、少なくとも1つの近接スイッチ173として構成されていて、好適には、それぞれ異なる延伸長さを有する少なくとも1つの固定ボディ166の範囲を把握することができる。この場合、そこから少なくとも1つの固定ボディ166の位置を推測することができる。
以下に、印刷機01の版胴07を固定する方法又は方法過程について述べる。好適には、版胴07の締付け装置101の少なくとも1つのキャリッジ102が、締付け方向Eで、好適には端位置から内側の位置に移動させられ、その際、最初は、版胴07の安全装置161の少なくとも1つの固定ボディ166は、解放位置に配置されている。解放位置では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが重畳しない。続いて、少なくとも1つの固定ボディ166は、固定方向Gで、解放位置から固定位置に移動させられる。固定位置では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが少なくとも部分的に重畳する。固定位置では、好適には少なくとも1つの固定ストッパ162は、少なくとも1つの固定ボディ166よりも更に締付け方向Eに配置されている。好適には、少なくとも1つの安全ボディ166は、少なくとも1つの固定ばね164により、固定方向Gで移動させられる。択一的に又は付加的に、少なくとも1つの固定ボディ166は、少なくとも1つの安全駆動装置163により、固定方向Gで移動させられる。好適には、例えば機械制御装置により、少なくとも1つの位置センサ173が、少なくとも1つの固定ボディ166を例えば少なくとも1つの締付け駆動装置104の作動後に例えば10s(十秒)以下の所定の期間内に検出したか否か評価される。該当しない場合、このことは、機能エラーを示唆し、作業員に、例えば少なくとも1つの視覚的なかつ/又は少なくとも1つの音響学的な信号により伝達される。そのような視覚的な信号は、例えば警告灯及び/又は印刷機の表示機器上の表示であってよい。好適には、方法はその場で中断される、かつ/又は少なくとも1つの締付け駆動装置104が非作動化させられる。
好適には、方法の特徴によれば、少なくとも1つのキャリッジ102が締付け方向Eで端位置から内側の位置に移動させられる。端位置は、少なくとも1つのキャリッジ102の、少なくとも1つのキャリッジ102が溝壁19に接触する位置であり、内側の位置は、少なくとも1つのキャリッジ102の、少なくとも1つのキャリッジ102が溝壁19から所定の間隔を有する位置である。
好適には、版胴07を固定する方法過程は、後方の開放過程とも云われる第4の方法過程と後方の挿入過程とも云われる第5の方法過程との間で行われる。
印刷機01の版胴07の固定を解消する方法過程では、好適には、先ず少なくとも1つの安全ボディ166が、好適には固定方向Gとは逆方向に、固定位置から解放位置に移動させられる。固定位置では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが少なくとも部分的に重畳し、かつ固定位置では、少なくとも1つの固定ストッパ162は、少なくとも1つの固定ボディ166よりも更に締付け方向Eに配置されている。解放位置では、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ボディ166の投影と、締付け方向Eにおける少なくとも1つの固定ストッパ162の投影とが重畳しない。続いて、好適には、版胴07の締付け装置101の少なくとも1つのキャリッジ102が、締付け方向Eとは逆方向に、好適には内側の位置から端位置に移動させられる。
この場合、好適には、少なくとも1つの安全ボディ166は、少なくとも1つの安全駆動装置163により、固定方向Gとは逆方向に移動させられ、更に好適には、少なくとも1つの固定ばね164から少なくとも1つの固定ボディ166に固定方向Gで及ぼされる力に抗して移動させられる。
好適には、版胴07の固定を解消する方法過程は、後方の挿入過程と云われる第5の方法行程と、後方のクランプ過程と云われる第6の方法行程との間で行われる。