JP5762889B2 - 不織布 - Google Patents

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本発明は不織布に関する。特には、セシウムを吸収するために使用する不織布に関する。より具体的には、土壌や河川に堆積又は溶出しているセシウムを吸収することのできる不織布であり、液体フィルタとして、水田や池などの水が溜まっている場所を覆うシートとして、土壌を覆うシートとして、土壌に埋設するシートとして、または土埃などの粉じん除去用気体フィルタとして使用することにより、セシウムを吸収することのできる不織布に関する。
紺青はセシウムを吸収する性能があり、また、放射性セシウムも吸収する性能があることが知られている。そのため、紺青を粉末状のまま、或いは水に分散させたサスペンジョンの状態で、所望箇所に散布することによって、セシウム又は放射性セシウムを吸収し、低減することが期待できる。しかしながら、紺青を粉末状又はサスペンジョンの状態で散布すると、セシウムを吸収した紺青を回収することが困難になり、場合によっては、セシウムを吸収した紺青が植物に吸収され、植物を汚染してしまうという懸念があった。
特開2004−269024号公報
そのため、紺青を不織布に担持させれば、セシウムを吸収した紺青を回収するのが容易ではないかと考えた。紺青の量が多ければ多いほど、紺青によるセシウム又は放射性セシウムの吸収作用に優れるため、好適であるように考えていたが、紺青による吸収作用は優れているものの、液体フィルタや不織布を土壌に埋設した場合に、不織布から紺青が溶出してしまい、紺青の回収という、本来の目的を達成できない場合があった。また、気体フィルタとして使用する場合でも、風雨にさらされたり、濃霧時の外気をろ過する際など、気体フィルタが濡れた状態になると、紺青を含んだ水が気体フィルタから垂れ落ちて、回収することが困難になる懸念があった。
なお、紺青によるセシウム又は放射性セシウムの吸収作用を狙ったものではないが、含浸剤が含浸処理された不織布と天然粘着剤を使用した保護シートであり、天然粘着剤が顔料を含有することができ、顔料として紺青を開示する保護シートが知られている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1は具体的にどの程度の量の紺青を含有するのか開示するものではないし、紺青の溶出の程度について、開示又は示唆するものではない。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、セシウムを吸収した紺青を、溶出させることなく回収することが容易な不織布を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「1mあたり1g以上の紺青がバインダによって接着固定された不織布であり、前記紺青の量が不織布の目付の10%以下、前記バインダ(固形分)と紺青との質量比率が70:30〜95:5、かつ水中への紺青の溶出率が5%以下であることを特徴とする、セシウムを吸収するために使用する不織布。」である。
本発明の請求項にかかる発明は、「不織布構成繊維が、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、モダアクリル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ノボロイド繊維の群から選ばれる、1種類以上の繊維からなることを特徴とする、請求項1に記載の不織布。」である。
本発明の請求項にかかる発明は、「バインダが、塩化ビニル成分及び/又は塩化ビニリデン成分を50mass%以上含むバインダからなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の不織布。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、1mあたり1g以上の紺青が接着固定されているため、セシウムの吸収性能に優れるものである。また、紺青がバインダによって接着固定されている結果として、水中への溶出率が5%以下と紺青がしっかりと固定されているため、セシウムを吸収した紺青を溶出させることなく、回収することが容易な不織布である。
本発明の請求項2にかかる発明は、紺青量が多く、しかもセシウムを吸収した紺青を溶出させることなく、回収することが容易であるため、セシウムを吸収するために好適に使用できる。
本発明の請求項3にかかる発明は、不織布構成繊維が、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、モダアクリル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ノボロイド繊維の群から選ばれる、1種類以上の繊維からなり、これら繊維は耐候性に優れているため、土壌、河川、水田、池などの屋外において使用しても、劣化することなく、長期間にわたって使用することができる。
本発明の請求項4にかかる発明は、塩化ビニル成分及び/又は塩化ビニリデン成分を50mass%以上含むバインダからなり、このバインダは耐候性に優れているため、土壌、河川、水田、池などの屋外において使用しても、劣化することなく、長期間にわたって使用することができる。
本発明の不織布はセシウムの吸収性に優れているように、1mあたり1g以上の紺青がバインダによって接着固定されている。
紺青は一般式MFe[Fe(CN)](M=NH、K、Fe)で表され、アンモニウム紺青が一般的で好ましい。この紺青はセシウムイオンとイオン交換するか、アンモニウム紺青結晶の空孔にセシウムイオンを吸着することによって、セシウムを吸収できることが知られている。
この紺青はセシウムの吸収性に優れているように、不織布1mあたり1g以上の量でバインダによって接着固定されている。紺青の量が多い方がセシウムの吸収量が多くなるため、不織布1mあたり3g以上であるのが好ましく、5g以上であるのがより好ましい。なお、紺青の量に上限はないが、紺青の量が不織布の目付の10%を超えると、バインダによって紺青を強固に接着固定することができず、水中への紺青の溶出量が多くなる傾向があるため、不織布の目付の10%以下であるのが好ましい。本発明における「不織布1mあたり」というのは、不織布の最も面積の広い面の1mあたり、という意味である。
本発明の不織布はこのような紺青が水中へ溶出しにくく、回収しやすいように、バインダによって接着固定したものであるが、本発明の不織布を、セシウムを吸収するために使用する場合、屋外で使用する場合が多いため、不織布構成繊維は屋外において劣化しにくい、合成繊維から構成されているのが好ましい。より具体的には、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、モダアクリル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、ノボロイド繊維などの合成繊維を例示できる。これらの中でも、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、モダアクリル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維及び/又はノボロイド繊維は、特に耐候性に優れているため、これら繊維を1種類以上含んでいるのが好ましい。
また、2種類以上の合成樹脂成分からなる複合型合成繊維であっても良い。複合型合成繊維の表面を構成する合成樹脂成分が低融点であれば、繊維形態を維持したまま、低融点合成樹脂成分によって融着することができる。この複合型合成繊維の断面形態としては、例えば、芯鞘型(偏芯型を含む)、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、多層積層型を挙げることができる。この複合型合成繊維であっても、耐候性に優れるように、前述のような合成繊維構成樹脂一種類以上から構成されているのが好ましい。
本発明の不織布を構成する繊維の繊度は特に限定するものではないが、適度な見掛密度を有し、通水性や土壌などの対象物との接触性に優れているように、1〜50dtexであるのが好ましく、1〜30dtexであるのがより好ましい。また、繊維長も特に限定するものではないが、1mm以上であるのが好ましく、不織布の製造方法によっては、連続繊維であることもできる。好ましくは、3〜100mmである。なお、繊度及び/又は繊維長の点で異なる繊維を2種類以上含んでいても良い。
本発明の不織布においては、紺青がバインダによって、接着固定された状態にあるが、本発明の不織布を、セシウムを吸収するために使用する場合、屋外で使用する場合が多いため、屋外において劣化しにくい、合成樹脂からなるバインダで接着固定されているのが好ましい。より具体的には、塩化ビニル成分、塩化ビニリデン成分、酢酸ビニル成分、エチレン成分、アクリル酸エステル成分、ウレタン成分などの合成樹脂成分を含むバインダを挙げることができる。これらの中でも、耐候性に優れ、屋外において劣化しにくい、塩化ビニル成分及び/又は塩化ビニリデン成分を含むバインダを好適に使用することができる。特に、塩化ビニル成分又は塩化ビニリデン成分を50mass%以上含むバインダ、或いは塩化ビニル成分と塩化ビニリデン成分とを合計で50mass%以上含むバインダを好適に使用することができる。なお、バインダの状態としては、例えば、エマルジョン、ラテックス、サスペンジョン、溶液などであることができ、特に限定するものではない。
なお、不織布からの紺青の溶出を効果的に抑えるために、架橋剤(例えば、メラミン系、オキサゾリン系、イソシアネート系等)をバインダに添加することができる。架橋剤以外にも、水との接触を良好にするため、界面活性剤を添加することもできる。更に、撥油剤、浸透剤、難燃剤等の機能性薬剤をバインダに添加することができる。
本発明の不織布はこのようなバインダによって紺青が接着固定されたものであるが、紺青によるセシウムの吸収作用を阻害せず、しかも紺青の水中への溶出量を少なくできるように、バインダ(固形分)と紺青との質量比率は50:50〜99:1であるのが好ましく、60:40〜97:3であるのがより好ましく、70:30〜95:5であるのが更に好ましい。
本発明の不織布はこのようなバインダによって紺青が接着固定されたものであるが、水中への紺青の溶出率が5%以下である。本発明の不織布を、セシウムを吸収するために屋外に設置した場合、雨等に晒されることになるが、紺青がセシウムを吸収したとしても、紺青自体が不織布から溶出してしまうと、紺青の回収が困難になるため、本発明においては、不織布における紺青の水中への溶出率が5%以下である。溶出率が低いほうが、紺青の回収性に優れているため、溶出率は3%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましく、0.8%以下であるのが更に好ましく、0.7%以下であるのが更に好ましく、0.6%以下であるのが更に好ましく、0.5%以下であるのが更に好ましい。
なお、本発明における「溶出率」は次の手順により得られる値である。
(1)不織布から5cm角の試験片(面積:0.0025m)を採取する。
(2)試験片を200mLの純水(温度:23℃)に浸漬し、1時間放置した後、試験片を純水から取り出す。
(3)試験片を取り出した純水の695nmにおける吸光度を、分光光度計(島津製作所製、UV−1650PC)を用いて測定し、純水中における紺青濃度(=C、単位:mg/L)を算出する。
(4)紺青濃度をもとに、次の式により紺青の純水への溶出量(=Em、単位:mg/m)を算出する。
Em=C/[(1000/200)×0.0025]=80C
(5)溶出量(Em)と1mあたりの紺青量(=M、単位:g)から、紺青の純水への溶出率(=Er、単位:%)を算出する。
Er=(Em/1000M)×100=Em/10M
本発明の不織布の目付は特に限定するものではないが、30〜3000g/mであるのが好ましく、50〜1000g/mであるのがより好ましい。目付が30g/m未満であると、不織布の強度が低くなり、取り扱い時に引っ張ったりして破断しやすくなる傾向があり、目付が3000g/mを超えると、重量が重たくなり、取り扱い性が低下し、また、厚みが厚くなりやすく、所望厚さにするのが困難になる傾向があるためである。なお、目付は不織布1mあたりの質量である。
また、不織布の厚さは1〜100mmであるのが好ましく、2〜50mmがより好ましい。厚さが1mm未満であると、見掛密度が高すぎる不織布となり、通水性や土壌との接触面積の低下が起こりやすくなる傾向があり、厚さが100mmを超えると密度が低くすぎる不織布となり、不織布の強度が低下したり、取り扱い性が低下する傾向があるためである。なお、厚さは0.5g/cm荷重下で測定した値である。
更に、不織布の見掛密度は0.005〜0.1g/cmであるのが好ましく、0.007〜0.07g/cmがより好ましい。見掛密度が0.005g/cm未満であると、不織布の強度が低下したり、取り扱い性が低下する傾向があり、見掛密度が0.1g/cmを超えると、通水性や土壌との接触面積の低下が起こりやすくなる傾向があるためである。
本発明の不織布は紺青量が多く、しかもセシウムを吸収した紺青を溶出させることなく、回収することが容易であるため、セシウムを吸収するために好適に使用できる。
本発明の不織布は、例えば、繊維ウエブを形成した後、繊維同士を結合して結合繊維ウエブを形成し、更に、結合繊維ウエブに対して、紺青をバインダで接着固定することによって製造することができる。
より具体的には、繊維ウエブは、例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、メルトブロー法、スパンボンド法などの直接法によって形成することができる。本発明の不織布をセシウムの吸収に使用する場合、不織布内部にも紺青が接着固定されていると、紺青量を多くすることができるため好ましいが、不織布内部にも紺青を接着固定させやすいように、比較的粗い構造の繊維ウエブを形成できる、乾式法によって繊維ウエブを形成するのが好ましい。なお、繊維ウエブは1層ではなく、繊維配合が同じ又は異なる繊維ウエブを2層以上積層した積層繊維ウエブとしても良い。更に、繊維配向は一方向であっても、多方向であっても、クリスクロスであっても、ランダムであっても良く、特に限定するものではない。
次いで、繊維ウエブの繊維同士を結合して結合繊維ウエブを形成するが、繊維同士の結合方法としては、例えば、ニードルや水流によって絡合させる方法、繊維ウエブに低融点の熱融着繊維を含ませておき、この熱融着繊維を融着させる方法、バインダによって接着する方法、或いはこれらを併用する方法を挙げることができる。
なお、熱融着繊維を融着させる場合、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法、などを挙げることができるが、比較的粗い構造の結合繊維ウエブを形成できる、熱風乾燥機により加熱するのが好ましい。
また、バインダによって接着する場合、バインダとして、紺青を接着固定するためのバインダと同様のバインダを使用することができ、耐候性に優れている、塩化ビニル成分又は塩化ビニリデン成分を50mass%以上含むバインダ、或いは塩化ビニル成分と塩化ビニリデン成分とを合計で50mass%以上含むバインダを好適に使用することができる。なお、バインダの状態としては、例えば、エマルジョン、ラテックス、サスペンジョン、溶液などであることができ、特に限定するものではない。また、紺青を接着固定するためのバインダを、繊維同士を接着して結合繊維ウエブとするためのバインダとして作用させることもできる。なお、バインダを繊維ウエブに対して付与する方法としては、例えば、繊維ウエブをバインダ浴中に浸漬する方法、繊維ウエブにバインダを塗布する方法、繊維ウエブにバインダを散布する方法、により繊維ウエブにバインダを付与した後、乾燥する方法を挙げることができる。
そして、バインダで結合繊維ウエブに紺青を接着固定して本発明の不織布を製造することができるが、接着固定方法としては、例えば、結合繊維ウエブをバインダ浴中に浸漬する方法、結合繊維ウエブにバインダを塗布する方法、結合繊維ウエブにバインダを散布する方法、により結合繊維ウエブにバインダを付与した後、乾燥する方法を挙げることができる。これらの中でも、結合繊維ウエブの内部においても紺青を接着固定できるように、結合繊維ウエブをバインダ浴中に浸漬する方法により紺青含有バインダを付与するのが好ましい。なお、乾燥する方法は特に限定するものではないが、結合繊維ウエブが比較的粗い構造を有する場合には、その構造を維持できるように、熱風乾燥機により乾燥するのが好ましい。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(繊維ウエブA)
モダアクリル繊維[プロテックス(登録商標)、(株)カネカ、繊度:7.8dtex、繊維長:64mm]50mass%と、ポリエステル繊維(ユニチカエステル H−38F、繊度:14dtex、繊維長:51mm)50mass%とを混合し、カード機により開繊して、一層構造のクロスレイ繊維ウエブA(目付:70g/m)を形成した。
(繊維ウエブB)
目付を230g/mとしたこと以外は繊維ウエブAと同様にして、クロスレイ繊維ウエブB(目付:230g/m)を形成した。
(繊維ウエブ結合用バインダ)
次の固形分質量比率で混合して、繊維ウエブ結合用バインダを調製した。
(1)ポリ塩化ビニルエマルジョンバインダ(CBC社、VYCAR351、固形分:57%、塩化ビニル成分:100mass%):65mass%
(2)塩化ビニル−エチレン系多元共重合体エマルジョンバインダ[スミカフレックス850HQ(登録商標)、住友化学製、固形分:50%、塩化ビニル成分:60mass%]:35mass%
(紺青含有バインダ)
紺青含有バインダa〜hを表1に示す質量割合で配合して調合した。
Figure 0005762889
(1)ポリ塩化ビニルエマルジョンバインダ(CBC社、VYCAR351、固形分:57%、塩化ビニル成分:100mass%)
(2)塩化ビニル−エチレン系多元共重合体エマルジョンバインダ住友化学製、[スミカフレックス850HQ(登録商標)固形分:50%、塩化ビニル成分:60mass%]
(3)紺青粉末(大日精化製、ベレンスブルー)
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表2に示す繊維ウエブA又は繊維ウエブBを形成し、繊維ウエブ結合用バインダをスプレーにより繊維ウエブA又は繊維ウエブBに、表2で示す量だけ付与した後、150℃の熱風乾燥機により乾燥し、繊維同士を結合して結合繊維ウエブを形成した。
その後、表2に示す紺青含有バインダa〜hからなる浴中に、結合繊維ウエブを浸漬し、引き上げ、余剰の紺青含有バインダa〜hを除去した後、150℃の熱風乾燥機により乾燥し、紺青を結合繊維ウエブに接着固定して、不織布を作製した。














Figure 0005762889
(溶出率の測定)
実施例1〜5及び比較例1〜3の不織布の、水中への紺青の溶出率を前述の方法により算出した。なお、分光光度計の定量下限は0.50mg/Lで、定量上限は20mg/Lであった。この結果は表3に示す通りであった。なお、比較例2においては紺青溶出率が8%未満、実施例4においては4%未満と比較的高い値となったが、これは分光光度計の定量下限が0.50mg/Lであったこと、及び比較例2及び実施例4における紺青量が少なかったことに起因して、計算上、高い値になったと考えられ、実際には、実施例1(<0.67)の溶出率よりも低いと考えられた。
Figure 0005762889
(セシウム吸収性の評価)
同じ目付である実施例1、4、5及び比較例2、3の不織布を2×5cmの長方形に切断して試験片を調製した後、濃度100μg/L(=0.1ppm)のセシウム溶液(100mL)中に試験片を浸漬し、1分後、5分後、10分後、30分後、60分後、3時間後、及び10日後における、セシウム濃度をそれぞれ測定した。なお、比較例1の不織布は同じ目付であるが、溶出が著しかったため、評価しなかった。また、セシウム濃度の測定は、原子吸光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック製 SOLAAR M6 Kk−2、光の波長:852.1nm)を用いて測定した。
この各経過時間後のセシウム濃度(Ca)と初期のセシウム濃度(Ci)から、次の式によりセシウム吸収率(Ar)を算出した。これらの結果は表4に示す通りであった。
Ar=[(Ci−Ca)/Ci]×100
Figure 0005762889
表3及び表4の結果から、本発明の不織布は紺青を溶出させることなく、紺青を回収することが容易であり、しかもセシウムの吸収性にも優れる不織布であることがわかった。したがって、本発明の不織布はセシウムを吸収する用途に好適に使用できるものであった。
本発明の不織布は液体フィルタ又は気体フィルタの濾過材、水田や池などの水が溜まっている場所を覆うシート、土壌を覆うシート、土壌に埋設するシートとして、または土埃などの粉じん除去用気体フィルタとして使用することにより、セシウムを吸収し、除去することができる。

Claims (3)

  1. 1mあたり1g以上の紺青がバインダによって接着固定された不織布であり、前記紺青の量が不織布の目付の10%以下、前記バインダ(固形分)と紺青との質量比率が70:30〜95:5、かつ水中への紺青の溶出率が5%以下であることを特徴とする、セシウムを吸収するために使用する不織布。
  2. 不織布構成繊維が、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、モダアクリル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ノボロイド繊維の群から選ばれる、1種類以上の繊維からなることを特徴とする、請求項1に記載の不織布。
  3. バインダが、塩化ビニル成分及び/又は塩化ビニリデン成分を50mass%以上含むバインダからなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の不織布。
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