JP5764468B2 - 放射線画像検出装置、及び放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像検出装置、及び放射線画像撮影システム Download PDF

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Description

この発明は、人体を透過した放射線を検出する放射線画像検出装置、及び放射線画像撮影システムに関する。
医療分野においては、人体を透過した放射線の強度を検出することで人体内部の撮像を行うFPD(Flat Panel Detector)等の可搬性の放射線画像検出装置が用いられている。このFPD(以下、電子カセッテともいう。)は患者をベッド等に乗せたまま撮像することができ、電子カセッテの位置を変更することにより撮像箇所も調整することができるため、動けない患者に対しても柔軟に対処することができる。
この場合、放射線画像検出装置として、照射された放射線により光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像検出装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換された電磁波によりフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像検出装置が種々開発されている。
これらの放射線画像検出装置では、通常、ガラス基板あるいはフレキシブル基板等の基板上に複数の走査線と複数の信号線とが互いに交差するように配設され、走査線や信号線で区画された基板上の各領域に光電変換素子を設け、放射線や放射線から変換された電磁波の照射により各光電変換素子に蓄積された電荷を、信号線を介して取り出すことで、各光電変換素子すなわち各画素の電気信号を読み出すようになっている。
しかし、このようなFPD型の放射線画像検出装置では、照射される放射線の線量が低い場合から高い場合までをカバーするような広いダイナミックレンジを確保しようとすると、電気信号の増幅回路や他の電気回路素子が熱雑音やショット雑音等のノイズを発生させてしまうため、特に低線量域でSN比が低下して、得られた放射線画像の画質が低下するという問題があった。
特許文献1に、この問題を解決しようとする技術が開示されている。この技術では、前記光電変換素子にバイアスをかけるバイアス線に前記光電変換素子から流れるバイアス電流量が放射線の線量に応じて変化することに着目し、放射線の線量を算出し、算出した放射線の線量に基づいて、光電変換素子からの電気信号の読み出し時における増幅回路のゲインを設定するように構成している。
また、特許文献2には、検出部を複数の領域から構成し、領域毎にバイアス線を流れる電流を検出する特許文献1に係る電流検出手段を設け、放射線の照射を検出しない領域では画像データの読出を行わないようにして、画像データの送信時間の短縮化を図ることができる放射線画像撮影システムが提案されている。
特開2009−219538号公報([0038]、[0039]、[0073]、[0079]、図6、図7) 特開2010−212925号公報([0043]、[0119]、図7)
特許文献1及び特許文献2では、前記のバイアス電流量を算出する際、バイアス電流がμAオーダーの微弱な値であるため、各光電変換素子の各バイアス電流が流れるバイアス線を合成し、合成した結線に直列に抵抗値が100[kΩ]や1[MΩ]等の大きな抵抗器を挿入し、挿入した抵抗器の両端子間に発生する電圧を差動アンプにより測定する構成とされている。
しかしながら、光電変換素子の受光感度(以下、単に感度という。)は、バイアス電圧により変化する。このため、例えば、放射線照射量の増減に伴いバイアス電流量が増減すると前記抵抗器の両端子間に発生する電圧降下が増減することから、この電圧降下の増減に伴い、実質的に光電変換素子に印加されるバイアス電圧が増減し、結局、光電変換素子の受光感度が増減することから、その分、画質が劣化する。なお、バイアス電流量が増加すると電圧降下が増加するので、バイアス電圧が減少し、受光感度が下がる、一方、バイアス電流量が減少すると電圧降下も減少するので、バイアス電圧が増加し、受光感度が上がる。
この発明は、このような従来技術の問題点を考慮してなされたものであり、放射線の線量に応じて光電変換素子に流れるバイアス電流量が増減しても光電変換素子の受光感度が増減しないようにすることを可能とする放射線画像検出装置、及び画質の劣化が抑制された放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
この項では、理解の容易化のために添付図面中の符号を付けて説明する。したがって、この項に記載した内容がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではない。
請求項1記載の発明に係る放射線画像検出装置は、例えば、図1、図4に示すように、放射線(16)の照射により電荷を発生させる複数の光電変換素子(48)と、前記各光電変換素子(48)にバイアス電圧(Vbias)を供給するバイアス線(58)と、前記バイアス線(58)を介して前記光電変換素子(48)に前記バイアス電圧(Vbias)を印加する電源(64)と、前記バイアス線(58)を流れるバイアス電流(I1)を検出する電流検出手段(62)と、信号線(52)を通じて前記光電変換素子(48)から前記電荷による電気信号を読み出す際に、前記放射線(16)の照射時に前記電流検出手段(62)で検出された電流値に基づいて、前記電気信号の読み出し時のゲインが設定される増幅回路(70)を含む読出回路(68)と、を備える放射画像検出装置(20)であって、前記電流検出手段(62)は、前記光電変換素子(48)に接続された前記バイアス線(58)と前記電源(64)との間に接続されるカレントミラー回路(100)を含んで構成されることを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る放射線画像検出装置は、例えば、図1、図13に示されるように、複数の領域(A、B)から構成され、照射された放射線(16)の線量に応じて電荷を発生させる複数の光電変換素子(48)が二次元状に配列された検出部(P)と、前記各光電変換素子(48)にバイアス線(92、94)を介してバイアス電圧(Vbias)を印加する電源(64)と、前記領域(A、B)毎に、前記バイアス線(92、94)を流れる電流を検出する電流検出手段(62A、62B)と、前記領域(A、B)毎に、前記各光電変換素子(48)内で発生し蓄積された電荷を読み出して電気信号に変換する読出回路(68A、68B)と、前記電流検出手段(62A、62B)により検出される前記バイアス線(92、94)を流れる前記電流の増加に基づいて、前記放射線(16)の照射の開始を前記領域(A、B)毎に検出し、前記放射線(16)の照射を検出した前記領域(A、B)の前記電気信号のみを読み出すよう前記読出回路(68A、68B)を制御する制御手段(66)と、を備える放射線画像検出装置(20A)であって、前記電流検出手段(62A、62B)は、前記光電変換素子(48)に接続された前記バイアス線(92、94)と前記電源(64)との間に接続されるカレントミラー回路(100)を含んで構成されることを特徴とする。
この場合、請求項3に係る発明は、例えば、図7に示すように、前記カレントミラー回路(100)は、前記光電変換素子(48)に接続され入力側電流が流れる入力側素子と、前記入力側素子に流れる電流をミラーして出力側電流を流す出力側素子とを備え、前記出力側素子が並列に接続されて多連型カレントミラー回路(100a)とされていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、例えば、図5に示すように、前記カレントミラー回路(100)は、前記光電変換素子(48)に接続され入力側電流が流れる入力側MOSFET(104)と、前記入力側MOSFET(104)に流れる電流をミラーして出力側電流を流す出力側MOSFET(106)とを備え、前記入力側MOSFET(104)のチャネル幅/チャネル長の値よりも、前記出力側MOSFET(106)のチャネル幅/チャネル長の値が大きく形成されていることを特徴とする。
さらに、請求項5に係る発明は、前記カレントミラー回路(100)は、前記光電変換素子(48)と同一基板上に配設されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項6に係る発明は、前記カレントミラー回路(100)は、集積回路として形成されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項7に係る発明は、例えば、図5に示すように、前記電流検出手段(62)は、前記カレントミラー回路(100)と、前記カレントミラー回路(100)に接続される電流・電圧変換回路(102)とを備え、前記カレントミラー回路(100)と前記電流・電圧変換回路(102)とは、一つの集積回路として形成されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項8に係る発明は、例えば、図5、図6Bに示すように、前記電流・電圧変換回路(102)は、オペアンプ(108)とこのオペアンプ(108)の入出力端に接続された抵抗器(110)とを含む電流・電圧変換回路(102)、又はオペアンプ(108)とこのオペアンプ(108)の入出力端に接続されたコンデンサ(114)とを含むチャージアンプ(102b)として構成されていることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、例えば、図11に示すように、前記制御手段(66)は、前記電流検出手段(62)により検出された前記バイアス線(56、88、90)を流れる電流の増加及び減少に基づいて前記放射線(16)の照射の開始及び/又は終了を検出することを特徴とする。
請求項10記載の発明に係る放射線画像撮影システムは、例えば、図1、図4、図13に示すように、放射線画像検出装置(20、20A)と、前記電気信号の読み出し時に、前記放射線画像検出装置(20、20A)から出力されてきた前記各光電変換素子(48)から読み出され増幅された各電気信号に基づいて放射線画像を形成する画像処理装置(24)と、を備えることを特徴とする。
この場合、請求項11に係る発明は、例えば、図1、図4、図13に示すように、前記放射線画像検出装置(20、20A)と前記画像処理装置(24)とは無線接続により接続されることを特徴とする。
この発明によれば、光電変換素子のバイアス電流を検出する電流検出手段としてカレントミラー回路を用いるようにした。照射される放射線量の増減に応じて検出電流であるバイアス電流量が増減しても、カレントミラー回路の入力側(ダイオード接続側)の電圧は、ほとんど変化しないので、放射線の照射中、光電変換素子に対するバイアス電圧が略一定に保持され、光電変換素子の受光感度が増減しない。すなわち、放射線の線量に応じて光電変換素子に流れるバイアス電流量が増減しても、受光感度が増減しないので、放射線画像の画質が劣化することがない。
この実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成図である。 この実施形態に係る放射線画像検出装置を示す一部破断斜視図である。 図2の基板上の小領域に形成された光電変換素子と薄膜トランジスタ等の構成を示す拡大図である。 この実施形態に係る放射線画像撮影システムの回路図である。 この実施形態に係る放射線画像検出装置の1画素分についての回路図である。 図6Aは、ノイズフィルタリング機能を持たせたIV変換回路の回路図である。図6Bは、チャージアンプ構成のIV変換回路の回路図である。 多連型構成のカレントミラー回路の回路図である。 カスコード型のカレントミラー回路の回路図である。 ウイルソン型のカレントミラー回路の回路図である。 この実施形態に係る放射線画像検出装置の制御手段により実施されるフローチャートである。 電流検出手段で電流から変換され出力される電圧値の時間変化の一例を表すグラフである。 増幅回路から出力される電圧値の時間変化の一例を表すグラフである。 他の実施形態に係る放射線画像撮影システムの回路図である。 図14Aは縦方向に分割した検出部の模式図である。図14Bは、マトリクス状に分割した検出部の模式図である。図14Cは、中央部の領域と、その周囲を取り囲む領域に分割した検出部の模式図である。図14Dは、両肺部領域と腹部領域のみからなる検出部の模式図である。図14Eは、中央部の4領域と周囲の4領域に分割した検出部の模式図である。 他の実施形態に係る放射線画像検出装置の制御手段により実施されるフローチャートである。 放射線画像検出装置の変形例の説明に供される放射線画像撮影システムの回路図である。
以下、この発明に係る放射線画像検出装置及び放射線画像撮影システムについて、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この実施形態の放射線画像撮影システム10の構成図である。放射線画像撮影システム10は、ベッド等の撮影台12に横臥した被写体14である患者に対して、放射線16を照射する放射線装置18と、被写体14を透過した放射線16を検出して放射線画像に変換する電子カセッテ(放射線画像検出装置)20と、画像処理装置として機能するとともに放射線画像撮影システム10全体を制御するシステムコントローラ24と、医師又は技師等(以下、ユーザという)の入力操作を受け付けるコンソール26と、撮影した放射線画像等を表示する表示装置28とを備える。
システムコントローラ24と、電子カセッテ20と、表示装置28との間には、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.11.a/b/g/n等の無線LAN、又は、ミリ波等を用いた無線通信により信号の送受信が行われる。なお、ケーブルを用いた有線通信により信号の送受信を行ってもよい。
システムコントローラ24には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)30が接続され、RIS30には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)32が接続されている。
放射線装置18は、放射線16を照射する放射線源34と、放射線源34を制御する放射線制御装置36と、放射線スイッチ38とを備える。放射線源34は、電子カセッテ20に対して放射線16を照射する。放射線源34が照射する放射線16は、X線、α線、β線、γ線、電子線等であってもよい。放射線スイッチ38は、2段階のストロークを持つように構成され、放射線制御装置36は、放射線スイッチ38がユーザによって半押されると放射線16の照射準備を行い、全押されると放射線源34から放射線16を照射させる。放射線制御装置36は、図示しない入力装置を有し、ユーザは、前記入力装置を操作することで、放射線16の照射時間、管電圧、管電流等の値を設定することができる。放射線制御装置36は、設定された照射時間等に基づいて、放射線源34から放射線16を照射させる。
図2は、図1に示す電子カセッテ20の斜視図である。
この実施形態に係る電子カセッテ20は、ケーシング42内にシンチレータ44や基板46等が収納されたカセッテ型の装置として構成されている。
なお、この実施形態では、照射された放射線16(図1参照)をシンチレータ44で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換された電磁波により後述する光電変換素子48で電荷を発生させて電気信号に変換する、いわゆる間接型の放射線画像検出装置について説明する。シンチレータ44を用いず、照射された放射線16により光電変換素子で直接電荷を発生させて電気信号に変換する、いわゆる直接型の放射線画像検出装置にも同様に適用可能である。
ケーシング42は、少なくとも放射線16の照射を受ける側の面42aが放射線16を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。ケーシング42の内部には、シンチレータ44や基板46の他にも必要な部材や装置が内蔵されている。また、この実施形態では、例えばケーシング42の側壁部に、無線によりシステムコントローラ24との情報の送受信を行うための図示しないアンテナ装置が埋め込まれている。
シンチレータ44は、基板46の検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ44は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線16の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光線を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板46はガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板46のシンチレータ44に対向する側の面46a上には、複数のゲート線(走査線)50と複数の信号線52とが互いに交差するように配設されている。基板46の面46a上の複数のゲート線50と複数の信号線52により区画された各小領域Rには、それぞれ光電変換素子48がそれぞれ設けられている。また、光電変換素子48が設けられた領域R全体、すなわち図3に一点鎖線で示す領域が検出部Pとされている。
この実施形態では、光電変換素子48としてpin型のフォトダイオードが用いられているが、この他にも、フォトトランジスタ等を用いることも可能である。各光電変換素子48は、図4に示すように、スイッチ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transitor;TFT)54に接続されており、TFT54を介して信号線52に接続されている。
基板46の面46a上に、AlやCr等からなるTFT54のゲート電極(単に、ゲートともいう。)Gがゲート線50と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極G上及び面46a上に積層された窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁層上のゲート電極Gの上方部分に、アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層を介して、光電変換素子48のカソード電極(単に、カソードともいう。)と接続されたソース電極(単に、ソースともいう。)Sと、信号線52と一体的に形成されるドレイン電極(単に、ドレインともいう。)Dと、が積層されて形成されている。なお、光電変換素子48やTFT54の構造は、例えば、特許文献1の段落[0024]〜[0030]に示されるように公知であるので省略する。基板46は、この実施形態ではガラス基板を用いているが、可撓性のある樹脂基板、いわゆるフレキシブル基板を用いることもできる。
光電変換素子48のアノード電極の上面には、このアノード電極を介して光電変換素子48に逆バイアス電圧を印加するためのバイアス線56が接続されている。
この実施形態では、図4に示すように、それぞれ列状に配置された複数の光電変換素子48に1本のバイアス線56が接続されており、各バイアス線56はそれぞれ信号線52に平行に配設されている。また、各バイアス線56は、基板46の検出部Pの外側の位置で1本の結線(バイアス線又は共通バイアス線ともいう。)58に接続されている。バイアス線56や結線58は電気抵抗が小さい金属線で形成されている。
また、各ゲート線50や各信号線52、各バイアス線56の結線58は、それぞれ基板46の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう。)60に接続されている。各入出力端子60には、基板46上に形成乃至接続された駆動回路等が接続されている。
ここで、電子カセッテ20の回路構成について説明する。図4はこの実施形態に係る電子カセッテ20の等価回路図であり、図5はその中の基板46の検出部Pを構成する1画素分についての等価回路図である。
上述したように、基板46の検出部Pの各光電変換素子48は、アノード電極がそれぞれバイアス線56に接続されており、各バイアス線56は1本の結線58に接続されている。結線58は電流検出手段(電流検出回路)62を介してバイアス電源(単に、電源ともいう。)64に接続されている。バイアス電源64は、電流検出手段62及び各バイアス線56を介して各光電変換素子48に逆方向にバイアス電圧(逆バイアス電圧)Vbiasを印加するようになっている。
なお、この実施形態では、pin型の光電変換素子48のp層側にアノード電極を介してバイアス線56が接続されているので、バイアス電源64からは、光電変換素子48のアノード電極にバイアス線56を介して逆バイアス電圧として負の電圧(カソード電極よりも所定電圧以上低い電圧であればよい。)が印加されるようになっている。
また、光電変換素子48のpin型の積層順を逆に形成して(光電変換素子48の極性が逆となるように形成して)カソード電極にバイアス線56を接続する場合には、バイアス電源64からはカソード電極に逆バイアス電圧として正の電圧(アノード電極よりも所定電圧以上高い電圧であればよい。)が印加される。その場合には、図4や図5における光電変換素子48のバイアス電源64に対する接続の向きが逆向きになる。
図4、図5に示すように、電流検出手段62は、各バイアス線56が接続された結線58内を流れる電流を検出するようになっている。電流検出手段62は、カレントミラー回路100と、電流・電圧変換回路(IV変換回路)102とを含んで構成される。
カレントミラー回路100は、図5に示すように、この実施形態では、ダイオード接続されたMOSFETである入力側素子(ミラー元素子ともいう。)104と、ソース接地接続とされたMOSFETである出力側素子(ミラー先素子ともいう。)106とから構成されている。相互のソース電極Sは、共通接続され直流電源でありバイアス電圧(電圧値)Vbiasのバイアス電源64に接続されている。
入力側素子104の入力電流I1の電流検出端(ドレイン電極Dとゲート電極Gの接続点)に対して、結線58、バイアス線56を通じて光電変換素子48が接続され、出力側素子106の出力電流(検出電流)I2の電流出力端(ドレイン電極D)にIV変換回路102が接続される構成となっている。
IV変換回路102は、オペアンプ108と抵抗値Rの抵抗器110とにより構成されている。
カレントミラー回路100では、入力側素子104と出力側素子106とが同一プロセスで制作されると、基本的には、バイアス電流(上記のように入力電流ともいう。)I1が出力電流I2に等しくなる(I1=I2)。
その出力電流I2にIV変換回路102の抵抗器110の抵抗値Rをかけた電圧がAD変換器116の入力電圧の電圧値V(V=I2×R)として得られるようになっている。AD変換器116によりデジタルデータとされたバイアス電流I1に対応する電圧値Vが制御手段66に取り込まれる。制御手段66は、バイアス電流I1が流れると直ちにバイアス電流I1(I1=I2=V/R)を取り込むことができる。
図6Aに示すように、IV変換回路102は、抵抗器110に並列コンデンサ112を取り付けてノイズフィルタリング機能を持たせたIV変換回路102aのように構成を変更してもよい。また、図6Bに示すように、オペアンプ108に並列にコンデンサ114を取り付けてチャージアンプとしたIV変換回路102bのように構成を変更してもよい。
図5に示すように、カレントミラー回路100がMOSFETで構成されている場合、入力側素子104のゲートソース間電圧Vgs(=ゲートドレイン間電圧Vds)は、簡易的には、次の(1)式で表される入力電流I1が流れるVgsとされ、出力側素子106には、簡易的には、そのVgsで、次の(2)式で表される出力電流I2が流れるようになる。
I1=(1/2)・μ1・Cox1・(W1/L1)・(Vgs−Vth1)
…(1)
I2=(1/2)・μ2・Cox2・(W2/L2)・(Vgs−Vth2)
…(2)
ここで、μ1、μ2は、移動度。Cox1、Cox2は、単位面積当たりの絶縁膜容量。W1、W2は、チャネル幅。L1、L2は、チャネル長。Vth1、Vth2は、閾値電圧である。なお、添字1は、入力側素子104の各物理量に対応し、添字2は、出力側素子106の各物理量に対応する。
入力側素子104及び出力側素子106のMOSFETを同一プロセスで形成すれば、所定の物理量は、次の(3)式に示すようになる。
μ1=μ2、Cox1=Cox2、Vth1=Vth2 …(3)
この場合、入力電流I1と出力電流I2との間では、次の(4)式に示す関係が得られることが分かる。
I2/I1=(W2/L2)/(W1/L1) …(4)
よって、(W2/L2)=(W1/L1)と同一パターンで形成すれば、上述したように、I1=I2となる。
図7に示すように、入力側素子Q1に対し、出力側素子Q2、Q3、Q4、Q5を並列に形成した出力側素子の多連型構成のカレントミラー回路100aとすれば、I1=I2+I3+I4+I5=4×I1となり、入力電流I1を並列倍の出力電流にすることができる。これにより検出感度が増加し、SN比が大きくなり、耐ノイズ性を向上させることができる。
また、MOSFETのパターンを(W2/L2)>(W1/L1)と形成することで出力電流I2を入力電流I1、すなわち光電変換素子48に流れるバイアス電流I1よりも大きくすることができる。これにより、同様に、検出感度が増加し、SN比が大きくなり、耐ノイズ性を向上させることができる。
なお、図5に示したカレントミラー回路100において、入力側素子104のVdsと出力側素子106のVdsとの差が大きい場合には、その差に応じて入力電流I1と出力電流I2との間で誤差が発生する。
この誤差を小さくするためには、図8に示すようなカスコード型のカレントミラー回路100bと構成することで、Vds3=Vds4(Q3のVgs1=Q4のVgs2)となり、入力電流I1と出力電流I2との間の差を小さくすることができる。
図9は、バイポーラトランジスタを使用するウイルソン型のカレントミラー回路100cを示し、トランジスタQ3、Q4のコレクタエミッタ間電圧Vce3とVce4とを等しくすることができ、温度ドリフトを小さくすることができる。
なお、カレントミラー回路100、100a、100bは、光電変換素子48が形成される基板46上に上記の薄膜トランジスタ54(TFT)と一体的に形成し配設することで、コストを低減することができる。
カレントミラー回路100、100a、100b、100cを薄膜トランジスタ54と一体的に形成するのではなく、シリコンチップ上に集積回路として形成すれば、素子の抵抗値をより小さくすることができるので、バイアス電流I1等の変動に伴うバイアス電圧の変動をより小さくすることができる。
カレントミラー回路100、100a、100b、100cを集積回路として形成する場合には、当該カレントミラー回路100、100a、100b、100cとこのカレントミラー回路100、100a、100b、100cに接続されるIV変換回路102、102a、102bとを、一つの集積回路として形成することでコスト及び実装面積等の小型軽量化を図ることができる。
なお、基板46上に、薄膜トランジスタ54と一体的に、カレントミラー回路100、100a、100b及びIV変換回路102、102a、102bを形成するようにしてもよい。
再び、図4、図5において、制御手段66は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、ROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等の記憶手段であるメモリ66m、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時部としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、たとえば制御部、演算部、補正部及び処理部等として機能する。
図4、図5に示すように、各光電変換素子48のカソード電極はTFT54のソース電極Sに接続されており、各TFT54のゲート電極Gはゲート駆動回路(走査駆動回路)65から延びる各ゲート線50にそれぞれ接続されている。また、各TFT54のドレイン電極Dは各信号線52にそれぞれ接続されている。
そして、ゲート線50を介してゲート駆動回路65からTFT54のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧が印加されるとTFT54のゲートが開き、光電変換素子48に蓄積された電荷、すなわち電気信号がTFT54のソース電極Sを介してドレイン電極Dから信号線52に読み出されるようになっている。
各信号線52は、信号読出回路68に接続されており、信号読出回路68内の増幅回路70に接続されている。
この実施形態において、増幅回路70は、図5に示すように、チャージアンプ回路で構成されている。すなわち、オペアンプ70aと、オペアンプ70aに並列に接続された可変コンデンサ(容量値可変手段)70bとを備えており、さらに、可変コンデンサ70bに並列に電荷リセット用スイッチSW1が接続されて構成されている。可変コンデンサ70bの容量値は制御手段66により設定される。
なお、可変コンデンサ70bは、例えば、固定コンデンサとスイッチの直列回路を並列に接続して、スイッチを切り替えるように構成してもよい(例えば、特許文献1の図7参照)。
増幅回路70では、電荷リセット用スイッチSW1がオフの状態で光電変換素子48のTFT54のゲートが開かれると(すなわち、TFT54のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧が印加されると)、可変コンデンサ70bに光電変換素子48から読み出された電荷が蓄積され、蓄積される電荷量に応じてオペアンプ70aから出力される電圧値Vが増加するようになっている。
電荷リセット用スイッチSW1がオン状態とされると、増幅回路70の入力側と出力側とが短絡され、可変コンデンサ70bの電荷が放電される。
この実施形態では、制御手段66は、例えば予め電流検出手段62から出力される電圧値V(図5参照)の範囲と可変コンデンサ70bの設定量とを対応付けるテーブルを有しており、増幅回路70のゲインを設定(可変コンデンサ70bの容量値を設定)することができるようになっている。
さらに、制御手段66は、電荷リセット用スイッチSW1に電荷リセット信号を印加して電荷リセット用スイッチSW1のオン/オフを制御するようになっている。
なお、増幅回路70における可変コンデンサ70bの容量設定値は、電子カセッテ20に求められる性能等に応じて適宜設定される。また、この実施形態では、電荷リセット用スイッチSW1がFETで構成されている。
増幅回路70の出力側端子には、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling;以下CDSという。)回路80が接続されている。CDS回路80における相関二重サンプリングは以下のようにして行われるようになっている。
すなわち、信号読み出しのために各光電変換素子48のTFT54のゲートが開かれる前の段階で、電荷リセット用スイッチSW1をオン状態として各コンデンサに蓄積された電荷をリセットした後、電荷リセット用スイッチSW1がオフ状態とされて信号読み出しのスタンバイ状態となるが、CDS回路80は、まずその段階で増幅回路70の出力側端子から出力される暗電流等による電圧値(雑音成分)を保持する。
そして、各光電変換素子48のTFT54のゲートが開かれて光電変換素子48から電気信号が読み出され、増幅回路70の選択された各コンデンサに電荷が蓄積された後、TFT54のゲートが閉じられた段階で、再度、増幅回路70の出力側端子から出力される電圧値(雑音成分+信号成分)を保持する。CDS回路80は、このようにして保持した2つの電圧値の差を算出して雑音成分を除去し当該光電変換素子48からの電気信号のアナログ値(信号成分)を出力するようになっている。CDS回路80は、このようにして、コンデンサのリセット時の雑音を低減するようになっている。
CDS回路80から出力された電気信号は、マルチプレクサ82(図4参照)を介して順次AD変換器84に送出され、AD変換器84でデジタル値に変換されるようになっている。AD変換器84は、デジタル値に変換した各光電変換素子48の電気信号を制御手段66に順次出力するようになっている。
制御手段66は、図4や図5では図示が省略されているが、光電変換素子48に逆バイアス電圧を供給するバイアス電源64のオン/オフ制御や図示しない他の装置や回路を含む他の部材の制御を行うようになっている。また、制御手段66には、システムコントローラ24と通信するための通信部76が接続されている。
次に、基本的には以上のように構成される放射線画像撮影システム10の動作を説明するとともに、制御手段66の制御動作を図10に示すフローチャートに従って説明する。また、それとあわせてこの実施形態に係る電子カセッテ20の作用について説明する。
コンソール26は、まず、ユーザの図示しない入力部の操作により撮影部位及び診断部位が選択されたか否かを判断する。このとき、システムコントローラ24は、ユーザが撮影部位及び診断部位を選択するための画像を表示装置28に表示させる。ユーザは、表示された画像を見ながら、これから放射線撮影の対象となる患者(被写体14)の撮影部位及び診断部位を選択することができる。
コンソール26が、撮影部位及び診断部位がユーザに選択されたと判断すると、システムコントローラ24は、ユーザによって選択された撮影部位及び診断部位に応じた撮影条件を自身のデータベースのテーブルから読み出し、該読み出した撮影条件をこれから行う放射線撮影の撮影条件として設定する。このとき、システムコントローラ24は、該設定した撮影条件を、表示装置28に表示させてもよい。これにより、ユーザは、設定された撮影条件の内容を視認することができる。
ユーザは、設定した撮影条件で放射線源34から放射線16が照射されるようにするために、放射線制御装置36に設けられた図示しない入力装置を操作することで、システムコントローラ24側で設定した撮影条件と同一の撮影条件を放射線制御装置36にも設定させる。例えば、放射線装置18に、前記テーブルと同一のテーブルを持たせて、ユーザが撮影部位及び診断部位を選択することで、同一の撮影条件を設定しても良く、ユーザが直接、管電圧、照射時間、管電流、mAs値等を入力してもよい。
撮影条件を設定すると、システムコントローラ24は、自身の通信部(不図示)を介して、電子カセッテ20の通信部76に起動信号を送信することで、電子カセッテ20を起動させる。
電子カセッテ20の制御手段66は、放射線装置18からの放射線16の照射に先立って、まず、全ての増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオン状態とし、また、各ゲート線50を介してゲート駆動回路65から全ての光電変換素子48のTFT54のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧を印加して全TFT54をオン状態とする。
この処理により、光電変換素子48の内部や各信号線52、増幅回路70の可変コンデンサ70b、バイアス線56、電流検出手段62等に蓄積されている不要な電荷を放電して取り除き、初期状態に設定する(ステップS1)。
続いて、制御手段66は、全ての光電変換素子48のTFT54のゲート電極Gに対する信号読み出し用の電圧の印加を停止して、全TFT54をオフ状態とする(ステップS2)。
この状態で、制御手段66は、電流検出手段62の状態をAD変換器116の出力値により監視し、ユーザによる放射線スイッチ38の押下に基づく放射線16の照射開始を検出し(ステップS3)、予め撮影部位及び診断部位に応じて定められている照射時間に応じた放射線16の照射終了を検出する(ステップS4)。この放射線16の照射開始から照射終了までの間に被写体14に対する放射線画像撮影が行われる。
なお、人体等の被写体14を介して電子カセッテ20に放射線16を照射する放射線源34やそれを制御する放射線制御装置36からこの放射線16の照射開始や照射終了に関する情報や信号を入手してそれらを利用するように構成することも可能である。このように構成された放射線画像検出装置やそれを用いた放射線画像撮影システムにも本発明を適用することができる。
しかし、この実施形態では、以下に述べる増幅回路70のゲイン調整に用いられる電流検出手段62からのバイアス電流(電流値)I1の情報を用いて、電子カセッテ20が自ら放射線16の照射開始や照射終了を検出するように構成されている。以下、放射線16の照射開始、終了の検出及び増幅回路70のゲイン調整について説明する。
この実施形態では、図4に示した光電変換素子48のアノード電極に、バイアス線56を介して逆バイアス電圧である負の電圧が印加されると、光電変換素子48内に電位勾配が生じる。この状態で、放射線源34から放射線16が照射され、放射線16の照射を受けたシンチレータ44により放射線16から変換された電磁波が光電変換素子48に入射すると、電子正孔対が発生する。
そして、発生した電子正孔対のうち、電子は電位勾配に従って高電位であるカソード電極側に移動するが、TFT54のゲートが閉じているため、電子はカソード電極近傍に蓄積される。したがって、光電変換素子48内には、入射した電磁波の量に応じた量の電子が蓄積される。
一方、発生した電子正孔対のうち、正孔は電位勾配に従って低電位であるアノード電極側に移動し、アノード電極を通ってバイアス線56に流れ出る。図4や図5に示すように、この光電変換素子48から流れ出てバイアス線56を流れる正孔が電流として電流検出手段62で検出される。
すなわち、入射した電磁波の量に応じて光電変換素子48内に蓄積された電子の量と同量の正孔がバイアス線56内を流れるようになる。各バイアス線56を流れる電流は結線58に集められ、結線58中を電流検出手段62に向かって流れる。
放射線16又は電磁波が光電変換素子48に入射しない放射線照射の前段階では、理想的にはバイアス線56や結線58内には電流は流れないが、実際には光電変換素子48で暗電流が発生し、電流検出手段62で微量の電流が検出される。
前述したように、この実施形態では、電流検出手段62は結線58を流れる電流をIV変換回路102により電圧値Vに変換して出力するため、放射線16又は電磁波が光電変換素子48に入射されない放射線照射の前段階においても、図11における時点taに示されるように、電流検出手段62から制御手段66に微量ではあるが0ではない電圧値Vaが入力される。
そして、放射線源34からの放射線16の照射が開始されると、各光電変換素子48内で電子正孔対が発生し、バイアス線56や結線58を通じて正孔が電流検出手段62に運ばれる。そのため、図11における時点tbに示されるように、電流検出手段62から出力される電圧値Vが増加する。そこで、この実施形態では、制御手段66は、電流検出手段62から出力される電圧値Vが大きく増加し始めたことを検出することで、放射線16の照射開始を検出するようになっている(ステップS3)。
電圧値Vの増加による放射線16の照射開始については、電圧値Vが所定の閾値Vthを越えた時点tcに放射線照射が開始されたとして検出するように構成してもよく、また、電圧値Vの時間微分値が所定の閾値を越えた時点tdに放射線照射が開始されたとして検出するように構成することも可能である。
また、放射線源34からの放射線16の照射が終了すると、今度は、各光電変換素子48内での電子正孔対の発生が停止し、バイアス線56に正孔が供給されなくなる。そのため、図11における時点teに示されるように、電流検出手段62から出力される電圧値Vが減少し始める。そこで、この実施形態では、制御手段66は、電流検出手段62から出力される電圧値Vが減少したことを検出することで、放射線16の照射終了を検出するようになっている(ステップS4)。
電圧値Vの減少による放射線16の照射終了については、電圧値Vが前述した所定の閾値Vthを下回った時点tfに放射線照射が終了されたとして検出するように構成してもよく、また、電圧値Vの時間微分値が所定の負の値の閾値をより負側に越えた時点tgに放射線照射が終了されたとして検出するように構成することも可能である。なお、以下、放射線16の照射開始時点が時点tcであり、放射線16の照射終了時点が時点tfであるものとして説明する。
一方、前述したように、光電変換素子48に入射した放射線16や電磁波の光子の数に比例して電子正孔対が発生し、入射した電磁波の量に応じた正孔が光電変換素子48からバイアス線56に流れ出るため、結線58を流れた電流値の総量を測ることで、放射線16の照射開始から照射終了までに電子カセッテ20に照射された放射線16の線量を算出することができる。
この実施形態では、より簡単に放射線16の線量を算出するために、制御手段66がピークホールド機能を有するように構成されている。そして、制御手段66は、放射線16の照射の開始及び終了の時間間隔tf−tcと、電流検出手段62で検出された結線58を流れる電流のピーク値と、に基づいて、照射された放射線16の線量を算出するように構成されている(ステップS5)。
具体的には、制御手段66は、照射開始時点tcから照射終了時点tfまでに検出される電圧値のピーク値Vpを検出し、下記(5)式に従って、ピーク値Vpに、放射線16の照射開始から終了までの時間間隔tf−tcから定数αを減じた値を乗じた値に基づいて、電子カセッテ20に照射された放射線16の線量の近似値Mを算出するようになっている。なお、(5)式においてaは定数である。
M=a×Vp×(tf−tc−α) …(5)
この放射線16の線量の近似値Mは、図11における照射開始時点tc以後の立ち上がり部分から照射終了時点tf以前の立ち下がり部分までの電圧値Vを矩形状に近似してその面積に比例する値として求めるものであり、照射開始時点tc及び照射終了時点tfを検出し、ピーク値Vpを検出するだけで簡単に算出できるという利点を有するものである。
なお、積分回路等を用いて、図11に示した照射開始時点tcから照射終了時点tfまでの電圧値V(あるいは電圧値Vからノイズに相当する一定値を減じた値)の積分値を算出して、電子カセッテ20に照射された放射線16の線量を算出するように構成することも可能である。このように構成すれば、より正確な放射線16の線量を算出することが可能となる。
また、ノイズ成分をより的確に除去するため、積分回路等に、所定の範囲の周波数帯のデータのみを通過させて他の周波数のデータは減衰させて通さないバンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)を構成し、電流検出手段62から出力される電流値に相当する電圧値にバンドパスフィルタ処理を施して積分して放射線16の線量を算出するように構成することも可能である。
制御手段66は、続いて、算出した放射線16の線量(近似値Mである場合を含む。)に基づいて、各光電変換素子48からの電気信号の読み出し時における増幅回路70のゲインを設定するようになっている(ステップS6)。
この実施形態では、制御手段66は、上記のようにして算出した放射線16の線量と、増幅回路70のゲインすなわち増幅回路70の可変コンデンサ70bの容量の合計値とを対応付けるテーブルをメモリ66m中に保持している。例えば、0.5[pF]〜4[pF]まで0.5pF刻み(8段階)で設定する。
そのため、テーブルは、放射線16の線量をその大きさに応じて8段階に区分し、各段階に対して可変コンデンサ70bの容量値を設定している。テーブルでは、放射線16の線量が大きくなるに従って設定する増幅回路70のゲインが低くなるように対応付けられている。
制御手段66は、放射線16の線量を算出すると、このテーブルを参照して増幅回路70のゲイン調整を行うようになっている。
制御手段66は、上述のように設定した増幅回路70のゲインの情報を、通信部76(図4参照)を介してシステムコントローラ24に送信するようになっている(ステップS6)。
続いて、制御手段66は、各増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオフ状態とした後(ステップS7)、CDS回路80に信号を送信する。信号の送信を受けたCDS回路80は、図12に示すように、この段階で増幅回路70から出力される電圧値Vinを保持する。
そして、制御手段66は、ゲート駆動回路65(図4参照)から1本のゲート線50に信号読み出し用の電圧を印加して、そのゲート線50にゲート電極Gが接続されているTFT54のゲートを開く。そして、これらのTFT54が接続されている各光電変換素子48から蓄積された電荷(この実施形態の場合は電子)が電気信号として各信号線52にそれぞれ読み出され、上記のようにゲインが設定された増幅回路70で電気信号が増幅される(ステップS8)。
続いて、増幅回路70の可変コンデンサ70bに電荷が蓄積された後、制御手段66は、ゲート駆動回路65に信号の読み出しを行わない(すなわち信号を保持する)電圧をゲート線50に印加する信号を出力して各TFT54のゲートを閉じる。CDS回路80にもこの信号が送信され、信号の送信を受けたCDS回路80は、図12に示すように、この段階で増幅回路70から出力される電圧値Voutを保持する。そして、それらの差Vout−Vin(相関二重サンプリング処理)を算出して出力する(ステップS9)。
各CDS回路80から出力された電気信号、すなわち前記差Vout−Vinは、マルチプレクサ82(図4参照)を介して順次AD変換器84に送信され、すなわち各光電変換素子48の各電気信号ごとにAD変換器84に送信され、AD変換器84で順次デジタル値に変換される(ステップS10)。
そして、AD変換器84から各光電変換素子48ごとの電気信号が送信されてくると、制御手段66はそれらを順次通信部76を介してシステムコントローラ24に送信する(ステップS11)。その際、各光電変換素子48ごとの電気信号を電子カセッテ20内又は電子カセッテ20に接続されたメモリ66mに保存するように構成してもよい。また、全てのデータをメモリ66mに保存し、終了処理時に一括して送信するように構成してもよい。
続いて、制御手段66は、全ての光電変換素子48について電気信号の読み出しを終了していなければ(ステップS12;NO)、増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオン状態として(ステップS13)、増幅回路70の可変コンデンサ70bに蓄積されている電荷を放電して除去した後、再び各増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオフ状態とし、ゲート駆動回路65から信号読み出し用の電圧を印加するゲート線50を替えてステップS7以降の処理を繰り返す。
また、全てのゲート線50に対して信号読み出し用の電圧の印加を終えて、全ての光電変換素子48について電気信号の読み出しが終了していれば(ステップS12;YES)、制御手段66は、各光電変換素子48や各増幅回路70等に残っている電荷を放電する等の必要な処理を行って(ステップS14)、処理を終了する。
[放射線画像撮影システム]
この実施形態に係る放射線画像撮影システム10は、図1、図4に示すように、上記の電子カセッテ20と、システムコントローラ24とを備えて構成されている。
電子カセッテ20で放射線画像撮影が終了し、増幅回路70のゲインが設定されて、各光電変換素子48からそれぞれ電気信号が読み出され、各電気信号の情報が順次通信部76を介して送信されてくると、それらの情報がシステムコントローラ24に入力されるようになっている。
システムコントローラ24は、受信した各電気信号の情報に必要な画像処理を施して、電子カセッテ20における各光電変換素子48の配列に相当するようにそれらの各電気信号の情報を配列して放射線画像を得るようになっている。得られた放射線画像は、コンソール26から入力された操作内容に従って、表示装置28に表示されたり、あるいは例えば図示しないイメージャによりフイルム等の画像記録媒体に記録されたりするようになっている。
以上のように、この実施形態に係る電子カセッテ20によれば、放射線16や放射線16から変換された電磁波の照射を受けると、各光電変換素子48中では電子正孔対が発生し、一方の電荷は光電変換素子48内に蓄積されるが、他方の電荷はバイアス線56に流れ出す。その際、各光電変換素子48からは放射線16や電磁波の照射を受けた分だけ電荷が流れ出す。
そのため、このバイアス線56に流れ出す電荷による電流を測定することで、電子カセッテ20に照射された実際の放射線16の線量を的確に把握することが可能となる。そして、的確に把握された放射線16の線量に基づいて増幅回路70のゲインを的確に設定することが可能となる。
また、非破壊読み出しのように事前の電気信号の読み出しを必要とせず、放射線16の照射と同時にその線量を検出して増幅回路70のゲインを設定するため、放射線16の照射後、直ちに電気信号の読み出しを開始することが可能となる。そのため、時間が経過するに従って増加する暗電流等によるノイズの増加を抑制することが可能となり、SN比の低下を抑制することが可能となる。
さらに、非破壊読み出しのように事前の電気信号の読み出しを必要とせず、直ちに放射線画像の撮影を開始することが可能となるため、事前の電気信号の読み出し等で余分な電力が消費されてしまうということも防止できる。
また、電流検出手段62により検出された電流の減少に基づいて放射線16の照射の終了を検出することができるため、放射線16の照射の終了の情報を外部から入力しなくても、電子カセッテ20が自ら放射線16の照射の終了を検出して、放射線16の照射後、直ちに電気信号の読み出しを開始することが可能となる。
一方、この実施形態に係る放射線画像撮影システム10によれば、上記のように、電子カセッテ20で、撮影開始までの時間がかからず撮影後も直ちに電気信号の読み出しを開始できることでSN比の低下が抑制され、しかも、得られた電気信号が増幅回路70のゲインが的確に設定された状態で増幅されるため、ノイズが低減されてダイナミックレンジが確保され画質低下が抑制された良好な放射線画像を得ることが可能となる。
また、電子カセッテ20において、増幅回路70をオペアンプ70aとそれに並列に接続された可変コンデンサ70bで構成し、増幅回路70のゲインを設定することで、増幅回路70のゲインを容易且つ適切に設定することが可能となる。
しかも、増幅回路70のゲインを容易に設定することができるため、放射線撮影後、直ちに増幅回路70のゲインを設定することが可能となる。
また、CDS回路80で相関二重サンプリングの手法によりノイズ成分を除去することで、少なくとも増幅回路70のコンデンサの熱雑音等のノイズを適切に除去することが可能となり、得られる放射線画像のSN比をより良好にすることが可能となる。
また、バイアス線56を流れる電流の増加や減少に基づいて放射線16の照射開始や照射終了を検出することで、放射線画像検出装置が放射線源等から放射線16の照射開始や照射終了の情報が得られない場合でも的確にそれらのタイミングを検出することが可能となり、照射された放射線16の線量等を適切に検出することが可能となる。
特に、バイアス電流I1を検出する電流検出手段62としてカレントミラー回路100を用いるようにしたので、バイアス電流I1が変化しても、カレントミラー回路100の入力側(ダイオード接続側)の電圧は、ほとんど変化しないので、放射線16の照射中、特許文献1のように、電圧降下が発生することなく、光電変換素子48の逆バイアス電圧が略一定に保持され、受光感度が増減しないという顕著な効果が達成される。
[他の実施形態]
図13は、他の実施形態に係る放射線画像検出装置20Aを備える放射線画像撮影システム10Aの構成図である。
この他の実施形態において、検出部Pは、左右2つに等分割され、ブロック状の領域Aとブロック状の領域Bの2つの領域により構成されている。領域Aと領域Bとには、それぞれ同数の信号線52が配設されるとともに、同数の光電変換素子48が設けられている。
他の実施形態の放射線画像撮影システム10Aでは、領域Aのみを撮影領域とする放射線画像撮影と、領域Bのみを撮影領域とする放射線画像撮影と、領域A及び領域Bの両方から成る領域(すなわち、検出部Pの全領域)を撮影領域とする放射線画像撮影と、の3つの撮影パターンでの放射線画像撮影が可能となっている。
さらに、他の実施形態の放射線画像撮影システム10Aでは、放射線画像撮影に使用された領域毎に、各種の処理を行うことができるようになっている。
なお、検出部Pの分割数(すなわち、検出部Pを構成する領域の数)は任意であり、例えば、検出部Pを3つの領域に分割しても良く、4つ以上の領域に分割しても良い。また、検出部Pの分割態様、例えば、各領域の大きさや形状も任意であり、例えば、各領域が異なる大きさに分割されていても良い。また、例えば、検出部Pが上下2つの領域から構成されるように分割しても良い。
図14Aに示すように、縦方向に6分割した領域130を持つ検出部P1とすることで下肢等の短時間測定に利便に供することができる。
図14Bに示すように、マトリクス状に分割した領域132を持つ検出部P2とすることで、例えば、手指を含む上肢等の短時間測定に利便に供することができる。
図14Cに示すように、中央四角部の領域134と、その周囲を取り囲むL字状の領域136とに分割する検出部P3とすることで、例えば、胴体等の短時間測定に利便に供することができる。
図14Dに示すように、例えば、両肺部に対応する領域138と腹部に対応する領域140のみを検出部P4とすることで、当該一方の肺部、又は腹部の領域の短時間測定に利便に供することができる。
図14Eに示すように、中央四角部の領域134と、この領域134の分割領域142と、領域134の周囲を取り囲むL字状の領域136とに分割する検出部P5とするように構成してもよい。
また、図示は省略するが、ケーシング42の放射線16の照射を受ける面42aには、領域Aと領域Bとの境界に、操作者がそれぞれの領域A、Bを識別するための識別マークが設けられていることが好ましい。操作者は、ケーシング42に設けられた識別マークによって、撮影領域として使用する領域A、Bを容易に識別し、被写体14のセッティングや放射線16の照射を適切に行うことができる。
基板46の検出部Pのうち、領域A内に配設された各光電変換素子48は、そのアノード電極がそれぞれバイアス線88及び結線(バイアス線又は共通バイアス線ともいう。)92に接続されている。また、領域B内に配設された各光電変換素子48は、そのアノード電極がそれぞれバイアス線90及び結線(バイアス線又は共通バイアス線ともいう。)94に接続されている。これらの各結線92、94は、バイアス電源64に接続されている。
バイアス電源64は、制御手段66に接続されており、制御手段66からの制御にしたがって、各結線92、94及び各バイアス線88、90を介して、各光電変換素子48に逆バイアス電圧を印加するようになっている。
また、各バイアス線88、90の結線92、94には、それぞれ第1電流検出手段62Aと第2電流検出手段62Bが設けられており、第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bは、それぞれAD変換器116及び判定手段98を通じて制御手段66に接続されている。なお、AD変換器116及び判定手段98は、制御手段66内に一体的に組み込むこともできる。以下、AD変換器116及び判定手段98は、制御手段66に組み込まれているものとして説明する。この場合、判定手段98は、各AD変換器116の出力値に基づき、領域A、Bへの放射線16の照射の有無を判定するために、閾値と判定(比較)する機能を有する。なお、各AD変換器116の出力は、直接、制御手段66にも供給される。
ここで、判定手段98を、AD変換器116を使用する代わりにアナログコンパレータ(比較回路)を使用することで閾値判定する機能を持つように変更することもできる。この場合、雑音の影響によるチャタリングを回避するために、ヒステリシス付きコンパレータとすることがより好ましい。
第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bは、各バイアス線88が結束された結線92内を流れる電流と、各バイアス線90が結束された結線94内を流れる電流と、をそれぞれ独立に検出する。
具体的には、第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bは、それぞれ、結線92、94に直列に接続されるカレントミラー回路100とIV変換回路102を備えて構成されている。結線92、94を流れる電流を各カレントミラー回路100で検出して各IV変換回路102により電圧に変換し、各結線92、94を流れる電流値に相当する電圧値Vを、それぞれ制御手段66に出力するようになっている。
以下では、これらの第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bのそれぞれを個別に識別する場合には、「第1電流検出手段62A」「第2電流検出手段62B」として説明し、第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bを個別に識別する必要がない場合には、「電流検出手段62A、62B」又は「電流検出手段62」と総称して説明する。
また、各領域A、Bに配設された各光電変換素子48のカソード電極は、TFT54のソース電極Sに接続されている。そして、各TFT54のゲート電極Gは、ゲート駆動回路65から延びる各ゲート線50にそれぞれ接続されている。また、各TFT54のドレイン電極Dは、各信号線52にそれぞれ接続されている。
そして、制御手段66からの制御によって、ゲート駆動回路65から、ゲート線50を介してTFT54のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧が印加されると、TFT54のゲートが開き、光電変換素子48に蓄積された電荷すなわち電気信号がTFT54のソース電極Sを介してドレイン電極Dから信号線52に読み出されるようになっている。
各信号線52は、それぞれ読出回路68A、68Bに接続されている。
2つの領域A、Bのそれぞれに対応する読出回路68が設けられていることとし、領域Aに対応する読出回路を68Aとし、領域Bに対応する読出回路を68Bとして説明するが、読出回路68の数はこれに限定されず、1本の信号線52ごとに1回路ずつ設けても良い。
以下では、これらの読出回路68のそれぞれを個別に識別する場合には、「読出回路68A、68B」として説明し、各読出回路68A、68Bを個別に識別する必要がない場合には、「読出回路68」と総称して説明する。
各読出回路68は、増幅回路70と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路80と、マルチプレクサ82と、AD変換器84とで構成されており、各光電変換素子48から信号線52を通じて読み出された電荷を、光電変換素子48ごとに電荷電圧変換するとともに増幅等を行って電気信号に変換するようになっている。
増幅回路70及びCDS回路80は、図5に示したものと同等であるので、詳細な構成を省略し、必要に応じて図5を参照して説明する。
制御手段66は、バイアス電源64や第1電流検出手段62A、第2電流検出手段62B、ゲート駆動回路65、各読出回路68内の増幅回路70や相関二重サンプリング回路80等を制御することで、領域A、B毎に、放射線画像撮影における各種処理を制御する。
具体的には、制御手段66(の中の判定手段98)は、第1電流検出手段62Aと第2電流検出手段62Bから出力される電圧値に基づいて、放射線16の照射が開始されたか否かを領域A、B毎に別々に検出する。そして、制御手段66(の中の判定手段98)は、何れかの領域A、Bにおいて放射線16の照射が開始されたことを検出した場合に、放射線16が照射された領域内の光電変換素子48に蓄積された電荷を、その領域に対応する読出回路68により読み出して電気信号に変換し、画像データを得る。さらに、制御手段66は、放射線16が照射された領域から読み出した画像データに基づいて間引き画像データを生成し、生成した間引き画像データや元の画像データを、通信部76を介してシステムコントローラ24に送信する。
ここで、図15のフローチャートを参照しながら、制御手段66の制御構成について説明するとともに、併せて、他の実施形態に係る放射線画像撮影システム10Aの作用について説明する。
初めに、制御手段66が放射線16の照射の開始を領域単位で検出する処理について説明する。
制御手段66は、放射線16の照射に先立って、まず、全ての増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオン状態とし、また、各ゲート線50を介してゲート駆動回路65から全ての光電変換素子48のTFT54のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧を印加して全TFT54をオン状態とする(ステップS21)。
この処理により、各光電変換素子48の内部や各信号線52、増幅回路70の可変コンデンサ70b、バイアス線88、90等に蓄積されている不要な電荷が放電され、初期状態に設定される。
続いて、制御手段66は、全ての光電変換素子48のTFT54のゲート電極Gに対する信号読み出し用の電圧の印加を停止して、全TFT54をオフ状態とする(ステップS22)。
この状態で、制御手段66は、第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bの状態を監視し、放射線16の照射開始を各領域A、B単位で別々に検出する(ステップS23)。
放射線画像撮影において、放射線画像撮影システム10Aに放射線16が照射されると、放射線画像撮影システム10Aの放射線入射面42a(図1参照)上、あるいはその近傍に存在する被写体14を透過した放射線16が、シンチレータ44に入射し、シンチレータ44で放射線16が電磁波に変換されて、電磁波がその下方の光電変換素子48に入射する。
このとき、領域Aに照射された放射線16の電磁波は、領域A内に配設された光電変換素子48群に入射し、領域Bに照射された放射線16の電磁波は、領域B内に配設された光電変換素子48群に入射することとなる。
放射線16が照射された領域内の光電変換素子48では、バイアス線88、90を介してバイアス電源64から印加される逆バイアス電圧によって光電変換素子48内に形成された電位勾配に従って、発生した電子と正孔のうちの一方の電荷がアノード電極側に移動し、他方の電荷がカソード電極側に移動する。
このとき、TFT54のゲート電極Gにはオフ電圧が印加されてTFT54はオフ状態になっているため、光電変換素子48内でカソード電極側に移動した電子は、TFT54から信号線52に流出できず、カソード電極付近に蓄積される。
一方、それと等量の正孔がアノード電極からバイアス線88、90及び結線92、94を流れ、各カレントミラー回路100により検出される。
そして、図11を参照して説明したように、放射線画像撮影で放射線16の照射が開始されて光電変換素子48内で発生した電子正孔対のうち正孔がバイアス線88、90に流出し始めると、結線92、94に流れる電流が増加し始め、図11における時点tbに示されるように、電流検出手段62A、62Bから出力される電圧値Vが増加し始める。
これを利用して、各領域に対応する電流検出手段62A、62Bから出力される電圧値Vに予め所定の閾値Vthを設け、制御手段66で、それぞれの電流検出手段62A、62Bから出力される電圧値Vが閾値Vthを越えたか否かを別々に監視する。
そして、例えば、領域Aを撮影領域とする放射線画像撮影において、領域Aのみに放射線16が照射された場合には、放射線16の照射によって領域Aの光電変換素子48内で電子正孔対が発生し、領域A内の光電変換素子48に接続されたバイアス線88を接続する結線92に流れる電流が増加し始め、領域Aに対応する第1電流検出手段62Aから出力される電圧値Vが増加して閾値Vthを超えることとなる。一方、領域Bに対応する第2電流検出手段62Bから出力される電圧値Vは増加せず、閾値Vthを超えないこととなる。
そして、制御手段66は、第1電流検出手段62Aから出力される電圧値Vが閾値Vthを越えた場合には、電圧値Vが閾値Vthを越えた時点tcで、第1電流検出手段62Aに対応する領域Aにおいて放射線16の照射が開始されたと判断する。また、制御手段66は、第2電流検出手段62Bから出力される電圧値Vが閾値Vthを越えない場合には、第2電流検出手段62Bに対応する領域Bには放射線16が照射されていないと判断する。
以上のように、放射線画像撮影システム10Aでは、制御手段66が、各領域A、Bに対応する第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bからそれぞれ出力される電圧値Vを別々に監視し、各電流検出手段62A、62Bから出力される電圧Vが閾値Vthを超えたか否かを領域毎にそれぞれ個別に判断することで、放射線16の照射開始を領域単位で検出するようになっている。
続いて、制御手段66は、放射線16の照射の開始を検出した時点tcから所定時間経過後に、放射線16の照射が終了したと判断する(ステップS24)。
なお、放射線16の照射が停止されて放射線画像撮影が終了すると、光電変換素子48内で電子正孔対が発生しなくなるため、今度は電圧値Vが減少し始める。そのため、制御手段66は、例えば、各電流検出手段62から出力される電圧値Vが閾値Vth以下となった時点tfで、その電流検出手段62に対応する領域において、放射線16の照射が終了したと判断するように構成することも可能である。
また、放射線16の照射の開始や終了を検出するために、電圧値V自体に閾値Vthを設ける代わりに、例えば、電圧値Vの変化率ΔVに閾値ΔVthを設けておき、電圧値Vの増加率ΔVが閾値ΔVthを越えた時点を放射線16の照射開始時点tcとし、電圧値Vの減少率ΔVの絶対値が閾値ΔVth以上となった時点を放射線16の照射終了時点tfとして検出するように構成することも可能である。
さらに、いずれか一つ以上の領域において放射線16の照射が検出され、一方で、放射線16の照射が検出されない領域が存在する場合には、いずれかの領域において放射線16の照射を検出した段階で(放射線16の照射の開始を検出した時点tcの所定時間経過後に)、制御手段66が、放射線16の照射を検出しない領域に対応する読出回路68への電力供給を停止するように構成することも可能である。
なお、上述したように、放射線画像撮影システム10Aに放射線16が照射されていない状態でも、各光電変換素子48の内部では、光電変換素子48自体の熱による熱励起等によりいわゆる暗電荷が発生して蓄積される。そして、それに起因する電流がバイアス線88、90に漏出し、それが結線92、94に集められるため、放射線画像撮影システム10Aに放射線16が照射されていない状態でも、結線92、94中には微弱な電流が流れ、それに相当する電圧値Vaが電流検出手段62から出力される。
次に、上述の処理により、領域毎に放射線16の照射を検出した後に、制御手段66が、放射線16が照射された領域から電気信号の読み出しを行って、画像データを取得し、さらに、取得した画像データに基づいて間引き画像データを生成してシステムコントローラ24に送信する処理について説明する。
以下では、放射線16が照射された領域(すなわち、放射線画像撮影に使用された領域)の処理を、放射線16が照射されなかった領域(すなわち、放射線画像撮影に使用されない領域)の処理と容易に区別できるように、一例として、ユーザが、2つの領域A、Bのうち、領域Aを使用して放射線画像撮影を実施し、領域Aのみに放射線16が照射された場合について説明するが、領域Bを使用して放射線画像撮影を実施した場合や、領域A、Bの両方(検出部Pの全領域)を使用して放射線画像撮影を実施した場合であっても、以下と同様の処理が行われることはもちろんである。
制御手段66は、まず、放射線画像撮影において撮影領域とされた領域、すなわち、放射線16の照射を検出した領域Aに対応する読出回路68Aに備わる各増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオフ状態とし(ステップS25)、その読出回路68Aに備わるCDS回路80に信号を送信する。この信号の送信を受けたCDS回路80は、図12を参照して説明したように、この段階で増幅回路70から出力される電圧値Vinを保持する。
そして、制御手段66は、ゲート駆動回路65から1本のゲート線50に信号読み出し用の電圧を印加して、そのゲート線50にゲート電極Gが接続されているTFT54のゲートを開く。
すると、信号読み出し用の電圧が印加されたゲート線50上のTFT54が接続されている各光電変換素子48から、TFT54のソース電極S及びドレイン電極Dを介して、それらの光電変換素子48に蓄積された電荷が電気信号として各信号線52に読み出される。
そして、放射線16が照射されたことを検出した領域Aに対応する読出回路68Aでは、各信号線52から出力される電気信号が増幅回路70においてそれぞれ増幅され、増幅回路70の可変コンデンサ70bに蓄積される(ステップS26)。
続いて、制御手段66は、放射線16が照射された領域A内の光電変換素子48から読み出された電荷が増幅回路70の可変コンデンサ70bに蓄積された後に、ゲート駆動回路65に対して、信号の読み出しを行わない(すなわち信号を保持する)電圧をゲート線50に印加する信号を出力して各TFT54のゲートを閉じる。また、制御手段66は、放射線16の照射を検出した領域Aに対応する読出回路68A内のCDS回路80にも同様の信号を送信する。
この信号の送信を受けたCDS回路80は、図12に示したように、この段階で増幅回路70から出力される電圧値Voutを保持する。そして、増幅回路70から出力されたこれらの電圧値Vin、Voutの差Vout−Vinを算出して出力する(ステップS27)。
放射線16の照射を検出した領域Aに対応する読出回路68A内の各CDS回路80から出力された電気信号、すなわち前記差Vout−Vinは、マルチプレクサ82を介して順次AD変換器84に送信され、A/D変換器84で順次デジタル値に変換される(ステップS28)。AD変換器84から光電変換素子48毎の電気信号が送信されてくると、制御手段66は、光電変換素子48毎の電気信号を、メモリ66mに保存する。
続いて、制御手段66は、放射線16の照射を検出した領域A内の全ての光電変換素子48について電気信号の読み出しを終了していなければ(ステップS29;NO)、放射線16の照射を検出した領域Aに対応する読出回路68A内の各増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオン状態として(ステップS30)、増幅回路70の可変コンデンサ70bに蓄積されている電荷を放電して除去した後、再び各増幅回路70の電荷リセット用スイッチSW1をオフ状態とし、ゲート駆動回路65から信号読み出し用の電圧を印加するゲート線50を替えてステップS25以降の処理を繰り返す。
一方、放射線16の照射を検出した領域A内の全ての光電変換素子48について電気信号の読み出しを終了していれば(ステップS29;YES)、制御手段66は、各光電変換素子48や各増幅回路70等に残っている電荷を放電する等の必要な処理を行って、光電変換素子48からの電気信号の読み出し処理を終了する。
次に、制御手段66は、読み出し処理により取得したデータに対して、オフセット/ゲイン補正や欠陥補正等、必要に応じて各種の補正処理を施すことにより画像データを生成して、メモリ66mに記憶させるとともに、生成した画像データから、所定の割合で画素データを間引いて間引き画像データを生成する(ステップS31)。そして、生成した間引き画像データを、通信部76を介して、システムコントローラ24に送信し(ステップS32)、処理を終了する。
さらに、図15のフローチャートにおいて図示は省略するが、放射線画像撮影システム10Aの制御手段66は、間引き画像データをシステムコントローラ24に送信した後に、システムコントローラ24から、間引き画像データの元の画像データの送信を要求する指示信号を受信した場合には、メモリ66mに記憶された元の画像データを読み出して、通信部76を介して、システムコントローラ24に送信する。
以上のようにして、制御手段66は、放射線16が照射された領域A(すなわち、放射線画像撮影に使用された領域A)のみから画像データを取得するとともに、放射線16が照射された領域Aのみの間引き画像データや元の画像データを生成してシステムコントローラ24に送信するようになっている。
なお、制御手段66は、全ての領域(すなわち、領域A及び領域B)において放射線16の照射を検出した場合には、領域A及び領域Bを一つの撮影領域とする画像データ(間引き画像データや元の画像データ)を生成し、システムコントローラ24に送信するようになっている。
また、電子カセッテ20は、間引き画像データや元の画像データをシステムコントローラ24に送信する際に、これらの画像データがどの領域のデータであるか、すなわち、どの領域が放射線画像撮影に使用されたかを示す情報を、間引き画像データや元の画像データとともにシステムコントローラ24に送信するように構成しても良い。
また、電子カセッテ20は、放射線16の照射を検出しない領域が存在する場合に、その領域では放射線16の照射を検出しなかった旨を、システムコントローラ24に通知するように構成しても良い。
実際上、システムコントローラ24は、電子カセッテ20Aから送信されてきた間引き画像データを受信すると、受信した間引き画像データに必要な画像処理を施して、放射線画像としてのプレビュー画像(間引き画像)を生成し、表示装置28に表示する。
ユーザは、システムコントローラ24の表示装置28に表示されたプレビュー画像(間引き画像)を見て、再撮影の要否等を確認し、再撮影が必要ない場合には、コンソール26を用いて、間引き画像データの元の画像データの送信を指示する操作を行う。
システムコントローラ24は、間引き画像データの元の画像データの送信が指示されると、元の画像データの送信を要求する指示信号を、電子カセッテ20Aに対して送信する。
この元の画像データの送信を要求する指示信号に基づいて、電子カセッテ20Aから、通信部76を介して元の画像データが送信されてくると、システムコントローラ24は、送信されてきた元の画像データ受信し、受信した元の画像データに必要な画像処理を施して、放射線画像としての診断用の画像を生成する。生成された画像は、表示装置28に表示等されたり、イメージャによりフイルム等の画像記録媒体に記録されることとなる。
以上のように、他の実施形態に係る放射線画像撮影システム10Aに係る電子カセッテ20Aでは、検出部Pが複数の領域A、Bから構成されており、制御手段66が、検出部Pを構成する各領域A、Bに対応する第1電流検出手段62A及び第2電流検出手段62Bからそれぞれ出力される電圧値Vに基づいて、放射線16の照射を各領域A、B毎に別々に検出する。さらに、検出部Pを構成する全ての領域A、Bのうち、放射線画像撮影に使用されて放射線16の照射を検出した領域のみを対象として、画像信号の読み出し処理やメモリ66mへの画像データの保存処理、システムコントローラ24への画像データの送信処理を行う。
したがって、放射線画像撮影において、照射野絞りを使用して、ある領域のみに放射線16が照射された場合には、検出部Pの全領域の画像データではなく、放射線16が照射された領域の画像データ、すなわち、再撮影の要否の判断や診断等に必要な画像データのみを読み出して、電子カセッテ20Aのメモリ66mに保存するとともに、システムコントローラ24に送信することができる。
一方、それ以外の領域、すなわち、放射線画像撮影に用いられず、放射線16が照射されなかった領域に対しては、画像信号の読み出し処理は行われず、また、画像データのメモリ66mへの保存処理、システムコントローラ24への送信処理も行われない。
そのため、再撮影の要否の判断や診断等に不要な画像データの読み出し処理やメモリ66mへの保存処理、外部装置への送信処理に、無駄な時間や無駄なメモリ容量、無駄な消費電力を費やすことがなくなり、放射線画像撮影を効率良く行うことができる。
また、システムコントローラ24に対して、放射線画像撮影において放射線16が照射された領域の画像データのみが送信されることとなるため、放射線画像撮影に使用されなかった無駄な画像データの送信や、システムコントローラ24におけるこれらの画像データの受信に余計な時間を費やすことなく、画像データの送信や受信に要する時間を短縮することができる。
これにより、システムコントローラ24では、放射線画像撮影に使用された領域の画像データのみを、より素早く受信して、画像データに基づく画像を迅速に表示することができ、操作者や患者にとって利用し易いシステムとなる。
とくに、システムコントローラ24では、電子カセッテ20Aから送信される間引き画像データを早期の段階で受信して、間引き画像データに基づくプレビュー画像を迅速に表示することが可能となるため、ユーザが、再撮影の要否を早期に判断することができることとなり、ユーザ及び患者等の被写体14への負担を軽減することが可能となる。
以上、この発明を実施の形態を用いて説明したが、この発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。
例えば、図16は、変形例の電子カセッテ20B(放射線画像検出装置)の説明に供される放射線画像撮影システム10Bの回路図であり、上述したように、光電変換素子48のpin型の積層順を逆に形成して(光電変換素子48の極性が逆となるように形成して)カソード電極にバイアス線56を接続するように構成したものである。この場合には、バイアス電源64からは光電変換素子48iのカソード電極に逆バイアス電圧として正の電圧(アノード電極よりも所定電圧以上高い電圧であればよい。)が印加される。この図16例では、図4や図5における光電変換素子48のバイアス電源64に対する接続の向きが、逆向きになり、カレントミラー回路100も極性が異なるものとされる。このような電子カセッテ20Bを有する放射線画像撮影システム10Bもこの発明の技術的範囲に含まれる。
また、この発明では、上述したように、シンチレータ44を用いず、照射された放射線16により光電変換素子で直接電荷を発生させて電気信号に変換する、いわゆる直接型の放射線画像検出装置にも同様に適用可能である。
直接型の放射線画像検出装置に適用される光電変換素子としては、アモルファスセレン(a−Se)等の半導体の他、CdTe、CdZnTe、CdZn1−xTe、例えば、Cd0.8Zn0.2Te、CdSe、HgI、PbI、PbO、TlBr(臭化タリウム)、GaAs、GaP、BiMO{ただし、Mは、Ge、Si、Ti中の少なくとも1種であり、xは10≦x≦14の条件を満たす数、yは上記M及びxにより定められる化学量論的な酸素原子数を表す。例として、Bi12MO20(但し、MはGe、Si、Ti中の少なくとも1種)}等の半導体を挙げることができる。
これらの直接型の光電変換素子では、公知のように、ガラス基板等上に形成された多数の画素電極と共通のバイアス電極との間に光電変換素子が挟持された構成とされ、各前記画素電極にTFTと、一端が接地された蓄積容量と、が接続される。前記共通のバイアス電極にバイアス線の一端が接続され、他端がカレントミラーからなる電流検出手段を通じて、高電圧のバイアス電源に接続される。このバイアス電源から前記カレントミラー及び前記バイアス線を通じて前記共通のバイアス電極に正の高電圧を順方向に、いわゆる順バイアス電圧として印加して、使用に供する。
このように、上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態もこの発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10、10A、10B…放射線画像撮影システム
16…放射線 20、20A、20B…電子カセッテ
24…システムコントローラ 48…光電変換素子
56…バイアス線 58…結線
62…電流検出手段
100、100a、100b、100c…カレントミラー回路
102…電流・電圧変換回路 104…入力側素子
106…出力側素子

Claims (13)

  1. 放射線の照射により電荷を発生させる複数の光電変換素子と、
    前記各光電変換素子にバイアス電圧を供給するバイアス線と、
    前記バイアス線を介して前記光電変換素子に前記バイアス電圧を印加する電源と、
    前記バイアス線を流れるバイアス電流を検出する電流検出手段と、
    信号線を通じて前記光電変換素子から前記電荷による電気信号を読み出す際に、前記放射線の照射時に前記電流検出手段で検出された電流値に基づいて、前記電気信号の読み出し時のゲインが設定される増幅回路を含む読出回路と、
    を備える放射線画像検出装置であって、
    前記電流検出手段は、前記光電変換素子に接続された前記バイアス線と前記電源との間に接続される入力側素子、及び、出力側素子から構成されたカレントミラー回路と、前記出力側素子の電流出力端に接続された電流・電圧変換回路とを備え
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  2. 複数の領域から構成され、照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の光電変換素子が二次元状に配列された検出部と、
    前記各光電変換素子にバイアス線を介してバイアス電圧を印加する電源と、
    前記領域毎に、前記バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記領域毎に、前記各光電変換素子内で発生し蓄積された電荷を読み出して電気信号に変換する読出回路と、
    前記電流検出手段により検出される前記バイアス線を流れる前記電流の増加に基づいて、前記放射線の照射の開始を前記領域毎に検出し、前記放射線の照射を検出した前記領域の前記電気信号のみを読み出すよう前記読出回路を制御する制御手段と、
    を備える放射線画像検出装置であって、
    前記電流検出手段は、前記光電変換素子に接続された前記バイアス線と前記電源との間に接続される入力側素子、及び、出力側素子から構成されたカレントミラー回路と、前記出力側素子の電流出力端に接続された電流・電圧変換回路とを備え
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  3. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記カレントミラー回路は、前記光電変換素子に接続され入力側電流が流れる前記入力側素子と、前記入力側素子に流れる電流をミラーして出力側電流を流す前記出力側素子とを備え、前記出力側素子が並列に接続されて多連型カレントミラー回路とされている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  4. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記カレントミラー回路は、前記光電変換素子に接続され入力側電流が流れる前記入力側素子としての入力側MOSFETと、前記入力側MOSFETに流れる電流をミラーして出力側電流を流す前記出力側素子としての出力側MOSFETとを備え、
    前記入力側MOSFETのチャネル幅/チャネル長の値よりも、前記出力側MOSFETのチャネル幅/チャネル長の値が大きく形成されている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  5. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記カレントミラー回路は、前記光電変換素子と同一基板上に配設されている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  6. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記カレントミラー回路は、集積回路として形成されている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  7. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において
    記カレントミラー回路と前記電流・電圧変換回路とは、一つの集積回路として形成されている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置において、
    前記電流・電圧変換回路は、オペアンプとこのオペアンプの入出力端に接続された抵抗器とを含む電流・電圧変換回路、又はオペアンプとこのオペアンプの入出力端に接続されたコンデンサとを含むチャージアンプとして構成されている
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  9. 請求項記載の放射線画像検出装置において、
    前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された前記バイアス線を流れる電流の増加及び減少に基づいて前記放射線の照射の開始及び/又は終了を検出する
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置と、
    前記電気信号の読み出し時に、前記放射線画像検出装置から出力されてきた前記各光電変換素子から読み出され増幅された各電気信号に基づいて放射線画像を形成する画像処理装置と、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  11. 請求項10記載の放射線画像撮影システムにおいて、
    前記放射線画像検出装置と前記画像処理装置とは無線接続により接続される
    ことを特徴とする放射線画像撮影システム。
  12. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記光電変換素子が形成される基板は、ガラス基板、又は、可撓性のある樹脂基板である
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
  13. 請求項1又は2記載の放射線画像検出装置において、
    前記カレントミラー回路は、カスコード型又はウイルソン型のカレントミラー回路である
    ことを特徴とする放射線画像検出装置。
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