JP4264203B2 - 印刷版のくわえ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、版胴の外周に巻付けられる印刷版のくわえ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オフセット印刷機における版胴の外周には、その版胴の軸方向に長く延びるクランプ収納凹部が形成され、そのクランプ収納凹部内に一対のクランプ装置を設け、各クランプ装置によって版胴の外周に巻付けられた印刷版の両端部を挾持して印刷版に適宜のテンションを与えるようにしている。
【0003】
印刷版にテンションを付与する手段として、印刷版の巻終り側端部(尻側端部)を挾持するクランプ装置をクランプ収納凹部の版胴回転方向の後行側の壁面に対して移動自在に支持し、そのクランプ装置におけるクランプ台の上記壁面と対向する面に複数のスプリング収納孔を形成し、各スプリング収納孔内に組込まれたスプリングによって、クランプ装置を壁面から離反する方向に押圧するようにしたスプリングテンション方式が従来から知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来から知られているスプリングテンション方式の印刷版くわえ装置においては、クランプ装置を壁面から離反する方向に押圧する押圧力が常に一定であるため、印刷版の種類や厚みの相違によって各種の印刷版に適したテンションを付与することができず、安定した取付け状態を得ることができない問題があった。
【0005】
すなわち、オフセット印刷版には、アルミをベースとするアルミ版、紙をベースとする紙版、フィルムをベースとする版等があり、また、厚みも0.1mm〜0.3mm程度まで種々存在する。これら各種の印刷版は引張り強度が相違するため、複数のスプリングがクランプ装置を押圧する押圧力を引張り強度の弱い印刷版に対応させると、引張り強度の強い印刷版の場合にはテンションが不足して版胴の外周に全体が密着する良好な取付け状態を得ることができない。
【0006】
また、上記押圧力を引張り強度の強い印刷版に対応させると、引張り強度の弱い印刷版には過大な引張り力が付与されて伸びが生じ、精度の高い印刷を施すことができない。
【0007】
この発明の課題は、種類の異なる各種の印刷版に対して適度なテンションを付与することができるようにした印刷版のくわえ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、版胴の外周に、版胴の軸方向に長いクランプ収納凹部を形成し、そのクランプ収納凹部内に、版胴の外周に巻付けられる印刷版の巻始め側端部を挾持する第1クランプ装置と、巻終り側端部を挾持する第2クランプ装置とを設け、前記第2クランプ装置におけるクランプ台をクランプ収納凹部の版胴回転方向の後行側の壁面に対して移動自在に支持し、上記クランプ台にその移動方向の前後に貫通する複数の段付き孔を設け、各段付き孔内に押圧ピンと、その押圧ピンを前記壁面に向けて押圧すると共にクランプ台を壁面から離反する方向に押圧するスプリングとを組込んだ印刷版のくわえ装置において、前記複数のスプリングを数本の常圧型スプリングと数本の弾力切換型スプリングとにグループ分けし、弾力切換え型スプリングによって押圧される押圧ピンの後端部を段付き孔の小径孔部内にスライド自在に挿通し、その押圧ピンのクランプ収納凹部内に臨む後端部に抜け止め用の突部を設け、前記クランプ収納凹部内には前記壁面と、第2クランプ装置のクランプ台間に版胴軸方向に長い弾力切換え部材を設け、その弾力切換え部材には数本の弾力切換え型スプリングのそれぞれと対応する位置に凹部を形成し、その凹部が数本の弾力切換え型スプリングのそれぞれと対向する位置とずれた位置との間で変位するよう前記弾力切換え部材を変位可能に支持し、前記凹部に押圧ピンの先端部が嵌合する状態で前記突部がクランプ台の背面に係合するようにした構成を採用したのである。
【0009】
上記のように構成すると、弾力切換え部材を変位させて、凹部を弾力切換え型スプリングに対向させると、押圧ピンの突部がクランプ台の背面に当接して、弾力切換え型スプリングはクランプ台の押圧を解除する解除状態に保持され、前記クランプ台は常圧型スプリングによってのみ壁面から離反する方向に押圧される。
【0010】
また、弾力切換え部材を変位して、凹部を弾力切換え型スプリングと対向する位置から位置をずらすと、弾力切換え型スプリングはクランプ台を壁面から離反する方向に押圧する押圧状態となり、クランプ台はその弾力切換え型スプリングと常圧型スプリングのそれぞれによって壁面から離反する方向に押圧される。
【0011】
このように、弾力切換え部材を変位させることによってクランプ台を壁面から離反する方向に向けて押圧する押圧力を二段階に切換えることができるため、印刷版の種類に応じて押圧力を調整することにより、各種の印刷版に対して適切なテンションを付与することができる。
【0012】
上記の構成から成る印刷版のくわえ装置において、弾力切換え部材は、前記壁面に沿って版胴軸方向に移動自在に支持された帯状のプレートから成るものであってもよく、あるいは、軸心を中心として回転自在に支持された丸軸から成るものであってもよい。
【0013】
前記弾力切換え部材を凹部が弾力切換え型スプリングと対向する位置とずれた位置とに仮止めする仮止め手段を設けると、弾力切換え部材を変位させた位置で確実に停止させておくことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図3に示すように、版胴1の外周には、版胴1の軸方向に長く延びるクランプ収納凹部2が形成され、そのクランプ収納凹部2内に、版胴1の外周に巻付けられる印刷版Aの巻始め側端部(くわえ側端部)を挾持する第1クランプ装置10と、印刷版Aの巻終り側端部(尻側端部)を挾持する第2クランプ装置20とが設けられている。
【0015】
第1クランプ装置10は、クランプ台11と、そのクランプ台11とで印刷版Aの巻始め側端部を挾持するくわえ爪12と、このくわえ爪12を開閉させるカムシャフト13とを有している。
【0016】
クランプ台11の上面には、印刷版Aの巻始め側端部に形成された図示省略の切欠部の嵌合によってその巻始め側端部を位置決めする位置決めピン14が設けられている。
【0017】
また、クランプ台11には、図5に示すように、くわえ爪12を開閉自在に支持する爪支持軸15が設けられている。くわえ爪12とクランプ台11との間には、図4に示すように、くわえ爪12を開放方向に付勢するスプリング16が組込まれている。
【0018】
図4および図5に示すように、カムシャフト13はくわえ爪22の後端部とクランプ台11の上面間に組込まれて、その軸心を中心として回動自在に支持され、外周には円筒面13aと平坦面13bとが形成されている。
【0019】
図1に示すように、上記カムシャフト13の長さ方向の中央部には大径の回転操作部13cが設けられ、その回転操作部13cに形成された係合孔13dに工具を挿入して回転力を付与することにより、カムシャフト13を手動で回転操作し得るようになっている。
【0020】
また、カムシャフト13の端部はオルダム継手17を介して版胴1の端部に支持された第1駆動軸18に連結されている。第1駆動軸18は図示省略した回転駆動装置によって回転され、その第1駆動軸18の回転がカムシャフト13に伝達される。このカムシャフト13の回転によってくわえ爪12が開閉される。
【0021】
図3乃至図5に示すように、第2クランプ装置20は、クランプ台21と、そのクランプ台21とで印刷版Aの巻終り側端部を挾持するくわえ爪22と、このくわえ爪22を開閉させるカムシャフト23とを有している。
【0022】
クランプ台21の下面両端部には、図2に示す一対の突出部24が設けられている。一方、クランプ収納凹部2の底面には上記突出部24を案内してクランプ台21をクランプ収納凹部2の版胴回転方向の後行側の壁面2aに対して移動可能に支持するガイド部材25が取付けられている。
【0023】
また、クランプ収納凹部2の底面にはクランプ台21の上記壁面2aに対して離反する方向の移動量を制限するストッパ部材26が取付けられている。
【0024】
ストッパ部材26はクランプ台21の背面が当接可能な突起26aを有し、その突起26aによってクランプ台21の移動量を制限するようになっている。
【0025】
クランプ台21は、その背面が突起26aに当接する停止位置を待機位置とされ、一方、壁面2aに近接する位置がくわえ位置とされている。
【0026】
図5に示すように、クランプ台21にはくわえ爪22を開閉自在に支持する爪支持軸27が設けられている。くわえ爪22とクランプ台21との間には、図4に示すように、くわえ爪12を開放方向に付勢するスプリング28が組込まれている。
【0027】
図4および図5に示すように、カムシャフト23はくわえ爪12の後端部とクランプ台21の上面間に組込まれて、その軸心を中心として回動自在に支持され、外周には円筒面23aと平坦面23bとが形成されている。
【0028】
図1に示すように、カムシャフト23の長さ方向中央部には大径の回転操作部23cが設けられ、その回転操作部23cに形成された係合孔23dに工具を挿入して回転力を付与することにより、カムシャフト23を手動で回転操作し得るようになっている。
【0029】
また、カムシャフト23の端部はオルダム継手29を介して版胴1の端部に支持された第2駆動軸30に連結されている。第2駆動軸30は図示省略した回転駆動装置により回転され、その回転がカムシャフト23に伝達され、このカムシャフト23の回転によってくわえ爪22が開閉されるようになっている。
【0030】
第2クランプ装置20におけるクランプ台21は、図2に示すクランプ移動装置40によって待機位置からくわえ位置に向けて移動される。
【0031】
クランプ移動装置40は、クランプ収納凹部2の底面に複数のガイドブロック41を版胴軸方向に間隔をおいて取付け、各ガイドブロック41にシャフト挿入孔42と、そのシャフト挿入孔42に直交するガイド孔43とを形成し、上記シャフト挿入孔42に挿入されたカムシャフト44には前記ガイド孔43と対応する位置に一対の平坦面45を180°の間隔をおいて設け、そのカムシャフト44の回転により、シャフト挿入孔42の内周一部に対する一方の平坦面45の接触回転によってカムシャフト44を軸心と直交する方向に移動させるようにしている。
【0032】
また、他方の平坦面45と前記ガイド孔43内に挿入された追従子46の接触回転により、その追従子46をガイド孔43にそって移動させ、上記追従子46により軸47を中心として揺動自在に支持されたレバー48の一端部を押圧し、その押圧によりレバー48を軸47を中心に揺動させ、上記レバー48の他端部でクランプ台21の下面に設けられた突出部24の後端面を押圧して、クランプ台21をくわえ位置に向けて移動させるようにしている。
【0033】
ここで、カムシャフト44はオルダム継手49を介して版胴1の端部に支持された第3駆動軸50に連結され、その第3駆動軸50の回転によってカムシャフト44が回転されるようになっている。
【0034】
また、レバー48はアーム51を有し、そのアーム51に連結したスプリング52によってレバー48は追従子46を押圧する方向に付勢されている。
【0035】
図3および図7に示すように、第2クランプ装置20のクランプ台21には、そのクランプ台21の移動方向に貫通する複数の段付き孔60がクランプ台21の長さ方向に間隔をおいて形成され、各段付き孔60内に押圧ピン61と、その押圧ピン61をクランプ収納凹部2の壁面2aに向けて押圧すると共に、クランプ台21を待機位置に向けて押圧するスプリングSとが組込まれている。
【0036】
複数のスプリングSは、常圧型スプリングS1 と弾力切換え型スプリングS2 とにグループ分けされ、常圧型スプリングS1 により押圧される押圧ピン61の後端部は、段付き孔60の小径孔部60aにスライド自在に挿通されている。
【0037】
一方、弾力切換え型スプリングS2 によって押圧される押圧ピン61の後端部は段付き孔60の小径孔部60a内にスライド自在に挿通され、その押圧ピン61のクランプ台21の背面側に突出する後端、すなわちクランプ収納凹部2内に位置する後端部に抜け止め用の突部62が設けられている。
【0038】
第2クランプ装置20のクランプ台21の前面とクランプ収納凹部2の壁面2a間には弾力切換え部材63が設けられている。
【0039】
弾力切換え部材63は版胴1の軸方向に長く延びる帯状のプレートから成り、その弾力切換え部材63のクランプ台21と対向する背面には一対の突起64が設けられ、その一対の突起64間に工具を挿入し、その工具を版胴軸方向に倒すことによって弾力切換え部材63が壁面2aに沿ってスライドするようになっている。
【0040】
上記弾力切換え部材63には弾力切換え型スプリングS2 と対応する位置に孔から成る凹部65が形成され、その凹部65が弾力切換え型スプリングS2 と対応する位置において、第2クランプ装置20のクランプ台21をくわえ位置まで移動させると、弾力切換型スプリングS2 で押圧される押圧ピン61の先端部が嵌り、その押圧ピン61の後端部の抜け止め突部62がクランプ台21の背面に当接して、弾力切換え型スプリングS2 はクランプ台21を待機位置に向けて押圧することのない押圧解除状態とされる。
【0041】
また、弾力切換え部材63を壁面2aに沿って移動して、凹部65を弾力切換え型スプリングS2 に対して位置をずらし、その状態でクランプ台21をくわえ位置まで移動させると、押圧ピン61が弾力切換え型スプリングS2 により弾力切換え部材63の背面に押し付けられ、クランプ台21は弾力切換え型スプリングS2 によって待機位置に向けて押圧されるようになっている。
【0042】
一方、常圧型スプリングS1 は、第2クランプ装置20のクランプ台21をくわえ位置まで移動させることにより、押圧ピン61を弾力切換え部材63に押し付け、クランプ台21を待機位置に向けて押圧するようになっている。
【0043】
弾力切換え部材63は、仮止め機構70によって凹部65が弾力切換え型スプリングS2 と対応する位置およびずれた位置において仮止めされる。
【0044】
仮止め機構70は、クランプ収納凹部2の壁面2aに凹入部71を形成し、その凹入部71内に配置される位置決め片72aを有する位置決めブロック72をクランプ収納凹部2の底面に取付け、前記位置決め片72aに半球状の位置決め突起73を設け、一方、弾力切換え部材63には、上記位置決め突起73が係合可能な二つの係合凹部74を弾力切換え部材63の移動方向に間隔をおいて形成し、位置決め突起73に対する係合凹部74の係合によって弾力切換え部材63を仮止めしている。
【0045】
実施の形態で示すくわえ装置は上記の構造から成り、印刷版Aの取付けに際しては、その印刷版Aの巻始め側端部を第1クランプ装置10のクランプ台11と開放状態に保持されたくわえ爪12の先端部間に挿入したのち、カムシャフト13を回動してくわえ爪12を閉じ、そのくわえ爪12とクランプ台11とで印刷版Aの巻始め側端部を挾持する。
【0046】
印刷版Aの巻始め側端部の挾持後、版胴1を回転させ、版胴1の外周に印刷版Aを沿わせたのち、その巻終り側端部を第2クランプ装置20のクランプ台21とくわえ爪22間に挿入する。
【0047】
このとき、第2クランプ装置20はクランプ移動装置40の作動によって待機位置に配置しておき、印刷版Aの巻終り側端部がクランプ台21とくわえ爪22間に挿入されると、クランプ移動装置40の作動により、第2クランプ装置20をくわえ位置まで移動させる。
【0048】
第2クランプ装置20をくわえ位置まで移動させると、第2クランプ装置20のカムシャフト23を回転してくわえ爪22を閉じる。
【0049】
図4および図5に示すように、第2クランプ装置20が印刷版Aの巻終り側端部を挾持すると、クランプ移動装置40のカムシャフト44を、その平坦面45が追従子46と対向する位置まで回転し、レバー48をスプリング52の弾力より、その他端部が突出部24の後端面から離れる方向に揺動させて、クランプ台21の押圧を解除する。
【0050】
クランプ台21の押圧を解除すると、スプリングSの弾力により、第2クランプ装置20のクランプ台21が壁面2aから離れる方向に移動し、そのクランプ台21の移動により印刷版Aにテンション力が付与され、印刷版Aの取付けが完了する。
【0051】
ここで、印刷版Aには引張り強度が異なる種類のものが存在し、紙版のように、引張り強度が弱い印刷版Aの場合に、常圧型スプリングS1 および弾力切換え型スプリングS2 のそれぞれが第2クランプ装置20のクランプ台21を待機位置に向けて押圧する状態であると、印刷版Aに伸びが生じ、あるいは引き裂かれるおそれがある。
【0052】
そこで、版胴1の外周に取付けられる印刷版Aの種類に応じて、スプリングSがクランプ台21を待機位置に向けて押圧する押圧力を調整する。
【0053】
上記押圧力の調整に際しては、図6に示すように、第2クランプ装置20のクランプ台21を待機位置まで移動させた状態において、そのクランプ台21と弾力切換部材63間に工具Tを挿入し、その工具Tを一対の突起64間に挿入して版胴軸方向に伏倒させ、あるいは起立させて弾力切換え部材63を壁面2aに沿って移動させ、その弾力切換え部材63に形成された凹部65を弾力切換え型スプリングS2 で押圧される押圧ピン61と対向する位置又はずれた位置に配置する。
【0054】
図7(I)は、凹部65を押圧ピン61と対向する位置に配置した状態を示し、その状態において、第2クランプ装置20のクランプ台21をくわえ位置まで移動させると、図7(II)に示すように、弾力切換えスプリングS2 で押圧される押圧ピン61の先端部は凹部65内に嵌り、抜け止め突部62がクランプ台21の背面に当接する状態に保持されて、弾力切換え型スプリングS2 はクランプ台21を待機位置に向けて押圧することのない押圧解除状態に保持される。
【0055】
このため、クランプ台21は常圧型スプリングS1 によってのみ待機位置に向けて押圧されることになり、印刷版Aは常圧型スプリングS1 の弾力によってテンションが付与されることになる。
【0056】
一方、図1に示すように、弾力切換え部材63の凹部65を弾力切換え型スプリングS2 によって押圧される押圧ピン61からずれた位置に配置することにより、第2クランプ装置20のクランプ台21をくわえ位置まで移動すると、常圧型スプリングS1 および弾力切換え型スプリングS2 のそれぞれがクランプ台21を待機位置に向けて押圧することになり、印刷版Aは常圧型スプリングS1 および弾力切換え型スプリングS2 のそれぞれの弾力によってテンションが付与されることになる。
【0057】
このように、弾力切換え部材63を壁面2aに沿って移動させることにより、クランプ台21を待機位置に向けて押圧する押圧力を二段階に調整することができるので、印刷版Aの種類に応じて印刷版Aに適切なテンションを付与することができる。
【0058】
図8乃至図10は、この発明に係る印刷版くわえ装置の他の実施形態を示す。この実施形態は、弾力切換え部材63に丸軸を用いた点で先に述べた図1乃至図7の実施形態の印刷版くわえ装置と相違している。
【0059】
このため、図1乃至図7に示す実施形態と同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
丸軸から成る弾力切換え部材63は軸心を中心として回転自在に支持され、その弾力切換え部材63に弾力切換え型スプリングS2 と対応する位置に溝から成る凹部65を形成している。
【0061】
いま、弾力切換え部材63を回転し、図8(I)および図9に示すように、凹部65を弾力切換え型スプリングS2 と対向する位置より周方向に位置をずらすと、弾力切換え型スプリングS2 は第2クランプ装置20のクランプ台21を押圧する状態とされる。
【0062】
また、弾力切換え部材63を回転して、図8(II)および図10に示すように、凹部65を弾力切換え型スプリングS2 と対向させると、押圧ピン61の先端部は凹部65内に嵌り、抜け止め突部62がクランプ台21の背面に当接する状態に保持される。このため、弾力切換え型スプリングS2 はクランプ台21を待機位置に向けて押圧することのない押圧解除状態に保持される。
【0063】
このように、図8乃至図10に示す実施形態においても、弾力切換え部材63を回転させて凹部65を弾力切換え型スプリングS2 と対向する位置とずれた位置とに変位させることによって、クランプ台21を待機位置に向けて押圧する押圧力を二段階に調整することができ、印刷版Aの種類に応じて印刷版Aに適切なテンションを付与することができる。
【0064】
ここで、丸軸から成る弾力切換え部材63は図8(I)、(II)に示す仮止め機構70によって、凹部65が弾力切換え型スプリングS2 と対向する位置およびずれた位置に仮止めされる。仮止め機構70は、クランプ収納凹部2の壁面2aの端部に孔80を設け、その孔80内にスプリングの弾力によって外方向への突出性が付与されたボール81を有するスナッバ82を取付け、弾力切換え部材63には上記ボール81が係合可能な二つの窪み83を周方向に間隔をおいて形成し、そのボール81と窪み83の係合によって弾力切換え部材63を仮止めしている。
【0065】
図11に示すように、弾力切換え部材63に形成された凹部65に円弧状底面65aを形成すると、弾力切換え部材63の回転時、その円弧状底面65aは押圧ピン61を軸方向に移動させるため、弾力切換え型スプリングS2 の弾力、すなわち、クランプ台21を待機位置に向けて押圧する押圧力を任意に調整することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、弾力切換え部材を変位させることによって、弾力切換え型スプリングが第2クランプ装置のクランプ台を待機位置に向けて押圧する状態又は押圧を解除する状態に切換えることができるため、クランプ台を待機位置に向けて押圧する押圧力を二段階に調整することができ、各種の印刷版に対して適切なテンション力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷版のくわえ装置の実施形態を示す一部切欠平面図
【図2】図1の第1クランプ装置および第2クランプ装置を取り除いた状態の一部切欠平面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図1のV−V線に沿った断面図
【図6】図1に示す弾力切換え部材の位置調整状態を示す縦断側面図
【図7】(I)、(II)は弾力切換え型スプリングがクランプ台を押圧解除する状態に切換えた状態を示す横断平面図
【図8】(I)はこの発明に係る印刷版くわえ装置の他の実施形態を示す横断平面図、(II)は弾力切換え部材を回転させた状態の横断平面図
【図9】図8(I)のIX−IX線に沿った断面図
【図10】図8(II)のX−X線に沿った断面図
【図11】弾力切換え部材の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1 版胴
2 クランプ収納凹部
2a 壁面
10 第1クランプ装置
20 第2クランプ装置
21 クランプ台
60 段付き孔
60a 小径孔
61 押圧ピン
S1 常圧型スプリング
S2 弾力切換え型スプリング
62 抜け止め突部
63 弾力切換え部材
65 凹部
70 仮止め機構
Claims (4)
- 版胴の外周に、版胴の軸方向に長いクランプ収納凹部を形成し、そのクランプ収納凹部内に、版胴の外周に巻付けられる印刷版の巻始め側端部を挾持する第1クランプ装置と、巻終り側端部を挾持する第2クランプ装置とを設け、前記第2クランプ装置におけるクランプ台をクランプ収納凹部の版胴回転方向の後行側の壁面に対して移動自在に支持し、上記クランプ台にその移動方向の前後に貫通する複数の段付き孔を設け、各段付き孔内に押圧ピンと、その押圧ピンを前記壁面に向けて押圧すると共にクランプ台を壁面から離反する方向に押圧するスプリングとを組込んだ印刷版のくわえ装置において、前記複数のスプリングを数本の常圧型スプリングと数本の弾力切換型スプリングとにグループ分けし、弾力切換え型スプリングによって押圧される押圧ピンの後端部を段付き孔の小径孔部内にスライド自在に挿通し、その押圧ピンのクランプ収納凹部内に臨む後端部に抜け止め用の突部を設け、前記クランプ収納凹部内には前記壁面と、第2クランプ装置のクランプ台間に版胴軸方向に長い弾力切換え部材を設け、その弾力切換え部材には数本の弾力切換え型スプリングのそれぞれと対応する位置に凹部を形成し、その凹部が数本の弾力切換え型スプリングのそれぞれと対向する位置とずれた位置との間で変位するよう前記弾力切換え部材を変位可能に支持し、前記凹部に押圧ピンの先端部が嵌合する状態で前記突部がクランプ台の背面に係合するようにしたことを特徴とする印刷版のくわえ装置。
- 前記弾力切換え部材が、前記壁面に沿って版胴軸方向に移動自在に支持された帯状のプレートから成る請求項1に記載の印刷版のくわえ装置。
- 前記弾力切換え部材が、軸心を中心として回転自在に支持された丸軸から成る請求項1に記載の印刷版のくわえ装置。
- 前記弾力切換え部材を凹部が弾力切換え型スプリングと対向する位置とずれた位置とに仮止めする仮止め機構を設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷版のくわえ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001166300A JP4264203B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 印刷版のくわえ装置 |
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